(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ロボット制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240903BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G05D1/43
B25J13/08 A
(21)【出願番号】P 2021018734
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小田 志朗
(72)【発明者】
【氏名】豊島 聡
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 裕太
(72)【発明者】
【氏名】松井 毅
(72)【発明者】
【氏名】那須 敬義
(72)【発明者】
【氏名】吉川 恵
(72)【発明者】
【氏名】太田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】石田 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】大沼 侑司
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/189770(WO,A1)
【文献】特開平06-009182(JP,A)
【文献】国際公開第2014/156458(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/066054(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内を自律移動可能に構成された
複数の移動ロボットを制御するロボット制御システムであって、
前記複数の移動ロボットは、それぞれ、
周囲を撮影するカメラを有し、
当該カメラの撮影映像から得られる情報に基づいて算出された経路に沿って移動し、
前記ロボット制御システムは、前記複数の移動ロボットのうち何れかの移動ロボットである第1移動ロボットを、前記施設内の第1エリアから開閉可能に構成された仕切り部を介して第2エリアに移動させる場合、
前記第1移動ロボットとは別の移動ロボットである第2移動ロボットに設けられたカメラである第1カメラ
による前記第1エリアの撮影映像から特定される前記
第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボットとは別の移動ロボットである第3移動ロボットに設けられたカメラである第2カメラ
による前記第2エリアの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記
第1移動ロボットの移動経路を設定する、
ロボット制御システム。
【請求項2】
前記第1カメラの撮影映像から特定される前記
第1移動ロボットの位置、形状、及び、搭載物の少なくとも何れかと、前記第2エリアを撮影する
前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記
第1移動ロボットの移動経路を設定する、
請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
前記第1カメラの撮影映像から特定される前記
第1移動ロボットと、前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に加えて、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記第1エリアの障害物に基づいて、前記
第1移動ロボットの移動経路を設定する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物及びその予想移動経路を回避するように、前記
第1移動ロボットの移動経路を設定する、
請求項1~
3の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が所定数以上の人である場合、前記
第1移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
請求項1~
4の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が前記第2エリアの所定割合以上を占める物である場合、前記
第1移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
請求項1~
4の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が予め定められた障害物である場合、前記
第1移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
請求項1~
4の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項8】
前記障害物が前記第2エリアの外部に移動した場合、前記
第1移動ロボットを前記第2エリアに移動させる、
請求項
5~
7の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項9】
前記第1エリアは、エレベータの籠内であり、前記第2エリアは、前記エレベータ前のエレベータホールであり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
請求項1~
8の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項10】
前記第1エリアは、エレベータ前のエレベータホールであり、前記第2エリアは、前記エレベータの籠内であり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
請求項1~
8の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項11】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が人である場合、前記人に対して前記
第1移動ロボットが前記第2エリアに移動する旨を通知する、
請求項1~
10の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【請求項12】
施設内を自律移動可能に構成された
前記複数の移動ロボットと、
前記
複数の移動ロボットを制御する制御装置と、
を備えたロボット制御システムであって、
前記制御装置は、
前記複数の移動ロボットのうち何れかの移動ロボットである前記第1移動ロボットを前記施設内の第1エリアから開閉可能に構成された仕切り部を介して第2エリアに移動させる場合、
前記第1移動ロボットとは別の移動ロボットである前記第2移動ロボットに設けられたカメラである前記第1カメラ
による前記第1エリアの撮影映像から特定される前記
第1移動ロボットと、
前記第1移動ロボットとは別の移動ロボットである前記第3移動ロボットに設けられたカメラである前記第2カメラ
による前記第2エリアの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記
第1移動ロボットの移動経路を設定する、
請求項1~
11の何れか一項に記載のロボット制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御システム、ロボット制御方法、及び、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、病院等の施設内を自律移動して物品の搬送などを行う移動ロボット及びそれを制御するロボット制御システムの開発が進められている。
【0003】
移動ロボットに関連する技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたエレベータシステムは、かご内カメラと、かご内カメラによって取得されたカメラ映像に基づいて自律移動体とそれ以外とからなるオブジェクトの占める領域を抽出するオブジェクト領域抽出部と、自律移動体のかご内での乗り込み位置を計算する自律移動体乗り込み位置計算部と、オブジェクト領域から自律移動体が別のオブジェクトと接触しないような道筋を計算する移動ルート計算部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、エレベータのかご内に乗り込む前のエレベータ外での自律移動体に関する情報を正確に把握することができないため、例えば、自律移動体の位置のズレや、搭載物のはみ出しなどがあった場合、障害物を避けることができない可能性がある。つまり、特許文献1の構成では、依然として効率良く自律移動体を移動させることができない、という課題があった。
【0006】
