(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】スライドレール機構及びその調整装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/443 20170101AFI20240903BHJP
A47B 88/49 20170101ALI20240903BHJP
【FI】
A47B88/443
A47B88/49
(21)【出願番号】P 2023099391
(22)【出願日】2023-06-16
【審査請求日】2023-06-16
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 石龍
(72)【発明者】
【氏名】趙 乙▲しゅえん▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-063349(JP,U)
【文献】特開平10-057168(JP,A)
【文献】登録実用新案第3236470(JP,U)
【文献】米国特許第07101001(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレール機構のための調整装置であって、スライドレール機構は、
第1レールと第2レールとを含む第1スライドレール組立体であり、前記第2レールは、前記第1レールに対してシフト可能である第1スライドレール組立体と、
第3レールと第4レールとを含む第2スライドレール組立体であり、前記第4レールは、前記第3レールに対してシフト可能である第2スライドレール組立体と、
前記第2レールが前記第1レールに対して作動方向にシフトされている場合に、前記第4レールが前記第3レールに対して作動方向にシフトされることを防止するように構成されている作業部材とを含み、
調整装置は、
ベースと、
駆動部材と、
前記ベースに配置され、前記駆動部材の動きを調整するように構成されている調整部材とを備え
、
前記作業部材は、前記調整部材の調整に応答して駆動可能である、調整装置。
【請求項2】
第1レールと第2レールとを含む第1スライドレール組立体であり、前記第2レールは、前記第1レールに対してシフト可能である第1スライドレール組立体と、
第3レールと第4レールとを含む第2スライドレール組立体であり、前記第4レールは、前記第3レールに対してシフト可能である第2スライドレール組立体と、
前記第1スライドレール組立体に移動可能に取り付けられている調整装置と、
前記第2スライドレール組立体に移動可能に取り付けられている補助装置と、
前記調整装置と前記補助装置との間に配置されている作業部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して作動方向にシフトされている場合に、前記調整装置と、前記作業部材と、前記補助装置とは、前記第4レールをブロッキングするように前記補助装置を利用するために連結され、前記第4レールが前記第3レールに対して作動方向にシフトされることを防止し、
前記調整装置と前記補助装置とのうちの1つが調整部材を含み、前記作業部材は、前記調整部材の調整に応答して駆動可能である、スライドレール機構。
【請求項3】
前記作業部材は、相互に反対側の第1端部と第2端部とを含み、前記第1端部は、前記調整装置に接続され、反対側の前記第2端部は、前記補助装置に接続され、
前記調整装置と前記補助装置とのうちの1つはさらに、ベースと駆動部材とを含み、前記調整部材は前記ベースに配置され、前記駆動部材の動きを調整するように構成され、前記作業部材は、前記駆動部材の前記動きに応答して駆動可能である、請求項2記載のスライドレール機構。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記ベースに配置されている、請求項1又は3記載の調整装置。
【請求項5】
前記ベースは、前記駆動部材と前記調整部材とを収容するように構成されている空間を含む、請求項4記載の調整装置。
【請求項6】
前記調整部材は、前記駆動部材の前記動きを回転可能な方式で調整する、請求項1又は3記載の調整装置。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記ベースに対して直線的にシフトされ、前記調整部材は、前記駆動部材にネジ止めされ、前記ベースは、少なくとも1つの拘束部分を含み、
