(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/355 20140101AFI20240903BHJP
A63F 13/77 20140101ALI20240903BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20240903BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240903BHJP
【FI】
A63F13/355
A63F13/77
A63F9/00 513
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2021056685
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】本池 哲
(72)【発明者】
【氏名】石川 伸
(72)【発明者】
【氏名】岡林 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】阿部 俊典
(72)【発明者】
【氏名】猪原 翔太
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-144148(JP,A)
【文献】特開2007-229329(JP,A)
【文献】特開2007-195891(JP,A)
【文献】特開2015-173363(JP,A)
【文献】宮原 徹,“ゲームを支える一味違ったネットワークテクノロジー”,「月刊 NETWORK MAGAZINE 5月号」,日本,株式会社アスキー,2003年05月01日,第8巻,第5号,pp.160-167
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00, 9/24,13/00-13/98
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の施設に設置された情報処理装置であり、当該一の施設に設置された第一端末装置及び当該施設外の第二端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記第一端末装置及び前記第二端末装置から実行要求を受け付け可能な受付手段と、
前記受付手段が前記実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果が一方の判定結果を示す場合には、前記実行要求に対応するプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、前記判定手段の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、前記一の施設とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設から所定範囲内にある他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する実行制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記所定条件は、前記情報処理装置のリソースが足りないという条件を含む、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定条件は、
要求元の端末装置のユーザ又は前記施設による前記他の施設への接続要求があるという条件を含む、
請求項
1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付手段は、前記第一端末装置又は前記第二端末装置からメニュー要求があった場合に、前記実行制御手段が実行可能な複数のプログラムのリストを示すメニュー画像であって、要求元の端末装置のユーザの属性に応じて異なるメニュー画像を生成し、生成したメニュー画像を当該要求元の端末装置に出力する、
請求項1乃至
3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
一の施設に設置された情報処理装置であり、当該一の施設に設置された第一端末装置及び当該施設外の第二端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記第一端末装置及び前記第二端末装置から実行要求を受け付け可能な受付手段、
前記受付手段が前記実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果が一方の判定結果を示す場合には、前記実行要求に対応するプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、前記判定手段の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、前記一の施設とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設から所定範囲内にある他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する実行制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームセンター等の施設に、ゲームプログラムを実行可能な複数の業務用ゲーム装置(第一端末装置)が設置されている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、施設に配置された複数の業務用ゲーム装置(第一端末装置)を統合するターミナル装置を設けることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ゲームサーバがゲームを実行し、その実行結果をユーザが所持する第二端末装置に送信することで、ユーザにゲームを提供するという、所謂クラウドゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-192602号公報
【文献】特開2020-092877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、ターミナル装置があるものの、ゲームプログラム(プログラム)を実行するのは施設に設置されている端末装置であり、当該端末装置それぞれにプログラムを実行可能な高性能な制御基板を設けることがコストとなっていた。
【0007】
