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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】光検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021147826
(22)【出願日】2021-09-10
(65)【公開番号】P2023040701
(43)【公開日】2023-03-23
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】恩田 一寿
(72)【発明者】
【氏名】清野 光宏
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-068120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0049585(US,A1)
【文献】特開2000-276300(JP,A)
【文献】国際公開第2021/019902(WO,A1)
【文献】特開昭61-150533(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0292671(US,A1)
【文献】特開2021-014996(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021693(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/041517(WO,A1)
【文献】特開2013-210379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 17/95
G01B 11/00 - 11/30
G01C 3/00 - 3/32
G02B 26/10 - 26/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光ビーム(PB)を外界の検出領域(DA)へ向けて走査し、前記投光ビームに対する前記検出領域からの反射ビーム(RB)を検出する光検出装置(10)であって、
前記投光ビームを投光する投光部(20)、及び前記投光ビームとは光路のフットプリント(PF,RF)が重畳する前記反射ビームを受光する受光部(40)を、含む光学ユニット(2)と、
前記光学ユニットを内部に収容する収容室(11)を、形成する収容ユニット(1,2001,3001,4001,5001)とを、備え、
前記収容ユニットは、
前記収容室から前記検出領域へ前記投光ビームを透過させ、前記検出領域から前記収容室へ前記反射ビームを透過させる光学窓部(16)と、
前記光学窓部を外周側から囲んで保持する保持部(14)と、
前記光学ユニット及び前記光学窓部の間を仕切って配置され、前記投光ビームに対する反射率が前記光学窓部側において前記保持部よりも低く、前記投光ビームに対する吸収率が前記光学窓部側において前記保持部よりも高い光学仕切部(18,2018)とを、含み、
前記受光部において前記反射ビームを導光する受光レンズ系(42)は、
前記投光部において前記投光ビームを導光する投光レンズ系(26)よりも、前記光学窓部側へ張り出す大径に形成され、
前記光学仕切部は、
前記投光レンズ系との間におけるよりも前記光学窓部側へ偏位した偏位構造(185)を、前記受光レンズ系との間に有する光検出装置。
【請求項2】
前記光学仕切部は、
前記投光ビーム及び前記反射ビームの前記フットプリントを外周側から囲んで配置される請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記光学仕切部は、
前記光学窓部から前記光学ユニット側へ離間する離間構造(182,183,184)を、有する請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記光学仕切部(2018)は、
前記光学窓部の外周側縁部、及び前記保持部の内周側縁部のうち、少なくとも一方に接触する請求項1~のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記収容室内に収容され、前記投光部からの前記投光ビームを前記検出領域へ向けて走査し、前記検出領域からの前記反射ビームを前記受光部へ向けて反射する走査ユニット(3)を、備える請求項1~のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記走査ユニットは、
回転駆動されるミラー部(30)を、含み、
前記光学窓部は、
前記ミラー部の回転軸方向に対して傾斜する傾斜面構造(160)を、前記収容室側に有する請求項に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記光学仕切部は、
前記傾斜面構造に沿って並列配置される並列面構造(181)を、前記光学窓部側に有する請求項に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記収容ユニット(3001,5001)は、
前記光学仕切部としての窓側光学仕切部(18)に加えて、
前記走査ユニットを挟んで前記光学ユニットとは反対側、及び前記走査ユニットを挟んで前記光学窓部とは反対側のうち、少なくとも一方に配置され、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する反射率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも低く、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する吸収率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも高い走査側光学仕切部(3018,5018)を、含む請求項5~7のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記収容ユニット(4001)は、
前記光学仕切部としての窓側光学仕切部(18)に加えて、
前記投光部を外周側から囲んで配置され、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する反射率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも低く、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する吸収率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも高い投光側光学仕切部(4018a)を、含む請求項5~8のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記収容ユニット(4001)は、
前記光学仕切部としての窓側光学仕切部(18)に加えて、
前記受光部を外周側から囲んで配置され、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する反射率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも低く、前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する吸収率が前記走査ユニット側において前記保持部よりも高い受光側光学仕切部(4018b)を、含む請求項5~9のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記収容ユニットは、
前記光学窓部及び前記保持部により開口(13)を覆われて前記収容室を画成するケーシング部(12)を、含み、
前記光学仕切部は、
