(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240903BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240903BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G03G15/00 463
G03G21/16 195
B65H5/36
(21)【出願番号】P 2020125383
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】一ノ▲瀬▼ 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】塔筋 健太
【審査官】鈴木 貴晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-024664(JP,A)
【文献】特開2003-295733(JP,A)
【文献】特開2000-044086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00,15/00,
21/16-21/18
B65H 5/00, 5/04,
5/08- 5/20,
5/24- 5/38,
29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって一方の面に画像が形成された前記シートを再搬送経路に沿って再び前記画像形成部に搬送する再搬送部と、を備えた画像形成装置であって、
前記再搬送部は、前記シートを前記画像形成部に向けて再搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の上流において前記再搬送経路の一部を規定して前記シートを前記搬送ローラまで案内する第1位置と、前記再搬送経路の前記一部を開放する第2位置と、の間で揺動可能な第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材を揺動可能に支持し、かつ前記搬送ローラを回転可能に支持する支持部材と、を有
し、
装置本体を備え、
前記支持部材は、前記装置本体に固定され、
前記第1ガイド部材は、前記第1位置にある状態で前記装置本体の側面の一部を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1ガイド部材の揺動軸心は、前記搬送ローラの回転軸心よりも前記再搬送方向の下流に位置している請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記再搬送部は、前記搬送ローラに対向し、前記搬送ローラに従動する従動ローラを有し、
前記支持部材は、前記従動ローラを回転可能に支持する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記搬送ローラによって搬送される前記シートの先端に接触して移動するアクチュエータを支持する請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部を通過した前記シートに前記画像を熱定着させる定着部と、
前記定着部を通過した前記シートに押されて揺動する退避位置と、前記第1ガイド部材に案内される前記シートが前記定着部に向かって進むことを規制する規制位置と、の間で揺動可能なフラッパと、
前記フラッパを揺動可能に支持するとともに下端が前記定着部に揺動可能に支持され、前記第1ガイド部材と当接する当接部を有するフラッパ支持部と、
前記第1ガイド部材が前記第1位置及び前記第2位置にある状態で、前記フラッパ支持部の前記当接部が前記第1ガイド部材に当接するように付勢する付勢部材と、をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記再搬送部は、前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の下流において前記再搬送経路の他の一部を規定して前記搬送ローラによって搬送される前記シートを案内する第3位置と、前記再搬送経路の前記他の一部を開放する第4位置と、の間で移動可能な第2ガイド部材をさらに有し、
前記第2ガイド部材における前記再搬送方向の上流端は、前記第2ガイド部材が前記第3位置にある状態で前記支持部材に位置決めされる請求項1乃至
5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
装置本体を備え、
前記支持部材は、前記装置本体に固定され、
前記第2ガイド部材は、前記装置本体に装着された前記第3位置と、前記装置本体から取り外された前記第4位置と、の間でスライドする請求項
6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の下流において前記シートを案内するガイド部を有する請求項1乃至
7のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持部材は、前記ガイド部と対向して前記シートを案内する対向ガイド部と、
前記ガイド部から延出し、前記第1ガイド部材の揺動軸心が延びる方向において前記対向ガイド部を挟み、さらに前記対向ガイド部に対して前記ガイド部とは反対側に突出する延出部と、を有し、
前記延出部が前記第1ガイド部材を揺動可能に支持する請求項
8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1ガイド部材における前記再搬送方向の上流端は、前記第1ガイド部材が前記第1位置にある状態で最も上方に位置し、前記第1ガイド部材が前記第2位置に揺動することにより下方かつ前記画像形成装置の外方に移動する請求項1乃至
9のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって一方の面に画像が形成された前記シートを再搬送経路に沿って再び前記画像形成部に搬送する再搬送部と、を備えた画像形成装置であって、
前記再搬送部は、前記シートを前記画像形成部に向けて再搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の上流において前記再搬送経路の一部を規定して前記シートを前記搬送ローラまで案内する第1位置と、前記再搬送経路の前記一部を開放する第2位置と、の間で揺動可能な第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材を揺動可能に支持し、かつ前記搬送ローラを回転可能に支持する支持部材と、を有し、
前記画像形成部を通過した前記シートに前記画像を熱定着させる定着部と、
前記定着部を通過した前記シートに押されて揺動する退避位置と、前記第1ガイド部材に案内される前記シートが前記定着部に向かって進むことを規制する規制位置と、の間で揺動可能なフラッパと、
前記フラッパを揺動可能に支持するとともに下端が前記定着部に揺動可能に支持され、前記第1ガイド部材と当接する当接部を有するフラッパ支持部と、
前記第1ガイド部材が前記第1位置及び前記第2位置にある状態で、前記フラッパ支持部の前記当接部が前記第1ガイド部材に当接するように付勢する付勢部材と、をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって一方の面に画像が形成された前記シートを再搬送経路に沿って再び前記画像形成部に搬送する再搬送部と、を備えた画像形成装置であって、
前記再搬送部は、前記シートを前記画像形成部に向けて再搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の上流において前記再搬送経路の一部を規定して前記シートを前記搬送ローラまで案内する第1位置と、前記再搬送経路の前記一部を開放する第2位置と、の間で揺動可能な第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材を揺動可能に支持し、かつ前記搬送ローラを回転可能に支持する支持部材と、を有し、
前記再搬送部は、前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の下流において前記再搬送経路の他の一部を規定して前記搬送ローラによって搬送される前記シートを案内する第3位置と、前記再搬送経路の前記他の一部を開放する第4位置と、の間で移動可能な第2ガイド部材をさらに有し、
前記第2ガイド部材における前記再搬送方向の上流端は、前記第2ガイド部材が前記第3位置にある状態で前記支持部材に位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の一例が開示されている。この画像形成装置は、画像形成部及び再搬送部を備えている。
【0003】
画像形成部は、シートに画像を形成する。再搬送部は、画像形成部によって一方の面に画像が形成されたシートを再搬送経路に沿って再び画像形成部に搬送する。
【0004】
再搬送部は、中間搬送ローラ及びガイド部材を有している。中間搬送ローラは、シートを画像形成部に向けて再搬送方向に搬送する。ガイド部材は、中間搬送ローラよりも再搬送方向の上流において再搬送経路の一部を規定している。ガイド部材は、シートを中間搬送ローラまで案内する。
【0005】
特許文献1の
図1には、ガイド部材の下端に設けられた揺動軸が図示されている。これにより、ガイド部材は、特許文献1の
図1に図示された第1位置と、再搬送経路の一部を開放する第2位置と、の間で揺動可能となっている。
【0006】
