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特許7548224情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240903BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240903BHJP
   G16Y 10/10 20200101ALI20240903BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240903BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240903BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/09 F
G16Y10/10
G16Y20/20
G16Y40/20
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021519394
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 JP2020018543
(87)【国際公開番号】W WO2020230693
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2019092644
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 淳
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/152873(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/069147(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/230174(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信部と、
前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報を取得する取得部と、
前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定する判定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記走行可否情報は、前記エリア毎の道路情報、天候情報、および交通情報、並びに環境情報と、前記センサカテゴリとに基づいて設定される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記走行可否情報は、
前記エリア毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである許可センサカテゴリ番号リストと、
前記エリア毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである不許可センサカテゴリ番号リストとを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記走行可否情報は、
前記センサカテゴリ毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである許可エリア番号リストと、
前記センサカテゴリ毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである不許可エリア番号リストとを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記走行可否情報は、
前記エリア毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである許可センサカテゴリ番号リストからなる第1の走行可否情報と、
前記エリア毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである不許可センサカテゴリ番号リストからなる第2の走行可否情報とからなる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記走行可否情報は、
前記センサカテゴリ毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである許可エリア番号リストからなる第1の走行可否情報と、
前記センサカテゴリ毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである不許可エリア番号リストからなる第2の走行可否情報とからなる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記走行可否情報を取得するための取得情報をさらに取得し、前記取得情報に基づいて、前記走行可否情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得情報は、前記走行可否情報が送信される送信時刻、および前記走行可否情報が送信される送信周波数の情報を含み、
前記取得部は、前記取得情報に基づいた、前記走行可否情報が送信される送信時刻で、かつ、前記走行可否情報が送信される送信周波数で、前記外部装置より送信される前記走行可否情報を取得する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、現状の前記目的地までのルートの再計画の必要があると判定した場合、前記走行可否情報に基づいて、前記目的地までのルートを再計画する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記判定部は、前記走行可否情報に基づいて、走行が不許可のエリアの経路を回避して、走行が許可されたエリアの経路により、前記目的地までのルートを再計画する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記走行可否情報に基づいて、前記目的地までのルートとして、最短ルート、燃費が最もよいルート、および最も安全なルートの少なくともいずれかを再計画する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記自車のセンサカテゴリを特定する情報を送信し、
前記取得部は、前記自車のセンサカテゴリに対応する、前記走行可否情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記センサカテゴリは、前記車両に搭載されたセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて設定される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記センサカテゴリは、前記車両に搭載されたセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて階層的に設定される
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
送信部と、
取得部と、
判定部とを備える情報処理装置の情報処理方法であって、
自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、前記送信部が、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信処理をすることと、
前記取得部が、前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報を取得する取得処理をすることと、
前記判定部が、前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定する判定処理をすること
を含む情報処理方法。
【請求項16】
自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信部と、
前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報を取得する取得部と、
前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定する判定部と
してコンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関し、特に、車両が備えるセンサの性能、機能、および種類に応じて、走行可能なエリアを適切に選択できるようにして、危機的な状況を回避しつつ、適切な自動運転を実現できるようにした情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今後、カメラ、レーダなどのセンサによる車両の自動運転が一般化し、広範囲で実用化されることが予想される。
【0003】
ところが、自動運転が一般化して実用化された場合、典型的な通行環境においては、自律的な走行を実現することができても、非典型的な通行環境においては、状況に応じて、危険な状態となり、自律的な走行ができない状態になる可能性がある。
【0004】
例えば、カメラ、およびLiDAR(Light Detection and Ranging or Laser Imaging Detection and Ranging)に加えて、雨天や濃霧等の悪天候でも検出精度が比較的高いとされるレーダ装置を備える車両で、雨天や濃霧のような状況下において、自動運転で田畑のあぜ道のように路肩のない道路を通行する場合を想定する。
【0005】
このような場合、悪天候に強いとされるレーダ装置が設けられていても、そもそもレーダ装置による路肩検出は天候に関わらず難しい上、悪天候によりカメラやLiDARの検出精度も低下するので、路肩検出そのものが難しく、自動運転における危険性は高まる。
【0006】
また、一方通行でない、物理的には車両のすれ違いは可能であるが、接触する寸前まで接近しなければすれ違えない程の狭路において、対向車と遭遇した場合、センサの精度によっては、十分な安全を確保して、すれ違うことができず、いずれか一方の車両が後退して道を譲らなければならない状況も考えられる。
【0007】
このような状況では、車両を後退させるための十分な精度をもつセンサが、車両の後方に備えられている必要があるが、このような条件を備えたセンサを備えていないときには、十分な安全を確保して後退することができず、結果として、自動運転が不能となる恐れがある。
【0008】
このように、カメラ、LiDAR、およびレーダ装置等、多様なセンサを備える車両による、運転支援、または自動運転が提供されることが一般的になったとき、各センサの性能、機能、および種別、並びに、これらの複数のセンサの組み合わせにより、十分に安全が確保されることが見込める場合と、十分な安全の確保が見込めない場合とが生じる可能性がある。
【0009】
このような状況となりうる非典型的な走行場面は、その出現確立としては小さい事象であるが、このような状況に遭遇すれば、車両の自動走行が不能となる、または、事故を起こすといった危機的な状況が想定されるため、可能な限り回避することが望まれる。
【0010】
そこで、見通しが悪いところでカメラでなくレーダを使い、車両の周りの危険報知エリアにおいて危険情報をサーバから知らせることで、事前に非典型的な走行場面における危機的な状況を回避できるようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2017-062583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1の技術においては、危機的な状況を回避するための情報の提示はあるものの、車両毎に備えているセンサの性能を考慮した情報が提供されない。
【0013】
このため、危機的な状況の回避は可能であっても、車両によっては、備えているセンサの性能や機能から見て十分に通行可能なエリアでも、危機的な状況となる可能性のあるエリアとして通知されてしまうことで、回避する必要のないエリアを回避した結果、不要な遠回りをさせてしまい、適切な自動運転できない可能性があった。
【0014】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特に、自律的に移動する車両が個別に備えるセンサの機能、性能、および種類、並びに、その組み合わせに応じて、走行可能なエリアを適切に選択できるようにして、危機的な状況を回避しつつ、適切な自動運転を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の一側面の情報処理装置およびプログラムは、自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信部と、前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報を取得する取得部と、前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定する判定部とを備える情報処理装置およびプログラムである。
【0016】
