(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】印画物受け渡し管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20240903BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240903BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020139721
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】宮本 大輔
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-242252(JP,A)
【文献】特開2003-300626(JP,A)
【文献】特開2006-217392(JP,A)
【文献】特開2004-171510(JP,A)
【文献】特開2001-051368(JP,A)
【文献】特開2002-016746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、前記施設の外部者が利用する外部者端末と、
所定の照合を行う照合端末と、各端末と通信可能に接続された管理サーバと、を有する印画物受け渡し管理システムであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、
前記入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、を有し、
前記外部者端末は、
画像を撮影する撮影手段と、
入力されたメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記画像と前記メッセージを前記登録データとして前記管理サーバに送信する登録要求手段と、を有し、
前記施設端末は、
前記登録データ記憶手段から入所者に対応する前記登録データを取得する登録データ取得手段と、
前記登録データに含まれる前記画像と、前記メッセージを記録したコード情報を印刷して印画物を作成する印画物作成手段と、を有
し、
前記照合端末は、
前記印画物に印刷されたコード情報から入所者IDを取得する印画物コード情報読取手段と、
入所者が保持する入所者タグに提示されたコード情報から入所者IDを取得するタグコード情報読取手段と、
前記印画物から取得した入所者IDと、前記入所者タグから取得した入所者IDを照合する入所者ID照合手段と、
前記入所者ID照合手段により前記入所者IDが一致した場合に、前記管理サーバに、前記入所者IDを通知する入所者ID通知手段と、を有する、印画物受け渡し管理システム。
【請求項2】
前記印画物に印刷されたコード情報を読み取るコード情報読取手段と、前記読み取ったコード情報に記録されたメッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備えた入所者端末をさらに有する、請求項1
に記載の印画物受け渡し管理システム。
【請求項3】
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、前記施設の外部者が利用する外部者端末と、入所者が利用する入所者端末と、各端末と通信可能に接続された管理サーバと、を有する印画物受け渡し管理システムであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、
前記入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
前記入所者端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、を有し、
前記外部者端末は、
画像を撮影する撮影手段と、
入力されたメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記画像と前記メッセージを前記登録データとして前記管理サーバに送信する登録要求手段と、を有し、
前記施設端末は、
前記登録データ記憶手段から入所者に対応する前記登録データを取得する登録データ取得手段と、
前記登録データに含まれる前記画像と、前記メッセージを記録したコード情報を印刷して印画物を作成する印画物作成手段と、を有し、
前記入所者端末は、
前記印画物に印刷されたコード情報を読み取るコード情報読取手段と、前記読み取ったコード情報に記録されたメッセージを出力するメッセージ出力手段と、
前記印画物に印刷されたコード情報から入所者IDを取得する印画物コード情報読取手段と、
入所者が保持する入所者タグに提示されたコード情報から入所者IDを取得するタグコード情報読取手段と、
前記印画物から取得した入所者IDと、前記入所者タグから取得した入所者IDを照合する入所者ID照合手段と、
前記入所者ID照合手段により前記入所者IDが一致した場合に、前記管理サーバに、前記入所者IDを通知する入所者ID通知手段と、を
有する、印画物受け渡し管理システム。
【請求項4】
前記メッセージは、音声ファイルとして記録されている、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の印画物受け渡し管理システム。
【請求項5】
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、前記施設の外部者が利用する外部者端末と、各端末と通信可能に接続された管理サーバと、を有する印画物受け渡し管理システムであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶し、前記入所者IDに対応付けて前記施設のスタッフを識別するスタッフIDを
認証IDとして記憶している登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、
前記施設端末からの前記スタッフIDを伴う取得要求に基づいて、当該スタッフIDに対応する前記入所者IDで特定される登録データのみを送信する登録データ送信手段と、を有し、
前記外部者端末は、
画像を撮影する撮影手段と、
入力されたメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記画像と前記メッセージを前記登録データとして前記管理サーバに送信する登録要求
手段と、を有し、
前記施設端末は、
前記登録データ記憶手段から入所者に対応する前記登録データを取得する登録データ取
得手段と、
前記登録データに含まれる前記画像と、前記メッセージを記録したコード情報を印刷し
て印画物を作成する印画物作成手段と、を有する、印画物受け渡し管理システム。
【請求項6】
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、入所者が利用する入所者端末と、前記施設の外の外部者が利用する外部者端末と、所定の照合を行う照合端末と、通信可能に接続され、印画物の受け渡しを管理する管理サーバであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、を有する管理サーバ。
