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  • 特許-乗客コンベア 図1
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  • 特許-乗客コンベア 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/04 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
B66B23/04 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020094979
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021187629
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 誠二
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-184768(JP,A)
【文献】特開2011-098805(JP,A)
【文献】米国特許第04674619(US,A)
【文献】中国特許出願公開第105565134(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手摺と、
前記移動手摺を駆動する駆動装置と、
第1案内ローラと、
第2案内ローラと、
前記第1案内ローラ及び前記第2案内ローラを支持する第1支持装置と、
を備え、
前記移動手摺は、
表面及び裏面が形成された平坦部と、
前記平坦部の一方の縁から前記裏面側に延びる第1湾曲部と、
前記平坦部のもう一方の縁から前記裏面側に延びる第2湾曲部と、
を備え、
前記駆動装置は、
前記平坦部の前記裏面に上方から接触する駆動ローラと、
前記平坦部の前記表面に接触し、前記平坦部を前記駆動ローラに押し付ける加圧ローラと、
前記駆動ローラ及び前記加圧ローラを支持する第2支持装置と、
を備え、
前記第1湾曲部に、前記表面から続く第1湾曲面が形成され、
前記第1案内ローラは、前記第1湾曲面に接触しながら回転し、
前記第2湾曲部に、前記表面から続く第2湾曲面が形成され、
前記第2案内ローラは、前記第2湾曲面に接触しながら回転し、
前記第1支持装置は、前記第2支持装置に支持され、
前記第1支持装置は、
前記第1案内ローラ及び前記第2案内ローラの間隔を調節するための第1調節機構と、
前記第1案内ローラ及び前記第2案内ローラの前記移動手摺に対する高さを調節するための第2調節機構と、
を備えた乗客コンベア。
【請求項2】
前記裏面が上方を向く状態で前記移動手摺の移動を案内する金属製の第1案内レールと、
前記第1案内レールの第1端部に隣接する樹脂製の第1短尺ガイドと、
前記裏面が上方を向く状態で前記移動手摺の移動を案内する金属製の第2案内レールと、
を更に備え、
前記駆動装置は、前記第1端部と前記第2案内レールの第2端部との間に配置され、
前記第1案内ローラは、前記駆動ローラと前記第1端部との間で前記第1湾曲面に接触し、
前記第2案内ローラは、前記駆動ローラと前記第1端部との間で前記第2湾曲面に接触する請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記第2端部に隣接する樹脂製の第2短尺ガイドと、
前記第1湾曲部の前記第1湾曲面に接触しながら回転する第3案内ローラと、
前記第2湾曲部の前記第2湾曲面に接触しながら回転する第4案内ローラと、
を更に備え、
前記第3案内ローラは、前記駆動ローラと前記第2端部との間で前記第1湾曲面に接触し、
前記第4案内ローラは、前記駆動ローラと前記第2端部との間で前記第2湾曲面に接触する請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記第1案内ローラは、回転軸に沿って径が漸減した後に漸増する第1凹み部を備え、
前記第1凹み部の外面は全体が湾曲し、
前記第1湾曲面に前記第1凹み部が接触し、
前記第2案内ローラは、回転軸に沿って径が漸減した後に漸増する第2凹み部を備え、
前記第2凹み部の外面は全体が湾曲し、
