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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/02 20120101AFI20240903BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240903BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B60W50/02
B60W50/10
A01B69/00 303J
A01B69/00 303A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021176481
(22)【出願日】2021-10-28
(65)【公開番号】P2023066007
(43)【公開日】2023-05-15
【審査請求日】2022-12-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】池田 一生
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183101(JP,A)
【文献】特開2018-045710(JP,A)
【文献】特開2018-057283(JP,A)
【文献】特開2021-131845(JP,A)
【文献】特開2019-170317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 50/02
B60W 50/10
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも自動走行をするロボットモードと、手動走行をする手動運転モードを有する作業車両において、
前記自動走行中における予定された所定動作で停止を行う通常停止モードと、前記自動走行中において、走行車体について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行う自動緊急停止モードとを備え、
前記通常停止モードにおいてはHSTを中立にし、電制ブレーキを掛けず、
前記自動緊急停止モードにおいては、前記HSTを中立にするに加えて、電制ブレーキを掛け、
前記自動緊急停止モードには、前記所定の異常検出の異常の種類に従って、予め決められた所定の第1のグループの種類の異常が発生した場合である最非常停止モードと、予め決められた所定の第2のグループの種類の異常が発生した場合である次非常停止モードと、予め決められた所定の第3のグループの種類の異常が発生した場合である一時非常停止モードとが用意されており、
前記最非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切り、自動走行をするロボットモードを解除して自動走行の機能をとめ、
前記次非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンは停止させず、植付クラッチを切り、前記自動走行するロボットモードを解除して自動走行の機能をとめ、
前記一時非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けるだけにとどめ、
前記自動緊急停止モードにおいて、前記HSTを中立にするに加えて、前記電制ブレーキを掛ける場合、前記HSTが中立になった後、所定時間後、後輪回転の監視を開始し、後輪の回転を検出したら前記電制ブレーキを作動させることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記最非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれることで前記最非常停止モードが解除されるが、自動走行するロボットモードのためのスイッチがオンされても、HSTのレバーが操作されても、作業者のリモコンによる前後進指示があっても解除されず、
前記次非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、または前記自動走行するロボットモードのためのスイッチがオンされることによって、前記次非常停止モードが解除されるが、HSTのレバーが操作されても、作業者のリモコンによる前後進指示があっても、解除されず、
前記一時非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、またはHSTのレバーが操作され、または作業者のリモコンによる前後進指示があったとき、前記一時非常停止モードが解除されることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記所定の第1のグループの異常の種類は、前記走行車体の所定の異常な傾斜があったとき、またはトラニオンセンサに所定の異常があったとき、またはHST中立センサに所定の異常があったときであり、
前記所定の第2のグループの異常の種類は、ステアリングセンサに所定の異常があったとき、またはHSTレバー位置センサに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボットコントローラの通信に所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータドライバーに所定の異常があったときであり、
