(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び端末管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240903BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 303
G06F3/12 385
H04N1/00 127Z
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2021013356
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-186560(JP,A)
【文献】特開2009-260915(JP,A)
【文献】特開2018-011182(JP,A)
【文献】特開2008-210371(JP,A)
【文献】特開2015-219567(JP,A)
【文献】特開2019-160184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置は端末装置と通信可能に構成されており、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
指定設定情報を登録する情報登録処理であって、前記指定設定情報は、前記端末装置で用いられる少なくとも1つの設定項目のうちの1つである指定設定項目の設定値として指定値を設定すべきであることを示す、情報登録処理と、
前記情報処理装置の優先度である自装置優先度を設定する優先度設定処理と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して接続された別の情報処理装置の優先度である他装置優先度を取得する優先度取得処理と、
チェックタイミングが到来することに応じて、前記優先度設定処理で設定された前記自装置優先度が前記優先度取得処理で取得された前記他装置優先度との比較に基づく実行条件を満たしている場合は指定値確認処理を実行させ、前記優先度設定処理で設定された前記自装置優先度が前記実行条件を満たしていない場合は前記指定値確認処理の実行を回避させる、実行条件対応処理と、
を実行させ、
前記指定値確認処理は、前記端末装置における前記指定設定項目の設定値を、前記情報登録処理により登録されている前記指定設定情報における前記指定値に設定させる、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記優先度取得処理は、前記チェックタイミングが到来することに応じて実行される、プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムであって、
前記実行条件は、前記自装置優先度が前記他装置優先度よりも高いことに応じて成立する、プログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記情報登録処理で登録された前記指定設定情報を前記別の情報処理装置へ送信する送信処理、
を実行させるプログラム。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記情報登録処理を第1の情報登録処理として、
前記コンピュータに、さらに、
前記別の情報処理装置において登録されている前記指定設定情報を前記通信ネットワークを介して受信する情報受信処理と、
前記情報受信処理により前記別の情報処理装置の前記指定設定情報が受信されることに応じてその受信された前記指定設定情報を登録する第2の情報登録処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記第1の情報登録処理による登録対象の前記指定設定情報が部分共通状態になっていることに応じて前記部分共通状態であることを示す情報を出力する警告処理であって、前記部分共通状態は、前記第2の情報登録処理によってすでに登録されている前記指定設定情報と比較して前記指定設定項目が互いに共通している一方で当該指定設定項目の前記指定値が互いに異なっている状態である、警告処理、
を実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記警告処理に対する、前記情報処理装置の使用者による登録可否を示す応答を取得する応答取得処理、
を実行させ、
前記応答取得処理により取得された前記応答が登録の許可を示していることに応じて、前記第1の情報登録処理を実行させる、
プログラム。
【請求項8】
請求項1~請求項7いずれか1項に記載のプログラムであって、
前記優先度設定処理は、前記優先度取得処理で取得した前記他装置優先度よりも低い優先度を前記自装置優先度として設定する、
プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記プログラムを、前記コンピュータにインストールされているオペレーティングシステムである自装置OSをベースに実行するように構成されており、
前記別の情報処理装置では、前記別の情報処理装置で用いられているオペレーティングシステムである他装置OSの種類がサーバ用オペレーティングシステムである場合は第1のランクに属する前記他装置優先度が設定され、前記他装置OSの種類がクライアント用オペレーティングシステムである場合は第2のランクに属する前記他装置優先度が設定されており、
前記第1のランクに属する優先度は前記第2のランクに属する優先度よりも高く、
前記優先度設定処理は、さらに、前記他装置OSを示すOS情報を取得するOS情報取得処理を含み、
前記優先度設定処理は、前記自装置OSの種類が前記サーバ用オペレーティングシステムであることに応じて、前記自装置優先度を前記第1のランクにおける最も低い優先度に設定し、前記自装置OSの種類が前記クライアント用オペレーティングシステムであることに応じて、前記自装置優先度を前記第2のランクにおける最も低い優先度に設定する、
プログラム。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記チェックタイミングを規定する周期を登録する周期登録処理、
を実行させ、
前記チェックタイミングは、前記周期登録処理で登録された前記周期で繰り返し到来する、
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記別の情報処理装置において登録されている前記周期を前記通信ネットワークを介して受信する周期受信処理と、
前記周期登録処理によって現在登録されている前記周期が、前記周期受信処理により受信された前記周期よりも長いことに応じて、現在登録されている前記周期を、前記周期受信処理により受信された前記周期に更新する周期更新処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記実行条件対応処理は、前記端末装置が、前記通信ネットワークを介さずに前記情報処理装置と通信するように前記情報処理装置と接続されている場合は、前記優先度設定処理で設定された前記自装置優先度が前記実行条件を満たしていなくても、前記指定値確認処理を実行させる、
プログラム。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記指定値確認処理は、前記端末装置で設定されている前記指定設定項目の設定値が前記指定値とは異なっていることに応じて、前記端末装置で設定されている前記指定設定項目の設定値を前記指定値に設定させる、
プログラム。
【請求項14】
端末装置と通信するように構成された通信インタフェースと、
制御部と、
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
指定設定情報を登録する情報登録処理であって、前記指定設定情報は、前記端末装置で用いられる少なくとも1つの設定項目のうちの1つである指定設定項目の設定値として指定値を設定すべきであることを示す、情報登録処理と、
前記情報処理装置の優先度である自装置優先度を設定する優先度設定処理と、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して接続された別の情報処理装置の優先度である他装置優先度を取得する優先度取得処理と、