本開示は、以上の背景に鑑みなされたものであり、移動ロボットを効率良く移動させることが可能なロボット制御システム、ロボット制御方法、及び、制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態にかかるロボット制御システムは、施設内を自律移動可能に構成された移動ロボットを制御するロボット制御システムであって、前記移動ロボットを、前記施設内の第1エリアから開閉可能に構成された仕切り部を介して第2エリアに移動させる場合、前記第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットと、前記第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する。このロボット制御システムは、移動ロボットの内蔵カメラでは視認することのできない第2エリアの障害物を、当該第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定することができるため、移動ロボットが障害物を避けて第1エリアから第2エリアに移動できるような移動経路を当該移動ロボットに対して事前に設定することができる。また、このロボット制御システムは、第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、第1エリアに位置する移動ロボットに関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を正確に把握することができるため、移動ロボットが障害物を避けて移動するのに適したより正確な移動経路を当該移動ロボットに対して設定することができる。つまり、このロボット制御システムは、障害物を避けながら効率良く移動ロボットを移動させることができる。
【0008】
前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットの位置、形状、及び、搭載物の少なくとも何れかに基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定してもよい。
【0009】
前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットと、前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に加えて、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記第1エリアの障害物に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定してもよい。
【0010】
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記施設内に設置されているカメラであってもよい。
【0011】
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記移動ロボットとは別の移動ロボットに搭載されたカメラであってもよい。
【0012】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物及びその予想移動経路を回避するように、前記移動ロボットの移動経路を設定してもよい。
【0013】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が所定数以上の人である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させてもよい。
【0014】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が前記第2エリアの所定割合以上を占める物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させてもよい。
【0015】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が予め定められた障害物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させてもよい。
【0016】
前記障害物が前記第2エリアの外部に移動した場合、前記移動ロボットを前記第2エリアに移動させてもよい。
【0017】
前記第1エリアは、エレベータの籠内であり、前記第2エリアは、前記エレベータ前のエレベータホールであり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉であってもよい。
【0018】
前記第1エリアは、エレベータ前のエレベータホールであり、前記第2エリアは、前記エレベータの籠内であり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉であってもよい。
【0019】
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が人である場合、前記人に対して前記移動ロボットが前記第2エリアに移動する旨を通知してもよい。
【0020】
施設内を自律移動可能に構成された移動ロボットと、前記移動ロボットを制御する制御装置と、を備えたロボット制御システムであってもよく、この場合、前記制御装置は、前記移動ロボットを前記施設内の第1エリアから開閉可能に構成された仕切り部を介して第2エリアに移動させる場合、前記第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットと、前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する。
【0021】
本実施の形態にかかるロボット制御方法は、施設内の第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、前記第1エリアにおける、自律移動可能に構成された移動ロボットを特定するステップと、前記第1エリアと開閉可能に構成された仕切り部を隔てて隣接する第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から、前記第2エリアにおける障害物を特定するステップと、前記第1エリア及び前記第2エリアのそれぞれにおいて特定された結果に基づいて、前記移動ロボットの前記第1エリアから前記仕切り部を介した前記第2エリアへの移動経路を設定するステップと、を備える。このロボット制御方法は、移動ロボットの内蔵カメラでは視認することのできない第2エリアの障害物を、当該第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定することができるため、移動ロボットが障害物を避けて第1エリアから第2エリアに移動できるような移動経路を当該移動ロボットに対して事前に設定することができる。また、このロボット制御方法は、第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、第1エリアに位置する移動ロボットに関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を正確に把握することができるため、移動ロボットが障害物を避けて移動するのに適したより正確な移動経路を当該移動ロボットに対して設定することができる。つまり、このロボット制御方法は、障害物を避けながら効率良く移動ロボットを移動させることができる。
【0022】
本実施の形態にかかる制御プログラムは、施設内の第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、前記第1エリアにおける、自律移動可能に構成された移動ロボットを特定する処理と、前記第1エリアと開閉可能に構成された仕切り部を隔てて隣接する第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から、前記第2エリアにおける障害物を特定する処理と、前記第1エリア及び前記第2エリアのそれぞれにおいて特定された結果に基づいて、前記移動ロボットの前記第1エリアから前記仕切り部を介した前記第2エリアへの移動経路を設定する処理と、をコンピュータに実行させる。この制御プログラムは、移動ロボットの内蔵カメラでは視認することのできない第2エリアの障害物を、当該第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定することができるため、移動ロボットが障害物を避けて第1エリアから第2エリアに移動できるような移動経路を当該移動ロボットに対して事前に設定することができる。また、この制御プログラムは、第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、第1エリアに位置する移動ロボットに関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を正確に把握することができるため、移動ロボットが障害物を避けて移動するのに適したより正確な移動経路を当該移動ロボットに対して設定することができる。つまり、この制御プログラムは、障害物を避けながら効率良く移動ロボットを移動させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、移動ロボットを効率良く移動させることが可能なロボット制御システム、ロボット制御方法、及び、制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態1に係るロボット制御システムである移動ロボットを例示した概略図である。