前記所定の第3のグループの異常の種類は、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである、請求項1または2記載の作業車両。
【請求項4】
自動走行をする作業車両において、
前記自動走行中における予定された所定動作で停止を行う通常停止モードと、前記自動走行中において、走行車体について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行う自動緊急停止モードとを備え、
前記通常停止モードにおいてはHSTを中立にし、電制ブレーキを掛けず、
前記自動緊急停止モードにおいては、前記HSTを中立にするに加えて、電制ブレーキを掛け、
前記自動緊急停止モードには、前記所定の異常検出の異常の種類に従って、予め決められた所定の第1のグループの種類の異常が発生した場合である最非常停止モードと、予め決められた所定の第2のグループの種類の異常が発生した場合である次非常停止モードと、予め決められた所定の第3のグループの種類の異常が発生した場合である一時非常停止モードとが用意されており、
前記最非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切り、
前記次非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンは停止させず、植付クラッチを切り、
前記一時非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けるだけにとどめ、
前記最非常停止モードにおいて、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切る場合、
前進状態で緊急停止するときは、前記HSTを中立にし、同時に前記電制ブレーキをかけ、HST作動時間後に、前記植付クラッチを切り、前記エンジンを切り、
後進状態で緊急停止するときは、前記HSTを中立にし、同時に前記電制ブレーキをかけ、さらに同時に前記植付クラッチを切り、HST作動時間後に、前記エンジンを切ることを特徴とする作業車両。
【請求項5】
前記所定の第1のグループの異常の種類は、前記走行車体の所定の異常な傾斜があったとき、またはトラニオンセンサに所定の異常があったとき、またはHST中立センサに所定の異常があったときであり、
前記所定の第2のグループの異常の種類は、ステアリングセンサに所定の異常があったとき、またはHSTレバー位置センサに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボットコントローラの通信に所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータドライバーに所定の異常があったときであり、
前記所定の第3のグループの異常の種類は、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである、請求項4記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行する田植機などの作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動走行可能な作業車両が公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-183101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような作業車両では、緊急事態が発生したような場合、HSTを中立にして停止させている。
【0005】
しかしながら、傾斜地などにおいて緊急事態が起こった場合、HSTを中立にしただけでは自然に動いてしまう危険があった。
【0006】
本発明では、そのような場面でも安全に停止出来る自動走行可能な作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、少なくとも自動走行をするロボットモードと、手動走行をする手動運転モードを有する作業車両において、
前記自動走行中における予定された所定動作で停止を行う通常停止モードと、前記自動走行中において、走行車体について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行う自動緊急停止モードとを備え、
前記通常停止モードにおいてはHSTを中立にし、電制ブレーキを掛けず、
前記自動緊急停止モードにおいては、前記HSTを中立にするに加えて、電制ブレーキを掛け、
前記自動緊急停止モードには、前記所定の異常検出の異常の種類に従って、予め決められた所定の第1のグループの種類の異常が発生した場合である最非常停止モードと、予め決められた所定の第2のグループの種類の異常が発生した場合である次非常停止モードと、予め決められた所定の第3のグループの種類の異常が発生した場合である一時非常停止モードとが用意されており、
