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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】デフロスター機能付き調光装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20240903BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1345
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020186677
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076317
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】牧大 公一
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-177198(JP,A)
【文献】特開2009-086046(JP,A)
【文献】特開2017-106983(JP,A)
【文献】特開昭62-022312(JP,A)
【文献】特開昭61-227311(JP,A)
【文献】特開2001-325832(JP,A)
【文献】特開2012-230327(JP,A)
【文献】特開2019-124882(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152075(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の表面に透明電極を形成した一対の透明導電フィルムの前記透明電極側を向い合せにして液晶調光層を積層した調光フィルムの透明電極のうちの少なくとも一方の透明電極への給電の切り替えにより、前記透明電極の発熱状態を制御する事によるデフロスター機能と調光機能の切り替えを可能としたデフロスター機能付き調光装置であって、
少なくとも、調光フィルムと、複数の配線切替え器と、交流電源との接続を可能とする一対の接続端子と、を備えており、
調光フィルムは、一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第1給電電極と第2給電電極およびもう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第3給電電極と第4給電電極、を備えており、
複数の配線切替え器を使用して、第1~第4給電電極と交流電源との接続状態を切り替える事により、前記デフロスター機能の発現、停止と前記調光機能の発現、停止の組合せの一つを行い、
各透明電極への給電を可能とした時に、各透明電極に給電される電流値を調整することが可能に構成された加熱温度調整用可変抵抗器と、
前記第2給電電極と前記第4給電電極とに接続可能に構成され、前記一方の透明電極と前記もう一方の透明電極との間の残留電荷を消費することが可能に構成された残留電荷消去抵抗器と、を備える
ことを特徴とするデフロスター機能付き調光装置。
【請求項2】
透明基材の表面に透明電極を形成した一対の透明導電フィルムの前記透明電極側を向い合せにして液晶調光層を積層した調光フィルムの透明電極のうちの少なくとも一方の透明電極への給電の切り替えにより、前記透明電極の発熱状態を制御する事によるデフロスター機能と調光機能の切り替えを可能としたデフロスター機能付き調光装置であって、
少なくとも、調光フィルムと、複数の配線切替え器と、交流電源との接続を可能とする一対の接続端子と、を備えており、
調光フィルムは、一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第1給電電極と第2給電電極およびもう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第3給電電極と第4給電電極、を備えており、
複数の配線切替え器を使用して、第1~第4給電電極と交流電源との接続状態を切り替える事により、前記デフロスター機能の発現、停止と前記調光機能の発現、停止の組合せの一つを行い、
前記デフロスター機能の発現、停止と前記調光機能の発現、停止の組合せは、下記の(1)~(7)であることを特徴とするデフロスター機能付き調光装置。
(1)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(2)調光フィルムは透過状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(3)調光フィルムは第2給電電極側のみ透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。
(4)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(5)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は両面加熱状態。
(6)調光フィルムは第1給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。(7)調光フィルムは第1と第2給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は両面加熱状態。
