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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20240902BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024091002
(22)【出願日】2024-06-04
【審査請求日】2024-06-04
(31)【優先権主張番号】202410172431.X
(32)【優先日】2024-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520128543
【氏名又は名称】エーエーシー オプティクス (チャンジョウ)カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】楊 柯
(72)【発明者】
【氏名】周 順達
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-096283(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116184619(CN,A)
【文献】特開2023-120128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
物体側から結像側に向かって順に配列された負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ及び正の屈折力を有する第7レンズから構成され、
前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、
前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、
前記第3レンズと前記第4レンズとの光軸上の距離は、d6であり、
前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、
前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径は、R7であり、
前記第4レンズの結像側面の中心曲率半径は、R8であり、
-6.50≦f5/f6≦-2.30
0.035≦d6/TTL≦0.055
-3.50≦R7/R8≦-1.80
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする撮像光学レンズ。
【請求項2】
前記第7レンズから結像面までの距離は、BFLであり、
0.15≦BFL/(TTL-BFL)≦0.25
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項3】
前記第7レンズの焦点距離は、f7であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
1.50≦f7/f≦2.50
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項4】
前記第5レンズのアッベ数は、v5であり、
前記第6レンズのアッベ数は、v6であり、
35.00≦v5-v6≦70.00
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項5】
前記第1レンズの屈折率は、n1であり、
1.70≦n1≦2.20
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項6】
前記第1レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第1レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第1レンズの焦点距離は、f1であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第1レンズの物体側面の中心曲率は、R1であり、
前記第1レンズの結像側面の中心曲率は、R2であり、
前記第1レンズの光軸上の厚みは、d1であり、
-6.18≦f1/f≦-1.84
0.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦2.99
0.02≦d1/TTL≦0.11
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項7】
前記第2レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第2レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第2レンズの焦点距離は、f2であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第2レンズの物体側面の中心曲率は、R3であり、
前記第2レンズの結像側面の中心曲率は、R4であり、
前記第2レンズの光軸上の厚みは、d3であり、
-6.67≦f2/f≦-1.98
0.53≦(R3+R4)/(R3-R4)≦1.90
0.003≦d3/TTL≦0.06
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項8】
前記第3レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第3レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第3レンズの焦点距離は、f3であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第3レンズの物体側面の中心曲率は、R5であり、
前記第3レンズの結像側面の中心曲率は、R6であり、
前記第3レンズの光軸上の厚みは、d5であり、
2.66≦f3/f≦8.82
1.05≦(R5+R6)/(R5-R6)≦3.65
0.09≦d5/TTL≦0.31
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項9】
前記第4レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第4レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第4レンズの光軸上の厚みは、d7であり、
1.38≦f4/f≦4.36
0.03≦d7/TTL≦0.14
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項10】
前記第5レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第5レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第5レンズの物体側面の中心曲率は、R9であり、