前記駆動部材が、第1プリセット位置から第2プリセット位置へシフトされた場合に、前記駆動部材は、前記第2プリセット位置で少なくとも1つの前記拘束部分によりブロッキングされる、請求項6記載の調整装置。
【請求項8】
調整装置は、
前記作業部材に適用され、前記作業部材は、前記駆動部材の前記動きに応答して駆動可能であり、
前記作業部材はロッド本体であり、相互に反対側の第1端部と第2端部とを含み、前記第1端部は、調整装置に接続され、前記第2端部は、補助装置に接続され、調整装置は、前記補助装置の構造構成
と同じ構造構成を有する、請求項1記載の調整装置。
【請求項9】
前記空間は、前記駆動部材を収容するように構成されている第1空間部分を含み、
前記ベースはさらに、弾性アームを含み、少なくとも1つの拘束部分が、前記弾性アームに配置され、
前記駆動部材は、少なくとも1つの前記拘束部分により前記第1空間部分の中に拘束される、請求項5記載の調整装置。
【請求項10】
前記ベースはさらに、弾性アームを含み、少なくとも1つの拘束部分が、前記弾性アームに配置され、
前記駆動部材は、少なくとも1つの前記拘束部分により前記空間の中に拘束される、請求項5記載の
調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整装置に関し、特にスライドレール機構に適用される調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5333949号(特許文献1)には、引き出しインターロック機構が開示されている。これは、複数の引き出しを含むキャビネットに使用される。インターロック機構は、複数の引き出しが同時に引き開かれることを防止し、キャビネットの転倒を防止する。インターロック機構は、複数の制御ロッドを含む。引き出しのうちの1つが引き開かれると、他の引き出しがキャビネットから引き出されることを防止するように制御ロッドが作動する。さらに、制御ロッドは、少なくとも1つのバネを介して特定方向への引き締め効果を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5333949号
【文献】米国特許第6296332号
【文献】米国特許第6550876号
【文献】米国特許第7320507号
【文献】米国特許第7823992号
【発明の概要】
【0004】
しかし、消費者市場の多様化する需要を満たす別製品の設計は、機械的な構成の産業において重要な課題である。
【0005】
本発明は、スライドレール機構に適用される調整装置であり、上記の欠点を解決するために、簡単な構造、及び容易な操作という利点を有する調整装置を提供する。
【0006】
請求項に記載した発明によれば、調整装置が提供され、調整装置は、ベースと;駆動部材と;ベースに配置され、駆動部材の動きを調整するように構成されている調整部材とを備えている。
【0007】
請求項に記載した別の発明によれば、スライドレール機構が提供され、スライドレール機構は、インターロック機能を備え、インターロック機能は調整機構を有する。
【0008】
請求項に記載した別の発明によれば、スライドレール機構が提供され、スライドレール機構は、第1レールと第2レールとを含む第1スライドレール組立体であり、第2レールは、第1レールに対してシフト可能である第1スライドレール組立体と;第3レールと第4レールとを含む第2スライドレール組立体であり、第4レールは、第3レールに対してシフト可能である第2スライドレール組立体と;第1スライドレール組立体に移動可能に取り付けられている調整装置と;第2スライドレール組立体に移動可能に取り付けられている補助装置と;調整装置と補助装置との間に配置されている作業部材とを備え;第2レールが第1レールに対して作動方向にシフトされている場合に、調整装置と、作業部材と、補助装置とは、第4レールをブロッキングするように補助装置を利用するために連結され、第4レールが第3レールに対して作動方向にシフトされることを防止し;調整装置と補助装置とのうちの1つが調整部材を含み、作業部材は、調整部材の調整に応答して駆動可能である。
【0009】
本発明のこれらの目的及びその他の目的は、様々な図及び図面に例示された、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読んだ後に、当業者にとって疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本出願の実施形態による調整装置と作業部材との斜視図である。
【
図2】本出願の実施形態による調整装置と作業部材との分解図である。