【請求項3】
前記調光フィルムは、前記一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に給電し該透明電極を発熱可能とする前記第1給電電極と前記第2給電電極および前記もう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に給電し該透明電極を発熱可能とする前記第3給電電極と前記第4給電電極、を備えており、
前記複数の配線切替え器は、それぞれ、1つの共通電極と、同じ数の複数の個別電極と、前記共通電極と前記複数の個別電極のうちのいずれか1つを短絡する手段と、を備え、且つ前記複数の配線切替え器の各短絡する手段は、各配線切替え器における同じ位置に配置された前記個別電極と前記共通電極を短絡する様に連動しており、
前記配線切替え器の短絡する手段によって短絡される前記共通電極と前記個別電極の組み合わせによって、前記交流電源の一対の端子と、前記調光フィルムの、前記第1給電電極と、前記第2給電電極と、前記第3給電電極と、前記第4給電電極と、の接続を切り替える事により、前記調光フィルムの一対の前記透明電極のうち、選択した一方または両方の前記透明電極への給電を切り替え可能とし、更に、前記調光フィルムの白濁と透過を切り替え可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載のデフロスター機能付き調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デフロスター機能付き調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物、車両の窓や打合せスペースにおける衝立などに調光フィルムが使用されている。調光フィルムは、一対の透明導電フィルムの透明導電膜を内側にして液晶調光層を挟持した積層体である。透明導電膜間に適切な交流電圧をON/OFFすることによって、透明/不透明となる光学的機能フィルムである。調光フィルムには、電圧をON(電圧を印加した状態)した時に不透明になり、電圧をOFF(電圧を印加しない状態)した時に透明になるノーマルモードと、その逆のリバースモードの調光フィルムが知られている。
【0003】
また、自動車などの窓には、デフロスター機能が備えられている。デフロスター機能とは、自動車のフロントガラスやリアガラスに備えられた加熱機能である。この機能により、窓ガラスに発生した霜や氷を融かす事で、視界を得られる様にする事ができる。
【0004】
フロンガラスなどの加熱機能は、通常、ガラス表面に透明導電膜(または透明電極)を形成し、その膜に電流を流す事によって発生するジュール熱を利用している。
【0005】
調光フィルムにおいても、液晶調光層に電圧を印加する電極として透明導電膜(または透明電極)が使用されている。その為、原理的には、調光フィルムの一対の透明導電膜(または透明電極)に電流を流す事で、発熱機能を発揮させる事は可能である。
【0006】
例えば、調光フィルムだけでデフロスター機能を備える目的で、調光層の駆動は従来と同じく交流電源で行い、デフロスター機能は直流電源で行う場合を考える。図6に示した様に、調光フィルムの第1透明電極2の第1給電電極aから第2給電電極bに向かって直流電流を流すと、第1透明電極aにおいて、流した電流の大きさに対応した発熱が起こる。一方、第2給電電極bにおいては直流電源DCのグランド端子側に接続されている為、0ボルトであり、第1給電電極aにおいては、直流電源DCの電圧、Eボルトとなっている。ノーマルモードの調光フィルムの場合、0ボルトでは白濁しており不透明な状態である。そして、十分な発熱量または発熱温度を得る為に、直流電源DCの電圧を0ボルトから上げて行くと、調光機能を発揮させるつもりが無くても、第2給電電極b側においては透明になって来るという問題が発生する。この問題の為、調光フィルムだけでデフロスター機能を備えた調光装置は実用化されていない。
【0007】
この様な技術に関連する先行技術として、特許文献1には、発熱機能付き調光パネルが開示されている。この技術においては、透明基材上に発熱用の導電体がストライプ状に形成されており、その発熱用の導電体の上に絶縁層を形成し、更にその上に、透明導電膜が形成され、更にその上に液晶配向膜が形成された構成となっている。この様な2枚の基板を用いて、それらの透明導電膜側を向い合せにして液晶調光層を積層する事によって、調光パネルを得ている。透明導電膜と発熱用の導電体は絶縁層により電気的に絶縁されている為、発熱用導電体を駆動する為の電圧が液晶調光層に直接影響することが無く、発熱機能付き調光パネルを実現する事が可能となっている。
【0008】
しかしながら、調光層を駆動する為の透明導電膜の他に、発熱用の導体層と絶縁層を形成しなければならない為、材料コストが高くなり、また、製造工程が長くなる事による製造設備の増加やタクトタイムが長くなる、等による高コスト化の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2017-106983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