前記第5レンズの結像側面の中心曲率は、R10であり、
前記第5レンズの光軸上の厚みは、d9であり、
1.87≦f5/f≦17.58
-0.25≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.43
0.04≦d9/TTL≦0.15
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項11】
前記第6レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第6レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、
前記第6レンズの物体側面の中心曲率は、R11であり、
前記第6レンズの結像側面の中心曲率は、R12であり、
前記第6レンズの光軸上の厚みは、d11であり、
-3.61≦f6/f≦-0.99
0.18≦(R11+R12)/(R11-R12)≦1.24
0.02≦d11/TTL≦0.06
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項12】
前記第7レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第7レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第7レンズの物体側面の中心曲率は、R13であり、
前記第7レンズの結像側面の中心曲率は、R14であり、
前記第7レンズの光軸上の厚みは、d13であり、
-0.98≦(R13+R14)/(R13-R14)≦-0.26
0.04≦d13/TTL≦0.21
上記の関係式を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【請求項13】
前記第1レンズは、ガラス材質であり、前記第4レンズは、ガラス材質である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に、スマートフォンやデジタルカメラなどのモバイル端末機器や、監視カメラ、PCカメラ、車載レンズなどの撮像装置に適用可能な撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なスマートデバイスの台頭により、小型撮像光学レンズの需要が増加している。感光素子の画素サイズが小さくなり、現在の電子製品は、機能に優れ、薄く、軽量で持ち運びしやすくなる傾向にあるため、市場では良好な撮像画質を持つ小型化撮像光学レンズが主流となっている。より良い撮像画質を得るために、マルチレンズ構造が多く採用される。また、技術の発展と多様化ユーザーニーズの増加と伴い、感光素子の画素面積が縮小しており、システムの撮像品質に対する要求も高まり続けているため、レンズ設計において、7枚式レンズ構造が次第に現れてきた。光学性能に優れ、体積が小さく、かつ、収差が十分に補正された広角撮像レンズが求められている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上記問題に鑑み、光学性能に優れ、大口径、超薄型化、広角化の設計要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供することを目的とする。
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明の態様によれば、撮像光学レンズであって、物体側から結像側に向かって順に配列された負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ及び正の屈折力を有する第7レンズから構成され、前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、前記第3レンズと前記第4レンズとの光軸上の距離は、d6であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径は、R7であり、前記第4レンズの結像側面の中心曲率半径は、R8であり、-6.50≦f5/f6≦-2.30、0.035≦d6/TTL≦0.055、-3.50≦R7/R8≦-1.80上記の関係式を満たす撮像光学レンズが提供される。
【0005】
好ましくは、前記第7レンズから結像面までの距離は、BFLであり、以下の関係式を満たし、0.15≦BFL/(TTL-BFL)≦0.25。
【0006】
好ましくは、前記第7レンズの焦点距離は、f7であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、以下の関係式を満たし、1.50≦f7/f≦2.50。
【0007】
好ましくは、前記第5レンズのアッベ数は、v5であり、前記第6レンズのアッベ数は、v6であり、以下の関係式を満たし、35.00≦v5-v6≦70.00。
【0008】
好ましくは、前記第1レンズの屈折率は、n1であり、以下の関係式を満たし、1.70≦n1≦2.20。
【0009】
好ましくは、前記第1レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第1レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第1レンズの焦点距離は、f1であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第1レンズの物体側面の中心曲率は、R1であり、前記第1レンズの結像側面の中心曲率は、R2であり、前記第1レンズの光軸上の厚みは、d1であり、以下の関係式を満たし、-6.18≦f1/f≦-1.84、0.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦2.99、0.02≦d1/TTL≦0.11・
【0010】
好ましくは、前記第2レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第2レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第2レンズの焦点距離は、f2であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第2レンズの物体側面の中心曲率は、R3であり、前記第2レンズの結像側面の中心曲率は、R4であり、前記第2レンズの光軸上の厚みは、d3であり、以下の関係式を満たし、-6.67≦f2/f≦-1.98、0.53≦(R3+R4)/(R3-R4)≦1.90、0.003≦d3/TTL≦0.06。
【0011】
