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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像出力装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240903BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240903BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240903BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
G06F3/0484
G06F3/0481
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020203403
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090848
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】田中 由愛
(72)【発明者】
【氏名】磯田 和生
(72)【発明者】
【氏名】松田 美和
(72)【発明者】
【氏名】三好 美恵子
(72)【発明者】
【氏名】市川 優子
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/217326(WO,A1)
【文献】特開2007-041726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0337749(US,A1)
【文献】Florian Windhager ほか6名,Visualization of Cultural Heritage Collection Data: State of the Art and Future Challenges,IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics,2019年06月,Volume: 25 Issue: 6,p.2311-2330,[令和6年6月4日検索],インターネット <URL:https://ieeexplore.ieee.org/document/8352050>,<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8352050&tag=1>
【文献】Exploring museum collections online: Some background reading,Science Museum Group Digital La,p.1-24,[令和6年6月4日検索],インターネット <URL:https://lab.sciencemuseum.org.uk/exploring-museum-collections-online-some-background-reading-da5a332fa2f8>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/04845
G06F 3/04815
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストが関連付けられた画像を記憶する記憶部と、
前記テキストの関連性に基づき、前記画像を三次元空間上に配置する画像配置手段と、
前記画像配置手段が配置した前記画像に対応する前記テキストに基づくテーマを前記三次元空間の表示方向毎に配置するテーマ配置手段と、
前記三次元空間の前記表示方向毎に、前記記憶部を参照して前記画像配置手段により配置された前記画像のうち表示方向に対応する前記テーマに関連する画像を出力する画像可視化手段と、
を備え
前記画像可視化手段は、前記テーマに関連する前記画像を、前記テーマに関連する前記画像を除く他の画像とは異なる態様で出力する、画像出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像出力装置において、
前記画像可視化手段は、前記テーマに関連する前記画像を除く他の画像を表示させず、前記テーマに関連する画像のみを出力する、画像出力装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像出力装置において、
前記画像可視化手段は、前記画像配置手段により配置された前記画像のうち、前記記憶部の前記テキストが前記テーマに関連する画像を出力する、画像出力装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の画像出力装置において、
前記画像可視化手段は、前記画像配置手段により配置された前記画像のうち、前記記憶部の前記画像を画像解析することで得られた前記画像に関するキーワードが前記テーマに関連する画像を出力する、画像出力装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像出力装置において、
前記テーマ配置手段は、前記テーマを多角柱の側面に配置る、画像出力装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の画像出力装置において、
前記テーマ配置手段によって配置した前記テーマのうち少なくとも前記表示方向に対応する前記テーマを出力するテーマ可視化手段を備える、画像出力装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像出力装置において、
前記テーマ可視化手段により出力した前記テーマに対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段と、
