(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】給電設備、および、給電設備の制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240903BHJP
B60L 53/31 20190101ALI20240903BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240903BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P ZHV
B60L53/31
B60L53/14
(21)【出願番号】P 2021147899
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 慶幸
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-100448(JP,A)
【文献】特開2010-282386(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113103900(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0307477(US,A1)
【文献】特開2020-036412(JP,A)
【文献】特開2011-109807(JP,A)
【文献】国際公開第2019/073271(WO,A1)
【文献】特表2021-536224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/31
B60L 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面上の車両に給電可能な給電設備であって、
車両のインレットに接続するコネクタと、
前記コネクタが前記インレットに接続されていないときに置かれる特定部分を含み、前記特定部分が地面下に収納された位置と、前記特定部分が地面上に露出した位置との間で変位可能な可動部と、
前記可動部を変位させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、給電対象の前記車両の前記インレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を調整する、給電設備。
【請求項2】
前記制御部は、
給電対象の前記車両の前記インレットの高さを取得し、
取得した前記インレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を調整する、請求項1に記載の給電設備。
【請求項3】
前記制御部は、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を、前記インレットの高さと略同じ高さに調整する、請求項1または請求項2に記載の給電設備。
【請求項4】
前記制御部は、
前記車両のユーザの手の高さに関する情報を取得し、
取得した前記インレットの高さに加えて、取得したユーザの手の高さに応じて、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を調整する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の給電設備。
【請求項5】
前記制御部は、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を、前記インレットの高さとユーザの手の高さとの間の高さに調整する、請求項4に記載の給電設備。
【請求項6】
地面上の車両に給電可能な給電設備の制御方法であって、
前記給電設備は、
車両のインレットに接続するコネクタと、
前記コネクタが前記インレットに接続されていないときに置かれる特定部分を含み、前記特定部分が地面下に収納された位置と、前記特定部分が地面上に露出した位置との間で変位可能な可動部と、
前記可動部を変位させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、
前記制御方法は、
前記制御部が、給電対象の前記車両の前記インレットの高さを取得するステップと、
前記制御部が、取得した前記インレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの前記特定部分の位置を調整するステップとを含む、給電設備の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、給電設備、および、給電設備の制御方法に関し、特に、地面上の車両に給電可能な給電設備、および、その給電設備の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給電しないときに充電用ポールを地下に埋め込むように構成された給電設備があった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような給電設備の可動部は、車両へ充電する際に上昇させる必要がある。車両の車種によってインレットの高さおよび場所はそれぞれ異なる。可動部を上昇させるときに、車種ごとのインレットの高さに合っていない高さに上昇させると、インレットにコネクタを差し込みにくい高さとなってしまう虞がある。
【0005】
この開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、インレットにコネクタを差し込み易くすることが可能な給電設備、および、給電設備の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に係る給電設備は、地面上の車両に給電可能な給電設備であって、車両のインレットに接続するコネクタと、コネクタがインレットに接続されていないときに置かれる特定部分を含み、特定部分が地面下に収納された位置と、特定部分が地面上に露出した位置との間で変位可能な可動部と、可動部を変位させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御部とを備える。制御部は、給電対象の車両のインレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整する。
