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特許7548162自動入出庫システム、自動入出庫方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】自動入出庫システム、自動入出庫方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240903BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240903BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G07B15/00 U
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021138836
(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公開番号】P2023032601
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】小見 聡
(72)【発明者】
【氏名】今津 貴雅
(72)【発明者】
【氏名】深田 善樹
(72)【発明者】
【氏名】林 孝士
(72)【発明者】
【氏名】片岡 佑太
(72)【発明者】
【氏名】馬場 広樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 竜路
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光優
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245221(JP,A)
【文献】特開2021-082078(JP,A)
【文献】特開2019-038510(JP,A)
【文献】特開2020-166767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G07B 11/00-17/04
G06Q 10/00-10/30
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバを具備している自動入出庫システムにおいて、
複数個の乗降場を有しており、
該入出庫管制サーバが、
自動駐車サービスを利用するユーザから該複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯において利用要求された乗降場の混雑度を判定する混雑度判定部と、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する代替案提案部を具備する自動入出庫システム。
【請求項2】
該代替案提案部は、該他の乗降場の混雑度が高いときには、利用要求された乗降場の混雑度の低い他の入庫時間帯を提案する請求項1に記載の自動入出庫システム。
【請求項3】
該代替案提案部は、利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場が存在するか否かを判別し、該他の乗降場が存在すると判別されたときに該他の乗降場の利用をユーザに提案する請求項1に記載の自動入出庫システム。
【請求項4】
該代替案提案部は、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場が存在すると判別されたときに、ユーザの存在位置から該他の乗降場までの距離、又は、ユーザの存在位置から該他の乗降場に到達するまでの必要到達時間が所定値以内であるか否かを判別し、該距離、又は、該必要到達時間が所定値以内であると判別されたときに該他の乗降場の利用をユーザに提案する請求項3に記載の自動入出庫システム。
【請求項5】
該混雑度判定部は、自動駐車サービスを利用するユーザから該複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求に加えて該複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する出庫要求を受けたときには、ユーザが指定する入庫時間において利用要求された乗降場の混雑度およびユーザが指定する出庫時間において利用要求された乗降場の混雑度を判定し、該代替案提案部は、入庫要求の際に利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって入庫要求の際に利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案し、出庫要求の際に利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって出庫要求の際に利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する請求項1に記載の自動入出庫システム。
【請求項6】
該代替案提案部は、入庫要求の際に利用することを提案された該他の乗降場の混雑度が高いときには、入庫要求において利用要求された乗降場の混雑度の低い他の入庫時間帯を提案し、出庫要求の際に利用することを提案された該他の乗降場の混雑度が高いときには、出庫要求の際に利用要求された乗降場の混雑度の低い他の出庫時間帯を提案する請求項5に記載の自動入出庫システム。
【請求項7】
該代替案提案部は、入庫要求の際又は出庫要求の際に利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって入庫要求の際又は出庫要求の際に利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場が存在するか否かを判別し、該他の乗降場が存在すると判別されたときに該他の乗降場の利用をユーザに提案する請求項5に記載の自動入出庫システム。
【請求項8】
該代替案提案部は、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場が存在すると判別されたときに、ユーザの存在位置から該他の乗降場までの距離、又は、ユーザの存在位置から該他の乗降場に到達するまでの必要到達時間が所定値以内であるか否かを判別し、該距離、又は、該必要到達時間が所定値以内であると判別されたときに該他の乗降場の利用をユーザに提案する請求項7に記載の自動入出庫システム。
【請求項9】
乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバを具備している自動入出庫システムにおいて、
複数個の乗降場を有しており、
該入出庫管制サーバが
自動駐車サービスを利用するユーザから該複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入出庫時間帯において利用要求された乗降場の混雑度を判定する混雑度判定部と、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する代替案提案部を具備し、該混雑度が、少なくとも、単位時間当たりの予定入出庫数および曜日に基づいて予測される自動入出庫システム。
【請求項10】
乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する自動入出庫方法において、
コンピュータが、
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯における乗降場の混雑度を判定し、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する自動入出庫方法。
【請求項11】
乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御するためのプログラムであって、
