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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】空中表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20240903BHJP
【FI】
G02B30/56
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020171615
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063376
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】代工 康宏
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/067397(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216619(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/240137(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/030991(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111460412(CN,A)
【文献】特開2014-240960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00-30/60
G09F 9/00
G09G 3/20
H04N 13/00
G03B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子と、前記表示素子の上方に配置されたミラー素子とを含み、前記表示素子は、画像を表示し、前記ミラー素子は、前記表示素子からの光を偏向して、自身の上方に空中像を結像させる、表示モジュールと、
面状の検出領域を形成するようにレーザー光を出射し、前記検出領域内に入る対象物を検出するセンシング装置と、
前記表示モジュールと前記センシング装置とを収容する筐体と、
を具備し、
前記空中像は、前記表示素子の表示面に平行な第1面に結像され、
前記センシング装置は、前記第1面を斜めに横切る第2面に前記検出領域を形成する
空中表示装置。
【請求項2】
前記センシング装置は、
第1方向に並び、前記レーザー光を発光する複数の発光素子と、
前記第1方向に並び、前記対象物で反射した反射光を検出する複数の受光素子とを含む 請求項1に記載の空中表示装置。
【請求項3】
前記複数の発光素子と前記複数の受光素子とは、交互に配置される
請求項2に記載の空中表示装置。
【請求項4】
前記センシング装置は、前記複数の発光素子が向く角度を調節するようにして、前記第1面と前記検出領域とが交差する角度を調整する角度調整機構を含む
請求項3に記載の空中表示装置。
【請求項5】
前記センシング装置は、前記複数の発光素子及び前記複数の受光素子の上方に設けられた複数のレンズを含む
請求項2乃至4の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項6】
前記センシング装置は、前記複数の発光素子、前記複数の受光素子、及び前記複数のレンズを収容するケースを含む
請求項5に記載の空中表示装置。
【請求項7】
前記ミラー素子は、複数の光学要素を含み、
前記複数の光学要素の各々は、直方体又は立方体からなり、互いに接しかつ光を反射する第1及び第2反射面を有する
請求項1乃至6の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項8】
前記ミラー素子により反射されたを、前記第1面に垂直な方向に屈折させる光路偏向素子をさらに具備する
請求項1乃至の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項9】
前記光路偏向素子は、複数のプリズムを含む
請求項に記載の空中表示装置。
【請求項10】
前記表示素子、前記ミラー素子、及び前記光路偏向素子は、互いに平行に配置される
請求項8又は9に記載の空中表示装置。
【請求項11】
前記表示素子と前記ミラー素子との間に配置された第1光制御素子をさらに具備し、
前記第1光制御素子は、複数の第1透明部材と、複数の第1遮光部材とを含み、
前記複数の第1透明部材と前記複数の第1遮光部材とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置され、
前記複数の第1透明部材及び前記複数の第1遮光部材の各々は、前記表示素子の前記表示面に垂直な方向に延びる
請求項乃至10の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項12】
前記表示素子と前記ミラー素子との間に配置された第2光制御素子をさらに具備し、
前記第2光制御素子は、複数の第2透明部材と、複数の第2遮光部材とを含み、
前記複数の第2透明部材と前記複数の第2遮光部材とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置され、