【
図3】本出願の実施形態による調整装置と作業部材との組立図である。
【
図4】本出願の実施形態に係り、作業部材の位置を調整することに適用される調整装置の図である。
【
図5】本出願の実施形態による調整装置の斜視図である。
【
図6】本出願の実施形態に係り、調整装置と補助装置との間に配置されている作業部材の図である。
【
図7】本出願の実施形態に係り、2つのスライドレール組立体の間に配置されている、調整装置と、作業部材と、補助装置との図である。
【
図8】本出願の実施形態に係り、引き開けられたモードである別のスライドレール組立体の可動レールに応答して、調整装置と作業部材と補助装置とによってロックされている2つのスライドレール組立体のうちの1つの可動レールの図である。
【
図9】本出願の実施形態に係り、2つのスライドレール組立体の間に配置されている調整装置によって調整される作業部材の位置の図である。
【
図10】本出願の実施形態に係り、キャビネットに適用される2つのスライドレール組立体、調整装置、作業部材、及び補助装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び
図2を参照するものとする。本出願の一実施形態で、調整装置20は、ベース22と、駆動部材24と、調整部材26とを備えてよい。本実施形態で、調整装置20は、作業部材28に適用されてよく、作業部材28はロッド本体であってよい。ただし、作業部材28の適用は、この実施形態に限定されず、構造要求に依存する。調整部材26及び/又は駆動部材24は、ベース22に配置してよい。従って、可能な一実施形態では、調整部材26と駆動部材24との両方をベース22に配置してよい。
【0012】
好ましくは、ベース22は、駆動部材24と調整部材26とを収容するように構成された空間を含んでよい。例えば、空間は、相互に連通する第1空間部分S1と第2空間部分S2とを含んでよい。第1空間部分S1は、駆動部材24と、作業部材28の一部、例えば、作業部材28の端部又は第1端部28aとを収容するために使用されてよい。第2空間部分S2は、調整部材26の一部を収容するために使用されてよい。
【0013】
好ましくは、作業部材28の第1端部28aは、駆動部材24に対応してよく、又は駆動部材24に位置合わせされてよい。さらに、作業部材28の第1端部28aは、駆動部材24に当接してよい。他の可能な実施形態では、作業部材28の第1端部28aは、駆動部材24に(例えば固定的に)接続されてよい。作業部材28の第1端部28aと駆動部材24との適用は、前述の実施形態に限定されず、構造要求に依存する。
【0014】
好ましくは、調整部材26は、駆動部材24にネジ止めされてよい。例えば、調整部材26は、接続部30と調整部32とを含んでよく、調整部32は接続部30に接続されてよい。さらに、駆動部材24は、調整部材26の接続部30にネジ止めされるように構成された対応部34を含んでよい。例えば、駆動部材24の対応部34と、調整部材26の接続部30とは、相互に係合可能なネジ止め特徴部を有してよい。調整部材26の調整部32は、第2空間部分S2の中に収容されてよく、調整部材26の接続部30は、第1空間部分S1の中に収容されてよい。
【0015】
好ましくは、ベース22はさらに、取り付け部29を含んでよい。調整部材26はさらに、取り付け部29を貫通するように構成された伸長部33を含んでよい。調整部32は、伸長部33と接続部30との間に位置してよい。
【0016】
好ましくは、第1空間部分S1は所定の長さのチャンネルであってよく、第1空間部分S1は、ベース22の第1プリセット壁36と、第2プリセット壁38と、中間壁40とによって形成されてよい。中間壁40は、第1プリセット壁36と第2プリセット壁38との間に位置してよく、第1プリセット壁36と第2プリセット壁38とは、実質的に垂直に中間壁40に接続されてよい。
【0017】
好ましくは、ベース22は、駆動部材24の動きを拘束(規制)するように構成された少なくとも1つの拘束部分42(規制部分42)を含んでよく、少なくとも1つの拘束部分42は、第1プリセット壁36と、第2プリセット壁38と、中間壁40とのうちの1つに位置してよい。可能な一実施形態では、少なくとも1つの拘束部分42は、中間壁40に位置する。しかし、少なくとも1つの拘束部分42の位置の適用は、前述の実施形態に限定されず、構造要求に依存する。少なくとも1つの拘束部分42は、突起であってよい。さらに、少なくとも1つの拘束部分42は、弾性アーム43の突起であってよく、弾性アーム43は、中間壁40に配置されてよい。弾性アーム43の適用は、前述の実施形態に限定されず、構造要求に依存する。
