(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】運転診断装置及び運転診断方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/042 20060101AFI20240903BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/245 20140101ALI20240903BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G09B9/042 A
A63F13/69
A63F13/65
A63F13/245
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021038781
(22)【出願日】2021-03-10
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅人
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151030(JP,A)
【文献】特開2010-142300(JP,A)
【文献】特開2021-013408(JP,A)
【文献】特開2018-160000(JP,A)
【文献】特開2020-025820(JP,A)
【文献】特開2001-318585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56
G09B 17/00-19/26
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転を伴いながら実行される複数のイベントが表示されるイベント表示部と、
前記イベントが実行されたか否かを判定するイベント判定部と、
前記イベント判定部によって実行されたと判定された前記イベントに応じて生成した変化要素を、ゲームアプリケーションが実行されることにより操作端末の表示部に表示されるゲームのキャラクターに付与する変化要素付与部と、
一部の前記イベントを特別イベントに指定する指定部と、
を備え、
前記イベントは、前記車両の挙動に関するイベントであり、
前記イベント表示部が、前記一部のイベントが前記特別イベントであることを
表示し、
前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときに前記変化要素付与部が前記キャラクターに付与する前記変化要素が、前記特別イベント以外の前記イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときに前記変化要素付与部が前記キャラクターに付与する前記変化要素より大きい運転診断装置。
【請求項2】
前記指定部が、一部の前記イベントを所定期間に渡って前記特別イベントに指定し、
前記所定期間の任意の時刻である第1時刻より後の前記所定期間の任意の時刻である第2時刻において、前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素が、前記第1時刻において前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素より大きい
請求項1に記載の運転診断装置。
【請求項3】
複数の前記車両の前記運転診断の結果である診断結果を取得する診断結果取得部と、
前記診断結果取得部が取得した複数の前記診断結果に基づいて、類似した運転操作特性を有する複数の運転者を含む対象グループを特定するグループ特定部と、
を備え、
前記対象グループが所定レベルより低い前記診断結果を受けた前記運転診断が実行される前記イベントである対象イベントが、前記対象グループに属する運転者によって実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素が、前記対象イベント以外の前記イベントが前記対象グループに属する運転者によって実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素より大きい
請求項1又は請求項2に記載の運転診断装置。
【請求項4】
コンピュータを用いて実行される運転診断方法であって、
車両の運転を伴いながら実行されるイベントが実行されたか否かを判定するステップ、
実行されたと判定された前記イベントに応じて生成した変化要素を、ゲームアプリケーションが実行されることにより操作端末の表示部に表示されるゲームのキャラクターに付与するステップ、
複数の前記イベントの一部を特別イベントに指定するステップ、及び
前記一部のイベントが前記特別イベントであることを表示しつつ、複数の前記イベントを表示するステップ
を有し、
前記イベントは、前記車両の挙動に関するイベントであり、
前記特別イベントが実行されたと判定されたときに前記キャラクターに付与される前記変化要素が、前記特別イベント以外の前記イベントが実行されたと判定されたときに前記キャラクターに付与される前記変化要素より大きい運転診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転診断装置及び運転診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、運転者が車両を安全に運転操作すると、表示部に表示されたキャラクターが育成される運転診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の運転診断装置は、様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を実行することを運転者に促すことに関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を実行することを運転者に促すことが可能な運転診断装置及び運転診断方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の運転診断装置は、車両の運転を伴いながら実行される複数のイベントが表示されるイベント表示部と、前記イベントが実行されたか否かを判定するイベント判定部と、前記イベント判定部によって実行されたと判定された前記イベントに応じて生成した変化要素を、ゲームアプリケーションが実行されることにより操作端末の表示部に表示されるゲームのキャラクターに付与する変化要素付与部と、一部の前記イベントを特別イベントに指定する指定部と、を備え、前記イベントは、前記車両の挙動に関するイベントであり、前記イベント表示部が、前記一部のイベントが前記特別イベントであることを表示し、前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときに前記変化要素付与部が前記キャラクターに付与する前記変化要素が、前記特別イベント以外の前記イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときに前記変化要素付与部が前記キャラクターに付与する前記変化要素より大きい。
【0007】
請求項1に記載の運転診断装置のイベント表示部は、車両の運転を伴いながら実行される複数のイベントを表示する。さらにイベント判定部が、イベントが実行されたか否かを判定する。さらに変化要素付与部が、イベント判定部が実行されたと判定したイベントに応じて生成した変化要素を、ゲームアプリケーションが実行されることにより操作端末の表示部に表示されるゲームのキャラクターに付与する。さらに指定部が、一部のイベントを特別イベントに指定する。さらにイベント表示部は、一部のイベントが特別イベントであることを表示する。
【0008】
イベント表示部を見た運転者は、複数のイベントの一部が特別イベントであることを認識する。そのため運転者に特別イベントを実行するように促すことが可能である。そのため多くの運転診断項目が診断されるような運転操作を運転者に促すことが可能である。
【0010】
請求項1に記載の発明では、特別イベントが実行されたとイベント判定部が判定したときに変化要素付与部がキャラクターに付与する変化要素が、特別イベント以外のイベントが実行されたとイベント判定部が判定したときに変化要素付与部がキャラクターに付与する変化要素より大きい。そのため運転者に特別イベントを実行するように促すことが可能である。そのため多くの運転診断項目が診断されるような運転操作を運転者に促すことが可能である。
【0011】
請求項2に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1の発明において、前記指定部が、一部の前記イベントを所定期間に渡って前記特別イベントに指定し、前記所定期間の任意の時刻である第1時刻より後の前記所定期間の任意の時刻である第2時刻において、前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素が、前記第1時刻において前記特別イベントが実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素より大きい。
