(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】端末装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240903BHJP
【FI】
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2021145038
(22)【出願日】2021-09-06
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】柴野 巧
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/084838(WO,A1)
【文献】特開2018-206434(JP,A)
【文献】特開2016-177760(JP,A)
【文献】国際公開第2015/008408(WO,A1)
【文献】特開2015-032272(JP,A)
【文献】特開2013-200311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048-3/04895
G06F3/14-3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部と、制御部とを備える端末装置であって、
前記制御部は、前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定し、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させ、
前記対象の機器のそれぞれによる電力使用量の目標量を取得し、
前記入出力部に、前記目標量を面積で示す第2領域を前記第1領域に重ねて表示させ、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御する、端末装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の端末装置であって、
前記制御部は、前記操作の入力の結果、前記第1領域のそれぞれが、対応する前記第2領域の内側に収まっていない場合、前記第1領域を前記第2領域の内側に収めるよう促す通知を前記入出力部に表示させる、端末装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の端末装置であって、
前記制御部は、前記第1領域を選択する前記ユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する前記対象の機器の修理の要否を示す修理情報を表示させる、端末装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の端末装置であって、
前記制御部は、前記第1領域を選択するユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する対象の機器に代替可能な他の機器についての広告情報を表示させる、端末装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の端末装置であって、
前記制御部は、前記対象の機器の使用履歴を示す履歴情報を取得し、
取得した前記履歴情報に基づいて、前記ユーザの使用頻度が高い対象の機器を決定し、決定した前記対象の機器の前記第1領域を前記入出力部に優先的に表示させる、端末装置。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の端末装置であって、
前記制御部は、
前記対象の機器ごとに予め定められた、災害時の電力使用量の目標量である災害時目標量を
、前記対象の機器のそれぞれによる電力使用量の目標量として取得する、端末装置。
【請求項7】
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部とを備えるコンピュータが実行する方法であって、
前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定することと、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させることと、
前記対象の機器のそれぞれによる電力使用量の目標量を取得することと、
前記入出力部に、前記目標量を面積で示す第2領域を前記第1領域に重ねて表示させることと、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御することと
を含む、方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法であって、
前記操作の入力の結果、前記第1領域のそれぞれが、対応する前記第2領域の内側に収まっていない場合、前記第1領域を前記第2領域の内側に収めるよう促す通知を前記入出力部に表示させることをさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載の方法であって、
前記第1領域を選択する前記ユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する前記対象の機器の修理の要否を示す修理情報を表示させることをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項
7から
9のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1領域を選択するユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する対象の機器に代替可能な他の機器についての広告情報を表示させることをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項
7から1
0のいずれか一項に記載の方法であって、
前記対象の機器の使用履歴を示す履歴情報を取得することと、
取得した前記履歴情報に基づいて、前記ユーザの使用頻度が高い対象の機器を決定し、決定した前記対象の機器の前記第1領域を前記入出力部に優先的に表示させることと
をさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項
7から1
1のいずれか一項に記載の方法であって、
前記対象の機器ごとに予め定められた、災害時の電力使用量の目標量である災害時目標量を
、前記対象の機器のそれぞれによる電力使用量の目標量として取得することをさらに含む、方法。
【請求項13】
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部とを備えるコンピュータに、
