IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

<>
  • 特許-積層セラミック電子部品 図1
  • 特許-積層セラミック電子部品 図2
  • 特許-積層セラミック電子部品 図3
  • 特許-積層セラミック電子部品 図4
  • 特許-積層セラミック電子部品 図5
  • 特許-積層セラミック電子部品 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 516
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020145082
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2021052179
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0115900
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒ フン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ウォン クエン
(72)【発明者】
【氏名】リー、テ ギョム
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ジ ホン
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153774(JP,A)
【文献】特開2018-098475(JP,A)
【文献】特開2017-191880(JP,A)
【文献】特開2017-011145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び内部電極を含むセラミック本体と、
前記内部電極と接続される電極層と、
前記電極層上に形成され、導電性金属、前記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層と、
を含み、
前記導電性カーボンは、前記導電性金属と前記導電性金属よりも低融点を有する金属とを互いに結合し、
前記導電性カーボンは、前記導電性金属100重量部に対して0.5~5.0重量部を含む、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記導電性金属よりも低融点を有する金属はスズ(Sn)である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記導電性カーボンは、グラフェン、カーボンナノチューブ、及びカーボンブラックのうちいずれか1つ以上である、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
誘電体層及び内部電極を含むセラミック本体と、
前記内部電極と接続される電極層と、
前記電極層上に形成され、導電性金属、前記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層と、
を含み、
前記導電性金属は銅(Cu)であり、前記導電性金属よりも低融点を有する金属はスズ(Sn)であり、
前記導電性カーボンは、前記導電性金属と前記導電性金属よりも低融点を有する金属とを互いに結合し、
前記導電性カーボンは、グラフェン、カーボンナノチューブ、及びカーボンブラックのうちいずれか1つ以上である、積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記導電性カーボンは、前記導電性金属100重量部に対して0.5~5.0重量部を含む、積層セラミック電子部品。請求項4に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記スズ(Sn)は、前記導電性金属100重量部に対して10~50重量部を含む、請求項2、4または5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記導電性カーボンのうちグラフェンは長軸の長さが0.2nm~10μmである、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記導電性カーボンのうちグラフェンは短軸の長さが0.2nm~10μmである、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記導電性カーボンは、前記導電性樹脂層において1μm×1μm(横×縦)の面積内で少なくとも1つ以上配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
誘電体層及び内部電極を含むセラミック本体と、
前記内部電極と接続される電極層と、
前記電極層上に形成され、導電性金属、前記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層と、
を含み、
前記導電性カーボンは、前記導電性金属と前記導電性金属よりも低融点を有する金属とを互いに結合し、
前記導電性樹脂層のラマン(Raman)分析の際に2つのピーク(Peak)が検出される、積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記2つのピーク(Peak)は、Dバンド(band)及びGバンド(band)で検出される、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記導電性カーボンはグラフェンである、請求項10または11に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記グラフェンは前記導電性金属100重量部に対して0.5~5.0重量部を含む、請求項12に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記グラフェンは長軸の長さが0.2nm~10μmである、請求項12または13に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記グラフェンは短軸の長さが0.2nm~10μmである、請求項12から14のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記導電性金属よりも低融点を有する金属はスズ(Sn)である、請求項10から15のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項17】