この画像形成装置では、ガイド部材を第2位置に揺動させることで、搬送ローラの周辺で詰まったシートの除去作業等を実施可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来の画像形成装置では、ガイド部材がどのような部材に揺動可能に支持されているか不明であることから、第1位置にあるガイド部材と中間搬送ローラとの位置関係精度の向上が難しい。このため、この画像形成装置では、第1位置にあるガイド部材によって中間搬送ローラまで案内されるシートの先端が中間搬送ローラに当接する位置がばらつき易くなるおそれがあり、その結果、中間搬送ローラの周辺でシートが詰まる不具合を抑制することが難しい。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、再搬送経路の途中に設けられた搬送ローラの周辺でシートが詰まる不具合を抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって一方の面に画像が形成された前記シートを再搬送経路に沿って再び前記画像形成部に搬送する再搬送部と、を備えた画像形成装置であって、
前記再搬送部は、前記シートを前記画像形成部に向けて再搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラよりも前記再搬送方向の上流において前記再搬送経路の一部を規定して前記シートを前記搬送ローラまで案内する第1位置と、前記再搬送経路の前記一部を開放する第2位置と、の間で揺動可能な第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材を揺動可能に支持し、かつ前記搬送ローラを回転可能に支持する支持部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置では、第1ガイド部材を第2位置に揺動させることで、搬送ローラの周辺で詰まったシートの除去作業等を実施できる。
【0012】
そして、この画像形成装置では、第1ガイド部材と搬送ローラとを同じ支持部材が支持する構成により、第1位置にある第1ガイド部材と搬送ローラとの位置関係精度を向上させることができる。このため、この画像形成装置では、第1位置にある第1ガイド部材によって搬送ローラまで案内されるシートの先端が搬送ローラに当接する位置がばらつくことを抑制できる。
【0013】
したがって、本発明の画像形成装置では、再搬送経路の途中に設けられた搬送ローラの周辺でシートが詰まる不具合を抑制できる。
【0014】
第1ガイド部材の揺動軸心は、搬送ローラの回転軸心よりも再搬送方向の下流に位置していることが望ましい。
【0015】
この場合、第1ガイド部材が第2位置に揺動することにより、搬送ローラの周辺を広く開放できるので、詰まったシートの除去作業等において搬送ローラの周辺に手を差し入れ易い。このため、この画像形成装置では、詰まったシートを引っ張るときに破れる不具合を抑制できる。また、第1位置にある第1ガイド部材における搬送ローラに対向する端部は、第1ガイド部材が第2位置に揺動するときに再搬送経路から逃げるような軌跡を描く。このため、この画像形成装置では、その端部が詰まったシートを破れさせる不具合を抑制できる。
【0016】
再搬送部は、搬送ローラに対向し、搬送ローラに従動する従動ローラを有することが望ましい。そして、支持部材は、従動ローラを回転可能に支持することが望ましい。
【0017】
この場合、搬送ローラ及び第1ガイド部材を支持する支持部材に従動ローラも支持された構成により、搬送ローラと従動ローラとの位置関係精度を向上させることができ、さらに第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと従動ローラとのニップ位置と、の位置関係精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置では、第1位置にある第1ガイド部材によってシートの先端を搬送ローラと従動ローラとのニップ位置にスムーズに案内できる。
【0018】
支持部材は、搬送ローラによって搬送されるシートの先端に接触して移動するアクチュエータを支持することが望ましい。
【0019】
この場合、搬送ローラを支持する支持部材にアクチュエータも支持された構成により、搬送ローラとアクチュエータとの位置関係精度を向上させることができる。このため、この画像形成装置では、搬送ローラによって搬送されるシートの先端の検知精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置では、再搬送部がシートを再搬送するときのタイミング制御を精度良く実施できる。
【0020】
本発明の画像形成装置は、画像形成部を通過したシートに画像を熱定着させる定着部と、定着部を通過したシートに押されて揺動する退避位置と、第1ガイド部材に案内されるシートが定着部に向かって進むことを規制する規制位置と、の間で揺動可能なフラッパと、フラッパを揺動可能に支持するとともに下端が定着部に揺動可能に支持され、第1ガイド部材と当接する当接部を有するフラッパ支持部と、第1ガイド部材が第1位置及び第2位置にある状態で、フラッパ支持部の当接部が第1ガイド部材に当接するように付勢する付勢部材と、をさらに備えることが望ましい。
【0021】
この場合、第1ガイド部材が第1位置にある状態で、付勢部材に付勢されたフラッパ支持部が第1ガイド部材によって位置決めされてぐらつき難い。その結果、フラッパが退避位置と規制位置との間でスムーズに、かつ精度良く揺動できる。また、第1ガイド部材が第2位置に揺動することで、フラッパ支持部及びフラッパが第1ガイド部材と共に倒れる。その結果、定着部の出口が開放されるので、定着部に詰まったシートの除去作業等を容易に実施できる。さらに、第1ガイド部材が第2位置にある状態で定着部を通過したシートを第1ガイド部材の上に排出する場合、倒れたフラッパ支持部及びフラッパがその排出されるシートの邪魔になり難い。
【0022】
本発明の画像形成装置は、装置本体を備えることが望ましい。支持部材は、装置本体に固定されていることが望ましい。そして、第1ガイド部材は、第1位置にある状態で装置本体の側面の一部を形成することが望ましい。
【0023】
この場合、装置本体の側面カバーを兼ねる第1ガイド部材を装置本体に固定された支持部材が支持する構成により、装置本体の側面の一部と他部とに段差が発生することを抑制できる。
【0024】
再搬送部は、搬送ローラよりも再搬送方向の下流において再搬送経路の他の一部を規定して搬送ローラによって搬送されるシートを案内する第3位置と、再搬送経路の他の一部を開放する第4位置と、の間で移動可能な第2ガイド部材をさらに有することが望ましい。そして、第2ガイド部材における再搬送方向の上流端は、第2ガイド部材が第3位置にある状態で支持部材に位置決めされることが望ましい。
【0025】
この場合、第2ガイド部材を第4位置に移動させることで、搬送ローラよりも再搬送方向の下流で詰まったシートの除去作業等を実施できる。そして、搬送ローラ及び第1ガイド部材を支持する支持部材によって第3位置にある第2ガイド部材の上流端が位置決めされる構成により、第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと、第3位置にある第2ガイド部材との位置関係精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置では、第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと、第3位置にある第2ガイド部材とによって、シートを再搬送経路に沿ってスムーズに搬送できる。
【0026】
本発明の画像形成装置は、装置本体を備えることが望ましい。支持部材は、装置本体に固定されていることが望ましい。そして、第2ガイド部材は、装置本体に装着された第3位置と、装置本体から取り外された第4位置と、の間でスライドすることが望ましい。
【0027】
この場合、第2ガイド部材を第4位置にスライドさせて装置本体から取り外すことで、搬送ローラよりも再搬送方向の下流で詰まったシートの除去作業等を容易に実施できる。そして、第3位置にスライドして装置本体に装着された第2ガイド部材の上流端が装置本体に固定された支持部材に位置決めされる構成により、第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと、第3位置にある第2ガイド部材との位置関係精度を一層向上させることができる。その結果、この画像形成装置では、第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと、第3位置にある第2ガイド部材とによって、シートを再搬送経路に沿って一層スムーズに搬送できる。
【0028】
支持部材は、搬送ローラよりも再搬送方向の下流においてシートを案内するガイド部を有することが望ましい。
【0029】
この場合、搬送ローラとガイド部との位置関係精度を向上させることができ、シートを再搬送経路に沿ってスムーズに搬送できる。
【0030】
支持部材は、ガイド部と対向してシートを案内する対向ガイド部と、ガイド部から延出し、第1ガイド部材の揺動軸心が延びる方向において対向ガイド部を挟み、さらに対向ガイド部に対してガイド部とは反対側に突出する延出部と、を有することが望ましい。そして、延出部が第1ガイド部材を揺動可能に支持することが望ましい。
【0031】
この場合、第1位置にある第1ガイド部材と、搬送ローラと、ガイド部及び対向ガイド部との位置関係精度を向上させることができ、シートを再搬送経路に沿ってスムーズに搬送できる。
【0032】
第1ガイド部材における再搬送方向の上流端は、第1ガイド部材が第1位置にある状態で最も上方に位置し、第1ガイド部材が第2位置に揺動することにより下方かつ画像形成装置の外方に移動することが望ましい。
【0033】
この場合、ユーザが第1ガイド部材を第1位置と第2位置との間で揺動させ易く、また、第2位置に揺動させた状態で搬送ローラの周辺に手を差し入れ易い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】実施例の画像形成装置の模式断面図であって、第1ガイド部材が第1位置にあるとともに、第2ガイド部材が第3位置にある状態を示す図である。
