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特許7548054検査装置、検査方法、コンピュータープログラム及び検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法、コンピュータープログラム及び検査システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240903BHJP
   G06V 30/412 20220101ALI20240903BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06V30/412
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021026346
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022128040
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 明美
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第6780889(JP,B1)
【文献】特許第6780888(JP,B1)
【文献】特許第6712738(JP,B1)
【文献】特開2016-218990(JP,A)
【文献】特開2019-135669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06V 30/412
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
領収書を検査する検査装置であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備え、
前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、
記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
領収書を検査する検査装置であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備え、
前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、
記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項3】
領収書を検査する検査装置であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備え、
前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、
記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項4】
前記特定手段は、1枚の領収書について、前記記載情報から発行者の名称及び事業情報を特定し、
前記評価手段は、前記1枚の領収書について、評価を行なう
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
領収書を検査する検査装置であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備え、
前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記抽出手段は、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、
前記特定手段は、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、
記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項6】
前記出力手段は、領収書を管理する管理装置に対して、前記評価結果を電子メールにより送信することにより、出力する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査装置は、記憶部を備え、
前記出力手段は、前記評価結果を、ログとして、前記記憶部に書き込むことにより、出力する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
前記出力手段は、さらに、領収書主面から読み取った前記画像に前記評価結果を付加し、前記評価結果が付加された前記画像を出力する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記検査装置は、さらに、表示手段を備え、
前記出力手段は、前記評価結果を前記表示手段に出力して表示させる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記出力手段は、さらに、前記評価値が閾値以上の場合、前記画像を、領収書を管理する管理装置に対して出力し、前記評価値が閾値未満の場合、前記画像の出力を抑制する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
領収書を検査装置が検査する検査方法であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を含み
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査方法。
【請求項12】
領収書を検査装置が検査する検査方法であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を含み、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査方法。
【請求項13】
領収書を検査装置が検査する検査方法であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を含み、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査方法。
【請求項14】
領収書を検査装置が検査する検査方法であって、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を含み、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記抽出ステップは、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、
前記特定ステップは、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とする検査方法。
【請求項15】
領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、
コンピューターである前記検査装置に、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を実行させるためのものであり、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項16】
領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、
コンピューターである前記検査装置に、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を実行させるためのものであり、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項17】
領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、
コンピューターである前記検査装置に、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を実行させるためのものであり、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項18】
領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、
コンピューターである前記検査装置に、
領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、
前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、
特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと
を実行させるためのものであり、
前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、
前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、
前記抽出ステップは、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、
前記特定ステップは、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、
前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成する
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項19】
領収書主面を読み取って画像を生成する画像読取装置と領収書を検査する検査装置とから構成される検査システムであって、
前記検査装置は、
請求項1~10のいずれか1項に記載の検査装置である
とを特徴とする検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、領収書を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
2005年、国税帳簿書類の電子データでの保存を認める法律である「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(以下、電子帳簿保存法と呼ぶ。)が改正され、紙媒体の国税関係書類を電子化して保存することが認められるようになった。
【0003】
さらに、2016年における改正では、800万画素以上のカメラを搭載するスマートフォンを用いた撮影が可能になった。スマートフォンによる撮影で領収書を保存する場合、受領後3日以内にタイムスタンプを付与しなければならず、受領した本人が領収書に対して名前を手書きする、つまり自署という処理が必要になるという要件も新たに加わった。これらは、紙の領収書や領収書の画像の改ざん等を防ぐための一つの対策である。
【0004】
また、非特許文献1によると、AIを活用した領収書の不正検知の自動化が提案されている。例えば、8000円を上限とした経費の場合、上限を超えても、1回や2回は、例外として見過ごす場合もあるだろう。しかし、これを全体の平均値で比較した場合、他の人よりも明らかに上限を超える回数が多いことが分かれば、不正があるのではないかと疑うことができる。このように、ひとつひとつの経費データでは分からないが、ビッグデータというような観点から見れば、不正が分かる場合があり、そこにAIを活用することができる。
【0005】
さらに、特許文献1には、税務申告の元となる領収書の真偽の判別を容易に行える税務チェックシステムが開示されている。支払者(購入者)は、商品を購入し、その後、その商品の代金を領収者(販売者)に支払う。領収者は、パーソナルコンピューターの操作により、領収書発行機に、その支払われた商品の代金としての領収金額を入力する。その領収金額が領収書発行機から第三者機関のホストコンピューターへ送信される。第三者機関のホストコンピューターは、発行すべき領収書に対応するシリアルナンバーを、パーソナルコンピューターを介して、領収者の領収書発行機へ送信する。領収書発行機は、領収金額、領収日付及びシリアルナンバー等を記載した領収書を発行する。その領収書が販売者である領収者から、購入者である支払者に渡される。
