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特許7548215広告配信システム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】広告配信システム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240903BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/0241
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021507321
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020011264
(87)【国際公開番号】W WO2020189582
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2019051595
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝佳
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】大井 一展
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/100684(WO,A1)
【文献】特開平08-272477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記設定部は、前記体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と前記第1のユーザの位置情報とが所定の条件を満たした場合に、前記第1のユーザの体験可能期間を更新すし、
前記所定の条件は、前記広告提供店舗と前記第1のユーザとが所定の距離以内に近づいたという条件を含み、
前記設定部は、前記広告提供店舗に対する課金額に応じて前記所定の距離を変更する、
広告配信システム。
【請求項2】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記配信部は、前記第1のユーザの位置情報と第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告情報が紐づいた前記所定のコンテンツを前記第2のユーザに共有可能にする、
広告配信システム。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1のユーザの位置情報と前記第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記第2のユーザの体験可能期間として現在の前記第1のユーザの体験可能期間と同一期間を設定する、
請求項に記載の広告配信システム。
【請求項4】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験可能な1または複数のユーザが前記広告提供店舗に来店する可能性を示す来店可能性指標に基づいて、前記広告提供店舗に対する課金額を設定する、
広告配信システム。
【請求項5】
前記来店可能性指標は、前記所定のコンテンツを体験可能なユーザ数、前記広告提供店舗との位置関係に基づいて前記所定のコンテンツの配信を受けたユーザ数、他のユーザとの位置関係に基づいて前記所定のコンテンツが共有されたユーザ数、および、前記所定のコンテンツがユーザ間で共有された位置情報の少なくともいずれか一つに基づいて算出される、
請求項に記載の広告配信システム。
【請求項6】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記配信部は、前記所定のコンテンツのクリエイターによって選択された店舗種別と広告提供店舗の店舗種別とに基づいて、前記広告情報に紐づけ可能なコンテンツを絞り込む、
広告配信システム。
【請求項7】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験した前記第1のユーザからの入力データを前記所定のコンテンツに関連付け、前記第1のユーザと所定の関係を満たすユーザに対して閲覧可能にする、
広告配信システム。
【請求項8】
前記所定の関係は、所定の位置関係または関係を有するとしてあらかじめ登録された関係を含む、
請求項に記載の広告配信システム。
【請求項9】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験した前記第1のユーザからの入力データを前記所定のコンテンツに関連付け、前記所定のコンテンツのクリエイターに対して閲覧可能にする、
広告配信システム。
【請求項10】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記所定のコンテンツのユーザ間での共有状況に基づいて所定の分析を行う分析部、をさらに備える、
広告配信システム。
【請求項11】
前記分析部は、前記所定のコンテンツがどのユーザ間で共有されたかに基づいて、前記所定の分析として他のユーザへの前記所定のコンテンツの共有頻度が第1の閾値よりも多いユーザの特定を行う、
請求項10に記載の広告配信システム。
【請求項12】
前記分析部は、前記所定のコンテンツがユーザ間でどの時期に共有されたかに基づいて、前記所定の分析として所定の流行時期における共有頻度が第2の閾値よりも多いかの判定を行う、
請求項10に記載の広告配信システム。
【請求項13】
前記分析部は、前記所定のコンテンツがユーザ間で共有された位置情報に基づいて、前記所定の分析として他のユーザへの前記所定のコンテンツの共有頻度が第3の閾値よりも多いエリアの特定を行う、
請求項10に記載の広告配信システム。
【請求項14】
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新
前記配信部は、前記第1のユーザの位置情報と第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告情報が紐づいた前記所定のコンテンツを前記第2のユーザに共有可能にする、
情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサが、第1のユーザの位置情報を取得することと、
前記プロセッサが、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にすることと、
前記プロセッサが、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定することと、
前記プロセッサが、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新することと、
前記プロセッサが、前記第1のユーザの位置情報と第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告情報が紐づいた前記所定のコンテンツを前記第2のユーザに共有可能にすることと、
を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告配信システム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽および漫画といったエンターテイメント系のコンテンツに広告を付与することでユーザに無料または低価格でエンターテイメント系のコンテンツを提供するサービスを利用するユーザが増加している。ユーザに対するコンテンツの提供に関する技術としては様々な技術が知られている。例えば、所定のエリアにおいてユーザが利用する端末装置に配信されたコンテンツに対する当該ユーザの開封操作に関する操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて、所定のエリアにおけるコンテンツの配信態様を決定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-156460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、広告提供者が販売する商品またはサービスを購入するユーザを増やす技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、広告配信システムが提供される。
【0006】
本開示によれば、第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、情報処理装置が提供される。
【0007】
本開示によれば、プロセッサが、第1のユーザの位置情報を取得することと、前記プロセッサが、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にすることと、前記プロセッサが、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定することと、前記プロセッサが、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新することと、を含む、情報処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る広告配信システムの構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係るサーバの機能構成例を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る広告配信システムの全体的な機能について説明するための図である。
図4】サーバアプリによって実現される機能の例を示すフローチャートである。
図5】クリエイターステップに利用される画面例を示す図である。
図6】クリエイターステップの流れを示す図である。
図7】広告作成画面の例を示す図である。
