(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成プログラム及び連携システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240903BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F21/31
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2020212716
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 拓也
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-074994(JP,A)
【文献】特開2014-021513(JP,A)
【文献】特開2016-167111(JP,A)
【文献】特開2014-099030(JP,A)
【文献】特開2017-072890(JP,A)
【文献】特開2017-205981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/31
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、自装置を利用するユーザを認証する認証処理を行
い、
前記特定サービスを通じたユーザからの、前記特定サービスと連携する前記自装置を識別するための識別情報を含んだ前記連携要求を受付ける、
画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記認証処理中に、前記ユーザ情報を用いて、前記自装置に登録された前記自装置を利用するユーザの一覧を示す一覧情報を更新する更新処理を行う請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記一覧情報に登録されていない場合、前記更新処理において前記特定ユーザを前記一覧情報に追加する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記更新処理において前記特定ユーザを前記一覧情報に追加すると、前記一覧情報に登録可能な登録数を超える場合には、予め定めた条件に該当するユーザを前記一覧情報から削除した上で、前記特定ユーザを前記一覧情報に追加する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定めた条件に該当するユーザは、前記自装置の利用に関する利用設定がなされていないユーザである請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、自装置を利用するユーザを認証する認証処理を行い、
前記認証処理を行う都度、前記認証処理毎に生成される、前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記自装置に認証されるための認証情報を、前記特定サービスに通知する
、
画像形成装置。
【請求項7】
前記認証情報には、一度限り有効なワンタイムパスワード、及び前記ワンタイムパスワードが有効となる有効期限が含まれ、
前記プロセッサは、
前記特定サービスに通知した前記ワンタイムパスワードの前記有効期限内に、受付けたパスワードが前記ワンタイムパスワードと一致した場合に、前記特定ユーザを前記自装置に認証する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記
識別情報を表示させ
る、
請求項1
に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記特定サービスとの連携が完了している外部サービスが前記自装置とも連携可能な場合、前記ユーザ情報を用いて前記自装置から前記外部サービスへの接続を受付ける請求項1から8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行
い、
前記特定サービスを通じたユーザからの、前記特定サービスと連携する前記画像形成装置を識別するための識別情報を含んだ前記連携要求を受付ける、
処理を実行させるための画像形成プログラム。
【請求項11】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービス側の端末と画像形成装置とを前記特定サービスにより連携させるための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を前記画像形成装置で受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービス側の端末が保持する前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、前記画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行
い、
前記特定サービスを通じたユーザからの、前記特定サービスと連携する前記画像形成装置を識別するための識別情報を含んだ前記連携要求を前記画像形成装置で受付ける、
連携システム。
【請求項12】
コンピュータに、
特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行い、
前記認証処理を行う都度、前記認証処理毎に生成される、前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記画像形成装置に認証されるための認証情報を、前記特定サービスに通知する、
処理を実行させるための画像形成プログラム。
【請求項13】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービス側の端末と画像形成装置とを前記特定サービスにより連携させるための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を前記画像形成装置で受付け、
受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービス側の端末が保持する前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、前記画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行い、
前記認証処理を行う都度、前記認証処理毎に生成される、前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記画像形成装置に認証されるための認証情報を、前記特定サービスに通知する、
連携システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成プログラム及び連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置からの操作により容易にサービスを利用できる状態にすることができるサービス提供システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置を利用するにあたり、画像形成装置を利用可能なユーザであるか否かのユーザ認証が行われる場合がある。
ここで、近年では、業務でのSNS(=social networking service)の利用が進んでいる。そして、SNSを管理する管理サーバには、SNSを利用するユーザに関するユーザ情報が登録されている。このユーザ情報を用いて上記のユーザ認証が行われれば、画像形成装置を利用可能なユーザを画像形成装置に手入力して管理する等の負担が軽減される。