【
図2】実施の形態1に係る移動ロボットを例示した斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る移動ロボットを例示したブロック図である。
【
図4】エレベータ及びその周辺を例示した概略平面図である。
【
図5】実施の形態1に係る移動ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る移動ロボットのエレベータホールからエレベータの籠内への移動の一例を示す概略平面図である。
【
図7】実施の形態1に係る移動ロボットのエレベータホールからエレベータの籠内への移動の他の例を示す概略平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る移動ロボットのエレベータの籠内からエレベータホールへの移動の一例を示す概略平面図である。
【
図9】実施の形態1に係る移動ロボットのエレベータの籠内からエレベータホールへの移動の他の例を示す概略平面図である。
【
図10】実施の形態2に係るロボット制御システムに設けられたサーバ装置を例示したブロック図である。
【
図11】実施の形態2に係るロボット制御システムの動作を例示したシークエンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0026】
<実施の形態1>
以下、実施の形態1に係るロボット制御システムについて説明する。
ロボット制御システムは、所定の施設内を自律移動可能に構成された移動ロボットを制御するシステムである。なお、ロボット制御システムは、移動ロボット単体であってもよいし、一つ又は複数の移動ロボットとそれを管理(制御)するサーバ装置(制御装置)とを備えたものであってもよい。移動ロボットは、物品を搬送するために自律移動する搬送ロボットを含む。本実施の形態では、ロボット制御システムが移動ロボット単体である場合について説明する。
【0027】
(移動ロボットの構成)
図1は、実施の形態1に係る移動ロボットを例示した概略図である。
図1に示すように、移動ロボット100は、所定の施設900内を自律移動可能に構成されている。所定の施設900は、例えば、病院である。なお、所定の施設900は、移動ロボット100が自律移動可能な施設であれば、病院に限らず、ホテル、ショッピングモール等でもよい。本実施の形態では、所定の施設900が、病院である場合を例に説明する。
【0028】
移動ロボット100は、施設900内の床面910上を自律移動する。施設カメラ400は、施設900内に固定されている。例えば、施設カメラ400は、施設900の天井920に固定され、施設カメラ400の周辺を撮像して画像データを生成する。施設900内において、複数の施設カメラ400が設けられてもよい。
【0029】
施設カメラ400は、エレベータホール(エレベータ前の待機スペース)を撮影可能に設置されていてもよい。この施設カメラ400による撮影映像は、サーバ装置300や、例えばエレベータの籠内からエレベータホールに移動しようとしている移動ロボット100に送信され、当該移動ロボット100が視認できないエレベータホールにおける障害物の特定などに用いられる。それにより、移動ロボット100は、障害物を避けて移動するのに適した移動経路を事前に設定することが可能となる。
【0030】
なお、この撮影映像は、エレベータホールで待機中の移動ロボット100に関する情報(例えば、位置のズレ、形状、搭載物のはみ出し)の特定、及び、エレベータホールで待機中の移動ロボット100にとって死角となる領域における障害物の特定などに用いられてもよい。
【0031】
また、施設カメラ400は、エレベータの籠内を撮影可能に設置されていてもよい。この施設カメラ400よる撮影映像は、サーバ装置300や、例えばエレベータホールからエレベータの籠内に移動しようとしている移動ロボット100に送信され、当該移動ロボット100が視認できないエレベータの籠内における障害物の特定などに用いられる。それにより、移動ロボット100は、障害物を避けて移動するのに適した移動経路を事前に設定することが可能となる。
【0032】
なお、この撮影映像は、エレベータの籠内に乗っている移動ロボット100に関する情報(例えば、位置のズレ、形状、搭載物のはみ出し)の特定、及び、エレベータの籠内に乗っている移動ロボット100にとって死角となる領域における障害物の特定などに用いられてもよい。
【0033】
移動ロボット100と施設カメラ400とは、無線通信等の情報伝達手段を介して相互に通信可能に接続されている。移動ロボット100と施設カメラ400とは、例えば、直接に通信可能に接続されてもよいし、アクセスポイント500及びサーバ装置300を介して、通信可能に接続されてもよい。移動ロボット100は、施設カメラ400から直接に、又は、アクセスポイント500及びサーバ装置300を介して、画像データを取得する。
【0034】
アクセスポイント500は、例えば、無線LANのアクセスポイントである。アクセスポイント500は、施設900内に固定され、アクセスポイント500の周辺に位置する移動ロボット100から当該移動ロボット100の位置情報及び走行情報等を取得する。施設900内において、複数のアクセスポイント500が設けられてもよい。
【0035】
施設900内において、複数の移動ロボット100が自律移動してもよい。複数の移動ロボット100が自律移動している場合には、複数の移動ロボット100は、無線通信等の情報伝達手段を介して相互に通信可能に接続されてもよい。複数の移動ロボット100は、例えば、相互に直接に通信可能に接続されてもよいし、アクセスポイント500及びサーバ装置300を介して、相互に通信可能に接続されてもよい。
【0036】
図2は、実施形態1に係る移動ロボット100を例示した斜視図である。
図3は、実施形態1に係る移動ロボット100を例示したブロック図である。
【0037】
図2及び
図3に示すように、移動ロボット100は、駆動部110、筐体部120、通信部130、操作受付部140、表示部150、センサ群160、IDセンサ170、制御部180及び記憶部190を備えている。
【0038】
図2に示すように、移動ロボット100は、移動面である床面910を移動する移動体である。ここで、移動ロボット100の説明の便宜のため、XYZ直交座標軸系を用いている。床面910をXY平面とし、上方を+Z軸方向とする。
【0039】
駆動部110は、移動ロボット100の移動手段として機能する。駆動部110は、床面910に接しており直進方向(前後方向または図のX軸方向)に対して直角の方向(左右方向または図のY軸方向)に伸びる1本の回転軸を中心にそれぞれ独立して回転可能に設定されている2つの駆動輪111および床面に接するキャスター112を有している。移動ロボット100は、左右に配置された駆動輪111を同じ回転数で駆動させることにより、前進または後進を行い、左右の駆動輪111の回転速度または回転方向に差を生じさせることにより、旋回を行う。駆動部110は、制御部180の指示に応じて、駆動輪111を駆動させる。
【0040】
筐体部120は、移動ロボット100における駆動部110の上方に配置されている。筐体部120は、収納室扉121を有してもよい。収納室扉121を開けると、筐体部120の内部には、所定の搬送物を収納するための収納室が設けられている。したがって、移動ロボット100は、所定の物品を搬送する搬送ロボットとすることもできる。筐体部120は、制御部180の指示に応じて、収納室扉121の開閉を行ってもよい。なお、移動ロボット100は、収納室内に収納された物品を搬送する場合に限られず、例えば載置面や棚を設け、当該載置面や棚に載置された物品を搬送するようにしてもよい。
【0041】
図3に示すように、通信部130は、外部と通信可能に接続するインターフェイスである。通信部130は、例えば、アンテナ及びアンテナを介して送信する信号の変調または復調を行う回路等を含む。通信部130は、施設カメラ400から直接に、または、アクセスポイント500及びサーバ装置300を介して、画像データを受信する。
【0042】
また、通信部130は、サーバ装置300から目的地に関する情報や、移動の可否に関する情報等を受信してもよい。また、通信部130は、サーバ装置300に対して、移動ロボット100の状態に関する情報、位置情報、走行情報等の送信を行ってもよい。また、通信部130は、他の移動ロボット100との間で、直接に、または、アクセスポイント500及びサーバ装置300を介して、位置情報の送受信、及び、画像データの送受信を行ってもよい。
【0043】
