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  • 特許-放熱装置及び放熱装置を備える照明装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】放熱装置及び放熱装置を備える照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/77 20150101AFI20240903BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240903BHJP
   F21V 29/78 20150101ALI20240903BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240903BHJP
   F21V 21/36 20060101ALI20240903BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240903BHJP
【FI】
F21V29/77
F21V29/503
F21V29/78
F21V23/00 120
F21V21/36 100
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020097388
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021190386
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-207852(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0121365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0321874(US,A1)
【文献】特開2017-215536(JP,A)
【文献】特開2013-077470(JP,A)
【文献】特開2015-220125(JP,A)
【文献】特開2013-182777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/77
F21V 29/503
F21V 29/78
F21V 23/00
F21V 21/36
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィンを有する放熱装置であって、
前記複数のフィンは、板状材を折り曲げることで一対のフィンを設けた複数の分割フィンを配列したものであり、
前記分割フィンは、前記一対のフィンのうちの一方のフィンの折り曲げ部の線上の方向に対する長さが、他方のフィンの長さよりも短くなるように設定されており、
前記分割フィンは、複数の固定部を備え
前記複数の固定部のうちの少なくとも1つの固定部が、他の前記複数のフィンに干渉しないように、前記一対のフィンが対向する方向とは逆方向に向かって突設され、
前記少なくとも1つの固定部は、前記他方のフィンに対して前記一方のフィンが短く切り欠かかれた部分から突設されていることを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記分割フィンにおける前記一対のフィンの間隔は前記線上の方向の一方の端部における間隔が、前記線上の方向の他方の端部における間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1項に記載の放熱装置。
【請求項3】
前記分割フィンは放射状又は渦状に配列されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項の放熱装置を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
前記放熱装置は複数の仕様の照明装置に対して共通で使用できることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記放熱装置の一方の面に光源部が設けられ、他方の面には電源部が設けられていることを特徴とする請求項又はに記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源部はLEDからなり、当該照明装置は高天井用であることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱装置及び放熱装置を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置にはLEDが採用されるようになったが、LEDが発光する際に発生する熱を放熱し易くするように放熱装置を用いるものがある。