【0007】
このような構成によれば、コネクタがインレットに接続し易い高さに、給電設備の可動部のコネクタが置かれる特定部分の高さを調整することができる。その結果、インレットにコネクタを差し込み易くすることが可能な給電設備を提供することができる。
【0008】
制御部は、給電対象の車両のインレットの高さを取得し、取得したインレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整するようにしてもよい。
【0009】
このような構成によれば、給電設備の可動部の特定部分の高さを、取得した給電対象の車両のインレットの高さに応じて調整できる。その結果、特定部分の高さを正確に調整することができる。
【0010】
制御部は、地面上に露出しているときの特定部分の位置を、インレットの高さと略同じ高さに調整するようにしてもよい。
【0011】
このような構成によれば、インレットの高さと略同じ高さに調整された特定部分から持ち出したコネクタを、高さを変えることなく、インレットに接続することができる。その結果、インレットにコネクタをさらに差し込み易くすることができる。
【0012】
制御部は、車両のユーザの手の高さに関する情報を取得し、取得したインレットの高さに加えて、取得したユーザの手の高さに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整するようにしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、給電設備の可動部の特定部分の高さを、取得したインレットの高さに加えて、取得したユーザの手の高さに応じて調整できる。その結果、ユーザの手の高さを考慮して特定部分の高さを正確に調整することができる。
【0014】
制御部は、地面上に露出しているときの特定部分の位置を、インレットの高さとユーザの手の高さとの間の高さに調整するようにしてもよい。
【0015】
このような構成によれば、インレットの高さとユーザの手の高さとの間の高さに調整された特定部分から持ち出したコネクタを、インレットの高さとユーザの手の高さとの間の範囲内で高さを保ったまま、インレットに接続することができる。その結果、ユーザの手の高さを考慮して、インレットにコネクタをさらに差し込み易くすることができる。
【0016】
この開示の他の局面によれば、給電設備の制御方法は、地面上の車両に給電可能な給電設備の制御方法である。給電設備は、車両のインレットに接続するコネクタと、コネクタがインレットに接続されていないときに置かれる特定部分を含み、特定部分が地面下に収納された位置と、特定部分が地面上に露出した位置との間で変位可能な可動部と、可動部を変位させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御部とを備える。制御方法は、制御部が、給電対象の車両のインレットの高さを取得するステップと、制御部が、取得したインレットの高さに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整するステップとを含む。
【0017】
このような構成によれば、インレットにコネクタを差し込み易くすることが可能な給電設備の制御方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
この開示によれば、インレットにコネクタを差し込み易くすることが可能な給電設備、および、給電設備の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】電動車両と、可動部が地面下に収納された状態の充電スタンドの構成の一例を示す図である。
【
図2】電動車両と、可動部が地面上に露出した状態の充電スタンドの構成の一例を示す図である。
【
図3】充電スタンドと駐車スペースとのレイアウトの一例を示す図である。
【
図4】充電スタンドと駐車スペースとのレイアウトの他の例を示す図である。
【
図5】他の車種の電動車両と、可動部が地上に露出した状態の充電スタンドとを示す図である。
【
図6】この実施の形態における給電のための処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
以下では、本開示の実施の形態に係る充電設備である充電スタンド300の構成を一例として説明する。
図1は、電動車両200と、可動部300a(後述)が地面下に収納された状態の充電スタンド300の構成の一例を示す図である。
図2は、電動車両200と、可動部300aが地面上に露出した状態の充電スタンド300の構成の一例を示す図である。
【0022】
図1および
図2に示すように、給電システム1において、充電スタンド300は、上端の位置が地面と略同じ位置となり、可動部300aが地面下に収納された下限状態(
図1参照)と、上端が地面上の所定位置まで上昇し、可動部300aが露出した上限状態(
図2参照)との間で昇降可能に構成される。
【0023】
充電スタンド300は、たとえば、円筒形状の筐体を有し、地面に形成される凹部の底面に設置される。地面に形成される凹部は、充電スタンド300の筐体の外周面と所定の間隙を有するように形成される。凹部の深さは、下限状態の充電スタンド300の鉛直方向の長さと同程度になるように形成される。
【0024】
