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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240903BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G03G21/18 142
G03G21/00 370
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020100106
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021196384
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-204838(JP,A)
【文献】特開2016-180890(JP,A)
【文献】特開2011-253082(JP,A)
【文献】特開2012-212075(JP,A)
【文献】特開2009-036919(JP,A)
【文献】特開2007-328300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 15/08
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える第1カートリッジと、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える第2カートリッジと、
発光部と、前記発光部からの光を受光可能な受光部とを備え、前記受光部の受光を検知するセンサと、
前記センサの前記発光部からの光を透過および遮断するカムであって、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが前記筐体に対して着脱可能となる第1位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ接触させ、前記第1位置から第1方向に移動した第2位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ離間させ、前記第2位置から前記第1方向に移動した第3位置と、を移動可能であるカムと、
初期動作時に、前記センサの検知結果に基づいて、前記カムが前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれの位置かを判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記初期動作時に、前記センサの光が遮光されている場合、前記カムを前記第1方向に移動させる第1処理を実行し、前記カムの移動開始後、前記受光部が光を受光し、前記受光部が光を受光し始めてから第1所定時間内に、前記センサの光が遮光された場合、前記カムは、前記初期動作時に前記第1位置に配置されていたと判断する、ことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記カムが前記第1位置であると判断した場合、前記カムを前記第2位置に移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記初期動作時に、前記センサの光が遮光されている場合、前記カムを前記第1方向に移動させる第1処理を実行し、前記カムの移動開始後、前記受光部が光を受光し、前記受光部が光を受光し始めてから前記第1所定時間を超えて、前記受光部が光を受光している場合、前記カムは、前記初期動作時に前記第2位置に配置されていたと判断する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記カムが前記第2位置であると判断した場合、前記カムを前記第3位置に移動させる、ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記発光部からの光が前記受光部で受光されている場合、前記カムを前記第1方向と逆方向である第2方向に移動させる第2処理を実行し、前記カムの移動開始後、第2所定時間を超えて、前記受光部が受光し続けている場合、前記カムは、前記初期動作時に前記第3位置に配置されていたと判断する、ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記カムが前記第3位置であると判断した場合、前記第2方向に移動させた前記カムを、再度、前記第1方向に動かし、前記第3位置に移動させる、ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記発光部からの光が前記受光部で受光されている場合、前記第2処理を実行し、前記カムの移動開始後、前記第2所定時間内に前記センサの光が遮光され、その後、前記カムを前記第1方向に移動させたとき、再度前記受光部が受光した後、第3所定時間内に遮光した場合、前記カムは、前記初期動作時に、前記第1位置と前記第2位置との間にあったと判断する、ことを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記カムが前記第1位置と前記第2位置との間であると判断した場合、前記カムを前記第2位置に移動させる、ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1現像ローラおよび前記第2現像ローラに駆動力を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記初期動作時に、前記カムが前記第1位置あるいは前記第1位置と前記第2位置との間であると判断した場合、前記カムを前記第2位置に移動させた状態で、前記入力部から前記第1現像ローラおよび前記第2現像ローラに駆動を入力した後、前記カムを前記第3位置に移動させる、ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カムは、前記第1方向における一端と、前記第1方向における他端とを備え、前記第1方向における前記一端と前記他端との間に、前記発光部の光を透過させることが可能な光透過部を備えている、ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記光透過部は、スリットである、ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記カムが前記第1位置に配置されているとき、前記スリットは、前記センサよりも前記一端側に配置されている、ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記カムが前記第2位置に配置されているとき、前記スリットは、前記センサよりも他端側に配置されている、ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1カートリッジは、前記第1感光ドラムを備えるドラムカートリッジと、前記第1現像ローラを備える現像カートリッジとを備え、
前記現像カートリッジは、前記ドラムカートリッジに着脱可能である、ことを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記開口を開閉するカバーを備え、
前記初期動作時は、前記カバーを開放し、その後閉鎖した時、あるいは、電源を投入した時である、ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
開口を有する筐体と、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える第1カートリッジと、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える第2カートリッジと、
発光部と、前記発光部からの光を受光可能な受光部とを備え、前記受光部の受光を検知するセンサと、
前記センサの前記発光部からの光を透過および遮断するカムであって、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが前記筐体に対して着脱可能となる第1位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ接触させ、前記第1位置から第1方向に移動した第2位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ離間させ、前記第2位置から前記第1方向に移動した第3位置と、を移動可能であるカムと、
初期動作時に、前記センサの検知結果に基づいて、前記カムが前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれの位置かを判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記初期動作時に、前記センサの光が遮光されている場合、前記カムを前記第1方向に移動させる第1処理を実行し、前記カムの移動開始後、前記受光部が光を受光し、前記受光部が光を受光し始めてから所定時間を超えて、前記受光部が光を受光している場合、前記カムは、前記初期動作時に前記第2位置に配置されていたと判断する、ことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項17】
開口を有する筐体と、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える第1カートリッジと、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える第2カートリッジと、
発光部と、前記発光部からの光を受光可能な受光部とを備え、前記受光部の受光を検知するセンサと、
前記センサの前記発光部からの光を透過および遮断するカムであって、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが前記筐体に対して着脱可能となる第1位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ接触させ、前記第1位置から第1方向に移動した第2位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ離間させ、前記第2位置から前記第1方向に移動した第3位置と、を移動可能であるカムと、
初期動作時に、前記センサの検知結果に基づいて、前記カムが前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれの位置かを判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記発光部からの光が前記受光部で受光されている場合、前記カムを前記第1方向と逆方向である第2方向に移動させる第2処理を実行し、前記カムの移動開始後、所定時間を超えて、前記受光部が受光し続けている場合、前記カムは、前記初期動作時に前記第3位置に配置されていたと判断する、ことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項18】
開口を有する筐体と、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える第1カートリッジと、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える第2カートリッジと、