前記ケーシング部に対して前記開口側から組付固定される請求項1~10のいずれか一項に記載の光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投光ビームを外界の検出領域へ向けて走査し、投光ビームに対する検出領域からの反射ビームを検出する光検出装置は、広く知られている。例えば特許文献1に開示される光検出装置では、投光ビームを投光する投光部と、反射ビームを受光する受光部との間に、光透過を阻止する仕切板が、配置されている。これにより、投光部から受光部への光の漏洩による誤検出を抑制することが、可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-132723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される光検出装置では、仕切板を間に挟む投光部と受光部とを、離間させて配置する配置スペースが必要となるため、装置全体としての体格が大型化してしまう。本開示の課題は、小型化と検出精度の確保とを両立させる光検出装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0006】
本開示の一態様は、
投光ビーム(PB)を外界の検出領域(DA)へ向けて走査し、投光ビームに対する検出領域からの反射ビーム(RB)を検出する光検出装置(10)であって、
投光ビームを投光する投光部(20)、及び投光ビームとは光路のフットプリント(PF,RF)が重畳する反射ビームを受光する受光部(40)を、含む光学ユニット(2)と、
光学ユニットを内部に収容する収容室(11)を、形成する収容ユニット(1,2001,3001,4001,5001)とを、備え、
収容ユニットは、
収容室から検出領域へ投光ビームを透過させ、検出領域から収容室へ反射ビームを透過させる光学窓部(16)と、
光学窓部を外周側から囲んで保持する保持部(14)と、
光学ユニット及び光学窓部の間を仕切って配置され、投光ビームに対する反射率が光学窓部側において保持部よりも低く、投光ビームに対する吸収率が光学窓部側において保持部よりも高い光学仕切部(18,2018)とを、含み、
受光部において反射ビームを導光する受光レンズ系(42)は、
投光部において投光ビームを導光する投光レンズ系(26)よりも、光学窓部側へ張り出す大径に形成され、
光学仕切部は、
投光レンズ系との間におけるよりも光学窓部側へ偏位した偏位構造(185)を、受光レンズ系との間に有する。
【0007】
このように本開示の一態様によると、投光部から投光の投光ビームと、受光部により受光の反射ビームとでは、光路のフットプリントが重畳する。これによれば、収容ユニットが形成する収容室内に収容の光学ユニットでは、投光部と受光部とをフットプリントの重畳する方向に可及的に近づけて配置することができる。故に、収容ユニットの体格、ひいては光検出装置全体としての体格を小型化することが可能となる。
【0008】
さらに一態様によると、収容ユニットにおいて収容室から検出領域へ投光ビームを透過させ、且つ検出領域から収容室へ反射ビームを透過させる光学窓部は、保持部により囲まれて外周側から保持される。そこで収容ユニットでは、投光ビームに対する反射率が光学窓部側において保持部よりも低く、投光ビームに対する吸収率が光学窓部側において保持部よりも高い光学仕切部が、光学ユニット及び光学窓部の間を仕切って配置される。
【0009】
こうした一態様の仕切配置によれば、投光ビームが光学窓部により反射されて生じるノイズ光は、光学仕切部により遮られることで、光学ユニットへの直接的な侵入を制限され得る。それと共にノイズ光は、光学仕切部により遮られることで、収容室内における光学ユニット周囲の要素による反射又は散乱を経た、光学ユニットへの間接的な侵入も制限され得る。これらのことから一態様では、上述の小型化と両立させて、ノイズ光の侵入に起因した誤検出を抑制することにより、検出精度を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態による光検出装置を示す斜視図である。
図2】第一実施形態による光検出装置を示す斜視図である。
図3】第一実施形態による光検出装置を示す正面図である。
図4図3のIV-IV線断面図に対応する模式図である。
図5図3のV-V線断面図に対応する模式図である。
図6図3のVI-VI線断面図に対応する模式図である。
図7】第一実施形態による投光器を示す模式図である。
図8】第一実施形態による受光器を示す模式図である。
図9】第一実施形態による光学仕切部を示す斜視図である。
図10】第一実施形態による光学仕切部を示す斜視図である。
図11】第一実施形態による収容ユニットの形成方法を説明するための斜視図である。
図12】第一実施形態による収容ユニットの構成例を図6に対応して示す拡大図である。
図13】第二実施形態による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図14】第三実施形態による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図15】第四実施形態による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図16】第五実施形態による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図17】変化例による収容ユニットの構成例を図12に対応して示す模式図である。
図18】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図19】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図20】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図21】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図22】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図23】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図24】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
図25】変化例による光検出装置を図6に対応して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0012】
(第一実施形態)
図1~6に示すように、本開示の第一実施形態による光検出装置10は、移動体の外界を光学的に観測するための、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)である。光検出装置10は、移動体として手動運転、自動運転、及び遠隔運転のうち少なくとも一種類の運転が可能な、例えば自動車等の車両に搭載される。尚、以下の説明では断り書きがない限り、前、後、上、下、左、及び右が示す各方向は、水平面上の車両を基準として定義される。また、水平方向及び鉛直方向は、水平面上の車両における、当該水平面に対しての平行方向及び垂直方向をそれぞれ示す。
【0013】
光検出装置10は、例えば前方部、左右の側方部、後方部、及び上方のルーフ等のうち、車両における少なくとも一箇所に配置される。図4,6に示すように光検出装置10は、車両の外界のうち、配置箇所に応じた検出領域DAへと向けて、投光ビームPBを走査する。光検出装置10は、投光ビームPBが検出領域DAの物標により反射されることで戻ってくる戻り光を、反射ビームRBとして検出する。こうして反射ビームRBとなる投光ビームPBには、通常、外界の人間から視認困難な近赤外域の光が、選択される。
【0014】
光検出装置10は、反射ビームRBを検出することで、検出領域DAの物標を観測する。ここで物標の観測とは、例えば光検出装置10から物標までの距離、物標が存在する方向、及び物標からの反射ビームRBの反射強度等のうち、少なくとも一種類である。車両に適用される光検出装置10において代表的な観測対象となる物標は、例えば歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。車両に適用される光検出装置10において代表的な観測対象となる物標は、例えばガードレール、道路標識、道路脇の構造物、及び道路上の落下物等の静止物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。
【0015】