従来、これら放熱装置として特許文献1の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、板金を折り曲げて製造した放熱フィンを放射状にならべた照明装置用の放熱装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-174157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の照明装置は放熱フィンを放射状に配置すると、放射状の中心側において空気通路の間隔を設けるよう放熱フィンを離して配置する必要があり、大型化するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、大型化を抑制した照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様の放熱装置は、複数のフィンを有する放熱装置であって、前記複数のフィンは、板状材を折り曲げることで複数のフィンを設けた複数の分割フィンを配列したものであり、前記分割フィンは、少なくとも1つのフィンの長さが、他のフィンよりも短くなるように設定されており、前記分割フィンは、複数の固定部を備え、前記複数の固定部のうちの少なくとも1つの固定部が、他の前記複数のフィンに干渉しないように、前記一対のフィンが対向する方向とは逆方向に向かって突設され、前記少なくとも1つの固定部は、前記他方のフィンに対して前記一方のフィンが短く切り欠かかれた部分から突設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施態様によれば、大型化を抑制した放熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の放熱装置を備えた照明装置の斜視図である。
図2】実施形態1の冷却措置の平面図であり、(a)は放熱装置全体の平面図であり、(b)は上記(a)のb部分の拡大図である。
図3】実施形態1のフィン部材の斜視図である。
図4図3のフィン部材の展開図である。
図5】実施形態2の冷却措置の平面図である。
図6】従来例の板金フィンの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る放熱装置及び放熱装置を備える照明装置ついて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための放熱装置及び放熱装置を備える照明装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。図1においてX方向、Y方向、Z方向を用いて説明する。X方向は図1の横方向である。Y方向は図1の縦方向である。Z方向は図1の高さ方向である。また、Z1方向は図1の上向きであり、Z2方向は図1の下向きである。図2においてX方向は横方向、X1方向は右方向、X2方向は左方向、Y方向は縦方向である。
【0011】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る放熱装置及び放熱装置を備える照明装置について、図1~4
を参照して説明する。本実施形態では、体育館や倉庫など、天井高が高いところに設置される高天井照明装置を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類の照明装置や照明装置以外の電気機器の放熱装置にも適用可能である。
【0012】
図1は、実施形態の放熱装置を備えた照明装置の斜視図である。照明装置1は、ベース10、カバー13、フィン14、フィンブラケット15、天板16、アーム17及び電源ユニット18を備えている。ベース10には、ベース10と一体のフランジ部11及びフランジ11に設けられたフランジ切り欠き部12が設けられている。フランジ11は、ベース10と共通の板材からベース10の下面側には図示しない光源部が設けられている。光源部は複数のLEDが板状の基板に実装されているものであり、カバー13により覆われている。LEDの発光の中心軸がZ2方向に向かうようにベース10の下面側に取り付けられている。この光源部はカバー13は周囲にベース10の形状に対応した外周部を備えており、このカバー13の外周部の上面はベース10の下面に対向ないし当接すると共に、カバー13の外周部の側面は、フランジ11の内面に対向ないし当接している。
【0013】
カバー13は、一面が開口した箱形状である。カバー13は光源が収容されるカバー本体部131と、カバー本体部131の側面から突出するカバー鍔部132とからなる。カバー13が箱形状である場合には、カバー13の外周に角部が存在する。ベース10もカバー13の形状に合わせた形状とされており、フランジ11もカバー13の外周形状に沿うように形成されている。フランジ11を設けることによってベース10の剛性を高めることができる。カバー13の全周に亘ってフランジ11を設けることもできるが、例えば、フランジ11のカバー13の角部に対応する箇所にフランジ切欠部12を設けることもできる。フランジ切欠部12を設けた場合には、フランジ11及びカバー13のカバー鍔部132の角部における寸法ないしは形状の精度を高める必要がなくなる。カバー13の角部にはアールが設けられており、フランジ切欠部12からはカバーのアール形状の部分が露出することになるので、フランジ切欠部12から鋭角な角部が露出するようなことはない。
【0014】
ベース1の上面側には複数のフィン14が放射状に配列されている。複数のフィン14は、図2(b)に示されているように、一対のフィンとして、第1フィン23及び第2フィン24を有するフィン部材21から構成されている。
【0015】
フィン14の上面側には天板16が配置されている。天板16の上面側には略直方体形状の電源ユニット18が設けられている。電源ユニット18には外部から電源コードが接続され、光源部のLED等の光源に所定の電力を供給する。