前記回転操作受付手段により前記回転操作を受け付けた場合に、操作方向に前記テーマと前記画像とを回転させる画像回転手段と、
を備える、画像出力装置。
【請求項8】
請求項6に記載の画像出力装置において、
前記テーマ可視化手段により出力した前記テーマに対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段と、
前記回転操作受付手段により前記回転操作を受け付けた場合に、操作方向に前記テーマを回転させる画像回転手段と、
を備える、画像出力装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれかに記載の画像出力装置において、
前記テーマは、透過性を有する画像であり、
前記テーマ配置手段は、前記画像配置手段によって配置された前記画像を囲むように前記テーマを配置する、画像出力装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれかに記載の画像出力装置において、
前記テーマは、階層構造を有し、
前記テーマに関する選択操作を受け付けるテーマ受付手段を備え、
前記画像可視化手段は、前記記憶部を参照して前記画像配置手段により配置された前記画像のうち前記テーマ受付手段により受け付けた前記テーマの下位に位置するサブテーマに関連する画像を出力する、画像出力装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載の画像出力装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不特定多数の顧客を対象としてWeb3Dにより美術館データベースに格納する絵画等の美術品画像を配信するシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-296587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、「バーチャル美術館のメーンメニュー画面から、展示品リストを選択すると、ギャラリーに展示されている全作品のサムネイル・パノラマ画像が表示される。その中から所望の絵か彫刻を選ぶと、その彫刻が展示してある中庭へウォークスルー画面で案内してくれる。」ものであった。
美術品に限らず、様々な作品群を、ユーザに一見して分かりやすいものする見せ方の工夫が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、作品等である対象物をユーザに分かりやすく表現した画像出力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
第1の発明は、テキストが関連付けられた画像を記憶する記憶部と、前記テキストの関連性に基づき、前記画像を三次元空間上に配置する画像配置手段と、前記三次元空間の表示方向毎にテーマを有し、前記記憶部を参照して前記画像配置手段により配置された前記画像のうち前記テーマに関連する画像を出力する画像可視化手段と、を備える画像出力装置である。
第2の発明は、第1の発明の画像出力装置において、前記画像可視化手段は、前記テーマに関連する前記画像を、前記テーマに関連する前記画像を除く他の画像とは異なる態様で出力する、画像出力装置である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の画像出力装置において、前記画像可視化手段は、前記画像配置手段により配置された前記画像のうち、前記記憶部の前記テキストが前記テーマに関連する画像を出力する、画像出力装置である。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明の画像出力装置において、前記画像可視化手段は、前記画像配置手段により配置された前記画像のうち、前記記憶部の前記画像を画像解析することで得られた前記画像に関するキーワードが前記テーマに関連する画像を出力する、画像出力装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの画像出力装置において、前記テーマを多角柱の側面に配置するテーマ配置手段と、前記テーマ配置手段によって配置した前記テーマを出力するテーマ可視化手段と、を備える、画像出力装置である。
第6の発明は、第5の発明の画像出力装置において、前記テーマ可視化手段により出力した前記テーマに対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段と、前記回転操作受付手段により前記回転操作を受け付けた場合に、操作方向に前記テーマと前記画像とを回転させる画像回転手段と、を備える、画像出力装置である。
第7の発明は、第5の発明の画像出力装置において、前記テーマ可視化手段により出力した前記テーマに対する回転操作を受け付ける回転操作受付手段と、前記回転操作受付手段により前記回転操作を受け付けた場合に、操作方向に前記テーマを回転させる画像回転手段と、を備える、画像出力装置である。
第8の発明は、第5の発明から第7の発明までのいずれかの画像出力装置において、前記テーマは、透過性を有する画像であり、前記テーマ配置手段は、前記画像配置手段によって配置された前記画像を囲むように前記テーマを配置する、画像出力装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかの画像出力装置において、前記テーマは、階層構造を有し、前記テーマに関する選択操作を受け付けるテーマ受付手段を備え、前記画像可視化手段は、前記記憶部を参照して前記画像配置手段により配置された前記画像のうち前記テーマ受付手段により受け付けた前記テーマの下位に位置するサブテーマに関連する画像を出力する、画像出力装置である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかの画像出力装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作品等である対象物をユーザに分かりやすく表現した画像出力装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る画像処理システムの全体概要図である。