【0005】
そこで、本発明は、特定サービスのユーザ情報を用いて、画像形成装置におけるユーザ認証を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、自装置を利用するユーザを認証する認証処理を行う。
【0007】
第2の態様の画像形成装置は、第1の態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記認証処理中に、前記ユーザ情報を用いて、前記自装置に登録された前記自装置を利用するユーザの一覧を示す一覧情報を更新する更新処理を行う。
【0008】
第3の態様の画像形成装置は、第2の態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記一覧情報に登録されていない場合、前記更新処理において前記特定ユーザを前記一覧情報に追加する。
【0009】
第4の態様の画像形成装置は、第3の態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記更新処理において前記特定ユーザを前記一覧情報に追加すると、前記一覧情報に登録可能な登録数を超える場合には、予め定めた条件に該当するユーザを前記一覧情報から削除した上で、前記特定ユーザを前記一覧情報に追加する。
【0010】
第5の態様の画像形成装置は、第4の態様の画像形成装置であって、前記予め定めた条件に該当するユーザは、前記自装置の利用に関する利用設定がなされていないユーザである。
【0011】
第6の態様の画像形成装置は、第1から第5の何れかの態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記認証処理を行う都度、前記認証処理毎に生成される、前記ユーザ情報により特定される特定ユーザが前記自装置に認証されるための認証情報を、前記特定サービスに通知する。
【0012】
第7の態様の画像形成装置は、第6の態様の画像形成装置であって、前記認証情報には、一度限り有効なワンタイムパスワード、及び前記ワンタイムパスワードが有効となる有効期限が含まれ、前記プロセッサは、前記特定サービスに通知した前記ワンタイムパスワードの前記有効期限内に、受付けたパスワードが前記ワンタイムパスワードと一致した場合に、前記特定ユーザを前記自装置に認証する。
【0013】
第8の態様の画像形成装置は、第1から第7の何れかの態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記特定サービスと連携する前記自装置を識別するための識別情報を表示させ、前記特定サービスを通じたユーザからの、前記識別情報を含んだ前記連携要求を受付ける。
【0014】
第9の態様の画像形成装置は、第1から第8の何れかの態様の画像形成装置であって、前記プロセッサは、前記特定サービスとの連携が完了している外部サービスが前記自装置とも連携可能な場合、前記ユーザ情報を用いて前記自装置から前記外部サービスへの接続を受付ける。
【0015】
第10の態様の画像形成プログラムは、コンピュータに、特定サービスと連携するための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を受付け、受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行う、処理を実行させる。
【0016】
第11の態様の連携システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定サービス側の端末と画像形成装置とを前記特定サービスにより連携させるための連携アプリケーションを実行して、前記特定サービスを通じたユーザからの連携要求を前記画像形成装置で受付け、受付けた前記連携要求の承認により連携した前記特定サービス側の端末が保持する前記特定サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を用いて、前記画像形成装置を利用するユーザを認証する認証処理を行う。
【発明の効果】
【0017】
第1の態様によれば、特定サービスのユーザ情報を用いて、画像形成装置におけるユーザ認証が行える。
【0018】
第2の態様によれば、認証処理が行われることに伴い、更新処理が行われる。
【0019】
第3の態様によれば、一覧情報の登録の有無に関わらず、更新処理において特定ユーザを一覧情報に追加する構成に比べて、更新処理の処理負荷が軽減される。
【0020】
第4の態様によれば、無作為に選択したユーザを一覧情報から削除した上で特定ユーザを一覧情報に追加する構成に比べて、画像形成装置のユーザビリティを高められる。
【0021】
第5の態様によれば、削除前後で画像形成装置のユーザビリティが変化しないユーザが削除される。
【0022】
第6の態様によれば、認証処理で生成された認証情報が特定サービスに通知されない構成に比べて、認証情報を失念する可能性が低くなる。
【0023】
第7の態様によれば、認証処理で固定パスワードを用いて画像形成装置を利用するユーザを認証する構成に比べて、認証処理の機密性を高められる。
【0024】
第8の態様によれば、ユーザが利用可能な画像形成装置を認知させられる。
【0025】
第9の態様によれば、特定サービスのユーザ情報を用いて、画像形成装置を通じた外部サービスの利用が可能となる。
【0026】
第10の態様によれば、特定サービスのユーザ情報を用いて、画像形成装置におけるユーザ認証が行える。
【0027】
第11の態様によれば、特定サービスのユーザ情報を用いて、画像形成装置におけるユーザ認証が行える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末及び管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】第1連携処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】画像形成装置の表示部に表示された第1の表示例である。
【
図6】画像形成装置の表示部に表示された第2の表示例である。
【
図7】画像形成装置の表示部に表示された第3の表示例である。
【
図8】第2連携処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】ユーザ端末の表示部に表示された第1の表示例である。
【
図10】ユーザ端末の表示部に表示された第2の表示例である。
【
図11】ユーザ端末の表示部に表示された第3の表示例である。
【
図12】第1認証処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】画像形成装置の表示部に表示された第4の表示例である。
【
図14】第2認証処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】ユーザ端末の表示部に表示された第4の表示例である。
【
図16】ユーザ端末の表示部に表示された第5の表示例である。
【
図17】画像形成装置の表示部に表示された第5の表示例である。
【
図18】ユーザ端末の表示部に表示された第6の表示例である。
【
図19】ユーザ端末の表示部に表示された第7の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施の形態に係る連携システム10について説明する。
図1は、連携システム10の概略構成を示す図である。
【0030】
