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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】テープ巻き替え器
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/04 20060101AFI20240903BHJP
   B65H 16/06 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65H18/04
B65H16/06 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020095775
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021187637
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌浩
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-064813(JP,A)
【文献】特開平01-281243(JP,A)
【文献】登録実用新案第3149978(JP,U)
【文献】特開2004-051296(JP,A)
【文献】特開2019-055847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00-16/10
B65H 18/00-18/28
B65H 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、
前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、
前記カバーが、カバー本体と、このカバー本体に対して回転可能に支持され前記テープ体の一側面に添接し得る第一の添接板と、前記カバー本体に対して回転可能に支持され前記テープコアの外側面に添接し得る第二の添接板とを備えているテープ巻き替え器。
【請求項2】
テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、
前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、
前記テープ巻き替え器本体に、前記カバーと係合し得るカバー係合部が設けられたものであり、
前記カバーが、カバー本体と、このカバー本体に対してスライド移動可能に支持されたロック部材とを備えたものであり、
前記カバー係合部に、前記ロック部材が係合することにより、前記カバーが前記閉じ姿勢にロックされるテープ巻き替え器。
【請求項3】
テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、
前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、
前記テープ巻き替え器本体と前記カバーとを弾性係合させることにより前記カバーの前記テープ巻き替え器本体に対するがたつきを抑制するがたつき抑制手段が設けられているテープ巻き替え器。
【請求項4】
前記カバー係合部が、前記テープ巻き替え器本体に設けられた起立壁から前記カバーの方向に突設されている請求項2記載のテープ巻き替え器。
【請求項5】
前記がたつき抑制手段が、前記テープ巻き替え器本体に設けられた第一の延出板と、前記カバーに設けられた第二の延出板と、前記第一、第二の延出板の何れか一方に設けられ他方の延出板に対して弾性的に当接し得る当接部とを備えたものである請求項記載のテープ巻き替え器。
【請求項6】
前記当接部が、凸状に設けられている請求項5記載のテープ巻き替え器。
【請求項7】
前記テープ巻き替え器本体に、前記操作部を一方向にのみ回転させるラチェット機構が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載のテープ巻き替え器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ巻き替え器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、既製品のマスキングテープを小径のテープコアに巻き替えることにより、ロール状に小分けされた小型のテープ体を作成することができるようにした装置が開示されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
この装置によれば、既製品のマスキングテープから小型のテープ体を作成することにより、お気に入りの絵柄を自宅とオフィス両方で使用したり他人にお裾分けしたりすることができるようになっている。
【0004】
ところが、従来の装置は、既製品のマスキングテープを小径のテープコアに巻き替えるためのセッティング過程が煩雑であり使用者の作業が難しいという不具合があった。
【0005】
