(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20240903BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G15/01 114
(21)【出願番号】P 2020150650
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早矢仕 侑治
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-002229(JP,A)
【文献】特開2018-180171(JP,A)
【文献】特開2014-021199(JP,A)
【文献】特開2009-300965(JP,A)
【文献】特開2008-233196(JP,A)
【文献】特開2016-045366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 15/01
G03G 21/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにトナー色が異なるトナー像を担持可能な
複数の像担持体を有する画像形成部と、
前記
複数の像担持体に対向する位置に配設され、前記
複数の像担持体と圧着して前記トナー像が転写される中間転写
ベルトと、
前記中間転写ベルトが掛け渡され、支持位置が固定された状態で、前記中間転写ベルトを支持する複数の支持ローラーと、
前記中間転写ベルトが掛け渡され、
前記中間転写ベルトの幅方向の位置を調整するステアリングローラーと、
前記中間転写ベルトに形成された画像を用紙に転写するための転写ニップよりベルト回転方向下流側、且つ、前記ステアリングローラーより
前記ベルト回転方向上流側において、
前記中間転写ベルトを張架するベルト張架部材と、
予め前記中間転写ベルトに対して前記複数の像担持体からトナー像を転写する1次転写の圧着形態と対応付けて前記ベルト張架部材の配設位置に係るデータを記憶し、前記1次転写の圧着形態を変化させた際、前記データに基づいて、前記ステアリングローラーに対する前記中間転写ベルトの巻き付き量及び前記中間転写ベルトのテンションが一定に維持されるように、前記ベルト張架部材を移動させる制御部と、
を備え
、
前記ステアリングローラーは、前記複数の支持ローラーのうちの一部が、自身の前記ベルト回転方向上流側及び下流側それぞれに隣接配置された状態で設置され、
前記ベルト張架部材は、前記中間転写ベルトの外面側から前記中間転写ベルトの内面側に向かって前記中間転写ベルトを押し込むように、押し込み方向へ移動可能に配設されている、
画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の像担持体は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、特色のそれぞれのトナー色用の像担持体を含み、
前記1次転写の圧着形態は、前記複数の像担持体のうち、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックのそれぞれのトナー色用の4個の像担持体を
前記中間転写ベルトに接触状態とする
第1形態と、前記複数の像担持体のうち、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び、特色のそれぞれのトナー色用の5個の像担持体を
前記中間転写ベルトに接触状態とする
第2形態と、を含み、
前記制御部は、少なくとも前記第1形態と前記第2形態とにおいて、前記ステアリングローラーに対する前記中間転写ベルトの巻き付き量及び前記中間転写ベルトのテンションが一定に維持されるように、前記ベルト張架部材を移動させる、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルト張架部材は、ローラー部材である、
請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ベルト張架部材は、
前記中間転写ベルトのクリーニングを行うベルトクリーニング装置の
前記ベルト回転方向下流側に配設されている、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記
複数の像担持体から
前記中間転写ベルトに対して1次転写を実行させるタイミングを制御し、
前記制御部は、前記1次転写の圧着形態が変更された際には、変更後の前記1次転写の圧着形態にて、
前記中間転写ベルトを1周分以上回転させた後に
、1次転写を実行させる、
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記1次転写の圧着形態が変更される場合、前記
複数の像担持体から
前記中間転写ベルトに対する1次転写が実行される前に、前記1次転写の圧着形態が変更されるタイミングにあわせて、前記1次転写の圧着形態に対応して、前記ベルト張架部材を移動させる、
請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー画像を形成する画像成形装置が知られている。このような画像成形装置は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニットを有する。各画像形成ユニットでは、感光体を帯電させると共に原稿画像に合わせて電荷を消去、いわゆる露光し、感光体に静電潜像を形成する。そして、感光体の静電潜像に現像部を用いてトナーを付着させ、感光体にトナー像を形成する。そして、各画像形成ユニットの感光体に付着したトナー像は、例えば、中間転写ベルトに1次転写された後に、中間転写ベルトから用紙に2次転写される。
【0003】
このような中間転写ベルトを用いる画像形成装置では、中間転写ベルトが感光体に対して適正な位置となるように、例えば、中間転写ベルトのステアリング制御を行う。つまり、中間転写ベルトが掛け渡されるステアリングローラーの傾斜角を変化させて、中間転写ベルトの感光体に対する幅方向の位置が適正になるように調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の画像形成装置では、感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態(以下、「1次転写の圧着形態」と略称する)に応じて、中間転写ベルトの姿勢が変化する。例えば、カラー画像を形成する場合には、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニットの各感光体に中間転写ベルトが接触するように、中間転写ベルトの姿勢を変化させる。一方、モノクロ画像を形成する場合には、ブラック(K)の画像形成ユニットの感光体のみに中間転写ベルトが接触するように、中間転写ベルトの姿勢を変化させる。
【0006】
このように、中間転写ベルトの姿勢が変化すると、ステアリングローラーに対する中間転写ベルトの巻き付き量(即ち、ステアリングローラーに対する中間転写ベルトの接触面積)が変化し、中間転写ベルトが蛇行するおそれがある。
【0007】
本願の発明者らは、この問題を解消するため、例えば、特許文献1に記載するように、ステアリングローラーと1次転写ローラーとの間の位置に調整ローラーを配設し、当該調整ローラーの配設位置の調整により、ステアリングローラーに対する中間転写ベルトの巻き付き量を一定にすることを検討した。
【0008】
