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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】動態撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/04 20060101AFI20240903BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240903BHJP
【FI】
A61B6/04 500
A61B6/00 530A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020087399
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021180750
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長束 澄也
(72)【発明者】
【氏名】川名 祐貴
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-200398(JP,A)
【文献】特開2009-005827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0208980(US,A1)
【文献】米国特許第04674110(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線発生装置によって被写体に照射された放射線をディテクターにより検出し、被写体の可動に関する動態画像を得る動態撮影装置であって、
当該動態撮影装置は、ディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制する治具を有し、
前記治具は、撮影の対象となる部位に触れず、前記対象となる部位以外の部位において前記対象となる部位の前記垂直方向の可動を規制し、
撮影時の前記被写体が接することになる位置に、前記ディテクター平面と平行に設けられた規制面を有することを特徴とする動態撮影装置。
【請求項2】
前記治具は、前記被写体が前記ディテクター平面と並行に動くのに伴って伸縮する弾性部材を有する請求項1に記載の動態撮影装置。
【請求項3】
放射線発生装置によって被写体に照射された放射線をディテクターにより検出し、被写体の可動に関する動態画像を得る動態撮影装置であって、
当該動態撮影装置は、ディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制する治具を有し、
前記治具は、前記被写体が前記ディテクター平面と並行に動くのに伴って伸縮する弾性部材を有し、
撮影時の前記被写体が接することになる位置に、前記ディテクター平面と平行に設けられた規制面を有することを特徴とする動態撮影装置。
【請求項4】
前記治具は、撮影時の前記被写体と繋がる部位を持った治具である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動態撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動態撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透視画像の撮影において、像のゆがみや有効視野のばらつきを補正することは従来行われている。
例えば特許文献1には、X線管と、X線透視像検出器と、X線透視像検出器により検出されたX線透視像を表示する画像表示手段とを備え、X線透視像検出器のX線センサーに投影されるX線透視像の像拡大率を求出し、画像表示手段の画面に映し出されたX線透視像上の任意点を指定し、求出した像拡大率と、指定した2つのポイントの位置情報に基づき、透過X線像上の2つの指定ポイント間の距離に対応する被検体上での実寸法を算出するとともに算出した寸法を表示するX線診断装置について記載されている。
【0003】
また、長尺撮影において、合成する各放射線画像の重ね合わせ部における被写体の拡大率を補正することも従来行われている。
例えば特許文献2には、X線管と、X線検出器と、X線の照射角度を変更するためにX線管を回転移動させるX線管駆動手段と、X線管駆動手段を駆動制御する制御手段と、透過X線信号に基づいて被検体の撮影画像を生成する画像生成手段と、X線管の回転角度に対応させた倍率により、回転角度において撮影された撮影画像を縮小又は拡大する画像補正手段と、を備えるX線撮影装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-099142号公報
【文献】特開2010-172416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、動態画像の撮影においては、撮影する被写体の動作によって、診断対象部位が必然的にディテクターのディテクター平面と直交する方向(以下、直交方向)に変位することがある(例えば、立ったり座ったりするときの骨盤や、上げ下げするときの膝を撮影する場合等)。
また、本来は直交方向の変位が起こらない動作を撮影する場合であっても、例えば被写体(特に高齢者)がふらついてしまう、動作によって勢いがついてしまう等の理由により、診断対象部位が仕方なく直交方向に変位してしまうこともある。