図8】配信情報を説明するための図を示す図である。
図9】ユーザステップの流れを示す図である。
図10】端末アプリの画面例を示す図である。
図11】配信情報の表示例を示す図である。
図12】広告配信店舗および配信コンテンツの表示例を示す図である。
図13】各店舗端末にレコメンドされるコンテンツの例を説明するための図である。
図14】共有開始画面の例を示す図である。
図15】共有機能の流れを示す図である。
図16】コンテンツが共有されていく過程の例を示した図である。
図17】課金形式の例について説明するための図である。
図18】地域性を生かしたコンテンツの配信の例を説明するための図である。
図19】コンテンツの感想入力画面の例を示す図である。
図20】感想共有の流れを示す図である。
図21】本開示の実施形態に係るサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
また、本明細書および図面において、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一または類似の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
0.概要
1.実施形態の詳細
1.1.広告配信システムの構成例
1.2.サーバの機能構成例
1.3.システムの全体的な機能
1.4.コンテンツについて
1.5.共有機能について
1.6.Spotify(登録商標)への応用
1.7.バズり解析
1.8.課金形式
1.9.地域性を生かした配信
1.10.感想交流機能
1.11.解析機能
1.12.共有ポイント
2.ハードウェア構成例
3.むすび
【0012】
<0.概要>
近年、音楽および漫画といったエンターテイメント系のコンテンツに広告を付与することでユーザに無料または低価格でエンターテイメント系のコンテンツを提供するサービスを利用するユーザが増加している。ユーザに対するコンテンツの提供に関する技術としては様々な技術が知られている。そこで、本開示の実施形態では、広告提供者が販売する商品またはサービスを購入するユーザを増やす技術について主に説明する。
【0013】
具体的に、本開示の実施形態においては、ユーザがコンテンツを体験することができる体験可能期間中に、広告提供店舗の位置情報とユーザの位置情報とに基づいて、体験可能期間を更新する技術を提案する。かかる構成によれば、体験可能期間の更新のためのユーザの行動を促進することが可能となる。例えば、体験可能期間の更新のための条件としてユーザが広告提供店舗に近づくという条件が設定されれば、ユーザが広告提供店舗において商品またはサービスを購入する可能性が高まる。あるいは、体験可能期間の更新のための条件としてユーザが課金設定をするという条件が設定されれば、ユーザが広告提供店舗に支払いをする可能性が高まる。
【0014】
また、コンテンツを体験するときに広告の提供を受けるプラン(広告提供プラン)よりも高価なプランとして、広告の提供を受けずにコンテンツを体験することができるプラン(プレミアムプラン)が用意されている場合、ユーザが広告提供プランからプレミアムプランに移行することを促すことが可能となる。
【0015】
以上、本開示の実施形態の概要について説明した。
【0016】
<1.実施形態の詳細>
[1.1.広告配信システムの構成例]
続いて、図面を参照しながら、本開示の実施形態に係る広告配信システムの構成例について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る広告配信システムの構成例を示す図である。図1に示したように、本開示の実施形態に係る広告配信システム1は、サーバ10、店舗端末20、ユーザ端末30、クリエイター端末40およびネットワーク50を有する。サーバ10、店舗端末20、ユーザ端末30およびクリエイター端末40は、ネットワーク50を介して互いに通信可能に構成されている。
【0017】
店舗端末20は、例えば、コンピュータによって構成される。ここでは、店舗端末20がスマートフォンである場合を主に想定する。しかし、店舗端末20は、スマートフォン以外の端末であってもよい。例えば、店舗端末20は、PC(Personal Computer)であってもよいし、タブレット端末であってもよいし、携帯電話であってもよいし、他の電子機器であってもよい。例えば、店舗端末20は、店員によって利用される。また、店舗端末20は、広告設定用のアプリケーション(以下、単に「広告設定アプリ」とも言う。)を実行することによって店舗端末20が有する広告設定機能を実現し得る。広告設定機能については、後に詳細に説明する。
【0018】
ユーザ端末30は、例えば、コンピュータによって構成される。ここでは、ユーザ端末30がスマートフォンである場合を主に想定する。しかし、ユーザ端末30は、スマートフォン以外の端末であってもよい。例えば、ユーザ端末30は、PCであってもよいし、タブレット端末であってもよいし、携帯電話であってもよいし、他の電子機器であってもよい。例えば、ユーザ端末30は、ユーザによって利用される。また、ユーザ端末30は、ユーザ端末用のアプリケーション(以下、単に「端末アプリ」とも言う。)を実行することによってユーザ端末30が有する各種の機能を実現し得る。
【0019】
なお、図1に示した例では、図を簡便にするために、広告配信システム1がユーザ端末30を1台有している場合が示されている。しかし、実際には、広告配信システム1がユーザ端末30を複数台有してよい。かかる場合には、複数のユーザ端末30それぞれが別々のユーザによって利用され得る。なお、ユーザ同士でコンテンツを共有しようとする場合、コンテンツは友達に共有されることが主に想定される。そのため、以下の説明においては、便宜上、コンテンツの共有先をコンテンツの共有元に対する「友達」と言う場合がある。コンテンツの共有については後に詳細に説明する。
【0020】
クリエイター端末40は、例えば、コンピュータによって構成される。ここでは、クリエイター端末40がスマートフォンである場合を主に想定する。しかし、クリエイター端末40は、スマートフォン以外の端末であってもよい。例えば、クリエイター端末40は、PCであってもよいし、タブレット端末であってもよいし、携帯電話であってもよいし、他の電子機器であってもよい。例えば、クリエイター端末40は、クリエイターによって利用される。また、クリエイター端末40は、コンテンツ登録用のアプリケーション(以下、単に「登録アプリ」とも言う。)を実行することによってユーザ端末30が有するコンテンツ登録機能を実現し得る。コンテンツ登録機能については後に詳細に説明する。
【0021】
なお、クリエイターは、コンテンツを提供する人物である。より具体的には、クリエイターは、コンテンツを実際に作成した人物(例えば、音楽クリエイター、漫画家など)であってもよいし、音楽事務所などの代理法人であってもよい。また、コンテンツの種類は限定されない。例えば、コンテンツは、静止画を含んでもよいし、動画を含んでもよいし、テキストデータを含んでもよいし、音声データ(音楽コンテンツなど)を含んでもよいし、静止画とテキストデータとの組み合わせ(漫画など)を含んでもよい。以下では、コンテンツが、音楽コンテンツおよび漫画などといったエンターテイメント系のコンテンツである場合を主に想定する。
【0022】
サーバ10は、例えば、コンピュータによって構成され、情報処理装置の例として機能する。サーバ10は、サーバアプリケーション(以下、単に「サーバアプリ」とも言う。)を実行することによってサーバ10が有する各種の機能を実現し得る。サーバ10は、店舗端末20からネットワーク50を介して送信された要求を受信し、当該要求に応じた応答を、ネットワーク50を介して店舗端末20に返信する。同様に、サーバ10は、ユーザ端末30からネットワーク50を介して送信された要求を受信し、当該要求に応じた応答を、ネットワーク50を介してユーザ端末30に返信する。また、サーバ10は、クリエイター端末40からネットワーク50を介して送信された要求を受信し、当該要求に応じた応答を、ネットワーク50を介してクリエイター端末40に返信する。
【0023】
以上、本開示の実施形態に係る広告配信システム1の構成例について説明した。
【0024】
[1.2.サーバの機能構成例]
続いて、本開示の実施形態に係るサーバ10の機能構成例について説明する。図2は、本開示の実施形態に係るサーバ10の機能構成例を示す図である。図2に示したように、サーバ10は、制御部110、記憶部130および通信部140を有している。
【0025】
制御部110は、サーバ10の各部の制御を実行する。制御部110は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)などによって構成されていてよい。制御部110がCPUなどといった処理装置によって構成される場合、かかる処理装置は、電子回路によって構成されてよい。制御部110は、かかる処理装置によってプログラムが実行されることによって実現され得る。制御部110は、取得部111、配信部112、設定部113、分析部114および解析部115を備えている。これらのブロックの詳細は後に説明する。
【0026】
記憶部130は、メモリを含んで構成され、制御部110によって実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行に必要なデータを記憶したりする記録媒体である。また、記憶部130は、制御部110による演算のためにデータを一時的に記憶する。記憶部130は、磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または、光磁気記憶デバイスなどにより構成される。
【0027】
通信部140は、通信回路を含んで構成され、ネットワーク50に接続された各端末(店舗端末20、ユーザ端末30およびクリエイター端末40)との間で、ネットワーク50を介して通信を行う機能を有する。
【0028】
以上、本開示の実施形態に係るサーバ10の機能構成例について説明した。
【0029】