チェックタイミングが到来することに応じて、前記優先度設定処理で設定された前記自装置優先度が前記優先度取得処理で取得された前記他装置優先度との比較に基づく実行条件を満たしている場合は指定値確認処理を実行し、前記優先度設定処理で設定された前記自装置優先度が前記実行条件を満たしていない場合は前記指定値確認処理の実行を回避する、実行条件対応処理と、
を実行するように構成され、
前記指定値確認処理では、前記通信インタフェースを介して、前記端末装置における前記指定設定項目の設定値を、前記情報登録処理により登録されている前記指定設定情報における前記指定値に設定させるように構成されている、
情報処理装置。
【請求項15】
端末装置と通信するように構成された情報処理装置において用いられる端末管理方法であって、
指定設定情報を登録する登録ステップであって、前記指定設定情報は、前記端末装置で用いられる少なくとも1つの設定項目のうちの1つである指定設定項目の設定値として指定値を設定すべきであることを示す、登録ステップと、
前記情報処理装置の優先度である自装置優先度を設定する優先度設定ステップと、
前記情報処理装置と通信ネットワークを介して接続された別の情報処理装置の優先度である他装置優先度を取得する優先度取得ステップと、
チェックタイミングが到来することに応じて、前記優先度設定ステップで設定された前記自装置優先度が前記優先度取得ステップで取得された前記他装置優先度との比較に基づく実行条件を満たしている場合は端末設定ステップに移行し、前記優先度設定ステップで設定された前記自装置優先度が前記実行条件を満たしていない場合は前記端末設定ステップへの移行を回避する、実行条件対応ステップと、
を備え、
前記端末設定ステップでは、前記端末装置における前記指定設定項目の設定値を、前記登録ステップにより登録されている前記指定設定情報における前記指定値に設定させる、
端末管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたプリントシステムでは、複数の情報処理装置と複数のプリンタとがネットワークを介して互いに接続されている。複数の情報処理装置の各々は、複数のプリンタを管理(例えば状態監視、取得)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタが複数の情報処理装置から管理されると、プリンタにおける管理に関わる負荷が増加する。つまり、プリンタは、複数の情報処理装置から管理されると、複数の情報処理装置のそれぞれから管理タスクが送信されるたびにその管理タスクを実行することになる。このためプリンタの処理負荷が増大する。
【0005】
本開示の一局面は、情報処理装置によって管理されるように構成された端末装置における管理に関わる負荷の増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面は、情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能なプログラムである。情報処理装置は、端末装置と通信可能である。当該プログラムは、コンピュータに、情報登録処理と、優先度設定処理と、優先度取得処理と、実行条件対応処理とを実行させる。
【0007】
情報登録処理は、指定設定情報を登録する。指定設定情報は、指定設定項目の設定値として指定値を設定すべきであることを示す。指定設定項目は、端末装置で用いられる少なくとも1つの設定項目のうちの1つである。
【0008】
優先度設定処理は、自装置優先度を設定する。自装置優先度は、情報処理装置の優先度である。
優先度取得処理は、他装置優先度を取得する。他装置優先度は、情報処理装置と通信ネットワークを介して接続された別の情報処理装置の優先度である。
【0009】
実行条件対応処理は、チェックタイミングが到来することに応じて、優先度設定処理で設定された自装置優先度が実行条件を満たしている場合は指定値確認処理を実行させ、優先度設定処理で設定された自装置優先度が実行条件を満たしていない場合は指定値確認処理の実行を回避させる。実行条件は、優先度取得処理で取得された他装置優先度との比較に基づく。実行条件は、自装置優先度と他装置優先度との相対比較に基づいて設定されてもよい。
【0010】
指定値確認処理は、前記端末装置における前記指定設定項目の設定値を、前記情報登録処理により登録されている前記指定設定情報における前記指定値に設定させる。
このようなプログラムが情報処理装置で実行されると、指定値確認処理は、自装置優先度が実行条件を満たす場合に実行され、自装置優先度が実行条件を満たさない場合は実行されない。そのため、端末装置における、指定値確認処理への対応に関わる負荷の増大が抑制される。
【0011】
本開示の別の一局面では、上記プログラムが実行されるように構成された情報処理装置が提供されてもよい。即ち、情報処理装置は、通信インタフェースと、制御部とを備える。制御部は、前述の各処理を実行する。指定値確認処理は通信インタフェースを介して実行される。
【0012】
本開示のさらに別の一局面では、上記プログラムが実行される情報処理装置で用いられる端末管理方法が提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の管理システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】第1実施形態の管理装置のブロック図である。
【
図3】第1実施形態の端末装置のブロック図である。
【
図4】第1実施形態の指定設定情報の一例を示す説明図である。
【
図5】第1実施形態の初期処理のフローチャートである。
【
図6】第1実施形態の指定設定情報生成処理のフローチャートである。
【
図7】
図6におけるS250,S270の更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の更新依頼対応処理のフローチャートである。
【
図9】第1実施形態の端末チェック処理のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態の初期処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
(1-1)管理システムの概要
図1に示すように、第1実施形態の管理システム1は、少なくとも1つの管理装置と、少なくとも1つの端末装置とを備える。第1実施形態では、管理システム1は例えば、3つの管理装置と、6つの端末装置とを備える。具体的には、管理システム1は、第1管理装置11と、第2管理装置12と、第3管理装置13と、第1端末装置41と、第2端末装置42と、第3端末装置43と、第4端末装置44と、第5端末装置45と、第6端末装置46とを備える。
【0015】
第1~第3管理装置11~13はそれぞれ通信ネットワーク5に接続されている。第1~第3管理装置11~13は通信ネットワーク5を通じて互いに通信可能である。第1~第5端末装置41~45はそれぞれ通信ネットワーク5に接続されている。第1~第3管理装置11~13の各々は、通信ネットワーク5を通じて、第1~第5端末装置41~45の各々と通信可能である。通信ネットワーク5は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。
【0016】
第6端末装置46は、通信ネットワーク5に接続されていない。第6端末装置46は、例えば第2管理装置12にローカル接続され、第2管理装置12と通信可能である。第6端末装置46は、第2管理装置12にどのような方法でローカル接続されてもよい。第6端末装置46は、例えば無線により第2管理装置12と接続されてもよい。具体的には、第6端末装置46は、第2管理装置12と例えばBluetooth(Bluetooth SIG,Inc.の登録商標)などによって無線接続されていてもよい。また、第6端末装置46は、例えば有線により第2管理装置12と接続されてもよい。第1実施形態では、第6端末装置46は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル7によって第2管理装置12に接続されている。
【0017】
第1~第6端末装置41~46の各々は、第1実施形態では例えば、プリント機能、スキャン機能及びコピー機能を有する。プリント機能は、画像をシート状の被記録媒体に記録(即ち印刷)する機能である。スキャン機能は、原稿に記録されている画像を読み取り、その読み取った画像を示す画像データを生成する機能である。コピー機能は、スキャン機能により読み取られた画像をプリント機能により印刷する機能である。
