(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】モータおよび軸流ファン
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20240903BHJP
F04D 29/64 20060101ALI20240903BHJP
F04D 29/52 20060101ALI20240903BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H02K5/22
F04D29/64 D
F04D29/52 B
H02K7/14 A
(21)【出願番号】P 2021005373
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 雄太
(72)【発明者】
【氏名】道下 淳
(72)【発明者】
【氏名】井川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】箱▲崎▼ 将吾
(72)【発明者】
【氏名】米田 宗史
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-105974(JP,A)
【文献】実開平2-65070(JP,U)
【文献】特開2012-82705(JP,A)
【文献】実開昭59-103556(JP,U)
【文献】特開平9-93854(JP,A)
【文献】特開平10-327552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
F04D 29/64
F04D 29/52
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸を中心に回転可能なロータと、
前記ロータを回転させるステータと、
前記ステータに電気的に接続されるリード線と、
前記ロータおよび前記ステータを径方向外方から覆うハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
軸方向の一方側に位置する第1ハウジングと、
軸方向の他方側に位置する第2ハウジングと、を有し、
前記第1ハウジングは、前記一方側に向かって凹み、かつ、前記第1ハウジングの径方向内方から径方向外方に貫通する凹部を有し、
前記第2ハウジングは、前記一方側に向かって突出し、かつ、前記凹部に配置される凸部を有し、
前記凸部は、
前記一方側の端部に先端部と、
前記他方側の端部に根元部と、を有し、
前記凹部は、前記一方側の端部に底部を有し、
前記先端部および前記底部は、軸方向に互いに間隔を隔てて配置され、
前記リード線は、前記先端部と前記底部との間に配置され、
前記先端部の周方向の幅は、前記根元部の周方向の幅よりも小さい、モータ。
【請求項2】
前記凸部は、前記先端部と前記根元部との軸方向間に中間部を有し、
前記中間部の周方向の幅は、前記根元部の周方向の幅以下である、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記凸部の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、前記根元部から前記先端部に向かって周方向に傾斜する凸側傾斜部を少なくとも一部に有する、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項4】
前記凹部のうち前記先端部が配置される一方側領域の周方向の開口幅は、前記凹部のうち前記根元部が配置される他方側領域の周方向の開口幅よりも小さい、請求項1~3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記凹部の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、前記他方側領域から前記一方側領域に向かって周方向に傾斜する凹側傾斜部を少なくとも一部に有する、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記凹部のうち前記先端部が配置される一方側領域の周方向の開口幅は、前記凹部のうち前記根元部が配置される他方側領域の周方向の開口幅よりも小さく、
前記凹部の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、前記他方側領域から前記一方側領域に向かって周方向に傾斜する凹側傾斜部を少なくとも一部に有し、
前記凹側傾斜部は、前記凸側傾斜部と対向し、前記凸側傾斜部に沿って傾斜する、請求項3に記載のモータ。
【請求項7】
前記リード線は、前記先端部と間隔を隔てて配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項8】
前記リード線は、前記先端部と接触する、請求項1~6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記ハウジングの径方向外側面は、配線溝を有し、
前記配線溝は、径方向内方に向かって凹み、かつ、前記第1ハウジングから前記第2ハウジングに延びており、
前記ハウジングは、前記凹部および前記凸部を前記配線溝に有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
前記リード線は、前記ハウジングの径方向内方、前記先端部と前記底部との間、および、前記ハウジングの径方向外方、に配置され、
