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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20240903BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20240903BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/32
H01L33/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020198137
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086232
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宮田 崇
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-506535(JP,A)
【文献】特開2019-029513(JP,A)
【文献】特表2016-527712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0102380(US,A1)
【文献】PRABASWARA, A. et al,Direct Growth of III-Nitride Nanowire-Based Yellow Light-Emitting Diode on Amorphous Quartz Using Thin Ti Interlayer,Nanoscale Research Letters,2018年02月06日,Vol. 13, No. 41,p. 1-9,https://doi.org/10.1186/s11671-018-2453-1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に、発光層を含む複数の柱状部からなる柱状部群を有する発光部をエッチングに
よって島状にパターニングするとともに、島状の前記発光部が形成された領域以外の領域
に当該発光部のエッチング残差からなる突起形状部を形成する工程と、
前記発光部を覆うように前記基体上に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層から突出し、前記発光部の構成物質と同じ物質を含む前記突起形状部の
先端部をエッチングする工程と、
前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層上に、前記発光部と電気的に接続される電極を形成する工程と、を備え

発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を同じ材料を用いて形成する
請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を異なる材料を用いて形成する
請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2絶縁層の形成材料の誘電率は前記第1絶縁層の形成材料の誘電率よりも低い
請求項3に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、基板上に設けられた複数のナノコラムを有する半導体発光素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-135858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記半導体発光素子では、基板上に複数のナノコラムを形成した後、発光エリア以外に余分に形成されたナノコラムをパターニングによって除去しているが、例えば、エッチング時の残渣によって基板上に凹凸が生じてしまう。このような凹凸上に絶縁層が形成されると、絶縁層上に形成される配線に短絡が生じることで電気的な接続信頼性が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、基体上に、発光層を含む
複数の柱状部からなる柱状部群を有する発光部をエッチングによって島状にパターニング
するとともに、島状の前記発光部が形成された領域以外の領域に当該発光部のエッチング
残差からなる突起形状部を形成する工程と、前記発光部を覆うように前記基体上に第1絶
縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層から突出し、前記発光部の構成物質と同じ物質を
含む前記突起形状部の先端部をエッチングする工程と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を
形成する工程と、前記第2絶縁層上に、前記発光部と電気的に接続される電極を形成する
