(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像管理システム、管理サーバ、プログラム、および提出物の評価方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240903BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2020175699
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】宮本 大輔
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-118288(JP,A)
【文献】特開2020-052795(JP,A)
【文献】特開2019-133582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0210749(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、
前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、前記提出者端末、前記管理者端末および前記画像取得装置と通信可能に接続された管理サーバと、を有し、
前記管理サーバは、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、
を比較する画像比較手段を有
し、
前記管理者端末に対して前記提出者画像を提示し、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶し、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報とともに、前記画像比較手段による比較の結果を提示する、画像管理システム。
【請求項2】
前記提出物の配送者が利用する配送者端末をさらに有し、
前記管理サーバは、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、
所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、
前記提出物の回収を決定する回収決定手段と、をさらに有し、
前記管理サーバは、前記配送者端末に対して、前記回収決定手段により決定された回収先を提示する、請求項1に記載の画像管理システム。
【請求項3】
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、
前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、通信可能に接続されており、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、
を比較する画像比較手段と、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、
前記提出物の回収を決定する回収決定手段と、を有し、
前記管理者端末に対して
前記提出者画像を提示し、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶し、
前記提出者端末に対して前記提出物の評価情報を提示
し、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報とともに、前記画像比較手段による比較の結果を提示する、管理サーバ。
【請求項4】
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、
前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、通信可能に接続されたコンピュータを、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、
を比較する画像比較手段、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、
前記提出物の回収を決定する回収決定手段、として機能させて、
前記管理者端末に対して
前記提出者画像を提示させて、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶させて、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報を提示
させて、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報とともに、前記画像比較手段による比較の結果を提示させる、プログラム。
【請求項5】
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、
前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、前記提出者端末、前記管理者端末、前記配送者端末および前記画像取得装置と通信可能に接続された管理サーバと、を有する画像管理システムによる提出物の評価方法であって、
設定された課題に対して、前記提出物を撮影した提出者画像を前記提出者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者画像を確認して設定された仮評価を前記管理者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、
前記提出物の回収を決定して前記配送者端末に提示する段階と、
前記提出物自体を確認して設定された本評価を前記管理者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者端末から取得した
前記提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、を比較する段階と、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報とともに、前記画像比較手段による比較の結果を提示する段階と、
を有する、提出物の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像管理システム、管理サーバ、プログラム、および提出物の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学校等の教育機関においては、課題などが課され、生徒等の受講者が課題に対応した提出物を提出することが行われていた。近年では、コンピュータやネットワーク技術を利用して、提出物を管理することも行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
提出された提出物は、一般に所定の評価が行われる。特に、立体的、美術的な提出物を評価する際には、実物を確認して評価することが一般的である。しかしながら、立体的、美術的な提出物は、実物の搬送に手間が掛かる。そのため、効率的に評価することが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、立体的、美術的な提出物を効率的に評価することが可能な画像管理システム、管理サーバ、プログラム、および提出物の評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示では、
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、前記提出者端末、前記管理者端末および前記画像取得装置と通信可能に接続された管理サーバと、を有し、
前記管理サーバは、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、を比較する画像比較手段を有する、画像管理システムを提供する。
【0007】
また、本開示の画像管理システムは、
前記提出物の配送者が利用する配送者端末をさらに有し、
前記管理サーバは、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、
所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定する回収決定手段と、をさらに有し、
前記管理サーバは、前記配送者端末に対して、前記回収決定手段により決定された回収先を提示してもよい。
【0008】
また、本開示の画像管理システムは、
前記管理サーバは、
前記管理者端末に対して前記提出者画像を提示し、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶し、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報とともに、前記画像比較手段による比較の結果を提示してもよい。
【0009】
また、本開示では、
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、通信可能に接続されており、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、を比較する画像比較手段と、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定する回収決定手段と、を有し、
前記管理者端末に対して提出者画像を提示し、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶し、
前記提出者端末に対して前記提出物の評価情報を提示する、管理サーバを提供する。
【0010】
また、本開示では、