【
図2】
図1に示す状態から第1ガイド部材が第2位置に揺動するとともに、第2ガイド部材が第4位置にスライドした状態を示す部分模式断面図である。
【
図3】
図1における第1ガイド部材及び支持部材と、それらの周辺とを拡大して示す部分模式断面図である。
【
図5】対向ガイド部が取り外された状態の支持部材の斜視図である。
【
図6】支持部材を見上げた状態を示す斜視図である。
【
図8】支持部材の一部を断面で示す部分斜視図であって、支持部材に支持された搬送ローラ、従動ローラ及びアクチュエータを示す図である。
【
図11】支持部材の位置決め部と、第2ガイド部材の被位置決め部とを示す部分模式断面図である。
【
図12】フラッパ、フラッパ支持部及び捩じりコイルバネを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0036】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。画像形成装置1は、電子写真方式によりシートSHに画像を形成するレーザプリンタである。
【0037】
<装置本体、搬送経路、供給部、画像形成部及び排出部等の構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2、供給部20、画像形成部3及び排出部26を備えている。供給部20は、装置本体2の前部に設けられている。排出部26は、装置本体2の後部かつ上部に設けられている。
図2以降の各図に示す前後方向及び上下方向は、全て
図1に対応させて表示する。
【0038】
図1及び
図2に示すように、装置本体2は、筐体と、筐体内に設けられた図示しない内部フレームとを有している。また、装置本体2は、一対のサイドフレーム90を有している。
図1及び
図2では、紙面奥側に位置する1つのサイドフレーム90を図示し、紙面手前側に位置するもう1つのサイドフレーム90の図示は省略している。
【0039】
一対のサイドフレーム90は、装置本体2の一方の側面側と他方の側面側とに配置されている。一対のサイドフレーム90は、装置本体2の下端から上端まで上下方向に延び、かつ装置本体2の前端から後端まで前後方向に延びている。
図1に示すように、一対のサイドフレーム90のそれぞれの下端の前部分は、梁部材99によって連結されている。
【0040】
装置本体2の下部には、シートトレイ2Cが設けられている。シートトレイ2Cは上方が開放された略箱状体であり、複数枚のシートSHを積層状態で収容する。シートSHは、普通の用紙やOHPシート、厚紙等である。
【0041】
装置本体2の上面には、排出トレイ2Tが設けられている。排出トレイ2Tには、画像形成を終えたシートSHが排出される。
【0042】
装置本体2内には、搬送経路P1が設けられている。搬送経路P1は、シートトレイ2Cの前端部から上向きにU字形状に湾曲するように延びた後、後向きに略水平に延び、さらに、装置本体2の後面側において上向きにU字形状に湾曲するように延びて排出トレイ2Tに至る略S字状の経路である。
【0043】
装置本体2内には、制御部C1が設けられている。制御部C1は、図示しないCPU、ROM、RAMを主とする演算部と、半導体レーザ及びモータ等を制御するハードウェアとから構成されている。ROMには、CPUが画像形成装置1の各種動作を制御するためのプログラムや、識別処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。制御部C1は、供給部20、画像形成部3及び排出部26を含む画像形成装置1の全体を制御する。
【0044】
供給部20は、シートトレイ2Cに収容されたシートSHを供給ローラ21、分離ローラ22及び分離パッド22Aにより1枚ずつ搬送経路P1に送り出す。そして、供給部20は、搬送経路P1における装置本体2内の前方でUターンする区間に設けられた分離後搬送ローラ対23、23P及びレジストローラ対24、24Pにより、シートSHを画像形成部3に向けて搬送する。
【0045】
画像形成部3は、装置本体2内において、シートトレイ2Cよりも上方に設けられている。供給部20によって画像形成部3に向けて搬送されるシートSHは、搬送経路P1の略水平に延びる部分において画像形成部3を通過する。
【0046】
画像形成部3は、直接転写型のカラー電子写真方式である。画像形成部3は、周知の構成であるプロセスカートリッジ7、転写ベルト6、スキャナ部8及び定着部9等を有している。
【0047】
プロセスカートリッジ7は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーに対応し、搬送経路P1の略水平部分に沿って直列する4つのカートリッジの集合体である。プロセスカートリッジ7は、各色のトナーにそれぞれ対応する4個の感光体5や、図示しない現像ローラ、帯電器及びトナー収容部等を有している。
【0048】
各感光体5は、感光体軸心周りに回転な円筒状の回転体である。各感光体5の表面には、正帯電性の感光層が形成されている。
【0049】
感光体軸心方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向である。
図4以降に示す感光体軸心方向は、全て
図1に対応させて表示する。感光体軸心方向の一方は
図1の紙面手前側に対応し、感光体軸心方向の他方は
図1の紙面奥側に対応している。
【0050】
図1に示すように、転写ベルト6は、搬送経路P1の略水平部分に対して下方に位置し、各感光体5に下から対向している。転写ベルト6は、搬送されるシートSHを各感光体5と共に挟持しながら循環する。
【0051】
スキャナ部8は、プロセスカートリッジ7よりも上方に配置されている。スキャナ部8は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等から構成されている。スキャナ部8は、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ7内の各感光体5に照射する。
【0052】
定着部9は、プロセスカートリッジ7よりも後方の位置に設けられている。定着部9は、加熱ローラ9A、加圧ローラ9B及び定着後搬送ローラ対25、25Pを有している。加熱ローラ9A、加圧ローラ9B及び定着後搬送ローラ対25、25Pは、搬送経路P1における装置本体2内の後方でUターンする区間の下部分に設けられている。
【0053】
定着部9は、プロセスカートリッジ7の下方を通過したシートSHを加熱ローラ9Aと加圧ローラ9Bとによって挟んで加熱及び加圧する。定着後搬送ローラ対25、25Pは、加熱ローラ9A及び加圧ローラ9Bを通過したシートSHを排出部26に向けて搬送する。
【0054】
排出部26は、排出前搬送ローラ対28、28P及び排出ローラ対29、29Pを有している。排出前搬送ローラ対28、28Pは、搬送経路P1における装置本体2内の後方でUターンする区間の中間部に設けられている。排出ローラ対29、29Pは、搬送経路P1における装置本体2内の後方でUターンする区間の上端、すなわち搬送経路P1の最下流に配置されている。
【0055】
排出部26は、定着部9を通過したシートSHを排出前搬送ローラ対28、28Pによってニップして排出ローラ対29、29Pに向けて搬送し、さらにそのシートSHを排出ローラ対29、29Pによってニップして排出トレイ2Tに排出する。なお、印刷モードによっては、排出前搬送ローラ対28、28P及び排出ローラ対29、29Pが定着部9を通過したシートSHをニップして途中まで排出し、次に排出前搬送ローラ対28、28P及び排出ローラ対29、29Pの回転方向を排出時とは反対方向に切り替えることで、そのシートSHを後述する搬送ローラ11に向けてスイッチバックすることも可能である。
【0056】
図3に拡大して示すように、画像形成装置1は、定着後ガイド壁27、経路切替フラッパ80、フラッパ40及びフラッパ支持部30を備えている。
【0057】
定着後ガイド壁27は、搬送経路P1における定着後搬送ローラ対25、25Pと排出前搬送ローラ対28、28Pとの間の区間を前方から規定している。経路切替フラッパ80は、排出前搬送ローラ対28、28Pの内の駆動ローラ28よりも下方に配置されている。経路切替フラッパ80は、
図3に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で切替軸80S周りに揺動可能である。
【0058】
経路切替フラッパ80は、
図3に実線で示す位置にある状態で、下端が定着後ガイド壁27から後方に離間する。これにより、定着後搬送ローラ対25、25Pによって搬送されるシートSHは、定着後ガイド壁27と経路切替フラッパ80とに案内されて、排出前搬送ローラ対28、28Pに導かれる。
【0059】
制御部C1は、後述するようにシートSHを再搬送する場合、経路切替フラッパ80を
図3に二点鎖線で示す位置に揺動させる。経路切替フラッパ80は、その位置にある状態で、下端が定着後ガイド壁27に接近して搬送経路P1を遮る。これにより、定着後搬送ローラ対25、25Pによって搬送されるシートSHは、経路切替フラッパ80によって排出前搬送ローラ対28、28Pよりも後方に案内されて、後述するスイッチバックローラ対18、18Pに導かれる。
【0060】
フラッパ40及びフラッパ支持部30の具体的構成については後で説明する。フラッパ40及びフラッパ支持部30は、定着部9よりも後方に設けられている。フラッパ支持部30は、下端から上向きに延びながら定着後搬送ローラ対25、25Pに接近するように前方に傾斜している。フラッパ40は、フラッパ支持部30の上部分に第1軸心X40周りで揺動可能に支持されている。フラッパ40は、
図3に実線で示す規制位置と、
図3に二点鎖線で示す退避位置との間で揺動可能であり、規制位置に向けて付勢されている。
【0061】