しかしながら、実際には、1次転写の圧着形態が変化した際には、ステアリングローラーの位置が上下するので(例えば、ステアリングローラーに付属するバネ部材が上下する(
図2を参照))、中間転写ベルトの蛇行を確実に抑制するためには、ステアリングローラーに対する中間転写ベルトの巻き付き量と、中間転写ベルトのテンションとの両方を調整する必要があることが分かってきた。これは、中間転写ベルトのテンションが変化した場合、仮に、ステアリングローラーに対する中間転写ベルトの巻き付き量が略一定に保たれていても、中間転写ベルトの幅方向の位置ずれを解消するために、同じ角度だけステアリングローラーを傾けても、中間転写ベルトが幅方向の目標位置に寄る速さ(以下、「中間転写ベルトの寄り速度」と称する)に違いが生じるためである。
【0009】
尚、中間転写ベルトの寄り速度に違いが生じた場合、中間転写ベルトの幅方向での色ずれや、中間転写ベルトの制御破綻が生じるおそれがある。例えば、中間転写ベルトの寄り速度が、予め予想された寄り速度よりも速すぎる場合、ステアリングローラーの調整動作(即ち、中間転写ベルトの幅方向の位置ずれを解消するためのステアリングローラーの調整動作)において、オーバーシュートが発生し、各トナー色の感光体から中間転写ベルトに対して画像形成する際のタイミングにずれが発生しやすくなる。又、中間転写ベルトの寄り速度が、予め予想された寄り速度よりも遅すぎる場合、ステアリングローラーの調整動作において、中間転写ベルトの蛇行の解消が間に合わず、中間転写ベルトが一方に寄り切ってしまう。
【0010】
この点、特許文献1の従来技術では、1次転写の圧着形態が変わった際の中間転写ベルトのテンション変化に対して対応することが困難であったため、中間転写ベルトの寄り速度の変動を抑制することができなかった。
【0011】
尚、この問題は、特に、中間転写ユニットにおいて、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニットに加えて、一つ又は複数の特色の画像形成ユニットが設けられる場合に顕著に表出する(例えば、
図1を参照)。これは、画像形成ユニットの増加に伴って、1次転写の圧着形態の変化によって生ずる中間転写ベルトのテンション自体の変動幅も大きくなるためである。加えて、特色の画像形成ユニットが設けられる場合、1次転写の圧着形態のパターン数も膨大になるため、1次転写の圧着形態毎に、ステアリングローラーの制御系(例えば、ステアリングローラーのフィードバック制御の制御系を変更する)を設計することによる対処も困難となる。
【0012】
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、中間転写ベルトの寄り速度の変動を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した課題を解決する主たる本開示は、
トナー像を担持可能な像担持体を有する画像形成部と、
前記像担持体に対向する位置に配設され、前記像担持体と圧着して前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体が掛け渡され、前記中間転写体の幅方向の位置を調整するステアリングローラーと、
前記中間転写体に形成された画像を用紙に転写するための転写ニップよりベルト回転方向下流側、且つ、前記ステアリングローラーよりベルト回転方向上流側において、前記中間転写体を張架するベルト張架部材と、
前記ステアリングローラーに対する前記中間転写体の巻き付き量及び前記中間転写体のテンションの変動が抑制されるように、前記像担持体と前記中間転写体との圧着形態に対応して、前記ベルト張架部材の張架態様を変更させる制御部と、
を備える画像形成装置である。
【0014】
又、他の局面では、
トナー像を担持可能な像担持体を有する画像形成部と、
前記像担持体に対向する位置に配設され、前記像担持体と圧着して前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体が掛け渡され、前記中間転写体の幅方向の位置を調整するステアリングローラーと、
前記中間転写体に形成された画像を用紙に転写するための転写ニップよりベルト回転方向下流側、且つ、前記ステアリングローラーよりベルト回転方向上流側において、前記中間転写体を張架するベルト張架部材と、を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記ステアリングローラーに対する前記中間転写体の巻き付き量及び前記中間転写体のテンションの変動が抑制されるように、前記像担持体と前記中間転写体との圧着形態に対応して、前記ベルト張架部材の張架態様を変更させる、
制御方法である。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る画像形成装置によれば、中間転写ベルトの寄り速度の変動を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成を示す図
【
図3】本発明の一実施形態に係る中間転写ユニットの構成を示す図
【
図4】本発明の一実施形態に係るステアリングローラーの構成を示す図
【
図5A】感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態の一例を示す図
【
図5B】感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態の一例を示す図
【
図5C】感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態の一例を示す図
【
図5D】感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態の一例を示す図
【
図5E】感光体から中間転写ベルトへの1次転写の圧着形態の一例を示す図
【
図6】本発明の一実施形態に係る制御部がベルト張架部材を移動させる際のベルト張架部材の移動量を示す図
【
図7】本発明の一実施形態に係る制御部による中間転写ユニットの制御フローを示す図
【
図8】変形例に係る中間転写ユニットの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
[画像形成装置の構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例について、
図1、
図2を参照して説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、及び特色(ここでは、ホワイト)の5色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。
【0021】
画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ユニット50と、2次転写部60と、定着部80と、制御部100とを有する。
【0022】
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラー12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラー15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラー12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラー15は、複数のローラー12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
