(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】中継輸送計画装置、中継輸送計画システム、および、中継輸送計画方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240903BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021012583
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 江介
(72)【発明者】
【氏名】関 正人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀昭
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-137182(JP,A)
【文献】特開2001-273353(JP,A)
【文献】特開2020-004181(JP,A)
【文献】特開2020-007146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第1車両の、前記第1エリアに配置される第1エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第1情報を取得する第1情報取得部と、
第2エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第2車両の、前記第2エリアに配置される第2エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第2情報を取得する第2情報取得部と、
前記第1エリア中継拠点と前記第2エリア中継拠点との間を繋ぐ輸送路で荷物の輸送を行い、前記第1車両および前記第2車両が属するグループとは別のグループに属す
る第3車両の中継スケジュールを、前記第1情報および前記第2情報に基づき生成する生成部と、
を備え
、
前記生成部は、前記第1エリア中継拠点から前記第3車両により送られた荷物と、前記第2エリア中継拠点から前記第3車両により送られた荷物とを前記2つの第3車両間で交換する中継場所を前記輸送路に設けて前記中継スケジュールを生成する、中継輸送計画装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記第3車両の運転者の勤務時間を所定値以内として前記中継スケジュールを生成する、請求項
1に記載の中継輸送計画装置。
【請求項3】
前記第1情報に含まれる前記行動予定情報には、前記第1車両による前記第1エリア中継拠点への荷物の運び込みに関わる時間情報と、前記第1車両による前記第1エリア中継拠点からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれ、
前記第2情報に含まれる前記行動予定情報には、前記第2車両による前記第2エリア中継拠点への荷物の運び込みに関わる時間情報と、前記第2車両による前記第2エリア中継拠点からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれる、請求項1
又は2に記載の中継輸送計画装置。
【請求項4】
前記第1車両、前記第2車両、および、前記第3車両は、いずれも荷物を収容する収容部を互いに取り替え可能に設けられる、請求項1から
3のいずれか1項に記載の中継輸送計画装置。
【請求項5】
前記中継スケジュールを送信する通信部を更に備える、請求項1から
4のいずれか1項に記載の中継輸送計画装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の中継輸送計画装置と、
前記中継輸送計画装置と通信可能に設けられる端末装置と、
を備える、中継輸送計画システム。
【請求項7】
装置を用いて中継輸送の計画を行う中継輸送計画方法であって、
第1エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第1車両の、前記第1エリアに配置される第1エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第1情報を取得する第1情報取得工程と、
第2エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第2車両の、前記第2エリアに配置される第2エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第2情報を取得する第2情報取得工程と、
前記第1エリア中継拠点と前記第2エリア中継拠点との間を繋ぐ輸送路で荷物の輸送を行い、前記第1車両および前記第2車両が属するグループとは別のグループに属す
る第3車両の中継スケジュールを、前記第1情報および前記第2情報に基づき生成する生成工程と、
を備え
、
前記生成工程においては、前記第1エリア中継拠点から前記第3車両により送られた荷物と、前記第2エリア中継拠点から前記第3車両により送られた荷物とを前記2つの第3車両間で交換する中継場所を前記輸送路に設けて前記中継スケジュールを生成する、中継輸送計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継輸送計画装置、中継輸送計画システム、および、中継輸送計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配送先が遠方となる場合に、中継により他の乗務員に荷物を受け渡すことで同一乗務員による長距離輸送を防ぐことが行われている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中継地点を設けて荷物の輸送を行うことにより、荷物の輸送距離が長くなる場合でも、車両運転者の毎日の帰宅を実現することが可能となる。しかし、車両運転者の拘束時間は、荷物の発送や受け取りを依頼する依頼者の要求時間に左右されるために、単に中継地点を設けても車両運転者の拘束時間を削減できないことがある。