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、通信可能に接続されたコンピュータを、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、を比較する画像比較手段、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定する回収決定手段、として機能させて、
前記管理者端末に対して提出者画像を提示させて、
前記提出者画像が提示された後に前記管理者端末から取得した仮評価と、前記提出物が回収された後に前記管理者端末から取得した本評価と、を各前記提出物の評価情報として記憶させて、
前記管理者端末に対して前記提出物の評価情報を提示させる、プログラムを提供する。
【0011】
また、本開示では、
提出物の提出者が利用する提出者端末と、前記提出物の管理者が利用する管理者端末と、前記提出物の配送者が利用する配送者端末と、前記提出物の画像を取得する画像取得装置と、前記提出者端末、前記管理者端末、前記配送者端末および前記画像取得装置と通信可能に接続された管理サーバと、を有する画像管理システムによる提出物の評価方法であって、
設定された課題に対して、前記提出物を撮影した提出者画像を前記提出者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者画像を確認して設定された仮評価を前記管理者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定して前記配送者端末に提示する段階と、
前記提出物自体を確認して設定された本評価を前記管理者端末から受信して前記管理サーバが登録する段階と、
前記提出者端末から取得した提出者画像と、前記画像取得装置から取得した適正画像と、を比較する段階と、
を有する、提出物の評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、立体的、美術的な提出物を効率的に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態に係る画像管理システムの構成図である。
【
図3】提出者情報記憶手段111に記憶された提出者情報の一例を示す図である。
【
図4】課題情報記憶手段112に記憶された課題情報の一例を示す図である。
【
図5】画像取得装置150のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】提出者端末130のハードウェア構成を示す図である。
【
図7】管理者端末120、配送者端末140のハードウェア構成を示す図である。
【
図8】画像管理システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【
図11】管理者別課題一覧画面G3を示す図である。
【
図13】課題別提出者一覧画面G5を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る画像管理システムの構成図である。
図1において、110は管理サーバ、120は管理者端末、130は提出者端末、140は配送者端末、150は画像取得装置、160はネットワークである。管理サーバ110、管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150はインターネット等の公衆のネットワーク160に接続されており、互いにデータの送受信が可能となっている。
図1の例では、説明の便宜上、管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140については、それぞれ1台のみ示しているが、実際には、多数の管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140が接続されており、多くの管理者、提出者、配送者が利用できるシステムとなっている。画像取得装置150は、電子化センターと呼ばれる所定の機関に設置されている。なお、画像取得装置150は、1つの画像管理システムに1台だけであっても良いが、1つの画像管理システムに複数台あってもよい。
【0015】
管理サーバ110は、画像管理システム100の中心的な役割を果たし、管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150からの指示や情報に基づいて、自身が記憶、管理する情報の記録、更新等を行い、必要な情報を管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150に送信するサーバコンピュータである。すなわち、管理サーバ110は、管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150に通信可能に接続されている。
図2は、管理サーバ110の詳細を示す図である。このうち、
図2(a)は、管理サーバ110のハードウェア構成図である。管理サーバ110は、汎用のサーバコンピュータで実現することができ、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)110aと、コンピュータのメインメモリであるRAM(Random Access Memory)110bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための大容量の記憶装置110c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、マウス等の入力機器からの入力を受け付ける入力I/F(インタフェース)110dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)110eと、表示装置(液晶ディスプレイ等)に情報を送出するための表示出力I/F(インタフェース)110fと、ネットワーク160を介して管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部110gと、を備え、互いにバスを介して接続されている。
【0016】
図2(b)は、管理サーバ110の機能ブロック図である。
図2(a)に示したハードウェア構成において、CPU110aが記憶装置110cに記憶されたプログラムをRAM110bに読み込んで実行することにより、管理サーバ110は、
図2(b)に示した各手段を機能させることが可能となる。
図2(b)に示すように、管理サーバ110は、提出者情報記憶手段111、課題情報記憶手段112、提出者画像記憶手段113、適正画像記憶手段114、画像比較手段115、回収決定手段116を有する。
【0017】
管理サーバ110は、記憶装置110cに記憶されたプログラムをRAM110bに読み込んで、CPU110aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、提出者情報記憶手段111、課題情報記憶手段112、提出者画像記憶手段113、適正画像記憶手段114、画像比較手段115、回収決定手段116の各機能を実現する。また、記憶装置110cは、提出者情報記憶手段111、課題情報記憶手段112、提出者画像記憶手段113、適正画像記憶手段114のデータ記憶領域としての役割も果たしている。また、管理サーバ110では、記憶装置110cにWEBサーバプログラムを記憶しておき、WEBサーバプログラムをRAM110bに読み込んで、CPU110aが実行することによりWEBサーバとしても機能する。これにより、管理サーバ110の各手段を実行するための機能を、WEBブラウザを搭載した管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150から利用可能としている。本実施形態では、管理サーバ110がWEBサーバプログラムを実行してWEBページを生成し、画面データを生成して、各端末、装置がWEBブラウザプログラムを実行して、画面データを受け取って処理する。これにより、後述するような様々な画面が各端末、装置に表示される。
【0018】
提出者情報記憶手段111は、課題に対して作品等の提出物を提出する提出者に関する情報を記憶した記憶手段である。
図3は、提出者情報記憶手段111に記憶された提出者情報の一例を示す図である。
図3に示すように、提出者情報記憶手段111には、提出者情報として、提出者を識別する識別情報である提出者IDと対応付けて、提出者に関する様々な情報が記憶されている。本実施形態に係る画像管理システムを例えば学校単位で用いる場合、学生証番号を提出者IDとして用いることができる。学生証番号は、提出者と1対1で対応付けられているため、提出者を識別する提出者識別情報(提出者ID)として用いられる。例えば学校に在籍する学生が提出者である場合は、このように学生証番号を提出者識別情報として用いることができる。本実施形態では、その他、提出者情報として、
図3に示すように、氏名、学年、クラス、住所、電話番号、回収エリアが登録されている。
【0019】
図3では省略しているが、各提出者ID(学生証番号)に対応付けてパスワードが登録されている。提出者は、提出者IDをログインIDとして用いてパスワード認証により画像管理システムにログインすることができる。提出者ID以外に別途ログインIDを設け、提出者IDと対応付けて登録しておいてもよい。住所は、提出者本人の住所である。電話番号は、提出者本人の自宅または携帯電話の電話番号である。図示は省略しているが、本実施形態では、電子メールアドレス等のコンピュータネットワークを介して連絡可能な通信アドレスを登録している。電話番号や電子メールアドレスは、1提出者につき、それぞれ複数登録しておいてもよい。回収エリアは、配送者により提出物を回収するために定められたものであり、同一の回収エリアには同一エリアIDが記録されている。回収エリアは任意に定めることができる。効率的な回収を行うため、道路網、道路事情等を考慮して、互いに短時間で行き来が可能な範囲を同一エリアに設定する。