前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定することと、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させることと、
前記対象の機器のそれぞれによる電力使用量の目標量を取得することと、
前記入出力部に、前記目標量を面積で示す第2領域を前記第1領域に重ねて表示させることと、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御することと
を含む動作を実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項1
3に記載のプログラムであって、
前記操作の入力の結果、前記第1領域のそれぞれが、対応する前記第2領域の内側に収まっていない場合、前記第1領域を前記第2領域の内側に収めるよう促す通知を前記入出力部に表示させることをさらに含む動作を実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項1
3又は14に記載のプログラムであって、
前記第1領域を選択する前記ユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する前記対象の機器の修理の要否を示す修理情報を表示させることをさらに含む動作を実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項1
3から1
5のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1領域を選択するユーザの操作を受け付けると、前記入出力部に、前記第1領域に対応する対象の機器に代替可能な他の機器についての広告情報を表示させることをさらに含む動作を実行させるプログラム。
【請求項17】
請求項1
3から1
6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記対象の機器の使用履歴を示す履歴情報を取得することと、
取得した前記履歴情報に基づいて、前記ユーザの使用頻度が高い対象の機器を決定し、決定した前記対象の機器の前記第1領域を前記入出力部に優先的に表示させることとをさらに含む動作を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グラフィカルユーザインタフェースとしてのアイコンの画像を表示させ、当該アイコンに対する指示の入力回数が多いほど当該アイコンの表示サイズを大きくし、入力回数が少ないほど表示サイズを小さくする制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法には改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部と、制御部とを備える端末装置であって、
前記制御部は、前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定し、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させ、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御する。
【0007】
本開示に係る方法は、
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部とを備えるコンピュータが実行する方法であって、
前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定することと、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させることと、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御することと
を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、
ユーザが使用する少なくとも1つの機器と通信する通信部と、入出力部とを備えるコンピュータに、
前記機器のうち制御する機器を対象の機器として特定することと、
前記入出力部に、前記対象の機器による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させることと、
前記第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、前記操作に応じて前記対象の機器を制御することと
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る端末装置の入出力部に表示される画面の例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る端末装置の入出力部に表示される画面の例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る端末装置の入出力部に表示される画面の例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る端末装置の入出力部に表示される画面の例を示す図である。
【
図6A】本開示の実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
【
図6B】本開示の実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム10の概要について説明する。システム10は、端末装置20と、機器30とを備える。端末装置20と機器30とは、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0014】
端末装置20は、ユーザUによって保持される。端末装置20は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。ユーザUは、端末装置20を使って家の中または外から機器30を制御できる。
【0015】
機器30は、ユーザUが家の中で使用する機器であり、端末装置20によって制御可能である。機器30は具体的には、エアコン、ルームライト、冷蔵庫、テレビを含む。機器30はこれに限られず、風呂、洗濯機、電子レンジ等の調理機、掃除機、カーテン、オーディオ機器等を含んでよい。
図1では簡便のため機器30を1つのみ示すが、機器30の数は複数あってよく、機器30として同一の機種が複数あってもよい。