【0023】
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部60に搬送される。又、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
【0024】
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
【0025】
又、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、制御部100のRAM103(
図2を参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
【0026】
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と中間転写ユニット50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(ここでは、クリアトナー)の各色のトナー像を形成するために、5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zを有する。
【0027】
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。又、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成し、第5の画像形成ユニット40Zは、ホワイトのトナー像を形成する。これら5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
【0028】
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モーターによって回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行うことにより感光体41上に静電潜像を形成する。
【0029】
現像部44は、トナーを用いて感光体41上に形成された静電潜像を現像する。この現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。
【0030】
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。そして、第5の画像形成ユニット40Zの現像部44は、感光体41にホワイトのトナーを付着させる。
【0031】
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
【0032】
中間転写ユニット50は、中間転写ベルト51と、中間転写ベルト51が掛け渡される複数のローラー(
図3を参照して後述する駆動ローラー55、2次転写上ローラー56、従動ローラー57、ステアリングローラー58、ベルト張架部材59)とを有している。
【0033】
又、中間転写ベルト51における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zの感光体41と対向する位置には、1次転写ローラー52(52Y,52M,52C,52K,52Z(
図3を参照))が設けられている。この1次転写ローラー52は、中間転写ベルト51にトナーと反対の極性の電圧を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト51に転写する。
【0034】
そして、中間転写ベルト51が回転駆動することで、中間転写ベルト51の表面には、5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト51の表面上には、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック及び特色のトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
【0035】
中間転写ベルト51の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向下流には、2次転写部60が配置されている。2次転写部60は、搬送部23によって送られてきた用紙Sを中間転写ベルト51に接触させて、中間転写ベルト51の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する。
【0036】
2次転写部60は、2次転写下ローラー61を有している。2次転写下ローラー61は、中間転写ユニット50の複数のローラー(中間転写ベルト51が掛け渡された複数のローラー)のうちの1つである2次転写上ローラー56に圧接されている。そして、2次転写下ローラー61と2次転写上ローラー56とによって、2次転写ニップ部62が構成されている。2次転写ニップ部62は、中間転写ベルト51の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する転写位置である。
【0037】
2次転写部60における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。定着部80は、用紙Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙Sに定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラー81及び定着下ローラー82で構成されている。定着上ローラー81及び定着下ローラー82は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラー81と定着下ローラー82との圧接部として定着ニップ部が形成される。
【0038】
定着上ローラー81の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラー81のローラー部が温められる。そして、定着上ローラー81のローラー部の熱が用紙Sへ伝達されることにより、用紙S上のトナー画像が熱定着される。
【0039】
用紙Sは、2次転写部60によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラー81と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙Sには、定着上ローラー81と定着下ローラー82とによる加圧と、定着上ローラー81のローラー部の熱による加熱が行われる。
【0040】
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラー25によって排紙される。又、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
【0041】
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転された用紙Sは、一対の排紙ローラー25によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。尚、一対の排紙ローラー25のベルト回転方向下流側には、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置が配置されてもよい。
【0042】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の制御系の構成を示す図である。