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯における乗降場の混雑度を判定し、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、該複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案するよう、コンピュータに機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動入出庫システム、自動入出庫方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するための自動入出庫システムにおいて、乗降車場の混雑度を予測し、自動駐車サービスのユーザから要求された出庫時刻では、乗降車場の混雑度が閾値以上になると予測される場合には、自動駐車サービスのユーザに、出庫時刻を、乗降車場の混雑度が閾値以下となる出庫時刻に変更するよう提案するようにした自動入出庫システムが公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-166631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、出庫時刻の変更を提案するだけでは、乗降場の混雑を軽減するには不十分であるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバを具備している自動入出庫システムにおいて、
複数個の乗降場を有しており、
入出庫管制サーバが、
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯において利用要求された乗降場の混雑度を判定する混雑度判定部と、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する代替案提案部を具備する自動入出庫システムが提供される。
更に、本発明によれば、乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバを具備している自動入出庫システムにおいて、
複数個の乗降場を有しており、
入出庫管制サーバが
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入出庫時間帯において利用要求された乗降場の混雑度を判定する混雑度判定部と、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する代替案提案部を具備し、混雑度が、少なくとも、単位時間当たりの予定入出庫数および曜日に基づいて予測される自動入出庫システムが提供される。
更に、本発明によれば、乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する自動入出庫方法において、
コンピュータが、
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯における乗降場の混雑度を判定し、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案する自動入出庫方法が提供される。
更に、本発明によれば、乗降場に到着した車両を、複数個の駐車スペースのうちの一つの駐車スペースに自動運転により入庫させると共に、駐車スペースに駐車している車両を自動運転により乗降場に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御するためのプログラムであって、
自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場のうちの一つの乗降場を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間帯における乗降場の混雑度を判定し、
利用要求された乗降場の混雑度が高いときには、複数個の乗降場のうちの他の乗降場であって利用要求された乗降場よりも混雑度が低い他の乗降場の利用をユーザに提案するよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
入出庫の混雑度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、道路、駐車場および乗降場の一例を図解的に表した図である。
図2図2は、道路、駐車場および乗降場の他の例を図解的に表した図である。
図3図3は、車両を図解的に示す図である。
図4図4は、駐車場管制サーバ等を図解的に示す図である。
図5図5は、自動運転を開始するときの操作の一例を示す図である。
図6図6は、自動運転制御を行うためのフローチャートである。
図7図7は、入出庫を管理制御するためのフローチャートである。
図8図8Aおよび図8Bは、混雑度の一覧表を示す図である。
図9図9Aおよび図9Bは、混雑度の一例を示す図である。
図10図10Aおよび図10Bは、混雑度の予測モデルを作成するためのデータセットを示す図である。
図11図11は、ニューラルネットワークを示す図である。
図12図12は、混雑度を算出するためのフローチャートである。
図13図13は、本発明による実施例の機能構成図である。
図14図14は、入出庫を管理制御するための一実施例のフローチャートである。
図15図15は、入出庫を管理制御するための別の実施例のフローチャートである。
図16図16は、入出庫を管理制御するための別の実施例のフローチャートである。
図17図17は、入出庫を管理制御するための更に別の実施例のフローチャートである。
図18図18は、入出庫を管理制御するための更に別の実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、道路、駐車場および乗降場の二つの例を図解的に表した図1および図2を参照しつつ、本発明が適用される環境について説明する。第1の例を示す図1を参照すると、1は店舗又はレストラン等の施設、2は施設1に併設された駐車場、3は道路、4は第1の乗降場、5は第2の乗降場を示している。駐車場2では、第1の乗降場4又は第2の乗降場5に到着した車両を、複数個の駐車スペース6のうちの一つの駐車スペース6に自動運転により入庫させると共に、駐車スペース6に駐車している車両を自動運転により第1の乗降場4又は第2の乗降場5に出庫させる自動駐車サービス、即ち、オートバレーパーキングサービスが実施されている。図1において、7は施設1に併設された駐車管理施設を示しており、この駐車管理施設7内には、自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバ8が設置されている。
【0009】
一方、図1に示される例では、第1の乗降場4が、乗車場4aと降車場4bから構成されており、第2の乗降場5も、乗車場5aと降車場5bから構成されている。この場合、このように乗車場4a、5aと降車場4b、5bとを夫々独立して設置することもできるし、乗車場4a、5aと降車場4b、5bとを一体にして、乗降場4、5として設置することもできる。また、図1Aに示される例では、二つの乗降場4、5が設置されているが、三つ以上の乗降場4、5を設置することもできる。いずれの乗降場4、5を利用するかは、自動駐車サービスを利用するユーザの要求に基づいて決定される。
【0010】
次に、第2の例を示す図2を参照すると、この例では、施設1に併設された駐車場2が第1の駐車場2aと第2の駐車場2bから構成されている。また、図2に示される例では、第1の駐車場2aに対して第1の乗降場4が設置されており、第2の駐車場2bに対して第2の乗降場5が設置されている。更に、図2に示される例でも、第1の乗降場4が、乗車場4aと降車場4bから構成されており、第2の乗降場5が、乗車場5aと降車場5bから構成されている。この場合でも、このように乗車場4a、5aと降車場4b、5bとを夫々独立して設置することもできるし、乗車場4a、5aと降車場4b、5bとを一体にして、乗降場4、5として設置することもできる。また、図2に示される例では、各駐車場2a、2bに対して二つ以上の乗降場4、5を設置することもできる。なお、自動駐車サービスを利用するには、車両が自動運転機能を備えている必要がある。
【0011】