図1~6に示すように光検出装置10においては、三軸としてのX軸、Y軸、及びZ軸により三次元直交座標系が、定義されている。光検出装置10において、特にY軸方向は、車両の鉛直方向に沿って規定されている。それと共に光検出装置10において、共にY軸方向に直交且つ互いに直交するX軸方向とZ軸方向は、車両の水平方向に沿って規定されている。
【0016】
光検出装置10は、収容ユニット1、光学ユニット2、走査ユニット3、制御ユニット5、及び付属ユニット6を備えている。収容ユニット1は、これら要素1~3,5,6を内部に収容する収容室11を形成するために、ケーシング部12、保持部14、及び光学窓部16を含んで構成されている。
【0017】
ケーシング部12は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として有底カップ状に形成されている。ケーシング部12において外装面及び内装面の少なくとも一方には、近赤外域並びに可視域の光に対する光学特性として低い透過率と高い吸収率とが設定されることで、遮光性が与えられている。
【0018】
図4~6に示すようにケーシング部12は、X軸方向の一方へと向かって開口する、ケーシング開口13を有している。ケーシング部12は、X軸方向の一方側から保持部14及び光学窓部16によってケーシング開口13を覆われることで、それら保持部14及び光学窓部16と共同して収容室11を形成している。この収容室11は、光学ユニット2を構成する投光部20と受光部40とに共通に、設けられている。
【0019】
図1~6に示すように保持部14は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として筒枠状に形成されている。保持部14において外装面及び内装面の少なくとも一方と、開口内面とから構成される遮光面には、近赤外域並びに可視域の光に対する光学特性として低い透過率と高い吸収率とが設定されることで、遮光性が与えられている。
【0020】
図4~6に示すように保持部14は、X軸方向の一方及び他方へ向かってそれぞれ開口する、組付開口15a及び光学開口15bを有している。保持部14において組付開口15aを囲む外周側縁部は、ケーシング部12においてケーシング開口13を囲む外周側縁部に対して、図1~3に示すように螺子留めによって組付固定されている。保持部14における光学開口15bのサイズは、Z軸方向において組付開口15aのサイズよりも小さく設計されている。これにより光学開口15bの幾何学中心は、後述の如く保持部14の保持する光学窓部16の幾何学中心に対して実質位置合わせされているが、当該光学窓部16の幾何学中心に対して偏位していてもよい。
【0021】
図1~6に示すように光学窓部16は、例えば合成樹脂又はガラス等の基材を主体に、全体として略矩形の平板状に形成されている。光学窓部16には、近赤外域の光に対する光学特性として高い透過率と低い吸収率とが設定されることで、透光性が与えられている。光学窓部16には、例えば基材の着色、光学薄膜の成膜、又は基材表面へのフィルムの貼り付け等により、近赤外域の光に対しては高い透過率、且つ可視域の光に対しては低い透過率が設定されていてもよい。
【0022】
図4~6に示すように光学窓部16の外周側縁部は、保持部14のうち光学開口15bを囲んだ内周側縁部に対して、全周に亘って接触した状態に例えば接着等によって固定されている。光学窓部16において収容室11側の内装面及び検出領域DA側の外装面は、Y軸方向に対して互いに実質同一角度、傾斜している。光学窓部16は、保持部14により外周側から囲まれて傾斜状態に保持されることで、光学開口15bを閉塞している。これにより光学窓部16は、収容室11から検出領域DAへ投光ビームPBを透過させ且つ検出領域DAから収容室11へ反射ビームRBを透過させることと、検出領域DA側から収容室11内への異物の侵入を規制することとを、可能にしている。
【0023】
図1~6に示すように光学ユニット2は、投光部20及び受光部40を含んで構成されている。以下、説明の理解を容易にするため、投光部20の説明を先に行い、受光部40の説明は走査ユニット3の説明後に行うものとする。
【0024】
図5,6に示すように投光部20は、投光器22及び投光レンズ系26を有している。投光器22は、投光ビームPBとなる近赤外域のレーザ光を、発する。投光器22は、収容室11内に配置され、ケーシング部12により保持されている。
【0025】
図7に示すように投光器22は、複数のレーザ発振素子24が基板上においてアレイ状に配列されることで、構築されている。各レーザ発振素子24は、Y軸方向に沿って単列に配列されている。各レーザ発振素子24は、PN接合層において発振されたレーザ光を共振させる共振器構造、及びPN接合層を挟んでレーザ光を繰り返し反射させるミラー層構造により、位相の揃ったコヒーレントなレーザ光を発する。各レーザ発振素子24は、制御ユニット5からの制御信号に従うことで、それぞれ投光ビームPBの一部となるレーザ光を、パルス状に生成する。
【0026】
投光器22は、擬似的に長方形輪郭をもって規定される投光口25を、基板の片面側に形成している。投光口25は、各レーザ発振素子24におけるレーザ発振開口の集合体として、構成されている。投光口25のアスペクト比は、長辺側がY軸方向に沿うと共に、短辺側がX軸方向に沿うように、設定されている。
【0027】
各レーザ発振素子24のレーザ発振開口から投射されるレーザ光は、図4,6に示すように検出領域DAではY軸方向に長手のライン状に擬制される投光ビームPBとして、図7の投光口25から投射される。投光ビームPBには、Y軸方向において各レーザ発振素子24の配列間隔に応じた非発光部が、含まれていてもよい。この場合でも、検出領域DAにおいては回折作用によって巨視的に非発光部の解消されたライン状の投光ビームPBが、形成されるとよい。
【0028】
図5,6に示す投光レンズ系26は、投光器22からの投光ビームPBを、走査ユニット3のミラー部30へ向かって投光する。投光レンズ系26は、収容室11内においてZ軸方向の投光器22及びミラー部30間に、配置されている。
【0029】
投光レンズ系26は、例えば集光、コリメート、及び整形等のうち、少なくとも一種類の光学作用を発揮する。投光レンズ系26は、Z軸方向に沿う投光光軸POAを、形成する。投光レンズ系26は、少なくとも一つの投光レンズ27aがケーシング部12により鏡筒27bを介して保持される構造に、構築されている。
【0030】
少なくとも一つの投光レンズ27aは、透光性を有した、例えば合成樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。投光光軸POAは、例えば少なくとも一つの投光レンズ27aにおいてレンズ面の曲率中心等を通る、仮想的な光線軸として定義される。上述した投光口25の中心から射出されることになる投光ビームPBの主光線は、投光レンズ系26から光学作用を受けることで、図6に示すように投光光軸POAに沿って導光される。
【0031】
図4~6に示すように走査ユニット3は、ミラー部30及びモータ部35を含んで構成されている。ミラー部30は、投光部20の投光レンズ系26から投射された投光ビームPBを検出領域DAへ向けて走査し、当該投光ビームPBに対する検出領域DAからの反射ビームRBを受光部40の受光レンズ系42へ向けて反射する。
【0032】
収容室11内においてミラー部30は、光学ユニット2を構成する投光レンズ系26及び受光レンズ系42から、Z軸方向の一方側にずれて配置されている。それと共にミラー部30は、収容室11内において光学窓部16からは、X軸方向の一方側にずれて配置されている。ミラー部30は、例えば合成樹脂又はガラス等の基材を主体に、全体として平板状に形成されている。ミラー部30においては、例えばアルミニウム、銀、又は金等の反射膜が基材の片面側に蒸着されることで、図4,5に示すように反射面33が鏡面状に形成されている。
【0033】
ミラー部30は、収容室11内において回転自在に配置される回転軸31を、有している。ミラー部30は、Y軸方向に沿って延伸する回転軸31の回転中心線まわりに回転することで、反射面33の法線方向を当該回転中心線まわりに調整可能となっている。ミラー部30は、例えば機械的又は電気的なストッパ等により、有限の駆動範囲DR内において揺動運動可能となっている。これにより、ミラー部30の反射する投光ビームPBは、光学窓部16からは外れないように制限されている。
