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特許7548219化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/22 20100101AFI20240903BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L33/22
H01L33/32
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021514859
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2020014796
(87)【国際公開番号】W WO2020213388
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2019079978
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田才 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】中島 博
(72)【発明者】
【氏名】川西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】簗嶋 克典
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-158295(JP,A)
【文献】特開平11-219909(JP,A)
【文献】特開2013-074278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層を形成した後、
前記第1層上に、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層を形成し、次いで、
前記第2層上を含む全面に、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層を形成する、
各工程を備えており、
前記第3層の頂面は平坦であり、
前記第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である
化合物半導体層積層体の形成方法。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【請求項2】
順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する前記第1層を形成する請求項1に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
【請求項3】
少なくとも前記第1層の頂面上に前記第2層を形成する請求項2に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
【請求項4】
前記第1層の頂面及び斜面上に前記第2層を形成する請求項3に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
【請求項5】
前記第1層の頂面上に形成された前記第2層の部分の厚さをT2-t前記第1層の斜面上に形成された前記第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する請求項4に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
【請求項6】
基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
前記第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
前記第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えており、
前記第3層の頂面は平坦であり、
前記第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である
化合物半導体層積層体。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【請求項7】
前記第1層は、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する請求項6に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項8】
前記第2層は、少なくとも前記第1層の頂面上に形成されている請求項7に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項9】
前記第1層の頂面及び斜面上に前記第2層を形成する請求項7に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項10】
前記第1層の頂面上に形成された前記第2層の部分の厚さをT2-t前記第1層の斜面上に形成された前記第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する請求項9に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項11】
前記第3層の上に、AlInGaN層とAlGaN層との多層構造が形成されている請求項6に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項12】
前記基体はInGaN層から成る請求項6に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項13】
前記InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下である請求項12に記載の化合物半導体層積層体。
【請求項14】
前記基体は表面に前記不純物が多い領域と少ない領域とが形成されている請求項6に記載の化合物半導体層積素体。
【請求項15】
基体上に形成された化合物半導体層積層体、
前記化合物半導体層積層体上に形成された第1化合物半導体層、
前記第1化合物半導体層上に形成された活性層、
前記活性層上に形成された第2化合物半導体層、
前記第2化合物半導体層と電気的に接続された第2電極、及び、
前記第1化合物半導体層と電気的に接続された第1電極、
を備えており、
前記化合物半導体層積層体は、
前記基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
前記第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
前記第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えており、
前記第3層の頂面は平坦であり、
前記第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である
発光デバイス。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
GaN系化合物半導体を用いた発光デバイスや電子デバイスの開発が盛んに行われている。例えば、発光デバイスとして、赤色光を発光する発光ダイオードや半導体レーザ素子、緑色光を発光する発光ダイオードや半導体レーザ素子、青色光を発光する発光ダイオードや半導体レーザ素子を挙げることができる。また、電子デバイスとしてスイッチング素子や電力変換素子等の機能を有するパワー半導体を挙げることができるし、表示装置としてこれらの発光デバイスを用いた表示装置を挙げることができる。しかしながら、GaN系化合物半導体から成る化合物半導体層にあっては、GaAs系化合物半導体やシリコン等の材料系に比べて、化合物半導体層に生成し、積層方向に貫通する転位(貫通転位)の密度が高い。貫通転位がデバイス内の機能層(例えば、発光デバイスにおける活性層、発光層)まで延びると、デバイスの特性を悪化させる。具体的には、電子デバイスにおいて、貫通転位はリーク電流発生の原因となる。また、発光デバイスにあっては、貫通転位は、リーク電流発生の原因となるばかりか、活性層内において非発光性結合中心となり、発光効率を低下させる。従って、結晶欠陥(貫通転位)の密度が高い場合、GaN系化合物半導体の物性が十分に生かされた発光デバイスや電子デバイスを得ることが困難である。