発光部と、前記発光部からの光を受光可能な受光部とを備え、前記受光部の受光を検知するセンサと、
前記センサの前記発光部からの光を透過および遮断するカムであって、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが前記筐体に対して着脱可能となる第1位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ接触させ、前記第1位置から第1方向に移動した第2位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ離間させ、前記第2位置から前記第1方向に移動した第3位置と、を移動可能であるカムと、
初期動作時に、前記センサの検知結果に基づいて、前記カムが前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれの位置かを判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記発光部からの光が前記受光部で受光されている場合、前記カムを前記第1方向と逆方向である第2方向に移動させる第2処理を実行し、前記カムの移動開始後、第2所定時間内に前記センサの光が遮光され、その後、前記カムを前記第1方向に移動させたとき、再度前記受光部が受光した後、第3所定時間内に遮光した場合、前記カムは、前記初期動作時に、前記第1位置と前記第2位置との間にあったと判断する、ことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項19】
開口を有する筐体と、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える第1カートリッジと、
前記筐体に対して前記開口を介して着脱可能であり、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える第2カートリッジと、
発光部と、前記発光部からの光を受光可能な受光部とを備え、前記受光部の受光を検知するセンサと、
前記センサの前記発光部からの光を透過および遮断するカムであって、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジが前記筐体に対して着脱可能となる第1位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ接触させ、前記第1位置から第1方向に移動した第2位置と、前記第1感光ドラムと前記第1現像ローラおよび前記第2感光ドラムと前記第2現像ローラをそれぞれ離間させ、前記第2位置から前記第1方向に移動した第3位置と、を移動可能であるカムと、
初期動作時に、前記センサの検知結果に基づいて、前記カムが前記第1位置、前記第2位置および前記第3位置のいずれの位置かを判断する制御部と、
前記第1現像ローラおよび前記第2現像ローラに駆動力を入力する入力部と、を備え、
前記制御部は、前記初期動作時に、前記カムが前記第1位置あるいは前記第1位置と前記第2位置との間であると判断した場合、前記カムを前記第2位置に移動させた状態で、前記入力部から前記第1現像ローラおよび前記第2現像ローラに駆動を入力した後、前記カムを前記第3位置に移動させる、ことを特徴とする、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、第1カートリッジと、第2カートリッジと、センサと、カムと、制御部とを備える。第1カートリッジは、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える。第2カートリッジは、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える。カムは、接触位置と、離間位置との間を移動可能である。カムが接触位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラとをそれぞれ接触させる。カムが離間位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラとをそれぞれ離間させる。センサは、カムの初期位置として接触位置および離間位置のいずれか一方を検知する。制御部は、画像形成装置の初期動作時に、センサの検知結果に基づいてカムが初期位置に位置するか否かを判断し、カムが初期位置に位置しない場合、カムを初期位置に移動させる(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-212075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような画像形成装置では、初期動作直後において、カムは、接触位置および離間位置のいずれか一方である初期位置に位置する。その後、制御部は、必要に応じて、カムを、初期位置から接触位置および離間位置のいずれか他方に移動させる。
【0005】
例えば、カムの初期位置が離間位置であり、初期動作後に印刷を開始する場合、カムが初期動作時に接触位置に位置していても、カムは、接触位置から離間位置に一旦移動した後、離間位置から接触位置に戻る。その結果、カムを所望の位置に位置させるための時間の低減を図るには限度がある。
【0006】
そこで、本開示の目的は、カムが第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置に位置するかを検知でき、カムを所望の位置に円滑に位置させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の画像形成装置は、筐体と、第1カートリッジと、第2カートリッジと、センサと、カムと、制御部とを備える。筐体は、開口を有する。第1カートリッジは、筐体に対して開口を介して着脱可能である。第1カートリッジは、第1感光ドラムと第1現像ローラとを備える。第2カートリッジは、筐体に対して開口を介して着脱可能である。第2カートリッジは、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備える。センサは、発光部と、受光部とを備える。センサは、受光部の受光を検知する。受光部は、発光部からの光を受光可能である。カムは、センサの発光部からの光を透過および遮断する。カムは、第1位置と、第2位置と、第3位置とを移動可能である。カムが第1位置に位置した状態で、第1カートリッジおよび第2カートリッジが筐体に対して着脱可能となる。カムは、第1位置から第2位置に第1方向に移動する。カムが第2位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラとをそれぞれ接触させる。カムは、第2位置から第3位置に第1方向に移動する。カムが第3位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラをそれぞれ離間させる。制御部は、初期動作時に、センサの検知結果に基づいて、カムが第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置かを判断する。
【0008】
このような構成によれば、画像形成装置の初期動作に、カムが第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置に位置するかを検知できる。そのため、カムを所望の位置に円滑に位置させることができる。
【0009】
(2)制御部は、初期動作時にセンサの光が遮光されている場合、第1処理を実行してもよい。第1処理は、カムを第1方向に移動させる。制御部は、カムの移動開始後、受光部が光を受光し、受光部が光を受光し始めてから所定時間内に、センサの光が遮光された場合、カムは、初期動作時に第1位置に配置されていたと判断する。
【0010】
(3)制御部は、カムが第1位置であると判断した場合、カムを第2位置に移動させてもよい。
【0011】
(4)制御部は、初期動作時にセンサの光が遮光されている場合、第1処理を実行してもよい。第1処理は、カムを第1方向に移動させる。制御部は、カムの移動開始後、受光部が光を受光し、受光部が光を受光し始めてから所定時間を超えて、受光部が光を受光している場合、カムは、初期動作時に第2位置に配置されていたと判断する。
【0012】
(5)制御部は、カムが第2位置であると判断した場合、カムを第3位置に移動させてもよい。
【0013】
(6)制御部は、発光部からの光が受光部で受光されている場合、第2処理を実行してもよい。第2処理は、カムを第2方向に移動させる。第2方向は、第1方向と逆方向である。制御部は、カムの移動開始後、所定時間を超えて、受光部が受光し続けている場合、カムは、初期動作時に第3位置に配置されていたと判断する。
【0014】
(7)制御部は、カムが第3位置であると判断した場合、第2方向に移動させたカムを、再度、第1方向に動かし、第3位置に移動させてもよい。
【0015】
(8)制御部は、発光部からの光が受光部で受光されている場合、第2処理を実行してもよい。第2処理は、カムを第2方向に移動させる。第2方向は、第1方向と逆方向である。制御部は、第2処理の実行後、所定時間内にセンサの光が遮光され、その後、カムを第1方向に移動させたとき、再度受光部が受光した後、所定時間内に遮光した場合、カムは、初期動作時に、第1位置と第2位置との間にあったと判断する。
【0016】
(9)制御部は、カムが第1位置と第2位置との間であると判断した場合、カムを第2位置に移動させてもよい。
【0017】
(10)画像形成装置は、入力部を備えてもよい。入力部は、第1現像ローラおよび第2現像ローラに駆動力を入力する。制御部は、初期動作時に、カムが第1位置あるいは第1位置と第2位置との間であると判断した場合、カムを第2位置に移動させた状態で、入力部から第1現像ローラおよび第2現像ローラに駆動を入力した後、カムを第3位置に移動させてもよい。
【0018】
(11)カムは、第1方向における一端と、第1方向における他端とを備えてもよい。カムは、光透過部を備えている。光透過部は、発光部の光を透過させることが可能である。光透過部は、第1方向における一端と他端との間に位置する。
【0019】
(12)光透過部は、スリットであってもよい。
【0020】
(13)カムが第1位置に配置されているとき、スリットは、センサよりも一端側に配置されていてもよい。
【0021】
(14)カムが第2位置に配置されているとき、スリットは、センサよりも他端側に配置されていてもよい。
【0022】
(15)カムが第3位置に配置されているとき、カムの一端は、センサよりも他端側に配置されていてもよい。
【0023】
(16)第1カートリッジは、ドラムカートリッジと、現像カートリッジとを備えてもよい。ドラムカートリッジは、第1感光ドラムを備える。現像カートリッジは、第1現像ローラを備える。現像カートリッジは、ドラムカートリッジに着脱可能であってもよい。
【0024】
(17)画像形成装置は、カバーを備えてもよい。カバーは、開口を開閉する。初期動作時は、カバーを開放し、その後閉鎖した時、あるいは、電源を投入した時であってもよい。
【0025】