好ましくは、前記第3レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第3レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第3レンズの焦点距離は、f3であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第3レンズの物体側面の中心曲率は、R5であり、前記第3レンズの結像側面の中心曲率は、R6であり、前記第3レンズの光軸上の厚みは、d5であり、以下の関係式を満たし、2.66≦f3/f≦8.82、1.05≦(R5+R6)/(R5-R6)≦3.65、0.09≦d5/TTL≦0.31。
【0012】
好ましくは、前記第4レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第4レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第4レンズの光軸上の厚みは、d7であり、以下の関係式を満たし、1.38≦f4/f≦4.36、0.03≦d7/TTL≦0.14。
【0013】
好ましくは、前記第5レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第5レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第5レンズの物体側面の中心曲率は、R9であり、前記第5レンズの結像側面の中心曲率は、R10であり、前記第5レンズの光軸上の厚みは、d9であり、以下の関係式を満たし、1.87≦f5/f≦17.58、-0.25≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.43、0.04≦d9/TTL≦0.15。
【0014】
好ましくは、前記第6レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第6レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第6レンズの物体側面の中心曲率は、R11であり、前記第6レンズの結像側面の中心曲率は、R12であり、前記第6レンズの光軸上の厚みは、d11であり、以下の関係式を満たし、-3.61≦f6/f≦-0.99、0.18≦(R11+R12)/(R11-R12)≦1.24、0.02≦d11/TTL≦0.06。
【0015】
好ましくは、前記第7レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第7レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第7レンズの物体側面の中心曲率は、R13であり、前記第7レンズの結像側面の中心曲率は、R14であり、前記第7レンズの光軸上の厚みは、d13であり、以下の関係式を満たし、-0.98≦(R13+R14)/(R13-R14)≦-0.26、0.04≦d13/TTL≦0.21。
【0016】
好ましくは、前記第1レンズは、ガラス材質であり、前記第4レンズは、ガラス材質である。
【0017】
本発明によれば、下記の効果が得られる。すなわち、本発明に係る撮像光学レンズによれば、優れた光学特性を有し、かつ、大口径、広角化、超薄型化の特性を有し、特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像素子により構成される携帯撮像レンズアセンブリ、WEB撮像レンズ及び車載レンズに適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に用いられる図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本発明実施形態一部に係るものに過ぎず、当業者にとっては、これらの図面に基づいて、創作的な労力を要せず、他の図面を得ることもできる。
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図2図1に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図3図1に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図4図1に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図6図5に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図7図5に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図8図5に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図10図9に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図11図9に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図12図9に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図14図13に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図15図13に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図16図13に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図17】本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図18図17に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図19図17に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図20図17に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図21】比較実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
図22図21に示す撮像光学レンズの光軸上色収差の概略図である。
図23図21に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
図24図21に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、本発明の各実施形態を図面と併せて以下に詳細に説明する。しかしながら、当業者は、本発明の各実施形態において、読者が本発明をよりよく理解できるようにするために、多くの技術的詳細が提示されることを理解できる。ただし、これらの技術的詳細や、以下の各実施形態に基づく種々の変更・修正を行わなくても、本発明の保護のために請求される技術的解決手段を実現することができる。