[1.3.システムの全体的な機能]
続いて、本開示の実施形態に係る広告配信システム1の全体的な機能について説明する。図3は、本開示の実施形態に係る広告配信システム1の全体的な機能について説明するための図である。図3を参照すると、上記したサーバ10が示されている他、広告配信システム1に関連するものとして、店舗87、ユーザ81、クリエイター83、ユーザ81からコンテンツを共有される友達82-1が示され、友達82-1からコンテンツを共有される友達82-2、82-3が示されている。
【0030】
広告配信システム1は、広告が紐づいたコンテンツを配信するためのシステムである。クリエイター83は、コンテンツを作成すると、作成したコンテンツをサーバ10に登録する(S7)。店舗87は、広告を提供する広告提供店舗であり、広告の配信権を購入することによって広告の配信権を得ることができる(S1)。具体的に、広告の配信権が購入されると、コンテンツと広告とが紐づけられる。広告の配信は、店舗の宣伝につながる(S2)。
【0031】
例えば、ユーザ81は、店舗87から所定の距離以内(例えば、店舗87から半径20m以内)に近づくと(S3)、コンテンツを体験する権利を得ることができる。そして、ユーザ81は、コンテンツを体験する権利を得ると、サーバ10からコンテンツの配信を受けることができる(S4)。ユーザ81は、端末アプリがインストールされたユーザ端末30を使用することによって、コンテンツを体験することが可能である。このとき、コンテンツには広告が紐付けられているため、ユーザ81は、コンテンツとともに広告も閲覧する。
【0032】
コンテンツおよび広告は、ユーザ81から友達82-1に共有され得る(S5)。また、コンテンツおよび広告は、友達82-1から友達82-2、82-3に共有され得る。ユーザ81および友達82-1~82-3は、コンテンツを体験すると、コンテンツの感想をサーバ1-に登録することができる。クリエイター83は、サーバ10に登録された感想を閲覧することが可能である。このように、広告配信システム1では、ユーザ81および友達82-1~82-3とクリエイター83との間の交流が図られる(S6)。
【0033】
さらに、サーバ10においては、コンテンツの配信および共有が分析され得る。そのため、サーバ10からクリエイター83には、サーバ10における分析結果とコンテンツ作成に対する報酬とが還元される(S8)。これらの機能の詳細については、以下に順を追って詳細に説明する。
【0034】
本開示の実施形態によれば、
ユーザ81(第1のユーザ)の位置情報を取得する取得部111と、
登録された店舗87(広告提供店舗)の位置情報と、ユーザ81の位置情報とに基づいて、店舗87の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする(コンテンツの利用権をユーザ81に付する)配信部112と、
ユーザ81が所定のコンテンツを体験可能な期間を示すユーザ81の体験可能期間を設定する設定部113と、
を備え、
設定部113は、ユーザ81の体験可能期間中に、店舗87の位置情報と、ユーザ81の位置情報とに基づいて、ユーザ81の体験可能期間を更新する、
広告配信システムが提供される。これらの機能は、サーバアプリによって実現される。
【0035】
ここで、体験可能期間の設定は、体験可能期間の終端(例えば、最終日)の設定を含んでよい。例えば、体験可能期間の終端は、コンテンツの初回の送信日時から所定の期間後の時点であってよい。ユーザ81は、コンテンツの初回の送信日時から体験可能期間の終端まで、サーバ10からコンテンツをダウンロードして(またはストリーミング再生によって)コンテンツを体験することができる。体験可能期間の更新は、体験可能期間の終端(例えば、最終日)の更新を含んでよい。例えば、体験可能期間の終端の更新は、体験可能期間の終端を所定の期間延長するように行われてよい。
【0036】
図4は、サーバアプリによって実現される機能の例を示すフローチャートである。まず、ユーザ端末30によってユーザ端末30の位置が検出されると、ユーザ端末30の位置情報が、ユーザ81の位置情報としてサーバ10の取得部111によって取得される(S11)。一方、店舗87の位置情報は、あらかじめ記憶部130によって記憶されており、店舗87の位置情報も、取得部111によって取得される。
【0037】
配信部112は、店舗87の位置情報とユーザ81の位置情報とに基づいて、店舗87の広告情報が紐づいたコンテンツを配信可能にする。具体的に、配信部112は、広告提供店舗(店舗87)の位置情報とユーザ81の位置情報とが所定の条件(第1の条件)を満たしている場合(S12において「YES」)、広告情報が紐づいたコンテンツの利用権をユーザ81に付与する(S13)。コンテンツの利用権は、コンテンツを体験する権利に相当し得る。一方、広告提供店舗(店舗87)の位置情報とユーザ81の位置情報とが所定の条件(第1の条件)を満たしていない場合(S12において「NO」)、S11に動作が移行される。
【0038】
設定部113は、ユーザ81がコンテンツを体験可能な期間を示すユーザ81の体験可能期間を設定する(S14)。そして、設定部113は、ユーザ81の体験可能期間中に、店舗87の位置情報と、ユーザ81の位置情報とに基づいて、ユーザ81の体験可能期間を更新する。具体的に、設定部113は、ユーザ81の体験可能期間中に再び広告提供店舗(店舗87)の位置情報とユーザ81の位置情報とが所定の条件(第2の条件)を満たした場合(S15において「YES」)、ユーザ81の体験可能期間を更新する(S16)。一方、ユーザ81の体験可能期間中に広告提供店舗(店舗87)の位置情報とユーザ81の位置情報とが所定の条件(第2の条件)を満たしていない場合(S15において「NO」)、S15に動作が移行される。
【0039】
S12における「所定の条件」は、店舗87とユーザ81とが第1の距離以内に近づいたという条件を含んでよい。また、S15における「所定の条件」は、店舗87とユーザ81とが第2の距離以内に近づいたという条件を含んでよい。本開示の実施形態では、S12における「所定の条件」とS15における「所定の条件」とが、共に、店舗87とユーザ81とが所定の距離(図3に示した例では、20m)以内に近づいたという条件である場合を想定する。しかし、S12における「所定の条件」とS15における「所定の条件」とは、異なる条件であってもよい。
【0040】
以下に詳細を述べる。ステップは、クリエイターステップ、ショップステップ、サーバステップ、ユーザステップの4段階に分かれている。
【0041】
<クリエイターステップ>
図5は、クリエイターステップに利用される画面例を示す図である。図6は、クリエイターステップの流れを示す図である。まず、クリエイター83は、登録アプリをクリエイター端末40にインストールする。そして、クリエイター83は、登録アプリの初回起動時に、登録アプリに対して、名前、住所、銀行口座(またはクレジットカード番号)、所属、ログインID、パスワード、および、メールアドレスを入力してコンテンツ提供ユーザ(クリエイター)登録を行う(S21)。次に、クリエイター83は、コンテンツ登録を行う(S22)。コンテンツ登録には複数の方法がある。例えば、コンテンツ登録には、コンテンツアップロード型、コンテンツ引用登録型、代理一括登録がある。
【0042】
クリエイター83が、設定したログインIDおよびパスワードを使ってログインすると、コンテンツ登録方法を選ぶ画面がクリエイター端末40によって表示される。そして、クリエイター83は、上記のコンテンツアップロード型、コンテンツ引用登録型、代理一括登録型のいずれかを選ぶ。
【0043】
クリエイター83がコンテンツアップロード型を選択した場合は、クリエイター端末40によってコンテンツのアップロード画面が表示される。クリエイター83は、クリエイター端末40に記憶されているコンテンツのアップロード、または、インターネット上の所定フォルダに記憶されているコンテンツのアップロード手続きを行う。クリエイター端末40は、コンテンツのアップロード後、アップロードしたコンテンツに対して「どのような種別の店舗の広告情報との紐づけを許可するか、および、どのような店舗の広告情報の配信を許可するか」の選択画面(図5)を表示する。
【0044】
例えば、クリエイター端末40は、図5に示したようなリストG1とチェックボックスG2とを表示する。これによって、クリエイター83は、許可店舗チェックを行う(S23)。具体的に、クリエイター端末40は、クリエイター83に、チェックボックスG2に対する×(配信してほしくない)を付けてもらう。登録アプリは、このリストG1へのチェック状況(どの種別の店舗にチェックが入っているか)をサーバ10に送信する。サーバ10においては、複数の広告情報それぞれに店舗種別が関連付けられている。そこで、配信部112は、チェック状況と複数の広告情報それぞれに関連付けられた店舗種別とに基づいて、広告情報を選択する。
【0045】
より具体的には、配信部112は、コンテンツのクリエイター83によって選択された店舗種別と一致する店舗種別に関連付けられた広告情報を選択する。配信部112は、選択した広告情報のID(許可店舗情報)とコンテンツ(コンテンツID)とを紐づけて、記憶部130に記憶する。このように、クリエイター83に「どのような種別の店舗の広告情報との紐づけを許可するか、および、どのような店舗の広告情報の配信を許可するか」を選択してもらうことで、クリエイター83の意図しない広告の配信およびコンテンツと広告との紐づけが生じないようにすることができる。
【0046】
クリエイター83がコンテンツ引用登録型を選択した場合は、クリエイター端末40からサーバ10にコンテンツが直接アップロードされない。すなわち、クリエイター83がコンテンツ引用登録型を選択した場合は、クリエイター83が、JASRAC(日本音楽著作権協会)またはTuneCore(著作権等管理事業会社)等の音楽著作権登録DB(データベース)の登録IDまたはSpotify(登録商標)(音楽配信サービス会社)等のすでに登録されているコンテンツIDを入力し、クリエイター端末40が、コンテンツと広告情報との紐づけ登録を行う。