【0016】
フィン14の外周側の複数箇所、例えば4箇所にはベース部材と天板16との間に固定されるフィンブラケット15が設けられており、フィン14はベース10と天板16との間に配置される。フィンブラケットの下方側には爪部が設けられており、爪部はベース10及びカバー13の平板部を挟み込むように固定している。天板16のフィンブラケット対応箇所にはネジ穴が設けられており、天板16の上方から、雄ネジをベース10の雌ネジに螺合することにより、天板16、フィンブラケット15、ベース10及びカバー13を固定している。さらに、電源ユニット18のフィンブラケット15の対応箇所にネジ穴を設けることにより、天板16、フィンブラケット15、ベース10及びカバー13を固定と併せて、電源ユニット18を天板16に固定している。
【0017】
対向する一対のフィンブラケット15の外側には略コ字形状のアーム17が例えばネジ等により取り付けられている。アーム17の取り付け角度は調整可能であるので、光源部の光軸方向を調整することができる。
【0018】
フィンブラケット15は、方形のベース10の各辺の中央部に設けられていることにより、四方向からフィン14、天板16、ベース10を保持し剛性を確保している。よって合成を高めることで耐震強度を向上している。また、フィン14を放射状に設けていることも放熱装置の剛性の向上に寄与している。さらに、フィン14とフィンブラケット15との間に適宜の間隔を設けることもできる。フィン14とフィンブラケット15との間に間隔を設けた場合には、振動によってフィン14にフィンブラケット15が衝突することを回避することによって、さらに耐震強度を向上することができる。
【0019】
ベース10及びフィン14の材質は特に限定されるものではないが、金属製の板金として、例えばアルミニウムを用いることができる。アルミニウムは軽量であり、放熱性にも優れているので、フィン14の材料として好ましい。フィンブラケット15の材質は特に限定されるものではないが、金属製であって例えばアルミニウムが好ましい。放熱装置の剛性を向上するために、フィンブラケット15の厚みは、フィン14の厚みよりも大きく設定されている。
【0020】
図2は、実施形態1の冷却措置の平面図である。(a)は放熱装置全体の平面図であり、(b)は上記(a)のb部分の拡大図である。フィン14は冷却部材の中心部から放射状に配置されている。フィン14は、第1フィン23及び第2フィン24を有するフィン部材21を放射状に配列することによって形成される。フィン14及び天板16の形状を平面視で円形とすることにより、光源部の形状によらず、例えば角型にも丸形にも形状によらず放熱装置を共用化することができる。図1に示した照明装置1は、カバー13およびベース10は角形状に形成されているが、ベース10を円形状でありカバー13を円筒状をした丸型であっても、フィン部材21および天板16を共有に使用することができる。なお、以下、図2の中心O側のことを中心側、フィン14の外周方向のことを外周側と表現する。
【0021】
フィン部材21は板金を折り曲げることにより形成されており、底面部22の両側に設けられた第1フィン23及び第2フィン24、第1フィン23の中心側の端部においてフィンが存在しないフィン切り欠き部25、底面部22から突設されている第1固定部26及び第2固定部27を有している。第1固定部26及び第2固定部27にはそれぞれ1つの固定手段28が設けられている。固定手段28としては、特に限定されるものではないが、例えばカシメ、ネジ、半田、接着剤、凹凸嵌合、爪ないしフックによる結合等、様々な固着手段を用いることができる。
【0022】
第1フィン23と第2フィン24とは底面部22を挟んで対向しており、第1フィン23と第2フィン24とが成す角度θ2は、各フィンの放射状の配置角度に対応している。すなわち、第1フィン23と第2フィン24とが成す角度θ2は、中心Oに対する隣接するフィン14の中心角となるように設定されている。第1フィン23の中心側にはフィン切り欠き部25が設けられているため、第1フィン23の長さは第2フィンよりも短くなっている。第1フィン23と第2フィン24との間隔は中心側が狭く、外周側が広くなっている。両フィン間の間隔が狭くなっている中心側において、第1フィン23にフィン切り欠き部25が設けられているため、フィンの中心側において、十分な空気の流路を確保することができる。
【0023】
ここでは切り欠き部25という表現を用いたが、これは図3において、第1フィンの長さをl1、第2フィンの長さをl2としたとき、l1<l2であることを意味するものである。l1<l2である場合には、対向するフィンの中、第1のフィンの一部が無いことになる。第1フィンの長さl1を第2フィンの長さl2よりも短く設定するための方法は、切り欠くという方法に限定するものではなく、第1フィンの長さ寸法l1を第2フィンの長さ寸法l2よりも小さく設定するのであれば、いかなる方法を採用してもよい
【0024】
第1フィン23の外周側は底面部22よりも外側へ突出している。また、第2フィン24の中心側は底面部22よりも内側へ突出し、第2フィン24の外周側は底面部22よりも外側へ突出している。このように両フィンが底面部よりも外周側ないし中心側に突出していることにより、空気との接触面積を大きくし、冷却効率を向上している。
【0025】