また、特許文献2の技術では、施設とは関係ない場所にゲームサーバ(情報処理装置)が設けられることになるため、施設に来たユーザに対して、通信速度を気にすることなくスムーズにプログラムを利用してもらうことができない。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、施設に設置された第一端末装置のコストを抑えることができるとともに、施設に来たユーザが第一端末装置を利用してスムーズにプログラムを利用することができる情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る情報処理装置は、一の施設に設置された情報処理装置であり、当該一の施設に設置された第一端末装置及び当該施設外の第二端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記第一端末装置及び前記第二端末装置から実行要求を受け付け可能な受付手段と、前記受付手段が前記実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果が一方の判定結果を示す場合には、前記実行要求に対応するプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、前記判定手段の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、前記一の施設とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設から所定範囲内にある他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する実行制御手段と、を備える。
【0010】
本発明の第二態様に係る情報処理装置は、前記プログラムはゲームプログラムを含み、前記判定手段は、前記第一端末装置から前記実行要求を受け付けた場合、前記所定条件を満たすか否かを判定し、前記第二端末装置から前記実行要求を受け付けた場合、前記所定条件を満たすか否かを判定しない。
【0011】
本発明の第三態様に係る情報処理装置は、前記一の施設と同じグループに属する他の施設を含む複数の施設への接続情報を記憶する記憶手段を更に備え、前記実行制御手段は、前記判定手段の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、前記一の施設から所定範囲内にある他の施設であって、当該一の施設と同じグループに属する他の施設の接続情報に基づき、前記プログラムを実行可能かどうか問い合わせ、実行可能である場合に、前記グループに属する他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信し、実行可能でない場合に、前記グループ以外の他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する。
【0012】
本発明の第四態様に係る情報処理装置では、前記記憶手段は、予め定められた除外施設を記憶しており、前記実行制御手段は、前記実行可能でない場合に、前記グループ以外の他の施設であって前記除外施設を除く他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する。
【0013】
本発明の第五態様に係る情報処理装置は、前記所定条件は、前記情報処理装置のリソースが足りないという条件を含む。
【0014】
本発明の第六態様に係る情報処理装置では、前記所定条件は、前記ユーザ又は前記施設による前記他の施設への接続要求があるという条件を含む。
【0015】
本発明の第七態様に係る情報処理装置では、前記受付手段は、前記第一端末装置又は前記第二端末装置からメニュー要求があった場合に、前記実行制御手段が実行可能な複数のプログラムのリストを示すメニュー画像であって、要求元の端末装置のユーザの属性に応じて異なるメニュー画像を生成し、生成したメニュー画像を当該要求元の端末装置に出力する。
【0016】
本発明の第八態様に係るプログラムは、一の施設に設置された情報処理装置であり、当該一の施設に設置された第一端末装置及び当該施設外の第二端末装置と通信可能なコンピュータを、前記第一端末装置及び前記第二端末装置から実行要求を受け付け可能な受付手段、前記受付手段が前記実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、前記判定手段の判定結果が一方の判定結果を示す場合には、前記実行要求に対応するプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、前記判定手段の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、前記一の施設とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設から所定範囲内にある他の施設に設置された情報処理装置に前記実行要求を送信する実行制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、施設に設置された第一端末装置のコストを抑えることができるとともに、施設に来たユーザが第一端末装置を利用してスムーズにプログラムを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】情報処理システムの全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すゲームサーバのハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す第一端末装置のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す第二端末装置のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】
図1に示すマッチングサーバのハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図6】
図1に示すゲームサーバの機能的構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図7】第二端末装置のユーザにゲームを提供する場合に情報処理システムが実行する処理の流れの一例を示す図である。
【