【0018】
第1管理装置11は、端末管理機能を有する。端末管理機能は、第1管理装置11と通信可能な管理対象を管理する機能である。第1管理装置11の管理対象は、例えば、第1~第5端末装置41~45のうちの1つ以上を含む。第1管理装置11には、後述する管理ソフトウェア32(
図2参照)がインストールされている。第1管理装置11による端末管理機能は、第1管理装置11において管理ソフトウェア32が実行されることにより実現される。第2管理装置12及び第3管理装置13もそれぞれ第1管理装置11と同様の端末管理機能を有する。端末管理機能の具体的内容については後述する。
【0019】
(1-2)管理装置の構成
第1実施形態では、第1~第3管理装置11~13はそれぞれ同様のハードウェアを備えている。具体的には、
図2に示すように、第1~第3管理装置11~13はそれぞれ、制御部21と、記憶部22と、通信I/F23と、ユーザI/F24とを備える。「I/F」は「インタフェース」の略称である。
【0020】
制御部21は例えばCPUを有する。記憶部22は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、第1~第3管理装置11~13はそれぞれ、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部22は、例えばハードディスクドライブなどの、半導体メモリとは異なるメモリを備えていてもよい。記憶部22には、OS31及び管理ソフトウェア32を含む、各種のプログラムやデータ等が記憶されている。「OS」は「オペレーティングシステム」の略称である。
【0021】
記憶部22においては、各種プログラムやデータなどが保存される各種フォルダが設定されている。各種フォルダには、
図2に示す指定情報フォルダ33が含まれる。指定情報フォルダ33は、オリジナルフォルダ33aと共有フォルダ33bとを含む。
【0022】
制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部22は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部21により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0023】
以下の説明では、プログラムを実行する主体(例えば第1管理装置11においては制御部21)のことを、単にプログラム名あるいはソフトウェア名で記載する場合がある。例えば、「管理ソフトウェア32は」という記載は、詳しくは「管理ソフトウェア32を実行する制御部21は」を意味する場合がある。
【0024】
通信I/F23は、他の装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F23は、例えば有線LAN、無線LAN、USB、Bluetooth(Bluetooth SIG,Inc.の登録商標)その他の各種通信のインタフェースを含んでいてもよい。第1実施形態では、通信I/F23は、通信ネットワーク5に対応したインタフェースと、USBインタフェースとを含む。第1実施形態では、通信I/F23は通信ネットワーク5が接続されている。第2管理装置12における通信I/F23は、さらに、USBケーブル7が接続されている。
【0025】
ユーザI/F24は、例えばキーボードやマウスなど、ユーザ(例えば管理者)による各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F24は、さらに、例えば液晶パネルやLED表示装置などの、ユーザへ各種情報を表示するための表示装置を備える。ユーザI/F24は、例えばタッチパネルのような、入力装置と表示装置とが一体化された装置を含んでいてもよい。
【0026】
(1-3)端末装置の構成
第1~第6端末装置41~46の構成について説明する。第1実施形態では、第1~第6端末装置41~46はそれぞれ同様のハードウェアを備えている。具体的には、
図3に示すように、第1~第6端末装置41~46はそれぞれ、制御部51と、記憶部52と、印刷部53と、読取部54と、通信I/F55と、ユーザI/F56とを備える。
【0027】
制御部51は例えばCPUを有する。記憶部52は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。即ち、第1~第6端末装置41~46はそれぞれ、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。記憶部52には、各種のプログラムやデータ等が記憶されている。
【0028】
制御部51は、記憶部52に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部52は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部51により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0029】
印刷部53は、前述のプリント機能を実現する。読取部54は、前述のスキャン機能を実現する。
通信I/F55は、通信I/F23と同様、他の装置と通信するためのどのようなインタフェースを備えていてもよい。第1実施形態では、通信I/F55は、通信ネットワーク5が接続可能に構成されている。また、USBを用いたローカル接続も可能に構成されている。ユーザI/F56は、ユーザによる各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F56は、さらに、ユーザへ各種情報を提供するための出力装置(例えばディスプレイ)を備えている。ユーザI/F56は、例えばタッチパネルのような、入力装置と表示装置とが一体化された装置を含んでいてもよい。
【0030】
(1-4)端末管理機能の概要
管理ソフトウェア32によって実現される端末管理機能には、例えば、ステータス監視機能、設定監視機能、設定更新機能などが含まれる。
【0031】
ステータス監視機能は、管理対象からステータス情報を例えば通信I/F23を介して取得し、そのステータス情報をユーザI/F24に表示する機能である。ステータス情報は、端末装置のステータスを示すどのような情報を含んでいてもよい。ステータス情報は、例えば、端末装置における被記録媒体の残量、印刷に用いる着色料の残量、端末装置が存在している場所を示すロケーション情報、などのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
ステータス情報の取得は、どのようなプロトコルを用いて行ってもよい。例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いてもよいし、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)あるいはHTTPS(HTTP Secure)を用いてもよい。
また、ステータス情報を取得する具体的手法(手順)として、例えば次の二種類が挙げられる。1つは、管理対象へ通信I/F23を介してステータス情報を要求し、その要求に対する応答として管理対象から送信されるステータス情報を受信する手法である。もう1つは、管理対象が予め定められたタイミングで自発的に送信するステータス情報を受信する手法である。
【0032】
設定監視機能は、管理対象から設定情報を例えば通信I/F23を介して取得し、その設定情報をユーザI/F24に表示する機能である。設定情報は、端末装置において設定されている各種設定項目の設定値を示す。設定情報は、どのような設定項目の設定値を含んでいてもよい。設定情報は、例えば、プリンタ機能における印刷色、印刷速度、印刷濃度、印刷画質、被記録媒体のサイズなどを含んでいてもよい。また例えば、設定情報は、スキャン機能で用いられる解像度、スキャン色、原稿サイズなどを含んでいてもよい。また例えば、設定情報は、コピー機能で用いられるコピー色を含んでいてもよい。設定情報の取得は、前述のステータス情報の取得と同様に、どのようなプロトコルを用いて行ってもよいし、どのような手法(手順)で行われてもよい。