前記複数の第2透明部材及び前記複数の第2遮光部材の各々は、前記表示素子の前記表示面に垂直な方向に対して斜め方向に延びる
請求項乃至10の何れか1項に記載の空中表示装置。
【請求項13】
前記表示素子に向けて照明光を発光する照明素子をさらに具備し、
前記表示素子は、液晶表示素子である
請求項1乃至12の何れか1項に記載の空中表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像や動画などを空中像として表示可能な空中表示装置が研究され、新しいヒューマン・マシン・インターフェースとして期待されている。空中表示装置は、例えば、2面コーナーリフレクタがアレイ状に配列された2面コーナーリフレクタアレイを用いて、表示素子の表示面から出射される光を反射し、空中に実像を結像する(特許文献1を参照)。2面コーナーリフレクタアレイによる表示法は、収差が無く、面対称位置に実像(空中像)が表示される。この空中像を非接触で操作できれば、タッチパネルのように直接触れることなく入力できるため、衛生的な入力が可能である。
【0003】
例えば、空中映像を指先で操作できるシステムが提案されている(非特許文献1を参照)。しかしながら、空中像と同一面をセンシングするためには、空中像近傍にセンサーを設置する必要があり、センサーを筐体内への設置することが困難な場合がある。また、空中像に沿ってセンシングを行うためには、空中像の周囲にセンサーを備えた枠を配置する必要があり、このため筐体が大きくなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-67933号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】独立行政法人情報通信研究機構、“空中映像を操作できるフローティングタッチディスプレイを開発”、[online]、2009年4月15日、[令和2年10月2日検索]、インターネット〈URL : https://www.nict.go.jp/press/2009/04/15-3.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空中像をタッチする操作を検出可能であり、かつ小型化が可能な空中表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によると、空中像を表示するための表示光を出射する光出射面を有し、前記光出射面の上方かつ前記光出射面に平行な第1面に前記空中像を表示する表示モジュールと、前記第1面に対して斜めに交差する第2面に検出領域を形成するようにレーザー光を出射し、前記検出領域内に入る対象物を検出するセンシング装置と、前記表示モジュールと前記センシング装置とを収容する筐体とを具備する空中表示装置が提供される。
【0008】
本発明の第2態様によると、前記センシング装置は、第1方向に並び、前記レーザー光を発光する複数の発光素子と、前記第1方向に並び、前記対象物で反射した反射光を検出する複数の受光素子とを含む、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
【0009】
本発明の第3態様によると、前記複数の発光素子と前記複数の受光素子とは、交互に配置される、第2態様に係る空中表示装置が提供される。
【0010】
本発明の第4態様によると、前記センシング装置は、前記複数の発光素子が向く角度を調節するようにして、前記第1面と前記検出領域とが交差する角度を調整する角度調整機構を含む、第3態様に係る空中表示装置が提供される。
【0011】
本発明の第5態様によると、前記センシング装置は、前記複数の発光素子及び前記複数の受光素子の上方に設けられた複数のレンズを含む、第2乃至4態様の何れかに係る空中表示装置が提供される。
【0012】
本発明の第7態様によると、前記センシング装置は、前記複数の発光素子、前記複数の受光素子、及び前記複数のレンズを収容するケースを含む、第5態様に係る空中表示装置が提供される。
【0013】
本発明の第7態様によると、前記表示モジュールは、前記光出射面に対して斜めに表示光を出射し、画像を表示する表示素子と、前記表示素子から出射された前記表示光を、前記表示素子と反対側に反射するミラー素子と、前記ミラー素子により反射された前記表示光を、前記光出射面に垂直な方向に屈折させる光路偏向素子とを含み、前記表示素子、前記ミラー素子、及び前記光路偏向素子は、互いに平行に配置される、第1乃至6態様の何れかに係る空中表示装置が提供される。
【0014】
本発明の第8態様によると、前記光路偏向素子は、複数のプリズムを含む、第7態様に係る空中表示装置が提供される。
【0015】
本発明の第9態様によると、前記ミラー素子は、複数の光学要素を含み、前記複数の光学要素の各々は、直方体又は立方体からなり、互いに接しかつ光を反射する第1及び第2反射面を有する、第7又は8態様に係る空中表示装置が提供される。
【0016】
本発明の第10態様によると、前記表示素子に向けて照明光を発光する照明素子をさらに具備し、前記表示素子は、液晶表示素子である、第7乃至9態様の何れかに係る空中表示装置が提供される。
【0017】