前記スズ(Sn)は、前記導電性金属100重量部に対して10~50重量部を含む、請求項16に記載の積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ強度及び電気伝導度が高い積層セラミック電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミック電子部品のうちの1つである積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層、誘電体層を間に挟んで対向配置される内部電極、及び上記内部電極に電気的に接続された外部電極を含む。
【0003】
一般に、上記内部電極及び外部電極は、導電性金属粉末を含むペーストを用いて製造される。
【0004】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障されて実装が容易であるという利点により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの移動通信装置の部品として広く用いられている。
【0005】
一方、最近では電装部品に対する業界への関心が高まるにつれて、積層セラミックキャパシタに対しても、自動車やインフォテイメントシステムに用いられるようにすべく、高信頼性及び高強度特性が要求されている。
【0006】
電装用積層セラミックキャパシタは、車体の振動や物理的な衝撃、及び高温、高湿のような熱衝撃に耐えられるように、外部電極に導電性樹脂層を適用している。
【0007】
導電性樹脂層は、エポキシのような高分子物質を適用して耐衝撃性を向上させ、且つ高分子物質と金属粉末を混合して電気的特性を実現する。
【0008】
金属粉末として、Cu、Sn、Ni、Agなどの単一成分もしくは混合物についての研究がなされており、特に低融点金属粉末であるSnについての研究が活発に進められている。
【0009】
最近の研究では、低融点金属粉末であるSnと高融点金属粉末であるCu粉末を適用し、Snの融点以上の温度で熱処理することにより、Cu-Sn合金を形成して、下部に配置される電極層との界面密着力を向上させ、且つ電気伝導度を増加させている。
【0010】
しかし、Snの含有量が高い場合には、Sn間のネットワークの形成により、導電性樹脂層の耐衝撃性劣化が発生するという問題がある。
【0011】
そこで、少量のSnだけを含む場合でも、下部電極層との界面密着力を向上させ、且つ電気伝導度を増加させることができる方法についての研究が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国公開特許第2015-0030450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、曲げ強度及び電気伝導度が高い積層セラミック電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態は、誘電体層及び内部電極を含むセラミック本体と、上記内部電極と接続される電極層と、上記電極層上に形成され、導電性金属、上記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層と、を含み、上記導電性カーボンは、上記導電性金属100重量部に対して0.5~5.0重量部を含む積層セラミック電子部品を提供する。
【0015】
本発明の他の実施形態は、誘電体層及び内部電極を含むセラミック本体と、上記内部電極と接続される電極層、及び上記電極層上に形成され、導電性金属、上記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層と、を含み、上記導電性樹脂層のラマン(Raman)分析の際に2つのピーク(Peak)が検出される積層セラミック電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によると、外部電極のうち導電性樹脂層が、導電性金属、上記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含むようにし、且つ導電性金属よりも低融点を有する金属、及び導電性カーボンの含有量を調節することにより、曲げ強度を向上させるとともに、高い電気伝導度を有する積層セラミック電子部品を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図である。
図2図1のA-A'線に沿った断面図である。
図3図2のP領域に対する拡大図である。
図4】本発明の一構成であるグラフェンを拡大して概略的に示した拡大図である。
図5】本発明の一実施形態によるグラフェンを含む外部電極ペーストのNMR(Nuclear Magnetic Resonance)の分析結果を示すグラフである。
図6】本発明の一実施形態によるグラフェンを含む導電性樹脂層のラマン(Raman)分析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0019】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図であり、図2図1のA-A'線に沿った断面図であり、図3図2のP領域に対する拡大図である。
【0020】
図1図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含むセラミック本体110と、上記内部電極121、122と接続される電極層131a、131bと、上記電極層131a、131b上に形成され、導電性金属32a、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32b、導電性カーボン32c、及びベース樹脂32dを含む導電性樹脂層132a、132bと、を含む。
【0021】