【0033】
設定更新機能は、管理対象における設定情報を更新する機能である。ユーザは、第1~第3管理装置11~13のそれぞれにおいて、端末管理機能を利用して、管理対象のステータス情報や設定情報を確認したり、管理対象の設定情報を更新したりすることができる。
【0034】
端末管理機能は、さらに、拡張的な機能として、指定値保持機能を含む。指定値保持機能は、特定の端末装置で用いられる特定の設定項目の設定値を指定値に維持させる機能である。具体的には、ユーザは、端末装置を指定すると共に、指定した端末装置(以下、「指定装置」と称する)で用いられる各種設定項目のうちの任意の1つを指定し、指定した設定項目(以下、「指定設定項目」と称する)の設定値として、設定可能な設定値の選択肢のうちの1つ(以下、「指定値」と称する)を指定することができる。ユーザにより指定されたこれらの指定設定項目、指定値及び指定装置は、まとめて1つの指定設定情報として管理ソフトウェア32に登録される。つまり、指定設定情報は、指定装置における指定設定項目の設定値を指定値に保持すべきであることを示す。
【0035】
指定設定情報が登録されている管理ソフトウェア32は、チェックタイミングが到来する度に、指定設定情報に基づいて指定値保持機能を実行する。即ち、管理ソフトウェア32は、指定装置で実際に設定されている指定設定項目の設定値を、指定装置から例えば通信I/F23を介して取得することにより確認する。そして、実際の設定値が指定値とは異なる場合、その設定値を指定値に更新させる。具体的には、例えば、通信I/F23を介して指定装置へ指定値及び更新指示を送信することにより、現在の設定値を指定値に更新させる。
【0036】
ユーザは、チェックタイミングを任意に設定可能である。第1実施形態では、チェックタイミングは例えば一定の周期で繰り返し到来する。即ち、第1実施形態では、チェックタイミングを設定することは、前述の周期を設定することを意味する。
【0037】
ユーザは、1つの指定設定情報において複数の指定装置を指定することができる。つまり、管理ソフトウェア32は、複数の指定装置における指定設定項目の設定値を一括して指定値に維持させることができる。
【0038】
また、ユーザは、複数の指定設定情報を登録することができる。複数の指定設定情報が登録されている場合、チェックタイミングが到来すると、複数の指定設定情報のそれぞれに基づく指定値保持機能が実行される。
【0039】
指定値保持機能は、さらに、他の管理装置の管理ソフトウェア32(以下、「他ソフト」とも称する)で登録された指定設定情報を取得して自身に登録する機能を備える。他ソフトの指定設定情報は例えば通信I/F23を介して取得してもよい。
管理ソフトウェア32は、自身において生成された指定設定情報については、オリジナルフォルダ33aに保存することによって登録する。一方、管理ソフトウェア32は、他ソフトから取得した指定設定情報については、共有フォルダ33bに保存することによって登録する。つまり、管理ソフトウェア32は、指定設定情報を、当該管理ソフトウェア32で生成されたかそれとも他ソフトで生成されたかに応じて区別して登録する。
【0040】
指定設定情報は、どのような形式で生成されてもよい。第1実施形態では、指定設定情報の一部は例えば
図4に例示するようにJSONファイル形式で生成されて保存される。「JSON」は、「JavaScript Object Notation」(「JavaScript」は登録商標)の略称である。
図4の上段に例示する指定設定情報の一部の第1例は、指定設定項目が「location」(即ちロケーション情報)であってその指定値が「4F-1」である例を示している。
図4の中段に例示する指定設定情報の一部の第2例は、指定設定項目が「print_density」(即ち印刷濃度)であってその指定値が「50」である例を示している。
図4の下段に例示する指定設定情報の一部の第3例は、指定設定項目が「ssid」及び「network_key」のセットであって、それらの指定値がそれぞれ「AP-55」及び「abcd1234」である例を示している。なお、「ssid」は、無線LANで用いられる中継装置の識別名であるSSID(Service Set Identifier)を示し、「network_key」はその中継装置の暗号化キーを示す。
【0041】
管理ソフトウェア32は、チェックタイミングが到来する度に、オリジナルフォルダ33a及び共有フォルダ33bのそれぞれに登録されている指定設定情報ごとに指定値保持機能を実行する。
【0042】
ただし、管理ソフトウェア32は、チェックタイミングの到来に応じて無条件に指定値保持機能を実行しない。管理ソフトウェア32は、後述するように、当該管理ソフトウェア32が指定値保持機能を実行する優先度(以下、「自装置優先度」と称する)を設定する。管理ソフトウェア32は、チェックタイミングが到来すると、同一ネットワーク上の他の管理装置における管理ソフトウェア32で設定されている優先度(以下、「他装置優先度」と称する)を例えば通信I/F23を介して取得する。管理ソフトウェア32は、自装置優先度と他装置優先度とを相対比較し、自装置優先度が実行条件を満たしている場合に、指定値保持機能を実行する。管理ソフトウェア32は、自装置優先度が実行条件を満たしていない場合は、指定値保持機能を実行しない。なお、「同一ネットワーク」とは、第1実施形態では例えば通信ネットワーク5を意味する。
【0043】
実行条件は、第1実施形態では、取得したいずれの他装置優先度よりも自装置優先度の方が高いことに応じて成立する。即ち、同一ネットワーク上で稼働している他ソフトそれぞれの優先度のうち自装置優先度が最も高い場合に、実行条件が成立する。管理ソフトウェア32は、自装置優先度よりも高い優先度が設定されている他ソフトが稼働している場合は、指定値保持機能の実行を回避する。
【0044】
第1~第3管理装置11~13それぞれの管理ソフトウェア32における、優先度、チェックタイミング及び指定設定情報の登録例を、表1に示す。
【0045】
【0046】
表1は、各管理ソフトウェア32において2つの指定設定情報(第1指定設定情報および第2指定設定情報)が登録されている例を示している。表1において、「(org)」とは、オリジナルフォルダ33aに保存されていることを示し、「(shared)」とは、共有フォルダ33bに保存されていることを示す。指定装置について「第1~第3」とは、第1~第3端末装置41~43を示し、指定装置について「第2~第4」とは、第2~第4端末装置41~44を示す。優先度については、数値が小さいほど優先度が高い。即ち、表1においては、「1」が最も優先度が高く、「3」が最も優先度が低い。
【0047】
表1は、第1指定設定情報が最初に第1管理装置11で登録され、その第1指定設定情報が他の第2管理装置12及び第3管理装置13それぞれの管理ソフトウェア32にも共有されている例を示している。また、表1は、第2指定設定情報が最初に第2管理装置12で生成され、その第2指定設定情報が他の第1管理装置11及び第3管理装置13それぞれの管理ソフトウェア32にも共有されている例を示している。
【0048】
表1は、さらに、チェックタイミングが「1時間毎」に設定されている例、即ち1時間周期で指定値保持機能が実行されるように設定されている例を示す。
従って、表1の例においては、優先度が最も高い第1管理装置11の管理ソフトウェア32が、チェックタイミング到来に応じて、登録されている第1指定設定情報及び第2指定設定情報のそれぞれに基づく指定値保持機能を実行する。第2管理装置12及び第3管理装置13それぞれの管理ソフトウェア32は、第1管理装置11よりも優先度が低いことから、チェックタイミングが到来しても指定値保持機能を実行しない。ただし、例えば第1管理装置11において管理ソフトウェア32が稼働していない場合、即ち、システム全体で稼働中の管理ソフトウェア32が第2管理装置12及び第3管理装置13のみである場合は、これら2つのうち優先度が最も高い第2管理装置12の管理ソフトウェア32が、指定値保持機能を実行する。つまり、指定値保持機能を実行する管理ソフトウェア32とは、より詳しくは、実際に稼働している管理ソフトウェア32の中で最も優先度が高い管理ソフトウェア32である。
【0049】
(1-5)指定値保持機能の詳細