前記ハウジングの径方向外方に配置される前記リード線は、前記配線溝に配置される、請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
前記第1ハウジングは、前記凸部と径方向に重なる位置に規制部を有し、
前記規制部は、前記凸部に対向する少なくとも1つの面を有し、
前記規制部は、前記凸部の径方向外方および前記凸部の径方向内方の少なくとも一方に配置される、請求項1~10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項12】
前記凹部の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、軸方向から見て、径方向に対して傾斜する凹側規制部を有し、
前記凹側規制部は、前記凸部の一部と径方向に接触する、請求項1~10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項13】
前記凸部の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、前記凹側規制部と対向する凸側規制部を有し、
前記凸側規制部は、軸方向から見て、前記凹側規制部と同方向に傾斜する、請求項12に記載のモータ。
【請求項14】
前記凹部の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、第1規制用凹部を有し、
前記第1規制用凹部は、周方向に凹み、かつ、前記第1ハウジングの前記他方側の端面から前記一方側に向かって延びており、
前記凸部の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、周方向に突出し、かつ、前記第1規制用凹部に配置される第1規制用凸部を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項15】
前記凹部の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、第2規制用凸部を有し、
前記第2規制用凸部は、周方向に突出し、かつ、前記第1ハウジングの前記他方側の端面から前記一方側に向かって延びており、
前記凸部の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、周方向に凹み、かつ、前記第2規制用凸部が配置される第2規制用凹部を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のモータと、
前記ロータに取り付けられる動翼と、を備える、軸流ファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータおよび軸流ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータは、ベースおよびカバーを有する。ベースは、ステータを収容する。ベースは、ステータの収容空間を囲む環状の壁を有する。ステータには、リード線が電気的に接続される。リード線は、ステータの収容空間から外部に引き出される(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では、ベースおよびカバーが軸方向に互いに接合される。そして、リード線は、ベースとカバーとの軸方向間の隙間に保持される。
【0005】
上記従来の構成において、ベースとカバーとの接合が適切に行われなければ、ベースとカバーとで保持されるリード線が軸方向に位置ずれし易くなる可能性がある。
【0006】
本発明は、ステータに電気的に接続されるリード線の軸方向の位置ずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的なモータは、上下に延びる中心軸を中心に回転可能なロータと、ロータを回転させるステータと、ステータに電気的に接続されるリード線と、ロータおよびステータを径方向外方から覆うハウジングと、を備える。ハウジングは、軸方向の一方側に位置する第1ハウジングと、軸方向の他方側に位置する第2ハウジングと、を有する。第1ハウジングは、一方側に向かって凹み、かつ、第1ハウジングの径方向内方から径方向外方に貫通する凹部を有する。第2ハウジングは、一方側に向かって突出し、かつ、凹部に配置される凸部を有する。凸部は、一方側の端部に先端部と、他方側の端部に根元部と、を有する。凹部は、一方側の端部に底部を有する。先端部および底部は、軸方向に互いに間隔を隔てて配置される。リード線は、先端部と底部との間に配置される。先端部の周方向の幅は、根元部の周方向の幅よりも小さい。
【0008】
本発明の例示的な軸流ファンは、上記モータと、ロータに取り付けられる動翼と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の例示的なモータおよび軸流ファンによれば、ステータに電気的に接続されるリード線の軸方向の位置ずれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る軸流ファンの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る軸流ファンおよびモータの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るハウジングの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る第1ハウジングを径方向から見た側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第2ハウジングを径方向から見た側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るリード線の保持構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る凹部の貫通方向を示す模式図である。