【0021】
図1から図20を参照して、本発明によれば、撮像光学レンズ10,20,30,40,50が提供される。図1,5,9,13,17は、本発明に係る撮像光学レンズ10,20,30,40,50を示す。当該撮像光学レンズ10,20,30,40,50は、全部で7つのレンズを含む。具体的には、撮像光学レンズ10,20,30,40,50は、物体側から結像側に向かって順に配列された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りS1、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7である。第7レンズL7と結像面Siとの間には、光学フィルタ(filter)GFなどの光学素子が設けられてもよい。なお、絞りS1は、第4レンズL4と第5レンズL5との間に設けられてもよい。
【0022】
本実施形態において、第1レンズL1は、ガラス材質であり、第2レンズL2は、樹脂材質であり、第3レンズL3は、樹脂材質であり、第4レンズL4は、ガラス材質であり、第5レンズL5は、樹脂材質であり、第6レンズL6は、樹脂材質であり、第7レンズL7は、樹脂材質である。各レンズは、他の材質から構成されてもよい。
【0023】
第1レンズL1、第4レンズL4の物体側面及び結像側面は、いずれも球面であり、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、第6レンズL6及び第7レンズL7の物体側面及び結像側面は、非球面である。
【0024】
第5レンズL5の焦点距離をf5とし、第6レンズL6の焦点距離をf6とし、-6.50≦f5/f6≦-2.30という関係式を満たす。このように、上記関係式が満たされるように互いに貼り付けて接合された第5レンズL5及び第6レンズL6の焦点距離比例値を特定することにより、システムの像面湾曲量のバランスを効果的に取ることができるため、中心視野の像面湾曲のシフト量を0.02mmよりも小さくすることができる。ここでは、システムは、撮像光学レンズである。
【0025】
第3レンズL3と第4レンズL4との光軸上の距離をd6とし、撮像光学レンズの光学全長をTTLとし、0.035≦d6/TTL≦0.055という関係式を満たす。このように、上記関係式が満たされるように第3レンズL3と第4レンズL4との光軸上の距離と光学全長との比例値を特定することにより、第3レンズL3と第4レンズL4とが絞りS1の付近に位置する場合に、絞りS1付近の光線が平穏に遷移することができるため、結像質量を向上させることができる。
【0026】
第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR7とし、第4レンズL4の結像側面の中心曲率半径をR8とし、-3.50≦R7/R8≦-1.80という関係式を満たす。このように、上記関係式が満たされるように第4レンズL4の形状を特定することにより、光線が平穏に遷移することができるため、結像質量を向上させることができる。
【0027】
以上の複数の関係式を満たす場合に、撮像光学レンズ10,20,30,40,50は、優れた光学性能を有するとともに、大口径、広画角、超薄型化の設計要求を満たすことができる。このような撮像光学レンズ10,20,30,40,50の特性によれば、特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像素子により構成される携帯撮像レンズアセンブリ、WEB撮像レンズ及び車載レンズに適応することができる。
【0028】
以上の関係式及び実現可能な機能に基づいて、各レンズの特徴については詳細に説明する。
【0029】
第7レンズL7から結像面Siまでの距離をBFLとし、撮像光学レンズの光学全長をTTLとし、0.15≦BFL/(TTL-BFL)≦0.25という関係式を満たす。バックフォーカスと光学全長との関係を特定することにより、撮像光学レンズの小型化が図られた場合に、バックフォーカスが長くなると、モジュールの組み付けを行いやすくなり、一方、レンズ群(TTL-BFL)が短くなると、構造がコンパクト化になり、レンズのMTFへの敏感度を低下させ、歩留まりを向上させるとともにコストダウンを図ることができる。
【0030】
第7レンズL7の焦点距離をf7とし、撮像光学レンズの焦点距離をfとし、1.50≦f7/f≦2.50という関係式を満たすことにより、第7レンズL7の焦点距離と撮像光学レンズの全体の焦点距離との比例値を特定している。集光がサポートされるようにシステムのパワーを合理的に分配することにより、光通過量を保証することができる。
【0031】
第5レンズL5のアッベ数をv5とし、第6レンズL6のアッベ数をv6とし、35.00≦v5-v6≦70.00という関係式を満たす。このように、上記関係式が満たされるように貼り付けられた二つのレンズのアッベ数の差を特定することにより、材料属性を効果的に分配することができるため、色収差|LC|≦7.0μmという関係式が満たされるように色収差を効果的に補正することできる。
【0032】
前記第1レンズL1の屈折率をn1とし、1.70≦n1≦2.20という関係式を満たす。このように、高屈折率材料を第1レンズL1に優先的に用いることで、前端口径の減少及び結像質量の向上を図ることができる。
【0033】
第1レンズL1の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第1レンズL1の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第1レンズL1は、負の屈折力を有する。第1レンズL1の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0034】
撮像光学レンズの焦点距離をfとし、第1レンズL1の焦点距離をf1とし、-6.18≦f1/f≦-1.84という関係式を満たす。このように、上記関係式が満たされるように第レンズL1の焦点距離と撮像光学レンズの焦点距離の比例値を特定することにより、システムの像面湾曲量のバランスを効果的に補正することができる。そして、-3.86≦f1/f≦-2.30を満たすことが好ましい。
【0035】
第1レンズL1の物体側面の中心曲率をR1とし、第1レンズL1の結像側面の中心曲率をR2とし、0.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦2.99という関係式を満たす。このように、第1レンズL1の形状を合理的に特定することで、第1レンズL1は、システムの球面収差を効果的に補正することができる。そして、1.32≦(R1+R2)/(R1-R2)≦2.39を満たすことが好ましい。
【0036】
前記第1レンズL1の光軸上の厚みは、d1であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.02≦d1/TTL≦0.11という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.03≦d1/TTL≦0.09を満たすことが好ましい。