【0005】
また、2つのエリア間に単に中継地点を設けただけでは、例えば、一方のエリアにおいて積荷の時間に遅れが生じた場合や渋滞が発生した場合等に、他方のエリアから来る車両運転者は、一方のエリアから来る車両の到着を中継地点にて待つ必要がある。当該待ち時間は、2つのエリア間の距離が長くなるほど発生し易くなる。すなわち、2つのエリア間の距離が長くなるほど不要な待ち時間が生じ、車両運転者の拘束時間を長くする可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、中継輸送を行う車両運転者の拘束時間の長時間化を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の中継輸送計画装置は、第1エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第1車両の、前記第1エリアに配置される第1エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第1情報を取得する第1情報取得部と、第2エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第2車両の、前記第2エリアに配置される第2エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第2情報を取得する第2情報取得部と、前記第1エリア中継拠点と前記第2エリア中継拠点との間を繋ぐ輸送路で荷物の輸送を行い、前記第1車両および前記第2車両が属するグループとは別のグループに属する少なくとも一台の第3車両の中継スケジュールを、前記第1情報および前記第2情報に基づき生成する生成部と、を備える構成(第1の構成)となっている。
【0008】
上記第1の構成の中継輸送計画装置において、前記生成部は、前記第1エリア中継拠点から送られた荷物と、前記第2エリア中継拠点から送られた荷物とを交換する中継場所を前記輸送路に設けて前記中継スケジュールを生成する構成(第2の構成)であることが好ましい。
【0009】
上記第1又は第2の構成の中継輸送計画装置において、前記生成部は、前記第3車両の運転者の勤務時間を所定値以内として前記中継スケジュールを生成する構成(第3の構成)であることが好ましい。
【0010】
上記第1から第3のいずれかの構成の中継輸送計画装置において、前記第1情報に含まれる前記行動予定情報には、前記第1車両による前記第1エリア中継拠点への荷物の運び込みに関わる時間情報と、前記第1車両による前記第1エリア中継拠点からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれ、前記第2情報に含まれる前記行動予定情報には、前記第2車両による前記第2エリア中継拠点への荷物の運び込みに関わる時間情報と、前記第2車両による前記第2エリア中継拠点からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれる構成(第4の構成)であることが好ましい。
【0011】
上記第1から第4のいずれかの構成の中継輸送計画装置において、前記第1車両、前記第2車両、および、前記第3車両は、いずれも荷物を収容する収容部を互いに取り替え可能に設けられる構成(第5の構成)であることが好ましい。
【0012】
上記第1から第5のいずれかの構成の中継輸送計画装置は、前記中継スケジュールを送信する通信部を更に備える構成(第6の構成)であることが好ましい。
【0013】
上記目的を達成するために本発明の中継輸送計画システムは、上記第6の構成の中継輸送計画装置と、前記中継輸送計画装置と通信可能に設けられる端末装置と、を備える構成(第7の構成)となっている。
【0014】
上記目的を達成するために本発明の中継輸送計画方法は、装置を用いて中継輸送の計画を行う中継輸送計画方法であって、第1エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第1車両の、前記第1エリアに配置される第1エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第1情報を取得する第1情報取得工程と、第2エリアで荷物の配送を行う少なくとも一台の第2車両の、前記第2エリアに配置される第2エリア中継拠点に対する行動予定情報を含む第2情報を取得する第2情報取得工程と、前記第1エリア中継拠点と前記第2エリア中継拠点との間を繋ぐ輸送路で荷物の輸送を行い、前記第1車両および前記第2車両が属するグループとは別のグループに属する少なくとも一台の第3車両の中継スケジュールを、前記第1情報および前記第2情報に基づき生成する生成工程と、を備える構成(第8の構成)となっている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、中継輸送を行う車両運転者の拘束時間の長時間化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】中継輸送計画システムについて説明するための図
【
図4】中継輸送計画装置が中継スケジュールを生成する手順を示すフローチャート
【
図5】中継スケジュールの生成に関する詳細例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<1.中継輸送計画システムの概略>