図2】本実施形態に係る画像処理サーバの機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る画像処理サーバの記憶部の例を示す図である。
図4】本実施形態に係る画像処理サーバの記憶部の例を示す図である。
図5】本実施形態に係る画像処理サーバの可視化画像生成処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態に係る画像処理サーバのテーマ画像生成処理を示すフローチャートである。
図7】本実施形態に係るユーザ端末に表示された作品群可視化画像画面の例を示す図である。
図8】本実施形態に係るテーマ画像の例を示す図である。
図9】本実施形態に係る画像処理サーバの可視化画像操作処理を示すフローチャートである。
図10図9の続きである。
図11】本実施形態に係る操作UI部の例を示す図である。
図12】本実施形態に係る作品群可視化画像を正面に移動させた際の表示例を示す図である。
図13】本実施形態に係る作品群可視化画像を小テーマと共に出力した表示例を示す図である。
図14】本実施形態に係る作品群可視化画像の回転移動を説明するための図である。
図15】本実施形態に係るテーマ画像の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
<画像処理システム100>
図1は、本実施形態に係る画像処理システム100の全体概要図である。
図2は、本実施形態に係る画像処理サーバ1の機能ブロック図である。
図3及び図4は、本実施形態に係る画像処理サーバ1の記憶部30の例を示す図である。
【0010】
図1に示す画像処理システム100は、画像処理サーバ1(画像出力装置)と、ユーザ端末5とを備えたシステムである。
画像処理サーバ1は、図示しない入力装置によって入力された作品(対象物)に関する説明情報を、予め記憶しておく。そして、画像処理サーバ1は、例えば、ユーザ端末5から受信した信号に対応して、各作品の画像(画像)を配置した配置画像と、各作品のテーマを示す大テーマ画像(テーマ)とを含む、作品群を可視化した作品群可視化画像を、ユーザ端末5に対して送信する。そうすることで、画像処理サーバ1は、一見して分かりやすく作品群を表現した作品群の閲覧画面を、ユーザに提供する。
【0011】
以下において、作品を、博物館等で所蔵している土偶や土器等を例にして、作品群の閲覧画面について説明する。しかし、これは一例であり、例えば、彫刻や絵画等の他の作品であってもよい。
【0012】
画像処理サーバ1と、ユーザ端末5とは、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット回線等であり、有線であるか無線であるかを問わない。また、図1では、ユーザ端末5を1つのみ図示しているが、画像処理サーバ1は、複数のユーザ端末5の各々に対して通信可能に接続されている。
【0013】
<画像処理サーバ1>
画像処理サーバ1は、ユーザ端末5からの操作に応じて、作品群可視化画像を生成して、ユーザ端末5に送信する。
画像処理サーバ1は、例えば、Webサーバである。画像処理サーバ1は、その他、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
図2に示すように、画像処理サーバ1は、制御部10と、記憶部30と、通信インタフェース部39とを備える。
制御部10は、画像処理サーバ1の全体を制御する中央処理装置(CPU)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0014】
制御部10は、可視化要求受付部11と、配置画像生成部12(画像配置手段)と、大テーマ画像生成部13(テーマ配置手段)と、可視化画像出力部14(画像可視化手段、テーマ可視化手段)と、回転操作受付部15(回転操作受付手段)と、回転処理部16(画像回転手段)と、テーマ受付部18(テーマ受付手段)と、小テーマ画像生成部19と、切替操作受付部20と、切替テーマ画像生成部21とを備える。
【0015】
可視化要求受付部11は、ユーザ端末5から作品群の可視化要求を受け付ける。画像処理サーバ1は、例えば、作品を有する博物館を指定したり、作品のカテゴリを指定したりするための指定画面(図示せず)をユーザ端末5に出力して、ユーザが選択操作をすることで、可視化要求受付部11は、ユーザ端末5から作品群の可視化要求を受け付けてもよい。
【0016】
配置画像生成部12は、例えば、所定の項目を各軸として表したキューブ状(立方体形状)の三次元空間を生成する。ここで、所定の項目は、作品情報記憶部32(記憶部)にある項目であり、例えば、年代、緯度、経度である。
そして、配置画像生成部12は、生成した三次元空間に、作品情報記憶部32に記憶された作品の画像を配置した配置画像を生成する。より具体的には、配置画像生成部12は、作品の画像を、テキストの関連性に基づいて、各軸に対応する項目のテキスト(値)が示す位置に配置する。
また、配置画像生成部12は、緯度及び経度を含む地図画像をさらに配置してもよい。
【0017】
ここで、作品の画像は、例えば、当該作品を撮影した撮影画像である。なお、作品の画像は、当該作品のイラスト画像等の他の画像であってもよいが、当該作品が分かりやすく表現されているものが望ましい。また、作品の画像は、二次元の画像データであっても、三次元モデリングデータであってもよい。
【0018】