【0047】
より詳細には、クリエイター83がコンテンツ引用登録型を選択した後、クリエイター端末40は、サービス(上記のJASRACまたはSpotify(登録商標)など)の選択肢を表示する。そして、例えば、クリエイター83がSpotify(登録商標)を選んだ場合は、クリエイター端末40は、Spotify(登録商標)へのクリエイター用ログイン画面(Spotify(登録商標)のIDと登録アプリのログインIDを紐づけるための画面)を表示する。
【0048】
クリエイター83がSpotify(登録商標)のログインIDとパスワードを入力すると、登録アプリのIDとSpotify(登録商標)のIDとが紐づけされるとともに、登録アプリが、Spotify(登録商標)において配信済みの音楽コンテンツの一覧を取得できるようになる。すなわち、登録アプリは、Spotify(登録商標)サーバで用意されているAPI(Application Programming Interface)を通じてSpotify(登録商標)サーバへ通信を行い、音楽コンテンツの一覧を取得する。クリエイター端末40によって音楽コンテンツの一覧が取得された後は、コンテンツアップロード型と同様に許可店舗チェックが行われる。
【0049】
クリエイター83が代理一括登録を選択した場合は、クリエイター端末40は、あらかじめ各音楽事務所から登録された音楽コンテンツの一覧を取得する。クリエイター端末40によって音楽コンテンツの一覧が取得された後は、コンテンツアップロード型と同様に許可店舗チェックが行われる。
【0050】
<ショップステップ>
店舗の店員は、広告設定アプリを店舗端末20にインストールする。店員は、広告設定アプリの初回起動時に、広告設定アプリに対して、店舗名、登記名(店舗所有会社名)、住所、銀行口座(またはクレジットカード番号)、店舗種別(図5のリストG1に示された店舗種別と同様)、店舗の規模(最大収容人数1~20、20~40、40~100、100~300、300以上、のいずれかを選択)、ログインID、パスワード、メールアドレス、電話番号を入力してショップ登録を行う。店員がショップ登録を行うと、登録情報が店舗端末20からサーバ10に送信され、サーバ10において、登録情報に店舗IDが割り当てられ、店舗IDと登録情報とが紐づけられて記憶部130に記憶される。
【0051】
ショップ登録後、店員はログインIDにてログインをすると、店舗端末20によって、広告設定ボタン、配信設定ボタン、課金設定ボタン、設定ボタン、の3種類のボタンが表示される。店員が設定ボタンを押すと設定画面が表示され、上記の初回起動時に設定した登録情報を編集できる。店員が広告設定ボタンを押すと、コンテンツとともに配信される広告の作成画面が店舗端末20によって表示される。
【0052】
図7は、広告作成画面の例を示す図である。広告作成画面G10には、画像枠612、店舗名枠614、店舗所在マップ枠616(例えば、GoogleマップAPIによる地図の表示枠)が表示される。店員が、広告に含めて配信したい画像をアップロードすると、アップロードされた画像が画像枠612に表示される。店舗名枠614には、広告設定アプリの初回起動時に設定された店舗名が初期セットされる。しかし、この店舗名は、編集も可能になっている。
【0053】
店舗所在マップ枠616には、広告設定アプリの初回起動時に入力された住所に対応する地図が初期セットされている。しかし、この地図も編集可能になっている。なお、店員が住所を入れるだけでは、地図の店舗中央にマップアイコンが表示されてしまう。そこで、店舗入り口近くにマップアイコンを表示できるようにマップアイコンを店員の操作によって移動できるとよい。あるいは、店舗入り口がわかりづらい場合はマップアイコンとは別に店舗入り口が地図に重畳表示できるとよい。
【0054】
店員が、画像枠612に画像を設定し、店舗名枠614に店舗名を設定し、店舗所在マップ枠616にマップを設定した後、完了ボタンG12を押すと、店舗端末20によって、これらの設定内容に基づいて広告61が作成される。広告61は、広告情報として広告設定アプリからサーバ10に送信される。サーバ10は、広告設定アプリから広告情報を受信すると、受信した広告情報と広告情報を送信した店舗のID(店舗ID)とを紐づけて記憶部130に記憶する。
【0055】
店員が課金設定ボタンG13を押すと、店舗端末20によって課金設定画面が表示される。課金設定画面には「サブスクリプション(月3万円)」「来店可能性指標に応じた課金」の2種類の課金設定が表示される。店員が「来店可能性指標に応じた課金」を選んだ場合は、店舗端末20は、さらに「来店可能性指標1000(5000円)」「来店可能性指標2000(1万円)」「来店可能性指標3000(2万円)」などの来店可能性指標に応じた課金設定選択肢を表示する。店員が完了ボタンG12を押すと、店員によって選択された課金設定は、課金情報として広告設定アプリからサーバ10に送信され、サーバ10は、課金情報を記憶部130に記憶する。なお、来店可能性指標に関しては後に説明する。
【0056】
店員が配信設定ボタンG14を押すと、店舗端末20によって配信設定画面が表示される。なお、広告設定および課金設定が完了していない場合、店舗端末20は、広告設定および課金設定を完了させることを促すメッセージを表示する。
【0057】
配信設定画面では、店員が配信可能にするコンテンツを選択する。店員によって選択可能なコンテンツは、サーバ10から店舗端末20に送信される。このとき、各コンテンツには許可店舗情報(クリエイターによって選択された店舗種別)が関連付けられている。したがって、配信部112は、許可店舗情報と店舗端末20の店舗種別とに基づいて、広告情報に紐づけ可能なコンテンツを絞り込むとよい。。そして、配信部112は、絞り込んだコンテンツを店舗端末20に送信するとよい。これにより、クリエイター83が意図しない店舗端末20にコンテンツが配信されてしまうことを抑制することができる。
【0058】
より具体的には、配信部112は、店舗端末20の店舗種別と各コンテンツに関連付けられている許可店舗情報との照合を行う。そして、配信部112は、許可店舗情報が店舗種別に一致しないコンテンツを(選択できないコンテンツとして)店舗端末20に送信しない。一方、配信部112は、許可店舗情報が店舗種別に一致するコンテンツを(選択可能なコンテンツとして)店舗端末20に送信する。
【0059】
店舗端末20によって受信されたコンテンツは、店舗端末20によって表示される。店員が、広告と紐づけて配信するコンテンツを選択すると、選択されたコンテンツのID(コンテンツID)と店舗端末20のID(店舗ID)を含む選択情報が生成され、サーバ10に送信される。なお、店舗において選択可能なコンテンツの数は、店舗からの支払い額(課金額)に応じて変更可能であってもよい。これにより、複数の楽曲コンテンツを含んだアルバム、または、複数巻の漫画を含んだコンテンツを同時配信し、店舗への集客力を上げることができる。
【0060】
<サーバステップ>
サーバ10においては、通信部140が、店舗端末20から選択情報(コンテンツID、店舗ID)を受信すると、記憶部130に選択情報が記憶される。そして、配信部112は、選択情報と課金情報とに基づいて、コンテンツを配信可能な状態か否か(選択されたコンテンツの配信に要する金額が店舗に対する課金額以下であるか否か)を判定する。配信部112は、配信可能な状態を判定した場合に、店舗IDに対応する広告情報を読み出し、コンテンツIDに対応するコンテンツ情報を読み出し、コンテンツと広告情報とを紐づけた配信情報を生成する。
【0061】
図8は、配信情報を説明するための図を示す図である。図8に示したように、コンテンツ67と広告61とを紐づけた情報が配信情報に該当する。配信部112は、配信情報を生成した後、サーバ10の記憶部130によって記憶されている地図情報(具体的には、地図のどこ(店舗IDに紐づく店舗位置)でどのコンテンツが配信されているかを示す情報)を更新する。一例として、配信部112は、配信情報に基づいて、GoogleマップAPIを用いてGoogleマップ上の該当店舗位置にアイコンを配置する。
【0062】
<ユーザステップ>
図9は、ユーザステップの流れを示す図である。図10は、端末アプリの画面例を示す図である。図11は、配信情報の表示例を示す図である。ユーザ81は、端末アプリをユーザ端末30にインストールする。そして、ユーザ81は、端末アプリの初回起動時に、端末アプリに対して、ユーザID、パスワード、生年月日、属性(会社員、学生など)、性別(男性、女性、その他)の設定を行う。ユーザ81が、ユーザIDでログインすると、コンテンツ取得ボタン、取得コンテンツ表示ボタン、設定ボタンが表示される。
【0063】
ユーザ81がコンテンツ取得ボタンを押すと、コンテンツ取得モード選択画面G20-1に示すように、コンテンツ取得モードのON/OFF切り替えスイッチG21が表示される。ユーザ81が、コンテンツ取得モードONを選択すると、ユーザ81の位置情報の取得が開始される。一方、ユーザ81によってコンテンツ取得モードOFFが選択された場合には、ユーザ81の位置情報は取得されない。これにより、位置情報の取得によるバッテリー消費を抑制することができる。
【0064】
また、ユーザ端末30は、コンテンツ取得モードONが選択された場合には、コンテンツ取得モードの詳細設定を同時に表示してもよい。コンテンツ取得モード選択画面G20-2では、AR(Augumented Reality)表示のON/OFF切り替えスイッチG22、位置取得のON/OFF切り替えスイッチG23、アンケート配信のON/OFF切り替えスイッチG24が表示されている。これらのスイッチによって、コンテンツ取得モードの詳細設定が可能であるとよい。AR表示、位置取得およびアンケート配信については、後に説明する。
【0065】