図8】第一端末装置のユーザにゲームを提供する場合に情報処理システムが実行する処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、情報処理システム1の全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置の一例としての複数のゲームサーバ10と、複数の第一端末装置12と、複数の第二端末装置14と、マッチングサーバ16と、を備える。これらのうち、ゲームサーバ10と第一端末装置12とは、ローカルエリアネットワークN1を介して互いに通信可能に構成されている。また、ゲームサーバ10と第二端末装置14とマッチングサーバ16とは、インターネットN2を介して互いに通信可能に構成されている。
【0022】
ゲームサーバ10は、一の施設S1や、当該一の施設S1と同じグループG1に属する他の施設S2、グループG1以外の他のグループG2に属する他の施設S2等の複数の施設Sに配置されている。このゲームサーバ10は、ゲームプログラムを実行し、その実行結果であるゲームを、第一端末装置12のユーザ及び第二端末装置14のユーザに提供する。なお、施設Sとしては、例えば、ゲームセンターや、ホテル、レジャー施設、データセンター等が挙げられる。
【0023】
第一端末装置12は、各施設Sに配置されている。この第一端末装置12は、ゲームサーバ10からゲームの提供を受ける。そして、第一端末装置12は、提供を受けたゲームをユーザがプレイする際に、当該ユーザの操作を受け付ける。
【0024】
第二端末装置14は、施設S外のものであり、例えばユーザが所持するものである。この第二端末装置14は、ゲームサーバ10からゲームの提供を受ける。そして、第二端末装置14は、提供を受けたゲームをユーザがプレイする際に、当該ユーザの操作を受け付ける。第二端末装置14としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0025】
マッチングサーバ16は、第二端末装置14のユーザがゲームをプレイする際、当該ユーザと、複数のゲームサーバ10のうち何れか一つのゲームサーバとをマッチングする。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すゲームサーバ10のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、ゲームサーバ10は、制御基板20と、外部記憶装置22と、通信装置24と、を備える。これら制御基板20と、外部記憶装置22と、通信装置24は、バスB1を介して電気的に接続されている。
【0028】
制御基板20は、第一端末装置12の制御基板30よりも高性能で高価な基板であり、ゲームサーバ10に集積されている。具体的には、制御基板20は、第一端末装置12の数と同数以上が集積されている好ましい。この制御基板20は、CPU(Central Processing Unit)20Aと、メモリ20Bと、内部記憶装置20Cと、を備える。CPU20Aは、アプリケーションプログラム26(以下、「アプリ26」と称す。)を実行可能であり、例えば、処理が重いゲームプログラムをスムーズに実行可能な程、高性能なものである。メモリ20Bは、CPU20Aが実行するアプリ26を一時的に展開する記憶装置である。内部記憶装置20Cは、ハードディスク等で構成される。この内部記憶装置20Cには、アプリA、アプリB等、施設Sや需要に応じた複数の種類のアプリ26が記憶されている。アプリ26としては、例えば、ゲームプログラム、画像解析プログラム、気象解析プログラム、AI(Artificial Intelligence)プログラム等が挙げられる。本実施形態では、アプリ26がゲームプログラムである場合を説明する。
【0029】
外部記憶装置22は、ハードディスク等で構成される。この外部記憶装置22には、内部記憶装置20Cに記憶されているアプリ26の数以上の数のアプリ26が記憶されている。各記憶装置の記憶容量にもよるが、例えば、内部記憶装置20Cに記憶されているアプリ26の数が2、30程度であれば、外部記憶装置22に記憶されているアプリ26の数は、100以上である。この外部記憶装置22に記憶されているアプリ26は、ユーザが利用する際等、必要に応じて、内部記憶装置20Cにインストールされる。
【0030】
通信装置24は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置24は、例えば、第一端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0031】
なお、ゲームサーバ10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、ゲームサーバ10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ゲームサーバ10は、例えばサーバ装置が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0032】
図3は、
図1に示す第一端末装置12のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、第一端末装置12は、制御基板30と、外部記憶装置32と、操作装置34と、表示装置36と、通信装置38と、を備える。なお、これら制御基板30と、外部記憶装置32と、操作装置34と、表示装置36と、通信装置38とは、バスB2を介して電気的に接続されている。
【0034】
制御基板30は、CPU30Aと、メモリ30Bと、を備える。CPU30Aは、CPU20Aよりも低性能なもので安価なものである。このCPU30Aは、広告映像等を再生可能である。メモリ30Bは、プログラムを一時的に展開可能である。
【0035】
外部記憶装置32には、広告映像等のデータが記憶されている。
【0036】
操作装置34は、ユーザの操作を受け付けてその操作情報を第一端末装置12に入力するものである。この操作装置34は、第一端末装置12の種類に応じたものが用意されていてもよい。
【0037】
表示装置36は、アプリ26の実行結果、例えばゲーム画像を表示する。この表示装置36は、第一端末装置12の種類に応じたものが用意されていてもよい。
【0038】
通信装置38は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置38は、例えば、ゲームサーバ10との間で各種の情報を送受信する。
【0039】
図4は、
図1に示す第二端末装置14のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0040】
図4に示すように、第二端末装置14は、CPU50と、メモリ52と、表示装置54と、音出力装置56と、入力装置58と、通信装置60と、を備える。