前記第2湾曲面に前記第2凹み部が接触する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に乗客コンベアが記載されている。特許文献1に記載された乗客コンベアは、移動手摺を駆動するための駆動装置を備える。駆動装置は、移動手摺の裏面に接触する駆動ローラと、移動手摺を駆動ローラに押し付ける加圧ローラとを備える。移動手摺は、駆動ローラが回転することによって、長手の方向に送り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-241588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図3にも示されているように、移動手摺の横断面はC字形状である。移動手摺の湾曲部は、駆動ローラの側面に対向する。このため、移動手摺が左右に振れると、移動手摺の湾曲部が駆動ローラの側面に接触し、走行抵抗が増加してしまう。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、駆動装置を通過する際の移動手摺の振れを抑制できる乗客コンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗客コンベアは、移動手摺と、移動手摺を駆動する駆動装置と、第1案内ローラと、第2案内ローラと、第1案内ローラ及び第2案内ローラを支持する第1支持装置と、を備える。移動手摺は、表面及び裏面が形成された平坦部と、平坦部の一方の縁から裏面側に延びる第1湾曲部と、平坦部のもう一方の縁から裏面側に延びる第2湾曲部と、を備える。駆動装置は、平坦部の裏面に上方から接触する駆動ローラと、平坦部の表面に接触し、平坦部を駆動ローラに押し付ける加圧ローラと、駆動ローラ及び加圧ローラを支持する第2支持装置と、を備える。第1湾曲部に、表面から続く第1湾曲面が形成される。第1案内ローラは、第1湾曲面に接触しながら回転する。第2湾曲部に、表面から続く第2湾曲面が形成される。第2案内ローラは、第2湾曲面に接触しながら回転する。第1支持装置は、第2支持装置に支持される。第1支持装置は、第1案内ローラ及び第2案内ローラの間隔を調節するための第1調節機構と、第1案内ローラ及び第2案内ローラの移動手摺に対する高さを調節するための第2調節機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る乗客コンベアであれば、駆動装置を通過する際の移動手摺の振れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における乗客コンベアの例を示す図である。
図2図1に示すA部を拡大した図である。
図3図2のB-B断面を示す図である。
図4図2のC-C断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における乗客コンベアの例を示す図である。図1は、乗客コンベアの一例としてエスカレーターの上部の断面を示す。動く歩道といった乗客コンベアの他の例については、説明を省略する。
【0011】
乗客コンベアは、トラス1、及びステップ2を備える。トラス1は、上下の階に架け渡される。乗客は、ステップ2に乗って乗り口(図示せず)から降り口3に移動する。図1に示すエスカレーターは、下りのエスカレーターでも良い。
【0012】
降り口3の下方に、機械室4が設けられる。機械室4は、トラス1の内部に形成された空間である。機械室4に、電動機5及び制御装置6が設けられる。電動機5は、スプロケット7を駆動する。制御装置6は、電動機5を制御する。
【0013】
スプロケット7が設けられた軸8に、スプロケット9及び10が設けられる。スプロケット9及び10は、スプロケット7と共に回転する。スプロケット9に、無端状のチェーン11が巻き掛けられる。ステップ2は、チェーン11に等間隔に連結される。即ち、スプロケット9が回転すると、チェーン11が移動し、ステップ2が移動する。
【0014】
スプロケット10に、無端状のチェーン12が巻き掛けられる。チェーン12は、電動機5の駆動力を駆動装置13に伝達する。駆動装置13は、移動手摺14を駆動する。
【0015】
図2は、図1に示すA部を拡大した図である。図2では、移動手摺14の移動方向が水平になるように各要素を示している。図3は、図2のB-B断面を示す図である。図4は、図2のC-C断面を示す図である。
【0016】