【0003】
貫通転位密度を低減する技術として、例えば、特開2007-214380号公報には、異種基板上へ絶縁層マスクを用いてGaN系化合物半導体層を成長させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-214380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この特許公開公報に開示された技術にあっては、埋め込み層の上にデバイス機能部を形成するために埋め込み層の頂面を平坦にする必要がある。それ故、埋め込み層の形成に時間を要するだけでなく、転位密度の十分な低減が達成できないといった問題がある。
【0006】
従って、本開示の目的は、発光デバイスにおける基部を構成する化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、係る化合物半導体層積層体を備えた発光デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の化合物半導体層積層体の形成方法は、
基体上に、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層を形成した後、
第1層上に、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層を形成し、次いで、
第2層上を含む全面に、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層を形成する、
各工程を備えており、
第3層の頂面は平坦であり、
第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である。但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の化合物半導体層積層体は、
基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えたものであり、
第3層の頂面は平坦であり、
前記第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である。但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示の発光デバイスは、
基体上に形成された化合物半導体層積層体、
化合物半導体層積層体上に形成された第1化合物半導体層、
第1化合物半導体層上に形成された活性層、
活性層上に形成された第2化合物半導体層、
第2化合物半導体層と電気的に接続された第2電極、及び、
第1化合物半導体層と電気的に接続された第1電極、
を備えたものであり、
化合物半導体層積層体は、
基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えたものであり、
第3層の頂面は平坦であり、
第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×10 19 cm -3 以上である。但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1の化合物半導体層積層体及び発光デバイス(具体的には、発光素子、より具体的には、半導体レーザ素子)の模式的な一部断面図である。
図2図2A図2B図2C及び図2Dは、実施例1の化合物半導体層積層体の形成方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。
図3図3は、実施例2の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図である。
図4図4は、実施例3の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図である。
図5図5は、実施例4の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図である。
図6図6は、実施例4の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの変形例の模式的な一部断面図である。
図7図7は、実施例4の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの別の変形例の模式的な一部断面図である。
図8図8は、窒化物半導体結晶における極性面、非極性面及び半極性面を説明するための六方晶系窒化物半導体の結晶構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイス、全般に関する説明
2.実施例1(化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイス)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(実施例1~実施例2の変形)
5.実施例4(実施例1~実施例3の変形)
6.その他
【0012】
〈本開示の化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイス、全般に関する説明〉
本開示の化合物半導体層積層体あるいは本開示の発光デバイスを構成する本開示の化合物半導体層積層体(以下、これらの化合物半導体層積層体を総称して、『本開示の化合物半導体層積層体等』と呼ぶ場合がある)において、第1層は、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する形態とすることができる。また、本開示の化合物半導体層積層体の形成方法において、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層を形成する形態とすることができる。そして、これらの場合、第2層は、少なくとも第1層の頂面上に形成されている形態とすることができ、あるいは又、少なくとも第1層の頂面上に第2層を形成する形態とすることができ、更には、第2層は、第1層の頂面及び斜面上に形成されている形態とすることができ、あるいは又、第1層の頂面及び斜面上に第2層を形成する形態とすることができ、更には、第1層の頂面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-t、第1層の斜面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する形態とすることができる。順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層においては、頂面の面指数と斜面の面指数とは異なる。それ故、第1層の頂面上における第2層の成長速度と第1層の斜面上における第2層の成長速度とが異なる結果、第1層の頂面上における第2層の部分の厚さT2-tと第1層の斜面上における第2層の部分の厚さT2-sが異なり、T2-t>T2-sとなる。厚さT2-s≠0であるとき、厚さT2-t及び厚さT2-sの関係として、限定するものではないが、
0.05≦T2-s/T2-t≦0.50
を挙げることができる。順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層の形成は、基本的に、例えばガリウム(Ga)原子のマイグレーション長(基体表面等で例えばガリウム原子が動き得る距離)がより短くなる成長条件に基づく。
【0013】