【0043】
制御部100は、画像形成装置1の各部を統括制御する。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を含んで構成される。そして、制御部100は、CPU101が、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。
【0044】
制御部100は、
図1を参照して説明した画像形成装置1の各部(画像読取部30、画像形成部40、給紙部21、定着部80、及び、中間転写ユニット50)の他、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりするHDD(Hard disk drive)104、液晶表示装置(LCD)等のタッチパネルである操作表示部105、及び、外部の情報処理装置であるPC(パーソナルコンピュータ)120と通信接続された通信部108等に、システムバス107を介して接続されている。
【0045】
制御部100は、通信部108を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。
【0046】
尚、中間転写ユニット50は、自身の動作を制御するための制御機構として、ベルト端部検出部110(
図4を参照)、駆動ローラー回転機構121、1次転写ローラー移動機構72(
図3を参照)、ステアリングローラー移動機構123(
図4を参照)、及び、ベルト張架部材移動機構59a(
図3を参照)を有している。制御部100は、中間転写ユニット50のこれらの構成とも通信接続されており、これらを制御したり、これらからデータを受信したりする。
【0047】
[中間転写ユニットの構成]
次に、中間転写ユニット50の構成について、
図3~
図7を参照して説明する。
【0048】
図3は、本実施形態に係る中間転写ユニット50の構成を示す図である。
【0049】
中間転写ユニット50は、中間転写ベルト51、駆動ローラー55、2次転写上ローラー56、従動ローラー57、ステアリングローラー58、ベルト張架部材59、ベルトクリーニング装置54、1次転写ローラー52、ベルト端部検出部110、駆動ローラー回転機構121、1次転写ローラー移動機構72、ステアリングローラー移動機構123、及び、ベルト張架部材移動機構59aを有する。尚、
図3では、ベルト端部検出部110、及び駆動ローラー回転機構121の図示を省略している。
【0050】
中間転写ベルト51は、無端状ベルトで構成され、駆動ローラー55、2次転写上ローラー56、従動ローラー57、ステアリングローラー58、及び、ベルト張架部材59にループ状に掛け渡されている。
【0051】
駆動ローラー55は、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K,52Zのベルト回転方向下流側に配置されており、不図示のローラー支持部に回転可能に支持されている。駆動ローラー55には、駆動ローラー回転機構121(
図2を参照)(例えば、駆動モーター)が接続され、当該駆動ローラー回転機構121によって動作制御されている。駆動ローラー55が回転すると、中間転写ベルト51は、感光体41の回転方向に対して逆方向に回転駆動する。
【0052】
2次転写上ローラー56は、駆動ローラー55のベルト回転方向(中間転写ベルト51の回転方向を意味する。以下同じ)下流側に配設されており、不図示のローラー支持部に回転可能に支持されている。又、2次転写上ローラー56は、中間転写ベルト51を挟んで、2次転写部60の2次転写下ローラー61に対向する位置に配設されている。
【0053】
従動ローラー57(本発明の「支持ローラー」に相当)は、支持位置が固定されたローラー支持部(図示せず)に、回転可能に支持されたローラーであり、中間転写ベルト51のベルト回転方向に沿って複数個設けられている。ここでは、従動ローラー57は、ステアリングローラー58のベルト回転方向上流側及びベルト回転方向下流側それぞれに隣接する位置、ベルト張架部材59のベルト回転方向上流側及びベルト回転方向下流側それぞれに隣接する位置等に設けられている。
【0054】
ベルト張架部材59は、感光体41から中間転写ベルト51への1次転写の圧着形態が変化した際における、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量(
図3のθd)、及び、中間転写ベルト51のテンションの変動を抑制するべく設けられている。ベルト張架部材59は、2次転写上ローラー56よりベルト回転方向下流側(ここでは、ベルトクリーニング装置54よりもベルト回転方向下流側)で、且つ、ステアリングローラー58よりベルト回転方向上流側の位置に、移動可能に配設されている。
【0055】
ベルト張架部材59は、例えば、中間転写ベルト51の外面側において、中間転写ベルト51の外面と接触するように配設され、中間転写ベルト51の回転と共に回動するローラー部材である。ベルト張架部材59は、例えば、ベルト張架部材59を支持するベルト張架部材支持部59aa、ベルト張架部材59の移動をガイドするベルト張架部材ガイド部59ab、及び、駆動部(例えば、モーター等)を含んで構成されるベルト張架部材移動機構59aによって、移動可能に配設されている。そして、ベルト張架部材59は、自身の移動に伴って、ベルト張架部材59が中間転写ベルト51を外側から内側に押し込む押し込み量が変更されるように、配設されている。尚、ベルト張架部材59のベルト回転方向上流側及びベルト回転方向下流側それぞれの隣接位置には、支持位置が固定された一対の従動ローラー57が配設されている。
【0056】
ベルト張架部材59は、例えば、ベルト張架部材移動機構59aが制御部100により駆動されることによって移動制御されている。
【0057】
ベルトクリーニング装置54は、用紙Sへのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト51の表面を清掃する。ベルトクリーニング装置54は、2次転写上ローラー56のベルト回転方向下流側で、且つ、ベルト張架部材59よりベルト回転方向上流側の位置に配設されている。
【0058】
ステアリングローラー58は、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K,52Zのうちの最上流に位置する1次転写ローラー52Yのベルト回転方向上流側に配置されている。又、ステアリングローラー58のベルト回転方向上流側及びベルト回転方向下流側それぞれの隣接位置には、支持位置が固定された一対の従動ローラー57が配設されている。
【0059】
図4は、一実施形態に係るステアリングローラー58の構成を示す図である。
【0060】
ステアリングローラー58は、中間転写ベルト51の幅方向の位置(
図4の矢印W1)を調整する。ステアリングローラー58の一端部58aは、ローラー支持部材171に支持されており、他端部58bは、ステアリングローラー移動機構123(
図2を参照)に接続されている。
【0061】
ステアリングローラー移動機構123は、ステアリングローラー58の一端部58aを支点として、ステアリングローラー58の他端部58bを、円を描く回動方向θaへ変位させる。この他端部58bの変位により、ステアリングローラー58が一端部58aを支点に回動し、中間転写ベルト51の幅方向の位置を移動させるステアリング調整が行われる。例えば、ステアリングローラー58の他端部58bを回動方向θaに沿って一方に変位させると、中間転写ベルト51の幅方向の位置がステアリングローラー58の一端部58a側に移動する。又、ステアリングローラー58の他端部58bを回動方向θaに沿って他方に変位させると、中間転写ベルト51の幅方向の位置がステアリングローラー58の他端部58b側に移動する。