前記最非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切り、自動走行をするロボットモードを解除して自動走行の機能をとめ、
前記次非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンは停止させず、植付クラッチを切り、前記自動走行するロボットモードを解除して自動走行の機能をとめ、
前記一時非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けるだけにとどめ、
前記自動緊急停止モードにおいて、前記HSTを中立にするに加えて、前記電制ブレーキを掛ける場合、前記HSTが中立になった後、所定時間後、後輪回転の監視を開始し、後輪の回転を検出したら前記電制ブレーキを作動させることを特徴とする作業車両である。
第2の本発明は、
前記最非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれることで前記最非常停止モードが解除されるが、自動走行するロボットモードのためのスイッチがオンされても、HSTのレバーが操作されても、作業者のリモコンによる前後進指示があっても解除されず、
前記次非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、または前記自動走行するロボットモードのためのスイッチがオンされることによって、前記次非常停止モードが解除されるが、HSTのレバーが操作されても、作業者のリモコンによる前後進指示があっても、解除されず、
前記一時非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、またはHSTのレバーが操作され、または作業者のリモコンによる前後進指示があったとき、前記一時非常停止モードが解除されることを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
第3の本発明は、
前記所定の第1のグループの異常の種類は、前記走行車体の所定の異常な傾斜があったとき、またはトラニオンセンサに所定の異常があったとき、またはHST中立センサに所定の異常があったときであり、
前記所定の第2のグループの異常の種類は、ステアリングセンサに所定の異常があったとき、またはHSTレバー位置センサに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボットコントローラの通信に所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータドライバーに所定の異常があったときであり、
前記所定の第3のグループの異常の種類は、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである、第1または2の本発明の作業車両である。
第4の本発明は、
自動走行をする作業車両において、
前記自動走行中における予定された所定動作で停止を行う通常停止モードと、前記自動走行中において、走行車体について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行う自動緊急停止モードとを備え、
前記通常停止モードにおいてはHSTを中立にし、電制ブレーキを掛けず、
前記自動緊急停止モードにおいては、前記HSTを中立にするに加えて、電制ブレーキを掛け、
前記自動緊急停止モードには、前記所定の異常検出の異常の種類に従って、予め決められた所定の第1のグループの種類の異常が発生した場合である最非常停止モードと、予め決められた所定の第2のグループの種類の異常が発生した場合である次非常停止モードと、予め決められた所定の第3のグループの種類の異常が発生した場合である一時非常停止モードとが用意されており、
前記最非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切り、
前記次非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンは停止させず、植付クラッチを切り、
前記一時非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けるだけにとどめ、
前記最非常停止モードにおいて、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンを停止させ、植付クラッチを切る場合、
前進状態で緊急停止するときは、前記HSTを中立にし、同時に前記電制ブレーキをかけ、HST作動時間後に、前記植付クラッチを切り、前記エンジンを切り、
後進状態で緊急停止するときは、前記HSTを中立にし、同時に前記電制ブレーキをかけ、さらに同時に前記植付クラッチを切り、HST作動時間後に、前記エンジンを切ることを特徴とする作業車両である。
第5の本発明は、
前記所定の第1のグループの異常の種類は、前記走行車体の所定の異常な傾斜があったとき、またはトラニオンセンサに所定の異常があったとき、またはHST中立センサに所定の異常があったときであり、
