(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラムと通信装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72415 20210101AFI20240903BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240903BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240903BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20240903BHJP
【FI】
H04M1/72415
H04W76/10
H04W84/12
H04W88/02 110
(21)【出願番号】P 2020089952
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮弥
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213630(JP,A)
【文献】特開2014-127739(JP,A)
【文献】特表2017-512396(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110876172(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105682253(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
LAN(Local Area Networkの略)を利用した通信を実行するための通信インターフェースと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記端末装置が現在接続されている特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、インターネット上のサーバとの通信を試行する第1の試行処理を実行する第1の試行部と、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、接続情報を前記端末装置とは異なる通信装置に送信し、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗することを含む特定の条件が満たされる場合に、前記接続情報は前記通信装置に送信されない接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記通信装置を前記特定のLANに接続させるための情報である、前記接続情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記接続情報送信部は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、かつ、第1の指示が入力される場合に、前記接続情報を前記通信装置に送信し、
前記特定の条件は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、かつ、前記第1の指示が入力されないことを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗する場合に、前記第1の指示の入力を受け付けるための第1のボタンを含む第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部として機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記特定の条件は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、前記第1の指示が入力されず、かつ、前記第1の指示とは異なる第2の指示が入力されることを含み、
前記端末装置は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、前記第2の指示の入力を受け付けないように構成されている、請求項2又は3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗する場合に、前記第1の指示の入力を受け付けるための第1のボタンと、前記第2の指示の入力を受け付けるための第2のボタンと、を含む第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、前記接続情報を前記通信装置に送信する指示を受け付けるための第3のボタンを含むともに前記第2のボタンを含まない第2の画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
として機能させる、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、試行要求を前記通信装置に送信する試行要求送信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用した前記サーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記試行の結果は、所定の出力部によって出力される、前記試行要求送信部として機能させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記試行要求送信部は、前記接続情報が前記通信装置に送信され、かつ、前記通信装置が前記特定のLANに接続された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記試行要求を前記通信装置に送信する、請求項
6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記端末装置は、さらに、前記所定の出力部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記試行要求が前記通信装置に送信されることに応じて、前記通信装置から、前記通信インターフェースを介して、前記試行の結果を示す結果情報を受信する結果情報受信部と、
受信済みの前記結果情報によって示される結果を前記所定の出力部に出力させる第1の出力制御部と、
として機能させる、請求項6
又は7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記所定の出力部は、表示部であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記通信装置との通信を試行する第2の試行処理を実行する第2の試行部と、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が失敗する場合に、第3の画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部と、
として機能させ、
前記第1の出力制御部は、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が成功し、かつ、前記通信装置から前記サーバとの通信の試行が失敗であることを示す前記結果情報が受信される場合に、第4の画面を前記表示部に表示させ、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が成功し、かつ、前記通信装置から前記サーバとの通信の試行が成功であることを示す前記結果情報が受信される場合に、第5の画面を前記表示部に表示させ、
前記第3の画面と前記第4の画面と前記第5の画面とは、互いに異なるメッセージを含む、請求項
8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記通信装置との通信を試行する第2の試行処理を実行する第2の試行部として機能させる、請求項1から
8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記通信インターフェースは、無線LANを利用した通信を実行するためのインターフェースであり、
前記特定のLANは、アクセスポイントによって形成される無線LANである、請求項1から
10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記通信装置の公開鍵を用いて得られる特定情報が前記通信装置によって出力される場合に、前記公開鍵を取得する取得部と、
取得済みの前記公開鍵が利用された認証要求を前記通信装置に送信する認証要求送信部と、
前記認証要求が前記通信装置に送信されることに応じて、前記通信装置から認証応答を受信する認証応答受信部と、
として機能させ、
前記接続情報送信部は、前記通信装置から前記認証応答が受信された後に、前記接続情報を前記通信装置に送信する、請求項
11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、登録信号を前記通信装置に送信する登録信号送信部であって、前記登録信号は、前記通信装置の識別情報を前記サーバに登録するための信号である、前記登録信号送信部として機能させる、請求項1から
12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置を利用して、通信装置をLAN(Local Area Networkの略)に接続させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、DPP(Device Provisioning Protocolの略)方式に従ったプリンタ用Configuration Objectをプリンタに送信する端末装置が開示されている。プリンタは、プリンタ用Configuration Objectを利用して、アクセスポイントとのWi-Fi接続を確立する。そして、端末は、アクセスポイントを介して、Wi-Fi接続を利用して、印刷データをプリンタに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「Device Provisioning Protocol Specification Version 1.1.13」 Wi-Fi Alliance, 2019年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術では、プリンタをインターネット上のサーバと通信させることについて何ら考慮されていない。