すなわち、従来の装置では、まず、装置本体に設けられた一方及び他方の軸部材をそれぞれ装置本体から取り外し、次に、既製品のマスキングテープを装置本体から外された一方の軸部材に取り付けるとともに小径のテープコアを装置本体から外された他方の軸部材に取り付けなければならない。それに加えて、一方及び他方の軸部材に対して既製品のマスキングテープ及び小径のテープコアが装着された後には、これら一方及び他方の軸部材を再び装置本体に組み付けるという作業が強いられることになる。
【0006】
なお、以上の事情は、マスキングテープに限られず、他のテープの場合においても同様である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】カモ井加工紙、「mt makimaki」、[online]、令和2年、カモ井加工紙株式会社、[令和2年5月1日検索]、インターネット<URL: https://www.youtube.com/watch?v=_q0hWvARspQ>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、テープ体から引き出されたテープをテープコアに巻き取るためのセッティングを好適に行うことができるテープ巻き替え器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0010】
請求項1に記載の発明は、テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、前記カバーが、カバー本体と、このカバー本体に対して回転可能に支持され前記テープ体の一側面に添接し得る第一の添接板と、前記カバー本体に対して回転可能に支持され前記テープコアの外側面に添接し得る第二の添接板とを備えているテープ巻き替え器である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、前記テープ巻き替え器本体に、前記カバーと係合し得るカバー係合部が設けられたものであり、前記カバーが、カバー本体と、このカバー本体に対してスライド移動可能に支持されたロック部材とを備えたものであり、前記カバー係合部に、前記ロック部材が係合することにより、前記カバーが前記閉じ姿勢にロックされるテープ巻き替え器である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、テープが巻回されてなるテープ体を支持し得る従動軸と、前記テープ体から引き出された前記テープを巻き取るためのテープコアを支持し得る駆動軸と、この駆動軸を前記テープコアとともに回転させる操作部とを有してなるテープ巻き替え器本体を備えたテープ巻き替え器であって、前記テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたカバーを備えたものであり、前記テープ巻き替え器本体と前記カバーとを弾性係合させることにより前記カバーの前記テープ巻き替え器本体に対するがたつきを抑制するがたつき抑制手段が設けられているテープ巻き替え器である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記カバー係合部が、前記テープ巻き替え器本体に設けられた起立壁から前記カバーの方向に突設されている請求項記載のテープ巻き替え器である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記がたつき抑制手段が、前記テープ巻き替え器本体に設けられた第一の延出板と、前記カバーに設けられた第二の延出板と、前記第一、第二の延出板の何れか一方に設けられ他方の延出板に対して弾性的に当接し得る当接部とを備えたものである請求項記載のテープ巻き替え器である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記当接部が、凸状に設けられている請求項5記載のテープ巻き替え器である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記テープ巻き替え器本体に、前記操作部を一方向にのみ回転させるラチェット機構が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載のテープ巻き替え器である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、テープ体から引き出されたテープをテープコアに巻き取るためのセッティングを好適に行うことができるテープ巻き替え器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における斜視図。
図3】同実施形態における斜視図。
図4】同実施形態における正面図。
図5】同実施形態における背面図。
図6】同実施形態における右側面図。
図7】同実施形態における左側面図。
図8】同実施形態における平面図。
図9】同実施形態における底面図。
図10図4におけるX-X線断面図。
図11図10におけるY部分拡大図。
図12図10におけるZ部分拡大図。
図13図7におけるU-U線断面図。