図1は、本発明の実施形態に係る中継輸送計画システム100の概略構成を示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る中継輸送計画システム100について説明するための図である。
【0019】
中継輸送計画システム100は、複数の車両のグループが複数エリア間の中継輸送を行う場合において、複数の車両のグループに属する車両のマッチングを行う。これにより、中継輸送計画システム100は、中継輸送の効率化と、車両運転者の拘束時間の長期化の抑制との両立を実現する。
【0020】
一つの車両のグループには、少なくとも一つの事業者に属する車両が含まれる。また、一つの車両グループに、複数の事業者に属する車両が含まれても良い。本実施形態では、一つの車両のグループに属するのは一つの事業者であるとして説明する。
【0021】
複数エリアとは、例えば、
図2に示した第1エリア101と第2エリア102である。事業者とは、例えば、
図2に示した事業者BP1、BP2、BP3である。
図2に示した例において、
図2に示す例では、事業者BP3は、中継場所1031で、事業者BP1および事業者BP2から受け取った荷物の中継を行う。
【0022】
本実施形態に係る中継輸送計画システム100の構成について説明する前に、
図2を参照しながら、中継輸送計画システム100の適用に必要となる要件や構成について説明する。
【0023】
中継輸送計画システム100は、第1エリア101と第2エリア102との間で荷物の輸送を行いたい場合に利用される。第1エリア101と第2エリア102とは、隣接しておらず、互いに離れたエリアであることが好ましい。エリアは、例えば、国や、一国の特定の地域等であってよい。一国の特定の地域は、例えば都道府県、都道府県を複数含む地域(関東地方、近畿地方等)、都道府県内の特定の地域(市町村等)であってよい。
【0024】
本実施形態では、荷物の輸送にスワップボディトラックや、トレーラーを用いる。スワップボディトラックは、荷台部分を着脱可能なトラックである。スワップボディトラックは、荷台を取り外して他の荷台と交換できるので、短時間で荷物や荷台の中継を行うことができる。ここで、荷物や荷台の中継とは、一のトラックから他のトラックへの荷物や荷台の受け渡しである。また、荷物の輸送にトレーラーを用いる場合は、トラクターからトレーラー部分を取り外して交換することで、短時間で荷物や荷台の中継を行うことができる。
【0025】
なお、ISO668で規定されるような、ドライコンテナを用いて荷物を輸送しても良い。この場合、後述する中継場所1031等の中継地点は、専用の積み替え設備を有する中継地点である。
【0026】
図2に示すように、第1エリア101と第2エリア102とは輸送路103によって接続される。輸送路103は、高速道路を含むことが好ましいが、必ずしも高速道路を含む必要はない。輸送路103は、高速道路のみで構成されてもよいし、高速道路と一般道路との組み合わせで構成されてもよい。また、輸送路103は、一般道路のみで構成されてもよい。
【0027】
第1エリア101には、第1エリア101内で車両にて荷物の配送を行う少なくとも一つの事業者(第1エリア配送業者)BP1が存在する。
図2に示す例では、複数の第1エリア配送業者BP1a、BP1b・・・が存在する。同様に、第2エリア102には、第2エリア102内で車両にて荷物の配送を行う少なくとも一つの事業者(第2エリア配送業者)BP2が存在する。
図2に示す例では、複数の第2エリア配送業者BP2a、BP2b・・・が存在する。本実施形態では、説明を簡単にするために、一つの事業者BP1、BP2が1台の車両を有する例を説明する。ただし、1つの事業者BP1、BP2が複数の車両を有してもよい。
【0028】
なお、第1エリア101と第2エリア102との両方で荷物の配送を行う事業者が存在してよい。
図2に示す例では、第1エリア101にて符号BP1aで示す第1エリア配送業者と、第2エリア102にて符号BP2aで示す第2エリア配送業者とは同一事業者に属する。また、
図2において、第1エリア101にて符号BP1bで示す第1エリア配送業者と、第2エリア102にて符号BP2bで示す第2エリア配送業者とは同一事業者に属する。
【0029】
第1エリア101および第2エリア102で荷物の配送を行う事業者とは別に、輸送路103での荷物の輸送を専門に行う少なくとも1つの事業者(輸送業者)BP3が存在する。
図2に示す例では、複数の輸送業者BP3a、BP3b・・・が存在する。なお、輸送業者BP3は、輸送路103の全区間の輸送を受け持つ事業者でもよいが、輸送路103の一部の区間のみの輸送を受け持つ事業者でもよい。
【0030】
第1エリア101には、第1エリア配送業者BP1と輸送業者BP3とが荷物の受け渡しを行う第1エリア中継拠点1011が配置される。第2エリア102には、第2エリア配送業者BP2と輸送業者BP3とが荷物の受け渡しを行う第2エリア中継拠点1021が配置される。第1エリア中継拠点1011および第2エリア中継拠点1021は、荷物の保管を行うことができる保管場所を有する施設であることが好ましい。
【0031】
次に、
図1を参照して、中継輸送計画システム100の構成について説明する。前述のように、中継輸送計画システム100は、中継輸送を行う場合において、複数の事業者に属する車両のマッチングを行う。マッチングとは、複数の事業者に属する車両の運行スケジュールを、効率よく組み合わせることである。また、効率よく組み合わせるとは、例えば、中継場所1031で荷物の受け渡しをする場合において、中継場所1031における車両の待ち時間を最短にすることである。なお、中継輸送計画システム100においては、複数の事業者に属する車両の運行スケジュールが中継輸送に適していない場合、複数の事業者に車両の運行スケジュール調整が依頼される構成としても良い。
【0032】