【0034】
図4~6に示すようにミラー部30は、投光部20と受光部40とに共通に設けられている。即ちミラー部30は、投光ビームPBと反射ビームRBとに共通に設けられている。これによりミラー部30は、投光ビームPBの投光に利用する投光反射部34aと、反射ビームRBの受光に利用する受光反射部34bとを、反射面33においてY軸方向にずらして有している。
【0035】
図4,6に示すように投光ビームPBは、ミラー部30の回転駆動に応じて法線方向の調整される投光反射部34aから反射作用を受けることで、光学窓部16を透過して検出領域DAを時間的及び空間的に走査する。検出領域DAに対する投光ビームPBの走査は、ミラー部30の回転駆動に応じて、水平方向での走査に実質制限される。これによりミラー部30の駆動範囲DRは、検出領域DAでの水平画角を定義付けることになる。
【0036】
投光ビームPBは、検出領域DAに存在する物標によって反射されることで、光検出装置10へ戻る反射ビームRBとなる。反射ビームRBは、光学窓部16を再度透過して、ミラー部30の受光反射部34bへと入射する。ここでミラー部30の回転運動速度に対して、投光ビームPB及び反射ビームRBの速度は十分に大きい。これにより反射ビームRBは、投光ビームPBと実質同一回転角度と擬制可能なミラー部30の受光反射部34bから反射作用を受けることで、投光ビームPBと逆行するように受光部40の受光レンズ系42へと導光される。
【0037】
投光ビームPBが形成する光路のフットプリントPFと、反射ビームRBが形成する光路のフットプリントRFとは、Y軸方向に部分重畳する重畳領域SAを、駆動範囲DR内ではミラー部30の任意の回転角度において形成する。特に投光ビームPBのフットプリントPFと反射ビームRBのフットプリントRFとは、光学窓部16においてそれら投光ビームPB及び反射ビームRBがそれぞれ入射する収容室11側及び検出領域DA側の各面のうち、少なくとも一方において重畳するように設計されている。ここでフットプリントPF,RFとは、それぞれ検出に寄与するビームPB,RBの軌跡となる光路がミラー部30の回転に応じて形成され得る空間領域を、意味する。
【0038】
図4,5に示すようにモータ部35は、収容室11内においてミラー部30の周囲に、配置されている。モータ部35は、例えばボイスコイルモータ、ブラシ付きDCモータ、又はステッピングモータ等である。モータ部35の出力軸は、ミラー部30の回転軸31に直接的に、又は例えば減速機等の駆動機構を介して間接的に、結合されている。モータ部35は、出力軸と共に回転軸31を回転駆動可能に、ケーシング部12によって保持されている。モータ部35は、制御ユニット5からの制御信号に従うことで、ミラー部30を駆動範囲DR内において回転駆動する。
【0039】
図5,6に示すように、光学ユニット2を上述の投光部20と共に構成する受光部40は、受光レンズ系42及び受光器45を有している。受光レンズ系42は、ミラー部30によって反射された反射ビームRBを、受光器45へと向かって集光する。受光レンズ系42は、収容室11内においてZ軸方向のミラー部30及び受光器45間に、配置されている。受光レンズ系42は、Y軸方向において投光レンズ系26からは下方にずれて位置決めされている。
【0040】
受光レンズ系42は、受光器45に対して反射ビームRBを結像させるように、光学作用を発揮する。受光レンズ系42は、Z軸方向に沿う受光光軸ROAを、形成する。受光レンズ系42は、少なくとも一つの受光レンズ43aがケーシング部12により鏡筒43bを介して保持される構造に、構築されている。
【0041】
少なくとも一つの受光レンズ43aは、透光性を有した、例えば合成樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。受光光軸ROAは、例えば少なくとも一つの受光レンズ43aにおいてレンズ面の曲率中心等を通る、仮想的な光線軸として定義される。受光レンズ系42の受光光軸ROAは、投光レンズ系26の投光光軸POAに対してY軸方向にずらされている。こうした受光レンズ系42の最外殻を構成する鏡筒43bの最大径は、投光レンズ系26の最外殻を構成する鏡筒43bの最大径よりも、光学窓部16側となるX軸方向の両側に張り出している。
【0042】
ミラー部30の受光反射部34bから反射される反射ビームRBの主光線は、駆動範囲DR内での任意の回転角度において、受光レンズ系42から光学作用を受けることで、図6に示すように受光光軸ROAに沿って導光される。即ち、反射ビームRBの沿う受光光軸ROAは、回転駆動されるミラー部30の駆動範囲DRに亘って、反射ビームRBの沿う光軸となる。
【0043】
図5,6に示す受光器45は、受光レンズ系42によって結像される反射ビームRBを受光することで、検出信号を出力する。受光器45は、収容室11内に配置され、ケーシング部12により保持されている。
【0044】
図8に示すように受光器45は、複数の受光画素46が基板上においてアレイ状に配列されることで、構築されている。各受光画素46は、Y軸方向に沿って単列に配列されている。各受光画素46は、受光素子47を複数ずつ有している。即ち各受光画素46毎に複数の受光素子47が存在することから、それら受光素子47の応答数に応じて出力値が異なってくる。そこで、各受光画素46毎に複数の受光素子47を束ねて出力とすることで、ダイナミックレンジを高めることが可能となる。
【0045】
各受光画素46の受光素子47は、例えばシングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)等のフォトダイオードを主体に、形成されている。各受光画素46の受光素子47は、フォトダイオードアレイの前段にマイクロレンズアレイが積層されることで、一体的に構築されていてもよい。尚、図8では、受光素子47に付される符号の一部が、省略されている。
【0046】
受光器45は、長方形輪郭の受光面48を、基板の片面側に有している。受光面48は、各受光画素46における入射面の集合体として、構成されている。各受光画素46は、受光面48を構成する入射面へと入射した反射ビームRBを、それぞれの受光素子47により受光して検出する。ここで、検出領域DAにおいてライン状に擬制される投光ビームPBに対応して、反射ビームRBはライン状に拡がったビームとなる。そこで受光面48のアスペクト比は、長辺側がY軸方向に沿うと共に、短辺側がX軸方向又はその傾斜方向に沿うように、設定されている。
【0047】
図5,6に示すように受光器45は、デコーダ49を一体に有している。デコーダ49は、反射ビームRBの検出に応じて各受光画素46の生成する電気パルスを、サンプリング処理によって順次読み出す。デコーダ49は、順次読み出された電気パルスを検出信号として、制御ユニット5に出力する。
【0048】
図5に示す制御ユニット5は、収容室11内において光学ユニット2の周囲と走査ユニット3の周囲とのうち、少なくとも一方となる箇所に配置されている。制御ユニット5は、検出領域DAにおける物標の観測を制御する。制御ユニット5は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータの、少なくとも一つを主体として構成されている。制御ユニット5は、投光器22、モータ部35、及び受光器45と電気接続されている。
【0049】
制御ユニット5は、発光タイミングにおいて各レーザ発振素子24の発振により投光ビームPBを生成するように、投光器22への制御信号を出力する。制御ユニット5は、投光ビームPBの発光タイミングと同期したミラー部30による走査及び反射を制御するように、モータ部35への制御信号を出力する。制御ユニット5は、投光器22の発光タイミング、並びにミラー部30による走査及び反射に合わせて、受光器45のデコーダ49から検出信号として出力される電気パルスを演算処理することで、検出領域DAにおける物標の観測データを生成する。
【0050】
図4~6に示す付属ユニット6は、収容室11内において光学ユニット2の周囲と走査ユニット3の周囲とのうち、少なくとも一方となる複数箇所に配置されている。付属ユニット6には、例えば電装要素5,22,35,45を外部又は相互に電気接続するためのケーブル及びコネクタ、ケーブルをケーシング部12に保持させるためのホルダ、並びに電装要素5,22,35,45から放熱させるためのヒートシンク等のうち、必要種類が含まれる。