工程と、を備える発光装置の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の1つの態様によれば、基体と、前記基体上に設けられ、発光層を含む複数の柱状部からなる柱状部群を有する発光部と、前記発光部を覆って前記基体上に設けられる第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられる第2絶縁層と、前記発光部の構成物質と同じ物質を含む突起形状部と、を備え、前記突起形状部は、前記基体側から前記第1絶縁層側に突出し、かつ前記第1絶縁層の上面から前記第2絶縁層側には突出しない発光装置が提供される。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、上記態様の発光装置を備えるプロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プロジェクターの概略構成図である。
図2】発光装置の構成を模式的に示した平面図である。
図3図2のII-II線矢視による発光装置の断面図である。
図4A】発光装置の製造工程の要部を示す図である。
図4B】発光装置の製造工程の要部を示す図である。
図4C】発光装置の製造工程の要部を示す図である。
図4D】発光装置の製造工程の要部を示す図である。
図4E】発光装置の製造工程の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0010】
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター100は、スクリーンSCRに画像を投射する投射型画像表示装置である。プロジェクター100は、発光装置1R,1G,1Bと、クロスダイクロイックプリズム3と、投射光学装置4と、を備えている。発光装置1R,1G,1Bの構成については後述する。
【0011】
発光装置1R,1G,1Bは、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を射出する。発光装置1R,1G,1Bは、各々の発光部を映像の画素として画像情報に応じて変調することで、例えば液晶ライトバルブなどの光変調装置を用いることなく、直接的に映像を形成することができる。
【0012】
発光装置1R,1G,1Bから射出された光は、クロスダイクロイックプリズム3に入射する。クロスダイクロイックプリズム3は、発光装置1R,1G,1Bから射出された光を合成して投射光学装置4に導く。投射光学装置4は、発光装置1R,1G,1Bによって形成された映像を拡大してスクリーンSCRに投射する。投射光学装置4は、一つまたは複数の投射レンズで構成されている。
【0013】
具体的にクロスダイクロイックプリズム3は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射光学装置4によりスクリーンSCR上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0014】
発光装置1R,1G,1Bは、赤色光LR、緑色光LGまたは青色光LBをそれぞれ射出する。なお、発光装置1R,1G,1Bの構成は、射出する光の波長帯が異なる以外、同様の基本構成を有している。以下では、発光装置1Bを例に挙げて、その構成について詳しく説明する。
【0015】
図2は、発光装置1Bの構成を模式的に示した平面図である。
以下、XYZ直交座標系を用いて各部の構成を説明する。発光装置1Bを光軸方向から見た平面形状が矩形状の発光領域の一方の辺に平行な軸をX軸とし、発光領域の他方の辺に平行な軸をY軸とし、X軸とY軸とに垂直な軸をZ軸とする。Z軸と発光装置1Bの光軸とは平行である。
【0016】
図2に示すように、発光装置1Bは、アレイ状に設けられた複数の発光部30を有している。本実施形態において、発光部30はX軸またはY軸に沿ってマトリックス状に設けられている。これにより、発光装置1Bでは、各発光部30を画素として映像を形成することができる自発光イメージャーを構成することができる。
【0017】
図3は、発光装置1Bの要部構成を示す断面図である。なお、図3図2のII-II線矢視による断面を示す図であり、発光装置1Bの断面を示している。
図3に示すように、発光装置1Bは、基体10と、半導体層20と、発光部30と、突起形状部40と、第1絶縁層51と、第2絶縁層52と、第1電極60と、第2電極70と、配線80と、ヒートシンク90と、を有する。ヒートシンク90は、発光部30で生じる熱を放出するため、基体10の下面10bに設けられている。ヒートシンク90は必要に応じて省略してもよい。
【0018】
本実施形態において、Z軸方向において、基体10から発光部30を構成する積層体が積層される方向を「上」とし、基体10から発光部30と反対側に向かう方向を「下」として説明する。
【0019】
基体10は、例えば、基板11と、反射層12と、を含む。基板11は、例えば、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、サファイア基板などで構成されている。反射層12は基板11上に設けられている。反射層12は、例えばAlGaN層とGaN層とを交互に積層させた積層体、AlInN層とGaN層とを交互に積層させた積層体等で構成されている。反射層12は後述するナノコラムの発光層で発生した光を基板11と反対側に向けて反射させる。
【0020】
半導体層20は、基体10上に設けられている。半導体層20は、例えば、n型のGaN層、具体的はSiがドープされたGaN層で構成されている。
【0021】