充電スタンド300は、可動部300aと、固定部300bとを含む。可動部300aの上部には、コネクタ302を収納可能な収納スペース305が形成される。コネクタ302には、ケーブル304の一方端が接続される。ケーブル304の他方端は、図示しない電源回路に接続される。電源回路は、電源350から交流電力の供給を受けて、可動部300a(より特定的には、ケーブル304)に電力を供給するように構成される。電源350は、たとえば、商用電源等によって構成される交流電源である。ケーブル304は、たとえば、カール部を有する形状的な伸縮部あるいは巻き取り構造を有する構造的な伸縮部を有し、コネクタ302が持ち出された場合には、駐車スペースに駐車された電動車両200のインレット220まで伸縮可能に構成される。
【0025】
可動部300aには、接触センサ310および報知ランプ320が設けられる。接触センサ310は、充電スタンド300の可動部300aに物体(たとえば、人,生物,物)が接触したことを検出するための検出装置であり、たとえば、静電センサによって構成される。静電センサは、静電センサが発生した電界に物体が進入したときの静電容量の変化により物体を検出する。静電センサは、可動部300aの検出対象の部分(たとえば、上面,側面)への物体の接触を検出するために必要であれば、可動部300aの各部に、複数、設けられる。つまり、接触センサ310は、1または複数の静電センサで構成される。接触センサ310は、可動部300aに物体が接触していることを検出すると、可動部300aに物体が接触していることを示す信号を制御装置308に送信する。なお、接触センサ310は、可動部300aに物体が接触したことを検出可能なセンサであれば、これに限定されず、他の種類のセンサであってもよい。接触センサ310は、物体の接触を誤検出し難いように設けられる。
【0026】
報知ランプ320は、発光可能なデバイス、たとえば、多色LED(Light Emitting Diode)で構成され、制御装置308によって制御されて、充電スタンド300の周辺の人が視認可能に点灯または点滅したり、消灯したりする。報知ランプ320は、たとえば、充電中は緑色で点滅したり、充電完了時は青色で点灯したりするよう制御されるようにしてもよい。また、報知ランプ320は、物体の接触が検知されると赤色で点灯または点滅するよう制御されるようにしてもよい。
【0027】
固定部300bは、地面に形成される凹部の底面に固定される。なお、固定部300bは、地面に形成される凹部内のいずれかに固定されればよく、特に凹部の底面に固定されることに限定されるものではない。
【0028】
固定部300bは、可動部300aを上下方向に昇降する昇降装置306と、昇降装置306の動作を制御する制御装置308と、移動量センサ312とを含む。
【0029】
昇降装置306は、可動部300aを昇降させるアクチュエータを含む。昇降装置306は、たとえば、ラックピニオン式の機構を有していてもよいし、油圧シリンダまたは空気圧シリンダを用いた機構を有していてもよいし、磁力を用いた機構を有していてもよい。ラックピニオン式の機構は、可動部300aに固定されたラックギヤに噛み合わされたピニオンギヤを、電動アクチュエータを用いて回転させることにより可動部300aを昇降させる。油圧シリンダまたは空気圧シリンダは、それぞれ、ピストンに接続されるロッドを可動部300aに固定して、固定部300bに固定されるシリンダ本体に供給される油圧または空気圧を増減することにより可動部300aを昇降させる。磁力を用いた機構は、可動部300aと固定部300bとの間で磁力による反発力を発生させて可動部300aを昇降させる。
【0030】
昇降装置306は、たとえば、ストッパ機構等により可動部300aが下限状態に相当する位置を超えて下降しないように構成され、また、上限状態に相当する位置を超えて上昇しないように構成される。
【0031】
移動量センサ312は、可動部300aの移動量を検出する。移動量センサ312は、たとえば、昇降装置306による可動部300aの昇降量を可動部300aの移動量として検出する。移動量センサ312は、検出した可動部300aの移動量を示す信号を制御装置308に送信する。移動量センサ312は、たとえば、アクチュエータの作動量などの昇降量に相当する状態量を検出し、制御装置308は、検出された状態量から昇降量を取得してもよい。
【0032】
制御装置308は、CPU(Central Processing Unit)308aと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等によって構成されるメモリ308bと、外部の機器と通信可能な通信部308cとを含む。制御装置308は、メモリ308bに記憶された情報、通信部308cを経由して受信した情報、接触センサ310から取得した情報、移動量センサ312から取得した情報、および/または、その他の図示しないセンサ類から取得した情報等に基づいて、充電スタンド300に設けられる電気機器(たとえば、昇降装置306)を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理をCPU308aによって実行する構成に限られず、専用ハードウェア(電子回路)で構築する構成とすることも可能である。
【0033】
通信部308cは、充電スタンド300の外部の機器と各種情報等を通信可能に構成される。本実施の形態においては、通信部308cは、複数の充電スタンド300を管理するサーバ600と無線通信可能に構成される。また、通信部308cは、電動車両200のユーザ10が所有する通信機器100と通信可能に構成される。通信機器100は、たとえば、スマートフォンやタブレットのような携帯端末である。通信部308cと通信機器100との通信は、たとえば、近距離無線通信であってよい。すなわち、通信部308cと通信機器100との通信可能距離は、通信部308cとサーバ600との通信可能距離よりも短い。
【0034】
制御装置308は、たとえば、上昇制御の実行条件(以下「上昇条件」とも称する)が成立する場合に、充電スタンド300が下限状態から上限状態に切り替わるように昇降装置306における上昇制御を実行する。上昇制御の実行条件は、たとえば、充電スタンド300が上限状態でないという条件と、サーバ600から上昇制御の実行要求(以下「上昇要求」とも称する)を受けるという条件とを含む。サーバ600は、たとえば、充電スタンド300の使用予約に含まれる開始時刻が近づいた際に、充電スタンド300に上昇要求を送信する。