図1に示すように、中継輸送計画システム100は、中継輸送計画装置1と、中継輸送計画装置1と通信可能に設けられる端末装置2とを備える。これによれば、事業者は端末装置2を用いて中継輸送計画装置1と情報のやり取りを行うことができ、中継輸送計画装置1によって生成された計画にしたがって中継輸送を効率的に実施することができる。
【0033】
中継輸送計画装置1は、例えばサーバ装置である。中継輸送計画装置1の詳細については後述する。中継輸送計画装置1と端末装置2とは、例えばインターネットや携帯電話回線網などのネットワーク3を介して互いに通信可能となっている。端末装置2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な端末装置であってよい。また、端末装置2は、各事業者が有する事業所等の建屋に配置されるパーソナルコンピュータ等の据え置き型の端末装置であってもよい。
【0034】
図1に示す例では、端末装置2は、輸送業者端末装置2aと、第1エリア配送業者端末装置2bと、第2エリア配送業者端末装置2cとを含む。輸送業者端末装置2aは、輸送業者BP3が有する端末装置である。第1エリア配送業者端末装置2bは、第1エリア配送業者BP1が有する端末装置である。第2エリア配送業者端末装置2cは、第2エリア配送業者BP2が有する端末装置である。中継輸送計画装置1と通信可能な各端末装置2a~2cは、中継輸送計画システム100に属する事業者の数に応じて複数であってよい。
【0035】
なお、端末装置2は、輸送業者端末装置2aと、第1エリア配送業者端末装置2bと、第2エリア配送業者端末装置2cとのうちの一部だけ含む構成であってもよい。この場合、端末装置2は、輸送業者端末装置2aと、第1エリア配送業者端末装置2bと、第2エリア配送業者端末装置2cとのうち、少なくとも輸送業者端末装置2aを含むことが好ましい。また、1つの事業者が第1エリア配送業者BP1と第2エリア配送業者BP2とを兼ねる場合には、当該事業者は、第1エリア配送業者端末装置2bと、第2エリア配送業者端末装置2cとのうちの一方だけ有する構成であってもよい。
【0036】
中継輸送計画システム100は、エリア配送業者BP1、BP2と、輸送業者BP3とのマッチング(組み合わせ)を適切に行い、中継輸送の効率化と、車両運転者の拘束時間の長期化の抑制との両立を実現可能とする技術を提供するものである。
【0037】
<2.中継輸送計画装置>
図3は、本発明の実施形態に係る中継輸送計画装置1の構成を示すブロック図である。なお、
図3においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図3に示すように、中継輸送計画装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0038】
制御部11は、中継輸送計画装置1の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。なお、制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のCPU以外の集積回路により構成されてもよい。
【0039】
記憶部12は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、或いは、光ディスク等の可搬型の記録媒体を用いる記憶装置等で構成される。記憶部12は、ファームウェアとしてのプログラムや各種のデータを記憶する。
【0040】
通信部13は、ネットワーク3と有線又は無線で接続され、ネットワーク3を介して端末装置2(
図1参照)と情報のやりとりを行う。
【0041】
図3に示す第1情報取得部111、第2情報取得部112、および、生成部113は、制御部11のCPUが記憶部12に記憶されるコンピュータプログラムに従って演算処理を実行することにより実現される制御部11の機能である。換言すると、中継輸送計画装置1は、第1情報取得部111と、第2情報取得部112と、生成部113と、を備える。
【0042】
なお、制御部11の第1情報取得部111、第2情報取得部112、および、生成部113の少なくともいずれか1つは、ASICやFPGA等のハードウェアで構成されてもよい。また、第1情報取得部111、第2情報取得部112、および、生成部113は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてよい。
【0043】
第1情報取得部111は、第1情報を取得する。第1情報は、第1エリア101で荷物の配送を行う少なくとも一台の第1車両の、第1エリア101に配置される第1エリア中継拠点1011に対する行動予定情報を含む。なお、第1車両は、第1エリア配送業者BP1に属する車両である。例えば、第1情報は、第1エリア配送業者端末装置2bからネットワーク3を介して通信部13に入力される。第1情報取得部111は、通信部13を介して第1情報を取得する。第1車両の第1エリア中継拠点1011に対する行動としては、例えば、第1エリア中継拠点1011への荷物の運び込みや、第1エリア中継拠点1011からの荷物の持ち出しといった行動が挙げられる。すなわち、行動予定情報には、荷物の運び込み予定に関する情報や、荷物の運び出しに関する情報が含まれてよい。
【0044】
第2情報取得部112は、第2情報を取得する。第2情報は、第2エリア102で荷物の配送を行う少なくとも一台の第2車両の、第2エリア102に配置される第2エリア中継拠点1021に対する行動予定情報を含む。なお、第2車両は、第2エリア配送業者BP2に属する車両である。例えば、第2情報は、第2エリア配送業者端末装置2cからネットワーク3を介して通信部13に入力される。第2情報取得部112は、通信部13を介して第2情報を取得する。第2車両の第2エリア中継拠点1021に対する行動としては、例えば、第2エリア中継拠点1021への荷物の運び込みや、第2エリア中継拠点1021からの荷物の持ち出しといった行動が挙げられる。すなわち、行動予定情報には、荷物の運び込み予定に関する情報や、荷物の運び出しに関する情報が含まれてよい。