(18)画像形成装置は、筐体と、第1カートリッジと、第2カートリッジと、センサと、カムとを備える。筐体は、開口を備える。第1カートリッジは、筐体に対して開口を介して着脱可能である。第1カートリッジは、第1感光ドラムと第1現像ローラを備える。第2カートリッジは、筐体に対して開口を介して着脱可能である。第2カートリッジは、第2感光ドラムと第2現像ローラを備える。センサは、発光部と、受光部とを備える。センサは、受光部の受光を検知する。受光部は、発光部からの光を受光可能である。カムは、センサの発光部からの光を透過および遮断する。カムは、第1位置と、第2位置と、第3位置とを移動可能である。カムが第1位置に位置した状態で、第1カートリッジおよび第2カートリッジが筐体に対して着脱可能となる。カムは、第1位置から第2位置に第1方向に移動する。カムが第2位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラをそれぞれ接触させる。カムは、第2位置から第3位置に第1方向に移動する。カムが第3位置に位置した状態で、カムは、第1感光ドラムと第1現像ローラおよび第2感光ドラムと第2現像ローラをそれぞれ離間させる。カムは、カムの第1方向における一端と他端とを備える。カムは、光透過部を備える。光透過部は、発光部からの光を透過可能である。光透過部は、第1方向における一端と他端との間に位置する。
【0026】
このような構成によれば、カムは、発光部からの光を透過可能な光透過部を備える。そのため、センサは、受光部の受光の有無に基づいて、カムが、第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置に位置するかを検知できる。その結果、カムを所望の位置に円滑に位置できる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の画像形成装置によれば、カムが第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置に位置するかを検知でき、カムを所望の位置に円滑に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、画像形成装置の概略構成図であって、カバーが閉位置に位置する状態を示す。
図2図2は、図1に示す画像形成装置の概略構成図であって、カバーが開位置に位置する状態を示す。
図3図3Aは、図1に示すカートリッジの概略構成図であって、現像カートリッジが接触位置に位置する状態を示す。図3Bは、図1に示すカートリッジの概略構成図であって、現像カートリッジが離間位置に位置する状態を示す。
図4図4は、図3Aに示すカートリッジの一方の側面図である。
図5図5は、図3Aに示すカートリッジの他方の側面図である。
図6図6は、図4に示す第1側壁および第2接触部の側断面図であって、現像カートリッジが接触位置に位置する状態を示す。
図7図7は、図5に示す回動部材および第2支持部の側面図であって、現像カートリッジが接触位置に位置する状態を示す。
図8図8は、図4に示す第1側壁および第2接触部の側断面図であって、現像カートリッジが離間位置に位置する状態を示す。
図9図9は、図5に示す回動部材および第2支持部の側面図であって、現像カートリッジが離間位置に位置する状態を示す。
図10図10は、図1に示す画像形成装置が備える第1カム、第2カム、リンク部材および回転ロッドの斜視図である。
図11図11は、図10に示す第1カム、第2カム、リンク部材および回転ロッドの側面図である。
図12図12は、図11に示す第1カムおよびアームの側面図であって、第1カムが第1位置に位置する状態を示す。
図13図13は、図11に示す第1カムおよびアームの側面図であって、第1カムが第2位置に位置する状態を示す。
図14図14は、図11に示す第1カムおよびアームの側面図であって、第1カムが第4位置に位置する状態を示す。
図15図15は、図11に示す第1カムおよびアームの側面図であって、第1カムが第3位置に位置する状態を示す。
図16図16は、図11に示す第2カムおよびレバーの側面図を示す。
図17図17Aは、図12に示す第1カムの平面図であって、第1カムが第1位置に位置する状態を示す。図17Bは、図13に示す第1カムの平面図であって、第1カムが第2位置に位置する状態を示す。図17Cは、図14に示す第1カムの平面図であって、第1カムが第4位置に位置する状態を示す。図17Dは、図15に示す第1カムの平面図であって、第1カムが第3位置に位置する状態を示す。
図18図18は、図1に示す画像形成装置の初期動作時の制御を説明するためのフローチャートである。
図19図19は、図18に示す第1処理を説明するためのフローチャートである。
図20図20は、図18に示す第2処理を説明するためのフローチャートである。
図21図21は、図20に示す第3処理を説明するためのフローチャートである。
図22図22Aは、図19に示すS2-1の処理において、第1カムが第1位置から第1方向に移動した状態を示す。図22Bは、図19に示すS2-1の処理において、第1カムが第2位置から第1方向に移動した状態を示す。図22Cは、図19に示すS2-1の処理において、第1カムが第4位置から第1方向に移動した状態を示す。図22Dは、図20に示すS3-1の処理において、第1カムが第3位置から第2方向に移動した状態を示す。
図23図23Aは、図11に示す第1カムが第1位置と第2位置との間に位置した状態を示す。図23Bは、図21に示すS3-1の処理において、図23Aに示す第1カムが、第1位置と第2位置との間の位置から第2方向に移動した状態を示す。図23Cは、図21に示すS3-4-4の処理において、図23Bに示す第1カムが、第1方向に移動した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
1.画像形成装置1
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。
【0030】
図1および図2に示すように、画像形成装置1は、筐体2と、カバー9と、シートカセット3と、4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kと、4つの露光装置5Y、5M、5C、5Kと、転写装置7と、定着装置8とを備える。
【0031】
1.1 筐体2
筐体2は、シートカセット3と、4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kと、4つの露光装置5Y、5M、5C、5Kと、転写装置7と、定着装置8とを収容する。
【0032】
筐体2は、開口21を有する。開口21は、筐体2の上端に位置する。
【0033】
1.2 カバー9
カバー9は、開口21を開閉する。カバー9は、開位置(図2参照)と閉位置(図1参照)との間を移動可能である。カバー9が開位置に位置する状態で、開口21は、開く。カバー9が閉位置に位置する状態で、カバー9は、開口21を閉じる。
【0034】
1.3 シートカセット3
シートカセット3は、シートSを収容可能である。シートカセット3内のシートSは、感光ドラム412Yに向かって搬送される。感光ドラム412Yについては、後で説明する。
【0035】
1.4 4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4K
4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kは、第1方向に並ぶ。第1方向は、搬送ベルト71によるシートSの搬送方向に沿う。搬送ベルト71については、後で説明する。第1方向の逆方向は、第2方向である。4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kは、第1方向に順に並ぶ。図2に示すように、カバー9が開位置に位置した状態で、4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kのそれぞれは、筐体2に対して開口21を介して着脱可能である。
【0036】
1.4.1 カートリッジ4K
図1に示すように、カートリッジ4Kは、ドラムカートリッジ41Kと、現像カートリッジ42Kとを備える。
【0037】
1.4.1.1 ドラムカートリッジ41K
ドラムカートリッジ41Kは、ドラムフレーム411Kと、感光ドラム412Kと、帯電装置413Kとを備える。
【0038】
ドラムフレーム411Kは、感光ドラム412Kおよび帯電装置413Kを支持する。
【0039】
感光ドラム412Kは、第3方向に延びる。第3方向は、第1方向と交差する。第3方向は、上下方向と交差する。上下方向とは、画像形成装置1を通常の使用状態に置いたときの重力方向である。感光ドラム412Kは、円筒形状を有する。感光ドラム412Kは、回転軸A1を中心として回転可能である。回転軸A1は、第3方向に延びる。
【0040】
帯電装置413Kは、感光ドラム412Kの周面を帯電させる。帯電装置413Kは、具体的には、スコロトロン型の帯電器である。なお、帯電装置413Kは、帯電ローラであってもよい。
【0041】
1.4.1.2 現像カートリッジ42K
現像カートリッジ42Kは、現像フレーム421Kと、現像ローラ422Kとを備える。言い換えれば、カートリッジ4Kは、ドラムフレーム411Kと、感光ドラム412Kと、帯電装置413Kと、現像フレーム421Kと、現像ローラ422Kとを備える。
【0042】
現像フレーム421Kは、トナーを収容可能である。現像フレーム421Kは、現像ローラ422Kを支持する。
【0043】
現像ローラ422Kは、第3方向に延びる。現像ローラ422Kは、回転軸A2を中心として回転可能である。回転軸A2は、第3方向に延びる。
【0044】
現像カートリッジ42Kは、ドラムカートリッジ41Kのドラムフレーム411Kに着脱可能である。そのため、現像ローラ422Kを有する現像カートリッジ42Kと、感光ドラム412Kを有するドラムカートリッジ41Kとを個別に交換できる。
【0045】
図3Aおよび図3Bに示すように、現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、現像カートリッジ42Kは、接触位置(図3A参照)と離間位置(図3B参照)との間を移動可能である。現像カートリッジ42Kが接触位置に位置する状態で、現像ローラ422Kと感光ドラム412Kとが接触する。現像カートリッジ42Kが接触位置に位置した状態で、現像ローラ422Kは、感光ドラム412Kにトナーを供給する。現像カートリッジ42Kが離間位置に位置する状態で、現像ローラ422Kが感光ドラム412Kから離間する。
【0046】
1.4.2 カートリッジ4Y、4M、4C
図1に示すように、カートリッジ4Y、4M、4Cは、カートリッジ4Kと同様に説明される。そのため、カートリッジ4Y、4M、4Cについての説明は、省略される。
【0047】
カートリッジ4Yは、ドラムカートリッジ41Yと、現像カートリッジ42Yとを備える。ドラムカートリッジ41Yは、ドラムフレーム411Yと、感光ドラム412Yと、帯電装置413Kとを備える。現像カートリッジ42Yは、現像フレーム421Yと、現像ローラ422Yとを備える。
【0048】
カートリッジ4Mは、ドラムカートリッジ41Mと、現像カートリッジ42Mとを備える。ドラムカートリッジ41Mは、ドラムフレーム411Mと、感光ドラム412Mと、帯電装置413Kとを備える。現像カートリッジ42Mは、現像フレーム421Mと、現像ローラ422Mとを備える。
【0049】
カートリッジ4Cは、ドラムカートリッジ41Cと、現像カートリッジ42Cとを備える。ドラムカートリッジ41Cは、ドラムフレーム411Cと、感光ドラム412Cと、帯電装置413Cとを備える。現像カートリッジ42Cは、現像フレーム421Cと、現像ローラ422Cとを備える。
【0050】