図1に示すように、連携システム10は、画像形成装置20と、ユーザ端末50と、管理サーバ70とを含む。画像形成装置20、ユーザ端末50、及び管理サーバ70は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。このネットワークNには、例えば、インターネット、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)等が適用される。
【0031】
画像形成装置20は、連携したSNSを利用するユーザに関するユーザ情報(以下、「SNSユーザ情報」とする)を用いて、画像形成装置20を利用可能なユーザであるか否かの認証(以下、「ユーザ認証」とする)を行う。画像形成装置20は「自装置」の一例であり、SNSは「特定サービス」の一例であり、SNSユーザ情報は「ユーザ情報」の一例である。
【0032】
ユーザ端末50は、SNSを利用可能な端末であって、当該端末を通じてSNSと画像形成装置20とを連携させる。ここで、SNSと画像形成装置20とを連携させる、とは、管理サーバ70と画像形成装置20とをSNSにより連携させ、SNSユーザ情報を用いた画像形成装置20のユーザ認証を可能にすることをいう。
【0033】
管理サーバ70は、SNSを利用するユーザのID(=identification)、及びSNSのユーザ認証に用いるパスワード等を含むSNSユーザ情報の管理、並びにSNSで行われる各種処理の管理等を行う。管理サーバ70は「特定サービス側の端末」の一例である。以下では、SNSを利用するユーザのIDを「SNSユーザID」と記載し、SNSのユーザ認証に用いるパスワードを「SNSパスワード」と記載する。
【0034】
図2は、画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、画像形成装置20の動作を制御する制御部30を備えている。この制御部30は、CPU31(=Central Processing Unit)、ROM32(=Read Only Memory)、RAM33(=Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(=I/O)34がバスを介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は「プロセッサ」の一例である。
【0035】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又は後述する記憶部35からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又は記憶部35に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施の形態では、ROM32又は記憶部35には、少なくとも後述する第1連携処理及び第1認証処理を実行するための画像形成プログラムが格納されている。なお、画像形成プログラムは、画像形成装置20に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶したり、又は、ネットワークNを介して配布したりして、画像形成装置20に適宜インストールしてもよい。不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD(=Hard Disk Drive)、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0036】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0037】
I/O34には、記憶部35、表示部36、操作部37、画像形成部38、原稿読取部39、及び通信部40が接続されている。これらの各部は、I/O34を介して、CPU31と相互に通信可能とされている。
【0038】
記憶部35は、HDD、SSD(=Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0039】
表示部36には、例えば、液晶ディスプレイ(=LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部36は、タッチパネルを一体的に有している。
【0040】
操作部37には、テンキー又はスタートキー等の各種の操作キーが設けられている。
【0041】
表示部36及び操作部37は、画像形成装置20のユーザから各種の指示を受け付ける。この各種の指示には、例えば、原稿の読み取りを開始させる指示、及び原稿のコピーを開始させる指示等が含まれる。表示部36は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果、及び処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0042】
原稿読取部39は、画像形成装置20の上部に設けられた図示しない自動原稿送り装置の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部39は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0043】
画像形成部38は、原稿読取部39による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークNを介して接続された外部のパーソナルコンピュータ(=PC:Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。
【0044】
通信部40は、ユーザ端末50及び管理サーバ70等の他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0045】
上記の画像形成プログラムを実行する際に、画像形成装置20は、上記のハードウェア資源を用いて、当該画像形成プログラムに基づく処理を実行する。
【0046】
続いて、ユーザ端末50及び管理サーバ70のハードウェア構成を説明する。
図3は、ユーザ端末50及び管理サーバ70のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末50及び管理サーバ70には、一例として、サーバコンピュータ、又はパーソナルコンピュータ等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。また、ユーザ端末50には、一例として、スマートフォン、又はタブレット端末等の携帯端末が適用されてもよい。
【0047】
ユーザ端末50及び管理サーバ70は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、以下では管理サーバ70を代表して説明する。
【0048】
図3に示すように、管理サーバ70は、CPU71、ROM72、RAM73、記憶部74、入力部75、表示部76、及び通信部77を備えている。各構成は、バス78を介して相互に通信可能に接続されている。CPU71は「プロセッサ」の一例である。
【0049】
CPU71は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU71は、ROM72又は記憶部74からプログラムを読み出し、RAM73を作業領域としてプログラムを実行する。CPU71は、ROM72又は記憶部74に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0050】