通信部130は、サーバ装置300に対して、ハートビート信号を定期送信してもよい。ハートビート信号は、移動ロボット100の状態を時系列に示すログデータを含んでもよい。また、ハートビート信号は、移動ロボット100のID(Identification)、及び、移動ロボット100を操作するユーザのIDを含んでもよい。
【0044】
通信部130は、制御部180に接続し、施設カメラ400及びサーバ装置300から送信された情報を含む信号を制御部180に出力するとともに、制御部180から出力された信号をサーバ装置300に送信する。
【0045】
操作受付部140は、ユーザからの入力操作を受け付けて、操作信号を制御部180へ送信する。ユーザからの入力操作を受け付ける手段として、操作受付部140は、例えば、操作ボタンや、表示部150に重畳されたタッチパネルなどを有してもよい。ユーザは、これらの入力操作手段を操作して、電源のオン/オフや収納室扉121の開閉操作等を行う。
【0046】
表示部150は、例えば、筐体部120の上面に突出して設けられている。表示部150は、例えば、矩形状の液晶パネルを含む表示部である。表示部150は、制御部180の指示に応じて適宜情報を表示する。表示部150には、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネルが重畳されてもよい。
【0047】
センサ群160は、移動ロボット100が自律移動をするために必要なデータを取得するセンサを含む。センサ群160は、例えば、ロボットカメラ161及び距離センサ162を含む。センサ群160は、ロボットカメラ161及び距離センサ162以外のセンサを含んでもよい。
【0048】
ロボットカメラ161は、例えば、筐体部120の上部であって、表示部150の下方に配置されている。ロボットカメラ161は、同じ画角を有する2つのカメラユニットが互いに水平方向に離間して配置されてもよい。それぞれのカメラユニットによって撮像された画像は画像データとして制御部180に出力される。
【0049】
移動ロボット100がエレベータホール(エレベータ前の待機スペース)で待機中の場合には、ロボットカメラ161は、当該エレベータホールを撮影してもよい。このロボットカメラ161による撮影映像は、サーバ装置300や、例えばエレベータの籠内からエレベータホールに移動しようとしている別の移動ロボットに送信され、当該別の移動ロボットが視認できないエレベータホールにおける障害物の特定などに用いられる。それにより、当該別の移動ロボットは、障害物を避けて移動するのに適した移動経路を事前に設定することが可能となる。
【0050】
なお、この撮影映像は、同じくエレベータホールで待機中の別の移動ロボットに関する情報(例えば、位置のズレ、形状、搭載物のはみ出し)の特定、及び、当該別の移動ロボットにとって死角となる領域における障害物の特定などに用いられてもよい。
【0051】
また、移動ロボット100がエレベータの籠内に乗っている場合には、ロボットカメラ161は、当該エレベータの籠内を撮影してもよい。このロボットカメラ161による撮影映像は、サーバ装置300や、例えばエレベータホールからエレベータの籠内に移動しようとしている別の移動ロボットに送信され、当該別の移動ロボットが視認できないエレベータの籠内における障害物の特定などに用いられる。それにより、当該別の移動ロボットは、障害物を避けて移動するのに適した移動経路を事前に設定することが可能となる。
【0052】
なお、この撮影映像は、同じくエレベータの籠内に乗っている別の移動ロボットに関する情報(例えば、位置のズレ、形状、搭載物のはみ出し)の特定、及び、当該別の移動ロボットにとって死角となる領域における障害物の特定などに用いられてもよい。
【0053】
距離センサ162は、例えば、筐体部120の下部に配置されている。距離センサ162は、筐体部120における+X軸方向側の面、-X軸方向側の面、+Y軸方向側の面、及び-Y軸方向側の面の各下部に配置されてもよい。距離センサ162は、移動ロボット100の周囲における物体の距離を測定する。制御部180は、ロボットカメラ161が出力する画像データや、距離センサ162が出力する検出信号を解析することにより、移動ロボット100の周囲の障害物を認識するとともに、移動ロボット100と障害物との間の距離を測定する。
【0054】
IDセンサ170は、例えば、表示部150の近傍に設けられている。IDセンサ170は、移動ロボット100を操作するユーザのIDを識別するものであって、ユーザがそれぞれ所有するIDカードに含まれる固有の識別子を検出する。IDセンサ170は、例えば、無線タグの情報読取りをするためのアンテナを含む。ユーザは、IDカードをIDセンサ170に近付けることにより、移動ロボット100に操作者であるユーザのIDを認識させる。
【0055】
制御部180は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を有する情報処理装置である。制御部180は、制御部180が有するハードウェアと、当該ハードウェアに格納されたプログラムとを含む。すなわち、制御部180が実行する処理は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかにより実現される。
【0056】
制御部180は、各構成から種々の情報を取得して、取得した情報に応じて各構成に指示をする。例えば、制御部180は、施設カメラ400やロボットカメラ161から取得した画像データ及び距離センサ162から取得した移動ロボット100の周辺における物体の情報等から、移動ロボット100と周囲の物体との間の距離を検出する。そして、制御部180は、検出した距離、位置情報などに基づいて目的地への経路を算出する。そして、制御部180は、駆動部110に対して、算出した経路に沿った移動をするための指示をする。このような処理を実行する場合には、制御部180は、記憶部190に記憶されたフロアマップに関する情報を参照する。
【0057】
また、制御部180は、移動ロボット100を第1エリアから開閉可能に構成された仕切り部を介して第2エリアに移動させる場合、第1エリアを撮影するカメラの撮影映像から特定される移動ロボットに関する情報と、第2エリアを撮影するカメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、移動ロボット100の移動経路を設定する。そして、制御部180は、仕切り部が開放された後、確定した移動経路に沿って、移動ロボット100を移動させる。制御部180による移動ロボット100の移動経路の設定及び移動制御の詳細については、後述する。
【0058】
記憶部190は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。記憶部190は、移動ロボット100が自律移動をするために使用する施設のフロアマップを記憶している。記憶部190は、制御部180に接続され、制御部180からの要求に応じて、記憶している情報を制御部180に対して出力する。
【0059】
図2に示すように、移動ロボット100は、ロボットカメラ161が設置された+X軸方向側を前方とする。すなわち、通常の移動時においては、矢印で示すように、+X軸方向側が進行方向となる。
【0060】
なお、移動ロボット100の前方をどのように規定するかについては、様々考え方を採用することができる。例えば、周辺環境を認識するためのセンサ群160がどのように配置されているかに基づいて移動ロボット100の前方を規定することができる。具体的には、移動ロボット100の筐体部120の側面のうち、認識能力が高いセンサが配置されていたり、多くのセンサが配置されていたりする側を、移動ロボット100の前方とすることができる。このように移動ロボット100の前方を規定することにより、移動ロボット100は、周辺環境をより的確に認識しながら移動することができる。本実施形態における移動ロボット100も、ロボットカメラ161が配置されている+X軸方向側を前方としている。
【0061】
あるいは、表示部150がどのように配置されているかに基づいて前方を規定することができる。表示部150がキャラクターの顔などを表示すれば、周囲の人は、表示部150が移動ロボット100の前方であることを自然に認識する。そこで、表示部150の表示面側を移動ロボット100の前方とすれば、周囲の人にとって違和感が少ない。本実施形態における移動ロボット100も、表示部150の表示面側を前方としている。
【0062】
また、筐体部120の筐体形状に基づいて移動ロボット100の前方を規定しても良い。例えば、筐体部120の走行面への投影形状が長方形である場合に、長手側を前方とするよりも短手側を前方とする方が、移動時においてすれ違う人の邪魔にならない。すなわち、筐体形状によっては、通常の移動時に前方とすることが好ましい筐体面が存在する。本実施形態における移動ロボット100も、長方形の短手側を前方としている。移動ロボット100は、以上のようにいくつかの考え方に合致するように前方を規定しているが、いずれの考え方に基づいて前方を規定するかは、その移動ロボットの形状や役割などを考慮して決定すれば良い。