本発明の第11態様によると、前記表示素子と前記ミラー素子との間に配置された第1光制御素子をさらに具備し、前記第1光制御素子は、複数の第1透明部材と、複数の第1遮光部材とを含み、前記複数の第1透明部材と前記複数の第1遮光部材とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置され、前記複数の第1透明部材及び前記複数の第1遮光部材の各々は、前記光出射面に垂直な方向に延びる、第7乃至10態様の何れかに係る空中表示装置が提供される。
【0018】
本発明の第12態様によると、前記表示素子と前記ミラー素子との間に配置された第2光制御素子をさらに具備し、前記第2光制御素子は、複数の第2透明部材と、複数の第2遮光部材とを含み、前記複数の第2透明部材と前記複数の第2遮光部材とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置され、前記複数の第2透明部材及び前記複数の第2遮光部材の各々は、前記光出射面に垂直な方向に対して斜め方向に延びる、第7乃至10態様の何れかに係る空中表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、空中像をタッチする操作を検出可能であり、かつ小型化が可能な空中表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置の斜視図である。
図2図2は、図1に示した表示モジュールの斜視図である。
図3図3は、図1に示した表示モジュールの側面図である。
図4図4は、照明素子の側面図である。
図5図5は、第1光制御素子の平面図である。
図6図6は、図5のA-A´線に沿った第1光制御素子の断面図である。
図7図7は、第2光制御素子の平面図である。
図8図8は、図7のB-B´線に沿った第2光制御素子の断面図である。
図9図9は、ミラー素子の側面図及び底面図である。
図10図10は、光路偏向素子の平面図である。
図11図11は、光路偏向素子のY方向から見た側面図である。
図12図12は、センシング装置の構成を説明する図である。
図13図13は、空中表示装置のブロック図である。
図14図14は、照明素子から出射された照明光における強度と角度との関係を示すグラフである。
図15図15は、第1光制御素子から出射された表示光における強度と角度との関係を示すグラフである。
図16図16は、第2光制御素子から出射された表示光における強度と角度との関係を示すグラフである。
図17図17は、センシング装置の検出領域を説明する図である。
図18図18は、センシング装置による検出対象物の位置を算出する動作を説明する図である。
図19図19は、センシング装置の動作を説明する図である。
図20図20は、センシング装置の設置位置を説明する模式図である。
図21図21は、空中表示装置の全体動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
[1] 空中表示装置1の構成
図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。図1において、X方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、XY平面に直交する方向(法線方向ともいう)である。空中表示装置1は、筐体2、表示モジュール3、及びセンシング装置4を備える。
【0023】
筐体2は、表示モジュール3、及びセンシング装置4を収容する。筐体2の外形は、直方体である。筐体2は、表示モジュール3の上面(光出射面)を露出する開口部2Aと、センシング装置4から出射された光が通る開口部2Bとを有する。筐体2は、金属、又は樹脂で構成される。
【0024】
表示モジュール3は、画像を表示する装置である。表示モジュール3は、自身の光出射面の上方の空中に、空中像を表示する。空中像とは、空中に結像する実像である。表示モジュール3は、Z方向に間隔を空けて積層された複数の素子を含む。図1では、表示モジュール3を直方体で簡略化して示している。表示モジュール3の詳細については後述する。
【0025】
センシング装置4は、所定の領域に含まれる検出対象物を検出するためのものである。センシング装置4は、所定の方向に向けてレーザー光を出射する。また、センシング装置4は、検出対象物によって反射されたレーザー光を検出する。センシング装置4の詳細については後述する。
【0026】
図2は、図1に示した表示モジュール3の斜視図である。図3は、図1に示した表示モジュール3の側面図である。表示モジュール3は、照明素子(バックライトともいう)10、表示素子20、第1光制御素子30、第2光制御素子40、ミラー素子50、及び光路偏向素子60を備える。照明素子10、表示素子20、第1光制御素子30、第2光制御素子40、ミラー素子50、及び光路偏向素子60は、筐体2内に設けられた支持部材(図示せず)によって、図2の位置に固定される。
【0027】
照明素子10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。
【0028】