フラッパ40の規制位置は、第1軸心X40から上向きに延びながら前方に傾斜して搬送経路P1を遮る位置である。フラッパ40の規制位置は、フラッパ40の上端が定着後ガイド壁27に当接することによって決まる。後述するが、フラッパ40は規制位置にある状態で、第1ガイド部材100に案内されるシートSHが定着部9に向かって進むことを規制する。
【0062】
フラッパ40の退避位置は、定着部9を通過したシートSHに押されて規制位置から後方に揺動する位置である。フラッパ40は退避位置にある状態で、定着後搬送ローラ対25、25Pによって搬送されるシートSHの通過を許容する。
【0063】
画像形成部3は、以下のようにして、搬送経路P1に沿って搬送されるシートSHに画像を形成する。
図1に示すように、各感光体5の表面は、その回転に伴って、帯電器により一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光体5の表面には、シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。次に、トナー収容部からトナーが静電潜像に対応して各感光体5の表面に供給される。シートSHがシートトレイ2Cに収容されている状態では、シートSHの一方の面SH1は、下を向いている。そして、シートSHが搬送経路P1に沿って搬送されて画像形成部3を通過する際、シートSHの一方の面SH1は、上を向いて感光体5と対面する。このため、各感光体5の表面上に担持されたトナーがシートSHの一方の面SH1に転写される。そして、定着部9において、そのシートSHを加熱及び加圧することにより、そのシートSHに画像を熱定着させる。
【0064】
定着部9を通過したシートSHは、フラッパ40を
図1に二点鎖線で示す退避位置に揺動させ、定着後ガイド壁27と、
図1に実線で示す位置にある経路切替フラッパ80とに導かれて排出前搬送ローラ対28、28Pにニップされ、さらに排出ローラ対29、29Pにニップされて排出トレイ2Tに排出される。
【0065】
<再搬送経路及び再搬送部等の概略構成>
装置本体2内には、シートSHの一方の面SH1とは反対の面にも画像を形成するための再搬送経路P2が設けられている。また、装置本体2の上面の後端には、スイッチバックガイド部19が設けられている。
【0066】
スイッチバックガイド部19の下部分は、装置本体2内に突出している。スイッチバックガイド部19の上部分は、装置本体2よりも上方で前向きに突出している。スイッチバックガイド部19には、一時排出通路19Gが形成されている。一時排出通路19Gは、スイッチバックガイド部19の下部分の下面と、スイッチバックガイド部19の上部分の前面とに開口し、スイッチバックガイド部19内で略L字状に曲がっている。
【0067】
再搬送経路P2は、制御部C1が経路切替フラッパ80を
図1に二点鎖線で示す位置に揺動させることにより、搬送経路P1における定着部9を通過した直後の位置から分岐して経路切替フラッパ80に沿って上向きに進み、スイッチバックガイド部19の一時排出通路19Gに一旦進入する。
【0068】
次に、再搬送経路P2は、反転して一時排出通路19Gから退出し、装置本体2の後面に沿って下向きに進んだ後に向きを前向きに変更する。そして、再搬送経路P2は、シートトレイ2Cの下方で前向きに略水平に延び、装置本体2の前面側でさらに向きを上向きに変更し、上向きに延びて搬送経路P1における分離後搬送ローラ対23、23Pの直前の位置に合流する。
【0069】
再搬送経路P2に沿ってシートSHが搬送される方向を再搬送方向D1とする。送方向D1は、再搬送経路P2における反転前の区間において上向きである。搬送方向D1は、再搬送経路P2における反転後の区間において、装置本体2の後面の下端付近まで下向きであり、その後面の下端付近で下向きから前向きに変わり、さらにシートトレイ2Cの前面の下端付近で上向きに変わる。
【0070】
画像形成装置1は、再搬送部10を備えている。再搬送部10は、スイッチバックローラ対18、18P、支持部材15、搬送ローラ11、従動ローラ11P、アクチュエータ70、第1ガイド部材100、第2ガイド部材200、斜送ローラ対12、12P、第3ガイド部材300、戻しローラ対13、13P及び戻しガイド部2Gを有している。
【0071】
再搬送部10は、それらによって、定着部9から再搬送経路P2に導かれたシートSHを再搬送経路P2に沿って再び画像形成部3に搬送する。そして、画像形成部3において、そのシートSHの一方の面SH1とは反対の面にも画像が形成された後、そのシートSHが排出トレイ2Tに排出される。再搬送部10の具体的構成を以下に詳しく説明する。
【0072】
<スイッチバックローラ対>
図2に示すように、スイッチバックローラ対18、18Pは、排出前搬送ローラ対28、28Pよりも後方かつ上方の位置であって、スイッチバックガイド部19よりも下方の位置に配置されている。スイッチバックローラ対18、18Pは、装置本体2の図示しない内部フレームに支持されている。
【0073】
図1に示すように、スイッチバックローラ対18、18Pは、制御部C1に制御されて正転し、定着部9から再搬送経路P2に導かれたシートSHをニップすることにより、そのシートSHをスイッチバックガイド部19の一時排出通路19Gに向けて上向きに搬送する。
【0074】
そして、制御部C1は、定着部9に設けられた図示しないシートセンサの検知結果に基づいて、正転するスイッチバックローラ対18、18Pによって上向きに搬送されるシートSHの後端が定着部9を抜けてから所定時間経過したタイミングで、スイッチバックローラ対18、18Pを逆転させる。これにより、スイッチバックローラ対18、18Pは、スイッチバックガイド部19の一時排出通路19Gに一旦進入したシートSHを反転させ、そのシートSHを一時排出通路19Gから退出するように下向きに搬送する。
【0075】
<支持部材、搬送ローラ、従動ローラ及びアクチュエータ>
図2に示すように、支持部材15は、装置本体2の後端側であって、上下方向においてシートトレイ2Cと定着部9との間の位置に設けられている。支持部材15は、その感光体軸心方向の両端が装置本体2の一対のサイドフレーム90に固定されている。
【0076】
より詳しくは、支持部材15は、
図4~
図8に示す支持部材本体50と、
図4及び
図6~
図8に示す対向ガイド部60とを有している。本実施例では、支持部材本体50は、ガイド部55及び延出部59A、59Bが一体に係止された樹脂製部材である。対向ガイド部60も樹脂製部材である。支持部材本体50及び対向ガイド部60は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される。
【0077】
図5及び
図6に示すように、支持部材本体50において、ガイド部55は、感光体軸心方向において最大サイズのシートSHの幅よりも長く延び、かつ上下方向に延びている。ガイド部55の後面には、複数のリブが後向きに突出するように形成されている。各リブは、感光体軸心方向において互いに間隔を有して並び、かつ上下方向に延びている。各リブの先端縁によって、ガイド面55Gが形成されている。
【0078】
延出部59Aは、ガイド部55における感光体軸心方向の一方の端部から後向きに延出している。より詳しくは、延出部59Aは、第1部分59A1、第2部分59A2及び第3部分59A3を有している。
【0079】
第1部分59A1は、ガイド部55における感光体軸心方向の一方の端部に接続して後向きに延出している。第2部分59A2は、第1部分59A1の後端に接続して感光体軸心方向の一方に延出している。第3部分59A3は、第2部分59A2における感光体軸心方向の一方の端部に接続して後向きに延出している。
【0080】
延出部59Bは、ガイド部55の感光体軸心方向の他方の端部から後向きに延出している。より詳しくは、延出部59Bは、第1部分59B1、第2部分59B2及び第3部分59B3を有している。
【0081】
第1部分59B1は、ガイド部55における感光体軸心方向の他方の端部に接続して後向きに延出している。第2部分59B2は、第1部分59B1の後端に接続して感光体軸心方向の他方に延出している。第3部分59B3は、第2部分59B2における感光体軸心方向の他方の端部に接続して後向きに延出している。
【0082】
図5に示すように、延出部59Aの第2部分59A2の後面と、延出部59Bの第2部分59B2の後面とには、ネジ60Fがねじ込まれる締結部が形成されている。
【0083】
図8に示すように、対向ガイド部60は、断面C字形状で感光体軸心方向に延びている。対向ガイド部60の断面C字形状の内部には、複数のリブが前向きに突出するように形成されている。各リブは、感光体軸心方向において互いに間隔を有して並び、かつ上下方向に延びている。各リブの先端縁は、対向ガイド部60の断面C字形状の先端よりも前方に突出している。各リブの先端縁によって、ガイド面60Gが形成されている。
【0084】
図4、
図6及び
図7に示すように、対向ガイド部60における感光体軸心方向の一方の端部には、連結部61Aが形成されている。対向ガイド部60における感光体軸心方向の他方の端部には、連結部61Bが形成されている。
【0085】
対向ガイド部60の連結部61Aを支持部材本体50の延出部59Aの第2部分59A2に後方から当接させた状態で、ネジ60Fを連結部61Aの図示しないネジ穴に挿入し、さらに第2部分59A2に形成された締結部にねじ込む。
【0086】
また、対向ガイド部60の連結部61Bを支持部材本体50の延出部59Bの第2部分59B2に後方から当接させた状態で、ネジ60Fを連結部61Bの図示しないネジ穴に挿入し、さらに第2部分59B2に形成された締結部にねじ込む。
【0087】
その結果、対向ガイド部60が支持部材本体50に連結されて、対向ガイド部60が支持部材本体50を補強する。
【0088】
この状態で、対向ガイド部60の対向ガイド面60Gは、ガイド部55のガイド面55Gと対向する。また、延出部59A、59Bの第3部分59A3、59B3は、感光体軸心方向において対向ガイド部60を挟み、さらに後方に延出して、対向ガイド部60に対してガイド部55とは反対側に突出している。