【0006】
本明細書では、通信装置をインターネット上のサーバと通信させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される端末装置のためのコンピュータプログラムにおいて、前記端末装置は、LAN(Local Area Networkの略)を利用した通信を実行するための通信インターフェースと、コンピュータと、を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、前記端末装置が現在接続されている特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、インターネット上のサーバとの通信を試行する第1の試行処理を実行する第1の試行部と、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、接続情報を前記端末装置とは異なる通信装置に送信し、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗することを含む特定の条件が満たされる場合に、前記接続情報は前記通信装置に送信されない接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記通信装置を前記特定のLANに接続させるための情報である、前記接続情報送信部と、として機能させる。
【0008】
上記の構成によると、端末装置は、第1の試行処理においてサーバとの通信の試行が成功する場合、即ち、特定のLANがサーバとの通信を実行可能なLANである場合に、接続情報を通信装置に送信する。これにより、通信装置を特定のLANに接続させることができ、この結果、通信装置をインターネット上のサーバと通信させ得る。
【0009】
また、本明細書によって開示される端末装置のためのコンピュータプログラムにおいて、前記端末装置は、LAN(Local Area Networkの略)を介した通信を実行するための通信インターフェースと、コンピュータと、を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、前記通信インターフェースを介して、接続情報を前記端末装置とは異なる通信装置に送信する接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記端末装置が現在接続されている特定のLANに前記通信装置を接続させるための情報である、前記接続情報送信部と、前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記通信インターフェースを介して、試行要求を前記通信装置に送信する試行要求送信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用したサーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記サーバは、インターネット上に存在し、前記試行の結果は、所定の出力部によって出力される、前記試行要求送信部と、として機能させる。
【0010】
上記の構成によれば、通信装置は、サーバとの通信を試行し、当該試行の結果が出力される。これにより、ユーザは、通信装置が特定のLANを利用してインターネット上のサーバとの通信の試行が成功するのか否かを知り得る。このために、ユーザは、通信装置が特定のLANを利用してインターネット上のサーバとの通信の試行が失敗である場合には、例えば、特定のLANとは異なるLANであって、インターネット上のサーバと通信可能なLANに通信装置を接続させるための作業を実行し得る。この結果、通信装置をインターネット上のサーバと通信させ得る。
【0011】
また、本明細書によって開示される通信装置は、LAN(Local Area Networkの略)を利用した通信を実行するための通信インターフェースと、前記通信装置とは異なる端末装置から、前記通信インターフェースを介して、接続情報を受信する接続情報受信部であって、前記接続情報は、前記端末装置が現在接続されている特定のLANに前記通信装置を接続させるための情報である、前記接続情報受信部と、受信済みの前記接続情報を利用して、前記通信インターフェースを前記特定のLANに接続させる接続制御部と、前記端末装置から前記接続情報が受信された後に、前記端末装置から、前記通信インターフェースを介して、試行要求を受信する試行要求受信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用したサーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記サーバは、インターネット上に存在する、前記試行要求受信部と、前記端末装置から前記試行要求が受信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記サーバとの通信を試行する試行部と、前記試行の結果を示す結果情報を前記通信装置の出力部に出力させる第2の出力制御部と、を備える。
【0012】
上記の構成によれば、通信装置は、結果情報を出力する。これにより、ユーザは、通信装置が特定のLANを利用してインターネット上のサーバとの通信の試行が成功であるのか否かを知り得る。このために、ユーザは、通信装置が特定のLANを利用してインターネット上のサーバとの通信の試行が失敗である場合には、例えば、特定のLANとは異なるLANであって、インターネット上のサーバと通信可能なLANに通信装置を接続させるための作業を実行し得る。この結果、通信装置をインターネット上のサーバと通信させ得る。
【0013】
上記の端末装置のためのコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、端末装置そのもの、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。上記の通信装置のためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、通信装置によって実行される方法も新規で有用である。また、端末装置と通信装置とを備える通信システムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】端末及びプリンタのハードウェア構成を示す。
【
図3】アクセスポイントのセットアップの処理を示すシーケンス図である。
【
図4】プリンタのセットアップの処理を示すシーケンス図である。
【
図5】
図4においてWi-Fi接続が確立されたケースの続きを示すシーケンス図である。
【
図7】2台目のプリンタのセットアップの処理を示すシーケンス図である。
【
図8】サーバへの登録の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、AP(Access Pointの略)6と、端末10と、2個のプリンタ100、200と、を備える。AP6は、無線LAN(Local Area Networkの略)を形成可能であり、インターネット8に接続されることにより、当該無線LAN上の装置(例えば端末10)とインターネット8上の装置(例えばサーバ500)との通信を中継する。各装置10、100、200は、当該無線LANに接続することによって、AP6及びインターネット8を介して、サーバ500と通信可能である。サーバ500は、プリンタ(例えば100)のベンダによってインターネット8上に設置される。なお、変形例では、サーバ500は、プリンタ(例えば100)のベンダとは異なる事業者によってインターネット8上に設置されてもよい。
【0016】
サーバ500は、プリンタに関するサービスをプリンタのユーザに提供するためのサーバである。当該サービスは、例えば、プリンタからプリンタの状態を示す情報(例えばプリンタで利用される着色剤の残量)を受信して、当該情報を管理する管理サービスを含む。管理サービスは、例えば、現在の着色剤の残量が所定の閾値以下である場合に、着色剤を含むカートリッジをプリンタのユーザに発送するサービスである。
【0017】
本実施例では、AP6、プリンタ100、200が、オフィスに設置されている状況を想定している。オフィスの管理者は、サーバ500によって提供されるサービスを受けるために、端末10を利用して、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi方式に従った無線接続(以下では「Wi-Fi接続」と記載する)を確立させ、サーバ500のサービスを開始するための通信をプリンタ100に実行させる。
【0018】
(端末10の構成;
図2)
端末10は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。なお、変形例では、端末10は、据置型のPC、ノートPC等であってもよい。端末10は、操作部12と、表示部14と、Wi-Fiインターフェース16と、カメラ18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースを単に「I/F」と記載する。カメラ18は、物体を撮影するためのデバイスであり、本実施例では、特に、AP6及びプリンタ100のためのQRコード(登録商標)を撮影するために利用される。
【0019】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を端末10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。なお、表示部14は、タッチパネル(即ち操作部12)として機能してもよい。
【0020】
Wi-FiI/F16は、Wi-Fi規格に従ったWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。Wi-Fi規格は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための規格である。Wi-FiI/F16は、Wi-Fi Allianceによって策定されたDPP(Device Provisioning Protocolの略)方式をサポートしている。DPP方式は、Wi-Fi Allianceによって作成された規格書「Device Provisioning Protocol Specification Version 1.1.13」に記述されている。