【0012】
請求項2に記載の発明では、指定部が、一部のイベントを所定期間に渡って特別イベントに指定する。さらに所定期間の第1時刻より後の第2時刻において特別イベントが実行されたとイベント判定部が判定したときの変化要素が、第1時刻において特別イベントが実行されたとイベント判定部が判定したときの変化要素より大きい。そのためイベント表示部を見た運転者は、所定期間の残り時間が少なくなるにつれて、特別イベントを実行しようとする意思を持ち易くなる。そのため運転者に特別イベントを実行させ易くなる。
【0013】
請求項3に記載の発明に係る運転診断装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、複数の前記車両の前記運転診断の結果である診断結果を取得する診断結果取得部と、前記診断結果取得部が取得した複数の前記診断結果に基づいて、類似した運転操作特性を有する複数の運転者を含む対象グループを特定するグループ特定部と、を備え、前記対象グループが所定レベルより低い前記診断結果を受けた前記運転診断が実行される前記イベントである対象イベントが、前記対象グループに属する運転者によって実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素が、前記対象イベント以外の前記イベントが前記対象グループに属する運転者によって実行されたと前記イベント判定部が判定したときの前記変化要素より大きい。
【0014】
請求項3に記載の発明では、対象グループが所定レベルより低い診断結果を受けた運転診断が実行されるイベントである対象イベントが、対象グループに属する運転者によって実行されたとイベント判定部が判定したときに、変化要素付与部がキャラクターに、対象イベント以外のイベントが対象グループによって実行されたとイベント判定部が判定したときより大きい変化要素を付与する。そのため、運転者が不得意なイベントを実行する可能性が高くなるので、多くの運転診断項目が診断されるような運転操作を運転者に促すことが可能になる。
【0015】
請求項4に記載の発明に係る運転診断方法は、コンピュータを用いて実行される運転診断方法であって、車両の運転を伴いながら実行されるイベントが実行されたか否かを判定するステップ、実行されたと判定された前記イベントに応じて生成した変化要素を、ゲームアプリケーションが実行されることにより操作端末の表示部に表示されるゲームのキャラクターに付与するステップ、複数の前記イベントの一部を特別イベントに指定するステップ、及び前記一部のイベントが前記特別イベントであることを表示しつつ、複数の前記イベントを表示するステップを有し、前記イベントは、前記車両の挙動に関するイベントであり、前記特別イベントが実行されたと判定されたときに前記キャラクターに付与される前記変化要素が、前記特別イベント以外の前記イベントが実行されたと判定されたときに前記キャラクターに付与される前記変化要素より大きい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る運転診断装置及び運転診断方法は、様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を実行することを運転者に促すことが可能である、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る運転診断装置、車両及びを携帯端末示す図である。
【
図2】
図1に示される車両のECUの制御ブロック図である。
【
図3】タイプ1の車両に搭載されたECUの機能ブロック図である。
【
図4】タイプ2の車両に搭載されたECUの機能ブロック図である。
【
図5】タイプ3の車両に搭載されたECUの機能ブロック図である。
【
図6】
図1に示された運転診断装置の機能ブロック図である。
【
図7】
図1に示される携帯端末の機能ブロック図である。
【
図8】車両に搭載された表示部の初期画面を示す図である。
【
図9】ロックの種類及び合計ポイントを示す図である。
【
図10】ロックの状態及び合計ポイントを表示した表示部を示す図である。
【
図11】コース選択画面を表示した表示部を示す図である。
【
図12】イベント選択画面を表示した表示部を示す図である。
【
図13】ボーナス画面を表示した表示部を示す図である。
【
図14】イベント1及び特別イベント2が選択されたときの表示部を示す図である。
【
図15】キャンペーン選択画面を表示した表示部を示す図である。
【
図16】運転診断結果画像を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
【
図17】変化要素を表示する携帯端末の表示部を示す図である。
【
図19】ゲームのメイン画像を表示する携帯端末の表示部を示す図である。
【
図20】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図21】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図22】運転診断装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図23】携帯端末が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図24】携帯端末が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る運転診断装置10及び運転診断方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示されるように、運転診断装置10の送受信部(診断結果取得部)11とネットワークを介してデータ通信可能な車両30は、ECU(Electronic Control Unit)31、車輪速センサ32(検出部)、アクセル開度センサ(検出部)33、操舵角センサ(検出部)34、IGスイッチ35、表示部(イベント表示部)36、GPS(Global Positioning System)受信機(検出部)37、第1無線通信装置38、第2無線通信装置39、シフトレバーポジションセンサ(検出部)40、ブレーキ踏力センサ(検出部)41及び別の検出部(図示省略)を有する。
【0020】
運転診断装置10による診断を受信可能な車両30には車両IDが付されている。本実施形態の車両30には3つのタイプが存在する。即ち、タイプ1の車両30A、タイプ2の車両30B及びタイプ3の車両30Cが存在する。以下の説明では、車両30A、車両30B及び車両30Cを区別して説明する必要がない場合は、これらの車両を車両30と総称する。車両30Bは後述する第1連係ロック機能を有する。車両30Cは後述する第2連係ロック機能を有する。車両30Aは第1連係ロック機能及び第2連係ロック機能を有さない。車両30の車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ34、IGスイッチ35、表示部36、GPS受信機37、第1無線通信装置38、第2無線通信装置39、シフトレバーポジションセンサ40、ブレーキ踏力センサ41及び上記別の検出部は、ECU31に接続されている。ECU31は、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fを含んで構成されている。上記ネットワークは、通信事業者の通信網及びインターネット網を含んでいる。
【0021】
図2に示されるようにECU31は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)31A、ROM(Read Only Memory)31B、RAM(Random Access Memory)31C、ストレージ31D、通信I/F(Inter Face)31E及び入出力I/F31Fを含んで構成されている。CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E及び入出力I/F31Fは、バス31Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU31は、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。ECU31には、
図8に示されるように複数のアプリケーション(プログラム)31AP1、31AP2、31AP3・・・31AP8がインストールされている。31AP1はロックアプリケーションであり、31AP2は運転診断アプリケーションである。
【0022】