ROM72は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM73は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0051】
記憶部74は、HDD、SSD又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0052】
入力部75は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0053】
表示部76は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部76は、タッチパネル方式を採用して、入力部75として機能してもよい。
【0054】
通信部77は、画像形成装置20及びユーザ端末50等の他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0055】
図4は、SNSと画像形成装置20とを連携させる連携処理において、画像形成装置20側で実行される処理(以下、「第1連携処理」とする)の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32又は記憶部35から画像形成プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより第1連携処理が行われる。
【0056】
図4に示すステップS10において、CPU31は、SNSと連携するための連携アプリケーションを画像形成装置20に導入する。そして、ステップS11に進む。
【0057】
一例として、画像形成装置20への連携アプリケーションの導入は、以下の流れで行われる。
【0058】
図5は、画像形成装置20の表示部36に表示された第1の表示例である。
図5に示す表示例では、画像形成装置20が備える各種機能を示すホーム画面60が表示されている。
【0059】
ホーム画面60には、各種機能として、コピー機能を実行するためのコピーボタン61、プリント機能を実行するためのプリントボタン62、スキャン機能を実行するためのスキャンボタン63、FAX機能を実行するためのFAXボタン64、設定機能を実行するための設定ボタン65、及びSNS機能を実行するためのSNSボタン66が表示されている。
【0060】
設定機能では、一例として、表示部36に表示される文字サイズの変更、及びホーム画面60に表示させる各種機能の編集等の画像形成装置20の利用に関する利用設定が行える。
【0061】
SNS機能では、一例として、SNSと画像形成装置20とを連携させる連携処理、及びSNSユーザ情報を用いた画像形成装置20のユーザ認証等が行える。
【0062】
画像形成装置20は、ホーム画面60に表示されている上記の各種機能を実行するためのボタンが操作されることで、操作されたボタンに対応する各種機能を実行する。ただし、上記のボタンのうち、コピーボタン61、プリントボタン62、スキャンボタン63、及びFAXボタン64の何れかがユーザ認証前に操作されても、画像形成装置20のCPU31は、当該操作されたボタンに対応する各種機能を実行しない。なお、
図5では、画像形成装置20による各種機能が実行されないボタンの左上に鍵マーク67を表示している。
【0063】
つまり、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、及びFAX機能は、ユーザ認証後に実行可能となる。これに対し、設定機能、及びSNS機能は、ユーザ認証前から実行可能である。
【0064】
図6は、画像形成装置20の表示部36に表示された第2の表示例である。
図6に示す表示例では、
図5に示す表示例においてSNSボタン66が操作された後の状態を示している。
図6では、SNSボタン66の枠内に斜線を施すことで、SNSボタン66が操作されたことを示している。
【0065】
また、
図6では、表示部36の画面下部に、ユーザに対するメッセージを示すメッセージ情報81が表示されている。一例として、
図6では、メッセージ情報81として「連携アプリケーションを導入中です。しばらくお待ち下さい。」と表示されている。そして、CPU31は、連携アプリケーションが画像形成装置20に導入された後、表示部36の表示を
図7に示す表示例へと変化させる。
【0066】
図4に戻って、ステップS11において、CPU31は、SNSと連携する画像形成装置20を識別するための識別情報を表示部36に表示させる。そして、ステップS12に進む。識別情報は、SNSと連携する画像形成装置20を一意に特定できる情報であり、本実施の形態では、一例として「画像形成装置ID」としている。
【0067】
図7は、画像形成装置20の表示部36に表示された第3の表示例である。
図7に示す表示例では、連携アプリケーションが画像形成装置20に導入された後の状態を示している。
図7では、表示部36の画面中央にメッセージ情報81として「SNS連携 画像形成装置ID:5678」と表示されている。これにより、
図7の表示例を見たユーザは、識別情報が「5678」であることを認知できる。
【0068】
図4に戻って、ステップS12において、CPU31は、連携アプリケーションを実行して、SNSを通じたユーザからの連携要求を受付ける。そして、ステップS13に進む。詳細については後述するが、連携要求には、識別情報、及び、何れのSNSグループであるかを一意に特定できるグループ情報が少なくとも含まれる。なお、図示を省略しているが、CPU31は、連携要求を受付けている場合、連携要求を受付けていることを示すべく、
図7に示すメッセージ情報81に「連携要求受付け中」等の文字を追加で表示させてもよい。
【0069】
ステップS13において、CPU31は、受付けた連携要求によりSNSとの連携が可能であるか否かを判定し、連携可能であると判定した場合(ステップS13:YES)はステップS14に進む。一方、CPU31が連携可能でないと判定した場合(ステップS13:NO)はステップS12に戻る。一例として、CPU31は、受付けた連携要求に含まれる識別情報がステップS11で表示部36に表示させたものと一致する場合に、ステップS13で連携要求を承認し、連携可能であると判定する。また、CPU31は、ステップS13において連携可能であると判定した場合、管理サーバ70に対して連携可能である旨の通知を送信する。
【0070】
ステップS14において、CPU31は、受付けた連携要求に含まれるグループ情報に対応するSNSを利用するユーザのグループ(以下、「SNSグループ」とする)を登録する。そして、ステップS15に進む。一例として、CPU31は、グループ情報に対応するSNSグループ(例:Aグループ)を記憶部35に記憶させる。
【0071】
ステップS15において、CPU31は、ステップS14で登録したSNSグループに属するユーザのSNSユーザ情報を管理サーバ70に要求する。そして、ステップS16に進む。
【0072】
ステップS16において、CPU31は、受付けたSNSユーザ情報を登録する。一例として、CPU31は、受付けたSNSユーザ情報を記憶部35に記憶されているSNSグループに対応付け、当該記憶部35において、画像形成装置20を利用するユーザの一覧を示す一覧情報として記憶させる。そして、当該処理を終了する。ここで、管理サーバ70から画像形成装置20に送信されるSNSユーザ情報には、SNSを利用するユーザを一意に特定できる情報が少なくとも含まれており、本実施の形態では、一例として「SNSユーザID」が含まれている。
【0073】