【0006】
その領収書が発行された時点で、その領収金額、領収日付及びシリアルナンバーが、第三者機関のホストコンピューターへ領収書データとして記録(記憶)される。
【0007】
一方、その領収書を受け取った支払者は、支払金額、支払日付及びシリアルナンバー等を自己のパーソナルコンピューター等のデータベースの帳簿ファイルに入力する。
【0008】
各年度の税務申告を行う場合に、税務申告に必要な各種データの申告用の帳簿ファイルをネットワークで管轄の税務署へ送信、或いは記憶媒体に記憶して提出する。
【0009】
帳簿ファイルを受け取った税務署は、税務調査などの際に、経費に関係する領収書の真偽を税務署のパーソナルコンピューターから第三者機関のホストコンピューターにシリアルナンバー等で照会して照合確認する。その照合確認の結果、帳簿ファイルに記載されている経費に異常(偽り)がなければ、税務申告資料を正しいものとして使用する。このようにして、領収書の偽造等の不正を防ぐことができる。
【0010】
一方、非特許文献2によると、請求書や領収書を、原本の代わりに電子的に保管することが、2005年の電子帳簿保存法の改正により認められることになったが、実は、導入は、ほとんど進んでいない。何度かの法律改正を経て、スマートフォンで撮影した画像でも対応できるなどの緩和が図られたが、現時点でも導入企業は、たったの2000社弱である。領収書をスマートフォンで撮影してその画像を保存したとしても、経理担当者が領収書の原本を回収して確認しなければいけないことには変わりがない。そして、原本は、税理士などの定期検査を行った後でようやく破棄することができる。原本を7年間保管する必要はなくなるというメリットはあるものの、その前の回収や確認のプロセスは、これまでと全く変わらない。従業員が数万人いる大企業にとっては、保管スペースの削減などで効果はあるかもしれないが、中小企業にとっては、むしろ導入コストや運用コストが増えるだけで、ほとんどメリットがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2002-109156号公報
【非特許文献】
【0012】
【文献】“電子帳簿保存法改正が、企業のキャッシュレスを促進させるのか”,[online],マイナビニュース,[令和2年12月14日検索],インターネット<URL:https://news.mynavi.jp/article/20200519-1038614/
【文献】“日本の生産性を押し下げる「経費精算」が無くならない根本理由(2/6)”,[online],ITmediaビジネスオンライン,[令和2年12月14日検索],インターネット<https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2004/22/news001_2.html。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
非特許文献2に記載の通り、請求書や領収書を、原本の代わりに電子的に保管することについて、多くの企業でその導入は、ほとんど進んでいない。また、同様に、多くの企業で、非特許文献2及び特許文献1に記載の技術の導入も進まないと予想される。この結果、多くの企業で紙の領収書の保管が行われ、それらの企業では、経理担当者が紙により保管されている領収書をチェックしている。
【0014】
しかし、経理担当者が紙により保管されている全ての領収書において不正が行われていないかチェックすることは、困難であり、不正を見抜けない場合もある。
【0015】
本開示は、上記の問題点を解決し、紙の領収書が保管されている場合であっても、経理担当者による紙の領収書の不正チェック作業を軽減できる検査装置、検査方法、コンピュータープログラム及び検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本開示の一態様は、領収書を検査する検査装置であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備え、前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、前記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0020】
本開示の別の態様は、領収書を検査する検査装置であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備え、前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、前記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0021】
本開示のさらに別の態様は、領収書を検査する検査装置であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備え、前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定手段は、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、前記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0026】
ここで、前記特定手段は、1枚の領収書について、前記記載情報から発行者の名称及び事業情報を特定し、前記評価手段は、前記1枚の領収書について、評価を行なう、としてもよい。
【0027】
本開示のさらに別の態様は、領収書を検査する検査装置であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出手段と、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定手段と、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備え、前記評価手段は、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力手段は、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記抽出手段は、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、前記特定手段は、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、前記評価手段は、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0028】
ここで、前記出力手段は、領収書を管理する管理装置に対して、前記評価結果を電子メールにより送信することにより、出力してもよい。
【0029】
ここで、前記検査装置は、記憶部を備え、前記出力手段は、前記評価結果を、ログとして、前記記憶部に書き込むことにより、出力してもよい。
【0030】
ここで、前記出力手段は、さらに、領収書主面から読み取った前記画像に前記評価結果を付加し、前記評価結果が付加された前記画像を出力してもよい。
【0031】
ここで、前記検査装置は、さらに、表示手段を備え、前記出力手段は、前記評価結果を前記表示手段に出力して表示させる、してもよい。
【0032】
ここで、前記出力手段は、さらに、前記評価値が閾値以上の場合、前記画像を、領収書を管理する管理装置に対して出力し、前記評価値が閾値未満の場合、前記画像の出力を抑制してもよい。
【0033】
また、本開示に係る一つの態様は、領収書を検査装置が検査する検査方法であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを含み、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係る別の態様は、領収書を検査装置が検査する検査方法であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを含み、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係るさらに別の態様は、領収書を検査装置が検査する検査方法であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを含み、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係るさらに別の態様は、領収書を検査装置が検査する検査方法であって、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを含み、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記抽出ステップは、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、前記特定ステップは、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0034】
また、本開示に係る一つの態様は、領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、コンピューターである前記検査装置に、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを実行させるためのものであり、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係る別の態様は、領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、コンピューターである前記検査装置に、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを実行させるためのものであり、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記領収書を発行した発行日を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の所在地及び前記発行者の事業の存続期間を記憶している記憶手段から、前記記憶している所在地及び前記存続期間を取得し、特定した前記所在地と、取得した前記所在地とを比較し、特定した前記発行日と、取得した前記存続期間とを比較し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、前記発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係るさらに別の態様は、領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、コンピューターである前記検査装置に、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを実行させるためのものであり、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記特定ステップは、前記記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記発行者の事業名を記憶している記憶手段から、前記記憶している事業名を取得し、特定した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較し、特定した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