こうした直交方向の変位は、診断対象部位の大きさの変化となって放射線画像に表れる。
【0006】
診断対象部位の大きさが各フレームで異なると、診断者(医師)は、診断対象部位の診断を正確に行うことが困難となる。その結果、診断者が診断を誤って、その後の処置(例えば、人工骨の選択等)を間違ってしまう可能性がある。
また、撮影する動作(例えば、荷重状態での立位運動等)によっては、被写体(特に高齢者)はふらつかずに動作することが困難な場合がある。
このような撮影を行う際、撮影者(技師)は、被写体がふらつかないように注意を傾けながら撮影する必要がある。また、被写体がふらついてしまった場合には撮影を終えた後に再撮影を行うことになる。
一方、ふらつかずに動作し続けることは被写体にとって苦痛である。また、途中でふらついて再撮影となった場合には、被写体の被曝量が増加してしまうことになる。
すなわち、ふらつきやすい動作の撮影は撮影者及び被写体の双方にとって大きな負担であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、動態画像を撮影する撮影者及び被写体双方の負担を軽減しつつ、診断者が動態画像に基づいて正確な診断を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る動態撮影装置は、
放射線発生装置によって被写体に照射された放射線をディテクターにより検出し、被写体の可動に関する動態画像を得る動態撮影装置であって、
当該動態撮影装置は、ディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制する治具を有し、
前記治具は、撮影の対象となる部位に触れず、前記対象となる部位以外の部位において前記対象となる部位の前記垂直方向の可動を規制し、
撮影時の前記被写体が接することになる位置に、前記ディテクター平面と平行に設けられた規制面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る動態撮影装置は、
放射線発生装置によって被写体に照射された放射線をディテクターにより検出し、被写体の可動に関する動態画像を得る動態撮影装置であって、
当該動態撮影装置は、ディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制する治具を有し、
前記治具は、前記被写体が前記ディテクター平面と並行に動くのに伴って伸縮する弾性部材を有し、
撮影時の前記被写体が接することになる位置に、前記ディテクター平面と平行に設けられた規制面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、動態画像を撮影する撮影者及び撮影される被写体双方の負担を軽減しつつ、診断者が動態画像に基づいて正確な診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る動態撮影装置を示すブロック図である。
図2】被写体の撮影方法の一例を示す図である。
図3】被写体の撮影方法の他の例を示す図である。
図4】被写体の撮影方法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0012】
<第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態について説明する。
【0013】
〔動態撮影装置〕
初めに、本実施形態に係る動態撮影装置100の概略構成について説明する。図1は動態撮影装置100を表すブロック図、図2~4は被写体Sの撮影方法の一例を示す図である。
【0014】
動態撮影装置100は、図1に示すように、放射線発生装置1と、ディテクター2(放射線検出器)と、治具3(図2参照)と、を備えている。
また、本実施形態に係る動態撮影装置100は、コンソール4を更に備えている。
各装置1,2,4は、例えば通信ネットワークN(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等)を介して互いに通信可能となっている。
【0015】
なお、動態撮影装置100は、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等と通信することが可能となっていてもよい。
【0016】
(放射線発生装置)
放射線発生装置1は、ジェネレーター11と、照射指示スイッチ12と、放射線源13と、を備えている。
なお、放射線発生装置1は、撮影室内に据え付けられたものであってもよいし、コンソール4等と共に回診車と呼ばれる移動可能に構成されたものとなっていてもよい。
【0017】
ジェネレーター11は、照射指示スイッチ12が操作されたことに基づいて、予め設定された撮影条件(例えば撮影部位、撮影方向、体格等の被写体Sに関する条件や、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積(mAs値)等の放射線Rの照射に関する条件)に応じた電圧を放射線源13(管球)へ印加するようになっている。
【0018】
放射線源13は、ジェネレーター11から電圧が印加されると、印加された電圧に応じた線量の放射線R(例えばX線等)を発生させるようになっている。