次に、自動駐車サービスを利用するときの手順の一例について、施設1に行くときを例にとって簡単に説明する。施設1に行くために駐車場2、2a、2bを利用する場合には、最初に、自動駐車サービスを利用するユーザが、駐車場2、2a、2bへの入出庫時間帯と、入出庫時に利用を希望する乗降場4,5を決定する。ユーザが、入出庫時間帯と、入出庫時に利用を希望する乗降場4,5を決定すると、ユーザは、ユーザの指定する入出庫時間帯と、ユーザが利用を希望する乗降場、即ち、ユーザにより利用することが要求された乗降場(以下、利用要求された乗降場と言う)4、5とを、例えば、ユーザが所有する携帯端末から通信ネットワークを介して入出庫管制サーバ8に送信する。ユーザの指定する入出庫時間帯および利用要求された乗降場4、5が利用可能である場合には、その旨がユーザの携帯端末に伝えられる。その後、ユーザは、ユーザが指定する入庫時間の少し前に、車両を利用要求された乗降場4、5に移動させる。この場合、ユーザは、車両を、手動運転によっても、或いは、自動運転によっても、利用要求された乗降場4、5に移動させることもできるが、以下、車両を自動運転でもって利用要求された乗降場4、5に移動させる場合を例にとって説明する。
【0012】
さて、車両が自動運転でもって、利用要求された乗降場4、5に到着すると、ユーザは車両から降り、ユーザの携帯端末から、入庫要求を入出庫管制サーバ8に送信する。入出庫管制サーバ8は、入庫要求を受信すると、車両に、空の駐車スペース6までの走行ルートを送信し、それにより車両は、空の駐車スペース6まで、送信された走行ルートに沿い自動運転でもって走行せしめられる。次いで、ユーザは、ユーザの指定する出庫時間の少し前に、利用要求された乗降場4、5に行き、ユーザの携帯端末から、出庫要求を入出庫管制サーバ8に送信する。入出庫管制サーバ8は、出庫要求を受信すると、車両に、現在駐車中の駐車スペース6から利用要求された乗降場4、5までの走行ルートを送信し、それにより車両は、現在駐車中の駐車スペース6から利用要求された乗降場4、5まで、送信された走行ルートに沿い自動運転でもって走行せしめられる。車両が、利用要求された乗降場4、5に到達すると、ユーザは車両に乗り込み、次いで、車両は、次の目的地に向けて移動せしめられる。
【0013】
なお、各駐車場2、2a、2bには、各駐車スペース6の利用状況を監視するために多数の監視カメラが設置されており、これらの監視カメラにより撮影された画像信号は、入出庫管制サーバ8に送り込まれる。入出庫管制サーバ8では、各監視カメラにより撮影された画像信号から、各駐車スペース6の利用状況が判別される。また、本発明による実施例では、各乗降場4、5には、各乗降場4、5の利用状況、即ち、混雑度を監視するために多数の監視カメラが設置されており、これらの監視カメラにより撮影された画像信号は、入出庫管制サーバ8に送り込まれる。入出庫管制サーバ8では、各監視カメラにより撮影された画像信号から、各乗降場4、5の利用状況、即ち、混雑度が判別される。
【0014】
図3は、自動駐車サービスを利用するのに適した車両20の一例を図解的に示している。図3を参照すると、21は車両20の駆動輪に駆動力を与えるための車両駆動部、22は車両20を制動するための制動装置、23は車両20を操舵するための操舵装置、24は車両20内に搭載された電子制御ユニットを夫々示す。図3に示されるように、電子制御ユニット24はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス25によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)26、ROMおよびRAMからなるメモリ27および入出力ポート28を具備する。
【0015】
一方、図3に示されるように、車両20には、車両20が自動運転を行うのに必要な各種センサ30、即ち、車両20の状態を検出するセンサおよび車両20の周辺を検出するセンサが設置されている。この場合、車両20の状態を検出するセンサとしては、加速度センサ、速度センサ、方位角センサが用いられており、車両20の周辺を検出するセンサとしては、車両20の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等が用いられる。また、車両20には、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および各種操作をおこなうための操作部34が設けられている。GNSS受信装置31は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、車両20の現在位置(例えば車両20の緯度及び経度)を検出することができる。従って、このGNSS受信装置31により車両20の現在位置を取得することができる。このGNSS受信装置31として、例えば、GPS受信装置が用いられる。
【0016】
地図データ記憶装置32には、車両20が自動運転を行うのに必要な地図データ等が記憶されている。また、操作部34には自動運転等に必要な操作パネルが設けられており、操作パネルにおいて目的地が入力されると、ナビゲーション装置33を用いて車両20の走行ルートが検索される。これらの各種センサ30、GNSS受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および操作部34は、電子制御ユニット24に接続されている。
【0017】
一方、図4は、図1および図2において駐車管理施設7内に設置されている駐車管制サーバ8を示している。図4に示されるように、この駐車管制サーバ8内には電子制御ユニット40が設けられている。この電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)42、ROMおよびRAMからなるメモリ43および入出力ポート44を具備する。更に、駐車管制サーバ8内には、車両20と通信を行うための通信装置45が設けられている。一方、車両20には、駐車管制サーバ8と通信を行うための通信装置35が搭載されている。また、図4には、自動駐車サービスを利用するユーザが所有していて、通信ネットワークを介して駐車管制サーバ8の通信装置45と通信可能な携帯端末46が示されている。
【0018】
図3を参照すると、本発明による実施例では、車両駆動部21は、2次電池により駆動される電気モータ、或いは、燃料電池により駆動される電気モータより構成されており、駆動輪は、電子制御ユニット20の出力信号に従って、これらの電気モータにより駆動制御される。また、車両20の制動制御は、電子制御ユニット24の出力信号に従って制動装置22により行われ、車両20の操舵制御は、電子制御ユニット24の出力信号に従って操舵装置23により行われる。
【0019】
次に、図3図5および図6を参照しつつ、車両20による自動運転の概要について説明する。図5は、車両20による自動運転を開始するときの操作の一例を示しており、これらの操作は、操作部34の操作パネル上において行われる。図5に示される例では、最初に、図5のA1に示されるように、車両20の運転形態を自動運転に設定するための自動運転設定操作が行われる。この自動運転設定操作は、例えば、操作部34の操作パネル上に表示された項目「自動運転設定」にタッチすることにより実行される。操作部34の操作パネル上に表示された項目「自動運転設定」にタッチすると、操作部34の操作パネル上に目的地の入力画面が現れ、図5のA2に示されるように、この入力画面に、目的地が入力される。この場合、例えば、図1に示される施設1の第1の乗降場4が目的地として入力される。
【0020】
目的地の入力が終了すると、図5のA3に示されるように、目的地の登録が行われる。この目的地の登録は、例えば、操作部34の操作パネル上に表示された項目「登録」にタッチすることにより実行される。目的地の登録がおこなわれると、入力された目的地が、車両20に搭載された電子制御ユニット24のメモリ27内に記憶される。なお、目的地の登録が行われると、図5のA4に示されるように、車両20の自動運転制御が開始される。図6は、この車両20の自動運転制御を行うためのルーチンを示しており、このルーチンは、車両20に搭載された電子制御ユニット24のCPU26において繰り返し実行される。
【0021】
図6を参照すると、まず初めに、ステップ50において、電子制御ユニット24のメモリ27内に記憶されている目的地、例えば、図1に示される施設1の第1の乗降場4が目的地として決定される。目的地が決定されると、ステップ51に進んで、決定された目的地とGNSS受信装置31により取得された車両20の現在位置に基づいて、ナビゲーション装置33により現在位置から目的地までの車両20の走行ルートが決定される。次いで、ステップ52では、車両20の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等のセンサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのない車両20の走行軌跡および走行速度が決定される。