本開示に係るさらに別の態様は、領収書を検査する検査装置において用いられ、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されているコンピュータープログラムであって、コンピューターである前記検査装置に、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書の記載情報を抽出する抽出ステップと、前記記載情報を用いて、領収書の発行者を特定する特定ステップと、特定結果及び前記記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップとを実行させるためのものであり、前記評価ステップは、前記領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、前記出力ステップは、前記評価結果として、前記評価値を出力し、前記抽出ステップは、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出し、前記特定ステップは、各記載情報から、当該領収書の発行者の名称を特定し、さらに、当該発行者の事業に係る事業情報として、領収された金額を特定し、前記評価ステップは、前記発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報として、前記所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶している記憶手段から、前記記憶している金額の範囲を取得し、特定した複数の前記金額の合計額と、取得した前記金額の範囲とを対比し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、前記合計額が取得した前記金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成することを特徴とする。
【0035】
また、本開示に係る一つの態様は、領収書主面を読み取って画像を生成する画像読取装置と領収書を検査する検査装置とから構成される検査システムであって、前記検査装置は、上記に記載の検査装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
上記の構成によると、紙の領収書が保管されている場合であっても、経理担当者による紙の領収書の不正チェック作業を軽減できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】検査システム1の構成を示す。
図2】画像形成装置3の制御回路100の構成を示すブロック図である。
図3】一例としての領収書301を示す。
図4】検査装置4の構成を示すブロック図である。
図5】一例として領収書301から得られた文字データ452~459を示す。
図6】国税庁サーバー装置5の構成を示すブロック図である。
図7】マップサーバー装置6の構成を示すブロック図である。
図8】精算装置7の構成を示すブロック図である。
図9】検査システム1における動作を示すシーケンス図(その1)である。
図10】検査システム1における動作を示すシーケンス図(その2)である。図9から続く。
図11】検査システム1における動作を示すシーケンス図(その3)である。図9から続く。
【発明を実施するための形態】
【0038】
1 実施の形態
本開示に係る一の実施の形態としての検査システム1について図面を参照しながら説明する。
【0039】
1.1 検査システム1
検査システム1は、図1に示すように、画像形成装置3、検査装置4、国税庁サーバー装置5、マップサーバー装置6及び精算装置7が、ネットワーク2を介して、相互に接続されて、構成されている。
【0040】
画像形成装置3は、利用者の操作により、領収書の記載面(主面)をスキャンして、スキャンデータ(画像データ)を生成し、生成したスキャンデータを、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して、送信する。
【0041】
検査装置4は、スキャンデータを受信し、受信したスキャンデータから文字データを認識して抽出する。検査装置4は、認識により得られた文字データのうち、領収書の発行者を示す発行者名を、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に送信して、その発行者名により示される発行者が存在するか否かを確認する。また、検査装置4は、領収書に記載された金額が所定の適正金額範囲内に収まるか否かを判断する。検査装置4は、発行者が存在するか否か、及び、領収書に記載された金額が所定の適正金額範囲内に収まるか否かにより、領収書に対する不正な改ざん等の度合いを示す評価値を生成する。検査装置4は、スキャンデータと評価値とを精算装置7に対して、送信する。
【0042】
精算装置7は、スキャンデータと評価値とを受信し、受信した評価値によって、領収書に不正の改ざん等がなされていないか否かを判断する。領収書に不正の改ざん等がなされていない場合、精算装置7は、領収書に対する精算処理を行なう。領収書に不正の改ざん等がなされている可能性がある場合、精算装置7は、経理担当者(管理者)が操作する情報処理端末に対して、領収書に不正の改ざん等がなされている可能性がある旨の警告メッセージを出力する。ここで、経理担当者が操作する情報処理端末は、ネットワーク2を介して、精算装置7に接続されている。
【0043】
1.2 画像形成装置3
画像形成装置3は、図1に示すように、スキャナー、プリンター及びコピー機の機能を有するタンデム型のカラー複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)である。
【0044】
画像形成装置3は、この図に示すように、筐体底部に、記録シートを収容し、給送する給紙部13が設けられている。給紙部13の上方には、電子写真方式により画像を形成するプリンター12が設けられている。プリンター12のさらに上方に、原稿を読み取ってスキャンデータを生成するイメージリーダー11、及び、操作画面を表示し、利用者から入力操作を受け付ける操作パネル19が設けられている。
【0045】
イメージリーダー11は、自動原稿搬送装置を有している。自動原稿搬送装置は、原稿トレイにセットされた原稿を、搬送路を介して、1枚ずつ読取位置へ搬送する。イメージリーダー11は、自動原稿搬送装置によって読取位置に搬送された原稿、又は、利用者により原稿ガラス板の上に載置された原稿をスキャナーによって読み取り、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値デジタル信号からなるスキャンデータを得る。
【0046】
イメージリーダー11で得られた各色成分のスキャンデータは、制御回路100において各種のデータ処理を受け、更にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
【0047】
プリンター12は、駆動ローラーと従動ローラーとバックアップローラーとにより張架される中間転写ベルト、二次転写ローラー、中間転写ベルトに対向して中間転写ベルトの走行方向Xに沿って所定間隔で配置された4個の作像部、定着部、制御回路100等からなる。
【0048】
4個の作像部は、それぞれ、Y、M、C、K色のトナー像を作像する。具体的には、各作像部は、像担持体である感光体ドラム、感光体ドラム表面を露光走査するためのLEDアレイ、帯電ローラー、現像器、クリーナー及び一次転写ローラーなどからなる。
【0049】
給紙部13は、サイズの異なる記録シートを収容する複数の給紙カセットと、この記録シートを各給紙カセットから搬送路に繰り出すための複数のピックアップローラーとから構成されている。
【0050】
4個の作像部のそれぞれにおいて、各感光体ドラムの表面にY~K色のトナー像が形成され、トナー像は、中間転写ベルトの裏面側に配設された各一次転写ローラーの静電作用により、中間転写ベルトの表面上に順次転写される。
【0051】
一方、給紙部13のいずれかの給紙カセットから、4個の作像部による作像動作に合わせて、記録シートが給送される。
【0052】
記録シートは、二次転写ローラーとバックアップローラーとが中間転写ベルトを挟んで対向する二次転写位置へと搬送路上を搬送され、二次転写位置で、中間転写ベルト上で多重転写されたY~K色のトナー像が記録シートへ二次転写される。Y~K色のトナー像が二次転写された記録シートは、さらに定着部まで搬送される。
【0053】
記録シートの表面のトナー像は、定着部の加熱ローラーとこれに圧接された加圧ローラーとの間に形成される定着ニップを通過する際に、加熱及び加圧により、記録シートの表面に融着して定着され、記録シートは、定着部を通過した後、排出トレイ15へ送出される。
【0054】
操作パネル19には、液晶表示板などで構成される表示部が設けられ、利用者によって設定された内容や各種のメッセージを表示する。操作パネル19は、利用者から、コピー開始の指示、コピー枚数の設定、コピー条件の設定、データの出力先の設定などを受け付け、受け付けた内容を制御回路100に通知する。
【0055】
制御回路100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、画像メモリ104、画像処理回路105、ネットワーク通信回路106、スキャナー制御回路107、入出力回路108、プリンター制御回路109等から構成されている。
【0056】
CPU101、ROM102及びRAM103は、主制御部101aを構成している。
【0057】
RAM103は、各種の制御変数及び操作パネル19により設定されたコピー枚数などを一時記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0058】
ROM102には、コピー動作などの各種ジョブを実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0059】
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0060】
また、主制御部101aは、操作パネル19から利用者の操作を受け付ける。利用者の操作がスキャンtoサーバーの指示である場合、主制御部101aは、スキャナー制御回路107に対して、原稿の読み取りを実行させ、スキャンデータを生成し、ネットワーク通信回路106に、生成したスキャンデータを、ネットワーク2に接続されているサーバー装置に対して送信させる。ここで、サーバー装置は、一例として、検査装置4である。
【0061】
画像メモリ104は、プリントジョブ等の画像データを一時的に記憶する。
【0062】
画像処理回路105は、例えば、イメージリーダー11で得られたR、G、Bの各色成分のスキャンデータに対して、各種のデータ処理を施して、Y、M、C、Kの各再現色の画像データに変換する。
【0063】
ネットワーク通信回路106は、ネットワーク2を介して、外部端末装置からプリントジョブを受け付ける。また、ネットワーク通信回路106は、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して、スキャンデータを送信する。
【0064】
スキャナー制御回路107は、イメージリーダー11を制御し、原稿の画像の読み取り動作を実行させる。
【0065】
ここで、イメージリーダー11により読み取られる原稿は、一例として、図3に示す領収書301である。領収書301には、タイトル302、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307、発行者の所在地308、発行者を示す発行者名309等が記載されている。なお、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307及び発行者の所在地308を、発行者の事業に係る記載情報と呼ぶ場合がある。