【0037】
第2レンズL2の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第2レンズL2の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第2レンズL2は、負の屈折力を有する。第2レンズL2の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0038】
撮像光学レンズの焦点距離をfとし、第2レンズL2の焦点距離をf2とし、-6.67≦f2/f≦-1.98という関係式を満たし、第2レンズL2の負パワーを合理的な範囲に制御することにより、システムの収差を補正することができる。そして、-4.17≦f2/f≦-2.48を満たすことが好ましい。
【0039】
第2レンズL2の物体側面の中心曲率をR3とし、第2レンズL2の結像側面の中心曲率をR4とし、0.53≦(R3+R4)/(R3-R4)≦1.90という関係式を満たす。このように、第2レンズL2の形状を合理的に特定することで、第2レンズL2は、システムの球面収差を効率的に補正することができる。そして、0.85≦(R3+R4)/(R3-R4)≦1.52を満たすことが好ましい。
【0040】
第2レンズL2の光軸上の厚みは、d3であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.003≦d3/TTL≦0.06という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.005≦d3/TTL≦0.05を満たすことが好ましい。
【0041】
第3レンズL3の物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第3レンズL3の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第3レンズL3は、正の屈折力を有する。第3レンズL3の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0042】
撮像光学レンズの焦点距離をfとし、第3レンズL3の焦点距離をf3とし、2.66≦f3/f≦8.82という関係式を満たし、第3レンズL3のパワーを合理的に分配することにより、システムは、優れた結像品質及び低い敏感性を有することができる。そして、4.25≦f3/f≦7.06を満たすことが好ましい。
【0043】
第3レンズL3の物体側面の中心曲率をR5とし、第3レンズL3の結像側面の中心曲率をR6とし、1.05≦(R5+R6)/(R5-R6)≦3.65という関係式を満たすことにより、上記関係式が満たされるように第3レンズL3の形状を特定することで、撮像光学レンズの超薄型広画角化につれて光軸上色収差を補正することができる。そして、1.69≦(R5+R6)/(R5-R6)≦2.92を満たすことが好ましい。
【0044】
第3レンズL3の光軸上の厚みは、d5であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.09≦d5/TTL≦0.31という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.15≦d5/TTL≦0.24を満たすことが好ましい。
【0045】
第4レンズL4の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第4レンズL4の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第4レンズL4は、正の屈折力を有する。第4レンズL4の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0046】
撮像光学レンズの焦点距離をfとし、第4レンズL4の焦点距離をf4とし、1.38≦f4/f≦4.36という関係式を満たし、第4レンズL4のパワーを合理的に分配することにより、システムは、優れた結像品質及び低い敏感性を有することができる。そして、2.21≦f4/f≦3.49を満たすことが好ましい。
【0047】
前記第4レンズL4の光軸上の厚みは、d7であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.03≦d7/TTL≦0.14という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.05≦d7/TTL≦0.11を満たすことが好ましい。
【0048】
第5レンズL5の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第5レンズL5の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第5レンズL5は、正の屈折力を有する。第5レンズL5の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0049】
撮像光学レンズの焦点距離をfとし、第5レンズL5の焦点距離をf5とし、1.87≦f5/f≦17.58という関係式を満たし、第5レンズL5は、撮像光学レンズの光線角を効果的に緩めることができるため、公差敏感度を小さくすることができる。そして、2.99≦f5/f≦14.07を満たすことが好ましい。
【0050】
第5レンズL5の物体側面の中心曲率をR9とし、第5レンズL5の結像側面の中心曲率をR10とし、-0.25≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.43という関係式を満たすことにより、第5レンズL5の形状を特定することができる。上記関係式が満たされる場合に、像面湾曲及び歪曲収差を補正することができる。そして、-0.15≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.34を満たすことが好ましい。
【0051】
前記第5レンズL5の光軸上の厚みは、d9であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.04≦d9/TTL≦0.15という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.07≦d9/TTL≦0.12を満たすことが好ましい。
【0052】
第6レンズL6の物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第6レンズL6の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第6レンズL6は、負の屈折力を有する。第6レンズL6の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0053】