【0022】
次いで、ステップ53では、決定された走行軌跡および走行速度に従って、車両20の走行制御が行われる。次いで、ステップ54では、車両20がステップ50において決定された目的地に到達したか否かが判別される。車両20が目的地に到達していないと判別されたときには、ステップ52に戻り、車両20の自動運転が続行される。一方、ステップ54において、車両20が目的地に到達したと判別されたときには、ステップ55に進んで、車両20の自動運転が一旦終了される。
【0023】
車両20が目的地、例えば、図1に示される施設1の第1の乗降場4に到着すると、ユーザは、ユーザの携帯端末46から、入庫要求を入出庫管制サーバ8に送信する。入出庫管制サーバ8は、入庫要求を受信すると、車両20を自動運転でもって空の駐車スペース6まで走行せしめるための入出庫の管理制御を実行する。図7は、この入出庫の管理制御を実行するために、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40において実行される入出庫の管理制御ルーチンを示している。
【0024】
図7を参照すると、まず初めに、ステップ60において、車両20の移動目的地が設定される。入出庫管制サーバ8が入庫要求を受信したときには、多数の駐車スペース6の中から、空の駐車スペース6が車両20の移動目的地として設定される。移動目的地が設定されると、ステップ61に進んで、第1の乗降場4から空の駐車スペース6までの走行ルートが設定される。次いで、ステップ62では、他車両や構造物と接触することのない車両20の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ63では、車両20の
自動運転実行指令が発せられ、次いで、ステップ64では、設定された空の駐車スペース6、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令が入出庫管制サーバ8から車両20に送信される。
【0025】
車両20が、設定された空の駐車スペース6、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令を受信すると、図6に示される車両20の自動運転制御ルーチンにおいて、ステップ50では、設定された空の駐車スペース6が目的地として決定され、ステップ51では、設定された走行ルートが、走行ルートとして決定され、ステップ52では、設定された走行軌跡および走行速度が、走行軌跡および走行速度として決定される。次いで、ステップ53およびステップ54では、車両20が設定された空の駐車スペース6に到達するまで、決定された走行軌跡および走行速度に従って、車両20の走行制御が行われる。このようにして車両20の入庫処理が行われる。
【0026】
一方、ユーザが出庫を希望するときには、ユーザが指定する出庫時間の少し前に、利用要求された乗降場4、5、例えば、施設1の第1の乗降場4に行き、ユーザの携帯端末46から、出庫要求を入出庫管制サーバ8に送信する。入出庫管制サーバ8は、出庫要求を受信すると、車両20を現在駐車中の駐車スペース6からユーザの希望した第1の乗降場4まで自動運転でもって走行せしめるための入出庫管理制御を実行する。この入出庫管理制御も、図7に示される入出庫の管理制御ルーチンを用いて実行される。ただし、この場合、図7のステップ60では、施設1の第1の乗降場4が車両20の移動目的地として設定され、ステップ61では、現在駐車中の駐車スペース6から第1の乗降場4までの走行ルートが設定され、ステップ62では、他車両や構造物と接触することのない車両20の走行軌跡および走行速度が設定され、ステップ63では、車両20の自動運転実行指令が発せられ、ステップ64では、設定された移動目的地、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令が入出庫管制サーバ8から車両20に送信される。
【0027】
車両20が、設定された移動目的地、走行ルート、走行軌跡、走行速度および自動運転実行指令を受信すると、図6に示される車両20の自動運転制御ルーチンにおいて、ステップ50では、設定された移動目的地、例えば、施設1の第1の乗降場4が目的地として決定され、ステップ51では、設定された走行ルートが、走行ルートとして決定され、ステップ52では、設定された走行軌跡および走行速度が、走行軌跡および走行速度として決定される。次いで、ステップ53およびステップ54では、車両20が施設1の第1の乗降場4に到達するまで、決定された走行軌跡および走行速度に従って、車両20の走行制御が行われる。このようにして車両20の出庫処理が行われる。
【0028】
さて、自動駐車サービスを利用するときには、自動駐車サービスのユーザによる、希望する駐車場への入出庫時間帯の予約を必要とする場合が多い。この場合、自動駐車サービスを提供している駐車場では、車両20の入出庫時に、駐車場に併設された乗降場においてユーザの乗り降りが行われるので、希望する時間帯において車両20を入出庫し得るか否かは、希望する時間帯における乗降場の混雑度に依存することになる。即ち、希望する時間帯における乗降場の混雑度が低ければ、ユーザは希望する時間帯において車両20を入出庫することが可能となり、希望する時間帯における乗降場の混雑度が高ければ、ユーザは希望する時間帯において車両20を入出庫することが不可能となる。従って、乗降場の混雑度を予測することが必要となる。
【0029】
そこで、次に、図8Aから図12を参照しつつ、乗降場の混雑度を予測する混雑度予測方法の一例について説明する。前述したように、本発明による実施例では、各乗降場4、5には、各乗降場4、5の混雑度を監視するために多数の監視カメラが設置されており、これらの監視カメラにより撮影された画像信号に基づき、入出庫管制サーバ8において、各乗降場4、5の混雑度が判別される。図8Aは、乗降場4に10個の乗降用停車スペースが設置されている場合の乗降場4の混雑度の判別基準の一例を示しており、図8Bは、乗降場5に10個の乗降用停車スペースが設置されている場合の乗降場5の混雑度の判別基準の一例を示している。
【0030】
図8Aに示される例では、乗降場4の乗降用停車スペースの一定時間内における使用率、即ち、乗降場4の乗降用停車スペースに同時停車している車両の台数の一定時間内における、例えば、10分間における平均値に基づいて混雑度が判別される。この場合、図8Aに示される例では、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が0から3台のときには、小混雑(X3)であると判別され、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が4から6台のときには、中混雑(X2)であると判別され、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が7から10台のときには、大混雑(X1)であると判別される。
【0031】
一方、図8Bに示される例では、図8Aに示される例と同様に、乗降場5の乗降用停車スペースの一定時間内における使用率、即ち、乗降場5の乗降用停車スペースに同時停車している車両の台数の一定時間内における、例えば、10分間における平均値に基づいて混雑度が判別される。この場合、図8Bに示される例では、図8Aに示される例と同様に、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が0から3台のときには、小混雑(Y3)であると判別され、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が4から6台のときには、中混雑(Y2)であると判別され、車両の同時停車台数の一定時間内における平均値が7から10台のときには、大混雑(Y1)であると判別される。
【0032】