図8は、連携処理において、管理サーバ70側で実行される処理(以下、「第2連携処理」とする)の流れを示すフローチャートである。CPU71がROM72又は記憶部74からプログラムを読み出して、RAM73に展開して実行することにより第2連携処理が行われる。
【0074】
図8に示すステップS20において、CPU71は、連携アプリケーションを管理サーバ70に導入する。そして、ステップS21に進む。
【0075】
一例として、管理サーバ70への連携アプリケーションの導入は、以下の流れで行われる。
【0076】
図9は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第1の表示例である。
図9に示す表示例では、管理サーバ70へ連携アプリケーションを導入するための導入画面80が表示されている。一例として、CPU71は、表示部56の画面上に表示された予め定めたアイコンが入力部55を用いて選択された場合に導入画面80を表示させる。
【0077】
導入画面80には、メッセージ情報81、はいボタン82、及びいいえボタン83が表示されている。一例として、
図9では、メッセージ情報81として「連携アプリケーションを導入しますか?」と表示されている。そして、
図9に示す表示例の表示中に、はいボタン82が操作された場合、CPU71は、管理サーバ70への連携アプリケーションの導入を開始する。一方、
図9に示す表示例の表示中に、いいえボタン83が操作された場合、CPU71は、当該連携アプリケーションの導入を中止し、表示部56の画面を予め定めた表示内容へと変化させる。
【0078】
図8に戻って、ステップS21において、CPU71は、画像形成装置20に連携要求を送信する。そして、ステップS22に進む。
【0079】
ステップS22において、CPU71は、画像形成装置20からの連携可能である旨の通知を取得したか否かを判定し、当該通知を取得したと判定した場合(ステップS22:YES)はステップS23に進む。一方、CPU71が当該通知を取得していないと判定した場合(ステップS22:NO)は当該通知を取得するまで待機する。
【0080】
ステップS23において、CPU71は、連携可能である旨の通知を送信した画像形成装置20を登録する。そして、ステップS24に進む。一例として、CPU71は、連携要求に含まれるグループ情報に対応するSNSグループ(例:Aグループ)と、当該連携要求に対して連携可能である旨の通知を送信した画像形成装置20とを対応付けて記憶部74に記憶させる。
【0081】
ここで、
図4に示すステップS14で画像形成装置20にSNSグループが登録され、かつ、ステップS23で管理サーバ70に画像形成装置20が登録されることで、SNSと画像形成装置20との連携が完了する。これにより、画像形成装置20に登録されたSNSグループに属するユーザが、当該ユーザのSNSユーザ情報を用いて画像形成装置20のユーザ認証を行うことが可能となる。
【0082】
ステップS24において、CPU71は、画像形成装置20に登録されたSNSグループに属するユーザのSNSユーザ情報の送信要求を取得したか否かを判定し、当該送信要求を取得したと判定した場合(ステップS24:YES)はステップS25に進む。一方、CPU71が当該送信要求を取得していないと判定した場合(ステップS24:NO)は送信要求を取得するまで待機する。
【0083】
ステップS25において、CPU71は、ステップS24で取得した送信要求に対応するSNSユーザ情報を記憶部74から抽出し、当該抽出したSNSユーザ情報を画像形成装置20に送信する。そして、当該処理を終了する。
【0084】
次に、連携処理中にユーザ端末50の表示部56に表示される表示例について説明する。
【0085】
図10は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第2の表示例である。
図10に示す表示例では、SNSを利用するユーザがメッセージ、静止画、及び動画等を投稿可能なSNSのサービスメニューであるトークルーム84が表示されている。一例として、CPU71は、表示部56の画面上に表示された予め定めたアイコンが入力部55を用いて選択された場合にトークルーム84を表示させる。
【0086】
トークルーム84には、各ユーザが投稿した情報を示す投稿情報85が表示可能である。一例として、
図10では、投稿情報85として、「画像形成装置と連携」とのメッセージを示す投稿情報85A、及び「画像形成装置ID:5678 SNSグループ:Aグループ」とのメッセージを示す投稿情報85Bが表示されている。投稿情報85A及び投稿情報85Bは、ユーザ端末50を通じてユーザから投稿されたものである。
【0087】
ここで、管理サーバ70のCPU71は、トークルーム84に予め定めた情報が投稿された場合、当該投稿された情報に応じた処理を実行する。一例として、CPU71は、
図10に示す投稿情報85A及び投稿情報85Bがユーザ端末50を通じてユーザから投稿された場合、画像形成装置IDが5678である画像形成装置20に連携要求を送信する。当該連携要求には、識別情報として投稿情報85Bが示す「5678」が、グループ情報として投稿情報85Bが示す「Aグループ」がそれぞれ含まれている。このように、連携要求は、一例として、ユーザ端末50を通じてトークルーム84に予め定めた情報が投稿された場合に、当該投稿された情報に応じた識別情報及びグループ情報を含んで、管理サーバ70から画像形成装置20に送信される。
【0088】
図11は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第3の表示例である。
図11に示す表示例では、SNSと画像形成装置20との連携が完了した後の状態を示している。一例として、CPU71は、SNSと画像形成装置20との連携が完了した場合に
図11に示す表示例を表示させる。
【0089】
図11に示すトークルーム84では、投稿情報85として「連携完了です」とのメッセージを示す投稿情報85Cが、投稿情報85A及び投稿情報85Bに追加して表示されている。投稿情報85Cは、SNSと画像形成装置20との連携が完了したことを契機に、CPU71により自動で投稿されたものである。
【0090】
次に、SNSと連携した画像形成装置20において、SNSユーザ情報を用いて画像形成装置20を利用するユーザが認証される流れについて説明する。
【0091】
図12は、SNSユーザ情報を用いて画像形成装置20を利用するユーザを認証する認証処理において、画像形成装置20側で実行される処理(以下、「第1認証処理」とする)の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32又は記憶部35から画像形成プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより第1認証処理が行われる。
【0092】
ステップS30において、CPU31は、画像形成装置20に登録されたSNSグループに属するユーザ(以下、「グループユーザ」とする)からの認証要求を取得したか否かを判定し、当該認証要求を取得したと判定した場合(ステップS30:YES)はステップS31に進む。一方、CPU31が当該認証要求を取得していないと判定した場合(ステップS30:NO)は認証要求を取得するまで待機する。詳細は後述するが、認証要求には、認証要求を送信したグループユーザを一意に特定できる情報が含まれており、本実施の形態では、一例として「SNSユーザID」及び「SNSグループ」が含まれている。
【0093】