【請求項7】
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、入所者が利用する入所者端末と、前記施設の外の外部者が利用する外部者端末と、所定の照合を行う照合端末と、通信可能に接続されたコンピュータを、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段、として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに会うことが困難な者どうしの間で、印画物の受け渡しを管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機関等に入所(入居、入院)している入所者は、体が不自由であることや、施設内の制約等により、外部との自由なやりとりが難しい状況があった。近年では、入所者と外部の家族が写真や画像のやりとりを行うための技術も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術は、入所者がある程度自由に行動できる場合に対応可能なものである。例えば、感染症などの症状がある場合など、入所者が直接機器などに触れることが制限される場合には、従来の技術では十分に対応できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、行動が制限されている入所者への、外部者からの印画物の受け渡しを管理することが可能な印画物受け渡し管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、前記施設の外部者が利用する外部者端末と、各端末と通信可能に接続された管理サーバと、を有する印画物受け渡し管理システムであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、を有し、
前記外部者端末は、
画像を撮影する撮影手段と、
入力されたメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記画像と前記メッセージを前記登録データとして前記管理サーバに送信する登録要求手段と、を有し、
前記施設端末は、
前記登録データ記憶手段から入所者に対応する前記登録データを取得する登録データ取得手段と、
前記登録データに含まれる前記画像と、前記メッセージを記録したコード情報を印刷して印画物を作成する印画物作成手段と、を有する、印画物受け渡し管理システムを提供する。
【0007】
また、本発明の印画物受け渡し管理システムは、
前記印画物に印刷されたコード情報から入所者IDを取得する印画物コード情報読取手段と、
入所者が保持する入所者タグに提示されたコード情報から入所者IDを取得するタグコード情報読取手段と、
前記印画物から取得した入所者IDと、前記入所者タグから取得した入所者IDを照合する入所者ID照合手段と、
前記入所者ID照合手段により前記入所者IDが一致した場合に、前記管理サーバに、前記入所者IDを通知する入所者ID通知手段と、を備えた照合端末をさらに有し、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、をさらに有していてもよい。
【0008】
また、本発明の印画物受け渡し管理システムは、
前記印画物に印刷されたコード情報を読み取るコード情報読取手段と、前記読み取ったコード情報に記録されたメッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備えた入所者端末をさらに有していてもよい。
【0009】
また、本発明の印画物受け渡し管理システムは、
前記入所者端末は、
前記印画物に印刷されたコード情報から入所者IDを取得する印画物コード情報読取手段と、
入所者が保持する入所者タグに提示されたコード情報から入所者IDを取得するタグコード情報読取手段と、
前記印画物から取得した入所者IDと、前記入所者タグから取得した入所者IDを照合する入所者ID照合手段と、
前記入所者ID照合手段により前記入所者IDが一致した場合に、前記管理サーバに、前記入所者IDを通知する入所者ID通知手段と、をさらに有し、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
前記入所者端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、をさらに有していてもよい。
【0010】
また、本発明の印画物受け渡し管理システムは、
前記メッセージは、音声ファイルとして記録されていてもよい。
【0011】
また、本発明の印画物受け渡し管理システムは、
前記登録データ記憶手段は、入所者IDに対応付けて前記施設のスタッフを識別するスタッフIDを前記認証IDとして記憶しており、
前記管理サーバは、前記施設端末からの前記スタッフIDを伴う取得要求に基づいて、当該スタッフIDに対応する前記入所者IDで特定される登録データのみを送信するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明では、
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、入所者が利用する入所者端末と、前記施設の外の外部者が利用する外部者端末と、所定の照合を行う照合端末と、通信可能に接続され、印画物の受け渡しを管理する管理サーバであって、
前記管理サーバは、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段と、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段と、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段と、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段と、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段と、を有する管理サーバを提供する。
【0013】
また、本発明では、
入所者が入所する施設内に設置された施設端末と、入所者が利用する入所者端末と、前記施設の外の外部者が利用する外部者端末と、所定の照合を行う照合端末と、通信可能に接続されたコンピュータを、
入所者IDに対応付けて外部連絡先を記憶した入所者情報記憶手段、
入所者IDに対応付けて画像およびメッセージを含む登録データを記憶する登録データ記憶手段、
前記外部者端末から受信した前記登録データを前記登録データ記憶手段に登録するデータ登録手段、
前記施設端末からの認証IDを伴う取得要求に基づいて、当該認証IDに対応する前記入所者IDで特定される登録データを送信する登録データ送信手段、