表示素子20は、透過型の表示素子である。表示素子20は、例えば液晶表示素子で構成される。表示素子20の駆動モードについては特に限定されず、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、又はホモジニアスモードなどを用いることができる。表示素子20は、照明素子10から出射された照明光を受ける。表示素子20は、照明光を透過して光変調を行う。そして、表示素子20は、その表示面に所望の画像及び/又は動画を表示する。
【0029】
第1光制御素子30は、ゴーストを低減する機能を有する。ゴーストとは、意図しない位置に発生する像であり、また、空中像の近傍に現れる二重画像である。第1光制御素子30は、法線方向を中心として所定の角度範囲以外の光成分を遮光するように構成される。
【0030】
第2光制御素子40は、不要光を低減する機能を有する。不要光とは、空中像を生成するのに寄与しない光成分であり、直線的にミラー素子50を透過する光成分である。第2光制御素子40は、法線方向に対して斜め方向を中心として所定の角度範囲以外の光成分を遮光するように構成される。
【0031】
ミラー素子50は、底面側から入射した光を上面側に反射する。また、ミラー素子50は、入射光を面対称に反射する。そして、ミラー素子50は、空中像を結像する。
【0032】
光路偏向素子60は、底面から斜めに入射した表示光を、法線方向に屈折させる。光路偏向素子60の正面にいる観察者6は、空中像5を視認することができる。
【0033】
以下に、表示モジュール3を構成する複数の素子の詳細について説明する。
【0034】
[1-1] 照明素子10の構成
図4は、照明素子10の側面図である。照明素子10は、発光素子11、導光板12、反射シート13、及びプリズムシート14を備える。
【0035】
発光素子11は、照明光を発光する。発光素子11は、導光板12の側面に向き合うように配置され、導光板12の側面に向けて照明光を出射する。図3には、1個の発光素子を四角で示しているが、例えば、発光素子11は、Y方向に並んだ複数の発光素子から構成される。
【0036】
導光板12は、発光素子11からの照明光を導光し、照明光を上面から出射する。また、導光板12は、Z方向に対して斜め方向に照明光を出射する。導光板12は、X方向に向かって厚さが薄くなるくさび形状を有する。
【0037】
反射シート13は、導光板12の底面から出射した照明光を、再び導光板12に向けて反射する。
【0038】
プリズムシート14は、導光板12からの照明光を屈折させる。プリズムシート14は、複数の三角柱を横にしてX方向に並べた構造を有する。すなわち、プリズムシート14の上面は、側面から見て波形(のこぎり歯形)を有する。プリズムシート14は、Z方向に対して左側に傾いた複数の屈折面14Aを有する。
【0039】
このように構成された照明素子10は、出射角θで照明光を出射することができる。また、プリズムシート14の屈折面14Aの傾斜角、及び導光板12の光出射角を調整することで、出射角θを最適に設定できる。
【0040】
[1-2] 第1光制御素子30の構成
図5は、第1光制御素子30の平面図である。図6は、図5のA-A´線に沿った第1光制御素子30の断面図である。
【0041】
基材31上には、それぞれがX方向に延び、Y方向に並んだ複数の透明部材33が設けられる。また、基材31上には、それぞれがX方向に延び、Y方向に並んだ複数の遮光部材34が設けられる。複数の透明部材33と複数の遮光部材34とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置される。複数の透明部材33及び複数の遮光部材34上には、基材32が設けられる。
【0042】
遮光部材34は、YZ断面において、Z方向に延びる。透明部材33は、YZ断面において、Z方向に延びる。透明部材33は、光を透過する。遮光部材34は、光を遮光する。Y方向における透明部材33及び遮光部材34の幅は、適宜設計可能である。
【0043】
基材31、32、及び透明部材33としては、透明な樹脂が用いられ、例えばアクリル樹脂が用いられる。遮光部材34としては、例えば、黒の染料が混入された樹脂が用いられる。
【0044】
このように構成された第1光制御素子30は、法線方向の光強度がピークになるように、表示光を透過することができる。例えば、第1光制御素子30は、法線方向を0度とすると、0°±30°以外の光成分を遮光するように構成される。
【0045】
[1-3] 第2光制御素子40の構成
図7は、第2光制御素子40の平面図である。図8は、図7のB-B´線に沿った第2光制御素子40の断面図である。
【0046】
基材41上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の透明部材43が設けられる。また、基材41上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の遮光部材44が設けられる。複数の透明部材43と複数の遮光部材44とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置される。複数の透明部材43及び複数の遮光部材44上には、基材42が設けられる。
【0047】
透明部材43は、XZ断面において、Z方向に対して角度θの斜め方向に延びる。透明部材43は、XZ断面において、側面が角度θだけ傾いた平行四辺形である。透明部材43は、光を透過する。
【0048】