本開示の一側面の情報処理方法は、送信部と、取得部と、判定部とを備える情報処理装置の情報処理方法であって、自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、前記送信部が、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信処理をすることと、前記取得部が、前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報を取得する取得処理をすることと、前記判定部が、前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定する判定処理をすることとを含む情報処理方法である。
【0017】
本開示の一側面においては、自律的に移動する車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて、前記センサカテゴリに分類される前記センサを搭載した前記車両による前記経路の走行の可否を示す走行可否情報をリアルタイムで生成して更新し、現在の前記走行可否情報を送信する外部装置に、自律的に移動する自車の現在位置、および現状の目的地までのルートの少なくともいずれかの情報が送信され、前記自車の現在位置、および前記現状の目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する、前記外部装置から送信される前記現在の前記走行可否情報が取得され、前記現在の前記走行可否情報に基づいて、前記現在において前記目的地までのルート上に通行が不能なエリアが存在するか否かに基づいて、前記ルートの再計画の要否を判定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の概要を説明する図である。
図2】本開示の交通制御システムの構成例を説明する図である。
図3図2の中央制御部の構成例を説明するブロック図である。
図4図2の車両の構成例を説明するブロック図である。
図5】センサカテゴリを説明する図である。
図6】インジケータ情報およびエリア情報の例を説明する図である。
図7図2の交通制御システムによる自動運転管理処理を説明するフローチャートである。
図8】インジケータ情報およびエリア情報の変形例1を説明する図である。
図9】インジケータ情報およびエリア情報の変形例2を説明する図である。
図10】インジケータ情報およびエリア情報の変形例3を説明する図である。
図11図2の交通制御システムによる自動運転管理処理の応用例1を説明するフローチャートである。
図12図2の交通制御システムによる自動運転管理処理の応用例2を説明するフローチャートである。
図13図2の交通制御システムによる自動運転管理処理の応用例3を説明するフローチャートである。
図14】汎用のコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.本開示の概要
2.好適な実施の形態
3.自動運転管理処理の応用例1
4.自動運転管理処理の応用例2
5.自動運転管理処理の応用例3
6.ソフトウェアにより実行させる例
【0021】
<<1.本開示の概要>>
本開示は、自律的に移動する車両が個別に備えるセンサの性能、機能、および種類に応じて、走行可能なエリアを適切に選択できるようにして、危機的な状況を回避しつつ、適切な自動運転を実現するものである。
【0022】
ここで、図1で示されるように、中央制御部21、無線基地局22、および車両23-1,23-2からなる交通制御システム11を例に、本開示の概要について説明する。
【0023】
図1の交通制御システム11において、例えば、車両23-1,23-2は、いずれも目的地に向かって走行ルートを計画し、自律的に自動走行する車両であり、図1においては、所定の目的地に向かって自動走行している状態であるものとする。走行ルートは、予め設定された条件、入力部72に入力されたユーザの入力、車内情報検出部142によって検出された運転者の状況などによって選択される。
【0024】
また、車両23-1は、車体の前方左右端部にレーダ装置等のセンサ23a-1,23a-2、位置情報を検出する位置情報検出部23b、および無線基地局22を介して中央制御部21と通信する通信部23cを備えている。
【0025】
これにより、車両23-1は、自動運転に際して、位置情報検出部23bにより位置情報を検出することにより、幹線道路のようなある程度道幅が広い道路であれば、道路上の位置を把握できる。このため、車両23-1は、ある程度道幅が広い道路であれば、道路周辺の物体との位置関係を認識することで、前進も後進も可能である。
【0026】
また、車両23-1は、自動運転に際して、所定の道幅よりも狭い狭路の走行では、位置情報よりも、さらに高精度に周辺の物体との位置関係を認識する必要があるが、センサ23a-1,23a-2等により前方に存在する物体との位置関係のみしか適切に認識できない。このため、車両23-1は、狭路の走行では、前進することしかできない。
【0027】
一方、車両23-2は、車体の前方と後方の左右端部にレーダ装置等のセンサ23a-1乃至23a-4、位置情報を検出する位置情報検出部23b、および無線基地局22を介して中央制御部21と通信する通信部23cを備えている。
【0028】
これにより、車両23-2は、自動運転に際して、位置情報検出部23bにより位置情報を検出することにより、幹線道路のようなある程度道幅が広い道路であれば、道路上の位置を把握できる。このため、車両23-2は、ある程度道幅が広い道路であれば、道路周辺の物体との位置関係を認識することで、前進も後進も可能である。
【0029】
さらに、車両23-2は、自動運転に際して、所定の道幅よりも狭い狭路の走行でも、センサ23a-1乃至23a-4により、前方も後方も位置情報よりもさらに高精度に周辺の物体との位置関係を適切に認識できる。このため、車両23-2は、狭路の走行でも、前進も後進もすることができる。
【0030】
このように、車両23-1,23-2は、自動運転に際しては、幹線道路等の比較的道幅の広い道路の走行では、いずれも前進も後進も可能であるが、狭路の走行では、備えているセンサ23aの設置位置や個数の違いにより、車両23-2は前進も後進もできるが、車両23-1は前進することしかできない。
【0031】
また、中央制御部21は、無線基地局22を介して、無線基地局22の周辺のエリアにおける道路の走行に必要なセンサが備わっているカテゴリに分類される車両に対して、そのエリアの通行を許可する属性を付与し、走行に必要なセンサが備わっていないカテゴリに分類される車両に対して、そのエリアの通行を不許可とする属性を付与した情報からなるエリア情報31を車両23-1,23-2等に送信する。
【0032】
尚、上述した車両23に備わっているセンサの性能、機能、および種類、並びにそれらの組み合わせに応じて設定されるカテゴリをセンサカテゴリと称する。
【0033】
エリア情報31は、エリア毎に通行が許可される(通行が可能な)センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリスト(センサカテゴリ番号リスト)と、通行が不許可とされる(通行が不能な)センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリスト(センサカテゴリ番号リスト)とから構成される。
【0034】
中央制御部21は、例えば、車体の前後にセンサ23a-1乃至23a-4が備わっているような車両23-2のセンサカテゴリを、センサカテゴリ番号1に分類するものとする。また、中央制御部21は、車体の前方のみにセンサ23a-1,23a-2が備わっているような車両23-1のような車両23のセンサカテゴリを、センサカテゴリ番号2に分類するものとする。そして、中央制御部21は、センサ23aが設けられていない車両23のセンサカテゴリをセンサカテゴリ番号3に設定されるものとする。
【0035】
これにより、中央制御部21は、例えば、エリア情報31を、「エリアA(許可) センサカテゴリ番号1」、および、「エリアA(不許可) センサカテゴリ番号2、およびセンサカテゴリ番号3」といった情報として生成する。
【0036】
エリア情報31に含まれる、「エリアA(許可) センサカテゴリ番号1」、および、「エリアA(不許可) センサカテゴリ番号2、およびセンサカテゴリ番号3」が、エリア情報31に対応付けられたエリアにおけるセンサカテゴリ情報である。
【0037】
ここで、「エリアA(許可) センサカテゴリ番号1」のセンサカテゴリ情報は、エリアA内の道路は、車体の前後の両方にセンサが設けられていることを示すセンサカテゴリに分類された車両の通行のみが許可される(通行が可能であることを示す属性が割り付けられる)ことを表している。
【0038】
また、「エリアA(不許可) センサカテゴリ番号2、および、センサカテゴリ番号3」のセンサカテゴリ情報は、エリアA内の道路は、車体の前のみセンサが設けられている車両、および、センサが無い車両であることを示すセンサカテゴリに分類された車両の通行が不許可にされることを表している(通行が不能であることを示す属性が割り付けられる)。
【0039】
エリア情報31は、エリア毎に通行を許可する(通行することができる)車両が分類されるセンサカテゴリ情報と、通行を不許可とする(通行することができない)車両が分類されるセンサカテゴリ情報とから構成される。
【0040】
ここで、エリアAの道路Rは、道幅Wが車両23-1,23-2における車幅に対して十分な余裕がないため、位置情報のみで道路R上の位置を決めて走行するだけでは、道路R周辺に存在する物体に接触する危険がある。
【0041】
また、エリアAの道路Rは、対向車等と遭遇するような場合、すれ違うことができないので、いずれか一方の車両が後進して道を譲らなければならないことがあり、このとき、車両の後方の物体との位置関係を認識する必要があるので、車体の後方にもセンサ23aが設けられている必要がある。
【0042】
このため、車両23-1,23-2は、それぞれ通信部23cにより、無線基地局22を介して中央制御部21から供給されるエリア情報31を受信し、これから走行することが計画されている走行ルート上にエリアAが存在する場合、このエリア情報31に基づいて走行が可能であるか否かを判定する。
【0043】
すなわち、車両23-1の場合、センサ23a-1,23a-2が前方左右端部にのみ設けられたセンサカテゴリ番号1に相当する車両であるので、エリアAがルート上に存在する場合、道路R上で対向車と遭遇するようなときには、上述したように対向車に道を譲るために後進することができない。
【0044】
このため、車両23-1は、このような場合、図1のバツ印で示されるように、エリアAの道路Rの通行を回避する必要がある。
【0045】
そこで、車両23-1は、エリア情報31に基づいて、エリアAの通行を回避するようにルートを再計画して、再計画されたルートを自動運転により走行する。
【0046】
一方、車両23-2の場合、センサ23a-1乃至23a-4が前方後方の左右端部に設けられているので、エリアAの道路Rがルート上に存在する場合でも、図1の丸印で示されるように、そのまま通行することができる。
【0047】
そこで、車両23-2は、エリア情報31に基づいて、エリアAを含む現状のルートの走行を継続する。
【0048】
すなわち、車両23-1,23-2は、それぞれ中央制御部21より配信されるエリア情報を、無線基地局22を介して取得する。
【0049】
そして、車両23-1,23-3は、取得したエリア情報に含まれるセンサカテゴリ情報に基づいて、自らが走行可能なセンサカテゴリに分類される車両であるか、または通行が不能なセンサカテゴリに分類される車両であるかを判定する。
【0050】
エリア情報を用いた判定結果に基づいて、走行不能(不許可)なセンサカテゴリに分類されるときは、エリア情報に該当するエリアの道路の通行を回避するようにルートが再計画されて、再計画されたルートで走行が継続されることになる。
【0051】
また、エリア情報を用いた判定結果に基づいて、エリア情報に該当するエリアの道路の走行が可能である時は、現状で計画されているルートの走行が継続されることになる。
【0052】
このような処理より、車両23-1,23-2は、エリア毎に、走行する前の段階で、自らが分類されるセンサカテゴリに応じて、通行可能(許可)であるか否かを判定し、通行可能(許可)ではないときには、当該のエリアを回避するように走行ルートを再計画して、自動運転による走行を継続することが可能となる。
【0053】
結果として、車両23-1,23-2は、自動運転における走行中に発生することが予見される危機的な状況を回避しながら適切なルートによる走行を継続することが可能となる。
【0054】
<<2.好適な実施の形態>>
次に、図2を参照して、本開示を適用した交通制御システムについて説明する。
【0055】
図2の交通制御システム41は、中央制御部51、無線基地局52、および車両53-1乃至53-nより構成される。
【0056】
尚、中央制御部51、無線基地局52、および車両53-1乃至53-nは、いずれも図1における交通制御システム11の中央制御部21、無線基地局22、および車両23-1,23-2に相当する。
【0057】
中央制御部51は、交通制御システム41の全体を制御する、例えば、サーバコンピュータやクラウドコンピュータなどから構成され、無線基地局52を介して、エリア情報およびインジケータ情報を車両53-1乃至53-nのそれぞれに送信させる。
【0058】