図14】ロック部材の動作を説明するための図13対応の部分拡大断面図。
図15図5におけるV-V線断面図。
図16】同実施形態における分解斜視図。
図17】同実施形態における分解斜視図。
図18】同実施形態における斜視図。
図19】同実施形態における斜視図。
図20】同実施形態における左側面図。
図21】同実施形態における左側面図。
図22】同実施形態における斜視図。
図23】同実施形態における斜視図。
図24】同実施形態における平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、図1~24を参照して説明する。
【0020】
この実施形態は、本発明を、テープtp(主としてマスキングテープ)を巻き替え可能なテープ巻き替え器に適用したものである。テープ巻き替え器は、市販品であるテープ体Tから引き出されたテープtpの先端をテープコアEに貼着し、そのテープコアEをハンドル5により回転することにより当該テープコアEに対してテープtpを巻き替え可能にしたものである。なお、テープ体Tは、図示された例のように、中空部を有する芯材snに対して一面側に粘着面を有し他面側に多様な色彩や絵柄が設けられたテープtpを巻回してなるものが一般的であるが、芯材snを有しないいわゆるコアレスタイプのものであっても構わない。
【0021】
テープ巻き替え器は、既製品のテープ体Tから引き出されたテープtpを、テープ体Tの芯材snよりも小径の円筒部e1を有するテープコアEに巻き替えることにより、ロール状に小分けされた小型のテープ体Mを作成することができるようにしたものである。つまり、この実施形態のテープ巻き替え器を使用することによって、使用者は、既製品のテープ体Tから引き出されたテープtpを使用して、図3に示すように、小分けされた新たな小分けテープ体Mを作ることができるようになっている。
【0022】
テープ巻き替え器は、支持体1と、支持体1に枢支されテープtpが巻回されてなるテープ体Tを支持し得る従動軸たるテープ体支持部2と、テープ体Tから引き出されたテープtpを巻き取るためのテープコアEを支持し得る駆動軸たるテープコア支持部4と、テープコア支持部4をテープコアEとともに回転させる操作部たるハンドル5とを有してなるテープ巻き替え器本体Aと、テープ巻き替え器本体Aに対してテープ体T及びテープコアEを取り付け及び取り外し可能な開き姿勢(F)とテープ巻き替え器本体Aに対してテープ体T及びテープコアEを離脱できないようにする閉じ姿勢(G)との間で回転可能に支持されたカバーBとを備えたものである。
【0023】
テープ巻き替え器には、テープ巻き替え器本体AとカバーBとを弾性係合させることにより閉じ姿勢(G)におけるカバーBのテープ巻き替え器本体Aに対するがたつきを抑制するがたつき抑制手段Cが設けられている。
【0024】
テープ巻き替え器は、テープ体支持部2に対して着脱可能に設けられたスペーサ部材3を備えている。そして、テープ巻き替え器には、図1~3、図18~20に示すように、スペーサ部材3を装着したテープ体支持部2に対してテープ体Tを支持させる場合と、図21に示すように、スペーサ部材3を離脱したテープ体支持部2に対してテープ体Tを直接的に支持させる場合とを選択可能なテープ体Tの回転支持機構Dが設けられている。
【0025】
以下、テープ巻き替え器の各構成について詳述する。
【0026】
<<テープ巻き替え器本体A>>
テープ巻き替え器本体Aは、基体である支持体1と、支持体1に対して回転可能に設けられたテープ体支持部2と、テープ体支持部2に対して着脱可能に構成されたスペーサ部材3と、支持体1に対して回転可能に設けられたテープコア支持部4と、テープコア支持部4に着脱可能に支持されたテープコアEと、基端部がテープコア支持部4と連結し当該テープコア支持部4とともに支持体1に対して回転可能に設けられたハンドル5と、支持体1とテープコア支持部4との間に設けられハンドル5を一方向にのみ回転させるラチェット機構Rとを備えている。
【0027】
<支持体1>
支持体1は、天板等の載置面に沿うように水平方向に延びてなる底壁11と、底壁11の一端縁たる右側端縁から立設された起立壁12と、起立壁12の前端縁から内方すなわちカバーBの方向に延設された第一の延出板たる前壁13と、起立壁12の後端縁から内方に向かって延設された第一の延出板たる後壁14と、起立壁12から内方に向かって突設されたカバー係合部15と、起立壁12から内方に向かって突設されテープ体支持部2を回転可能に支持し得るボス部16とを備えている。
【0028】
底壁11は、板状のものであり、底面視において前後方向に長手をなす矩形状をなしている。底壁11は、起立壁12、前壁13、及び、後壁14の各下端に対して一体に接続されている。
【0029】
起立壁12は、側面視において略矩形状をなしている。起立壁12には、前部における上部に円筒状をなすボス部16が一体に突設されている。起立壁12には、後部における上部にテープコア支持部4における主軸部43が挿通される軸孔12aが設けられている。起立壁12には、後部における下部に矩形筒状をなすカバー係合部15が一体に突設されている。起立壁12の内面側における軸孔12aの周縁部には、図15に示すように、軸孔12aを取り囲むようにラチェット機構Rを構成する複数のラチェット歯r2が形成されている。