ステップS31において、CPU31は、認証要求を送信したグループユーザが一覧情報に登録されていないか否かを判定し、一覧情報に登録されていないと判定した場合(ステップS31:YES)はステップS32に進む。一方、CPU31が一覧情報に登録されていると判定した場合(ステップS31:NO)はステップS33に進む。一例として、CPU31は、認証要求に含まれるSNSユーザIDが一覧情報に登録されていない場合、すなわち、当該グループユーザが新規のユーザである場合に、当該グループユーザが一覧情報に登録されていないと判定する。
【0094】
ステップS32において、CPU31は、ステップS31で一覧情報に登録されていないと判定したグループユーザを一覧情報に登録する。そして、ステップS33に進む。一例として、CPU31は、認証要求に含まれるSNSユーザIDを当該グループユーザのSNSユーザ情報とし、当該SNSユーザ情報を認証要求に含まれるSNSグループに対応付け、記憶部35が記憶する一覧情報の登録内容を更新する。
【0095】
ステップS33において、CPU31は、認証要求を送信したグループユーザが画像形成装置20に認証されるための認証情報を生成する。そして、ステップS34に進む。認証情報には、一度限り有効なワンタイムパスワード、及びワンタイムパスワードが有効となる有効期限が含まれている。一例として、CPU31は、ワンタイムパスワードとして、「1」、「2」、「3」、及び「4」の4種類の数字を無作為に組み合わせた4桁の数字を生成する。また、本実施の形態では、上記の有効期限をワンタイムパスワード生成後の「5分間」としている。
【0096】
ステップS34において、CPU31は、ステップS33で生成した認証情報、具体的には、ワンタイムパスワードを管理サーバ70に送信する。そして、ステップS35に進む。
【0097】
ステップS35において、CPU31は、ステップS33で生成した認証情報を登録する。そして、ステップS36に進む。一例として、CPU31は、認証要求を送信したグループユーザのSNSユーザ情報と、ステップS33で生成したワンタイムパスワードとを対応付けて記憶部35に記憶させる。
【0098】
ステップS36において、CPU31は、認証要求を送信したグループユーザからのSNSユーザ情報を用いたユーザ認証の受付けを開始する。そして、ステップS37に進む。一例として、CPU31は、当該ユーザ認証の受付けを開始した場合、
図13に示す表示例を表示部36に表示させる。
【0099】
図13は、画像形成装置20の表示部36に表示された第4の表示例である。
図13に示す表示例では、ユーザにパスワードを入力させるための認証画面68が表示されている。
【0100】
認証画面68には、メッセージ情報81、及びパスワードの入力を受付ける入力ボタン86が表示されている。一例として、
図13では、メッセージ情報81として「認証画面」と表示されている。また、入力ボタン86には、矩形の枠内にそれぞれ「1」、「2」、「3」、及び「4」の4種類の数字が表示された入力ボタン86A、86B、86C、86Dが設けられている。そして、認証要求を送信したグループユーザによる入力ボタン86A、86B、86C、86Dの操作が行われることでパスワードが入力される。
【0101】
図12に戻って、ステップS37において、CPU31は、入力されたパスワードによりSNSユーザ情報を用いたユーザ認証に成功したか否かを判定し、当該ユーザ認証に成功したと判定した場合(ステップS37:YES)は当該処理を終了する。一方、CPU31が当該ユーザ認証に失敗したと判定した場合(ステップS37:NO)はステップS38に進む。一例として、CPU31は、ステップS34で管理サーバ70に送信したワンタイムパスワードの有効期限内に、入力されたパスワードが当該ワンタイムパスワードと一致した場合に、当該ユーザ認証に成功したと判定する。これに対し、CPU31は、入力されたパスワードが当該ワンタイムパスワードと一致しない場合、又は入力されたパスワードが当該ワンタイムパスワードと一致するが当該ワンタイムパスワードの有効期限が切れている場合に、当該ユーザ認証に失敗したと判定する。
【0102】
ステップS38において、CPU31は、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証に連続で失敗した回数が規定回数以上であるか否かを判定し、規定回数以上であると判定した場合(ステップS38:YES)はステップS39に進む。一方、CPU31が規定回数以上でないと判定した場合(ステップS38:NO)はステップS36に戻る。本実施の形態では、一例として、規定回数を「5回」としている。
【0103】
ステップS39において、CPU31は、認証要求を送信したグループユーザからのユーザ認証の受付けを一時的に制限する。そして、当該処理を終了する。CPU31は、ユーザ認証の受付けを制限している間に、当該ユーザ認証が制限されたグループユーザから認証要求が送信されたとしても、
図12に示す第1認証処理を実行しない。なお、CPU31は、一例として、ユーザ認証の受付けを制限してから「5分間」が経過した後、当該制限を解除する。
【0104】
図14は、認証処理において、管理サーバ70側で実行される処理(以下、「第2認証処理」とする)の流れを示すフローチャートである。CPU71がROM72又は記憶部74からプログラムを読み出して、RAM73に展開して実行することにより第2認証処理が行われる。
【0105】
図14に示すステップS40において、CPU71は、画像形成装置20に認証要求を送信する。そして、ステップS41に進む。一例として、認証要求には、当該認証要求を送信するグループユーザに対応する「SNSユーザID」及び「SNSグループ」が少なくとも含まれる。
【0106】
図15は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第4の表示例である。
図15に示す表示例では、
図10及び
図11に示す表示例と同様にトークルーム84が表示されている。
【0107】
図15に示すトークルーム84には、投稿情報85として、「パスワード生成」とのメッセージを示す投稿情報85D、及び「SNSユーザID:ABC SNSグループ:Aグループ」とのメッセージを示す投稿情報85Eが表示されている。投稿情報85D及び投稿情報85Eは、ユーザ端末50を通じてユーザから投稿されたものである。
【0108】
一例として、CPU71は、
図15に示す投稿情報85D及び投稿情報85Eがユーザ端末50を通じてユーザから投稿された場合、画像形成装置20に認証要求を送信する。当該認証要求には、SNSユーザIDとして投稿情報85Eが示す「ABC」が、SNSグループとして投稿情報85Eが示す「Aグループ」がそれぞれ含まれている。このように、認証要求は、一例として、ユーザ端末50を通じてトークルーム84に予め定めた情報が投稿された場合に、当該投稿された情報に応じたSNSユーザID及びSNSグループを含んで、管理サーバ70から画像形成装置20に送信される。
【0109】
図14に戻って、ステップS41において、CPU71は、画像形成装置20が生成し、当該画像形成装置20から送信された認証情報、具体的には、ワンタイムパスワードを表示させる。そして、当該処理を終了する。
【0110】
図16は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第5の表示例である。
図16に示す表示例では、認証情報が管理サーバ70に送信された後の状態を示している。一例として、CPU71は、画像形成装置20が生成した認証情報、具体的には、ワンタイムパスワードを取得した場合に
図16に示す表示例を表示させる。
【0111】