【0066】
1.3 検査装置4
検査装置4は、図4に示すように、CPU401、ROM402、RAM403、ネットワーク通信回路406、記憶回路410等から構成されている。
【0067】
RAM403は、CPU401によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0068】
ROM402には、検査装置4が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0069】
CPU401は、ROM402に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0070】
CPU401、ROM402及びRAM403は、主制御部401aを構成している。
【0071】
CPU401が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部401aは、記憶回路410及びネットワーク通信回路406等を統一的に制御する。また、CPU401が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部401aは、統括制御部411、切出部412、文字認識部413、項目判断部414、検索部415、判定部416及び生成部417を構成している。
【0072】
(1)記憶回路410
記憶回路410は、図4に示すように、スキャンデータ421、タイトル422、発行番号423、発行日424、宛先名425、金額426、ただし書き427、所在地428、発行者名429、評価値431等を記憶するための領域を備えている。また、記憶回路410は、適正金額テーブル441を予め記憶している。
【0073】
スキャンデータ421は、画像形成装置3において、一例として、図3に示す領収書301を、読み取ることにより、生成されたスキャンデータである。
【0074】
タイトル422、発行番号423、発行日424、宛先名425、金額426、ただし書き427、所在地428及び発行者名429は、スキャンデータ421に対して、文字認識処理を施して、抽出された文字データである。タイトル422、発行番号423、発行日424、宛先名425、金額426、ただし書き427、所在地428及び発行者名429は、それぞれ、図3に示す領収書301に記載されたタイトル302、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307、所在地308及び発行者名309に対応している。
【0075】
評価値431は、領収書301に対する不正な改ざん等の度合いを示す値であり、「0」~「100」の間の値を取る。評価値431が高いほど、領収書301に対する不正な改ざん等の度合いは、低く、評価値431が低いほど、領収書301に対する不正な改ざん等の度合いは、高い。なお、逆にしてもよい。つまり、評価値431が高いほど、領収書301に対する不正な改ざん等の度合いは、高く、評価値431が低いほど、領収書301に対する不正な改ざん等の度合いは、低い、としてもよい。
【0076】
適正金額テーブル441は、図4に示すように、複数の適正金額情報444を含んでいる。各適正金額情報444は、業種番号442及び適正金額範囲443からなる。
【0077】
業種番号は、領収書の発行者が属する業種を識別する識別番号である。例えば、業種番号「1」は、文房具を販売する業種を識別し、業種番号「2」は、印刷物を製作し販売する業種を識別し、業種番号「3」は、サービスとして飲食を提供するサービス業を識別する。
【0078】
適正金額範囲443は、対応する業種番号442により識別される業種において、1枚の領収書により支払われるべき適正な金額の範囲を示す。領収書に記載された金額がこの適正金額範囲443内に収まれば、その金額は、当該業種において、支払われる際に、妥当であると考えられる。一方、領収書に記載された金額がこの適正金額範囲443内に収まらない場合には、その金額は、改ざんされた可能性がある。
【0079】
(2)統括制御部411、切出部412、文字認識部413、項目判断部414、検索部415、判定部416及び生成部417
(統括制御部411)
統括制御部411は、切出部412、文字認識部413、項目判断部414、検索部415、判定部416及び生成部417を統一的に制御する。
【0080】
また、統括制御部411は、画像形成装置3から、ネットワーク2及びネットワーク通信回路406を介して、スキャンデータを受信する。統括制御部411は、受信したスキャンデータを、スキャンデータ421として、記憶回路410に書き込む。
【0081】
また、統括制御部411は、記憶回路410から評価値431を読み出すことにより、生成部417から、評価結果として評価値を受け取る。評価値を受け取ると、統括制御部411は、ネットワーク2を介して、記憶回路410に記憶されているスキャンデータと受け取った評価値(評価結果)とを、精算装置7に対して、送信するように、ネットワーク通信回路406(出力手段)を制御する。ネットワーク通信回路406は、評価値(評価結果)を出力する。
【0082】
(切出部412及び文字認識部413)
切出部412は、統括制御部411の制御により、記憶回路410からスキャンデータ421を読み出す。次に、切出部412は、読み出したスキャンデータから、文字等が集合した部分画像データを切り出す。この結果、図3に示す領収書301に記載されたタイトル302、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307、所在地308及び発行者名309をそれぞれ表した複数の部分画像データが切り出される。
【0083】
次に、切出部412は、切り出した複数の部分画像データを文字認識部413に対して、出力する。
【0084】
文字認識部413(抽出手段)は、以下に示すようにして、複数の部分画像データの各々から、領収書の記載情報を抽出する。
【0085】
文字認識部413は、切出部412から、複数の部分画像データを受け取る。
【0086】
文字認識部413は、受け取った複数の部分画像データの各々に対して、文字認識処理を施して、文字データを生成する。この結果、図3に示す領収書301に記載されたタイトル302、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307、所在地308及び発行者名309をそれぞれ表した複数の文字データが生成される。ここで、発行番号303、発行日304、宛先名305、金額306、ただし書き307、所在地308及び発行者名309は、領収書の記載情報である。また、発行番号303、発行日304、金額306、ただし書き307、所在地308は、領収書の発行者の事業に係る事業情報である。
【0087】
次に、文字認識部413は、生成した複数の文字データを項目判断部414に対して、出力する。
【0088】
なお、文字認識部413は、必ず、複数の部分画像データの各々から、領収書の記載情報を抽出できるとは、限らない。文字認識部413がタイトル、発行日、宛先名、金額、ただし書き、所在地及び発行者名等を抽出できない場合もある。例えば、領収書にそれぞれの記載がなく、又は、領収書のそれぞれの記載が不鮮明である場合には、文字認識部413は、文字データを抽出できない。このような場合、文字認識部413は、抽出できた文字データのみを出力する。
【0089】
(項目判断部414)
項目判断部414(特定手段)は、以下に示すようにして、領収書の記載情報から、領収書に記載されたタイトル、発行番号、発行日、宛先名、金額、ただし書き、所在地及び発行者名等を特定する。つまり、項目判断部414は、発行者を特定し、発行者の事業に係る事業情報を特定する。
【0090】
項目判断部414は、文字認識部413から、複数の文字データを受け取る。
【0091】
項目判断部414は、受け取った複数の文字データの各々が、領収書に記載されたタイトル、発行番号、発行日、宛先名、金額、ただし書き、所在地及び発行者名のいずれであるか、つまり、文字データの種別を判断する。
【0092】
例えば、項目判断部414は、受け取った文字データが「領収書」であれば、タイトルと判断する。項目判断部414は、受け取った文字データに、「No.」が含まれれば、発行日と判断する。項目判断部414は、受け取った文字データに、「様」が含まれれば、宛先名と判断する。項目判断部414は、受け取った文字データに、「¥」が含まれれば、金額と判断する。項目判断部414は、受け取った文字データに、「但」が含まれれば、ただし書きと判断する。項目判断部414は、受け取った文字データに、「都」、「道」、「府」、「県」、「市」、「区」、「町」等が含まれれば、所在地と判断する。項目判断部414は、受け取った文字データが、所在地と判断された文字データに近接して存在していれば、発行者名と判断する。このようにして、項目判断部414は、文字データから、タイトル、発行日、宛先名、金額、ただし書き、所在地及び発行者名等の種別を特定する。
【0093】
項目判断部414は、特定結果として、文字データの種別に対応付けて、文字データ422~429を記憶回路410に書き込む。
【0094】
図5に、一例として、記憶回路410に書き込まれた、文字データの種別に対応付けられた、文字データ452~459を示す。
【0095】
文字データ452「領収書」の種別は、タイトルであり、文字データ453「No.0123」の種別は、発行番号であり、文字データ454「令和2年10月12日」の種別は、発行日であり、文字データ455「鈴木一郎 様」の種別は、宛先名である。文字データ456「¥1、500」の種別は、金額であり、文字データ457「但 文房具代として」の種別は、ただし書きであり、文字データ458「東京都東北区南町1丁目2-1」の種別は、所在地であり、文字データ459「アイウエ株式会社」の種別は、発行者名である。
【0096】
項目判断部414は、特定結果として、発行者名の種別に対応付けた文字データを検索部415に対して、出力する。
【0097】
なお、項目判断部414は、文字データから、タイトル、発行日、宛先名、金額、ただし書き、所在地及び発行者名等の種別を特定できない場合もある。上記の通り、例えば、領収書にそれぞれの種別に応じた記載がなく、又は、領収書の記載が不鮮明であり、文字認識部413により、文字データを抽出できない場合である。発行者名の種別を特定できた場合、項目判断部414は、特定できたことを示す結果と発行者名の種別に対応付けた文字データとを、特定結果として、出力する。発行者名の種別を特定できなかった場合、項目判断部414は、特定できなかったことを示す結果を、特定結果として、出力する。
【0098】
(検索部415、判定部416及び生成部417)
検索部415、判定部416及び生成部417は、評価手段を構成しており、評価手段は、項目判断部414による特定結果及び領収書の記載情報に基づいて、前記領収書の改ざんの可能性を評価する。
【0099】
(a)検索部415
検索部415(取得手段)は、以下に示すようにして、領収書の発行者に対応して、当該発行者の事業に係る事業情報を記憶しているデータベース(後述する)から、抽出した名称の発行者に対応する事業情報を取得する。
【0100】
検索部415は、項目判断部414から、発行者名の種別に対応付けた文字データ(以下、発行者名と呼ぶ。)を受け取る。
【0101】
次に、検索部415は、ネットワーク2を介して、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に対して、発行者名及び発行者名の検索指示を送信するように、ネットワーク通信回路406を制御する。
【0102】
次に、検索部415は、国税庁サーバー装置5からは、ネットワーク2及びネットワーク通信回路406を介して、検索指示に対する検索結果を受信する。ここで、検索結果は、発行者名が国税庁サーバー装置5の後述する法人情報テーブル521内に存在するか否か、及び、存在する場合、その所在地及び業種を含む。