【0021】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36、40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。OS(Operating System)プログラム36は、端末10の基本的な制御を実行するためのプログラムである。接続アプリケーション40(以下では単に「接続アプリ40」と記載する)は、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi接続を確立させるためのプログラムであり、例えば、プリンタ100のベンダによって提供されるインターネット上のサーバ(図示省略)から端末10にインストールされる。
【0022】
(プリンタ100、200の構成;
図2)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末10の周辺装置)である。なお、変形例では、プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、操作部112と、表示部114と、Wi-FiI/F116と、印刷実行部118と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、プリンタ200(
図1参照)の構成は、プリンタ100と同様である。
【0023】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をプリンタ100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。なお、表示部114は、タッチパネル(即ち操作部112)として機能してもよい。Wi-FiI/F116は、端末10のWi-FiI/F16と同様である。即ち、Wi-FiI/F116は、DPP方式をサポートしている。また、Wi-FiI/F116は、MACアドレス「MACpr1」を有する。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0024】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0025】
(AP6のセットアップ;
図3)
図3を参照して、AP6のセットアップについて説明する。本セットアップにより、端末10とAP6との間にWi-Fi接続が確立される。なお、端末10によって実行される以下の全ての通信は、Wi-FiI/F16を介して実行される。従って、以下では、通信に関する処理を説明する際に、「Wi-FiI/F16を介して」という記載を省略する。また、以下では、理解の容易化のために、各デバイスのCPU(例えばCPU32等)が実行する動作を、CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えば端末10)を主体として記載する。
【0026】
AP6は、DPP方式をサポートしている。AP6は、DPP方式の通信に利用される公開鍵「PPKap」を予め記憶している。そして、AP6の公開鍵「PPKap」と、AP6のMACアドレス「MACap」と、をコード化することによって得られるQRコードがAP6の筐体に貼り付けられている。
【0027】
端末10は、T110において、オフィスの管理者からカメラ起動操作を受け付けると、カメラ18を起動し、T112において、AP6のQRコードを撮影する。そして、端末10は、T114において、接続アプリ40を利用して、撮影済みのQRコードをデコードし、公開鍵「PPKap」と、MACアドレス「MACap」と、を取得する。換言すると、T112及びT114の処理は、端末10とプリンタ100との間で実行されるDPP方式のBootstrapping(以下では「BS」と記載する)である。なお、端末10によって実行される以下の全ての処理は、接続アプリ40によって実行される。
【0028】
端末10は、BSが終了すると、T120において、DPP方式のAuthentication(以下では「Auth」と記載する)をAP6と実行する。具体的には、端末10は、まず、公開鍵「PPKap」と端末10の秘密鍵(図示省略)とを利用して共有鍵を生成し、当該共有鍵を利用して暗号化データを生成する。そして、端末10は、当該暗号化データと端末10の公開鍵(図示省略)とを含むAuth Requestをプリンタ100に送信する。当該Requestは、認証の実行をAP6に要求する信号であり、さらに、端末10がConfiguratorとして動作することを示す情報を含む。以下ではRequestのことを「Req」と記載する。
【0029】
AP6は、端末10からAuth Reqを受信すると、Auth Reqに含まれる暗号化データの認証を実行する。AP6は、認証が成功すると、成功を示すAuth Responseを端末10に送信する。当該Responseは、AP6がEnrolleeとして動作することを示す情報を含む。以下では、Responseのことを「Res」と記載する。Authが実行されることにより、端末10がConfiguratorとして動作すると共に、AP6がEnrolleeとして動作することが決定される。
【0030】
AP6は、Auth Resを端末10に送信すると(T120)、T130において、DPP方式のConfiguration(以下では「Config」と記載する)を端末10と実行する。具体的には、EnrolleeであるAP6は、Config ReqをConfiguratorである端末10に送信する。当該Reqは、AP用COの送信を端末10に要求する信号である。AP用COは、端末10とAP6との間にWi-Fi接続を確立するために、AP6によって利用される情報である。
【0031】
端末10は、AP6からConfig Reqを受信すると、AP用COを生成する。AP用COは、AP用Signed-Connector(以下では「SC」と記載する)を含む。そして、端末10は、AP用COを含むConfig ResをAP6に送信する。
【0032】
AP6は、端末10からConfig Resを受信すると(T130)、T132において、AP用COをAP6のメモリ(図示省略)に記憶する。
【0033】
次いで、端末10は、T140において、DPP方式のNetwork AccessをAP6と実行する。具体的には、まず、端末10は、端末用COを生成する。端末用COは、端末用SCを含む。端末10は、生成済みの端末用COに含まれる端末用SCを取得する。そして、端末10は、当該SCを含むDPP Peer Discovery ReqをAP6に送信する。当該Reqは、認証の実行をAP6に要求する信号である。以下では、DPP Peer Discoveryのことを単に「Discovery」と記載する。
【0034】
AP6は、端末10からDiscovery Reqを受信すると、当該Reqに含まれる端末用SCを利用して認証を実行する。AP6は、認証が成功すると、接続キーを生成すると共に、AP用CO内のAP用SCを含むDiscovery Resを端末10に送信する。
【0035】
端末10は、AP6からDiscovery Resを受信すると、当該Resに含まれるAP用SCを利用して認証を実行する。端末10は、認証が成功すると、接続キーを生成する。ここで生成される接続キーは、AP6によって生成される接続キーと同じものである。これにより、端末10とAP6との間で接続キーが共有される。
【0036】
端末10は、接続キーを利用して、4way-handshakeの通信をAP6と実行する。この結果、T142において、端末10とAP6との間にWi-Fi接続が確立される。即ち、端末10(即ちWi-FiI/F16)は、AP6によって形成されている無線LAN(以下では、「特定の無線LAN」と呼ぶ)に接続される。
【0037】
AP6は、T142において、端末10とのWi-Fi接続を確立すると、T150において、DPP方式のDPP Status Query Result(以下では単に「Result」と記載する)を端末10に送信する。当該Resultは、端末10とAP6との間にWi-Fi接続が確立されたことを示す情報を含む。
【0038】
端末10は、T150において、AP6からResultを受信すると、T160におおいて、T142のWi-Fi接続を利用して、インターネット8上のサーバ500との通信を試行する。具体的には、端末10は、T160Aにおいて、サーバ500を宛先とするPING信号をAP6に送信する。
【0039】
(ケースA1)
ケースA1は、T160AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が失敗するケースである。当該PING信号に対する応答信号が端末10によって受信されない場合に、当該試行は失敗する。失敗する原因は、例えば、AP6がインターネット8に接続されてないこと、AP6がインターネット8に接続されているものの、サーバ500のメンテナンス等で、サーバ500がインターネット8から切断されていること、AP6及びサーバ500がインターネット8に接続されているものの、PING信号の復号又は認証に失敗すること等である。
【0040】
端末10は、T160AのPING信号に対する応答信号を受信しないと判断すると、T162において、セットアップ画面SR1を表示部14に表示させる。セットアップ画面SR1は、サーバ500と通信不可であることを示すメッセージと、「Cancel」ボタンと、「New」ボタンと、を含む。「Cancel」ボタンは、後述するプリンタ100のセットアップ(
図4)をキャンセルする指示の入力を受け付けるためのボタンである。端末10は、「Cancel」ボタンが選択されると、AP6とのWi-Fi接続を切断し、他のAPとBSを実行するために再びカメラ18を起動する。
【0041】
また、「New」ボタンは、後述するプリンタのセットアップ(