【0030】
前壁13は、がたつき抑制手段Cの第一の延出板を構成するものである。前壁13は、底壁11及び起立壁12に一体に連設された板状のものである。前壁13は正面視において略矩形状をなしている。前壁13における内面側の上部には、左右方向に延びてなり後方に向かって凸状をなす当接部たる第一の押圧突起c1が設けられている。前壁13におけるカバーB側の部分である左部分には、カバーBのカバー前壁63に突設された軸63aを回転可能に支持し得る軸孔13aが設けられている。
【0031】
後壁14は、がたつき抑制手段Cの第一の延出板を構成するものである。後壁14は、底壁11及び起立壁12に一体に連設された板状のものである。後壁14は背面視において略矩形状をなしている。後壁14における内面側の上部には、左右方向に延びてなり前方に向かって凸状をなす当接部たる第二の押圧突起c2が設けられている。後壁14におけるカバーB側の部分である左部分には、カバーBのカバー後壁64に突設された軸64aを回転可能に支持し得る軸孔14aが設けられている。
【0032】
カバー係合部15は、カバーBと係合し得るものである。カバー係合部15は、起立壁12からカバーBの方向に向かって一体に突設されている。カバー係合部15の先端部には上下方向に穿設された矩形状の係合孔15aが設けられている。係合孔15aは、テープ巻き替え器本体Aに対してカバーBを閉じ姿勢(G)にロックさせるロック機構Lを構成するものである。係合孔15aには、カバーBに設けられたロック部材7における係止部たる係止爪72が弾性係合し得るものとなっている。
【0033】
ボス部16は、テープ体支持部2を回転可能に支持するために当該テープ体支持部2の筒状部21内に挿入されるものである。ボス部16の先端には、テープ体支持部2に設けられた係合部たる段部21aと係合し当該テープ体支持部2を抜け止めするための係合爪16aが設けられている。
【0034】
<テープ体支持部2>
テープ体支持部2は、既製品であるテープ体Tを直接的に又はスペーサ部材3を介して間接的に支持し得るものである。テープ体支持部2は、起立壁12から水平方向に突設されたボス部16に回転可能に支持されている。
【0035】
テープ体支持部2は、円筒状をなす筒状部21と、筒状部21の一端から延設されたフランジ部22とを備えている。
【0036】
筒状部21は、その中空部分に挿入された支持体1のボス部16によって支持されている。筒状部21の内周面には、ボス部16の係合爪16aが係合し得る係合部たる段部21aが形成されている。筒状部21の基端部には、スペーサ部材3に設けられた弾性爪31aが係合し得る係合部たる貫通孔21bが設けられている。筒状部21の先端には、スペーサ部材3に設けられた位置決め用の突出片31bが係合し得る位置決め用の凹部21cを備えている。
【0037】
筒状部21の外周面には複数の突起21dが設けられている。複数の突起21dは、装着されるテープ体Tにおける芯材snの内周面に当接し得るものである。
【0038】
フランジ部22は、側面視において略ドーナツ形状をなした板状のものである。フランジ部22は、筒状部21の基端から外方に向かって延設されたものである。フランジ部22における筒状部21からの延出寸法は、筒状部21に装着されたスペーサ部材3の厚み寸法よりも大きく設定されている。
【0039】
<スペーサ部材3>
スペーサ部材3は、テープ体支持部2に対して着脱可能に取り付けられるものである。スペーサ部材3は、テープ体支持部2に装着された状態でテープ体Tを支持し得るものとなっている。なお、スペーサ部材3の径よりもテープ体Tにおける中空部の径が小さい場合には、スペーサ部材3をテープ体支持部2から取り外し、当該テープ体Tをテープ体支持部2に直接的に支持できるようになっている。
【0040】
スペーサ部材3は、図22及び図23に示すように、テープ体支持部2の筒状部21と係り合う内周壁31と、テープ体Tの芯材snの内周面と係合し得る外周壁32と、これら内周壁31と外周壁32とを繋ぐ連結壁33とを備えている。
【0041】
内周壁31は、テープ体支持部2の筒状部21が挿入される貫通孔が形成された円筒状をなしている。内周壁31には、テープ体支持部2の筒状部21に設けられた一対の貫通孔21bに係合し得る一対の弾性爪31aが設けられている。なお、スペーサ部材3は、主として内周壁31及び連結壁33により構成された軸心方向に凹んでなる一対の凹陥部34を備えている。そして、凹陥部34の底部を構成する内周壁31に弾性爪31aが設けられている。
【0042】
また、内周壁31の一端部には、軸心方向に突出した位置決め用の突出片31bが形成されている。突出片31bは、複数すなわち円周方向に間隔を空けて四箇所に設けられており、それぞれ軸心方向に突設されている。四箇所の突出片31bがテープ体支持部2の筒状部21に設けられた凹部21cに係合することにより、スペーサ部材3がテープ体支持部2に対して位置決めされるものとなっている。