指定値保持機能は、具体的には、管理ソフトウェア32が有する、指定値保持機能に対応する各種処理を、制御部21が実行することにより実現される。指定値保持機能に対応する各種処理には、初期処理(
図5参照)、指定設定情報生成処理(
図6参照)、更新依頼対応処理(
図8参照)、及び端末チェック処理(
図9)が含まれる。以下、これらの処理について説明する。
【0050】
(1-5-1)初期処理
制御部21は、起動すると、管理ソフトウェア32を実行する。そして、所定の初期処理条件が成立することに応じて、
図5の初期処理を実行する。初期処理条件はどのように設定されていてもよい。初期処理条件は、例えば、管理ソフトウェア32の起動時に成立してもよいし、当該管理ソフトウェア32がインストールされている端末装置が通信ネットワーク5に接続されたことを当該管理ソフトウェア32が検知することに応じて成立してもよい。
【0051】
初期処理は、管理ソフトウェア32が自らの優先度を設定する処理を含む。初期処理は、さらに、他ソフトですでに指定設定情報が登録されている場合にその指定設定情報を自らにも登録することで他ソフトと登録内容を同期させる処理を含む。
【0052】
制御部21は、
図5の初期処理を開始すると、S110で、例えば通信I/F23を介してネットワーク検索を実行する。具体的には、同一ネットワーク上の他の管理装置で稼働中の他ソフトを検索する。ネットワーク検索はどのような方法で行ってもよい。ネットワーク検索は、例えば、ポート番号を指定したブロードキャストによって行ってもよい。あるいは、他の管理装置のアドレス(例えばIPアドレス)を指定して直接アクセスすることにより検索してもよい。
【0053】
第1実施形態では、各管理ソフトウェア32は、例えばTCPまたはUDPで用いられるいわゆるプライベートポート番号(例えば「49999」)を用いて互いに通信するように構成されている。そのため、S110では、当該ポート番号を指定してブロードキャストを行ってもよい。
【0054】
S110では、さらに、検索された他ソフトそれぞれから、当該他ソフトで登録されている優先度(即ち他装置優先度)、指定設定情報及びチェックタイミングを例えば通信I/F23を介して取得する。なお、指定設定情報及びチェックタイミングは、後述するS160で取得してもよい。
【0055】
S120では、S110の検索結果に基づき、同一ネットワーク上で他ソフトが稼働しているか否か判断する。S110で他ソフトが1つも検索されなかった場合はS120では否定判定されてS130に移行する。S110で1つ以上の他ソフトが検索された場合はS120で肯定判定されてS140に移行する。
【0056】
S130では、第1設定方法に基づいて、優先度(即ち自装置優先度)を自身に設定する。第1設定方法は、例えば、予め決められた優先度設定範囲内における最も高い優先度を設定するという方法である。第1実施形態では、優先度設定範囲の最高値が例えば「1」である。そのため、S130では、自装置優先度として「1」が設定される。S130の処理後、初期処理を終了する。
【0057】
S140では、第2設定方法に基づいて自装置優先度を設定する。第2設定方法は、例えば、S110で取得した他装置優先度よりも低い優先度を設定するという方法である。S110で複数の管理ソフトウェア32からそれぞれの他装置優先度が取得された場合は、それら各他装置優先度のいずれよりも低い優先度を設定する。つまり、S140では、同一ネットワーク上で稼働している管理ソフトウェア32の中で最も低い優先度となるように自装置優先度を設定する。S140では、自装置優先度を連番で設定してもよい。つまり、検索された他ソフトの優先度のうち最も低い優先度が例えば「3」であった場合、S140では「3」の1つ下の「4」を自装置優先度に設定してもよい。
【0058】
S150では、S110で検索された他の管理装置(即ち他ソフト)において指定設定情報が登録されているか否か判断する。検索された他ソフトのいずれも指定設定情報が登録されていない場合は、S150で否定判定されて初期処理を終了する。検索された他ソフトにおいて指定設定情報が登録されている場合は、S160に移行する。
【0059】
S160では、他ソフトで登録されている指定設定情報を自身に登録する。具体的には、他ソフトから取得した指定設定情報を共有フォルダ33bに保存する。S110で他ソフトから指定設定情報を取得していない場合は、S160で取得してもよい。
【0060】
なお、S110で複数の他ソフトが検索されている場合は、当該複数の他ソフトのうち最も優先度が高い他ソフトから指定設定情報を取得して自身に登録してもよい。
また、S160では、自身において既に指定設定情報が登録されている場合、それらを全て削除した上で、他ソフトで登録されている指定設定情報を共有フォルダ33bに登録してもよい。あるいは、自身において既に指定設定情報が登録されているか否かにかかわらず、後述する
図8のS520以降の処理と実質同様の処理を行うことによって、自身の登録内容を更新してもよい。
【0061】
S170では、チェックタイミングを更新する。即ち、S110で検索された他ソフトそれぞれで設定されているチェックタイミングと、自身で設定されているチェックタイミングとを比較する。そして、自身で設定されているチェックタイミングよりも短い周期が他ソフトで設定されている場合は、自身のチェックタイミングを、その他ソフトのチェックタイミング(詳しくは他ソフトのチェックタイミングのうち最も短周期のチェックタイミング)に更新する。つまり、チェックタイミングを、システム内の最短周期に合わせるのである。
【0062】
(1-5-2)指定設定情報生成処理
管理ソフトウェア32を実行中の制御部21は、ユーザによる指定設定情報の新規生成要求をユーザI/F24を介して受けると、
図6の指定設定情報生成処理を開始する。指定設定情報生成処理は、指定設定情報を新たに生成して登録するための処理である。
【0063】
制御部21は、指定設定情報生成処理を開始すると、S210で、ユーザI/F24を介した入力操作に応じて指定設定情報を生成する。そして、生成した指定設定情報を仮登録する。仮登録とは、例えば、生成した指定設定情報を、記憶部22における仮登録用の記憶領域に一時的に記憶することを意味する。仮登録用の記憶領域は、例えば、共有フォルダ33b内に設定されていてもよいし、共有フォルダ33bの外部に設定されていてもよい。S210では、チェックタイミングの設定も受け付けて指定設定情報と共に仮登録してもよい。なお、S210で仮登録された指定設定情報のことを、以下、「仮登録情報」と称する。
【0064】
S220では、仮登録情報と重複する指定設定情報がすでに共有フォルダ33b内に登録されているか否か判断する。ここでいう「重複」(本開示における部分共通状態の一例に相当)とは、指定設定項目が同一であることを意味する。指定設定項目が同一であれば、指定値が異なっていても重複すると判断する。
【0065】
仮登録情報と重複する指定設定情報が共有フォルダ33b内に登録されていない場合は、S260に移行する。仮登録情報と重複する指定設定情報が共有フォルダ33b内に登録されている場合は、S230に移行する。
【0066】
S230では、重複警告を行う。つまり、今回生成した指定設定情報と重複する指定設定情報がすでに登録されていることをユーザに認識させる。
S240では、ユーザからユーザI/F24を介して上書き指示を受けたか否か判断する。上書き指示を受けなかった場合はS260に移行する。上書き指示を受けた場合はS250に移行する。上書き指示を受けたということは、仮登録情報を正規に登録することをユーザが許可したということを意味する。
【0067】
S250では、更新処理を実行する。更新処理の詳細は
図7に示す通りである。ここで、
図7の更新処理の説明を補足するために、仮想事例を想定する。具体的には、例えば、S210において以下の仮登録例1~4のいずれかの指定設定情報が仮登録されたことを想定する。
・仮登録例1:「指定設定項目=コピー色、指定値=モノクロ、指定装置=第4,第5端末装置」
・仮登録例2:「指定設定項目=コピー色、指定値=カラー、指定装置=第1~第5端末装置」
・仮登録例3:「指定設定項目=コピー色、指定値=カラー、指定装置=第3~第5端末装置」
・仮登録例4:「指定設定項目=コピー色、指定値=カラー、指定装置=第5端末装置」