前記所定の第2のグループの異常の種類は、ステアリングセンサに所定の異常があったとき、またはHSTレバー位置センサに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボットコントローラの通信に所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータに所定の異常があったとき、または自動走行するためのロボット用モータドライバーに所定の異常があったときであり、
前記所定の第3のグループの異常の種類は、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである、第4の本発明の作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、
自動走行をする作業車両において、
前記自動走行中における予定された所定動作で停止を行う通常停止モードと、前記自動走行中において、走行車体について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行う自動緊急停止モードとを備え、
前記通常停止モードにおいてはHSTを中立にし、
前記自動緊急停止モードにおいては、少なくとも、前記HSTを中立にするに加えて、
電制ブレーキを掛けることを特徴とする作業車両である。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、
前記自動緊急停止モードには、前記所定の異常検出の異常の種類に従って、予め決められた所定の第1のグループの種類の異常が発生した場合である最非常停止モードと、予め決められた所定の第2のグループの種類の異常が発生した場合である次非常停止モードと、予め決められた所定の第3のグループの種類の異常が発生した場合である一時非常停止モードとが用意されており、
前記最非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、少なくともエンジンを停止させ、
前記次非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けることに加えて、エンジンは停止させず、少なくとも植付クラッチを切り、
前記一時非常停止モードでは、前記HSTを中立にすることと前記電制ブレーキを掛けるだけにとどめる、本発明に関連する第1の発明の作業車両である。
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、
前記最非常停止モードでは、さらに、植付クラッチを切り、ロボットモードを解除し、
前記次非常停止モードでは、さらに、前記ロボットモードを解除する、本発明に関連する第2の発明の作業車両である。
【0010】
本発明に関連する第4の発明は、
作業者の停止指示のリモコン操作によって、前記次非常停止モードまたは前記一時非常停止モードが選択可能であり、さらに、作業者の解除指示のリモコン操作によって、前記一時非常停止モードの解除が可能である、本発明に関連する第2の発明の作業車両である。
【0011】
本発明に関連する第5の発明は、
前記所定の第1のグループの異常の種類は、前記走行車体の所定の異常な傾斜があったとき、またはトラニオンセンサに所定の異常があったとき、またはHST中立センサに所定の異常があったときであり、
前記所定の第2のグループの異常の種類は、ステアリングセンサに所定の異常があったとき、またはHSTレバー位置センサに所定の異常があったとき、またはロボットコントローラの通信に所定の異常があったとき、またはロボット用モータに所定の異常があったとき、またはロボット用モータドライバーに所定の異常があったときであり、
前記所定の第3のグループの異常の種類は、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである、本発明に関連する第2の発明の作業車両である。
【0012】
本発明に関連する第6の発明は、
前記最非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれることで、前記最非常停止モードが解除され、
前記次非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、またはロボットモードスイッチがオンされることによって、前記次非常停止モードが解除され、
前記一時非常停止モードでは、前記走行車体のブレーキペダルが踏み込まれ、または主変速レバー操作がなされ、または作業者のリモコンによる前後進指示があったとき、前記一時非常停止モードが解除される、本発明に関連する第2の発明の作業車両である。
【発明の効果】
【0013】
第1、2または3の本発明により、HST中立となった後にすぐブレーキングすると挙動が急峻となってしまい、ブレーキが必要以上にかかってしまうという問題を解決できる。
第4または5の本発明によって、植込桿停止位置で停止できるため、泥のひきずりなく安定植付けを再開できる。
本発明に関連する発明により、傾斜地などで停止するような場面でも安全に停止出来る自動走行可能な作業車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明における実施の形態にかかる作業車両の側面図
図2】同上作業車両の動作を説明するフローチャート
図3】同上作業車両の制御部を中心とする構成図