【0035】
また、制御装置308は、たとえば、下降制御の実行条件が成立する場合に、充電スタンド300が上限状態から下限状態に切り替わるように昇降装置306における下降制御を実行する。下降制御の実行条件は、たとえば、充電スタンド300が下限状態でないという条件と、サーバ600から下降制御の実行要求(以下「下降要求」とも称する)を受けるという条件とを含む。なお、下降要求を受けるという条件に代えて、電動車両200(具体的には、後述のバッテリ214)の充電が完了したという条件を採用してもよい。充電の完了とは、たとえば、コネクタ302と電動車両200のインレット220との接続が解除され、コネクタ302が所定の位置に戻されたことであってもよい。
【0036】
図1および
図2には、充電スタンド300によって充電が可能な駐車スペースに駐車される電動車両200の構成の一例がさらに示されている。
図1および
図2に示すように、電動車両200は、たとえば、プラグインハイブリッド車(「PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)」ともいう)および電気自動車(「BEV(Battery Electric Vehicle)ともいう)などの蓄電装置を搭載した車両が含まれる。なお、電動車両200の構成は、充電スタンド300から電力供給を受けることが可能な構成を有していればよく、特に上述のように列挙した車両に限定されるものではなく、たとえば、外部給電用の蓄電装置を搭載した車両であってもよい。
【0037】
電動車両200は、ECU(Electronic Control Unit)202と、充電器212と、バッテリ214と、インバータ216と、モータジェネレータ218と、インレット220とを含む。
【0038】
ECU202は、CPUと、ROMやRAM等によって構成されるメモリとを含む。ECU202は、メモリに記憶された情報や、図示しないセンサ類から取得した情報に基づいて電動車両200に設けられる電気機器(たとえば、充電器212およびインバータ216)を制御する。
【0039】
充電器212は、インレット220から交流電力が供給される場合に、供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ214に供給する。充電器212が動作することによってバッテリ214が充電される。充電器212は、たとえば、ECU202からの制御信号により制御される。
【0040】
バッテリ214は、たとえば、再充電可能に構成された電力貯蔵要素であり、代表的には、ニッケル水素電池あるいは液体または固体の電解質を含むリチウムイオン電池等の二次電池が適用される。あるいは、バッテリ214は、電力を貯蔵できる蓄電装置であればよく、たとえば、バッテリ214に代えて大容量のキャパシタが用いられてもよい。
【0041】
インバータ216は、たとえば、バッテリ214の直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ218に供給する。また、インバータ216は、たとえば、モータジェネレータ218からの交流電力(回生電力)を直流電力に変換してバッテリ214に供給して、バッテリ214を充電する。
【0042】
モータジェネレータ218は、インバータ216からの電力供給を受けて駆動輪222に回転力を与える。駆動輪222は、モータジェネレータ218によって与えられた回転力によって回転し、電動車両200を走行させる。
【0043】
インレット220は、電動車両200の外装部分にリッド等のカバー(図示せず)とともに設けられる。インレット220は、外部の充電設備(たとえば、充電スタンド300)から充電電力の供給を受ける受電部である。インレット220は、充電スタンド300のコネクタ302が取り付け可能な形状を有する。インレット220およびコネクタ302の双方には接点が内蔵されており、インレット220にコネクタ302が取り付けられると接点同士が接触して、インレット220とコネクタ302とが電気的に接続される。このとき、電動車両200のバッテリ214は、充電スタンド300から供給される電力を用いた充電が可能な状態になる。
【0044】
図3は、充電スタンド300と駐車スペース400とのレイアウトの一例を示す図である。
図3を参照して、この例では、駐車場内において複数の駐車スペース400が仕切り線402によって横並びに設定されている。また、これら駐車スペース400の短手方向(長手方向に直交する方向)に沿って歩道500が設けられている。歩道500は、各駐車スペース400に隣接する。歩道500において各駐車スペース400に隣接する位置には、充電スタンド300が設置されている。充電スタンド300は、駐車スペース400ごとに設けられている。これらの充電スタンド300は、歩道500に沿って並んでいる。
【0045】
図4は、充電スタンド300と駐車スペース400とのレイアウトの他の例を示す図である。
図4を参照して、この例では、駐車場内において複数の駐車スペース410が仕切り線412によって縦列方向に設定されている。また、これら駐車スペース410の長手方向に沿って歩道510が設けられている。歩道510は、各駐車スペース410に隣接する。歩道510において各駐車スペース410に隣接する位置には、充電スタンド300が設置されている。充電スタンド300は、駐車スペース410ごとに設けられている。これらの充電スタンド300は、歩道510に沿って並んでいる。
【0046】
ユーザ10は、駐車スペース400または駐車スペース410に電動車両200を駐車し、充電スタンド300が上限状態であれば、直近の充電スタンド300からコネクタ302を持ち出して、電動車両200のインレット220に接続する。これにより、充電スタンド300から電動車両200に充電が可能な状態となる。