【0051】
次に、光検出装置10の詳細構成を説明する。光検出装置10の収容ユニット1は、上述の各部12,14,16に加えて、図1~6,9~11に示す光学仕切部18も含んで構成されている。光学仕切部18は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として光学孔19を有する段付板枠状に形成されている。光学仕切部18の外周側縁部は、光学窓部16の外周側縁部よりも一回り大きく形成されている。図11に示すように光学仕切部18の外周側縁部は、ケーシング部12内の固定部120に対して、X軸方向のケーシング開口13側からの螺子留めにより組付固定されることで、当該ケーシング部12に保持されている。尚、光学仕切部18の外周側縁部は、保持部14に対して、X軸方向のケーシング開口13側から組付固定されることで、当該保持部14に支持されていてもよい。
【0052】
光学仕切部18は、ケーシング開口13側からケーシング部12に組付固定された保持部14に対しては、図4~6に示すように外周側から嵌合することで、当該保持部14に保持されて収容室11内に位置決めされている。この位置決め状態において光学仕切部18は、投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RFを、光学孔19により全周に亘って外周側から囲むように、配置されている。ここで特に光学仕切部18は、投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RFが重畳する重畳領域SAを、光学孔19により全周に亘って外周側から囲んでいる。
【0053】
こうした囲み構成により光学仕切部18は、収容室11内のX軸方向における光学ユニット2の各部20,40と光学窓部16との間を、光学孔19の内側箇所を除いて仕切るように、配置されている。さらに収容室11内のX軸方向においては、光学ユニット2に対して光学窓部16側及びその逆側の配置箇所を含んだ各箇所の付属ユニット6と、光学窓部16との間も、光学孔19の内側箇所を除いて光学仕切部18により仕切られている。
【0054】
図4~6,9~11に示すように光学仕切部18は、少なくとも光学窓部16側の板面により、低反射遮光面180を形成している。近赤外域の光に対する光学特性として低反射遮光面180には、保持部14の上述した遮光面よりも低い反射率と、当該遮光面よりも高い吸収率が設定されることで、低反射型の遮光性が与えられている。即ち低反射遮光面180においては、保持部14の遮光面に比して、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が低く、且つそれらビームPB,RBに対する吸収率が高くなっている。
ここで低反射遮光面180での反射率は、正反射率に定義されてもよいし、全光線反射率に定義されてもよい。尚、低反射遮光面180での透過率は、例えば保持部14の遮光面での透過率と同程度、又は当該遮光面での透過率以下等に、設定される。
【0055】
こうした低反射遮光面180の光学特性は、例えばアルマイト処理といった陽極酸化処理、ブラスト処理といった粗面加工処理、吹付塗装処理、及びメッキ処理等のうち、少なくとも一種類により設定されているとよい。ここで図12の構成例では、光学仕切部18において光学窓部16側の板面を構成する例えば金属又は合成樹脂等の低反射処理膜180aの表面により、保持部14において収容室11側の内装面を少なくとも含む遮光面(特に同図では内外装面及び開口内面との全面)よりも低反射率且つ高吸収率に光学特性の設定された低反射遮光面180が、形成されている。また、図12の構成例において低反射遮光面180を形成する低反射処理膜180aの表面は外観上、例えば黒色等の暗色を呈している。尚、上述の如く光学仕切部18において少なくとも光学窓部16側の板面に形成される低反射遮光面180とは、光学仕切部18における光学窓部16側及びそれとは反対側の板面に形成されていても勿論よい。
【0056】
図4~6,9~11に示すように光学仕切部18は、X軸方向において光学窓部16から低反射遮光面180が光学ユニット2側へ離間する離間構造182を、Y軸方向に光学孔19を挟んだ二箇所の双方と、Z軸方向に光学孔19を挟んだ二箇所のうち一方とに、それぞれ有している。特に、Y軸方向に光学孔19を挟んだ二箇所のうち一方の離間構造182と、Z軸方向に光学孔19を挟んだ二箇所のうち一方の離間構造182とは、それぞれ低反射遮光面180によって並列面構造181を構成している。
【0057】
各並列面構造181は、ミラー部30において回転軸31の方向となるY軸方向に対して、傾斜している。特に各並列面構造181は、Y軸方向において受光部40側となる下側から、Y軸方向において投光部20側となる上側へ向かうほど、X軸方向の光学窓部16側へと傾斜している。ここで光学窓部16は、上述した収容室11側の内装面において、Y軸方向の下側から上側へ向かうほどX軸方向の検出領域DA側へと傾斜する傾斜面構造160を、有している。そこで光学仕切部18における光学窓部16側の各並列面構造181は、光学窓部16における収容室11側の傾斜面構造160に沿って正対するように、図4~6の如く並列配置されている。
【0058】
図5,6,9~11に示すように光学仕切部18は、X軸方向において光学窓部16から低反射遮光面180が光学ユニット2の投光部20側へ離間する離間構造183を、当該投光部20よりもX軸方向の光学窓部16側に有している。光学仕切部18は、X軸方向において光学窓部16から低反射遮光面180が光学ユニット2の受光部40側へ離間する離間構造184を、当該受光部40よりもX軸方向の光学窓部16側に有している。
【0059】
受光部40と光学窓部16との間となる離間構造184は、投光部20と光学窓部16との間となる離間構造183よりも、X軸方向の光学窓部16側へアーチ状に偏位した偏位構造185も、構成している。特に図5,6の如く偏位構造185は、離間構造182である各並列面構造181よりも、光学窓部16に可及的に接近している。これは、上述の如く投光レンズ系26よりも光学窓部16側へ張り出す大径に形成の受光レンズ系42に合わせつつも、光学窓部16との離間距離を必要最小限に確保する範囲に、離間構造184の低反射遮光面180を形成するためである。
【0060】
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0061】
第一実施形態によると、投光部20から投光の投光ビームPBと、受光部40により受光の反射ビームRBとでは、光路のフットプリントPF,RFが重畳する。これによれば、収容ユニット1が形成する収容室11内に収容の光学ユニット2では、投光部20と受光部40とをフットプリントPF,RFの重畳するY軸方向に可及的に近づけて配置することができる。故に、収容ユニット1の体格、ひいては光検出装置10全体としての体格を小型化することが可能となる。
【0062】
さらに第一実施形態によると、収容ユニット1において収容室11から検出領域DAへ投光ビームPBを透過させ、且つ検出領域DAから収容室11へ反射ビームRBを透過させる光学窓部16は、保持部14により囲まれて外周側から保持される。そこで収容ユニット1では、投光ビームPBに対する反射率が光学窓部16側において保持部14よりも低く、投光ビームPBに対する吸収率が光学窓部16側において保持部14よりも高い光学仕切部18が、光学ユニット2及び光学窓部16の間を仕切って配置される。
【0063】
こうした第一実施形態の仕切配置によれば、投光ビームPBが光学窓部16により反射されて生じるノイズ光は、光学仕切部18により遮られることで、光学ユニット2への直接的な侵入を制限され得る。それと共にノイズ光は、光学仕切部18により遮られることで、収容室11内における光学ユニット2周囲の付属ユニット6による反射又は散乱を経た、光学ユニット2への間接的な侵入も制限され得る。
【0064】