大テーマ画像生成部13は、配置画像に含まれる作品の画像に対応する、作品情報記憶部32に記憶された大テーマ(テーマ)を、テーマ記憶部33を参照して抽出して、四角柱(多角柱)の側面に大テーマ領域を配置した大テーマ画像を生成する。大テーマ領域は、大テーマの内容を記載したものである。
ここで、大テーマ画像生成部13は、抽出した大テーマの数が4であれば、4つの側面に各大テーマ領域を配置すればよい。また、大テーマ画像生成部13は、抽出した大テーマの数が3以下であれば、大テーマの数分の側面に大テーマ領域を配置し、大テーマ領域が配置されていない側面があってもよい。他方、大テーマ画像生成部13は、抽出した大テーマの数が5以上であれば、4つの側面に任意の4つの大テーマ領域を配置し、大テーマを切り替えるための切替ボタン(後述する)を用意する。
そして、大テーマ画像生成部13は、透過性を有する大テーマ画像を生成してもよい。
【0019】
可視化画像出力部14は、配置画像生成部12で生成した配置画像と、大テーマ画像生成部13で生成した大テーマ画像とを配置した作品群可視化画像を、ユーザ端末5に対して出力する。作品群可視化画像は、例えば、配置画像を囲うように大テーマ画像を配置したものである。可視化画像出力部14は、作品情報記憶部32を参照して、配置画像のうち、表示方向が正面方向である大テーマに関連する画像を、例えば、強調表示したり、他の画像とは異なる態様で表示したり、他の画像を表示させないようにしたりする。ここで、強調表示とは、例えば、作品の画像の周りを明るく照らすような演出(ハイライト表示)をして、当該画像を強調させるものをいう。
【0020】
また、可視化画像出力部14は、配置画像生成部12で生成した配置画像と、後述する小テーマ画像生成部19で生成した小テーマ画像(サブテーマ)とを配置した作品群可視化画像を、ユーザ端末5に対して出力する。
【0021】
さらに、可視化画像出力部14は、切替ボタンを用意した場合には、切替ボタンをユーザ端末5に対して出力する。
さらにまた、可視化画像出力部14は、表示中のテーマ画像に代えて、切替テーマ画像生成部21で生成した切替テーマ画像を配置した作品群可視化画像を、ユーザ端末5に対して出力する。
ここで、可視化画像出力部14は、作品群可視化画像を、例えば、四角柱のうち上面と、2つの側面との3つの面が視認可能な角度で出力する。
【0022】
回転操作受付部15は、作品群可視化画像に対する回転操作を受け付ける。ここで、回転操作受付部15は、側面を回転させる方向の回転操作を受け付ける。
回転処理部16は、回転操作受付部15により受け付けた回転操作の操作方向に、作品群可視化画像を回転させる。
【0023】
テーマ受付部18は、大テーマ領域の選択操作に対応した操作信号を、ユーザ端末5から受け付ける。制御部10は、例えば、作品群可視化画像の大テーマ画像の1つの側面が正面方向に配置されている場合に、大テーマ領域を選択可能にしておく。そして、ユーザにより大テーマ領域を選択する操作を受け付けることで、ユーザ端末5は、操作信号を送信する。
【0024】
小テーマ画像生成部19は、テーマ受付部18により受け付けた大テーマの下位の階層に位置する小テーマ(サブテーマ)を、作品情報記憶部32及びテーマ記憶部33を参照して抽出し、四角柱の側面に小テーマ領域を配置した小テーマ画像を生成する。ここで、小テーマ領域は、小テーマの内容を記載したものである。
【0025】
切替操作受付部20は、切替ボタンの選択操作に対応した操作信号を、ユーザ端末5から受け付ける。上記したように、大テーマの数が5以上である場合、制御部10は、切替ボタンを用意して、作品群可視化画像と共にユーザ端末5に出力している。そのため、ユーザは、他の大テーマを見たい場合には、切替ボタンを選択する操作をすることで、ユーザ端末5は、操作信号を送信する。
切替テーマ画像生成部21は、切替操作受付部20による選択操作を受け付けた場合に、作品群可視化画像に表示されていないテーマを作品情報記憶部32及びテーマ記憶部33を参照して抽出し、四角柱の側面に未表示のテーマ領域を配置した切替テーマ画像を生成する。
【0026】
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、作品情報記憶部32と、テーマ記憶部33とを備える。
プログラム記憶部31は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部31は、画像処理サーバ1の制御部10が実行する各種機能を行うためのプログラム31aを記憶している。
【0027】
作品情報記憶部32は、作品の画像の項目を含む、作品に関する複数の項目と、複数の項目の各々に対応した作品の内容(テキスト)とを記憶する記憶領域である。
図3は、作品情報記憶部32の一例を示す。作品情報記憶部32は、作品ID(IDentification)、画像ファイル、タイトル(名称)、緯度、経度、年代、解説文、大テーマID、小テーマID、関連キーワード、関連作品ID、といった各項目に対して、作品の内容を記憶している。
【0028】
作品IDは、作品を識別するための識別情報であり、この画像処理システム100で任意に決めたものであってよい。
画像ファイルは、作品の画像のファイルである。上記したが、画像ファイルは、作品を撮影した写真画像であってもよいし、他のものであってもよい。
タイトルは、作品名である。タイトルは、例えば、データ登録者が付けたものであってもよい。
緯度及び経度は、作品が発掘された位置情報を示す。
年代は、作品が制作された時期を示す。作品によっては、年代は、おおよその時期を示すものであってもよい。
解説文は、作品を把握するための解説である。
大テーマIDは、大テーマを識別する識別情報である。
小テーマIDは、小テーマを識別する識別情報である。
関連キーワードは、当該作品に関連する作品との間のワードである。