遮光部材44は、XZ断面において、Z方向に対して角度θの斜め方向に延びる。遮光部材44は、XZ断面において、側面が角度θだけ傾いた平行四辺形である。遮光部材44は、光を遮光する。
【0049】
隣接する2個の遮光部材44は、Z方向において互いの端部が若干重なるように配置される。
【0050】
基材41、42、及び透明部材43としては、透明な樹脂が用いられ、例えばアクリル樹脂が用いられる。遮光部材44としては、例えば、黒の染料が混入された樹脂が用いられる。
【0051】
このように構成された第2光制御素子40は、法線方向に対して角度θの斜め方向の光強度がピークになるように、表示光を透過することができる。例えば、第2光制御素子40は、法線方向に対して45°±15°以外の光成分を遮光するように構成される。
【0052】
なお、第1光制御素子30と第2光制御素子40との関係では、第1光制御素子30の遮光部材34の延在方向は、第2光制御素子40の遮光部材44の延在方向と直交する。
【0053】
[1-4] ミラー素子50の構成
図9は、ミラー素子50の側面図及び底面図である。図9(a)がミラー素子50のY方向から見た側面図、図9(b)がミラー素子50の底面図である。
【0054】
ミラー素子50は、基板51、及び複数の光学要素52を備える。図9(a)には、1個の光学要素52の斜視図を抽出して示している。基板51と複数の光学要素52とは、アクリル樹脂などの透明な材料で構成される。
【0055】
複数の光学要素52は、基板51の底面に設けられる。光学要素52は、直方体、又は立方体からなる。光学要素52の平面形状は、例えば正方形である。光学要素52は、2個の反射面52A、52Bを有する。反射面52A、52Bは、直方体の2個の側面に対応し、互いに接する。反射面52A、52Bは、いわゆる2面コーナーリフレクタを構成する。
【0056】
光学要素52は、1辺がX方向に対して角度θだけ傾くように配置される。角度θは、例えば45度である。なお、角度θは、45度に限定されず、30度以上60度以下の範囲で設定可能である。複数の光学要素52は、千鳥状に配列される。すなわち、複数の光学要素52は、1行がX方向に対して45度の方向に延び、複数行がY方向に対して45度の方向に並ぶように配置される。また、複数の光学要素52は、互いに隙間を空けて配置される。
【0057】
第2光制御素子40を透過した光は、光学要素52の底面から光学要素52に入射し、反射面52A、52Bで2回反射された後、光学要素52の上面から出射する。
【0058】
[1-5] 光路偏向素子60の構成
図10は、光路偏向素子60の平面図である。図11は、光路偏向素子60のY方向から見た側面図である。
【0059】
光路偏向素子60は、基材61と、基材61上に設けられた複数の三角プリズム62とを備える。基材61と複数の三角プリズム62とは、一体で構成されていてもよい。基材61と複数の三角プリズム62とは、アクリル樹脂などの透明な材料で構成される。
【0060】
複数の三角プリズム62は、それぞれがY方向に延び、X方向に並ぶ。三角プリズム62は、Y方向に延びる三角柱からなる。三角プリズム62は、屈折面62Aを有する。屈折面62Aは、法線方向に対して角度θだけ傾いている。
【0061】
このように構成された光路偏向素子60は、底面から斜めに入射した表示光を、法線方向に屈折させる。屈折面62Aの角度θは、光路偏向素子60に入射する光の角度、及び光路偏向素子60の屈折率に応じて適宜設定される。
【0062】
[1-6] センシング装置4の構成
図12は、センシング装置4の構成を説明する図である。図12(a)が平面図、図12(b)が側面図である。図1に示すように、センシング装置4は、レーザー光を出射する部分が水平方向から若干斜め上に向くように配置される。図12(a)の平面図は、図1のセンシング装置4の上面を上から見た図である。図12の説明では、センシング装置4の光を出射する側を上部と呼ぶ。センシング装置4の上部は、水平方向から若干斜め上に向くように配置される。
【0063】
センシング装置4は、ケース70、複数の発光素子71、複数の受光素子72、複数のレンズ73、及び角度調整機構74を備える。
【0064】
ケース70は、上部が開口された箱形状を有する。ケース70は、複数の発光素子71、複数の受光素子72、及び複数のレンズ73を収容する。図12において、図面の理解が容易になるように、発光素子71、受光素子72、及び複数のレンズ73を実線で示している。また、図12において、発光素子71にハッチングを付している。
【0065】
複数の発光素子71、及び複数の受光素子72は、ケース70の底部に設けられる。複数の発光素子71、及び複数の受光素子72は、交互に配置される。
【0066】
複数の発光素子71の各々は、レーザー光を発光する。レーザー光は、例えば、利用者の視覚を刺激せず、可視光の影響を受けない赤外線である。発光素子71は、例えばレーザーダイオードで構成される。
【0067】
複数の受光素子72の各々は、対象物で反射されたレーザー光(赤外線)を検出する。受光素子72は、例えばフォトダイオードで構成される。
【0068】