【0020】
図3に示したような提出者情報は、事前に登録されて提出者情報記憶手段111に記憶される。提出者情報の登録は、管理者端末120から行ってもよいし、提出者端末130から行ってもよい。管理者端末120から行う場合、管理者IDにより管理サーバ110にログインし、提出者情報を入力して管理サーバ110に送信する。提出者端末130から行う場合、提出者IDにより管理サーバ110にログインし、提出者情報を入力して管理サーバ110に送信する。管理者IDによりログインした場合、その管理者IDに対応付けられている全ての提出者IDに対応する提出者情報の登録ができる。提出者IDによりログインした場合、その提出者IDに対応する提出者情報の登録のみができる。
【0021】
課題情報記憶手段112は、作品等の提出物を提出要件である課題に関する情報を記憶した記憶手段である。
図4は、課題情報記憶手段112に記憶された課題情報の一例を示す図である。
図4に示すように、課題情報記憶手段112には、課題情報として、課題を識別する識別情報である課題ID(課題番号)と対応付けて、課題に関する様々な情報が記憶されている。
図4の例では、課題IDに対応付けて、課題名、課題内容、提出期限、対象者が登録されている。課題内容は、具体的な課題の内容を示す情報である。提出期限は、提出の最終日となる日付である。提出期限は、時刻まで設定されていてもよい。対象者は、課題の対象となる提出者である。対象者は、提出者IDで登録されている。したがって、1つの課題IDに対して複数の提出者IDが対応付けられており、1つの提出者IDに対して複数の課題IDが対応付けられていることが普通である。
【0022】
管理サーバ110は、物理的には1台のコンピュータで実現されていてもよいし、複数台のコンピュータで実現されていてもよい。また、ネットワーク160上で複数に分散されたクラウドシステムとして実現されていてもよい。
【0023】
画像取得装置150は、提出物から画像を取得する画像取得装置である。
図5は、画像取得装置150のハードウェア構成図である。画像取得装置150は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータと、高精細なスキャナやカメラを用いて実現される。
図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)150aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)150bと、CPU150aが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置150c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部150dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)150eと、表示部(液晶ディスプレイ等)150fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部150gと、スキャナやカメラ等の画像取得部150hを備え、互いにバスを介して接続されている。図示は省略しているが、データ入出力I/F(インタフェース)150eには、画像の印刷を行って紙媒体等として出力するためのプリンタが画像取得装置150の一部として接続されていてもよい。プリンタとしては、汎用の印刷方式を用いた公知のプリンタを用いることができる。なお、画像取得部150hとしては、高精細スキャナや高精細カメラとすることが好ましい。具体的には、提出者端末130として用いられるスマートフォンのカメラ部130hより解像度が高いことが好ましい。
【0024】
画像取得装置150の演算処理機能としては、CPUの演算処理部等を備え、情報処理機能、表示機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット、スマートフォン等、汎用のコンピュータ以外の各種コンピュータ(演算処理装置)を用いてもよい。そして、各種コンピュータにカメラやスキャナ等の画像取得部150hを接続することにより、画像取得装置150が実現される。
【0025】
図5に示したハードウェア構成において、CPU150aが記憶装置150cに記憶されたプログラムをRAM150bに読み込んで実行することにより、画像取得装置150は、画像取得部150hで提出物から取得した適正画像(後述)を、管理サーバ110と連携して登録することが可能となる。本実施形態では、画像取得装置150がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、適正画像の登録処理を実現する。なお、高精細スキャナや高精細カメラを別途用意しておき、画像取得装置150としてネットワーク160に接続された汎用のパソコンを用いてもよい。この場合、画像取得装置150であるパソコンから管理サーバ110にログインし、高精細スキャナや高精細カメラで取得した適正画像を、管理サーバ110に登録(アップロード)するようにしてもよい。
【0026】
管理者端末120は、課題の出題、管理を行う管理者が利用する端末装置である。提出者端末130は、学生等の課題の提出者が利用する端末装置である。配送者端末140は、課題に対する提出物を配送する配送者が利用する端末装置である。配送者としては、例えば、宅配便業務に従事する配送者が想定される。管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140としては、パソコン、ノートPC、タブレット、スマートフォン(多機能の携帯型端末)等のような、情報処理機能、ネットワーク通信機能を有した汎用のコンピュータを用いることができる。
図1においては、提出者端末130はスマートフォンを模して示しており、管理者端末120、配送者端末140はパソコンを模して示している。現状では、提出者端末130としてはスマートフォンを用い、管理者端末120、配送者端末140としては、パソコンを用いることが多い。特に、配送者端末140は、後述する集配表を印刷するため、プリンタを備えていることが好ましい。
【0027】
図6は、提出者端末130、のハードウェア構成図である。
図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)130aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)130bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置130c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部130dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)130eと、表示部(液晶ディスプレイ等)130fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部130gと、提出者端末130においては提出物の撮影を行うカメラ部130hと、を備え、互いにバスを介して接続されている。スマートフォンは、さらに、通話のための機能、ネットワークを介さずに近距離無線通信を行う機能等を備えているが、本実施形態において用いる機能ではないため、
図6においては省略している。
【0028】
提出者端末130としては、CPU等の演算処理部等を備え、情報処理機能、ネットワーク通信機能等を有していれば、ノートPC、タブレット等、スマートフォン以外の各種コンピュータ(演算処理装置)を用いてもよい。
【0029】
図6に示したハードウェア構成において、CPU130aが記憶装置130cに記憶されたプログラムをRAM130bに読み込んで実行することにより、提出者端末130は、後述するような様々な機能を実現することが可能となる。
【0030】
提出者端末130は、記憶装置130cに記憶されたプログラムをRAM130bに読み込んで、CPU130aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、様々な機能を実現する。本実施形態では、提出者端末130がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、様々な処理を実行する。
【0031】
図7は、管理者端末120、配送者端末140のハードウェア構成図である。
図7に示すように、CPU(Central Processing Unit)120aと、メインメモリであるRAM(Random Access Memory)120bと、CPUが実行するプログラムやデータを記憶するための不揮発性の記憶装置120c(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、タッチパネル等の指示入力部120dと、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インタフェース)120eと、表示部(液晶ディスプレイ等)120fと、ネットワーク160を介して管理サーバ110等の他のコンピュータとネットワーク通信を行うための通信部120gと、印刷出力を行うプリンタ部120iと、を備え、互いにバスを介して接続されている。
図7に示したハードウェア構成は、汎用のパソコンで実現される。なお、上述のように、管理者端末120、配送者端末140は、タブレット等、スマートフォン等で実現されてもよい。
【0032】