【0063】
(移動ロボットの動作)
次に、本実施形態の移動ロボットの動作を説明する。例えば、ユーザは、移動ロボット100の電源をオンさせる。そして、ユーザは、操作受付部140に所望のタスクを入力する。なお、電源をオンする際、または、操作受付部140で操作する際に、必要があれば、IDセンサ170によって、ユーザのIDを識別させる。
【0064】
所望のタスクとして、物品を搬送させるためには、ユーザは、操作受付部140を操作して、収納室扉121を開け、物品を収納室に収納する。そして、操作受付部140を操作して、収納室扉121を閉じる。
【0065】
次に、ユーザは、物品の搬送先を操作受付部140から入力する。それにより、移動ロボット100の制御部180は、搬送元から搬送先までの経路を、記憶部190に記憶されたフロアマップを用いて検索する。そして、移動ロボット100は、フロアマップから導出された経路に沿って、設置物や人などの障害物を避けながら、物品を搬送する。ここで、移動ロボット100は、例えばエレベータを使用して施設内を移動することも考えられる。以下、移動ロボット100がエレベータを使用して施設内を移動する場合について具体的に説明する。
【0066】
図4は、エレベータ及びその周辺を例示した概略平面図である。
図4の例では、エレベータ700の籠750の内部には、籠内を撮影する施設カメラ400(以下、施設カメラ400_2と称す)が設けられている。また、エレベータホール760には、エレベータホール760を撮影する施設カメラ400(以下、施設カメラ400_1と称す)が設けられている。エレベータ700の籠750の内部と、エレベータホール760と、の間には、エレベータ扉770が設けられている。
【0067】
図5は、
図4に示すエレベータを使用する移動ロボット100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
まず、移動ロボット100は、フロアマップから導出された経路に沿って、移動を開始する(ステップS101)。
【0069】
移動ロボット100は、エレベータホール760(第1エリアに相当)に進入するまで、フロアマップから導出された経路に沿って移動を続ける(ステップS102のNO→S109のYES→S101)。
【0070】
その後、移動ロボット100は、エレベータホール760に進入すると(ステップS102のYES)、エレベータホール760を撮影する施設カメラ400_1から画像データを取得し(ステップS103)、取得した画像データに基づいて、移動ロボット100に関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を特定したり、移動ロボット100にとって死角となる領域の障害物を特定したりする(ステップS104)。なお、移動ロボット100は、施設カメラ400_1の画像データを取得する代わりに、エレベータホール760を撮影する別の移動ロボットに搭載されたロボットカメラ(不図示)から画像データを取得してもよい。
【0071】
また、移動ロボット100は、エレベータ700の籠750の内部(第1エリアと仕切り部を隔てて隣接する第2エリアに相当)を撮影する施設カメラ400_2から画像データを取得し(ステップS105)、取得した画像データに基づいて、自身のロボットカメラ161では視認することのできないエレベータ700の籠内における障害物の有無、及び、障害物の種類を特定する(ステップS106)。なお、移動ロボット100は、施設カメラ400_2の画像データを取得する代わりに、エレベータ700の籠内を撮影する別の移動ロボットに搭載されたロボットカメラ(不図示)から画像データを取得してもよい。
【0072】
その後、移動ロボット100は、施設カメラ400_1,400_2の画像データ(撮影映像)から特定された結果に基づいて適切な移動経路を探索し、確定した移動経路を移動ロボット100に対して設定する(ステップS107)。
【0073】
その後、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開くと、設定された移動経路に沿って、エレベータホール760からエレベータ700の籠内に移動する(ステップS108)。
【0074】
(移動ロボットがエレベータホールからエレベータの籠内に移動する場合の動作の例)
図6は、移動ロボット100のエレベータホール760からエレベータ700の籠内への移動の一例を示す概略平面図である。
【0075】
図6の例では、エレベータ700の籠内に2人の人Tが乗っている。ここで、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、施設カメラ400_2の撮影映像から、エレベータ700の籠内に2人の人T(障害物)が乗っていることを検出すると、その障害物(及びその予想移動経路)を避けてエレベータホール760からエレベータ700の籠内に移動できるような移動経路を探索し、確定した移動経路R1を移動ロボット100に対して設定する。それにより、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開いた後、障害物を避けながら効率良く移動することができる。
【0076】
また、移動ロボット100は、施設カメラ400_1の撮影映像から、自身の位置ズレや搭載物のはみ出し等を検出した場合には、それも考慮に入れて移動経路を設定する。それにより、移動ロボット100は、より正確に障害物を避けながら移動することができる。
【0077】
図7は、移動ロボット100のエレベータホール760からエレベータ700の籠内への移動の他の例を示す概略平面図である。
【0078】
図7の例では、エレベータ700の籠内に2人の人Tが乗っているのに加えて、エレベータホール760に1人の人Tが待機している。ここで、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、施設カメラ400_2の撮影映像から、エレベータ700の籠内に2人の人T(障害物)が乗っていることを検出するとともに、施設カメラ400_1の撮影映像から、エレベータホール760に1人の人T(障害物)が待機していることを検出すると、これらの障害物を避けてエレベータホール760からエレベータ700の籠内に移動できるような移動経路を探索し、確定した移動経路R2を移動ロボット100に対して設定する。それにより、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開いた後、障害物を避けながら効率良く移動することができる。
【0079】
また、移動ロボット100は、施設カメラ400_1の撮影映像から、自身の位置ズレや搭載物のはみ出し等を検出した場合には、それも考慮に入れて移動経路を設定する。それにより、移動ロボット100は、より正確に障害物を避けながら移動することができる。
【0080】
なお、移動ロボット100は、例えばエレベータ扉770が開く直前に、当該移動ロボット100がエレベータ700の籠内に移動する旨を通知する手段を備えていてもよい。
【0081】
また、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、エレベータ700の籠内の障害物が、例えば、所定数以上の人、所定割合以上のエリアを占める物、及び、移送中の患者を乗せたストレッチャー等の所定の物、の何れかであることを検出した場合、エレベータ扉770が開いた後もしばらく停止し、障害物がエレベータ700の籠内から移動した後に、移動ロボット100の移動を開始させてもよい。
【0082】
その後、移動ロボット100の移動が継続される場合(ステップS109のYES)、ステップS101~S109の処理が繰り返され、移動が継続されない場合(ステップS109のNO)、移動ロボット100の動作は終了する。ここでは、移動ロボット100の移動が継続される場合について説明する。
【0083】
移動ロボット100は、エレベータ700の籠内(第1エリアに相当)に乗っている間(ステップS101→ステップS102のYES)、エレベータ700の籠内を撮影する施設カメラ400_2から画像データを取得し(ステップS103)、取得した画像データに基づいて、移動ロボット100に関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を特定したり、移動ロボット100にとって死角となる領域の障害物を特定したりする(ステップS104)。なお、移動ロボット100は、施設カメラ400_2の画像データを取得する代わりに、エレベータ700の籠内を撮影する別の移動ロボットに搭載されたロボットカメラ(不図示)から画像データを取得してもよい。
【0084】
また、移動ロボット100は、エレベータホール760(第2エリアに相当)を撮影する施設カメラ400_1から画像データを取得して(ステップS105)、取得した画像データに基づいて、自身のロボットカメラ161では視認することのできないエレベータホール760における障害物の有無、及び、障害物の種類を特定する(ステップS106)。なお、移動ロボット100は、施設カメラ400_1の画像データを取得する代わりに、エレベータホール760を撮影する別の移動ロボットに搭載されたロボットカメラ(不図示)から画像データを取得してもよい。