前記照合端末から前記入所者IDの通知を受けた場合に、前記入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する到達通知手段、として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、行動が制限されている入所者への、外部者からの印画物の受け渡しを管理することが可能な印画物受け渡し管理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る印画物受け渡し管理システムの構成図である。
【
図3】入所者情報記憶手段111に記憶された入所者情報の一例を示す図である。
【
図4】登録データ記憶手段112に記憶された登録データ情報の一例を示す図である。
【
図9】印画物受け渡し管理システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【
図11】印画物受け渡し管理システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る印画物受け渡し管理システムの構成図である。
図1において、110は管理サーバ、120は施設端末(印画物出力端末)、130は入所者端末、140は外部者端末、150は照合端末、160はネットワークである。管理サーバ110、施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150はインターネット等の公衆のネットワーク160に接続されており、互いにデータの送受信が可能となっている。
図1の例では、説明の便宜上、施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150については、それぞれ1台のみ示しているが、実際には、多数の施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150が接続されており、多くの利用者が利用できるシステムとなっている。
【0017】
管理サーバ110は、印画物受け渡し管理システムの中心的な役割を果たし、施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150からの指示や情報に基づいて、自身が記憶、管理する情報の記録、更新等を行い、必要な情報を施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150に送信するサーバコンピュータである。すなわち、管理サーバ110は、施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150に通信可能に接続されている。
図2は、管理サーバ110の詳細を示す図である。このうち、
図2(a)は、管理サーバ110のハードウェア構成図である。管理サーバ110は、汎用のサーバコンピュータで実現することができ、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)110aと、コンピュータのメインメモリであるRAM(Random Access Memory)110bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための大容量の記憶装置110c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、マウス等の入力機器からの入力を受け付ける入力I/F(インタフェース)110dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)110eと、表示装置(液晶ディスプレイ等)に情報を送出するための表示出力I/F(インタフェース)110fと、ネットワーク160を介して施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部110gと、を備え、互いにバスを介して接続されている。
【0018】
図2(b)は、管理サーバ110の機能ブロック図である。
図2(a)に示したハードウェア構成において、CPU110aが記憶装置110cに記憶されたプログラムをRAM110bに読み込んで実行することにより、管理サーバ110は、
図2(b)に示した各手段を機能させることが可能となる。
図2(b)に示すように、管理サーバ110は、入所者情報記憶手段111、登録データ記憶手段112、データ登録手段113、登録データ送信手段114、到達通知手段115を有する。
【0019】
管理サーバ110は、記憶装置110cに記憶されたプログラムをRAM110bに読み込んで、CPU110aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、入所者情報記憶手段111、登録データ記憶手段112、データ登録手段113、登録データ送信手段114、到達通知手段115の各機能を実現する。また、記憶装置110cは、入所者情報記憶手段111、登録データ記憶手段112のデータ記憶領域としての役割も果たしている。また、管理サーバ110では、WEBサーバプログラムをRAM110bに読み込んで、CPU110aが実行することによりWEBサーバとしても機能し、管理サーバ110の各手段を実行するための機能を、WEBブラウザを搭載した施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150から利用可能としている。
【0020】
入所者情報記憶手段111は、施設の入所者に関する情報を記憶した記憶手段である。
図3は、入所者情報記憶手段111に記憶された入所者情報の一例を示す図である。
図3に示すように、入所者情報記憶手段111には、入所者情報として、カルテNoと対応付けて、外部者IDおよびパスワード(Password)、入所者氏名、住所、外部連絡先が記憶されている。カルテNoは、入所者と1対1で対応付けられているため、入所者を識別する入所者識別情報(入所者ID)として用いられる。例えば対象施設が病院である場合は、このようにカルテNoを入所者識別情報として用いることができる。
【0021】
外部者IDおよびパスワードは、外部者が入所者とコミュニケーションを取るために、本システムを利用するためのIDとそのパスワードである。住所は、入所者本人の住所であるが、必須の情報ではない。外部連絡先は、施設の外部の者である外部者の連絡先である。外部者としては、入所者に印画物を届ける目的を持つ物であれば、特に限定されないが、入所者の家族が典型的である。連絡先としては、連絡可能な手段であれば、どのような手段で連絡できるものであってもよい。連絡先としては、例えば、電話番号や電子メールアドレスを登録しておくことができる。電話番号、電子メールアドレス等は、それぞれ複数登録しておくことができる。
図3の例では、家族や自宅の電話番号を計3つ、家族の電子メールアドレスを計2つ登録している。
【0022】
登録データ記憶手段112は、入所者に対応付けて登録されたデータを記憶した記憶手段である。
図4は、登録データ記憶手段112に記憶された登録データ情報の一例を示す図である。登録データ記憶手段112には、入所者IDとして用いられるカルテNoと対応付けて、登録されたデータである登録データが対応付けて記憶されている。本実施形態では、登録データとして画像を必須とし、画像に対応付けてメッセージが登録されている。登録データは、画像およびメッセージを含むが、画像およびメッセージ以外のものを含んでもよい。また、図示は省略しているが、画像とメッセージを必須とする登録データを識別するための登録データIDも記憶されており、登録データを特定可能となっている。