その為、本発明は、従来の調光フィルムを用いたデフロスター機能付き調光装置を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する手段として、本発明の第1の態様は、透明基材の表面に透明電極を形成した一対の透明導電フィルムの前記透明電極側を向い合せにして液晶調光層を積層した調光フィルムの透明電極のうちの少なくとも一方の透明電極への給電の切り替えにより、前記透明電極の発熱状態を制御する事によるデフロスター機能と調光機能の切り替えを可能としたデフロスター機能付き調光装置であって、
少なくとも、調光フィルムと、複数の配線切替え器と、交流電源との接続を可能とする一対の接続端子と、を備えており、
調光フィルムは、一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第1給電電極と第2給電電極およびもう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第3給電電極と第4給電電極、を備えており、
複数の配線切替え器を使用して、第1~第4給電電極と交流電源との接続状態を切り替える事により、前記デフロスター機能の発現、停止と前記調光機能の発現、停止の組合せの一つを行うことを特徴とするデフロスター機能付き調光装である。
【0012】
また、第2の態様は、前記デフロスター機能の発現、停止と前記調光機能の発現、停止の組合せは、下記の(1)~(7)であることを特徴とする請求項1に記載のデフロスター機能付き調光装置。
(1)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(2)調光フィルムは透過状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(3) 調光フィルムは第2給電電極側のみ透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。
(4)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(5)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は両面加熱状態。
(6)調光フィルムは第1給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。(7)調光フィルムは第1と第2給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は両面加熱状態である。
【0013】
また、第3の態様は、前記調光フィルムは、前記一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に給電し該透明電極を発熱可能とする前記第1給電電極と前記第2給電電極および前記もう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に給電し該透明電極を発熱可能とする前記第3給電電極と前記第4給電電極、を備えており、
前記複数の配線切替え器は、それぞれ、1つの共通電極と、同じ数の複数の個別電極と、前記共通電極と前記複数の個別電極のうちのいずれか1つを短絡する手段と、を備え、且つ前記複数の配線切替え器の各短絡する手段は、各配線切替え器における同じ位置に配置された前記個別電極と前記共通電極を短絡する様に連動しており、
前記配線切替え器の短絡する手段によって短絡される前記共通電極と前記個別電極の組み合わせによって、前記交流電源の一対の端子と、前記調光フィルムの、前記第1給電電極と、前記第2給電電極と、前記第3給電電極と、前記第4給電電極と、の接続を切り替える事により、前記調光フィルムの一対の前記透明電極のうち、選択した一方または両方
の前記透明電極への給電を切り替え可能とし、更に、前記調光フィルムの白濁と透過を切り替え可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載のデフロスター機能付き調光装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のデフロスター機能付き調光装置は、従来の調光フィルムを使用し、調光フィルムの一対の透明電極のいずれか、一方または両方に電流を流す事によって、透明電極に発生するジュール熱を利用してデフロスター機能を発現可能とする調光装置である。具体的には、それぞれの透明電極の対辺に給電電極を設置して置くことで、交流電源との接続状態を、複数の配線切替え器を使用して、透明電極に設置された給電電極と交流電源との接続状態を変更可能とする事により、デフロスター機能の切替えを行うのと同時に、調光フィルムの調光機能も変更可能とする事が可能である。そのため従来の調光フィルムを使用して、デフロスター機能付き調光装置を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のデフロスター機能付き調光装置の構成例を示す説明図。
図2】透明電極と給電電極の構成例を説明する説明図。
図3】本発明のデフロスター機能付き調光装置の動作を説明する説明図。
図4】本発明のデフロスター機能付き調光装置の動作を説明する説明図。
図5】本発明のデフロスター機能付き調光装置の動作を説明する説明図。