【0085】
その後、移動ロボット100は、施設カメラ400_1,400_2の画像データ(撮影映像)から特定された結果に基づいて適切な移動経路を探索し、確定した移動経路を移動ロボット100に対して設定する(ステップS107)。
【0086】
その後、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開くと、設定された移動経路に沿って、エレベータ700の籠内からエレベータホール760に移動する(ステップS108)。
【0087】
(移動ロボットがエレベータの籠内からエレベータホールに移動する場合の動作の例)
図8は、移動ロボット100のエレベータ700の籠内からエレベータホール760への移動の一例を示す概略平面図である。
【0088】
図8の例では、エレベータホール760に2人の人Tが待機している。ここで、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、施設カメラ400_1の撮影映像から、エレベータホール760に2人の人T(障害物)が待機していることを検出すると、その障害物(及びその予想移動経路)を避けてエレベータ700の籠内からエレベータホール760に移動できるような移動経路を探索し、確定した移動経路R3を移動ロボット100に対して設定する。それにより、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開いた後、障害物を避けながら効率良く移動することができる。
【0089】
また、移動ロボット100は、施設カメラ400_2の撮影映像から、自身の位置ズレや搭載物のはみ出し等を検出した場合には、それも考慮に入れて移動経路を設定する。それにより、移動ロボット100は、より正確に障害物を避けながら移動することができる。
【0090】
図9は、移動ロボット100のエレベータ700の籠内からエレベータホール760への移動の他の例を示す概略平面図である。
【0091】
図9の例では、エレベータホール760に2人の人Tが待機しているのに加えて、エレベータ700の籠内に1人の人Tが乗っている。ここで、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、施設カメラ400_1の撮影映像から、エレベータホール760に2人の人T(障害物)が待機していることを検出するとともに、施設カメラ400_2の撮影映像から、エレベータ700の籠内に1人の人T(障害物)が乗っていることを検出すると、これらの障害物を避けてエレベータ700の籠内からエレベータホール760に移動できるような移動経路を探索し、確定した移動経路R4を移動ロボット100に対して設定する。それにより、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開いた後、障害物を避けながら効率良く移動することができる。
【0092】
また、移動ロボット100は、施設カメラ400_2の撮影映像から、自身の位置ズレや搭載物のはみ出し等を検出した場合には、それも考慮に入れて移動経路を設定する。それにより、移動ロボット100は、より正確に障害物を避けながら移動することができる。
【0093】
なお、移動ロボット100は、例えばエレベータ扉770が開く直前に、当該移動ロボット100がエレベータホール760に移動する旨を通知する手段を備えていてもよい。
【0094】
また、移動ロボット100(より詳細には、移動ロボット100に設けられた制御部180)は、エレベータホール760の障害物が、例えば、所定数以上の人、所定割合以上のエリアを占める物、及び、移送中の患者を乗せたストレッチャー等の所定の物、の何れかであることを検出した場合、エレベータ扉770が開いた後もしばらく停止し、障害物がエレベータホール760から移動した後に、移動ロボット100の移動を開始させてもよい。
【0095】
その後、移動ロボット100の移動が継続される場合(ステップS107のYES)、ステップS101~S107の処理が繰り返され、移動が継続されない場合(ステップS107のNO)、移動ロボット100の動作は終了する。
【0096】
このように、本実施の形態に係る移動ロボット100は、当該移動ロボット100に内蔵されたロボットカメラ161では視認することのできない第2エリアの障害物を、当該第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定することができるため、障害物を避けて第1エリアから第2エリアに移動できるような移動経路を移動ロボット100に対して事前に設定することができる。また、本実施の形態に係る移動ロボット100は、第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、第1エリアに位置する自身に関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を正確に把握することができるため、障害物を避けて移動するのに適したより正確な移動経路を移動ロボット100に対して設定することができる。つまり、本実施の形態に係る移動ロボット100は、障害物を避けながら効率良く移動することができる。
【0097】
なお、本実施の形態では、移動ロボット100がエレベータの籠内からエレベータホールに移動する場合、及び、移動ロボット100がエレベータホールからエレベータの籠内に移動する場合のそれぞれの移動経路の設定について説明したが、これに限られない。例えば、移動ロボット100がセキュリティドアやトイレ扉などを隔てて隣接する第1エリアから第2エリアに移動する場合の移動経路の設定の場合にも、同様の手法を用いることができる。
【0098】
<実施の形態2>
続いて、実施の形態2に係るロボット制御システムについて説明する。本実施の形態では、ロボット制御システムが、一つ又は複数の移動ロボットとそれを管理(制御)するサーバ装置(制御装置)とを備える場合について説明する。
【0099】
具体的には、ロボット制御システムは、一つ又は複数の移動ロボット100及びサーバ装置300を備える。移動ロボット100の構成については、実施の形態1で説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0100】
なお、本実施の形態に係る移動ロボット100は、実施の形態1に係る移動ロボット100における機能のいくつかをサーバ装置300にさせてもよい。例えば、サーバ装置300は、施設カメラやロボットカメラの撮影映像の取得、取得した撮影映像の映像解析、映像解析による障害物及び移動ロボットに関する情報(位置ズレや搭載物のはみ出し等)の特定、一つ又は複数の移動ロボット100の移動経路の設定及び移動制御などを行うように構成されてもよい。
【0101】
サーバ装置300は、例えば、通信機能を有するコンピュータである。サーバ装置300は、ロボット制御システムの各構成と通信可能であれば任意の場所に設置されてよい。サーバ装置300は、移動ロボット100の位置情報や走行情報などを送受信する。
【0102】
図10は、実施の形態2に係るロボット制御システムに設けられたサーバ装置を例示したブロック図である。
図10に示すように、サーバ装置300は、通信部330、制御部380及び記憶部390を有する。
【0103】
通信部330は、移動ロボット100と個別に通信を行う。通信部330は、各構成から受け取った信号を制御部380に出力する。また、通信部330は、制御部380から出力される信号を適宜各構成に送信する。通信部330はサーバ装置300と複数の構成との通信を行うためのルータ装置が含まれていてもよい。通信部330は、サーバ装置300と複数の構成との通信を行うために、通信する構成要素ごとに複数の異なる通信手段を有していてもよい。通信部330は、イントラネット回線やインターネット回線を介して各構成と通信可能に接続されていてもよい。
【0104】
制御部380は、CPU等の演算装置を構成とし、種々の情報処理を行う。制御部380は、施設カメラやロボットカメラの撮影映像の取得、取得した撮影映像の映像解析、映像解析による障害物及び移動ロボットに関する情報(位置ズレや搭載物のはみ出し等)の特定、一つ又は複数の移動ロボット100の移動経路の設定及び移動制御などを行うように構成されてもよい。
【0105】
記憶部390は、フラッシュメモリやSSD等の不揮発性メモリを含む。記憶部390は、移動ロボット100が自律移動をするために使用する施設のフロアマップを記憶している。記憶部390は、制御部380に接続され、制御部380からの要求に応じて、記憶している情報を制御部380に対して出力する。
【0106】
図11は、実施の形態2に係るロボット制御システムの動作を例示したシークエンス図である。なお、