【0062】
ステアリングローラー移動機構123は、制御部100により制御される。制御部100は、例えば、ベルト端部検出部110の検出結果に基づいて、中間転写ベルト51の幅方向の位置が基準位置に一致するように、ステアリングローラー58における他端部58bの位置を決定する。そして、制御部100は、ステアリングローラー移動機構123を駆動制御し、ステアリングローラー58における他端部58bを決定した位置に配置させる。
【0063】
又、ステアリングローラー58は、中間転写ベルト51に張力を付与するテンションローラーとしての機能も有している。本実施形態では、ステアリングローラー58をバネ部材58t(
図3を参照)によって上方に付勢し、中間転写ベルト51に張力を付与している。尚、中間転写ベルト51に張力を付与する構造としては、バネ部材58tの他、通常のテンションローラーに適用する構造を採用することもできる。
【0064】
ベルト端部検出部110は、中間転写ベルト51の近傍に配置されており、中間転写ベルト51の端部51a,51bの位置を検出するセンサとして機能する。ベルト端部検出部110は、ベース部111と、ベース部111に回動可能に取り付けられ、中間転写ベルト51を幅方向に挟んで配置された2つのレバー112,113と、を含んで構成される。
【0065】
ベルト端部検出部110は、中間転写ベルト51の幅方向の一方の端部51a及び他方側の端部51bそれぞれと接触するレバー112,113の回動角度θb,θcを検出し、これによって、中間転写ベルト51の幅方向の位置を検出する。そして、ベルト端部検出部110は、この検出結果を後述する制御部100へ送信する。
【0066】
制御部100の後述するROM102には、例えば、中間転写ベルト51の端部51a,51bが適正位置であるときの回動角度θb,θcの値である基準値が設定されている。そして、制御部100は、回動角度θb,θcが基準値から変化したときに、中間転写ベルト51の端部51a,51bが適正位置でないと判定する。そして、制御部100は、回動角度θb,θcの基準値からの変化量を中間転写ベルト51の端部51a,51bの変位量に換算し、中間転写ベルト51の端部51a,51bの位置を検知する。
【0067】
図3に戻って、中間転写ベルト51の姿勢制御について、説明する。
【0068】
感光体41から中間転写ベルト51への1次転写の圧着形態(即ち、中間転写ベルト51と感光体41との圧離形態)は、中間転写ベルト51の内側に設けられた1次転写ローラー移動機構72の動作によって変更される。
【0069】
1次転写ローラー移動機構72は、各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zの感光体41に対向する位置に設けられた5つの1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K,52Zを移動させる。1次転写ローラー移動機構72は、例えば、第1ローラー支持部73、第2ローラー支持部74、第3ローラー支持部75、第1ガイド部73a、第2ガイド部74a、第3ガイド部75a、及び、駆動部(図示せず)を有している。
【0070】
第1ローラー支持部73は、1次転写ローラー52Y,52M,52Cを回転可能に支持する。第1ローラー支持部73には、3つのニップ形成ローラー53Y,53M,53Cが回転可能に取り付けられている。3つのニップ形成ローラー53Y,53M,53Cは、それぞれ3つの1次転写ローラー52Y,52M,52Cの上方に配置されており、中間転写ベルト51が画像形成ユニット40Y,40M,40Cの感光体41に巻き掛けられる面積を規定する。第1ローラー支持部73は、第1ガイド部73aに沿って移動するように構成され、1次転写ローラー52Y,52M,52C及びニップ形成ローラー53Y,53M,53Cを画像形成ユニット40Y,40M,40Cの感光体41に対して接近及び離反させる。
【0071】
第2ローラー支持部74は、1次転写ローラー52Kを回転可能に支持する。この第2ローラー支持部74には、ニップ形成ローラー53Kが回転可能に取り付けられている。ニップ形成ローラー53Kは、1次転写ローラー52Kの上方に配置されており、中間転写ベルト51が画像形成ユニット40Kの感光体41に巻き掛けられる面積を規定する。第2ローラー支持部74は、第2ガイド部74aに沿って移動するように構成され、1次転写ローラー52K及びニップ形成ローラー53Kを画像形成ユニット40Kの感光体41に対して接近及び離反させる。
【0072】
第3ローラー支持部75は、1次転写ローラー52Zを回転可能に支持する。この第3ローラー支持部75には、ニップ形成ローラー53Zが回転可能に取り付けられている。ニップ形成ローラー53Zは、1次転写ローラー52Zの上方に配置されており、中間転写ベルト51が画像形成ユニット40Zの感光体41に巻き掛けられる面積を規定する。第3ローラー支持部75は、第3ガイド部75aに沿って移動するように構成され、1次転写ローラー52Z及びニップ形成ローラー53Zを画像形成ユニット40Zの感光体41に対して接近及び離反させる。
【0073】
1次転写ローラー移動機構72を駆動する駆動部は、第1ローラー支持部73、第2ローラー支持部74、及び、第3ローラー支持部75それぞれを独立して駆動する。かかる駆動部としては、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構と、このラック・アンド・ピニオン機構のピニオンを回転させるモーターとから構成することができる。尚、かかる駆動部は、制御部100により駆動制御され、これにより、中間転写ベルト51の一部が感光体41に対して接触又は離反し、感光体41から中間転写ベルト51への1次転写の圧着形態が変化することになる。
【0074】
図5A~
図5Eは、感光体41から中間転写ベルト51への1次転写の圧着形態の一例を示す図である。
【0075】
図5Aは、画像形成装置1にて、用紙Sに画像を形成しないときの1次転写の圧着形態を示す図である。
図5Bは、画像形成装置1にて、用紙Sに対して、単色画像(ここでは、ブラック画像)を形成するときの1次転写の圧着形態を示す図である。
図5Cは、画像形成装置1にて、用紙Sに対して、特色付きの単色画像(ここでは、光沢を形成するホワイト画像が重畳されたブラック画像)を形成するときの1次転写の圧着形態を示す図である。
図5Dは、画像形成装置1にて、用紙Sに対して、カラー画像(ここでは、Y,M,C,Kの混合画像)を形成するときの1次転写の圧着形態を示す図である。
図5Eは、画像形成装置1にて、用紙Sに対して、特色付きのカラー画像(ここでは、光沢を形成するホワイト画像が重畳されたY,M,C,Kの混合画像)を形成するときの1次転写の圧着形態を示す図である。
【0076】
画像形成装置1が用紙Sに画像を形成していないとき、1次転写ローラー移動機構72は、中間転写ベルト51の姿勢を、
図5Aに示す解除状態(以下、「1次転写解除状態」とも称する)にする。このとき、1次転写ローラー移動機構72は、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K,52Z及びニップ形成ローラー53Y,53M,53C,53K,53Zが、中間転写ベルト51の内面から離れ、中間転写ベルト51が、画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zの感光体41から離れた状態とする。