基体表面から第1層の頂面までの距離(第1層の厚さT1)として、限定するものではないが、5×10-8m乃至5×10-7m、好ましくは、5×10-8m乃至2×10-7mを例示することができるし、厚さT2-tとして、限定するものではないが、1×10-9m乃至2×10-7m、好ましくは、1×10-9m乃至1×10-7mを例示することができるし、厚さT2-sとして、限定するものではないが、1×10-9m乃至1×10-7m、好ましくは1×10-9m乃至5×10-8mを例示することができるし、第1層の頂面の上方の第3層の厚さT3として、限定するものではないが、5×10-8m乃至5×10-7m、好ましくは、5×10-8m乃至2×10-7mを例示することができる。
【0014】
以上に説明した好ましい形態を含む本開示の化合物半導体層積層体等において、基体上にはマスク層が形成されており、マスク層に覆われていない基体の部分の上に第1層が形成されている構成とすることができる。また、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の化合物半導体層積層体の形成方法にあっては、第1層を形成する前に、基体上にマスク層を形成し、マスク層に覆われていない基体の部分の上から第1層の形成を開始する構成とすることができる。これらの場合、マスク層は、SiN、SiO2及びTiO2から成る群から選択された1種類の材料から成る構成とすることができる。マスク層と第1層によって海・島構造(第1層が島に相当し、マスク層が海に相当する)を得ることができる。云い換えれば、基体上に開口部を有するマスク層が形成され、開口部の底部に基体が露出している。開口部の形成位置は本質的にランダムである。また、開口部の平面形状も本質的にランダムである。第1層の形成は、マスク層上からは開始されず、基体の露出面から開始される。そして、第1層はマスク層上に延在する。マスク層の基体被覆率として10%乃至99%を例示することができる。即ち、開口部は、基体表面の1%乃至90%を占める構成とすることができる。そして、このように開口部から第1層が形成し始める結果、最終的に、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層を得ることができる。マスク層の厚さとして、限定するものではないが、0.1nm乃至5nmを例示することができる。このように非常に薄いマスク層を基体上に成膜することで、開口部を有するマスク層を得ることができる。
【0015】
あるいは又、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の化合物半導体層積層体等において、第1層にはSi又はMgから成る不純物がドーピングされており、ドーピング濃度は1×1019cm-3以上である構成とすることができる。また、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の化合物半導体層積層体の形成方法にあっては、Si又はMgから成る不純物がドーピングされた第1層を基体上に形成する構成とすることができ、この場合、ドーピング濃度は1×1019cm-3以上である構成とすることができる。基体上に第1層が形成され始めるとき、基体表面において、Siから成る不純物が多い領域と少ない領域とが形成される。不純物が多い領域では、SiNのマスク層が形成されたと同様に、第1層が形成され難く、不純物が少ない領域から第1層の形成が開始される。また、Mgから成る不純物がドーピングされた状態で第1層の形成が開始されると、微小ボイド(空孔)が第1層に生成し、微小ボイド(空孔)を起点として第1層が更に成長する。ドーピング濃度を1×1019cm-3以上と規定することで、これらの現象を確実に生じさせることができる。そして、このような第1層の形成形態に起因して、マスク層を形成しなくとも、最終的に、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層を得ることができる。
【0016】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の化合物半導体層積層体等において、第3層の上に、AlInGaN層とAlGaN層との多層構造(超格子構造)が形成されている構成とすることができる。AlInGaN層の組成としてAlx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nを例示することができるし、AlGaN層の組成としてAlx3Ga(1-x3)Nを例示することができるが、これらの組成に限定するものではない。AlInGaN層の厚さとして1×10-9m乃至1×10-7m、AlGaN層の厚さとして1×10-9m乃至2×10-7mを挙げることができる。
【0017】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の化合物半導体層積層体等において、基体はInGaN層から成る構成とすることができ、この場合、InGaN層におけるIn原子の原子百分率は0.5%以上、30%以下であることが好ましい。また、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の化合物半導体層積層体の形成方法において、第1層を形成する前に、基体上にInGaN層を形成する構成とすることができ、この場合、InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下であることが好ましい。尚、基体はInGaN層から成るが、具体的には、サファイア基板やシリコン基板上に格子緩和させたInGaN層(基体に相当する)を積層したInGaNテンプレート基板を用いることができるし、InGaN基板を用いることもできる。
【0018】
本開示の化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、発光デバイスにあっては、0≦y1<1,0<y2<1と規定されている。即ち、第1層は、Inを含んでいてもよいし、Inを含んでいなくともよい。y1>0の場合、
y1及びy2の関係として、例えば、
0.1≦y1/y2≦0.9
を例示することができる。第1層においてIn成分が多すぎると、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層を得ることが困難である場合がある。第2層においては、In成分は高いことが好ましく、これによって、基体表面と平行な方向(便宜上、『横方向』と呼ぶ場合がある)における第3層の成長が促進される。第3層にはInが含まれておらず、これによって、横方向における第3層の成長が促進される。そして、以上の結果として、第3層の厚さが薄くとも頂面が平坦な第3層を得ることができる。また、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1と規定されているが、
0≦x1≦0.20
0≦x2≦0.40
0≦x3≦0.40
0≦y1≦0.20
0<y2≦0.20
を満足することが好ましく、
0≦x1≦0.10
0≦x2≦0.20
0≦x3≦0.40
0≦y1≦0.10
0<y2≦0.10
を満足することが一層好ましい。
【0019】
サファイア基板やシリコン基板上にGaN低温バッファ層を介してGaN層(基体に相当する)を数μm積層した構造を有するGaNテンプレート基板、サファイア基板やシリコン基板上にAlN低温バッファ層を介してAlN層(基体に相当する)を数μm積層した構造を有するAlNテンプレート基板、前述したサファイア基板やシリコン基板上に格子緩和させたInGaN層(基体に相当する)を積層したInGaNテンプレート基板を用いることができる。あるいは又、基体として、前述したInGaN基板だけでなく、GaN基板、AlN基板を挙げることもできるし、GaAs基板、SiC基板、アルミナ基板、ZnS基板、ZnO基板、AlN基板、LiMgO基板、LiGaO2基板、MgAl24基板、InP基板を挙げることもできる。
【0020】