【0089】
図4に示すように、延出部59Aの第3部分59A3には、装置本体2における感光体軸心方向の一方のサイドフレーム90に固定されるときにネジが挿入される穴59H1や切り欠き59H2が形成されている。図示は省略するが、延出部59Bの第3部分59B3にも、同様の穴や切り欠きが形成されている。
【0090】
図4~
図8に示すように、延出部59A、59Bの第3部分59A3、59B3の後端には、第1軸支部51A、51Bが設けられている。第1軸支部51Aは、延出部59Aの第3部分59A3の後端に貫通するように形成された軸穴であって、感光体軸心方向に延びる揺動軸心X100を中心としている。第1軸支部51Bは、延出部59Bの第3部分59B3の後端から感光体軸心方向の一方に向かって突出するように形成された軸体であって、その外周面は揺動軸心X100を中心とする円筒面の一部を含んでいる。
【0091】
第1軸支部51A、51Bは、後述するように、第1ガイド部材100を揺動軸心X100周りに揺動可能に支持する。
【0092】
図4、
図5及び
図7に示すように、延出部59A、59Bの第1部分59A1、59B1の上端には、第2軸支部52A、52Bが設けられている。第2軸支部52Aは、延出部59Aの第1部分59A1の上端における軸受11Aを保持する部分である。第2軸支部52Bは、延出部59Bの第1部分59B1の上端における軸受11Bを保持する部分である。
【0093】
2個の搬送ローラ11が感光体軸心方向において互いに離れた状態で、感光体軸心方向に延びる駆動軸11Sに固定されている。駆動軸11Sにおける感光体軸心方向の一方の端部は、軸受11Aに挿入されて第2軸支部52Aに支持されている。駆動軸11Sにおける感光体軸心方向の他方の端部は、軸受11Bに挿入されて第2軸支部52Bに支持されている。駆動軸11Sにおける感光体軸心方向の他方の端部は、第2軸支部52Bを通過し、その先端に駆動ギヤ11Gが固定されている。
【0094】
こうして、第2軸支部52A、52Bは、搬送ローラ11を
図3及び
図8に示す回転軸心X11周りに回転可能に支持している。そして、図示しない駆動源からの駆動力が駆動ギヤ11Gを経由して駆動軸11Sに伝達されることにより、搬送ローラ11が回転する。
【0095】
図4及び
図8に示すように、ガイド部55の上端における2個の搬送ローラ11と対向する位置には、従動ローラ収容部55A、55Bが前向きに凹むように形成されている。また、感光体軸心方向において従動ローラ収容部55A、55Bと並ぶ複数のリブには、第3軸支部53が形成されている。第3軸支部53は、各リブの後端縁から前向きに凹む溝である。
【0096】
第3軸支部53は、感光体軸心方向に延びる従動軸11Tを前後方向にスライド可能に、すなわち駆動軸11Sに対して接近及び離間可能に支持している。2個の従動ローラ11Pが従動ローラ収容部55A、55Bに収容された状態で、駆動軸11Sに回転自在に外挿されている。
【0097】
図4に示すように、ガイド部55の上端における従動ローラ収容部55A、55Bに隣接する2か所には、2つの圧縮コイルバネ11Cが保持されている。圧縮コイルバネ11Cは、従動軸11Tを駆動軸11Sに接近させるように後向きに付勢している。
【0098】
こうして、第3軸支部53は、従動ローラ11Pを回転可能に支持している。従動ローラ11Pは搬送ローラ11に対向し、圧縮コイルバネ11Cの付勢力によって、搬送ローラ11に向けて押圧されている。従動ローラ11Pは、直接、又はシートSHを挟んで搬送ローラ11に押圧されることにより、搬送ローラ11に従動して回転する。
【0099】
図3に示すように、搬送ローラ11及び従動ローラ11Pは、シートSHをニップして回転することにより、そのシートSHを画像形成部3に向けて再搬送方向D1に搬送する。搬送ローラ11と従動ローラ11Pとのニップ位置における再搬送方向D1は、下向きである。ガイド部55のガイド面55Gと対向ガイド部60の対向ガイド面60Gとは、搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の下流においてシートSHを下向きに案内する。
【0100】
図5及び
図8に示すように、ガイド部55における感光体軸心方向の中央には、矩形穴55Hが前後方向に貫通し、かつ上下方向に延びるように形成されている。
図8に示すように、アクチュエータ70は、感光体軸心方向に延びる揺動軸70Sと一体に形成された樹脂製部材である。
【0101】
ガイド部55における第3軸支部53よりも下方には、第4軸支部54が設けられている。第4軸支部54は、ガイド部55の前面から後向きに凹み、かつ感光体軸心方向に延びる溝であり、揺動軸70Sを支持している。
【0102】
アクチュエータ70は、揺動軸70Sにおける矩形穴55H内に位置する部分から揺動軸70Sの径外方向に突出している。アクチュエータ70は、図示しない付勢バネによって後向きに突出するように姿勢が保持されており、その先端が対向ガイド面60Gを構成する複数のリブの隙間に進入している。
【0103】
アクチュエータ70は、搬送ローラ11によって搬送されるシートSHの先端に接触して揺動軸70S周りに揺動する。そして、アクチュエータ70は、下向きかつ前向きに移動して矩形穴55H内に退避することにより、シートSHの通過を許容する。
【0104】
こうして、第4軸支部54は、アクチュエータ70を揺動可能に支持している。
図7に示すように、揺動軸70Sは、ガイド部55よりも感光体軸心方向の他方に延びており、その先端にシャッタ70Uが一体に形成されている。シャッタ70Uの近傍には、フォトインタラプタS1が設けられている。図示は省略するが、フォトインタラプタS1は、ガイド部55から感光体軸心方向の他方に延びるように形成された取り付け部に固定されている。
【0105】
シャッタ70Uは、揺動軸70S周りに揺動するアクチュエータ70と一体で揺動し、フォトインタラプタS1の光路を開放又は遮断する。制御部C1は、フォトインタラプタS1の検知信号に基づいて、搬送ローラ11によって搬送されるシートSHの位置を判断し、再搬送部10等のタイミング制御に利用する。
【0106】
<第1ガイド部材>
第1ガイド部材100は、
図1及び
図3に示す第1位置と、
図2に示す第2位置との間で揺動可能である。第1ガイド部材100の形状についての説明では、前後方向及び上下方向について、
図1及び
図3に示す第1位置を基準とする。
図9に示す前後方向及び上下方向は、
図1及び
図3に対応して示す。
【0107】
図9に示すように、第1ガイド部材100は、第1本体部110及びリヤカバー120を有している。本実施例では、第1本体部110及びリヤカバー120はそれぞれ樹脂製部材であり、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される。
【0108】
第1本体部110は、前後方向から見て略矩形状であって、その前面に第1ガイド面110Gが形成されている。第1ガイド面110Gは、感光体軸心方向において互いに間隔を有して並び、かつ上下方向に延びる複数のリブの前端縁と、各リブに対して感光体軸心方向の一方と他方とに位置する曲面とによって構成されている。
【0109】
第1ガイド面110Gは、上端から下向きに延び、上下方向の中間部で前向きに傾斜するように曲がった後、傾斜を緩めるように下向きに延びて下端部110Eに至る。第1ガイド面110Gの上部分には、
図1に示すスイッチバックローラ対18、18Pの内の駆動ローラ18を収容する凹部が形成されている。
【0110】
第1本体部110の四隅には、ネジ止め部119が形成されている。また、第1本体部110には、一対の当接部ガイドリブ118が形成されている。一対の当接部ガイドリブ118は、第1本体部110における感光体軸心方向の一方及び他方の側面の下部分に沿って上下方向に延び、かつ前向きに突出するように設けられている。一対の当接部ガイドリブ118は、上端が下端よりも前方に突出している。一対の当接部ガイドリブ118の先端縁は、上端から下端まで折れ線状に延びている。
【0111】
図1~
図3では、第1ガイド面110Gに対して感光体軸心方向の他方に位置する当接部ガイドリブ118を隠れ線(破線)で示している。
【0112】
図9に示すように、リヤカバー120は、前後方向から見て略矩形状の平板部材である。第1本体部110は、ネジ110Fが四隅のネジ止め部119に挿入され、さらにリヤカバー120の図示しないネジ穴にねじ込まれることによって、リヤカバー120に組み付けられている。
【0113】
リヤカバー120の上端における感光体軸心方向の一方及び他方の角部には、一対の鍵爪突起129が前向きに突出するように形成されている。リヤカバー120における感光体軸心方向の一方及び他方の側端縁には、一対のリンクレール128が前向きに突出し、かつ上下方向に延びるように形成されている。一対のリンクレール128には、リンクレバー128Rの一端が連結されている。
【0114】
リヤカバー120の下端における感光体軸心方向の一方及び他方の角部は、段状に凹んでいる。
【0115】
リヤカバー120の下端における感光体軸心方向の一方の角部には、円柱状の軸体121Aが感光体軸心方向の一方に突出するように形成されている。リヤカバー120の下端における感光体軸心方向の他方の角部には、有底円穴である軸穴121Bが感光体軸心方向の一方に凹むように形成されている。軸体121A及び軸穴121Bは、第1ガイド部材100の揺動軸心X100を中心としている。
【0116】
リヤカバー120の軸体121Aが
図4に示す支持部材15の第1軸支部51Aに挿入され、
図4に示す支持部材15の第1軸支部51Bがリヤカバー120の軸穴121Bに挿入される。これにより、
図1~
図3に示すように、支持部材15の延出部59A、59Bは、第1ガイド部材100を第1位置と第2位置との間で揺動軸心X100周りに揺動可能に支持している。
【0117】
図示は省略するが、