言い換えれば、カートリッジ4Y、4M、4Cのそれぞれは、ドラムフレーム411と、感光ドラム412と、帯電装置413と、現像フレーム421と、現像ローラ422とを備える。
【0051】
1.5. 4つの露光装置5Y、5M、5C、5K
4つの露光装置5Y、5M、5C、5Kは、カバー9に支持される。カバー9が閉位置に位置した状態で、4つの露光装置5Y、5M、5C、5Kは、筐体2内に位置する。カバー9が開位置に位置した状態で、4つの露光装置5Y、5M、5C、5Kは、筐体2外に位置する(図2参照)。
【0052】
1.5.1 露光装置5K
カバー9が閉位置に位置した状態で、露光装置5Kは、感光ドラム412Kの表面を露光可能である。感光ドラム412Kの表面が帯電された状態で、露光装置5Kが感光ドラム412Kの表面を露光することにより、静電潜像が、感光ドラム412Kの表面に形成される。露光装置5Kは、具体的には、LEDアレイである。
【0053】
1.5.2 露光装置5Y、5M、5C
露光装置5Y、5M、5Cは、露光装置5Kと同様に説明される。そのため、露光装置5Y、5M、5Cについての説明は省略される。露光装置5Yは、感光ドラム412Yの表面を露光可能である。露光装置5Mは、感光ドラム412Mの表面を露光可能である。露光装置5Cは、感光ドラム412Cの表面を露光可能である。
【0054】
1.6 転写装置7
転写装置7は、搬送ベルト71を備える。搬送ベルト71は、シートカセット3から供給されたシートSを定着装置8に向かって搬送する。搬送ベルト71によって搬送されるシートSは、転写装置7と4つの感光ドラム412Y、412M、412C、412Kとの間を通る。このとき、転写装置7は、4つの感光ドラム412Y、412M、412C、412K上のトナーをシートSに転写する。
【0055】
1.7 定着装置8
定着装置8は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置8を通過したシートSは、筐体2の上面に排紙される。
【0056】
2.ドラムカートリッジ41Kの詳細
次に、図4から図7を参照して、ドラムカートリッジ41Kの詳細について説明する。なお、ドラムカートリッジ41Y、41M、41Cは、ドラムカートリッジ41Kと同様に説明される。そのため、ドラムカートリッジ41Y、41M、41Cの詳細な説明は省略される。
【0057】
図4から図7に示すように、ドラムカートリッジ41Kは、上記したドラムフレーム411Kと、上記した感光ドラム412Kと、上記した帯電装置413Kとに加えて、現像電極414K(図4参照)と、ドラムカップリング418K(図5参照)と、回動部材415K(図5参照)と、2つの押圧部材416K、417K(図6および図7参照)とを備える。
【0058】
2.1 ドラムフレーム411K
図4および図5に示すように、ドラムフレーム411Kは、第1側壁4111(図4参照)と、第2側壁4112(図5参照)とを備える。第1側壁4111は、第3方向におけるドラムフレーム411Kの一端に位置する。第2側壁4112は、第3方向におけるドラムフレーム411Kの他端に位置する。第1側壁4111は、第3方向における感光ドラム412K(図3A参照)の一端を支持する。第2側壁4112は、第3方向における感光ドラム412Kの他端を支持する。
【0059】
2.1.1 第1側壁4111
図4に示すように、第1側壁4111は、第1接触部4113を含む。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第1接触部4113は、現像フレーム421Kが備える第2接触部4212と接触する。第2接触部4212については、後で説明する。
【0060】
第1接触部4113は、感光ドラム412Kの径方向において、感光ドラム412Kの回転軸A1から離れて位置する。カートリッジ4Kが筐体2内に位置する状態で、第1接触部4113は、回転軸A1よりも上方に位置する。
【0061】
2.1.2 第2側壁4112
図5に示すように、第2側壁4112は、第3方向において、第1側壁4111から離れて位置する。第2側壁4112は、穴4112Aを有する。
【0062】
2.2 現像電極414K
図4に示すように、現像電極414Kは、第1側壁4111に設けられる。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、現像電極414Kは、現像ローラ422K(図3A参照)と電気的に接続される。
【0063】
カートリッジ4Kが筐体2内に位置する状態で、現像電極414Kには、画像形成装置1が備える電極が接触する。電極は、図示しない。電極は、第3方向において、現像電極414Kに対して、第2側壁4112(図5参照)の反対側から接触する。電極は、現像電極414Kと接触した状態で、ドラムカートリッジ41Kを第3方向に押圧する。これによって、ドラムカートリッジ41Kは、第3方向において筐体2に位置決めされる。
【0064】
2.3 ドラムカップリング418K
図5に示すように、ドラムカップリング418Kは、第3方向における感光ドラム412K(図3A参照)の他端に取り付けられる。ドラムカップリング418Kは、感光ドラム412Kとともに回転可能である。ドラムカップリング418Kは、穴4112Aに嵌る。これによって、第3方向における感光ドラム412Kの他端は、ドラムカップリング418Kを介して、第2側壁4112に回転可能に支持される。
【0065】
ドラムカップリング418Kには、画像形成装置1が備える第1入力部100Kが嵌まる。第1入力部100Kは、感光ドラム412Kに駆動力を入力する。第1入力部100Kがドラムカップリング418Kに嵌まった状態で、ドラムカップリング418Kは、第1入力部100Kとともに回転可能である。これにより、ドラムカップリング418Kは、第1入力部100Kから駆動力を受けて、感光ドラム412Kを回転させる。第1入力部100Kは、第3方向に移動可能である。
【0066】
なお、図示しないが、画像形成装置1は、さらに、3つの第1入力部100Y、100M、100Cを備える。3つの第1入力部100Y、100M、100Cは、第1入力部100Kと同様に説明される。そのため、3つの第1入力部100Y、100M、100Cについての説明は、省略される。第1入力部100Yは、感光ドラム412Yに駆動力を入力する。第1入力部100Yは、ドラムカートリッジ41Yが備えるドラムカップリング418Yに嵌まる。第1入力部100Mは、感光ドラム412Mに駆動力を入力する。第1入力部100Mは、ドラムカートリッジ41Mが備えるドラムカップリング418Mに嵌まる。第1入力部100Cは、感光ドラム412Cに駆動力を入力する。第1入力部100Cは、ドラムカートリッジ41Cが備えるドラムカップリング418Cに嵌まる。
【0067】
2.4 回動部材415K
図7に示すように、回動部材415Kは、第2側壁4112に支持される。回動部材415Kは、軸415Aについて回転可能である。軸415Aは、第3方向に延びる。回動部材415Kは、第3接触部4151と、第4接触部4152とを有する。カートリッジ4Kが筐体2内に位置した状態で、第3接触部4151は、レバー19Kと接触可能である。レバー19Kについては、後で説明する。第4接触部4152は、軸415Aに対して、第3接触部4151の反対側に位置する。第3接触部4151がレバー19Yと接触した状態で、第4接触部4152は、現像フレーム421Kが備える突起4214Aと接触する。突起4214Aについては、後で説明する。
【0068】
2.5 押圧部材416K、417Y
図6および図7に示すように、現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、2つの押圧部材416K、417Yは、現像フレーム421Kを接触位置(図3A参照)に向かって押圧する。2つの押圧部材416K、417Yは、ドラムフレーム411Kに支持される。2つの押圧部材416K、417Yは、第3方向において、互いに離れて位置する。
【0069】
3.現像カートリッジ42Kの詳細
次に、図4から図7を参照して、現像カートリッジ42Kの詳細について説明する。なお、現像カートリッジ42Y、42M、42Cは、現像カートリッジ42Kと同様に説明される。そのため、現像カートリッジ42Y、42M、42Cの詳細な説明は省略される。
【0070】
図4および図5に示すように、現像カートリッジ42Kは、第3方向に延びる。現像カートリッジ42Kは、第3方向において、第1側面S1と、第2側面S2とを有する。第1側面S1は、第3方向における現像カートリッジ42Kの一端に位置する。第2側面S2は、第3方向における現像カートリッジ42Kの他端に位置する。
【0071】
現像カートリッジ42Kは、上記した現像フレーム421Kと、上記した現像ローラ422Kとに加えて、現像カップリング423K(図5参照)とを備える。
【0072】
3.1 現像フレーム421K
図6および図7に示すように、現像フレーム421Kは、現像筐体4211と、第1支持部4213(図6参照)と、第2接触部4212(図6参照)と、第2支持部4214(図7参照)とを備える。
【0073】
現像筐体4211は、トナーを収容する。現像筐体4211は、第3方向に延びる。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、現像筐体4211は、第3方向において、第1側壁4111と第2側壁4112との間に位置する。
【0074】
図6に示すように、第1支持部4213は、第3方向における現像ローラ422K(図3A参照)の一端を支持する。第1支持部4213は、第1側面S1に位置する。第1支持部4213は、現像筐体4211に支持される。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第1支持部4213は、押圧部材416Kと感光ドラム412Kの回転軸A1との間に位置する。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第1支持部4213は、押圧部材416Kと接触する。これにより、押圧部材416Kは、現像カートリッジ42Kを接触位置に向かって押圧する(図3A参照)。
【0075】
第2接触部4212は、第1側面S1に位置する。第2接触部4212は、現像筐体4211に支持される。カートリッジ4Kが筐体2内に位置した状態で、第2接触部4212は、第1支持部4213の上方に位置する。現像カートリッジ42Kが筐体2内に位置した状態で、第2接触部4212は、上下方向に延びる。第2接触部4212は、第1部分4212Aと、第2部分4212Bとを有する。
【0076】
第1部分4212Aは、第2接触部4212の一端に位置する。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第1部分4212Aは、第1接触部4113と接触する。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第1部分4212Aは、第1接触部4113に対して感光ドラム412Kの回転軸A1の反対側に位置する。
【0077】
第2部分4212Bは、第2接触部4212の他端に位置する。カートリッジ4Kが筐体2内に位置した状態で、第2部分4212Bは、第1部分4212Aに対して上方に離れて位置する。カートリッジ4Kが筐体2内に位置した状態で、第2部分4212Bは、アーム18Kの突起183と接触可能である。突起183については、後で説明する。