図9Aは、乗降場4における車両の同時停車台数の10分間の平均値の予測値の概念図を示している。本発明による実施例では、この予測値は、9時から22時の間の10分間毎に求められており、図9Aには、9時から22時の間の極一部の時間帯における予測値のみが示されている。また、図9Aには、大混雑(X1)、中混雑(X2)、小混雑(X3)の範囲が示されている。一方、図9Bは、乗降場5における車両の同時停車台数の10分間の平均値の予測値の概念図を示している。本発明による実施例では、この予測値は、9時から22時の間の10分間毎に求められており、図9Bには、9時から22時の間の極一部の時間帯における予測値のみが示されている。また、図9Bには、大混雑(Y1)、中混雑(Y2)、小混雑(Y3)の範囲が示されている
【0033】
本発明による実施例では、図9Aおよび図9Bにおける予測値は、過去のデータに基づき作成される混雑度の予測モデルを用いて取得される、図10Aは、この予測モデルを作成するためのデータセットを示している。図10Aを参照すると、このデータセットは、混雑度に直接的な影響を与える基本パラメータと、混雑度に大きな影響を与える補助パラメータと、混雑度との9時から22時の間の10分間毎の実際の値の一覧表からなる。この場合、混雑度に直接的な影響を与える基本パラメータとしては、10分間当たりの予定入庫数、予定出庫数および空の駐車スペースが用いられており、混雑度に大きな影響を与える補助パラメータとしては、曜日、天気予報および予定イベントが用いられている。この場合、曜日は例えば日曜日は1、月曜日は2、・・・とされ、天気予報は例えば晴れは1、雨は2、・・・とされ、予定イベントは大規模のイベントは1、中規模のイベントは2、・・・とされる。
【0034】
一方、図10Aの混雑度としては、各時間帯における実際の混雑度が用いられる。この場合、図10Aに示されるデータセットが、乗降場4の混雑度の予測モデルを作成するためのデータセットである場合には、図10Aの混雑度は、各時間帯における乗降場4の実際の混雑度X1,X2又はX3とされ、図10Aに示されるデータセットが、乗降場5の混雑度の予測モデルを作成するためのデータセットである場合には、図10Aの混雑度は、各時間帯における乗降場5の実際の混雑度Y1,Y2又はY3とされる。図10Aに示されるデータセットは、駐車場の閉鎖日を除いて、毎日作成され、例えば、過去1年間分のデータセットを用いて、乗降場4の混雑度の予測モデルおよび乗降場5の混雑度の予測モデルが作成される。
【0035】
この場合、本発明による実施例では、これらの予測モデルは、図11に示されるニューラルネットワークをにより用いて作成される。なお、図11において、L=1は入力層、L=2およびL=3は隠れ層、L=4は出力層、SMはソフトマックス層を夫々示している。図10Aの時刻9:00から9:10までの間の乗降場4の混雑度の予測モデルを作成する場合には、最初に、例えば、最も古い日付けのデータセットの時刻9:00から9:10における予定入庫数、予定出庫数、空の駐車スペース、曜日、天気予報および予定イベントを、図11に示されるように入力層L=1の各ノードに入力し、このときのデータセットの混雑度が例えばX2であったとすると、図11に示されるX2が1(正解ラベル)となるように、誤差逆伝播法を用いてニューラルネットワークの重みの学習が行われる。
【0036】
最も古い日付けのデータセットの時刻9:00から9:10についてのニューラルネットワークの重みの学習が終了すると、次いで、次に古い日付けのデータセットの時刻9:00から9:10における予定入庫数、予定出庫数、空の駐車スペース、曜日、天気予報および予定イベントを、図11に示されるように入力層L=1の各ノードに入力し、このときのデータセットの混雑度が例えばX1であったとすると、図11に示されるX1が1(正解ラベル)となるように、誤差逆伝播法を用いてニューラルネットワークの重みの学習が行われる。このようにして、過去1年間分のデータセットの時刻9:00から9:10についてのニューラルネットワークの重みの学習が終了すると、学習済みのニューラルネットワークにより、時刻9:00から9:10までの間の乗降場4の混雑度の予測モデルが作成される。
【0037】
同様にして、時刻9:10から9:20までの間の乗降場4の混雑度の予測モデル、時刻9:20から9:30までの間の乗降場4の混雑度の予測モデル、・・・時刻21:40から21:50までの間の乗降場4の混雑度の予測モデル、時刻21:50から22:00までの間の乗降場4の混雑度の予測モデルが作成される。また、同様にして、時刻9:00から9:10までの間の乗降場5の混雑度の予測モデル、時刻9:10から9:20までの間の乗降場5の混雑度の予測モデル、時刻9:20から9:30までの間の乗降場5の混雑度の予測モデル、・・・時刻21:40から21:50までの間の乗降場5の混雑度の予測モデル、時刻21:50から22:00までの間の乗降場5の混雑度の予測モデルが作成される。なお、将来の予定入庫数、予定出庫数、空の駐車スペース、曜日、天気予報および予定イベントは常に更新されて、出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている。
【0038】
図12は、これらの各時刻間における混雑度の予測モデルを用いて、ユーザから入出庫要求があったときに混雑度を算出するためのルーチンを示している。このルーチンは、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40において実行される。図12を参照すると、まず初めに、ステップ70において、ユーザが指定する入出庫時間帯および利用要求された乗降場に基づき、ユーザからの入出庫要求に対応した予測モデルが選定される。例えば、ユーザにより利用要求された乗降場が乗降場4であったとすると、ユーザが指定する入庫時間における乗降場4の混雑度の予測モデルとユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測モデルが選定される。
【0039】
次いで、ステップ71では、出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている乗降場4に対する入力パラメータ、即ち、予定入庫数、予定出庫数、空の駐車スペース、曜日、天気予報および予定イベントの中から、ユーザが指定する入庫時間における入力パラメータとユーザが指定する出庫時間における入力パラメータとが取得される。次いで、ステップ72では、ユーザが指定する入庫時間における乗降場4の混雑度の予測モデルとユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測モデルを用い、これら予測モデルに、取得された対応する入力パラメータを入力することにより、ユーザが指定する入庫時間における乗降場4の混雑度とユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測が行われる。
【0040】
同様にして、ユーザが乗降場5の利用を要求している場合であっても、図12に示される算出ルーチンを用いて、ユーザが指定する入庫時間における乗降場5の混雑度とユーザが指定する出庫時間における乗降場5の混雑度の予測を行うことができる。また、乗車場4a、5aと降車場4b、5bとが夫々独立して設置されている場合において、乗車場4a、5aの出庫混雑度の予測モデルおよび降車場4b、5bの入庫混雑度の予測モデルとを夫々作成し、これらの出庫混雑度の予測モデルおよび入庫混雑度の予測モデルを用いて、出庫混雑度の予測と入庫混雑度の予測とを個別に行うこともできる。この場合には、図10Aに示されるデータセットに代えて、図10Aのデータセットの混雑度を、図10Bに示される入庫混雑度と出庫混雑度に代えたデータセットが用いられる。このように、本発明による実施例では、混雑度が、少なくとも、単位時間当たりの予定入出庫数および曜日に基づいて予測される。
【0041】
さて、実際問題として、ユーザが指定する入出庫時間帯では利用要求された乗降場が極めて混雑し、実際の入出庫時間が、ユーザの指定する入出庫時間帯から大巾に遅れる場合がある。例えば、ユーザが乗降場として乗降場4を指定したが、ユーザが指定する入出庫時間帯では、予測される乗降場4の混雑度が大きく、その結果、実際の入出庫時間が、ユーザの指定する入出庫時間帯から大巾に遅れる場合がある。この場合、一つの方法としては、ユーザが指定する入出庫時間帯を、混雑度の低い入出庫時間帯に変更してもらうようにユーザに提案することが考えられる。しかしながら、この場合には、ユーザはスケジュールの変更が必要となり、ユーザからみると、ユーザが指定する入出庫時間帯を維持できることが好ましいと言える。