図4参照)の指示の入力を受け付けるためのボタンである。即ち、端末10は、サーバ500と通信不可である場合であっても、プリンタのセットアップの指示の入力を受け付け可能である。このような構成によれば、ユーザは、サーバ500と通信不可な状況から通信可能な状況に変化する前に、プリンタのセットアップを進めることができる。ユーザに利便性が向上する。
【0042】
(ケースA2)
ケースA2は、T160AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が成功するケースである。当該PING信号に対する応答信号が端末10によって受信される場合に、当該試行は成功する。例えば、AP6がインターネット8に接続されている場合に、AP6は、T160Bにおいて、端末10から受信したPING信号をサーバ500に送信する。そして、AP6は、T164において、サーバ500から当該PING信号に対する応答信号を受信して、当該応答信号を端末10に送信する。この結果、当該応答信号が端末10によって受信される。
【0043】
端末10は、T160AのPING信号に対する応答信号を受信したと判断すると、T166において、セットアップ画面SR2を表示部14に表示させる。セットアップ画面SR2は、サーバ500と通信可能であることを示すメッセージと、「New」ボタンと、を含む。ここで、セットアップ画面SR2は、「Cancel」ボタンを含まない。別言すれば、後述するプリンタ100のセットアップ(
図4)をキャンセルする指示の入力を受け付けないように構成されている。このような構成によれば、T160AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が成功しているにも関わらず、後述するプリンタ100のセットアップが誤ってキャンセルされることを抑制することができる。
【0044】
(プリンタのセットアップ;
図4~
図8)
図4~
図8を参照して、1個以上のプリンタのセットアップについて説明する。プリンタのセットアップでは、プリンタとAP6との間のWi-Fi接続が確立され得る。
図4~
図6は、プリンタ100のセットアップを実行するケースについて説明する。
図4は、
図3のケースA2(即ちサーバ500との通信の試行が成功するケース)の続きである。また、後述の
図7では、プリンタ100のセットアップの後に、プリンタ200のセットアップを実行するケースについて説明する。
【0045】
プリンタ100は、T200において、オフィスの管理者から電源ON操作を受け付け、T202において、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi接続を確立させるための設定ボタン操作を受け付ける。この場合、プリンタ100は、T204において、QRコードを表示部114に表示させる。当該QRコードは、プリンタ100が記憶済みの公開鍵「PPKpr1」と、MACアドレス「MACpr1」と、を含む情報がコード化されたコード画像である。
【0046】
端末10は、T210において、
図3のT166のセットアップ画面SR2内の「New」ボタンを選択する操作を受け付ける。T212は、プリンタ100のQRコードが撮影される点を除いて、
図3のT112と同様である、T214は、公開鍵「PPKpr1」とMACアドレス「MACpr1」とが取得される点を除いて、
図3のT114と同様である。
【0047】
T220は、プリンタ100とAuthが実行される点を除いて、
図3のT120と同様である。T220では、端末10がConfiguratorとして動作すると共に、プリンタ100がEnrolleeとして動作することが決定される。
【0048】
T230は、端末10からプリンタ100に第1のプリンタ用COが送信される点を除いて、
図3のT130と同様である。第1のプリンタ用COは、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi接続を確立するために、プリンタ100によって利用される情報である。別言すれば、第1のプリンタ用COは、プリンタ100をAP6の特定の無線LANに接続させるための情報である。第1のプリンタ用COは、第1のプリンタ用SCを含む。
【0049】
プリンタ100は、端末10から、第1のプリンタ用COを含むConfig Resを受信すると(T230)、T232において、第1のプリンタ用COをメモリ134に記憶する。
【0050】
T240は、プリンタ100とAP6との間でNetwork Accessが実行される点と、第1のプリンタ用SCが利用される点と、を除いて、
図3のT140と同様である。
【0051】
(ケースB1)
ケースB1は、T240のNetwork Accessが失敗するケースである。Network Accessが失敗する原因は、例えば、プリンタ100がAP6の電波が届かない場所に設置されていること、プリンタ100の認証方式とAP6の認証方式が異なること等である。
【0052】
プリンタ100は、Network Accessが失敗すると、T250において、プリンタ100とAP6との間のWi-Fi接続の確立が失敗したことを示す情報を含むResultを端末10に送信する。
【0053】
端末10は、T250において、プリンタ100からResultを受信すると、T252において、セットアップ画面SR3を表示部114に表示させる。セットアップ画面SR3は、ステータステーブルSTと、「登録」ボタンと、「New」ボタンと、を含む。ステータステーブルSTでは、1個以上のプリンタのそれぞれについて、当該プリンタのセットアップの状況を表示するためのテーブルである。セットアップ画面SR3内のステータステーブルSTは、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」について、AP6とのWi-Fi接続の確立が失敗していることを示すメッセージ「接続失敗」を含む。
【0054】
「登録」ボタンは、登録指示の入力を受け付けるためのボタンである。登録指示は、プリンタ(例えばプリンタ100)のMACアドレスをサーバ500に登録するための指示である。「登録」ボタンが選択される場合に実行される処理については、
図8において後述する。
【0055】
セットアップ画面SR3内の「New」ボタンは、
図3のセットアップ画面SR1内の「New」ボタンと同様である。セットアップ画面SR3内の「New」ボタンが選択される場合に処理については、
図7において後述する。
【0056】
(ケースB2)
ケースB2は、T240のNetwork Accessが成功するケースである。T262では、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi接続が確立される。即ち、プリンタ100(即ちWi-FiI/F116)は、AP6の特定の無線LANに接続される。
【0057】
プリンタ100は、Network Accessが成功すると、T270において、プリンタ100とAP6との間のWi-Fi接続の確立が成功したことを示す情報を含むResultを端末10に送信する。
【0058】
端末10は、T270において、プリンタ100からResultを受信すると、T272において、セットアップ画面SR4を表示部114に表示させる。セットアップ画面SR4は、ステータステーブルSTの内容が異なる点を除いて、セットアップ画面SR3と同様である。セットアップ画面SR4内のステータステーブルSTは、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」についてプリンタ100のセットアップが実行途中であることを示すメッセージ「設定中」を含む。
【0059】
(
図4のケースB2の続き;
図5)
続いて、端末10は、
図4のT270において、プリンタ100からResultを受信すると、T280Aにおいて、
図3のT142のWi-Fi接続と
図4のT262のWi-Fi接続(即ちAP6の特定の無線LAN)を利用して、プリンタ100との通信を試行する。具体的には、プリンタ100は、T280Aにおいて、プリンタ100(即ちMACアドレス「MACpr1」)を宛先とするPING信号をAP6に送信する。これにより、AP6は、T280Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、PING信号をプリンタ100に送信する。これにより、端末10は、AP6の特定の無線LANを利用したプリンタ100との通信が可能か否かを知ることができる。
【0060】
(ケースC1)
ケースC1は、T280AのPING信号においてプリンタ100との通信の試行が失敗するケースである。例えば、プリンタ100のネットワーク設定に不備がある場合に、プリンタ100は、当該PING信号に対する応答信号を端末10に送信しない。この結果、T280AのPING信号においてプリンタ100との通信の試行が失敗する。
【0061】
端末10は、T280AのPING信号に対する応答信号を受信しないと判断すると、T282において、セットアップ画面SR5を表示部14に表示させる。セットアップ画面SR5は、ステータステーブルSTの内容が異なる点を除いて、
図4のセットアップ画面SR3と同様である。セットアップ画面SR5内のステータステーブルSTは、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」についてプリンタ100と通信不可であることを示すメッセージ「プリンタ通信失敗」を含む。
【0062】
(ケースC2)
ケースC2は、T280AのPING信号においてプリンタ100との通信の試行が成功するケースである。当該PING信号に対する応答信号が端末10によって受信される場合に、当該試行は成功する。例えば、プリンタ100のネットワーク設定に不備がない場合に、プリンタ100は、T284A、T284Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、当該PING信号に対する応答信号を端末10に送信する。この結果、当該応答信号が端末10によって受信される。本ケースでは、
図4のセットアップ画面SR4の表示が継続される。
【0063】
(
図5のケースC2の続き;
図6)
続いて、端末10は、