【0078】
図7に示すように、第2支持部4214は、第3方向における現像ローラ422K(図3A参照)の他端を支持する。第2支持部4214は、第3方向において、現像筐体4211に対して第1支持部4213の反対側に位置する。第2支持部4214は、第2側面S2に位置する。第2支持部4214は、現像筐体4211に支持される。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第2支持部4214は、押圧部材417Kと感光ドラム412Kの回転軸A1との間に位置する。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、第2支持部4214は、押圧部材417Kと接触する。これにより、押圧部材417Kは、現像カートリッジ42Kを接触位置に向かって押圧する(図3A参照)。
【0079】
第2支持部4214は、突起4214Aを含む。突起4214Aは、第3方向に延びる。現像カートリッジ42Kがドラムフレーム411Kに装着された状態で、突起4214Aは、第1方向における第4接触部4152と押圧部材417Kとの間に位置する。
【0080】
3.2 現像カップリング423K
現像カップリング423Kは、第2側面S2に設けられる。現像カップリング423Kには、画像形成装置1が備える第2入力部101Kが嵌まる。第2入力部101Kは、現像ローラ422Kに駆動力を入力する。第2入力部101Kが現像カップリング423Kに嵌まった状態で、現像カップリング423Kは、第2入力部101Kとともに回転可能である。これにより、現像カップリング423Kは、第2入力部101Kから駆動力を受けて、現像ローラ422Kを回転させる。第2入力部101Kは、第3方向に移動可能である。
【0081】
なお、図示しないが、画像形成装置1は、さらに、3つの第2入力部101Y、101M、101Cを備える。3つの第2入力部101Y、101M、101Cは、第2入力部101Kと同様に説明される。そのため、3つの第2入力部101Y、101M、101Cについての説明は、省略される。第2入力部101Yは、現像ローラ421Yに駆動力を入力する。第2入力部101Yは、現像カートリッジ42Yが備える現像カップリング423Yに嵌まる。第2入力部101Mは、現像ローラ421Mに駆動力を入力する。第2入力部101Mは、現像カートリッジ42Mが備える現像カップリング423Mに嵌まる。第2入力部101Cは、現像ローラ421Cに駆動力を入力する。第2入力部101Cは、現像カートリッジ42Cが備える現像カップリング423Cに嵌まる。
【0082】
4.画像形成装置の詳細
次に、図10から図16を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0083】
図10および図11に示すように、画像形成装置1は、第1カム11と、4つのアーム18Y、18M、18C、18Kと、第2カム12と、4つのレバー19Y、19M、19C、19Kと、リンク部材13と、回転ロッド14と、第1ギア15と、第2ギア16と、シャフト17(図10参照)と、モータ102(図11参照)と、電磁クラッチ103(図11参照)と、センサ6(図11参照)と、制御部10(図11参照)ととを備える。
【0084】
4.1 第1カム11
図10に示すように、第1カム11は、第1方向に延びる。第1カム11は、第1方向における一端11Aと、第1方向における他端11Bとを備える。第1カム11の他端11Bは、第1方向において一端11Aから離れて位置する。第1カム11は、上下方向において、第2カム12よりも上方に配置されている。
【0085】
図12から図15に示すように、第1カム11は、第1位置(図12参照)と、第2位置(図13参照)と、第3位置(図15参照)と、第4位置(図14参照)との間を移動可能である。
【0086】
図12に示すように、カバー9が開位置に位置した状態で、第1カム11は、第1位置に位置する。第1カム11が第1位置に位置した状態で、4つのカートリッジ4Y、4M、4C、4Kのそれぞれが筐体2に対して着脱可能となる(図2参照)。第1カム11が第1位置に位置した状態で、4つの第1入力部100Y、100M、100C、100Kは、4つのドラムカップリング418Y、418M、418C、418Kから抜けている(図5参照)。第1カム11が第1位置に位置した状態で、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kは、4つの現像カップリング423Y、423M、423C、423Kから抜けている(図5参照)。
【0087】
図13に示すように、カバー9が閉位置に位置した状態で(図1参照)、第1カム11は、第1位置から第2位置に、第1方向に移動する。第1カム11が第2位置に位置した状態で、第1カム11は、感光ドラム412Yと現像ローラ422Y、感光ドラム412Mと現像ローラ422M、感光ドラム412Cと現像ローラ422C、および、感光ドラム412Kと現像ローラ422Kとをそれぞれ接触させる。
【0088】
第1カム11が第2位置に位置した状態で、4つの第1入力部100Y、100M、100C、100Kは、4つのドラムカップリング418Y、418M、418C、418Kに嵌る。第1カム11が第1位置に位置した状態で、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kは、4つの現像カップリング423Y、423M、423C、423Kに嵌る。
【0089】
図15に示すように、カバー9が閉位置に位置した状態で(図1参照)、第1カム11は、第2位置から第4位置(図14参照)を経て第3位置に第1方向に移動する。第1カム11が第3位置に位置した状態で、第1カム11は、感光ドラム412Yと現像ローラ422Y、感光ドラム412Mと現像ローラ422M、感光ドラム412Cと現像ローラ422C、および、感光ドラム412Kと現像ローラ422Kとをそれぞれ離間させる。
【0090】
第1カム11が第3位置に位置した状態で、4つの第1入力部100Y、100M、100C、100Kは、4つのドラムカップリング418Y、418M、418C、418Kから抜けている。第1カム11が第1位置に位置した状態で、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kは、4つの現像カップリング423Y、423M、423C、423Kから抜けている。
【0091】
図14に示すように、第1カム11は、第2位置と第3位置との間において、第4位置に位置できる。第1カム11が第4位置に位置する状態で、感光ドラム412Yと現像ローラ422Y、感光ドラム412Mと現像ローラ422M、および、感光ドラム412Cと現像ローラ422Cとのそれぞれを離間させ、感光ドラム412Kと現像ローラ422Kを接触させる。
【0092】
第1カム11が第4位置に位置した状態で、3つの第1入力部100Y、100M、100Cは、3つのドラムカップリング418Y、418M、418Cから抜けており、第1入力部100Kは、ドラムカップリング418Kに嵌まる。第1カム11が第4位置に位置した状態で、3つの第2入力部101Y、101M、101Cは、3つの現像カップリング423Y、423M、423Cから抜けており、第2入力部101Kは、現像カップリング423Kに嵌る。
【0093】
図10に示すように、第1カム11は、カム本体111と、リブ112とを備える。
【0094】
4.1.1 カム本体111
カム本体111は、第1方向に延びる。第1方向におけるカム本体111の一端が、第1カム11の一端11Aである。第1方向におけるカム本体111の他端が、第1カム11の他端11Bである。カム本体111は、第3方向において、第1面11S1と、第2面11S2とを有する。第1面11S1は、第3方向において、第2面11S2に対して現像筐体4211の反対側に位置する(図4参照)。
【0095】
図11および図12に示すように、カム本体111は、第1長穴1111(図11参照)と、4つの第1溝1112Y、1112M、1112C、1112K(図12参照)とを有する。
【0096】
4.1.1.1 第1長穴1111
図11に示すように、第1長穴1111には、回転ロッド14の第1ボス141が嵌る。第1ボス141については、後で説明する。第1長穴1111は、第1方向における第1面11S1の一端に位置する。第1長穴1111は、第1面11S1から第3方向に凹む。第1長穴1111は、上下方向に延びる。
【0097】
4.1.1.2 4つの第1溝1112Y、1112M、1112C、1112K
図12に示すように、4つの第1溝1112Y、1112M、1112C、1112Kは、第2面11S2に位置する。4つの第1溝1112Y、1112M、1112C、1112Kは、第1方向に順に並ぶ。
【0098】
4.1.1.2.1 第1溝1112K
第1溝1112Kには、アーム18Kのボス184が嵌る。ボス184については、後で説明する。第1溝1112Kは、第2面11S2から第3方向に凹む。第1溝1112Kは、第1部分1112Aと、第2部分1112Bとを有する。第1部分1112Aは、第1方向に延びる。第2部分1112Bは、第1方向における第1部分1112Aの一端と連続する。第2部分1112Bは、第1方向に延びる。第2部分1112Bは、第1部分1112Aから上方に向かうにつれて、第1方向に傾く。
【0099】
4.1.1.2.2 4つの第1溝1112Y、1112M、1112C
3つの第1溝1112Y、1112M、1112Cは、第1方向における第2部分1112Bの寸法を除いて、第1溝1112Kと同様に説明される。そのため、第1溝1112Y、1112M、1112Cについての説明は、省略される。第1溝1112Yには、アーム18Yのボス184が嵌る。第1溝1112Mには、アーム18Mのボス184が嵌る。第1溝1112Cには、アーム18Cのボス184が嵌る。第1溝1112Y、1112M、1112Cのそれぞれにおいて、第2部分1112Bの第1方向の寸法は、第1溝1112Kの第2部分1112Bの第1方向の寸法よりも小さい。
【0100】
4.1.2 リブ112
図11に示すように、リブ112は、カム本体111の第1面11S1に位置する。リブ112は、第1方向において、一端11Aと他端11Bとの間に位置する。リブ112は、第1面11S1から第3方向に突出する。リブ112は、第1方向に延びる。リブ112は、光透過部1121を有する。言い換えれば、第1カム11は、光透過部1121を備える。
【0101】
光透過部1121は、発光部61の光Lを透過させることが可能である。発光部61については後で説明する。光透過部1121は、第1方向における一端11Aと他端11Bとの間に位置する。光透過部1121は、スリットである。
【0102】
リブ112は、第1リブ1122と、第2リブ1123とを含む。光透過部1121は、第1リブ1122と第2リブ1123との間に位置する。第1リブ1122は、光透過部1121に対して一端11Aの反対側に位置する。第1方向における第1リブ1122の寸法は、第1方向における光透過部1121の寸法よりも大きい。第2リブ1123は、光透過部1121に対して他端11Bの反対側に位置する。第1方向における第2リブ1123の寸法は、第1方向における第1リブ1122の寸法よりも大きい。
【0103】
4.2 4つのアーム18Y、18M、18C、18K
図12に示すように、4つのアーム18Y、18M、18C、18Kは、筐体2に支持される。4つのアーム18Y、18M、18C、18Kは、第1方向に互いに間隔を空けて位置する。