【0016】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0017】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。端末装置20は、ユーザUが使用する少なくとも1つの機器30と通信する。端末装置20は、機器30のうち制御する機器30を対象の機器30として特定し、入出力部24に、対象の機器30による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させ、第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、操作に応じて対象の機器30を制御する。
【0018】
電力使用量とは、対象の機器30によって所定の期間内に消費された電力量である。機器30から端末装置20に電力使用量を示す情報が送信されることで、端末装置20が電力使用量を取得できる。第1領域とは、以下で説明するように、入出力部24上に表示される平面的な画像であり、機器30の電力使用量に応じた面積を有する。第1領域は、電力使用量が大きい程大きい面積を有する。本実施形態において第1領域の形状は角の丸い四角形であるが、これに限られず、円形、任意の多角形、又はハート形、動物の形等の任意の形であってよい。ユーザが入出力部24に指を接触させて第1領域に対しピンチイン操作を行うことで第1領域の面積が縮小し、ピンチアウト操作を行うことで第1領域の面積が拡大される。端末装置20は、第1領域の面積の変化量に応じた制御量で、機器30を制御する。
【0019】
本実施形態によれば、端末装置20に機器の電力使用量が面積で示す第1領域が表示され、ユーザUが電力使用量を直観的に把握できる。さらにユーザUは、当該第1領域を拡大または縮小する操作を入力し、機器30の制御量を変化させ、機器30を容易に制御することができる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0020】
図2を参照して、本実施形態に係る端末装置20の構成を説明する。
【0021】
端末装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入出力部24とを備える。
【0022】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、端末装置20の各部を制御しながら、端末装置20の動作に関わる処理を実行する。制御部21は、機器30から機器30の使用履歴に関するログ等を示す情報を取得し、取得した情報を記憶部22に格納して管理できる。制御部21は、機器30を制御する信号を生成し、当該信号を通信部23を介して機器30へ送信できる。
【0023】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、端末装置20の動作に用いられる情報と、端末装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0024】
通信部23には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部23は、端末装置20の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0025】
入出力部24には、少なくとも1つの入出力用インタフェースが含まれる。入出力用インタフェースは、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンを含む。入出力部24は、端末装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、端末装置20の動作によって得られる情報を出力する。入出力部24は、端末装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。入出力部24は、一体化されずに、別個の入力部と出力部とにより構成されてもよい。この場合、入力部には、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、又はマイク等の少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。出力部には、ディスプレイ又はスピーカ等の少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。
【0026】
端末装置20の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置20の動作を実行することにより端末装置20として機能する。
【0027】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記録しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0028】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0029】
端末装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0030】
図1を参照して、本実施形態に係る機器30の構成を説明する。
【0031】
機器30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、出力部35、及び電力使用量センサ36を備える。
【0032】
制御部31は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるがこれに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部31は、機器30の各部を制御しながら、機器30全体の動作を制御する。
【0033】
制御部31は、端末装置20から通信部33を介して機器30を制御する信号を受信することで取得する。制御部31は、取得した信号に応じて機器30の動作を制御する。制御部31による機器30の制御内容は機器30の種類に応じて異なる。例えば、機器30がエアコンであれば、制御部31は当該エアコンの運転の開始又は停止、設定温度の変更、冷房、暖房、除湿又は送風等の運転モードの変更、風量又は風向き等の変更等を制御できる。制御部31は、機器30がルームライトであれば、当該ルームライトの電源のオン又はオフ、明るさの変更等を制御できる。制御部31は、機器30が冷蔵庫であれば、当該冷蔵庫の温度設定の変更等を制御できる。制御部31は、機器30がテレビであれば、当該テレビの電源のオン又はオフ、画面の明るさ、音量、又はチャンネルの変更、録画予約等を制御できる。
【0034】