III-V族化合物半導体から成る基体の表面は、III族原子から構成されていてもよいし、V族原子から構成されていてもよい。III-V族化合物半導体(具体的には、GaN系化合物半導体)から成る基体の表面(主面)は、{0001}面であるc面、{11-20}面であるa面、{1-100}面であるm面、{1-102}面、あるいは又、{11-24}面や{11-22}面を含む{11-2n}面、{10-11}面、{10-12}面、{20-21}面、{1-101}面、{2-201}面、{11-21}面から構成することができる。尚、六方晶系における例えば以下に例示する結晶面の表記、
を、便宜上、本明細書においては、{hk-il}面、{h-kil}面と表記する。
【0021】
窒化物半導体結晶における極性面、非極性面及び半極性面について、以下、図8の(a)~(e)を参照して説明する。図8の(a)は、六方晶系窒化物半導体の結晶構造を示す模式図である。図8の(b)は、非極性面であるm面、{1-100}面を示す模式図であり、灰色の平面で示すm面は、m軸方向に垂直な面である。図8の(c)は、非極性面であるa面、{11-20}面を示す模式図であり、灰色の平面で示すa面は、a軸方向に垂直な面である。図8の(d)は、半極性面である{20-21}面を示す模式図である。灰色の平面で示す{20-21}面に垂直な[20-21]方向は、c軸からm軸方向に75度、傾斜している。図8の(e)は、半極性面である{11-22}面を示す模式図である。灰色の平面で示す{11-22}面に垂直な[11-22]方向は、c軸からa軸方向に59度、傾斜している。各種結晶面の面方位とc軸との成す角度を、以下の表1に示す。{11-21}面や{11-22}面、{11-24}面といった{11-2n}面で表される面、{1-101}面、{1-102}面、{1-103}面は半極性面である。
【0022】
〈表1〉
【0023】
以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光デバイスとして、端面発光型の半導体レーザ素子、端面発光型のスーパールミネッセントダイオード(SLD)あるいは半導体光増幅器といった半導体光デバイスを挙げることができる。半導体光増幅器は、光信号を電気信号に変換せず、直接光の状態で増幅するものであり、共振器効果を極力排除したレーザ構造を有し、半導体光増幅器の光利得に基づき入射光を増幅する。半導体レーザ素子にあっては、第1端面(光出射端面)における光反射率と第2端面(光反射端面)における光反射率との最適化を図ることで、共振器が構成され、光は第1端面から出射される。あるいは、外部共振器を配置してもよい。一方、スーパールミネッセントダイオードにあっては、第1端面における光反射率を非常に低い値とし、第2端面における光反射率を非常に高い値とし、共振器を構成することなく、活性層(発光層)で生成した光が第2端面において反射され、第1端面から出射される。半導体レーザ素子及びスーパールミネッセントダイオードにおいて、第1端面には、無反射コート層(AR)あるいは低反射コート層が形成されているし、第2端面には、高反射コート層(HR)が形成されている。また、半導体光増幅器にあっては、第1端面及び第2端面における光反射率を非常に低い値とし、共振器を構成することなく、第2端面から入射した光を増幅して第1端面から出射する。本開示の発光デバイスの構造を、面発光レーザ素子(垂直共振器レーザ、VCSELとも呼ばれる)や発光ダイオード(LED)といった発光デバイス(半導体光デバイス)に適用することもできる。また、本開示の発光デバイスの構成、構造を、MOSFETやHEMT等のスイッチング素子、電流増幅素子、高周波発生素子等に適用することができる。
【0024】
第1化合物半導体層、活性層(発光層)、第2化合物半導体層を構成する化合物半導体として、GaN、AlGaN、InGaN、AlInGaNといったAlInGaN系化合物半導体を挙げることができる。更には、これらの化合物半導体に、所望に応じて、ホウ素(B)原子やタリウム(Tl)原子、ヒ素(As)原子、リン(P)原子、アンチモン(Sb)原子が含まれていてもよい。これらの層の形成方法(成膜方法)として、あるいは又、第1層、第2層、第3層の形成方法(成膜方法)として、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法、MOVPE法)や分子線エピタキシー法(MBE法)、有機金属分子線エピタキシー法(MOMBE法)、ハロゲンが輸送あるいは反応に寄与するハイドライド気相成長法(HVPE法)、プラズマアシステッド物理的気相成長法(PPD法)、アトミック・レイヤー・デポジション法(ALD法、原子層堆積法)、スパッタリング法を挙げることができる。ここで、MOCVD法における有機ガリウム源ガスとして、トリメチルガリウム(TMG)ガスやトリエチルガリウム(TEG)ガスを挙げることができるし、窒素源ガスとして、アンモニアガスやヒドラジンガスを挙げることができる。また、AlInGaN系化合物半導体層の構成原子としてアルミニウム(Al)あるいはインジウム(In)が含まれる場合、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)ガスを用いればよいし、In源としてトリメチルインジウム(TMI)ガスを用いればよい。更には、Si源としてモノシランガス(SiH4ガス)を用いればよいし、Mg源としてシクロペンタジエニルマグネシウムガスやメチルシクロペンタジエニルマグネシウム、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いればよい。第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から成る積層発光体構造体からストライプ構造を形成する場合、ストライプ構造を形成するために積層発光体構造体をエッチングする方法として、リソグラフィ技術とウェットエッチング技術の組合せ、リソグラフィ技術とドライエッチング技術の組合せを挙げることができる。積層発光体構造体は化合物半導体層積層体上に形成されており、化合物半導体層積層体側から、前述したとおり、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層が積層された構造を有する。
【0025】
活性層(発光層)は、量子井戸構造を有することが望ましい。具体的には、単一量子井戸構造(SQW構造)を有していてもよいし、多重量子井戸構造(MQW構造)を有していてもよい。量子井戸構造を有する活性層は、井戸層及び障壁層が、少なくとも1層、積層された構造を有するが、(井戸層を構成する化合物半導体,障壁層を構成する化合物半導体)の組合せとして、(InGaN,GaN)や(InGaN,AlInGaN)、(InGaN,InGaN)[但し、井戸層を構成するInGaNの組成と障壁層を構成するInGaNの組成とは異なる]を例示することができる。更には、障壁層は複数の組成を有する層群で構成されていてもよい。
【0026】
第1化合物半導体層にn型の導電型を付与し、第2化合物半導体層にp型の導電型を付与するためには、第1化合物半導体層、第2化合物半導体層のそれぞれに、不純物を導入すればよい。化合物半導体層に添加されるn型不純物として、例えば、ケイ素(Si)、硫黄(S)、セレン(Se)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、錫(Sn)、炭素(C)、チタン(Ti)、酸素(O)、パラジウム(Pd)を挙げることができるし、p型不純物として、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、炭素(C)、ベリリウム(Be)、カドミウム(Cd)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)を挙げることができる。
【0027】