【0047】
再び
図1および
図2を参照して、サーバ600は、制御装置と記憶装置と通信装置とを含んで構成される(いずれも図示せず)。制御装置は、プロセッサを含み、所定の情報処理を行なうように構成される。記憶装置は、各種情報を保存可能に構成される。通信装置は各種通信I/Fを含む。通信装置は、通信機器100および充電スタンド300の各々と通信可能に構成され、制御装置は、通信装置を通じて通信機器100および充電スタンド300と通信するように構成される。すなわち、サーバ600は、通信機器100および充電スタンド300の各々と通信可能に構成される。
【0048】
サーバ600には、複数の電動車両200のユーザと複数の充電スタンド300とが登録されている。また、ユーザ10とともにユーザ10が所有する通信機器100も、サーバ600に登録されている。サーバ600は、登録された各ユーザ10の情報(以下「ユーザ情報」とも称する)と、登録された各充電スタンドの情報(以下「スタンド情報」とも称する)とを管理するように構成される。通信機器に関する情報は、ユーザ情報に含まれる。また、ユーザ情報には、各ユーザ10が所有する電動車両200の情報(たとえば、充電に関するスペック情報)が含まれてもよい。ユーザ情報およびスタンド情報は、サーバ600の記憶装置に記憶される。
【0049】
ユーザ10を識別するための識別情報(以下「ユーザID」とも称する)がユーザ10ごとに付与されており、サーバ600はユーザ情報をユーザIDで区別して管理している。ユーザIDは、通信機器100を識別する情報(機器ID)としても機能する。ユーザ情報には、たとえば、ユーザ10が所有する通信機器100の通信アドレスと、ユーザ10に帰属する電動車両200を識別する情報(車両ID)とが含まれる。
【0050】
通信機器100は、電動車両200のユーザ10が所有する携帯端末である。通信機器100としては、スマートフォン、タブレット端末、または、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ)を採用することができる。
【0051】
通信機器100は、充電スタンド300およびサーバ600の各々と無線通信可能に構成される。通信機器100には所定のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」とも称する)がインストールされている。通信機器100は、電動車両200のユーザ10によって携帯され、上記アプリを通じて充電スタンド300およびサーバ600の各々と情報のやり取りを行なうことができる。ユーザ10は、たとえば通信機器100のタッチパネルディスプレイを通じて、上記アプリを操作できる。
【0052】
ユーザ10は、アプリを通じてサーバ600と通信し、予約情報を入力することにより、充電スタンド300を予約することができる。予約情報には、充電スタンドを特定するための情報および充電開始時刻が含まれる。通信機器100から予約情報を受け取ったサーバ600は、充電スタンド300に上昇要求を送信する。サーバ600は、充電開始時刻より所定時間前の時刻が到来したタイミングで、充電スタンド300に上昇要求を送信してもよい。なお、上昇要求には、充電スタンド300の予約を行なったユーザ10のユーザID(機器ID)が含まれる。
【0053】
図5は、他の車種の電動車両200Aと、可動部300aが地上に露出した状態の充電スタンド300とを示す図である。
図2を再び参照するとともに、
図5を参照して、
図5の電動車両200Aの構成は、
図1および
図2で説明した電動車両200の構成と同様であるので、重複する説明は繰り返さない。充電スタンド300の可動部300aは、電動車両200,200Aへ充電する際に上昇させる必要がある。電動車両200,200Aの車種(または型式)によってインレット220,220Aの高さおよび場所はそれぞれ異なる。可動部300aを上昇させるときに、車種ごとのインレット220,220Aの高さに合っていない高さに上昇させると、インレット220,220Aにコネクタ302を差し込みにくい高さとなってしまう虞がある。
【0054】
そこで、制御装置308は、給電対象の電動車両200,200Aのインレット220,220Aの高さに応じて、地面上に露出しているときの充電スタンド300のコネクタ302の収納スペース305の位置を調整する。
【0055】
これにより、コネクタ302がインレット220,220Aに接続し易い高さに、充電スタンド300の可動部300aのコネクタ302が置かれる収納スペース305の高さを調整することができる。その結果、インレット220,220Aにコネクタ302を差し込み易くすることができる。
【0056】
図6は、この実施の形態における給電のための処理の流れを示すフローチャートである。給電のための処理のうち、給電管理処理は、サーバ600の制御装置によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。給電のための処理のうち、充電アプリは、通信機器100のCPU(Central Processing Unit)によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。給電のための処理のうち、充電スタンド処理は、充電スタンド300の制御装置308によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。
【0057】
図6を参照して、通信機器100において、充電アプリが実行される。この充電アプリにおいて、通信機器100のCPUは、電動車両200への給電の予約をするための申込画面をタッチパネルディスプレイに表示させる(ステップS111)。
【0058】
次に、通信機器100のCPUは、申込画面において、充電の予約に関する内容(たとえば、ユーザID、充電を希望する地域、充電を希望する時間など)の入力が、タッチパネルディスプレイで検出されたか否かを判断する(ステップS112)。充電予約が入力された(ステップS112でYES)と判断した場合、通信機器100のCPUは、予約申込情報(たとえば、ユーザID、充電地域、充電時間を含む情報)をサーバ600に送信する(ステップS113)。