その一方で、例えば「指定設定項目=コピー色、指定値=モノクロ、指定装置=第2~第4端末装置」という指定設定情報がすでに登録されていることを想定する。上記仮登録例1~4はいずれもその既に登録されている指定設定情報と重複する。以下、上記のような仮想事例を適宜用いつつ説明する。
【0068】
制御部21は、更新処理に移行すると、S410で、共有フォルダ33b内における、仮登録情報と重複している指定設定情報(以下、「重複既登録情報」とも称する)の指定値が、仮登録情報の指定値と一致するか否か判断する。重複既登録情報の指定値が仮登録情報の指定値と一致する場合は、S420に移行する。上述の仮想事例においては、仮登録例1の場合、S410からS420に移行する。
【0069】
S420では、仮登録情報における指定装置を、重複既登録情報における指定装置に追加することで、重複既登録情報を更新する。例えば仮登録例1の場合、重複既登録情報の指定装置に第5端末装置が新たに加えられる。これにより、重複既登録情報の指定装置が、第2~第5端末装置に更新される。S420の処理後は、S440に移行する。
【0070】
S410で、重複既登録情報の指定値が仮登録情報の指定値と一致しない場合は、S430に移行する。上述の仮想事例においては、仮登録例2~4のいずれの場合も、S410からS430に移行する。
【0071】
S430では、仮登録情報を、新たな指定設定情報として正規に登録する。なお、正規に登録する、とは、例えば、仮登録情報を新たな指定設定情報として共有フォルダ33bに保存することを意味する。このS430の処理が実行された時点では、仮登録情報と重複既登録情報とが併存した状態となる。
【0072】
S440では、仮登録情報における指定装置に、重複既登録情報における全ての指定装置が含まれていたか否か判断する。仮登録情報の指定装置に重複既登録情報の全ての指定装置が含まれていた場合は、S450に移行する。上述の仮想事例においては、仮登録例2の場合に、S440からS450に移行する。
【0073】
S450では、重複既登録情報を削除する。つまり、上述の仮想事例の仮登録例2においては、仮登録例2の仮登録情報がS430で正規に登録される一方で、重複既登録情報がS450で削除される。これにより、これまで第2~第4指定装置に対してはコピー色がモノクロに指定されていたのに対し、今後はコピー色がカラーに指定されることになる。S450の処理後は、S260(
図6参照)に移行する。
【0074】
S440で、仮登録情報の指定装置に重複既登録情報の全ての指定装置が含まれていない場合は、S460に移行する。上述の仮想事例においては、仮登録例3,4の場合に、S440からS460に移行する。
【0075】
S460では、重複既登録情報における指定装置(上述の仮想事例では第2~第4端末装置)から、仮登録情報における指定装置を削除する。つまり、例えば仮登録例3の場合、重複既登録情報の指定装置のうち第3,第4端末装置は、今回S430で正規登録された指定設定情報の指定装置(第3~第5端末装置)に含まれている。そのため、重複既登録情報の指定装置から、第3,第4端末装置を削除する。この結果、仮登録例3の指定設定情報がS430で正規登録される一方で、重複既登録情報の指定装置は第2端末装置のみとなる。仮登録例4の場合は、指定装置の第5端末装置は重複既登録情報の指定装置に含まれていないため、S460では実質的な処理を行うことなく(つまり重複既登録情報が変化することなく)、S260(
図6参照)に移行する。
【0076】
S260では、S210で仮登録した仮登録情報と重複する指定設定情報がすでにオリジナルフォルダ33a内に登録されているか否か判断する。仮登録情報と重複する指定設定情報がオリジナルフォルダ33a内に登録されていない場合は、S280に移行する。仮登録情報と重複する指定設定情報がオリジナルフォルダ33a内に登録されている場合は、S270に移行する。
【0077】
S270では、S250と同様に、更新処理(
図7参照)を実行する。S270の処理後は、S280に移行する。なお、S210でチェックタイミングが仮登録されている場合は、S250及びS270の更新処理では、現在設定されているチェックタイミングをその仮登録されているチェックタイミングに更新してもよい。
【0078】
S280では、S210で仮登録した仮登録情報が、オリジナルフォルダ33aまたは共有フォルダ33bに既に登録済みのいずれの指定設定情報とも重複しない新規の指定設定情報であるか否か判断する。仮登録情報が新規ではない場合は、S300に移行する。仮登録情報が新規である場合は、S290に移行する。
【0079】
S290では、仮登録情報を、オリジナルフォルダ33aに新規に登録する。S290では、チェックタイミングについても、仮登録中のチェックタイミングに更新してもよい。
S300では、S250,S270またはS290の処理によって更新または新規登録された指定設定情報があるか否か判断する。S250またはS270の更新処理が実行されている場合は、S300で、更新または新規登録された指定設定情報があると判断される。
【0080】
S300において、更新または新規登録された指定設定情報がないと判断した場合は、指定設定情報生成処理を終了する。更新または新規登録された指定設定情報があると判断した場合は、S310に移行する。S310では、稼働中の他の管理ソフトウェア32へ、例えば通信I/F23を介して、指定設定情報の更新依頼を通知する。なお、S310では、単なる通知に限らず、自身に登録されている全ての指定設定情報及びチェックタイミングも送信してもよい。
【0081】
(1-5-3)更新依頼対応処理
制御部21は、管理ソフトウェア32を開始すると、
図8の更新依頼対応処理を周期的に繰り返し実行する。更新依頼対応処理は、他ソフトから通知された更新依頼(
図6のS310参照)に応じて、自身における指定設定情報の登録内容を通知元の登録内容に一致(同期)させるための処理である。
【0082】
制御部21は、更新依頼対応処理を開始すると、S510で、他ソフトから更新依頼の通知を例えば通信I/F23を介して受信したか否か判断する。更新依頼の通知を受信しない場合は、更新依頼対応処理を終了する。更新依頼の通知を受信した場合は、S520に移行する。
【0083】
S520では、更新依頼の通知元から、当該通知元において登録されている全ての指定設定情報を取得する。S520では、通知元からチェックタイミングも合わせて取得してもよい。
【0084】
S530では、共有フォルダ33bに登録されている指定設定情報を全て削除する。
S540では、オリジナルフォルダ33aに存在しない指定設定情報がS520で取得されているか否か判断する。オリジナルフォルダ33aに存在しない指定設定情報がS520で取得されている場合は、S550に移行する。例えば、取得した指定設定情報の指定設定項目、指定値及び指定装置と完全一致する指定設定情報がオリジナルフォルダ33aに存在していない場合に、S540からS550に移行する。
【0085】
S550では、S520で取得された指定設定情報のうちオリジナルフォルダ33aに存在していない指定設定情報を、共有フォルダ33bに新たに登録する。
S540で、オリジナルフォルダ33aに存在しない指定設定情報がS520で取得されていない場合、換言すればS520で取得された全ての指定設定情報がオリジナルフォルダ33aに既に存在している場合は、S560に移行する。
【0086】
S560では、オリジナルフォルダ33aに既に登録済みではあるものの更新日がより新しい指定設定情報(以下、「更新版情報」と称する)がS520で取得されているか否か判断する。更新版情報が取得されている場合は、S570に移行する。
【0087】
S570では、オリジナルフォルダ33aに既に登録されている該当する指定設定情報を、今回取得した更新版情報に更新する。S570の処理後はS600に移行する。
S560で、更新版情報が取得されていない場合は、S580に移行する。S580では、オリジナルフォルダ33aに既に登録されている指定設定情報の中に、今回S520で取得されなかった指定設定情報(以下、「未取得情報」と称する)があるか否か判断する。未取得情報がない場合は、S600に移行する。未取得情報がある場合は、S590に移行する。
【0088】