【0103】
一方、検索部415は、マップサーバー装置6からは、ネットワーク2及びネットワーク通信回路406を介して、検索指示に対する検索結果を受信する。ここで、検索結果は、発行者名がマップサーバー装置6の後述する施設情報テーブル641内に存在するか否か、及び、存在する場合、その所在地及び業種を含む。
【0104】
次に、検索部415は、検索結果を判定部416に対して、出力する。
【0105】
(b)判定部416
判定部416(比較手段)は、以下に示すようにして、領収書をスキャンして得られたた画像から抽出した事業情報と、上記データベースから取得した事業情報とを比較する。
【0106】
判定部416(比較手段)は、検索部415から、検索結果を受け取る。
【0107】
判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否か、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断する。
【0108】
また、判定部416は、検索結果に含まれる業種を示す業種番号に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得する。次に、判定部416は、記憶回路410の金額426から、金額を種別とする文字データ(以下、金額と呼ぶ。)を読み出す。次に、判定部416は、読み出した金額が、適正金額テーブル441から取得した適正金額範囲内に収まるか否かを判断する。
【0109】
次に、判定部416は、判断結果を生成部417に対して、出力する。
【0110】
(c)生成部417
生成部417(生成手段)は、以下に示すようにして、判定部416から判断結果(比較結果)に基づいて、評価結果として、領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成する。
【0111】
生成部417(生成手段)は、判定部416から判断結果を受け取る。
【0112】
次に、生成部417は、領収書に記載の発行者が存在するか否かの判断結果、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かの判断結果、及び、読み出した金額が適正金額範囲内に収まるか否かの判断結果に応じて、領収書に対する評価値を生成する。評価値の生成の詳細については、後述する。
【0113】
次に、生成部417は、生成した評価値を、記憶回路410に評価値431として書き込むことにより、統括制御部411に対して、出力する。
【0114】
(d)上記において、項目判断部414は、特定手段を構成し、検索部415、判定部416及び生成部417は、評価手段を構成するとしているが、これには、限定されない。
【0115】
項目判断部414及び検索部415は、特定手段を構成し、判定部416及び生成部417は、評価手段を構成してもよい。
【0116】
項目判断部414及び検索部415からなる特定手段は、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に対する検索の結果、得られた、発行者名が各サーバー装置のデータベースに存在するか否かを示す特定結果を出力してもよい。
【0117】
ここで、特定結果は、発行者名が各サーバー装置のデータベースに存在することを示す場合、さらに、検索により得られたその他のデータを含むとしてもよい。
【0118】
1.4 国税庁サーバー装置5
国税庁サーバー装置5は、国税庁により、又は、国税庁により委託された公的な機関により、設置されている。
【0119】
国税庁サーバー装置5は、図6に示すように、CPU501、ROM502、RAM503、ネットワーク通信回路506、記憶回路510等から構成されている。
【0120】
RAM503は、CPU501によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0121】
ROM502には、国税庁サーバー装置5が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0122】
CPU501は、ROM502に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0123】
CPU501、ROM502及びRAM503は、主制御部501aを構成している。
【0124】
CPU501が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部501aは、記憶回路510及びネットワーク通信回路506等を統一的に制御する。また、CPU501が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部501aは、統括制御部511及び検索部512を構成している。
【0125】
(1)記憶回路510
記憶回路510は、図6に示すように、予め、法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)を記憶している。
【0126】
法人情報テーブル521は、複数の法人情報522を含んでいる。各法人情報522は、法人番号523、法人名524、所在地525及び業種526等からなる。
【0127】
なお、法人番号523、所在地525及び業種526を、法人に対する事業情報と呼ぶ場合がある。
【0128】
法人番号523は、法人を識別するための識別番号である。
【0129】
法人名524は、法人を示す名称である。ここで、法人を事業者、法人名を事業者名と呼ぶ場合がある。
【0130】
所在地525は、法人が存在する居所を示す。
【0131】
業種526は、法人が属する業種を示す。
【0132】
このように、法人情報テーブル521は、法人に関する情報を記憶している。しかし、これには、限定されない。法人ではない自然人又は法人ではない組織等に関する情報を記憶している、としてもよい。
【0133】
(2)統括制御部511及び検索部512
(統括制御部511)
統括制御部511は、検索部512を制御する。
【0134】
また、統括制御部511は、検査装置4から、ネットワーク2及びネットワーク通信回路506を介して、発行者名及び発行者名の検索指示を受信する。統括制御部511は、受信した発行者名を検索部512に対して出力する。
【0135】
また、統括制御部511は、検索部512から、検索結果を受け取る。検索結果については、後述する。検索結果を受け取ると、統括制御部511は、ネットワーク2を介して、検索結果を、検査装置4に対して、送信するように、ネットワーク通信回路506を制御する。
【0136】
(検索部512)
検索部512は、統括制御部511から、発行者名を受け取る。
【0137】
発行者名を受け取ると、検索部512は、法人情報テーブル521内で、受け取った発行者名と一致する法人名を検索する。
【0138】
受け取った発行者名と一致する法人名が法人情報テーブル521内に存在しない場合、検索部512は、受け取った発行者名が存在しない旨の検索結果を生成する。
【0139】
一方、受け取った発行者名と一致する法人名が法人情報テーブル521内に存在する場合、検索部512は、法人情報テーブル521から、受け取った発行者名と一致する法人名に対応する所在地及び業種を抽出する。次に、検索部512は、受け取った発行者名が存在する旨、抽出した所在地及び業種を含む検索結果を生成する。
【0140】
検索部512は、上記のようにして生成した検索結果を、統括制御部511に対して、出力する。
【0141】
1.5 マップサーバー装置6
マップサーバー装置6は、主として、スマートフォン等の携帯端末に対して、地図情報を送るためのサーバー装置である。また、以下に説明するように、検査装置4から領収書の発行者名及び発行者名の検索指示を受け取ると、発行者名の検索を行って、その検索結果を検査装置4に対して、送信する。
【0142】
マップサーバー装置6は、図7に示すように、CPU601、ROM602、RAM603、ネットワーク通信回路606、記憶回路610等から構成されている。
【0143】
RAM603は、CPU601によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0144】
ROM602には、マップサーバー装置6が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0145】
CPU601は、ROM602に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0146】
CPU601、ROM602及びRAM603は、主制御部601aを構成している。
【0147】
CPU601が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部601aは、記憶回路610及びネットワーク通信回路606等を統一的に制御する。また、CPU601が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部601aは、統括制御部611及び検索部612を構成している。
【0148】
(1)記憶回路610
記憶回路610は、図7に示すように、予め、マップ情報621を記憶している。マップ情報621は、地形情報テーブル631、施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)、道路鉄道情報テーブル651等を含んでいる。
【0149】
地形情報テーブル631は、海と陸との境界を示す境界線及び国と国との境界を示す国境線の形状及び位置、河川の形状及び位置、等高線の形状及び位置等を含むデータテーブルである。位置は、緯度及び経度により示される。
【0150】
道路鉄道情報テーブル651は、国土内に配置されている道路及び鉄道の路線の形状及び位置を含むデータテーブルである。位置は、緯度及び経度により示される。
【0151】
施設情報テーブル641は、国土内に設置されている施設の位置等を含むデータテーブルである。位置は、緯度及び経度により示される。
【0152】
施設情報テーブル641は、複数の施設情報642を含んでいる。各施設情報642は、施設番号643、施設名644、所在地645、位置情報646及び業種647等からなる。
【0153】
なお、施設番号643、所在地645、位置情報646及び業種647を施設に対する事業情報と呼ぶ場合がある。
【0154】
施設番号643は、施設を識別するための識別番号である。
【0155】
施設名644は、施設を示す名称である。ここで、施設を事業者、施設名を事業者名と呼ぶ場合がある。
【0156】
所在地645は、施設が存在する居所を示す。
【0157】
位置情報646は、施設が存在する位置を、緯度及び経度により示す。
【0158】
業種647は、施設に入居する法人が属する業種を示す。
【0159】
(2)統括制御部611及び検索部612
(統括制御部611)
統括制御部611は、検索部612を制御する。
【0160】
また、統括制御部611は、検査装置4から、ネットワーク2及びネットワーク通信回路606を介して、発行者名及び発行者名の検索指示を受信する。統括制御部611は、受信した発行者名を検索部612に対して出力する。
【0161】
また、統括制御部611は、検索部612から、検索結果を受け取る。検索結果については、後述する。検索結果を受け取ると、統括制御部611は、ネットワーク2を介して、検索結果を、検査装置4に対して、送信するように、ネットワーク通信回路606を制御する。
【0162】
(検索部612)
検索部612は、統括制御部611から、発行者名を受け取る。
【0163】
発行者名を受け取ると、検索部612は、施設情報テーブル641内で、受け取った発行者名と一致する施設名を検索する。