【0059】
給電管理処理において、サーバ600の制御装置は、通信機器100から予約申込情報を受信したか否かを判断する(ステップS611)。予約申込情報を受信した(ステップS611でYES)と判断した場合、サーバ600の制御装置は、予約申込情報で示される充電を希望する地域に対応する充電スタンド300の予約に関する情報(たとえば、ユーザID、充電開始時間、充電終了予定時間、当該充電のための認証キーを含む情報)を、記憶装置に登録する(ステップS613)。
【0060】
そして、サーバ600の制御装置は、予約登録情報(たとえば、予約された充電スタンド300の場所、ならびに、充電開始時間および充電終了予定時間などの充電に関する時間、ならびに、認証キー、ならびに、案内情報などを含む情報)を、この予約をしたユーザ10の通信機器100に送信する(ステップS614)。案内情報は、ユーザ10に充電スタンドの操作方法をガイダンスするための動画および画像を含む情報、ならびに、予約された充電スタンド300にナビゲーションシステムで誘導するための情報を含む。
【0061】
また、サーバ600の制御装置は、予約連絡情報(たとえば、この予約をしたユーザ10のユーザID、ならびに充電開始時間および充電終了予定時間などの充電に関する時間、ならびに、認証キー、ならびに、当該ユーザ10の電動車両200のインレット220の地上高Hi、ならびに、当該ユーザ10の手の高さHhなどを含む情報)を、予約された充電スタンド300に送信する(ステップS615)。当該ユーザ10の電動車両200のインレット220の地上高Hi、および、当該ユーザの手の高さHh(
図2および
図5参照)は、当該ユーザ10によってサーバ600の記憶装置に予め登録される。
【0062】
予約申込情報を受信していない(ステップS611でNO)と判断した場合、または、ステップS615の後、サーバ600の制御装置は、実行する処理をこの給電管理処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0063】
充電アプリにおいて、充電予約が入力されていない(ステップS112でNO)と判断した場合、または、ステップS113の後、通信機器100のCPUは、サーバ600から予約登録情報を受信したか否かを判断する(ステップS114)。予約登録情報を受信した(ステップS114でYES)と判断した場合、通信機器100のCPUは、受信した予約登録情報をメモリに記憶させる(ステップS115)。
【0064】
そして、通信機器100のCPUは、案内情報で示される充電スタンド300の操作方法などのガイダンスをユーザ10に報知したり、案内情報で示される充電スタンド300に誘導するための情報をナビゲーションシステムに登録したりする(ステップS116)。電動車両200のユーザ10は、ガイダンスにしたがって充電スタンド300を操作することができる。また、電動車両200のユーザ10は、ナビゲーションシステムの案内にしたがって充電スタンド300に辿り着くことができる。
【0065】
予約登録情報を受信していない(ステップS114でNO)と判断した場合、または、ステップS116の後、通信機器100のCPUは、充電を準備する操作が、タッチパネルディスプレイで検出されたか否かを判断する(ステップS121)。充電準備操作が検出された(ステップS121でYES)と判断した場合、通信機器100のCPUは、メモリに記憶された認証キーおよびユーザIDなどを含む可動部300aの上昇要求を、充電スタンド300に送信する(ステップS122)。
【0066】
充電準備操作が検出されていない(ステップS121でNO)と判断した場合、または、ステップS122の後、通信機器100のCPUは、実行する処理をこの充電アプリの呼出元の上位の処理に戻す。
【0067】
充電スタンド処理において、充電スタンド300の制御装置308のCPU308aは、サーバ600から予約連絡情報を受信したか否かを判断する(ステップS311)。予約連絡情報を受信した(ステップS311でYES)と判断した場合、CPU308aは、受信した予約連絡情報をメモリ308bのRAMに記憶させる(ステップS312)。
【0068】
予約連絡情報を受信していない(ステップS311でNO)と判断した場合、または、ステップS312の後、CPU308aは、通信機器100から上昇要求を受信したか否かを判断する(ステップS321)。上昇要求を受信した(ステップS321でYES)と判断した場合、CPU308aは、受信した上昇要求に含まれる認証キーと一致する認証キーを含む予約連絡情報が、メモリ308bに記憶されているか否かを判断する(ステップS322)。
【0069】
受信した認証キーと一致する認証キーを含む予約連絡情報が記憶されている(ステップS322でYES)と判断した場合、CPU308aは、可動部300aの上昇制御を開始するよう、昇降装置306を制御する(ステップS323)。メモリ308bに記憶された予約連絡情報には、インレット220,220Aの高さHi、および、ユーザ10の手の高さHhが含まれている。上昇制御においては、収納スペース305の高さHcが、高さHiと高さHhとの間の高さ(Hi+Hh)/2となるように、昇降装置306のアクチュエータが制御される(
図2および
図5参照)。収納スペース305の高さHcが(Hi+Hh)/2に到達すると、可動部300aの上昇制御が終了するよう、昇降装置306は制御される。
【0070】
可動部300aの上昇制御が終了すると、ユーザ10は、充電スタンド300のコネクタ302を、電動車両200,200Aのインレット220,220Aに接続し、電動車両200,200Aへの電力の供給を開始するよう充電スタンド300を操作する。充電が終了すると、電動車両200,200Aへの電力の供給が停止される。電力の供給の停止を確認すると、ユーザ10は、インレット220,220Aからコネクタ302を外して、コネクタ302を充電スタンド300に戻す。