【0043】
外周壁32の外面における凹陥部34の近傍には、外方に向かって凸をなす複数の突起32aが設けられている。複数の突起32aは、装着されるテープ体Tにおける芯材snの内周面に当接し得るものである。
【0044】
<テープコア支持部4>
テープコア支持部4は、テープコアEを着脱可能に支持し得るものである。
【0045】
ここで、テープコアEは、既製品であるテープ体Tから引き出されたテープtpが巻き付くものである。テープコアEは、中心部に設けられた左右方向に延びてなる円筒部e1と、円筒部e1の左右両端部に設けられた左右に対をなす側板e2を備えたものである。テープコアEにおける一方すなわち右の側板e2には、円筒部e1の軸心に対して対称の位置に設けられテープコア支持部4に設けられた一対の係合孔42aと係合し得る一対の係合凸部t1が設けられている。
【0046】
テープコア支持部4は、テープコアEの円筒部e1内に挿入されるテープコア支持軸41と、テープコア支持軸41の基端部に設けられ内面側がテープコアEにおける右の側板e2に添接し得るフランジ部42と、フランジ部42の外面側に設けられ当該フランジ部42から起立壁12側に突設された円筒状をなす主軸部43と、主軸部43の基端部近傍に設けられた一対のラチェット爪r1とを備えている。
【0047】
テープコア支持軸41は、テープコアEの円筒部e1に設けられた軸孔e11に挿入され得る大きさに設定された円筒状のものである。
【0048】
フランジ部42は、円板状のものであり、内面側にテープコア支持軸41の基端が接続されるとともに外面側に主軸部43の基端が接続されている。フランジ部42には、テープコアEにおける右の側板e2に設けられた係合凸部t1が係合し得る係合部たる係合孔42aが設けられている。つまり、テープコアEは、軸孔e11に対してテープコア支持軸41が挿入され、右の側板e2に設けられた一対の係合凸部t1がフランジ部42に設けられた一対の係合孔42aに係合することにより、テープコア支持部4及びハンドル5と一体に回転し得るものとなっている。
【0049】
主軸部43は、テープコア支持軸41よりも径が大きく設定された円筒状のものである。主軸部43は、支持体1の起立壁12に設けられた軸孔12aに対して回転可能に支持されている。主軸部43には、軸心を一致させてハンドル5の基端に設けられた連結部51aと連結されるようになっている。
【0050】
ラチェット爪r1は、図15に示すように、主軸部43から片持ち状に延び弾性変形可能に構成されたラチェットアームr11と、ラチェットアームr11の先端に設けられた爪部r12とを備えたものである。ラチェット爪r1は、支持体1に設けられたラチェット歯r2と係合し得るものである。換言すれば、ラチェット爪r1は、ラチェット歯r2と協働してテープコア支持部4及びハンドル5の正転方向の回転のみを許容し得るラチェット機構Rを構成するものである。
【0051】
<ハンドル5>
ハンドル5は、基端部にテープコア支持部4の主軸部43に連結する連結部51aを有しテープコア支持部4とともに一体的に回転するハンドル本体51と、ハンドル本体51の先端部に当該ハンドル本体51に対して回転可能に支持されたグリップ部材52とを備えたものである。
【0052】
ハンドル本体51は、基端部に形成され支持体1の軸孔12aを通じてテープコア支持部4に連結される連結部51aと、基端部から外方に延出したアーム部51bと、アーム部51bの先端に突設されグリップ部材52を回転可能に支持するためのグリップ支持軸51cとを備えたものである。連結部51aには一対の係合爪t2が設けられており、これら一対の係合爪t2をテープコア支持部4のフランジ部42に形成された爪係合部42bに係合させることにより、ハンドル本体51とテープコア支持部4とが連結されるようになっている。
【0053】
<ラチェット機構R>
ラチェット機構Rは、図15に示すように、ハンドル5を一方向すなわち正転方向にのみ回転させるためのものである。ラチェット機構Rは、支持体1とテープコア支持部4との間に設けられている。ラチェット機構Rは、支持体1の起立壁12に設けられたラチェット歯r2と、テープコア支持部4の主軸部43に片持ち的に設けられラチェット歯r2と係合し得る一対のラチェット爪r1とを備えたものである。
【0054】
ハンドル5を正転させようとする際には、ラチェット爪r1の爪部r12がラチェット歯r2を乗り越え得る形状をなしているとともにラチェットアームr11が弾性変形し得るため、ハンドル5の正転動作が許容されている。一方で、ハンドル5を逆転させようとする際には、ラチェット爪r1の爪部r12がラチェット歯r2を乗り越えられないように強固に係り合うことにより、ハンドル5の逆転動作ができないようになっている。
【0055】
<<カバーB>>