【0164】
受け取った発行者名と一致する施設名が施設情報テーブル641内に存在しない場合、検索部612は、受け取った発行者名が存在しない旨の検索結果を生成する。
【0165】
一方、受け取った発行者名と一致する施設名が施設情報テーブル641内に存在する場合、検索部612は、施設情報テーブル641から、受け取った発行者名と一致する施設名に対応する所在地及び業種を抽出する。次に、検索部612は、受け取った発行者名が存在する旨、抽出した所在地及び業種を含む検索結果を生成する。
【0166】
検索部612は、上記のようにして生成した検索結果を、統括制御部611に対して、出力する。
【0167】
1.6 精算装置7
精算装置7は、図8に示すように、CPU701、ROM702、RAM703、ネットワーク通信回路706、記憶回路710等から構成されている。
【0168】
RAM703は、CPU701によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0169】
ROM702には、精算装置7が有する機能を実行させるための制御プログラムなどが格納されている。
【0170】
CPU701は、ROM702に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0171】
CPU701、ROM702及びRAM703は、主制御部701aを構成している。
【0172】
CPU701が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部701aは、記憶回路710及びネットワーク通信回路706等を統一的に制御する。また、CPU701が、制御プログラムに従って動作することにより、主制御部701aは、統括制御部711及び精算処理部712を構成している。
【0173】
(1)記憶回路710
記憶回路710は、図8に示すように、スキャンデータ721、評価値723及び判定結果724を記憶するための領域を備えている。
【0174】
スキャンデータ721は、検査装置4から送信されたスキャンデータである。
【0175】
評価値723は、検査装置4から送信された評価値である。
【0176】
判定結果724は、検査装置4から送信された評価値に基づいて決定され、領収書301に対する不正な改ざん等がされたか否かを示す。
【0177】
(2)統括制御部711及び精算処理部712
(統括制御部711)
統括制御部711は、精算処理部712を制御する。
【0178】
また、統括制御部611は、検査装置4から、ネットワーク2及びネットワーク通信回路706を介して、スキャンデータ及び評価値を受信する。統括制御部611は、受信したスキャンデータ及び評価値を、スキャンデータ721及び評価値723として、記憶回路710に書き込む。統括制御部611は、受信した評価値を、精算処理部712に対して、出力する。
【0179】
また、統括制御部711は、精算処理部712から、判定結果を受け取る。判定結果が領収書301に対する不正な改ざん等がされていることを示す場合、統括制御部711は、ネットワーク通信回路706及びネットワーク2を介して、経理担当者が操作する情報処理端末に対して、領収書に不正の改ざん等がなされている可能性がある旨の警告メッセージを出力する。
【0180】
(精算処理部712)
精算処理部712は、統括制御部611から、評価値を受け取る。
【0181】
評価値を受け取ると、精算処理部712は、受け取った評価値と閾値とを比較する。ここで、閾値は、一例として、「75」である。
【0182】
精算処理部712は、受け取った評価値が閾値以上である場合、領収書に不正の改ざん等がされていない旨の判定結果を生成する。この場合、精算処理部712は、領収書による精算処理を行なう。
【0183】
一方、精算処理部712は、受け取った評価値が閾値未満である場合、領収書に不正の改ざん等がされている可能性がある旨の判定結果を生成する。精算処理部712は、判定結果を統括制御部711に対して、出力する。
【0184】
1.7 検査システム1における動作
検査システム1における動作について、図9図11に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0185】
画像形成装置3のイメージリーダー11は、領収書をスキャンしてスキャンデータを生成する(ステップS101)。次に、ネットワーク通信回路106は、スキャンデータを、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して、送信する(ステップS102)。
【0186】
検査装置4のネットワーク通信回路406は、スキャンデータを受信する(ステップS102)。切出部412は、スキャンデータから部分画像データを切り出し、文字認識部413は、部分画像データから文字データを認識して抽出する(ステップS103)。項目判断部414は、抽出された文字データから、発行者名を特定する(ステップS104)。
【0187】
検索部415は、発行者名及び検索指示を、ネットワーク通信回路406及びネットワーク2を介して、国税庁サーバー装置5に対して送信する(ステップS105~S106)。
【0188】
国税庁サーバー装置5のネットワーク通信回路506は、検査装置4から、ネットワーク2を介して、発行者名及び検索指示を受信する(ステップS106)。検索部512は、法人情報テーブル521から、発行者名に一致する法人名を検索して、検索結果を生成する(ステップS107)。ネットワーク通信回路506は、検索結果を、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して送信する(ステップS108)。
【0189】
検査装置4のネットワーク通信回路406は、ネットワーク2を介して、国税庁サーバー装置5から検索結果を受信する(ステップS108)。判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否か、及び、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断する(ステップS109)。
【0190】
領収書に記載の発行者が存在し、かつ、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致すると判断する場合(ステップS109で「YES」)、判定部416は、検索結果から業種を取得する(ステップS110)。次に、判定部416は、領収書に記載された金額を、記憶回路410から読み出すことにより、取得する(ステップS111)。次に、判定部416は、取得した業種を識別する業種番号に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得する(ステップS112)。次に、判定部416は、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まるか否かを判断する(ステップS113)。
【0191】
判定部416により、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まると判断される場合(ステップS113で「YES」)、生成部417は、評価値「100」を生成する(ステップS114)。一方、判定部416により、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まらないと判断される場合(ステップS113で「NO」)、生成部417は、評価値「80」を生成する(ステップS115)。
【0192】
統括制御部411は、スキャンデータと評価値とを、ネットワーク通信回路406及びネットワーク2を介して、精算装置7に対して送信する(ステップS116~S117)。
【0193】
精算装置7のネットワーク通信回路706は、検査装置4から、ネットワーク2を介して、スキャンデータと評価値とを受信し(S117)、受信したスキャンデータと評価値とを記憶回路710に書き込む(ステップS118)。
【0194】
精算処理部712は、受け取った評価値が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS119)。
【0195】
受け取った評価値が閾値以上である場合(ステップS119で「YES」)、精算処理部712は、領収書に不正の改ざん等がされていない旨の判定結果を生成し、領収書による精算処理を行なう(ステップS120)。これにより、一連の処理を終了する。
【0196】
一方、受け取った評価値が閾値未満である場合(ステップS119で「NO」)、精算処理部712は、領収書に不正の改ざん等がされている可能性がある旨の判定結果を生成し、統括制御部711は、ネットワーク通信回路706及びネットワーク2を介して、経理担当者が操作する情報処理端末に対して、領収書に不正の改ざん等がなされている可能性がある旨の警告メッセージを出力する(ステップS121)。これにより、一連の処理を終了する。
【0197】
検索結果により、領収書に記載の発行者が存在しないと判断する場合(ステップS109で「NO」)、検索部415は、発行者名及び検索指示を、ネットワーク通信回路406及びネットワーク2を介して、マップサーバー装置6に対して送信する(ステップS131~S132)。
【0198】
マップサーバー装置6のネットワーク通信回路606は、検査装置4から、ネットワーク2を介して、発行者名及び検索指示を受信する(ステップS132)。検索部512は、施設情報テーブル641から、発行者名に一致する施設名を検索して、検索結果を生成する(ステップS133)。ネットワーク通信回路606は、検索結果を、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して送信する(ステップS134)。
【0199】
検査装置4のネットワーク通信回路406は、ネットワーク2を介して、マップサーバー装置6から検索結果を受信する(ステップS134)。判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断する(ステップS135)。領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致すると判断する場合(ステップS135で「YES」)、統括制御部411は、制御をステップS110へ移し、処理を続行する。
【0200】
領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致しないと判断する場合(ステップS135で「NO」)、判定部416は、領収書に記載のただし書きから業種を取得する(ステップS141)。次に、判定部416は、領収書に記載された金額を、記憶回路410から読み出すことにより、取得する(ステップS142)。次に、判定部416は、取得した業種を識別する業種番号に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得する(ステップS143)。次に、判定部416は、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まるか否かを判断する(ステップS144)。
【0201】
判定部416により、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まると判断される場合(ステップS144で「YES」)、生成部417は、評価値「80」を生成する(ステップS145)。一方、判定部416により、領収書に記載された金額が、取得した適正金額範囲内に収まらないと判断される場合(ステップS144で「NO」)、生成部417は、評価値「20」を生成する(ステップS146)。
【0202】
統括制御部411は、スキャンデータと評価値とを、ネットワーク通信回路406及びネットワーク2を介して、精算装置7に対して送信する(ステップS147~S148)。次に、制御がステップS118に移り、精算装置7による処理が続行される。