図11の例では、サーバ装置300が一台の移動ロボット100の移動を制御する場合について説明するが、これに限られず、サーバ装置300は、複数台の移動ロボット100の移動を制御してもよい。
【0107】
図11に示すように、サーバ装置300は、移動ロボット100に対して移動を指示する(ステップS201)。例えば、サーバ装置300は、移動ロボット100に対して、目的地に物品を搬送するように指示する。このとき、サーバ装置300は、移動ロボット100の現在位置から物品の搬送元までの経路、及び、物品の搬送元から目的地(搬送先)までの経路を探索し、確定した経路の情報を移動ロボット100に送信する。なお、確定した経路には、
図4に示すようなエレベータ700を使用する経路が含まれているものとする。
【0108】
それにより、移動ロボット100は、サーバ装置300からの指示に従って移動する(ステップS202)。例えば、移動ロボット100は、指示された経路に沿って現在位置から物品の搬送元まで移動し、物品を受け取ると、当該物品を指示された経路に沿って目的地まで搬送する。
【0109】
ここで、サーバ装置300は、移動ロボット100がエレベータホール760(第1エリアに相当)に進入したことを検出すると(ステップS203)、エレベータホール760を撮影する施設カメラ400_1に対して画像データ(撮影映像)を要求する(ステップS204)。それにより、施設カメラ400_1は画像データをサーバ装置300に送信する(ステップS205)。サーバ装置300は、施設カメラ400_1の画像データから、移動ロボット100に関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を特定したり、移動ロボット100にとって死角となる領域の障害物を特定したりする(ステップS206)。
【0110】
また、サーバ装置300は、エレベータ700の籠750の内部(第2エリアに相当)を撮影する施設カメラ400_2に対して画像データ(撮影映像)を要求する(ステップS207)。それにより、施設カメラ400_2は画像データをサーバ装置300に送信する(ステップS208)。サーバ装置300は、施設カメラ400_2の撮影映像から、移動ロボット100に内蔵されたロボットカメラ161では視認することのできないエレベータ700の籠内における障害物の有無、及び、障害物の種類を特定する(ステップS209)。
【0111】
その後、サーバ装置300は、施設カメラ400_1,400_2の画像データ(撮影映像)から特定された結果に基づいて適切な移動経路を探索し、確定した移動経路を移動ロボット100に対して設定する(ステップS210)。
【0112】
それにより、移動ロボット100は、エレベータ扉770が開くと、設定された移動経路に沿って、エレベータホール760からエレベータ700の籠内に移動する(ステップS211)。
【0113】
移動ロボット100のエレベータ700の籠内からエレベータホール760への移動については、施設カメラ400_1,400_2の役割が逆転する以外、移動ロボット100がエレベータホール760からエレベータ700の籠内に移動する場合と基本的な流れは同じであるため、その説明を省略する。
【0114】
このように、本実施の形態に係るロボット制御システムは、移動ロボット100に内蔵されたロボットカメラ161では視認することのできない第2エリアの障害物を、当該第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定することができるため、移動ロボット100が障害物を避けて第1エリアから第2エリアに移動できるような移動経路を当該移動ロボット100に対して事前に設定することができる。また、本実施の形態に係るロボット制御システムは、第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、第1エリアに位置する移動ロボット100に関する情報(例えば位置ズレ、搭載物のはみ出し、外形)を正確に把握することができるため、移動ロボット100が障害物を避けて移動するのに適したより正確な移動経路を当該移動ロボット100に対して設定することができる。つまり、本実施の形態に係るロボット制御システムは、障害物を避けながら効率良く移動ロボット100を移動させることができる。
【0115】
なお、本実施の形態では、移動ロボット100がエレベータの籠内からエレベータホールに移動する場合、及び、移動ロボット100がエレベータホールからエレベータの籠内に移動する場合のそれぞれの移動経路の設定について説明したが、これに限られない。例えば、移動ロボット100がセキュリティドアやトイレ扉などを隔てて隣接する第1エリアから第2エリアに移動する場合の移動経路の設定の場合にも、同様の手法を用いることができる。
【0116】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせたものも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。また、以下に示す自律移動方法及び自律移動プログラムも本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【0117】
さらに、本開示は、移動ロボット100やサーバ装置300における処理の一部又は全部を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することが可能である。
【0118】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリを含む。磁気記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブなどである。光磁気記録媒体は、例えば光磁気ディスクなどである。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)などである。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0119】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせたものも本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。また、以下に示すロボット制御方法及び制御プログラムも本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【0120】
(付記1)
施設内の第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、前記第1エリアにおける、自律移動可能に構成された移動ロボットを特定するステップと、
前記第1エリアと開閉可能に構成された仕切り部を隔てて隣接する第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から、前記第2エリアにおける障害物を特定するステップと、
前記第1エリア及び前記第2エリアのそれぞれにおいて特定された結果に基づいて、前記移動ロボットの前記第1エリアから前記仕切り部を介した前記第2エリアへの移動経路を設定するステップと、
を備えた、
ロボット制御方法。
【0121】
(付記2)
前記移動経路を設定するステップでは、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットの位置、形状、及び、搭載物の少なくとも何れかと、前記第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記1に記載のロボット制御方法。
【0122】
(付記3)
前記移動経路を設定するステップでは、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットと、前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に加えて、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記第1エリアの障害物に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記1又は2に記載のロボット制御方法。
【0123】
(付記4)
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記施設内に設置されているカメラである、
付記1~3の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0124】
(付記5)
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記移動ロボットとは別の移動ロボットに搭載されたカメラである、
付記1~4の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0125】
(付記6)