【0023】
さらに、登録データ記憶手段112には、
図4に示すように、入所者IDとして用いられるカルテNoに対応付けて、担当看護師、発行日、配布日、状態が記憶されている。担当看護師としては、看護師等の施設スタッフの氏名、施設スタッフIDのどちらか一方が表示されていてもよいし、施設スタッフの氏名と施設スタッフIDの両方が表示されていてもよい。なお、
図4の例では、施設スタッフを「担当看護師」として表記しているが、実際には看護師に限定されない。本システムは、病院に限定されず、様々な施設で利用可能であるため、施設スタッフとしては、看護師以外の様々なスタッフが想定される。発行日は、登録されている画像およびメッセージが印画物として出力された日を示している。配布日は、出力された印画物が入所者に渡された日を示している。状態は、「完了」と「未」の2つの状態で記録されている。配布日が記録されている場合には、「完了」が記録され、配布日が記録されていない場合には、「未」が記録される。
【0024】
データ登録手段113は、外部者端末140から受信した登録データを登録データ記憶手段112に登録する。登録データ送信手段114は、施設端末120からの利用者IDを伴う取得要求に基づいて、利用者IDに対応する登録データである画像およびメッセージを送信する。到達通知手段115は、照合端末150から入所者IDの通知を受けた場合に、入所者IDに対応する外部者連絡先に、印画物が渡された旨を通知する。
【0025】
管理サーバ110は、物理的には1台のコンピュータで実現されていてもよいし、複数台のコンピュータで実現されていてもよい。また、ネットワーク160上で複数に分散されたクラウドシステムとして実現されていてもよい。
【0026】
施設端末120は、病院や介護施設等の、入所者が入所している施設内に設置された端末装置である。
図5(a)は、施設端末120のハードウェア構成図である。施設端末120は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータにより実現される。
図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)120aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)120bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置120c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部120dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)120eと、表示部(液晶ディスプレイ等)120fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部120gと、を備え、互いにバスを介して接続されている。図示は省略しているが、データ入出力I/F(インタフェース)120eには、画像の印刷を行って印画物として出力するためのプリンタが施設端末120の一部として接続されている。プリンタとしては、汎用の印刷方式を用いた公知のプリンタを用いることができる。
【0027】
施設端末120としては、CPUの演算処理部等を備え、情報処理機能、表示機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット、スマートフォン等、汎用のコンピュータ以外のものを用いることも可能である。
【0028】
図5(b)は、施設端末120の機能ブロック図である。
図5(a)に示したハードウェア構成において、CPU120aが記憶装置120cに記憶されたプログラムをRAM120bに読み込んで実行することにより、施設端末120は、
図5(b)に示した各手段としてコンピュータを機能させることが可能となる。
図5(b)に示すように、施設端末120は、登録データ取得手段121、印画物作成手段122を有する。登録データ取得手段121は、管理サーバ110の登録データ記憶手段112から入所者に対応する登録データを取得する。印画物作成手段122は、登録データに含まれる画像と、メッセージを記録したコード情報を印刷して、印画物を出力する。
【0029】
施設端末120は、記憶装置120cに記憶されたプログラムをRAM120bに読み込んで、CPU120aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、登録データ取得手段121、印画物作成手段122等の各機能を実現する。本実施形態では、施設端末120がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、登録データ取得手段121、印画物作成手段122を実現する。
【0030】
入所者端末130は、入所者が所持する端末装置である。
図6(a)は、入所者端末130のハードウェア構成図である。入所者端末130は、多機能の携帯型端末であるスマートフォンにより実現される。
図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)130aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)130bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置130c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部130dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)130eと、表示部(液晶ディスプレイ等)130fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部130gと、写真撮影を行うカメラ部130hと、他の端末とネットワーク160を介さずに直接無線通信を行う近距離無線通信部130iと、マイクロフォンやスピーカ等の音声入出力部130jと、を備え、互いにバスを介して接続されている。近距離無線通信部130iが用いる通信方式としては、比較的近距離で無線通信を行う形式であれば特に限定されないが、例えばbluetooth、無線LAN等の公知の様々な方式を用いることができる。
【0031】
入所者端末130としては、CPUの演算処理部等を備え、情報処理機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット等、スマートフォン以外のものを用いることも可能である。
【0032】
図6(b)は、入所者端末130の機能ブロック図である。
図6(a)に示したハードウェア構成において、CPU130aが記憶装置130cに記憶されたプログラムをRAM130bに読み込んで実行することにより、入所者端末130は、