【0203】
以上により、検査システム1における動作の説明を終了する。
【0204】
1.8 まとめ
上記の実施の形態によると、検査装置4は、領収書主面から読み取った画像から、当該領収書を発行した発行者の名称及び当該発行者の事業に係る記載情報を抽出し、発行者に対応して、当該発行者の事業の係る事業情報を記憶しているデータベースから、抽出した発行者の名称に対応する事業情報を取得し、画像から抽出した記載情報とデータベースから取得した事業情報とを比較し、比較結果に基づいて、領収書の改ざんの程度を示す評価値を生成し、生成された評価値を出力する。
【0205】
これにより、紙の領収書が保管されている場合であっても、経理担当者による紙の領収書の不正チェック作業を軽減できるという優れた効果を奏する。
【0206】
2 その他の変形例
本開示について、上記の実施の形態に基づいて説明しているが、上記の実施の形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
【0207】
(1)上述したように、検査装置4の検索部415は、発行者名及び検索指示を国税庁サーバー装置5に対して送信する。国税庁サーバー装置5の検索部512は、法人情報テーブル521から、発行者名に一致する法人名を検索して、検索結果を生成し、検索結果を、検査装置4に送信する。検査装置4の判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否か、及び、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断する。
【0208】
しかし、これには、限定されない。
【0209】
判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否かのみを判断してもよい。判定部416は、発行者が存在しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、発行者が存在しない場合、評価値を、発行者が存在する場合より低く設定してもよい。
【0210】
また、判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かをのみ判断してもよい。判定部416は、一致しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、一致しない場合、評価値を、一致する場合より低く設定してもよい。
【0211】
(2)上述したように、判定部416は、国税庁サーバー装置5から送信された検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否か、及び、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断し、発行者が存在しない場合、検索部415は、マップサーバー装置6に対して、検索指示を送信する。
【0212】
しかし、この方法には、限定されない。
【0213】
検索部415は、国税庁サーバー装置5に対して、発行者名及び発行者名の検索指示を送信することなく、マップサーバー装置6に対して、発行者名及び発行者名の検索指示を送信し、判定部416は、マップサーバー装置6から受信した検索結果のみを用いて、領収書の発行者が存在するか否かを判断してもよい。
【0214】
(3)検索部415は、発行者名及び発行者名の検索指示をマップサーバー装置6に対して送信する。マップサーバー装置6の検索部512は、施設情報テーブル641から、発行者名に一致する施設名を検索して、検索結果を生成し、検索結果を、ネットワーク2を介して、検査装置4に対して送信する。検査装置4の判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かを判断する。
【0215】
しかし、これには、限定されない。
【0216】
判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の発行者が存在するか否かのみを判断してもよい。判定部416は、発行者が存在しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、発行者が存在しない場合、評価値を、発行者が存在する場合より低く設定してもよい。
【0217】
また、判定部416は、受け取った検索結果を用いて、領収書に記載の所在地が検索結果に含まれる所在地に一致するか否かをのみ判断してもよい。判定部416は、一致しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、一致しない場合、評価値を、一致する場合より低く設定してもよい。
【0218】
(4)上述したように、判定部416は、検索結果から業種を取得する。次に、判定部416は、取得した業種を識別する業種番号に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得する。
【0219】
しかし、これには限定されない。
【0220】
法人情報テーブル521は、法人情報毎に、さらに、その法人が取り扱う商品又はサービスを特定する商品名又はサービス名を記憶していてもよい。検索部512は、商品名又はサービス名を含む検索結果を送信してもよい。
【0221】
また、施設情報テーブル641は、施設情報毎に、さらに、その施設が取り扱う商品又はサービスを特定する商品名又はサービス名を記憶していてもよい。検索部612は、商品名又はサービス名を含む検索結果を送信してもよい。
【0222】
適正金額テーブル441は、商品名又はサービス名に対応して、適正金額範囲を記憶していてもよい。判定部416は、検索結果から商品名又はサービス名を取得し、取得した商品名又はサービス名に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得してもよい。
【0223】
また、判定部416は、領収書のただし書きから、業種、商品名又はサービス名を取得し、取得した業種、商品名又はサービス名に対応する適正金額範囲を、適正金額テーブル441から取得してもよい。
【0224】
また、判定部416は、領収書のただし書きから、取得した業種、商品名又はサービス名と、国税庁サーバー装置5(又は、マップサーバー装置6)から取得した業種、商品名又はサービス名とがそれぞれ一致するか否かを判断してもよい。判定部416は、一致しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、一致しない場合、評価値を、一致する場合より低く設定してもよい。
【0225】
(5)経理担当者は、精算装置7が検査装置4から受信した評価結果及びスキャンデータを目視して、領収書に不正の改ざんがされているか否かを判断してもよい。
【0226】
(6)精算装置7の統括制御部711は、同一内容の複数の領収書のスキャンデータを所定数以上、受信した場合に、それらの領収書について、領収書に不正の改ざんがされていると判断してもよい。また、それらの領収書について、所定の閾値以下の評価値を設定してもよい。
【0227】
精算装置7の統括制御部711は、所定の期間(例えば、1カ月間)に、同一内容の複数の領収書のスキャンデータを所定数以上、受信した場合に、それらの領収書について、領収書に不正の改ざんがされていると判断してもよい。また、それらの領収書について、所定の閾値以下の評価値を設定してもよい。
【0228】
精算装置7の統括制御部711は、所定の期間(例えば、1カ月間)に、同一宛先が記載された複数の領収書のスキャンデータを受信した場合に、それらの領収書に記載の金額を合計する。次に、統括制御部711は、合計金額が、所定の金額以上であれば、領収書に不正の改ざんがされているかと判断してもよい。また、それらの領収書について、所定の閾値以下の評価値を設定してもよい。
【0229】
(7)領収書のただし書きに記載の品目が飲食である場合、又は、領収書の発行者の業種が飲食提供サービスである場合、判定部416は、一人当たりの適正金額範囲に、飲食のサービスの提供を受けた人数を乗じて、合計の金額範囲を算出してもよい。判定部416は、領収書に記載された金額が、算出された合計の金額範囲内に収まるか否かを判断してもよい。
【0230】
この場合、領収書のただし書きには、飲食のサービスの提供を受けた人数が記載されており、検査装置4は、領収書のただし書きから、飲食のサービスの提供を受けた人数を抽出してもよい。
【0231】
(8)経理担当者は、目視により正しいと判断した領収書に記載の金額を、その発行者の業種に対応する適正金額範囲に反映してもよい。つまり、精算装置7の統括制御部711は、経理担当者から正しいと判断された領収書に記載の金額及びその発行者の業種を示す業種番号を受け付け、受け付けた金額及び業種番号に基づいて、適正金額テーブル441の適正金額情報を更新してもよい。
【0232】
また、精算装置7の統括制御部711は、過去に正しいと判断された複数の領収書に記載の金額から、適正金額範囲を算出し、算出した適正金額範囲を用いて、適正金額テーブル441の適正金額情報を更新してもよい。
【0233】
(9)画像形成装置は、図1に示すプリンター12及び給紙部13を備えておらず、図1に示すイメージリーダー11を備える画像読取装置であるとしてもよい。
【0234】
(10)画像形成装置3又は画像読取装置は、検査装置4が有する機能を備えるとしてもよい。つまり、画像形成装置3又は画像読取装置は、検査装置4が有する切出部412、文字認識部413、項目判断部414、検索部415、判定部416及び生成部417を有するとしてもよい。また、画像形成装置3又は画像読取装置は、適正金額テーブル441を有するとしてもよい。
【0235】
画像形成装置3又は画像読取装置は、領収書主面から読み取ったスキャンデータから文字データを認識して抽出する。画像形成装置3又は画像読取装置は、認識により得られた文字データのうち、領収書の発行者を示す発行者名を、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に送信して、その発行者名により示される発行者が存在するか否かを確認する。また、画像形成装置3又は画像読取装置は、領収書に記載された金額が所定の適正金額範囲内に収まるか否かを判断する。画像形成装置3又は画像読取装置は、発行者が存在するか否か、及び、領収書に記載された金額が所定の適正金額範囲内に収まるか否かにより、領収書に対する不正な改ざん等の度合いを示す評価値を生成する。画像形成装置3又は画像読取装置は、スキャンデータと評価値とを精算装置7に対して、送信する。
【0236】
(11)検査装置4は、法人情報テーブル521、施設情報テーブル641、又は、法人情報テーブル521及び施設情報テーブル641を記憶していてよい。検査装置4は、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に対して、発行者名及び検索指示を送信することなく、検査装置4の検索部415は、検査装置4が記憶している法人情報テーブル521、施設情報テーブル641、又は、法人情報テーブル521及び施設情報テーブル641から、発行者名に一致する法人名又は施設名を検索し、法人情報テーブル521及び施設情報テーブル641から、法人情報又は施設情報を取得してもよい。
【0237】
この場合、検査装置4が記憶している法人情報テーブル521又は施設情報テーブル641は、適正金額テーブル441と一体化していてもよい。つまり、法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)に含まれる各法人情報は、法人番号、法人名、所在地、業種及びこの業種に対応する適正金額範囲を含むとしてもよい。また、施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)に含まれる各施設情報は、施設番号、施設名、所在地、位置情報、業種及びこの業種に対応する適正金額範囲を含むとしてもよい。