CPU31Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31Aは、ROM31B又はストレージ31Dからプログラムを読み出し、RAM31Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU31Aは、ROM31B又はストレージ31Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理(情報処理)を行う。
【0023】
ROM31Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM31Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ31Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F31Eは、ECU31が他の機器と通信するためのインタフェースである。入出力I/F31Fは、様々な装置と通信するためのインタフェースである。
【0024】
車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ34、GPS受信機37、シフトレバーポジションセンサ40、ブレーキ踏力センサ41及び上記別の検出部は、車両30の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材(例えば、シフトレバー)が操作されることにより変化する物理量を、所定時間が経過する毎に繰り返し検出する。車両30には4つの車輪速センサ32が設けられている。各車輪速センサ32は車両30の4つの車輪の車輪速をそれぞれ検出する。アクセル開度センサ33はアクセル開度を検出する。操舵角センサ34はステアリングホイールの操舵角を検出する。GPS受信機37はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両30が走行している位置に関する情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)を取得する。シフトレバーポジションセンサ40はシフトレバー(図示省略)の位置を検出する。ブレーキ踏力センサ41は、運転者がブレーキペダル(図示省略)に入力したブレーキ踏力を検出する。上記別の検出部は、例えば車両30の走行距離及び燃費等を検出する。車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ34、GPS受信機37、シフトレバーポジションセンサ40、ブレーキ踏力センサ41及び別の検出部が検出した検出値は、車両30に設けられたCAN(Controller Area Network)を介してECU31に送信され且つECU31のストレージ31Dに保存される。
【0025】
表示部36(タッチパネル)は、様々な画像(動画)を表示可能である。表示部36は例えばインストルメントパネルに設けられる。第1無線通信装置38及び後述する携帯端末(操作端末)80は、上記ネットワークを介したデータ通信を行う。第2無線通信装置39は、車両30の車室に位置する携帯端末80と近距離無線通信を行う。例えば、第2無線通信装置39は携帯端末80の第2送受信部84との間でBluetooth(登録商標)を利用した近距離無線通信を実行可能である。
【0026】
図3~
図5には車両30のECU31の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU31は、機能構成として、関連性判定部311、ロック判定部313、レベル判定部314、走行検出部315、IG検出部316、イベント特定部317、指定部318及び判定禁止部319を有する。さらに
図4に示される第2タイプの車両30BのECU31は、設定部312Aを有する。さらに
図5に示される第2タイプの車両30CのECU31は、設定部312Bを有する。関連性判定部311、設定部312A、設定部312B、ロック判定部313、レベル判定部314、走行検出部315、IG検出部316、イベント特定部317、指定部318及び判定禁止部319は、ECU31のCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。関連性判定部311、設定部312A、設定部312B、ロック判定部313、レベル判定部314、走行検出部315、IG検出部316、イベント特定部317、指定部318及び判定禁止部319の機能については後述する。
【0027】
車両30の車輪速センサ32、アクセル開度センサ33、操舵角センサ34、GPS受信機37、シフトレバーポジションセンサ40、ブレーキ踏力センサ41及び別の検出部が検出した検出値を表すデータである検出値データは、順次ストレージ31Dに記録される。後述するように、IGスイッチ35がオン位置からオフ位置に切り替えられたとき、IGスイッチ35がオン位置に位置する間にストレージ31Dに記録された全ての検出値データが、第1無線通信装置38から上記ネットワークを介して運転診断装置10(送受信部11)へ送信され且つ運転診断装置10のストレージに記録される。運転診断装置10のストレージに記録される全ての検出値データには、車両IDに関する情報、取得された時刻に関する情報及びGPS受信機37が取得した位置情報が含まれる。
【0028】
図1に示される運転診断装置10及び携帯端末80は、上記ネットワークに接続可能である。運転診断装置10は、車両30を製造したメーカーである主体Aにより管理されている。運転診断装置10は、ECU31と同様に、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F(Inter Face)及び入出力I/Fを含んで構成されている。CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。運転診断装置10及び携帯端末80は、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。
【0029】
図6には運転診断装置10の機能構成の一例がブロック図で示されている。運転診断装置10は機能構成として、診断部(ボーナス判定部)101、イベント判定部102、変化要素付与部103及び送受信制御部104を有する。診断部101、イベント判定部102、変化要素付与部103及び送受信制御部104は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。診断部101、イベント判定部102、変化要素付与部103及び送受信制御部104の機能については後述する。
【0030】
図1に示される携帯端末80には、タッチパネルを有する表示部81が設けられている。表示部81は携帯端末80の入出力I/Fに接続されている。さらに携帯端末80にはロックスイッチ82が設けられている。さらに携帯端末80は第1送受信部83及び第2送受信部84を有する。
【0031】
図7には、携帯端末80の機能構成の一例がブロック図で示されている。携帯端末80は、機能構成として、第1送受信制御部801、第2送受信制御部802及び表示部制御部803を有する。第1送受信制御部801、第2送受信制御部802及び表示部制御部803は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。携帯端末80は例えば、車両IDが付された車両30の運転者が所有する。携帯端末80には、所定の運転診断表示アプリケーション及びゲームアプリケーションがインストールされている。
【0032】
表示部制御部803は表示部81を制御する。即ち、表示部制御部803は、例えば、第1送受信制御部801によって制御される第1送受信部83が送受信部11から受信した情報、第2送受信制御部802によって制御される第2送受信部84が第2無線通信装置39から受信した情報及び表示部81(タッチパネル)を介して入力された情報を表示部81に表示させる。表示部81(タッチパネル)によって入力された情報は、第1送受信部83が送受信制御部104によって制御される送受信部11へ送信可能且つ第2送受信部84が第2無線通信装置39へ送信可能である。
【0033】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0034】
まず車両30のECU31が行う処理の流れについて、
図20のフローチャートを用いて説明する。ECU31は、IGスイッチ35がオフ位置からオン位置に切り替えられたことをIG検出部316が検出すると、所定時間が経過する毎に、
図20のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0035】
ステップS10において、ロックアプリケーション31AP1が起動されているか否かを関連性判定部311が判定する。
図8に示されたロックアプリケーション31AP1(表示部36)を乗員が手でタッチすると、ロックアプリケーション31AP1が起動される。