【0045】
生成部113は、第1エリア中継拠点1011と第2エリア中継拠点1021との間を繋ぐ輸送路103で荷物の輸送を行う少なくとも一台の第3車両の中継スケジュールを、第1情報および第2情報に基づき生成する。第3車両は、第1車両および第2車両が属する事業者とは別の事業者(輸送業者BP3)に属する。生成部113は、好ましい形態として、生成した中継スケジュールを事業者BP1、BP2、BP3に通知する。したがって、事業者BP1、BP2、BP3は、通知された中継スケジュールに基づいて、車両を運行することができる。
【0046】
本構成によれば、各エリア101、102にエリア中継拠点1011、1021を設けることによって、エリア101、102毎の配送と、エリア101、102間を繋ぐ輸送路での輸送とを、異なる事業者に分担させて中継スケジュールを生成することができる。このために、輸送路103の距離が長くなる場合においても、車両運転者の拘束時間が長時間化することを抑制できる。また、各エリア101、102で配送を行う車両のエリア中継拠点1011、1021に対する行動予定を考慮して中継スケジューを生成するために、エリア配送業者BP1、BP2と、輸送業者BP3と、を適切にマッチングして効率の良い中継輸送を行うことができる。
【0047】
例えば、第1情報に含まれる行動予定情報には、第1車両による第1エリア中継拠点1011への荷物の運び込みに関わる時間情報と、第1車両による第1エリア中継拠点1011からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれる。また、第2情報に含まれる行動予定情報には、第2車両による第2エリア中継拠点1021への荷物の運び込みに関わる時間情報と、第2車両による第2エリア中継拠点1021からの荷物の運び出しに関わる時間情報とが含まれる。本構成によれば、第1エリア101から第2エリア102への荷物の輸送と、第2エリア102から第1エリア101への荷物の輸送との両方のスケジュールを適切に調整して、効率良く荷物の輸送を行うことができる。
【0048】
なお、荷物の運び込みに関わる時間情報は、荷物を配送する車両が各エリア中継拠点1011、1021に荷物を運び込む時間そのものであってもよいが、荷物を運び込む時間を算出可能な他の時間情報であってもよい。当該他の時間情報は、例えば、荷主から荷物を受け取って各エリア中継拠点1011、1021に向けて出発する時間等であってもよい。
【0049】
また、荷物の運び出しに関わる時間情報は、荷物を配送する車両が各エリア中継拠点1011、1021から荷物を運び出す時間そのものであってもよいが、荷物を運び出す時間を算出可能な他の時間情報であってもよい。当該他の時間情報は、例えば、運び出す予定の荷物を、受け取り人が受け取りたい時間等であってもよい。
【0050】
また、行動予定情報に含まれる、荷物の運び込みに関わる時間情報と、荷物の運び出しに関わる時間情報とは、1つのエリア配送業者BP1、BP2のみから得られる情報であることが好ましい。ただし、互いに異なる2つのエリア配送業者BP1、BP2から得られる構成であってもよい。
【0051】
本実施形態では、好ましい形態として、生成部113は、第1エリア中継拠点1011から送られた荷物と、第2エリア中継拠点1021から送られた荷物とを交換する中継場所1031(
図2参照)を輸送路103に設けて中継スケジュールを生成する。また、生成部113は、生成した中継スケジュールを事業者BP1、BP2、BP3に通知する。本構成によれば、輸送業者BP3に属する第3車両は、輸送路103の一端側から他端まで輸送を行う必要がなくなるために車両運転者の拘束時間を低減することができる。
【0052】
なお、
図2に示す例では、中継場所1031は1つである。ただし、輸送路103に設ける中継場所1031の数は複数であってもよい。すなわち、詳細には、輸送路103に設けられる中継場所1031は少なくとも1つであってよい。中継場所1031が複数である場合、エリア中継拠点1011、1021からの荷物は、エリア中継拠点1011、1021から直接運ばれて来た荷物でなく、中継場所1031を介して運ばれて来た荷物である場合もあり得る。
【0053】
中継場所1031は、特別に設けられた場所ではなく、一般的な駐車場であってもよい。本実施形態では、スワップボディトラック等を用いるので、中継場所1031を任意の場所に設けることができる。
【0054】
また、輸送路103に中継場所1031が設けられる場合、少なくとも、第1エリア中継拠点1011と中継場所1031とを往復する第3車両と、第2エリア中継拠点1021と中継場所1031とを往復する第3車両と、が生じる。また、輸送路103で荷物の輸送を行う輸送業者BP3は、中継場所1031を挟んで一方側と他方側とで同じ事業者でもよいが、異なる事業者であってもよい。すなわち、第1エリア中継拠点1011と中継場所1031との間を受け持つ輸送業者BP3と、第2エリア中継拠点1021と中継場所1031との間を受け持つ輸送業者BP3とが、異なる事業者であってもよい。
【0055】
生成部113は、輸送業者BP3に属する第3車両の運転者の勤務時間を所定値以内として中継スケジュールを生成することが好ましい。本構成によれば、輸送路103で荷物の輸送を行う運転者の労働環境を適切な環境とすることができる。なお、所定値は、運転者の負担を低減できるように適宜設定される数値であってよく、例えば8時間等である。運転者の労働時間が所定値以内となるように、例えば、中継場所1031が増やされる等が行われてよい。
【0056】