【0042】
これに対し、利用要求された乗降場の近くに別の乗降場が存在しており、ユーザが指定する入出庫時間帯において、この別の乗降場の混雑度が低い場合がある。例えば、ユーザが指定する入出庫時間帯では、利用要求された乗降場4の予測混雑度は大きいが、乗降場5の予測混雑度は小さい場合がある。この場合、乗降場5を利用した方がスケジュールを変更する必要もなく有難いと考えるユーザが多いものと考えられる。
【0043】
そこで本発明による実施例では、図13の本発明による実施例の機能構成図に示されるように、乗降場4,5に到着した車両20を、複数個の駐車スペース6のうちの一つの駐車スペース6に自動運転により入庫させると共に、駐車スペース6に駐車している車両20を自動運転により乗降場4,5に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバ8を具備している自動入出庫システムにおいて、複数個の乗降場4,5を有しており、入出庫管制サーバ8が、自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場4,5のうちの一つの乗降場4,5を利用する入出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入出庫時間帯において利用要求された乗降場4,5の混雑度を判定する混雑度判定部と、利用要求された乗降場4,5の混雑度が高いときには、複数個の乗降場4,5のうちの他の乗降場4,5であって利用要求された乗降場4,5よりも混雑度が低い他の乗降場4,5の利用をユーザに提案する代替案提案部を具備している。この場合、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40が、これら混雑度判定部および代替案提案部を形成している。
【0044】
また、本発明による実施例では、乗降場4,5に到着した車両20を、複数個の駐車スペース6のうちの一つの駐車スペース6に自動運転により入庫させると共に、駐車スペース6に駐車している車両20を自動運転により乗降場4,5に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する自動入出庫方法において、自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場4,5のうちの一つの乗降場4,5を利用する入出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入出庫時間帯における乗降場4,5の混雑度を判定し、利用要求された乗降場4,5の混雑度が高いときには、複数個の乗降場4,5のうちの他の乗降場4,5であって利用要求された乗降場4,5よりも混雑度が低い他の乗降場4,5の利用をユーザに提案する自動入出庫方法が提供される。
【0045】
更に、本発明による実施例では、乗降場4,5に到着した車両20を、複数個の駐車スペース6のうちの一つの駐車スペース6に自動運転により入庫させると共に、駐車スペース6に駐車している車両20を自動運転により乗降場4,5に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御するためのプログラムであって、自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場4,5のうちの一つの乗降場4,5を利用する入出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入出庫時間帯における乗降場4,5の混雑度を判定し、利用要求された乗降場4,5の混雑度が高いときには、複数個の乗降場4,5のうちの他の乗降場4,5であって利用要求された乗降場4,5よりも混雑度が低い他の乗降場4,5の利用をユーザに提案するよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
【0046】
次に、図14を参照しつつ、入出庫管理制御ルーチンの一実施例について説明する。
このルーチンは、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40内において実行される。
図14を参照すると、まず初めに、ステップ100において、自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が受信される。次いで、ステップ101では、ユーザから受信した要求が、入出庫要求であるか、或いは、入出庫混雑度状況の閲覧要求であるか否かが判別される。ユーザから受信した要求が、入出庫混雑度状況の閲覧要求であると判別されたときには、ステップ110に進んで、入出庫混雑度状況がユーザに送信される。
【0047】
即ち、入出庫管制サーバ8内では、10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3が算出されており、算出された10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および算出された10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3が入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている。ステップ110では、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3がユーザに送信される。
【0048】
一方、ステップ101において、ユーザから受信した要求が、入出庫要求であると判別されたときには、ステップ102に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3の中から、利用要求された乗降場とユーザが指定する入出庫時間帯に基づいて、ユーザが指定する入庫時間(以下、指定入庫時間と言う)において利用要求された乗降場の混雑度の予測値と、ユーザが指定する出庫時間(以下、指定出庫時間と言う)において利用要求された乗降場の混雑度の予測値とが取得される。なお、以降、本発明を容易に理解し得るように、利用要求された乗降場が乗降場4であった場合を例にとって、入出庫管理制御ルーチンについて説明する。この場合、ステップ102では、指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値と、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値とが取得されることになる。
【0049】
次いで、ステップ103では、指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、例えば混雑度X1であるか否か、および、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、例えば混雑度X1であるか否かが判別される。指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1ではない、即ち、混雑度X2或いはX3であると判別され、かつ、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1ではない、即ち、混雑度X2或いはX3であると判別されたときには、ステップ111に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する入出庫時間帯の予約が行われる。
【0050】