制御部31は、任意のセンサが検出した、機器30の使用履歴を示す履歴情報を記憶部22に格納する。履歴情報は、ユーザUの識別子と対応付けて、当該ユーザが機器30の操作を行った回数、電源をオン又はオフにした時刻、使用継続時間、所定の時間内に設定を変更した回数等の履歴を含む。例えば機器30がエアコンである場合、所定の時間内にユーザUがエアコンの運転を開始又は停止させた回数又は時刻、運転モード、設定温度、風量、風向き等の設定を変更した回数又は時刻等が履歴情報に含まれてよい。例えば機器30がルームライトである場合、所定の時間内にユーザUがルームライトの電源のオン又はオフを切り替えた回数又は時刻等が履歴情報に含まれてよい。例えば機器30が冷蔵庫である場合、所定の時間内にユーザUが冷蔵庫の温度設定を変更した回数、冷蔵庫の扉を開けた回数又は時刻等が履歴情報に含まれてよい。機器30がテレビであれば、所定の時間内にユーザUがテレビの電源のオン又はオフを切り替えた回数又は時刻、画面の明るさ、音量、チャンネル、録画予約等の設定を変更した回数又は時刻等が履歴情報に含まれてよい。
【0035】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、機器30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部33を介してネットワークから取得される情報で更新可能であってもよい。
【0036】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば移動体通信規格、4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部33は、機器30の動作に用いられる情報を受信し、また機器30の動作によって得られる情報を送信する。
【0037】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、機器30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、機器30に備えられる代わりに、外部の入力機器として機器30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0038】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、機器30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、機器30に備えられる代わりに、外部の出力機器として機器30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0039】
電力使用量センサ36は、機器30の所定時間における電力使用量を検出し、制御部31に出力する。
【0040】
機器30の機能は、任意の機器プログラムを、制御部41としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、機器30の機能は、ソフトウェアにより実現される。機器プログラムは、機器30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを機器30として機能させる。すなわち、コンピュータは、機器プログラムに従って機器30の動作を実行することにより機器30として機能する。
【0041】
機器30の一部又は全ての機能が、制御部31としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、機器30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0042】
図2、
図3、
図4、
図5、
図6A及び
図6Bを参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。端末装置の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
図2、
図3、
図4、
図5は、本実施形態に係る入出力部24に表示される画面の例を示す。
図6A及び
図6Bは、本実施形態に係るシステム10全体の処理フローを示す。以下において端末装置20は、通信部33を介して機器30と情報の送受信を行う。
【0043】
ステップS101において、端末装置20の制御部21は、制御する機器30を対象の機器30として特定する。制御部21は、ユーザによる機器30の選択の入力を受け付けることで対象の機器30を特定してもよい。この場合、例えば端末装置20の制御部21は、入出力部24を介して、ユーザUに対し、端末装置20に接続された複数の機器30のうちから制御したい機器30を選択させる画面を表示してよい。制御部21は、ユーザUが入出力部24を介して選択した機器30を対象の機器30として特定する。対象の機器30の特定の手法はこれに限られない。例えば制御部21は、通信部23を介して接続された機器30を自動的に対象の機器30として特定してもよい。本例では特定された機器30が、稼働中のエアコン、冷蔵庫、ルームライト、テレビであるとする。
【0044】
ステップS102において、対象の機器30のそれぞれは、電力使用量を示す情報を端末装置20に対して送信する。具体的には、対象の機器30のそれぞれにおいて、電力使用量センサ36が検出した電力使用量を示す情報を、機器30の制御部31が取得し、端末装置20に送信する。対象の機器30は、電力使用量を示す情報を常に送信していてもよいし、端末装置20の要求に応じて送信してもよい。
【0045】
ステップS103において、端末装置20の制御部21は、対象の機器30のそれぞれから、対象の機器30の電力使用量を示す情報を受信することで取得する。本例ではエアコン、冷蔵庫、ルームライト、テレビの電力使用量がそれぞれA1、R1、L1、T1であるとする。電力使用量は、A1が最も高い値であり、続いてL1、R1、T1の順に高い値であるとする。
【0046】
ステップS104において、制御部21は、対象の機器30のそれぞれについての電力使用量の目標量を取得する。電力使用量の目標量の取得には、任意の手法が採用されてよい。
【0047】
制御部21は、災害時の電力使用量の目標量である災害時目標量を、目標量として取得してもよい。災害時目標量とは、地震、洪水、火山の噴火、がけ崩れ等の災害による電力不足又は停電において、ユーザが電力使用量を減らして電力を節約するための電力使用量の目標量である。制御部21は、災害時目標量を記憶部22に格納していて、記憶部22から読み出すことで取得してもよいし、災害時目標量を外部装置から取得してもよい。災害時目標量は、災害時においてどの程度電力使用量を節約することが必要かに応じて、機器30ごとに予め設定されてよい。例えば、ユーザが災害時にも継続して使用が必要な冷蔵庫については災害時目標量は平時の電力使用量と変更がない値が設定され、テレビについては平時の電力使用量の平均値より少ない値が災害時目標量として設定されてよい。制御部21は、災害が発生したことを示す情報を外部装置から受信したときに災害が発生したと判断し、災害時目標量を目標量として取得してもよい。制御部21は、ユーザUの家又は家の付近に設けられた任意のセンサが検出した計測値を取得し、当該計測値が所定の値以上であるときに災害が発生したと判断し、災害時目標量を目標量として取得してもよい。