【0018】
好ましくは、弾性アーム43はさらにガイド区間45を含んでよく、ガイド区間45は
図5に示す傾斜面又は円弧面であってよい。第1空間部分S1の中に駆動部材24を取り付けると、弾性アーム43は、ガイド区間45のガイドを介して、駆動部材24に押し付けることができ、弾性アーム43は弾性力を蓄積することができる。弾性アーム43を横断して駆動部材24をシフトさせた場合に、弾性アーム43の弾性力は解放されることができ、駆動部材24を第1空間部分S1の中に少なくとも1つの拘束部分42で拘束することができ、その結果、駆動部材24は特定の範囲内で移動することが許容されるのみである。
【0019】
図3ないし
図5に示すように、調整部材26は、駆動部材24の動きを調整するように構成されてよい。例えば、調整部材は、駆動部材24の動きを回転可能な方式で調整することができる。ユーザは、調整部32に力を加えてよい。調整部材26は、第1回転方向R1に回転され、駆動部材24を、ベース22に対して第1プリセット位置P1(
図3に図示が可能)から第1方向D1に移動させるように構成されてよく、例えば、第2プリセット位置P2(
図4と
図5に図示が可能)に移動させるように構成されてよい。これにより、作業部材28は、駆動部材24の動きに応答して駆動可能であってよい。例えば、作業部材28は、第1対応位置P1’(
図3に図示が可能)から第2対応位置P2’(
図4に図示が可能)へシフトされることができる。また、ユーザは調整部32に別の力を加えてよい。調整部材26は、第1回転方向R1と反対の第2回転方向R2(
図4と
図5に図示が可能)に回転され、駆動部材24を、ベース22に対して第2プリセット位置P2から第1プリセット位置P1(
図3に図示が可能)に第1方向D1と反対の第2方向D2(
図4と
図5に図示が可能)に移動させるように構成されてよい。これにより、作業部材28は、駆動部材24の動きに応答して第2対応位置(
図4に図示が可能)から第1対応位置(
図3に図示が可能)へシフトされることができる。
【0020】
好ましくは、駆動部材24は、直線的にシフトされることが可能である。
【0021】
好ましくは、駆動部材24を第1プリセット位置P1(
図3に図示が可能)から第2プリセット位置P2(
図4と
図5に図示が可能)へシフトさせた場合に、少なくとも1つの拘束部分42は、第2プリセット位置P2(
図5に図示が可能)で駆動部材24をブロッキングして拘束効果を得るように構成されてよい。
【0022】
なお、第1プリセット位置P1と第2プリセット位置P2とは、駆動部材24の2つの末端位置であってよいことに留意するものとする。また、第1プリセット位置P1と第2プリセット位置P2とは、駆動部材24の活動範囲内の任意の2つの可能な位置であってよい。第1プリセット位置P1と第2プリセット位置P2との適用は、前述の実施形態に限定されず、構造要求に依存する。
【0023】
図6に示すように、別の実施形態では、作業部材28を、調整装置20と補助装置44との間に配置してよい。また、作業部材28の第1端部28aは、調整装置20に接続されてよく、作業部材28の他端部又は第2端部28bは、補助装置44に接続されてよい。第2端部28bの位置は、第1端部28aの位置に対応してよい。調整装置20は、補助装置44の構造構成と実質的に同じ構造構成であってよい。作業部材28を第1方向D1又は第2方向D2に移動させる補助装置44の原理は、
図3及び
図4に図示が可能である作業部材28を調整する調整装置20の原理と実質的に同じであってよい。従って、簡略化のために、ここでは詳細な説明が省略可能である。即ち、補助装置44は別の調整装置と解釈されてよい。
【0024】
前述の説明によれば、ユーザは、作業部材28の第1端部28aに配置された調整装置20(又は調整部材26)を介して、作業部材28が第1方向D1又は第2方向D2に移動するように調整することができる。また、ユーザは、作業部材28の第2端部28bに配置された補助装置44(又は調整部材46)を介して、作業部材28が第1方向D1又は第2方向D2に移動するように調整することができるので、調整装置20と補助装置44とは、操作が便利である利点を有することが可能である。
【0025】