第1化合物半導体層は電気的に第1電極に接続されており、第2化合物半導体層は電気的に第2電極に接続されている。第2電極は、例えば、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属(合金を含む)を含む、単層構成又は多層構成(例えば、パラジウム層が第2化合物半導体層に接するパラジウム層/白金層の積層構造、又は、パラジウム層が第2化合物半導体層に接するパラジウム層/ニッケル層の積層構造)から成る形態とすることができるし、ITO等の透明導電性材料から成る形態とすることができる。第1電極は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、タングステン(W)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、錫(Sn)及びインジウム(In)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属(合金を含む)を含む、単層構成又は多層構成を有することが望ましく、例えば、Ti/Au、Ti/Al、Ti/Pt/Au、Ti/Al/Au、Ti/Pt/Au、Ni/Au、Ni/Au/Pt、Ni/Pt、Pd/Pt、Ag/Pdを例示することができる。尚、多層構成における「/」の前の層ほど、より活性層側に位置する。以下の説明においても同様である。第1電極は第1化合物半導体層に電気的に接続されているが、第1電極が第1化合物半導体層上に形成された形態、第1電極が導電材料層や化合物半導体層積層体を介して第1化合物半導体層に接続された形態が包含される。第1電極や第2電極は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法等のPVD法にて成膜することができる。
【0028】
第1電極や第2電極上に、外部の電極あるいは回路と電気的に接続するために、パッド電極を設けてもよい。パッド電極は、Ti(チタン)、アルミニウム(Al)、Pt(白金)、Au(金)、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属(合金を含む)を含む、単層構成又は多層構成を有することが望ましい。あるいは又、パッド電極を、Ti/Pt/Auの多層構成、Ti/Auの多層構成、Ti/Pd/Auの多層構成、Ti/Pd/Auの多層構成、Ti/Ni/Auの多層構成、Ti/Ni/Au/Cr/Auの多層構成に例示される多層構成とすることもできる。
【0029】
また、第2電極をp型の導電型を有する第2化合物半導体層上にあるいは上方に形成する場合、第2電極と第2化合物半導体層との間に透明導電性材料層を形成してもよい。透明導電性材料層を構成する透明導電性材料として、インジウム-錫酸化物(ITO,Indium Tin Oxide,SnドープのIn23、結晶性ITO及びアモルファスITOを含む)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO,Indium Zinc Oxide)、IFO(FドープのIn23)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO、AlドープのZnOやBドープのZnOを含む)、TNO(NbドープのTiO2)を例示することができる。
【0030】
本開示の発光デバイスは、例えば、表示装置に適用することができる。即ち、このような表示装置として、本開示の発光デバイスを光源として備えたプロジェクター装置や画像表示装置、モニター装置、本開示の発光デバイスを光源として備えたヘッドマウントディスプレイ(HMD)やヘッドアップディスプレイ(HUD)、各種照明を挙げることができる。また、本開示の発光デバイスを顕微鏡の光源として用いることができる。但し、これらの分野に限定するものではない。
【実施例1】
【0031】
実施例1は、本開示の化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、本開示の発光デバイスに関する。実施例1の化合物半導体層積層体及び発光デバイス(具体的には、発光素子あるいは半導体光デバイス、より具体的には、半導体レーザ素子)の模式的な一部断面図を図1に示す。
【0032】
実施例1の化合物半導体層積層体10は、
基体14上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層11、
第1層11上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層12、及び、
第2層12上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層13、
を備えており、
第3層13の頂面13Aは平坦である。但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
【0033】
実施例1の発光デバイスは、例えば、端面発光型の半導体レーザ素子から成り、
基体14上に形成された化合物半導体層積層体、
化合物半導体層積層体10上に形成された第1化合物半導体層21、
第1化合物半導体層21上に形成された活性層23、
活性層23上に形成された第2化合物半導体層22、
第2化合物半導体層22と電気的に接続された第2電極26、及び、
第1化合物半導体層21と電気的に接続された第1電極25、
を備えており、
化合物半導体層積層体は、実施例1の化合物半導体層積層体10から成る。
【0034】
実施例1の半導体レーザ素子は、限定するものではないが、波長440nm以上、600nm以下、好ましくは、495nm以上、570nm以下の光を出射する。
【0035】
そして、第1層11は、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する。ここで、第2層12は、少なくとも第1層11の頂面11A上に形成されている。図示した例では、第2層12は、第1層11の頂面11A及び斜面11B上に形成されているが、場合によっては、第2層12は、第1層11の頂面11Aのみの上に形成されている。第1層11の頂面11A上に形成された第2層12の部分の厚さをT2-t、第1層11の斜面11B上に形成された第2層12の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する。
【0036】
第1層11の頂面11Aは(0001)面から構成されており、斜面11Bは(11-22)面から構成されている。それ故、第1層11の頂面11A上における第2層12の成長速度と第1層11の斜面11B上における第2層12の成長速度とが異なり、具体的には、第1層11の頂面11A上における第2層12の成長速度よりも第1層11の斜面11B上における第2層12の成長速度が遅く、その結果、第1層11の頂面11A上における第2層12の部分の厚さT2-tと、第1層11の斜面11B上における第2層12の部分の厚さT2-sが異なり、T2-t>T2-sとなる。厚さT2-s≠0であるとき、厚さT2-t及び厚さT2-sの関係として、限定するものではないが、
0.05≦T2-s/T2-t≦0.50
を挙げることができる。
【0037】
基体14の表面から第1層11の頂面11Aまでの距離(図2Bの第1層11の厚さT1)として、限定するものではないが、50nm乃至0.5μmを挙げることができるし、厚さT2-t図2C参照)として、限定するものではないが、1nm乃至0.2μmを挙げることができるし、厚さT2-sとして、限定するものではないが、1nm乃至0.1μmを挙げることができるし、第1層11の頂面11Aの上方の第3層13の厚さT3図2D参照)として、限定するものではないが、50nm乃至0.5μmを挙げることができる。実施例1にあっては、具体的には、
1 =100nm
2-t=20nm
2-s=2nm
3 =200nm
とした。
【0038】
更には、実施例1において、基体14上にはマスク層16が形成されており、マスク層16に覆われていない基体14の部分の上に第1層11が形成されている。マスク層16は、例えば、SiNから成る。マスク層16の厚さとして、限定するものではないが、0.1nm乃至5nmを例示することができる。マスク層16は開口部17を有する。
【0039】