移動手摺14は、無端状である。移動手摺14の横断面は、図3及び図4に示すようにC字形状である。図2から図4は、降り口3から乗り口に戻る移動手摺14を示す。このため、図2から図4では、移動手摺14は、乗客が持つ把持面が下を向くように配置される。移動手摺14は、平坦部15、湾曲部16、及び湾曲部17を備える。
【0017】
平坦部15に、表面15a及び裏面15bが形成される。表面15aは、把持面の一部である。図2から図4では、表面15aは下方を向く。表面15aは、ゴム等によって形成される。一方、裏面15bは、麻等によって形成される。裏面15bは、表面15aが向く方向とは反対の方向、即ち上方を向く。
【0018】
湾曲部16は、平坦部15の一方の縁から裏面15b側に延びる。湾曲部16の縁16bは、平坦部15の上方に配置される。湾曲部16に湾曲面16aが形成される。湾曲面16aは、表面15aから続く面である。また、湾曲面16aは、把持面の一部である。湾曲部17は、平坦部15のもう一方の縁から裏面15b側に延びる。湾曲部17の縁17bは、平坦部15の上方に配置される。縁16bと縁17bとは、一定の間隔を空けて平坦部15の上方で互いに対向する。湾曲部17に湾曲面17aが形成される。湾曲面17aは、表面15aから続く面である。また、湾曲面17aは、把持面の一部である。
【0019】
駆動装置13は、支持装置20、駆動ローラ21、チェーン22、及び加圧ローラ23を備える。図2は、駆動装置13が4組の駆動ローラ21と加圧ローラ23とを備える例を示す。支持装置20は、トラス1に支持される。支持装置20は、駆動ローラ21及び加圧ローラ23を支持する。支持装置20は、支持板24、軸25、腕26、板ばね27、及び軸28を備える。
【0020】
支持板24は、トラス1に固定される。軸25は、支持板24に設けられる。軸25は、支持板24から水平に突出する。駆動ローラ21は、軸受け(図示せず)を介して軸25に回転可能に設けられる。チェーン22は、駆動ローラ21と一体化されたスプロケット(図示せず)に巻き掛けられる。スプロケット10が回転すると、チェーン12を介してチェーン22が移動する。これにより、駆動ローラ21が回転する。駆動ローラ21は、移動手摺14に上方から接触する。具体的に、駆動ローラ21は、平坦部15の裏面15bに上方から接触する。
【0021】
腕26は、支持板24に設けられる。腕26は、軸25が支持板24から突出する方向と同じ方向に支持板24から突出する。板ばね27は、腕26に設けられる。板ばね27に、軸28が支持される。加圧ローラ23は、軸受け(図示せず)を介して軸28に回転可能に設けられる。加圧ローラ23は、移動手摺14に下方から接触する。具体的に、加圧ローラ23は、平坦部15の表面15aに下方から接触する。
【0022】
加圧ローラ23は、板ばね27によって駆動ローラ21に接近する方向に力を受ける。このため、移動手摺14の平坦部15は、加圧ローラ23によって駆動ローラ21に押し付けられる。この状態で駆動ローラ21が回転することにより、移動手摺14は、駆動ローラ21と加圧ローラ23とによって長手の方向に送り出される。図2に示す例では、移動手摺14はD方向に移動する。
【0023】
図2は、トラス1に案内レール30及び案内レール31が支持される例を示す。案内レール30及び案内レール31は、トラス1内で移動手摺14の移動を案内する。移動手摺14は、平坦部15の裏面15bが上方を向く状態で、案内レール30及び案内レール31によって案内される。
【0024】
案内レール30は、移動手摺14のうち駆動装置13から送り出された部分の移動を案内する。案内レール30の端部30aは、乗り口側から駆動装置13に対向するように配置される。案内レール31は、移動手摺14のうち駆動装置13に進入する部分の移動を案内する。案内レール31の端部31aは、降り口3側から駆動装置13に対向するように配置される。駆動装置13は、端部30aと端部31aとの間に配置される。
【0025】
案内レール30は、例えば金属製である。案内レール30が金属製である場合、端部30aに隣接するように樹脂製の短尺ガイド32が配置されることが好ましい。短尺ガイド32は、案内レール30と一続きになるように端部30aと駆動装置13との間に配置される。案内レール30の断面は、図4に示す短尺ガイド32の断面と同様である。短尺ガイド32は、平坦部15の裏面15bが端部30aの角、即ち金属部材の角に接触することを防止するための部材である。