複数のレンズ73は、複数の発光素子71、及び複数の受光素子72の上方に配置され、ケース70の開口部付近に固定される。複数のレンズ73は、一方向に並んで配置される。複数のレンズ73の各々は、平凸レンズで構成される。複数のレンズ73は、複数の発光素子71から出射されたレーザー光を正面方向に集光する機能を有する。また、複数のレンズ73は、対象物で反射されたレーザー光を集光する機能を有する。
【0069】
角度調整機構74は、ケース70の底部に取り付けられる。角度調整機構74は、センシング装置4が向く方向、すなわちセンシング装置4の角度を調整する。具体的には、角度調整機構74は、ケース70の角度を調整する。角度調整機構74は、入力部83により入力された情報に応じて、センシング装置4の角度を調整する。
【0070】
[2] 空中表示装置1のブロック構成
図13は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、表示モジュール3、センシング装置4、制御部80、記憶部81、入出力インターフェース(入出力IF)82、及び入力部83を備える。制御部80、記憶部81、及び入出力インターフェース82は、バスを介して接続される。
【0071】
入出力インターフェース82は、表示モジュール3、センシング装置4、及び入力部83に接続される。入出力インターフェース82は、表示モジュール3、センシング装置4、及び入力部83のそれぞれに対して、所定の規格に応じたインターフェース処理を行う。
【0072】
表示モジュール3は、照明素子10、及び表示素子20を含む。表示モジュール3の構成は、図2の通りである。
【0073】
センシング装置4は、複数の発光素子(発光素子群)71、複数の受光素子(受光素子群)72、角度調整機構74、及びセンサコントローラ75を含む。センサコントローラ75は、制御部80の制御に基づいて、発光素子71、及び受光素子72の動作を制御する。
【0074】
制御部80は、表示処理部80A、位置算出部80B、及び情報処理部80Cを備える。
【0075】
表示処理部80Aは、表示モジュール3の動作を制御する。表示処理部80Aは、表示モジュール3に画像信号を送信し、表示モジュール3に画像を表示させる。
【0076】
位置算出部80Bは、センシング装置4の動作を制御する。位置算出部80Bは、センシング装置4に検出領域77を形成させる。位置算出部80Bは、検出領域77がユーザによりタッチされた位置を算出する。位置算出部80Bは、上記タッチされた位置が、表示画像に含まれる特定領域内であるか否かを判定する。
【0077】
情報処理部80Cは、空中表示装置1が表示する画像を生成する。情報処理部80Cは、記憶部81に格納された画像データを用いることが可能である。情報処理部80Cは、通信機能を用いて外部が画像データを取得してもよい。
【0078】
記憶部81は、空中表示装置1の動作に必要な種々のデータを格納する。また、記憶部81は、空中表示装置1が表示する画像のデータを格納する。
【0079】
入力部83は、ユーザが入力した情報を受け付ける。
【0080】
[3] 動作
上記のようの構成された空中表示装置1の動作について説明する。
【0081】
[3-1] 空中表示装置1の画像表示動作
まず、空中表示装置1の画像表示動作について説明する。図3に示した太い矢印が光の光路である。
【0082】
図3に示すように、照明素子10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。また、照明素子10は、法線方向に対して角度θの斜め方向の光強度がピークになるように、照明光を出射する。本実施形態では、角度θは、約45度である。
【0083】
図14は、照明素子10から出射された照明光(出射光)における強度と角度との関係を示すグラフである。図14の縦軸は、照明素子10から出射された照明光における光強度の相対値(%)であり、図14の横軸は、照明素子10から出射された照明光における法線方向に対する角度(度)である。
【0084】
図14から理解されるように、照明素子10から出射された照明光は、45度(=θ)で光強度のピークを有する。また、照明素子10から出射された光の大部分は、30~60度の角度の範囲内にある。
【0085】
表示素子20は、照明素子10からの照明光を透過するとともに、画像及び/又は動画を表示する。表示素子20は、角度θで表示光を出射する。
【0086】
第1光制御素子30は、表示素子20から出射された表示光を受ける。第1光制御素子30は、法線方向に対して所望の角度範囲以外の光成分を遮光する。また、第1光制御素子30は、Y方向において、光の透過を制御する。例えば、第1光制御素子30は、法線方向を0度とすると、0°±30°以外の光を遮光する。
【0087】
図15は、第1光制御素子30から出射された表示光(出射光)における強度と角度との関係を示すグラフである。図15の縦軸は、第1光制御素子30から出射された表示光における光強度の相対値(%)であり、図15の横軸は、第1光制御素子30から出射された表示光における法線方向に対する角度(度)である。
【0088】
図15から理解されるように、第1光制御素子30から出射された表示光は、0度で光強度のピークを有する。また、第1光制御素子30から出射された光の大部分は、-30~30度(0°±30°)の範囲内にある。さらに、表示素子20から出射された表示光のうち不要な光が第1光制御素子30によって遮光される。第1光制御素子30を設けることで、ゴーストを低減できる。