実施例1にあっては、
0.1≦y1/y2≦0.9
を満足する。具体的には、
x1=0
x2=0
x3=0
y1=0.03
y2=0.09
とした。
【0040】
サファイア基板やシリコン基板(図面では、これらを参照番号14Aで示す)上にGaN低温バッファ層を介してGaN層(図面では、これらを纏めて、参照番号15で示す)を数μm積層した構造を有するGaNテンプレート基板を使用した。開口部17に露出したGaN層15が基体14に相当し、基体14の表面(露出面)は(0001)面から構成されている。場合によっては、基体14として、GaN基板を用いることもできる。
【0041】
積層発光体構造体を構成する第1化合物半導体層21、活性層(発光層)23及び第2化合物半導体層22を、以下の表2のとおりとした。
【0042】
〈表2〉
第2化合物半導体層22
コンタクト層(Mgドープ)
p型GaNから成る。
第2クラッド層(Mgドープ)
厚さ0.2μm~0.4μmのp型AlGaN
活性層23(全体の厚さ:0.1μm~0.3μm)
第2光ガイド層
ノンドープGaInNから成る。
量子井戸活性層
(井戸層:InGaN/障壁層:InGaN)
第1光ガイド層
ノンドープGaInNから成る。
第1化合物半導体層21
第1クラッド層(Siドープ)
厚さ0.5μm~1.5μmのn型AlGaN
【0043】
以下、実施例1の化合物半導体層積層体の形成方法を、基体等の模式的な一部端面図である図2A図2B図2C及び図2Dを参照して説明する。
【0044】
[工程-100]
先ず、サファイア基板やシリコン基板14A上にGaN低温バッファ層を介してGaN層15を数μm積層した構造を有するGaNテンプレート基板を準備する。そして、MOCVD法に基づき、基体14上にマスク層16を形成する(図2A参照)。具体的には、SiNから成るマスク層16の成膜温度を900゜C乃至1100゜C程度とすればよく、Siの原料として例えばSiH4ガス、Nの原料としてNH3を用いればよい。例えば、厚さ0.26nmのマスク層16を形成することで、開口部17が自然にランダムに形成される。即ち、開口部17の形成位置はランダムである。また、開口部17の平面形状もランダムである。
【0045】
[工程-110]
次に、MOCVD法に基づき、基体14上に島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層11を形成する。具体的には、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する3次元構造の第1層11を形成する。マスク層16に覆われていない基体14の部分の上に第1層11を形成する。即ち、マスク層16の開口部17の底部に露出した基体14の上から第1層11の形成が開始される。第1層11の形成が進むに従い、第1層11はマスク層16の上を延びていく。そして、最終的に、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する3次元構造の第1層11が形成される(図2B参照)。順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する第1層11が形成されるように、適切な成長温度や成長圧力、第1層11の成長に用いるIII族原子を含むガス源とV族原子を含むガス源の組成比、成長速度を選択すればよい。第1層11の成長温度として、700゜C乃至1100゜Cを挙げることができる。
【0046】
[工程-120]
その後、MOCVD法に基づき、少なくとも第1層11上にAlx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層12を形成する(図2C参照)。具体的には、第1層11の頂面11A及び斜面11B上に第2層12を形成する。第1層11の順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aの面指数が異なるが故に、第1層11の頂面11A上における第2層12の成長速度が第1層11の斜面11B上における第2層12の成長速度よりも早いので、T2-t>T2-sを達成することができる。即ち、第1層11の頂面11Aは(0001)面から構成されており、斜面11Bは{11-2n}面[但し、nは0乃至4の整数であり、具体的には、例えば(11-22)面]から構成されているので、斜面11Bの上で成長する第2層12にあっては、In原子の取り込みが悪く、第1層11の斜面11B上における第2層12の成長速度は、第1層11の頂面11A上における第2層12の成長速度よりも遅い。第2層12のエピタキシャル成長条件によっては、第1層11の順テーパーの斜面11B上に第2層12が形成されない場合もある。第2層12の成長温度として、700゜C乃至900゜Cを挙げることができる。
【0047】
[工程-130]
次いで、MOCVD法に基づき、第2層12上を含む全面にAlx3Ga(1-x3)Nから成る第3層13を形成する(図2D参照)。第3層13のエピタキシャル成長にあっては、適切な成長温度や成長圧力、第3層13の成長に用いるIII族原子を含むガス源とV族原子を含むガス源の組成比、成長速度を選択し、しかも、In原子を含む第2層12の上におけるIn原子を含まない第3層13の厚さ方向の成長速度が遅いことを利用し、第3層13の横方向への成長を促進させることで、厚さが薄いにも拘わらず、頂面が平坦な第3層13を得ることができる。加えて、転位の対消滅が促され、貫通転位密度の低減を図ることができる。具体的には、第1層11よりも第3層13の成長温度を高くし、成長圧力を低くすればよい。第3層13の成長温度として、700゜C乃至1100゜Cを挙げることができる。
【0048】
例えば、第2層を形成せずに、AlGaNから成る第1層、及び、第1層上に形成されたGaNから成る第3層を有する従来の構造では、原子ステップが得られるような平坦性を得るのに数μmの厚膜の第3層を形成することが必要とされる。一方、実施例1にあっては、第3層13の厚さT3が200nm乃至300nm程度であっても、第3層13において、原子ステップが得られるような平坦性を得ることができるし、従来の構造よりも貫通転位密度を、1桁乃至2桁、低減させることが可能となる。
【0049】
[工程-140]
その後、MOCVD法に基づき、第3層13の上に、第1化合物半導体層21、活性層23及び第2化合物半導体層22を、順次、形成する。次に、第2化合物半導体層22の上にエッチング用マスクを形成し、このエッチング用マスクを用いて、例えばRIE法に基づき、第2化合物半導体層22及び活性層23を厚さ方向にエッチングし、更に、第1化合物半導体層21を厚さ方向に一部分エッチングすることで、ストライプ構造20を形成した後、エッチング用マスクを除去する。次いで、全面に絶縁層24を形成し、第2化合物半導体層22の頂面上に位置する絶縁層24の部分を除去する。そして、露出した第2化合物半導体層22の上に第2電極26を形成する。また、第1化合物半導体層21の一部を露出させ、この露出部に第1電極25を形成する。更に、第1電極25、第2電極26の上にパッド電極27,28を形成する。
【0050】
[工程-150]
次いで、化合物半導体層積層体及び積層発光体構造体を劈開することで第1端面及び第2端面を形成する。そして、第1端面及び第2端面のコート層を形成する。その後、電極を外部の回路等に接続するために端子等を周知の方法に基づき形成し、パッケージや封止することで、実施例1の発光デバイスを完成させる。
【0051】
以上に説明したとおり、実施例1の化合物半導体層積層体及びその形成方法、並びに、本開示の発光デバイス(電子デバイスを含む)にあっては、化合物半導体層積層体は、3次元構造の第1層、第1層上に形成され、第1層とは異なる組成を有する第2層、及び、第2層上に形成され、第2層とは異なる組成を有する第3層といった構造を有するので、厚さが薄いにも拘わらず頂面が平坦な第3層を得ることができる。従って、化合物半導体層積層体の形成時間を大幅に短縮することができる。また、従来の技術にあっては化合物半導体層上に格子定数の異なる化合物半導体層を形成すると貫通転位密度が高くなってしまうが、実施例1にあっては、第2層上における横方向への第3層の成長が促進される結果、転位の対消滅が生じ易くなり、貫通転位密度の低減を図ることができる。そして、その結果、発光デバイス(電子デバイスを含む)においてはリーク電流の低下や信頼性の向上を達成することができるし、発光素子においてはリーク電流の低下、信頼性向上に加え、発光効率の向上を達成することができる。