【0077】
画像形成装置1が用紙Sに単色画像を形成するとき、1次転写ローラー移動機構72は、中間転写ベルト51の姿勢を、1次転写解除状態から、
図5Bに示す圧着形態(以下、「K圧着状態」とも称する)に変更する。このとき、1次転写ローラー移動機構72は、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52Z及びニップ形成ローラー53Y,53M,53C,53Zが、中間転写ベルト51の内面から離れ、1次転写ローラー52K及びニップ形成ローラー53Kが、中間転写ベルト51の内面を押圧した状態とする。
【0078】
又、画像形成装置1が用紙Sに特色付きの単色画像を形成するとき、1次転写ローラー移動機構72は、中間転写ベルト51の姿勢を、1次転写解除状態から、
図5Cに示す圧着形態(以下、「K+特色圧着状態」とも称する)に変更する。このとき、1次転写ローラー移動機構72は、1次転写ローラー52Y,52M,52C及びニップ形成ローラー53Y,53M,53Cが、中間転写ベルト51の内面から離れ、1次転写ローラー52K,52Z及びニップ形成ローラー53K,53Zが、中間転写ベルト51の内面を押圧した状態とする。
【0079】
又、画像形成装置1が用紙Sにカラー画像を形成するとき、1次転写ローラー移動機構72は、中間転写ベルト51の姿勢を、1次転写解除状態から、
図5Dに示す圧着形態(以下、「YMC+K圧着状態」とも称する)に変更する。このとき、1次転写ローラー移動機構72は、1次転写ローラー52Z及びニップ形成ローラー53Zが、中間転写ベルト51の内面から離れ、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K及びニップ形成ローラー53Y,53M,53C,53Kが、中間転写ベルト51の内面を押圧した状態とする。
【0080】
又、画像形成装置1が用紙Sに特色付きのカラー画像を形成するとき、1次転写ローラー移動機構72は、中間転写ベルト51の姿勢を、1次転写解除状態から、
図5Eに示す圧着形態(以下、「YMC+K+特色圧着状態」とも称する)に変更する。このとき、1次転写ローラー移動機構72は、1次転写ローラー52Y,52M,52C,52K,52Z及びニップ形成ローラー53Y,53M,53C,53K,53Zが、中間転写ベルト51の内面を押圧した状態とする。
【0081】
図5A~
図5Eから分かるように、感光体41から中間転写ベルト51への1次転写の圧着形態を変更する際には、側面視で、リング状の中間転写ベルト51の一方側(
図5A~
図5Eでは右側)(以下、「中間転写ベルト51の右側ベルト位置」と称する)を、拡張させたり、縮小させたりすることになる。この際、仮に、ベルト張架部材59の位置を固定したままとすると、中間転写ベルト51の姿勢の変化に伴って、ステアリングローラー58の位置が上下し、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量、及び中間転写ベルト51のテンションが変化することになる。そして、これにより、中間転写ベルト51の寄り速度が変動することになる。
【0082】
本実施形態に係る画像形成装置1においては、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量(
図3のθd)の変化及び中間転写ベルト51のテンションの変化を抑制するべく、ベルト張架部材59を、1次転写の圧着形態に応じて移動させる。
【0083】
[ベルト張架部材の移動制御]
図6は、本実施形態に係る制御部100がベルト張架部材59を移動させる際のベルト張架部材59の移動量を示す図である。
【0084】
図6では、1次転写解除状態(
図5A)から、
図5B~
図5Eそれぞれの1次転写の圧着形態に変更する場合に、制御部100がベルト張架部材59を基準位置(ここでは、1次転写解除状態におけるベルト張架部材59の位置)から移動させる移動量を示している。尚、ここで言う「移動量」とは、中間転写ベルト51のテンションを変化させる方向への移動量であり、
図3の態様では、中間転写ベルト51に対するベルト張架部材59の押し込み量を変化させる方向への移動量に相当する(
図5A~
図5Eを参照)。
【0085】
ベルト張架部材59の移動量は、例えば、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量、及び中間転写ベルト51のテンションが、1次転写の圧着形態が変化した場合にも一定に維持されるように設定されている。ベルト張架部材59の移動量は、典型的には、1次転写の圧着形態毎に設定される。
【0086】
例えば、1次転写解除状態(
図5A)からK圧着状態(
図5B)に変更した場合には、1次転写解除状態からの中間転写ベルト51の右側ベルト位置の拡張度合いが小さいため、中間転写ベルト51のテンションの変化も小さい。そのため、中間転写ベルト51のテンションを一定に維持するために必要となるベルト張架部材59の移動量は、小さい。
【0087】
一方、1次転写解除状態(
図5A)からYMC+K+特色圧着状態(
図5E)に変更した場合には、1次転写解除状態からの中間転写ベルト51の右側ベルト位置の拡張度合いが大きいため、中間転写ベルト51のテンションの変化も大きくなる。そのため、中間転写ベルト51のテンションを一定に維持するために必要となるベルト張架部材59の移動量も、大きくなる。
【0088】
つまり、ベルト張架部材59の移動量は、1次転写解除状態からの中間転写ベルト51の右側ベルト位置の拡張度合いが大きくなるにつれて、大きくなるように設定されている。尚、ここでは、ベルト張架部材59の移動量は、YMC+K+特色圧着状態(
図5E)のときが最大に設定され、YMC+K圧着状態(
図5D)のときが2番目に大きく設定され、K+特色圧着状態(
図5C)のときが3番目に大きく設定され、K圧着状態(
図5B)のときが最小となるように設定されている。
【0089】
このように、本実施形態に係る画像形成装置1においては、ベルト張架部材59の移動により、中間転写ベルト51のテンションが、1次転写の圧着形態の変更の前後で、常時、略一定に維持される。そして、ステアリングローラー58は、支持位置が固定された一対の従動ローラー57の間に配設されているため、中間転写ベルト51のテンションが一定に維持された場合、ステアリングローラー58の上下動は抑制される。その結果として、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量も一定に維持されることになる。そして、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションが一定に維持されることによって、中間転写ベルト51の寄り速度も一定に維持されることになる。
【0090】
図6のベルト張架部材59の移動量に係るデータは、例えば、1次転写の圧着形態と関連付けて、予めROM103等に記憶されている。そして、制御部100は、1次転写の圧着形態を変更する際に、当該移動量に係るデータを読み出して、1次転写の圧着形態を変更するタイミングとあわせて、ベルト張架部材59を移動させる。
【0091】