図6(b)に示した各手段を機能させることが可能となる。
図6(b)に示すように、入所者端末130は、コード情報読取手段131、メッセージ出力手段132を有する。コード情報読取手段131は、印画物に印刷されたコード情報を読み取る。メッセージ出力手段132は、コード情報読取手段131が読み取ったコード情報に記録されたメッセージを出力する。
【0033】
入所者端末130は、記憶装置130cに記憶されたプログラムをRAM130bに読み込んで、CPU130aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、入所者端末130の中心的な役割を果たすコード情報読取手段131、メッセージ出力手段132の各機能を実現する。本実施形態では、入所者端末130がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、コード情報読取手段131、メッセージ出力手段132を実現する。
【0034】
外部者端末140は、施設の外部者が所持する端末装置である。
図7(a)は、外部者端末140のハードウェア構成図である。外部者端末140は、入所者端末130と同様、多機能の携帯型端末であるスマートフォンにより実現される。
図7に示すように、CPU(Central Processing Unit)140aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)140bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置140c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部140dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)140eと、表示部(液晶ディスプレイ等)140fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部140gと、写真撮影を行うカメラ部140hと、他の端末とネットワーク160を介さずに直接無線通信を行う近距離無線通信部140iと、マイクロフォンやスピーカ等の音声入出力部140jと、を備え、互いにバスを介して接続されている。近距離無線通信部140iが用いる通信方式としては、比較的近距離で無線通信を行う形式であれば特に限定されないが、例えばbluetooth、無線LAN等の公知の様々な方式を用いることができる。
【0035】
外部者端末140としては、CPUの演算処理部等を備え、情報処理機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット等、スマートフォン以外のものを用いることも可能である。
【0036】
図7(b)は、外部者端末140の機能ブロック図である。
図7(a)に示したハードウェア構成において、CPU140aが記憶装置140cに記憶されたプログラムをRAM140bに読み込んで実行することにより、外部者端末140は、
図7(b)に示した各手段を機能させることが可能となる。
図7(b)に示すように、外部者端末140は、撮影手段141、メッセージ取得手段142、登録要求手段143を有する。撮影手段141は、画像を撮影して取得する。メッセージ取得手段142は、入力されたメッセージをデータの形式で取得する。登録要求手段143は、データとして取得した画像とメッセージを登録データとして管理サーバに送信する。
【0037】
外部者端末140は、記憶装置140cに記憶されたプログラムをRAM140bに読み込んで、CPU140aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、撮影手段141、メッセージ取得手段142、登録要求手段143の各機能を実現する。本実施形態では、外部者端末140がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、撮影手段141、メッセージ取得手段142、登録要求手段143を実現する。
【0038】
照合端末150は、施設のスタッフ外部者が利用する端末装置である。
図8(a)は、照合端末150のハードウェア構成図である。照合端末150は、入所者端末130、外部者端末140と同様、多機能の携帯型端末であるスマートフォンにより実現される。
図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)150aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)150bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置150c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部150dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)150eと、表示部(液晶ディスプレイ等)150fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部150gと、写真撮影を行うカメラ部150hと、他の端末とネットワーク160を介さずに直接無線通信を行う近距離無線通信部150iと、を備え、互いにバスを介して接続されている。近距離無線通信部150iが用いる通信方式としては、比較的近距離で無線通信を行う形式であれば特に限定されないが、例えばbluetooth、無線LAN等の公知の様々な方式を用いることができる。
【0039】
照合端末150としては、CPUの演算処理部等を備え、情報処理機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット等、スマートフォン以外のものを用いることも可能である。
【0040】
図8(b)は、照合端末150の機能ブロック図である。
図8(a)に示したハードウェア構成において、CPU150aが記憶装置150cに記憶されたプログラムをRAM150bに読み込んで実行することにより、照合端末150は、
図8(b)に示した各手段を機能させることが可能となる。
図8(b)に示すように、照合端末150は、印画物コード情報読取手段151、タグコード情報読取手段152、入所者ID照合手段153、入所者ID通知手段154を有する。印画物コード情報読取手段151は、印画物に印刷されたコード情報から入所者IDを取得する。タグコード情報読取手段152は、入所者が保持する入所者タグに提示されたコード情報から入所者IDを取得する。入所者ID照合手段153は、印画物から取得した入所者IDと、入所者タグから取得した入所者IDを照合する。入所者ID通知手段154は、入所者ID照合手段153による照合の結果、入所者IDが一致した場合に、管理サーバ110に入所者IDを通知する。
【0041】