ユーザ81が取得コンテンツ表示ボタンを押すと、すでにユーザ81が利用権取得済みのコンテンツの一覧が、サーバ10からユーザ端末30に送信され、ユーザ端末30によって表示される。コンテンツの利用権については、後に説明する。ユーザ81は、コンテンツを選択すると、コンテンツを再生させてコンテンツの閲覧を行うことができる。このとき、図11の配信情報表示画面G30に示すように、ユーザ端末30は、コンテンツ67の他に、広告61および体験可能期間G31も同時に表示されるのがよい。体験可能期間G31については、後に説明する。
【0066】
ユーザ81が体験可能期間G31を押すと、ユーザ端末30は、ユーザ自身に対する課金によって体験可能期間を延ばすかどうかの選択肢を表示する。ユーザ81がユーザ自身に対する課金を選択すると、体験可能期間が延長(無期限含む)される。
【0067】
ユーザ81が設定ボタンを押すと、ユーザの登録情報(端末アプリの初回起動時にユーザが設定した情報)の編集を行うことが可能となる。また、ユーザ81が課金設定を行う場合には、支払いに必要なクレジットカードの登録を行うことができる。
【0068】
以下では、コンテンツ取得モード選択画面G20-1において、コンテンツ取得モードのON/OFF切り替えスイッチG21がONにされた場合におけるコンテンツ取得について説明する。端末アプリが起動している状態、または、端末アプリと連携している位置情報アプリ(ユーザの位置情報を取得するアプリケーション)が起動している状態では、ユーザの位置情報(ユーザ端末30の位置情報)がサーバ10に送信される。
【0069】
上記のようにして店舗が一時配信権を購入した後(S31)、サーバ10において、配信部112は、ユーザが店舗に近づいたかを判定する(S32)。すなわち、配信部112は、ユーザの位置情報と地図情報に記載された店舗の位置情報とが、所定の条件(ユーザが店舗を中心として半径20m以内にいるという条件)を満たしているか否かを判定する。配信部112は、ユーザが店舗に近づいたと判定した場合には、ユーザにその店舗が配信登録をしているコンテンツの利用権を付与する。
【0070】
なお、ユーザの個人情報保護のために、ユーザ端末30が、地図情報をダウンロードし、ユーザの位置情報をサーバ10に送らずに、ユーザ端末30の内部において地図情報に記載された店舗の位置情報とユーザの位置情報とが所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。ユーザがコンテンツの利用権を取得すると、ユーザ端末30は、ユーザによって利用権が取得されたコンテンツ一覧画面を表示し、ユーザがコンテンツ一覧画面から所望のコンテンツを選択すると、選択されたコンテンツのストリーミングまたはダウンロードが可能となる。
【0071】
サーバ10において、設定部113は、コンテンツのストリーミングまたはダウンロードがユーザによって初めて行われたときに、コンテンツの送信日時から体験可能期間を生成する。例えば、設定部113は、ユーザがコンテンツをダウンロードしてから1ヶ月間を体験可能期間として設定し、ユーザアプリに体験可能期間を設定する。ユーザは、コンテンツを1ヶ月無料で利用可能(体験可能)となる(S33)。また、設定部113は、体験可能期間と配信情報とを紐づけた情報を配信ハッシュとして記憶部130に記憶する。
【0072】
なお、コンテンツは、DRM(Digital Rights Management)等によって暗号化されていることが好ましい。そして、体験可能期間中は、ユーザが端末アプリを起動する度にコンテンツの復元をユーザ端末30が行うことができるが、体験可能期間後は、ユーザ端末30の端末アプリがコンテンツの復元を拒否する仕組みを導入するのが好ましい。設定部113は、体験可能期間は再びユーザの位置情報と店舗の位置情報とが所定の条件を満たした場合に体験可能期間を延長する。
【0073】
なお、上記したように、体験可能期間設定のための所定の条件(初回の条件)と、体験可能期間延長のための所定の条件(2回目以降の条件)は、異なっていてもよい。例えば、初回の条件は、店舗を中心として半径20m以内にユーザが近づくという条件であってよく、2回目以降の条件は、店舗を中心として半径30m以内にユーザが近づくという条件であってよい。
【0074】
また、アンケート配信をONにしている場合は、上記の所定の条件が満たされた場合に、アンケートがユーザ端末30に届き(具体的に、アンケートは事前に広告設定アプリを用いて店舗端末20によって設定され、サーバ10に記憶されており、所定の条件が満たされた場合にサーバ10からユーザ端末30へ送信されればよい)、ユーザがアンケートに回答した場合に、設定部113が体験可能期間を延長してもよい。これにより、店舗への集客だけでなくユーザの意見を店舗側が簡易に収集できる効果が期待できる。
【0075】
なお、登録された広告提供店舗の位置情報とユーザの位置情報との関係性(所定の条件)は、必要に応じて設計されてよい。しかし、かかる関係性は、広告提供店舗の位置情報と、広告提供店舗の大きさ(店舗の規模)から動的に設計されるのが好ましい。例えば、店舗の位置情報が同じでも店舗のサイズが大きいと推測される場合は、所定の距離を半径50mに設計し、店舗のサイズが小さいとは推測される場合は、所定の距離を半径20mに設計することが好ましい。これらの距離は、予めサーバ10の記憶部130に記憶されているテーブルから算出され得る。これにより店舗のサイズを反映した設計が可能となる。
【0076】
なお、半径は20m以上とすることが好ましい。これによって、位置情報の誤差(GPS(Global Positioning System)が用いられる場合は、半径20m程度)が反映されるとともに、ユーザは店舗に入店しなくてもコンテンツを取得することが可能となるためである。必ず店舗に入店しないとユーザがコンテンツを取得できないように設計すると、悪質な店舗(例えば、明らかに店舗の種別が未成年向けではないにも関わらず未成年を集客しようとする店舗など)により悪意を持った利用をされる可能性がある。しかし、店舗に入店しなくてもユーザがコンテンツを取得できるようになれば、そのような悪質店舗の登録を抑制する効果が期待される。
【0077】
また、所定の条件には、距離に関する条件だけでなく時間に関する条件が含まれてもよい。例えば、ユーザが店舗の半径20m以内に所定時間以上(例えば、10秒以上)存在するといったように、所定の条件に時間的制約が含まれてもよい。これにより、ユーザが店舗周辺に所定時間以上いる可能性が高まるため、店舗によるユーザへのアピール時間が増える効果が期待できる。
【0078】
また、設定部113は、所定の条件を店舗に対する課金額に応じて変更してもよい。例えば、設定部113は、広告提供店舗に対する課金額に応じて所定の距離を変更してもよい。一例として、設定部113は、課金額が閾値よりも高額である店舗に対しては、所定の距離を半径20m、課金額が閾値よりも低額である店舗に対しては、所定の距離を半径40mに設定してもよい。また、設定部113は、課金額は同じでも所定の距離を半径40mに設定した場合には、コンテンツを2つ配信可能であるが、所定の距離を半径20mに設定した場合には、コンテンツを1つしか配信できないといった制約を設けてもよい。これらにより、店舗の集客アピールの設計自由度が向上する。
【0079】
また、設定部113に設定される体験可能期間は、コンテンツごとに変更できてもよい。
【0080】
続いて、設定部113は、ユーザが店舗に再来店したか否か(店舗に再び近づいたか否か)またはユーザが課金設定(体験可能期間の延長に対する代金支払いの設定)をしたか否かを判定する(S34)。設定部113は、ユーザが店舗に再来店もしておらず、課金設定もしていない場合には(S34において「NO」)、S34に戻る。一方、設定部113は、ユーザが店舗に再来店し、または、課金設定を行った場合には(S34において「YES」)コンテンツの体験可能期間を延長する。これによって、ユーザは、コンテンツを継続利用可能となる(S35)。
【0081】
[1.4.コンテンツについて]
また、広告配信システムは、店舗が配信するコンテンツのレコメンド機能を有してもよい。例えば、店舗端末20は、「どのような客を集客したいか」の選択肢を表示し、店員によってどの選択肢が選択されたかに応じて店員にコンテンツをレコメンドする。例えば、店舗端末20は、「集客したい客層は?」といった質問を画面に表示するとともに、年代(10代、20代、30代・・・)の選択肢を表示する。そして、店舗端末20は、10代が店員によって選ばれると、あらかじめサーバ10に記憶されているランキングデータを参照して、10代に人気のコンテンツを店員にレコメンドする(コンテンツに関する情報を表示する)。これにより、店舗側が集客したい客層の求めるコンテンツを把握できていない場合でも、店舗側が集客したい客層に適したコンテンツを配信し、より集客力の高いコンテンツを配信することができる効果を奏する。
【0082】
また、広告配信店舗および配信コンテンツは、ユーザ端末30ではマップ上に重畳されて表示されることが好ましい。図12は、広告配信店舗および配信コンテンツの表示例を示す図である。図12を参照すると、ユーザ端末30によって、配信コンテンツ表示画面G40が表示されている。例えば、AR表示がONになっている場合、配信コンテンツ表示画面G40には、ユーザの位置に応じた地図G41が表示される。そして、地図G41における店舗87に対応する位置には、店舗87にユーザが近づくと配信されるコンテンツ67が表示されている。かかる機能によって、ユーザが簡単にマップ上で広告配信店舗および配信コンテンツに関する情報を参照できるため、どの店舗に近づくかを選択しやすくなるといった効果が期待できる。
【0083】
また、広告設定アプリ(店舗端末20のアプリケーション)は、近隣(例えば、店舗から半径100m以内など)に、同様のアプリによって広告配信設定をした店舗が存在する場合に、近隣の店舗のコンテンツに合わせて配信コンテンツをレコメンドしてもよい。例えば、店舗端末20は、近隣の店舗が20代に人気の曲の配信設定を行った場合に、同じ年代に人気の曲をレコメンドしたり、近隣の店舗がアルバム曲の一つの配信設定を行った場合に、店舗端末20は、同じアルバムの曲をレコメンドしたりするのが好ましい。