【0036】
ステップS10においてYesと判定したECU31はステップS11に進み、関連性判定部311が、車両30の車室内に位置する携帯端末80と車両30とが関連性を有するか否かを判定する。具体的には、携帯端末80の第2送受信部84から第2無線通信装置39に送信された無線信号に含まれる携帯端末80のID情報と車両30のID情報とが一致するか否かを、関連性判定部311が判定する。
【0037】
ステップS11においてYesと判定したECU31はステップS12に進み、第2送受信部84から第2無線通信装置39に送信された無線信号にロック信号が含まれているか否かを判定する。携帯端末80に設けられたロックスイッチ82がオフ位置からオン位置へ移動させられると、携帯端末80は、ロックスイッチ82をオフ位置へ移動させることを除く全ての操作が禁止された単独ロック状態になる。この単独ロック状態は、携帯端末80の機能にのみ基づくロック状態である。携帯端末80が単独ロック状態にあるとき、上記無線信号にロック信号が含まれる。
【0038】
ステップS12においてYesと判定したECU31はステップS13に進み、ロック判定部313が「携帯端末80は単独ロック状態にある」と判定する。さらにレベル判定部314が、
図9に示されたロック判定マップ42を参照して、単独ロック状態のロックポイントが「1」であることを認識し、ロックポイントを「1」に設定する。ロック判定マップ42は、単独ロック状態、第1連係ロック状態及び第2連係ロック状態のロックポイントを規定する。ロック状態が強力になるほど、ロックポイントの数値が大きくなる。ロック判定マップ42から明らかなように、単独ロック状態の強度レベルは、3つのロック状態の中で最も弱い。
【0039】
ステップS12においてNoと判定したとき又はステップS13の処理を終えたとき、ECU31はステップS14へ進む。ステップS14においてロック判定部313は、車両30が第1連係ロック機能を有するか否かを判定する。上述のように、車両30Bは、車両30Bの機能に基づくロック機能である第1連係ロック機能を有する。そのためECU31が搭載された車両30が車両30Bの場合、ECU31はステップS14でYesと判定する。ここで第1連係ロック機能とは、ECU31の走行検出部315が車輪速センサ32から送信された情報に基づいて車両30Bが走行中であると判定したときに、設定部312Aが生成した第1連係ロック信号を第2無線通信装置39が第2送受信部84へ送信する機能である。
【0040】
ステップS14においてYesと判定したECU31はステップS15へ進む。ステップS15へ進んだ車両30Bの第2無線通信装置39は、車両30Bが走行状態にあるとき、常に第2送受信部84へ第1連係ロック信号を送信する。第1連係ロック信号を受信した携帯端末80は、第1連係ロック状態になる。第1連係ロック状態にある携帯端末80は、ロックスイッチ82をオフ位置へ移動させることを除く全ての操作が禁止される。そのため、車両30Bが走行しているとき、ロックスイッチ82をオフ位置へ移動させても、携帯端末80の全ての操作が禁止される。
【0041】
ステップS15の処理を終えたECU31はステップS16へ進み、レベル判定部314がロック判定マップ42を参照することにより、第1連係ロック状態のロックポイントが「2」であることを認識し、ロックポイントに「2」を加算する。
【0042】
ステップS16の処理を終えたECU31はステップS17へ進み、レベル判定部314がロックポイントの合計ポイントを演算する。ここでステップS12においてYesと判定された場合を想定する。この場合の合計ポイントは「3」である。さらに
図10に示されるように、ステップS17において、表示部36が現在の全てのロック状態(単独ロック状態、第1連係ロック状態)、各ロック状態のロックポイント、及びロックポイントの合計ポイントを表示する。
【0043】
一方、ステップS14においてNoと判定したECU31はステップS18へ進む。ECU31が搭載された車両30が車両30Cの場合、ECU31は、ステップS18でYesと判定してステップS19へ進む。上述のように、車両30Cは、車両30Cの機能に基づくロック機能である第2連係ロック機能を有する。ここで第2連係ロック機能とは、ECU31のIG検出部316が、IGスイッチ35がオン位置にあると判定したときに、設定部312Bが生成した第2連係ロック信号を第2無線通信装置39が第2送受信部84へ送信する機能である。ステップS19へ進んだ車両30Cの第2無線通信装置39は、IGスイッチ35がオン位置にあるとき、常に第2送受信部84へ第2連係ロック信号を送信する。第2連係ロック信号を受信した携帯端末80は、第2連係ロック状態になる。第2連係ロック状態にある携帯端末80は、ロックスイッチ82をオフ位置へ移動させることを除く全ての操作が禁止される。そのためIGスイッチ35がオン位置にあるとき、ロックスイッチ82をオフ位置へ移動させても、携帯端末80の全ての操作が禁止される。
【0044】
ステップS19の処理を終えたECU31はステップS20へ進み、レベル判定部314がロック判定マップ42を参照することにより、第2連係ロック状態のロックポイントが「3」であることを認識し、ロックポイントに「3」を加算する。
【0045】
ステップS20の処理を終えたECU31はステップS17へ進み、レベル判定部314がロックポイントの合計ポイントを演算する。ここでステップS12においてYesと判定された場合を想定する。この場合の合計ポイントは「4」である。さらにステップS17において、表示部36が現在の全てのロック状態(単独ロック状態、第2連係ロック状態)、各ロック状態のロックポイント、及びロックポイントの合計ポイントを表示する。
【0046】
ステップS10、S11、S18でNoと判定したとき又はステップS17の処理を終えたとき、ECU31はステップS21へ進み、IGスイッチ35がオフ位置に切り替えられたか否かをIG検出部316が判定する。ステップS21でYesと判定したECU31はステップS22へ進み、第1無線通信装置38が合計ポイントに関する情報を運転診断装置10の送受信部11へ送信する。
【0047】
ステップS22の処理を終えたとき、ECU31は
図20のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0048】
次に車両30のECU31が行う処理の流れについて、
図21のフローチャートを用いて説明する。ECU31はIGスイッチ35がオフ位置からオン位置に切り替えられたことをIG検出部316が検出すると、所定時間が経過する毎に、
図21のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0049】
ステップS30において、運転診断アプリケーション31AP2が起動されているか否かを関連性判定部311が判定する。
図8に示された運転診断アプリケーション31AP2(表示部36)を乗員が手でタッチすると、運転診断アプリケーション31AP2が起動される。運転診断アプリケーション31AP2が起動されると、表示部36は
図11に示されるコース選択画面43を表示する。コース選択画面43は第1選択部44及び第2選択部45を含む。
【0050】
ステップS30においてYesと判定したECU31はステップS31に進み、第1選択部44が選択されたか否かを指定部318が判定する。即ち、指定部318は、乗員が手で第1選択部44をタッチしたか否かを判定する。
【0051】
ステップS31においてYesと判定したECU31はステップS32に進み、指定部318がコースフラグを「0」に設定する。コースフラグの初期値は0である。
【0052】
ステップS32の処理を終えたECU31はステップS33に進み、IGスイッチ35がオフ位置に切り替えられたか否かをIG検出部316が判定する。
【0053】
ステップS33でYesと判定したECU31はステップS34へ進み、第1無線通信装置38が、コースフラグ情報及びIGスイッチ35がオン位置に位置する間にストレージ31Dに記録された全ての検出値データを、運転診断装置10の送受信部11へ送信する。
【0054】
一方、ステップS31においてNoと判定したECU31はステップS35に進み、第2選択部45が選択されたか否かを指定部318が判定する。即ち、指定部318は、乗員が手で第2選択部45をタッチしたか否かを判定する。
【0055】
ステップS35においてYesと判定したECU31はステップS36に進み、指定部318がコースフラグを「1」に設定する。
【0056】
ステップS36の処理を終えたECU31はステップS37へ進み、表示部36が
図12に示されるイベント選択画面48を表示する。イベント選択画面48は、イベント1選択部49、イベント2選択部50、イベント3選択部51、キャンペーン選択部52、ボーナス画面選択部52a、及び戻り選択部54を含む。
【0057】
