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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240903BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240903BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G03G21/00 384
G03G21/00 398
B41J29/38 201
H04N1/00 885
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020185576
(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公開番号】P2022075045
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】川口 智也
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-167224(JP,A)
【文献】特開2011-150407(JP,A)
【文献】特開2015-005251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される印刷ジョブのメモリーへの格納が終了した場合に割込み信号を出力する信号出力部と、
前記信号出力部から出力される前記割込み信号が入力された場合において自装置の動作モードが通常モードよりも消費電力が低減される省電力モードである場合に、前記動作モードを前記通常モードに切り替えて、前記メモリーにおいて未実行の前記印刷ジョブがなくなるまで前記メモリーに格納された前記印刷ジョブ各々を実行する一括印刷処理を実行し、前記一括印刷処理の終了後に前記動作モードを前記省電力モードに切り替えるプロセッサーと、
前記動作モードが前記省電力モードである場合に、前記信号出力部から出力される前記割込み信号の前記プロセッサーへの入力を遅延可能な信号遅延部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
予め定められた設定操作に応じて前記信号遅延部による前記割込み信号の遅延時間を設定する第1設定処理部を備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
予め定められた特定期間における自装置の印刷頻度に基づいて前記信号遅延部による前記割込み信号の遅延時間を設定する第2設定処理部を備える、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられた後に最初に前記メモリーに格納される前記印刷ジョブのデータ量に基づいて前記信号遅延部による前記割込み信号の遅延時間を設定する第3設定処理部を備える、
請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記信号遅延部は、前記動作モードが前記省電力モードである間に最初に前記信号出力部から入力される特定割込み信号の前記プロセッサーへの入力を遅延可能であって、当該特定割込み信号の入力時から次の前記動作モードの前記省電力モードへの切り替え時までの間に前記信号出力部から入力される前記割込み信号の前記プロセッサーへの入力を制限する、
請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自装置の動作モードを通常モードと当該通常モードよりも消費電力が低減される省電力モードとの間で切り替え可能な画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、前記画像形成装置では、外部から印刷ジョブが入力された場合において前記動作モードが前記省電力モードである場合に、前記動作モードが前記通常モードに切り替えられて当該印刷ジョブが実行される。そして、当該印刷ジョブの実行終了後に前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-183701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記画像形成装置において前記印刷ジョブの実行終了後に前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられる場合において、外部からの前記印刷ジョブの入力頻度が高い場合には、前記省電力モードからの復帰の回数が多くなり、その分当該画像形成装置における消費電力が増大する。
【0005】
本発明の目的は、外部からの印刷ジョブの入力に応じた省電力モードからの復帰の回数を低減可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、信号出力部と、プロセッサーと、信号遅延部とを備える。前記信号出力部は、外部から入力される印刷ジョブのメモリーへの格納が終了した場合に割込み信号を出力する。前記プロセッサーは、前記信号出力部から出力される前記割込み信号が入力された場合において自装置の動作モードが通常モードよりも消費電力が低減される省電力モードである場合に、前記動作モードを前記通常モードに切り替えて、前記メモリーにおいて未実行の前記印刷ジョブがなくなるまで前記メモリーに格納された前記印刷ジョブ各々を実行する一括印刷処理を実行し、前記一括印刷処理の終了後に前記動作モードを前記省電力モードに切り替える。前記信号遅延部は、前記動作モードが前記省電力モードである場合に、前記信号出力部から出力される前記割込み信号の前記プロセッサーへの入力を遅延可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外部からの印刷ジョブの入力に応じた省電力モードからの復帰の回数を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される動作制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
[画像形成装置10の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。
【0011】