【0026】
同様に、案内レール31は、例えば金属製である。案内レール31が金属製である場合、端部31aに隣接するように樹脂製の短尺ガイド33が配置されることが好ましい。短尺ガイド33は、案内レール31と一続きになるように端部31aと駆動装置13との間に配置される。短尺ガイド33の断面は、図4に示す短尺ガイド32の断面と同様である。案内レール31の断面は、短尺ガイド33の断面と同様である。短尺ガイド33は、平坦部15の裏面15bが端部31aの角、即ち金属部材の角に当たることを防止するための部材である。
【0027】
本実施の形態に示す乗客コンベアは、振れ抑制装置35を更に備える。振れ抑制装置35は、駆動装置13を通過する移動手摺14の振れを抑制するための装置である。振れ抑制装置35は、案内レール30と案内レール31との間に配置される。図2に示す例では、短尺ガイド32に隣接するように1台の振れ抑制装置35が配置される。また、短尺ガイド33に隣接するように1台の振れ抑制装置35が配置される。
【0028】
振れ抑制装置35は、支持装置36、案内ローラ37、及び案内ローラ38を備える。支持装置36は、駆動装置13の支持装置20に支持される。支持装置36は、案内ローラ37及び案内ローラ38を支持する。
【0029】
案内ローラ37は、軸受け39を介して軸41に回転可能に設けられる。軸41は、平坦部15の裏面15bに対して直交するように配置される。案内ローラ37は、移動手摺14の湾曲部16に側方から接触する。移動手摺14が移動していれば、案内ローラ37は、湾曲部16の湾曲面16aに接触しながら回転する。
【0030】
図4は、案内ローラ37がその中央部に凹み部37aを備える例を示す。凹み部37aは、案内ローラ37の回転軸に沿って径が漸減した後に漸増する部分である。凹み部37aの外面は、湾曲面16aに合わせてその全体が湾曲している。凹み部37aは、湾曲面16aに面接触する。
【0031】
同様に、案内ローラ38は、軸受け40を介して軸42に回転可能に設けられる。軸42は、軸41に平行である。軸42は、平坦部15の裏面15bに対して直交するように配置される。案内ローラ38は、移動手摺14の湾曲部17に側方から接触する。移動手摺14が移動していれば、案内ローラ38は、湾曲部17の湾曲面17aに接触しながら回転する。
【0032】
図4は、案内ローラ38がその中央部に凹み部38aを備える例を示す。凹み部38aは、案内ローラ38の回転軸に沿って径が漸減した後に漸増する部分である。凹み部38aの外面は、湾曲面17aに合わせてその全体が湾曲している。凹み部38aは、湾曲面17aに面接触する。
【0033】
駆動装置13を通過する移動手摺14は、駆動ローラ21で送り出された部分に振れが発生し易い。このため、振れ抑制装置35が1台しか備えられていない場合、その振れ抑制装置35は、短尺ガイド32に隣接するように配置されることが好ましい。
【0034】
かかる場合、案内ローラ37は、駆動ローラ21と案内レール30の端部30aとの間で湾曲面16aに接触するように配置される。更に好ましくは、案内ローラ37は、移動手摺14のうち短尺ガイド32に達する直前の部分に接触するように配置される。同様に、案内ローラ38は、駆動ローラ21と端部30aとの間で湾曲面17aに接触するように配置される。更に好ましくは、案内ローラ38は、移動手摺14のうち短尺ガイド32に達する直前の部分に接触するように配置される。
【0035】
図4に示す例では、支持装置36は、案内ローラ37及び案内ローラ38の間隔を調節するための第1調節機構を備える。更に、支持装置36は、案内ローラ37及び案内ローラ38の移動手摺14に対する高さを調節するための第2調節機構を備える。移動手摺14に対する高さとは、平坦な表面15aに直交する方向の位置と同義である。
【0036】
例えば、軸41の上端部は、取付板43に固定される。軸41の下端部は、取付板44に固定される。軸41の取付板43への固定位置と取付板44への固定位置とは、図4の矢印Eに示すように移動手摺14の幅方向に調節可能である。同様に、軸42の上端部は、取付板43に固定される。軸42の下端部は、取付板44に固定される。軸42の取付板43への固定位置と取付板44への固定位置とは、図4の矢印Fに示すように移動手摺14の幅方向に調節可能である。これにより、第1調節機構が実現される。