図7に示すように、調整装置20と、作業部材28と、補助装置44とは、インターロック機構を形成するように構成することが好ましい。インターロック機構は、スライドレール機構48に適用してよく、スライドレール機構48での1つのスライドレール組立体は、スライドレール機構48のもう一方のスライドレール組立体の動きによってロックすることができる。これは、スライドレール機構48は、インターロック機能を有することが可能であることを意味する。スライドレール機構48は、第1スライドレール組立体50、第2スライドレール組立体52、調整装置20、作業部材28、及び補助装置44を備えてよい。
【0026】
第1スライドレール組立体50は、第1レール54と第2レール56とを含んでよく、第2レール56は、第1レール54に対して長手方向にシフト可能であってよい。好ましくは、第1スライドレール組立体50は、第1レール54と第2レール56との間に移動可能に取り付けられた第1中間レール58を、さらに含んでよい。
【0027】
第2スライドレール組立体52は、第3レール60と第4レール62とを含んでよく、第4レール62は、第3レール60に対して長手方向にシフト可能であってよい。好ましくは、第2スライドレール組立体52はさらに、第3レール60と第4レール62との間に移動可能に取り付けられた第2中間レール64を、含んでよい。
【0028】
調整装置20は、第1スライドレール組立体50に移動可能に取り付けられてよい。例えば、第1レール54は、第1壁66aと、第2壁66bと、縦壁68とを含んでよい。縦壁68は、第1レール54の第1壁66aと第2壁66bとの間に接続されてよい。第1レール54は、前端及び後端などの、第1端54aと第2端54bとを有してよく、これらの端の適用は構造要求に依存してよい。さらに第1レール54は、調整装置20を収容するように構成された第1収容空間K1を含んでよい。可能な一例では、第1収容空間K1は、第1レール54の第1壁66aと、第2壁66bと、縦壁68とによって構成されてよく、第1収容空間K1は、第1レール54の第1端54aに隣接してよく、調整装置20は、第1レール54の第2壁66bに隣接してよい。好ましくは、調整装置20のベース22は、第1レール54の第1壁66aに対応するように構成された第1拘束特徴部70を含んでよく、さらに、末端位置で調整装置20の第1レール54に対する移動を拘束する。好ましくは、第2レール56と調整装置20とのうちの1つは、傾斜面又は円弧面などのガイド特徴部を含んでよく、ガイド特徴部の適用は構造要求に依存してよい。従って、可能な一例では、第1ガイド特徴部72を第2レール56に配置してよく、調整装置20のベース22は、第2ガイド特徴部74を含んでよい。
【0029】
補助装置44は、第2スライドレール組立体52に移動可能に取り付けられてよい。例えば、第3レール60は、第1壁76aと、第2壁76bと、縦壁78とを含んでよい。縦壁78は、第3レール60の第1壁76aと第2壁76bとの間に接続されてよい。第3レール60は、前端及び後端などの、第1端60aと第2端60bとを有してよく、これらの端の適用は構造要求に依存してよい。さらに第3レール60は、補助装置44を収容するように構成された第2収容空間K2を含んでよい。可能な一例では、第2収容空間K2は、第3レール60の第1壁76aと、第2壁76bと、縦壁78とによって構成されてよく、第2収容空間K2は、第3レール60の第1端60aに隣接してよく、補助装置44は、第3レール60の第2壁76bに隣接してよい。好ましくは、補助装置44のベース80は、第3レール60の第2壁76bに対応するように構成された第2拘束特徴部82を含んでよく、さらに、末端位置で補助装置44の第3レール60に対する移動を拘束する。好ましくは、第4レール62と補助装置44とのうちの1つは、傾斜面又は円弧面などのガイド特徴部を含んでよく、ガイド特徴部の適用は構造要求に依存してよい。従って、可能な一例では、第3ガイド特徴部84を第4レール62に配置してよく、補助装置44のベース80は、第4ガイド特徴部86を含んでよい。
【0030】
第1スライドレール組立体50と第2スライドレール組立体52との両方を、後退モードにセットした場合に、インターロック機構を第1位置J1に配置することができる。また、第2レール56を第1レール54に対して後退位置にセットし、第4レール62を第3レール60に対して後退位置にセットした場合に、インターロック機構を第1位置J1に配置することができる。その間、第2スライドレール組立体52の第4レール62は補助装置44によりブロッキングされない。
【0031】
図7及び