【実施例2】
【0052】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図を図3に示すように、実施例2にあっては、第3層13の上に、厚さ20nm、層数10のAlInGaN層18Aと厚さ20nm、層数10のAlGaN層18Bとの多層構造(超格子構造)18が形成されている。このように第3層13の上に多層構造(超格子構造)18を形成することで、第3層13の厚さを一層薄くすることができるし、In原子を含むAlInGaN層18Aが存在するが故に、その上に形成されるIn原子を含まないAlGaN層18Bの厚さ方向の成長が遅いことを利用して、AlGaN層18Bの横方向への成長を促進させることで、積層発光体構造体の下地として一層平坦な面を得ることができる。
【0053】
以上の点を除き、実施例2の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造は、実施例1の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0054】
実施例3は、実施例1~実施例2の変形である。実施例3の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図を図4に示すように、実施例3においてはマスク層16は形成されておらず、第1層11’にはSi又はMgから成る不純物がドーピングされており、ドーピング濃度は1×1019cm-3以上である。基体14上に第1層11’が形成され始めるとき、基体14の表面において、Siから成る不純物が多い領域と少ない領域が形成される。そして、アンチサーファクタント効果によって、不純物が多い領域では第1層11’が形成され難く、不純物が少ない領域から第1層11’が形成される。また、Mgから成る不純物がドーピングされた状態で第1層11’の形成が開始されると、微小ボイド(空孔)が第1層11’に生成し、微小ボイド(空孔)を起点として第1層11’が更に成長する。ドーピング濃度を1×1019cm-3以上と規定することで、これらの現象を確実に生じさせることができる。そして、このような第1層11’の形成形態に起因して、マスク層を形成しなくとも、最終的に、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する第1層11’を得ることができる。
【0055】
以上の点を除き、実施例3の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造は、実施例1~実施例2の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0056】
尚、適切な成長温度や成長圧力、第1層11’の成長に用いるIII族原子を含むガス源とV族原子を含むガス源の組成比、成長速度を選択することでも、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する第1層11’を得ることが可能である。具体的には、成長温度を1000゜C以下の低い温度とし、成長圧力を高くすればよい。即ち、例えば、第1層11’の成長温度を、先ず、700゜C以下として第1層11’を数nm乃至数十nm成長させてから、第1層11’の成長温度を700゜C以上とすることで、順テーパーの斜面11B及び平坦な頂面11Aを有する第1層11’を得ることが可能である。
【実施例4】
【0057】
実施例4は、実施例1~実施例3の変形である。実施例4の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの模式的な一部断面図を図5図6及び図7に示すように、実施例4にあっては、基体14’はInGaN層から成る。具体的には、サファイア基板やシリコン基板14A上に格子緩和させたInGaN層(基体に相当する)を積層したInGaNテンプレート基板を用いた。基体14’に相当するInGaN層の厚さは、例えば、1μm以下である。そして、この場合、InGaN層におけるIn原子の原子百分率は0.5%以上、30%以下であることが好ましく、具体的には、10原子%とした。また、基体14‘は、In組成の異なるInGaN層や、AlGaN層、GaN層等を含んだ多層構造から構成されていてもよい。尚、図5においては実施例1の変形例を図示し、図6においては実施例2の変形例を図示し、図7においては実施例3の変形例を図示した。尚、基体14’としてInGaN基板を用いることもでき、このような構成も「基体はInGaN層から成る」構成に包含される。
【0058】
以上の点を除き、実施例4の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造は、実施例1~実施例3の化合物半導体層積層体及び発光デバイスの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0059】
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した化合物半導体層積層体、デバイスの構成、構造、化合物半導体層積層体の形成方法は例示であり、適宜、変更することができる。発光デバイスを専ら半導体レーザ素子として説明したが、発光デバイスを、その他、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)や半導体光増幅器とすることもできる。尚、SLDや半導体光増幅器の構成、構造は、光出射端面及び光反射端面における光反射率が異なる点を除き、実質的に、実施例1~実施例4において説明した発光デバイス(半導体光デバイス)と同じ構成、構造とすることができる。
【0060】
実施例にあっては、ストライプ構造20は、直線状に延びている形状としたが、これに限定するものでもないし、一定幅で延びているだけでなく、テーパー状あるいはフレア状としてもよい。具体的には、例えば、光出射端面から光反射端面に向かって、単調に、テーパー状に緩やかに広げられる構成、光出射端面から光反射端面に向かって、先ず広げられ、最大幅を超えた後、狭められる構成とすることができる。
【0061】
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《化合物半導体層積層体の形成方法》
基体上に、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層を形成した後、
第1層上に、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層を形成し、次いで、
第2層上を含む全面に、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層を形成する、
各工程を備えており、
第3層の頂面は平坦である化合物半導体層積層体の形成方法。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