【0089】
第2光制御素子40は、第1光制御素子30から出射された表示光を受ける。第2光制御素子40は、法線方向に対して角度θを中心とした所定の角度範囲以外の光成分を遮光する。また、第2光制御素子40は、X方向において、光の透過を制御する。本実施形態では、角度θは、約45度である。具体的には、第2光制御素子40の透明材料(透明部材43、基材41、42を含む)の屈折率を考慮して、第2光制御素子40から出射する光の出射角が決定される。
【0090】
図16は、第2光制御素子40から出射された表示光(出射光)における強度と角度との関係を示すグラフである。図16の縦軸は、第2光制御素子40から出射された表示光における強度の相対値(%)であり、図16の横軸は、第2光制御素子40から出射された表示光における法線方向に対する角度(度)である。
【0091】
図16から理解されるように、第2光制御素子40から出射された表示光は、45度(=θ)で光強度のピークを有する。また、第2光制御素子40から出射された光の大部分は、15~75度(45°±30°)の範囲内にある。さらに、第1光制御素子30から出射された表示光のうち不要光が第2光制御素子40によって遮光される。第2光制御素子40を設けることで、不要光を低減できる。
【0092】
第2光制御素子40から出射された表示光は、ミラー素子50に斜めに入射、すなわち法線方向に対して約45度でミラー素子50に入射する。ミラー素子50は、第2光制御素子40側から入射した光を、第2光制御素子40と反対側に向けて反射する。また、ミラー素子50は、入射光を、ミラー素子50に関して面対称の方向に反射する。換言すると、ミラー素子50は、法線方向に対して+45度で入射した入射光を、-45度の方向に反射する。
【0093】
ミラー素子50から出射された表示光は、光路偏向素子60に斜めに入射、すなわち法線方向に対して約45度で光路偏向素子60に入射する。光路偏向素子60は、底面から斜めに入射した表示光を、法線方向に屈折させる。すなわち、光路偏向素子60は、表示モジュール3の正面に向けて表示光を出射する。
【0094】
光路偏向素子60から出射された表示光は、空中像5を結像する。また、空中像5は、表示モジュール3の正面にいる観察者6によって視認される。
【0095】
[3-2] センシング装置4の検出動作
次に、センシング装置4の検出動作について説明する。
【0096】
図17は、センシング装置4の検出領域を説明する図である。図17(a)が平面図、図17(b)が側面図である。
【0097】
センシング装置4に含まれる複数の発光素子71は、レーザー光76を発光する。発光素子71から発光されたレーザー光76は、レンズ73を透過した後、センシング装置4から正面方向に出射される。センシング装置4の正面は、センシング装置4の光出射面を想定した場合の当該光出射面の正面を意味する。
【0098】
複数の発光素子71は、一方向に並んでいる。複数の発光素子71から発光された複数のレーザー光76は、互いに平行に直進する。よって、図17(a)に示す平面(2次元)での検出領域77が得られる。
【0099】
図18は、センシング装置4による検出対象物78の位置を算出する動作を説明する図である。
前述した検出領域77に検出対象物78が入ると、発光素子71から発光されたレーザー光76が検出対象物78で反射される。検出対象物78で反射された反射光79は、受光素子72に到達し、受光素子72によって検出される。
【0100】
検出領域77に検出対象物がないと、発光素子71から発光されたレーザー光の反射光は発生しない。よって、受光素子72に反射光が到達せず、受光素子72により反射光が検出されない。
【0101】
複数の発光素子71は、時間的に順次点灯してレーザー光を出射する。受光素子72は、レンズ73を通して、検出対象物78からの反射光を検出する。位置算出部80Bは、受光素子72が検出した光の強度を用いて、例えばいわゆる「三角測量の原理」を利用して検出対象物78の位置を算出及び特定する。具体的には、位置算出部80Bは、レーザー光の出射点と反射光の受光点との距離、出射点の角度、及び受光点の角度を用いて、検出対象物78の位置を算出する。
【0102】
図19は、センシング装置4の動作を説明する図である。検出対象物78は、観察者の指であるものとする。
【0103】
センシング装置4は、表示モジュール3の光出射面3Aに対して斜め方向にレーザー光76を出射する。表示モジュール3の光出射面3Aは、X-Y平面に平行な面である。また、センシング装置4は、検出領域77が空中像5を斜めに交差するように、レーザー光76を出射する。すなわち、センシング装置4の検出領域77は、空中像5と斜めに交差する。
【0104】
観察者が空中像5を指で触れる場合、指は、空中像5の面で止まることなく、ある程度空中像5を突き抜ける。このため、センシング装置4の検出領域77を空中像5と平行に重なるような設定にしなくても、観察者の指を検出可能である。
【0105】
観察者の指が検出領域77内に入ると、指によってレーザー光が反射し、この反射光がセンシング装置4に到達する。これにより、センシング装置4は、観察者の指の位置を算出することができる。
【0106】