【
図8】
図8は、変形例に係る凹部の貫通方向を示す模式図である。
【
図9】
図9は、変形例に係るリード線の保持構造を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第1変形例に係る凹部および凸部を軸方向上方から見た模式図である。
【
図11】
図11は、第2変形例に係る凹部および凸部を軸方向上方から見た模式図である。
【
図12】
図12は、第3変形例に係る凹部および凸部を軸方向上方から見た模式図である。
【
図13】
図13は、第4変形例に係る凹部および凸部を軸方向上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本明細書では、モータ100の中心軸CAが延びる方向を「軸方向」と呼び、軸方向を上下方向とする。ただし、この上下方向の定義がモータ100の使用時の向きおよび位置関係を限定するものではない。
【0013】
また、本明細書では、軸方向の一方の向きを「下方」と呼び、軸方向の他方の向きを「上方」と呼ぶ。また、各々の構成要素において、下方側の端部を「下端部」と呼び、上方側の端部を「上端部」と呼ぶ。また、各々の構成要素の端面において、下端部のうち下方を向く端面を「下端面」と呼び、上端部のうち上方を向く端面を「上端面」と呼ぶ。
【0014】
また、本明細書では、中心軸CAと直交する方向を「径方向」と呼ぶ。また、径方向において、中心軸CAに接近する向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離間する向きを「径方向外方」と呼ぶ。また、各々の構成要素の側面において、径方向内方を向く面を「径方向内側面」と呼び、径方向外方を向く面を「径方向外側面」と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書では、中心軸CAを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」と呼ぶ。また、各々の構成要素の側面において、周方向を向く内側面を「周方向内側面」と呼び、周方向を向く外側面を「周方向外側面」と呼ぶ。
【0016】
<1.軸流ファン>
図1は、本実施形態に係る軸流ファン300の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る軸流ファン300およびモータ100の分解斜視図である。
【0017】
本実施形態に係る軸流ファン300は、軸方向に気流を発生させる。軸流ファン300は、モータ100と、動翼200と、を備える。モータ100は、アウターロータ型である。動翼200は、モータ100に取り付けられる。具体的には、動翼200は、後述するロータ1に取り付けられる。モータ100は、動翼200を回転させる。動翼200が回転することにより、軸方向の気流が発生する。
【0018】
<2.モータ>
本実施形態に係るモータ100は、ロータ1と、ステータ2と、リード線3と、ハウジング4と、を備える。また、モータ100は、シャフト10を備える。
【0019】
シャフト10は、上下に延びる中心軸CAに沿って配置される。シャフト10は、中心軸CA回りに回転可能である。シャフト10は、シャフトホルダ410によって支持される。シャフトホルダ410は、中心軸CAに沿って軸方向に筒状に延びる。シャフトホルダ410の径方向内側面には、シャフト10を回転可能に支持するベアリング(図示せず)が取り付けられる。
【0020】
ロータ1は、上下に延びる中心軸CAを中心に回転可能である。ロータ1は、有蓋筒状のヨーク11を有する。ヨーク11の蓋部111は、中心軸CAを中心とする円盤状である。蓋部111は、径方向の中央に開口を有する。シャフト10の上端部は、蓋部111の開口の径方向内側面に固定される。ヨーク11の筒部112は、蓋部111の径方向外縁から下方に延びる。筒部112の径方向内側面には、マグネット(図示せず)が固定される。
【0021】
ステータ2は、ロータ1を回転させる。ステータ2は、中心軸CAを中心とする環状であり、ロータ1の径方向内方に配置される。ステータ2の径方向外側面は、ロータ1の径方向内側面と対向する。具体的には、ステータ2の径方向外側面は、ヨーク11の径方向内側面に固定されるマグネットと対向する。ステータ2の径方向内側面は、シャフトホルダ410の径方向外側面に固定される。
【0022】
ステータ2は、ステータコア21と、インシュレータ22と、コイル(図示せず)と、基板23と、を有する。ステータコア21は、中心軸CAを中心とする環状の磁性体であり、板状の電磁鋼板が軸方向に複数積層された積層体である。ステータコア21の径方向外側面は、マグネットと径方向に対向する。ステータコア21の径方向内側面は、シャフトホルダ410の径方向外側面に固定される。
【0023】