図6】従来のデフロスター機能付き調光装置の構成例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のデフロスター機能付き調光装置は、透明基材の表面に透明電極を形成した一対の透明導電フィルムの前記透明電極側を向い合せにして液晶調光層を積層した調光フィルムの透明電極のうちの少なくとも一方の透明電極への給電の切り替えにより、前記透明電極の発熱状態を制御する事によるデフロスター機能と調光機能の切り替えを可能としたデフロスター機能付き調光装置である。
【0017】
少なくとも、調光フィルムと、複数の配線切替え器と、交流電源との接続を可能とする一対の接続端子と、を備えている。
【0018】
調光フィルムは、一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第1給電電極と第2給電電極およびもう一方の透明電極の対辺に備えられ、該透明電極に通電することでデフロスター機能を発揮可能とする第3給電電極と第4給電電極、を備えている。これらの構成要素の他に、透明電極に通電する電流を調整する為の可変抵抗器などが備えらえていても良い。
【0019】
本発明のデフロスター機能付き調光装置は、複数の配線切替え器を使用して、第1~第4給電電極と交流電源との接続状態を切り替える事により、デフロスター機能の発現、停止と調光機能の発現、停止の組合せの一つを行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明のデフロスター機能付き調光装置においては、デフロスター機能の発現、停止と調光機能の発現、停止の組合せは、下記の(1)~(7)であっても良い。
(1)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(2)調光フィルムは透過状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(3) 調光フィルムは第2給電電極側のみ透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。
(4)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は停止した状態。
(5)調光フィルムは白濁状態で、デフロスター機能は両面加熱状態。
(6)調光フィルムは第1給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は片面加熱状態。(7)調光フィルムは第1と第2給電電極側が透過状態で、デフロスター機能は両面加熱状態。
【0021】
以下に、本発明のデフロスター機能付き調光装置の1つの実施形態について、図1図5を用いて説明図る。
本発明のデフロスター機能付き調光装置における調光フィルムは、図1に例示した様に、一対の透明電極のうち、一方の透明電極(第1透明電極2)の対辺に備えられ、その透明電極に給電し発熱可能とする一対の第1給電電極a、第2給電電極bと、もう一方の透明電極(第2透明電極3)の対辺に備えられ、その透明電極に給電し発熱可能とする一対の第3給電電極c、第4給電電極dと、を備えている。図2(a)に例示した様に、矩形状の第1透明電極2の対辺、図2(a)中では第1透明電極2の上辺と下辺に、それぞれ、第1給電電極aと第2給電電極bが備えられている形態であっても良い。同様に、図2(b)に例示した様に、矩形状の第2透明電極3の対辺、図2(b)中では第2透明電極3の上辺と下辺に、それぞれ、第3給電電極cと第4給電電極dが備えられている形態であっても良い。
【0022】
複数の配線切替え器S1、S2、S3、S4は、それぞれ、1つの共通電極18と、各配線切替え器S1、S2、S3、S4で同じ数の複数の個別電極11、12、13、14、15、16、17と、共通電極18と複数の個別電極11、12、13、14、15、16、17のうちのいずれか1つを短絡する手段19と、を備え、且つ複数の配線切替え器S1、S2、S3、S4の各短絡する手段19は、各配線切替え器の中で同じ位置に配置された個別電極と共通電極を短絡する様に連動している。なお、図1では、4つの配線切替え器S1、S2、S3、S4の場合を例示している。各配線切替え器に、1つの共通電極18と、7つの個別電極11、12、13、14、15、16、17を備えた場合を例示しているがこれに限定する必要は無い。
【0023】
配線切替え器の短絡する手段19によって短絡される共通電極と個別電極の組み合わせによって、交流電源ACの一対の端子(第1端子5と第2端子6)と、調光フィルム10の、第1給電電極aと、第2給電電極bと、第3給電電極cと、第4給電電極dと、の接続を切り替える事により、調光フィルム10の一対の透明電極(第1透明電極2と第2透明う電極3)のうち、選択した一方または両方の透明電極2、3への給電を切り替え可能とし、更に、調光フィルム10の白濁と透過を切り替え可能となる。
【0024】
また、調光フィルム10と、複数の配線切替え器S1、S2、S3、S4と、交流電源ACとの一対の接続端子5、6の他に、更に、両方の透明電極(第1透明電極2と第2透明電極3)への給電を可能とした時に、それらの透明電極2、3に給電する電流値を調整可能とする加熱温度調整用可変抵抗器Rが、第1給電電極aと一方の透明電極(第1透明電極)2と第2給電電極bおよび第3給電電極cともう一方の透明電極(第2透明電極)3と第4給電電極dに並列に、または、第1給電電極aと一方の透明電極(第1透明電極)2と第2給電電極bおよび第3給電電極cともう一方の透明電極(第2透明電極)3と第4給電電極dに直列に、備えられていても良い。この様な構成にする事で、第1透明電極2と第2透明電極3に流れる電流値を増減可能となり、それらの透明電極2、3で発生するジュール熱を調整可能となり、デフロスター機能である調光フィルム10の加熱温度を調整する事ができる。