発光装置1Bは複数の発光部30を有している。複数の発光部30は半導体層20を介して基体10上に島状に形成されることで基体10上に発光部群(柱状部群)を形成している。隣り合う発光部30は、半導体層20の周囲に設けられた素子分離層(図示略)によって電気的に分離されている。素子分離層は、例えば、i型のGaN層、酸化シリコン層、窒化シリコン層などで構成されている。発光部30はエッチングによるパターニングによって島状に形成されている。
【0022】
発光部30は、複数のナノコラム(柱状部)31と、光伝搬層36と、を有している。ナノコラム31は半導体層20上に突出して延びる柱状結晶構造体である。ナノコラム31の平面形状は、多角形、円、楕円などである。本実施形態では、図2に示すように、ナノコラム31の平面形状は、四角形である。ナノコラム31の径は、nmオーダーであり、具体的には、例えば10nm以上、500nm以下である。ナノコラム31の積層方向の寸法、いわゆるナノコラム31の高さは、例えば0.1μm以上、5μm以下である。
【0023】
なお、「ナノコラム31の径」は、ナノコラム31の平面形状が円の場合には、円の直径であり、ナノコラム31の平面形状が円ではない場合には、最小包含円の直径である。例えばナノコラム31の平面形状が多角形の場合、ナノコラム31の径は、多角形を内部に含む最小の円の直径であり、ナノコラム31の平面形状が楕円の場合、ナノコラム31の径は、楕円を内部に含む最小の円の直径である。
【0024】
「ナノコラム31の中心」は、ナノコラム31の平面形状が円の場合には、円の中心であり、ナノコラム31の平面形状が円ではない形状の場合には、最小包含円の中心である。例えばナノコラム31の平面形状が多角形の場合には、ナノコラム31の中心は、多角形を内部に含む最小の円の中心であり、ナノコラム31の平面形状が楕円の場合には、ナノコラム31の中心は、楕円を内部に含む最小の円の中心である。
【0025】
複数のナノコラム31は、平面視において、所定の方向に所定のピッチで配列されている。ナノコラム31は、フォトニック結晶の効果を発現でき、発光層33が発する光を、基体10の面内方向に閉じ込め、積層方向に射出させる。「基体10の面内方向」とは、積層方向と直交する面に沿う方向である。
【0026】
図3に示すように、ナノコラム31は、第1半導体層32と、発光層33と、第2半導体層34と、を有している。ナノコラム31を構成する各層は後述のようにエピタキシャル成長によって形成される。
【0027】
第1半導体層32は、半導体層20上に設けられている。第1半導体層32は、基体10と発光層33との間に設けられている。第1半導体層32は、例えばSiがドープされたn型のGaN層で構成されている。本実施形態において、第1半導体層32は、半導体層20と同じ材料で構成されている。
【0028】
発光層33は、第1半導体層32上に設けられている。発光層33は、第1半導体層32と第2半導体層34との間に設けられている。発光層33は、例えばGaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。発光層33は、第1半導体層32および第2半導体層34を介して電流が注入されることによって光を発する。なお、発光層33を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。
本実施形態の場合、発光層33は、例えば、430nm~470nmの青色波長帯の青色光を射出する。
【0029】
第2半導体層34は、発光層33上に設けられている。第2半導体層34は、第1半導体層32とは導電型が異なる層である。第2半導体層34は、例えばMgがドープされたp型のGaN層で構成されている。第1半導体層32および第2半導体層34は、発光層33内に光を閉じ込める機能を有するクラッド層として機能する。
【0030】
光伝搬層36は、平面視において、ナノコラム31を囲んで設けられている。光伝搬層36の屈折率は、発光層33の屈折率よりも低い。光伝搬層36は、例えば、GaN層、酸化チタン(TiO)層である。光伝搬層36であるGaN層は、i型でもよいし、n型でもよいし、p型でもよい。光伝搬層36は、発光層33において生じた光を、平面方向に伝搬させることができる。
【0031】
発光部30においては、p型の第2半導体層34、不純物がドーピングされていない発光層33、およびn型の第1半導体層32の積層体により、pinダイオードが構成される。第1半導体層32および第2半導体層34のバンドギャップは、発光層33のバンドギャップよりも大きい。発光部30において、第1電極60と第2電極70との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加して電流を注入すると、発光層33において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。
【0032】
発光層33において発生した光は、第1半導体層32および第2半導体層34により基体10の面内方向に光伝搬層36を通って伝搬する。このとき、光は、ナノコラム31によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、基体10の面内方向に閉じ込められる。閉じ込められた光は、発光層33において利得を受けてレーザー発振する。すなわち、発光層33において発生した光は、ナノコラム31により基体10の面内方向に共振し、レーザー発振する。具体的には、発光層33において発生した光は、複数のナノコラム31で構成された共振部において基体10の面内方向に共振し、レーザー発振する。その後、共振により生じる+1次回折光および-1次回折光は、レーザー光として積層方向(Z軸方向)に進行する。