図7に示したハードウェア構成において、CPU120aが記憶装置120cに記憶されたプログラムをRAM120bに読み込んで実行することにより、管理者端末120、配送者端末140は、後述するような様々な機能を実現することが可能となる。
【0033】
管理者端末120、配送者端末140は、記憶装置120cに記憶されたプログラムをRAM120bに読み込んで、CPU120aが実行し、他の構成要素に指令を出すことにより、様々な機能を実現する。本実施形態では、管理者端末120、配送者端末140がWEBブラウザを備え、WEBブラウザを用いて、WEBサーバとしての機能を備えた管理サーバ110と連携して、様々な処理を実行する。
【0034】
管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150の各端末、装置は、上述のように、WEBブラウザを備え、WEBサーバとして機能する管理サーバ110に搭載されたプログラムの機能を利用しながら、各手段を実現させているが、専用のプログラムにより各手段を実現するようにしてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150のハードウェア構成を、それぞれ
図5、
図6、
図7のような構成としたが、共通なものとなる場合もある。管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140、画像取得装置150は、必要な演算処理機能や通信処理機能を備えていれば、ハードウェア構成は共通であっても共通でなくてもよい。ただし、配送者端末140は、プリンタと接続され、画像取得装置150は、高精細画像取得機器(スキャナ、カメラ等)と接続されていることが好ましい。
【0036】
<2.処理動作>
次に、
図1に示した本実施形態に係る画像管理システムの処理動作とともに、提出物の評価方法について説明する。
図8は、画像管理システムによる処理動作を示すシーケンス図である。なお、処理動作の説明においては、通常のコンピュータ処理において行われる汎用的な処理については省略する。例えば、管理サーバ110と管理者端末120、提出者端末130、配送者端末140の各端末が通信を行う際、各端末の画面でクリックすると、クリックされた箇所に応じて、所定の要求情報を各端末が生成して管理サーバ110に送信し、管理サーバ110では、要求情報、および要求情報とともに送信された様々な情報に基づいて、返信すべきデータを特定し、それを組み込んで画面データを作成し、アクセス元である端末に送信する等の処理が行われる。しかし、以下においては、汎用的な部分を省略して、端末の画面でクリックされた場合に、対応する画面が表示される、程度の単純な説明となる部分がある。
【0037】
画像管理システムの処理に先立ち、上述のようにして、提出者情報記憶手段111には、
図3に示したような提出者情報が記憶されているものとする。提出者情報は、管理サーバ110により登録されることが通常であるが、管理サーバ110にログイン可能な各端末から登録することができる。本実施形態では、管理者端末120から管理者が行う。具体的には、管理者端末120から管理者がログインする。
図9は提出者登録画面G1を示す図である。管理者端末120から管理者がログインして、設定者を登録する旨を指示すると、
図9に示すような提出者登録画面G1が管理者端末120の画面に表示される。
【0038】
提出者登録画面G1においては、提出者を団体(例えば学校)ごとに管理する。図の例では、登録済みの提出者情報が、提出者(例えば学生)ごとに、氏名、提出者ID(学生証番号)、学年、クラス、住所、電話番号、回収エリアの項目が一覧表示されている。画面最上部の団体名欄に学校名等の団体名を入力すると、団体名で提出者情報記憶手段111内を検索し、対応する提出物の提出者情報が一覧表示される。各提出者の右端には、更新、削除のリンクが設けられている。更新、削除のリンクをクリックすることにより、提出者情報の更新、削除画面に移動し、提出者情報の更新、削除が可能となっている。また、団体名欄の下方にある新規登録リンクをクリックすることにより、提出者情報の新規登録画面に移行し、提出者情報の新規登録が可能となっている。提出者登録画面G1を用いて新規入力、更新、削除された内容は、提出者情報に反映されて提出者情報記憶手段111に登録される。
【0039】
上述のような提出者情報の登録は、学校等の団体が、本実施形態に係る画像管理システムを採用することを決めた際に、学生の情報を登録することにより行われ、学生は提出者として扱われる。また、提出者情報の登録に先立ち、学校の先生等が管理者として管理サーバ110に登録され、管理者IDを用いて管理サーバ110にログイン可能に設定されている。また、配送業に従事する配送者が管理サーバ110に登録され、配送者IDを用いて管理サーバ110にログイン可能に設定されている。管理者IDと配送者IDは対応付けて管理サーバ110内に登録されている。すなわち、管理者および配送者は、学校等の団体ごとに定められている。このため、管理者および配送者は、特定の団体(学校等)の生徒に関する情報のみ閲覧可能となっている。
【0040】
提出者情報が登録されている状態において、管理者は、課題を設定する(ステップS1)。具体的には、まず、管理者端末120から管理サーバ110にアクセスしてログインする。すると、管理サーバ110は、管理者IDにより認証を行い、その管理者に適したメニューを提示する。そして、提示されたメニューから課題設定を選択し、必要な情報を入力した後、管理サーバ110に対して登録依頼を行う。
【0041】
具体的には、管理者端末120から管理者がログインして、課題を登録する旨を指示すると、
図10に示すような課題管理登録画面G2が管理者端末120の画面に表示される。課題管理登録画面G2においては、課題ID、課題名、提出期限、団体名を登録し、その課題を提出する対象者を設定することができる。
図10の例では、クラスを入力すると、そのクラスIDで提出者情報記憶手段111を検索し、対応する提出者名(
図10においては「*****」と表示)を課題管理登録画面G2に一覧表示する。そして、その左端に□で示したチェックボックスが表示される。このチェックボックスをチェックすることにより、個別に提出者を決定することができる。課題管理登録画面G2の下端に「登録」と示された登録ボタンがクリックされると、管理者端末120は、課題管理登録画面G2で設定された情報を管理サーバ110に送信し、管理サーバ110は、受信した情報を課題情報記憶手段112に登録する。
【0042】
なお、管理サーバ110にログインした管理者IDに対応付けて複数の課題が既に登録されている場合は、
図11に示すような管理者別課題一覧画面G3を管理者端末120に表示する。本実施形態では、1つの管理者IDが1つの団体と対応付けられており、管理者別課題一覧画面G3には、団体名で特定される団体ついて登録されている課題が一覧表示される。各課題については、課題ID(課題番号)、提出期限、提出状況、対象人数の各項目が表示される。
【0043】
課題一覧画面G3において、各課題の右側には、更新、削除、作品確認のリンクが設けられている。更新、削除、作品確認のリンクがクリックされることにより、課題情報の更新、削除、作品確認画面に移動し、課題情報の更新、削除、作品確認が可能となっている。また、課題欄の上方にある課題登録リンクがクリックされることにより、課題管理登録画面G2に移行し、課題情報の新規登録が可能となっている。更新、削除、作品確認のリンクの右側(右端)には、□で示した公開チェックボックスが表示される。
【0044】
この公開チェックボックスをチェックすることにより、課題ごとに公開することを決定することができる。公開されると、後述するように、所定の対象者が適正画像を閲覧できる状態となる。課題一覧画面G3において、課題情報の更新、削除、課題登録のリンクがクリックされると、管理サーバ110は、課題管理登録画面G2を管理者端末120に表示する。そして、課題管理登録画面G2を用いて、課題情報の更新、削除、課題登録が可能となる。
【0045】
管理者端末120より課題の登録依頼が行われると、管理サーバ110は、依頼された課題を登録する(ステップS2)。具体的には、管理サーバ110は、管理者端末120から受信した情報を課題情報とし、新たに課題IDを発行する。そして、発行した課題IDと課題情報を対応付けて課題情報記憶手段112に記憶する。
【0046】
課題の登録を行ったら、管理サーバ110は、課題の通知を行う(ステップS3)。具体的には、管理サーバ110は、課題情報記憶手段112に記憶された課題情報を、所定の課題IDで参照し、その課題IDに対応する提出者IDを取得する。そして、各提出者IDで特定される各提出者に対して、課題が課されたことを通知する。課題が課されたことの通知は、様々な手法により行うことができる。本実施形態では、通信アドレスとして、各提出者IDに対応付けて電子メールアドレスを記憶しておき、課題の対象者を特定する提出者IDに対応する電子メールアドレス宛に、課題が課されたことを示すメッセージを送信する。これにより、各提出者は、課題が課されたことを知ることができる。
【0047】
課題が課されたことを知った提出者は、提出者端末130から管理サーバ110にアクセスしてログインする。ログインすると、管理サーバ110は、ログインした者の提出者IDで課題情報を参照して、対応する課題IDを特定する。そして、その課題IDで
図4に示したような課題情報を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んだ画面データを作成した後、アクセス元の提出者端末130に画面データを送信する。そして、画面データを受信した提出者端末130は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、提出者端末130には、