エリア情報とは、図1を参照して説明したエリア情報31に対応するものであり、地図上に設定されるエリア毎の情報であり、エリア内の道路を通行するにあたって、車両53-1乃至53-nのそれぞれが備える自動走行に必要とされるセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて設定されるセンサカテゴリに応じた通行の許可、または不許可の属性を示す情報である。
【0059】
また、インジケータ情報とは、エリア情報を送信する無線基地局52の位置情報、および、エリア情報の送信時刻、および送信周波数の情報を含む情報である。
【0060】
すなわち、中央制御部51は、無線基地局52を介して、所定のタイミングで、かつ、所定の送信周波数で、車両53に対してインジケータ情報を送信する。所定のタイミングと所定の周波数は、車両53に対しては、共通の情報として予め周知されている情報である。
【0061】
車両53は、無線基地局52を介して、所定のタイミングで、かつ、所定の送信周波数で、中央制御部51より送信されてくるインジケータ情報を受信する。
【0062】
そして、車両53は、受信したインジケータ情報に基づいて、無線基地局52よりエリア情報が送信される送信時刻と送信周波数を認識し、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、送信周波数で、無線基地局52を介して送信されてくるエリア情報を受信する。
【0063】
無線基地局52は、専用回線等により接続された中央制御部51より供給されるインジケータ情報、およびエリア情報を、LTE(Long Term Evolution)等の4G(4th Generation)通信による広域の公衆回線を利用して、車両53-1乃至53-nに送信する。
【0064】
尚、無線基地局52が使用する公衆回線については、携帯電話等で一般に使用されている通信回線であれば、どのような回線であってもよい。
【0065】
車両53は、中央制御部51より無線基地局52を介して送信されるインジケータ情報を受信し、インジケータ情報に基づいてエリア情報を受信する。
【0066】
また、車両53は、エリア情報に基づいて、自らの備えるセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて、自車のセンサカテゴリを認識し、認識した自車のセンサカテゴリに応じて、ルート上のエリア情報に対応するエリア毎に通行が可能であるか否かを判定する。
【0067】
このとき、エリア情報に基づいて、計画されたルート上に通行できないエリアがあると判定された場合、車両53は、通行できないと判定されたエリアを回避するようにルートを再計画して、再計画したルートで自動走行を継続する。また、エリア情報はリアルタイムに更新されるので、直前のタイミングにおいては、通行できなかったエリアが、例えば、車両53は、直前のタイミングでは通行できなかったが通行が可能となったエリアを含めてルートを再計画し、再計画したルートで自動運転を継続する。
【0068】
また、ルートの再計画にあたっては、最短ルートではなくてもよく、例えば、燃費が最もよくなるルートや、センサカテゴリに基づいて、最も安全に走行できるルートなどを再計画するようにしてもよい。ただし、本明細書においては、以降においても、ルートの再計画にあたっては、最短ルートを計画するものとして説明を進める。ここで、最短ルートとは、目的地までの所要時間が最も短いルート、走行距離が最も短いルート、直線距離が最も短いルートなどである。尚、複数のルートが再計画されてもよく、その場合に再計画されたルートは、予め設定された条件、入力部72に入力されたユーザの入力、車内情報検出部142によって検出された運転者の状況などによって選択されてもよい。
【0069】
<中央制御部の構成例>
次に、図3のブロック図を参照して、中央制御部51の構成例について説明する。
【0070】
中央制御部51は、制御部71、入力部72、出力部73、記憶部74、通信部75、ドライブ76、およびリムーバブル記憶媒体77より構成され、それらが、相互にバス78を介して電気的に接続された構成とされている。
【0071】
制御部71は、プロセッサやメモリより構成されており、中央制御部51の動作の全体を制御する。
【0072】
また、制御部71は、センサカテゴリ情報管理部91、エリア情報管理部92、およびインジケータ情報管理部93を備えている。
【0073】
センサカテゴリ情報管理部91は、車両53に備えられるセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに応じてセンサカテゴリを設定し、それぞれのセンサカテゴリについて、センサカテゴリ番号と、対応するセンサ群とからなるセンサカテゴリ情報として管理する。また、センサカテゴリ情報は、予め、車両登録時などに提供されるほか、車両センサの改変時などに、必要に応じて、有線または無線ネットワークを介してアップデートされる。
【0074】
尚、センサカテゴリ情報の詳細は、図5を参照して後述する。
【0075】
エリア情報管理部92は、地図上に設定されるエリア毎のエリア情報を生成し、エリア情報を管理する。
【0076】
より詳細には、エリア情報管理部92は、エリア毎に存在する道路の道幅、および道路沿いの建物や障害物等の道路情報、天候情報、並びに、交通事故、交通渋滞、および道路工事等の有無を含む交通情報、並びに、現在時刻における対象エリアにおける明るさや気温などの各種の環境情報と、センサカテゴリ情報とに基づいて、エリア毎に走行が可能であることを示す属性を付与するセンサカテゴリと、走行が不能であることを示す属性を付与するセンサカテゴリとを設定する。
【0077】
そして、エリア情報管理部92は、エリア毎に走行が可能なことを示す属性を付与したセンサカテゴリと、走行が不能なことを示す属性を付与したセンサカテゴリの情報とからエリア情報を生成し、無線基地局52を介して車両53に配信する。
【0078】
尚、センサ情報の詳細は、図6を参照して後述する。
【0079】
インジケータ情報管理部93は、エリア情報を配信する無線基地局52の位置、送信時刻、および送信周波数等のエリア情報の配信に係る各種の情報をインジケータ情報として生成して、無線基地局52を介して車両53に配信する。
【0080】
尚、インジケータ情報の詳細は、センサ情報と共に図6を参照して後述する。
【0081】
入力部72は、キーボードや操作ボタンなどから構成れ、ユーザの操作入力を受け付ける。
【0082】
出力部73は、画像を表示する例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)などからなるディスプレイなどである表示部、音声を出力するスピーカなどからなる音声出力部を備えており、必要に応じて、画像や音声を出力する。
【0083】
記憶部74は、制御部71により制御され、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、半導体メモリなどからなり、各種のデータおよびプログラムを書き込む、または、読み出す。
【0084】
また、記憶部74は、必要に応じて、センサカテゴリ情報管理部91、エリア情報管理部92、およびインジケータ情報管理部93のそれぞれにより生成され、または、管理されるセンサカテゴリ情報、エリア情報、およびインジケータ情報を記憶する。
【0085】
通信部75は、制御部71により制御され、有線(または無線(図示せず))により、LAN(Local Area Network)などに代表される通信ネットワークを介して、無線基地局52する。
【0086】
ドライブ76は、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体77に対してデータを読み書きする。
【0087】
<車両を制御する車両制御システムの構成例>
図4は、本技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両53を制御する車両制御システム100の概略的な機能の構成例を示すブロック図である。
【0088】
なお、以下、車両制御システム100が設けられている車両53を他の車両と区別する場合、自車又は自車両と称する。
【0089】
車両制御システム100は、入力部101、データ取得部102、通信部103、車内機器104、出力制御部105、出力部106、駆動系制御部107、駆動系システム108、ボディ系制御部109、ボディ系システム110、記憶部111、及び、自動運転制御部112を備える。入力部101、データ取得部102、通信部103、出力制御部105、駆動系制御部107、ボディ系制御部109、記憶部111、及び、自動運転制御部112は、通信ネットワーク121を介して、相互に接続されている。通信ネットワーク121は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)、又は、FlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークやバス等からなる。なお、車両制御システム100の各部は、通信ネットワーク121を介さずに、直接接続される場合もある。
【0090】
なお、以下、車両制御システム100の各部が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、通信ネットワーク121の記載を省略するものとする。例えば、入力部101と自動運転制御部112が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、単に入力部101と自動運転制御部112が通信を行うと記載する。
【0091】
入力部101は、搭乗者が各種のデータや指示等の入力に用いる装置を備える。例えば、入力部101は、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ、及び、レバー等の操作デバイス、並びに、音声やジェスチャ等により手動操作以外の方法で入力可能な操作デバイス等を備える。また、例えば、入力部101は、赤外線若しくはその他の電波を利用したリモートコントロール装置、又は、車両制御システム100の操作に対応したモバイル機器若しくはウェアラブル機器等の外部接続機器であってもよい。入力部101は、搭乗者により入力されたデータや指示等に基づいて入力信号を生成し、車両制御システム100の各部に供給する。
【0092】
データ取得部102は、車両制御システム100の処理に用いるデータを取得する各種のセンサ等を備え、取得したデータを、車両制御システム100の各部に供給する。
【0093】
例えば、データ取得部102は、自車の状態等を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ジャイロセンサ、加速度センサ、慣性計測装置(IMU)、及び、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数、モータ回転数、若しくは、車輪の回転速度等を検出するためのセンサ等を備える。
【0094】
また、例えば、データ取得部102は、自車の外部の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ、及び、その他のカメラ等の撮像装置を備える。また、例えば、データ取得部102は、天候又は気象等を検出するための環境センサ、及び、自車の周囲の物体を検出するための周囲情報検出センサを備える。環境センサは、例えば、雨滴センサ、霧センサ、日照センサ、雪センサ等からなる。周囲情報検出センサは、例えば、超音波センサ、レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー等からなる。
【0095】
さらに、例えば、データ取得部102は、自車の現在位置を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機等を備える。
【0096】
また、例えば、データ取得部102は、車内の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、運転者を撮像する撮像装置、運転者の生体情報を検出する生体センサ、及び、車室内の音声を集音するマイクロフォン等を備える。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座っている搭乗者又はステアリングホイールを握っている運転者の生体情報を検出する。
【0097】
通信部103は、車内機器104、並びに、車外の様々な機器、サーバ、基地局等と通信を行い、車両制御システム100の各部から供給されるデータを送信したり、受信したデータを車両制御システム100の各部に供給したりする。なお、通信部103がサポートする通信プロトコルは、特に限定されるものではなく、また、通信部103が、複数の種類の通信プロトコルをサポートすることも可能である。
【0098】
例えば、通信部103は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、又は、WUSB(Wireless USB)等により、車内機器104と無線通信を行う。また、例えば、通信部103は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)、又は、MHL(Mobile High-definition Link)等により、車内機器104と有線通信を行う。