【0033】
発光装置1Bでは、平面方向に伝搬している光の強度が、Z軸方向において、発光層33で最も大きくなるように、第1半導体層32、第2半導体層34および発光層33の屈折率および厚さが設計されている。
【0034】
本実施形態において、積層方向に進行したレーザー光のうち、基体10側に向かって進んだレーザー光は、反射層12によって反射され、第2電極70側に向かって進む。これにより、発光部30は、第2電極70側から光を射出することができる。
【0035】
図3に示すように、半導体層20上には、絶縁層35が設けられている。絶縁層35は、光伝搬層36と半導体層20との間に設けられている。絶縁層35は、発光部30の製造工程において、ナノコラム31を構成する膜を成長させるためのマスクとして機能する。絶縁層35は、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層などで構成されている。
【0036】
第1絶縁層51は、発光部30を覆って基体10(半導体層20)上に設けられている。第1絶縁層51は、例えば、酸化シリコン層である。第1絶縁層51は基体10の上面を平坦化するとともに発光部30を衝撃などから保護する機能を有している。第1絶縁層51には、発光部30の上側を露出させる開口51aが設けられている。
【0037】
突起形状部40は、半導体層20上に設けられている。詳細については後述するが、発光部30はエッチングによるパターニングによって島状に形成されている。突起形状部40は、発光部30をエッチングした際の残渣成分である。そのため、エッチング残渣としての突起形状部40は、発光部30の構成物質と同じ物質で構成されている。なお、発光部30の構成物質とは、例えば、第1半導体層32、発光層33および第2半導体層34の少なくともいずれかの構成材料を含んだ物質である。
【0038】
第1絶縁層51は、発光部30を覆う部分における上面151の高さと発光部30以外を覆う部分における上面151の高さとが異なっている。詳細については後述するが、第1絶縁層51から上方に突出した突起形状部40における一部の先端部は後述のエッチング工程によって除去されている。
【0039】
そのため、第1絶縁層51の上面151のうち最も基体10側に位置する第1上面151aの高さは、発光部30の上面130よりも低くなっている。このようにして形成された突起形状部40は基体10から第1絶縁層51内のみに突出し、第1絶縁層51の上面151から突出しない状態に形成されている。そのため、第1絶縁層51は突起形状部40の形状による影響を受け難いため、上面151として平坦性の高い面を有している。
【0040】
第2絶縁層52は、第1絶縁層51上に形成されている。本実施形態の発光装置1Bにおいて、突起形状部40は基体10から第1絶縁層51側に突出し、かつ第2絶縁層52内には突出しない状態で設けられる。第2絶縁層52は、突起形状部40の影響を受けず平坦性の高い第1絶縁層51の上面151に形成されるため、第2絶縁層52自体も平坦性が高い層となる。
【0041】
本実施形態において、第2絶縁層52は第1絶縁層51と同じ材料である酸化シリコン層で形成されている。このように第2絶縁層52および第1絶縁層51を同じ材料で形成することで発光装置1Bの製造コストを低減できる。
【0042】
第2絶縁層52は、第1絶縁層51をさらに覆うことで絶縁層の膜厚を稼ぐことで、上述の平坦化機能および衝撃保護機能を向上させることができる。第2絶縁層52には、発光部30の上側を露出させる開口52aが設けられている。第2絶縁層52の開口52aは、第1絶縁層51の開口51aに連通することでコンタクトホール53を構成している。
【0043】
第2絶縁層52は、発光部30を覆う部分における上面152の高さと発光部30以外を覆う部分における上面152の高さとが異なっている。具体的に、第2絶縁層52の上面152のうち最も基体10側に位置する第2上面152aの高さは発光部30の上面130よりも高い。この構成によれば、第2絶縁層52の膜厚を薄く抑えつつ基体10上に平坦性の高い面を形成することができる。なお、これに限らず、第2絶縁層52の上面152のうち最も基体10側に位置する第2上面152aの高さは、発光部30の上面130より低くてもよい。
【0044】
なお、第2絶縁層52は第1絶縁層51と異なる材料で構成されていてもよい。第1絶縁層51および第2絶縁層52の材料を異ならせることで、第2絶縁層52の誘電率を第1絶縁層51の誘電率よりも低くする構成を実現できる。これにより、第1絶縁層51の外側をより絶縁性に優れた第2絶縁層52で覆うことができる。よって、発光部30の絶縁性を高めることで発光装置1Bの信頼性を向上させることができる。
【0045】
第1電極60は、発光部30の側方において、絶縁層35を介して半導体層20上に設けられている。第1電極60は発光部30に対応して設けられ、発光部30と電気的に接続される。第1電極60は、例えば、発光部30に対応して設けられるトランジスターTRの一部、例えばゲート電極を構成し、ナノコラム31に注入される電流量を制御可能である。