【0041】
CPU50は、表示装置54や音出力装置56等を制御する。
【0042】
メモリ52は、各種データや各種プログラムを記憶する。
【0043】
表示装置54は、ゲームのゲーム画面を表示する。
【0044】
音出力装置56は、ゲームのゲーム音を出力する。
【0045】
入力装置58は、ユーザの操作情報を第二端末装置14に入力する。
【0046】
通信装置60は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置60は、例えば、ゲームサーバ10との間で各種の情報を送受信する。
【0047】
図5は、
図1に示すマッチングサーバ16のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、マッチングサーバ16は、制御基板70と、通信装置76と、記憶装置78と、を備える。制御基板70は、CPU(Central Processing Unit)72及びメモリ74を主に備えて構成される。
【0049】
制御基板70では、CPU72がメモリ74又は記憶装置78等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能的構成として機能する。この機能的構成の詳細については後述する。
【0050】
通信装置76は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。この通信装置76は、例えば、第二端末装置14との間で各種の情報を送受信する。
【0051】
記憶装置78は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置78は、制御基板70における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0052】
なお、マッチングサーバ16は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、マッチングサーバ16は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図5は、マッチングサーバ16が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、マッチングサーバ16は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0053】
<機能的構成>
図6は、
図1に示すゲームサーバ10の機能的構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0054】
図6に示すように、ゲームサーバ10は、機能的構成として、記憶手段90と、受付手段92と、判定手段94と、実行制御手段96と、を備える。なお、これらの機能的構成は、制御基板20が内部記憶装置20Dに格納されているアプリ26を含む各種プログラムを実行することにより実現される。
【0055】
記憶手段90は、例えば、施設リスト90Aと、除外リスト90Bと、を記憶する機能を有する。施設リスト90Aには、地域毎、例えば都道府県毎に、複数の施設Sの識別情報(名前やID)と、住所情報と、各施設Sのゲームサーバ10に通信接続するためのIP(Internet Protocol)アドレス等の接続情報と、属するグループの識別情報と、が記述されている。また、除外リスト90Bには、施設S毎又はグループ毎に予め定められた除外施設の識別情報が記述されている。なお、予め定められた除外施設は、施設S毎に異なってもよい。
【0056】
受付手段92は、第一端末装置12及び第二端末装置14から実行要求を受け付ける機能を有する。
【0057】
判定手段94は、受付手段92が実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する機能を有する。本実施形態では、判定手段94は、第一端末装置12から実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定し、第二端末装置14から実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定しない。この所定条件は、第二端末装置14からの実行要求に対応するゲームプログラムを実行していること等の理由により、ゲームサーバ10のリソースが足りないという条件を含む。また、所定条件は、ユーザ又は一の施設S1(の管理者)による他の施設S2への接続要求があるという条件を含む。
【0058】
実行制御手段96は、判定手段94の判定結果が一方の判定結果(肯定判定又は否定判定)を示す場合には、実行要求に対応するアプリ26、特にゲームプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、判定手段94の判定結果が他方の判定結果(否定判定又は肯定判定)を示す場合には、一の施設S1とは異なる複数の他の施設S2のうち当該一の施設S1から所定範囲内にある他の施設S2に設置された他のゲームサーバ10に実行要求を送信する機能を有する。なお、所定範囲としては、例えば、一の施設S1を中心として半径100km以内であることが好ましく、半径50km以内であることがより好ましく、半径20km以内であることが更により好ましい。
また、実行制御手段96は、判定手段94の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、一の施設S1から所定範囲内にある他の施設であって、一の施設S1と同じグループG1に属する他の施設S2の接続情報に基づき、ゲームプログラムを実行可能かどうか問い合わせ、実行可能である場合に、グループG1に属する他の施設S2に設置された他のゲームサーバ10に実行要求を送信し、実行可能でない場合に、グループG1以外の他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信してもよい。
また、実行制御手段96は、問い合わせの結果、実行可能でない場合に、グループG1以外の他の施設S2であって除外施設を除く他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信してもよい。
【0059】
受付手段92は、第一端末装置12又は第二端末装置14からメニュー要求があった場合に、実行制御手段96が実行可能な複数のゲームプログラムのリストを示すメニュー画像であって、要求元の端末装置のユーザの属性に応じて異なるメニュー画像を生成し、生成したメニュー画像を当該要求元の端末装置に出力する。