【0025】
次に、本発明のデフロスター機能付き調光装置について、図1図2を用いて、具体例を挙げて、更に詳しく説明する。
【0026】
≪デフロスター機能付き調光装置の構成≫
本発明のデフロスター機能付き調光装置20は、調光フィルム10と、第1~第4の配線切替え器S1、S2、S3、S4と、少なくとも加熱温度調整用可変抵抗器Rと残留電荷消去抵抗器Rおよび負荷抵抗器Rと、を備え、交流電源ACに接続して使用するデフロスター機能付き調光装置20である(図1参照)。
【0027】
<調光フィルム>
調光フィルム10は、従来から使用されて来た調光フィルムと同様の構成であれば良い。即ち、透明基材1上に形成された第1透明電極2が形成された透明導電フィルムと、透明基材1上に形成された第2透明電極3が形成された透明導電フィルムの透明電極2、3側を向い合せにして調光層4を挟持した積層体である。第1透明電極2と第2透明電極3は、調光フィルム10の調光層4に駆動電圧を供給する機能と、第1透明電極2と第2透明電極3自身に電流を流す事によって発生するジュール熱により加熱可能なヒーターとしての機能と、を備えている。
【0028】
(透明電極)
図2(a)に示した様に、第1透明電極2の対向する一方の辺の端部には給電電極aが備えられ、もう一方の辺の端部に給電電極bが備えられている。
また、図2(b)に示した様に、第2透明電極3の対向する一方の辺の端部には給電電極cが備えられ、もう一方の辺の端部に給電電極dが備えられている。
そして、図1に示した様に、第1透明電極2の第1給電電極aとcおよび第2透明電極3の第2給電電極bと第4給電電極dとは、それぞれ調光フィルム10の調光層4を介して対向する位置に配置されている。
【0029】
<配線切替え器>
第1~第4の配線切替え器S1、S2、S3、S4は、それぞれが、1つの共通電極18と、各配線切替え器の中で同じ位置に配置された第1~第7の7つの個別電極11、12、13、14、15、16、17と、共通電極18といずれか1つの個別電極との間を短絡する手段19と、を備えている。第1~第4の配線切替え器S1、S2、S3、S4の特徴は、連動して配線の切替えが行なわれる点である。即ち、第1の配線切替え器S1で、第1の個別電極11と共通電極18が短絡する手段19で短絡されている場合、第2~第4の配線切替え器S2、S3、S4においても、第1の個別電極11と共通電極18が短絡する手段19で短絡される状態となる。つまり4つの配線切替え器の共通電極18が短絡する手段19で短絡される個別電極は、図1中で付番された1~7の個別電極のうち、同じ番号の個別電極が選択される様に連動する。なお、個別電極の数が7つの場合を説明したが、これに限定する必要は無い。また、本発明における配線切替え器は、機械式の場合を説明したが、これに限定する必要は無い。例えば、トランジスタやサイリスタなどのスイッチングデバイスを使用した電子式の配線切替え器であっても良い。
【0030】
以下に、第1~第4の配線切替え器S1、S2、S3、S4の間の接続関係および調光フィルム10や交流電源ACなどとの接続関係を詳しく説明する。
【0031】
・ 第1の配線切替え器
第1の配線切替え器S1においては、第2の個別電極12と、第3の個別電極13と、第5の個別電極15と、第7の個別電極17が電気的に接続されている。また、第1の個別電極11と、第4の個別電極14と、第6の個別電極16は、どことも接続されていない独立電極となっている。
【0032】
また、第1の配線切替え器S1の共通電極18は、第1の配線切替え器S1の第1給電電極aと、第2の配線切替え器S2の第5の個別電極15と、接続されている。
【0033】
また、第1の個別電極11は、負荷抵抗器Rを介して、第2の配線切替え器S2の第1の個別電極11に接続されている。負荷抵抗器Rは、他のモード(動作)からスイッチ接点1に遷移した際、調光フィルムの電極間に発生する残留電荷を短時間で吸収するという機能を発揮する。
【0034】
第2の個別電極12は、第1の配線切替え器S1の第3と第5と第7の個別電極13、15、17と、第2の配線切替え器S2の第3と第6の個別電極13、16と、第3の配線切替え器S3の第7の個別電極17と、第4の切り替え機S4の第2の個別電極12と、交流電源ACの第1の端子5と、に接続されている。
【0035】
第4と第6の個別電極14、16は、どの端子とも接続されていない独立端子である。
【0036】
(2)第2の配線切替え器
第2の配線切替え器S2の、共通電極18は、第3給電電極cと接続されている。
第2の個別電極12は、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して、第2の配線切替え器S2の第7の個別電極17と、第4の配線切替え器S4の第7の個別電極17と、第3の配線切替え器S3の第2と第6の個別電極12、16と、第4の配線切替え器S4の第3と第6の個別電極13、16と、交流電源ACの第2の端子6と、に接続されている。