乗員が手でイベント1選択部49、イベント2選択部50及びイベント3選択部51のいずれかをタッチすると、イベント1~3の一つが選択される。イベントは、車両30が現在位置から所定の目的地まで走行する間に、車両30の運転を伴いながら実行される。例えば、車両30の挙動(動作)及び乗員の行動等がイベントに含まれる。イベント1~3は以下の内容である。以下の説明において、各イベントの内容を「イベント情報」と称する場合がある。イベント1~3の各イベント情報は、乗員がイベント1選択部49、イベント2選択部50及びイベント3選択部51のいずれかにタッチしたときに表示部36に表示される(
図12では図示省略)。
イベント1(イベント情報1):PCS(Pre Crash Safety system)の発動を1回以下に抑えよう
イベント2(イベント情報2):急ハンドルの回数を3回以下に抑えよう
イベント3(イベント情報3):急発進の回数を5回以下に抑えよう
【0058】
乗員が戻り選択部54をタッチすると、表示部36が再びコース選択画面43を表示する。
【0059】
さらに表示部36がイベント選択画面48を表示しているときに乗員が手でキャンペーン選択部52をタッチすると、表示部36が
図15に示されるキャンペーン選択画面55を表示する。キャンペーン選択画面55は、特別イベント1選択部56、特別イベント2選択部57、特別イベント3選択部58及び戻り選択部59を含む。
【0060】
乗員が手で特別イベント1選択部56、特別イベント2選択部57及び特別イベント3選択部58のいずれかをタッチすると、特別イベント1~3の一つが選択される。特別イベント1~3は以下の内容である。以下の説明において、各特別イベントの内容を「イベント情報」と称する場合がある。特別イベント1~3の各イベント情報は、乗員が特別イベント1選択部56、特別イベント2選択部57及び特別イベント3選択部58のいずれかをタッチしたときに表示部36に表示される(
図15では図示省略)。特別イベントは、イベントの一種であり且つ所定期間のみ実行されるイベントである。この所定期間は例えば1か月間である。
特別イベント1(イベント情報4):急ブレーキの回数を3回以下に抑えよう
特別イベント2(イベント情報5):バック動作の回数を3回以下に抑えよう
特別イベント3(イベント情報6):Uターンの回数を1回以下に抑えよう
【0061】
ステップS37において、乗員によっていずれか一つのイベント(特別イベント)が選択されると、ECU31はステップS38へ進む。
図12及び
図15に記載されたカッコつきの数字は、各イベント(特別イベント)の制限回数である。また、
図12及び
図15に記載された丸で囲まれた数字は、現在までに車両30の乗員によって実行された実行回数である。ステップS38において判定禁止部319は、ステップS37において選択されたイベント(特別イベント)の実行回数が、所定の複数回数である制限回数以上か否かを判定する。
【0062】
ステップS38においてYesと判定したECU31はステップS39へ進み、制限回数以上実行されているイベント(特別イベント)に関して、実行回数が制限回数以上となった後に所定の課金処理があったか否かを判定する。課金処理は、例えば電子マネーによって行うことが可能である。課金がされると、運転診断装置10及び車両30がインターネットを介して通信可能な課金サーバ(図示省略)が課金処理を実行する。課金処理が実行されると、その情報が課金サーバから車両30のECU31へ送信され且つストレージ31Dに記録される。そのため判定禁止部319は、ストレージ31Dを参照して、選択されたイベント(特別イベント)に関して課金処理があったか否かを判定する。
【0063】
ステップS39においてYesと判定したECU31はステップS40へ進み、コース選択画面43に含まれる確定スイッチ部46が乗員によってタッチされたか否かを判定する。なお、表示部36がイベント選択画面48を表示しているときに戻り選択部54がタッチされると、表示部36が再びコース選択画面43を表示する。また、表示部36がキャンペーン選択画面55を表示しているときに戻り選択部59がタッチされると、表示部36が再びコース選択画面43を表示する。
【0064】
例えばステップS37においてイベント1が選択され且つ確定スイッチ部46がタッチされると、ステップS40においてイベント1のみが選択されたことが確定する。一方、ステップS40においてNoと判定したとき、ECU31はステップS37の処理を再び行う。そのため、乗員は、イベント1~3及び特別イベント1~3の中から複数のイベント(特別イベント)を選択可能である。
【0065】
なお、表示部36にイベント選択画面48が表示されている場合に乗員がボーナス画面選択部52aにタッチすると、表示部36に
図13に示されるボーナス画面53が表示される。
図13に示されるように、ボーナス画面53には3つのボーナス行為が表示される。各ボーナス行為は以下の内容である。
ボーナス行為1:車両の点検と整備の少なくとも一方を行う
ボーナス行為2:店舗Aへ行く
ボーナス行為3:所定距離以上の走行距離だけ走行し、燃費を所定値以下に抑える
乗員が戻り選択部53aをタッチすると、表示部36が再びコース選択画面43を表示する。
【0066】
例えば、乗員がイベント1及び特別イベント2を選択した上で、ステップS40において確定スイッチ部46をタッチした場合を想定する。この場合、表示部36に
図14に示される地図画像62が表示される。この地図画像62には、1本の道路63が描かれている。さらに道路63上に、車両30の現在位置64、第1目的地65及び第2目的地66が表示される。さらに道路63に沿って配置された店舗A67及び自動車整備工場68が地図画像62に含まれる。この地図画像62は、車両30のストレージ31Dに記録された地図データ又は第1無線通信装置38がWebサーバから受信した地図データに基づく画像である。イベント1の目的地は第1目的地65であり、特別イベント2の目的地は第2目的地66である。
【0067】
現在位置64を出発した車両30が店舗A67(所定の場所)に寄ると、ボーナス行為2が達成される。店舗A67の店員は、車両30が店舗A67に寄ったことを表す情報を、例えば店舗A67に設置された通信機器を用いて運転診断装置10へ送信する。
【0068】
現在位置64が第1目的地65に到達するまでの間に、PCSが発動したことをECU31が検知しない場合に、イベント1が達成される。なお、PCSが発動した場合は、ECU31が生成したPCS記録信号が上記検出値データに含まれる。
【0069】
現在位置64を出発した車両30が自動車整備工場68に寄って、車両30が自動車整備工場68において点検と整備の少なくとも一方を受けると、ボーナス行為1が達成される。自動車整備工場68の店員は、車両30が自動車整備工場68において点検と整備の少なくとも一方を受けことを表す情報を、例えば自動車整備工場68に設置された通信機器を用いて運転診断装置10へ送信する。
【0070】
現在位置64が自動車整備工場68に到達するまでの間に行われた車両30のバック動作の回数が3回以下の場合に、特別イベント2が達成される。なお、車両30がバック動作を行うとき、シフトレバーポジションセンサ40はシフトレバーがR位置(バックギヤ)に位置することを表わす信号を出力する。この信号は上記検出値データである。
【0071】
またステップS39においてNoと判定したECU31はステップS41へ進み、ステップS38においてYesと判定されたイベント(特別イベント)が最後に選択された時刻から所定時間が経過したか否かを、判定禁止部319が判定する。この所定時間は、例えば30日間である。
【0072】
ステップS41においてYesと判定したECU31は、Yesと判定されたイベント(特別イベント)の実行回数を「0」に設定し、且つ、ステップS40へ進む。一方、ステップS41においてNoと判定したECU31はステップS37へ進む。即ち、この場合は、ステップS37において選択されたイベント(特別イベント)を後述する運転診断の対象にすることができない。
【0073】
またステップS40においてYesと判定したECU31はステップS42へ進む。ステップS42でYesと判定したECU31はステップS43へ進み、第1無線通信装置38が、コースフラグ情報、IGスイッチ35がオン位置に位置する間にストレージ31Dに記録された全ての検出値データ、及び選択されたイベント(特別イベント)に関するイベント情報を、運転診断装置10の送受信部11へ送信する。
【0074】
ステップS30、S35でNoと判定したとき、又はステップS34、S43の処理を終えたとき、ECU31は
図21のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0075】