図12に示すような提出者別課題画面G4が表示される。
【0048】
すなわち、提出者端末130から提出者がログインして、自身に課された課題を確認する旨を管理サーバ110に対して指示すると、
図12に示すような提出者別課題画面G4が提出者端末130の画面に表示される。提出者別課題画面G4においては、提出者の氏名、提出者ID、学年、クラスが表示されており、その下方にその提出者に課された課題が表示されている。その提出者に課された課題が複数ある場合は、複数表示される。図の例では、1人の提出者に対して2つの課題が設定されている状態を示している。
【0049】
そして、課題ごとに、課題ID、課題名、提出状況、提出期限が表示される。提出状況については、「提出済み」、「仮提出済み」、「未提出」のいずれかが表示される。そして、その下方には、アップロード、アーカイブ画像、次回提出時の撮影ヒントを参照、先生の評価を確認の各リンクが表示されている。アップロードのリンクの右側には、未提出の場合は「未登録」と表示され、既に仮提出済みの場合は、提出された提出者画像の画像名が表示されている。
【0050】
さらにその右側には、未提出の場合は、未提出であることを示すアイコン(図の例では「No Image」の表示)が表示されており、既に仮提出済みの場合は、仮提出された提出者画像のサムネイル画像が表示されている。アップロードのリンクをクリックすることにより、アップロード画面に移動し、提出者画像の更新、削除、確認が可能となっている。また、提出者画像のサムネイル画像をクリックすると提出者画像が表示されて、提出者が確認することができる。
【0051】
アーカイブ画像のリンクをクリックすることにより、画像取得装置150により登録された適正画像を表示することができる。「次回提出時の撮影ヒントを参照」のリンクをクリックすることにより、所定の画面に移動し、次回提出時の撮影ヒントを確認することができる。「先生の評価を確認」のリンクをクリックすることにより、所定の画面に移動し、先生(課題管理者)の評価を確認することができる。本実施形態では、「次回提出時の撮影ヒントを参照」のリンクをクリックした場合も、「先生の評価を確認」のリンクをクリックした場合も、後述する提出物評価画面G6に移行して確認可能となっている。
【0052】
提出者は、提出者別課題画面G4を閲覧することにより、課題を認識し、未提出であれば、課題を行う。具体的には、課題の対象となる作品を提出物として作成する。そして、仮評価の対象とするため、提出物である作品を撮影する(ステップS4)。具体的には、提出者端末130のカメラ部130hを用いて作品を撮影して提出者画像として取得する。提出者画像は、画像データである。提出者端末130において、提出者別課題画面G4を表示させた状態で「アップロード」と記載された部分をクリックすると、提出者画像を選択可能な画面が表示されるので、提出者端末130に格納された提出者画像を指定して、アップロードする指示を行う。すると、提出者端末130は、指定された提出者画像を提出者ID、課題IDと対応付けて管理サーバ110に送信する(ステップS5)。
【0053】
管理サーバ110では、提出者画像を提出者ID、課題IDとともに受信すると、提出者画像を登録する(ステップS6)。具体的には、管理サーバ110は、提出者ID、課題IDに対応付けて提出者画像を提出者画像記憶手段113に記憶する。
【0054】
上述のように、課題が管理サーバ110に登録されると、提出者は、管理サーバ110にログインして自身に課された課題を知ることが可能となる。そのため、上述のステップS3では、課題を各提出者に通知したが、課題を各提出者に通知しなくてもよい。課題を各提出者に通知しなくても、各提出者は、随時管理サーバ110にログインして、提出者別課題画面G4を提出者端末130に表示させることにより、自身に課されている課題を知ることができる。課題が課されていることを知った提出者は作品を作成し、その作品を撮影した提出者画像を管理サーバ110に登録する。このようにして、提出者画像記憶手段113には、提出者画像が蓄積されていく。
【0055】
管理者は、課題に対して提出された提出者画像を用いて、課題に対する作品の仮評価を行う(ステップS7)。仮評価は、提出者画像記憶手段113に1つ以上の提出者画像が記憶されていれば、随時行うことができる。したがって、ステップS6において1つ以上の提出者画像が登録された場合に、仮評価を行うことができる。
【0056】
仮評価を行う場合は、管理者は、管理者端末120から管理サーバ110にアクセスしてログインする。すると、管理サーバ110は、ログイン認証された管理者IDで課題情報記憶手段112を参照し、対応する課題IDを特定する。そして、その課題IDで
図4に示したような課題情報を参照して、必要な情報を取得する。そして、管理サーバ110は、取得した情報を組み込んで管理者別課題一覧画面の画面データを作成する。続いて、管理サーバ110は、アクセス元の管理者端末120に管理者別課題一覧画面の画面データを送信する。そして、管理者別課題一覧画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、管理者端末120には、管理者別課題一覧画面G3が表示される。
【0057】
管理者別課題一覧画面G3において、各課題に対応する作品確認リンクがクリックされると、管理サーバ110は、クリックされた作品確認リンクに対応する課題IDで課題情報記憶手段112を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んで課題別提出者一覧画面の画面データを作成する。続いて、アクセス元の管理者端末120に課題別提出者一覧画面の画面データを送信する。そして、課題別提出者一覧画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、管理者端末120には、課題別提出者一覧画面G5が表示される。
【0058】
すなわち、管理者端末120から管理者がログインして、評価をする旨を指示すると、
図13に示すような課題別提出者一覧画面G5が管理者端末120の画面に表示される。課題別提出者一覧画面G5においては、提出者IDに対応付けて、氏名、提出状況、回収エリア、回収状況、適正画像の登録状況(「アーカイブデータ」と表記)、評価の各項目を表示する。提出状況については、提出者別課題確認画面G4と同様、「提出済み」、「仮提出済み」、「未提出」のいずれかが表示される。回収状況については、回収依頼をしていない状況を示す「未回収」、回収依頼をした状況を示す「回収待ち」、回収して管理者のところにある状況を示す「保管中」、返却依頼をした状況を示す「返却待ち」、提出者に返却した状況を示す「返却済み」等が表示される。適正画像はアーカイブとして利用されるため、登録済みである場合は「アーカイブ済み」として表示され、登録済みである場合は「なし」として表示される。評価については、本評価が行われていない場合「未」が表示され、評価済みの場合、その評点等が表示される。評価の右側には更新リンクが表示されており、更新リンクがクリックされると、提出物評価画面G6に移行し、評価の更新が可能となる。
【0059】
課題別提出者一覧画面G5において、各提出者IDに対応する右端の更新リンクをクリックすると、管理サーバ110は、クリックされた更新リンクに対応する提出者IDで課題情報記憶手段112を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んで提出物評価画面の画面データを作成する。続いて、アクセス元の管理者端末120に提出物評価画面の画面データを送信する。そして、提出物評価画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、管理者端末120には、提出物評価画面G6が表示される。
【0060】
すなわち、管理者端末120から管理者がログインして、課題別提出者一覧画面G5において、各提出者IDに対応する右端の更新リンクをクリックすると、
図14に示すような提出物評価画面G6が管理者端末120の画面に表示される。提出物評価画面G6においては、課題ID(課題番号)、課題名、提出期限、提出者ID、提出者名、提出状況、回収エリアが表示されている。そして、回収エリアの右側に□で示した回収依頼のチェックボックスが表示される。このチェックボックスをチェックすることにより、配送者に提出物の回収を依頼することができる。
【0061】
さらに回収エリアの下方には、仮評価に関する項目が表示されている。このうち一番上の仮評価状況の項目には、仮評価を無事行ったことを示す「OK」か、仮評価が行えず再提出を求める「差し戻し」かの情報が表示される。仮評価が行えず再提出を求める場合とは、提出者画像の内容からは提出物を評価すべき箇所を認識し難く、評価自体を行うことができない場合である。このような場合、より適切に撮影した提出者画像を再提出させて、適切な仮評価を行う。仮評価状況の下方には、仮評価、評価コメント、提出物ID(
図14においては作品IDと表記)が表示されている。本実施形態では、美術品を想定しているため、提出物は作品でもある。したがって、画面に表示する際には、作品IDとして表示する場合もある。ただし、画像管理システムは、いわゆる作品以外の提出物にも利用可能であり、提出物はいわゆる作品に限定されない。なお、提出物IDは、提出物(作品)を識別する識別情報であり、提出者画像が登録されていない段階では発行されていない。管理サーバ110が提出者画像を登録する際に、提出物IDを発行して、提出者画像に対応付けて記憶する。また、提出物IDは、課題IDと提出者IDに対応付けて課題情報の一部として課題情報記憶手段112にも記憶される。
【0062】