具体的には、誘電体層111を含むセラミック本体110と、上記セラミック本体110内において上記誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極121、122と、上記第1内部電極121と電気的に接続された第1電極層131aと、上記第2内部電極122と電気的に接続された第2電極層131bと、上記第1電極層131a上に形成される第1導電性樹脂層132aと、上記第2電極層131b上に形成される第2導電性樹脂層132bと、を含み、第1導電性樹脂層132a及び第2導電性樹脂層132bは、導電性金属32a、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32b、導電性カーボン32c、及びベース樹脂32dを含む。
【0022】
上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、導電性金属32a、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32b、導電性カーボン32c、及びベース樹脂32dを含む外部電極ペーストを適用して形成し、上記導電性カーボン32cは、上記導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部を含む。
【0023】
上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bは、スズ(Sn)であることができる。尚、上記スズ(Sn)は、上記導電性金属32a 100重量部に対して10~50重量部を含むことができる。
【0024】
また、上記導電性カーボン32cは、グラフェン、カーボンナノチューブ、及びカーボンブラックのうちいずれか1つ以上であることができ、特に上記導電性カーボン32cはグラフェンであってもよい。
【0025】
上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32b、及び導電性カーボン32cについての詳細は後述する。
【0026】
上記ベース樹脂32dは、接合性及び衝撃吸収性を有し、導電性金属32a粉末と混合してペーストを製造することができるものであれば、特に制限されず、例えば、エポキシ系樹脂を含むことができる。
【0027】
上記ベース樹脂32dは、上記導電性金属100重量部に対して5~30重量部を含むことができる。
【0028】
上記ベース樹脂32dの含有量が5重量部未満の場合には、樹脂が不足してペーストの製造作業が難しくなる上、相安定性が低下して相分離や粘度経時変化を引き起こす可能性がある。尚、金属の分散性が落ちて充填率が低下し、結果として、緻密度低下を誘発することもある。これに対し、ベース樹脂32dの含有量が30重量部を超えると、樹脂含有量が多すぎることが原因となって金属間接触性が低下して比抵抗が増加し、表面部分の樹脂面積も増加する。結果として、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bを形成した後、メッキ層を形成する際に、未メッキ問題が発生する可能性がある。
【0029】
従来、電装用積層セラミックキャパシタは、車体の振動や物理的な衝撃、及び高温、高湿のような熱衝撃に耐えられるように、外部電極に導電性樹脂層を適用していた。
【0030】
一般に、積層セラミックキャパシタの外部電極に導電性樹脂層が配置される場合には、導電性樹脂層が内部電極と電気的に接続される電極層を全体的に覆う形で製作されるが、外部との電気的導通のために、電流は導電性樹脂層を通過して流れるようになる。
【0031】
上記導電性樹脂層は、電気伝導度を確保するための導電性金属と、衝撃吸収のためのベース樹脂とを含んで形成されることができる。上記導電性樹脂層がベース樹脂を含む場合には、積層セラミック電子部品の反りのような外部刺激に対する耐久性を向上させることができる。
【0032】
導電性樹脂層は、エポキシのような高分子物質を適用して耐衝撃性を向上させ、且つ高分子物質と金属粉末を混合して電気的特性を実現する。
【0033】
金属粉末として、Cu、Sn、Ni、Agなどの単一成分もしくは混合物についての研究がなされており、特に低融点金属粉末であるSnについての研究が活発に進められている。
【0034】
最近の研究では、低融点金属粉末であるSnと高融点金属粉末であるCu粉末を適用し、Snの融点以上の温度で熱処理することにより、Cu-Sn合金を形成して、下部に配置される電極層との界面密着力を向上させ、且つ電気伝導度を増加させている。
【0035】
しかし、Snの含有量が高い場合には、Sn間のネットワークの形成により、導電性樹脂層の耐衝撃性劣化が発生するという問題がある。
【0036】
これに対し、本発明の一実施形態によると、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bが、導電性金属32a、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32b、導電性カーボン32c、及びベース樹脂32dを含み、上記導電性カーボン32cは、上記導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部を含むことにより、少量のSnだけを含む場合でも、曲げ強度を向上させるとともに、高い電気伝導度を有する積層セラミック電子部品を実現することができる。
【0037】
すなわち、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bは、スズ(Sn)であることができる。尚、上記スズ(Sn)は、上記導電性金属32a 100重量部に対して10~50重量部を含むことができる。
【0038】
また、上記導電性カーボン32cは、グラフェン、カーボンナノチューブ、及びカーボンブラックのうちいずれか1つ以上であることができ、特に上記導電性カーボン32cはグラフェンであってもよい。
【0039】
具体的には、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部の導電性カーボン32cを含むことにより、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、曲げ強度が向上するとともに、電気伝導度も高くなることができる。
【0040】
上記導電性カーボン32cの含有量が0.5重量部未満の場合には、等価直列抵抗が低い積層セラミック電子部品を実現することができず、Sn間のネットワークの形成により、耐衝撃性の劣化が発生する可能性がある。
【0041】
一方、上記導電性カーボン32cの含有量が5.0重量部を超えると、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bの上部にメッキ層を形成する際に、未メッキ不良や固着強度の低下が現れることがある。