図8に示すように、第2レール56が、第1レール54に対して作動方向Eにシフトされた場合に、調整装置20と、作業部材28と、補助装置44とは、連動して補助装置44を利用して第4レール62をブロッキングし(
図8に図示が可能)、第4レール62が、第3レール60に対して作動方向Eにシフトされることを防止する。
【0032】
また、第2レール56が、第1レール54に対して後退位置から作動方向Eにシフトされた場合に、第2レール56の第1ガイド特徴部72が、調整装置20に(第2ガイド特徴部74に当接するなど)当接して、調整装置20と、作業部材28と、補助装置44とを第1位置J1(
図7に図示が可能)から第1方向D1に第2位置J2(
図8に図示が可能)へ駆動する力を発生させることができる。補助装置44と第4レール62とは、第2位置J2で相互にブロッキングすることができ、例えば、補助装置44の第4ガイド特徴部86は、第4レール62の第3ガイド特徴部84をブロッキングするように構成され、第4レール62が、第3レール60に対して後退位置から作動方向Eにシフトされることを防止することができる。
【0033】
好ましくは、調整装置20を保持し、さらにインターロック機構を第2位置J2(
図8に図示が可能)に保つように、第2レール56(又は第1中間レール58の壁88)は構成されてよい。従って、補助装置44の第4ガイド特徴部86を使用して、第4レール62の第3ガイド特徴部84をブロッキングすることができる。
【0034】
図8及び
図9に示すように、スライドレール組立体のレールに適用されるインターロック機構のロック品質が、作業部材28の長さ公差の影響を受けることを回避するために、本実施形態の調整装置20(又は補助装置44)は、調整機構を有してよく、調整機構は、公差の影響を排除するために、作業部材28の動きを調整するように構成されている。
【0035】
また、作業部材28は、調整装置20の調整部材26の動きに応答して、駆動可能であってよい。例えば、ユーザは、調整部材26の調整部32に力を加えることで、ベース22に対して駆動部材24の動きを調整することができる。可能な一実施形態では、駆動部材24を第1プリセット位置P1(
図8に図示が可能)から第1方向D1(
図9に図示が可能)に、作業部材28を第1対応位置から第1方向D1にシフトさせてよく、その結果、補助装置44と第4レール62とを相互に一層緊密にブロッキングすることができる。例えば、
図8の実施形態と比較すると、補助装置44(
図9に示す)の第4ガイド特徴部86は、第4レール62の第3ガイド特徴部84の近くにあってよい。また、ユーザは、第2方向D2に、ベース22に対して駆動部材24の動きを調整するために、調整部材26の調整部32に別の力を加え、作業部材28を第2方向D2にシフトさせてよく、その結果、補助装置44と第4レール62との接触を徐々に弱めることができる。例えば、
図9の実施形態と比較すると、補助装置44(
図8に示す)の第4ガイド特徴部86は、第4レール62の第3ガイド特徴部84から距離が離れていてよい。従って、本出願のインターロック機構は、前述の説明により、一層信頼性が高くなることが可能である。
【0036】
なお、第1スライドレール組立体50の第2レール56が、後退位置から作動方向Eにシフトされた場合に、第2スライドレール組立体52の第4レール62が補助装置44によりブロッキングされ、第4レール62が、第3レール60に対して後退位置から作動方向Eにシフトされることを防止することができることに留意するものとする。また、第1スライドレール組立体50と第2スライドレール組立体52とがともに後退モード(
図7に図示が可能)にセットされ、第4レール62が、後退位置から作動方向Eに第2スライドレール組立体52の第3レール60に対してシフトされた場合に、第1位置J1にあるインターロック機構の補助装置44を、第2スライドレール組立体52の第4レール62(又は第2中間レール64)によって押圧することができる、第1スライドレール組立体50の第2レール56(又は関連する第1ガイド特徴部72)が調整装置20(又は関連する第2ガイド特徴部74)によりブロッキングされてよく、第2レール56が第1レール54に対して後退位置から作動方向Eにシフトされることを防止することができる。これに加えて、ユーザは、補助装置44(又は関連する調整部材46)を利用して作業部材28の動きを調整することができ、それに応じて調整装置20(又は関連する第2ガイド特徴部74)と第2レール56(又は関連する第1ガイド特徴部72)との間の緊密さを調整することで、前述と同様にインターロック機構の信頼性を高めることができる。従って、ここでは簡略化のために、詳細な説明を省略する。