なお、表示部36に表示されるイベント(特別イベント)の候補であるイベント候補は、運転診断装置10及び車両30がインターネットを介して通信可能なサーバ(図示省略)において生成される。車両30は更新されたイベント候補に関する情報を当該サーバから逐次受信し、イベント候補に関する情報をストレージ31Dに記録する。但し、各車両30が対応可能なイベントの種類は、各車両30の仕様によって異なる。例えば、PCSが作動しないようにすることを規定するイベント候補がストレージ31Dに記録されている場合を想定する。しかしこのストレージ31Dが搭載された車両30がPCSを具備しない場合は、このイベント候補が規定する内容のイベントを車両30の運転者が実行できない。そのため、ECU31のイベント特定部317は、車両30の仕様情報に基づいて、表示部36に表示するイベントの内容をイベント候補群の中から選択し、運転者が実行可能なイベント(特別イベント)のみを表示部36に表示させる。
【0076】
さらに車両30の指定部318は、全てのイベントの中から特別イベントを選択し、キャンペーン選択画面55に表示させる。即ち、指定部318は、一部のイベントを特別イベントに指定する。指定部318は定期的に特別イベントの内容を変更する。即ち、
図12に記載されたイベント1~3のいずれか一つが、将来的に特別イベントとしてキャンペーン選択画面55に表示される可能性がある。同様に、
図15に記載された特別イベント1~3のいずれか一つが、将来的に(特別イベントではない)イベントとしてイベント選択画面48に表示される可能性がある。さらに、イベント選択画面48及びキャンペーン選択画面55に表示されたイベントとは別内容のイベントが、指定部318によって将来的にイベント選択画面48に表示される可能性がある。さらにイベント選択画面48及びキャンペーン選択画面55に表示されたイベントとは別内容のイベントが、指定部318によって将来的にキャンペーン選択画面55に特別イベントとして表示される可能性がある。
【0077】
次に運転診断装置10が行う処理の流れについて、
図22のフローチャートを用いて説明する。運転診断装置10は所定時間が経過する毎に、
図22のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0078】
ステップS50において、運転診断装置10の診断部101は、送受信部11がコースフラグ情報及び検出値データを受信したか否かを判定する。受信したコースフラグ情報及び検出値データは、車両IDと紐づけられながら運転診断装置10のストレージに記録される。
【0079】
またステップS50においてYesと判定した運転診断装置10はステップS51へ進み、診断部101が受診したコースフラグ情報が表すコースフラグが「1」か否かを判定する。
【0080】
またステップS51においてNoと判定した運転診断装置10はステップS52へ進み、診断部101が受信した検出値データに基づいて運転診断(第1運転診断)を行う。例えば、特開2019-12481号公報及び特開2020-95403号公報に開示されているように、上記検出値データに基づいて行われる運転診断の方法は周知である。本発明における運転診断の方法は、如何なる方法であってもよい。例えば診断部101は、アクセル開度センサ33の検出値及び車輪速センサ32の検出値に基づいてアクセル操作について運転診断を行い、ブレーキ踏力センサ41の検出値及び車輪速センサ32の検出値に基づいてブレーキ操作について運転診断を行い、操舵角センサ34の検出値に基づいてステアリング操作について運転診断を行う。さらに診断部101は、これらの検出値に基づいて、アクセル操作、ブレーキ操作及びステアリング操作の点数を演算する(
図16参照)。
【0081】
一方、ステップS51においてYesと判定した運転診断装置10はステップS53へ進み、診断部101が受信した検出値データに基づいて運転診断(第2運転診断)を行う。第2運転診断には、第1運転診断、イベント診断、及びボーナス行為診断が含まれる。
【0082】
イベント診断とは、
図21のフローチャートのステップS40において選択したことが確定されたイベント(特別イベント)が実行されたか否かの診断である。例えば、イベント1及び特別イベント2が選択された場合を想定する。上述のようにPCSが発動した場合は、ECU31が生成したPCS記録信号が上記検出値データに含まれる。そのため、診断部101は受信したPCS記録信号に基づいて、PCSの発動回数を認識できる。診断部101がPCSの発動回数が1回以下であると判定した場合、運転診断装置10のイベント判定部102が、イベント1が達成されたと判定する。また車両30がバック動作を行ったときに、シフトレバーポジションセンサ40はシフトレバーがR位置に位置することを表わす信号を出力する。この信号は検出値データとして診断部101が受信する。そのため、診断部101は受信した当該信号に基づいて、車両30のバック動作の回数が3回以下か否かを認識できる。診断部101がバック動作の回数が3回以下であると判定した場合、特別イベント2が達成されたとイベント判定部102が判定する。
【0083】
さらに診断部101がボーナス行為診断を行う。例えば、上述のように、車両30が自動車整備工場68において点検と整備の少なくとも一方を受けことを表す情報が、自動車整備工場68に設置された通信機器から運転診断装置10へ送信されると、診断部101はボーナス行為1が達成されたと判定する。また、例えば、上述のように車両30が店舗A67に寄ったことを表す情報が、店舗A67に設置された通信機器から運転診断装置10へ送信されると、診断部101はボーナス行為2が達成されたと判定する。また、車両30から運転診断装置10へ送信された検出値データに、上記別の検出部が検出した走行距離及び燃費に関するデータが含まれている場合は、これらのデータを用いて、ボーナス行為3が達成されたか否かを診断部101が判定する。
【0084】
ステップS53の処理を終えた運転診断装置10はステップS54へ進み、変化要素付与部103が、アクセル操作、ブレーキ操作及びステアリング操作の点数、イベントの達成の有無、及びボーナス行為の実施の有無によって決まる変化要素を決定する。この変化要素とは、第2運転診断の結果を、携帯端末80にインストールされた上記ゲームアプリケーションによって実現されるゲームに反映させるための要素である。このゲームは位置情報を利用したロールプレイングゲームである。即ち、携帯端末80が移動すると、このゲームに登場するキャラクターが表示部81に表示された地図画面上で移動する。このキャラクターの能力は、攻撃力、守備力、及び体力の3つによって評価される。さらにキャラクターは、お金及び武器を入手可能である。さらにキャラクターは所定の魔法を修得可能である。本実施形態の変化要素はキャラクターの特徴を表す上記の各項目(攻撃力、守備力、体力、お金、武器及び魔法)のレベルアップに寄与する。変化要素が大きくなる程、各項目のレベルアップの程度が大きくなる。
【0085】
図17は変化要素の一例を示す。アクセル操作の得点が高い程、攻撃力が大きくアップする。ブレーキ操作の得点が高い程、防御力が大きくアップする。ステアリング操作の得点が高い程、体力が大きくアップする。ボーナス行為1が達成されると、所定額のお金がキャラクターに付与される。ボーナス行為2が達成されると、所定の武器がキャラクターに付与される。イベント1が達成されると、キャラクターは所定の魔法を修得する。特別イベント2が達成されると、キャラクターは所定の魔法を修得する。なお、本実施形態では、イベント1~3が達成されたときの変化要素よりも、特別イベント1~3が達成されたときの変化要素の方が大きい。
【0086】
ステップS54の処理を終えた運転診断装置10はステップS55へ進み、ステップS22において車両30が送信した上記合計ポイントを送受信部11が受信したか否かを、変化要素付与部103が判定する。受信した合計ポイントに関する情報は、車両IDと紐づけられながら運転診断装置10のストレージに記録される。
【0087】
またステップS55においてYesと判定した運転診断装置10はステップS56へ進み、変化要素付与部103が
図18の係数マップ72を参照しながら係数を演算する。例えば、ロックポイントの合計ポイントが「4」の場合、係数は「2.5」である。また、車両30A内に位置する携帯端末80がロックされていないことに起因してロックポイントの合計ポイントが「0」の場合、係数は「0」である。
【0088】
ステップS52の処理を終えた運転診断装置10はステップS57へ進み、診断部101が第1運転診断の結果をストレージに記録する。またステップS56の処理を終えた運転診断装置10はステップS57へ進み、診断部101が第2運転診断の結果をストレージに記録し且つ変化要素付与部103が変化要素及び係数をストレージに記録する。
【0089】
ステップS57の処理を終えた運転診断装置10はステップS58へ進み、送受信部11が携帯端末80から診断結果送信要求を受けたか否かを判定する。
【0090】