図4】同上作業車両を操作するためのリモコンの正面図
図5】同上作業車両の動作を説明する表図面
図6】同上作業車両の電制ブレーキの構造図
図7】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図8】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図9】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図10】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図11】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図12】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図13】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図14】自動運転田植機のモニターに関する説明図
図15】自動運転田植機のモニターに関する説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態にかかる作業車両の一例としてのリモコンで遠隔操作も出来る自動走行田植機である。
【0017】
以下では、田植機の進行方向を基準として、前後、左右、上下とする。
【0018】
図1において、1は作業車両であって、2はその走行車体である。その走行車体2の運転席2aの前方には操作パネルが配置され、その内側に制御部3が装備されている。また、操作パネルの横にはHSTレバー(主変速レバー)11が立設している。
【0019】
さらに、運転席2aの直下にはエンジン4が配置され、また運転席2aの前方の下方には、足で踏むことによってブレーキを掛けることの出来るブレーキペダル5が設けられている。
【0020】
他方、エンジン4の近傍にはHST8が設けられ、走行車体2の下部には前輪6と後輪7が設けられている。
【0021】
また、走行車体2の前部にはセンターマスコット9が装備され、そのセンターマスコット9に三色灯9aが取り付けられている。さらに、走行車体2の前方の上方にはGNSSアンテナ36が配置されている。
【0022】
なお、10はリモコンであり、後述するような操作が可能である。
【0023】
次に、田植機である作業車両1の停止モードについて説明する。その停止モードには通常停止モードと自動緊急停止モードがある。
【0024】
通常停止モードとは、予めプログラムされた動作があったとき、制御部3がHST8を中立にするモードである。例えば、圃場の端に到達したとき旋回に備えて一旦停止する場合などである。本発明の予定された所定の動作の一例である。
【0025】
これに対して、自動緊急停止モードとは、走行車体2について、予め決められた所定の異常検出の場合に停止を行うモードであって、少なくとも、制御部3がHST8を中立にするとともにそれに加えて、電制ブレーキ34(図3参照)を掛けるモードである。
【0026】
さらに、その自動緊急停止モードについて説明する。この自動緊急停止モードには、所定の異常の種類に応じて、最非常停止モードと、次非常停止モードと、通常の緊急性の一時非常停止モードがある。
【0027】
最非常停止モードは、第1のグループの異常の種類が発生した場合のモードであり、第1のグループの異常としては、機体傾斜異常、トラニオンセンサ異常、HST中立センサ異常が存在する。緊急性が非常に高い異常の場合である。最も緊急性が高く、自動走行に直接影響が出る異常である。
【0028】
図3に示すように、その機体傾斜異常は、ジャイロセンサなどの車体傾斜センサ23で検出出来、その傾斜が一定時間継続して一定角度以上の場合などを検出する。畔に乗り上げてしまった際、圃場から逸脱することを防止できる。トラニオンセンサ異常はトラニオンセンサ22で検出出来、HST中立センサ異常はHTS中立センサ21で検出出来る。
【0029】
次非常停止モードは、第2のグループの異常の種類が発生した場合のモードであり、第2のグループの異常としては、ステアリングセンサ異常、HSTレバー位置センサ異常、ロボットコントローラ通信異常、ロボット用モータ異常、ロボット用モータドライバ異常が存在する。最非常停止モードに次いで緊急性が高い異常であって、自動走行に影響を及ぼしうる異常である。
【0030】
このステアリングセンサ異常はステアリングセンサ26で検出出来、HSTレバー位置センサ異常はHTSレバー位置センサ27で検出出来、ロボットコントローラ通信異常は制御部3のロボットコントローラ通信32のチェックで検出出来、ロボット用モータ異常はロボットモータ35の駆動制御で検出出来、ロボット用モータドライバ異常はロボット用モータドライバー40のチェックで検出できる。
【0031】
一時非常停止モードは、第3のグループの異常の種類が発生した場合のモードであり、第3のグループの異常としては、HSTが中立状態下での車輪回転検出時、またはアンテナインターフェースの通信に所定の異常があったとき、またはGNSSアンテナに所定の異常があったとき、または植付クラッチセンサに所定の異常があったときである。その他の軽微な異常が発生した場合である。