【0046】
第1電極60は、半導体層20とオーミックコンタクトしていてもよい。図3の例では、第1電極60は、半導体層20を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第1電極60は、発光層33に電流を注入するための一方側の電極である。第1電極60としては、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。
【0047】
第2電極70は、発光部30上に設けられている。第2電極70は、発光層33に電流を注入するための他方の電極である。
第2電極70は、発光部30の数に応じて、複数設けられている。第2電極70は、コンタクト層71と、透明導電層72と、を含む。コンタクト層71は、ナノコラム31および光伝搬層36の一部に接触するように設けられている。コンタクト層71は第1絶縁層51および第2絶縁層52に設けられたコンタクトホール53内に露出している。
【0048】
コンタクト層71としては、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。コンタクト層71は、第2電極70と発光部30との導通性を向上させるための層である。なお、コンタクト層71は数10nm程度の薄膜であるため、光透過性を有している。
【0049】
透明導電層72はコンタクトホール53内に設けられたコンタクト層71に接続される。透明導電層72は、コンタクトホール53を経由して第2絶縁層52上に引き回されている。
透明導電層72は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)層やIZO(Indium Zinc Oxide)層である。発光層33において生じた光は、コンタクト層71および透明導電層72を透過して射出される。
【0050】
配線80は、透明導電層72に積層されている。配線80は、第2電極70を介して発光部30におけるナノコラム31の第2半導体層34と電気的に接続されている。配線80としては、例えば、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。
【0051】
配線80は、基体10上における不図示の領域に設けられた駆動回路に、例えばワイヤーを介して接続されている。上述の第1電極60は基体10上における不図示の領域に設けられた駆動回路に、例えばワイヤーを介して接続されている。このような構成に基づき、発光素子12Bは、駆動回路を駆動させることで第1電極60および第2電極70を介して発光層33に電流を注入することができる。
【0052】
本実施形態の発光装置1Bでは、突起形状部40の影響を受け難くすることで第2絶縁層52の上面152を平坦面で構成することができる。これにより、第2絶縁層52上に形成される第2電極70や配線80の短絡が生じ難くなるので、電気的な接続信頼性を向上できる。
【0053】
また、本実施形態の発光装置1Bでは、同一基板上に(1つの基体10上に)トランジスターTR(第1電極60)および発光部30を形成することができる。これにより、発光装置1Bは、トランジスターTRおよび発光部30を別々の基板に設ける場合に比べて、小型化を図ることができる。
【0054】
続いて、本実施形態の発光装置1Bの製造方法を説明する。
図4A図4Eは発光装置1Bの製造工程の要部を示す図である。
まず、図4Aに示すように、基体10上に発光層33を含む発光部30を島状に形成する工程を行う。
発光部30の形成工程では、はじめに、基体10上における所定領域に半導体層20をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0055】
続いて、半導体層20上の全面にわたって複数のナノコラム31を形成する。続けて、ナノコラム31の周囲に光伝搬層36を形成する。続いて、ナノコラム31上に第2電極70の一部であるコンタクト層71を形成する。
【0056】
複数のナノコラム31および光伝搬層36を半導体層20上に形成した後、発光部30の形成領域以外に形成された不要なナノコラム31および光伝搬層36を、例えばCl系のエッチングガスを用いたドライエッチングプロセスによって除去する。これにより、発光部30を半導体層20上に島状に形成する。
【0057】
具体的にナノコラム31を形成する場合、半導体層20上に絶縁層35を形成する。絶縁層35は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法による成膜、およびフォトリソグラフィーおよびエッチングによるパターニング(以下、単に「パターニング」ともいう)によって形成される。
【0058】
開口を形成した絶縁層35をマスクとして、例えば、MOCVD法やMBE法などにより、半導体層20上に、第1半導体層32、発光層33、第2半導体層34をこの順でエピタキシャル成長させることでナノコラム31を形成することができる。
【0059】
ナノコラム31の形成後、ナノコラム31の周囲に光伝搬層36を形成し、ナノコラム31および光伝搬層36上にコンタクト層71を形成する。光伝搬層36は、例えば、MOCVD法やMBE法などによるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法によって形成される。コンタクト層71は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜、およびパターニングによって形成される。