【0037】
また、取付板43は、調整ボルト45及びナット46によって取付板47に吊り下げられる。例えば、取付板47は、支持装置20の支持板24に固定される。調整ボルト45は、取付板47に固定される。調整ボルト45は、取付板47から下方に突出し、ねじ部が取付板43を貫通する。ナット46は、取付板43の上下で調整ボルト45のねじ部に固定される。ナット46の調整ボルト45の固定位置は、図4の矢印Gに示すように移動手摺14に対する高さ方向に調節可能である。これにより、第2調節機構が実現される。そして、案内ローラ37の凹み部37aが湾曲面16aに接触し、案内ローラ38の凹み部38aが湾曲面17aに接触するように配置されると、取付板43と取付板44とが支持板24に固定される。
【0038】
なお、乗客コンベアは、ステップ2の移動方向を簡単に切り替えることができる。このため、振れ抑制装置35は、図2に示すように、短尺ガイド33にも隣接するように配置されることが好ましい。図2のH-H断面は、図4に示す断面と同様である。即ち、短尺ガイド33に隣接するように配置された振れ抑制装置35では、案内ローラ37は、湾曲部16の湾曲面16aに接触しながら回転する。案内ローラ38は、湾曲部17の湾曲面17aに接触しながら回転する。
【0039】
また、案内ローラ37は、駆動ローラ21と案内レール31の端部31aとの間で湾曲面16aに接触するように配置される。更に好ましくは、案内ローラ37は、移動手摺14のうち短尺ガイド33から離れた直後の部分に接触するように配置される。同様に、案内ローラ38は、駆動ローラ21と端部31aとの間で湾曲面17aに接触するように配置される。更に好ましくは、案内ローラ38は、移動手摺14のうち短尺ガイド33から離れた直後の部分に接触するように配置される。
【0040】
駆動装置13が複数の駆動ローラ21を備える場合、3台目の振れ抑制装置35が、隣接する駆動ローラ21の間に配置されても良い。
【0041】
本実施の形態に示す例では、駆動装置13を通過する移動手摺14の幅方向の振れが、案内ローラ37及び案内ローラ38によって抑制される。このため、湾曲部16の縁16bが駆動ローラ21の側面に接触することを防止できる。同様に、湾曲部17の縁17bが駆動ローラ21の側面に接触することを防止できる。
【0042】
本実施の形態では、1台の振れ抑制装置35が1組の案内ローラ37及び案内ローラ38を備える例について説明した。1台の振れ抑制装置35に複数組の案内ローラ37及び案内ローラ38が備えられても良い。
【0043】
本実施の形態に示す例のように、案内レール30に隣接して樹脂製の短尺ガイド32が設けられる場合、案内ローラ37が凹み部37aを備え、案内ローラ38が凹み部38aを備えることが好ましい。短尺ガイド32は、移動手摺14が接触することによって摩耗する。短尺ガイド32が摩耗すると、保守員は、摩耗した短尺ガイド32を交換しなければならない。凹み部37a及び凹み部38aによって移動手摺14の通過位置を拘束することができれば、移動手摺14が短尺ガイド32に接触することを抑制できる。これにより、短尺ガイド32の摩耗の進行を抑え、短尺ガイド32の取替周期を長くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 トラス、 2 ステップ、 3 降り口、 4 機械室、 5 電動機、 6 制御装置、 7 スプロケット、 8 軸、 9 スプロケット、 10 スプロケット、 11 チェーン、 12 チェーン、 13 駆動装置、 14 移動手摺、 15 平坦部、 15a 表面、 15b 裏面、 16 湾曲部、 16a 湾曲面、 16b 縁、 17 湾曲部、 17a 湾曲面、 17b 縁、 20 支持装置、 21 駆動ローラ、 22 チェーン、 23 加圧ローラ、 24 支持板、 25 軸、 26 腕、 27 板ばね、 28 軸、 30 案内レール、 30a 端部、 31 案内レール、 31a 端部、 32 短尺ガイド、 33 短尺ガイド、 35 振れ抑制装置、 36 支持装置、 37 案内ローラ、 37a 凹み部、 38 案内ローラ、 38a 凹み部、 39 軸受け、 40 軸受け、 41 軸、 42 軸、 43 取付板、 44 取付板、 45 調整ボルト、 46 ナット、 47 取付板
図1
図2
図3
図4