【0099】
さらに、例えば、通信部103は、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)との通信を行う。また、例えば、通信部103は、P2P(Peer To Peer)技術を用いて、自車の近傍に存在する端末(例えば、歩行者若しくは店舗の端末、又は、MTC(Machine Type Communication)端末)との通信を行う。さらに、例えば、通信部103は、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、自車と家との間(Vehicle to Home)の通信、及び、歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信等のV2X通信を行う。また、例えば、通信部103は、ビーコン受信部を備え、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行規制又は所要時間等の情報を取得する。
【0100】
車内機器104は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、自車に搬入され若しくは取り付けられる情報機器、及び、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置等を含む。
【0101】
出力制御部105は、自車の搭乗者又は車外に対する各種の情報の出力を制御する。例えば、出力制御部105は、視覚情報(例えば、画像データ)及び聴覚情報(例えば、音声データ)のうちの少なくとも1つを含む出力信号を生成し、出力部106に供給することにより、出力部106からの視覚情報及び聴覚情報の出力を制御する。具体的には、例えば、出力制御部105は、データ取得部102の異なる撮像装置により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像等を生成し、生成した画像を含む出力信号を出力部106に供給する。また、例えば、出力制御部105は、衝突、接触、危険地帯への進入等の危険に対する警告音又は警告メッセージ等を含む音声データを生成し、生成した音声データを含む出力信号を出力部106に供給する。
【0102】
出力部106は、自車の搭乗者又は車外に対して、視覚情報又は聴覚情報を出力することが可能な装置を備える。例えば、出力部106は、表示装置、インストルメントパネル、オーディオスピーカ、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ、ランプ等を備える。出力部106が備える表示装置は、通常のディスプレイを有する装置以外にも、例えば、ヘッドアップディスプレイ、透過型ディスプレイ、AR(Augmented Reality)表示機能を有する装置等の運転者の視野内に視覚情報を表示する装置であってもよい。
【0103】
駆動系制御部107は、各種の制御信号を生成し、駆動系システム108に供給することにより、駆動系システム108の制御を行う。また、駆動系制御部107は、必要に応じて、駆動系システム108以外の各部に制御信号を供給し、駆動系システム108の制御状態の通知等を行う。
【0104】
駆動系システム108は、自車の駆動系に関わる各種の装置を備える。例えば、駆動系システム108は、内燃機関又は駆動用モータ等の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、舵角を調節するステアリング機構、制動力を発生させる制動装置、ABS(Antilock Brake System)、ESC(Electronic Stability Control)、並びに、電動パワーステアリング装置等を備える。
【0105】
ボディ系制御部109は、各種の制御信号を生成し、ボディ系システム110に供給することにより、ボディ系システム110の制御を行う。また、ボディ系制御部109は、必要に応じて、ボディ系システム110以外の各部に制御信号を供給し、ボディ系システム110の制御状態の通知等を行う。
【0106】
ボディ系システム110は、車体に装備されたボディ系の各種の装置を備える。例えば、ボディ系システム110は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、パワーシート、ステアリングホイール、空調装置、及び、各種ランプ(例えば、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカ、フォグランプ等)等を備える。
【0107】
記憶部111は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び、光磁気記憶デバイス等を備える。記憶部111は、車両制御システム100の各部が用いる各種プログラムやデータ等を記憶する。例えば、記憶部111は、ダイナミックマップ等の3次元の高精度地図、高精度地図より精度が低く、広いエリアをカバーするグローバルマップ、及び、自車の周囲の情報を含むローカルマップ等の地図データを記憶する。
【0108】
自動運転制御部112は、自律走行又は運転支援等の自動運転に関する制御を行う。具体的には、例えば、自動運転制御部112は、自車の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、自車の衝突警告、又は、自車のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行う。また、例えば、自動運転制御部112は、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行う。自動運転制御部112は、検出部131、自己位置推定部132、状況分析部133、計画部134、及び、動作制御部135を備える。
【0109】
検出部131は、自動運転の制御に必要な各種の情報の検出を行う。検出部131は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、車両状態検出部143、及び、エリア情報検出部144を備える。
【0110】
車外情報検出部141は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の外部の情報の検出処理を行う。例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の物体の検出処理、認識処理、及び、追跡処理、並びに、物体までの距離の検出処理を行う。検出対象となる物体には、例えば、車両、人、障害物、構造物、道路、信号機、交通標識、道路標示等が含まれる。また、例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の環境の検出処理を行う。検出対象となる周囲の環境には、例えば、天候、気温、湿度、明るさ、及び、路面の状態等が含まれる。車外情報検出部141は、検出処理の結果を示すデータを自己位置推定部132、状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153、並びに、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0111】
車内情報検出部142は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、車内の情報の検出処理を行う。例えば、車内情報検出部142は、運転者の認証処理及び認識処理、運転者の状態の検出処理、搭乗者の検出処理、及び、車内の環境の検出処理等を行う。検出対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線方向等が含まれる。検出対象となる車内の環境には、例えば、気温、湿度、明るさ、臭い等が含まれる。車内情報検出部142は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0112】
車両状態検出部143は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の状態の検出処理を行う。検出対象となる自車の状態には、例えば、速度、加速度、舵角、異常の有無及び内容、運転操作の状態、パワーシートの位置及び傾き、ドアロックの状態、並びに、その他の車載機器の状態等が含まれる。車両状態検出部143は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0113】
エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、無線基地局52を介して中央制御部51より送信されてくるインジケータ情報およびエリア情報を受信する。
【0114】
エリア情報検出部144は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報を受信し、状況認識部153に出力する。
【0115】
自己位置推定部132は、車外情報検出部141、及び、状況分析部133の状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の位置及び姿勢等の推定処理を行う。また、自己位置推定部132は、必要に応じて、自己位置の推定に用いるローカルマップ(以下、自己位置推定用マップと称する)を生成する。自己位置推定用マップは、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いた高精度なマップとされる。自己位置推定部132は、推定処理の結果を示すデータを状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153等に供給する。また、自己位置推定部132は、自己位置推定用マップを記憶部111に記憶させる。
【0116】
状況分析部133は、自車及び周囲の状況の分析処理を行う。状況分析部133は、マップ解析部151、交通ルール認識部152、状況認識部153、及び、状況予測部154を備える。
【0117】
マップ解析部151は、自己位置推定部132及び車外情報検出部141等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号を必要に応じて用いながら、記憶部111に記憶されている各種のマップの解析処理を行い、自動運転の処理に必要な情報を含むマップを構築する。マップ解析部151は、構築したマップを、交通ルール認識部152、状況認識部153、状況予測部154、並びに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0118】
交通ルール認識部152は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の周囲の交通ルールの認識処理を行う。この認識処理により、例えば、自車の周囲の信号の位置及び状態、自車の周囲の交通規制の内容、並びに、走行可能な車線等が認識される。交通ルール認識部152は、認識処理の結果を示すデータを状況予測部154等に供給する。
【0119】
状況認識部153は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、車内情報検出部142、車両状態検出部143、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の認識処理を行う。例えば、状況認識部153は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、自車の運転者の状況等の認識処理を行う。また、状況認識部153は、必要に応じて、自車の周囲の状況の認識に用いるローカルマップ(以下、状況認識用マップと称する)を生成する。状況認識用マップは、例えば、占有格子地図(Occupancy Grid Map)とされる。
【0120】
認識対象となる自車の状況には、例えば、自車の位置、姿勢、動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、並びに、異常の有無及び内容等が含まれる。認識対象となる自車の周囲の状況には、例えば、周囲の静止物体の種類及び位置、周囲の動物体の種類、位置及び動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、周囲の道路の構成及び路面の状態、並びに、周囲の天候、気温、湿度、及び、明るさ等が含まれる。認識対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線の動き、並びに、運転操作等が含まれる。
【0121】
状況認識部153は、認識処理の結果を示すデータ(必要に応じて、状況認識用マップを含む)を自己位置推定部132及び状況予測部154等に供給する。また、状況認識部153は、状況認識用マップを記憶部111に記憶させる。
【0122】
状況認識部153は、エリア情報検出部144より供給される、自らの車両53のセンサカテゴリに対応するエリア情報を状況予測部154に出力する。
【0123】
状況予測部154は、マップ解析部151、交通ルール認識部152及び状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の予測処理を行う。例えば、状況予測部154は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、運転者の状況等の予測処理を行う。