S590では、オリジナルフォルダ33aに既に登録されている未取得情報を削除する。つまり、自身に登録されてはいるものの今回S520では取得されなかった指定設定情報というのは、自身での登録後に他ソフトにおいて削除または更新されている可能性があってもはや参照すべきではない古い情報となっている可能性があるため、削除するのである。S590の処理後はS600に移行する。
【0089】
S600では、チェックタイミングを更新する。より詳しくは、S520で取得したチェックタイミングが、自身で設定しているチェックタイミングよりも短周期である場合に、自身のチェックタイミングを、取得したチェックタイミングに更新する。
【0090】
(1-5-4)端末チェック処理
管理ソフトウェア32を実行中の制御部21は、チェックタイミングが到来する度に、
図9の端末チェック処理を実行する。第1実施形態では、チェックタイミングは周期的に到来する。よって、端末チェック処理は周期的に繰り返し実行される。前述の指定値保持機能は、制御部21が端末チェック処理を実行することにより実現される。
【0091】
制御部21は、端末チェック処理を開始すると、S610で、S110と同様にネットワーク検索を行う。なお、S610では、単に、他ソフトの存在の有無を確認するにとどめてもよいし、検索された他ソフトから優先度を取得してもよいし、検索された他ソフトからさらに登録されている指定設定情報及びチェックタイミングを取得してもよい。
【0092】
S620では、S610で検索された他ソフトの優先度を取得する。
S630では、S620で取得した他装置優先度と自身に設定されている自装置優先度とに基づいて、自装置優先度が実行条件を満たしているか否か判断する。なお、実行条件の成否判別方法については前述の通りである。自装置優先度が実行条件を満たしている場合は、S640に移行する。
【0093】
S640では、登録されている指定設定情報毎に、指定値確認処理を実行する。具体的には、登録されている指定設定情報に基づき、指定装置ごとに、指定設定項目の現在の設定値を取得する。そして、取得した現在の設定値が指定値と一致しているか否か判断する。そして、現在の設定値が指定値とは異なっている指定装置がある場合、その指定装置へ、設定値を指定値に変更するように指示する。これにより、仮に、例えばユーザがある指定装置の指定設定項目の設定値を故意に指定値とは異なる値に変更していたとしても、その指定設定項目の設定値は、S640の処理によって指定値に更新される。
【0094】
複数の指定設定情報が登録されている場合は、指定設定情報毎に、指定値確認処理を実行する。
S640の処理後は、S650に移行する。また、S630で、自装置優先度が実行条件を満たしていない場合は、S650に移行する。S650では、自身がインストールされている管理装置にローカル接続されている指定装置があるか否か判断する。なお、
図1の例では、第2管理装置12に第6端末装置46がローカル接続されている。ローカル接続されている端末装置が無い場合は、端末チェック処理を終了する。ローカル接続されている端末装置があっても、その端末装置が指定装置に設定されていない場合は、端末チェック処理を終了する。
【0095】
一方、ローカル接続されている端末装置があって、その端末装置が指定装置に設定されている場合は、S660に移行する。S660では、ローカル接続されている指定装置を対象として指定値確認処理を実行する。
【0096】
(1-6)第1実施形態の効果
以上説明した第1実施形態によれば、以下の(a)~(h)の効果を奏する。
(a)第1実施形態の管理ソフトウェア32は、チェックタイミングが到来する度に、自装置優先度が実行条件を満たす場合に、指定値保持機能における主たる処理の1つである指定値確認処理(S640)を実行する。自装置優先度が実行条件を満たさない場合は、指定値確認処理を実行しない。そのため、端末装置における、管理に関わる負荷の増大が抑制される。
【0097】
(b)第1実施形態では、チェックタイミングが到来する度に、他装置優先度が取得されてそれらに基づいて実行条件の成否が判断される。そのため、管理ソフトウェア32は、実行条件の成否を、最新のネットワーク状況(他の管理ソフトウェア32の稼働状況)に応じてより適切に判断できる。
【0098】
(c)第1実施形態では、実行条件は、自装置優先度が他装置優先度と比較して相対的に最も高い場合に成立する。そのため、管理ソフトウェア32は、実行条件の成否を容易に判断できる。
【0099】
(d)管理ソフトウェア32は、自身で指定設定情報を登録すると、その登録した指定設定情報が他ソフトでも共有されるように他ソフトへ通知する(S310)。これにより、自身で登録された指定設定情報が他の管理ソフトウェア32においても登録される。つまり、指定設定情報の登録内容を、ネットワーク上の各管理ソフトウェア32で互いに同期させることができる。そのため、仮に、ある管理ソフトウェア32が停止していたとしても、その管理ソフトウェア32で生成された指定設定情報に基づく指定値確認処理が、他の稼働中の管理ソフトウェア32によって実行される。つまり、同じ指定設定情報を複数の管理ソフトウェア32それぞれに分散して持たせておくことで、どれか1つでも管理ソフトウェア32が稼働している限り、その指定設定情報に基づく管理が可能となる。
【0100】
(e)管理ソフトウェア32は、ユーザにより新たに生成された指定設定情報(仮登録情報)が、共有フォルダ33bにおいて既に登録されている指定設定情報と重複する場合は、警告を出す(S230)。そして、警告に対してユーザから上書き指示を受けた場合(S240:YES)、更新処理(
図7)が実行されて、仮登録情報の正規登録や、既に登録されている指定設定情報の更新などが行われる。更新処理は、
図7に示すように、仮登録情報の指定値と重複既登録情報の指定値との相対関係に応じて適切に実行され(S410参照)、さらには、仮登録情報の指定装置と重複既登録情報の指定装置との相対関係に応じて適切に実行される(S440参照)。
【0101】
そのため、全く同じ指定設定情報が重複して登録されることや、指定設定項目が同じで指定値が異なる複数の指定設定情報が登録されることなどを抑制できる。
(f)S140における、第2設定方法に基づく自装置優先度の設定においては、稼働中の他の管理ソフトウェア32の他装置優先度よりも低い優先度を自装置優先度に設定する。そのため、管理ソフトウェア32は、自身よりも先に優先度が設定されている他の管理ソフトウェア32に優先的に指定値保持機能を実行させることができる。
【0102】
(g)第1実施形態では、チェックタイミングは周期的に繰り返し到来する。そのため、端末装置における指定設定項目の設定値をより適切に指定値に保持させることが可能となる。
【0103】
(h)第1実施形態では、管理ソフトウェア32は、自装置優先度が実行条件を満たしていない場合であっても(S630:NO)、自装置にローカル接続されている端末装置があってその端末装置が指定装置に設定されている場合は(S650:YES)、その端末装置を対象に指定値確認処理を実行する(S660)。これにより、ローカル接続されている端末装置についても適切に管理することが可能となる。
【0104】
なお、第1実施形態において、第1~第3管理装置11~13の各々は本開示における情報処理装置の一例に相当する。第1~第3管理装置11~13の各々における制御部21は本開示におけるコンピュータの一例に相当する。
【0105】
S120~S140の処理は本開示における優先度設定処理の一例に相当する。S250,S270,S290の処理はそれぞれ本開示における情報登録処理(特に第1の情報登録処理)の一例に相当する。S110,S620の処理はそれぞれ本開示における優先度取得処理の一例に相当する。S630の処理は本開示における実行条件対応処理の一例に相当する。S310の処理は本開示における送信処理の一例に相当する。S110,S520の処理はそれぞれ本開示における情報受信処理の一例に相当する。S160,S530,S550,S570,S590の処理はそれぞれ本開示における第2の情報登録処理の一例に相当する。S230の処理は本開示における警告処理の一例に相当する。S240の処理は本開示における応答取得処理の一例に相当する。S170の処理は本開示における周期登録処理の一例に相当する。S520の処理は本開示における周期受信処理の一例に相当する。S600の処理は本開示における周期更新処理の一例に相当する。
【0106】
[2.第2実施形態]