第4の個別電極14は、どの端子とも接続されていない独立端子である。
【0037】
(3)第3の配線切替え器
第3の配線切替え器S3の、共通電極18は、第4給電電極dと、第4の配線切替え器S4の第5の個別電極15と、に接続されている。
第1と第3の個別電極11、13は、どの端子とも接続されていない独立端子である。
第4の個別電極14は、残留電荷消去抵抗Rを介して、第4の配線切替え器S4の第4の個別電極14と接続されている。残留電荷消去抵抗Rは調光フィルムの電極間に発生する残留電荷を短時間で吸収するという働きを持っている。
【0038】
(3)第4の配線切替え器
第4の配線切替え器S4の、共通電極18は、第2給電電極bと接続されている。
第1の個別電極11は、どの端子とも接続されていない独立端子である。
【0039】
(短絡する手段)
短絡する手段19は、共通電極18と、個別電極11、12、13、14、15、16、17と、を短絡する場合、第1~第4の配線切替え器S1、S2、S3、S4において、第1~第7のいずれか同一の個別電極11、12、13、14、15、16、17と共通電極18が短絡される機構となっている。
【0040】
(加熱温度調整用可変抵抗器)
加熱温度調整用可変抵抗器Rは、第2の配線切替え器S2の、第2の個別電極12と、第7の個別電極17と、の間に接続されている。加熱温度調整用可変抵抗器Rによって、第1透明電極2の第1給電電極aと第2給電電極bの間に流す電流値を変化させ、加熱温度を変化させる事ができる。また、同様に、第2透明電極3の第3給電電極cと第4給電電極dの間に流す電流値を変化させ、加熱温度を変化させる事ができる。
【0041】
(残留電荷消去抵抗器)
残留電荷消去抵抗器Rは、第3の配線切替え器S3の第4の個別電極14と、第4の配線切替え器S4の第4の個別電極14と、の間に接続されている。
【0042】
(負荷抵抗器)
負荷抵抗器Rは、第1の配線切替え器S1の第1の個別電極11と、第2の配線切替え器S2の第1の個別電極11と、の間に接続されている。
【0043】
<交流電源>
交流電源ACは、第1の配線切替え器S1の第2の個別電極12と、第4の配線切替え器S4の第3の個別電極13と、の間に接続される。
【0044】
≪デフロスター機能付き調光装置の動作≫
次に、上記で説明した本発明のデフロスター機能付き調光装置20(図1)の動作について説明する。
【0045】
配線切替え器S1、S2、S3、S4は、短絡する手段19によって、例えば、配線切替え器S1において、共通電極18と個別電極11が短絡されている場合、配線切替え器S2、S3、S4においても共通電極18と個別電極11が短絡される。同様に、配線切替え器S1において、共通電極18と個別電極12が短絡されている場合、配線切替え器S2、S3、S4においても共通電極18と個別電極12が短絡される。この様に、配線切替え器S1、S2、S3、S4の短絡する手段19は、全ての配線切替え器S1、S2、S3、S4において連動して動作する。その為、全ての配線切替え器S1、S2、S3、S4において、常に、短絡する手段19は、共通電極18と、同じ番号に付番された個別電極と、を短絡する様に動作する。
【0046】
次に、配線切替え器S1、S2、S3、S4が、共通電極18と個別電極11~17を短絡する場合の動作について説明する。
【0047】
<共通電極18と個別電極11が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、1と付番された個別電極11と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、1と付番された個別電極11と共通電極18とが短絡した状態である。
【0048】
この状態は、図3(a)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aと第3給電電極cが負荷抵抗器Rを介して接続されている。交流電源には接続されていない為、負荷抵抗器Rには電流が流れておらず、第1給電電極aと第3給電電極cが負荷抵抗器Rの電位は同等となる。
第2給電電極bと第4給電電極dは、開放された状態(openとも記す。)である。
【0049】
従って、調光フィルムの調光層には電圧がかかっておらず、全面が白濁した状態(OFFとも記す。)である。また、第1給電電極aと第2給電電極bの間にある第1透明電極2には電流が流れない為、デフロスター機能もOFFした状態(機能しない状態)となる。
【0050】
<共通電極18と個別電極12が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、2と付番された個別電極12と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、2と付番された個別電極12と共通電極18とが短絡した状態である。
【0051】
この状態は、図3(b)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aと第2給電電極bには、交流電源ACの第1の端子5が接続されている。
第3給電電極cと第4給電電極dには、交流電源ACの第2の端子6が接続されている。
【0052】