撮像光学レンズL6の焦点距離をfとし、第6レンズL6の焦点距離をf6とし、-3.61≦f6/f≦-0.99という関係式を満たし、第6レンズL6のパワーを合理的に分配することにより、システムは、優れた結像品質及び低い敏感性を有することができる。そして、-2.26≦f6/f≦-1.24を満たすことが好ましい。
【0054】
第6レンズL6の物体側面の中心曲率をR11とし、第6レンズL6の結像側面の中心曲率をR12とし、0.18≦(R11+R12)/(R11-R12)≦1.24という関係式を満たすことにより、第6レンズL6の形状を特定することができる。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型広画角化につれて光軸外画角の色収差などを効果的に補正することができる。そして、0.28≦(R11+R12)/(R11-R12)≦1.00を満たすことが好ましい。
【0055】
前記第6レンズL6の光軸上の厚みは、d11であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.02≦d11/TTL≦0.06という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.04≦d11/TTL≦0.07を満たすことが好ましい。
【0056】
第7レンズL7の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第7レンズL7の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第7レンズL7は、正の屈折力を有する。第7レンズL7の物体側面及び結像側面は、その他の凹、凸分布に設けられてもよい。
【0057】
第7レンズL7の物体側面の中心曲率をR13とし、第7レンズL7の結像側面の中心曲率をR14とし、-0.98≦(R13+R14)/(R13-R14)≦-0.26という関係式を満たすことにより、第7レンズL7の形状を特定することができる。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型広画角化につれて光軸外画角の色収差などを効果的に補正することができる。そして、-0.61≦(R13+R14)/(R13-R14)≦-0.32を満たすことが好ましい。
【0058】
前記第7レンズL7の光軸上の厚みは、d13であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、0.04≦d13/TTL≦0.21という関係式を満たす。上記関係式が満たされる場合に、撮像光学レンズの超薄型化を図ることができる。そして、0.06≦d13/TTL≦0.17を満たすことが好ましい。
【0059】
撮像光学レンズの像高は、IHであり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、TTL/IH≦6.68という関係式を満たすことにより撮像光学レンズの、超薄型化を図ることができる。そして、TTL/IH≦6.49を満たすことが好ましい。
【0060】
撮像光学レンズの画角FOVは、176.40°以上であるため、撮像光学レンズの広画角化を実現することができる。そして、撮像光学レンズの画角FOVが180.00°以上であることが好ましい。
【0061】
撮像光学レンズの絞り値FNO(Fナンバー)は、1.95以下であるため、撮像光学レンズの大口径を実現することができ、撮像光学レンズの結像性能を向上させることができる。撮像光学レンズの絞り値FNOが1.90以下であることが好ましい。
【0062】
以下、実施例を用いながら本発明に係る撮像光学レンズについて説明する。各実施例に記載された符号は、以下の通りである。焦点距離、光軸上距離、中心曲率半径、光軸上厚みの単位は、mmである。
【0063】
TTLは、光学全長(第1レンズL1の物体側面から結像面Siまでの光軸上距離)であり、単位がmmである。
【0064】
絞り値FNOとは、撮像光学レンズの有効焦点距離と有効口径との比を指す。
【0065】
好ましくは、前記レンズの物体側面及び/又は結像側面には、高品質の結像需要を満たすために、湾曲点及び/又は停留点がさらに設けられてもよく、具体的な実施形態を以下に説明する。
【0066】
以下、五つの実施形態を用いながら本発明を詳細に説明するとともに、一つの比較実施形態を揚げながら、上述した関係式を満たさない場合に本発明に係る技術効果を得られないことを説明する。
【0067】
(第1実施形態)
表1及び表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の設計データを示す。
【0068】
【表1】
【0069】
各符号の意味は、以下の通りである。
S1:絞り
R:光学面中心箇所の曲率半径
R1:第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径
R2:第1レンズL1の結像側面の中心曲率半径
R3:第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径
R4:第2レンズL2の結像側面の中心曲率半径
R5:第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径
R6:第3レンズL3の結像側面の中心曲率半径
R7:第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径
R8:第4レンズL4の結像側面の中心曲率半径
R9:第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径
R10:第5レンズL5の結像側面の中心曲率半径
R11:第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径
R12:第6レンズL6の結像側面の中心曲率半径
R13:第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径
R14:第7レンズL7の結像側面の中心曲率半径
R15:光学フィルタGFの物体側面の中心曲率半径
R16:光学フィルタGFの結像側面の中心曲率半径
d:レンズの光軸上厚み、レンズ間の光軸上距離
d0:絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの光軸上距離
d1:第1レンズL1の光軸上厚み
d2:第1レンズL1の結像側面から第2レンズL2の物体側面までの光軸上距離
d3:第2レンズL2の光軸上厚み
d4:第2レンズL2の結像側面から第3レンズL3の物体側面までの光軸上距離
d5:第3レンズL3の光軸上厚み
d6:第3レンズL3の結像側面から第4レンズL4の物体側面までの光軸上距離