また、本実施形態では、好ましい形態として、生成部113で生成された中継スケジュールは、通信部13を介して外部に送信される。すなわち、中継輸送計画装置1は、中継スケジュールを送信する通信部13を備える。このように構成することにより、輸送業者BP3等は端末装置2を介して中継スケジュールを簡単に確認することができ、中継スケジュールの伝達を効率良く行うことができる。
【0057】
なお、輸送路103で荷物の輸送を行う輸送業者BP3が複数登録されている場合には、中継輸送計画装置1が、登録された複数の輸送業者BP3の中から輸送を依頼する輸送業者BP3を選択し、選択した輸送業者BP3に中継スケジュールを送信する構成としてよい。輸送業者BP3の選択は、例えば、各輸送業者BP3から送信される車両や運転者の空き情報に基づいて行われる構成等であってよい。
【0058】
<3.中継輸送計画方法>
次に、以上のように構成される中継輸送計画装置1を用いた中継輸送計画方法について説明する。
図4は、中継輸送計画装置1が中継スケジュールを生成する手順を示すフローチャートである。
図5は、中継スケジュールの生成に関する詳細例を説明するための図である。
【0059】
実際には1エリア101、第2エリア102、輸送路103のそれぞれには、複数の事業者が存在するが、ここでは、
図5のように簡略化して説明する。具体的には、
図5に示す例では、理解を容易とするために、第1エリア101および第2エリア102には、それぞれ1つの配送業者のみが存在することにしている。第1エリア配送業者BP1と第2エリア配送業者BP2とは、同じ事業者でも、異なる事業者でもよい。また、輸送路103で輸送を行う輸送業者BP3は、一例として2つとしている。一方の輸送業者BP3aは、第1エリア中継拠点1011と中継場所1031との間の輸送を担当する。他方の輸送業者BP3bは、第2エリア中継拠点1021と中継場所1031との間の輸送を担当する。
【0060】
また、第1エリア配送業者BP1に属する第1車両VE1は、第1エリア101に居る荷物の発送の依頼主(発荷主)301から受け取った荷物を第1エリア中継拠点1011に運び込む。また、第1車両VE1は、第2エリア102に居る発荷主401の荷物を第1エリア中継拠点1011から運び出し、第1エリア101に居る荷物の受け取り主(着荷主)302に届ける。なお、第1エリア101に居る発荷主301と着荷主302とは、同じ者であっても異なる者であってもよい。
【0061】
また、第2エリア配送業者BP2に属する第2車両VE2は、第2エリア102に居る発荷主401から受け取った荷物を第2エリア中継拠点1021に運び込む。また、第2車両VE2は、第1エリア101に居る発荷主301の荷物を第2エリア中継拠点1021から運び出し、第2エリア102に着荷主402に届ける。なお、第2エリア102に居る発荷主401と着荷主402とは、同じ者であっても異なる者であってもよい。
【0062】
また、第1エリア101で荷物の配送を行う第1車両VE1、第2エリア102で荷物の配送を行う第2車両VE2、および、輸送路103で荷物の輸送を行う第3車両VE3は、いずれも荷物を収容する収容部200を互いに取り替え可能に設けられる。本構成によれば、各車両VE1、VE2、VE3が運ぶ荷物の1つ1つの出し入れをすることなく荷物の取り替えを行うことができるので、効率良く荷物の交換を行うことができる。また、各エリア101、102で配送を行う車両VE1、VE2は、簡単に各エリア中継拠点1011、1021に荷物のみを置いて各エリア中継拠点1011、1021から離れることができるために、効率良く配送作業を行うことができる。
【0063】
収容部200は、荷台に着脱可能なコンテナでもよいし、車輪を有するトレーラーであってもよい。収容部200が車輪を有さないコンテナである場合、各車両VE1、VE2、VE3は、スワップボディトラックであってよい。収容部200がトレーラーである場合、各車両VE1、VE2、VE3は、トレーラーを牽引するトラクターであってよい。
【0064】
図4に示すステップS1では、第1情報取得部111が、第1車両VE1の第1エリア中継拠点1011に対する行動予定情報を含む第1情報を取得する。第1情報取得部111は、例えば第1エリア配送業者端末装置2bからネットワーク3を介して第1情報を取得する。ただし、第1情報取得部111は、中継輸送計画装置1が有する入力部(例えばキーボードやタッチパネル等)を用いて第1情報を取得する等、他の手段によって第1情報を取得する構成であってもよい。第1情報を取得すると、次のステップS2に処理が進められる。
【0065】
なお、
図5に示す詳細例では、第1情報取得部111は、第1情報D1として、第1エリア101に居る発荷主301の荷物を積んだ第1車両VE1の、第1エリア中継拠点1011への到着予定時間を取得する。また、第1情報取得部111は、第1情報D1として、発荷主301の荷物の第2エリア102に向けた輸送に伴って第1エリア中継拠点1011に持ち帰ることになる荷物の、第1エリア中継拠点1011から第1エリア101に居る着荷主302に向けた出発予定時間を取得する。
図5に示す詳細例では、先に述べた到着予定時間は15時30分から17時30分であり、出発予定時間は翌日の7時30分である。
【0066】
ステップS2では、第2情報取得部112が、第2車両VE2の第2エリア中継拠点1021に対する行動予定情報を含む第2情報を取得する。第2情報取得部112は、例えば第2エリア配送業者端末装置2cからネットワーク3を介して第2情報を取得する。ただし、第2情報取得部112は、中継輸送計画装置1が有する入力部(例えばキーボードやタッチパネル等)を用いて第2情報を取得する等、他の手段によって第2情報を取得してもよい。また、本例では、第1情報を取得した後に第2情報を取得する構成となっているが、この順番は逆であってもよい。また、第1情報の取得と、第2情報の取得とが同時であってもよい。第2情報が取得されると、次のステップS3に処理が進められる。