【0104】
4.2.1 アーム18K
アーム18Kは、第3方向において、第1カム11と現像カートリッジ42Kの第1側面S1との間に位置する(図4参照)。アーム18Kは、軸A3を中心として回転可能である。軸A3は、第3方向に延びる。アーム18Kは、第1カム11の移動にリンクして回転する。アーム18Kは、アーム本体181と、シャフト182と、ボス184と、突起183とを備える。
【0105】
4.2.1.1 アーム本体181
アーム本体181は、シャフト182と、ボス184と、突起183とを支持する。
【0106】
4.2.1.2 シャフト182
シャフト182は、軸A3に沿って延びる。シャフト182は、アーム本体181の一端に設けられる。シャフト182は、筐体2に回転可能に支持される。
【0107】
4.2.1.3 ボス184
ボス184は、アーム本体181の他端に設けられる。ボス184は、アーム本体181から第1カム11に向かって突出する。ボス184は、第3方向に延びる。
【0108】
第1カム11が、第1位置、第2位置および第4位置のいずれかに位置する状態で、アーム18Kのボス184は、第2部分1112Bに嵌る。第1カム11が第3位置に位置する状態で、アーム18Kのボス184は、第1部分1112Aに嵌る。
【0109】
4.2.1.4 突起183
突起183は、第1方向において、アーム本体181に対してボス184の反対側に位置する。突起183は、シャフト182の径方向において、軸A3から離れて位置する。突起183は、第3方向に延びる。カートリッジ4Kが筐体2内に配置された状態で、アーム18Kの突起183は、現像カートリッジ42Kの第2接触部4212に対して、ドラムカートリッジ41Kの第1接触部4113の反対側に位置する。
【0110】
第1カム11が、第1位置、第2位置および第4位置のいずれかに位置する状態で、アーム18Kの突起183は、現像カートリッジ42Kにおける第2接触部4212の第2部分4212Bから離れている。そのため、現像カートリッジ42Kは、2つの押圧部材416K、417Yにより押圧されて、接触位置(図3A参照)に位置する。
【0111】
図15に示すように、第1カム11が第2位置から第3位置に位置するときに、アーム18Kの突起183は、第2接触部4212の第2部分4212Bと接触して、第2部分4212Bを押圧する。これにより、図8に示すように、現像カートリッジ42Kは、第2接触部4212の第1部分4212Aと第1接触部4113との接触部分を支点として、接触位置から離間位置に、2つの押圧部材416K、417Yに抗して移動する。そのため、第1カム11が第3位置に位置する状態で、現像カートリッジ42Kは、離間位置(図3B参照)に位置する。
【0112】
4.2.2 アーム18Y、18M、18C
図12に示すように、アーム18Y、18M、18Cは、アーム18Kと同様の構成を有する。そのため、アーム18Y、18M、18Cの構成についての説明は、省略される。
【0113】
第1カム11が第1位置または第2位置に位置する状態で、アーム18Y、18M、18Cのボス184は、第2部分1112Bに嵌る。第1カム11が第3位置または第4位置に位置する状態で、アーム18Y、18M、18Cのボス184は、第1部分1112Aに嵌る。
【0114】
4.3 第2カム12
図10に示すように、第2カム12は、上下方向において、第1カム11から下方に離れて位置する。第2カム12は、第3方向において、4つの現像フレーム421Y、421M、421C、421Kに対して第1カム11の反対側に位置する(図1参照)。第2カム12は、第3方向において、第1カム11から離れて位置する。
【0115】
第1カム11が第1方向に移動するときに、第2カム12は、第2方向に移動する。第1カム11が第2方向に移動するときに、第2カム12は、第1方向に移動する。
【0116】
第1カム11が第1位置または第2位置に位置する状態で、第2カム12は、第1カム11とともに、4つの現像カートリッジ42Y、42M、42C、42Kのすべてを接触位置に位置させる(図3A参照)。第1カム11が第3位置に位置する状態で、第2カム12は、第1カム11とともに、4つの現像カートリッジ42Y、42M、42C、42Kのすべてを離間位置に位置させる(図3B参照)。
【0117】
また、図16に示すように、第1カム11が第4位置に位置した状態で、第2カム12は、第1カム11とともに、現像カートリッジ42Kを接触位置(図2A参照)に位置させ、3つの現像カートリッジ42Y、42M、42Cを離間位置(図2B参照)に位置させる。
【0118】
第2カム12は、第1ラックギア121を有する。また、第2カム12は、4つの第2溝122Y、122M、122C、122Kを有する。
【0119】
4.3.1 第1ラックギア121
第2カム12は、第2方向に延びる。第2カム12は、第2方向において、一端と、一端から離れて位置する他端とを有する。第1ラックギア121は、第2カム12の一端における下面に位置する。第1ラックギア121は、第2方向に延びる。第1ラックギア121は、複数のギア歯を有する。
【0120】
4.3.2 4つの第2溝122Y、122M、122C、122K
4つの第2溝122Y、122M、122C、122Kは、第1方向に順に並ぶ。
【0121】
第2溝122Kには、レバー19Kのボスが嵌る。ボスは、図示しない。第2溝122Kは、第3方向に凹む。第2溝122Kは、第2カム12の上面から下方に延びる。
【0122】
3つの第2溝122Y、122M、122Cは、第1方向における寸法を除いて、第2溝122Kと同様に説明される。そのため、第2溝122Y、122M、122Cについての説明は、省略される。第2溝122Yには、レバー19Yのボスが嵌る。第2溝122Mには、レバー19Mのボスが嵌る。第2溝122Cには、レバー19Cのボスが嵌る。第2溝122Y、122M、122Cのそれぞれの第1方向の寸法は、第2溝122Kの第2方向の寸法よりも小さい。
【0123】
4.4 4つのレバー19Y、19M、19C、19K
4つのレバー19Y、19M、19C、19Kは、筐体2に支持される。4つのレバー19Y、19M、19C、19Kは、第1方向に互いに間隔を空けて位置する。
【0124】
4.4.1 レバー19K
レバー19Kは、軸を中心として回転可能である。レバー19Kの軸は、第3方向に延びる。レバー19Kは、第2カム12の移動にリンクして回転する。第1カム11が、第1位置、第2位置および第4位置のいずれかに位置する状態で、レバー19Kは、ドラムカートリッジ41Kにおける回動部材415の第3接触部4151から離れている。これによって、レバー19Kは、アーム18Kとともに、現像カートリッジ42Kを接触位置(図3A参照)に位置させる。
【0125】
第1カム11が第2位置から第3位置に移動するときに、レバー19Kは、ドラムカートリッジ41Kにおける回動部材415の第3接触部4151と接触して、第3接触部4151を押圧する。すると、図9に示すように、回動部材415が回転して、第4接触部4152が、第2支持部4214の突起4214Aと接触する。これによって、現像カートリッジ42Kは、2つの押圧部材416K、417Kに抗して、接触位置から離間位置に移動する。そのため、第1カム11が第3位置に位置した状態で、レバー19Kは、アーム18Kとともに、現像カートリッジ42Kを離間位置(図2B参照)に位置させる。
【0126】
4.4.2 レバー19Y、19M、19C
レバー19Y、19M、19Cは、レバー19Kと同様の構成を有する。そのため、レバー19M、19C、19Kの構成についての説明は、省略される。
【0127】
第1カム11が、第1位置または第2位置に位置する状態で、レバー19Y、19M、19Cのそれぞれは、回動部材415の第3接触部4151から離れている。これによって、レバー19Y、19M、19Cは、アーム18Y、18M、18Cとともに、現像カートリッジ42Y、42M、42Cを接触位置(図3A参照)に位置させる。
【0128】
第1カム11が、第3位置または第4位置に位置する状態で、レバー19Y、19M、19Cのそれぞれは、回動部材415の第3接触部4151と接触する。これによって、レバー19Y、19M、19Cは、アーム18Y、18M、18Cとともに、現像カートリッジ42Y、42M、42Cを離間位置(図3B参照)に位置させる。
【0129】
4.5 リンク部材13
図10に示すように、リンク部材13は、第3方向において、第2カム12から離れて位置する。リンク部材13は、上下方向において第1カム11の下方に位置する。リンク部材13は、第2カム12とリンクして移動する。リンク部材13は、第2ラックギア131を有する。また、リンク部材13は、第2長穴132を有する(図11参照)。
【0130】
4.5.1 第2ラックギア131
第2ラックギア131は、リンク部材13の下面に位置する。第2ラックギア131は、第2方向に延びる。第2ラックギア131は、複数のギア歯を含む。第2ラックギア131のギア歯の数は、第1ラックギア121のギア歯の数と同じである。第2ラックギア131のギア歯のモジュールは、第1ラックギア121のギア歯のモジュールと同じである。
【0131】
4.5.2 第2長穴132
図11に示すように、第2長穴132には、回転ロッド14の第2ボス142が嵌る。第2ボス142については、後で説明する。第2長穴132は、リンク部材13の側面に位置する。第2長穴132は、上下方向に延びる。
【0132】
4.6 回転ロッド14
回転ロッド14は、第1カム11の移動とリンク部材13の移動とをリンクさせる。回転ロッド14は、第1カム11とリンク部材13とを連結する。回転ロッド14は、筐体2に支持される。回転ロッド14は、軸A4について回動可能である。軸A4は、第3方向に延びる。回転ロッド14は、第3方向において、第1カム11に対して第2カム12の反対側に位置する。回転ロッド14は、第1方向から見て三角形状を有する。回転ロッド14は、第1ボス141と、第2ボス142とを備える。
【0133】
4.6.1 第1ボス141
第1ボス141は、回転ロッド14の一端に設けられる。第1ボス141は、第3方向に延びる。第1ボス141は、第1長穴1111に嵌る。これによって、回転ロッド14の一端が、第1カム11に接続される。第1ボス141が第1長穴1111に嵌った状態で、第1長穴1111は、上下方向に遊びを有する。
【0134】
4.6.2 第2ボス142
第2ボス142は、回転ロッド14の他端に設けられる。第2ボス142は、第3方向に延びる。第2ボス142は、第2長穴132に嵌る。これによって、回転ロッド14の他端が、リンク部材13に接続される。第2ボス142が第2長穴132に嵌った状態で、第2長穴132は、上下方向に遊びを有する。
【0135】
4.7 第1ギア15
図10に示すように、第1ギア15は、第2カム12に駆動力を伝達する。第1ギア15は、第1ラックギア121と噛み合うピニオンギアである。第1ギア15は、複数のギア歯を有する。
【0136】
4.8 第2ギア16
第2ギア16は、リンク部材13に駆動力を伝達する。第2ギア16は、第2ラックギア131と噛み合うピニオンギアである。第2ギア16は、複数のギア歯を有する。第2ギア16のギア歯の数は、第1ギア15のギア歯の数と同じである。第2ギア16のギア歯のモジュールは、第1ギア15のギア歯のモジュールと同じである。
【0137】
4.9 シャフト17