また、放射線源13は、X軸方向、X軸と直交するY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸方向に移動することが可能であるとともに、Y軸、Z軸と平行な回転軸を中心に回転して放射線の照射口の向きを変えることが可能となっている。
【0019】
放射線発生装置1は、このように構成されることで、撮影形態(静止画撮影・動態撮影)に応じた態様で放射線Rを発生させるようになっている。
また、放射線発生装置1は、任意の体位(立位、臥位、座位等)でいる被写体Sの任意の部位(例えば、骨、関節等)に、照射方向(放射線の光軸の延長方向)が、水平面及び鉛直線に対し任意の角度をなすように放射線Rを照射することが可能となっている。
【0020】
(ディテクター)
ディテクター2は、図示を省略するが、放射線Rを受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子や電荷の蓄積・放出を行うスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列されたディテクター平面2a(撮像面)を有するディテクターや、各スイッチ素子のオン/オフを切り替える走査回路、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出す読み出し回路、読み出し回路が読み出した複数の信号値から放射線画像を生成する制御部、生成した放射線画像のデータや各種信号等を外部へ送信したり、各種情報や各種信号を受信したりする通信部等を備えている。
【0021】
そして、ディテクター2は、放射線発生装置1から放射線Rが照射されるタイミングと同期して、電荷の蓄積・放出、信号値の読出しを行うことにより、照射された放射線Rの線量に応じた放射線画像を生成するようになっている。
特に、被写体Sの動きを撮影する場合には、電荷の蓄積・放出、信号値の読出しを短時間に複数回(例えば1秒間に15回)繰り返すことにより複数のフレームからなる動態画像を生成する。
すなわち、ディテクター2は、動画生成手段をなす。
【0022】
また、本実施形態に係るディテクター2は、任意の方向に照射される放射線Rに対し、ディテクター平面2aを、被写体Sを挟んだ放射線Rの照射方向延長線上に配置することが可能となっている。
なお、ディテクター2は、それのみで配置されていてもよいし、図示しない撮影台等に支持されていてもよい。
【0023】
(治具)
治具3は、被写体Sの動きのうちディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制することが可能なものとなっている。
本実施形態に係る治具3は、支持部と、例えば図2に示すような規制部31と、を備えている。
支持部は、規制部31を固定するものである。
本実施形態に係る支持部は、撮影箇所にある床、壁、天井、放射線発生装置、図示しない撮影台等から、撮影時の被写体Sが位置することになる箇所まで延びる棒状部材となっている。
【0024】
規制部31は、支持部によって固定されている。
本実施形態に係る規制部31は、支持部の先端に取り付けられている。
規制部31は、放射線の透過を邪魔しない材料で形成されている。
本実施形態に係る規制面31aは、撮影時の被写体Sが接することになる位置に、ディテクター平面と平行に設けられている。
【0025】
なお、規制部31は、被写体Sよりもディテクター2側に位置し、規制面31aが放射線発生装置1の方を向いていてもよいし、被写体Sよりも放射線発生装置1側に位置し、規制面31aがディテクター2の方を向いていてもよい。
また、規制部31は、支持部を変形させたり、支持部に対して移動させたりすることにより、位置を変更可能となっていてもよい。
また、規制部31は、被写体S全体に同時に接することが可能な程度に広い規制面3aを有するものであってもよい。
【0026】
(コンソール)
コンソール4は、PCや専用の装置等で構成されている。
また、コンソール4は、他のシステム(HISやRIS等)から取得した撮影オーダー情報やユーザーによる操作に基づいて、各種撮影条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)、撮影部位、撮影方向等)を撮影装置等に設定することが可能となっている。
【0027】
(動態撮影装置の概略動作)
このように構成された動態撮影装置100は、放射線発生装置1の放射線源13とディテクター2とを間を空けて対向配置し、それらの間に配置された被写体Sへ放射線源13から放射線Rを照射することにより、被写体Sを動態撮影する(ディテクターによって検出された被写体Sの可動に関する動態画像を生成する)ことが可能となっている。
静止状態の被写体を撮影する場合には、1回の撮影操作(照射指示スイッチの押下)につき放射線Rの照射及び放射線画像の生成を1回だけ行い、被写体Sの動態を撮影する場合には、1回の撮影操作につきパルス状の放射線Rの照射及びフレームの生成を短時間に複数回繰り返す。
【0028】
〔動態撮影装置の被写体〕
治具3は、撮影時の被写体Sと触れることになる箇所に配置され、被写体Sの動きのうちディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制するようになっている。
このため、本実施形態に係る動態撮影装置100は、被写体Sにディテクター平面2aに対する垂直方向の可動が生じ得るような被写体Sの動作を撮影する場合に適したものとなっている。