【0067】
なお、
図5に示す詳細例では、第2情報取得部112は、第2情報D2として、第2エリア102に居る発荷主401の荷物を積んだ第2車両VE2の、第2エリア中継拠点1021への到着予定時間を取得する。また、第2情報取得部112は、第2情報D2として、発荷主401の荷物の第1エリア101に向けた輸送に伴って第2エリア中継拠点1021に持ち帰ることになる荷物の、第2エリア中継拠点1021から第2エリア102に居る着荷主402に向けた出発予定時間を取得する。
図5に示す詳細例では、先に述べた到着予定時間は15時30分から16時であり、出発予定時間は翌日の5時30分である。
【0068】
ステップS3では、生成部113が第3車両の中継スケジュールを生成する。詳細には、生成部113は、第1エリア101からの荷物と、第2エリア102からの荷物とを交換する中継場所1031を輸送路103に設定して中継スケジュールを生成する。中継場所1031は、荷物を収容するコンテナ等の収容部200を、第1エリア101方面から来る第3車両VE3と、第2エリア102方面から来る第3車両VE3との間で入れ替えることができるスペースが確保できる場所であればよい。ただし、中継場所1031は、荷物を一時的に保管できるエリア中継拠点を兼ねる構成であってもよい。
【0069】
中継場所1031は、第1エリア101方面から来る第3車両VE3の移動時間と、第2エリア102方面から来る第3車両VE3の移動時間とが同程度となる場所に設けられることが好ましい。なお、第3車両VE3の移動時間は、例えば、車両の法定速度と、地図情報等から求められる移動距離とから算出されてよい。当該移動時間の算出に際して、例えば過去の渋滞に関する統計情報等が考慮されてもよい。
【0070】
生成部113は、第1エリア101方面からの第3車両VE3の中継場所1031への到着予定時間と、第2エリア102方面からの第3車両VE3の中継場所1031への到着時間とが同じとなるように中継スケジュールを生成する。また、生成部113は、中継場所1031から持ち帰る荷物が各エリア中継拠点1011、1021から各エリア101、102に居る着荷主302、402に向けて出発する予定時間に遅れないように中継スケジュールを生成する。中継スケジュールが生成されると、次のステップS4に処理が進められる。
【0071】
なお、
図5に示す詳細例では、輸送路103は主として高速道路である。このような場合、中継場所1031は、例えば高速道路の近くに設けられる駐車場等に設定されてよい。このような構成とすると、中継場所1031の設定を容易とできる。ただし、収容部200の入れ替えを行うことができる専用の場所を予め設けておき、当該場所が中継場所1031に設定される構成としてもよい。
【0072】
また、
図5に示す例では、中継場所1031(静岡中継所)は、好ましい形態として、第1エリア中継拠点1011(大阪ゲートウェイ;大阪GW)と、第2エリア中継拠点1021(東京GW)との時間的に中間となる場所に設定されている。中継場所1031が時間的に中間となる位置に設定されているために、第1エリア101の発荷主301の荷物を積んだ第3車両VE3の第1エリア中継拠点1011からの出発時間と、第2エリア102の発荷主401の荷物を積んだ第3車両VE3の第2エリア中継拠点1021からの出発時間とは同じとされている。
【0073】
第1エリア101の発荷主301からの荷物は、遅くとも17時30分に第1エリア配送業者BP1によって第1エリア中継拠点1011に運び込まれる。一方、第2エリア102の発荷主401からの荷物は、遅くとも16時に第2エリア配送業者BP2により第2エリア中継拠点1021に運び込まれる。第1エリア中継拠点1011から出発する輸送業者BP3の第3車両VE3と、第2エリア中継拠点1021から出発する輸送業者BP3の第3車両VE3との出発時間を同じとするために、到着時間が遅い方の第1エリア中継拠点1011への荷物の到着時間(17時30分)を基準に出発時間が決められている。当該出発時間は、詳細には、荷物の入れ替え時間(30分)を考慮して18時に設定されている。
【0074】
なお、中継場所1031から持ち帰る荷物が、第1エリア101の着荷主302および第2エリア102の着荷主402が要望する到着時間に遅れないように、好ましい形態として、各エリア中継拠点1011、1021からの出発時間は可能な範囲で早く設定されている。また、中継場所1031からの出発時間は、例えば、各エリア中継拠点1011、1021からの中継場所1031への到着時間のばらつき、荷物の交換時間、運転者の休憩時間等を考慮して設定される。
図5に示す例では、中継場所1031への到着予定時間から1時間後に出発する設定となっている。
【0075】
ステップS4では、通信部13により生成部113で生成された中継スケジュールが第1エリア配送業者BP1、第2エリア配送業者BP2、および、輸送業者BP3に送信される。第1エリア配送業者BP1、第2エリア配送業者BP2、および、輸送業者BP3は、送信された中継スケジュールを各端末装置2により受信して確認することができる。このような構成により、各エリア101、102で配送を行う配送業者BP1、BP2と、エリア101、102間を繋ぐ輸送路で輸送を行う輸送業者BP3と、を適切にマッチングして、運転者の労働環境の向上を図ることができる。通信部13を用いた中継スケジュールの送信は必須の構成でなく、場合によっては、ステップS4はなくてもよい。生成された中継スケジュールは、ネットワーク3を利用することなく、各事業者に伝達されてもよい。
【0076】
なお、