カバーBは、テープ巻き替え器本体Aに対して開き姿勢(F)と閉じ姿勢(G)との間で回転可能に支持されたものである。カバーBは、テープ巻き替え器本体Aに対してテープ体T及びテープコアEを取り付け及び取り外し可能な開き姿勢(F)と、テープ巻き替え器本体Aに対してテープ体T及びテープコアEを離脱できないようにする閉じ姿勢(G)とを採り得るものとなっている。換言すれば、カバーBは、テープ巻き替え器本体Aに装着されたテープ体T及びテープコアEを離脱させないように当該テープ体T及びテープコアEの一側面を外側からカバーし得るものである。
【0056】
カバーBは、カバー本体6と、カバー本体6に対して上位置(J)と下位置(K)との間でスライド移動可能に支持されたロック部材7と、カバー本体6に対して回転可能に支持され閉じ姿勢(G)においてテープ体支持部2に直接的に支持されたテープ体Tの一側面又はテープ体支持部2に対してスペーサ部材3を介して間接的に支持されたテープ体Tの一側面に添接し得る第一の添接板8と、カバー本体6に対して回転可能に支持され閉じ姿勢(G)においてテープコア支持部4に支持されたテープコアEにおける左の側板e2の外面側に添接し得る第二の添接板9を備えたものである。
【0057】
<カバー本体6>
カバー本体6は、カバー底壁61と、カバー底壁61の左側端縁に立設されたカバー起立壁62と、カバー起立壁62の前端縁から内方すなわちテープ巻き替え器本体Aの方向に延設されたカバー前壁63と、カバー起立壁62の後端縁から内方に向かって延設されたカバー後壁64とを備えたものである。
【0058】
カバー底壁61は、カバー起立壁62、カバー前壁63、及び、カバー後壁64の各下端に対して一体に接続したものである。なお、カバー底壁61の左右幅寸法は、支持体1における底壁11の左右幅寸法よりも短く設定されている。
【0059】
カバー起立壁62は、開き姿勢(F)において支持体1の起立壁12に対して略直交する姿勢をなすとともに閉じ姿勢(G)において支持体1の起立壁12に対して略平行な姿勢をなすものである。カバー起立壁62には、前部における上部の内面に第一の添接板8を回転可能に支持するための第一の添接板支持軸62aが突設されている。カバー起立壁62には、後部における上部の内面に第二の添接板9を回転可能に支持するための第二の添接板支持軸62bが突設されている。カバー起立壁62には、後部における下部にロック部材7を上下動可能に支持し得るロック部材支持部Hが設けられている。
【0060】
第一、第二の添接板支持軸62a、62bは、第一、第二の添接板8、9を抜け止めするための抜け止め爪t3、t4を備えている。
【0061】
ロック部材支持部Hは、カバー起立壁62の外側から内側に向かって凹んだ形態をなしており、ロック部材7を上下動可能に収容し得る収容空間spが形成されたものである。ロック部材支持部Hは、ロック部材7の前側を覆う前周壁h11、ロック部材7の下側を覆う下周壁h12、及び、ロック部材7の後側を覆う後周壁h13を有した周壁部h1と、周壁部h1における内方端部間を繋ぐ奥壁部h2とを備えたものである。
【0062】
周壁部h1における前周壁h11及び後周壁h13には、それぞれ上下二箇所に左右方向に延びてなる上の係合溝m1及び下の係合溝m2が形成されている。上下の係合溝m1、m2には、ロック部材7の前端部及び後端部に設けられた弾性変形可能な係合突起71aが選択的に係合し得るようになっており、ロック部材7が上位置(J)と下位置(K)において保持されるようになっている。
【0063】
ロック部材支持部Hは、奥壁部h2の上にカバー本体6の外面側と内面側とを連通させる連通孔h3が形成されており、その連通孔h3を通じてロック部材7の係止爪72が支持体1の起立壁12に設けられたカバー係合部15の係合孔15aに係合し得るものとなっている。
【0064】
カバー前壁63は、がたつき抑制手段Cの第二の延出板を構成するものである。カバー前壁63は、カバー底壁61及びカバー起立壁62に一体に連設された板状のものである。カバー前壁63は正面視において右上角が丸く形成された扇形状をなしている。
【0065】
カバー前壁63における外面側の上部には、左右方向に延びてなりカバーBが閉じ姿勢(G)を採る場合に支持体1の前壁13に設けられた第一の押圧突起c1により押し付けられる第一の被押圧溝c3が形成されている。カバー前壁63の下部におけるカバー起立壁62の近傍には、支持体1に設けられた軸孔13aに支持される軸63aが突設されている。
【0066】
カバー後壁64は、がたつき抑制手段Cの第二の延出板を構成するものである。カバー後壁64は、カバー底壁61及びカバー起立壁62に一体に連設された板状のものである。カバー後壁64は背面視において左上角が丸く形成されている。
【0067】
カバー後壁64における外面側の上部には、左右方向に延びてなりカバーBが閉じ姿勢(G)を採る場合に支持体1の後壁14に設けられた第二の押圧突起c2により押し付けられる第二の被押圧溝c4が形成されている。カバー後壁64の下部におけるカバー起立壁62の近傍には、支持体1に設けられた軸孔14aに支持される軸64aが突設されている。
【0068】
<ロック部材7>
ロック部材7は、カバー本体6に対して上位置(J)と下位置(K)との間で上下動可能に支持されたものである。ロック部材7は、上位置(J)においてカバー係合部15に係合することにより、カバーBを閉じ姿勢(G)にロックすることができるものである。ロック部材7は、下位置(K)においてカバー係合部15と係合しないように構成されている。