シャフト17は、第1ギア15と第2ギア16とを連結する。シャフト17は、第1方向に延びる。シャフト17は、第3方向において、一端と、一端から離れて位置する他端とを有する。第1ギア15は、シャフト17の一端に取り付けられている。第2ギア16は、シャフト17の他端に取り付けられている。
【0138】
4.10 モータ102
図11に示すように、モータ102は、第1カム11および第2カム12を駆動させる。モータ102は、図示しないギア列を介して、第1ギア15と接続される。
【0139】
4.10 電磁クラッチ103
電磁クラッチ103は、モータ102と第1ギア15とを繋ぐギア列に含まれる。電磁クラッチ103は、伝達状態と、解除状態とに切り替え可能である。電磁クラッチ103が伝達状態であるときに、モータ102は、駆動力を第1ギア15に伝達可能である。電磁クラッチ103が解除状態であるときに、電磁クラッチ103は、モータ102から第1ギア15への駆動力の伝達を解除する。
【0140】
4.11 センサ6
センサ6は、発光部61と、受光部62とを備える。センサ6は、受光部62の受光を検知する。発光部61は、光Lを発光可能である。受光部62は、発光部61からの光Lを受光可能である。受光部62は、発光部61から離れて位置する。受光部62は、上下方向において、リブ112に対して発光部61の反対側に位置する。
【0141】
図17Aから図17Dに示すように、第1カム11のリブ112は、センサ6の発光部61からの光Lを透過および遮断する。
【0142】
図17Aに示すように、第1カム11が第1位置に位置する状態で、リブ112の第1リブ1122は、発光部61と受光部62との間に位置し、発光部61からの光Lを遮断する。これにより、センサ6は、第1リブ1122を検知する。第1カム11が第1位置に配置されているとき、光透過部1121としてのスリットは、センサ6の発光部61からの光Lよりも一端11A側に配置される。
【0143】
第1カム11が第2位置または第4位置に位置する状態で、リブ112の第2リブ1123は、発光部61と受光部62との間に位置し、発光部61からの光Lを遮断する。これにより、センサ6は、第2リブ1123を検知する。第1カム11が第2位置または第4位置に配置されているとき、光透過部1121としてのスリットは、センサ6の発光部61からの光Lよりも他端11B側に配置される。
【0144】
第1カム11が第3位置に位置する状態で、リブ112は、発光部61と受光部62との間に位置せず、発光部61からの光Lを遮断しない。
【0145】
4.12 制御部10
図10に示すように、制御部10は、発光部61と、受光部62と、モータ102と、電磁クラッチ103とに電気的に接続される。制御部10は、初期動作時に、センサ6の検知結果に基づいて、第1カム11が第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置かを判断する。初期動作時は、カバー9を開放し、その後閉鎖した時、あるいは、電源を投入した時である。制御部10は、センサ6からの電気信号を受信することにより、センサ6が第1カム11のリブ112を検知したか否かを判断できる。制御部10は、モータ102のオンオフを切り換えできる。制御部10は、モータ102の回転方向を切り替えできる。制御部10は、電磁クラッチ103の伝達状態および解除状態を切り替えできる。制御部10は、例えば、ASICを搭載した回路基板や、CPUを搭載した回路基板などである。
【0146】
5.画像形成装置1の動作
次に、図18から図21を参照して、画像形成装置1の動作について説明する。
【0147】
図18に示すように、画像形成装置1の初期動作時において、制御部10は、判定処理(S1)と、第1処理(S2)または第2処理(S3)と、カム移動処理(S4)とを実行する。
【0148】
5.1 判定処理(S1)
判定処理(S1)において、制御部10は、発光部61に信号を送信して、発光部61に光Lを発光させる。次いで、制御部10は、受光部62が光Lを受光していない遮光状態であるか、受光部62が光Lを受光している受光状態であるかを判定する。なお、判定処理(S1)において、電磁クラッチ103は、解除状態である。
【0149】
5.2 第1処理(S2)
初期動作時に受光部62が遮光状態である場合(S1のYes)、言い換えれば、初期動作時にセンサ6の光Lが遮光されている場合、制御部10は、第1処理(S2)を実行する。
【0150】
初期動作時に受光部62が遮光状態である場合(S1のYes)、第1カム11は、第1位置(図17A参照)、第2位置(図17B参照)および第4位置(図17C参照)のいずれかに位置する。
【0151】
図19に示すように、第1処理は、まず、第1カム11を第1方向に、所定の速度で所定の距離移動させる(S2-1)。第1処理における第1カム11の移動距離は、第1方向における第2リブ1123の寸法以上であって、第1方向における第2リブ1123の寸法および光透過部1121の寸法の総和以下である。
【0152】
具体的には、第1処理(S2)において、制御部10は、モータ102を第1の回転方向に回転させる。そして、制御部10は、電磁クラッチ103を解除状態から伝達状態に切り替える。これによって、第1ギア15に、モータ102からの駆動力が伝達される。すると、第1ギア15と第2ギア16とが同時に回転する。そして、第2カム12およびリンク部材13が同時に第2方向に移動する。リンク部材13が移動すると、回転ロッド14が回転する。これによって、第1カム11が、第1方向に所定の速度で移動する。
【0153】
次いで、制御部10は、第1カム11の移動開始後に、受光部62が光Lを受光し、受光部62が光Lを受光し始めてから第1の所定時間t1内に、発光部61からの光Lが遮光されるか否かを判定する(S2-2)。
【0154】
第1の所定時間t1は、第1カム11が所定の速度で第1方向に移動したときに光透過部1121の寸法と同じ距離を移動する時間である。
【0155】
例えば、初期動作時に第1カム11が第1位置に位置する場合、図17Aおよび図22Aに示すように、第1カム11が、第1位置から所定の速度で第1方向に移動すると、光透過部1121が発光部61と受光部62との間を通過する。このとき、受光部62は、第1の所定時間t1、発光部61からの光Lを受光する。その後、第2リブ1123が、発光部61と受光部62との間に到達すると、発光部61からの光Lを遮光する。つまり、受光部62が、遮光状態から受光状態に切り替わった後、受光状態から遮光状態に切り替わる。その後、制御部10は、電磁クラッチ103を伝達状態から解除状態に切り替える。これによって、第1カム11は、第2リブ1123が発光部61の光Lを遮光した状態で停止する。
【0156】
言い換えれば、図19に示すように、制御部10は、第1カム11の移動開始後、受光部62が光Lを受光し、受光部62が光を受光し始めてから所定時間t1内に、センサ6の光が遮光されたと判定する(S2-2のYes)。この場合、制御部10は、第1カム11が、初期動作時に第1位置に配置されていたと判断する(S2-3)。
【0157】
そして、制御部10は、第1カム11が第1位置であると判断した場合、第1カム11を第2位置に移動させる(S2-4)。
【0158】
次いで、制御部10は、第1カム11が第2位置に位置する状態で、4つの第1入力部100Y、100M、100C、100Kから、4つの感光ドラム412Y、422M、422C、422Kに駆動力を入力するとともに、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kから、4つの現像ローラ422Y、422M、422C、422Kに駆動を入力する(S2-5)。
【0159】
具体的には、制御部10は、4つの第1入力部100Y、100M、100C、100Kを回転させるとともに、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kを回転させる。
【0160】
第1カム11が第2位置に位置する状態で、4つの現像カートリッジ42Y、42M、42C、42Kのすべては、接触位置に位置する。そのため、現像ローラ422Yが感光ドラム412Yに接触した状態で、現像ローラ422Yが回転する。すると、現像カートリッジ42Kは、第3方向において、ドラムカートリッジ41Kの第1側壁4111に近づくように力を受ける。その結果、現像カートリッジ42Kの第2接触部4212を、第3方向において第1カム11の近くに配置でき、第1方向においてアーム18Kの突起183と向かい合わせることができる(図13参照)。
【0161】
また、3つの現像カートリッジ42Y、42M、42Cにおいても同様に、第2接触部4212を、第3方向において第1カム11の近くに配置でき、第1方向において突起183と向かい合わせることができる。
【0162】
これによって、第1カム11が第2位置から第3位置に移動したときに、突起183を、第2接触部4212の第2部分4212Bに確実に接触させることができる。
【0163】
また、図17Bおよび図17Cに示すように、初期動作時に、第1カム11が第2位置または第4位置に位置して、受光部62が遮光状態である場合(S1のYes)、第1カム11が、第1位置から所定の速度で第1方向に移動すると、第2リブ1123が、発光部61と受光部62との間を通過するまで、受光部62の遮光状態が維持される。その後、図22Bおよび図22Cに示すように、第2リブ1123が、発光部61と受光部62との間を通り抜けると、受光部62は、発光部61からの光Lを受光する。つまり、受光部62が、遮光状態から受光状態に切り替わる。その後、制御部10は、電磁クラッチ103を伝達状態から解除状態に切り替える。これによって、第1カム11は、受光部62が発光部61の光Lを受光した状態で停止する。そのため、受光部62は、受光開始から第1の所定時間t1を超えて、光Lを受光する。
【0164】
この場合、図19に示すように、制御部10は、第1カム11の移動開始後、受光部62が光Lを受光し、受光部62が光を受光し始めてから所定時間t1を超えて、受光部62が光Lを受光した判定する(S2-2のNo)。そして、制御部10は、第1カム11は、初期動作時に第2位置または第4位置に配置されていたと判断する(S2-6)。
【0165】
以上によって、第1処理が完了する。
【0166】
5.3 カム移動処理
本実施形態では、制御部10は、印刷ジョブを受信していない。そのため、図18に示すように、第1処理の完了後、制御部10は、第1カム11を、所望の位置として第3位置に移動させる(S4)。
【0167】
言い換えれば、制御部10は、初期動作時に第1カム11が、第2位置または第4位置であると判断した場合、第1方向に移動した第1カム11を、第2方向に動かし、第3位置に移動させる(図19参照)。
【0168】
以上によって、画像形成装置1の動作が完了して、第1カム11が、第3位置に位置する。
【0169】
5.4 第2処理
図18に示すように、初期動作時に受光部62が受光状態である場合(S1のNo)、言い換えれば、初期動作時に発光部61からの光Lが受光部62で受光されている場合、制御部10は、第2処理(S3)を実行する。
【0170】
初期動作時に受光部62が受光状態である場合(S1のNo)、第1カム11は、第3位置(図17D参照)、または、第1位置と第2位置との間の位置(図23A参照)に位置する。
【0171】
図20に示すように、第2処理は、まず、第1カム11を、第2方向に所定の速度かつ所定の距離移動させる(S3-1)。第2処理における第1カム11の移動距離は、第2方向における光透過部1121の寸法以上であって、第2方向における第1リブ1122の寸法以下である。