【0032】
そのHSTが中立状態下での車輪回転検出はHTS中立センサ21と後輪回転センサ25で検出出来、RTKなどのアンテナインターフェースの通信の異常はアンテナインターフェース38のチェックで検出出来、GNSSアンテナ36の異常はGNSSアンテナ36のチェックで検出出来、植付クラッチセンサ37の異常は植付クラッチセンサ37をチェックして検出出来る。
【0033】
なお、図3において、28は走行モード制御、29は作業モード制御、30はロボットモード、39はタイマー、41はエンジン系ECU、42は走行系ECU、43は各種パラメータ、プログラムなどを記録する記録部である。
【0034】
次に、上述したような第1グループから第3グループのような異常が発生したことを検出した場合は、制御部3は次のような処理を実行する。
【0035】
すなわち、第1グループのような異常が発生した最非常停止モードにおいては、HST8を中立にすることと電制ブレーキ34を掛けることに加えて、エンジン4を停止させる。さらに、植付クラッチ33をオフするとともに、ロボットモード30を解除する。また、三色灯9aをピンク色とし、ホーン31を900msecの間1回鳴らす。ブザーは鳴らさない。植付クラッチ33をオフすることによって、後進した場合の植付駆動系の破損を回避できる。
【0036】
次に、第2グループのような異常が発生した次非常停止モードにおいて、HST8を中立にすることと電制ブレーキ34を掛けることを実行するが、エンジン4は停止させない。その他は最非常停止モードの同様に、植付クラッチ33をオフとし、ロボットモード30を解除する。また、三色灯9aをピンク色とし、ホーン31を900msecの間1回鳴らす。ブザーは鳴らさない。
【0037】
次に、第3グループのような異常が発生した一時非常停止モードでは、HST8を中立にすることと電制ブレーキ34を掛けるだけにとどめる。なお、三色灯9aをピンク色とし、ホーン31を900msecの間1回鳴らす。ブザーは鳴らさない。
【0038】
次に、このような停止状態を解除する場合について説明する。
【0039】
最非常停止モードでは、走行車体2のブレーキペダル5が踏み込まれることで、最非常停止モードが解除される。例えば、電源オフ後の初期状態において、電制ブレーキ34が解除されると走行車体2が停止せず危ないが、電制ブレーキ34の解除条件をブレーキペダル5の押し込みとすることによって、電源オフ状態を挟んでも、解除されないようになる。エンジン停止後エンジンを掛けないでも電源が掛かっても、ブレーキが解除されず、不用意にブレーキが無作動となることが無い。
【0040】
次非常停止モードでは、走行車体2のブレーキペダル5が踏み込まれ、またはロボットモードスイッチ20がオンされることによって、次非常停止モードが解除される。
【0041】
一時非常停止モードでは、走行車体2のブレーキペダル5が踏み込まれ、またはHSTレバー11の操作がなされることによって、一時非常停止モードが解除される。
【0042】
なお、図4に示すようなリモコン10によって、以下のようなことも可能である。
【0043】
リモコン10の次非常停止ボタン62を押すことで次非常停止モードにすることが出来る。作業者が危険を感じた際に、非常停止が可能である。
【0044】
また、一時非常停止ボタン53を押すことで一時非常停止モードにすることが出来る。
【0045】
さらに、解除ボタン54によって、その一時非常停止モードを解除、自動走行を再開させることが出来る。
【0046】
また、作業者がリモコン10の前進ボタン55、後進ボタン60を押して画面のカーソルを移動させて、走行車体2の前進移動、後進移動の操作項目を選択し、決定ボタン58で決定した場合も一時非常停止モードが解除される。
【0047】
なお、図4において、50はリモコン10の操作部、51は表示部、52は強制4駆を作動する強制4駆ボタン、55はカーソルを移動させる前進ボタン、56は走行モード切替画面に移行する走行モードボタン、57はメニュー画面に移行するメニューボタン、58は画面で選択した項目、操作を決定する決定ボタン、59は一つ前の画面に戻るボタン、60はカーソルの移動をさせる後進ボタン、61は他のボタンと組み合わせて使用するボタン、63は長押しすることによってリモコンの電源を入れるボタンである。
【0048】
次に、上述のような構成の作業車両の動作の一例を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
今異常が走行車体2に発生したとする(S1)。
【0050】
制御部3はその異常が上記第1グループの異常か、上記第2グループの異常か、上記第3グループの異常かを識別する。
【0051】
異常が第1グループの異常に属する場合は、HST8を中立にし、電制ブレーキ34を掛け、エンジン4を停止させ、植付クラッチ33をオフさせ、ロボットモード30を解除し、三色灯9aをピンク色とし、ホーン31を900msecの間1回鳴らす(S5)。
【0052】
異常が第2グループの異常に属する場合は、HST8を中立にし、電制ブレーキ34を掛け、エンジン4は停止させず、植付クラッチ33をオフとし、ロボットモード30を解除し、三色灯9aをピンク色とし、ホーン31を900msecの間1回鳴らす(S6)。