照合端末150は、記憶装置150cに記憶されたプログラムをRAM150bに読み込んで、CPU150aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、印画物コード情報読取手段151、タグコード情報読取手段152、入所者ID照合手段153、入所者ID通知手段154の各機能を実現する。本実施形態では、外部者端末140がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、印画物コード情報読取手段151、タグコード情報読取手段152、入所者ID照合手段153、入所者ID通知手段154を実現する。
【0042】
施設端末120、入所者端末130、外部者端末140、照合端末150の各端末は、上述のように、WEBブラウザを備え、WEBサーバとして機能する管理サーバ110に搭載されたプログラムの機能を利用しながら、各手段を実現させているが、専用のプログラムにより各手段を実現するようにしてもよい。
【0043】
<2.処理動作>
次に、
図1に示した本実施形態に係る印画物受け渡し管理システムの処理動作について説明する。
図9は、印画物受け渡し管理システムによる処理動作を示すシーケンス図である。
【0044】
入所者が施設に入所した場合、
図3に示したような入所者情報を管理サーバ110に登録する(ステップS1)。入所者情報の登録は、管理サーバ110に対して直接行ってもよいし、施設端末120から管理サーバ110にアクセスして、入所者情報を入力するようにしてもよい。これにより、管理サーバ110の入所者情報記憶手段111には、
図3に示したような入所者情報が記憶される。
【0045】
入所者情報が登録されたら、管理サーバ110は、登録された入所者情報に含まれる外部者IDを、登録された入所者情報に含まれる外部連絡先に通知する(ステップS2)。例えば、外部連絡先として登録されている電子メールアドレスに電子メールで外部者IDを通知することにより、電子メールを閲覧可能な外部者端末140で外部者IDを取得することが可能となる。
【0046】
外部者IDを取得した場合、その外部者は、パスワードで認証を行い、管理サーバ110にアクセスすることが可能となる。具体的には、画像とメッセージを登録データとしてアップロードして、その外部者に対応する入所者別に登録することができる。外部者IDは、管理サーバ110にアクセスする際の認証に用いる認証IDとして用いることができる。認証IDとしては、入所者ID、スタッフIDを用いることもできる。
【0047】
外部者は、管理サーバ110に登録するための画像の撮影を行う(ステップS3)。具体的には、外部者端末140のカメラ部140hの機能を用いて撮影手段141が撮影を行い、撮影により得られた画像を外部者端末140の記憶装置140cに保存する。または、外部者端末140の記憶装置140cに保存されている画像を登録することも可能である。外部者は、外部者端末140に保存された画像を登録するため、外部者端末140の登録要求手段143は、ネットワーク160を介して管理サーバ110にアクセスする。このアクセスの際、上述のように、外部者IDとパスワードで認証を行う。認証に成功すると、外部者端末140の登録要求手段143は、管理サーバ110から送信された、画像の登録用画面が外部者端末140に提示する。提示された登録用画面に対して、外部者が登録したい画像を指定すると、登録要求手段143は、画像に添付するメッセージを要求する画面を管理サーバ110から取得して外部者端末140に提示する。
【0048】
そして、外部者は、外部者端末140にメッセージの入力を行う(ステップS4)。本実施形態では、メッセージを音声として入力する。具体的には、外部者は、外部者端末140に提示された画面の内容に従って外部者端末140を操作し、音声入出力部140jの機能を作動させる。そして、外部者は、音声入出力部140jとしてのマイクロフォンに向かって話しかけることにより音声を入力する。外部者端末140では音声入出力部140jを通して入力された音声を、メッセージ取得手段142が音声ファイルとして記録する。音声ファイルの形式でメッセージが記録されると、登録要求手段143は、外部者端末140に送信用画面を提示する。または、外部者端末140の記憶装置140cに保存されている音声データを登録することも可能である。送信用画面の内容に従って、外部者が送信指示を行うと、外部者端末140の登録要求手段143は、指定された画像と、記録されたメッセージを対応付けて、管理サーバ110に送信する(ステップS5)。
【0049】
管理サーバ110は、外部者端末140から画像とメッセージを受信すると、受信した画像とメッセージを登録データとして登録する(ステップS6)。具体的には、外部者端末140がアクセスに用いた外部者IDに対応する入所者をカルテNoにより特定し、その入所者のカルテNoに対応付けて、受信した画像とメッセージを登録する。
図1においては、外部者端末140を1台しか示していないが、実際には、多くの外部者端末140から管理サーバ110にアクセス可能になっている。そのため、各外部者は、随時、画像とメッセージを登録することができる。また、1人の外部者が複数の画像やメッセージを登録することができる。このようにして、管理サーバ110においては、入所者別に画像とメッセージが登録データ記憶手段112に蓄積されていく。
【0050】
一方、施設端末120からも、管理サーバ110にアクセス可能となっている。施設端末120からは、施設のスタッフIDを認証IDとして用いてパスワード認証により、管理サーバ110にアクセスできる。看護師等の施設スタッフは、自身を特定するスタッフIDを用いて、施設端末120から管理サーバ110にアクセスしてパスワード認証によりログインする(ステップS7)。施設端末120からログインに成功すると、管理サーバ110は、スタッフIDに対応する入所者の登録データ情報を提示する(ステップS8)。管理サーバ110においては、スタッフIDにより、表示可能なデータを制限しておくことができる。この場合、スタッフIDにより、特定の入所者の登録データ情報しか表示されない場合や、全ての入所者の登録データ情報が表示される場合がある。
【0051】
本実施形態では、看護師であれば、全ての入所者の登録データ情報を閲覧可能としている。したがって、認証IDとして用いられたスタッフIDが看護師のものである場合、管理サーバ110は、格納された全ての登録データ情報の一覧を表示する。ここでは、
図4に示したような、登録データ記憶手段112に記憶された情報が表示される。
【0052】
図4の例では、カルテNo.「101」で特定される入所者については、2つの登録データが記録されており、カルテNo.「200」で特定される入所者とカルテNo.「302」で特定される入所者については、それぞれ1つの登録データが記録されていることを示している。また、カルテNo.「101」で特定される入所者の担当看護師は、A、Bの2人であり、カルテNo.「200」で特定される入所者の担当看護師は、Cの1人であり、カルテNo.「302」で特定される入所者の担当看護師は、D、Eの2人であることを示している。さらに、カルテNo.「101」で特定される入所者の登録データは、2つとも配布まで行われており、カルテNo.「200」で特定される入所者の登録データは、発行はされたが、配布はされておらず、カルテNo.「302」で特定される入所者の登録データは、まだ発行されていないことを示している。