図5に示す詳細例の中継スケジュールによれば、以下のように荷物の輸送が行われる。以下の説明では、第1エリア101を大阪、第2エリア102を東京として説明する。大阪の発荷主301からの荷物は、遅くとも17時30分に第1エリア配送業者BP1の第1車両VE1によって大阪GWに運び込まれる。運び込まれた荷物は、第1車両VE1から切り離された収容部200ごと大阪GWに一時保管される。大阪GWで一時保管された荷物は、輸送業者BP3の第3車両VE3に収容部200ごと取り付けられる。収容部200が取り付けられた第3車両VE3は、静岡中継所に22時に到着予定で、大阪GWを18時に出発する。
【0077】
一方、東京の発荷主401からの荷物は、遅くとも16時に第2エリア配送業者BP2の第2車両VE2によって東京GWに運び込まれる。運び込まれた荷物は、第2車両VE2から切り離された収容部200ごと東京GWに一時保管される。東京GWで一時保管された荷物は、輸送業者BP3の第3車両VE3に収容部200ごと取り付けられる。収容部200が取り付けられた第3車両VE3は、静岡中継所に22時に到着予定で、東京GWを18時に出発する。
【0078】
大阪GWを出発する第3車両VE3と、東京GWを出発する第3車両VE3とは、収容部200を一時保管することができる大阪GWおよび東京GWを利用して静岡中継所への到着時間が同じとなるように時間調整したうえで、各GWを出発している。このため、大阪GWから出発した第3車両VE3と、東京GWから出発した第3車両VE3とは、互いの待ち時間を小さくして静岡中継所で合流し、収容部200の取り替えを行うことができる。
【0079】
大阪GWから来た第3車両VE3は、東京の発荷主401の荷物を収容する収容部200を取り付けて、大阪GWに向けて静岡中継所を23時に出発する。東京GWから来た第3車両VE3は、大阪の発荷主301の荷物を収容する収容部200を取り付けて、東京GWに向けて静岡中継所を23時に出発する。なお、本例では、到着してから出発するまでの時間を1時間としている。当該時間は、各GWから静岡中継所までに要する時間のばらつき、収容部200の取り替えに要する時間、車両の運転者の休憩時間等を考慮して適宜変更されてよい。
【0080】
静岡中継所から大阪GWに向けて出発した第3車両VE3は、大阪GWに3時頃に到着し、東京の発荷主401の荷物を収容した収容部200を大阪GWに置く。すなわち、東京の発荷主401の荷物を収容した収容部200が、大阪GWに一時保管される。この段階で、大阪GWと静岡中継所とを往復した第3車両VE3の運転者の勤務は完了となる。当該運転者の勤務時間は、概ね18時から3時となり、拘束時間は9時間程度となる。
【0081】
静岡中継所から東京GWに向けて出発した第3車両VE3は、東京GWに3時頃に到着し、大阪の発荷主301の荷物を収容した収容部200を東京GWに置く。すなわち、大阪の発荷主301の荷物を収容した収容部200が、東京GWに一時保管される。この段階で、東京GWと静岡中継所とを往復した第3車両VE3の運転者の勤務は完了となる。当該運転者の勤務時間は、概ね18時から3時となり、拘束時間は9時間程度となる。
【0082】
大阪GWに一時保管された東京の発荷主401の荷物は、第1エリア配送業者BP1が大阪GWから予め要望した時間(7時30分)に運び出し、大阪の着荷主302に希望する時間(8時)に届けられる。また、東京GWに一時保管される大阪の発荷主301の荷物は、第2エリア配送業者BP2が東京GWから予め要望した時間(5時30分)に運び出し、東京の着荷主402に希望する時間(6時)に届けられる。
【0083】
仮に大阪GWおよび東京GWが設けられず、静岡中継所で中継する構成とした場合、大阪に住む運転者の拘束時間は、15時(大阪の発荷主301の荷物の発送希望の最も早い時間)から8時(大阪の着荷主302の荷物の到着希望時間)までの17時間となる。また、東京に住む運転者の拘束時間は、15時(東京の発荷主401の荷物の発送希望の最も早い時間)から6時(東京の着荷主302の荷物の到着希望時間)までの15時間となる。この点、本例では、大阪GWおよび東京GWを設けて荷物の一時保管による時間調整を行う構成であるために、運転者の拘束時間を大きく低減することができる。
【0084】
以上では、第1エリア中継拠点1011が大阪GWで、第2エリア中継拠点1021が東京GWである例を示したが、これは例示にすぎない。例えば、第1エリア中継拠点1011が広島GWで、第2エリア中継拠点1021が仙台GWであってもよい。このような場合、輸送路103が長くなるために、中継場所1031の数を複数とすることが好ましい。例えば、大阪、静岡、東京に中継場所1031を設けて中継スケジュールを生成する構成としてよい。
【0085】
<4.変形例>
上述の実施形態では、車両には荷主からの荷物が積載されることを前提に説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。車両には荷主からの荷物が積載されていなくてもよい。例えば、中継場所1031に向かう車両の荷台は空であっても良い。これにより、各エリア中継拠点1011、1021等において、荷台が不足する事態の発生を抑制することができる。
【0086】
<5.留意事項等>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0087】
1・・・中継輸送計画装置
2・・・端末装置
13・・・通信部
100・・・中継輸送計画システム
101・・・第1エリア
102・・・第2エリア
103・・・輸送路
111・・・第1情報取得部
112・・・第2情報取得部
113・・・生成部
200・・・収容部
1011・・・第1エリア中継拠点
1021・・・第2エリア中継拠点
1031・・・中継場所
D1・・・第1情報
D2・・・第2情報
VE1・・・第1車両
VE2・・・第2車両
VE3・・・第3車両