【0048】
制御部21が取得する目標量はこれに限られず、任意に設定されていてよい。例えば制御部21は、同一の機器30について、ユーザUと異なる他の複数のユーザによる電力使用量を取得し、電力使用量の平均値を算出し、当該平均値を目標量として取得してもよい。例えば制御部21は、機器30についてユーザUの昨年度の電力使用量の平均値と比較して電力使用量が多い機器30を特定し、当該平均値を当該特定した機器30の電力使用量の目標量として取得してもよい。
【0049】
本例では、制御部21は、記憶部22からユーザが予め設定した目標量を読み出すことで目標量を取得する。本例ではエアコン、冷蔵庫、ルームライト、及びテレビの電力使用量の目標量がそれぞれA2、R2、L2、T2であるとする。
【0050】
ステップS105において、対象の機器30のそれぞれは、機器30の使用履歴を示す履歴情報を端末装置20に対して送信する。機器30は、履歴情報を常に送信していてもよいし、端末装置20の要求に応じて送信してもよい。機器30の制御部31は、所定の時間に亘って任意のセンサが検出したユーザUによる機器30の使用の履歴から履歴情報を生成し、記憶部32に格納する。制御部31は、記憶部32から履歴情報を読み出し、通信部33を介して端末装置20へ送信する。
【0051】
ステップS106において、端末装置20の制御部21は、対象の機器30のそれぞれから、対象の機器30の履歴情報を受信することで取得する。
【0052】
ステップS107において、制御部21は、入出力部24に、対象の機器30による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させる。
図2に、制御部21が入出力部24に表示させる画面の一例を示す。制御部21は、入出力部24上に表示した表示エリアD内に、機器30のそれぞれの電力使用量に対応する面積を有する第1領域を複数表示させる。本例では、エアコンの電力使用量A1に対応する第1領域1A、冷蔵庫の電力使用量R1に対応する第1領域1R、ルームライトの電力使用量L1に対応する第1領域1L、テレビの電力使用量T1に対応する第1領域1Tが表示される。
【0053】
制御部21は、表示エリアDの上下左右から任意の余白幅を取った残りの領域を、ステップS101で特定された対象の機器30の数で分割する。制御部21は、ステップS103で取得した電力使用量の比率に応じて、分割した当該表示エリアDのそれぞれの大きさを変更する。本例では、ステップS101で特定された機器30がエアコン、ルームライト、冷蔵庫、テレビであり、これらの機器の電力使用量の比率が4:3:2:1であるとする。制御部21は、分割された表示エリアDのそれぞれを電力使用量の比率に応じて拡大又は縮小させる。拡大又は縮小の条件は任意に設定されてよく、例えば電力使用量の比率が所定値以上である機器30については分割された表示エリアDが所定の大きさにまで拡大され、比率が所定値未満である機器30については分割された表示エリアDは所定の大きさにまで縮小されてよい。
【0054】
制御部21は、4つに分割された表示エリアDを、機器30のそれぞれの電力使用量を面積で示す第1領域として表示させる。
図2に制御部21が入出力部24に表示させた各第1領域の例を示す。
図2では、エアコン、ルームライト、冷蔵庫、テレビのそれぞれの電力使用量を面積で示す、第1領域1A、第1領域1L、第1領域1R、及び第1領域1Tが表示されている。
図2からわかるように、電力使用量の比率が高い程、第1領域の面積も大きく表示される。
【0055】
これに限られず、制御部21は、記憶部22に格納された、予め設定されたテンプレートを読み込んで表示エリアDを分割してもよい。テンプレートは対象の機器30の数に応じて作成されたものであってよい。例えば対象の機器30の数が3つである場合、テンプレートは表示エリアDを、左側の部分1つと、右側の部分を上下に2つに分割した部分を含むものであってもよいし、表示エリアDを縦又は横に3つに分割した部分を含むものであってもよい。テンプレートは表示エリアDを黄金比等の所定の比率で分割して作成されたものであってよい。制御部21は、対象の機器30の数に合ったテンプレートを記憶部22から読み出し、テンプレートが示す分割された表示エリアDの面積が大きい順に、電力使用量の比率が高い機器30の第1領域として表示させてもよい。
【0056】
図6AのステップS108において、制御部21は、ステップS106で取得した履歴情報に基づいて、ユーザUによる使用頻度が高い対象の機器を決定し、決定した対象の機器30の第1領域を入出力部24に優先的に表示させる。
【0057】
使用頻度とは、ユーザが機器に対し所定の操作を行う頻度である。制御部21は、履歴情報から、ユーザUが所定期間内の機器30の操作を行った回数を平均して頻度として算出してよい。頻度は例えば、機器30の電源のオン又はオフの頻度、エアコン等の設定温度の変更の頻度、ルームライトの明るさの変更の頻度、テレビのチャンネルの変更の頻度、冷蔵庫のドアの開閉の頻度等を含む。制御部21は、使用頻度が所定値以上である機器を使用頻度が高い対象の機器30として決定する。制御部21は、使用頻度が高い順に機器30に順位をつけて決定してもよい。
【0058】
制御部21は、表示エリアDの上部等、所定の位置に使用頻度が高い機器30の第1領域を表示させることで、第1領域を優先的に表示させる。優先的な表示の条件は任意に設定されてよい。例えば優先的な表示は、使用頻度が高い順に表示エリアDの上部から下部、または下部から上部に一列で順に表示されてもよいし、左から右、又は右から左に順に表示されてもよい。本例では、制御部21は、使用頻度が高い順に表示エリアDの左上から右下に順に、優先的に第1領域を表示させる。
【0059】
本例では、機器30の使用頻度が冷蔵庫、エアコン、ルームライト、テレビの順に高いと制御部21が決定したとする。制御部21は、
図2に示すように、表示エリアDの左上から右下に向かって順に、冷蔵庫の第1領域1R、エアコンの第1領域1A、ルームライトの第1領域1L、テレビの第1領域1Tを表示させる。優先的な表示の手法はユーザUによって自由に設定可能であってよい。このようにして制御部21は、取得した履歴情報に基づいて、ユーザによる使用頻度が高い対象の機器を決定し、決定した対象の機器30の第1領域を入出力部24に優先的に表示させる。
【0060】
図6BのステップS109において、制御部21は、入出力部24に、ステップS104で取得した目標量を面積で示す第2領域を、第1領域に重ねて表示させる。
【0061】