【0060】
<処理の流れ>
図7は、第二端末装置14のユーザにゲームを提供する場合に情報処理システム1が実行する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下の処理の内容及び順番は適宜変更することができる。
【0061】
(ステップSP100)
第二端末装置14は、ユーザの操作を受け付けた場合に、当該ユーザのユーザIDやパスワード、IPアドレス等を含むログイン要求をマッチングサーバ16に送信する。そして、処理は、ステップSP102の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP102)
マッチングサーバ16は、第二端末装置14からログイン要求を受信する。これに応答して、マッチングサーバ16は、ログイン要求に含まれるユーザIDやパスワードと、不図示の記憶手段に記憶されているユーザ情報とに基づき、認証処理を実行する。この認証処理が成功した場合、処理は、ステップSP104の処理に移行する。なお、認証処理が失敗した場合、第二端末装置14にエラーが出力された後、
図7に示す一連の処理が終了する。
【0063】
(ステップSP104)
マッチングサーバ16は、地域毎に、複数の施設Sの中から一の施設をそれぞれ抽出する。例えば、マッチングサーバ16に各地域を代表する施設が登録されている場合、マッチングサーバ16は、地域毎に、複数の施設Sの中から代表する一の施設をそれぞれ抽出する。そして、処理は、ステップSP106の処理に移行する。なお、ログイン要求に、ユーザがプレイしたいゲームのゲームIDが含まれている場合、マッチングサーバ16は、地域毎に、複数の施設Sの中からゲームIDが示すゲームがプレイ可能な一の施設をそれぞれ抽出してもよい。そして、処理は、ステップSP106の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP106)
マッチングサーバ16は、抽出した各施設のゲームサーバ10の接続情報としてそれぞれのIPアドレスを取得する。続いて、マッチングサーバ16は、地域毎に抽出された一の施設のゲームサーバ10と、第二端末装置14との間の通信速度を測定する測定指示を当該第二端末装置14に出力(送信)する。なお、この測定指示には、マッチングサーバ16が取得した各施設のゲームサーバ10のIPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP108の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP108)
第二端末装置14は、マッチングサーバ16から測定指示を受信する。これに応答して、第二端末装置14は、測定指示に含まれる各IPアドレスに基づき、当該第二端末装置14と、地域毎に抽出された一の施設のゲームサーバ10との間の通信速度をそれぞれ測定する。続いて、第二端末装置14は、通信速度の測定結果をマッチングサーバ16に送信する。そして、処理は、ステップSP110の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP110)
マッチングサーバ16は、第二端末装置14から測定結果を受信する。これに応答して、マッチングサーバ16は、受信した測定結果の中で最も通信速度が速い測定結果を示した施設に紐づけられている一地域を抽出する。そして、処理は、ステップSP112の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP112)
マッチングサーバ16は、抽出した一地域に紐づけられている複数の施設Sのゲームサーバ10の接続情報としてそれぞれのIPアドレスを取得する。続いて、マッチングサーバ16は、一地域に紐づけられている複数の施設Sのゲームサーバ10と、第二端末装置14との間の通信速度を測定する測定指示を当該第二端末装置14に出力(送信)する。なお、この測定指示には、マッチングサーバ16が取得した各IPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP114)
第二端末装置14は、マッチングサーバ16から測定指示を受信する。これに応答して、第二端末装置14は、測定指示に含まれる各IPアドレスに基づき、当該第二端末装置14と、一地域に紐づけられている複数の施設Sのゲームサーバ10との間の通信速度をそれぞれ測定する。続いて、第二端末装置14は、通信速度の測定結果をマッチングサーバ16に送信する。そして、処理は、ステップSP116の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP116)
マッチングサーバ16は、第二端末装置14から通信速度の測定結果を受信する。これに応答して、マッチングサーバ16は、受信した測定結果に基づき、一地域に紐づけられている複数の施設Sのゲームサーバ10の中から、所定の数の施設のゲームサーバ10を抽出する。具体的には、マッチングサーバ16は、一地域に紐づけられている複数の施設Sのゲームサーバ10の中から、通信速度が速い順に五つの施設のゲームサーバ10を抽出する。続いて、マッチングサーバ16は、抽出した施設のゲームサーバ10を含む接続先候補リストを生成する。そして、処理は、ステップSP118の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP118)
マッチングサーバ16は、接続先候補リストに含まれる各ゲームサーバ10(接続先)に設定パラメータ60A等を問い合わせる。そして、処理は、ステップSP120の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP120)
マッチングサーバ16から問い合わせを受けた各ゲームサーバ10は、現在の稼働状況(空いているリソース数又は空いていないリソース数)や予約情報等を含む回答情報をマッチングサーバ16に返信する。そして、処理は、ステップSP122の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP122)
マッチングサーバ16は、各ゲームサーバ10から回答情報を受信する。これに応答して、マッチングサーバ16は、受信した回答情報に基づき、接続先候補リストを更新する。具体的には、マッチングサーバ16は、接続先候補リストから、リソース数が少ないゲームサーバ10や予約されているゲームサーバ10を除外する。そして、処理は、ステップSP124の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP124)