図16に示すトークルーム84では、投稿情報85として「1234」とのメッセージを示す投稿情報85Fが、投稿情報85D及び投稿情報85Eに追加して表示されている。投稿情報85Fは、画像形成装置20が生成したワンタイムパスワードを管理サーバ70が取得したことを契機に、CPU71により自動で投稿されたものである。
【0112】
ここで、認証要求を送信したグループユーザがSNSユーザ情報を用いたユーザ認証に成功した場合、CPU31は、
図17に示すホーム画面60を表示させる。
【0113】
図17は、画像形成装置20の表示部36に表示された第5の表示例である。
図17に示す表示例では、認証要求を送信したグループユーザが画像形成装置20にユーザ認証されたユーザ認証後の状態を示している。
【0114】
図17に示す表示例では、上記のグループユーザが画像形成装置20にユーザ認証される前の
図5及び
図6に示す表示例において、コピーボタン61、プリントボタン62、スキャンボタン63、及びFAXボタン64に重ねて表示されていた鍵マーク67が削除されている。これにより、
図17に示す表示例の表示中に、コピーボタン61、プリントボタン62、スキャンボタン63、及びFAXボタン64の何れかが操作された場合は、CPU31により、当該操作されたボタンに対応する各種機能が実行される。
【0115】
ここで、CPU31は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、及びFAX機能の何れかを実行した場合には、当該実行した各種機能の利用履歴を示す利用履歴情報を管理サーバ70に送信する。利用履歴情報には、一例として、各種機能を利用したグループユーザのSNSユーザID、コピー機能によりコピーした紙等の記録媒体の枚数、及びコピー機能を実行した時刻等が含まれる。
【0116】
管理サーバ70は、画像形成装置20から送信された利用履歴情報を取得し、当該利用履歴情報を、当該利用履歴情報に含まれるSNSユーザIDに対応するSNSユーザ情報に対応付けて記憶部74に記憶させる。記憶部74にされた利用履歴情報は、ユーザ端末50を通じてSNSの予め定めたサービスメニューを利用することで、当該ユーザ端末50の表示部56に表示される。また、本実施の形態では、SNSを利用するユーザのうち、一のユーザ(例:管理者ユーザ)と、他のユーザ(例:一般ユーザ)とで閲覧できる利用履歴情報の内容を異ならせている。一例として、一のユーザは、他のユーザと異なり、複数のユーザの利用履歴情報の一覧が表示される一覧画面87を閲覧することができる。
【0117】
図18は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第6の表示例である。
図18に示す表示例では、一のユーザが閲覧可能な一覧画面87が表示されている。一例として、CPU71は、一のユーザのユーザ端末50から、表示部56の画面上に表示された予め定めたアイコンが入力部55を用いて選択された場合に一覧画面87を表示させる。
【0118】
一覧画面87には、一行毎に、各ユーザと対応付けた各ユーザの各種機能の利用履歴情報が表示されている。各種機能として、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、及びFAX機能の利用履歴情報が表示されている。
図18では、一例として、SNSユーザID:ABCのユーザは、コピー機能で1枚のコピーを行い、プリント機能で1枚のプリントを行い、スキャン機能で1枚のスキャンを行い、FAX機能で1枚のFAXを行ったことが利用履歴情報から確認できる。
【0119】
図19は、ユーザ端末50の表示部56に表示された第7の表示例である。
図19に示す表示例では、トークルーム84に利用履歴情報が投稿情報85Gとして表示されている。一例として、CPU71は、画像形成装置20から送信された利用履歴情報を取得した場合に投稿情報85Gを表示させる。
【0120】
図19に示すトークルーム84では、一例として、投稿情報85Gとして「利用履歴 SNSユーザID:ABC コピー:1枚」とのメッセージが表示されている。
【0121】
ここで、上記のように、画像形成装置20のコピー機能、及びプリント機能等を利用するにあたり、ユーザ認証が行われる場合がある。
また、近年では、業務でのSNSの利用が進んでいる。そして、SNSに関する管理を行う管理サーバ70には、SNSユーザ情報が登録されている。このSNSユーザ情報を用いて上記のユーザ認証が行われれば、画像形成装置20を利用可能なユーザを画像形成装置20に手入力して管理する等の負担が軽減される。
【0122】
そこで、本実施の形態では、CPU31が、連携アプリケーションを実行して、SNSを通じたユーザからの連携要求を受付け、受付けた連携要求の承認により連携したSNSを利用するユーザに関するユーザ情報(=SNSユーザ情報)を用いて第1認証処理を行う。第1認証処理は「認証処理」の一例である。そのため、本実施の形態によれば、SNSユーザ情報を用いて、画像形成装置20におけるユーザ認証が行える。
【0123】
また、本実施の形態では、CPU31が、第1認証処理中に、SNSユーザ情報を用いて、画像形成装置20に登録された一覧情報を更新する更新処理を行う。一例として、CPU31は、
図12に示す第1認証処理のステップS31及びステップS32において、上記の更新処理を行う。そのため、本実施の形態によれば、第1認証処理が行われることに伴い、更新処理が行われる。
【0124】
また、本実施の形態では、認証要求を送信したグループユーザが一覧情報に登録されていない場合、CPU31が、更新処理において当該グループユーザを一覧情報に追加する。認証要求を送信したグループユーザは「ユーザ情報により特定される特定ユーザ」の一例である。そのため、本実施の形態によれば、一覧情報の登録の有無に関わらず、更新処理において認証要求を送信したグループユーザを一覧情報に追加する構成に比べて、更新処理の処理負荷が軽減される。
【0125】
また、本実施の形態では、CPU31は、更新処理において認証要求を送信したグループユーザを一覧情報に追加すると、一覧情報に登録可能な登録数を超える場合には、予め定めた条件に該当するユーザを一覧情報から削除した上で、当該グループユーザを一覧情報に追加する。本実施の形態では、予め定めた条件に該当するユーザを、利用設定がなされていないユーザとしている。
【0126】
一例として、一覧情報に登録可能な登録数が「100」であり、当該一覧情報の登録数が「100」に達している場合、CPU31は、更新処理において、利用設定がなされていない一のユーザの登録を一覧情報から削除した上で、認証要求を送信したグループユーザを一覧情報に追加する。上記の構成により、本実施の形態によれば、削除前後で画像形成装置20のユーザビリティが変化しないユーザが削除される。そのため、本実施の形態によれば、無作為に選択したユーザを一覧情報から削除した上で認証要求を送信したグループユーザを一覧情報に追加する構成に比べて、画像形成装置20のユーザビリティを高められる。
【0127】
また、本実施の形態では、CPU31が、第1認証処理を行う都度、第1認証処理毎に生成される認証情報を、SNSを通じて管理サーバ70に通知する。そのため、本実施の形態によれば、第1認証処理で生成された認証情報がSNSを通じて管理サーバ70に通知されない構成に比べて、認証情報を失念する可能性が低くなる。
【0128】
また、本実施の形態では、CPU31が、認証情報としてSNSを通じて管理サーバ70に通知したワンタイムパスワードの有効期限内に、受付けたパスワードがワンタイムパスワードと一致したと判定した場合に、認証要求を送信したグループユーザを画像形成装置20に認証する。そのため、本実施の形態によれば、第1認証処理で固定パスワードを用いて画像形成装置20を利用するユーザを認証する構成に比べて、第1認証処理の機密性を高められる。