図5のT284Bにおいて、プリンタ100から応答信号を受信すると、T300A、T300Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、PING送信指示をプリンタ100に送信する。PING送信信号は、AP6の特定の無線LANを利用したサーバ500との通信をプリンタ100に試行させるための要求である。例えば、AP6の特定の無線LANを利用せず、端末10とプリンタ100との間のP2P接続を利用して、PING送信指示をプリンタ100に送信する比較例が想定される。この比較例では、端末10及びプリンタ200との間にP2P接続を確立する必要がある。これに対して、本実施例では、特定の無線LANが利用されるので、P2P接続の確立が不要である。このため、端末10及びプリンタ200の処理負荷を低減することができる。P2P接続の形式は、例えば、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)、SoftAP等である。なお、変形例では、この比較例の構成を採用してもよい。
【0064】
プリンタ100は、T300Bにおいて、端末10からPING送信指示を受信すると、T302Aにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、インターネット8上のサーバ500との通信を試行する。具体的には、プリンタ100は、T302Aにおいて、サーバ500を宛先とするPING信号をAP6に送信する。
【0065】
(ケースD1)
ケースD1は、T302AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が失敗するケースである。当該PING信号に対する応答信号がプリンタ100によって受信されない場合に、当該試行は失敗する。失敗の原因は、例えば、AP6がインターネット8に接続されてないこと、AP6がインターネット8に接続されているものの、サーバ500のメンテナンス等で、サーバ500がインターネット8から切断されていること、AP6及びサーバ500がインターネット8に接続されているものの、PING信号の復号又は認証に失敗すること等である。
【0066】
プリンタ100は、T302AのPING信号に対する応答信号を受信しないと判断すると、T304A、T304Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、当該応答信号が受信されないことを示す応答無し通知を端末10に送信する。
【0067】
端末10は、T304Bにおいて、AP6から応答無し通知を受信すると、T306において、セットアップ画面SR6を表示部14に表示させる。セットアップ画面SR6は、ステータステーブルSTの内容が異なる点を除いて、
図4のセットアップ画面SR3と同様である。セットアップ画面SR6内のステータステーブルSTは、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」についてサーバ500と通信不可であることを示すメッセージ「サーバ通信失敗」を含む。
【0068】
(ケースD2)
ケースD2は、T302AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が成功するケースである。当該PING信号に対する応答信号がプリンタ100によって受信される場合に、当該試行は成功する。例えば、AP6がインターネット8に接続されている場合に、AP6は、T302Bにおいて、当該PING信号をサーバ500に送信する。そして、AP6は、T308において、サーバ500から当該PING信号に対する応答信号を受信して、当該応答信号を端末10に送信する。この結果、当該応答信号が端末10によって受信される。
【0069】
プリンタ100は、T302AのPING信号に対する応答信号を受信したと判断すると、T310A、T310Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、当該応答信号が受信されたことを示す応答通知を端末10に送信する。
【0070】
端末10は、T310Bにおいて、AP6から応答通知を受信すると、T312において、セットアップ画面SR7を表示部14に表示させる。セットアップ画面SR7は、ステータステーブルSTの内容が異なる点を除いて、
図4のセットアップ画面SR3と同様である。セットアップ画面SR7内のステータステーブルSTは、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」についてプリンタ100のセットアップが完了したことを示すメッセージ「設定完了」を含む。
【0071】
(2台目のプリンタとアクセスポイントとのセットアップ;
図7)
図7は、
図4のケースB1(即ちプリンタ100とAP6との間のWi-Fi接続の確立が失敗するケース)の続きである。本実施例では、プリンタ100のセットアップが失敗する場合でも、他のプリンタ200のセットアップを実行することができる。プリンタ100のセットアップの完了を待つことなく、他のプリンタ200のセットアップを実行することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0072】
端末10は、T410において、
図4のT252のセットアップ画面SR3内の「New」ボタンを選択する操作を受け付ける。これにより、
図4のT212、T214と同様に、BSが実行される。当該BSでは、プリンタ200の公開鍵「PPKpr2」とプリンタ200のMACアドレス「MACpr2」が取得される。
【0073】
T420は、プリンタ200とAuthが実行される点を除いて、
図4のT220と同様である。T430は、端末10からプリンタ200に第2のプリンタ用COが送信される点を除いて、
図4のT230と同様である。第2のプリンタ用COは、プリンタ200とAP6との間にWi-Fi接続を確立するために、プリンタ200によって利用される情報である。別言すれば、第2のプリンタ用COは、プリンタ200をAP6の特定の無線LANに接続させるための情報である。第2のプリンタ用COは、第2のプリンタ用SCを含む。T432は、第2のプリンタ用COがメモリ134に記憶される点を除いて、
図4のT232と同様である。
【0074】
T440は、プリンタ200とAP6との間でNetwork Accessが実行される点と、第2のプリンタ用SCが利用される点と、を除いて、
図4のT240と同様である。T442では、プリンタ200とAP6との間にWi-Fi接続が確立される。
【0075】
T450は、Resultの送信主体がプリンタ200である点を除いて、
図4のT270と同様である。T472は、セットアップ画面SR14が表示される点を除いて、
図4のT272と同様である。セットアップ画面SR14は、ステータステーブルSTの内容が異なる点を除いて、セットアップ画面SR4と同様である。セットアップ画面SR14は、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」について、メッセージ「接続失敗」を含み、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」について、メッセージ「設定中」を含む。
【0076】
T480A~T484Bは、
図5のT280A~T284Bと同様である。T484Bにおいて応答信号が受信される時点では、セットアップ画面SR14の表示が継続されている。
【0077】
T500A~T510Bは、PING信号及び応答通知の送信主体がプリンタ200である点を除いて、
図6のT300A~T302B、T308、T310A、T310Bと同様である。T512は、セットアップ画面SR17が表示される点を除いて、
図6のT312と同様である。セットアップ画面SR17は、プリンタ100のMACアドレス「MACpr1」について、メッセージ「接続失敗」を含み、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」について、メッセージ「設定完了」を含む。
【0078】
(サーバ500への登録;
図8)
図8を参照して、プリンタ100、200のセットアップの後に、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」をサーバ500に登録する処理について説明する。
図8は、
図7の続きである。
【0079】
端末10は、T600において、
図7のT512のセットアップ画面SR17内の「登録」ボタンを選択する操作を受け付けると、ログイン画面SR20を表示部14に表示させる。ログイン画面SR20は、ログインの認証に利用されるアカウント情報(即ちアカウント名とパスワード)を入力するための画面である。端末10のユーザ(即ち管理者)のアカウント情報AIは、サーバ500に予め登録されている。
【0080】
端末10は、T602において、ログイン画面SR20においてアカウント情報AIの入力を受け付けると、T604において、当該アカウント情報AIを含むログイン要求をサーバ500に送信する。
【0081】
サーバ500は、T604において、端末10からログイン要求を受信すると、T606において、当該ログイン要求内のアカウント情報AIの認証を実行する。本ケースでは、アカウント情報AIの認証が成功する。T608では、サーバ500は、アカウント情報AIの認証が成功したこと示す成功通知を端末10に送信する。
【0082】
端末10は、T608において、サーバ500から成功通知を受信すると、T610において、PIN(Personal Identification Numberの略)コードの生成を要求するPIN要求をサーバ500に送信する。PINコードは、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」をサーバ500に登録するための認証に利用されるコードである。
【0083】
サーバ500は、T610において、端末10からPIN要求を受信すると、T612において、PINコード「1234」を生成する。そして、サーバ500は、ログイン中のアカウント情報AIと関連付けて、PINコード「1234」をサーバ500のメモリ(図示省略)に記憶する。
【0084】
T614では、サーバ500は、T612で生成されたPINコード「1234」を端末10に送信する。
【0085】