従って、調光フィルムの調光層には交流電源ACの第1の端子5の電圧Eの(図6における直流電源DCの直流電圧Eと同じ記号を使用したが、こちらは、第1の端子5と第2の端子6の間にかかる交流電圧である。)交流電圧がかかり、全面が透明な状態(ONとも記す。)となる。また、第1給電電極aと第2給電電極bおよび第3給電電極cと第4給電電極dは、短絡されている為、デフロスター機能はOFFした状態となる。
【0053】
また、第1給電電極aと第2給電電極bの電圧は、交流電源ACの第1の端子5の電圧Eと同じであるのに対し、第3給電電極cと第4給電電極dの電圧は、交流電源ACの第2の端子6の電圧である0である。なお、交流電源ACの第1の端子5の電圧Eおよび第2の端子6の電圧0の単位は、実効電圧におけるボルトである。
【0054】
<共通電極18と個別電極13が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、3と付番された個別電極13と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、3と付番された個別電極13と共通電極18とが短絡した状態である。
【0055】
この状態は、図4(c)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aと第3給電電極cには、交流電源ACの第1の端子5が接続されている。
第2給電電極cには、交流電源ACの第2の端子6が接続されている。
第4給電電極dには、何も接続されていない浮いた状態(open)である。
【0056】
その為、第1給電電極aと第3給電電極cには、交流電源ACの第1の端子5の電圧Eが印加され、第2給電電極bは、交流電源ACの第2の端子6の電圧0となる。第4給電電極dは浮いた状態(open)である。
【0057】
以上の事から、調光フィルム10においては、第1給電電極aと第3給電電極c側は、電圧Eとなり、第2給電電極bは電圧0となる。その為、第1給電電極aと第3給電電極c側に近いほど透明となる。デフロスター機能は、片面(第1給電電極aと第2給電電極b側、図1における第1透明電極2)で機能するが、もう一方の面(第3給電電極cと第4給電電極d側、図1における第2透明電極3)では機能しない。
【0058】
<共通電極18と個別電極14が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、4と付番された個別電極14と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、4と付番された個別電極14と共通電極18とが短絡した状態である。
【0059】
この状態は、図4(d)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aと第3給電電極cには何も接続されていない浮いた状態(open)である。
第2給電電極bと第4給電電極dは、残留電荷除去抵抗器Rを介して接続されている為、ほぼ等電圧となる。
また、交流電源ACとは切り離された状態である。
【0060】
即ち、第1給電電極aと第3給電電極c側の第1透明電極2(図1参照)と、第2給電電極bと第4給電電極d側の第2透明電極3(図1参照)と、に電荷が残留していた場合であっても残留電荷除去抵抗器Rを介して接続される事で電荷が消費され、調光層に電圧が印加されない状態となる。その為、調光層は全面白濁(OFF)状態となる。
【0061】
<共通電極18と個別電極15が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、5と付番された個別電極15と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、5と付番された個別電極15と共通電極18とが短絡した状態である。
【0062】
この状態は、図4(e)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aと第3給電電極cとが交流電源ACの第1の端子5に接続され、即ち、第2給電電極bと第4給電電極dとが、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して、交流電源ACの第2の端子6に接続された状態である。
【0063】
従って、交流電源ACの第1の端子5に接続された第1給電電極aから第2給電電極bを通り、更に、加熱温度調整用可変抵抗器Rを通って、交流電源ACの第2の端子6に戻る回路が形成されている。これは、図1における第1透明電極2に電流を流し、加熱可能な回路構成である。加熱温度調整用可変抵抗器Rによって、第1透明電極2に流す電流値を増減可能である。
【0064】
同様に、交流電源ACの第1の端子5に接続された第3給電電極cから第4給電電極dを通り、更に、加熱温度調整用可変抵抗器Rを通って、交流電源ACの第2の端子6に戻る回路が形成されている。これは、図1における第2透明電極3に電流を流し、加熱可能な回路構成である。加熱温度調整用可変抵抗器Rによって、第2透明電極3に流す電流値を増減可能である。
【0065】
この様に、デフロスター機能としては、調光フィルムの両面の透明電極が加熱可能であり、且つ加熱の加減を調整可能な状態となっている。一方、調光フィルムの調光層には電圧が印加されない状態である為、全面白濁(OFF)状態となる。