【0060】
ここで、上記発光部30のエッチングプロセスによって、半導体層20上には発光部30のエッチング残渣からなる突起形状部40が形成されている。突起形状部40は、発光部30の構成物質と同じ物質、例えば、第1半導体層32、発光層33および第2半導体層34の少なくともいずれかを含んでいる。
【0061】
突起形状部40はナノコラム31および光伝搬層36のような柱状構造体の残渣であるため、基体10側から上側に向かって延びる形状を有する。突起形状部40のうち最も上側に突出する部分は、ナノコラム31あるいは光伝搬層36の上端部と同じ高さを有する。
【0062】
発光部30を半導体層20上に島状に形成した後、図4Bに示すように、発光部30を覆うように基体10上に第1絶縁層51を形成する。第1絶縁層51は、例えば、スピンコートによる成膜によって形成される。
第1絶縁層51のうち発光部30と異なる領域に設けられた部分の上面の高さは、発光部30の上面よりも低い。そのため、突起形状部40における比較的に高さのある先端部分、具体的に突起41の先端部41aは第1絶縁層51から突出した状態となる。
【0063】
続いて、図4Cに示すように、第1絶縁層51の上面全体をエッチングする。これにより、第1絶縁層51から突出する突起形状部40の突起41の先端部41aがエッチングによって除去される。
【0064】
なお、図4Aを用いた説明では、半導体層20上に発光部30を島状に形成する工程として、半導体層20上に形成したナノコラム31および光伝搬層36の一部をパターニングによって除去する場合を例に挙げたが、発光部30を島状に形成する方法としては下記の別工程を採用することもできる。
【0065】
例えば、発光部30の形成領域に対応する絶縁層35のみに開口35aを形成しておき、発光部30の非形成領域に対応する絶縁層35には開口35aを形成しないことで、複数のナノコラム31および光伝搬層36を開口35aの形成領域に形成することで発光部30を島状に形成してもよい。
【0066】
このとき、発光部30の非形成領域である絶縁層35上に突起形状部が形成されてしまうことがある。発光部30の非形成領域に形成された突起形状部は第1絶縁層51から突出するおそれがある。
この突起形状部はナノコラム31および光伝搬層36がエピタキシャル成長して形成されたものであるため、上述した突起形状部40と同様、図4Cに示したようなエッチング工程によって第1絶縁層51から突出する部分を除去できる。すなわち、本実施形態において、発光部30の形成領域に対応する絶縁層35のみに開口35aを形成することで、島状に発光部30を形成するようにしてもよい。
【0067】
続いて、図4Dに示すように、エッチング後の第1絶縁層51上に第2絶縁層52を形成する。第2絶縁層52は、例えば、スピンコートによる成膜によって形成される。本実施形態において、第2絶縁層52は第1絶縁層51と同じ材料で形成する。この場合、第2絶縁層52および第1絶縁層51の塗布装置を共通化できるので製造コストを低減できる。
【0068】
なお、第2絶縁層52は第1絶縁層51と異なる材料を用いて形成することもできる。この場合、第2絶縁層52の形成材料の誘電率は第2絶縁層52の形成材料の誘電率よりも低くするのが望ましい。このようにすれば、第2絶縁層52の誘電率を第1絶縁層51の誘電率よりも低くした構成を実現することができる。これにより、第1絶縁層51の外側をより絶縁性に優れた第2絶縁層52で覆うことで発光部30の絶縁性を高めた構成を実現することができる。
【0069】
続いて、図4Eに示すように、第2絶縁層52上に発光部30と電気的に接続される電極を形成する。具体的に、第1絶縁層51および第2絶縁層52を一括して所定形状にパターニングする。このとき、第1絶縁層51の開口51aおよび第2絶縁層52の開口52aを形成することで発光部30の上側を露出させるコンタクトホール53を形成する。
【0070】
そして、コンタクトホール53内に露出するコンタクト層71上に透明導電層72を形成する。透明導電層72は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜およびパターニングによって形成される。これにより、発光部30に電気的に接続される第2電極70が形成される。続いて、第2電極70上に配線80を形成する。配線80は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜およびパターニングによって形成される。
【0071】
続いて、発光部30の形成領域と異なる領域に、第1電極60を形成する。第1電極60は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜、およびパターニングによって形成される。なお、第2電極70および配線80を形成する工程と第1電極60を形成する工程と、の順番は、特に限定されない。
【0072】
最後に、例えば、接合部材(図示せず)を用いて基板11上に駆動回路を搭載し、駆動回路と各発光部30の第1電極60および第2電極70とをワイヤー等によって電気的に接続する。そして、基体10の下面10bにヒートシンク90を取り付けることで、本実施形態の発光装置1Bが製造される。