第2領域は、入出力部24上に表示される平面的な画像である。制御部21は、第2領域の面積の大きさを任意の条件で決定してよい。例えば制御部21は、ステップS103で取得した電力使用量とステップS104で取得した目標量との比率に応じて第2領域の面積の大きさを決定してよい。例えば、電力使用量が目標量と比較して1割多い場合には、第1領域の面積より1割大きい面積を第2領域の面積として決定し、電力使用量が目標量と比較して1割少ない場合には、第1領域の面積より1割小さい面積を第2領域の面積として決定してよい。制御部21は、電力使用量と目標量との差分が所定値未満のときは、第1領域の面積と同様の大きさの面積を第2領域の面積として決定してよい。所定値は任意に設定されてよい。
【0062】
本例では、エアコンの電力使用量が目標量と比較して1割少なく、ルームライトの電力使用量が目標量と比較して1割多く、冷蔵庫の電力使用量及びテレビの電力使用量と、それぞれの目標量との差分が所定値未満であるとする。制御部21は、エアコンの第1領域1Aの面積より1割大きい面積をエアコンの第2領域2Aとして決定し、ルームライトの第1領域1Lの面積より1割小さい面積をルームライトの第2領域2Lとして決定し、冷蔵庫の第1領域1Rの面積と同様の面積を冷蔵庫の第2領域2Rとして決定し、テレビの第1領域1Tの面積と同様の面積をテレビの第2領域2Tとして決定する。
【0063】
制御部21は、決定した面積を有する第2領域を、対応する第1領域にそれぞれ重ねて表示させる。
図3に、本例において、対象の機器30の第2領域が第1領域にそれぞれ重ねて表示されている状態を示す。
図3で示すように、本例では制御部21は、第2領域を破線で表示させるが、第2領域の表示の手法はこれに限られない。例えば第2領域は半透明の面積を有する領域であり、ユーザUが重なりあった第1領域と第2領域とを視認して比較できるように表示されてもよい。
図3に示すように、冷蔵庫の第1領域1Rに重ねて第2領域2Rが、エアコンの第1領域1Aに重ねて第2領域2Aが表示される。テレビの第2領域2Tは第1領域1Tと同一の面積を、ルームライトの第2領域2Lは第1領域1Lと同一の面積を有するように決定されたため、それぞれ第1領域とずれがない状態で重ねて表示される。
【0064】
ステップS110において、制御部21は、ユーザUによる第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付ける。制御部21は、ユーザUが入出力部24上で、指先で第1領域をピンチインまたはピンチアウトする操作に応じて第1領域の面積の大きさを変化させる。操作の入力を受け付ける手法はこれに限られず、任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、第1領域を拡大または縮小する割合の数値の入力を受け付けてもよい。制御部21は、ユーザUの指が入出力部24から離れたときに入力の操作が終了したと判断して受け付けを完了してもよいし、「入力完了」というテキストが書かれたボタンを表示させ、当該ボタンをユーザが選択したときに入力の操作が終了したと判断して受け付けを完了してもよい。
【0065】
本例では、ユーザUが入出力部24を介して、
図3で示すエアコンの第1領域1Aを1割拡大させるピンチアウト操作を行い、ルームライトの第1領域1Lを1割縮小させるピンチイン操作を行って、入出力部24上の表示が
図3の状態から、
図4に示す状態と変化したとする。
図4を参照すると、エアコンの第1領域1Aが第2領域2Aと同一の面積を有するように変化し、ルームライトの第1領域1Lが第2領域2Lと同一の面積を有するように変化している。
【0066】
ステップS111において、制御部21は、対象の機器を制御する制御量を取得する。具体的には、制御部21は、ユーザによる操作前と操作後の第1領域の面積の変化量を当該第1領域に係る機器を制御する制御量として決定することで取得する。面積の変化量と制御量との関係は機器の機能に応じて、任意の条件で決定されてよい。例えば制御部21は、ユーザUによる操作前と操作後の第1領域の面積の大きさの比率から対象の機器の制御量を決定してよい。制御部21は、操作前と比較して操作後の第1領域の面積が拡大した場合は、面積が拡大した量に比例して機器30の電力使用量が増えるように機器30の制御量を決定し、操作前と比較して操作後の第1領域の面積が縮小した場合は、面積が縮小した量に比例して機器30の電力使用量が減るように機器30の制御量を決定することで制御量を取得してよい。
【0067】
取得した制御量で行う制御の内容は機器30の種類に応じて任意に設定されてよい。例えば機器30について、第1領域の面積が1割拡大すると、当該機器30の電源がオンになり、1割縮小すると、当該機器30の電源がオフになるよう制御量が決定されてよい。例えば対象の機器30がエアコンである場合、第1領域の面積が1割拡大又は縮小すると、エアコンの設定温度が1度変化するよう制御量が決定されてもよい。この場合、春期または夏期においては、第1領域の面積が1割拡大するとエアコンの設定温度が1度低下し、1割縮小するとエアコンの設定温度が1度上昇するよう制御量が決定されてよい。一方、秋期または冬期においては、第1領域の面積が1割拡大するとエアコンの設定温度が1度上昇し、1割縮小するとエアコンの設定温度が1度低下するよう制御量が決定されてよい。対象の機器30がルームライトである場合、第1領域の面積が1割拡大すると、ルームライトの明るさが1段階明るくなり、1割縮小すると、ルームライトの明るさが1段階暗くなるよう制御量が決定されてよい。対象の機器30が冷蔵庫である場合、第1領域の面積が1割拡大すると、冷蔵庫内の温度が1度低下し、第1領域の面積が1割縮小すると、冷蔵庫内の温度が1度上昇するよう制御量が決定されてもよい。対象の機器30がテレビである場合、第1領域の面積が1割拡大すると、テレビの音量又は画面の明るさが1段階上がり、第1領域の面積が1割縮小すると、テレビの音量又は画面の明るさが1段階下がるよう制御量が決定されてもよい。
【0068】
本例では、ユーザUのピンチアウト操作によりエアコンの第1領域1Aが1割拡大され、ピンチイン操作によりルームライトの第1領域1Lが1割縮小されている。制御部21は、エアコンの設定温度を1度変化させる制御量と、ルームライトの明るさを1段階下げる制御量を取得する。本例ではエアコンの設定温度の変化とは、設定温度を1度下げることをいうとする。
【0069】
ステップS112において、制御部21は、対象の機器30に対し、ステップS111で取得した制御量で対象の機器30を制御する信号を送信する。本例では、制御部21は、エアコンに対し設定温度を1度下げるよう制御する信号を送信し、ルームライトに対し明るさを1段階下げるよう制御する信号を送信する。
【0070】
ステップS113において、対象の機器30のそれぞれが端末装置20から送信された信号を受信して動作する。本例では、エアコンの設定温度が1度下がり、ルームライトの明るさが1段階下がる。