関連作品IDは、当該作品に関連する関連作品を識別する識別情報である。
関連キーワードと、関連作品IDとは対応するものである。また、1つの作品に対して複数の関連キーワードと関連作品IDとがあってもよい。さらに、関連キーワードは、作品を基準にし、関連作品との間の関係を示すワードである。
【0029】
作品情報記憶部32へのデータ登録は、画像処理サーバ1に通信可能に接続した入出力装置(図示せず)から、例えば、登録画面(図示せず)を使用して行ってもよい。また、作品情報記憶部32へのデータ登録は、例えば、一括登録画面(図示せず)を用意しておき、作品内容を記憶したテキストファイルと、画像データを記憶したフォルダとを指定することで、テキストファイル及びフォルダに記憶された画像データに基づいて、作品情報記憶部32にデータを追加するようにしてもよい。
さらに、作品情報記憶部32へのデータ登録は、画像処理サーバ1が提供するサービス開始前後やサービス実施中であっても行うことができる。
【0030】
テーマ記憶部33は、作品情報記憶部32に記憶されている各作品の大テーマと、小テーマとを対応付けて記憶する記憶領域である。
図4は、テーマ記憶部33の一例を示す。テーマ記憶部33は、大テーマID、大テーマ名、大テーマ解説、小テーマID、小テーマ名、小テーマ解説といった各項目を有する。
大テーマIDは、大テーマを識別する識別情報である。
大テーマ名は、大テーマの名称である。
大テーマ解説は、大テーマの解説文である。
小テーマIDは、小テーマを識別する識別情報である。
小テーマ名は、小テーマの名称である。
小テーマ解説は、小テーマの解説文である。
通信インタフェース部39は、通信ネットワークNを介して、ユーザ端末5等との間の通信を行うためのインタフェースである。
【0031】
<ユーザ端末5>
ユーザ端末5は、例えば、図1に示すようなタブレットに代表されるコンピュータの機能を併せ持った携帯型の端末である。ユーザ端末5は、その他、スマートフォンや携帯電話機等の携帯型の端末でもよいし、PC等の据置型の端末であってもよい。
ユーザ端末5は、図示しないが、少なくとも制御部と、記憶部と、タッチパネルディスプレイ(又は、入出力部)と、通信インタフェース部とを備える。
【0032】
ここで、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、画像処理サーバ1及びユーザ端末5は、各々制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0033】
<画像処理システム100の処理>
次に、画像処理サーバ1と、ユーザ端末5との間で行う処理について、フローチャートに即して説明する。
まず、ユーザ端末5に作品群可視化画像を出力する処理を説明する。
図5は、本実施形態に係る画像処理サーバ1の可視化画像生成処理を示すフローチャートである。
図6は、本実施形態に係る画像処理サーバ1のテーマ画像生成処理を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態に係るユーザ端末に表示された作品群可視化画像画面60の例を示す図である。
図8は、本実施形態に係るテーマ画像の例を示す図である。
【0034】
本処理の前提として、画像処理サーバ1が提供するサービス(以降、このサービスを、「作品閲覧サービス」ともいう。)の提供を受けるユーザ端末5は、まず、画像処理サーバ1にアクセスする。そして、ユーザ端末5の制御部は、上記したような、例えば、図示しない指定画面からの入力にしたがって、可視化画像要求を送信する。
すると、図5のステップS(以下、単に「S」という。)11において、画像処理サーバ1の制御部10(可視化要求受付部11)は、ユーザ端末5から可視化画像要求を受け付ける。
【0035】
S12において、制御部10は、所定の項目を各軸(X軸、Y軸及びZ軸)として表した三次元空間を生成する。
S13において、制御部10(配置画像生成部12)は、作品情報記憶部32に記憶された作品毎に、三次元空間での作品の位置を、各軸に対応した項目の内容に基づいて特定する。
S14において、制御部10(配置画像生成部12)は、特定した位置に、作品の画像を配置した配置画像を生成する。
【0036】
S15において、制御部10(大テーマ画像生成部13)は、配置画像に含まれる各作品の画像に対応する、作品情報記憶部32に記憶された大テーマを、テーマ記憶部33を参照して抽出する。
S16において、制御部10(大テーマ画像生成部13)は、テーマ画像生成処理を行う。
【0037】
ここで、テーマ画像生成処理について、図6に基づき説明する。
図6のS21において、制御部10(大テーマ画像生成部13)は、抽出した大テーマの数が5以上であるか否かを判断する。5以上である場合(S21:YES)には、制御部10は、処理をS22に移す。他方、5以上ではない場合(S21:NO)には、制御部10は、処理をS23に移す。
S22において、制御部10(可視化画像出力部14)は、切替ボタンを配置する。切替ボタンの配置位置は、例えば、作品群可視化画像を出力する画面の一部領域である。
S23において、制御部10(大テーマ画像生成部13)は、四角柱の側面に、大テーマの各々を配置した大テーマ画像を生成する。その後、制御部10は、処理を図5のS17に移す。
【0038】
図5のS17において、制御部10(可視化画像出力部14)は、配置画像と大テーマ画像とを含む作品群可視化画像を、ユーザ端末5に出力する。
これにより、ユーザ端末5では、図7に例示する作品群可視化画像画面60を表示することができる。
【0039】
図7に示す作品群可視化画像画面60は、作品情報記憶部32に記憶された複数の作品の各々に対応する複数の作品画像64(作品の画像)により構成された配置画像63が、三次元空間62に配置され、大テーマ画像65が配置された作品群可視化画像61を含む。