インシュレータ22は、ステータコア21の少なくとも一部を覆う。インシュレータ22は、樹脂などを用いた絶縁部材である。コイルは、インシュレータ22を介してステータコア21に導線が巻かれることによって形成される。基板23は、コイルに電気的に接続される。基板23には、様々な電子部品が搭載される。
【0024】
リード線3は、ステータ2に電気的に接続される。具体的には、リード線3は、基板23に電気的に接続される。なお、基板23には、複数本のリード線3が接続される。リード線3は、モータ100の外部に引き出される。
【0025】
ハウジング4は、ロータ1およびステータ2を径方向外方から覆う。また、ハウジング4は、ロータ1に取り付けられる動翼200を径方向外方から覆う。
【0026】
<3.ハウジング>
図3は、本実施形態に係るハウジング4の斜視図である。
【0027】
ハウジング4は、軸方向に筒状に延びるハウジング筒部40を有する。ハウジング筒部40は、ロータ1、ステータ2および動翼200の径方向外方に位置する。ロータ1、ステータ2および動翼200は、ハウジング筒部40によって径方向外方から覆われる。
【0028】
ハウジング筒部40は、径方向に貫通する配線孔4Aを有する。配線孔4Aは、後述する先端部61と底部51との軸方向間の隙間によって構成される。リード線3の一部は、配線孔4Aに配置される。リード線3は、配線孔4Aを介して、ハウジング4の径方向内方から径方向外方に突出する。すなわち、リード線3は、配線孔4aを介して、モータ100の外部に引き出される。
【0029】
ハウジング4は、第1ハウジング5と、第2ハウジング6と、有する。第1ハウジング5は、軸方向の一方側に位置する。第2ハウジング6は、軸方向の他方側に位置する。すなわち、第1ハウジング5は、下方側に位置する。第2ハウジング6は、上方側に位置する。
【0030】
第1ハウジング5は、第1筒部500を有する。第1筒部500は、中心軸CAに沿って軸方向に筒状に延びる。第1筒部500は、ハウジング筒部40の下方側の部分を構成する。すなわち、第1筒部500は、ハウジング筒部40のうち軸方向の一方側の部分を構成する。
【0031】
第2ハウジング6は、第2筒部600を有する。第2筒部600は、中心軸CAに沿って軸方向に筒状に延びる。第2筒部600は、ハウジング筒部40の上方側の部分を構成する。すなわち、第2筒部600は、ハウジング筒部40のうち軸方向の他方側の部分を構成する。
【0032】
第1ハウジング5および第2ハウジング6は、互いに接合される。具体的には、第1筒部500の上端面および第2筒部600の下端面が互いに接合される。言い換えると、第1筒部500の上端面および第2筒部600の下端面は、軸方向に互いに対向し、少なくとも一部で互いに接触する。
【0033】
<3-1-1.リード線の保持構造>
図4は、本実施形態に係る第1ハウジング5を径方向から見た側面図である。
図5は、本実施形態に係る第2ハウジング6を径方向から見た側面図である。
図6は、本実施形態に係るリード線3の保持構造を示す模式図である。
図6では、便宜上、リード線3を断面で示す。
図7は、本実施形態に係る凹部50の貫通方向を示す模式図である。
図8は、変形例に係る凹部50の貫通方向を示す模式図である。
図7および
図8では、径方向を示す矢印に符号Dを付す。
【0034】
第1ハウジング5は、一方側に向かって凹み、かつ、第1ハウジング5の径方向内方から径方向外方に貫通する凹部50を有する。第2ハウジング6は、一方側に向かって突出し、かつ、凹部50に配置される凸部60を有する。具体的には、凹部50は、第1筒部500に設けられ、第1筒部500の上端面から下方に凹む。すなわち、凹部50は、第1筒部500の上端面に開口を有する。また、凹部50は、第1筒部500の径方向内方から径方向外方に貫通する。凸部60は、第2筒部600に設けられ、第2筒部600の下端面から下方に突出する。
【0035】
なお、
図7に示すように、凹部50は、径方向Dに貫通する。「径方向」とは、厳密な意味の径方向だけでなく、略径方向を含む。また、
図8に示すように、凹部50の貫通方向が径方向Dに対して傾斜した方向であってもよい。
【0036】
凸部60は、先端部61と、根元部62と、を有する。先端部61は、凸部60の下端部である。根元部62は、凸部60の上端部である。すなわち、凸部60は、一方側の端部に先端部61と、他方側の端部に根元部62と、を有する。また、凸部60は、先端部61と根元部62との軸方向間に中間部63を有する。中間部63は、先端部61と根元部62との軸方向間の部分である。中間部63は、先端部61および根元部62と単一の部材である。
【0037】
凹部50は、底部51を有する。底部51は、凹部50の下方側の端部である。すなわち、凹部50は、一方側の端部に底部51を有する。底部51は、先端部61と軸方向に対向する。
【0038】
凹部50には、凸部60の全部分が挿入される。ここで、凹部50の開口上端から底部51までの軸方向の長さは、凸部60の根元部62から先端部61までの軸方向の長さよりも大きい。このため、先端部61および底部51は、軸方向に互いに間隔を隔てて配置される。すなわち、先端部61と底部51との軸方向間に隙間がある。リード線3の引き出し孔としての配線孔4Aは、先端部61と底部51との軸方向間の隙間によって構成される。リード線3は、先端部61と底部51との間に配置される。これにより、リード線3が軸方向に移動した際にリード線3が先端部61に接触するので、リード線3の軸方向の移動が抑制される。凹部50には、凸部60の少なくとも一部が挿入されればよい。凸部60の少なくとも一部が凹部50に挿入されることにより、リード線3の軸方向の移動が抑制される。