【0071】
ステップS110からステップS113までに示すように、制御部21は、第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、操作に応じて対象の機器30を制御する。
【0072】
ステップS114において、制御部21はユーザUによる第1領域を選択する操作を受け付ける。選択する操作には任意の操作が含まれてよく、例えばユーザが、入出力部24に表示された任意の対象の機器30の第1領域に対しタップ操作、長押し操作、フリック操作、又はスワイプ操作等を行うことを含んでよい。
【0073】
ステップS115において、制御部21は、入出力部24に、第1領域に対応する機器30に関する情報を表示させる。その後システムの処理は終了する。
【0074】
機器30に関する情報は、機器30の修理の要否を示す修理情報を含んでよい。修理情報は、ユーザが選択した第1領域に対応する機器30の修理の要否を示す情報である。修理情報は、機器30の故障の対応の要否の他、例えばエアコンのフィルター替えの要否等、所定の部品の交換の要否も含んでよい。修理情報は、機器30の修理が必要な部品、修理を依頼可能な修理業者の連絡先、端末装置の現在位置から所定の距離以内にある修理業者、ユーザが自ら修理する場合の手順等の任意の情報を含んでよい。制御部21は、修理が必要な部品、又は所定の部品の交換の必要を示す情報を機器30から受信したときに、修理情報を生成することで取得し、記憶部22に格納していてよい。制御部21は、外部装置から修理業者についての情報を取得し、修理情報を生成してよい。制御部21は、ユーザが当該機器30の第1領域を選択したときに、記憶部22から修理情報を読み出し、入出力部24に表示させる。これに限られず、制御部21は修理情報を生成したときに入出力部24に表示させてもよい。
【0075】
機器30に関する情報は、機器30に代替可能な他の機器についての情報を示す広告情報を含んでも良い。広告情報は、ユーザが選択した第1領域に対応する機器30の最新モデルの値段、発売日、新機能についての情報を含んでよい。制御部21は、機器30の購入日を記憶部22に格納しておき、当該購入日から所定の期間経過したときに外部装置から機器30の最新モデルの値段、発売日、新機能等についての情報を取得し、広告情報を生成して記憶部22に格納していてよい。制御部21は、ユーザが当該機器30の第1領域を選択したときに、記憶部22から当該広告情報を読み出し、入出力部24に表示させる。これに限られず、制御部21は広告情報を生成したときに入出力部24に表示させてもよい。
【0076】
上述に限られず、機器30に関する情報は、ステップS106で取得される履歴情報、機器30の電力使用量の所定期間における変化を示す情報、又は機器が購入された日、過去の修理の履歴を示す情報を含んでよい。機器に関する情報はさらに、機器の推奨される制御を示す情報を含んでもよい。
【0077】
例えば制御部21は、ユーザが端末装置20に入力したユーザUの行動予定を示す情報を取得し、当該予定に合わせた機器30の制御を推奨される制御として表示させてよい。例えばユーザUが数時間後に外出する予定である場合には、エアコンを数時間後にオフにするタイマー設定を推奨される制御として表示させてよい。この場合、ユーザUが当該推奨される制御を示す情報を見たあと、すぐにエアコンを制御できるよう、制御の指示を送信するボタンを併せて表示させてよい。ユーザUが当該ボタンを選択したとき、制御部21はタイマー設定を行う制御を行う信号をエアコンに送信してよい。
【0078】
例えばユーザUが好みの温度を予め設定しており、エアコンによって検出された部屋の現在の温度が当該温度と差がある場合には、制御部21は、エアコンの設定温度を当該温度とする制御を推奨される制御として表示させてよい。この場合、制御の指示を確定させるボタンを選択したとき、制御部21は設定温度をユーザUの好みの温度に変更させる制御を行う信号をエアコンに送信してよい。例えばエアコンに関し、熱中症対策のため所定の温度が推奨温度として予め設定されており、エアコンによって検出された部屋の現在の温度が当該推奨温度と差がある場合には、制御部21は、エアコンの設定温度を当該推奨温度とする制御を推奨される制御として表示させてよい。この場合、制御の指示を確定させるボタンを選択したとき、制御部21は設定温度を当該推奨温度に変更させる制御を行う信号をエアコンに送信してよい。
【0079】
機器30に関する情報はさらに、省エネのアドバイスとして、機器30をどのように制御した場合どの程度電力使用量を節約できるかを示す情報を含んでもよい。例えば制御部21は、エアコンの現在の設定温度を何度変化させると、どの程度電力使用量を節約できるかを示す情報を表示させる。制御部21は、この場合、ユーザUが当該情報をU見たあと、すぐにエアコンを制御できるよう、制御の指示を確定させるボタンを併せて表示させてよい。ユーザが当該ボタンを選択したとき、制御部21はエアコンに対し電力使用量の節約となる制御を行う信号を送信してよい。
【0080】
図5は、
図4のエアコンの第1領域1Aを選択する操作を受け付けた場合に、制御部21が、入出力部24に、
図4の画面の状態から遷移させて表示させた結果の例である。
図5に示すように、制御部21は、機器30に関する情報のメニュー画面を表示させてよい。本実施形態では、
図5の「基本情報」の画像をユーザが選択すると、制御部21はさらに画面を遷移させ、又は当該「基本情報」の画像の上に、当該エアコンが購入された日、又は過去の修理の履歴等の、当該エアコンについての基本的な情報を表示させる。「新着情報」の画像をユーザが選択すると、制御部21はさらに画面を遷移させ、又は当該「新着情報」の画像の上に、当該エアコンの広告情報を表示させる。「使用実績」の画像をユーザが選択すると、制御部21はさらに画面を遷移させ、又は当該「使用実績」の画像の上にエアコンの電力使用量の過去の変化を示す情報が表示させる。「快適設定」の画像をユーザが選択すると、制御部21はさらに画面を遷移させ、又は当該「快適設定」の画像の上にエアコンの推奨される制御を示す情報を表示させる。
【0081】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20は、ユーザが使用する少なくとも1つの機器30と通信する通信部23と、入出力部24と、制御部21とを備える端末装置である。制御部21は、機器30のうち制御する機器30を対象の機器30として特定し、入出力部24に、対象の機器30による電力使用量を面積で示す少なくとも1つの第1領域を表示させ、第1領域を拡大または縮小する操作の入力を受け付け、操作に応じて対象の機器30を制御する。
【0082】