これらのことから第一実施形態では、上述の小型化と両立させて、ノイズ光の侵入に起因した誤検出を抑制することにより、検出精度を確保することが可能となる。ここで特に第一実施形態では、ノイズ光の侵入制限により受光部40からの検出信号において、ノイズが減少することでSN比が増大するため、検出領域DAのうち特に近距離位置に対して高い検出精度を確保することも可能となる。
【0065】
第一実施形態の光学仕切部18は、投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RFを、外周側から囲んで配置される。これによれば、光学仕切部18の内周側縁部を、投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RFに可及的に近づけて形成することで、ノイズ光の侵入率を低減することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0066】
第一実施形態の光学仕切部18において離間構造182,183,184は、光学窓部16から光学ユニット2側へ離間する。これによれば、ノイズ光が光学仕切部18によっても反射されたために迷光となったとしても、光学仕切部18での当該反射の箇所を投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RFから可及的に離間させて、光学ユニット2への侵入を制限することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0067】
第一実施形態の受光部40において反射ビームRBを導光する受光レンズ系42は、投光部20において投光ビームPBを導光する投光レンズ系26よりも、光学窓部16側へ張り出す大径に形成される。そこで第一実施形態の光学仕切部18は、投光レンズ系26との間におけるよりも光学窓部16側へ偏位した偏位構造185を、受光レンズ系42との間に有する。これによれば、大径化によって集光率のアップし得る広画角の受光レンズ系42に対して、光学仕切部18の偏位構造185によってノイズ光の侵入を制限することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0068】
第一実施形態において収容室11内に収容される走査ユニット3は、投光部20からの投光ビームPBを検出領域DAへ向けて走査し、検出領域DAからの反射ビームRBを受光部40へ向けて反射する。これによれば、ノイズ光が光学仕切部18により遮られる収容室11内では、光学ユニット2周囲の付属ユニット6による反射又は散乱を経たノイズ光の、走査ユニット3への間接的な侵入も制限され得る。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0069】
第一実施形態の光学窓部16において収容室11側の傾斜面構造160は、走査ユニット3において回転駆動されるミラー部30の回転軸方向となるY軸方向に対して、傾斜する。これによれば、収容室11側の傾斜面構造160により反射された投光ビームPBが、光学ユニット2及び走査ユニット3へ侵入するノイズ光となること自体を、低減することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0070】
第一実施形態の光学仕切部18において並列面構造181は、傾斜面構造160に沿って並列配置される。これによれば、光学仕切部18の並列面構造181と光学窓部16の傾斜面構造160との並列対向方向となるX軸方向において、収容ユニット1の体格が拡大するのを可及的に抑制することができる。故に、光検出装置10全体としての小型化を促進することが可能となる。
【0071】
第一実施形態の収容ユニット1では、光学窓部16及び保持部14によりケーシング開口13を覆われて収容室11を画成するケーシング部12に対して、光学仕切部18が当該開口13側から組付固定される。これによれば、小型となる収容ユニット1にあっても、特定一方向となるX軸方向への組付固定により光学仕切部18を容易に且つ正確に位置決めすることができる。故に、ノイズ光の侵入制限構造を適正に構築して、誤検出の抑制作用、ひいては検出精度の確保効果を所期通りに発現させることが可能となる。
【0072】
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。図13に示す第二実施形態の収容ユニット2001において、光学仕切部2018の光学孔19を形成する内周側縁部2186は、光学窓部16の外周側縁部と保持部14の内周側縁部との双方に対して、接触している。特に光学仕切部2018では、光学窓部16側へ筒壁状に突出する内周側縁部2186の先端面と外周面とがそれぞれ、光学窓部16の内装面と保持部14の内周面とに面接触している。ここで光学仕切部2018の内周側縁部2186は、光学窓部16及び保持部14との各接触箇所うち、少なくとも一方に接着固定されていてもよい。また、光学仕切部2018の内周側縁部2186における内周面は、第二実施形態では低反射遮光面180の一部として、低反射遮光面180の光学特性を有している。
【0073】
このように第二実施形態の光学仕切部2018は、光学窓部16の外周側縁部及び保持部14の内周側縁部のうち双方に、接触する。これによれば、保持部14の内周側縁部が保持する光学窓部16の外周側縁部に、投光ビームPBが反射されて生じるノイズ光に対してまで、光学ユニット2への侵入を制限することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0074】
(第三実施形態)
第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。図14に示す第三実施形態の収容ユニット3001には、光学ユニット2及び光学窓部16間を仕切って配置される光学仕切部18としての窓側光学仕切部18と共に、追加の走査側光学仕切部3018が設けられている。
【0075】
走査側光学仕切部3018は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として平板状に形成されている。走査側光学仕切部3018は、窓側光学仕切部18とは一体形成及び別体形成のうちいずれかにより、構成されている。一体形成及び別体形成のいずれの構成においても走査側光学仕切部3018は、ケーシング部12により直接的に又は間接的に保持されている。
【0076】
走査側光学仕切部3018は、光学ユニット2を構成する各部20,40とは、Z軸方向において走査ユニット3を挟んだ反対側に、配置されている。こうして走査側光学仕切部3018が光学ユニット2の各部20,40との間に走査ユニット3を挟むZ軸方向は、走査ユニット3においてのミラー部30の回転軸方向であるY軸方向に対して、直交する方向に設計されている。さらに収容室11内のZ軸方向においては、走査ユニット3を挟んで光学ユニット2とは反対側箇所の付属ユニット6と、当該走査ユニット3との間が、走査側光学仕切部3018によって仕切られている。
【0077】
走査側光学仕切部3018は、少なくとも走査ユニット3側の板面により、低反射遮光面3180を形成している。近赤外域の光に対する光学特性として低反射遮光面3180には、保持部14の遮光面よりも低い反射率と、当該遮光面よりも高い吸収率とが設定されることで、低反射型の遮光性が与えられている。即ち低反射遮光面3180においては、保持部14の遮光面に比して、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が低く、且つそれらビームPB,RBに対する吸収率が高くなっている。低反射遮光面3180の光学特性は、窓側光学仕切部18の低反射遮光面180と同様な処理によって、設定されているとよい。尚、低反射遮光面3180に関する反射率の定義及び透過率の設定については、低反射遮光面180と同様である。
【0078】
このように第三実施形態の収容ユニット3001は、光学ユニット2及び光学窓部16間に配置の窓側光学仕切部18に加えて、走査ユニット3を挟んで光学ユニット2とは反対側に配置の走査側光学仕切部3018を、さらに含んで構成される。ここで走査側光学仕切部3018では、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が走査ユニット3側において保持部14よりも低く、それらビームPB,RBに対する吸収率が走査ユニット3側において保持部14よりも高くなっている。