マッチングサーバ16は、第二端末装置14のユーザの操作に応答して又は自動的に、更新した接続先候補リストの中から一の施設S1のゲームサーバ10を選択する。そして、処理は、ステップSP126の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP126)
マッチングサーバ16は、選択した一の施設S1のゲームサーバ10に通信接続するよう第二端末装置14に接続指示を送信する。この接続指示は、例えば、選択した一の施設S1のゲームサーバ10のIPアドレスを含む。そして、処理は、ステップSP128の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP128)
第二端末装置14は、マッチングサーバ16から接続指示を受信する。これに応答して、第二端末装置14は、受信した接続指示に含まれるIPアドレスに基づき、マッチングサーバ16が選択した一の施設S1のゲームサーバ10との通信接続を確立する。そして、処理は、ステップSP130の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP130)
第二端末装置14は、ユーザIDを含む、ゲームのプレイ料金の支払い処理要求を、通信接続を確立したゲームサーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP132の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP132)
ゲームサーバ10の受付手段92は、第二端末装置14から処理要求を受信する。これに応答して、受付手段92は、受信した処理要求に含まれるユーザIDに紐づいた決裁情報(クレジットカード情報やゲームポイント情報)に基づき、支払い処理を実行し、ユーザに対してゲームをプレイするための権利を示す一又は複数のクレジットを付与する。続いて、受付手段92は、クレジットを付与した旨を第二端末装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP134の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP134)
第二端末装置14は、ゲームサーバ10から、クレジットを付与した旨を受信する。これに応答して、第二端末装置14は、クレジットを付与した旨を表示する。続いて、第二端末装置14は、ユーザの操作に応じて、ゲームの実行要求をゲームサーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP136の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP136)
ゲームサーバ10の受付手段92は、第二端末装置14から実行要求を受信する。これに応答して、ゲームサーバ10の実行制御手段96は、ユーザのクレジットを所定数消費して、ゲームプログラムを実行する。続いて、実行制御手段96は、ゲームプログラムの実行結果を第二端末装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP138の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP138)
第二端末装置14は、ゲームサーバ10から実行結果を受信する。これに応答して、第二端末装置14は、実行結果を表示装置54や音出力装置56等に出力する。そして、処理は、ステップSP140の処理に移行する。
【0081】
(ステップSP140)
第二端末装置14は、入力装置58を介して、ユーザの操作を受け付ける。これに応答して、第二端末装置14は、受け付けた操作の操作情報をゲームサーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP142の処理に移行する。
【0082】
(ステップSP142)
ゲームサーバ10は、第二端末装置14から操作情報を受信する。これに応答して、実行制御手段96は、受信した操作情報に基づき、ゲームを進行し、進行結果を第二端末装置14に送信する。
【0083】
以上のステップSP140とステップSP142が繰り返されることで、第二端末装置14のユーザにゲームが提供される。
【0084】
図8は、第一端末装置12のユーザにゲームを提供する場合に情報処理システム1が実行する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下の処理の内容及び順番は適宜変更することができる。
【0085】
(ステップSP200)
一の施設S1に設置された第一端末装置12は、操作装置34を介したユーザの操作があるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP202の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には
図8に示す一連の処理が終了する。
【0086】
(ステップSP202)
第一端末装置12は、ユーザIDを含むメニュー要求を一の施設S1のゲームサーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP204の処理に移行する。
【0087】
(ステップSP204)
一の施設S1のゲームサーバ10は、第一端末装置12からメニュー要求を受信する。これに応答して、ゲームサーバ10の受付手段92は、実行制御手段96が実行可能な複数のゲームプログラムのリストを示すメニュー画像を生成する。本実施形態では、受付手段92は、メニュー要求に含まれるユーザIDに基づき、要求元である第一端末装置12のユーザの性別や年齢、ゲームの嗜好、ゲームのプレイ履歴等のユーザの属性を取得する。続いて、受付手段92は、取得した属性に応じて異なるメニュー画像を生成する。具体的には、受付手段92は、ユーザの属性が、シューティングゲームが好きであることを示す場合には、シューティングゲームをメニュー画像のトップに並べる。また、受付手段92は、ユーザの属性が、カードゲームのプレイ履歴が最も多いことを示す場合には、カードゲームをメニュー画像のトップに並べる。メニュー画像の生成後、受付手段92は、生成したメニュー画像を要求元の第一端末装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP206の処理に移行する。なお、本ステップでは、受付手段92は、メニュー画像を生成する場合を説明したが、複数の種類のメニュー画像を予め生成・記憶しておき、複数の種類のメニュー画像の中で属性に応じた一つのメニュー画像を選択してもよい。