尚、本実施形態では、ベルト張架部材59の好ましい移動態様として、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションが、常時、一定に維持されるように、ベルト張架部材59を移動させる態様を示している。しかしながら、実際には、特色がホワイトカラーの場合(例えば、K+特色圧着状態)等においては、中間転写ベルト51の寄り速度の変動に伴って、ホワイトカラーに色ずれが生じても、最終的に用紙Sに転写される画像の視認性の点では特段影響はない。従って、ベルト張架部材59を移動させるための待機時間を省略する観点等から、制御部100は、色ずれが問題とならない1次転写の圧着形態については、ベルト張架部材59の移動を実行しなくともよい。
【0092】
但し、YMCKの色ずれを防止する観点から、中間転写ベルト51の寄り速度は、少なくともYMC+K圧着状態(
図5D)のときと、YMC+K+特色圧着状態(
図5E)のときとの間で、同一となるのが好ましい。そのため、ベルト張架部材59の移動量は、YMC+K圧着状態(
図5D)のときと、YMC+K+特色圧着状態(
図5E)のときとの間で、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションが、一定に維持されるように設定されるのが好ましい。
【0093】
他方、中間転写ベルト51の寄り速度の変動を抑制する必要度合いは、画像形成装置1の装置構成に依拠し、又、装置構成上、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションを完全に一定にするのが困難な場合も存在する。かかる観点から、ベルト張架部材59の移動量は、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションの変動幅が、所定の範囲内に収まる程度に設定されればよい。
【0094】
尚、本実施形態において、ベルト張架部材59の配設位置を、2次転写上ローラー56よりベルト回転方向下流側で、且つ、ステアリングローラー58よりベルト回転方向上流側の位置としているのは、ベルト張架部材59の移動に伴って、1次転写のプロセス及び2次転写のプロセスで画質劣化が生じることを防止するためである。
【0095】
具体的には、中間転写ベルト51が感光体41に対して適正な位置となるように調整する必要性から、ステアリングローラー58の配設位置は、1次転写ローラー52のベルト回転方向上流側の1次転写ローラー52(ここでは、52Y)と近接しているのが好ましい。仮に、ベルト張架部材59の配設位置を、ステアリングローラー58と1次転写ローラー52との間に設定した場合、ベルト張架部材59の移動に伴って、1次転写ローラー52の位置において中間転写ベルト51の位置ずれが発生し、1次転写のプロセスで画質劣化が生じるおそれがある。
【0096】
一方、2次転写タイミングを適正に維持するためには、2次転写上ローラー56と1次転写ローラー52との間の距離が変動することは、好ましくない。仮に、ベルト張架部材59の配設位置を、1次転写ローラー52と2次転写上ローラー56との間に設定した場合、ベルト張架部材59の移動に伴って、1次転写の圧着形態毎に2次転写上ローラー56と1次転写ローラー52との間の距離が変動し、2次転写のプロセスで画質劣化が生じるおそれがある。
【0097】
この点、ベルト張架部材59の配設位置を、ステアリングローラー58よりベルト回転方向上流側で、且つ、ステアリングローラー58よりベルト回転方向上流側の位置とすることによって、1次転写のプロセス及び2次転写のプロセスに及ぼす影響を最小限に抑えることが可能である。
【0098】
又、更に、ベルト張架部材59の配設位置を、
図3に示すように、ベルトクリーニング装置54のベルト回転方向下流側に設定することによって、ベルト張架部材59と中間転写ベルト51との摺動に伴って、中間転写ベルト51に付着した残トナーが飛散することを防止することも可能である。
【0099】
図7は、本実施形態に係る制御部100による中間転写ユニット50の制御フローを示す図である。
【0100】
ステップS1において、制御部100は、ユーザ等から画像形成指令を受け付けた場合、まず、駆動ローラー回転機構121の駆動により中間転写ベルト51の回転を開始すると共に、感光体回転機構(図示せず)の駆動により感光体41の回転を開始する。
【0101】
ステップS2において、制御部100は、ベルト姿勢変更部(1次転写ローラー移動機構72)を制御して、中間転写ベルト51及び感光体41を、当該画像形成指令に依拠した1次転写の圧着形態に変更する。本実施形態では、制御部100は、当該画像形成指令に基づいて、中間転写ベルト51及び感光体41を、K圧着状態(
図5B)、K+特色圧着状態(
図5C)、YMC+K圧着状態(
図5D)、又は、YMC+K+特色圧着状態(
図5E)のいずれかの圧着状態へと変更する。
【0102】
ステップS3において、制御部100は、当該画像形成指令が規定する1次転写の圧着形態に基づいて、ベルト張架部材59の配設位置(即ち、ベルト張架部材59の移動量)を決定する。そして、制御部100は、ベルト張架部材移動機構59aを制御して、決定した位置に、ベルト張架部材59を移動させる。尚、ベルト張架部材59の配設位置に係るデータは、
図6のように、予め1次転写の圧着形態と関連付けてROM103等に記憶されており、制御部100は、当該データをROM103等から読み出して、ベルト張架部材59を移動させる。
【0103】
尚、
図7のフローチャートでは、1次転写の圧着形態を変更した後に、ベルト張架部材59を移動させる態様としているが、制御部100が、ベルト張架部材59を移動させるタイミングとしては、感光体41から中間転写ベルト51に対して1次転写が実行される前であれば、1次転写の圧着形態が変更されるタイミングと同時又はその直前又はその直後であってもよい。これは、感光体41から中間転写ベルト51に対して1次転写が実行される前であれば、中間転写ベルト51の寄り速度の変動に伴う色ずれが生じないためである。又、感光体41から中間転写ベルト51に対して1次転写が実行される前のタイミングは、用紙Sが2次転写上ローラー56の位置に搬送される前のタイミングであるため、用紙Sから受ける衝撃が小さく、ステアリングローラー58の制御破綻が生じるおそれもない。
【0104】
ステップS4において、制御部100は、中間転写ベルト51を一周分以上回転させ、その間に中間転写ベルト51のステアリング制御を実行する。
【0105】
尚、このステップS4は、1次転写の圧着形態の変化に伴って不安定になった中間転写ベルト51の幅方向の位置を、安定化するための待機処理である。このステップS4で、制御部100は、中間転写ベルト51を一周分以上に亘って、中間転写ベルト51のステアリング制御することによって、中間転写ベルト51の端面(即ち、中間転写ベルト51の幅)の中間転写ベルト51の回転方向におけるバラつきを考慮して、中間転写ベルト51のステアリング制御を行うことが可能となる。例えば、制御部100は、PID制御を用いた中間転写ベルト51のステアリング制御により、中間転写ベルト51の端面の1周分の平均値を使用して、中間転写ベルト51の幅方向の位置調整を行うことができる。
【0106】
ステップS5において、制御部100は、用紙Sに対する画像形成を行う。尚、このステップS5では、制御部100は、まず、感光体41から中間転写ベルト51に対して、1次転写を実行させる。そして、制御部100は、2次転写部60の位置に用紙Sを搬送させると共に、中間転写ベルト51から、用紙Sに対して2次転写を実行させる。