これに対し、ステップ103において、指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ104に進み、指定入庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場図1および図2に示される例では乗降場5)が検索される。一方、ステップ103において、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ104に進み、指定出庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が検索される。また、ステップ103において、指定入庫時間および指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ104に進み、指定入庫時間および指定出庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が検索される。次いで、ステップ105では、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場図1および図2に示される例では乗降場5)が存在するか否かが判別される。混雑度がX2或いはX3である他の乗降場5が存在すると判別されたときには、ステップ107に進んで、指定入庫時間および指定出庫時間の一方又は双方において、他の乗降場5の利用を提案する旨をユーザの携帯端末46に送信する。
【0051】
一方、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が存在しないと判別されたときには、ステップ106に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3から、乗降場4の混雑度がX2或いはX3である他の入庫時間或いは出庫時間が取得される。次いで、ステップ107に進んで、他の入庫時間或いは出庫時間の利用を提案する旨をユーザの携帯端末46に送信する。
【0052】
次いで、ステップ108では、ユーザが提案を承認したか否かが判別される。ユーザが提案を承認しないと判別されたときには、ステップ111に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する入出庫時間帯の予約が行われる。ただし、この場合には、通常、実際の入出庫時間が、指定入出庫時間帯から大巾に遅れる場合が多い。一方、ステップ108において、ユーザが提案を承認したと判別されたときには、ステップ109に進んで、提案された乗降場、或いは、提案された入出庫時間で予約が行われる。
【0053】
このように、この実施例では、指定入庫時間において利用要求された乗降場4の予測混雑度が大きいときには、ユーザに対して入庫時における他の乗降場5の利用の提案がなされ、指定出庫時間において利用要求された乗降場4の予測混雑度が大きいときには、ユーザに対して出庫時における他の乗降場5の利用の提案がなされ、指定入庫時間および指定出庫時間の双方において利用要求された乗降場4の予測混雑度が大きいときには、ユーザに対して入出庫時における他の乗降場5の利用の提案がなされる。この場合、他の乗降場5の混雑度が高いときには、代替案提案部により、利用要求された乗降場4の混雑度の低い他の入出庫時間帯が提案される。
【0054】
一方、図14に示される入出庫管理制御ルーチンでは、入庫および出庫を管理制御しているが、入庫および出庫を夫々個別に管理制御することもできる。この場合において、入庫のみを管理制御する場合には、図14に示される入出庫管理制御ルーチンと同様なルーチンを用いて入庫のみを管理制御することができる。また、出庫のみを管理制御する場合には、図14に示される入出庫管理制御ルーチンと同様なルーチンを用いて出庫のみを管理制御することができる。
【0055】
本発明による実施例では、入庫のみを管理制御する場合には、自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場4,5のうちの一つの乗降場4を利用する入庫要求を受けたときに、ユーザが指定する入庫時間において利用要求された乗降場4の混雑度が判定され、利用要求された乗降場4の混雑度が高いときには、複数個の乗降場4,5のうちの他の乗降場5であって利用要求された乗降場4よりも混雑度が低い他の乗降場5の利用がユーザに提案される。この場合、乗降場4,5は降車場4b、5bであってもよい。
【0056】
また、本発明による実施例では、出庫のみを管理制御する場合には、自動駐車サービスを利用するユーザから複数個の乗降場4,5のうちの一つの乗降場4を利用する出庫要求を受けたときに、ユーザが指定する出庫時間において利用要求された乗降場4の混雑度が判定され、利用要求された乗降場4の混雑度が高いときには、複数個の乗降場4,5のうちの他の乗降場5であって利用要求された乗降場4よりも混雑度が低い他の乗降場5の利用がユーザに提案される。この場合、乗降場4,5は乗車場4a、5aであってもよい。
【0057】
次に、図15および図16を参照しつつ、入出庫管理制御ルーチンの別の実施例について説明する。このルーチンも、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40内において実行される。
図15および図16を参照すると、まず初めに、ステップ200において、自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が受信される。次いで、ステップ201では、ユーザから受信した要求が、入出庫要求であるか、或いは、入出庫混雑度状況の閲覧要求であるか否かが判別される。ユーザから受信した要求が、入出庫混雑度状況の閲覧要求であると判別されたときには、ステップ212に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3がユーザに送信される。
【0058】
一方、ステップ201において、ユーザから受信した要求が、入出庫要求であると判別されたときには、ステップ202に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3の中から、利用要求された乗降場とユーザが指定する入出庫時間帯に基づいて、ユーザが指定する入庫時間において利用要求された乗降場の混雑度の予測値と、ユーザが指定する出庫時間において利用要求された乗降場の混雑度の予測値とが取得される。なお、この場合も、利用要求された乗降場が乗降場4であった場合を例にとって説明すると、ステップ202では、ユーザが指定する入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値と、ユーザが希望する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値とが取得されることになる。
【0059】
次いで、ステップ203では、ユーザが指定する指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、例えば混雑度X1であるか否か、および、ユーザが指定する指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、例えば混雑度X1であるか否かが判別される。指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1ではない、即ち、混雑度X2或いはX3であると判別され、かつ、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1ではない、即ち、混雑度X2或いはX3であると判別されたときには、ステップ213に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する入出庫時間帯の予約が行われる。
【0060】
これに対し、ステップ203において、指定入庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ204に進み、指定入庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場図1および図2に示される例では乗降場5)が検索される。一方、ステップ203において、指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ204に進み、指定出庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が検索される。また、ステップ203において、指定入庫時間および指定出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ204に進み、指定入庫時間および指定出庫時間において、混雑度の低い、例えば、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が検索される。次いで、ステップ205では、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場図1および図2に示される例では乗降場5)が存在するか否かが判別される。混雑度がX2或いはX3である他の乗降場5が存在すると判別されたときには、ステップ206に進む。