図9に示す一対のリンクレバー128Rの他端は、装置本体2の一対のサイドフレーム90の後端に連結されている。第1ガイド部材100が
図1及び
図3に示す第1位置に揺動したときに、
図9に示す鍵爪突起129が一対のサイドフレーム90の後端に係合することにより、第1ガイド部材100が第1位置に保持される。
【0118】
図1に示すように、第1ガイド部材100の第1位置は、搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の上流において再搬送経路P2の一部を規定してシートSHを搬送ローラ11まで案内する位置である。
【0119】
より詳しくは、第1ガイド部材100が第1位置にある状態で、第1ガイド部材100における再搬送方向D1の上流端100Aは最も上方に位置し、スイッチバックガイド部19の下部分に隣接する。第1ガイド部材100のリヤカバー120は、その状態で、装置本体2の後面の一部を形成する。第1ガイド面110Gは、その状態で、スイッチバックガイド部19よりも下方の位置から搬送ローラ11よりも上方の位置までにおいて、再搬送経路P2の一部を後方から規定する。
図3に示すように、第1ガイド面110Gの下端部110Eは、その状態で、搬送ローラ11に上から対向する。
【0120】
第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gは、定着後搬送ローラ対25、25Pによって搬送されるシートSHが経路切替フラッパ80によって排出前搬送ローラ対28、28Pよりも後方に案内されて、スイッチバックローラ対18、18Pに導かれるときに、そのシートSHを案内する。
【0121】
また、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gは、スイッチバックローラ対18、18Pが逆転して下向きに搬送されるシートSHを搬送ローラ11と従動ローラ11Pとのニップ位置まで案内する。
【0122】
この際、規制位置にあるフラッパ40は、第1ガイド面110Gに案内されるシートSHが定着部9に向かって進むことを規制する。そして、フラッパ40及びフラッパ支持部30における第1ガイド面110Gと対向する面も、そのシートSHを搬送ローラ11と従動ローラ11Pとのニップ位置まで案内する。
【0123】
図2に示すように、第1ガイド部材100の第2位置は、第1ガイド部材100の上流端100Aが下方かつ装置本体2の後面よりも後方に移動して、再搬送経路P2の一部を開放する位置である。図示は省略するが、第1ガイド部材100の第2位置は、
図9に示す一対のリンクレバー128Rによって保持される。
【0124】
図3に示すように、第1ガイド部材100の揺動軸心X100は、搬送ローラ11の回転軸心X11よりも再搬送方向D1の下流に位置している。より詳しくは、揺動軸心X100は、搬送ローラ11付近での再搬送方向D1に直交する前後方向に水平に延びて回転軸心X11を通過する仮想線K1よりも下方に位置している。これにより、第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gの下端部110Eは、第1ガイド部材100が第1位置から第2位置に揺動するときに、再搬送経路P2から逃げるような軌跡を描く。
【0125】
<第2ガイド部材及び斜送ローラ対>
図10に示すように、第2ガイド部材200は、第2本体部210、カバー部材220、斜送ローラ対12、12P及び一対の被位置決め部250を有している。
【0126】
第2本体部210は、複数の樹脂製部材が組み合わされてなる。第2本体部210の前部分は、前後方向及び感光体軸心方向に平板状に延びている。第2本体部210の後部分は、前部分よりも上方に突出している。
【0127】
カバー部材220は、前後方向及び感光体軸心方向に平板状に延びる板金部材である。カバー部材220における感光体軸心方向の一方及び他方の端縁は下向きに屈曲して第2本体部210の前部分に結合されている。カバー部材220は、第2本体部210の前部分を上から覆っている。
【0128】
斜送ローラ対12、12Pは、カバー部材220における後方かつ感光体軸心方向の他方に位置する部分に設けられた斜送ローラ12Pと、
図1に示すように、斜送ローラ12Pに下から対向するように第2本体部210の前部分に設けられた駆動ローラ12とからなる。
【0129】
図10に示すように、一対の被位置決め部250は、第2本体部210の後部分の上端における感光体軸心方向の一方及び他方の端部に設けられている。
図11に示すように、一対の被位置決め部250は、被位置決め面250A及び溝250Bを有している。
【0130】
被位置決め面250Aは、前方を向き、かつ鉛直方向に延びる平面である。溝250Bは、被位置決め面250Aの上端から後向きに延びる面に下向きに凹むように形成された側面視V字状の溝である。
【0131】
図4~
図6に示すように、支持部材15の延出部59A、59Bの第3部分59A3、59B3には、一対の位置決め部150が設けられている。一対の位置決め部150は、
図10に示す一対の被位置決め部250に対応する位置に設けられている。
【0132】
図11に示すように、一対の位置決め部150は、位置決め面150A及びボールプランジャ150Bを有している。
【0133】
位置決め面150Aは、後方を向き、かつ鉛直方向に延びる平面である。ボールプランジャ150Bは、圧縮コイルバネによって下向きに付勢されたボールを有している。ボールプランジャ150Bは、被位置決め面250Aの上端から後向きに延びる面からボールの一部を下向きに突出させるように設けられている。
【0134】
図1に示すように、装置本体2の一対のサイドレール90の下端には、スライドレール90Rが前後方向に延びるように設けられている。
【0135】
第2ガイド部材200は、装置本体2内に収容されてスライドレール90Rに支持されることにより、装置本体2に装着される。
図1及び
図3に示す第2ガイド部材200の位置は、第3位置である。
【0136】
図2に示すように、第2ガイド部材200は、スライドレール90Rに案内されて装置本体2内から後方にスライドし、完全に引き出されることにより、装置本体2から取り外される。また、第2ガイド部材200は、その取り外し動作とは逆の動作により、装置本体2に装着される。
図2に示す第2ガイド部材200の位置は、第4位置である。
【0137】
こうして、第2ガイド部材200は、
図1及び
図3に示す第3位置と、
図2に示す第4位置との間でスライド可能となっている。、第2ガイド部材200が第4位置から第3位置にスライドすると、
図11に二点鎖線で示すように、被位置決め部250の被位置決め面250Aが位置決め部150の位置決め面150Aに当接し、位置決め部150のボールプランジャ150Bのボールが被位置決め部250の溝250Bに進入して、被位置決め面250Aが位置決め面150Aに当接する状態を維持する。こうして、第2ガイド部材200における再搬送方向D1の上流端200Aは、第2ガイド部材200が第3位置にある状態で支持部材15に位置決めされる。
【0138】
図10に示すように、第2本体部210は、湾曲搬送面210G1及び水平搬送面210G2を有している。湾曲搬送面210G1は、第2本体部210の後部分に形成されている。水平搬送面210G2は、第2本体部210の前部分に形成されている。
【0139】
図1に示すように、第2ガイド部材200が第3位置にある状態で、湾曲搬送面210G1の上端は、支持部材15の対向ガイド面60Gの下方に位置している。湾曲搬送面210G1は、上端から下向きに延びながら湾曲し、シートトレイ2Cの下方で向きを前向きに変更する。水平搬送面210G2は、湾曲搬送面210G1の下端に接続し、前向きに水平に延びている。
【0140】
つまり、第2ガイド部材200の第3位置は、搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の下流において、湾曲搬送面210G1及び水平搬送面210G2によって再搬送経路P2の他の一部を規定して搬送ローラ11によって搬送されるシートSHを案内する位置である。
【0141】
斜送ローラ対12、12Pは、水平搬送面210G2に案内されるシートSHをニップして再搬送方向D1に搬送しながら感光体軸心方向の他方に寄せ、図示しない基準面に沿わせることにより、そのシートSHを感光体軸心方向において位置決めする。
【0142】
<第3ガイド部材及び戻しローラ対>
第3ガイド部材300は、梁部材99に固定されている。第3ガイド部材300は、搬送面300G及び戻しローラ対13、13Pを有している。
【0143】
搬送面300Gは、第3位置にある第2ガイド部材200の水平搬送面210G2に接続している。戻しローラ対13、13Pは、搬送面300Gに案内されるシートSHをニップして再搬送方向D1に搬送する。
【0144】
<戻しガイド部>
戻しガイド部2Gは、シートトレイ2Cの前端部の内部に設けられて、再搬送経路P2の最下流部分を規定している。より詳しくは、シートトレイ2Cの前端部には、膨出部2C1が形成されている。膨出部2C1は、シートトレイ2Cの底面よりも下向きに膨出し、第3ガイド部材300に前から対向している。
【0145】
戻しガイド部2Gの入口は、膨出部2C1の後を向く面に開いている。戻しガイド部2Gの出口は、シートトレイ2Cの前端部の上を向く面に開いている。戻しガイド部2Gは、第3ガイド部材300の搬送面300Gに接続し、装置本体2の前面側で前向きから上向きに向きを変え、搬送経路P1に合流する。
【0146】
<フラッパ、フラッパ支持部及び捩じりコイルバネ>
フラッパ40及びフラッパ支持部30は、第1ガイド部材100が
図1及び
図3に示す第1位置から
図2に示す第2位置に揺動するのに連動して、第1ガイド部材100と共に後方に倒れるように構成されている。その具体的構成を以下に説明する。
【0147】
フラッパ40及びフラッパ支持部30の形状についての説明では、前後方向及び上下方向について、