【0124】
予測対象となる自車の状況には、例えば、自車の挙動、異常の発生、及び、走行可能距離等が含まれる。予測対象となる自車の周囲の状況には、例えば、自車の周囲の動物体の挙動、信号の状態の変化、及び、天候等の環境の変化等が含まれる。予測対象となる運転者の状況には、例えば、運転者の挙動及び体調等が含まれる。
【0125】
状況予測部154は、予測処理の結果を示すデータを、交通ルール認識部152及び状況認識部153からのデータとともに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0126】
予測処理の結果には、状況認識部153を介して、エリア情報検出部144より供給されたエリア情報が含まれる。
【0127】
ルート計画部161は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、目的地までのルートを計画する。例えば、ルート計画部161は、グローバルマップに基づいて、現在位置から指定された目的地までのルートを設定する。また、例えば、ルート計画部161は、渋滞、事故、通行規制、工事等の状況、及び、運転者の体調等に基づいて、適宜ルートを変更する。ルート計画部161は、計画したルートを示すデータを行動計画部162等に供給する。
【0128】
ルート計画部161は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、エリア情報検出部144より供給されるエリア情報を取得する。ルート計画部161は、エリア情報に基づいて、既に計画されていたルート上に通行が不能なエリアが存在する場合、通行が不能なエリアを回避して、通行が可能なエリアによりルートを再計画する。
【0129】
また、エリア情報は、リアルタイムに生成されるので、直前のタイミングにおいては、所定のエリア情報では、例えば、荒天により自車のセンサカテゴリでは通行不能であったエリアが、天候が改善し、次のタイミングにおけるエリア情報では通行可能となることがある。
【0130】
そこで、このようにエリア情報が変化して通行が可能になったときには、ルート計画部161は、通行が可能となった、直前のタイミングにおいてはルートを計画するにあたって回避していたエリアを含めた状態でルートを再計画する。
【0131】
行動計画部162は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、ルート計画部161により計画されたルートを計画された時間内で安全に走行するための自車の行動を計画する。例えば、行動計画部162は、発進、停止、進行方向(例えば、前進、後退、左折、右折、方向転換等)、走行車線、走行速度、及び、追い越し等の計画を行う。行動計画部162は、計画した自車の行動を示すデータを動作計画部163等に供給する。
【0132】
動作計画部163は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、行動計画部162により計画された行動を実現するための自車の動作を計画する。例えば、動作計画部163は、加速、減速、及び、走行軌道等の計画を行う。動作計画部163は、計画した自車の動作を示すデータを、動作制御部135の加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0133】
動作制御部135は、自車の動作の制御を行う。動作制御部135は、緊急事態回避部171、加減速制御部172、及び、方向制御部173を備える。
【0134】
緊急事態回避部171は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、及び、車両状態検出部143の検出結果に基づいて、衝突、接触、危険地帯への進入、運転者の異常、車両の異常等の緊急事態の検出処理を行う。緊急事態回避部171は、緊急事態の発生を検出した場合、急停車や急旋回等の緊急事態を回避するための自車の動作を計画する。緊急事態回避部171は、計画した自車の動作を示すデータを加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0135】
加減速制御部172は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための加減速制御を行う。例えば、加減速制御部172は、計画された加速、減速、又は、急停車を実現するための駆動力発生装置又は制動装置の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0136】
方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための方向制御を行う。例えば、方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された走行軌道又は急旋回を実現するためのステアリング機構の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0137】
<センサカテゴリ>
センサカテゴリは、車両53のデータ取得部102に設けられたカメラやセンサ類の性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて設定され、車両53を、そのセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせにより分類する情報である。
【0138】
より詳細には、センサカテゴリ情報は、例えば、図5で示されるように、センサカテゴリ番号と対応センサ(群)とから設定される情報である。
【0139】
図5においては、左側にセンサカテゴリ番号が記載されており、右側に対応する対応センサ群の情報が記載されている。
【0140】
例えば、図5の最上段においては、センサカテゴリ番号1のセンサカテゴリに対応するセンサ群が、360度LiDAR、全方向レーダ、および前方・後方カメラであることが示されている。すなわち、360度LiDAR、全方向レーダ、および前方・後方カメラからなるセンサ群を備えた車両53が、センサカテゴリ番号1で示されるセンサカテゴリに分類されることが示されている。
【0141】
また、例えば、図5の上から2段目においては、センサカテゴリ番号2のセンサカテゴリに対応するセンサ群が、全方向レーダ、および前方・後方カメラであることが示されている。すなわち、全方向レーダ、および前方・後方カメラからなるセンサ群を備えた車両53が、センサカテゴリ番号2で示されるセンサカテゴリに分類されることが示されている。
【0142】
さらに、例えば、図5の上から3段目においては、センサカテゴリ番号3のセンサカテゴリに対応するセンサ群が、前方カメラ、前方レーダ、および短距離レーダであることが示されている。すなわち、前方カメラ、前方レーダ、および短距離レーダからなるセンサ群を備えた車両53が、センサカテゴリ番号3で示されるセンサカテゴリに分類されることが示されている。
【0143】
このようにセンサカテゴリは、車両53に設けられたセンサ群の機能、性能、および種類、並びに、それらの組み合わせに応じて設定されるものであるが、車両53に備えられたセンシング能力を分類することができればよいので、設けられたセンサの詳細な分類でなくてもよい。
【0144】
例えば、夜間や荒天時など、可視光カメラなどの画像を用いたセンサでは検出し難い物体認識ができるセンサ類が装備されていれば、センサの種類によらず、1つのカテゴリとするようにしてもよいし、前方の物体検出ができるセンサと、後方の物体検出ができるセンサの両方が設けられているセンサカテゴリと、前方のみ、または、後方のみの物体検出ができるセンサカテゴリをそれぞれ設定するようにしてもよい。
【0145】
また、センサカテゴリは、階層化して設定するようにしてもよく、例えば、センサの種別とは無関係に目的毎に上位センサカテゴリを設定した上で、各上位センサカテゴリに分類される車両に備えられる個別のセンサ毎に下位センサカテゴリを設定するようにしてもよい。
【0146】
例えば、夜間における物体検出を行うセンサを備えるカテゴリを上位センサカテゴリとして設定し、具体的なセンサの種別に応じて、赤外線カメラを備えた車両53を第1の下位センサカテゴリに設定し、レーダを備えた車両53を第2の下位センサカテゴリに設定し、赤外線カメラとレーダの両方を備えた車両53を第3の下位センサカテゴリに設定するようにしてもよい。
【0147】
<インジケータ情報およびエリア情報>
次に、図6を参照して、インジケータ情報およびエリア情報の詳細について説明する。
【0148】
インジケータ情報は、個々のエリア情報を取得するために必要な情報であり、所定のタイミングで、所定の送信周波数で送信される情報である。
【0149】
図6で示されるようにインジケータ情報201は、エリア情報毎に情報を配信する無線基地局52の位置情報、エリア情報を送信する送信時刻、エリア情報を送信する送信周波数を示す情報からなる。
【0150】
より詳細には、図6のインジケータ情報201においては、「エリア情報1(P1,T1,B1)」と表記されており、エリア情報1で特定されるエリア情報が、位置情報P1で指定される無線基地局52より、送信時刻T1で指定される送信時刻において、送信周波数B1で示される送信周波数で送信されることが示されている。
【0151】
エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、インジケータ情報を取得すると、位置情報P1で指定される無線基地局52から、送信時刻T1で指定される時刻において、送信周波数B1で指定される送信周波数でエリア情報を受信する。
【0152】
受信されるエリア情報は、例えば、図6におけるエリア情報211で示されるような情報であり、エリア情報を識別する情報、およびエリア番号毎に通行が可能(許可)であるセンサカテゴリ番号リスト、または、通行が不能(不許可)であるセンサカテゴリ番号リストの情報を含む。
【0153】
ここで、エリア番号とは、地図情報から抽出される街路区域に対して予め割り振られた番号、または、緯度情報および経度情報によって構成される地図上の区域を特定する番号である。
【0154】
図6においては、最上段における「エリア情報1」は、この情報がエリア情報1で分類されるエリア情報であることを表している。
【0155】
また、「エリア番号1:(許可)」は、以下のセンサカテゴリ番号リストが、エリア番号1で分類されるエリアの道路においては通行が可能であり、通行が許可されることを示す属性が付与されたセンサカテゴリ番号からなるリストであることが表されている。
【0156】
さらに、「エリア番号2:(不許可)」は、以下のセンサカテゴリリストが、エリア番号2で分類されるエリアの道路においては通行が不能であり、通行が不許可とされることを示す属性が付与されたセンサカテゴリ番号からなるリストであることが表されている。
【0157】
ルート計画部161は、エリア情報検出部144により受信され、状況認識部153、および状況予測部154を介して供給されたエリア情報を取得すると、エリア情報に含まれるセンサカテゴリ番号リストから、自車のセンサカテゴリに対応するセンサカテゴリ番号を検索し、計画されているルート上のエリアでの通行が可能であるか否かを判定する。
【0158】
そして、ルート計画部161は、現状の位置から目的地までの最短ルートを計画し、既に計画されているルートと比較する。
【0159】
ここで、最短ルートと、既に計画されたルートとが一致する場合、ルート計画部161は、既に計画されているルート上において通行が不可(不許可)とされるエリアがあるか否かを判定する。
【0160】
ここで、通行が不可とされるエリアがあるときには、ルート計画部161は、通行が不可とされているエリアを回避するルートを再計画する。
【0161】
また、現状の位置から目的地までの最短ルートと、既に計画されているルートとが一致しない場合、過去に通行が不可とされているエリアを回避するようにルートが計画されている可能性がある。
【0162】
そこで、このような場合には、ルート計画部161は、計画された最短ルートにおいて、通行不可となるエリアがあるか否かを再度確認し、通行不可となるエリアが存在しないときには、最短ルートに、計画ルートを変更する。
【0163】
すなわち、過去のタイミングにおいては、最短ルート上に存在した通行が不可とされていたエリアが環境の変化により通行可能になることがあるので、このような場合には、ルート計画部161は、過去において回避していたエリアを含めてルートを再計画する。
【0164】
以上のような処理により、危機的な状況を回避しつつ、適切なルートを計画することが可能となる。
【0165】
<自動運転管理処理>
次に、図7のフローチャートを参照して、図2の交通制御システム41による自動運転管理処理について説明する。
【0166】
ステップS11において、中央制御部51の制御部71におけるエリア情報管理部92は、エリア情報を生成する。
【0167】
より詳細には、エリア情報管理部92は、エリア毎の道路の道幅や路面状況等の道路情報、天候情報、および交通情報、並びに、現在時刻における明るさなどの環境情報に基づいて、センサカテゴリ情報管理部91により管理されるセンサカテゴリのそれぞれについて、通行が可能であることを示す許可の属性に相当するか、または、通行が不能であることを示す不許可の属性に相当するかを判定する。