【0061】
ステップ206では、ユーザの存在位置から他の乗降場、即ち、乗降場5までの距離、又は、ユーザが存在位置から他の乗降場、即ち、乗降場5に到達するまでの必要到達時間が算出される。この場合、ユーザの存在位置は、例えば、予約時に入出庫管制サーバ8に登録された行き先(例えば、施設1)から推定される、また、このユーザの存在位置は、出庫要求があったときのユーザの携帯端末46の位置情報から推定される。次いで、ステップ207では、ユーザの存在位置から他の乗降場5までの距離、又は、ユーザの存在位置から他の乗降場5に到達するまでの必要到達時間が所定値以内であるか否かが判別される。これらの距離、又は、必要到達時間が所定値以内であると判別されたときにはステップ209に進み、指定入庫時間および指定出庫時間の一方又は双方において、他の乗降場5の利用を提案する旨をユーザの携帯端末46に送信する。
【0062】
一方、ステップ205において、混雑度がX2或いはX3である他の乗降場が存在しないと判別されたとき、又は、ステップ207において、ユーザの存在位置から他の乗降場5までの距離、又は、ユーザが存在位置から他の乗降場5に到達するまでの必要到達時間が所定値以上であると判別されには、ステップ208に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3から、乗降場4の混雑度がX2或いはX3である他の入庫時間帯或いは出庫時間帯が取得される。次いで、ステップ209に進んで、他の入庫時間帯或いは出庫時間帯の利用を提案する旨をユーザの携帯端末46に送信する。
【0063】
次いで、ステップ210では、ユーザが提案を承認したか否かが判別される。ユーザが提案を承認しないと判別されたときには、ステップ213に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する入庫時間帯の予約が行われる。ただし、この場合には、通常、実際の入出庫時間が、ユーザが指定する入出庫時間帯から大巾に遅れる場合が多い。一方、ステップ210において、ユーザが提案を承認したと判別されたときには、ステップ211に進んで、提案された乗降場、或いは、提案された入出庫時間で予約が行われる。
【0064】
次に、図17および図18を参照しつつ、入出庫管理制御ルーチンの更に別の実施例について説明する。このルーチンも、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40内において実行される。
図17および図18を参照すると、まず初めに、ステップ300において、自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が受信される。この場合、ユーザからは、入出庫要求、或いは、入出庫混雑度状況の閲覧要求が受信されている。更に、この実施例では、自動駐車サービスを利用するユーザが、自動運転シェアカー或いは自動運転タクシーによるライドシェアサービスを利用しているか否かに関する情報が受信されている。次いで、ステップ301では、自動駐車サービスを利用するユーザが、ライドシェアサービスを利用しているか否かの判別が行われ、自動駐車サービスを利用するユーザが、ライドシェアサービスを利用していないと判別されたときには、ステップ310に進んで、図14に示される入出庫管理制御ルーチン、或いは、図15および図16に示される入出庫管理制御ルーチンが実行される。
【0065】
これに対し、ステップ301において、自動駐車サービスを利用するユーザが、ライドシェアサービスを利用していると判別されたときには、ステップ302に進んで、自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が出庫要求であるか否かが判別される。自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が出庫要求でないと判別されたときには、ステップ310に進む。これに対し、自動駐車サービスを利用するユーザからの要求が出庫要求であると判別されたときには、ステップ303に進んで、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている10分間毎の乗降場4の混雑度の予測値X1,X2,X3および10分間毎の乗降場5の混雑度の予測値Y1,Y2,Y3の中から、利用要求された乗降場とユーザが指定する出庫時間に基づいて、ユーザが指定する出庫時間における利用要求された乗降場、例えば、乗降場4の混雑度の予測値とが取得される。
【0066】
次いで、ステップ304では、ユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、例えば混雑度X1であるか否かが判別される。ユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1ではない、即ち、混雑度X2或いはX3であると判別されたときには、ステップ311に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する入庫時間の予約が行われる。これに対し、ステップ304において、ユーザが指定する出庫時間における乗降場4の混雑度の予測値が、混雑度X1であると判別されたときには、ステップ305に進み、入出庫管制サーバ8の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている予約データから、ライドシェアサービスを利用している他のユーザが検索される。
【0067】
次いで、ステップ306では、出庫要求を行ったユーザとライドシェアサービスを利用している他のユーザから、同じ方向の目的地および同じ出庫時間帯を指定する出庫要求を受けているか否かが判別される。他のユーザおよび出庫要求を行ったユーザから、同じ方向の目的地および同じ出庫時間帯を指定する出庫要求を受けていないと判別されたときには、ステップ311に進んで、利用要求された乗降場4とユーザが指定する出庫時間帯の予約が行われる。ただし、この場合には、通常、実際の出庫時間が、ユーザの指定する出庫時間帯から大巾に遅れる場合が多い。これに対し、他のユーザおよび出庫要求を行ったユーザから、同じ方向の目的地および同じ出庫時間帯を指定する出庫要求を受けていると判別されたときには、ステップ307に進んで、他のユーザおよび出庫要求を行ったユーザに対して相乗りの提案を各ユーザの携帯端末46に送信する。
【0068】
次いで、ステップ308では、各ユーザが提案を承認したか否かが判別される。各ユーザが提案を承認しないと判別されたときには、ステップ311に進んで、各ユーザ毎に、利用要求された乗降場とユーザが指定する出庫時間帯の予約が行われる。ただし、この場合には、通常、実際の出庫時間が、ユーザの指定する出庫時間帯から大巾に遅れる場合が多い。一方、ステップ308において、各ユーザが提案を承認したと判別されたときには、ステップ309に進んで、提案された相乗りの予約が行われる。
【0069】
即ち、この実施例では、乗降場4,5に到着した車両20を、複数個の駐車スペース6のうちの一つの駐車スペース6に自動運転により入庫させると共に、駐車スペース6に駐車している車両20を自動運転により乗降場4,5に出庫させる自動駐車サービスを提供するために、入庫および出庫を管理制御する入出庫管制サーバ8を具備している自動入出庫システムにおいて、入出庫管制サーバ8が、自動駐車サービスおよびライドシェアサービスを利用する複数人のユーザから、同じ方向の目的地および同じ出庫時間帯を指定する出庫要求を受けたときに、出庫要求を受けた出庫時間帯における乗降場4,5の混雑度を判定する混雑度判定部と、乗降場4,5の混雑度が高いときには、各ユーザに対して相乗りを提案する代替案提案部を具備している。
【符号の説明】
【0070】
1 施設
2、2a,2b 駐車場
3 道路
4 第1乗降場
5 第2乗降場
6 駐車スペース
20 車両
図1
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