画像形成装置10は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置10は、プリンター、ファクシミリ装置、及びコピー機などであってもよい。
【0012】
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、及び通信部7を備える。
【0013】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。例えば、ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0014】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。例えば、画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。
【0015】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。例えば、画像形成部3は、電子写真方式で画像を形成する。例えば、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電ローラー、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。
【0016】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。例えば、給紙部4は、給紙カセット、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0017】
制御部5は、画像形成装置10を統括的に制御する。
【0018】
操作表示部6は、画像形成装置10のユーザーインターフェイスである。例えば、操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を備える。
【0019】
通信部7は、外部の情報処理装置などの通信機器との間で、インターネット又はLANなどの通信ネットワークを介して有線又は無線によるデータ通信を実行する通信インターフェイスである。
【0020】
[制御部5の構成]
次に、図2及び図3を参照しつつ、制御部5の構成について説明する。
【0021】
図3に示されるように、制御部5は、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリー54、通信制御部55、DMAコントローラー56、バス57、信号出力部58、及び信号遅延部59を備える。
【0022】
図3に示されるように、制御部5では、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリー54、通信制御部55、及びDMAコントローラー56が、バス57によって通信可能に接続されている。
【0023】
CPU51は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM52は、不揮発性の記憶装置である。ROM52には、CPU51に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される。CPU51は、本発明のプロセッサーの一例である。
【0024】
制御部5では、CPU51によりROM52に予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。
【0025】
例えば、CPU51は、自装置の動作モードを通常モードと省電力モードとの間で切り替え可能である。ここで、前記省電力モードは、前記通常モードよりも消費電力が低減される前記動作モードである。例えば、前記省電力モードでは、画像形成部3の各部への給電が停止される。また、前記通常モードでは、画像形成部3の各部への給電が行われ、前記定着装置の温度制御が実行される。
【0026】
RAM53は、揮発性の記憶装置である。RAM53は、CPU51が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。不揮発性メモリー54は、NOR型のフラッシュメモリー、NAND型のフラッシュメモリー、及びFRAM(強誘電体メモリー)などの不揮発性の記憶装置である。RAM53は、本発明のメモリーの一例である。
【0027】
通信制御部55は、通信部7を制御する。通信制御部55は、集積回路(ASIC、DSP)などの電子回路で構成される。
【0028】
例えば、通信制御部55は、通信部7を制御して、外部の情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する。
【0029】
DMAコントローラー56は、CPU51に替わって、RAM53へのデータの読み書きを実行する。
【0030】
例えば、DMAコントローラー56は、外部の情報処理装置から送信される前記印刷ジョブが受信された場合に、CPU51に替わって、当該印刷ジョブをRAM53に格納する。
【0031】
例えば、通信制御部55は、外部の情報処理装置から送信される前記印刷ジョブを受信した場合に、DMAコントローラー56に当該印刷ジョブのRAM53への格納を指示する。DMAコントローラー56は、通信制御部55からの指示に応じて、当該印刷ジョブをRAM53に格納する。
【0032】
通信制御部55は、DMAコントローラー56による外部の情報処理装置から受信した前記印刷ジョブのRAM53への格納が終了すると、その旨を示す通知信号X11(図3参照)を出力する。通知信号X11は、信号出力部58に入力される。
【0033】
信号出力部58は、外部から入力される前記印刷ジョブのRAM53への格納が終了した場合に、割込み信号X12(図3参照)を出力する。具体的に、信号出力部58は、通信制御部55から出力される通知信号X11が入力された場合に、割込み信号X12を出力する。
【0034】
ここで、CPU51は、信号出力部58から出力される割込み信号X12が入力された場合において、前記動作モードが前記省電力モードである場合に、前記動作モードを前記通常モードに切り替える。続いて、CPU51は、RAM53において未実行の前記印刷ジョブがなくなるまでRAM53に格納された前記印刷ジョブ各々を実行する一括印刷処理を実行する。そして、CPU51は、前記一括印刷処理の終了後に、前記動作モードを前記省電力モードに切り替える。
【0035】
[動作制御処理]