さらに仮評価に関する項目の下方には、本評価に関する項目が表示されている。このうち一番上の本評価状況の項目には、本評価を行ったことを示す「OK」か、本評価がまだ行われていないことを示す「未」が表示される。本評価状況の下方には、本評価、本評価コメントが表示されている。本評価、本評価コメントに関する情報は、実際には、本評価後に表示される。ステップS7における仮評価の時点では表示されていない。
【0063】
さらに本評価に関する項目の下方には、提出者画像と適正画像との比較情報が表示されている。本実施形態では、提出者画像を仮評価に用いており、適正画像を、後述するようにアーカイブとして用いるため、提出物評価画面G6においては、提出者画像を「仮評価画像」と表示し、適正画像を「アーカイブ」と表示している。提出物評価画面G6においては、比較情報の比較項目をBrightness(明るさ)、Sharpness(鋭さ)、余白、傾きの4つの項目としている。比較情報の比較項目としては、
図14の例に限定されず、提出者画像、適正画像から得られる様々な情報を用いることができる。
【0064】
提出物評価画面G6には、提出者画像のサムネイル画像が表示されている。このサムネイル画像が管理者端末120においてクリックされると、管理サーバ110は、その画面に対応する提出者画像を拡大して管理者端末120に表示する。管理者は、拡大された提出者画像により提出物である作品を仮評価する。仮評価とは、本評価の前段階で行う仮の評価である。本実施形態では、本評価は、提出物自体を観察して行われるが、仮評価は、提出者画像を観察して行われる。評価は、仮評価、本評価のいずれにおいても、100点満点とする点数評価や、A~F等のランク付け評価等、様々な基準による評価を行うことができる。仮評価は、あくまでも提出物である作品に対する仮評価であり、提出者画像に対する仮評価ではない。ただし、提出者画像の写りがよいほど作品がよく見えて高評価に繋がり易い。そのため、提出者に対しては、提出者画像の品質を高めることが求められる。
【0065】
管理者は、提出物に対する仮評価が定まったら、仮評価を登録する(ステップS8)。具体的には、まず、提出物評価画面G6における仮評価欄に仮評価を入力する。そして、仮評価登録指示を行う。すると、管理者端末120は、入力された仮評価を課題IDおよび提出者IDとともに管理サーバ110に送信する。管理サーバ110では、受信した仮評価を課題IDおよび提出者IDに対応付けて課題情報記憶手段112に記憶する。仮評価は、後に登録される本評価とともに提出物の評価情報として記憶される。
【0066】
提出者画像は、完成した作品を撮影することにより得られるため、提出者画像の登録により、提出物である作品が完成したと判断することができる。すなわち、提出物が回収(集荷)可能な状態となったことを意味する。そのため、本実施形態では、管理サーバ110内の回収決定手段116が、各課題について提出者画像の数をエリアごとに集計し、所定のエリアに対応する提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定する。所定の条件としては、事前に設定された所定数に達したことや、提出者画像の数の全提出者数に対する比率が所定値に達したこととすることができる。「提出物の回収を決定する」とは、例えば、回収の状況を回収待ちに設定することが挙げられる。
【0067】
提出者画像が提出者画像記憶手段113に記憶されると、提出者IDで対応付けられているため、
図3に示した提出者IDと回収エリアの関係から、提出者画像は所定のエリアである回収エリアと対応付けて記憶されることになる。したがって、回収決定手段116は、提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定している。そして、管理サーバ110は、エリアを特定するエリアIDに対して事前に対応付けされている配送者IDで特定される配送者に回収依頼を通知する(ステップS9)。具体的には、管理サーバ110は、エリアIDに対して事前に対応付けされている配送者のメールアドレス宛に、回収依頼を送信する。すると、配送者端末140から回収依頼の確認が可能となり、回収依頼を知った配送者は提出物の回収を行うことができる。このように、所定のエリアについて所定数に達した場合に、回収の状況を回収待ちに設定することにより、一定の数まとまった段階で回収を行うことができ、効率的な配送が可能となる。
【0068】
回収依頼については、管理者端末120に表示された提出物評価画面G6において、回収依頼のチェックボックスにチェックすることにより、強制的に回収依頼を設定してもよい。チェックボックスにチェックして、強制的に回収依頼を設定することにより、例えば、緊急で回収したい場合など一定の数まとまっていない場合でも、回収依頼することができる。ただし、提出者画像が登録されていない場合は、仮提出されたと判断されないため、回収依頼のチェックボックスは提出物評価画面G6に表示されない。
【0069】
回収依頼を知った提出者は、配送者端末140から管理サーバ110にアクセスしてログインする。ログインすると、管理サーバ110は、ログインした者の配送者IDでエリア情報を参照して、対応するエリアIDを特定する。そして、そのエリアIDで
図3に示したような提出者情報を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んだ画面データを作成した後、アクセス元の配送者端末140に画面データを送信する。そして、画面データを受信した配送者端末140は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、配送者端末140には、提出物配送管理画面G7が表示される。
【0070】
すなわち、配送者端末140から配送者が管理サーバ110にログインすると、
図15に示すような提出物配送管理画面G7が配送者端末140の画面に表示される。
図15は、提出物配送管理画面G7を示す図である。提出物配送管理画面G7の上部には、その配送者が担当している団体名、回収エリアが表示されている。この部分に、団体名、回収エリアを入力して、対応する提出者についての情報を表示することもできる。回収エリアの下方には、提出者情報の一部が一覧表示されている。
図15の例では、提出者情報の一部として、提出者ID、回収エリア、回収/返却の別、依頼日、住所、氏名、電話番号の項目の他、回収状況が一覧表示されている。
【0071】
回収状況については、課題別提出者一覧画面G5と同様、回収依頼をしていない状況を示す「未回収」、回収依頼をした状況を示す「回収待ち」、回収して管理者のところにある状況を示す「保管中」、返却依頼をした状況を示す「返却待ち」、提出者に返却した状況を示す「返却済み」等が表示される。回収状況については、更新リンクが表示されており、更新リンクをクリックすると、所定の画面に移動し、回収状況の更新が可能となる。また、提出物配送管理画面G7の最下部の「集配表印刷」のリンクがクリックされると、配送者端末140は、プリンタ部120iから集配表を印刷出力する。集配表とは、提出物配送管理画面G7に表示されている提出者情報の一覧が印刷された印刷物である。
【0072】
配送者は、提出物配送管理画面G7を閲覧することにより、回収待ちとなっている住所を知ることができる。このようにして、管理サーバ110は、配送者端末140に対して、回収決定手段116により決定された回収先を提示することになる。配送者は、その住所に出向いて提出物を回収し、画像取得装置150が設置された場所である電子化センターに提出物を届ける。
【0073】
回収の状況が回収待ちとして、管理サーバ110に登録されると、配送者は、管理サーバ110にログインして自身が担当となるエリアの回収依頼がなされたことを知ることが可能となる。上述のステップS9では、回収依頼を各配送者に通知したが、回収依頼を各配送者に通知しなくてもよい。回収依頼を各配送者に通知しなくても、各配送者は、随時管理サーバ110にログインして、提出物配送管理画面G7を配送者端末140に表示することにより回収先を提示させて、自身が担当となる回収依頼を知ることができる。回収依頼がされていることを知った各配送者は提出物を回収し、画像取得装置150を管理する電子化センターに配送する。このようにして、電子化センターには、様々なエリアから回収された提出物が集まってくる。
【0074】
画像取得機関である電子化センターでは、画像取得装置150が提出物から画像を適性画像として取得する(ステップS10)。提出物からの画像の取得は、提出物が平面的なものである場合は、高精細スキャナを用いてスキャンすることにより取得する。また、提出物が立体的なものである場合は、高精細カメラを用いて撮影することにより取得する。高精細スキャナ、高精細カメラを用いる場合、スキャン条件、撮影条件は、実績を踏まえて最適な条件に設定されているため、適正な画像として得られる。そのため、画像取得装置150により取得される画像を適正画像と呼ぶことにする。
【0075】
適正画像の取得の際には、まず、画像取得装置150から管理サーバ110にアクセスしてログインする。そして、提出物に付された提出物IDを指定すると、管理サーバ110は、提出物IDに対応付けられた提出者画像を取得し、提出物IDと提出者画像を組み込んだ画面データを作成した後、アクセス元の画像取得装置150に画面データを送信する。そして、画面データを受信した画像取得装置150は、画面データを表示部150fに表示する。この結果、画像取得装置150には、画像管理画面G8が表示される。
【0076】
すなわち、画像取得装置150から管理サーバ110にログインした後、提出物IDを入力すると、
図16に示すような画像管理画面G8が画像取得装置150の画面に表示される。
図16は、画像管理画面G8を示す図である。画像管理画面G8においては、提出物ID(