【0073】
(本実施形態の効果)
以上のように本実施形態の発光装置1Bの製造方法は、基体10上に、発光層33を含む複数のナノコラム31を有する発光部30を島状に形成する工程と、発光部30を覆うように基体10上に第1絶縁層51を形成する工程と、発光部30の構成物質と同じ物質を含み、第1絶縁層51から突出する突起形状部40(突起41)の先端部41aをエッチングする工程と、第1絶縁層51上に第2絶縁層52を形成する工程と、第2絶縁層52上に、発光部30と電気的に接続される第2電極70を形成する工程と、を備える。
【0074】
本実施形態の発光装置1Bの製造方法によれば、第1絶縁層51から突出する突起形状部40の突起41の先端部41aをエッチングすることで、第2絶縁層52内には突出しない状態で突起形状部40を形成することができる。これにより、第2絶縁層52の上面152が突起形状部40の影響を受け難くなって平坦面で構成されるようになる。よって、第2絶縁層52上に形成される第2電極70や配線80の短絡が生じ難くなるので、電気的な接続信頼性を向上させた発光装置1Bを製造することができる。
【0075】
本実施形態の発光装置1Bの製造方法において、第1絶縁層51および第2絶縁層52を同じ材料を用いて形成してもよい。
これにより、発光装置1Bの製造コストを低減できる。
【0076】
本実施形態の発光装置1Bの製造方法において、第1絶縁層51および第2絶縁層52を異なる材料を用いて形成してもよい。この場合において、第2絶縁層52の形成材料の誘電率は第1絶縁層51の形成材料の誘電率よりも低くするのが望ましい。
これにより、第1絶縁層51の外側をより絶縁性に優れた第2絶縁層52で覆うことで発光部30の絶縁性を高めることで発光装置1Bの信頼性をより向上させることができる。
【0077】
本実施形態の発光装置1Bの製造方法において、発光部30の形成工程において、突起形状部40は、発光部30をエッチングによって島状にパターニングした際のエッチング残渣として形成される。
これにより、発光部30のエッチング残渣に起因した電気的な接続信頼性の低下を抑制することができる。
【0078】
本実施形態の発光装置1Bは、基体10と、基体10上に島状に設けられ、発光層33を含む複数のナノコラム31を有する発光部30と、発光部30を覆って基体10上に設けられる第1絶縁層51と、第1絶縁層51上に形成される第2絶縁層52と、基体10から第1絶縁層51側に突出し、かつ第2絶縁層52内には突出しない状態で設けられ、発光部30の構成物質と同じ物質を含む突起形状部40と、を備える。
【0079】
本実施形態の発光装置1Bによれば、第2絶縁層52内には突出しない状態で突起形状部40が形成されるので、第2絶縁層52の上面152を平坦面で構成することができる。よって、第2絶縁層52上に形成される第2電極70や配線80の短絡が生じ難くなるので、電気的な接続信頼性を向上させた発光装置1Bを提供できる。
【0080】
本実施形態の発光装置1Bにおいて、第1絶縁層51の上面151のうち最も基体10側に位置する第1上面151aの高さは、発光部30の上面130よりも低い構成としてもよい。
この構成は、第1絶縁層51から飛び出した突起形状部40の突起41の先端部41aをエッチングで除去することで得られる。つまり、上記構成により、第1絶縁層51の上面151から突起形状部40を突出させない構造を実現することができる。
【0081】
本実施形態の発光装置1Bにおいて、第2絶縁層52の上面152のうち最も基体10側に位置する第2上面152aの高さは、発光部30の上面130よりも高い構成としてもよい。
これにより、第2絶縁層52の膜厚を薄く抑えつつ基体10上に平坦性の高い面を形成することができる。
【0082】
本実施形態の発光装置1Bにおいて、第1絶縁層51および第2絶縁層52は同じ材料で形成されている構成としてもよい。
これにより、発光装置1Bの製造コストを低減できる。
【0083】
本実施形態の発光装置1Bにおいて、第1絶縁層および第2絶縁層は異なる材料で形成されている構成としてもよい。この場合において、第2絶縁層52の誘電率は、第1絶縁層51の誘電率よりも低い構成とすることが望ましい。
これにより、第1絶縁層51の外側をより絶縁性に優れた第2絶縁層52で覆うことで発光部30の絶縁性を高めることで発光装置1Bの信頼性をより向上させることができる。
【0084】
本実施形態の発光装置1Bにおいて、突起形状部40は、発光部30をエッチングにより形成した際のエッチング残渣の一部である構成としてもよい。
これにより、発光部30のエッチング残渣に起因した電気的な接続信頼性の低下を抑制した発光装置1Bを製造することができる。
【0085】
なお、上記説明では、発光装置1Bを例に挙げたが、発光装置1Bと同様の構成を有する発光装置1R,1Gについても同様の効果を奏することができる。すなわち、本実施形態の発光装置1R,1Gにおいても電気的な接続信頼性に優れたものとなる。
【0086】
本実施形態のプロジェクター100は、発光装置1R,1G,1Bを備える。
【0087】
本実施形態のプロジェクター100によれば、上記の効果を奏する発光装置1R,1G,1Bを備えているため、電気的な接続信頼性に優れることで、信頼性に優れ、明るい映像を表示することができる。