【0042】
上記導電性カーボン32cの含有量は、外部電極ペースト内に含まれる含有量で表されると、約0.4wt%~5.0wt%の含有量に相当する。0.4wt%未満の場合には、上記のように等価直列抵抗が低い積層セラミック電子部品を実現することができず、耐衝撃性の劣化が発生する可能性がある。
【0043】
一方、上記導電性カーボン32cの含有量が5.0wt%を超えると、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bの上部にメッキ層を形成する際に、未メッキ不良や固着強度の低下が現れる可能性がある。
【0044】
特に、上記導電性カーボン32cの含有量が5.0wt%を超えると、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bの内部の樹脂不足が原因となって粘度比が高くなり、導電性樹脂層形成用ペーストを本体外側に塗布する際に、本体のコーナー部が薄くなって耐湿特性が不良となり、これによる信頼性の低下が問題になり得る。
【0045】
上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を、上記導電性金属32a 100重量部に対して10~50重量部含むようにすることにより、電極層131a、131bと導電性樹脂層132a、132bとの間の界面密着力を改善させ、且つ曲げ強度を向上させることができる。
【0046】
上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を、上記導電性金属32a 100重量部に対して10重量部未満含む場合には、電極層と導電性樹脂層との間の界面密着力が低下し、曲げ強度に問題が生じる可能性がある。
【0047】
一方、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を、上記導電性金属32a 100重量部に対して50重量部を超えるように含む場合には、Sn間のネットワークの形成により、耐衝撃性劣化が発生する可能性がある。
【0048】
図3を参照すると、上記導電性樹脂層131b、132b内における上記導電性カーボン32cは、上記ベース樹脂32d内に分散された形で存在することができ、上記導電性金属32aの表面に吸着されていることができる。
【0049】
また、上記導電性カーボン32cは、上記導電性金属32aと上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)とを互いに接続することができる。
【0050】
上記導電性カーボン32cが、上記導電性金属32aと上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)とを接続することにより、少量のスズ(Sn)によって電極層131a、131bと導電性樹脂層132a、132bとの間の界面密着力を向上させるとともに、導電性カーボン32cにより、高い電気伝導度を確保することができる。
【0051】
また、上記導電性カーボン32cは、上記ベース樹脂32d内に分散された形で存在することにより、上記ベース樹脂32dに起因する積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)の増加を相殺させることもできる。
【0052】
具体的には、等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)を増加させるベース樹脂32d内に、比抵抗が低く、電気伝導度に優れた導電性カーボン32cが分散されているため、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)を下げることができる。
【0053】
一方、上記導電性カーボン32cはグラフェンであってもよい。導電性カーボン32cがグラフェンである場合、上記グラフェンは、上記導電性樹脂層132a、132b内において板状に分散されていることができる。
【0054】
上記グラフェンが上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132b内において板状に分散されているため、比表面積が大きく、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果にさらに優れることができる。
【0055】
従来、外部電極に含まれる導電性樹脂層によって積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)が増加する問題を解決するために、導電性樹脂層内にカーボンナノチューブ(CNT)を含ませる試みがあった。
【0056】
上記カーボンナノチューブ(CNT)は、単一壁のカーボンナノチューブ及び多重壁のカーボンナノチューブのうち少なくとも1つを含むように製作された。
【0057】
しかし、上記カーボンナノチューブ(CNT)は、内部が満たされるか、または空いている柱状であったり、内部に通路が形成された管(pipe)状を有するため、カーボンナノチューブ(CNT)を一定量以上多く含有しない場合には、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果が不十分であった。
【0058】
また、導電性樹脂層内における金属間接触(Contact)及びトンネリングを助けるためには、外部電極ペースト内での分散が不可欠である。
【0059】
これに対し、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果を大きくするために、カーボンナノチューブ(CNT)の含有量を過度に投入する場合には、外部電極ペースト内におけるカーボンナノチューブ(CNT)の分散に問題が起こることがある。
【0060】
また、カーボンナノチューブ(CNT)の含有量が多すぎる場合には、導電性樹脂層の上部にメッキ層を形成する際に、未メッキ不良や固着強度の低下の問題が発生する可能性がある。
【0061】
尚、カーボンナノチューブ(CNT)の含有量が多すぎる場合には、導電性樹脂層内に含有されるベース樹脂の含有量が比較的少なく含有されるため、導電性樹脂層の弾性による衝撃緩和効果を得ることができなくなる。
【0062】