図16においては作品IDと表記)、受領日が表示されている。そして、その下方には、データ登録リンクと、出荷日登録リンクが表示されている。さらに画像管理画面G8の最下方には、提出者画像(
図16では「仮評価用画像」と表記)のサムネイル画像が表示されている。
【0077】
電子化センターにおいては、データ登録リンクをクリックすることにより、提出物から、カメラやスキャナ等の画像取得部150hで取得した適正画像の登録要求を行う。この際、画像管理画面G8に表示されたサムネイル画像を確認することにより、他の提出物と間違えて登録することを抑止することができる。適正画像の登録要求が行われると、管理サーバ110は、提出物IDと対応付けて適正画像を登録する。そして、管理サーバ110は、登録された日付を返信し、画像取得装置150の画像管理画面G8に表示される。
【0078】
画像管理画面G8には、同じ提出物の提出者画像が表示されているため、受け取った提出物と同じ提出物を写しているか否かを目視確認することができ、誤登録を防止することができる。そして、同じ提出物を写していると判断した場合には、画像取得装置150により提出物から適正画像を取得し、取得した適正画像を記憶装置150cに記憶する。
【0079】
そして、画像取得装置150から管理サーバ110にアクセスし、提出物ID、課題IDおよび提出者IDとともに適正画像を送信する(ステップS11)。すると、管理サーバ110では、画像取得装置150から受信した適正画像を登録する(ステップS12)。具体的には、画像取得装置150から受信した適正画像を提出物ID、課題IDおよび提出者IDに対応付けて適正画像記憶手段114に記憶する。この際、適正画像に対して新たな適正画像IDを発行して、対応付けて記憶する。なお、高精細スキャナ、高精細カメラ等の画像取得部150hが、ネットワーク160に接続されていない場合、画像取得装置150としてネットワーク160に接続された汎用のパソコン等を用いてもよい。この場合、このパソコンが画像取得装置150として適正画像を取得し、管理サーバ110に適正画像の登録を行う。
【0080】
適正画像が登録された提出物については、配送者が、管理者のところに配送(出荷)する。電子化センターにおいては、画像取得装置150から管理サーバ110にログインして画像管理画面G8を表示し、出荷日リンクをクリックすると、出荷日登録が可能な画面に移行し、出荷日を入力する。画像取得装置150が設定された出荷日を管理サーバ110に送信すると、管理サーバ110は、受信した出荷日を、提出物IDと対応付けて登録する。登録された出荷日は、
図16に示すように、画像管理画面G8に表示される。一方、配送(出荷)された提出物は、管理者に届けられる。そして、提出物を受け取った管理者は、提出物の実物による本評価が可能な状態となる。
【0081】
そして、管理者は、課題に対して提出された提出物を用いて、課題に対する提出物(作品)の本評価を行う(ステップS13)。本評価は、提出物が管理者に届けば、随時行うことができる。本実施形態では、画像取得装置150から管理サーバ110に適正画像が登録された後に、提出物が管理者に届けられる運用となっている。しかし、必ずしも、このような順序で行う必要はなく、ステップS13の本評価を、ステップS10、ステップS11、ステップS12における適正画像の処理より先に行ってもよい。
【0082】
本評価を行う場合は、管理者は、管理者端末120から管理サーバ110にアクセスしてログインする。すると、管理サーバ110は、ログイン認証された管理者IDで課題情報記憶手段112を参照し、対応する課題IDを特定する。そして、その課題IDで
図4に示したような課題情報を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んで管理者別課題一覧画面の画面データを作成する。続いて、アクセス元の管理者端末120に管理者別課題一覧画面の画面データを送信する。そして、管理者別課題一覧画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、管理者端末120には、管理者別課題一覧画面G3が表示される。
【0083】
管理者別課題一覧画面G3において、作品確認リンクをクリックすると、管理サーバ110は、クリックされた作品確認リンクに対応する課題ID(
図11では「課題」と表記)で課題情報記憶手段112を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んで課題別提出者一覧画面の画面データを作成する。続いて、アクセス元の管理者端末120に課題別提出者一覧画面の画面データを送信する。そして、課題別提出者一覧画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部150fに表示する。この結果、管理者端末120には、
図13に示したような課題別提出者一覧画面G5が表示される。
【0084】
課題別提出者一覧画面G5において、提出者IDをクリックすると、管理サーバ110は、クリックされた提出者IDで課題情報記憶手段112を参照して、必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んで提出物評価画面の画面データを作成する。続いて、アクセス元の管理者端末120に提出物評価画面の画面データを送信する。そして、提出物評価画面の画面データを受信した管理者端末120は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、管理者端末120には、提出物評価画面G6が表示される。
【0085】
そして、管理者は、提出物を観察したり触れたりしながら、提出物である作品を本評価する。上述のように、本評価においても、仮評価と同様、100点満点とする点数評価や、A~F等のランク付け評価等、様々な基準による評価を行うことができる。
【0086】
管理者は、提出物に対する本評価が定まったら、本評価を登録する(ステップS14)。具体的には、まず、提出物評価画面G6における本評価欄に、本評価を入力する。そして、本評価登録指示を行う。すると、管理者端末120は、入力された本評価を課題IDおよび提出者IDとともに管理サーバ110に送信する。管理サーバ110では、受信した本評価を課題IDおよび提出者IDに対応付けて課題情報記憶手段112に記憶する。本評価は、既に登録されている仮評価とともに提出物の評価情報として記憶される。
【0087】
1つの課題に対して、提出者画像と適正画像の両方が登録されたら、管理サーバ110の画像比較手段115は、提出者画像と適正画像の比較を行う(ステップS15)。具体的には、管理サーバ110の画像比較手段115は、所定のタイミングで課題情報記憶手段112を参照し、提出者画像と適正画像が登録されており、両画像の比較が行われていない提出者別課題を探し出す。そして、提出者画像と適正画像の両方が登録されており、両画像の比較が行われていない提出者別課題が見つかったら、管理サーバ110の画像比較手段115は、1つの提出者別課題についての提出者画像と適正画像を比較する。
【0088】
提出者別課題は、課題情報記憶手段112に記憶された課題情報のうち、課題IDと提出者IDを特定することにより特定される。また、提出物IDを特定することによっても、課題IDの提出者ID組み合わせとともに特定することができる。1つの提出者別課題についての提出者画像と適正画像は、同じ提出物(作品)から取得した画像である。このため、両者の違いは、撮影やスキャンの影響による違いとなる。
【0089】
画像比較手段115による画像の比較の手法としては、様々なものを用いることができる。本実施形態では、画像に添付されたExif(Exchangeable image file format)情報の所定の項目を比較項目として抽出し、比較を行う。本実施形態では、比較項目をBrightness(明るさ)、Sharpness(鋭さ)、余白、傾きの4つの項目としている。比較項目の数は、任意の数とすることができる。これら以外にも、Exif情報から他の項目を取得して比較項目としてもよいし、画像を解析して得られる情報など、Exif情報に含まれない情報を比較項目としてもよい。また、評価項目の値としては、例えば、Exif情報の値をそのまま採用してもよいし、適正画像の値を例えば100として、所定の基準で変換した値を提出者画像の値とするようにしてもよい。
【0090】
管理サーバ110の画像比較手段115は、適正画像から得られた比較項目の値を基準とし、提出者画像から得られた比較項目の値を比較する。さらに、管理サーバ110の画像比較手段115は、両者の差に応じてコメントを作成する。コメントの内容は、比較結果に基づいて、提出者画像の品質を高めるためのものである。したがって、コメントは、アドバイスとも、推奨情報とも言い換えることができる。そして、管理サーバ110は、作成したコメントを、課題IDおよび提出者IDの組み合わせと対応付けて課題情報記憶手段112に記憶する。
【0091】
また、画像比較手段115による画像の比較手法としては、AI(人工知能)を用いた機械学習の結果を利用したものを用いることもできる。例えば、AIを用いる場合は、過去に蓄積された管理者(先生)のコメントと評価値の差を学習して、AIが適した内容をコメントとして作成する。
【0092】
さらに、管理サーバ110は、比較結果が得られた場合に、対応する提出者に比較結果を通知する(ステップS16)。具体的には、管理サーバ110は、課題情報記憶手段112を参照して、登録された比較情報に対応する提出者ID、課題IDを特定する。そして、各提出者IDで特定される各提出者に対して、比較結果を通知する。比較結果の通知も、様々な手法により行うことができる。本実施形態では、各提出者IDに対応付けて電子メールアドレスを記憶しておき、その電子メールアドレス宛に、比較結果が得られたことを示すメッセージを送信する。これにより、各提出者は、比較結果が得られたことを知ることができる。