【0172】
具体的には、第2処理(S3)において、制御部10は、モータ102を第2の回転方向に回転させる。第2の回転方向は、第1の回転方向の逆方向である。そして、制御部10は、電磁クラッチ103を解除状態から伝達状態に切り替える。これによって、第1ギア15に、モータ102からの駆動力が伝達される。すると、第2カム12が第1方向に移動するとともに、第1カム11が、第2方向に所定の速度で移動する。
【0173】
次いで、制御部10は、第1カム11の移動開始後、第2の所定時間t2を超えて、受光部62が受光し続けているか否かを判定する(S3-2)。
【0174】
第2の所定時間t2は、第1カム11が所定の速度で第2方向に移動したときに光透過部1121の寸法と同じ距離を移動する時間である。
【0175】
例えば、初期動作時に第1カム11が第3位置(図17D参照)に位置する場合、図22Dに示すように、第1カム11が、第1位置から所定の速度で第2方向に移動しても、受光部62の受光状態が維持される。その後、制御部10は、電磁クラッチ103を伝達状態から解除状態に切り替える。これによって、第1カム11は、受光部62が発光部61の光Lを受光した状態で停止する。そのため、受光部62は、第1カム11の移動開始から所定時間t2を超えて、光Lを受光する。
【0176】
この場合、図20に示すように、制御部10は、第1カム11の移動開始後、所定時間t2を超えて、受光部62が受光し続けていると判定する(S3-2のYes)。そして、制御部10は、第1カム11が初期動作時に第3位置に配置されていたと判断する(S3-3)。
【0177】
以上によって、第2処理が完了する。
【0178】
図18に示すように、第2処理の完了後、制御部10は、カム移動処理(S4)を実行する。言い換えれば、制御部10は、初期動作時に第1カム11が第3位置であると判断した場合、第2方向に移動させた第1カム11を、再度、第1方向に動かし、第3位置に移動させる(図20参照)。
【0179】
また、図23Aに示すように、第1カム11が第1位置から第2位置への移動する途中に、画像形成装置1の電源が切断されると、第1カム11は、第1位置と第2位置との間に位置して停止する。すると、光透過部1121が、発光部61と受光部62との間に位置して、受光部62が受光状態となる場合がある。
【0180】
この場合、第1カム11が所定の速度で第2方向に移動すると(S3-1)、図23Bに示すように、第1リブ1122が、第2の所定時間t2内に、発光部61と受光部62との間に到達する。そのため、受光部62が、第2の所定時間t2内に、受光状態から遮光状態に切り替わる。その後、制御部10は、電磁クラッチ103を伝達状態から解除状態に切り替える。これによって、第1カム11は、第1リブ1122が発光部61の光Lを遮光した状態で停止する。
【0181】
そのため、図20に示すように、制御部10は、第1カム11の移動開始後、所定時間t2内にセンサ6の光Lが遮光されると判定する(S3-2のNo)。この場合、制御部10は、第3処理を実行する(S3-4)。
【0182】
5.4.1 第3処理
図21に示すように、第3処理は、まず、第1カム11を、第1方向に所定の速度かつ所定の距離移動させる(S3-4-1)。第3処理における第1カム11の移動距離は、第1方向における光透過部1121の寸法以上であって、第1方向における第2リブ1123の寸法および光透過部1121の寸法の総和以下である。
【0183】
具体的には、制御部10は、モータ102の回転方向を第2の回転方向から第1の回転方向に切り替える。制御部10は、電磁クラッチ103を解除状態から伝達状態に切り替える。これによって、第2カム12が第2方向に移動するとともに、第1カム11が、第1方向に所定の速度で移動する。
【0184】
次いで、制御部10は、第1カム11の移動開始後に、受光部62が光Lを受光し、受光部62が光Lを受光し始めてから第3の所定時間t3内に、発光部61からの光Lが遮光されるか否かを判定する(S3-4-2)。
【0185】
第3の所定時間t3は、第1カム11が所定の速度で第1方向に移動したときに光透過部1121の寸法と同じ距離を移動する時間である。
【0186】
図23Bおよび図23Cに示すように、第1カム11が所定の速度で第1方向に移動すると、光透過部1121が発光部61と受光部62との間を通過する。このとき、受光部62は、第3の所定時間t3、発光部61からの光Lを受光する。その後、第2リブ1123が、発光部61と受光部62との間に到達すると、発光部61からの光Lを遮光する。つまり、受光部62が、遮光状態から受光状態に切り替わった後、受光状態から遮光状態に切り替わる。その後、制御部10は、電磁クラッチ103を伝達状態から解除状態に切り替える。これによって、第1カム11は、第2リブ1123が発光部61の光Lを遮光した状態で停止する。
【0187】
この場合、図21に示すように、制御部10は、第3処理において第1カム11を第1方向に移動させたとき、再度受光部62が受光した後、所定時間t3内に、センサ6の光Lが遮光されたと判定する(S3-4-2のYes)。そして、制御部10は、第1カム11が、初期動作時に、第1位置と第2位置との間にあったと判断する(S3-4-3)。
【0188】
制御部10は、第1カム11が第1位置と第2位置との間であると判断した場合、第1カム11を第2位置に移動させる(S3-4-4)。
【0189】
次いで、制御部10は、初期動作時に第1カム11が第1位置あるいは第1位置と第2位置との間であると判断した場合、上記S2-5と同様に、第1カム11を第2位置に移動させた状態で、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kから、4つの現像ローラ422Y、422M、422C、422Kに駆動を入力する(S3-4-5)。
【0190】
また、制御部10は、第3処理において第1カム11を第1方向に移動させたとき、再度受光部62が、光Lを受光し始めてから所定時間t3を超えて、受光している場合(S3-4-2のNo)、第1カム11が、初期動作時に、第3位置にあったと判断する(S3-4-6)。
【0191】
以上によって、第2処理が完了する。
【0192】
その後、図18に示すように、制御部10は、カム移動処理(S4)を実行する。制御部10は、第1カム11を第3位置に移動させる。言い換えれば、制御部10は、初期動作時に第1カム11が第1位置と第2位置との間であると判断した場合、第1カム11を第2位置に移動させた状態で、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kから、4つの現像ローラ422Y、422M、422C、422Kに駆動力を入力した後、第1カム11を、第1方向に動かし、第3位置に移動させる(図21参照)。
【0193】
以上によって、画像形成装置1の動作が完了して、第1カム11が、第3位置に位置する。
【0194】
6.作用効果
(1)画像形成装置1では、制御部10は、初期動作時に第1カム11が第1位置、第2位置および第3位置のいずれの位置に位置するかを検知できる。そのため、初期動作後に、第1カム11を所望の位置に円滑に位置させることができる。
【0195】
(2)第1カム11は、発光部61からの光を透過可能な光透過部1121を備える。そのため、受光部62は、光透過部1121を透過した発光部61からの光を受光可能である。その結果、センサ6は、受光部62の受光の有無に基づいて、第1カム11が、第1位置、第2位置、第3位置および第4位置のいずれの位置に位置するかを検知できる。その結果、第1カム11を所望の位置に円滑に位置できる。
【0196】
(3)現像カートリッジ42Kをドラムフレーム411Kに装着するときに、現像カートリッジ42Kが、第2側壁4112側に片寄せされた状態で、ドラムフレーム411Kに装着される場合がある。
【0197】
この場合、カートリッジ4Kを筐体2に装着すると、現像カートリッジ42Kの第2接触部4212が、アーム18Kの突起183に対して、第3方向にずれて位置するおそれがある。そのため、第1カム11が第2位置から第3位置に移動するときに、突起183が第2接触部4212と接触できず、現像カートリッジ42Kが接触位置から離間位置に安定して移動できない場合がある。
【0198】
これに対して、画像形成装置1では、制御部10が、第1カム11が初期動作時に第1位置または第1位置と第2位置との間に位置していたと判断した場合、制御部10は、第1カム11を第2位置に移動させる。つまり、画像形成装置1の初期動作の前に、カートリッジ4Kが筐体2から取り出されていた可能性がある場合、制御部10は、初期動作時に第1カム11を第2位置に移動させる。
【0199】
その後、第1カム11が第2位置に位置し、4つの現像カートリッジ42Y、42M、42C、42Kが接触位置に位置した状態で、制御部10は、4つの第2入力部101Y、101M、101C、101Kから、4つの現像ローラ422Y、422M、422C、422Kに駆動を入力する(S2-5)。
【0200】
これによって、現像ローラ422Kが感光ドラム412Kに接触した状態で、現像ローラ422Kが回転する。すると、現像カートリッジ42Kは、第3方向において、ドラムカートリッジ41Kの第1側壁4111に近づくように力を受ける。その結果、現像カートリッジ42Kの第2接触部4212を、第3方向において第1カム11の近くに配置でき、第1方向においてアーム18Kの突起183と安定して向かい合わせることができる。
【0201】
また、3つの現像カートリッジ42Y、42M、42Cにおいても同様に、第2接触部4212を、第3方向において第1カム11の近くに配置でき、第1方向において突起183と安定して向かい合わせることができる。
【0202】
これによって、第1カム11が第2位置から第3位置に移動したときに、突起183を、第2接触部4212の第2部分4212Bに確実に接触させることができ、4つの現像カートリッジ42Y、42M、42C、42Kを接触位置から離間位置に移動させることができる。
【0203】
7.変形例
カートリッジ4は、プロセスカートリッジであってもよい。この場合、カートリッジ4は、ドラムフレーム411と、感光ドラム412と、帯電装置413と、ドラムカップリング418と、現像電極414と、回動部材415と、2つの押圧部材416、417と、現像フレーム421と、現像ローラ422と、現像カップリング423とを備える。
【0204】
また、上記の実施形態では、制御部10が、判定処理(S1)と、第1処理(S2)または第2処理(S3)を実行した後、第1カム11が、所望の位置としての第3位置に位置される。しかし、第1カム11は、第1処理(S2)または第2処理(S3)の完了後に、第1位置、第2位置および第4位置のいずれの位置に移動してもよい。
【0205】
このような変形例においても、上記の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0206】
1 画像形成装置
10 制御部
11 第1カム
1121 光透過部
2 筐体
21 開口
4 カートリッジ
41 ドラムカートリッジ
412 感光ドラム
42 現像カートリッジ
422 現像ローラ
6 センサ
61 発光部
62 受光部
9 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23