d7:第4レンズL4の光軸上厚み
d8:第4レンズL4の結像側面から第5レンズL5の物体側面までの光軸上距離
d9:第5レンズL5の光軸上厚み
d10:第5レンズL5の結像側面から第6レンズL6の物体側面までの光軸上距離
d11:第6レンズL6の光軸上厚み
d12:第6レンズL6の結像側面から第7レンズL7の物体側面までの光軸上距離
d13:第7レンズL7の光軸上厚み
d14:第7レンズL7の結像側面から光学フィルタGFの物体側面までの光軸上距離
d15:光学フィルタGFの光軸上厚み
d16:光学フィルタGFの結像側面から結像面Siまでの光軸上距離
nd:d線の屈折率(d線は波長550nmの緑色光である)。
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率
ndg:光学フィルタGFのd線の屈折率
vd:アッベ数
v1:第1レンズL1のアッベ数
v2:第2レンズL2のアッベ数
v3:第3レンズL3のアッベ数
v4:第4レンズL4のアッベ数
v5:第5レンズL5のアッベ数
v6:第6レンズL6のアッベ数
v7:第7レンズL7のアッベ数
vg:光学フィルタGFのアッベ数
【0070】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの非球面データを示す。
【0071】
【表2】
【0072】
便宜上、各レンズ面の非球面は、以下の式(1)に示すように非球面としている。ただし、本発明は、当該式(1)で表される非球面多項式の形態に限定されるものではない。
z=(cr)/{1+[1-(k+1)(c)]1/2}+A4r+A6r+A8r+A10r10+A12r12+A14r14+A16r16+A18r18+A20r20 (1)
【0073】
ここで、kは、円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は、非球面係数であり、cは、光学面中心箇所の曲率であり、rは、非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、zは、非球面深さ(光軸からの距離がrである非球面上の点と、非球面光軸上の頂点と接する接平面との間の垂直距離)である。
【0074】
図2及び図3は、それぞれ、第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図4は、第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図4の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0075】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.320mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.00°である。前記撮像光学レンズ10は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たし、その光軸上、光軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0076】
(第2実施形態)
第2実施形態の符号の意味は、第1実施形態と同じである。
【0077】
図5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を示す。
【0078】
表3及び表4は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設計データを示す。
【0079】
【表3】
【0080】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの非球面データを示す。
【0081】
【表4】
【0082】
図6及び図7は、それぞれ、第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図8は、第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図8の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0083】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ20の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.410mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.07°である。前記撮像光学レンズ20は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たし、その光軸上、光軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0084】
(第3実施形態)
第3実施形態の符号の意味は、第1実施形態と同じである。
【0085】
図9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を示す。
【0086】
表5及び表6は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設計データを示す。
【0087】
【表5】
【0088】
表6は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの非球面データを示す。
【0089】
【表6】
【0090】
図10及び図11は、それぞれ、第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図12は、第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図12の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0091】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ30の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.512mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.00°である。前記撮像光学レンズ30は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たし、その光軸上、光軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0092】
(第4実施形態)
第4実施形態の符号の意味は、第1実施形態と同じである。
【0093】