端末10は、T614において、サーバ500からPINコード「1234」を受信すると、T620A、T620Bにおいて、AP6の特定の無線LANを利用して、PINコード「1234」をプリンタ200に送信する。このような構成によれば、プリンタ200の操作部(図示省略)を操作して、PINコード「1234」をプリンタ200に入力する比較例と比べて、ユーザの作業負担が軽減される。なお、変形例では、この比較例の構成を採用してもよい。
【0086】
また、T602~T620Aの処理は、プリンタ200のセットアップに利用された端末10(即ちDPPのConfigurator)を利用して実行される。ユーザは、プリンタ200のセットアップに利用された端末10とは異なる他の端末を利用することなく、サーバ500への登録を実行することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0087】
また、例えば、PINコード「1234」が、AP6の特定の無線LANとは異なる他の通信経路を利用して、プリンタ200に送信される比較例が想定される。他の通信経路は、例えば、AP6とは異なるAPによって形成されている無線LAN、端末10とプリンタ200との間に形成されるP2P接続等である。P2P接続は、例えば、WFD、SoftAP、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communicationの略)等の形式に従った接続である。これに対して、本実施例では、プリンタ200のセットアップで確立された特定の無線LANが利用されるので、他の通信経路が不要である。端末10及びプリンタ200を他の通信経路に接続する処理が実行されない、又は、他の通信経路を維持する必要がないので、端末10及びプリンタ200の処理負荷を低減することができる。なお、変形例では、この比較例の構成を採用してもよい。
【0088】
プリンタ200は、T620Bにおいて、端末10からPINコード「1234」を受信すると、T622において、AP6の特定の無線LANを利用して、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」をサーバ500に登録するための登録要求をサーバ500に送信する。登録要求は、MACアドレス「MACpr2」と、PINコード「1234」と、を含む。このような構成によれば、セットアップ画面SR17内の「登録」ボタンを選択することによって、プリンタ200のセットアップに続けて、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」の登録を実行することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0089】
サーバ500は、T622において、プリンタ200から登録要求を受信すると、T624において、登録要求内のPINコード「1234」の認証を実行する。本ケースでは、PINコード「1234」はサーバ500のメモリ(図示省略)に記憶されているので、当該認証は成功する。そして、サーバ500は、サーバ500のメモリからPINコード「1234」に関連付けて記憶されているアカウント情報AIを特定し、特定済みのアカウント情報AIに関連付けて、登録要求内のMACアドレス「MACpr2」をサーバ500のメモリに記憶する。これにより、プリンタ200のMACアドレス「MACpr2」のサーバ500への登録が完了し、ユーザは、サーバ500によって提供されるサービスを受けることができる。
【0090】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、端末10は、AP6とのWi-Fi接続が確立されると、AP6の特定の無線LANを利用して、サーバ500を宛先とするPING信号をAP6に送信して、サーバ500との通信を試行する(
図3のT160A)。そして、端末10は、当該試行が成功する場合(
図3のケースA2)に、プリンタ100のセットアップを実行して、第1のプリンタ用COをプリンタ100に送信する(
図4のT230)。これにより、プリンタ100をAP6の特定の無線LAN(即ちサーバ500との通信を実行可能な無線LAN)に接続させることができ、この結果、プリンタ100をインターネット8上のサーバ500と通信させることができる。
【0091】
また、端末10は、第1のプリンタ用COをプリンタ100に送信した後に、PING送信指示をプリンタ100に送信する(
図6のT300A)。これにより、プリンタ100は、AP6の特定の無線LANを利用したサーバ500との通信を試行して(
図6のT302A)。当該試行の結果を示す通知(即ち応答無し通知又は応答通知)を端末10に送信する。この結果、端末10は、当該通知に応じたメッセージ(即ち「サーバ通信不可」又は「設定完了」)を含むセットアップ画面(即ちSR6又はSR7)を表示する。当該セットアップ画面を見たユーザは、プリンタ100が特定の無線LANを利用してインターネット8のサーバ500との通信の試行が成功するのか否かを知ることができる。このために、ユーザは、プリンタ100が特定の無線LANを利用してサーバ500との通信の試行が失敗である場合には、例えば、特定の無線LANとは異なる他の無線LANであって、インターネット8上のサーバ500と通信可能な無線LANにプリンタ100を接続させるための作業を実行することができる。この結果、プリンタ100をインターネット8のサーバ500と通信させることができる。
【0092】
ここで、プリンタ100が、T304Aの応答無し通知又はT310Aの応答通知に応じたメッセージを表示部114に表示させる比較例が想定される。この比較例では、当該メッセージを見るために、ユーザは、プリンタ100の近くに移動する必要がある。これに対して、本実施例では、ユーザは、端末10のセットアップ画面SR6、SR7を見て、当該メッセージを読むことができる。ユーザの利便性が向上する。
【0093】
また、本実施例では、端末10は、様々なケースにおいて、互いに異なるメッセージを含むセットアップ画面を表示する。具体的には、端末10がAP6の特定の無線LANを利用したプリンタ100との通信を不可能であるケースC1において、セットアップ画面SR5は、メッセージ「プリンタ通信失敗」を含む(
図5のT182)。プリンタ100がAP6の特定の無線LANを利用したサーバ500との通信を不可能であるケースD1において、セットアップ画面SR6は、メッセージ「サーバ通信失敗」を含む(
図6のT306)。そして、プリンタ100がAP6の特定の無線LANを利用したサーバ500との通信を可能であるケースD2において、セットアップ画面SR7は、メッセージ「設定完了」を含む(
図6のT312)。このような構成によれば、ユーザは、サーバ500との通信が可能か否か、及び、サーバ500との通信が不可能な原因を知ることができる。
【0094】
(対応関係)
端末10、接続アプリ40、CPU32が、それぞれ、「端末装置」、「コンピュータプログラム」、「コンピュータ」の一例である。表示部14が、「表示部(及び所定の出力部)」の一例である。Wi-FiI/F16が、「端末装置」の「通信インターフェース」の一例である。プリンタ100が、「通信装置」の一例である。Wi-FiI/F116が、「通信装置」の「通信インターフェース(及び出力部)」の一例である。AP6、特定の無線LANが、「アクセスポイント」、「特定のLAN」の一例である。
図3のT160Aの処理が、「第1の試行処理」の一例である。
図3のセットアップ画面SR1内の「Cancel」ボタンが選択されることが、「特定の条件が満たされる」ことの一例である。
図3のセットアップ画面SR1、当該画面SR1内の「New」ボタン、当該「New」ボタンの選択が、それぞれ、「第1の画面」、「第1のボタン」、「第1の指示」の一例である。
図3のセットアップ画面SR1内の「Cancel」ボタン、当該「Cancel」ボタンの選択が、それぞれ、「第2のボタン」、「第2の指示」の一例である。
図3のセットアップ画面SR2、当該画面SR2内の「New」ボタンが、「第2の画面」、「第3のボタン」の一例である。
図4のQRコード、
図4のT220のAuth Req、Auth Resが、それぞれ、「特定情報」、「認証要求」、「認証応答」の一例である。第1のプリンタ用COが、「接続情報」の一例である。
図5のT280Aの処理、T280BのPING信号、T284Aの応答信号が、それぞれ、「第2の試行処理」、「所定の信号」、「応答信号」の一例である。
図5のセットアップ画面SR5、
図6のセットアップ画面SR6、セットアップ画面SR7が、それぞれ、「第3の画面」、「第4の画面」、「第5の画面」の一例である。
図6のT304Bの応答無し通知又はT310の応答通知が、「結果情報」の一例である。
図8のT620のPINコード「1234」、T622の登録要求が、それぞれ、「登録信号」、「登録要求」の一例である。
【0095】
図3のT160、
図4のT230、
図6のT300Aが、それぞれ、「第1の試行部」、「接続情報送信部」、「試行要求送信部」によって実現される処理の一例である。
【0096】
図4のT230、
図4のT240、
図6のT300A、T302が、それぞれ、「接続情報受信部」、「接続制御部」、「試行要求受信部」、「試行部」によって実現される処理の一例である。
図6のT304又はT310が、「第2の出力制御部」によって実現される処理の一例である。
【0097】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0098】
(変形例1) 上記の実施例では、端末10は、AP6の特定の無線LANを利用して、PING信号をAP6に送信する(
図3のT160A)。これに代えて、端末10は、AP6との間の有線LANを利用して、PING信号をAP6に送信してもよい。本変形例では、上記の有線LANと、AP6の特定の無線LANと、を含むLANが、「特定のLAN」の一例である。また、当該有線LANを利用した通信を実行するためのI/Fが、「通信インターフェース」の一例である。
【0099】
(変形例2) 上記の実施例では、端末10は、Wi-FiI/F16を介して、第1のプリンタ用COをプリンタ100に送信する(