このような場合の被写体Sは、例えば、特定部位、又は特定部位に付された目印となる。
特定部位は、骨、関節、脊椎等である。
【0029】
被写体Sにディテクター平面2aに対する垂直方向の可動が生じ得るような被写体Sの動作には、例えば図2に示すような、手関節J1の伸展・屈曲動作(ダーツを投げるときの動作)が含まれる。
この動作においては、手関節J1の伸展・屈曲に伴って手を振ることになるが、その際に治具3を用いないと、手を振った勢いで前腕が手を振った方向に変位し、その結果、手関節J1も前腕と共に変位してしまうことがある。手を振る方向がディテクター平面2aに対する垂直方向であれば、手関節J1もディテクター平面2aに対する垂直方向に可動することになる。
しかし、例えば図2(a)に示すように、規制部31を上腕に接するように配置することで、手関節J1がディテクター平面2aに対する垂直方向に可動するのを規制することができる。
【0030】
なお、手関節J1の動きを、手の可動平面に対する垂直方向(図2(a)の紙面と直交する方向)から撮影する場合、例えば図2(b)に示すように、規制部31を、規制面31aが、手に接するように、且つ手の可動平面と並行となるように配置してもよい。このようにすれば、手が規制面31aに接した状態を維持しながら動くことにより、被写体Sの規制面31a(ディテクター平面2a)に対する垂直方向の可動がない被写体Sの動きを撮影することができる。
【0031】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
なお、ここでは、上記第一実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
〔治具〕
動態撮影装置100Bは、上記第一実施形態と異なる治具3Aを備える。
本実施形態に係る治具3Aも、上記第一実施形態に係る治具3と同様に、被写体Sの動きのうちディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制することが可能なものとなっているが、その具体的構成が上記第一実施形態に係る治具3と異なる。
【0033】
本実施形態に係る治具3Aは、撮影時の前記被写体Sと繋がる部位を持っている。
具体的には、本実施形態に係る治具3Aは、ゴムひもとなっている。
例えば、手関節J1を撮影する場合、このゴムひもの一端を、上腕の先端部(手関節とつながる部位)にかけ、ゴムひもの中間部が伸ばされている状態で他端部を床等に固定(例えば、足で踏む等)する。
上腕は、台や大腿部(腰かけている場合)の上に載置する。
このようにすれば、ゴムひもの弾性力によってゴムひもの一端をかけた部位が台や大腿部の上に固定され、その結果、ゴムひもの一端をかけた部位に繋がる被写体Sのディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制することができる。
【0034】
なお、ここでは、治具3Aとして、単純なゴムひもを例示したが、治具3Aは、例えば、支持部と、支持部に支持され被写体Sの手足を支持するギプス状の規制部を有するものであってもよい。
【0035】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
なお、ここでは、上記第一実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
〔治具〕
動態撮影装置100Bは、上記第一実施形態と異なる治具3Bを備える。
本実施形態に係る治具3Bも、上記第一実施形態に係る治具3と同様に、被写体Sの動きのうちディテクター平面に対する垂直方向の可動を規制することが可能なものとなっているが、その具体的構成が上記第一実施形態に係る治具3と異なる。
【0037】
本実施形態に係る治具3Bは、被写体Sがディテクター平面と並行に動くのに伴って伸縮する弾性部材を有している。
具体的には、本実施形態に係る治具3Bは、ゴムひもとなっている。すなわち、本実施形態に係る治具3Bは、全体が弾性部材となっている。
例えば、肩関節J2を撮影する場合、このゴムひもの一端を、手や腕に固定(例えば、手で握る等)し、他端部を床等に固定(足で踏む等)する。
そして、ゴムひもの固定状態を保ったまま腕を上下動させる。
このようにすれば、被写体Sがゴムひもを伸ばすことを意識しながら被写体Sに繋がる部位(腕等)を、ゴムひもが伸縮する方向(鉛直方向)に力を入れて動くため、被写体Sがゴムひもが伸縮する方向と略直交する方向(ディテクター平面に対する垂直方向)にふらつきにくくなる。
【0038】
<その他>
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、特定の動き(伸展・屈曲)がある特定部位の診断を目的とするものであったが、動態撮影装置100,100A,100Bは、ディテクター平面に対する垂直方向に変位が生じる部位であれば、他の動きが無い部位の撮影にも用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
100,100A,100B 動態撮影装置
1 放射線発生装置
11 ジェネレーター
12 照射指示スイッチ
13 放射線源
2 ディテクター
2a ディテクター平面
3,3A,3B 治具
31 規制部
31a 規制面
4 コンソール
1 手関節(特定部位)
2 肩関節(特定部位)
N 通信ネットワーク
R 放射線
S 被写体
図1
図2
図3
図4