しかし、本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132b内に導電性カーボン32cとして、比表面積が大きい板状のグラフェン32cを含むことにより、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果にさらに優れることができる。
【0063】
すなわち、本発明の一実施形態によるグラフェン32cは、板状であって、比表面積が大きいため、カーボンナノチューブに比べて少量の含有量だけでも積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果に優れることができる。
【0064】
また、グラフェン32cは、カーボンナノチューブに比べて少量の含有量だけで電気的特性の効果があることから、外部電極ペーストの製造時に均一に分散させることができるため信頼性に優れることができる。
【0065】
尚、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bが導電性カーボンとしてグラフェン32cを一定の範囲の含有量で含むため、上部にメッキ層を形成する際に、未メッキ不良や固着強度の低下の問題が発生しない。
【0066】
さらに、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bがグラフェン32cを少量含有しても、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果を得ることができることから、ベース樹脂の含有量を従来と同様に含むことができ、導電性樹脂層の弾性による衝撃緩和効果を従来に対して同様に得ることができる。
【0067】
また、上述のように、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bが、導電性金属32a、及び上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を含み、且つ導電性カーボン32cが上記導電性金属32aとスズ(Sn)32bとを接続することにより、積層セラミック電キャパシタの曲げ強度の向上及び高い電気伝導度を実現することができる。
【0068】
上記導電性カーボンとして、グラフェン32cは、長軸の長さが0.2nm~10μmであり、短軸の長さが0.2nm~10μmであることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0069】
本発明の一実施形態によると、上記グラフェン32cは、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bにおいて1μm×1μm(横×縦)の面積内に少なくとも1つ以上配置されることができる。
【0070】
上記グラフェン32cの測定は、特に制限されないが、例えば、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bにおいて1μm×1μm(横×縦)の面積内で測定されることができる。
【0071】
例えば、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bにおいて1μm×1μm(横×縦)の面積内におけるグラフェン32cの測定は、積層セラミックキャパシタの長さ-厚さ方向の断面を透過電子顕微鏡(TEM、Transmission Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
【0072】
具体的には、積層セラミックキャパシタの幅(W)方向の中央部で切断した長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を透過電子顕微鏡(TEM、Transmission Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された第1及び第2導電性樹脂層132a、132bの領域に対して、1μm×1μm(横×縦)の面積内でグラフェン32cを測定して求めることができる。
【0073】
図4は本発明の一構成であるグラフェンを拡大して概略的に示した拡大図である。
【0074】
図4を参照すると、上記グラフェン32cは、複数の板状構造体が積層された形であることができる。
【0075】
上記グラフェン32cが複数の板状構造体が積層された形を有し、各板状構造体の比表面積が大きいことから、少量の含有量だけでも積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果に優れることができる。
【0076】
すなわち、比抵抗が低く、電気伝導度に優れたグラフェン32cは、比表面積が大きい板状構造であり、且つ各板状構造体が複数積層されるため、少量の含有量だけでも積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果に優れることができる。
【0077】
また、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bがグラフェン32cを少量含有しても積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR)の低減効果を得ることができるため、ベース樹脂の含有量を従来と同様に含むことができ、導電性樹脂層の弾性による衝撃緩和効果を従来と同様に得ることができる。
【0078】
尚、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bが、導電性金属32a、及び上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を含み、且つ導電性カーボン32cが上記導電性金属32aとスズ(Sn)32bとを接続することにより、積層セラミックキャパシタの曲げ強度の向上及び高い電気伝導度を実現することができる。
【0079】
上記導電性金属32aは、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、及び銀-パラジウム(Ag-Pd)からなる群より選択された一つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0080】