図1及び
図3に示す姿勢を基準とする。
図12に示す前後方向及び上下方向は、
図1及び
図3に対応して示す。
【0148】
図12に示すように、フラッパ支持部30は、感光体軸心方向において最大サイズのシートSHの幅よりも長く延び、かつ上下方向に延びている。フラッパ支持部30における感光体軸心方向の一方及び他方の上部分には、一対の支持凸部34が上向きに突出するように形成されている。
【0149】
フラッパ支持部30は、一対の支持凸部34によって、フラッパ40を第1軸心X40周りに揺動可能に支持している。支持凸部34の近傍には、フラッパ40を規制位置に向けて付勢する捩じりコイルバネ49が設けられている。
【0150】
フラッパ支持部30における感光体軸心方向の一方及び他方の側端縁には、一対の側壁31が後向きに突出するように形成されている。一対の側壁31の下端には、感光体軸心方向に延びる第2軸心X30を中心とする軸穴31Hが形成されている。一対の側壁31における軸穴31Hよりも後方かつ上方の位置には、バネ係止部31Jが形成されている。一対の側壁31における後方かつ上方の部分は上向きに突出しており、その上端に当接部38が形成されている。
【0151】
図3に示すように、定着部9は、第2軸心X30を規定する図示しない支持軸と、その支持軸よりも上方かつ前方に設けられたバネ係止部9Jとを有している。そして、その支持軸がフラッパ支持部30の軸穴31Hに挿入されることにより、フラッパ支持部30が第2軸心X30周りに揺動可能に定着部9に支持されている。
【0152】
図12に示すように、画像形成装置1は、一対の捩じりコイルバネ39をさらに備えている。一対の捩じりコイルバネ39は、本発明の「付勢部材」の一例である。一対の捩じりコイルバネ39のコイル部は、第2軸心X30を中心に位置させるように一対の側壁31の軸穴31Hの近傍に配置されている。
【0153】
図3に示すように、一対の捩じりコイルバネ39の一端は、フラッパ支持部30のバネ係止部31Jに係止されている。一対の捩じりコイルバネ39の他端は、定着部9のバネ係止部9Jに係止されている。
【0154】
一対の捩じりコイルバネ39は、第1ガイド部材100が第1位置にある状態で、一端と他端とを離間させようとする復元力を蓄えている。これにより、捩じりコイルバネ39は、フラッパ支持部30の一対の当接部38が第1ガイド部材100の一対の当接部ガイドリブ118に当接するように付勢する。その結果、フラッパ支持部30は、第1ガイド部材100によって位置決めされてぐらつき難い。
【0155】
図2に示すように、捩じりコイルバネ39は、第1ガイド部材100が第2位置に揺動することにより復元力が低下するが、それでも一端と他端とを離間させようとする復元力を蓄えている。これにより、捩じりコイルバネ39は、フラッパ支持部30の一対の当接部38が第1ガイド部材100の一対の当接部ガイドリブ118に当接するように付勢する。その結果、一対の当接部38が一対の当接部ガイドリブ118に対して摺動し、フラッパ40及びフラッパ支持部30が第1ガイド部材100と共に後方に倒れる。
【0156】
<シートの両面に画像形成する処理を重複して実行するための再搬送部の動作>
この画像形成装置1では、シートSHの両面に画像形成する処理の速度向上のため、同時に複数枚のシートSHを画像形成装置1内で処理することができる。具体例としては、一方の面SH1に画像が形成されたシートSHを再搬送経路P2の途中で待機させて、次のシートSHをシートトレイ2Cから画像形成部3へ搬送させる。
【0157】
この場合において、制御部C1は、アクチュエータ70によるシートSHの有無の検知や、第3ガイド部材300に設けられた図示しないアクチュエータによるシートSHの有無の検知を利用して再搬送部10を制御し、シートSHの先端が戻しガイド部2Gから搬送経路P1に合流する手前で、搬送ローラ11、従動ローラ11P、斜送ローラ対12、12P及び戻しローラ対13、13Pを停止させる。これにより、そのシートSHは、第2搬送経路P2の途中で待機させる。
【0158】
そして、制御部C1は、次のシートSHをシートトレイ2Cから給送して画像形成部3によってその一方の面SH1に画像を形成し、再搬送経路P2に送る。その後、制御部C1は、搬送ローラ11、従動ローラ11P、斜送ローラ対12、12P及び戻しローラ対13、13Pを回転させ、待機させていたシートSHの搬送を再開し、搬送経路P1に合流させる。
【0159】
このような待機動作により、画像形成装置1は、同時に複数枚のシートSHを画像形成装置1内で処理する動作を好適に実施できる。
【0160】
<再搬送経路に詰まったシートの除去作業>
図2に示すように、この画像形成装置1では、再搬送経路P2における搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の上流でシートSHが詰まった場合、第1ガイド部材100を第2位置に揺動させる。これにより、その詰まったシートSHを容易に取り出すことができる。
【0161】
また、この画像形成装置1では、再搬送経路P2における搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の下流でシートSHが詰まった場合、第2ガイド部材200を第4位置にスライドさせて装置本体2から取り外す。これにより、その詰まったシートSHを容易に取り出すことができる。
【0162】
<作用効果>
実施例の画像形成装置1では、
図2に示すように、第1ガイド部材100を第2位置に揺動させることで、搬送ローラ11の周辺で詰まったシートSHの除去作業等を実施できる。
【0163】
そして、この画像形成装置1では、
図3に示すように、第1ガイド部材100と搬送ローラ11とを同じ支持部材15が支持している。より詳しくは、
図4及び
図9に示すように、支持部材15の第1軸支部51A、51Bが第1ガイド部材100を揺動軸心X100周りに揺動可能に支持している。
図5に示すように、支持部材15の第2軸支部52A、52Bが搬送ローラ11を回転軸心X11周りに回転可能に支持している。この構成により、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと搬送ローラ11との位置関係精度を向上させることができる。このため、この画像形成装置1では、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gによって搬送ローラ11まで案内されるシートSHの先端が搬送ローラ11に当接する位置がばらつくことを抑制できる。
【0164】
したがって、実施例の画像形成装置1では、再搬送経路P2の途中に設けられた搬送ローラ11の周辺でシートSHが詰まる不具合を抑制できる。
【0165】
また、この画像形成装置1では、
図3に示すように、第1ガイド部材100の揺動軸心X100は、搬送ローラ11の回転軸心X11よりも再搬送方向D1の下流に、すなわち仮想線K1よりも下方に位置している。
【0166】
この構成により、
図2に示すように、第1ガイド部材100が第2位置に揺動することで搬送ローラ11の周辺を広く開放できるので、詰まったシートSHの除去作業等において搬送ローラ11の周辺に手を差し入れ易い。このため、この画像形成装置1では、詰まったシートSHを引っ張るときに破れる不具合を抑制できる。また、第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gの下端部110Eは、第1ガイド部材100が第1位置から第2位置に揺動するときに再搬送経路P2から逃げるような軌跡を描く。このため、この画像形成装置1では、下端部110Eが詰まったシートSHを破れさせる不具合を抑制できる。
【0167】
さらに、この画像形成装置1では、
図5に示すように、搬送ローラ11及び第1ガイド部材100を支持する支持部材15は、第3軸支部53によって従動ローラ11Pを回転可能に支持している。
【0168】
この構成により、搬送ローラ11と従動ローラ11Pとの位置関係精度を向上させることができ、さらに第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと、搬送ローラ11と従動ローラ11Pとのニップ位置と、の位置関係精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置1では、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110GによってシートSHの先端を搬送ローラ11と従動ローラ11Pとのニップ位置にスムーズに案内できる。
【0169】
また、この画像形成装置1では、
図8に示すように、搬送ローラ11を支持する支持部材15は、第4軸支部54によってアクチュエータ70を揺動可能に支持している。
【0170】
この構成により、搬送ローラ11とアクチュエータ70との位置関係精度を向上させることができる。このため、この画像形成装置1では、搬送ローラ11によって搬送されるシートSHの先端の検知精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置1では、再搬送部10がシートSHを再搬送するときのタイミング制御を精度良く実施できる。
【0171】
さらに、この画像形成装置1では、
図3及び
図12に示すように、フラッパ40を第1軸心X40周りに揺動可能に支持するフラッパ支持部30は、その下端が第2軸心X30周りに揺動可能に定着部9に支持されているとともに、一対の当接部38を有している。そして、捩じりコイルバネ39は、第1ガイド部材100が
図1及び
図4に示す第1位置にある状態、及び
図2に示す第2位置にある状態で、フラッパ支持部30の一対の当接部38が第1ガイド部材100の一対の当接部ガイドリブ118に当接するように付勢する。
【0172】
この構成により、