【0071】
CPU308aは、インレット220,220Aからコネクタ302が外されて、コネクタ302が充電スタンド300に戻されたか否かを判断することで、充電が終了したか否かを判断する(ステップS331)。充電が終了した(ステップS331でYES)と判断した場合、CPU308aは、可動部300aの下降制御を開始するよう、昇降装置306を制御する(ステップS333)。可動部300aの給電部が地面下に収納された下限状態に相当する位置に到達すると、可動部300aの下降制御が終了するよう、昇降装置306は制御される。
【0072】
充電が終了していない(ステップS331でNO)と判断した場合、可動部300aが上限状態に相当する位置で維持されるよう、昇降装置306が制御される。その後、または、ステップS333の後、CPU308aは、実行する処理をこの充電スタンド処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0073】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、
図1で示したように、充電スタンド300のケーブル304は常時、充電スタンド300の電源回路に接続されていることとした。しかし、これに限定されず、充電スタンド300の可動部300aにケーブル304を接続するための接続部を設け、その接続部に、一方端にコネクタ302を有するケーブル304の他方端を接続可能に構成するようにしてもよい。
【0074】
(2) 前述した実施の形態においては、
図5で示したように、ユーザ10の通信機器100からサーバ600を介して充電スタンド300に充電の予約が行われるようにした。しかし、これに限定されず、ユーザ10の通信機器100から充電スタンド300に、直接、充電の予約が行えるように構成してもよい。
【0075】
(3) 前述した実施の形態においては、
図1で示したように、充電スタンド300から電動車両200に供給される電力は交流電力であることとしたが、これに限定されず、直流電力であってもよい。
【0076】
(4) 前述した実施の形態においては、
図6のステップS323で示したように、収納スペース305を高さHcが、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとの平均の高さ(Hi+Hh)/2となるように上昇制御を実行するようにした。しかし、これに限定されず、上昇制御で到達する収納スペース305の高さHcは、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとの間の高さであることが望ましく、インレット220,220Aの高さHiと等しくてもよいし、ユーザ10の手の高さHhと等しくてもよい。
【0077】
また、高さHcは、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとの間の範囲内の高さであることとしたが、これに限定されず、ユーザ10が扱い易い高さであればよく、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとの間の範囲外の高さであってもよい。また、高さHcは、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとの両方を用いて算出される高さであることとしたが、これに限定されず、インレット220,220Aの高さHiと、ユーザ10の手の高さHhとのいずれか一方を用いて算出される高さであってもよい。
【0078】
(5) 前述した実施の形態においては、
図6のステップS615で説明したように、当該ユーザ10の電動車両200のインレット220,220Aの地上高Hi、および、当該ユーザ10の手の高さHhは、当該ユーザ10によってサーバ600の記憶装置に予め登録され、充電スタンド300に受渡されるようにした。しかし、これに限定されず、地上高Hiおよび高さHhは、充電スタンド300によってどのように取得されてもよい。たとえば、充電スタンド300の予約時に、サーバ600から通信機器100または電動車両200への問合せに応じて、通信機器100または電動車両200でユーザ10が入力することによって、通信機器100からサーバ600に登録され、充電スタンド300に受渡されるようにしてもよい。また、地上高Hiおよび高さHhは、充電スタンド300の上昇制御の直前に、サーバ600または充電スタンド300から通信機器100または電動車両200への問合せに応じて、通信機器100または電動車両200でユーザ10が入力することによって、通信機器100から充電スタンド300に送信されるようにしてもよい。
【0079】
(6) 前述した実施の形態においては、
図6のステップS615で説明したように、ユーザの手の高さHhが、ユーザ10によってサーバ600に予め登録されるようにした。しかし、これに限定されず、高さHhは、ユーザ10によって入力されたユーザ10の身長等の身体の情報から推定するようにしてもよい。また、高さHhは、充電スタンド300または電動車両200に設けられたカメラで撮影されたユーザ10の画像から推定されるようにしてもよい。
【0080】
(7) 前述した実施の形態においては、
図6のステップS615で説明したように、電動車両200のインレット220,220Aの地上高Hiが、ユーザ10によってサーバ600に予め登録されるようにした。しかし、これに限定されず、地上高Hiが、ユーザ10によって予め登録または予約時に入力された、電動車両200の車種(または型式)から、当該車種の諸元が検索され、検索された諸元に含まれる情報から特定されるようにしてもよい。
【0081】
(8) 前述した実施の形態においては、
図1および