【0053】
異常が第3グループの異常に属する場合は、HST8を中立にし、電制ブレーキ34を掛け、エンジン4は停止させず、植付クラッチ33をオフとせず、ロボットモード30を維持し、三色灯9aを全灯とし、ホーン31を900msecの間1回鳴ら(S7)。
【0054】
なお、作業者がリモコン10によって次非常停止ボタン52を押すことで次非常停止モードとし、上記第2グループの異常が発生したと同様な処理をさせることが出来る(S8)。
【0055】
また、作業者がリモコン10によって一時非常停止ボタン53を押すことで一時非常停止モードとし、上記第3グループの異常が発生したと同様な処理をさせることが出来る(S9)。
【0056】
次に、走行車体2が最非常停止モードにある状態で、ブレーキペダル5が足で踏まれると(S10)、最非常停止モードは解除される(S13)。
【0057】
また、走行車体2が次非常停止モードにある状態で、ブレーキペダル5が足で踏まれ、またはロボットモードスイッチ20がオンされることによって(S11)、次非常停止モードが解除される(S14)。
【0058】
また、走行車体2が一時非常停止モードにある状態で、走行車体2のブレーキペダル5が踏み込まれ、または、HSTレバー11の操作がなされることによって(S12)、一時非常停止モードが解除される(S15)。
【0059】
なお、作業者がリモコン10により前進ボタン55、後進ボタン60を押した場合、あるいは一時非常停止の解除を指示した場合も、一時非常停止モードを解除することが出来る(S16)。
【0060】
なおまた、緊急時、1.HST出力をオフとし、2.電制ブレーキ34をかけ、3.植付クラッチを切り、4.エンジンを切る構成において、1,2,3を同時に行い、HST作動時間(たとえば1秒)後エンジンを停止することが望ましい。エンジン停止を同時に行ってしまうと、HST中立となるまでの時間が長くなってしまうからである。これによってブレーキ作動時間を短く、安定させることが出来る。
【0061】
また、前進時停止した場合は植付部上昇動作に入らない。再開後そのまま(植えずに)走行すると停止位置で止まっていない植込桿が圃場の泥や夾雑物を引きずる可能性があり圃場を荒らすとともに、植付再開後つまった泥などで植付が安定しないという問題については次のように対策する。
【0062】
緊急時、1.HST出力をオフとし、2.電制ブレーキ34をかけ、3.植付クラッチを切り、4.エンジンを切る構成において、前進状態で緊急停止するときは1.2.を同時に、HST作動時間(たとえば1秒)後3.4.を行う。後進状態で緊急停止するときは1.2.3.を同時に、HST作動時間(たとえば1秒)後4.を行う。
【0063】
これによって、植込桿停止位置で停止できるため、泥のひきずりなく安定植付けを再開できる。
【0064】
また、HST中立となった後にすぐブレーキングすると挙動が急峻となってしまい、ブレーキが必要以上にかかってしまうとう問題に対しては、次のように対策する。
【0065】
HST中立状態中に後輪回転を監視し回転検出したら電制ブレーキ34を作動させるシステムの場合、HST中立センサが中立を検知した後作動タイムラグを考慮し、0.5秒後後輪回転のセンシングを開始し、積算で+15以上或いは-15以下となった場合にブレーキを作動させる。
【0066】
このようにすることによって、圃場抵抗も利用(それを考慮し)停止することでブレーキ寿命を延ばすとともに、ブレーキング時も機体挙動が比較的安定する。
【0067】
次に、上述した電制ブレーキ34の構造、機能を説明する。
【0068】
図6はその略示図であり、ブレーキモータ70、ブレーキ位置センサ(ポテンショメータ)71、ケーブル72、スプリング73などで構成されている。
【0069】
この電制ブレーキ34を作動・解除させる際は、事前に設定したブレーキ位置センサ71の作動位置・解除位置基準値とブレーキ位置センサ71の展開値との偏差が一定以下となるよう、ブレーキモータ70を回転させる。
【0070】
ブレーキ位置センサ71の解除位置基準値は固定値とし、作動位置基準値はセンサセットによって調整可能とする。
【0071】
ブレーキ位置センサ71のセンサ値が断線レベル以下、または5Vショートレベル異常の時、ブレーキセンサ異常の判定とし、オートブレーキモータの出力を停止する。
【0072】
オートブレーキモータの出力を開始してから、5秒以内に電制ブレーキ34が作動・解除しないとき(オートブレーキ位置センサの基準値と展開値の偏差が一定以下にならないとき)、ブレーキモータ異常とし、オートブレーキモータの出力を停止する。
【0073】
また、従来、ブレーキロッド周辺はピボットやそれにとりつくカウンタ等部品が密集することで可動部品が多いと作動不良を起こしやすかった。ロッドは機体底面に近く泥が付きやすかった。そこで、田植機の電制ブレーキ34としてカウンタ部品を介しながらケーブルでブレーキロッドを牽引する構成で(安定作動のため、ケーブルにはスプリング73が取り付いている)ユニット側にスプリングを取付ける。ブレーキスプリング周辺が泥にさらされにくく、安定作動を行える。
【0074】
なお、別実施例としては、停止するためHST8を中立にした場合、走行車体2の状態、例えば車輪の回動を監視しておき、動いたときに、電制ブレーキ34を作動させるようにしてもよい。