図2(b)に示されているように、底面部22の中心側の第1フィン23のX1方向には第1固定部26が突設されている。また、底面部22の外周寄り、第2フィン24のX2方向には、第1固定部26から所定の距離が離れた位置には第2固定部27が突設されている。すなわち、第1固定部26及び第2固定部27は互いに、底面部22に対して外側に突設して、互い違いに斜めの位置、すなわち対角状の位置にある。第1固定部26及び第2固定部27が周方向に間隔を空けて、互い違いに斜めの位置において外側に突設され、かつ、周方向及び径方向に距離を持って設けられていることにより、各固定部を固定手段28においてベース10に固定した場合に、安定して固定できる。また、複数の固定部が周方向及び径方向に距離を持って設けられていることにより、フィン部材21の下面がベース10の上面から浮きにくいため、固着強度が向上する。さらに、第1固定部26及び第2固定部27の分だけ接触面積を増すことができるため、冷却効率を向上できる。
【0026】
図3は、本実施形態のフィン部材21の斜視図である。フィン部材21は図3に示されているように、1枚の板金を折り曲げて形成されている。第1フィン23及び第2フィン24は、底面部22からの折り曲げ部よりも、上部すなわちZ方向端部における長さ寸法が長いくなっている。また、第1フィン23及び第2フィン24の形状は特に限定されるものではないが、例えば外周側の上方すなわちZ方向端部に切り欠きを設けることもできる。
【0027】
折り曲げる前の平板状の板金において、第2固定部27の部分は、第2フィン24に設けられた固定部切り起し孔部30から、底面部22との接合部を除いて切り抜かれており、底面部22から第2フィン24を折り曲げることによって、第2固定部27が底面部22から固定部切り起し孔部30よりX2方向に、すなわちフィンよりも径方向外側に突設している。
【0028】
本実施形態においては、図4のような1枚の板金をコ字状に折り曲げて、2枚の長さの異なるフィンとしての第1フィン23及び第2フィン24を設けることにより放熱効果の向上と軽量化を図った。さらに、フィン部材21とベース10との間に熱伝導性グリス、熱伝導性接着材、放熱シート等を挟むことにより、フィン部材21とベース10との間の密着性を高め、さらに放熱性能を高めることも可能である。
【0029】
以上のような放熱装置の構成により、次の効果が得られる。
第1の態様の放熱装置は、複数のフィン14を有する放熱装置であって、前記複数のフィン14は、板状材を折り曲げることで複数のフィンを設けた複数の分割フィンとしてフィン部材21を配列したものであり、前記分割フィンは、少なくとも1つのフィンとしての第1フィン23の長さl1が、他のフィンとしての第2フィン24の長さl2よりも短くなるように設定されており、前記分割フィンは、複数の固定部としての第1固定部26及び第2固定部27を備えることを特徴とする。
【0030】
複数のフィン14は、板状材を折り曲げることで第1フィン23及び第2フィン24を設けたフィン部材21を配列したものであり、フィン部材21は、少なくとも第1フィン23の長さl1が、第2フィンの長さl2よりも短くなるように設定されており、フィン部材21は、第1固定部26及び第2固定部27を備える放熱装置により、フィン同士の間隔を狭くすることが可能となり、放熱効率の向上と小型化ないし軽量化を図ることができる。
【0031】
第2の態様の放熱装置は、第1の態様の放熱装置において、前記分割フィンとしてのフィン部材21は一対のフィンとしての第1フィン23及び第2フィン24を有することを特徴とする。
【0032】
フィン部材21は板金を折り曲げることにより形成されており、底面部22の両側に設けられた第1フィン23及び第2フィン24を有する。板金を折り曲げて形成するため、製造が容易であり、かつ、小型化ないし軽量化を図ることもできる。
【0033】
第3の態様の放熱装置は、第1又は第2の態様の放熱装置において、前記固定部としての第1固定部26及び第2固定部27は長さ方向、例えば図2の径方向に複数設けられると共に、幅方向、例えば図2の周方向に間隔を有することを特徴とする。
【0034】
第1固定部26及び第2固定部27が図2に示されているように互い違いに斜めの位置、すなわち、周方向及び径方向に距離を持って設けられており、かつ、周方向外側に突設することができるために、固定手段28によって各固定部をベース10に固定した場合に安定して固定できる。また、複数の固定部が周方向及び径方向に距離を持って設けられていることにより、フィン部材21の下面がベース10の上面から浮きにくいため、固着強度が向上する。さらに、第1固定部26及び第2固定部27の分だけ接触面積を増すことができるため、冷却効率を向上できる。
【0035】
第4の態様の放熱装置は、第1~第3のいずれかの態様の放熱装置において、前記固定部としての第1固定部26は前記他のフィンとしの第1フィン23におけるフィンが存在しない位置であるフン切り欠き部25に対応していることを特徴とする。
【0036】
第1固定部26は第1フィン23におけるフィンが存在しない位置であるフン切り欠き部25に対応している。これにより、折り曲げによるフィン部材21の製造を容易にすると共に、第1固定部と第2固定部と配置が、互い違いに斜めの位置において外側に突設され、かつ、周方向及び径方向に距離を持つようにできる。
【0037】