【0088】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0089】
例えば、赤色光LRを射出する発光部と、緑色光LGを射出する発光部と、青色光LBを射出する発光部と、が同一の基体10に設けられた発光装置を用いる場合は、発光装置から射出された光は、クロスダイクロイックプリズムに入射せず、直接、投射光学装置4に入射する。この場合、1つの発光装置で、フルカラーの像表示が可能となり、装置構成の小型化を図ることができる。
【0090】
また、上記実施形態では、InGaN系材料からなる発光層について説明したが、発光層として、射出される光の波長に応じて、種々の半導体材料を用いることができる。例えばAlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。また、射出される光の波長に応じて、フォトニック結晶構造体の径または配列のピッチを適宜変更してもよい。
【0091】
その他、発光装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
上記実施形態では、本発明による発光装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。例えば、本発明による発光装置を、マイクロ-LEDディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ或いはスマートウォッチの表示装置に適用することができる。また、本発明による発光装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
【0092】
本発明の態様の発光装置の製造方法は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置の製造方法は、基体上に、発光層を含む複数の柱状部からなる柱状部群を有する発光部を形成する工程と、発光部を覆うように基体上に第1絶縁層を形成する工程と、第1絶縁層から突出し、発光部の構成物質と同じ物質を含む突起形状部、の先端部をエッチングする工程と、第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する工程と、第2絶縁層上に、発光部と電気的に接続される電極を形成する工程と、を備える。
【0093】
本発明の一つの態様の発光装置の製造方法において、第1絶縁層および第2絶縁層を同じ材料を用いて形成する製造方法としてもよい。
【0094】
本発明の一つの態様の発光装置の製造方法において、第1絶縁層および第2絶縁層を異なる材料を用いて形成する製造方法としてもよい。
【0095】
本発明の一つの態様の発光装置の製造方法において、第2絶縁層の形成材料の誘電率は第1絶縁層の形成材料の誘電率よりも低い製造方法としてもよい。
【0096】
本発明の一つの態様の発光装置の製造方法において、発光部の形成工程において、突起形状部は、発光部をエッチングによって島状にパターニングした際のエッチング残渣として形成される製造方法としてもよい。
【0097】
本発明の態様の発光装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置は、基体と、基体上に設けられ、発光層を含む複数の柱状部からなる柱状部群を有する発光部と、発光部を覆って基体上に設けられる第1絶縁層と、第1絶縁層上に設けられる第2絶縁層と、発光部の構成物質と同じ物質を含む突起形状部と、を備え、突起形状部は、基体側から第1絶縁層側に突出し、かつ第1絶縁層の上面から第2絶縁層側には突出しない。
【0098】
本発明の一つの態様の発光装置において、第1絶縁層の上面のうち最も基体側に位置する第1上面の高さは、発光部の上面よりも低い構成としてもよい。
【0099】
本発明の一つの態様の発光装置において、第2絶縁層の上面のうち最も基体側に位置する第2上面の高さは、発光部の上面よりも高い構成としてもよい。
【0100】
本発明の一つの態様の発光装置において、第1絶縁層および第2絶縁層は同じ材料で形成されている構成としてもよい。
【0101】
本発明の一つの態様の発光装置において、第1絶縁層および第2絶縁層は異なる材料で形成されている構成としてもよい。
【0102】
本発明の一つの態様の発光装置において、第2絶縁層の誘電率は、第1絶縁層の誘電率よりも低い構成としてもよい。
【0103】
本発明の一つの態様の発光装置において、突起形状部は、発光部をエッチングにより形成した際のエッチング残渣の一部である構成としてもよい。
【0104】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の上記態様の発光装置を備える。
【符号の説明】
【0105】
1R,1G,1B…発光装置、10…基体、30…発光部、31…ナノコラム(柱状部)、33…発光層、40…突起形状部、41…突起、41a…先端部、51…第1絶縁層、52…第2絶縁層、60…第1電極、70…第2電極(電極)、100…プロジェクター、130…上面(発光部の上面)、151a…第1上面、152a…第2上面。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E