ここで、図4を参照しつつ、割込み信号X12の入力に応じてCPU51により実行される動作制御処理について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、CPU51により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0036】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、CPU51は、前記動作モードが前記省電力モードであるか否かを判断する。
【0037】
ここで、CPU51は、前記動作モードが前記省電力モードであると判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記動作モードが前記省電力モードでなければ(S11のNo側)、CPU51は、処理をステップS15に移行させる。
【0038】
<ステップS12>
ステップS12において、CPU51は、前記動作モードを前記通常モードに切り替える。
【0039】
<ステップS13>
ステップS13において、CPU51は、前記一括印刷処理を実行する。
【0040】
<ステップS14>
ステップS14において、CPU51は、前記動作モードを前記省電力モードに切り替える。
【0041】
<ステップS15>
ステップS15において、CPU51は、割込み信号X12によってRAM53への格納が通知された前記印刷ジョブの実行が可能であるか否かを判断する。
【0042】
例えば、CPU51は、割込み信号X12によってRAM53への格納が通知された前記印刷ジョブよりも実行順序が先の他の前記印刷ジョブが存在しない場合に、当該印刷ジョブの実行が可能であると判断する。
【0043】
ここで、CPU51は、前記印刷ジョブの実行が可能であると判断すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、前記印刷ジョブの実行が可能でなければ(S15のNo側)、CPU51は、ステップS15で前記印刷ジョブの実行が可能になるのを待ち受ける。
【0044】
<ステップS16>
ステップS16において、CPU51は、割込み信号X12によってRAM53への格納が通知された前記印刷ジョブを実行する。
【0045】
なお、CPU51は、ステップS16の処理の実行後に、前記動作モードを前記省電力モードに切り替えてもよい。
【0046】
ところで、画像形成装置10において、外部からの前記印刷ジョブの入力頻度が高い場合には、前記省電力モードからの復帰の回数、つまり前記動作制御処理のステップS12の実行回数が多くなり、その分、画像形成装置10における消費電力が増大する。
【0047】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、外部からの前記印刷ジョブの入力に応じた前記省電力モードからの復帰の回数を低減可能である。
【0048】
信号遅延部59は、前記動作モードが前記省電力モードである場合に、信号出力部58から出力される割込み信号X12のCPU51への入力を遅延可能である。
【0049】
例えば、信号遅延部59は、前記動作モードが前記省電力モードである場合において、予め設定された遅延時間が0秒よりも長い場合に、信号出力部58から出力される割込み信号X12のCPU51への入力を当該遅延時間だけ遅延させる。
【0050】
一方、信号遅延部59は、前記動作モードが前記省電力モードである場合において、予め設定された遅延時間が0秒である場合に、信号出力部58から出力される割込み信号X12を遅延させることなくCPU51に入力する。また、信号遅延部59は、前記動作モードが前記通常モードである場合には、信号出力部58から出力される割込み信号X12を遅延させることなくCPU51に入力する。
【0051】
ところで、CPU51は、前記一括印刷処理の実行中に、適宜のタイミングでRAM53における未実行の前記印刷ジョブの存否を確認する。そのため、前記一括印刷処理の実行中においては、CPU51に割込み信号X12を入力する必要がない。
【0052】
そこで、画像形成装置10では、前記一括印刷処理の実行中におけるCPU51への割込み信号X12の入力が制限される。
【0053】
具体的に、信号遅延部59は、前記動作モードが前記省電力モードである間に最初に信号出力部58から入力される特定割込み信号のCPU51への入力を遅延可能である。そして、信号遅延部59は、信号出力部58からの前記特定割込み信号の入力時から次の前記動作モードの前記省電力モードへの切り替え時までの間に信号出力部58から入力される割込み信号X12のCPU51への入力を制限する。これにより、CPU51に不要な割込み信号X12が入力されることが回避される。
【0054】
なお、CPU51は、前記一括印刷処理の終了を信号遅延部59に通知してもよい。この場合、信号遅延部59は、信号出力部58からの前記特定割込み信号の入力時から当該入力時後に最初に実行される前記一括印刷処理の終了時までの間に信号出力部58から入力される割込み信号X12のCPU51への入力を制限してもよい。
【0055】
また、図2に示されるように、制御部5は、第1設定処理部81、第2設定処理部82、及び第3設定処理部83を含む。
【0056】
具体的に、制御部5のCPU51は、ROM52に格納された前記制御プログラムを実行することにより、上述の各部として機能する。
【0057】
なお、第1設定処理部81、第2設定処理部82、及び第3設定処理部83は、CPU51とは別に設けられた電子回路であってもよい。
【0058】
第1設定処理部81は、予め定められた設定操作に応じて、信号遅延部59による割込み信号X12の前記遅延時間を設定する。
【0059】
例えば、第1設定処理部81は、操作表示部6における予め定められた呼出操作に応じて、前記設定操作に用いられる設定画面を操作表示部6に表示させる。例えば、前記設定画面では、前記遅延時間を0秒から予め定められた上限時間までの範囲内で設定可能である。そして、第1設定処理部81は、前記設定画面におけるユーザーの操作、つまり前記設定操作に応じて、前記遅延時間を設定する。
【0060】
第2設定処理部82は、予め定められた特定期間における自装置の印刷頻度に基づいて、信号遅延部59による割込み信号X12の前記遅延時間を設定する。
【0061】
例えば、第2設定処理部82は、前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられるタイミングで、前記遅延時間を設定する。