作品群可視化画像画面60は、作品群可視化画像61と、作品群名66と、操作UI部67と、切替ボタン68とを含む。
作品群可視化画像61は、三次元空間62と、配置画像63と、大テーマ画像65とを含む画像である。
【0040】
三次元空間62は、所定の項目を各軸にし、キューブ状に表した空間である。図7の例には、年代についてのメモリと値とが示されている。実際には、年代の軸には、例えば、年代の名称が示され、他の軸についても軸の名称やメモリが示されたりする。
配置画像63は、複数の作品画像64により構成された画像である。作品画像64は、作品の画像そのものであり、例えば、画像のサイズを小さくしたものである。
大テーマ画像65は、複数の作品画像64に関連付けられた大テーマ名を、四角柱の各側面に有する大テーマ領域に配置した画像である。
【0041】
作品群名66は、例えば、可視化画像要求に基づいて設定され、又は、予め指定されたものである。この例では、作品群名66は、「縄文時代の作品コレクション」である。
操作UI部67は、作品群可視化画像61についての回転操作等を行う場合に用いるものである。
切替ボタン68は、大テーマが5以上ある場合に設けられ、大テーマ画像65を未表示の大テーマ名を含む切替テーマ画像に切り替えるための切替部材(ボタン)である。
【0042】
図8(A)は、大テーマが4以上の場合の大テーマ画像65Aの例を示す。大テーマ画像65Aは、四角柱の4つの側面にそれぞれ、大テーマ領域65aから65dを配置している。
他方、図8(B)は、大テーマが2つの場合の大テーマ画像65Bの例を示す。大テーマ画像65Bは、四角柱の4つの側面のうち、任意の2つの側面に、大テーマ領域65aと65bとを配置している。
いずれの場合であっても、三次元空間の表示方面毎にテーマを有するものになっている。
また、四角柱の側面は4つあるため、大テーマの数が4つであれば、全ての側面を大テーマ領域に設定して、大テーマ名を表示させることができる。他方、大テーマの数が4つ未満であれば、大テーマの数に応じた側面を大テーマ領域に設定して大テーマ名を表示させるため、大テーマ領域が設定されない側面が存在する。
【0043】
次に、作品群可視化画像画面60に対する操作処理について説明する。
図9は及び図10、本実施形態に係る画像処理サーバ1の可視化画像操作処理を示すフローチャートである。
図11は、本実施形態に係る操作UI部67の例を示す図である。
図12は、本実施形態に係る作品群可視化画像を正面に移動させた際の表示例を示す図である。
図13は、本実施形態に係る作品群可視化画像を小テーマと共に出力した表示例を示す図である。
【0044】
ユーザ端末5に表示された作品群可視化画像画面60(図7参照)に対して、ユーザがタッチパネルディスプレイ等を介して操作をすることで、ユーザ端末5には、操作に対応した様々な画像を表示させることができる。
図9の可視化画像操作処理は、ユーザ端末5から操作信号を受信したことに応じて、処理を開始する。
【0045】
S31において、制御部10(回転操作受付部15)は、ユーザ端末5から受信した操作信号が、作品群可視化画像画面60の操作UI部67(操作領域)における回転操作であるか否かを判断する。
例えば、図11に示す操作UI部67に対する操作のように、ユーザの指Pを左側から右方向にスライドする操作を行う。この操作により、制御部10は、作品群可視化画像を、上面から下方向に見たときに反時計回りに回転させる操作であると認識する。
操作領域における回転操作である場合(S31:YES)には、制御部10は、処理をS32に移す。他方、操作領域における回転操作ではない場合(S31:NO)には、制御部10は、処理を図10のS41に移す。
【0046】
S32において、制御部10(回転処理部16)は、作品群可視化画像画面60の作品群可視化画像61を、回転操作方向に回転させる。この処理により、ユーザは、自身が行った回転操作にしたがって回転する作品群可視化画像61を見ることができ、例えば、奥側に配置された作品の画像を手前側に動かすことができる。また、奥側に配置された大テーマ領域を、手前側に動かすことができる。その結果、回転移動により手前側に移動した作品の画像や大テーマをよく見ることができるので、便利である。
【0047】
S33において、制御部10(回転処理部16)は、大テーマ画像の側面が正面方向を向いた状態で回転が停止したか否かを判断する。大テーマ画像の側面が正面方向を向いて停止した場合(S33:YES)には、制御部10は、処理をS34に移す。他方、大テーマ画像の側面が正面方向を向いて停止していない場合(S33:NO)には、制御部10は、処理を図10のS41に移す。
S34において、制御部10は、正面方向に配置された大テーマ画像の大テーマ領域に、大テーマ名と説明文とを配置して出力する。
S35において、制御部10(可視化画像出力部14)は、大テーマ領域の内容に対応した作品の画像をハイライト表示させる。
【0048】
図12は、大テーマ画像の側面が正面方向に向いた作品群可視化画像71の例を示す。作品群可視化画像71の大テーマ領域75aには、大テーマ名である「土偶」と、大テーマの説明文とを表示する。また、配置画像に含まれる各作品の画像のうち、大テーマ名が示す土偶の作品画像74には、画像を囲うように強調画像74aが表示されている。
これらの処理で、正面方向に向いた作品群可視化画像の大テーマ名とその内容とを、ユーザに見せることができ、また、その内容に該当する作品の画像がハイライト表示されるので、ユーザに大テーマに対応する作品を知らせることができる。
【0049】
図10のS41において、制御部10(テーマ受付部18)は、ユーザ端末5から受信した操作信号が、大テーマ領域の選択操作であるか否かを判断する。大テーマ領域の選択操作である場合(S41:YES)には、制御部10は、処理をS42に移す。他方、大テーマ領域の選択操作ではない場合(S41:NO)には、制御部10は、処理をS45に移す。