図13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を示す。
【0094】
表7及び表8は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設計データを示す。
【0095】
【表7】
【0096】
表8は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの非球面データを示す。
【0097】
【表8】
【0098】
図14及び図15は、それぞれ、第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図16は、第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図16の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0099】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ40の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.349mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.00°である。前記撮像光学レンズ40は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たし、その光軸上、光軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0100】
(第5実施形態)
第5実施形態の符号の意味は、第1実施形態と同じである。
【0101】
図17は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を示す。
【0102】
表9及び表10は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の設計データを示す。
【0103】
【表9】
【0104】
表10は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの非球面データを示す。
【0105】
【表10】
【0106】
図18及び図19は、それぞれ、第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図20は、第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図20の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0107】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ50の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.363mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.00°である。前記撮像光学レンズ50は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たし、その光軸上、光軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0108】
後述する表13は、第1、2、3、4、5実施形態に係る各種の数値及び条件式で特定されたパラメータに対応する値を示している。
【0109】
(比較実施形態)
比較実施形態の符号の意味は、第1実施形態と同じである。
【0110】
図21は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を示す。
【0111】
表11及び表12は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60の設計データを示す。
【0112】
【表11】
【0113】
表12は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60における各レンズの非球面データを示す。
【0114】
【表12】
【0115】
図22及び図23は、それぞれ、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm及び470nmの光の光軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。図24は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。図24の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0116】
以下の表13は、上記条件式に従って比較実施形態の各条件式に対応する値を列挙する。明らかに、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60は、上記条件式-6.50≦f5/f6≦-2.30を満たしていない。
【0117】
比較実施形態において、前記撮像光学レンズ60の有効口径ENPDは、1.544mmであり、全視野像高IHは、4.495mmであり、対角線方向の画角FOVは、180.00°である。前記撮像光学レンズ60は、大口径、広角化、超薄型化の設計要求を満たしていない。
【0118】
【表13】
【0119】
当業者は、上記各実施形態が本発明を実現する具体的実施形態であることを理解することができる。実際の適用に当たっては、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で、その形態及び詳細に種々の変更が加えられてもよい。
【要約】      (修正有)
【課題】光学性能に優れ、大口径、超薄型化、広角化の設計要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供する。
【解決手段】撮像光学レンズは、物体側から結像側に向かって順に配列された負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ及び正の屈折力を有する第7レンズから構成され、第5レンズの焦点距離は、f5であり、第6レンズの焦点距離は、f6であり、第3レンズと第4レンズとの光軸上の距離は、d6であり、撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、第4レンズの物体側面の中心曲率半径は、R7であり、第4レンズの結像側面の中心曲率半径は、R8であり、-6.50≦f5/f6≦-2.30、0.035≦d6/TTL≦0.055、-3.50≦R7/R8≦-1.80、上記の関係式を満たす。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24