【0039】
ここで、先端部61と底部51との軸方向間において、リード線3は、底部51と接触する。言い換えると、リード線3は、底部51に載置される。一方で、リード線3は、先端部61と間隔を隔てて配置される。すなわち、先端部61は、リード線3に接触しない。これにより、先端部61がリード線3に接触することに起因するリード線3の破損を抑制できる。
【0040】
<3-1-2.リード線の保持構造の変形例>
図9は、変形例に係るリード線3の保持構造を示す模式図である。
図9では、便宜上、リード線3を断面で示す。
【0041】
リード線3の保持構造の変形例(
図9参照)では、
図6に示す実施形態に比べて、凸部60の軸方向の突出量がより大きい。このため、リード線3の保持構造の変形例(
図9参照)では、
図6に示す実施形態に比べて、先端部61と底部51との軸方向の間隔が小さい。変形例では、リード線3は、先端部61と接触する。言い換えると、凸部60は、リード線3を押え付け、リード線3の外形が変形している。変形例では、より確実に、リード線3の軸方向の移動を抑制できる。また、凸部60と凹部50との軸方向の間隔が小さくなるので、ハウジング4の径方向内方の密封性が向上する。その結果、ハウジング4の径方向内方から径方向外方に風が漏れることを抑制できる。ただし、凸部60によるリード線3の押え付けによって生じるリード線3の変形は、リード線3が断線しない程度の変形である。
【0042】
<3-2.凹部および凸部の形状>
第1ハウジング5および第2ハウジング6は、スナップフィット方式で互いに接合される。第1ハウジング5および第2ハウジング6が互いに接合されることにより、第1ハウジング5の上端面および第2ハウジング6の下端面が少なくとも一部で互いに接触した状態になる。なお、第1ハウジング5および第2ハウジング6がネジなどの締結部材を用いて互いに接合されてもよい。
【0043】
第1ハウジング5と第2ハウジング6との接合作業では、たとえば、まず、リード線3が接続されたステータ2が第1ハウジング5に配置され、その後、第1ハウジング5に対して第2ハウジング6が接合される。あるいは、第1ハウジング5にステータ2が配置されてからリード線3がステータ2に接続され、その後、第1ハウジング5に対して第2ハウジング6が接合される。ここで、ハウジング4が単一の部材からなる構成では、配線用の通し孔がハウジング4に形成されており、配線用の通し孔にリード線3を通す作業が必要となる。一方で、第1ハウジング5と第2ハウジング6とでハウジング4を構成することにより、配線用の通し孔にリード線3を通す作業が不要となるので、ステータ2に対するリード線3の接続作業が容易になる。
【0044】
ここで、第1ハウジング5に対する第2ハウジング6の接合作業は、凹部50への凸部60の挿入作業を伴う。凹部50に対して凸部60が適切に挿入されなければ、凹部50の所定位置に先端部61が配置されない可能性がある。所定位置は、リード線3の軸方向の移動を良好に抑制できる位置である。すなわち、凹部50に対して凸部60が適切に挿入されなければ、リード線3が軸方向に位置ずれし易くなる可能性がある。
【0045】
そこで、凸部60は、根元部62から先端部61に向かって先細り形状を有する。すなわち、先端部61の周方向の幅は、根元部62の周方向の幅よりも小さい。これにより、凹部50に凸部60を挿入するとき、凹部50の縁に先端部61が引っ掛かることを抑制できる。言い換えると、凹部50の所定位置に先端部61を配置できる。その結果、ステータ2に電気的に接続されるリード線3の軸方向の位置ずれを抑制できる。
【0046】
また、凹部50に凸部60を挿入するとき、凹部50の縁に先端部61が引っ掛かることを抑制できるので、凹部50に対する凸部60の挿入作業が容易になる。これにより、第1ハウジング5と第2ハウジング6との接合作業の作業性が向上する。
【0047】
また、中間部63の周方向の幅は、根元部62の周方向の幅以下である。これにより、凹部50に凸部60を挿入するとき、凹部50の縁に中間部63が引っ掛かることを抑制できる。その結果、より一層、凹部50に対する凸部60の挿入作業が容易になる。
【0048】
凸部60は、周方向の一方側および他方側にそれぞれ周方向外側面を有する。なお、周方向外側面は、厳密な意味の周方向を向く面だけでなく、略周方向を向く面も含む。
【0049】
凸部60の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、根元部62から先端部61に向かって周方向に傾斜する凸側傾斜部6Aを少なくとも一部に有する。たとえば、凸側傾斜部6Aは、根元部62から先端部61に向かって直線状に傾斜する部分であり、凸部60の一対の周方向外側面のうち一方に設けられる。この構成では、凸部60の周方向外側面に階段状の段差を設けることなく、先端部61の周方向の幅を根元部62の周方向の幅よりも小さくできる。凸部60の周方向外側面が階段状の段差を有する構成では、凸部60が凹部50の縁に引っ掛かる場合がある。一方で、凸部60の周方向外側面に階段状の段差が無い構成では、凹部50に対して凸部60をスムーズに挿入できる。これにより、凹部50に対する凸部60の挿入作業がより容易になる。