【0053】
看護師を含むスタッフは、自分が担当する入所者の登録データの状態が「完了」となっていない場合は、「完了」するための作業を行う。具体的には、発行日が記録されていない場合は、施設端末120に対して発行指示すなわち印画物の作成指示を行う。発行指示が行われると、施設端末120の登録データ取得手段121は、印画物の作成を行う(ステップS9)。具体的には、施設端末120の登録データ取得手段121が、管理サーバ110にアクセスし、登録データを取得する。そして、施設端末120の印画物作成手段122が、取得した登録データを用いて印画物を作成する。具体的には、施設端末120の一部であるプリンタ(図示省略)に対して取得した登録データの印刷命令を出し、プリンタは印画物を出力する。
図10は印画物の一例を示す図である。
図10(a)はおもて面を示しており、
図10(b)は裏面を示している。
図10(a)に示すように、印画物Pのおもて面には、家族を撮影した画像が印刷されている。そして、
図10(b)に示すように、印画物Pの裏面には、コード情報Cが印刷されている。印画物作成手段122は、所定の印画基材に対して、登録データとして登録されていた画像と、対応するメッセージを再生可能とするコード情報を印刷する。1つの登録データに着目すると、ステップS8において登録データが提示された後、未発行の登録データについて、印刷を行うことになる。
【0054】
画像とコード情報については、両方を同一の面に印刷してもよいし、お互いが別の面になるように表裏に印刷してもよい。コード情報Cは、機器による読取が可能な形式で印刷される。例えば、コード情報Cは、
図10(b)に示すように、2次元コードとすることができる。本実施形態では、コード情報を2次元コードとし、この2次元コードにメッセージに対応した音声ファイルを再生可能とする情報とともに、入所者の外部連絡先を記録する。印画物を出力したら、施設端末120は、その入所者の登録データを発行した旨を管理サーバ110に通知する。管理サーバ110では、通知されたデータIDに対応する発行日として当日の日付を記録する。
【0055】
次に、作成された印画物と入所者タグとの照合を行う(ステップS10)。施設端末120において印画物が作成された後、施設スタッフは、入所者に印画物を渡すことになる。この際、印画物を渡す作業に付随して、印画物と入所者タグとの照合を行う。具体的には、施設スタッフは、照合端末150の印画物コード情報読取手段151で印画物の2次元コードを読み取り、記録情報を取得する。さらに、照合端末150の印画物コード情報読取手段151は取得した記録情報の中から、入所者識別情報であるカルテNoを取得する。続いて、看護師等の施設スタッフは、入所者の腕や衣服等に取り付けられた入所者タグの表面のバーコードを照合端末150のタグコード情報読取手段152で読み取り、記録情報を取得する。さらに、照合端末150のタグコード情報読取手段152は取得した記録情報の中から、入所者識別情報であるカルテNoを取得する。
【0056】
次に、照合端末150の入所者ID照合手段153は、印画物の2次元コードから取得したカルテNoと、入所者の腕に取り付けられたバーコードから取得したカルテNoを照合する。照合の結果、2つのカルテNoが一致した場合には、照合端末150の入所者ID通知手段154は、入所者に対して配布が行われた旨を管理サーバ110に通知する(ステップS11)。管理サーバ110では、登録データ記憶手段112にアクセスし、通知されたデータIDに対応する配布日に、当日の日付を記録する。さらに、管理サーバ110は、登録データ記憶手段112内の配布日が記録されると、そのデータIDに対応する状態を「未」から「完了」に変更する。
【0057】
管理サーバ110は、照合端末150から、照合に成功した旨の通知を受けた場合には、対応する外部者に対して受け渡しが完了した旨の通知を行う(ステップS12)。具体的には、管理サーバ110の到達通知手段115は、照合に成功した旨の通知に対応するカルテNoで入所者情報を参照し、外部連絡先として記録されている電子メールアドレスを取得する。そして、その電子メールアドレスに対して、印画物の手渡しが完了した旨の通知、すなわち印画物が入所者に到達した旨の通知を行う。そして、外部者端末140は、自身が備えている電子メール機能により、管理サーバ110から送信された電子メールを取得する。電子メールによる通知により、外部者は送信した画像が印画物として入所者の元に渡ったことを知ることができる。
【0058】
入所者は、施設スタッフから印画物を受け取ると、印画物のおもて面に印刷されている画像を見ることにより、外部者から送信された画像の内容を確認することができる。例えば、入所者が感染症等により隔離された状態で入院している場合、担当看護師以外に接することなく、外部者である家族の近況を撮影した画像を見ることができる。このため、病院等に適用した場合は、感染症対策として効果が高い。入所者は、受け取った印画物を用いてメッセージを聞くことができる。このために、入所者端末130を用いてメッセージを出力する(ステップS13)。具体的には、入所者端末130のコード情報読取手段131が、印画物からコード情報を読み取る。入所者は、自身が保持する入所者端末130のアプリを起動させてカメラ部130hの機能を作動させ、印画物の裏面に印刷されている2次元コードを撮影する作業を行う。すると、入所者端末130のコード情報読取手段131は、印画物の裏面に印刷されている2次元コードを撮影して取得し、その2次元コードの記録情報を取得する。さらに、入所者端末130のメッセージ出力手段132が、2次元コードの記録情報から、メッセージに該当する部分を取得し、音声再生機能を用いて音声として出力する。並行して、入所者端末130は、2次元コードの記録情報から、連絡先に該当する部分を取得し、表示部130fに表示する。
【0059】
メッセージが出力されることにより、入所者は、印画物に印刷された画像の詳細や関連情報を知ることができる。例えば、入所者が感染症等により隔離された状態で入院している場合、外部者である家族の近況を撮影した画像とともに、労りの言葉等を受け取ることができる。特に、本実施形態のようにメッセージとして音声が記録されている場合は、声の強弱や抑揚などを感じ取ることができ、直接会うことができない家族と深いコミュニケーションを取ることができる。
【0060】
そして、入所者は、外部者への連絡を行う(ステップS14)。具体的には、入所者は、入所者端末130の画面に表示された連絡先情報から1つを選択する。そして、連絡先情報が選択されると、入所者端末130は、電話の発呼を行う。これにより、画像の送信元である外部者と通話を行うことが可能となる。
【0061】