図2で示したように、コネクタ302がインレット220,220Aに接続されていないときに置かれる特定部分が、収納スペース305であることとした。しかし、これに限定されず、特定部分が、他の構造であってもよく、たとえば、コネクタ302を掛けるフックのような構造であってもよい。
【0082】
(9) 前述した実施の形態を、充電スタンド300のような給電設備の開示と捉えることができるし、給電設備およびサーバ600を含む給電システム1、または、給電設備、サーバ600および通信機器100を含む給電システムの開示と捉えることができるし、給電設備または給電システムの制御方法または制御プログラムの開示と捉えることができる。
【0083】
[まとめ]
(1)
図1および
図2で示したように、充電スタンド300は、地面上の電動車両200,200Aに給電可能な給電設備である。充電スタンド300は、電動車両200,200Aのインレット220,220Aに接続するコネクタ302と、コネクタ302がインレット220,220Aに接続されていないときに置かれる特定部分(たとえば、収納スペース305であってもよいし、コネクタ302を掛けるフックであってもよい。)を含み、特定部分が地面下に収納された第1位置(たとえば、下限状態に相当する位置)と、特定部分が地面上に露出した第2位置(たとえば、上限状態に相当する位置)との間で変位可能な可動部300aと、可動部300aを変位させるアクチュエータ(たとえば、昇降装置306のアクチュエータ)と、アクチュエータを制御する制御装置308とを備える。
図2、
図5および
図6で示したように、制御装置308は、給電対象の電動車両200,200Aのインレット220,220Aの高さHiに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整する(たとえば、
図6のステップS323)。
【0084】
これにより、コネクタ302がインレット220,220Aに接続し易い高さに、充電スタンド300の可動部300aのコネクタ302が置かれる特定部分の位置を調整することができる。その結果、インレット220,220Aにコネクタ302を差し込み易くすることができる。
【0085】
(2)
図2、
図5および
図6のステップS615,ステップS311,ステップS323で示したように、制御装置308は、給電対象の電動車両200,200Aのインレット220,220Aの高さHiを取得し(たとえば、ステップS615,ステップS311)、取得したインレット220,220Aの高さHiに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整する(たとえば、ステップS323)ようにしてもよい。
【0086】
これにより、充電スタンド300の可動部300aの特定部分の高さHcを、取得した給電対象の車両のインレット220,220Aの高さHiに応じて調整できる。その結果、特定部分の高さHcを正確に調整することができる。
【0087】
(3) 変形例で示したように、制御装置308は、地面上に露出しているときの特定部分の位置を、インレット220,220Aの高さHiと略同じ高さHcに調整するようにしてもよい。
【0088】
これにより、インレット220,220Aの高さHiと略同じ高さHcに調整された特定部分から持ち出したコネクタ302を、高さを変えることなく、インレット220,220Aに接続することができる。その結果、インレット220,220Aにコネクタ302をさらに差し込み易くすることができる。
【0089】
(4)
図2、
図5および
図6のステップS615,ステップS311,ステップS323で示したように、制御装置308は、電動車両200,200Aのユーザ10の手の高さHhに関する情報(たとえば、手の高さであってもよいし、身長であってもよい。)を取得し(たとえば、ステップS615,ステップS311)、取得したインレット220,220Aの高さHiに加えて、取得したユーザ10の手の高さHhに応じて、地面上に露出しているときの特定部分の位置を調整する(たとえば、ステップS323)ようにしてもよい。
【0090】
これにより、充電スタンド300の可動部300aの特定部分の高さHcを、取得したインレット220,220Aの高さHiに加えて、取得したユーザ10の手の高さHhに応じて調整できる。その結果、ユーザ10の手の高さHhを考慮して特定部分の高さHcを正確に調整することができる。
【0091】
(5)
図2、
図5および
図6のステップS323で示したように、制御装置308は、地面上に露出しているときの特定部分の位置を、インレット220,220Aの高さHiとユーザ10の手の高さHhとの間の高さHcに調整する(たとえば、ステップS323)ようにしてもよい。
【0092】
これにより、インレット220,220Aの高さHiとユーザ10の手の高さHhとの間の高さHcに調整された特定部分から持ち出したコネクタ302を、インレット220,220Aの高さHiとユーザ10の手の高さHhとの間の範囲内で高さを保ったまま、インレット220,220Aに接続することができる。その結果、ユーザ10の手の高さを考慮して、インレット220,220Aにコネクタ302をさらに差し込み易くすることができる。
【0093】
なお、上記した実施の形態は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
1 給電システム、10 ユーザ、100 通信機器、200,200A 電動車両、202,202A ECU、212,212A 充電器、214,214A バッテリ、216,216A インバータ、218,218A モータジェネレータ、220,220A インレット、222,222A 駆動輪、300 充電スタンド、300a 可動部、300b 固定部、302 コネクタ、304 ケーブル、305 収納スペース、306 昇降装置、308 制御装置、308a CPU、308b メモリ、308c 通信部、310 接触センサ、312 移動量センサ、320 報知ランプ、350 電源、400,410 駐車スペース、402,412 仕切り線、500,510 歩道、600 サーバ。