【0050】
なお、凸部60の一対の周方向外側面のうち他方は、根元部62から先端部61に向かって周方向に対して垂直である。ただし、これに限定されない。凸部60の一対の周方向外側面のうち他方に凸側傾斜部6Aが設けられてもよい。また、凸部60の一対の周方向外側面の両方に凸側傾斜部6Aが設けられてもよい。
【0051】
凹部50の周方向の開口幅は、凸部60の周方向の幅に合わせられる。具体的には、凹部50のうち先端部61が配置される一方側領域501の周方向の開口幅は、凹部50のうち根元部62が配置される他方側領域502の周方向の幅よりも小さい。一方側領域501は、底部51側の領域であり、下方側の領域である。他方側領域502は、凹部50の開口上端側の領域であり、一方側領域501よりも上方側の領域である。一方側領域501の周方向の開口幅を他方側領域502の周方向の幅よりも小さくすることにより、凸部60と凹部50との周方向間の隙間が小さくなる。あるいは、凸部60と凹部50との周方向間の隙間を無くすことができる。すなわち、凸部60の周方向外側面と凹部50の周方向内側面とを接触させることができる。このため、ハウジング4の径方向内方の密封性がより向上する。その結果、ハウジング4の径方向内方から径方向外方に風が漏れることをより抑制できる。
【0052】
凹部50は、周方向の一方側および他方側にそれぞれ周方向内側面を有する。なお、周方向内側面は、厳密な意味の周方向を向く面だけでなく、略周方向を向く面も含む。
【0053】
凹部50の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、他方側領域502から一方側領域501に向かって周方向に傾斜する凹側傾斜部5Aを少なくとも一部に有する。凹側傾斜部5Aは、他方側領域502から一方側領域501に向かって直線状に傾斜する部分であり、凹部50の一対の周方向内側面のうち少なくとも一方に設けられる。この構成では、凹部50の周方向内側面に階段状の段差を設けることなく、凹部50の一方側領域501の周方向の開口幅を他方側領域502の周方向の幅よりも小さくできる。凹部50の周方向内側面が階段状の段差を有する構成では、凸部60が凹部50の縁に引っ掛かり易い。一方で、凸部60の周方向外側面に階段状の段差が無い構成では、凹部50に対して凸部60をスムーズに挿入できる。これにより、凹部50に対する凸部60の挿入作業がより容易になる。
【0054】
なお、凹部50の一対の周方向内側面のうち他方は、他方側領域502から一方側領域501に向かって周方向に対して垂直である。ただし、これに限定されない。凹部50の一対の周方向内側面のうち他方に凹側傾斜部5Aが設けられてもよい。また、凹部50の一対の周方向内側面の両方に凹側傾斜部5Aが設けられてもよい。
【0055】
ここで、凹側傾斜部5Aは、凸側傾斜部6Aと対向する。また、凹側傾斜部5Aは、凸側傾斜部6Aに沿って傾斜する。すなわち、凹部50のうち凹側傾斜部5Aを有する周方向内側面は、凸部60のうち凸側傾斜部6Aを有する周方向外側面と対向する。また、凹部50のうち凹側傾斜部5Aを有する周方向内側面は、凸部60のうち凸側傾斜部6Aを有する周方向外側面に沿って傾斜する。
【0056】
なお、凹側傾斜部5Aの傾斜角度と凸側傾斜部6Aの傾斜角度とは、厳密な意味の同じ場合だけでなく、略同じであってもよい。また、凹側傾斜部5Aと凸側傾斜部6Aとの間に間隔が設けられる場合、凹側傾斜部5Aと凸側傾斜部6Aとの間隔が全域にわたって同一であってもよいし同一でなくてもよい。
【0057】
また、凹側傾斜部5Aおよび凸側傾斜部6Aが少なくとも一部で互いに接触してもよいし接触しなくてもよい。本実施形態では、凹側傾斜部5Aおよび凸側傾斜部6Aが少なくとも一部で互いに接触する。
【0058】
凹側傾斜部5Aを凸側傾斜部6Aに沿って傾斜させることにより、凹部50の周方向内側面と凸部60の周方向外側面とを略全域にわたって接触させることができる。これにより、ハウジング4の径方向内方の密封性がより向上する。その結果、ハウジング4の径方向内方から径方向外方に風が漏れることをより抑制できる。また、凹部50の周方向内側面と凸部60の周方向外側面とを略全域にわたって接触させることにより、第1ハウジング5に対して第2ハウジング6が周方向に移動すること抑制できる。すなわち、第1ハウジング5と第2ハウジング6との周方向の位置ずれを抑制できる。
【0059】
<3-3.配線溝>
ハウジング4の径方向外側面は、配線溝41を有する。配線溝41は、径方向内方に向かって凹み、かつ、第1ハウジング5から第2ハウジング6に延びる。ここで、ハウジング4は、凹部50および凸部60を配線溝41に有する。
【0060】
具体的には、
図3に示すように、配線溝41の溝底は、凸部60の先端部61から、第2筒部600の上端部に延びる。凹部50のうち凸部60が配置される領域では、凹部50の一対の周方向内側面がそれぞれ配線溝41の内壁を構成する。
【0061】
また、リード線3は、ハウジング4の径方向内方、先端部61と底部51との間、および、ハウジング4の径方向外方、に配置される。そして、ハウジング4の径方向外方に配置されるリード線3は、配線溝41に配置される。これにより、リード線3が径方向外方に大きく突出することを抑制できるため、軸流ファン300の小型化を実現できる。また、モータ100が取り付けられる装置にリード線3の配線スペースを別途確保する必要がない。
【0062】
<3-4-1.第1変形例>