前記移動経路を設定するステップでは、前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物及びその予想移動経路を回避するように、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記1~5の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0126】
(付記7)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が所定数以上の人である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記1~6の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0127】
(付記8)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が前記第2エリアの所定割合以上を占める物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記1~6の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0128】
(付記9)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が予め定められた障害物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記1~6の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0129】
(付記10)
前記障害物が前記第2エリアの外部に移動した場合、前記移動ロボットを前記第2エリアに移動させる、
付記7~9の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0130】
(付記11)
前記第1エリアは、エレベータの籠内であり、前記第2エリアは、前記エレベータ前のエレベータホールであり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
付記1~10の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0131】
(付記12)
前記第1エリアは、エレベータ前のエレベータホールであり、前記第2エリアは、前記エレベータの籠内であり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
付記1~10の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0132】
(付記13)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が人である場合、前記人に対して前記移動ロボットが前記第2エリアに移動する旨を通知する、
付記1~12の何れか一項に記載のロボット制御方法。
【0133】
(付記14)
施設内の第1エリアを撮影する第1カメラの撮影映像から、前記第1エリアにおける、自律移動可能に構成された移動ロボットを特定する処理と、
前記第1エリアと開閉可能に構成された仕切り部を隔てて隣接する第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から、前記第2エリアにおける障害物を特定する処理と、
前記第1エリア及び前記第2エリアのそれぞれにおいて特定された結果に基づいて、前記移動ロボットの前記第1エリアから前記仕切り部を介した前記第2エリアへの移動経路を設定する処理と、
をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【0134】
(付記15)
前記移動経路を設定する処理では、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットの位置、形状、及び、搭載物の少なくとも何れかと、前記第2エリアを撮影する第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記14に記載の制御プログラム。
【0135】
(付記16)
前記移動経路を設定する処理では、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記移動ロボットと、前記第2カメラの撮影映像から特定される障害物と、に加えて、前記第1カメラの撮影映像から特定される前記第1エリアの障害物に基づいて、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記14又は15に記載の制御プログラム。
【0136】
(付記17)
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記施設内に設置されているカメラである、
付記14~16の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0137】
(付記18)
前記第1カメラ及び前記第2カメラの何れか一つ又は全部は、前記移動ロボットとは別の移動ロボットに搭載されたカメラである、
付記14~17の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0138】
(付記19)
前記移動経路を設定する処理では、前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物及びその予想移動経路を回避するように、前記移動ロボットの移動経路を設定する、
付記14~18の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0139】
(付記20)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が所定数以上の人である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記14~19の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0140】
(付記21)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が前記第2エリアの所定割合以上を占める物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記14~19の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0141】
(付記22)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が予め定められた障害物である場合、前記移動ロボットの前記第2エリアへの移動を停止させる、
付記14~19の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0142】
(付記23)
前記障害物が前記第2エリアの外部に移動した場合、前記移動ロボットを前記第2エリアに移動させる、
付記20~22の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0143】
(付記24)
前記第1エリアは、エレベータの籠内であり、前記第2エリアは、前記エレベータ前のエレベータホールであり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
付記14~23の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0144】
(付記25)
前記第1エリアは、エレベータ前のエレベータホールであり、前記第2エリアは、前記エレベータの籠内であり、前記仕切り部は、前記エレベータの扉である、
付記14~23の何れか一項に記載の制御プログラム。
【0145】
(付記26)
前記第2カメラの撮影映像によって特定された障害物が人である場合、前記人に対して前記移動ロボットが前記第2エリアに移動する旨を通知する処理をさらにコンピュータに実行させる、
付記14~25の何れか一項に記載の制御プログラム。
【符号の説明】
【0146】
100 移動ロボット
110 駆動部
111 駆動輪
112 キャスター
120 筐体部
121 収納室扉
130 通信部
140 操作受付部
150 表示部
160 センサ群
161 ロボットカメラ
162 距離センサ
170 IDセンサ
180 制御部
190 記憶部
300 サーバ装置
330 通信部
380 制御部
390 記憶部
400 施設カメラ
400_1,400_2 施設カメラ
500 アクセスポイント
700 エレベータ
750 籠
760 エレベータホール
770 エレベータ扉
900 施設
910 床面
920 天井
R1 移動経路
R2 移動経路
R3 移動経路
R4 移動経路