第5の態様の放熱装置は、第1~第4のいずれかの態様の放熱装置において、前記分割フィンとしてのフィン部材21における各フィン14の間隔は長さ方向の一方の端部における間隔、例えば図2の中心側の間隔が、長さ方向の他方の端部における間隔、例えば図2の外周側の間隔よりも狭いことを特徴とする。
【0038】
フィン部材21の底面部22の形状は中心Oに対して中心角θ2を有するように設定されており、複数のフィン部材21を放射状に配列した場合に、隣接するフィン14同士の間隔を十分に確保することが可能である。
【0039】
第6の態様の放熱装置は、第1~第5のいずれかの態様の放熱装置において、前記分割フィンとしてのフィン部材21は放射状又は渦状に配列されていることを特徴とする。
【0040】
フィン部材21は放射状又は渦状に配列されているため、冷却効率が高く、かつ、放熱装置の剛性も向上することができる。さらに、フィン及び天板は角型にも丸形にも形状によらず共用可能とすることができる。
【0041】
第7の態様の照明装置は、第1~第6のいずれか態様の放熱装置を備えることを特徴とする。
【0042】
本実施形態の放熱装置を照明装置に用いることにより、第1~第7の態様の放熱装置と同様の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【0043】
第8の態様の照明装置は、第7の態様の照明装置において、前記放熱装置は複数の仕様の照明装置に対して共通で使用できることを特徴とする。
【0044】
放熱装置は複数の仕様の照明装置に対して共通で使用できるため、汎用性を高めることができる。
【0045】
第9の態様の照明装置は、第7又は第8の態様の照明装置において、前記放熱装置の一方の面に光源部が設けられ、他方の面には電源部としの電源ユニット18が設けられていることを特徴とする。
【0046】
放熱装置の一方の面に光源部が設けられ、他方の面には電源ユニット18が設けられることにより、光源部から生じた熱を効率よく放出すると共に、電源部の配置の自由度が向上する。
【0047】
第10の態様の照明装置は、第7~第9のいずれかの態様の照明装置において、前記光源部はLEDからなり、前記照明装置は高天井用であることを特徴とする。
【0048】
光源部はLEDとした照明装置に対して、本実施形態は特に有効である。ベース10にLED基板を当接させ、ベース10に伝導された熱をZ方向に設けられた複数のフィン14により放熱するため、LEDの発熱を効率よく放熱でき、かつ、軽量な放熱装置を提供することが可能である。
【0049】
さらに本実施形態のフィンブラケット15は、方形のベース10の各辺の中央部に設けられていることにより、剛性を高め、耐震強度を向上している。また、フィン14を放射状に設けていることも放熱装置の剛性の向上に寄与している。さらに、フィン14とフィンブラケット15との間に適宜の間隔を設けることもできる。フィン14とフィンブラケット15との間に間隔を設けた場合には、振動によってフィン14にフィンブラケット15が衝突することを回避することによって、さらに耐震強度を向上することができる。
【0050】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る放熱装置及び放熱装置を備える照明装置について、図5を参照して説明する。図1~3と共通の構成については同じ符号を用い、その説明は省略する。本実施形態ではフィン部材21を渦状に配置した点で、実施形態1と異なる。
【0051】
フィン部材21を渦状に配置することにより、フィン14の配置範囲の径方向長さよりも長いフィンを用いることが可能となる。すなわち、渦状にフィン部材21を配列することにより、各フィン14を径方向に対して傾斜して配列することができるため、半径方向長さよりも長いフィンを利用することが可能となる。このため、図2の放射状の配置よりも、同じ長さのフィンを用いる場合には、より小さいスペースに配列することができ、また、同じスペースに配列する場合にはより長い寸法のフィンを用いることが可能になり、冷却効率を向上することができる。また、熱解析の結果から、渦状の配置の方が放射状の配置よりも放熱効率が向上することが分かった。
【0052】
フィン部材21を渦状に配置する場合、第1固定部26が右側に張り出す部分の寸法を適宜抑えることにより、各フィン部材21の中心側の寸法を小さくすることが可能となるため、フィン部材21を渦状に配置し易くできる。
【0053】
以上、本発明の実施形態に係る放熱装置及び放熱装置を備える照明装置ついて説明したが、上記の実施形態は本発明の技術思想を具体化するための放熱装置及び放熱装置を備える照明装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、各実施形態の変形例や各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0054】
1 照明装置、10 ベース、11 フランジ、12 フランジ切り欠き部、13 カバー、14 フィン、15 フィンブラケット、16 天板、17 アーム、18 電源ユニット、21 フィン部材、22 底面部、23 第1フィン、24 第2フィン、25 ン切り欠き部、26 第1固定部、27 第2固定部、28 固定手段、30 固定部切り起し孔部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6