[A02]順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する第1層を形成する[A01]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A03]少なくとも第1層の頂面上に第2層を形成する[A02]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A04]第1層の頂面及び斜面上に第2層を形成する[A03]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A05]第1層の頂面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-t、第1層の斜面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する[A04]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A06]基体上にマスク層を形成し、
マスク層に覆われていない基体の部分の上から第1層の形成を開始する[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A07]マスク層は、SiN、SiO2及びTiO2から成る群から選択された1種類の材料から成る[A06]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A08]Si又はMgから成る不純物がドーピングされた第1層を形成し、
ドーピング濃度は、1×1019cm-3以上である[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A09]第3層の上に、AlInGaN層とAlGaN層との多層構造を形成する[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A10]基体はInGaN層を形成し、InGaN層上に第1層を形成する[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A11]InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下である[A10]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A12]基体上にInGaN層を形成し、
InGaN層上にマスク層を形成し、
マスク層に覆われていない基体の部分の上から第1層の形成を開始する[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[A13]InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下である[A12]に記載の化合物半導体層積層体の形成方法。
[B01]《化合物半導体層積層体》
基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えており、
第3層の頂面は平坦である化合物半導体層積層体。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
[B02]第1層は、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する[B01]に記載の化合物半導体層積層体。
[B03]第2層は、少なくとも第1層の頂面上に形成されている[B02]に記載の化合物半導体層積層体。
[B04]第2層は、第1層の頂面及び斜面上に形成されている[B03]に記載の化合物半導体層積層体。
[B05]第1層の頂面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-t、第1層の斜面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する[B04]に記載の化合物半導体層積層体。
[B06]基体上にはマスク層が形成されており、
マスク層に覆われていない基体の部分の上に第1層が形成されている[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体。
[B07]マスク層は、SiN、SiO2及びTiO2から成る群から選択された1種類の材料から成る[B06]に記載の化合物半導体層積層体。
[B08]第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×1019cm-3以上である[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体。
[B09]第3層の上に、AlInGaN層とAlGaN層との多層構造が形成されている[B01]乃至[B08]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体。
[B10]基体はInGaN層から成る[B01]乃至[B09]のいずれか1項に記載の化合物半導体層積層体。
[B11]InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下である[B10]に記載の化合物半導体層積層体。
[C01]《発光デバイス》
基体上に形成された化合物半導体層積層体、
化合物半導体層積層体上に形成された第1化合物半導体層、
第1化合物半導体層上に形成された活性層、
活性層上に形成された第2化合物半導体層、
第2化合物半導体層と電気的に接続された第2電極、及び、
第1化合物半導体層と電気的に接続された第1電極、
を備えており、
化合物半導体層積層体は、
基体上に形成された、島状のAlx1Iny1Ga(1-x1-y1)Nから成る第1層、
第1層上に形成された、Alx2Iny2Ga(1-x2-y2)Nから成る第2層、及び、
第2層上を含む全面に形成された、Alx3Ga(1-x3)Nから成る第3層、
を備えており、
第3層の頂面は平坦である発光デバイス。
但し、0≦x1<1,0≦x2<1,0≦x3<1,0≦y1<1,0<y2<1である。
[C02]第1層は、順テーパーの斜面及び平坦な頂面を有する[C01]に記載の発光デバイス。
[C03]第2層は、少なくとも第1層の頂面上に形成されている[C02]に記載の発光デバイス。
[C04]第2層は、第1層の頂面及び斜面上に形成されている[C03]に記載の発光デバイス。
[C05]第1層の頂面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-t、第1層の斜面上に形成された第2層の部分の厚さをT2-sとしたとき、
2-t>T2-s
を満足する[C04]に記載の発光デバイス。
[C06]基体上にはマスク層が形成されており、
マスク層に覆われていない基体の部分の上に第1層が形成されている[C01]乃至[C05]のいずれか1項に記載の発光デバイス。
[C07]マスク層は、SiN、SiO2及びTiO2から成る群から選択された1種類の材料から成る[C06]に記載の発光デバイス。
[C08]第1層には、Si又はMgから成る不純物がドーピングされており、
ドーピング濃度は、1×1019cm-3以上である[C01]乃至[C05]のいずれか1項に記載の発光デバイス。
[C09]第3層の上に、AlInGaN層とAlGaN層との多層構造が形成されている[C01]乃至[C08]のいずれか1項に記載の発光デバイス。
[C10]基体はInGaN層から成る[C01]乃至[C09]のいずれか1項に記載の発光デバイス。
[C11]InGaN層におけるIn原子の原子百分率は、0.5%以上、30%以下である[C09]に記載の発光デバイス。
【符号の説明】
【0062】
10・・・化合物半導体層積層体、11,11’・・・第1層、11A・・・第1層の頂面、11B・・・第1層の斜面、12・・・第2層、13・・・第3層、13A・・・第3層の頂面、14,14’・・・基体、14A・・・サファイア基板やシリコン基板、15・・・GaN低温バッファ層及びGaN層、16・・・マスク層、17・・・マスク層の開口部、18・・・多層構造(超格子構造)、18A・・・AlInGaN層、18B・・・AlGaN層、20・・・リッジストライプ構造、21・・・第1化合物半導体層、22・・・第2化合物半導体層、23・・・活性層(発光層)、25・・・第1電極、26・・・第2電極、27,28・・・パッド電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8