【0069】
ロック部材7は、内面側が開放された略矩形ボックス状をなし露出する外面すなわち左外側面に手指滑り止め用の溝mzが設けられたロック部材本体71と、ロック部材本体71の内縁部から上向きに突設され上位置(J)においてカバー係合部15の係合孔15aと係合し得る係止爪72とを備えている。
【0070】
ロック部材7の前端部及び後端部には、ロック部材支持部Hにおける上下の係合溝m1、m2に選択的に弾性係合し得る係合突起71aが設けられている。
【0071】
係止爪72は、ロック部材本体71における上の内側端部から上方に延設されたものであり、片持ち状に支持された爪部材72aを有している。閉じ姿勢(G)をなすカバー本体6において、ロック部材7が上位置(J)に位置すると、ロック部材本体71の係合突起71がロック部材支持部Hにおける上の係合溝m1と係り合うとともに係止爪72の爪部材72aがカバー係合部15の係合孔15aに係り合うようになっている。
【0072】
換言すれば、テープ巻き替え器には、テープ巻き替え器本体Aに対して、カバーBを閉じ姿勢(G)にロックし得るロック機構Lが設けられている。そして、ロック機構Lは、テープ巻き替え器本体Aに設けられたカバー係合部15と、カバーBに対して上位置(J)と下位置(K)との間で移動可能に設けられ上位置(J)においてカバー係合部15と係合し得るロック部材7とを主体に構成されている。
【0073】
第一の添接板8は、側面視においてドーナツ形状をなしたものである。第一の添接板8は、中央部にカバー起立壁62に立設された第一の添接板支持軸62aと係り合う軸孔81が設けられている。なお、軸孔81には、第一の添接板支持軸62aに設けられた抜け止め爪t3が係合し得るようになっている。
【0074】
第二の添接板9は、側面視においてドーナツ形状をなしたものである。第二の添接板9は、中央部にカバー起立壁62に立設された第二の添接板支持軸62bと係り合う軸孔91が設けられている。なお、軸孔91には、第二の添接板支持軸62bに設けられた抜け止め爪t4が係合し得るようになっている。
【0075】
<<がたつき抑制手段C>>
テープ巻き替え器には、テープ巻き替え器本体AとカバーBとを弾性係合させることにより閉じ姿勢(G)におけるカバーBのテープ巻き替え器本体Aに対するがたつきを抑制するがたつき抑制手段Cが設けられている。
【0076】
がたつき抑制手段Cは、テープ巻き替え器本体Aに設けられた第一の延出板たる前壁13及び後壁14と、カバーBに設けられた第二の延出板たるカバー前壁63及びカバー後壁64と、テープ巻き替え器本体Aの前壁13及び後壁14に設けられカバー前壁63及びカバー後壁64に対して弾性的に当接し得る当接部たる凸状に設けられた第一、第二の押圧突起c1、c2とを備えたものである。この実施形態では、カバー前壁63及びカバー後壁64に第一、第二の被押圧溝c3、c4が設けられている。そして、第一、第二の押圧突起c1、c2は、カバーBが閉じ姿勢(G)を採る場合に、第一、第二の被押圧溝c3、c4に位置決めされつつ当該第一、第二の被押圧溝c3、c4を押圧し得るものとなっている。
【0077】
<<テープ体Tの回転支持機構D>>
テープ体Tの回転支持機構Dは、多様な大きさを有するテープ体Tを柔軟に支持させるようにするためのものである。この実施形態におけるテープ体Tの回転支持機構Dは、テープ体支持部2に対して着脱可能なスペーサ部材3を設けてなるものであり、図20に示すように、スペーサ部材3を装着したテープ体支持部2に対してテープ体Tを支持させる場合と、図21に示すように、スペーサ部材3を離脱したテープ体支持部2に対してテープ体Tを支持させる場合とを選択可能に構成したものである。
【0078】
なお、市場に流通するテープ体Tは種々の大きさのものがあるため、本実施形態のテープ巻き替え器に使用されるテープ体Tが、スペーサ部材3の外周部又はテープ体支持部2における筒状部21の外周部に対して密に外嵌しないものであっても構わない。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係るテープ巻き替え器は、テープtpが巻回されてなるテープ体Tを支持し得る従動軸たるテープ体支持部2と、テープ体Tから引き出されたテープtpを巻き取るためのテープコアEを支持し得る駆動軸たるテープコア支持部4と、駆動軸たるテープコア支持部4をテープコアEとともに回転させる操作部たるハンドル5とを有したテープ巻き替え器本体Aを備えてなるものである。そして、テープ巻き替え器は、テープ巻き替え器本体Aに対して開き姿勢(F)と閉じ姿勢(G)との間で回転可能に支持されたカバーBを備えている。
【0080】
このため、少なくとも、テープ体Tから引き出されたテープtpをテープコアEに巻き取るためのセッティングを好適に行うことができるテープ巻き替え器を提供することができるものとなる。
【0081】