【0062】
例えば、前記特定期間は、現在を終期とする2時間の期間である。なお、前記特定期間は、現在から1週間、一か月間、又は1年間遡ったタイミングを含む日の始期から終期までであってもよい。また、前記特定期間は、現在から任意の時間数、日数、週数、月数、又は年数を遡ったタイミングを含む任意の長さの期間であってもよい。
【0063】
例えば、画像形成装置10では、前記印刷ジョブが実行される毎に、当該印刷ジョブの実行履歴を含む印刷履歴情報が不揮発性メモリー54に格納される。例えば、前記印刷履歴情報には、前記印刷ジョブの実行日時、前記印刷ジョブにおける印刷対象データの識別情報、前記印刷ジョブの入力元の情報処理装置の識別情報、及び前記印刷ジョブの実行時間などが含まれる。
【0064】
第2設定処理部82は、不揮発性メモリー54に格納された前記印刷履歴情報に基づいて、前記特定期間における前記印刷頻度を取得する。ここで、前記印刷頻度は、前記特定期間における前記印刷ジョブの実行回数を当該特定期間で除算することによって算出される値である。つまり、前記印刷頻度は、単位時間当たりの前記印刷ジョブの実行回数である。例えば、前記特定期間が現在を終期とする2時間の期間である場合、前記印刷頻度は、1時間当たりの前記印刷ジョブの実行回数である。
【0065】
例えば、第2設定処理部82は、前記印刷頻度が高いほど、前記遅延時間が短くなるように、前記遅延時間を設定する。
【0066】
例えば、第2設定処理部82は、前記印刷頻度の逆数、つまり前記特定期間における前記印刷ジョブの実行間隔の平均値に基づいて、前記遅延時間を設定する。例えば、第2設定処理部82は、前記印刷頻度の逆数から前記特定期間に実行された前記印刷ジョブの実行時間の平均値を減算することによって算出される値を、前記遅延時間として設定する。なお、当該値がマイナスである場合、第2設定処理部82は、前記遅延時間を0秒に設定すればよい。これにより、外部からの前記印刷ジョブの入力に応じた前記省電力モードからの復帰の回数を低減しつつ、前記印刷ジョブの実行開始が遅延することによる利便性の低下を抑制可能である。
【0067】
なお、第2設定処理部82は、前記印刷頻度の逆数から前記特定期間に実行された前記印刷ジョブの実行時間の平均値を減算することによって算出される値が予め定められた第1閾値を超える場合に、当該第1閾値を前記遅延時間として設定してもよい。これにより、利便性が一定水準を下回ることを回避可能である。
【0068】
また、第2設定処理部82は、前記印刷頻度の逆数から前記特定期間に実行された前記印刷ジョブの実行時間の平均値を減算することによって算出される値が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超える場合に、前記遅延時間を0秒に設定してもよい。これにより、割込み信号X12の入力を遅延させることによって前記省電力モードからの復帰の回数を低減できる可能性が十分に低い場合にまで、前記印刷ジョブの実行が遅延されることを回避可能である。
【0069】
なお、第2設定処理部82は、前記印刷頻度が予め定められた第3閾値以下である場合には、前記遅延時間を0秒に設定し、前記印刷頻度が前記第3閾値を超える場合には、前記遅延時間を予め固定で定められた時間、又は当該印刷頻度と前記第3閾値との差に基づいて取得される時間に設定してもよい。例えば、第2設定処理部82は、前記印刷頻度と前記第3閾値との差が大きいほど、前記遅延時間が長くなるように、前記遅延時間を設定してもよい。
【0070】
また、前記印刷履歴情報は、画像形成装置10の外部に設けられたサーバーに格納されてもよい。この場合、第2設定処理部82は、当該サーバーから前記印刷履歴情報を取得すればよい。また、前記印刷履歴情報には、前記印刷ジョブを実行した画像形成装置10の識別情報が含まれていてもよい。
【0071】
第3設定処理部83は、前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられた後に最初にRAM53に格納される前記印刷ジョブのデータ量に基づいて、信号遅延部59による割込み信号X12の前記遅延時間を設定する。
【0072】
例えば、第3設定処理部83は、前記動作モードの前記省電力モードへの切替後に最初に外部の情報処理装置から前記印刷ジョブが入力されるタイミングで、当該印刷ジョブのデータ量に基づいて前記遅延時間を設定する。
【0073】
例えば、第3設定処理部83は、前記動作モードが前記省電力モードに切り替えられた後に最初にRAM53に格納される前記印刷ジョブのデータ量が多いほど、前記遅延時間が短くなるように、前記遅延時間を設定する。
【0074】
ここで、制御部5は、第1設定処理部81によって前記遅延時間が設定された場合に、第2設定処理部82及び第3設定処理部83の機能を無効に設定する。また、制御部5は、第1設定処理部81によって前記遅延時間が設定されるまでは、第2設定処理部82及び第3設定処理部83のうち、予め指定された又はユーザーの操作によって選択された処理部の機能だけを有効に設定する。
【0075】
なお、制御部5は、第1設定処理部81、第2設定処理部82、及び第3設定処理部83のいずれか一つ又は複数を含んでいなくてもよい。
【0076】
このように、画像形成装置10では、前記動作モードが前記省電力モードである場合に、信号出力部58から出力される割込み信号X12のCPU51への入力を遅延可能である。これにより、当該割込み信号X12の入力に起因して実行される前記印刷ジョブの終了後の前記省電力モードへの移行タイミングを遅延させることが可能となり、本来の移行タイミングから遅延後の移行タイミングまでの間の前記印刷ジョブの入力に起因する前記省電力モードからの復帰を回避可能である。従って、外部からの前記印刷ジョブの入力に応じた前記省電力モードからの復帰の回数を低減可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 通信部
10 画像形成装置
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 不揮発性メモリー
55 通信制御部
56 DMAコントローラー
57 バス
58 信号出力部
59 信号遅延部
81 第1設定処理部
82 第2設定処理部
83 第3設定処理部
図1
図2
図3
図4