またステップS58においてYesと判定した運転診断装置10はステップS59へ進む。ステップS52の処理が行われた場合は、送受信部11は第1運転診断の結果を携帯端末80の第1送受信部83へ送信する。一方、ステップS56の処理が行われた場合は、送受信部11は第2運転診断の結果、変化要素及び係数を第1送受信部83へ送信する。
【0091】
ステップS50、S58でNoと判定したとき、又はステップS59の処理を終えたとき、運転診断装置10は
図22のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0092】
次に携帯端末80が行う処理の流れについて、
図23のフローチャートを用いて説明する。携帯端末80は所定時間が経過する毎に、
図23のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0093】
ステップS60において、携帯端末80の表示部制御部803は、運転診断表示アプリケーションが起動中か否かを判定する。
【0094】
ステップS60においてYesと判定した携帯端末80はステップS61へ進み、第1送受信部83が、運転診断(第1運転診断又は第2運転診断)の結果を運転診断装置10から受信したか否かを第1送受信制御部801が判定する。
【0095】
ステップS61においてYesと判定した携帯端末80はステップS62へ進み、表示部制御部803が表示部81に
図16に示される運転診断結果画像84を表示させる。
【0096】
ステップS60、S61でNoと判定したとき、又はステップS62の処理を終えたとき、携帯端末80は
図23のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0097】
次に携帯端末80が行う処理の流れについて、
図24のフローチャートを用いて説明する。携帯端末80は所定時間が経過する毎に、
図24のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0098】
ステップS70において、携帯端末80の表示部制御部803は、ゲームアプリケーションが起動中か否かを判定する。
【0099】
ステップS70においてYesと判定した携帯端末80はステップS71へ進み、第1送受信部83が、運転診断(第1運転診断又は第2運転診断)の結果を運転診断装置10から受信したか否かを第1送受信制御部801が判定する。
【0100】
ステップS71においてYesと判定した携帯端末80はステップS72へ進み、変化要素及び係数を運転診断装置10から受信したか否かを判定する。
【0101】
ステップS72においてYesと判定した携帯端末80はステップS73へ進み、表示部制御部803が係数を反映させた変化要素を表す変化要素表示画像71(
図17参照)を表示部81に表示させる。
図17の変化要素表示画像71が表す各変化要素は、係数が「1」の場合の変化要素である。例えば、係数が「2」の場合は、キャラクターに付与される攻撃力、守備力、体力及びお金が
図17の数値の2倍になる。例えば、係数が「2.5」の場合は、キャラクターに付与される攻撃力、守備力、体力及びお金が
図17の数値の2.5倍になる。また、係数が「2」の場合は、キャラクターに付与される武器の能力及びキャラクターが修得する魔法の能力が、
図17に示されたものの2倍になる。係数が「2.5」の場合は、キャラクターに付与される武器の能力及びキャラクターが修得する魔法の能力が、
図17に示されたものの2.5倍になる。
【0102】
ステップS73の処理を終えた携帯端末80はステップS74へ進み、表示部81(タッチパネル)に対する操作によって生成されるメイン画像86への切り替え要求があるか否かを表示部制御部803が判定する。
【0103】
ステップS74においてYesと判定した携帯端末80はステップS75へ進み、表示部制御部803が表示部81に
図19に示されるメイン画像86を表示させる。
図19に表示されたメイン画像86には、キャラクター87、能力表示部88、金銭表示部89、武器表示部90及び魔法表示部91が含まれる。能力表示部88には、ステップS73で演算された変化要素が反映された攻撃力、守備力及び体力が表示される。金銭表示部89には、変化要素が反映された金銭の合計額が表示される。武器表示部90には、変化要素が反映された、キャラクター87が現在所持する武器が表示される。魔法表示部91には、変化要素が反映された、キャラクター87が現在修得済みの魔法が表示される。
【0104】
ステップS70、S71、S74でNoと判定したとき、又はステップS75の処理を終えたとき、携帯端末80は
図24のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0105】
以上説明したように本実施形態の運転診断装置10の診断部101は、車両30の運転操作に基づいて、互いに異なる内容の複数の運転診断項目(アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作、イベントの達成の有無、ボーナス行為の達成の有無)を診断する。さらに変化要素付与部103が、ゲームのキャラクター87に、各運転診断項目の診断結果に応じて生成した変化要素を付与する。そのため複数の運転診断項目について診断結果が得られると、内容が異なる複数の変化要素がキャラクター87に付与される。そのためキャラクター87に様々な変化を与えるためには、運転者は様々な運転診断項目に対応する運転操作を実行する必要がある。そのため運転診断装置10は、様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を実行することを運転者に促すことが可能である。
【0106】
また診断部101が、運転操作に基づいて複数の運転診断項目に関する得点を演算し、変化要素付与部103が得点に応じた変化要素を生成する。そのため運転診断装置10は、各運転診断項目に関して高い得点を出すような運転操作を実行することを運転者に促すことが可能である。
【0107】
さらに診断部(ボーナス判定部)101が、所定のボーナス行為が実行されたと判定した場合に、変化要素付与部103がキャラクター87に変化要素を付与する。そのため運転診断装置10は、ボーナス行為を実行することを運転者に促すことが可能である。
【0108】
さらに同一のイベントが実行された回数が制限回数以上になった場合に、運転者が当該同一のイベントを実行することが禁止される。そのため運転者は、当該同一のイベントとは別のイベントを実行する可能性が高い。そのため多くの運転診断項目が診断されるような運転操作を運転者に促すことが可能である。
【0109】
但し、同一のイベントが制限回数以上実行された後に所定の課金処理が行われた場合に、運転者が同一のイベントを実行することを判定禁止部319が許容する。運転者が同一のイベント(運転診断)が実行されることを強く希望する場合がある。このような場合に、運転診断装置10は、運転者が同じイベントを実行することを許容する。
【0110】
また、同一のイベントが制限回数以上実行されてから所定時間が経過した場合に、運転者が同一のイベントを実行することを判定禁止部319が許容する。所定時間が経過した場合は、同じイベント(運転診断)が運転者によって実行されることに意義がある。このような場合に、運転診断装置10は、運転者が同じイベントを実行することを許容する。
【0111】
さらに表示部36が、イベント特定部317によって車両30が実行可能と特定したイベントのみを表示する。そのため、運転者は表示部36を見ることにより、実行可能なイベントを簡単に認識できる。
【0112】
さらに表示部36を見た運転者は、複数のイベントの一部が特別イベントであることを認識できる。さらに、特別イベントが実行された場合にキャラクター87に付与される変化要素が、特別イベント以外のイベントが実行された場合にキャラクター87に付与される変化要素より大きい。そのため運転者に特別イベントを実行するように促すことが可能である。
【0113】
さらに、車両30の関連性判定部311は、携帯端末80が車両30と紐づけられているか否かを判定する。さらにロック判定部313は、車両30と紐づけられている携帯端末80の操作が規制されたロック状態にあるか否かを判定する。さらにレベル判定部314がロック状態の強度レベルを判定する。さらに、表示部36が現在の全てのロック状態、各ロック状態のロックポイント、及びロックポイントの合計ポイントを表示する。そのため運転者は、携帯端末80がロック状態に設定されたときに、そのロック状態のレベルを認識できる。そのため携帯端末80をロック状態にするように運転者を促すことが可能である。
【0114】