図4のT230)。これに代えて、端末10は、AP6との間の有線LANを利用して、第1のプリンタ用COをプリンタ100に送信してもよい。さらに、本変形例では、T220のAuth、T250のResultも、当該有線LANを利用して実行されてもよい。さらに、本変形例では、当該有線LANを利用して、
図6のT300AのPING送信指示をプリンタ100に送信してもよい。本変形例では、当該有線LANを利用した通信を実行するためのI/Fが、「通信インターフェース」の一例である。
【0100】
(変形例3)「通信装置」は、プリンタ100に限らず、例えば、スキャナ、多機能機、FAX機、PC等であってもよい。
【0101】
(変形例4)「第1の指示」は、
図3のセットアップ画面SR1内の「New」ボタンの選択に限らず、例えば、端末10の操作部12の特定のボタン(例えばタッチパネルとは異なるボタン)の選択、音声による指示等であってもよい。
【0102】
(変形例5)
図3のセットアップ画面SR1は、「New」ボタンを含まなくてもよい。そして、T160AのPING信号においてサーバ500との通信の試行が失敗する場合に、端末10は、
図4以降の処理を実行しなくてもよい。本変形例では、「第1の指示」を省略可能である。
【0103】
(変形例6)「第2の指示」は、
図3のセットアップ画面SR1内の「Cancel」ボタンの選択に限らず、例えば、端末10の操作部12の特定のボタン(例えばタッチパネルとは異なるボタン)の選択、音声による指示等であってもよい。
【0104】
(変形例7)
図3のセットアップ画面SR2は、「Cancel」ボタンを含んでいてもよい。一般的に言えば、端末装置は、第1の試行処理においてサーバとの通信の試行が成功する場合に、第2の指示の入力を受け付けるように構成されていてもよい。
【0105】
(変形例8)上記の実施例では。
図3のセットアップ画面SR1、SR2は、それぞれ、同じ「New」ボタンを含む。これに代えて、
図3のセットアップ画面SR1、SR2のうちのいずれかは、「New」ボタンとは異なる他のボタンであって、プリンタのセットアップの指示の入力を受け付けるため他のボタンを含んでいてもよい。本変形例では、当該他のボタンが、「第3のボタン」の一例である。
【0106】
(変形例9)「所定の出力部」は、端末10の表示部14に限らず、例えば、端末10のマイク、ライト、他の装置との通信を実行するためのI/F(例えば電子メールを送信するためのI/F)等であってもよい。また、「所定の出力部」は、端末10に備えられている表示部14に限らず、例えば、プリンタ100に備えられている表示部114等であってもよい。本変形例では、
図6のT302AのPING信号におけるサーバ500との通信の試行の結果を表示部114に表示することが、「第2の出力制御部」によって実現される処理の一例である。
【0107】
(変形例10)
図6のT300Aの処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「試行要求」を省略可能である。別言すれば、「端末装置のコンピュータ」は、「第1の試行部」と、「接続情報送信部」と、として機能すればよい。
【0108】
(変形例11)
図3のT160Aの処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の試行処理」を省略可能である。別言すれば、「端末装置のコンピュータ」は、「接続情報送信部」と、「試行要求送信部」と、として機能すればよい。
【0109】
(変形例12)「試行要求」は、「特定のLAN」とは異なる他の通信経路を利用して、信装置に送信されてもよい。他の通信経路は、例えば、WFD等に従ったP2P接続である。
【0110】
(変形例13)
図4~
図8の各セットアップ画面は、ステータステーブルSTを含まなくてもよい。本変形例では、「第3の画面」、「第4の画面」、及び、「第5の画面」を省略可能である。
【0111】
(変形例14)
図5のT280Aの処理は実行されなくてもよい。変形例では、「第2の試行処理」、「所定の信号」、及び、「応答信号」を省略可能である。
【0112】
(変形例15)プリンタ100は、
図4のT204において、QRコードを表示する代わりに、以下の変形例15-1、15-2の処理を実行してもよい。
【0113】
(変形例15-1)プリンタ100は、QRコードの印刷を印刷実行部118に実行させてもよい。この場合、端末10は、印刷済みのQRコードを撮影することによって、公開鍵「PPKpr1」等の情報を取得する。本変形例では、QRコードの印刷が、「特定情報が通信装置によって出力される」の一例であり、印刷実行部118が、「通信装置」の「出力部」の一例である。
【0114】
(変形例15-2)プリンタ100は、P2P接続(例えばWFD方式、Bluetooth方式、NFC方式に従った接続)を端末10と確立してもよい。この場合、プリンタ100は、確立済みのP2P接続を利用して、公開鍵「PPKpr1」等の情報を端末10に送信してもよい。本変形例では、公開鍵「PPKpr1」等の情報の送信が、「特定情報が通信装置によって出力される」の一例であり、P2P接続(例えばWFD方式、Bluetooth方式、NFC方式に従った接続)を利用した無線通信を実行するためのI/Fが、「通信装置」の「出力部」の一例である。
【0115】
(変形例16)上記の実施例では、DPPの各処理(Auth等)が実行されて、第1のプリンタ用COがプリンタ100に送信される。これ代えて、DPPの各処理が実行されず、端末10からプリンタ100に、AP6の無線プロファイル(即ちSSIDとパスワード)が送信されてもよい。本変形例では、上記の無線プロファイルが、「接続情報」の一例であり、「公開鍵」、「認証要求」、及び、「認証応答」を省略可能である
【0116】
(変形例17)「登録信号」は、PINコードを含む信号に限らず、例えば、登録要求の送信を指示するコマンドを含み、PINコードを含まない信号であってもよい。
【0117】
(変形例18)
図8の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「登録信号」及び「登録要求」を省略可能である。
【0118】
(変形例19)上記の実施例では、
図3~
図8の処理がソフトウェア(例えば接続アプリ40)によって実現されるが、これらの各処理の少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0119】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本明細書で開示する技術の特徴を列挙する。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
LAN(Local Area Networkの略)を利用した通信を実行するための通信インターフェースと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記端末装置が現在接続されている特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、インターネット上のサーバとの通信を試行する第1の試行処理を実行する第1の試行部と、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、接続情報を前記端末装置とは異なる通信装置に送信し、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗することを含む特定の条件が満たされる場合に、前記接続情報は前記通信装置に送信されない接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記通信装置を前記特定のLANに接続させるための情報である、前記接続情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記接続情報送信部は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、かつ、第1の指示が入力される場合に、前記接続情報を前記通信装置に送信し、
前記特定の条件は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、かつ、前記第1の指示が入力されないことを含む、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗する場合に、前記第1の指示の入力を受け付けるための第1のボタンを含む第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部として機能させる、項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記特定の条件は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗し、前記第1の指示が入力されず、かつ、前記第1の指示とは異なる第2の指示が入力されることを含み、
前記端末装置は、前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、前記第2の指示の入力を受け付けないように構成されている、項目2又は3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記端末装置は、さらに、表示部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が失敗する場合に、前記第1の指示の入力を受け付けるための第1のボタンと、前記第2の指示の入力を受け付けるための第2のボタンと、を含む第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記第1の試行処理において前記サーバとの通信の試行が成功する場合に、前記接続情報を前記通信装置に送信する指示を受け付けるための第3のボタンを含むともに前記第2のボタンを含まない第2の画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