上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができるものであれば特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)粉末であることができる。また、上記誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて、様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0081】
上記第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の物質を含むことができる。
【0082】
上記第1及び第2電極層131a、131bは、第1及び第2内部電極121、122と直接接続され、第1及び第2外部電極130a、130bと第1及び第2内部電極121、122との間の電気的導通を確保する。
【0083】
上記第1及び第2電極層131a、131bは、導電性金属を含むことができる。尚、上記導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)、またはこれらの合金であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
上記第1及び第2電極層131a、131bは、導電性金属を含むペーストの焼成によって形成される焼成型電極であることができる。
【0085】
上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132b上にはメッキ層が形成されることができる。上記メッキ層は、ニッケルメッキ層及びスズメッキ層を含むことができ、第1及び第2導電性樹脂層132a、132b上にニッケルメッキ層が配置され、上記ニッケルメッキ層上にスズメッキ層が配置されることができる。
【0086】
下記表1は、積層セラミックキャパシタの第1及び第2導電性樹脂層132a、132b内に含まれる導電性金属32a及び上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bの含有量を基準に、導電性カーボン32cの含有量を変化させながら、初期の等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)及び曲げ強度を評価する際のクラック発生率を評価した結果を示すものである。
【0087】
上記導電性金属32aとしては銅(Cu)を用いており、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bとしてはスズ(Sn)を、導電性カーボン32cとしてはグラフェンを用いた。
【0088】
下記表1において、銅(Cu):スズ(Sn)の含有量比が9:1である場合、グラフェンを0wt%含む場合には導電性カーボンを含んでいないため、比較例1に該当し、実施例1、2、及び3はそれぞれグラフェン32cを0.1wt%、1.0wt%、及び5.0wt%を含む場合に該当する。
【0089】
次に、銅(Cu):スズ(Sn)の含有量比が5:5である場合は、導電性金属100重量部に対して導電性金属よりも低融点を有する金属の含有量が100重量部の場合であって、比較例2~5に該当する。
【0090】
上記比較例2~5の場合にはそれぞれ、グラフェンを0wt%、0.1wt%、1.0wt%、及び5.0wt%を含む。
【0091】
比較例及び各実施例による積層セラミックキャパシタは、3216サイズ(長さ×幅が3.2mm×1.6mm)で製作されており、下記表1は、積層セラミックキャパシタの初期の等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)及び曲げ強度の評価時におけるクラック発生率の結果を示すものである。
【0092】
【表1】
【0093】
上記表1を参照すると、銅(Cu):スズ(Sn)の含有量比が9:1である場合であって、グラフェンを0wt%含む比較例1の場合には、積層セラミックキャパシタの等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)の値が高いため問題があることが分かる。
【0094】
次に、銅(Cu):スズ(Sn)の含有量比が5:5である比較例2~5の場合には、スズ(Sn)の含有量が多すぎて、スズ(Sn)間のネットワークの形成により、曲げ強度を評価する際のクラック発生率が高いことが分かる。
【0095】
これに対し、銅(Cu):スズ(Sn)の含有量比が9:1である場合であって、グラフェンをそれぞれ0.1wt%、1.0wt%、及び5.0wt%含む実施例1~3の場合には、積層セラミック電子部品の等価直列抵抗(ESR、Equivalent Serial Resistance)の値が低いながらも曲げ強度の評価時にクラックが発生せず、信頼性に優れることができる。
【0096】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、下記のように製作することができる。
【0097】
まず、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して、複数個のセラミックグリーンシートを設ける。これにより、誘電体層111を設けることができる。
【0098】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することができる。
【0099】
次に、ニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを設けることができる。
【0100】
上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、内部電極が印刷されたグリーンシートを複数層積層し、積層体の上下面に内部電極が印刷されていないグリーンシートを複数層積層した後、焼成してセラミック本体110を製作することができる。上記セラミック本体は、第1及び第2内部電極121、122、誘電体層111、ならびにカバー層を含み、上記誘電体層は、内部電極が印刷されたグリーンシートが焼成されて形成されたものであり、上記カバー層は、内部電極が印刷されていないグリーンシートが焼成されて形成されたものである。
【0101】
上記内部電極は、第1及び第2内部電極で形成されることができる。
【0102】