図10は、第1変形例に係る凹部50および凸部60を軸方向上方から見た場合の模式図である。
図10では、凸部60をハッチング柄で示す。また、
図10では、図面を見易くするため、各部材の間に隙間を設ける。実際には、凹部50および凸部60は、少なくとも一部で互いに接触する。なお、
図10では、図面上方が径方向内方であり、図面下方が径方向外方である。また、図面の左右方向が周方向である。
【0063】
第1変形例では、第1ハウジング5は、規制部7を有する。
図10では、規制部7をドット柄で示す。規制部7は、凹部50の周方向内側面から周方向に突出する。このため、規制部7は、凸部60と径方向に重なる。すなわち、第1ハウジング5は、凸部60と径方向に重なる位置に規制部7を有する。規制部7は、凸部60に対向する少なくとも1つの面を有する。たとえば、規制部7は、凸部60の径方向外方に配置される。
【0064】
第1変形例では、凸部60の径方向外方への移動が規制部7によって抑制される。具体的には、凸部60が径方向外方に移動する際に、凸部60の径方向外側面が規制部7に接触することにより、凸部60が径方向外方に突出することを抑制できる。これにより、凸部60が径方向外方に突出することを抑制できる。
【0065】
なお、規制部7は、凸部60の径方向内方および径方向外方の少なくとも一方に配置される。すなわち、凸部60の径方向内方に規制部7が配置されてもよい。凸部60の径方向内方に規制部7が配置される構成では、凸部60の径方向内方への移動を規制部7によって抑制できる。凸部60の径方向内方への移動が抑制されることにより、ハウジング4の径方向内方での動翼200と凸部60との接触を抑制できる。このため、凸部60の径方向内方に規制部7が配置されることが好ましい。また、凸部60の径方向外方および径方向内方の両方に規制部7が配置されてもよい。凸部60の径方向外方および径方向内方の両方に規制部7が配置される構成では、凸部60の径方向外方への移動および径方向内方への移動を抑制できる。
【0066】
また、規制部7と第1ハウジング5とが単一の部材によって構成されてもよいし、規制部7と第1ハウジング5とが別部材であってもよい。
【0067】
<3-4-2.第2変形例>
図11は、第2変形例に係る凹部50および凸部60を軸方向上方から見た場合の模式図である。
図11では、凸部60をハッチング柄で示す。また、
図11では、図面を見易くするため、各部材の間に隙間を設ける。実際には、凹部50および凸部60は、少なくとも一部で互いに接触する。なお、
図11では、図面上方が径方向内方であり、図面下方が径方向外方である。また、図面の左右方向が周方向である。
【0068】
第2変形例では、凹部50の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、軸方向から見て、径方向に対して傾斜する凹側規制部511を有する。凹側規制部511は、凸部60の一部と径方向に接触する。これにより、凸部60の径方向の移動を抑制できる。
【0069】
たとえば、凹側規制部511は、凹部50の一対の周方向内側面の両方に設けられる。一対の凹側規制部511は、軸方向から見て、同方向に傾斜する。ここで、「同方向」とは、厳密に同じ方向だけでなく、略同じ方向も含む。一対の凹側規制部511は、それぞれ、凸部60の少なくとも一部と径方向に接触する。これにより、凸部60の径方向外方への移動および径方向内方への移動の両方を容易に抑制できる。
【0070】
ここで、凸部60の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、凹側規制部511と対向する凸側規制部611を有する。凸側規制部611は、軸方向から見て、凹側規制部511と同方向に傾斜する。そして、凸側規制部611は、凹側規制部511と軸方向に少なくとも一部で接触する。なお、「同方向」とは、厳密に同じ方向だけでなく、略同じ方向も含む。
【0071】
凸部60が凸側規制部611を有する構成では、凸部60の凸側規制部611を有する周方向外側面と凹部50の凹側規制部511を有する周方向内側面とを略全域にわたって対向させ、接触させることができる。これにより、確実に、凸部60の径方向の移動を抑制できる。
【0072】
なお、凹部50に凹側規制部511を設ける一方で、凸部60には凸側規制部611を設けなくてもよい。また、凹部50の一対の周方向内側面のうち一方にのみ凹側規制部511を設けてもよい。この場合、凸部60の一対の周方向外側面のうち一方にのみ、凹側規制部511と対向し接触する凸側規制部611を設けてもよい。
【0073】
また、凹部50の一対の周方向内側面の両方に凹側規制部511が設けられる構成において、図示しないが、軸方向から見て、一方の凹側規制部511を、径方向外方から径方向内方に向かって他方の凹側規制部511に近づく方向に傾斜させ、他方の凹側規制部511を、径方向外方から径方向内方に向かって一方の凹側規制部511に近づく方向に傾斜させてもよい。すなわち、軸方向から見て、凹部50が台形状の開口を有してもよい。
【0074】
さらに、凹部50が台形状の開口を有する構成において、軸方向から見て、一方の凸側規制部611を一方の凹側規制部511と同方向に傾斜させ、他方の凸側規制部611を他方の凹側規制部511と同方向に傾斜させてもよい。すなわち、軸方向から見て、凸部60が台形状であってもよい。この構成では、軸方向から見て、凸部60が径方向外方から径方向内方に向かって先細りの楔として機能する。言い換えると、軸方向から見て、凹部50に凸部60を楔状に接触させることができる。これにより、確実に、凸部60の径方向内方への移動を抑制できる。