【0129】
また、本実施の形態では、CPU31が、識別情報を画像形成装置20の表示部36に表示させ、SNSを通じたユーザからの識別情報を含んだ連携要求を受付ける。そのため、本実施の形態によれば、ユーザが利用可能な画像形成装置20を認知させられる。
【0130】
また、本実施の形態では、CPU31が、SNSとの連携が完了している外部サービスが画像形成装置20とも連携可能な場合、SNSユーザ情報を用いて画像形成装置20から外部サービスへの接続を受付ける。外部サービスの一例として、クラウドストレージが想定される。この場合、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証に成功していれば、画像形成装置20からクラウドストレージへの接続が可能となる。これにより、画像形成装置20は、SNSを利用するユーザによりクラウドストレージに格納された写真等のプリントが可能となる。上記の構成により、本実施の形態によれば、SNSユーザ情報を用いて、画像形成装置20を通じた外部サービスの利用が可能となる。
【0131】
(その他)
上記の実施形態では、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証を例に説明したが、これに加えた画像形成装置20のユーザ認証を設けてもよい。一例として、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証に加え、IC(=Integrated Circuit)カード及び顔認証等によるユーザ認証を画像形成装置20で行ってもよい。
【0132】
上記の実施形態では、管理サーバ70から画像形成装置20に送信されるSNSユーザ情報にはSNSユーザIDが含まれているとした。しかし、これに限らず、当該SNSユーザ情報は、SNSユーザID及びSNSパスワードを含んでいてもよい。
【0133】
上記の実施形態では、管理サーバ70のCPU71は、画像形成装置20からSNSユーザ情報の送信要求を取得した場合に無条件でSNSユーザ情報を送信していたが、予め定めた条件が成立した場合にSNSユーザ情報を送信してもよい。一例として、CPU71は、SNSユーザ情報の送信要求を取得した後、管理サーバ70を管理するユーザによる承認指示が入力された場合に、予め定めた条件が成立したと判定してもよい。
【0134】
上記の実施形態では、連携システム10において、画像形成装置20及びユーザ端末50が直接通信することなく、管理サーバ70を介して通信していた。しかし、これに限らず、連携システム10において、画像形成装置20及びユーザ端末50が近距離無線通信等を用いて直接通信してもよい。
【0135】
上記の実施形態の連携システム10において、画像形成装置20とユーザ端末50とのネットワークNを介した通信(以下、「ネットワーク通信」とする)ができない場合には、以下の方法で画像形成装置20のユーザ認証を行ってもよい。
【0136】
上記の場合に、画像形成装置20と管理サーバ70とのネットワーク通信が可能であれば、画像形成装置20のCPU31は、表示部36の操作により、記憶部35に記憶されている一覧情報の中から任意のSNSグループの選択を受付ける。その後、CPU31は、表示部36に表示された画面において入力されたユーザID及びパスワードが、管理サーバ70の記憶部74に記憶されているSNSユーザID及びSNSパスワードと一致した場合には、ユーザ認証に成功したと判定する。
【0137】
一方、上記の場合に画像形成装置20と管理サーバ70とのネットワーク通信もできないが、画像形成装置20の記憶部35にSNSユーザID及びSNSパスワードが記憶されているときには、CPU31は、次のような処理を行う。具体的には、CPU31は、表示部36に表示された画面において入力されたユーザID及びパスワードが、記憶部35に記憶されているSNSユーザID及びSNSパスワードと一致した場合には、ユーザ認証に成功したと判定する。
【0138】
また、上記の場合に画像形成装置20と管理サーバ70とのネットワーク通信もできないが、画像形成装置20の記憶部35にSNSユーザIDのみが記憶されているときには、CPU31は、次のような処理を行う。具体的には、CPU31は、表示部36に表示された画面において入力されたユーザIDが、記憶部35に記憶されているSNSユーザIDと一致した場合には、ユーザ認証に成功したと判定する。この場合、CPU31は、ユーザ認証に成功したユーザに対して、画像形成装置20が備える各種機能の利用を一部制限してもよい。一例として、CPU31は、外部への出力を伴うFAX機能は利用できないよう制限してもよい。
【0139】
上記の場合に、ユーザ端末50と管理サーバ70とのネットワーク通信が可能であれば、CPU31は、画像形成装置20とユーザ端末50との近距離無線通信により取得した情報が、ユーザ認証に際して予め定めた情報と一致した場合には、ユーザ認証に成功したと判定する。
【0140】
なお、CPU31は、上記に記載した何れにも該当しない場合にユーザ認証に失敗したと判定する。
【0141】
上記の実施形態では、CPU31は、第1認証処理中に更新処理を行っているが、これに加えて、定期的に管理サーバ70からSNSユーザ情報を取得して記憶部35に記憶されている一覧情報を更新してもよい。また、ユーザの操作により一覧情報にSNSユーザ情報が追加されたり、一覧情報からSNSユーザ情報が削除されたりした場合、CPU31は、ユーザの操作内容に応じた一覧情報の更新を行う。
【0142】
上記の実施形態では、予め定めた条件に該当するユーザを、利用設定がなされていないユーザとしたが、これに限らない。一例として、予め定めた条件に該当するユーザは、直前のユーザ認証に成功してから一番時間が経過したユーザ、単位時間あたりの画像形成装置20の利用頻度が低いユーザ、一覧情報への登録日が最も古いユーザ等でもよい。
【0143】
上記の実施形態において、ユーザ認証に成功したユーザが複数のSNSグループに属している場合、CPU31は、何れのSNSグループでユーザ認証に成功したとしても、当該ユーザが属する全てのSNSグループに関する情報を利用する権限を付与する。一例として、CPU31は、Aグループ及びBグループに属するユーザが、Aグループでユーザ認証に成功した場合でも、Bグループに属するユーザへのFAX送信を許可する。
【0144】
上記の実施形態の連携システム10において、画像形成装置20を用いてプリントを行う方法としては、以下の例が想定される。
【0145】
一例として、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証に成功した状態で、トークルーム84に投稿情報85として「プリント対象となる写真及び文書等」並びに「画像形成装置20へのプリント指示」が投稿された場合に、画像形成装置20によるプリントが行われる。
【0146】
他の例として、SNSユーザ情報を用いたユーザ認証に成功した状態で、Webブラウザの画面のプリント指示を受付けた場合に、画像形成装置20によるプリントが行われる。
【0147】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0148】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0149】
10 連携システム
20 画像形成装置(自装置の一例)
70 管理サーバ(特定サービス側の端末の一例)
31、71 CPU(プロセッサの一例)