図3に示すように、第1ガイド部材100が第1位置にある状態で、捩じりコイルバネ39に付勢されたフラッパ支持部30が第1ガイド部材100によって位置決めされてぐらつき難い。その結果、フラッパ40が
図3に二点鎖線で示す退避位置と、
図3に実線で示す規制位置との間でスムーズに、かつ精度良く揺動できる。また、
図2に示すように、第1ガイド部材100が第2位置に揺動することで、フラッパ支持部30及びフラッパ40が第1ガイド部材100と共に倒れる。その結果、定着部9の出口が開放されるので、定着部9に詰まったシートSHの除去作業等を容易に実施できる。さらに、第1ガイド部材100が第2位置にある状態で定着部9を通過したシートSH(SHa)を第1ガイド部材100の上に排出する場合、すなわちストレート排出動作を行う場合、倒れたフラッパ支持部30及びフラッパ40がその排出されるシートSH(SHa)の邪魔になり難い。
【0173】
また、この画像形成装置1では、
図1、
図2及び
図9に示すように、リヤカバー120を有する第1ガイド部材100を装置本体2の一対のサイドフレーム90に固定された支持部材15が支持する構成により、装置本体2の後面の一部と他部とに段差が発生することを抑制できる。
【0174】
さらに、この画像形成装置1では、第2ガイド部材200は、
図1に示す第3位置と、
図2に示す第4位置と、の間で移動可能である。第2ガイド部材200における再搬送方向D1の上流端200Aは、第2ガイド部材200が第3位置にある状態で、
図12に示すように、位置決め部150及び被位置決め部250によって支持部材15に位置決めされる。
【0175】
この構成により、この画像形成装置1では、第2ガイド部材200を第4位置に移動させることで、搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の下流で詰まったシートSHの除去作業等を実施できる。そして、搬送ローラ11及び第1ガイド部材100を支持する支持部材15によって第3位置にある第2ガイド部材200の上流端200Aが位置決めされる構成により、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと、搬送ローラ11と、第3位置にある第2ガイド部材200の湾曲搬送面210G1との位置関係精度を向上させることができる。その結果、この画像形成装置1では、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと、搬送ローラ11と、第3位置にある第2ガイド部材200の湾曲搬送面210G1とによって、シートSHを再搬送経路P2に沿ってスムーズに搬送できる。
【0176】
また、この画像形成装置1では、
図1及び
図2に示すように、第2ガイド部材200は、装置本体2に装着された第3位置と、装置本体2から取り外された第4位置と、の間でスライドする。
【0177】
この構成により、第2ガイド部材200を第4位置にスライドさせて装置本体2から取り外すことで、搬送ローラ11よりも再搬送方向D1の下流で詰まったシートSHの除去作業等を容易に実施できる。そして、第3位置にスライドして装置本体2に装着された第2ガイド部材200の上流端200Aが装置本体2に固定された支持部材15に位置決めされる構成により、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと、搬送ローラ11と、第3位置にある第2ガイド部材200の湾曲搬送面210G1との位置関係精度を一層向上させることができる。その結果、この画像形成装置1では、第1位置にある第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gと、搬送ローラ11と、第3位置にある第2ガイド部材200の湾曲搬送面210G1とによって、シートSHを再搬送経路P2に沿って一層スムーズに搬送できる。
【0178】
さらに、この画像形成装置1では、
図3及び
図5に示すように、支持部材15は、ガイド面55Gが形成されたガイド部55を有している。
【0179】
この構成により、搬送ローラ11とガイド部55のガイド面55Gとの位置関係精度を向上させることができ、シートSHを再搬送経路P2に沿ってスムーズに搬送できる。
【0180】
また、この画像形成装置1では、
図3及び
図6に示すように、支持部材15は、対向ガイド面60Gが形成された対向ガイド部60と、ガイド部55から延出する延出部59A、59Bと、を有している。そして、延出部59A、59Bに形成された第1軸支部51A、51Bが第1ガイド部材100を揺動可能に支持している。
【0181】
この構成により、第1位置にある第1ガイド部材100と、搬送ローラ11と、ガイド部55のガイド面55G及び対向ガイド部60の対向ガイド面60Gとの位置関係精度を向上させることができ、シートSHを再搬送経路P2に沿ってスムーズに搬送できる。
【0182】
さらに、この画像形成装置1では、
図1に示すように、第1ガイド部材100における再搬送方向D1の上流端100Aは、第1ガイド部材100が第1位置にある状態で最も上方に位置している。そして、
図2に示すように、第1ガイド部材100の上流端100Aは、第1ガイド部材100が第2位置に揺動することにより下方かつ装置本体2の後面よりも後方に移動する。
【0183】
この構成により、ユーザが第1ガイド部材100を第1位置と第2位置との間で揺動させ易く、また、第2位置に揺動させた状態で搬送ローラ11の周辺に手を差し入れ易い。
【0184】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0185】
実施例では第2ガイド部材200が第3位置と第4位置との間でスライドし、第4位置で装置本体2から取り外されるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第2ガイド部材は、第3位置と第4位置との間で揺動してもよく、また、第4位置で装置本体から取り外されなくてもよい。
【0186】
実施例では、第2ガイド部材200における再搬送方向D1の上流端200Aは、第2ガイド部材200が第3位置にある状態で、位置決め部150及び被位置決め部250によって支持部材15に位置決めされるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例の画像形成装置1から位置決め部150及び被位置決め部250を無くした構成も本発明に含まれる。
【0187】
実施例では、付勢部材が捩じりコイルバネ39であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、付勢部材は圧縮コイルバネであってもよい。
【0188】
実施例では、第1ガイド部材100の揺動軸心X100は、搬送ローラ11の回転軸心X11よりも再搬送方向D1の下流に位置しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第1ガイド部材の揺動軸心は、搬送ローラの回転軸心よりも再搬送方向の上流に位置していてもよく、また、再搬送方向において搬送ローラの回転軸心と同じ位置であってもよい。
【0189】
実施例では、支持部材15が従動ローラ11Pやアクチュエータ70を支持しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、支持部材とは異なる部材、具体的には、筐体や支持部材とは異なる内部フレームが従動ローラやアクチュエータを支持していてもよい。
【0190】
実施例では、第1ガイド部材100は、リヤカバーと一体で移動するように構成されているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、リヤカバーと第1ガイド部材とは、別で揺動するように構成されていてもよい。
【0191】
実施例では、画像形成装置1がレーザ方式のプリンタであったが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、本発明をレーザ方式とは異なる画像形成方式、例えば、LEDプリンタや、インクジェットプリンタ、サーマル方式のプリンタなどに適用してもよい。
【0192】
実施例では、再搬送経路P2が搬送経路P1から分岐して独立したスイッチバック区間を有するように構成されているが、本発明はこの構成には限定されない。つまり、画像形成装置1から切替部材80やスイッチバックローラ対18、18Pを無くし、搬送経路P1における排出前搬送ローラ対28、28Pから排出ローラ対29、29Pまでの区間が再搬送経路P2のスイッチバック区間を兼ねるように構成してもよい。その場合、定着部9を通過したシートSHは、排出前搬送ローラ対28、28P及び排出ローラ対29、29Pにニップされて搬送経路P1から途中まで排出され、次に、回転方向が排出時とは反対方向に切り替わった排出前搬送ローラ対28、28P及び排出ローラ対29、29Pによってスイッチバックするように搬送される。そして、第1ガイド部材100の第1ガイド面110Gは、その搬送されるシートSHを搬送ローラ11に向けて案内することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明は例えば、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0194】
1…画像形成装置、SH…シート、3…画像形成部
SH1…シートの一方の面、P2…再搬送経路
10…再搬送部、D1…再搬送方向、11…搬送ローラ
100…第1ガイド部材、15…支持部材、X100…揺動軸心
X11…回転軸心、11P…従動ローラ、70…アクチュエータ
9…定着部、40…フラッパ、30…フラッパ支持部
38…当接部、39…付勢部材(捩じりコイルバネ)
2…装置本体、200…第2ガイド部材
200A…第2ガイド部材における再搬送方向の上流端
55…ガイド部、60…対向ガイド部、59A、59B…延出部
100A…第1ガイド部材における再搬送方向の上流端