【0079】
こうした第三実施形態の構成によれば、投光ビームPB及び反射ビームRBが走査ユニット3により反射されることで、それらビームPB,RBの光路外へ漏洩したノイズ光であっても、走査側光学仕切部3018によって遮ることができる。その結果、走査ユニット3から光路外へ漏洩したノイズ光は、収容室11内において走査ユニット3周囲の付属ユニット6による反射又は散乱を経た、光学ユニット2への間接的な侵入を制限され得る。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0080】
第三実施形態の走査側光学仕切部3018は、回転駆動されるミラー部30の回転軸方向となるY軸方向に対しては直交するZ軸方向において、走査ユニット3を光学ユニット2との間に挟んで配置されている。これによれば、走査ユニット3から光路外へ漏洩したノイズ光を走査側光学仕切部3018により効果的に遮って、光学ユニット2へ間接的に侵入するのを制限することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0081】
(第四実施形態)
第四実施形態は、第三実施形態の変形例である。図15に示す第四実施形態の収容ユニット4001では、走査側光学仕切部3018とはZ軸方向に走査ユニット3を挟んだ反対側において、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bが追加されている。
【0082】
投光側光学仕切部4018aは、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として環平板状に形成されている。投光側光学仕切部4018aは、窓側光学仕切部18とは一体形成及び別体形成のうちいずれかにより、構成されている。一体形成及び別体形成のいずれの構成においても投光側光学仕切部4018aは、ケーシング部12により直接的に又は間接的に保持されている。投光側光学仕切部4018aは、投光部20のうち投光レンズ系26を全周に亘って外周側から囲むように、配置されている。
【0083】
投光側光学仕切部4018aは、少なくとも走査ユニット3側の板面により、低反射遮光面4180aを形成している。近赤外域の光に対する光学特性として低反射遮光面4180aには、保持部14の遮光面よりも低い反射率と、当該遮光面よりも高い吸収率とが設定されることで、低反射型の遮光性が与えられている。即ち低反射遮光面4180aにおいては、保持部14の遮光面に比して、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が低く、且つそれらビームPB,RBに対する吸収率が高くなっている。低反射遮光面4180aの光学特性は、窓側光学仕切部18の低反射遮光面180と同様な処理によって、設定されているとよい。尚、低反射遮光面4180aに関する反射率の定義及び透過率の設定については、低反射遮光面180と同様である。
【0084】
受光側光学仕切部4018bは、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として環平板状に形成されている。受光側光学仕切部4018bは、窓側光学仕切部18とは一体形成及び別体形成のうちいずれかと、投光側光学仕切部4018aとは一体形成及び別体形成のうちいずれかとの、組み合わせにより構成されている。一体形成及び別体形成のいずれの組み合わせ構成においても受光側光学仕切部4018bは、ケーシング部12により直接的に又は間接的に保持されている。受光側光学仕切部4018bは、受光部40のうち受光レンズ系42を全周に亘って外周側から囲むように、配置されている。
【0085】
受光側光学仕切部4018bは、少なくとも走査ユニット3側の板面により、低反射遮光面4180bを形成している。近赤外域の光に対する光学特性として低反射遮光面4180bには、保持部14の遮光面よりも低い反射率と、当該遮光面よりも高い吸収率とが設定されることで、低反射型の遮光性が与えられている。即ち低反射遮光面4180bにおいては、保持部14の遮光面に比して、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が低く、且つそれらビームPB,RBに対する吸収率が高くなっている。低反射遮光面4180bの光学特性は、窓側光学仕切部18の低反射遮光面180と同様な処理によって、設定されているとよい。尚、低反射遮光面4180bに関する反射率の定義及び透過率の設定については、低反射遮光面180と同様である。
【0086】
このように第四実施形態の収容ユニット4001には、光学ユニット2及び光学窓部16間に配置の窓側光学仕切部18と、走査ユニット3を挟んで光学ユニット2とは反対側に配置の走査側光学仕切部3018とに加えて、投光部20を外周側から囲んで配置の投光側光学仕切部4018aを、さらに含んで構成される。ここで投光側光学仕切部4018aでは、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が走査ユニット3側において保持部14よりも低く、それらビームPB,RBに対する吸収率が走査ユニット3側において保持部14よりも高くなっている。
【0087】
さらに第四実施形態の収容ユニット4001は、上述の如き窓側光学仕切部18、走査側光学仕切部3018、及び投光側光学仕切部4018aに加えて、受光部40を外周側から囲んで配置の受光側光学仕切部4018bを、さらに含んで構成される。ここで受光側光学仕切部4018bでは、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が走査ユニット3側において保持部14よりも低く、それらビームPB,RBに対する吸収率が走査ユニット3側において保持部14よりも高くなっている。
【0088】
これら第四実施形態の構成によれば、投光ビームPB及び反射ビームRBが走査ユニット3により反射されることで、それらビームPB,RBの光路外へ漏洩したノイズ光であっても、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bの各々によって遮ることができる。その結果、走査ユニット3から光路外へ漏洩したノイズ光は、収容室11内において走査ユニット3周囲の付属ユニット6による反射又は散乱を経た、投光部20及び受光部40への間接的な侵入を制限され得る。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0089】
(第五実施形態)
第五実施形態は、第四実施形態の変形例である。図16に示す第五実施形態の収容ユニット5001では、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bの各々と、走査側光学仕切部3018との間に跨って、走査側光学仕切部5018が追加されている。
【0090】
走査側光学仕切部5018は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体に、全体として平板状に形成されている。走査側光学仕切部5018は、走査側光学仕切部3018とは一体形成及び別体形成のうちいずれかと、投光側光学仕切部4018aとは一体形成及び別体形成のうちいずれかと、受光側光学仕切部4018bとは一体形成及び別体形成のうちいずれかとの、組み合わせにより構成されている。一体形成及び別体形成のいずれの組み合わせ構成においても走査側光学仕切部5018は、ケーシング部12により直接的に又は間接的に保持されている。
【0091】
走査側光学仕切部5018は、光学窓部16とはX軸方向において走査ユニット3を挟んだ反対側に、配置されている。こうして走査側光学仕切部5018が光学窓部16との間に走査ユニット3を挟むX軸方向は、走査ユニット3においてのミラー部30の回転軸方向であるY軸方向に対して、直交する方向に設計されている。さらに収容室11内のX軸方向においては、走査ユニット3を挟んで光学窓部16とは反対側箇所の付属ユニット6と、当該走査ユニット3との間が、走査側光学仕切部5018によって仕切られている。
【0092】