図20は、センシング装置4の設置位置を説明する模式図である。基準面を表示モジュール3の光出射面とする。図20において、表示モジュール3の光出射面は、光路偏向素子60の上面に対応する。
【0107】
各変数は、下記とする。
Di:表示モジュール3の光出射面と空中像5との間の距離
Ds:表示モジュール3の光出射面とセンシング装置4の光出射面との間の距離
Ld:空中像5のX方向の長さ
Ls:空中像5の端からセンシング装置4の光出射面までの水平距離
θ:水平面からのセンシング装置4の設置角度(=水平面からの検出領域77の角度)
これらの変数から、センシング装置4の設置角度θは、下記式より算出される。
tanθ=(Di+Ds)/(Ld+Ls)
【0108】
[3-3] 空中表示装置1の全体動作
次に、空中表示装置1の全体動作について説明する。図21は、空中表示装置1の全体動作を説明するフローチャートである。
【0109】
表示処理部80Aは、表示モジュール3に画像信号を送信し、表示モジュール3に画像を表示させる。表示する画像は、情報処理部80Cによって生成される。表示モジュール3は、表示処理部80Aの制御に基づいて、空中像として画像を表示する(ステップS100)。
【0110】
続いて、位置算出部80Bは、センシング装置4に検出領域77を形成させる。センシング装置4は、位置算出部80Bの制御に基づいて、検出領域77用のレーザー光を出射する(ステップS101)。
【0111】
続いて、センシング装置4は、ユーザによるタッチ操作を検出する(ステップS102)。センシング装置4によりタッチ操作が検出された場合(ステップS102=Yes)、位置算出部80Bは、タッチ操作の位置を算出する(ステップS103)。
【0112】
続いて、位置算出部80Bは、ステップS103で算出した位置が特定領域内であるか否かを判定する(ステップS104)。特定領域は、ステップS100で表示した画像のうち一部の領域であり、例えば押しボタンの画像、又はアイコンである。
【0113】
特定領域内である場合(ステップS104=Yes)、表示処理部80Aは、特定領域にリンクされた画像信号を表示モジュール3に送信し、リンクされた画像を表示モジュール3に表示させる。リンクされた画像は、情報処理部80Cによって生成される。表示モジュール3は、表示処理部80Aの制御に基づいて、リンクされた画像を空中像として表示する(ステップS105)。特定領域内でない場合(ステップS104=No)、制御部80は、ステップS102に戻る。
【0114】
続いて、センシング装置4は、ユーザによる終了操作を検出する(ステップS106)。終了操作とは、例えば終了を表すボタンの画像をユーザがタッチすることである。終了操作が検出されない場合(ステップS106=No)、制御部80は、ステップS102に戻る。終了操作が検出された場合(ステップS106=Yes)、制御部80は、処理を終了する。
【0115】
[4] 実施形態の効果
以上詳述したように本実施形態では、空中表示装置1は、空中像を表示するための表示光を出射する光出射面3Aを有し、光出射面3Aの上方かつ光出射面3Aに平行な第1面に空中像を表示する表示モジュール3と、上記第1面に対して斜めに交差する第2面に検出領域77を形成するようにレーザー光76を出射し、検出領域77内に入る対象物78を検出するセンシング装置4と、表示モジュール3とセンシング装置4とを収容する筐体2とを具備する。
【0116】
従って本実施形態によれば、空中像をタッチする操作を非接触で検出可能である。また、センシング装置4を空中像から離れた箇所に配置してもセンシングを行うことが可能である。
【0117】
また、表示モジュール3は、正面方向に空中像を結像させることができる。表示モジュール3を構成する複数の素子は、互いに平行に配置される。これにより、表示モジュール3のサイズを小さくすることができる。同様の理由により、空中表示装置1のサイズを小さくすることができる。また、筐体2の小型化が可能である。
【0118】
また、空中表示装置1を小型化しつつ、空中像の表示品位を確保できる。
【0119】
上記実施形態では、表示素子として液晶表示素子を例に挙げて説明しているが、液晶表示素子以外の表示素子、例えば自発光型である有機EL(electroluminescence)表示素子などを用いてもよい。
【0120】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0121】
1…空中表示装置、2…筐体、2A…開口部、2B…開口部、3…表示モジュール、4…センシング装置、5…空中像、6…観察者、10…照明素子、11…発光素子、12…導光板、13…反射シート、14…プリズムシート、20…表示素子、30…第1光制御素子、31,32…基材、33…透明部材、34…遮光部材、40…第2光制御素子、41,42…基材、43…透明部材、44…遮光部材、50…ミラー素子、51…基板、52…光学要素、60…光路偏向素子、61…基材、62…三角プリズム、70…ケース、71…発光素子、72…受光素子、73…レンズ、74…角度調整機構、75…センサコントローラ、80…制御部、80A…表示処理部、80B…位置算出部、80C…情報処理部、81…記憶部、82…入出力インターフェース、83…入力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21