【0084】
図13は、各店舗端末20にレコメンドされるコンテンツの例を説明するための図である。図13を参照すると、店舗87-1、店舗87-2および店舗87-3は、近隣同士である。したがって、店舗87-1の店舗端末20にレコメンドされるコンテンツ67-1と、店舗87-2の店舗端末20にレコメンドされるコンテンツ67-2と、店舗87-3の店舗端末20にレコメンドされるコンテンツ67-3とは、関連性を有しているのが望ましい(例えば、類似しているのが望ましい)。そうすれば、ユーザ端末30(例えば、ユーザ端末30-1~30-3)のユーザは、より強くコンテンツを収集しようとするため、店舗への集客力を上げることができる。
【0085】
また、店舗端末20は、近隣の店舗において既に配信設定がされているコンテンツと同じコンテンツのレコメンドしないようにしてもよい。あるいは、店舗端末20は、近隣の店舗において既に配信設定がされているコンテンツと同じコンテンツが店員によって選択された場合に「そのコンテンツと同じコンテンツを近くの店舗が配信中だが配信するか?」という確認画面を表示するのが好ましい。このようなレコメンド機能により、店舗はより集客に効果的な広告配信を行えるようになる効果が期待できる。
【0086】
[1.5.共有機能について]
図14は、共有開始画面の例を示す図である。図15は、共有機能の流れを示す図である。ユーザは、コンテンツの利用権を得た場合、利用権を得たコンテンツの利用権を友達に共有することができる。ここで、利用権は所有権ではないため、ユーザはコンテンツを購入してもコンテンツの所有はできない。そのため、コンテンツの体験可能期間の設定が可能である。このとき、友達に共有されたコンテンツの体験可能期間およびコンテンツに紐づいている広告としては、ユーザに配信されている体験可能期間および広告と同じものが設定される。これにより、ユーザと友達との間でコンテンツ共有を繰り返すことで体験可能期間を実質的に延長することを抑制する効果が享受され得る。また、これにより、友達も広告を見て体験可能期間を延長するために店舗に来店する確率をあげることができる。
【0087】
すなわち、配信部112は、あるユーザ(第1のユーザ)の位置情報とそのユーザの友達(第2のユーザ)の位置情報とに基づいて、広告情報が紐づいた所定のコンテンツを当該友達に共有可能にすることもできる。より具体的に、配信部112は、あるユーザの位置情報とそのユーザの友達の位置情報とが所定の条件を満たす場合(例えば、ある距離以内に近づいた場合)、広告情報が紐づいた所定のコンテンツを当該友達に共有可能にすることもできる。さらに、設定部113は、ユーザの位置情報と当該ユーザの友達の位置情報とに基づいて、友達の体験可能期間として現在のユーザの体験可能期間と同一期間を設定する。
【0088】
また、設定部113は、友達(共有先)の体験可能期間が更新された場合に、ユーザ(共有元)の体験可能期間を同時に更新してもよい。また、設定部113は、友達(共有先)のコンテンツの体験可能期間を更新した後、当該コンテンツをユーザ(共有元)に共有した場合に、ユーザ(共有元)の体験可能期間が更新されるようにしてもよい。また、コンテンツ、広告情報および体験可能期間の他、店舗の位置情報もユーザから友達に共有される(S41)。そして、友達からさらにその友達に対しても、ユーザからユーザの友達への共有と同様の共有が可能であってよい(S42)。
【0089】
図14に示したように、コンテンツを共有しようとするユーザのユーザ端末30には、共有開始画面G50が表示されてよい。共有開始画面G50に示されるように、配信部112は、ユーザ(共有元)とユーザの友達(共有先)とがそれぞれ自身のユーザ端末30を振る動作を行ったことが検出された場合に、当該振る動作が行われた二つのユーザ端末30間で共有が行われるようにしてもよい。あるいは、配信部112は、ユーザ(共有元)とユーザの友達(共有先)とがそれぞれ自身のユーザ端末30の画面へのタッチ動作を行ったことが検出された場合に、画面へのタッチ操作が行われた二つのユーザ端末30間で共有が行われるようにしてもよい。
【0090】
ここで、友達は、(1)端末アプリがインストールされ、ユーザ(端末アプリをインストールしている人)との間でフレンド登録(連絡先の登録)が行われた人、(2)端末アプリがインストールされ、ユーザの近く(例えば、ユーザを中心として半径10m以内)にいる人、(3)ユーザがLINE(登録商標)などのSNS(Social Networking Service)アプリを介してURL(Uniform Resource Locator)を送信できる人のいずれかを満たす人である。
【0091】
なお、(1)の場合には、ユーザが友達をフレンド登録するためには、友達がユーザを中心として所定の距離(半径10m)以内にいる必要がある。例えば、ユーザが、端末アプリでフレンド登録モードを起動すると、端末アプリが、ユーザおよび友達それぞれの位置情報とフレンド申請を取得し、サーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザおよび友達それぞれの位置情報が所定の条件を満たしていると判定すると、フレンド申請に含まれているユーザID同士をフレンドとして登録する。
【0092】
(3)の場合に、端末アプリの起動中に、ユーザがコンテンツ一覧表示モードにおいてコンテンツを選択し、当該コンテンツを共有するボタンを押したとする。かかる場合、端末アプリは、ユーザの位置情報を取得し、共有申請とユーザの位置情報と配信ハッシュをサーバ10に送る。配信部112は、ユーザの位置情報と共有申請と配信ハッシュから所定のコンテンツを共有可能にするURLを生成する。そして、配信部112は、LINE(登録商標)などのSNSアプリを介してURLをユーザから友達に(正確には、ユーザ端末30から友達の端末に)送信する。
【0093】
そして、友達がURLをクリックするとブラウザが開き、友達は、ユーザ端末30を介してコンテンツを友達の端末にダウンロードできるようになる。このとき、サーバ10の配信部112は、ブラウザが開いた際に友達の位置情報を取得する。そして、配信部112は、友達の位置情報とユーザの位置情報とが所定の条件を満たす否かを判定する。配信部112は、所定の条件が満たされた場合、コンテンツがダウンロード可能になるように構成するのが好ましい。例えば、所定の条件は、ユーザが所定の距離以内(例えば、店舗を基準として半径10m以内)にいるかどうかなど)であってもよい。
【0094】
[1.6.Spotify(登録商標)への応用]
Spotify(登録商標)のようなサブスクリプション音楽サービス(例えば、無料プランはストリーミングのみ可能なプランであり、有料プランはダウンロードも可能なプランである)が本開示の実施形態に適用されてもよい。例えば、無料プランのユーザがSpotify(登録商標)にて上記したように店舗に近づいた場合に、本来はダウンロードできない曲であっても配信曲をダウンロード可能にしたり、体験可能期間を延長したい場合にはユーザを有料プランに誘導したりするようにアプリケーションが構成されてもよい。
【0095】
これにより、有料プランへの誘導線を1つ増やすことができる。また、この場合に、ユーザは友達(ユーザと同様に友達も無料プランSpotify(登録商標)を使用)に上記のようにコンテンツを共有すると、友達もSpotify(登録商標)上で該当曲をダウンロードできるようにアプリケーションが構成されてもよい。
【0096】
[1.7.バズり解析]
また、分析部114は、コンテンツが共有されていく過程を可視化する。すなわち、分析部114は、所定のコンテンツのユーザ間での共有状況に基づいて所定の分析を行う。図16は、コンテンツが共有されていく過程の例を示した図である。図16を参照すると、店舗87に直接近づいてコンテンツを体験可能になったユーザ81-1およびユーザ81-2が示されている。また、ユーザ81-1およびユーザ81-2それぞれを起点としてコンテンツが共有されていく過程が矢印によって示されている。例えば、友達82-1は、ユーザ81-1からコンテンツが共有された人である。
【0097】
例えば、分析部114は、コンテンツの共有数がどの程度まで増えたときから流行が生じているか、あるいはどういうコンテンツがどういうユーザに共有されたときから流行が生じているかといった、共有過程の解析による流行分析機能を行ってもよい。具体的に、分析部114は、コンテンツがユーザ間でどの時期に共有されたかに基づいて、所定の流行時期における共有頻度が閾値よりも多いかの判定を行ってもよい。あるいは、分析部114は、コンテンツがどのユーザ間で共有されたかに基づいて、友達へのコンテンツの共有頻度が閾値よりも多いユーザ(いわゆる、インフルエンサー(流行発信者))の特定を行ってもよい。
【0098】
また、分析部114は、インフルエンサー(流行発信者)のユーザIDをインフルエンサーのIDとして登録し、インフルエンサーのIDとして登録されたユーザIDに対応するユーザに対して、何らかの優遇措置(例えば、通常であれば2週間の体験可能期間が設定されるところ、インフルエンサーには、4週間の体験可能期間が設定されるといった措置)をとるようにしてもよい。
【0099】
あるいは、分析部114は、所定のコンテンツがユーザ間で共有された位置情報に基づいて、友達へのコンテンツの共有頻度が閾値よりも多いエリアの特定を行ってもよい。どのエリアにおいてコンテンツが共有されやすいのかといった情報は、地域密着型の新人アーティスト(図16に示した例では、アーティストA)の発掘に役立てられ得る。また、分析部114は、分析に際して、共有スピード(所定の店舗に近づいて配信を受けたユーザがコンテンツ共有を繰り返し、コンテンツ共有された位置が広がっていくスピード)に基づいて流行分析を行ってもよい。
【0100】
[1.8.課金形式]