【0093】
比較結果が得られたことを知った提出者は、提出者端末130から管理サーバ110にアクセスしてログインする。ログインすると、管理サーバ110は、ログインした者の提出者IDで参照可能な画面を提示する。この中から、提出者端末130により選択が行われると、管理サーバ110は、選択された内容に対応する画面データを作成して、提出者端末130に送信する。
【0094】
比較結果は、提出物評価画面G6により確認することができる。このため、比較結果を確認しようとする提出者は、提出物評価画面G6を選択する。すると、管理サーバ110は、ログイン認証された提出者IDで課題情報を参照し、提出物評価画面G6に必要な情報を取得する。そして、取得した情報を組み込んだ画面データを作成した後、アクセス元の提出者端末130に画面データを送信する。そして、画面データを受信した提出者端末130は、画面データを表示部130fに表示する。この結果、提出者端末130には、提出物評価画面G6が表示される。
【0095】
提出物評価画面G6には、上述のような情報の他に比較結果が表示される。比較結果は、各比較項目について、提出者画像、適正画像、コメントを並べて表示する。このようにして、提出物評価画面G6を提出者端末130に表示することにより、提出者画像と適正画像の比較結果を知ることができる。特に、コメントを参考にすることにより、次回以降の提出者画像の質の向上に役立てることができる。
【0096】
一方、提出物の本評価を終えた課題については、適正画像をアーカイブとして公開することができる(ステップS17)。適正画像の公開は、設定された所定の者が閲覧可能な状態とすることにより行われる。具体的には、管理者は、管理者端末120から管理サーバ110にログインした後、管理者別課題一覧画面G3を表示する。そして、管理者別課題一覧画面G3において、公開したい課題についての公開チェックボックスにチェックを入れて、管理サーバ110に対して公開要求を行う。公開要求を受け取った管理サーバ110は、適正画像の公開設定を行う。具体的には、対応する課題IDに対応した適正画像一覧画面G9の画面データを作成し、記憶装置110c内の所定の領域に外部からアクセス可能なデータとして記憶する。適正画像一覧画面G9には、各提出者の適正画像、およびそのサムネイル画像に対するリンクが記録されている。また、適正画像が所定数以上登録された場合に、管理サーバ110が公開設定を行うようにしてもよい。
【0097】
図17は、適正画像一覧画面G9を示す図である。適正画像一覧画面G9には、その上部に課題ID、課題名が表示されている。そして、課題ID、課題名の下方には、作者(提出者名)と対応付けて適正画像のサムネイル画像が表示されている。適正画像のサムネイル画像には、リンクが設定されており、このサムネイル画像がクリックされると、管理サーバ110は適正画像記憶手段114内の対応する適正画像を取得しアクセス元の端末に表示する。
【0098】
適正画像一覧画面G9は、課題IDが特定された場合に表示される。したがって、課題IDがわからない場合は、課題IDを特定する必要がある。本実施形態では、課題IDを特定して提出物である作品を検索するための作品検索画面G10を用意している。
図18は、作品検索画面G10を示す図である。作品検索画面G10の上部には、学年、クラスの入力欄が設けられている。これらの入力欄に、提出者端末130から学年、クラスを入力して検索すると、管理サーバ110は、入力された学年、クラスで提出者情報記憶手段111を参照して、対応する提出者IDを取得する。さらに、対応する提出者IDで課題情報記憶手段112を参照して、対応する課題IDを取得する。そして、取得した課題ID、課題名を取得して作品検索画面G10に組み込んでその画面データを提出者端末130に送信する。提出者端末130では、管理サーバ110から受信した画面データを処理して、作品検索画面G10として表示する。この結果、提出者端末130には、課題ID、課題名が表示された作品検索画面G10が表示される。
【0099】
その後、作品検索画面G10に表示された課題IDまたは課題名をクリックされると、管理サーバ110は、その課題IDに対応する適正画像が適正画像記憶手段114を取得し、そのサムネイル画像を適正画像一覧画面G9に組み込んでその画面データを提出者端末130に送信する。提出者端末130では、管理サーバ110から受信した画面データを処理して、適正画像一覧画面G9として表示する。この結果、提出者端末130には、課題ID、課題名が表示された適正画像一覧画面G9が表示される。
【0100】
以上のようにして、作品の閲覧が許可されている提出者IDで管理サーバ110にログインした後、作品閲覧の旨が指示されると、管理サーバ110は、アクセス元の端末に作品検索画面G10を介するか、または作品検索画面G10を介さず直接的に、適正画像一覧画面G9を提示する。このようにして、閲覧が許可された提出者は、適正画像の一覧を確認することができる。なお、提出者だけでなく、当然のことながら管理者も適正画像の一覧を確認できるように設定することができる。
【0101】
本実施形態では、ステップS14における本評価の登録を行った後で、適正画像を公開するようにしたが、本評価を行う前であっても、ステップS12における適正画像の登録を行った後であれば、適正画像を公開することができる。
【0102】
図8のシーケンス図を用いて説明したように、本実施形態に係る提出物の評価方法は、提出者端末130と、管理者端末120と、配送者端末140と、画像取得装置150と、管理サーバ110と、を有する画像管理システム100による提出物の評価方法であって、設定された課題に対して、提出物を撮影した提出者画像を提出者端末130から受信して前記管理サーバが登録する段階と、提出者画像を確認して設定された仮評価を管理者端末120から受信して管理サーバ110が登録する段階と、提出者画像を所定のエリアと対応付けて記憶し、所定のエリアに対応する前記提出者画像の数が所定の条件を満たした場合に、提出物の回収を決定して配送者端末140に提示する段階と、提出物自体を確認して設定された本評価を管理者端末120から受信して管理サーバ110が登録する段階と、提出者端末130から取得した提出者画像と、画像取得装置150から取得した適正画像と、を比較する段階と、を有する。
【0103】
以上説明したように、本実施形態に係る提出物の評価方法では、提出物を撮影した提出者画像による提出物の仮評価と、提出物自体による提出物の本評価の2つの評価を行う。このように、提出物自体による提出物の本評価に先立ち、提出者画像による提出物の仮評価を行うことにより、学生等の提出者が自宅で制作した作品を学校等に郵送する前に、先生等の管理者が事前に提出物の出来栄えを評価し、再提出の必要性の有無を確認することができる。提出に必要な条件を満たさない場合は、じっさいに提出物である作品を郵送する前にチェックができるなど、余計な物流を削減することができる。提出に必要な条件を満たさない場合としては、課題の趣旨に従った作品となっていない場合や、提出者画像でも確認できる位に明らかにレベルが低い作品の場合などがある。
【0104】
また、本実施形態に係る画像管理システムでは、仮評価用の提出者画像と、画像取得装置(電子化センターに設置)により取得したアーカイブ用の適正画像の比較を行う。上記のように、学生等の提出者が自宅で作品を撮影するときに、スマートフォンや自宅のデジタルカメラを使用することが想定される。自宅では、蛍光灯の下で撮影したり、部屋が狭く正面から撮影できなかったりするなど、学校の部室のような広い環境で撮影ができないケースが多い。こういった条件の中で、次回の作品提出時に自分の作品を少しでもきれいに撮影するために、提出者画像と適正画像を比較する。そして、比較結果を参照して撮影条件を工夫することにより、仮評価用画像の提出者画像の品質が高まる。最終的に、提出者画像の品質が高まれば、提出物自体による評価を行わず、提出者画像による評価を本評価とすることもできる。提出者画像による評価だけで済むようになれば、実物の配送を一切行わずに、作品の評価を行うことができる。
【0105】
本実施形態に係る画像管理システムは、物流を削減する等、効率的に評価を行うことを可能とするが、特に、人と人の接触を極力減らした状態で、提出物の評価を行うことも可能とする。例えば、感染症が拡大した場合においては、人と人の接触を減らすことが望まれる。特に、絵画、書道を行う部活動などにおいては、使用する画材道具の性質から「締め切った部屋」で作品作りを行うことがある。人と人の接触を減らすためには、部室にこもって仲間と創作、作品の提出、教員による評価、仲間の作品を閲覧するなどが困難な状況となっている。本実施形態に係る画像管理システムは、このような状況においても提出物の評価を可能とするものである。
【0106】
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に係る画像管理システムでは、配送者端末を有し、配送者が提出物の回収を行うようにした。このように、配送者が回収を行うことにより効率的な回収が可能となる。しかしながら、画像管理システムは、配送者端末を備えていなくてもよい。この場合、提出者が提出物を電子化センターや、管理者のところに持参する。
【符号の説明】
【0107】
100・・・画像管理システム
110・・・管理サーバ
111・・・提出者情報記憶手段
112・・・課題情報記憶手段
113・・・提出者画像記憶手段
114・・・適正画像記憶手段
115・・・画像比較手段
116・・・回収決定手段
120・・・管理者端末
130・・・提出者端末
140・・・配送者端末
150・・・画像取得装置
160・・・ネットワーク