【0037】
図10に示すように、第1スライドレール組立体50と第2スライドレール組立体52とは、キャビネット90に配置されてよい。キャビネット90は、複数のホルダー92(引き出しなど)を含んでよい。第1スライドレール組立体50の第1レール54は、キャビネット90に固定されてよい。第2レール56は、第1ホルダー(図示されない第1引き出しなど)を保持するように構成されてよい。第2スライドレール組立体52の第3レール60は、キャビネット90に固定されてよい。第4レール62は、第2ホルダー(図示されない第2引き出しなど)を保持するように構成されてよい。
【0038】
調整装置20と、作業部材28と、補助装置44とは、インターロック機構を動作させるために、第1スライドレール組立体50と第2スライドレール組立体52との間に配置することができ、調整装置20と補助装置44とのうちの1つは、作業部材28の動きを調整するように構成されてよい。前述の部材の原理は
図7ないし
図9に開示され、ここでは簡略化のために詳細な説明は省略する。
【0039】
調整装置20の調整部材26(又は補助装置44の調整部材46)は、作業部材28の動きを調整するように構成されてよく、その結果、インターロック機構の機能的品質が作業部材28の長さ公差の影響を受けることを回避し、又はさらに、相互にブロッキングされるインターロック機構とスライドレール組立体との間の緊密さを、調整するようにする。即ち、それに応じてインターロック機構とスライドレール組立体との製品品質を向上させることができる。
【0040】
結論として、本出願の実施形態で提供されるスライドレール機構と調整装置とは、以下の利点を有することが可能である。
【0041】
1.調整装置20は、構造が簡単で操作が容易であるという利点があり、作業部材28の動きを調整することに使用できる。
【0042】
2.作業部材28と調整装置20とを(好ましくは、補助装置44を加えて)、インターロック機構と定義することが可能であり、インターロック機構を、2つのスライドレール組立体に適用することが可能である。例えば、第1スライドレール組立体50の第2レール56(又は第1ホルダー)が、第1レール54に対して引き開かれた場合に、第2スライドレール組立体52の第4レール62(又は第2ホルダー)が第3レール60に対してシフトされることを防止するように、インターロック機構を使用することが可能である。
【0043】
3.作業部材28は、調整装置20と補助装置44との間に配置できる。好ましくは、調整装置20は、補助装置44の構造構成と同様の構造構成を有してよい。調整装置20の調整部材26(又は補助装置44の調整部材46)は、作業部材28の動きを調整するために使用されてよく、その結果、インターロック機構の機能的品質が作業部材28の長さ公差の影響を受けることを回避し、さらに、相互にブロッキングされるインターロック機構とスライドレール組立体との間の緊密さを、調整するようにする。即ち、それに応じてインターロック機構とスライドレール組立体との製品品質を向上させることができる。
【0044】
4.ベース22の空間(第1空間部分S1など)は、駆動部材を収容するように構成できる。ベース22はさらに、弾性アーム43を含んでよく、少なくとも1つの拘束部分42を弾性アーム43に配置することができる。少なくとも1つの拘束部分42は、空間(第1空間部分S1など)の中で駆動部材24を拘束するように構成できる。
【0045】
発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更が行われてよいことを、当業者は容易に観察することである。従って、上記の開示は、添付された請求項の内容及び範囲によってのみ制限されるものとして解釈されるものとする。
【要約】 (修正有)
【課題】構造が簡単で操作が容易な、スライドレール機構及びその調整装置を提供する。
【解決手段】スライドレール機構の調整装置20は、ベース22と、駆動部材24と、調整部材26とを含む。調整部材は、ベースに配置される。調整部材は、駆動部材を移動させるために調整されるように構成されている。調整装置は、インターロック機構を形成するために作業部材28とともに使用することができる。インターロック機構は、スライドレール機構のスライドレール組立体のうちの1つでのレールを開くことのみを、可能にする。
【選択図】
図3