図17は、課金形式の例について説明するための図である。ここで、コンテンツの配信およびコンテンツが共有される数は、店舗にユーザ(友達を含む)が来店する可能性への寄与が大きい。そのため、ユーザが来店する可能性に応じた課金モデルが好ましい。すなわち、設定部113は、所定のコンテンツを体験可能な1または複数のユーザが店舗に来店する可能性を示す指標(以下、「来店可能性指標」とも言う。)に基づいて、店舗に対する課金額を設定するのが好ましい。
【0101】
来店可能性指標は、(1)店舗との位置関係に基づいてコンテンツの利用権を得たユーザ数(直接店舗に近づいてコンテンツの利用権を得たユーザ数)、(2)他者との位置関係に基づいてコンテンツの共有を受けたユーザ数(他者からコンテンツの共有を受けた友達の数)、(3)所定のコンテンツを体験可能なユーザ数(すなわち、(1)と(2)を合わせた数)、および、(4)コンテンツがユーザ間で共有された位置情報、の少なくともいずれか一つに基づいて算出されてよい。
【0102】
一例として、設定部113は、直接店舗に近づいてコンテンツの利用権を得たユーザの値を「1」、そのユーザからコンテンツの共有を受けた友達の値を「0.5」、友達からコンテンツの共有を受けた友達(いわゆる、友達の友達)の値を「0.2」とし、各値に人数を乗じて加算した合計値を来店可能性指標として算出するのが好ましい。また、設定部113は、共有された位置が店舗に近ければ(例えば、店舗を中心として半径2km以内であれば)、その値を「1」とし、共有された位置が店舗から遠ければ(例えば、店舗を中心として半径2kmよりも遠い位置であれば)、その値を「0.2」とするなど、共有された位置に応じて来店可能性指標を算出してもよい。
【0103】
図17に示したように、配信部112は、来店可能性指標に応じた金額を店舗87による配信権の購入費として算出してよい(S51)。あるいは、配信部112は、来店可能性指標に応じた課金モデルに基づく金額を店舗87による配信権の購入費として算出してもよい。さらに、配信部112は、広告の配信に利用されたコンテンツの利用料金(クリエイター83への分配額)を、来店可能性指標に基づいて算出する。具体的には、配信部112は、店舗への請求額(購入費)から手数料を差し引いた金額を分配額として算出すればよい(S52)。
【0104】
[1.9.地域性を生かした配信]
図18は、地域性を生かしたコンテンツの配信の例を説明するための図である。上記したように、ある店舗の店舗端末20に対する配信コンテンツのレコメンドに際して、他の店舗との関連性が所定の関連性を有する場合(例えば、店舗を中心として半径2km以内に当該他の店舗がある場合など)、当該他の店舗に近づくと配信されるコンテンツと関連性を有するコンテンツがレコメンドされるようにしてよい。コンテンツ同士が関連性を有する例としては、複数のコンテンツが共に同じアルバムの曲である場合、または、複数のコンテンツが共に同じ漫画における異なる巻である場合などが挙げられる。そして、関連性を有するコンテンツの利用権をユーザがすべて得た場合、サーバ10からユーザ端末30に特定のコンテンツが配信されてもよい。
【0105】
例えば、図18を参照すると、店舗87-1~87-6は、所定の距離(例えば、半径2km以内)以内の範囲に存在しており、店舗87-1~87-6それぞれに近づいて利用権が得られるコンテンツは、関連性を有している(例えば、同じアルバムの曲である)。そして、ユーザが店舗87-1~87-6それぞれに近づいて同じアルバムの曲の利用権をすべて得た場合には(曲の収集をコンプリートした場合には)、サーバ10から特定のコンテンツ71がユーザ端末30に配信されてもよい。特定のコンテンツ71は、ジャケット画像であってもよいし、特典映像であってもよい。また、店舗同士が関連性を有する例として、店舗の所属(〇〇商店街)が同じ場合なども挙げられる。
【0106】
[1.10.感想交流機能]
図19は、コンテンツの感想入力画面の例を示す図である。図20は、感想共有の流れを示す図である。広告配信システム1は、コンテンツの利用権を得たユーザまたは友達が、そのコンテンツに対して感想を言える機能を有するとよい。かかる機能は、図19に示した感想入力画面G60のように、端末アプリによって動画75を撮影し、その動画75とコンテンツ67とを同時表示しながら、動画を感想として記録できる機能であることが好ましい。このとき、端末アプリによって撮影された動画は、機械学習を用いてユーザの顔認識および顔変換(ユーザの顔を予め用意されている別の顔に差し替える、またはアニメーション変換する)が行われた上で記録されるのが好ましい。これによりユーザの個人情報保護が図られる。
【0107】
設定部113は、コンテンツを体験したユーザによって入力された感想(入力データ)をコンテンツに関連付け、ユーザと所定の関係を満たす他のユーザに対して閲覧可能にする。ここで、所定の関係は、所定の位置関係または関係を有するとしてあらかじめ登録された関係を含んでよい。より具体的には、コンテンツを体験したユーザによって入力された感想は、当該感想を入力したユーザと位置情報が(閾値よりも)近いユーザ、または、当該感想を入力したユーザとの間でフレンド登録がされているユーザのみが見られることが好ましい。これにより、ローカルで感想が共有されることによって、ネット炎上などのリスクを低減することができる。
【0108】
このとき、該当コンテンツのクリエイターは、クリエイターの位置情報に関係なく該当コンテンツの感想を閲覧できるようにしてもよい。すなわち、設定部113は、所定のコンテンツを体験したユーザから入力された感想(入力データ)を所定のコンテンツに関連付け、所定のコンテンツのクリエイターに対して閲覧可能にしてもよい(クリエイター端末40からのコンテンツ閲覧を可能にしてもよい)。
【0109】
また、ユーザが友達にコンテンツを共有する際に、ユーザから友達に感想もコンテンツと一緒に共有される機能が設けられてもよい。具体的には、サーバ10は、感想を記録して感想に対して感想IDを付与し、該当コンテンツをユーザから友達に共有する際に、共有されるコンテンツに対してその感想IDも付与することによって、友達による感想のダウンロードを可能にする。
【0110】
[1.11.解析機能]
解析部115は、店舗およびクリエイターに対して、どのコンテンツによってどれくらいの数のユーザが店舗に近づいたか、どのようなコンテンツによってどのような属性のユーザが店に近づいたかといった情報を解析して、店舗端末20およびクリエイター端末40に提供する。また、解析部115は、どのような店舗に近づくとどのようなコンテンツが配信され、そのように配信されたコンテンツがどのように体験されたり共有されたりしているかといった情報を解析し、店舗端末20およびクリエイター端末40に提供する。このとき、上記のアンケートによる回答が解析対象に含められてもよい。
【0111】
[1.12.共有ポイント]
サーバ10は、ユーザが友達にコンテンツを共有した数、ユーザがコンテンツの感想をアップロードした数、または、ユーザがアンケートに回答した数を応じて、ユーザに対して共有ポイントを付与してもよい。そして、サーバ10は、ユーザに付与されている共有ポイントに応じて、クリエイターの所定のサービス(限定グッズ購入など)をユーザが行えるようにしてもよい。
【0112】
<2.ハードウェア構成例>
次に、図21を参照して、本開示の実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成例について説明する。図21は、本開示の実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、サーバ10は、必ずしも図21に示したハードウェア構成の全部を有している必要はなく、サーバ10の中に、図21に示したハードウェア構成の一部は存在しなくてもよい。また、店舗端末20、ユーザ端末30およびクリエイター端末40それぞれのハードウェア構成も、サーバ10のハードウェア構成と同様に実現されてよい。
【0113】
図21に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing unit)901、ROM(Read Only Memory)903、およびRAM(Random Access Memory)905を含む。また、サーバ10は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923、通信装置925を含んでもよい。さらに、サーバ10は、必要に応じて、撮像装置933、およびセンサ935を含んでもよい。サーバ10は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0114】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、サーバ10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時的に記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0115】
入力装置915は、例えば、ボタンなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチおよびレバーなどを含んでもよい。また、入力装置915は、ユーザの音声を検出するマイクロフォンを含んでもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、サーバ10の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器929であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、サーバ10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。また、後述する撮像装置933も、ユーザの手の動き、ユーザの指などを撮像することによって、入力装置として機能し得る。このとき、手の動きや指の向きに応じてポインティング位置が決定されてよい。