走査側光学仕切部5018は、少なくとも走査ユニット3側且つ光学窓部16側となる板面により、低反射遮光面5180を形成している。近赤外域の光に対する光学特性として低反射遮光面5180には、保持部14の遮光面よりも低い反射率と、当該遮光面よりも高い吸収率とが設定されることで、低反射型の遮光性が与えられている。即ち低反射遮光面5180においては、保持部14の遮光面に比して、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が低く、且つそれらビームPB,RBに対する吸収率が高くなっている。低反射遮光面5180の光学特性は、窓側光学仕切部18の低反射遮光面180と同様な処理によって、設定されているとよい。尚、低反射遮光面5180に関する反射率の定義及び透過率の設定については、低反射遮光面180と同様である。
【0093】
このように第五実施形態の収容ユニット5001は、光学ユニット2及び光学窓部16間に配置の窓側光学仕切部18、及び走査ユニット3を挟んで光学ユニット2とは反対側に配置の走査側光学仕切部3018等に加えて、走査ユニット3を挟んで光学窓部16とは反対側に配置の走査側光学仕切部5018を、さらに含んで構成される。ここで走査側光学仕切部5018では、投光ビームPB及び反射ビームRBに対する反射率が走査ユニット3側において保持部14よりも低く、それらビームPB,RBに対する吸収率が走査ユニット3側において保持部14よりも高くなっている。
【0094】
こうした第五実施形態の構成によれば、投光ビームPB及び反射ビームRBが走査ユニット3により反射されることで、それらビームPB,RBの光路外へ漏洩したノイズ光であっても、走査側光学仕切部5018によって遮ることができる。その結果、走査ユニット3から光路外へ漏洩したノイズ光は、収容室11内において走査ユニット3周囲の付属ユニット6による反射又は散乱を経た、光学ユニット2への間接的な侵入を制限され得る。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0095】
第五実施形態の走査側光学仕切部5018は、回転駆動されるミラー部30の回転軸方向となるY軸方向に対しては直交するX軸方向において、走査ユニット3を光学窓部16との間に挟んで配置されている。これによれば、走査ユニット3から光路外へ漏洩したノイズ光を走査側光学仕切部5018により効果的に遮って、光学ユニット2へ間接的に侵入するのを制限することができる。故に、ノイズ光の侵入に起因した誤検出の抑制作用を高めて、高精度な検出を実現することが可能となる。
【0096】
(他の実施形態)
【0097】
ここまで複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。具体的には、第一~第五実施形態の変形例において光検出装置10の搭載される移動体は、例えばリモート運転可能なドローン等であってもよい。
【0098】
第一~第五実施形態の変形例においてレーザ発振素子24は、Y軸方向に沿う素子列がX軸方向に複数列並ぶように、配列されていてもよい。第一~第五実施形態の変形例において受光画素46は、Y軸方向に沿う画素列がX軸方向又はその傾斜方向に複数列並ぶように、配列されていてもよい。
【0099】
第一~第五実施形態の変形例においてレーザ発振素子24は、X軸方向に沿って単列に配列されていてもよい。第一~第五実施形態の変形例において受光画素46は、X軸方向又はその傾斜方向に沿って単列に、配列されていてもよい。
【0100】
第一~第五実施形態の変形例において光学仕切部18,2018,3018,4018a,4018b,5018は、光学窓部16、保持部14、及びケーシング部12のうち、いずれかと一体形成されていてもよい。この場合、光学仕切部18の構成部分に低反射遮光面180,3180,4180a,4180b,5180が形成されているとよい。
【0101】
第一~第五実施形態の変形例では、図17に示すように光学仕切部18,2018,3018,4018a,4018b,5018における光学窓部16側の板面から保持部14における収容室11側の内装面にまで跨って、低反射遮光面180が、形成されてもよい。ここで、代表的に第一実施形態の変形例をそれぞれ示す図17の変形例では、保持部15において収容室11側の内装面を除く遮光面(特に同図では外装面及び開口内面)よりも低反射率且つ高吸収率に光学特性の設定された低反射遮光面180が、低反射処理膜180aの表面より形成されるとよい。
【0102】
第一~第五実施形態の変形例では、図18,19に示すように光学窓部16における外周側縁部のうち収容室11側の内装面が、保持部14において光学開口15bを囲む内周側縁部を含んだ板枠状壁部のうち検出領域DA側の外装面に対して、全周に亘って接触した状態に例えば接着等によって固定されていてもよい。ここで、代表的に第一及び第二実施形態の変形例をそれぞれ示す図18,19では、光学開口15bの幾何学中心と光学窓部16の幾何学中心とがZ軸方向に偏位しているが、光学窓部16の内装面が保持部14の外装面に固定される場合、それら幾何学中心が実質位置合わせされていてもよい。尚、第一~第五実施形態の変形例では逆に、光学窓部16における外周側縁部のうち検出領域DA側の外装面が、保持部14の内周側縁部を含んだ板枠状壁部のうち収容室11側の内装面に対して、全周に亘って接触した状態に例えば接着等によって固定されていてもよい。
【0103】
第二実施形態の変形例において、図19,20に示すように光学仕切部2018の内周側縁部2186は、保持部14の内周側縁部と光学窓部16の外周側縁部とのうち、一方には第一実施形態に準じて面接触しない構成(離間、点接触、及び線接触を含む構成)により、他方のみに面接触していてもよい。第三~第五実施形態の変形例において窓側光学仕切部18には、第二実施形態又はその変形例に準ずる内周側縁部2186が設けられていてもよい。
【0104】
第四実施形態の変形例において、図21に示すように走査側光学仕切部3018が設けられていなくてもよい。この場合に、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bについては、図21に示すように双方が設けられていてもよいし、図22,23にさらに変形例を示すように一方のみが設けられていてもよい。第四及び第五実施形態の変形例においては、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bのうち、一方のみが設けられていてもよい。
【0105】
第五実施形態の変形例においては、図24に示すように投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bが設けられないことで、走査側光学仕切部5018が走査側光学仕切部3018から延長して一体形成又は別体形成されていてもよい。第五実施形態の変形例においては、図25に示すように走査側光学仕切部3018が設けられないことで、走査側光学仕切部5018が投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bから延長して一体形成又は別体形成されていてもよい。これら走査側光学仕切部5018が延長形成される場合のさらなる変形例においては、投光側光学仕切部4018a及び受光側光学仕切部4018bのうち、一方のみが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1,2001,3001,4001,5001:収容ユニット、2:光学ユニット、3:走査ユニット、6:付属ユニット、10:光検出装置、11:収容室、12:ケーシング部、13:ケーシング開口、14:保持部、16:光学窓部、18:光学仕切部・窓側光学仕切部、20:投光部、26:投光レンズ系、30:ミラー部、40:受光部、42:受光レンズ系、160:傾斜面構造、181:並列面構造、182,183,184:離間構造、185:偏位構造、2018:光学仕切部、3018,5018:走査側光学仕切部、4018a:投光側光学仕切部、4018b:受光側光学仕切部、DA:検出領域、PF,RF:フットプリント、PB:投光ビーム、RB:反射ビーム
図1
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