として機能させる、項目4に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、試行要求を前記通信装置に送信する試行要求送信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用した前記サーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記試行の結果は、所定の出力部によって出力される、前記試行要求送信部として機能させる、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
LAN(Local Area Networkの略)を介した通信を実行するための通信インターフェースと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記通信インターフェースを介して、接続情報を前記端末装置とは異なる通信装置に送信する接続情報送信部であって、前記接続情報は、前記端末装置が現在接続されている特定のLANに前記通信装置を接続させるための情報である、前記接続情報送信部と、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記通信インターフェースを介して、試行要求を前記通信装置に送信する試行要求送信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用したサーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記サーバは、インターネット上に存在し、前記試行の結果は、所定の出力部によって出力される、前記試行要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目8)
前記試行要求送信部は、前記接続情報が前記通信装置に送信され、かつ、前記通信装置が前記特定のLANに接続された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記試行要求を前記通信装置に送信する、項目6又は7に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記端末装置は、さらに、前記所定の出力部を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記試行要求が前記通信装置に送信されることに応じて、前記通信装置から、前記通信インターフェースを介して、前記試行の結果を示す結果情報を受信する結果情報受信部と、
受信済みの前記結果情報によって示される結果を前記所定の出力部に出力させる第1の出力制御部と、
として機能させる、項目6から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
前記所定の出力部は、表示部であり、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記通信装置との通信を試行する第2の試行処理を実行する第2の試行部と、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が失敗する場合に、第3の画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部と、
として機能させ、
前記第1の出力制御部は、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が成功し、かつ、前記通信装置から前記サーバとの通信の試行が失敗であることを示す前記結果情報が受信される場合に、第4の画面を前記表示部に表示させ、
前記第2の試行処理において前記通信装置との通信の試行が成功し、かつ、前記通信装置から前記サーバとの通信の試行が成功であることを示す前記結果情報が受信される場合に、第5の画面を前記表示部に表示させ、
前記第3の画面と前記第4の画面と前記第5の画面とは、互いに異なるメッセージを含む、項目9に記載のコンピュータプログラム。
(項目11)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記通信装置との通信を試行する第2の試行処理を実行する第2の試行部として機能させる、項目1から9のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目12)
前記通信インターフェースは、無線LANを利用した通信を実行するためのインターフェースであり、
前記特定のLANは、アクセスポイントによって形成される無線LANである、項目1から11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目13)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記通信装置の公開鍵を用いて得られる特定情報が前記通信装置によって出力される場合に、前記公開鍵を取得する取得部と、
取得済みの前記公開鍵が利用された認証要求を前記通信装置に送信する認証要求送信部と、
前記認証要求が前記通信装置に送信されることに応じて、前記通信装置から認証応答を受信する認証応答受信部と、
として機能させ、
前記接続情報送信部は、前記通信装置から前記認証応答が受信された後に、前記接続情報を前記通信装置に送信する、項目12に記載のコンピュータプログラム。
(項目14)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記接続情報が前記通信装置に送信された後に、登録信号を前記通信装置に送信する登録信号送信部であって、前記登録信号は、前記通信装置の識別情報を前記サーバに登録するための信号である、前記登録信号送信部として機能させる、項目1から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目15)
通信装置であって、
LAN(Local Area Networkの略)を利用した通信を実行するための通信インターフェースと、
前記通信装置とは異なる端末装置から、前記通信インターフェースを介して、接続情報を受信する接続情報受信部であって、前記接続情報は、前記端末装置が現在接続されている特定のLANに前記通信装置を接続させるための情報である、前記接続情報受信部と、
受信済みの前記接続情報を利用して、前記通信インターフェースを前記特定のLANに接続させる接続制御部と、
前記端末装置から前記接続情報が受信された後に、前記端末装置から、前記通信インターフェースを介して、試行要求を受信する試行要求受信部であって、前記試行要求は、前記特定のLANを利用したサーバとの通信を前記通信装置に試行させるための要求であり、前記サーバは、インターネット上に存在する、前記試行要求受信部と、
前記端末装置から前記試行要求が受信された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記サーバとの通信を試行する試行部と、
前記試行の結果を示す結果情報を前記通信装置の出力部に出力させる第2の出力制御部と、
を備える、通信装置。
(項目16)
前記出力部は、前記通信インターフェースであり、
前記第2の出力制御部は、前記通信インターフェースを介して、前記結果情報を前記端末装置に送信する、項目15に記載の通信装置。
(項目17)
前記試行要求受信部は、前記通信装置が前記特定のLANに接続された後に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記端末装置から前記試行要求を受信する、項目15又は16に記載の通信装置。
(項目18)
前記通信装置は、さらに、
前記端末装置から前記接続情報が受信された後に、前記通信インターフェースを介して、前記特定のLANを利用して、前記端末装置から所定の信号を受信する信号受信部と、
前記端末装置から前記所定の信号が受信されることに応じて、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、応答信号を前記端末装置に送信する応答信号送信部と、を備える、項目15から17のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目19)
前記通信インターフェースは、無線LANを利用した通信を実行するためのインターフェースであり、
前記特定のLANは、アクセスポイントによって形成される無線LANである、項目15から18のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目20)
前記通信装置は、さらに、
公開鍵を用いて得られる特定情報を前記出力部に出力させる出力制御部と、
前記特定情報が出力された後に、前記端末装置から、前記通信インターフェースを介して、前記公開鍵が利用された認証要求を受信する認証要求受信部と、
前記端末装置から前記認証要求が受信されることに応じて、前記通信インターフェースを介して、認証応答を前記端末装置に送信する認証応答送信部と、
を備え、
前記接続情報受信部は、前記認証応答が前記端末装置に送信された後に、前記端末装置から前記接続情報を受信する、項目15から19のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目21)
前記通信装置は、さらに、
前記試行において前記サーバと通信可能である場合に、前記特定のLANを利用して、前記通信インターフェースを介して、前記通信装置の識別情報を前記サーバに登録するための登録要求を前記サーバに送信する登録要求送信部を備える、項目15から20のいずれか一項に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0120】
2:通信システム、6:AP、8:インターネット、10:端末、12:操作部、14:表示部、16:Wi-FiI/F、18:カメラ、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、40:接続アプリ、100:プリンタ、112:操作部、114:表示部、116:Wi-FiI/F、118:印刷実行部、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム、200:プリンタ、500:サーバ、AI:アカウント情報、SR1~SR17:セットアップ画面、ST:ステータステーブル、SR20:ログイン画面