以上のようにして、入所者は、外部者と一切接触することなく、施設内の人物とも最低限の接触により、外部者とコミュニケーションをとることが可能となる。特に、施設スタッフとして、1人の入所者に対して、専任の担当看護師を1人だけ設定しておくことにより、不要な接触を行うことなく、外部者とコミュニケーションをとることができる。上記説明のように、本実施形態においては、入所者と施設スタッフの接触は、入所者に印画物を手渡して、印画物の2次元コードと、入所者タグのバーコードで照合を行うときの1回だけである。この照合を専任の看護師が行う場合、体温や脈等の定常の測定業務と併せて行うことができる。したがって、事実上、従来業務に比べて接触を増やすことなく、入所者と外部者とのコミュニケーションをとることができる。
【0062】
<3.印画物受け渡し管理システムの変形例>
上記実施形態における印画物受け渡し管理システムでは、施設スタッフが印画物を出力し、出力された印画物を、入所者に手渡すようにしたが、入所者が直接印画物を出力するようにすることも可能である。次に、このような変形例について説明する。
図11は、変形例に係る印画物受け渡し管理システム101を示す図である。このうち、
図11(a)は、印画物受け渡し管理システム101の構成図であり、
図11(b)は、入所者端末130Aの機能ブロック図である。
【0063】
図11(a)に示すように、変形例に係る印画物受け渡し管理システム101では、印画物受け渡し管理システム100で用いた照合端末150を備えていない。また、入所者端末130Aの機能も入所者端末130と若干異なっている。入所者端末130Aのハードウェア構成は、入所者端末130のハードウェア構成と同様であり、
図6(a)に示したようなものとなっている。
図11(b)に示すように、入所者端末130Aは、入所者端末130と同様、コード情報読取手段131、メッセージ出力手段132を有するのに加えて、印画物コード情報読取手段133、タグコード情報読取手段134、入所者ID照合手段135、入所者ID通知手段136を有する。印画物コード情報読取手段133、タグコード情報読取手段134、入所者ID照合手段135、入所者ID通知手段136は、それぞれ、照合端末150が有する、印画物コード情報読取手段151、タグコード情報読取手段152、入所者ID照合手段153、入所者ID通知手段154と同様の機能を有する。
【0064】
変形例の場合も、ステップS6における画像とメッセージの登録以前の処理と、ステップS12以降の処理は、上記実施形態と同じである。変形例では、ステップS7からステップS11までの処理が異なっている。具体的には、変形例ではステップS7において、入所者自身が施設端末120から管理サーバ110にログインする。施設端末120からログインに成功すると、ステップS8において、管理サーバ110は、入所者IDに対応する入所者の登録データ情報を提示する。管理サーバ110は、施設スタッフのスタッフIDでも、入所者IDでも認証可能であるが、入所者IDの場合は、その入所者に対応する情報のみを表示させる。
【0065】
入所者は、自身の登録データの状態が「完了」となっていない場合は、「完了」するための作業を行う。具体的には、発行日が記録されていない場合は、施設端末120に対して発行指示すなわち印画物の作成指示を行う。発行指示が行われると、施設端末120の登録データ取得手段121は、印画物の作成を行う(ステップS9)。具体的には、上記実施形態と同様、施設端末120の登録データ取得手段121が、管理サーバ110にアクセスし、登録データを取得する。そして、施設端末120の印画物作成手段122が、取得した登録データを用いて印画物を作成する。
【0066】
印画物を出力したら、施設端末120は、その入所者の登録データを発行した旨を管理サーバ110に通知する。管理サーバ110では、通知されたデータIDに対応する発行日として当日の日付を記録する。
【0067】
次に、作成された印画物と入所者タグとの照合を行う(ステップS10)。施設端末120において印画物が作成された後、入所者は、印画物と入所者タグとの照合を行う。具体的には、入所者は、入所者端末130の印画物コード情報読取手段133で印画物の2次元コードを読み取り、記録情報を取得する。さらに、入所者端末130の印画物コード情報読取手段133は取得した記録情報の中から、入所者識別情報であるカルテNoを取得する。続いて、看護師等の施設スタッフは、入所者の腕等に取り付けられた入所者タグの表面のバーコードを入所者端末130のタグコード情報読取手段134で読み取り、記録情報を取得する。さらに、入所者端末130のタグコード情報読取手段134は取得した記録情報の中から、入所者識別情報であるカルテNoを取得する。
【0068】
次に、入所者端末130の入所者ID照合手段135は、印画物の2次元コードから取得したカルテNoと、入所者の腕に取り付けられたバーコードから取得したカルテNoを照合する。照合の結果、2つのカルテNoが一致した場合には、入所者端末130の入所者ID通知手段136は、入所者に印画物が渡った旨を管理サーバ110に通知する(ステップS11)。管理サーバ110では、登録データ記憶手段112にアクセスし、通知されたデータIDに対応する配布日に、当日の日付を記録する。さらに、管理サーバ110は、登録データ記憶手段112内の配布日が記録されると、そのデータIDに対応する状態を「未」から「完了」に変更する。
【0069】
管理サーバ110は、入所者端末130から、照合に成功した旨の通知を受けた場合には、対応する外部者に対して受け渡しが完了した旨の通知を行う(ステップS12)。具体的には、管理サーバ110の到達通知手段115は、照合に成功した旨の通知に対応するカルテNoで入所者情報を参照し、外部連絡先として記録されている電子メールアドレスに対して、印画物が入所者に到達した旨の通知を行う。電子メールによる通知により、外部者は送信した画像が印画物として入所者の元に渡ったことを知ることができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、メッセージとして音声として再生可能な音声ファイルの形式で記録したが、文字として表示するためのテキストデータの形式で記録するようにしてもよい。この場合、外部者端末140のメッセージ取得手段142は、外部者端末140において入力された文字情報をテキストデータ形式のメッセージとして取得する。そして、施設端末120の印画物作成手段は、テキストデータ形式のメッセージを記録した2次元コードを印刷して印画物を作成する。さらに、入所者端末130のメッセージ出力手段132は、コード情報読取手段131が読み取ったコード情報に記録されたメッセージを文字画像として入所者端末130の画面に表示出力する。
【符号の説明】
【0071】
100・・・印画物受け渡し管理システム
110・・・管理サーバ
111・・・入所者情報記憶手段
112・・・登録データ記憶手段
113・・・データ登録手段
114・・・登録データ送信手段
115・・・到達通知手段
120・・・施設端末
121・・・登録データ取得手段
122・・・印画物作成手段
130・・・入所者端末
131・・・コード情報読取手段
132・・・メッセージ出力手段
140・・・外部者端末
141・・・撮影手段
142・・・メッセージ取得手段
143・・・登録要求手段
150・・・照合端末
151・・・印画物コード情報読取手段
152・・・タグコード情報読取手段
153・・・入所者ID照合手段
154・・・入所者ID通知手段
160・・・ネットワーク