第2実施形態では、
図5に示した第1実施形態の初期処理の別の例について、
図10を参照して説明する。初期処理以外の他の処理、及び管理システム1のハードウェア構成については、基本的に第1実施形態と同様である。
【0107】
第2実施形態の特徴は、優先度の設定方法にある。第2実施形態では、OS31の種類がクライアントOSかサーバOSかに応じて、優先度をランク分けする。具体的には、OS31がサーバOSである場合は、第1のランクに属する優先度を設定する。つまり、第1のランクとして割り当てられた範囲内で優先度を設定する。一方、OS31がクライアントOSである場合は、第2のランクに属する優先度を設定する。つまり、第2のランクとして割り当てられた範囲内で優先度を設定する。第2のランクは、第1のランクよりも低い。
【0108】
第1のランクにおける優先度の最上位は、例えば「1」である。第2のランクにおける優先度の最上位のことを、第2実施例ではベース優先度と称する。ベース優先度は、第1のランクの範囲よりも低い範囲内においてどのように決定してもよい。第2実施形態では、ベース優先度は、例えば、管理システム1におけるサブネットに基づいて決定される。より具体的には,サブネットの範囲の最大値の桁数よりも一桁多い値の中からベース優先度が設定される。例えば、サブネットが「255.255.255.254」である場合、最大値が255であるため、ベース優先度として例えば1000が設定される。また例えば、サブネットが「255.255.0.0」である場合、最大値が65535であるため、ベース優先度として例えば100000が設定される。
【0109】
制御部21は、
図10の初期処理を開始すると、S710で、自身の優先度(即ち自装置優先度)がすでに設定されているか否か判断する。自装置優先度が設定されている場合はS740に移行する。自装置優先度がまだ設定されていない場合は、S720に移行する。
【0110】
S720では、自身のOS31の種類を判定する。具体的には、自身のOS31の種類がサーバOSであるか否か判断する。自身のOS31の種類がサーバOSである場合は、S740に移行する。自身のOS31の種類がサーバOSではない場合は、S730に移行する。
【0111】
S730では、自身のOS31がサーバOSではないことに応じて、ベース優先度を設定する。具体的には、前述の通り、管理システム1のサブネットに基づいてベース優先度を設定する。ここでは、一例としてベース優先度が1000に設定されたことを想定する。
【0112】
S740では、ネットワーク検索を行う。このネットワーク検索は、基本的には、
図5のS11Oと同じである。ただし、第2実施形態では、さらに、用いられているOS31の種類も例えば通信I/F23を介して取得する。
【0113】
S750では、S740の検索結果に基づき、同一ネットワーク上で他の管理ソフトウェア(他ソフト)が稼働しているか否か判断する。S750の処理は、
図5のS120と基本的に同じである。
【0114】
S750で、稼働中の他ソフトが1つもない場合は、S760に移行する。S760では、自身の優先度が設定済みか否か判断する。自身の優先度がまだ設定されていない場合は、S770に移行する。
【0115】
S770では、
図5のS130と同じく、第1設定方法に基づいて優先度を設定する。ただし、第2実施形態では、自装置のOS31が属するランクの範囲内で優先度を設定する。例えば、自装置のOS31がサーバOSである場合は、第1のランクの中の最上位の優先度(例えば「1」)を設定する。自装置のOS31がクライアントOSである場合は、第2のランク中の最上位の優先度(例えば「1000」)を設定する。
【0116】
S760で、自身の優先度が設定されている場合は、S780に移行する。S780では、現在設定されている優先度を維持する。
S750で、稼働中の他ソフトが存在する場合は、S790に移行する。S790では、自身の優先度が設定済みか否か判断する。自身の優先度がまだ設定されていない場合は、S800に移行する。
【0117】
S800では、
図5のS140と同じく、第2設定方法に基づいて優先度を設定する。ただし、第2実施形態では、自装置のOS31が属するランクの範囲内で優先度を設定する。例えば、自装置のOS31がサーバOSである場合は、第1のランクにおいて既に設定されている他装置優先度から連番で自装置優先度を設定する。例えば、第1のランクに属する優先度「1」、「2」がすでに他ソフトに設定されている場合は、例えば優先度「3」を設定する。自装置のOS31がクライアントOSである場合は、第2のランクにおいて既に設定されている他装置優先度から連番で自装置優先度を設定する。例えば、第2のランクに属する優先度「1000」~「1003」がすでに他ソフトに設定されている場合は、例えば優先度「1004」を設定する。
【0118】
S790で、自身の優先度が設定されている場合は、S810に移行する。S810では、自身に設定されている優先度と同じ優先度が他の管理ソフトウェア32において設定されているか否か判断する。自身と同じ優先度が他ソフトで設定されている場合は、S820に移行する。
【0119】
S820では、自身の優先度を、自身のOS31が属するランク内で相対的に最低の優先度となるように設定する。例えば、すでに設定されている自装置優先度が「2」である一方で、他ソフトにおいてすでに第1ランクに属する他装置優先度として「1」~「3」が設定されている場合は、第1ランクの中で自装置優先度が相対的に最低となるように、自装置優先度を例えば連番で「4」に設定する。
【0120】
S810で、自身と同じ優先度が他ソフトで設定されていない場合は、S830に移行する。S830では、現在設定されている優先度を維持する。
S800,S820またはS830の処理後は、S150に移行する。S150以下、S170までの処理は、
図5と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0121】
以上詳述した第2実施形態によっても、前述した第1実施形態の効果(a)~(h)を奏する。さらに、第2実施形態では、OS31の種類がサーバOSかクライアントOSかに応じて優先度がランク分けされる。そのため、OS31の種類が考慮されたより適切な優先度の設定が可能となる。
【0122】
なお、
図10において、S710~S830の処理は本開示における優先度設定処理の一例に相当する。S740の処理は本開示におけるOS情報取得処理の一例に相当する。S770,S800の処理は本開示における優先度設定処理の一例に相当する。
【0123】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0124】
(3-1)複数の指定設定情報が登録されている場合、指定設定情報毎に(換言すれば指定設定項目毎に)個別にチェックタイミングが設定されてもよい。
(3-2)初期処理(
図5参照)におけるS150~S170の処理、即ち他ソフトですでに登録されている指定設定情報を自身にも登録する処理は、当該初期処理で実行することに限定されない。S150~S170の処理は、初期処理での実行に加えて、或いは初期処理での実行に代えて、別のタイミングで実行されてもよい。例えば、一定周期で繰り返しS150~S170の処理が実行されてもよい。
【0125】
(3-3)
図6の指定設定情報生成処理において、ユーザに予め、自身及び他ソフトで既に登録されている指定設定情報をユーザI/F24に表示させてもよい。このようにすることで、すでに登録されている指定設定情報と重複する指定設定情報が生成されることを抑制できる。つまり、S230の警告が行われる頻度を低減できる。
【0126】
(3-4)本開示の端末装置は、どのような機能を備えていてもよい。例えば、プリント機能及びスキャン機能のうちの一方または両方を備えていなくてもよい。プリント機能及びスキャン機能のいずれとも異なる機能を備えていてもよい。
【0127】
(3-5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0128】
1…管理システム、5…通信ネットワーク、11~13…管理装置、21…制御部、22…記憶部、23…通信I/F、24…ユーザI/F、31…OS、32…管理ソフトウェア、33a…オリジナルフォルダ、33b…共有フォルダ、41~46…端末装置。