【0116】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音出力装置などであり得る。また、出力装置917は、PDP(Plasma Display Panel)、プロジェクタ、ホログラム、プリンタ装置などを含んでもよい。出力装置917は、サーバ10の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音声または音響などの音として出力したりする。また、出力装置917は、周囲を明るくするためライトなどを含んでもよい。
【0117】
ストレージ装置919は、サーバ10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0118】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体927のためのリーダライタであり、サーバ10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録を書き込む。
【0119】
接続ポート923は、機器をサーバ10に直接接続するためのポートである。接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどであり得る。また、接続ポート923は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、サーバ10と外部接続機器929との間で各種のデータが交換され得る。
【0120】
通信装置925は、例えば、ネットワーク931に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどであり得る。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置925に接続されるネットワーク931は、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。
【0121】
撮像装置933は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。撮像装置933は、静止画を撮像するものであってもよいし、また動画を撮像するものであってもよい。
【0122】
センサ935は、例えば、測距センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、振動センサ、光センサ、音センサなどの各種のセンサである。センサ935は、例えばサーバ10の筐体の姿勢など、サーバ10自体の状態に関する情報や、サーバ10の周辺の明るさや騒音など、サーバ10の周辺環境に関する情報を取得する。また、センサ935は、GPS(Global Positioning System)信号を受信して装置の緯度、経度および高度を測定するGPSセンサを含んでもよい。
【0123】
<3.むすび>
本開示の実施形態によれば、第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、広告配信システムが提供される。
【0124】
かかる構成によれば、広告提供者が販売する商品またはサービスを購入するユーザを増やすことが可能となる。
【0125】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0126】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0127】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、
広告配信システム。
(2)
前記配信部は、前記広告提供店舗の位置情報と前記第1のユーザの位置情報とが第1の条件を満たした場合に、前記所定のコンテンツを配信可能にする、
前記(1)に記載の広告配信システム。
(3)
前記設定部は、前記体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と前記第1のユーザの位置情報とが第2の条件を満たした場合に、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、
前記(1)または(2)に記載の広告配信システム。
(4)
前記第2の条件は、前記広告提供店舗と前記第1のユーザとが所定の距離以内に近づいたという条件を含む、
前記(3)に記載の広告配信システム。
(5)
前記設定部は、前記広告提供店舗に対する課金額に応じて前記所定の距離を変更する、
前記(4)に記載の広告配信システム。
(6)
前記設定部は、前記第1のユーザが課金設定を行った場合に、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、
前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(7)
前記配信部は、前記第1のユーザの位置情報と第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告情報が紐づいた前記所定のコンテンツを前記第2のユーザに共有可能にする、
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(8)
前記設定部は、前記第1のユーザの位置情報と前記第2のユーザの位置情報とに基づいて、前記第2のユーザの体験可能期間として現在の前記第1のユーザの体験可能期間と同一期間を設定する、
前記(7)に記載の広告配信システム。
(9)
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験可能な1または複数のユーザが前記広告提供店舗に来店する可能性を示す来店可能性指標に基づいて、前記広告提供店舗に対する課金額を設定する、
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(10)
前記来店可能性指標は、前記所定のコンテンツを体験可能なユーザ数、前記広告提供店舗との位置関係に基づいて前記所定のコンテンツの配信を受けたユーザ数、他のユーザとの位置関係に基づいて前記所定のコンテンツが共有されたユーザ数、および、前記所定のコンテンツがユーザ間で共有された位置情報の少なくともいずれか一つに基づいて算出される、
前記(9)に記載の広告配信システム。
(11)
前記配信部は、前記所定のコンテンツのクリエイターによって選択された店舗種別と広告提供店舗の店舗種別とに基づいて、前記広告情報に紐づけ可能なコンテンツを絞り込む、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(12)
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験した前記第1のユーザからの入力データを前記所定のコンテンツに関連付け、前記第1のユーザと所定の関係を満たす第3のユーザに対して閲覧可能にする、
前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(13)
前記所定の関係は、所定の位置関係または関係を有するとしてあらかじめ登録された関係を含む、
前記(12)に記載の広告配信システム。
(14)
前記設定部は、前記所定のコンテンツを体験した前記第1のユーザからの入力データを前記所定のコンテンツに関連付け、前記所定のコンテンツのクリエイターに対して閲覧可能にする、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(15)
前記広告配信システムは、前記所定のコンテンツのユーザ間での共有状況に基づいて所定の分析を行う分析部を備える、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の広告配信システム。
(16)
前記分析部は、前記所定のコンテンツがどのユーザ間で共有されたかに基づいて、前記所定の分析として他のユーザへの前記所定のコンテンツの共有頻度が第1の閾値よりも多いユーザの特定を行う、
前記(15)に記載の広告配信システム。
(17)
前記分析部は、前記所定のコンテンツがユーザ間でどの時期に共有されたかに基づいて、前記所定の分析として所定の流行時期における共有頻度が第2の閾値よりも多いかの判定を行う、
前記(15)に記載の広告配信システム。
(18)
前記分析部は、前記所定のコンテンツがユーザ間で共有された位置情報に基づいて、前記所定の分析として他のユーザへの前記所定のコンテンツの共有頻度が第3の閾値よりも多いエリアの特定を行う、
前記(15)に記載の広告配信システム。
(19)
第1のユーザの位置情報を取得する取得部と、
登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にする配信部と、
前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新する、
情報処理装置。
(20)
プロセッサが、第1のユーザの位置情報を取得することと、
前記プロセッサが、登録された広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記広告提供店舗の広告情報が紐づいた所定のコンテンツを配信可能にすることと、
前記プロセッサが、前記第1のユーザが前記所定のコンテンツを体験可能な期間を示す前記第1のユーザの体験可能期間を設定することと、
前記プロセッサが、前記第1のユーザの体験可能期間中に、前記広告提供店舗の位置情報と、前記第1のユーザの位置情報とに基づいて、前記第1のユーザの体験可能期間を更新することと、
を含む、情報処理方法。
【符号の説明】
【0128】
1 広告配信システム
10 サーバ
110 制御部
111 取得部
112 配信部
113 設定部
114 分析部
115 解析部
130 記憶部
140 通信部
20 店舗端末
30 ユーザ端末
40 クリエイター端末
50 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21