【0168】
そして、エリア情報管理部92は、それぞれの結果に基づいて、エリア毎に、エリア番号に対応付けて、許可、または、不許可の属性に相当するセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストを生成し、図6を参照して説明したエリア情報を生成し、記憶部74に格納する。
【0169】
ステップS12において、インジケータ情報管理部93は、エリア情報毎に、エリア情報を配信する無線基地局52の位置情報、エリア情報を送信するタイミングを示す時刻情報、およびエリア情報を送信する送信周波数の情報からなるインジケータ情報を生成し、記憶部74に格納する。
【0170】
ステップS13において、制御部71は、記憶部74に格納されているエリア情報、およびインジケータ情報を読み出して、通信部75を制御して、無線基地局52に送信する。
【0171】
ステップS14において、制御部71は、処理の終了が指示されているか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS11に戻る。
【0172】
一方、ステップS31,S51において、車両53のエリア情報検出部144は、セルサーチにより無線基地局52を検索した上で、車両53と無線基地局52との間でダウンリンクを確立する。
【0173】
すなわち、ダウンリンクが確立することにより、無線基地局52から車両53に対してのデータの送信が可能となる。
【0174】
ステップS32において、無線基地局52は、中央制御部51から送信されてくるインジケータ情報とエリア情報とを受信する。
【0175】
ステップS33において、無線基地局52は、インジケータ情報を、全ての車両53のエリア情報検出部144において既知とされる送信時刻で、かつ、既知とされる送信周波数で送信する。
【0176】
ステップS52において、車両53のエリア情報検出部144は、通信部103を制御して、既知とされる送信時刻で、かつ、既知とされる送信周波数で送信されてくるインジケータ情報を受信する。尚、ステップS52において、インジケータ情報が受信できない場合については、交通制御システム41によるサービスの提供が受けられないので、処理は終了することになる。
【0177】
ステップS34において、無線基地局52は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報1を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で送信する。
【0178】
これに応じて、ステップS53において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報1を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で受信する。
【0179】
また、エリア情報検出部144は、受信したエリア情報1を状況認識部153に出力する。さらに、状況認識部153は、エリア情報1を取得すると、状況予測部154に出力する。そして、状況予測部154は、エリア情報1を取得すると、計画部134のルート計画部161に出力する。ルート計画部161は、供給されたエリア情報1を取得して記憶する。
【0180】
すなわち、エリア情報検出部144により受信されたエリア情報1は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0181】
ステップS35において、無線基地局52は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報2を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で送信する。
【0182】
これに応じて、ステップS54において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報2を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で受信する。
【0183】
すなわち、エリア情報検出部144により受信されたエリア情報2は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0184】
以降において、ステップS34,S53の処理、およびステップS35,S54の処理と同様の処理が、エリア情報を構成するエリア情報1乃至nのnに相当する数だけ繰り返される。
【0185】
図7においては、ステップS36,S55において、n個目のエリア情報nが無線基地局52から送信されて、エリア情報検出部144により受信されて、ルート計画部161に供給されて記憶されるものとする。
【0186】
ステップS37において、無線基地局52は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS31に戻る。
【0187】
すなわち、中央制御部51、および無線基地局52では、処理の終了が指示されるまで、中央制御部51において、所定の時間間隔で、エリア情報とインジケータ情報とが繰り返し生成されて、無線基地局52を介して車両53に配信され続ける。
【0188】
また、ここまでの処理により、ルート計画部161においては、エリア情報1乃至nのエリア情報が取得されて記憶されているものとする。
【0189】
ステップS56において、ルート計画部161は、記憶されているエリア情報1乃至nからなるエリア情報に基づいて、現状で計画されているルートを再計画する必要があるか否かを判定する。
【0190】
すなわち、例えば、上述したように、エリア情報に基づいて、現状において目的地までのルートとして計画されているルート上に通行が不可とされているエリアが含まれている場合には、ルートを再計画する必要があると判定される。
【0191】
または、例えば、エリア情報に基づいて、現在位置から目的地までの計画されているルートが、現在位置から目的地までの最短のルートではない場合であって、現在位置からの最短ルート上には、通行が不可とされているエリアが含まれていないときには、ルートを最短ルートに戻すように変更する必要があるため、やはり再計画が必要であると判定される。
【0192】
ステップS56において、ルートの再計画が必要であると判定された場合、処理は、ステップS57に進む。
【0193】
ステップS57において、ルート計画部161は、エリア情報に基づいて、現在位置から目的地までのルートを再計画して、行動計画部162に出力する。すなわち、この処理により、受信されるエリア情報に応じて、ルートが再計画されることになる。
【0194】
尚、ステップS56において、ルートの再計画が不要であると判定された場合、ステップS57の処理はスキップされることになる。
【0195】
ステップS58において、エリア情報検出部144は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されない場合、処理は、ステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0196】
そして、ステップS14,S37,S58において、処理の終了が指示されたと判定された場合、処理は、終了する。
【0197】
すなわち、以上の処理により、中央制御部51において、所定の時間間隔で、エリア情報とインジケータ情報とが繰り返し生成されて、無線基地局52を介して車両53に配信され続ける。
【0198】
そして、車両53のエリア情報検出部144においては、所定時間間隔でエリア情報が受信されて、ルート計画部161に供給される。
【0199】
ルート計画部161においては、リアルタイムで変化する状況に応じてエリア情報が受信され、自車で備えるセンサに応じたセンサカテゴリに応じて、エリア毎に通行が可能であるか否かが判定されて、判定結果に応じて、ルートが再計画されることになる。
【0200】
これにより、リアルタイムで変化する状況に応じて生成されるエリア情報に基づいて、エリア毎に自動運転において通行が可能であるか否かを適切に判断しながら、必要に応じてルートを再計画して走行することが可能となる。
【0201】
結果として、自車で備えるセンサでは十分に危険を回避できない状況や、自動運転が継続できない状況などの、自動運転における危機的な状況を回避しつつ、最適なルートでの自動運転が可能となる。
【0202】
<エリア情報とインジケータ情報の変形例1>
以上においては、エリア情報には、エリア番号に対応付けて、対応するエリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リスト、または、対応するエリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストの両方を含む例について説明してきた。
【0203】
しかしながら、エリア情報は、車両53において、エリア番号に対応するエリア内の道路の通行について、自車のセンサカテゴリで許可、または不許可のいずれの属性とされているのかを認識することができればよいので、許可、または不許可に属するセンサカテゴリ毎に、対応するエリアを特定するエリア番号リストが付与されるようにしてもよい。
【0204】
すなわち、エリア情報は、例えば、図8のエリア情報211’で示されるように、該当するエリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号1に対応するエリア番号リスト、および、該当するエリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号2に対応するエリア番号リストから構成されるようにしてもよい。
【0205】
図8のエリア情報211’であっても、ルート計画部161は、自車のセンサカテゴリ番号に対応するエリア番号リストを読み出して、計画しているルート上のエリアに対応するエリア番号の有無により、該当するエリアの道路の通行が可能であるか否かを判定し、判定結果に基づいて、ルートを再計画の要否を判定する。
【0206】
尚、図8におけるインジケータ情報201’は、図6におけるインジケータ情報201と同様である。
【0207】
<エリア情報とインジケータ情報の変形例2>
以上のエリア情報においては、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号リストと、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号リストの両方が含まれる例について説明してきた。
【0208】
しかしながら、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報と、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報とを生成し、異なるエリア情報として、異なる送信時刻で、かつ、異なる送信周波数で送信されるようにしてもよい。
【0209】
すなわち、図9のインジケータ情報201’’における「エリア情報1(許可)(P11,T11,B11)」で示されるように、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報1が設定されるようにする。
【0210】
また、「エリア情報2(不許可)(P12,T12,B12)」で示されるように、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報が設定されるようにする。
【0211】
ここで、エリア情報1,2は、「(P11,T11,B11)」および「(P12,T12,B12)」で示されるように、それぞれ異なる位置(P11,P12)の無線基地局52から、異なる送信時刻(T11,T12)において、異なる送信周波数(B11,B12)で送信されることが示されている。
【0212】
尚、図9においては、無線基地局52の位置、送信時刻、および送信周波数が全て異なる例について示されているが、このうちの少なくともいずれかが異なっていればよい。
【0213】
そして、エリア情報1,2は、それぞれエリア情報211’’-1,211’’-2で示されるように、異なるエリア情報として送信される。
【0214】
このように、許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報と、不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報とが、それぞれ異なるエリア情報として設定されるようにしてもよい。
【0215】
<エリア情報とインジケータ情報の変形例3>
以上のエリア情報においては、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報と、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号からなるセンサカテゴリ番号リストのみからなるエリア情報とを生成し、異なる送信時刻で、かつ、異なる送信周波数で送信される例について説明してきた。
【0216】
しかしながら、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報と、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報とを生成し、異なる送信時刻で、かつ、異なる送信周波数で送信されるようにしてもよい。