つまり、カバーBがテープ巻き替え器本体Aに対して開き姿勢(F)と閉じ姿勢(G)との間で回転可能に構成されているため、カバーBを開き姿勢(F)にすることにより、テープ体TやテープコアEをテープ巻き替え器本体Aに取り付け及び取り外しする操作を簡単に行うことができるものとなっている。
【0082】
テープ巻き替え器本体Aに、カバーBと係合し得るカバー係合部15が設けられている。そして、カバーBが、カバー本体6と、このカバー本体6に対してスライド移動可能に支持されたロック部材7とを備えている。カバー係合部15に、ロック部材7が係合することにより、カバーBが閉じ姿勢(G)にロックされるようになっている。
【0083】
このため、カバーBは、ロック部材7をスライド移動させるという簡単な操作で、テープ巻き替え器本体Aに対して閉じ姿勢(G)にロックされるものとなる。
【0084】
カバー係合部15が、テープ巻き替え器本体Aに設けられた起立壁12からカバーBの方向に突設されている。
【0085】
このため、カバーBをテープ巻き替え器本体Aの中間位置で係り合わせることができるため、閉じ姿勢(G)をなすカバーBが、テープ巻き替え器本体Aに対して好適に支持されるものとなる。
【0086】
テープ巻き替え器本体AとカバーBとを弾性係合させることによりカバーBのテープ巻き替え器本体Aに対するがたつきを抑制するがたつき抑制手段Cが設けられている。
【0087】
このため、テープ巻き替え器本体Aに対してカバーBが細かにがたつくことが好適に抑制されるものとなる。換言すれば、がたつき抑制手段Cを設けることにより、カバーBが細かにがたつく場合に生じ得る使用者に対する違和感を好適に抑制し得るものとなっている。
【0088】
がたつき抑制手段Cが、テープ巻き替え器本体Aに設けられた第一の延出板である前壁13及び後壁14と、カバーBに設けられた第二の延出板たるカバー前壁63及びカバー後壁64と、前壁13及び後壁14に設けられカバー前壁63及びカバー後壁64に弾性的に当接し得る当接部たる第一、第二の押圧突起c1、c2とを備えたものである。
【0089】
このため、カバーBが閉じ姿勢(G)をなす場合に、テープ巻き替え器本体Aに配された第一、第二の押圧突起c1、c2が、カバー前壁63及びカバー後壁64を常に押圧しているため、テープ巻き替え器本体AとカバーBとのがたつきが好適に抑制されるものとなっている。
【0090】
第一、第二の押圧突起c1、c2が、凸状に設けられているものであるため、がたつきの抑制を簡単な構成により実現し得るものとなっている。
【0091】
テープ巻き替え器本体Aに、操作部たるハンドル5を一方向すなわち正転方向にのみ回転させるラチェット機構Rが設けられている。
【0092】
このため、ハンドル5の逆回転を好適に抑制し得るものとなるため、テープコアEに対してテープ体Tから引き出されたテープtpが不規則に巻かれ難くなり、使用者の誤操作も抑制されるものとなっている。
【0093】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0094】
テープ体は、マスキングテープが巻回されてなるものに限られるものではなく、他のテープが巻回されてなるものであってもよい。
【0095】
従動軸は、テープ体を直接的又は間接的に支持し得るものであればよく、種々の構造のものを適用することができるものである。
【0096】
駆動軸は、テープコアを直接的又は間接的に支持し得るものであればよく、種々の構造のものを適用することができるものである。例えば、駆動軸は操作ハンドルを連結していないものであってもよい。
【0097】
カバーは、テープ巻き替え器本体に対して開き姿勢と閉じ姿勢との間で回転可能に支持されたものであればよく、その形態は適宜のものに設定することが可能である。
【0098】
がたつき抑制手段は、テープ巻き替え器本体とカバーとを常に弾性係合させることにより実現したものであればよく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜のものを採用し得るものである。
【0099】
例えば、テープ巻き替え器本体に設けられた第一の延出板やカバーに設けられた第二の延出板は一つだけであってもよい。
【0100】
当接部は、第一、第二の延出板の何れか一方に設けられたものであればよい。例えば、当接部たる押圧突起が、カバー前壁やカバー後壁に設けられたものであってもよい。
【0101】
また、凸状をなす当接部が弾性的に当接する箇所が平面的な部分であってもよく、溝状の部分でなくてもよい。
【0102】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0103】
A…テープ巻き替え器本体
B…カバー
T…テープ体
1…支持体
2…テープ体支持部(従動軸)
3…スペーサ部材
4…テープコア支持部(駆動軸)
E…テープコア
5…ハンドル(操作部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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