【0107】
ステップS6において、制御部100は、ベルト張架部材移動機構59aを制御して、ベルト張架部材59を元の位置(即ち、1次転写解除状態の位置)に移動させる。
【0108】
ステップS7において、制御部100は、ベルト姿勢変更部(1次転写ローラー移動機構72)を制御して、中間転写ベルト51と感光体41とを離間させ、1次転写解除状態とする。
【0109】
ステップS8において、制御部100は、駆動ローラー回転機構121等の制御により、中間転写ベルト51及び感光体41の回転を停止する。
【0110】
以上のような一連の処理によって、制御部100は、用紙Sに対して、画像形成を行う。
【0111】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、
トナー像を担持可能な感光体41(即ち、像担持体)を有する画像形成部40と、
像担持体に対向する位置に配設され、像担持体と圧着してトナー像が転写される中間転写ベルト51(即ち、中間転写体)と、
中間転写ベルト51が掛け渡され、中間転写ベルト51の幅方向の位置を調整するステアリングローラー58と、
中間転写ベルト51に形成された画像を用紙に転写するための転写ニップよりベルト回転方向下流側、且つ、ステアリングローラー58よりベルト回転方向上流側において、中間転写ベルト51を張架するベルト張架部材59と、
ステアリングローラー59に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションの変動が抑制されるように、感光体41と中間転写ベルト51との圧着形態に対応して、ベルト張架部材59の張架態様を変更させる制御部100と、
を備えている。
【0112】
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、1次転写の圧着形態を変更した際にも、ステアリングローラー58の寄り速度が変動することを抑制することが可能である。そして、ステアリングローラー58の寄り速度の変動を抑制することで、中間転写ベルト51に転写された画像において、中間転写ベルト51の幅方向で色ずれが発生したり、ステアリングローラー58の制御において、制御破綻が発生したりすることを抑制することが可能となる。
【0113】
尚、本実施形態に係る画像形成装置1は、1次転写の圧着形態毎に、ステアリングローラー58の制御を変更することなく、ステアリングローラー58の寄り速度の変動を抑制することができる点でも、有用である。例えば、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、1次転写の圧着形態毎に、ステアリングローラー58のアライメント調整量(ここでは、中間転写ベルト51の単位位置ずれ量当たりのステアリングローラー58の傾け角を意味する)を微調整する処理も不要とできる。
【0114】
(変形例)
図8は、変形例に係る中間転写ユニット50の構成を示す図である。
図8に示す中間転写ユニット50では、ベルト張架部材59が中間転写ベルト51の内面側に設けられている点で、
図3に示した中間転写ユニット50と相違する。
【0115】
変形例に係る中間転写ユニット50では、ベルト張架部材59は、1次転写の圧着形態が変更した際、中間転写ベルトを内側から外側に向かって押し広げるようにして、1次転写の圧着形態を変更する毎に生ずる、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量の変化及び中間転写ベルト51のテンションの変化を抑制する。この際のベルト張架部材59の移動量の設定方法は、上記実施形態と同様である。
【0116】
このように、ベルト張架部材59は、中間転写ベルト51の外面側に設けられてもよいし、中間転写ベルト51の内面側に設けられてもよい。
【0117】
但し、より好ましくは、ベルト張架部材59の配設位置は、
図3のように、中間転写ベルト51の外面側とする。これは、ベルト張架部材59を、中間転写ベルト51の外面側に配設することによって、ベルト張架部材59を移動させた際における、中間転写ベルト51の外側方向への拡張を抑制できるためである。これによって、中間転写ベルト51が画像形成装置内の他の部材と衝突することを防止するために、余剰スペースを確保する必要がなくなり、画像形成装置全体としての省スペース化を図ることができる。
【0118】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
【0119】
例えば、上記実施形態では、ベルト張架部材59の一例として、ローラー部材を示した。しかしながら、本発明に係るベルト張架部材59は、中間転写ベルト51に掛け渡され、自身の移動によって、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションの変動を抑制可能とする部材であればよい。かかる部材としては、例えば、中間転写ベルト51の内面又は外面に接触する円弧状の周面をする非回転部材であってもよい。但し、中間転写ベルト51が摺動する際の円滑性を確保する観点、及び、中間転写ベルト51の摩耗を抑制する観点から、ベルト張架部材59としては、ローラー部材が好ましい。
【0120】
又、上記実施形態では、ベルト張架部材59の一例として、1個の部材(上記実施形態では、ローラー部材)のみで構成する態様を示した。しかしながら、本発明に係るベルト張架部材59は、移動態様が互いに異なる複数の部材で構成されてもよい。その場合、例えば、ベルト張架部材59を構成する複数の部材の移動態様の調整により、ステアリングローラー58に隣接して従動ローラー57を配設することなく、ステアリングローラー58に対する中間転写ベルト51の巻き付き量及び中間転写ベルト51のテンションを、常時一定に維持することも可能である。
【0121】
又、上記実施形態では、ベルト張架部材59を移動させるためのベルト張架部材移動機構59a、及び、1次転写ローラー52を移動させるための1次転写ローラー移動機構72aの一例を示したが、これらの移動機構は、種々に任意である。例えば、ベルト張架部材移動機構59aとして、プーリ機構や、アクチュエーター等が用いられてもよい。
【0122】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示に係る画像形成装置によれば、中間転写ベルトの寄り速度の変動を抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 画像形成装置
10 原稿搬送部
20 用紙収納部
30 画像読取部
40 画像形成部
41 感光体
42 帯電部
43 露光部
44 現像部
45 クリーニング部
50 中間転写ユニット
51 中間転写ベルト
52 1次転写ローラー
53 ニップ形成ローラー
54 ベルトクリーニング装置
55 駆動ローラー
56 2次転写上ローラー
57 従動ローラー
58 ステアリングローラー
58t バネ部材
59 ベルト張架部材
59a ベルト張架部材移動機構
59aa ベルト張架部材支持部
59ab ベルト張架部材ガイド部
60 2次転写部
61 2次転写下ローラー
72 1次転写ローラー移動機構
73 第1ローラー支持部
73a 第1ガイド部
74 第2ローラー支持部
74a 第2ガイド部
75 第3ローラー支持部
75a 第3ガイド部
80 定着部
100 制御部
110 ベルト端部検出部
121 駆動ローラー回転機構
123 ステアリングローラー移動機構
S 用紙