【0075】
また、別実施例としては、作業者が乗った状態で旋回アシストや直線アシストを実行している際、走行車体2にエラーが起こった場合、HSTを中立にし、エンジン4を停止するとともに、電制ブレーキ34を作動させることも出来る。
【0076】
次に、図7から図15に、自動運転田植機について用いるモニターの一例の説明をする。
【0077】
なお、この例の自動運転田植機は4つの運転モードを持つ。すなわち、まず手動運転モード(普通の田植機と同様に運転、作業ができるモードである。ただし、自動運転田植機はハンドル操作時の反力が無いため、操作感覚が通常と異なる)と、ティーチングモード(教示運転モード)(田植機にほ場形状を覚えさせ、自動的に作業経路を作成するモードで、ティーチングモードの状態でほ場の外周を植えながら走行すると、田植機の位置情報からほ場形状を読み取り、そして、読み取ったほ場形状から自動的に作業経路を作成する)と、自動運転モード(自動運転による無人走行が可能なモードで、ティーチングによって自動作成された作業経路に基づき、自律走行を行う)と、遠隔運転モード(自動運転田植機を遠隔操作するモードで、離れた位置からリモコンで田植機の基本的な操作ができる)である。
【0078】
このモニターは、生成された作業経路や田植機の状態を表示するモニタであり、リモコンのLED表示だけでは分かりにくい情報を、様々なアイコンによって分かりやすく表示できる。不要であれば取り外すことも可能である。画面はタッチスクリーンになっており、マルチタッチに対応し、表示位置の移動や拡大・縮小、回転などが可能で、画面左側に配置されたボタンを操作する事でも拡大・縮小や、現在位置への復帰、方位の固定などが可能である。静電容量式のタッチスクリーンを使用しているため手袋の材質によっては反応しない場合があり、また、水滴などにも反応するので、濡れた手で操作するとうまく操作できないことがある。必要に応じてタオルなどで水分を拭き取る必要がある。安全のために田植機を操作する機能は設けないので田植機の操作にはリモコンを使用する。
【0079】
図7にモニターの各部の名称と機能を示す。苗補給までの植付距離については自動運転モード時に次の苗補給位置までの植え付け距離が表示される。植えずに走行する距離はカウントされない。苗補給のタイミングや田植機に搭乗して苗補給をするかどうかの判断に利用される。
【0080】
図8は地図上のアイコンの説明であって、地図上の苗形状アイコンは次の苗補給位置(畦寄せ位置)を示すので、苗補給までの距離表示と合わせて苗補給の参考に出来る。上下方向アイコンはメイン経路や各サブ経路の始点を示し、メイン経路と接続されていないサブ経路の作業開始点を確認するために使用する。各経路には走行方向が反転したサブ経路が生成されるため、これらの始点も表示している。なお、自動運転は始点以外からでも開始できる。
【0081】
図9は 作業行程の表示色を説明する図であり、現在の行程から接続されている行程は緑色、サブ経路など現在の行程から接続されていない行程は赤色で表示され、同一の経路でもすでに作業済みの行程は赤色で表示される。
【0082】
図10はボタン操作の説明図である。
【0083】
図11は運転モード表示の説明図である。
【0084】
図12はGNSS表示についての説明図である。
【0085】
図13は車速表示(状態表示)の説明図である。
【0086】
図14はティーチング認識表示(状態表示)を示す説明図である。
【0087】
図15はエラー表示(状態表示)の説明図である。
【0088】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【0089】
また、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0090】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0091】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0092】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0093】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0094】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0095】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、安全に停止可能な作業車両であって、自動走行田植機に最適である。
【符号の説明】
【0097】
1 作業車両
2 走行車体
2a 運転席
3 制御部
4 エンジン
5 ブレーキペダル
6 前輪
7 後輪
8 HST
9 センターマスコット
9a 三色灯
10 リモコン
11 HSTレバー
23 車体傾斜センサ
25 後輪回転センサ
33 植付クラッチ
34 電制ブレーキ
36 GNSSアンテナ
52 次非常停止ボタン
53 一時非常停止ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15