【0238】
この場合、判定部416は、取得した業種を識別する業種番号に対応する適正金額範囲を、法人情報テーブル521又は施設情報テーブル641から取得する。
【0239】
(12)国税庁サーバー装置5が記憶している法人情報テーブル521又はマップサーバー装置6が記憶している施設情報テーブル641は、適正金額テーブル441と一体化していてもよい。つまり、法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)に含まれる各法人情報は、法人番号、法人名、所在地、業種及びこの業種に対応する適正金額範囲を含むとしてもよい。また、施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)に含まれる各施設情報は、施設番号、施設名、所在地、位置情報、業種及びこの業種に対応する適正金額範囲を含むとしてもよい。この場合、検査装置4は、適正金額テーブル441を備えない、としてもよい。
【0240】
この場合、検査装置4は、取得した業種を識別する業種番号に対応する適正金額範囲を、国税庁サーバー装置5の法人情報テーブル521又はマップサーバー装置6の施設情報テーブル641から取得する。
【0241】
(13)領収書には、発行者の電話番号が記載されているとしてもよい。また、国税庁サーバー装置5が記憶している法人情報テーブル521は、法人番号に対応付けて法人の電話番号を含むとしてもよい。また、マップサーバー装置6が記憶している施設情報テーブル641は、施設番号に対応付けて施設の電話番号を含むとしてもよい。
【0242】
検査装置4は、領収書主面から読み取ったスキャンデータから文字データを認識して抽出する。文字データには、発行者の電話番号が含まれる。検査装置4は、認識により得られた文字データのうち、領収書の発行者の電話番号を、国税庁サーバー装置5又はマップサーバー装置6に送信して、その発行者の電話番号が法人情報テーブル521又は施設情報テーブル641に存在するか否かを確認してもよい。
【0243】
判定部416は、電話番号が存在しない場合、領収書が不正に改ざんされていると決定してもよい。また、判定部416は、電話番号が存在しない場合、評価値を、電話番号が存在する場合より低く設定してもよい。
【0244】
(14)項目判断部414(特定手段)は、事業情報として、発行者の所在地を特定してもよい。
【0245】
法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)又は施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)は、事業情報として、発行者の所在地を記憶していてもよい。
【0246】
検索部415(評価手段)は、上記のデータベースから、所在地を取得してもよい。判定部416(評価手段)は、抽出した所在地と、取得した所在地とを比較する。生成部417(評価手段)は、両者が一致する場合、所定値以上の評価値を生成し、両者が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する。
【0247】
(15)項目判断部414(特定手段)は、事業情報として、発行者の所在地及び領収書を発行した発行日を特定してもよい。
【0248】
法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)又は施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)は、事業情報として、発行者の所在地及び発行者の事業の存続期間を記憶していてもよい。存続期間は、事業を開始する(した)開始日(年月日)及び事業が終了する(した)終了日(年月日)を含む。事業が終了していない時点においては、終了日は、事業が終了する見込の日、又は、事業が存続していることを示す記号を含む。
【0249】
検索部415(評価手段)は、上記のデータベースから、所在地及び存続期間を取得してもよい。判定部416(評価手段)は、抽出した所在地と、取得した所在地とを比較し、抽出した発行日と、取得した存続期間とを比較する。生成部417(評価手段)は、両所在地が一致し、発行日が存続期間内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、両所在地が一致し、発行日が前記存続期間内に収まらない場合、又は、両所在地が一致しない場合、所定値未満の評価値を生成する。
【0250】
(16)領収書のただし書き欄には、当該領収書より領収された金額に対応する商品名又はサービス名が記載されている、としてもよい。
【0251】
項目判断部414(特定手段)は、事業情報として、領収書のただし書き欄に記載された商品名又はサービス名を特定してもよい。
【0252】
法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)又は施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)は、事業情報として、発行者の事業名を記憶していてもよい。
【0253】
検査装置4の記憶回路410は、商品名又はサービス名がどの事業に属するかを示す事業テーブルを記憶していてもよい。
【0254】
検索部415(評価手段)は、上記のデータベースから、事業名を取得してもよい。判定部416(評価手段)は、抽出した商品名又はサービス名と、取得した事業名とを比較する。生成部417(評価手段)は、上記の事業テーブルを参照して、抽出した商品名により示される商品又は抽出したサービス名により示されるサービスが、取得した事業名により示される事業に属する場合、所定値以上の評価値を生成し、属さない場合、所定値未満の評価値を生成する。
【0255】
(17)項目判断部414(特定手段)は、事業情報として、領収された金額を特定してもよい。
【0256】
法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)又は施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)は、事業情報として、前記事業情報として、当該事業について領収されるべき金額の範囲を記憶していてもよい。
【0257】
検索部415(評価手段)は、上記のデータベースから、金額の範囲を取得してもよい。判定部416(評価手段)は、抽出した金額と、取得した金額の範囲とを比較する。生成部417(評価手段)は、抽出した金額が取得した金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、抽出した金額が取得した金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成する。
【0258】
ここで、金額の範囲は、事業において取り扱われる商品又はサービスの対価の範囲である、としてもよい。
【0259】
また、金額の範囲は、事業について、過去に領収されるべき金額として適切と判断された金額から算出された金額の範囲である、としてもよい。
【0260】
また、金額の範囲は、事業について、過去に領収書の経理担当者(管理者)により、適切と判断された金額の範囲である、としてもよい。
【0261】
(18)項目判断部414(特定手段)は、1枚の領収書について、当該領収書の記載情報から発行者の名称及び記載情報を特定してもよい。
【0262】
生成部417(評価手段)は、上記1枚の領収書について、評価値を生成する。
【0263】
文字認識部413(抽出手段)は、所定期間内に発行され、同一の宛先が記載された複数枚の領収書の各主面から読み取った画像から、各領収書の記載情報を抽出してもよい。
【0264】
項目判断部414(特定手段)は、各記載情報から発行者の名称及び領収された金額を特定してもよい。
【0265】
法人情報テーブル521(データベース、記憶手段)又は施設情報テーブル641(データベース、記憶手段)は、事業情報として、所定期間内において、一の宛て先から当該事業において領収されるべき金額の範囲を記憶していてもよい。
【0266】
検索部415(評価手段)は、上記のデータベースから、金額の範囲を取得してもよい。判定部416(評価手段)は、抽出した複数の金額の合計額と、取得した金額の範囲とを対比してもよい。生成部417(評価手段)は、合計額が取得した金額の範囲内に収まる場合、所定値以上の評価値を生成し、合計額が取得した金額の範囲内に収まらない場合、所定値未満の評価値を生成する。
【0267】
(19)ネットワーク通信回路406(出力手段)は、領収書を管理する管理装置(例えば、図1に示す精算装置7)に対して、生成された評価結果を電子メールにより送信することにより、出力してもよい。
【0268】
また、検査装置4は、上述したように、記憶回路410(記憶部)を備えている。
【0269】
統括制御部411(出力手段)は、生成された評価結果を、ログとして、記憶回路410(記憶部)に書き込むことにより、出力してもよい。
【0270】
統括制御部411(出力手段)は、領収書主面から読み取った画像に評価結果を付加し、ネットワーク通信回路406(出力手段)は、精算装置7に対して、評価結果が付加された画像を出力してもよい。
【0271】
検査装置4は、さらに、液晶ディスプレイ(表示手段)を備えるとしてもよい。統括制御部411(出力手段)は、生成された評価結果を液晶ディスプレイに出力して表示させる。
【0272】
統括制御部411(出力手段)は、評価値が閾値以上の場合、領収書主面から読み取った画像を、領収書を管理する管理装置(例えば、図1に示す精算装置7)に対して出力し、評価値が閾値未満の場合、画像の出力を抑制してもよい。具体的には、評価値が閾値未満の場合、統括制御部411は、画像を出力しない、としてもよい。評価値が閾値未満の場合、画像の出力を抑制又は画像を出力しないことにより、不正な精算に必要のない画像が精算装置7に対して出力されることを防止できる。
【0273】
(20)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0274】
本開示に係る検査装置は、紙の領収書が保管されている場合であっても、経理担当者による紙の領収書の不正チェック作業を軽減できるという優れた効果を奏し、領収書を検査する技術として有用である。
【符号の説明】
【0275】
1 検査システム
2 ネットワーク
3 画像形成装置
4 検査装置
5 国税庁サーバー装置
6 マップサーバー装置
7 精算装置
11 イメージリーダー
12 プリンター
13 給紙部
100 制御回路
101 CPU
101a 主制御部
102 ROM
103 RAM
104 画像メモリ
105 画像処理回路
106 ネットワーク通信回路
107 スキャナー制御回路
108 入出力回路
109 プリンター制御回路
401 CPU
401a 主制御部
402 ROM
403 RAM
406 ネットワーク通信回路
410 記憶回路
411 統括制御部
412 切出部
413 文字認識部
414 項目判断部
415 検索部
416 判定部
417 生成部
501 CPU
501a 主制御部
502 ROM
503 RAM
506 ネットワーク通信回路
510 記憶回路
511 統括制御部
512 検索部
601 CPU
601a 主制御部
602 ROM
603 RAM
606 ネットワーク通信回路
610 記憶回路
611 統括制御部
612 検索部
701 CPU
701a 主制御部
702 ROM
703 RAM
706 ネットワーク通信回路
710 記憶回路
711 統括制御部
712 精算処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11