本実施形態によれば、入出力部24に表示された第1領域から、機器30の電力使用量がユーザUにとって直観的に把握できる。ユーザUは、第1領域の面積を変化させる操作を入力することで、当該機器30を簡易に制御することができる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0083】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20において、制御部21は、対象の機器30のそれぞれによる電力使用量の目標量を取得し、入出力部24に、目標量を面積で示す第2領域を第1領域に重ねて表示させる。
【0084】
本実施形態によれば、電力使用量の目標量が現在の電力使用量に重ねて表示されるため、ユーザが、対象の機器30をどの程度制御すれば電力使用量を目標量以内にすることができるかを直感的に把握し、機器30を制御しやすくなる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0085】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20において、制御部21は、第1領域を選択するユーザUの操作を受け付けると、入出力部24に、第1領域に対応する対象の機器30の修理の要否を示す修理情報を表示させる。
【0086】
本実施形態によれば、ユーザが対象の機器30を制御しようとするときに、併せて当該機器30の修理の要否を知ることができる。対象の機器30の制御することと修理の要否についての情報を表示させることとを一連の動作で実行できるため、ユーザが機器30の修理の要否について把握しやすくなる。これにより、機器30に修理が必要である場合にユーザが早期に対処できるようになる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0087】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20において、制御部21は、第1領域を選択するユーザUの操作を受け付けると、入出力部24に、第1領域に対応する対象の機器30に代替可能な他の機器30についての広告情報を表示させる。
【0088】
本実施形態によれば、ユーザが対象の機器30を制御しようとするときに、併せて当該機器30に代替可能な新商品の広告を知ることができる。対象の機器30の制御することと新商品についての情報を表示させることとを一連の動作で実行できるため、ユーザUが新商品について情報を把握しやすくなる。これにより、買い替えの検討をユーザが早期からしやすくなる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0089】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20において、制御部21は、対象の機器30の使用履歴を示す履歴情報を取得し、取得した履歴情報に基づいて、ユーザUの使用頻度が高い対象の機器30を決定し、決定した対象の機器30の第1領域を入出力部24に優先的に表示させる。
【0090】
本実施形態によれば、ユーザUが頻繁に使用する機器30が優先的に表示されるため、ユーザUが当該機器30の電力使用量について意識しやすくなる。また、ユーザUが入出力部24の画面から当該機器30の第1領域を見つけ、制御するための操作の入力が行いやすくなる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0091】
上述のように、本実施形態に係る端末装置20において、制御部21は、災害時の電力使用量の目標量である災害時目標量を目標量として取得する。
【0092】
本実施形態によれば、電力使用量を特に意識することが必要な災害時に、ユーザUが対象の機器30をどの程度制御すべきかが把握しやすくなる。ユーザUは、電力供給量が限られる等の災害時の緊急事態下でも、目標量に従って平時と同様の操作を入力でき、安心して対象の機器30を制御することができる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0093】
(第1の変形例)
本開示の実施形態の第1の変形例として、制御部21は、ユーザUの操作の入力の結果、第1領域のそれぞれが、第2領域の内側に収まっているかどうかを判断してよい。
【0094】
制御部21は、第1領域のそれぞれが、対応する第2領域の内側に収まっていないと判断した場合、第1領域を第2領域の内側に収めるよう促す通知を入出力部24に表示させる。例えば入出力部24が
図3の状態であるとき、ユーザUがエアコンの第1領域1Aの面積を変化させる操作を入力した結果、第1領域1Aが第2領域2Aより大きい面積を有し、第2領域2Aから第1領域1Aがはみ出た状態になったとする。この場合制御部21は、エアコンの第1領域1Aが第2領域2Aの内側に収まっていいないと判断し、第1領域1Aを第2領域2Aの内側に収めるよう促す通知を、入出力部24を介して出力する。
【0095】
通知は例えば「目標量を超えているようです」等の任意のテキストメッセージであってよい。これに限られず、メッセージは音声で再生されてもよい。通知は、第1領域の色が変化すること、又は第1領域の全体が震える等の特定の動作を行うことを含んでよい。
【0096】
上述のように、本変形例に係る端末装置20において、制御部21は、操作の入力の結果、第1領域のそれぞれが、対応する第2領域の内側に収まっていない場合、第1領域を第2領域の内側に収めるよう促す通知を入出力部24に表示させる。
【0097】
本変形例によれば、ユーザUが、入力操作の結果制御される機器30の電力使用量が目標量を超えることにすぐに気づくことができる。通知を参照することで、ユーザUが第1領域の面積を再度変更する操作を入力しやすくなる。よって、グラフィカルユーザインタフェースとしての画像を用いてユーザの操作性を向上させる手法を改善することができる。
【0098】
(第2の変形例)
本開示の第2の変形例として、制御部21は、取得した電力使用量が取得した目標量と比較して多いかどうかを判断し、当該電力使用量が目標量と多いときは入出力部24に第2領域を表示させ、当該電力使用量が目標量より少ないときは入出力部24に第2領域を表示させなくともよい。本変形例によれば、電力使用量が目標量と比較して多い場合にのみ第2領域が表示されるため、ユーザが、電力使用量が目標量を超えている機器をより明確に把握できる。
【0099】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
10 システム
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入出力部
30 機器
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 電力使用量センサ
40 ネットワーク