【0088】
(ステップSP206)
第一端末装置12は、一の施設S1のゲームサーバ10からメニュー画像を受信する。これに応答して、第一端末装置12は、受信したメニュー画像を表示装置36に表示する。そして、処理は、ステップSP208の処理に移行する。
【0089】
(ステップSP208)
第一端末装置12は、操作装置34を介して、メニュー画像に表示されている複数のゲームプログラムの中で一のゲームプログラムの選択を受け付ける。そして、処理は、ステップSP210の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP210)
第一端末装置12は、選択を受け付けたゲームプログラムのプレイ料金を決定し、表示装置36に表示する。そして、処理は、ステップSP212の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP212)
第一端末装置12は、ユーザから、プレイ料金の支払いを受け付ける。そして、処理は、ステップSP214の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP214)
第一端末装置12は、選択を受け付けたゲームプログラムのプログラムIDを含む実行要求を、当該第一端末装置12が設置されている一の施設S1と同施設に設置されているゲームサーバ10に送信する。そして、処理は、ステップSP216の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP216)
一の施設S1のゲームサーバ10は、第一端末装置12から実行要求を受信する。これに応答して、ゲームサーバ10の判定手段94は、例えばゲームサーバ10の状況を示す状況情報等に基づき、所定条件を満たすか否かを判定する。本実施形態では、この所定条件は、第二端末装置14からの実行要求に対応するゲームプログラムを実行していることにより、新たにゲームプログラムを実行するためには、ゲームサーバ10のリソースが足りないという条件である。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP220の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP218の処理に移行する。なお、所定条件が、新たにゲームプログラムを実行するためにゲームサーバ10のリソースが足りるという条件である場合は、上記の移行先のステップとは逆の移行先のステップに移行する。
【0094】
(ステップSP218)
ゲームサーバ10の実行制御手段96は、実行要求に含まれるプログラムIDに対応するゲームプログラムを実行し、実行結果を要求元の第一端末装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP226の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP220)
実行制御手段96は、実行要求の転送先を決定する。具体的には、実行制御手段96は、施設リスト90Aに基づき、一の施設S1とは異なる複数の他の施設S2のうち当該一の施設S1から所定範囲内にある他の施設であって、当該一の施設S1と同じグループG1に属する他の施設S2の接続情報を取得する。続いて、実行制御手段96は、取得した接続情報に基づき、ゲームプログラムを実行可能かどうか、グループG1に属する他の施設S2のゲームサーバ10に問い合わせる。問い合わせの結果が実行可能である場合には、実行制御手段96は、実行要求の転送先を、グループG1に属する他の施設S2のゲームサーバ10に決定する。また、問い合わせの結果が実行可能でない場合には、実行制御手段96は、実行要求の転送先を、グループG1以外の他の施設S2であって除外リスト90Bに記述された除外施設を除く他の施設S2に設置された他のゲームサーバ10に決定する。そして、処理は、ステップSP222の処理に移行する。
【0096】
(ステップSP222)
一の施設S1のゲームサーバ10は、決定した他の施設S2のゲームサーバ10に実行要求を転送(送信)する。そして、処理は、ステップSP224の処理に移行する。
【0097】
(ステップSP224)
他の施設S2のゲームサーバ10は、一の施設S1のゲームサーバ10から実行要求を受信する。これに応答して、他の施設S2のゲームサーバ10の実行制御手段96は、実行要求に含まれるプログラムIDに対応するゲームプログラムを実行し、実行結果を要求元の第一端末装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP226の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP226)
第一端末装置12は、一の施設S1のゲームサーバ10又は他の施設S2のゲームサーバ10から実行結果を受信する。これに応答して、第一端末装置12は、実行結果を表示装置36に出力する。そして、処理は、ステップSP228の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP228)
第一端末装置12は、操作装置34を介して、ユーザの操作を受け付ける。これに応答して、第一端末装置12は、受け付けた操作の操作情報を実行元のゲームサーバ10に送信する。実行元のゲームサーバ10は、第一端末装置12から操作情報を受信する。これに応答して、実行制御手段96は、受信した操作情報に基づき、ゲームを進行し、進行結果を第一端末装置12に送信する。
以上のステップSP228が繰り返されることで、第一端末装置12のユーザにゲームが提供される。
【0100】
<効果>
以上、本実施形態では、一の施設S1に設置されたゲームサーバ10であり、当該一の施設S1に設置された第一端末装置12及び当該施設S1外の第二端末装置14と通信可能なゲームサーバ10が、第一端末装置12及び第二端末装置14から実行要求を受け付け可能な受付手段92と、受付手段92が実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段94と、判定手段94の判定結果が一方の判定結果を示す場合には、実行要求に対応するゲームプログラムを実行して、要求元の端末装置に実行結果を送信し、判定手段94の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、一の施設S1とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設S1から所定範囲内にある他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信する実行制御手段96と、を備える。