【0217】
すなわち、図10のインジケータ情報201’’’における「エリア情報1(許可)(P11,T11,B11)」で示されるように、エリア内の道路の通行が可能であることを示す許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報1が設定されるようにする。
【0218】
また、「エリア情報2(不許可)(P12,T12,B12)」で示されるように、エリア内の道路の通行が不能であることを示す不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報が設定されるようにする。
【0219】
そして、エリア情報1,2は、それぞれエリア情報211’’’-1,211’’’-2で示されるように、異なるエリア情報として送信される。
【0220】
このように、許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報と、不許可の属性に分類されるセンサカテゴリ番号毎のエリア番号からなるエリア番号リストのみからなるエリア情報とが、それぞれ異なるエリア情報として設定されるようにしてもよい。
【0221】
<<3.自動運転管理処理の応用例1>>
以上においては、中央制御部51より無線基地局52に対してインジケータ情報とエリア情報を送信し、無線基地局52がエリア情報をインジケータ情報で指定する送信時刻と送信周波数で車両53に送信するようにする例について説明してきた。
【0222】
しかしながら、中央制御部51より無線基地局52に対してインジケータ情報を送信し、インジケータ情報のみを車両53に送信し、以降においては、車両53と中央制御部51とが無線基地局52を介したアップリンクを確立させて、中央制御部51が、エリア情報を車両53に直接送信するようにしてもよい。
【0223】
ここで、図11のフローチャートを参照して、中央制御部51より無線基地局52に対してインジケータ情報を送信し、インジケータ情報のみを車両53に送信し、以降においては、車両53と中央制御部51とが無線基地局52を介したアップリンクを確立させて、中央制御部51が、エリア情報を車両53に直接送信するようにした自動運転管理処理の応用例1について説明する。
【0224】
ステップS91において、中央制御部51の制御部71におけるエリア情報管理部92は、エリア情報を生成する。
【0225】
ステップS92において、インジケータ情報管理部93は、エリア情報毎に、エリア情報を配信する無線基地局52の位置情報、エリア情報を送信するタイミングを示す時刻情報、およびエリア情報を送信する送信周波数の情報からなるインジケータ情報を生成し、記憶部74に格納する。
【0226】
ステップS93において、制御部71は、記憶部74に格納されているインジケータ情報を読み出して、通信部75を制御して、無線基地局52に送信する。
【0227】
ステップS111,S131において、車両53のエリア情報検出部144は、セルサーチにより無線基地局52を検索した上で、車両53と無線基地局52との間でダウンリンクを確立する。
【0228】
ステップS112において、無線基地局52は、中央制御部51から送信されてくるインジケータ情報を受信する。
【0229】
ステップS113において、無線基地局52は、インジケータ情報を、全ての車両53のエリア情報検出部144において既知とされる送信時刻で、かつ、既知とされる送信周波数で送信する。
【0230】
ステップS132において、車両53のエリア情報検出部144は、通信部103を制御して、既知とされる送信時刻で、かつ、既知とされる送信周波数で送信されてくるインジケータ情報を受信する。
【0231】
ステップS94,S114,S133において、中央制御部51における制御部71、無線基地局52、およびエリア情報検出部144は、中央制御部51と車両53との通信における、無線基地局52を介したアップリンクを確立させる。
【0232】
尚、以降においては、図11におけるフローチャートの表記を含めて、無線基地局52の処理の記載を省略するものとするが、中央制御部51と車両53とが直接、アップリンクによる通信がなされており、無線基地局52はアップリンクを確立した状態で、中央制御部51と車両53との通信を中継している。
【0233】
ステップS134において、エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、中央制御部51に対してエリア情報の送信を要求する。
【0234】
ステップS95において、中央制御部51の制御部71におけるエリア情報管理部92は、車両53からのエリア情報の送信要求に対する応答としてエリア情報の送信を許可する旨を通知する。
【0235】
ステップS135において、エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、中央制御部51より送信されてくるエリア情報の送信を許可する旨の通知を受信する。尚、エリア情報の送信を許可する旨の通知が受信されない場合、処理は、終了する。
【0236】
ステップS96において、エリア情報管理部92は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報1を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で送信する。尚、エリア情報管理部92が、無線基地局52を制御して、規定された送信周波数を調整する。
【0237】
これに応じて、ステップS136において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報1を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で受信する。
【0238】
そして、エリア情報検出部144により受信されたエリア情報1は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0239】
ステップS97において、エリア情報管理部92は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報2を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で送信する。
【0240】
これに応じて、ステップS137において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、エリア情報2を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で受信する。
【0241】
すなわち、エリア情報検出部144により受信されたエリア情報2は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0242】
以降において、ステップS96,S136の処理、およびステップS97,S137の処理と同様の処理が、エリア情報1乃至nのnに相当する数だけ繰り返される。
【0243】
図11においては、ステップS98,S138において、n個目のエリア情報nが無線基地局52から送信されて、エリア情報検出部144により受信されて、ルート計画部161に供給されて記憶されるものとする。
【0244】
ステップS115において、無線基地局52は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS111に戻る。
【0245】
すなわち、中央制御部51、および無線基地局52では、処理の終了が指示されるまで、中央制御部51において、所定の時間間隔で、エリア情報とインジケータ情報とが繰り返し生成されて、無線基地局52を介して車両53に配信され続ける。
【0246】
また、ここまでの処理により、ルート計画部161においては、エリア情報1乃至nのエリア情報が取得されて記憶されているものとする。
【0247】
ステップS139において、ルート計画部161は、記憶されているエリア情報1乃至nからなるエリア情報に基づいて、現状で計画されているルートを再計画する必要があるか否かを判定する。
【0248】
すなわち、例えば、上述したように、エリア情報に基づいて、現状において目的地までのルートとして計画されているルート上に通行が不可とされているエリアが含まれている場合には、ルートの再計画が必要であると判定される。
【0249】
または、例えば、エリア情報に基づいて、現在位置から目的地までの計画されているルートが、現在位置から目的地までの最短のルートではない場合であって、現在位置からの最短ルート上には、通行が不可とされているエリアが含まれていないときには、ルートを最短ルートに戻すように変更する必要があり、再計画が必要であると判定される。
【0250】
ステップS139において、ルートに再計画が必要であると判定された場合、処理は、ステップS140に進む。
【0251】
ステップS140において、ルート計画部161は、エリア情報に基づいて、現在位置から目的地までのルートを再計画して、行動計画部162に出力する。すなわち、この処理により、受信されるエリア情報に応じて、ルートが再計画されることになる。
【0252】
尚、ステップS139において、ルートの再計画が不要であると判定された場合、ステップS140の処理はスキップされることになる。
【0253】
ステップS141において、エリア情報検出部144は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されない場合、処理は、ステップS131に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0254】
以上のように、無線基地局52に代えて、中央制御部51が、車両53とのアップリンクを確立した後、直接エリア情報を配信するようにしてもよい。
【0255】
<<4.自動運転管理処理の応用例2>>
以上においては、全てのエリア情報を車両53に配信する例について説明してきたが、車両53より現在の位置情報やこれから走行することが予定されている、現状の計画ルートの情報を送信し、現在の位置情報の付近のエリアや、これから走行することが予定されている、現状の計画ルート上のエリアのエリア情報が送信されるようにしてもよい。
【0256】
ここで、図12のフローチャートを参照して、車両53より現在の位置情報や現状の計画ルートの情報を送信し、現在の位置情報や現状の計画ルートの情報の付近のエリア情報を送信するようにした自動運転管理処理の応用例2について説明する。
【0257】
尚、図12のフローチャートにおけるステップS151乃至S154,S157、ステップS171乃至S175、およびステップS191乃至S194,S198乃至S200の処理については、図11のフローチャートにおけるステップS91乃至S94,S99、ステップS111乃至S115、およびステップS131乃至S134,S139乃至S141の処理と同様であるので、適宜省略する。
【0258】
すなわち、ステップS194において、中央制御部51に対してエリア情報の送信が要求された後、ステップS195において、エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、中央制御部51に対して現在の位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報を送信する。
【0259】
ステップS155において、中央制御部51の制御部71におけるエリア情報管理部92は、車両53からのエリア情報の送信要求に対する応答としてエリア情報の送信を許可する旨を通知する。
【0260】
ステップS196において、エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、中央制御部51より送信されてくるエリア情報の送信を許可する旨の通知を受信する。
【0261】
ステップS156において、エリア情報管理部92は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、車両53より送信されてきた位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリアのエリア情報を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で送信する。
【0262】
ステップS197において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、自らの位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリアのエリア情報を、インジケータ情報で指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報で指定された送信周波数で受信する。
【0263】
そして、エリア情報検出部144により受信された自らの位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリアのエリア情報は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0264】