【0066】
また、第1給電電極aと第3給電電極cは、交流電源ACの第1の端子5に接続されている為、交流電源ACの第1の端子5の電圧Eとなる。第1給電電極bと第3給電電極dは、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して交流電源ACの第2の端子6に接続されている為、交流電源ACに流れる電流をIとした場合、R×Iだけ、交流電源ACの第2の端子6より高い電圧となる。
【0067】
<共通電極18と個別電極16が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、6と付番された個別電極16と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、6と付番された個別電極16と共通電極18とが短絡した状態である。
【0068】
この状態は、図5(f)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aには何も接続されていない。
第2給電電極bと第4給電電極dには交流電源ACの第2の端子6が接続されている。
第3給電電極cには交流電源ACの第1の端子5が接続されている。
【0069】
その為、第1給電電極aの電圧状態は浮いた状態(OPEN)、第2給電電極bと第4給電電極dとは交流電源ACの第2の端子6に接続されている為、電圧は0、第3給電電極cは交流電源ACの第1の端子5に接続されている為、電圧は交流電源の電圧Eとなる。
【0070】
従って、調光フィルムの第2給電電極bと第4給電電極d側の調光層には電圧は印加されず、白濁した状態となるが、第1給電電極aと第3給電電極d側の調光層には電圧が印加され、透明となる。
【0071】
また、デフロスター機能としては、第3給電電極cと第4給電電極d側の第2透明電極3(図1参照)のみが加熱する。
【0072】
<共通電極18と個別電極17が短絡している場合>
図1中の配線切替え器S1で、7と付番された個別電極17と共通電極18とが短絡した状態である。配線切替え器S2~S4においても、7と付番された個別電極17と共通電極18とが短絡した状態である。
【0073】
この状態は、図5(g)に示した様な回路構成となる。
第1給電電極aには、交流電源ACの第1の端子5が接続されている。
第2給電電極bには、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して、交流電源ACの第2の端子6が接続されている。
第3給電電極cには、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して、交流電源ACの第2の端子6が接続されている。
第4給電電極dには、交流電源ACの第1の端子5が接続されている。
【0074】
交流電源ACの第1の端子5は、第1給電電極aに接続され、第2給電電極bと加熱温度調整用可変抵抗器Rを通って、交流電源ACの第2の端子6に戻る回路ができている。その為、第1透明電極2(図1参照)は、加熱温度調整用可変抵抗器Rによる温度調節が可能なデフロスター機能を発揮する事ができる。
【0075】
同様に、交流電源ACの第1の端子5は、第4給電電極dに接続され、第3給電電極cと加熱温度調整用可変抵抗器Rを通って、交流電源ACの第2の端子6に戻る回路ができている。その為、第2透明電極3(図1参照)は、加熱温度調整用可変抵抗器Rによる温度調節が可能なデフロスター機能を発揮する事ができる。
【0076】
また、第1給電電極aと第4給電電極dは、交流電源ACの第1の端子5に接続されている為、電圧Eとなる。
また、第2給電電極bと第3給電電極cは、交流電源ACの第2の端子6に、加熱温度調整用可変抵抗器Rを介して接続されている為、交流電源ACに流れる電流をIとした場合、交流電源ACの第2の端子6の電圧0より、R×Iだけ高い電圧となる。
【0077】
その為、調光フィルムの第1給電電極aと第4給電電極dには電圧Eが印加され、第2給電電極bと第3給電電極cは電圧0となる為、調光フィルムの第1給電電極aと第4給電電極d側は透明になる。また、調光フィルムの第1給電電極aと第4給電電極dの中間位置は白濁した状態となる。
【0078】
以上の調光フィルムの透明・白濁の状態およびデフロスター機能に関する状態について、まとめて表1に示す。
【0079】
【表1】
【符号の説明】
【0080】
1・・・透明基材
2・・・第1透明電極
3・・・第2透明電極
4・・・調光層
5・・・交流電源の第1の端子
6・・・交流電源の第2の端子
10・・・調光フィルム
11・・・第1の個別電極
12・・・第2の個別電極
13・・・第3の個別電極
14・・・第4の個別電極
15・・・第5の個別電極
16・・・第6の個別電極
17・・・第7の個別電極
18・・・共通電極
19・・・(共通電極と各個別電極間を)短絡する手段
20・・・デフロスター機能付き調光装置
AC・・・交流電源
DC・・・直流電源
a・・・第1給電電極
b・・・第2給電電極
c・・・第3給電電極
d・・・第4給電電極
・・・残留電荷除去抵抗器
・・・負荷抵抗器
・・・加熱温度調整用可変抵抗器
S1・・・第1の配線切替え器
S2・・・第2の配線切替え器
S3・・・第3の配線切替え器
S4・・・第4の配線切替え器
図1
図2
図3
図4
図5
図6