S42において、制御部10(小テーマ画像生成部19)は、受け付けた大テーマ領域の下位の階層に位置する小テーマを、作品情報記憶部32及びテーマ記憶部33を参照して抽出する。
【0050】
S43において、制御部10(小テーマ画像生成部19)は、テーマ画像生成処理を行う。テーマ画像生成処理は、図6に示すものであり、大テーマとして説明したものを、小テーマに代えて処理を行う。
S44において、制御部10(可視化画像出力部14)は、配置画像と、小テーマ画像とを含む作品群可視化画像を、ユーザ端末5に出力する。より具体的には、制御部10は、表示中の大テーマ画像を小テーマ画像に切り替えて、作品群可視化画像を、ユーザ端末5に出力する。
【0051】
これにより、ユーザ端末5では、図13に例示する作品群可視化画像81を表示することができる。
図13に示す作品群可視化画像81は、大テーマ画像に代えて、小テーマ画像85が表示されている。小テーマ画像85は、小テーマ領域85a及び85bを含む。また、作品群名86は、大テーマ名を追加した内容に変更される。
このように、ユーザが大テーマを選択することで、次に小テーマを含む小テーマ画像を生成して配置画像と共に表示することができ、テーマを深く掘り下げて、作品群可視化画像を見せることができる。
【0052】
図10のS45において、制御部10(切替操作受付部20)は、ユーザ端末5から受信した操作信号が、切替ボタンの選択操作であるか否かを判断する。切替ボタンの選択操作である場合(S45:YES)には、制御部10は、処理をS46に移す。他方、切替ボタンの選択操作ではない場合(S45:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
【0053】
S46において、制御部10(切替テーマ画像生成部21)は、作品群可視化画像に表示されていないテーマを作品情報記憶部32及びテーマ記憶部33を参照して抽出し、四角柱の側面に未表示のテーマ領域を配置した切替テーマ画像を生成する。ここで、制御部10は、大テーマ画像が表示されている場合には、大テーマ画像に対して処理を行い、小テーマ画像が表示されている場合には、小テーマ画像に対して処理を行う。
【0054】
S47において、制御部10(可視化画像出力部14)は、表示中のテーマ画像を生成した切替テーマ画像に切り替えて配置した作品群可視化画像を、ユーザ端末5に出力する。
このように、大テーマや小テーマが5つ以上ある場合にも、大テーマ画像や小テーマ画像を切り替えて表示することで、全てのテーマを見せることができる。
【0055】
上記では、作品群可視化画像について、例を用いて説明した。しかし、上記で説明した例のものに限定されない。
(変形例1)
図14は、本実施形態に係る作品群可視化画像の回転移動を説明するための図である。
図14(A)は、作品群可視化画像90の全体を回転移動する場合の例である。
作品群可視化画像90は、反時計回りに回転する際に、図中の側面91と底面92とは一体になって回転するものである。そのため、正面方向の側面91は、回転後には左側面に移動し、底面92の矢印は、奥向きから右向きに変わっている。ここで、側面91は、テーマ画像に対応し、底面92は、配置画像に対応する。
【0056】
他方、図14(B)は、作品群可視化画像90のうち、テーマ画像のみを回転移動する場合の例である。
作品群可視化画像95は、反時計回りに回転する際に、図中の側面96のみ回転するものであり、底面97は回転しない。そのため、正面方向の側面96は、回転後には左側面に移動し、その後奥側の面に移動するのに対し、底面97の矢印は、奥向きの方向のままである。ここで、側面96は、テーマ画像に対応し、底面97は、配置画像に対応する。よって、図14(B)の場合は、配置画像は回転せず、テーマ画像のみが回転するものである。
【0057】
本実施形態に係る作品群可視化画像の回転移動では、図14(A)に示すように、作品群可視化画像の全体が一体として回転するものに限定されず、図14(B)に示すように、作品群可視化画像のうちテーマ画像のみが回転するものであってもよい。
【0058】
(変形例2)
図15は、本実施形態に係るテーマ画像の他の例を示す図である。
図15(A)は、底面が正方形形状の四角柱の側面を構成するテーマ画像98の例である。側面は、正方形形状に限定されることなく、長方形形状であってもよい。
図15(B)は、底面が正六面体形状の多面体の側面を構成するテーマ画像99の例である。この場合、制御部10(大テーマ画像生成部13)は、テーマの数に応じた多面体の側面を構成するように、テーマ画像99を生成する。そうすることで、例えば、テーマの数が5以上ある場合には、切替ボタンを設けることなく、全てのテーマが回転操作によって見えるものになる。
【0059】
本実施形態に係る作品群可視化画像のテーマ画像は、図15(A)に示すように、四角柱の側面を構成するものに限定されず、図15(B)に示すように、多角柱の側面を構成するものであってもよい。
【0060】
このように、本実施形態の画像処理サーバ1によれば、以下のような効果がある。
(1)三次元空間に、作品情報記憶部32に記憶された作品の画像を配置した配置画像と、作品の大テーマを四角柱の側面に配置した大テーマ画像とを含む作品群可視化画像を生成して、ユーザ端末5に出力する。
よって、作品情報記憶部32に記憶された作品について、作品の画像と共に大テーマを表示させることで、ユーザに対してより作品を分かりやすく提示できる。また、大テーマに対応する作品の画像を、例えば、強調表示させるため、大テーマの作品の画像が一見して分かるように表示できる。
【0061】
(2)作品群可視化画像に対する回転操作を受け付けた場合に、作品群可視化画像の全体を回転移動させるので、回転移動にしたがって、様々な位置の配置画像と大テーマ画像とを、正面方向から見ることができる。