上記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に接続されるように、セラミック本体の外部面に第1及び第2電極層131a、131bが形成されることができる。上記第1及び第2電極層は、導電性金属及びガラスを含むペーストの焼成によって形成されることができる。
【0103】
上記導電性金属は、特に制限されるものではないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上であることができ、上述のように、銅(Cu)を含むことが好ましい。
【0104】
上記ガラスは、特に制限されるものではなく、一般の積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同一の組成の物質が用いられることができる。
【0105】
上記第1及び第2電極層131a、131bの外側に銅を含む導電性樹脂組成物を塗布することで、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bを形成することができる。上記導電性樹脂組成物は、銅を含む導電性金属32a粉末、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)、及びベース樹脂32dを含むことができる。尚、上記ベース樹脂は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂であってもよい。
【0106】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部の導電性カーボン32cを含む。
【0107】
上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部の導電性カーボン32cを含むことにより、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、等価直列抵抗が低くなることができる。
【0108】
また、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、導電性金属32a 100重量部に対して0.5~5.0重量部の導電性カーボン32cを含むことにより、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、曲げ強度が向上し、且つ電気伝導度も高くなることができる。
【0109】
また、上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bは、上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を、上記導電性金属32a 100重量部に対して10~50重量部含むことができる。
【0110】
上記導電性金属32aよりも低融点を有する金属32bであるスズ(Sn)を上記導電性金属32a 100重量部に対して10~50重量部含むことにより、電極層131a、131bと導電性樹脂層132a、132bとの間の界面密着力を改善させ、曲げ強度を向上させることができる。
【0111】
上記第1及び第2導電性樹脂層132a、132bを形成した後、その上部にニッケルメッキ層及びスズメッキ層をさらに形成する段階を含むことができる。
【0112】
図5は本発明の一実施形態によるグラフェンを含む外部電極ペーストに対して、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)の分析結果を示すグラフである。
【0113】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるグラフェンを含む外部電極ペーストに対してNMR(Nuclear Magnetic Resonance)の分析をした場合には、sp カーボン(carbon)によるピーク(peak)(a)が検出されることが分かる。
【0114】
上記sp カーボン(carbon)によるピーク(peak)(a)は、本発明の一実施形態によるグラフェンを含む外部電極ペーストを適用した積層セラミックキャパシタの外部電極に対して分析した場合にも同様に検出することができる。
【0115】
図6は本発明の一実施形態によるグラフェンを含む導電性樹脂層のラマン(Raman)分析結果を示すグラフである。
【0116】
図6を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含むセラミック本体110と、上記内部電極121、122と接続される電極層131a、131bと、上記電極層131a、131b上に形成され、導電性金属、上記導電性金属よりも低融点を有する金属、導電性カーボン、及びベース樹脂を含む導電性樹脂層132a、132bと、を含み、上記導電性樹脂層132a、132bのラマン(Raman)分析の際に2つのピーク(Peak)が検出される。
【0117】
図6のラマン分析グラフに示すように、実施例1~3の場合には、本発明の実施形態のサンプルで2つのピーク(Peak)が検出され、比較例1の場合には、グラファイト(graphite)のラマン分析のグラフで1つのピーク(Peak)だけが検出される。
【0118】
本発明の他の実施形態において、上記2つのピーク(Peak)は、Dバンド(band)及びGバンド(band)で検出される。
【0119】
また、比較例1の場合には、Gバンド(band)で1つのピーク(Peak)だけが検出される。
【0120】
本発明の他の実施形態において、上記導電性樹脂層132a、132bは、導電性カーボンとしてグラフェンを含むことができる。
【0121】
上記導電性樹脂層132a、132bのラマン(Raman)分析の際に2つのピーク(Peak)が検出される理由は、上記導電性樹脂層132a、132bがグラフェンを含むためであり、他のカーボン材料では異なるラマン分析グラフが示される。
【0122】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0123】
100 積層セラミック電子部品
110 セラミック本体
111 誘電体層
121 第1内部電極
122 第2内部電極
130a、130b 第1及び第2外部電極
131a 第1電極層
131b 第2電極層
132a 第1導電性樹脂層
132b 第2導電性樹脂層
図1
図2
図3
図4
図5
図6