さらに携帯端末80の機能のみに基づいて携帯端末80をロック状態にする場合は、車両30が走行中に運転者が携帯端末80を操作することによりロック状態を解除する可能性がある。そのためレベル判定部314は、携帯端末80の機能のみに基づくロック状態である単独ロック状態の強度レベルより、車両30の機能に基づくロック状態である連係ロック状態(第1連係ロック状態、第2連係ロック状態)の強度レベルが高いと判定する。そのため単独ロック状態より強度レベルが高い連係ロック状態を選択するように、運転者を促すことが可能である。
【0115】
さらに、車両30が走行中であることが検出された場合のロック状態である第1連係ロック状態は、車両30が停止したときに解除される可能性がある。その一方で、IGスイッチ35がオン位置に位置することが検出された場合のロック状態である第2連係ロック状態は、IGスイッチ35が操作されない限り解除される可能性がない。そのためレベル判定部314は、第1連係ロック状態の強度レベルより、第2連係ロック状態の強度レベルが高いと判定する。そのためIGスイッチ35がオン位置に位置することが検出された場合に携帯端末80を第2連係ロック状態に設定する車両30の購入又は賃借を運転者に促すことが可能になる。
【0116】
さらにレベル判定部314によって判定されたロック状態の強度レベルが高い程、係数が大きくなる。即ち、強度レベルが高い程、変化要素が大きくなる。そのため、単独ロック状態より強度レベルが高い連係ロック状態(第1連係ロック状態、第2連係ロック状態)を選択するように、運転者を促すことが可能になる。
【0117】
以上、実施形態に係る運転診断装置10及び運転診断方法について説明したが、運転診断装置10及び運転診断方法は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0118】
運転診断装置10が行う運転診断項目は、上記とは別の項目であってもよい。例えば、上記とは別内容のイベント(特別イベント)及びボーナス行為を運転診断項目に含めてもよい。また、アクセル操作、ブレーキ操作及びステアリング操作とは別の運転操作を運転診断項目に含めてもよい。また、アクセル操作、ブレーキ操作及びステアリング操作の一部のみを運転診断項目に含めてもよい。イベント及びボーナス行為の数は一つであってもよい。イベントの内容として、上記ボーナス行為と同じ内容が規定されてもよい。ボーナス行為の内容として、上記イベントと同じ内容が規定されてもよい。
【0119】
変化要素は、上記とは別のものであってもよい。例えば、上記ゲームがキャラクター87とは別のキャラクターを、携帯端末80を利用してゲームを行うプレイヤーが選択できる場合に、変化要素が別のキャラクターを選択する権利であってもよい。また、変動要素が、お金や武器を入手することが可能なくじ引きを行う権利であってもよい。
【0120】
変化要素が、既にゲーム上で動作しているキャラクターとは別のキャラクターを、プレイヤーが追加で選択する権利であってもよい。例えば、所定のイベントが達成されたときに、プレイヤーが別のキャラクターを追加で選択するための変化要素を変化要素付与部103が生成してもよい。さらにこの場合に、変化要素付与部103が、選択された各キャラクターに様々な変化要素を付与できるようにしてもよい。
【0121】
またゲームアプリケーションが、プレイヤーが複数のキャラクターを任意に選択できるようにプログラムされていてもよい。即ち、プレイヤーが運転診断とは無関係に、任意の複数のキャラクターを選択できるようにしてもよい。この場合は、例えば所定のイベントが達成されたときに、変化要素付与部103が、選択された少なくとも一つのキャラクターに変化要素を付与できるようにしてもよい。
【0122】
変化要素が別のキャラクターを追加で選択する権利である場合及びプレイヤーが複数のキャラクターを任意に選択できる場合も、例えば1つのキャラクターが十分に成長した後に、別のキャラクターを成長させるためには、運転者は様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を続行する必要がある。即ち、運転者は、運転診断アプリケーション31AP2を利用した運転操作を続行する必要がある。そのため、この変形例の運転診断装置10は、様々な運転診断項目が診断されるような運転操作を実行することを運転者に促すことが可能である。
【0123】
車両30のECU31に運転診断表示アプリケーション及びゲームアプリケーションがインストールされていてもよい。この場合は表示部(操作端末)36に運転診断結果画像84及びゲーム画像(変動要素表示画像71、メイン画像86等)が表示される。
【0124】
イベント判定部102が、イベントが実行されたか否かの判定精度を、各イベント毎に認識可能であってもよい。この場合に、複数のイベントの中で判定精度の高いイベント(第2イベント)が達成されたときに、変化要素付与部103が生成する変化要素を、第2イベントより判定精度が低いイベント(第1イベント)が達成されたときの変化要素より大きくしてもよい。なお、判定精度は、判定を行うための情報の種類に応じて決定されてもよい。例えば、イベントが達成されたか否かの判定の根拠となるデータが、車両30の検出部によって検出されたデータの場合、この判定の判定精度は高い。一方、イベントが達成されたか否かの判定の根拠となるデータが、車両30の検出部が検出したデータとは異なるデータの場合、この判定の判定精度は低い。当該異なるデータは、例えば、携帯端末が取得した車両の位置情報、及び店舗Aから送信される情報である。例えば、イベント判定部102が、携帯端末が取得した車両の位置情報を利用してイベントが達成されたか否かの判定を行う場合、この判定の判定精度は低い。この変形例は、より判定精度の高いイベントの実行を運転者に促すことが可能である。
【0125】
運転者が実行できるイベントを指定部318が選択して、表示部36に表示させてもよい。即ち、この場合、運転者は自分が実行したいイベントを複数のイベントの中から選択できず、運転者は表示部36に表示されたイベントのみを実行する。この場合、指定部318は、複数のイベントを表示部36に表示させてもよい。
【0126】
上記所定期間に渡ってあるイベントが特別イベントに指定された場合を想定する。当該所定期間には、任意の時刻である第1時刻と、第1時刻より後の任意の時刻である第2時刻が含まれる。この場合に、第2時刻において特別イベントが実行された場合の変化要素の大きさが、第1時刻において同一の特別イベントが実行された場合の変化要素より大きくなるようにしてもよい。この場合は、表示部36を見た運転者は、所定期間の残り時間が少なくなるにつれて、特別イベントを実行しようとする意思を持ち易くなる。そのため運転者に特別イベントを実行させ易くなる。
【0127】
運転診断装置10が、機能として、複数の車両30から運転診断結果を取得し、取得した複数の運転診断結果に基づいて、類似した運転操作特性を有する複数の運転者を含む対象グループを特定するグループ特定部を備えてもよい。この場合、イベント判定部102は、多数の運転診断結果に基づいて、対象グループが所定レベルより低い運転診断結果を受けた運転診断が実行されるイベントである対象イベントを特定する。さらにイベント判定部102が、対象グループに属する運転者によって対象イベントが実行されたと判定したときに、対象イベント以外のイベントが対象グループに属する運転者によって実行された場合より大きい変化要素を変化要素付与部103が生成し且つキャラクター87に付与する。そのため、運転者が不得意なイベントを実行する可能性が高くなるので、多くの運転診断項目が診断されるような運転操作を運転者に促すことが可能になる。
【0128】
診断部101、イベント判定部102、変化要素付与部103及びグループ特定部の少なくとも一つの機能をECU31が備えてもよい。
【0129】
関連性判定部311、設定部312A、設定部312B、ロック判定部313、レベル判定部314、イベント特定部317、指定部318及び判定禁止部319の少なくとも一つの機能を運転診断装置10が備えてもよい。
【0130】
検出部は、車両30の走行、操舵及び制動の少なくとも一つに基づいて変化する物理量又は所定の操作部材が操作されることにより変化する物理量を検出すれば、如何なる検出部であってもよい。例えば、検出部は、エンジンの冷却水温を測定するセンサやヨーレートセンサであってもよい。また、検出部の数はいくつであってもよい。
【0131】
運転診断装置10がインターネットに接続されていなくてもよい。この場合は、例えば車両30から取得した検出値データをポータブル式の記録媒体(例えば、USB)に記録させ、且つ、この記録媒体内の検出値データを運転診断装置10のストレージにコピーする。
【0132】
車両30がGPS受信機37の代わりに、GPS以外の全地球航法衛星システム(例えばガリレオ)の衛星からの情報を受信可能な受信機を備えてもよい。
【符号の説明】
【0133】
10 運転診断装置(携帯端末の状態判定装置)
11 送受信部(診断結果取得部)
102 イベント判定部
103 変化要素付与部
30 車両
318 指定部
36 表示部(イベント表示部)(操作端末)
87 キャラクター