(3)大テーマ画像の1つの側面が正面方向に配置されている場合に、正面方向の大テーマ画像の側面が示す大テーマに対応する作品の画像を強調表示させる。そのため、大テーマの作品の画像が一見して分かるように表示でき、確認しやすいものにできる。
(4)大テーマ画像は、透過性を有する画像であり、配置画像を囲むように大テーマ画像を配置するので、大テーマ画像により配置画像が見えづらくなるのを防ぐことができる。
【0062】
(5)大テーマ名を含む領域の選択操作を受け付けた場合に、受け付けた大テーマの下位の階層に位置する小テーマの小テーマ画像を生成して、配置画像と小テーマ画像とを含む作品群可視化画像をユーザ端末5に出力する。よって、テーマを深掘りして作品の画像を見せることができる。
(6)大テーマの数が5以上である場合に、切替ボタンを表示し、切替ボタンの選択操作を受け付けた場合に、大テーマ画像を切り替えるので、大テーマの数によらずに、全ての大テーマを、ユーザに見せることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0064】
(変形形態)
(1)本実施形態では、ユーザ端末に表示するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、画像処理サーバとユーザ端末との機能を有する画像処理装置であってもよい。
(2)本実施形態では、ユーザ端末を、タブレットを例に説明したが、これに限定されない。例えば、HMD(Head Mounted Display)や、展示機器シアター等であってもよい。
【0065】
(3)本実施形態では、作品情報記憶部の画像に、大テーマや小テーマが対応付いているものを例に説明したが、これに限定されない。大テーマや小テーマが対応付けられていない場合においても、同様に行うことができる。その場合、画像処理サーバは、例えば、作品情報記憶部にある画像のうち、各項目の少なくとも1つがテーマに関連する画像を抽出して、出力するようにしてもよい。また、画像処理サーバは、例えば、作品情報記憶部にある画像に対して画像認識処理を行うことによって画像解析することで、画像に関連するキーワードを得て、キーワードがテーマに関連する画像を抽出して、出力するようにしてもよい。
【0066】
(4)本実施形態では、大テーマと小テーマとを有するものを例として説明したが、これに限定されない。3つ以上の階層構造を有するものであっても同様である。その際、テーマ領域の選択操作を受け付けた場合には、1つ下位の階層のテーマを配置したテーマ画像を用いて作品群可視化画像を出力すればよい。
(5)本実施形態では、テーマ記憶部のテーマが、それぞれ4つのテーマにより構成されているものを例に説明したが、これに限定されない。テーマの数は、任意である。
【0067】
(6)本実施形態では、回転操作を受け付けた場合に、作品群可視化画像を回転移動するものを例に説明したが、これに限定されない。作品群可視化画像を表示する際に、例えば、左右に45度程度回転させてもよい。
(7)本実施形態では、多面体の側面にテーマを有するものを例に説明したが、これに限定されない。多面体の上面と底面とにテーマを有してもよい。
【0068】
(8)本実施形態では、1つ下位の階層のテーマを配置したテーマ画像を用いて作品群可視化画像を出力する際、配置画像は同じものを用いるものを例に説明したが、これに限定されない。テーマ領域の選択操作を受け付けた場合に、画像処理サーバの制御部は、テーマ領域のテーマを有する作品の画像のみの配置画像を生成して、1つ下位の階層のテーマを配置したテーマ画像を含む作品群可視化画像を出力してもよい。例えば、「土偶」が選択操作された場合には、作品の画像を「土偶」のみにし、「土偶」と同じ階層の「火焔型土器」等を含まない配置画像を生成してもよい。そのようにすれば、作品の画像が作品群名と同じ状態になるため、より分かりやすいものにできる。
【0069】
(9)本実施形態では、作品情報記憶部に全ての作品情報を記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。作品情報記憶部に記憶されている作品情報のうちの一部を、画像処理サーバに対して通信可能に接続されたデータベース等に記憶させてもよい。例えば、作品画像を、別のデータベースに記憶させておき、作品情報記憶部には、作品データベースの当該作品の画像を格納する位置情報(例えば、URL、アドレス等)を記憶するようにしてもよい。
【0070】
(10)本実施形態では、美術館や博物館で保有する土偶や土器等に関するものを対象とした例を説明したが、これに限定されない。複数の項目について多面的に見せることが有用なものであればよく、他の美術品や絵画等であってもよい。また、美術品等に限らず、例えば、複数の企業を比較した参照を可能にした、企業ポートフォリオ等にも活用できる。その場合、画像は、例えば、企業ロゴにすればよい。
【符号の説明】
【0071】
1 画像処理サーバ
5 ユーザ端末
10 制御部
11 可視化要求受付部
12 配置画像生成部
13 大テーマ画像生成部
14 可視化画像出力部
15 回転操作受付部
16 回転処理部
17 画像強調処理部
18 テーマ受付部
19 小テーマ画像生成部
20 切替操作受付部
21 切替テーマ画像生成部
30 記憶部
31a プログラム
32 作品情報記憶部
33 テーマ記憶部
60 作品群可視化画像画面
61、71,81,90 作品群可視化画像
63 配置画像
64,74 作品画像
65,65A,65B 大テーマ画像
65a,65b,65c,65d,75a 大テーマ領域
67 操作UI部
68 切替ボタン
74a 強調画像
85 小テーマ画像
85a,85b 小テーマ領域
98,99 テーマ画像
100 画像処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15