すなわち、中央制御部51、および無線基地局52では、処理の終了が指示されるまで、中央制御部51において、所定の時間間隔で、車両53の位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリアのエリア情報が繰り返し生成されて、無線基地局52を介して車両53に配信され続ける。
【0265】
また、ここまでの処理により、ルート計画部161においては、今現在の位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリアのエリア情報が取得されて記憶される。
【0266】
ステップS198において、ルート計画部161は、記憶されている現在の位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリア情報に基づいて、現状で計画されているルートに再計画が必要であるか否かを判定する。
【0267】
以上の処理により、車両53は、自らの位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの情報に対応するエリア情報を取得して、現状で計画されているルートに変更が必要であるか否かを判定して、必要に応じてルートが再計画されることになる。
【0268】
結果として、中央制御部51との必要最小限のエリア情報の通信をするだけで、危機的な状況を回避しつつ、適切なルートによる自動運転を実現することが可能となる。
【0269】
<<5.自動運転管理処理の応用例3>>
以上においては、車両53より現在の位置情報を送信し、現在の位置情報や現状で計画されている、これから走行することが予想されるルートの付近のエリア情報を送信するようにする例について説明してきたが、車両53より自らのセンサカテゴリ番号を送信し、センサカテゴリに対応するエリア情報を送信するようにしてもよい。
【0270】
ここで、図13のフローチャートを参照して、車両53より自車のセンサカテゴリを送信し、自車のセンサカテゴリに対応するエリア情報を送信するようにした自動運転管理処理の応用例3について説明する。
【0271】
尚、図13のフローチャートにおけるステップS221乃至S224,S228、ステップS241乃至S245、およびステップS261乃至S264,S268乃至S270の処理については、図12のフローチャートにおけるステップS151乃至S154,S157、ステップS171乃至S175、およびステップS191乃至S194,S198乃至S200の処理と同様であるので、適宜省略する。
【0272】
すなわち、ステップS264において、中央制御部51に対してエリア情報の送信が要求された後、ステップS225において、中央制御部51の制御部71におけるエリア情報管理部92は、車両53からのエリア情報の送信要求に対する応答としてエリア情報の送信を許可する旨を通知する。
【0273】
ステップS265において、エリア情報検出部144は、通信部103を制御して、中央制御部51より送信されてくるエリア情報の送信を許可する旨の通知を受信する。
【0274】
ステップS226において、エリア情報管理部92は、車両53に対して、センサカテゴリ番号の情報を要求する。
【0275】
ステップS266において、車両53のエリア情報検出部144は、自車のセンサカテゴリを示すセンサカテゴリ番号を中央制御部51に送信する。
【0276】
ステップS227において、エリア情報管理部92は、インジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、車両53より送信されてきたセンサカテゴリ番号に対応するエリア情報を、インジケータ情報に指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報に指定された送信周波数で送信する。
【0277】
ステップS267において、車両53のエリア情報検出部144は、受信したインジケータ情報に基づいて、エリア情報に含まれる情報のうち、自らのセンサカテゴリ番号に対応するエリア情報を、インジケータ情報に指定された送信時刻で、かつ、インジケータ情報に指定された送信周波数で受信する。
【0278】
そして、エリア情報検出部144により受信された自らの位置情報に対応するエリアのエリア情報は、状況認識部153、および状況予測部154を介して、ルート計画部161に供給されて記憶される。
【0279】
ここまでの処理により、ルート計画部161においては、自車のセンサカテゴリ番号に対応するエリア情報が取得されて記憶される。
【0280】
ステップS268において、ルート計画部161は、記憶されている自車のセンサカテゴリ番号に対応するエリア情報に基づいて、現状で計画されているルートの再計画が必要であるか否かを判定する。
【0281】
以上の処理により、車両53は、自車のセンサカテゴリ番号に対応するエリア情報のみを取得して、現状で計画されているルートの再計画が必要であるか否かを判定して、必要に応じてルートが再計画されることになる。
【0282】
結果として、中央制御部51とのエリア情報の通信を自らのセンサカテゴリ番号に対応するものだけにした上で、危機的な状況を回避しつつ、適切なルートによる自動運転を実現することが可能となる。
【0283】
<<6.ソフトウェアにより実行させる例>>
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0284】
図14は、汎用のコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0285】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0286】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011ら読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0287】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0288】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0289】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0290】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0291】
尚、図14におけるCPU1001が、図4におけるエリア情報検出部144の機能を実現させる。また、図14における記憶部1008が、図3における記憶部111を実現する。
【0292】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0293】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0294】
例えば、本開示は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0295】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0296】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0297】
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
【0298】
<1> 車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて設定される走行可否情報を取得する取得部と、
自車の前記センサカテゴリと、前記走行可否情報とに基づいて、目的地までのルートが最適であるか否か判定する判定部と
を備える情報処理装置。
<2> 前記走行可否情報は、前記エリア毎の道路情報、天候情報、および交通情報、並びに環境情報と、前記センサカテゴリとに基づいて設定される
<1>に記載の情報処理装置。
<3> 前記走行可否情報は、
前記エリア毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである許可センサカテゴリ番号リストと、
前記エリア毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである不許可センサカテゴリ番号リストとを含む
<1>に記載の情報処理装置。
<4> 前記走行可否情報は、
前記センサカテゴリ毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである許可エリア番号リストと、
前記センサカテゴリ毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである不許可エリア番号リストとを含む
<1>に記載の情報処理装置。
<5> 前記走行可否情報は、
前記エリア毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである許可センサカテゴリ番号リストからなる第1の走行可否情報と、
前記エリア毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記センサカテゴリを特定するセンサカテゴリ番号のリストである不許可センサカテゴリ番号リストからなる第2の走行可否情報とからなる
<1>に記載の情報処理装置。
<6> 前記走行可否情報は、
前記センサカテゴリ毎に、走行の許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである許可エリア番号リストからなる第1の走行可否情報と、
前記センサカテゴリ毎に、走行の不許可を示す属性が付与される前記エリアを特定するエリア番号のリストである不許可エリア番号リストからなる第2の走行可否情報とからなる
<1>に記載の情報処理装置。
<7> 前記取得部は、前記走行可否情報を取得するための取得情報をさらに取得し、前記取得情報に基づいて、前記走行可否情報を取得する
<1>乃至<6>のいずれかに記載の情報処理装置。
<8> 前記取得情報は、前記走行可否情報が送信される送信時刻、および前記走行可否情報が送信される送信周波数の情報を含み、
前記取得部は、前記取得情報に基づいた、前記走行可否情報が送信される送信時刻で、かつ、前記走行可否情報が送信される送信周波数で、前記走行可否情報を取得する
<7>に記載の情報処理装置。
<9> 前記判定部は、現状の前記目的地までのルートが最適ではないと判定した場合、前記走行可否情報に基づいて、前記目的地までのルートを再計画する
<1>乃至<8>のいずれかに記載の情報処理装置。
<10> 前記判定部は、前記走行可否情報に基づいて、走行が不許可のエリアの経路を回避して、走行が許可されたエリアの経路により、前記目的地までのルートを再計画する
<9>に記載の情報処理装置。
<11> 前記判定部は、前記走行可否情報に基づいて、前記目的地までのルートとして、最短ルート、燃費が最もよいルート、および最も安全なルートの少なくともいずれかを再計画する
<9>に記載の情報処理装置。
<12> 自車の現在位置、および現状の前記目的地までのルートの少なくともいずれかの情報を送信する送信部をさらに含み、
前記取得部は、前記車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリ毎の、エリア毎の経路の走行可否情報のうち、自車の現在位置、および現状の前記目的地までのルートの少なくともいずれかに対応する前記走行可否情報を取得する
<1>乃至<11>のいずれかに記載の情報処理装置。
<13> 自車のセンサカテゴリを特定する情報を送信する送信部をさらに含み、
前記取得部は、前記自車のセンサカテゴリに対応する、前記走行可否情報を取得する
<1>乃至<11>のいずれかに記載の情報処理装置。
<14> 前記センサカテゴリは、前記車両に搭載されたセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて設定される
<1>乃至<13>のいずれかに記載の情報処理装置。
<15> 前記センサカテゴリは、前記車両に搭載されたセンサの性能、機能、および種類、並びに、それらの組み合わせに基づいて階層的に設定される
<14>に記載の情報処理装置。
<16> 車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて設定される走行可否情報を取得する取得処理と、
自車の前記センサカテゴリと、前記走行可否情報とに基づいて、目的地までのルートが最適であるか否か判定する判定処理と
を含む情報処理方法。
<17> 車両に搭載されたセンサに基づいて設定されるセンサカテゴリと、エリア毎の経路とに基づいて設定される走行可否情報を取得する取得部と、
自車の前記センサカテゴリと、前記走行可否情報とに基づいて、目的地までのルートが最適であるか否か判定する判定部と
してコンピュータを機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0299】
41 交通制御システム, 51 中央制御部, 52 無線基地局, 53,53-1乃至53-n 車両, 71 制御部, 91 センサカテゴリ情報管理部, 92 エリア情報管理部, 93 インジケータ情報管理部, 131 検出部, 144 エリア情報検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14