この構成によれば、ゲームサーバ10がゲームプログラムを実行するので、第一端末装置12の制御基板30を無くす又は低性能で安価な制御基板30を用意するだけでよいので、当該第一端末装置12のコストを抑えることができる。また、このゲームサーバ10が施設Sに設置されるので、第一端末装置12とゲームサーバ10は、ローカルエリアネットワークN1を介して通信でき、施設Sに来たユーザが、第一端末装置12を利用して通信速度を気にすることなくスムーズにゲームプログラムを利用することができる。また、判定手段94の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、一の施設S1とは異なる複数の他の施設のうち当該一の施設S1から所定範囲内にある他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信するので、第一端末装置12と他のゲームサーバ10は、所定範囲内、すなわち、近い距離で通信することができ、もって、スムーズにゲームプログラムを利用することができる。
【0101】
また、本実施形態では、プログラムはゲームプログラムを含み、判定手段94は、第一端末装置12から実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定し、第二端末装置14から実行要求を受け付けた場合、所定条件を満たすか否かを判定しない。
この構成によれば、ゲームサーバ10の処理負荷を抑制できる。なお、第二端末装置14から実行要求がある場合には、まずマッチングサーバ16が所定条件を満たすか否かを判定すればよい。
【0102】
また、本実施形態では、一の施設S1と同じグループG1に属する他の施設S2を含む複数の施設への接続情報を記憶する記憶手段90を備える。そして、実行制御手段96は、判定手段94の判定結果が他方の判定結果を示す場合には、一の施設S1から所定範囲内にある他の施設S2であって、当該一の施設S1と同じグループG1に属する他の施設S2の接続情報に基づき、ゲームプログラムを実行可能かどうか問い合わせ、実行可能である場合に、グループG1に属する他の施設S2に設置された他のゲームサーバ10に実行要求を送信し、実行可能でない場合に、グループG1以外の他の施設S2に設置された他のゲームサーバ10に実行要求を送信する。
この構成によれば、一の施設S1のゲームサーバ10が利用できない場合でも、グループG1に属する他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信するので、一の施設S1のゲームサーバ10と同じような環境のゲームサーバ10を利用できる可能性が高くなり、一の施設S1に来たユーザに対してゲームのプレイ意欲が低減することを抑制できる。
【0103】
また、本実施形態では、記憶手段90は、予め定められた除外施設を記憶しており、実行制御手段96は、実行可能でない場合に、グループG1以外の他の施設S2であって除外施設を除く他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信する。
この構成によれば、例えば一の施設S1のゲームサーバ10と環境の異なるゲームサーバ10を除外することができ、一の施設S1に来たユーザに対してゲームのプレイ意欲が低減することを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態では、所定条件は、ゲームサーバ10のリソースが足りないという条件を含む。
この構成によれば、一の施設S1に来たユーザが当該一の施設S1のゲームサーバ10が利用できない場合でも、他の施設S2のゲームサーバ10を利用することができるの、スムーズにゲームプログラムを利用することができる。
【0105】
また、本実施形態では、所定条件は、ユーザ又は施設S1による他の施設S2への接続要求があるという条件を含む。
この構成によれば、ユーザや一の施設S1等の要望に応じて、スムーズに他の施設S2のゲームプログラムを利用することができる。
【0106】
また、本実施形態では、受付手段92は、第一端末装置12又は第二端末装置14からメニュー要求があった場合に、実行制御手段96が実行可能な複数のゲームプログラムのリストを示すメニュー画像であって、要求元の端末装置のユーザの属性に応じて異なるメニュー画像を生成し、生成したメニュー画像を当該要求元の端末装置に出力する。
この構成によれば、ユーザがメニュー画像を見て一のゲームプログラムを選択する際の利便性を向上することができる。
【0107】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0108】
例えば、上記実施形態では、実行制御手段96が実行するアプリ26がゲームプログラムである場合を説明したが、ゲームプログラムとは異なる、MR(Mixed Reality)や、VR(Virtual Reality)やAR(Augmented Reality)等のプログラムであってもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、施設Sとしてゲームセンター等を例に挙げたが、当該施設Sは、新しい又はアップデートしたゲームプログラムのロケテストが可能な施設を含んでもよい。この場合、判定手段94は、ユーザID等に基づき、所定条件としてユーザがロケテスト希望者であるという条件を満たすか否かを判定し、肯定判定された場合に、実行制御手段96は、ロケテストが可能な施設に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信してもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、プレイ料金の詳細については言及しなかったが、同一のゲームプログラムをプレイする場合であっても、施設S毎にプレイ料金が異なるように設定されていてもよい。この場合、判定手段94は、所定条件としてユーザが安いプレイ料金を希望であるという条件を満たすか否かを判定し、肯定判定された場合に、実行制御手段96は、一の施設S1よりも安いプレイ料金が設定されている他の施設S2に設置されたゲームサーバ10に実行要求を送信してもよい。
【符号の説明】
【0111】
10:ゲームサーバ(情報処理装置)、92:受付手段、94:判定手段、96:実行制御手段