【0075】
<3-4-3.第3変形例>
図12は、第3変形例に係る凹部50および凸部60を軸方向上方から見た場合の模式図である。
図12では、凸部60をハッチング柄で示す。また、
図12では、図面を見易くするため、各部材の間に間隔を設ける。実際には、凹部50および凸部60は、少なくとも一部で互いに接触する。なお、
図12では、図面上方が径方向内方であり、図面下方が径方向外方である。また、図面の左右方向が周方向である。
【0076】
第3変形例では、凹部50の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、第1規制用凹部512を有する。第1規制用凹部512は、周方向に凹む。また、第1規制用凹部512は、第1筒部500の上端面に開口を有し、第1筒部500の上端面から下方に向かって延びる。すなわち、第1規制用凹部512は、周方向に凹み、かつ、第1ハウジング5の他方側の端面から一方側に向かって延びる。
【0077】
たとえば、凹部50は、一対の周方向内側面の一方に第1規制用凹部512を有する(図示せず)。ただし、これに限定されない。
図12に示すように、凹部50の一対の周方向内側面の両方に第1規制用凹部512が設けられてもよい。
【0078】
また、凸部60の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、周方向に突出し、かつ、第1規制用凹部512に配置される第1規制用凸部612を有する。凹部50の一対の周方向内側面の両方に第1規制用凹部512が設けられる構成では、凸部60の一対の周方向外側面の両方に第1規制用凸部612が設けられる。第1規制用凸部612が第1規制用凹部512に配置されることにより、第1規制用凸部612が第1規制用凹部512によって径方向に挟まれた状態となる。すなわち、第1規制用凸部612の径方向を向く面が第1規制用凹部512の径方向を向く面と対向する。これにより、確実に、凸部60の径方向の移動を抑制できる。第1規制用凸部612の径方向を向く面および第1規制用凹部512の径方向を向く面は、互いに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0079】
<3-4-4.第4変形例>
図13は、第4変形例に係る凹部50および凸部60を軸方向上方から見た場合の模式図である。
図13では、凸部60をハッチング柄で示す。また、
図13では、図面を見易くするため、各部材の間に間隔を設ける。実際には、凹部50および凸部60は、少なくとも一部で互いに接触する。なお、
図13では、図面上方が径方向内方であり、図面下方が径方向外方である。また、図面の左右方向が周方向である。
【0080】
第4変形例では、凹部50の一対の周方向内側面の少なくとも一方は、第2規制用凸部513を有する。第2規制用凸部513は、周方向に突出する。また、第2規制用凸部513は、第1筒部500の上端面から下方に向かって延びる。すなわち、第2規制用凸部513は、周方向に突出し、かつ、第1ハウジング5の他方側の端面から一方側に向かって延びる。
【0081】
たとえば、凹部50は、一対の周方向内側面の一方に第2規制用凸部513を有する(図示せず)。ただし、これに限定されない。
図13に示すように、凹部50の一対の周方向内側面の両方に第2規制用凸部513が設けられてもよい。
【0082】
また、凸部60の一対の周方向外側面の少なくとも一方は、周方向に凹み、かつ、第2規制用凸部513が配置される第2規制用凹部613を有する。凹部50の一対の周方向内側面の両方に第2規制用凸部513が設けられる構成では、凸部60の一対の周方向外側面の両方に第2規制用凹部613が設けられる。第2規制用凸部513が第2規制用凹部613に配置されることにより、第2規制用凸部513が第2規制用凹部613によって径方向に挟まれた状態となる。すなわち、第2規制用凹部613の径方向を向く面が第2規制用凸部513の径方向を向く面と対向する。これにより、確実に、凸部60の径方向の移動を抑制できる。第2規制用凹部613の径方向を向く面および第2規制用凸部513の径方向を向く面は、互いに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0083】
<4.その他>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態は適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、たとえば、軸流ファン用のモータなどとして利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 ロータ
2 ステータ
3 リード線
4 ハウジング
4A 配線孔
5 第1ハウジング
5A 凹側傾斜部
6 第2ハウジング
6A 凸側傾斜部
7 規制部
41 配線溝
50 凹部
51 底部
60 凸部
61 先端部
62 根元部
63 中間部
100 モータ
200 動翼
300 軸流ファン
501 一方側領域
502 他方側領域
511 凹側規制部
512 第1規制用凹部
513 第2規制用凸部
611 凸側規制部
612 第1規制用凸部
613 第2規制用凹部
CA 中心軸