(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20240903BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240903BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/0488
G09G5/38 100
(21)【出願番号】P 2022035063
(22)【出願日】2022-03-08
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二村 亮
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034204(JP,A)
【文献】特開2011-164923(JP,A)
【文献】特開2008-158898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0052687(US,A1)
【文献】特開2005-148993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G09G 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替え
るとともに、取得された前記選択順序で配置されるように、前記2以上のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の連結順序の入れ替えの前後で、前記2以上のオブジェクトの相対位置を同じ配置にすることを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の長さを所定の長さにすることを特徴とする請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記2以上のオブジェクトの選択入力の軌跡を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、取得された前記連結順序を入れ替えた順序で配置されるように、前記2のオブジェクト、又は当該2のオブジェクト及び前記他のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の連結順序の入れ替えの前後で、前記2のオブジェクト、又は当該2のオブジェクト及び前記他のオブジェクトの相対位置を同じ配置にすることを特徴とする請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の長さを所定の長さにすることを特徴とする請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付工程と、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得工程と、を含み、
前記表示制御工程において、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替え
るとともに、取得された前記選択順序で配置されるように、前記2以上のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする表示制御方
法。
【請求項10】
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付工程と、
を含み、
前記表示制御工程において、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて前記表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替え
るとともに、取得された前記選択順序で配置されるように、前記2以上のオブジェクトの位置を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ上で、配列されて一覧表示されたサムネイル画像について、配置順(配列順)を変更する技術が知られている。
【0003】
例えば、配置順に一覧表示された複数のサムネイル画像において、利用者(ユーザ)入力に基づいて配置順を変更すべきサムネイル画像の連続範囲を決定し、決定した連続範囲内のサムネイル画像の1つずつの選択入力又は逆順にすべき範囲の先頭及び最後のサムネイル画像の選択入力に基づき、サムネイル画像の配置順を選択順又は選択範囲の逆順に変更する画像表示装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンピュータ上の表示要素であるオブジェクトとしては、サムネイル画像だけでなく、ふせん(いわゆるデジタルふせん)のように、オブジェクトとオブジェクトとが有向な連結線で連結可能なものがある。連結線で連結された複数のオブジェクトの順序を変更する(入れ替える)場合に、当該順序を変更する操作は、連結線の解除と再結合とを複数回繰り返すため煩雑になるおそれがあった。
【0006】
本発明の課題は、連結線で連結された複数のオブジェクトの順序を容易に変更することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得手段と、を備え、前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替えるとともに、取得された前記選択順序で配置されるように、前記2以上のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報処理装置は、複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連結線で連結された複数のオブジェクトの順序を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態の学習支援システムを示すブロック図である。
【
図4】第1のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【
図5】(a)は、順番の変更前の連結されたふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。(b)は、なぞり入力中のふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。(c)は、ふせんと変更された連結線とを含むノートブックを示す図である。
【
図6】第2のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【
図7】変更されたふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。
【
図8】第3のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【
図9】変更始点ふせん及び変更終点ふせんが選択されたふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。
【
図10】第4のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【
図11】第5のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【
図12】ふせん相対位置取得処理を示すフローチャートである。
【
図13】ふせん・連結線調整処理を示すフローチャートである。
【
図15】(a)は、順番の変更前の連結されたふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。(b)は、変更されたふせん及び連結線を含むノートブックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1~第5の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1~
図5を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、
図1~
図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、実施の形態の学習支援システム1を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の内部構成を示すブロック図である。
図3は、PC20の内部構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の学習支援システム1は、小学校~高校などの教育機関で学習する生徒の学習支援を行うサーバクライアントシステムである。学習支援システム1は、サーバ10と、PC(Personal Computer)20と、を備える。
【0014】
学習支援システム1は、教育機関の管理者に、先生及び生徒のアカウント情報、クラス情報、授業情報の管理支援を提供する管理者支援機能と、教育機関の先生に、生徒への課題の作成及び配布、授業実施などの授業支援を提供する先生支援機能と、教育機関の生徒に、授業などのノートブック作成、オンライン辞書、数学ツールや、先生からの課題の実施及び提出などの授業支援を提供する学習支援機能と、を有する。
【0015】
本実施の形態では、学習支援システム1の各機能のうち、学習支援機能を説明するものとする。学習支援機能は、アカウント情報(ID及びパスワード)があらかじめサーバ10に登録された生徒のユーザに対して提供されるものとする。
【0016】
また、学習支援機能のうちの特にノートブック作成を説明する。ノートブックは、PC20に表示する表示要素として、ドラッグで無限遠方まで移動可能な広さのノート型のWeb部品(デジタル部品)である。ノートブックには、授業、自宅学習などの学習に関する情報を記録可能であり、特に、オブジェクトとしてのふせん(いわゆるデジタルふせん)を貼り付け可能である。
【0017】
ふせんは、学習事項を様々な表現で記録するWeb部品(デジタル部品)である。ふせんの形状及び大きさは、ノートブック上に貼り付け可能なものであるとし、ふせんの形状が矩形である例を説明するが、これに限定されるものではない。ふせんは、学習事項に関する内容として、テキストデータ、画像データ(静止画データ、動画データ)、手書き文字データ、辞書データ、音声データ、各種ファイルや、ノートブック以外の情報へのリンク情報などを含む。
【0018】
また、ふせんとふせんとは、有向な連結線により連結することができる。このため、連結線で連結された複数のふせんは、連結線の向きにより、順番(順序)を有する。連結された複数のふせんの順番は、例えば、各ふせんを設定時間間隔で次々に表示するスライドショー機能の表示順番や、各ふせんの学習のスケジュールの向きの順番となる。ここでは、連結線は、分岐されない(1つのふせんから1つのふせんへ連結され、1つのふせんから複数のふせんへ連結されない)ものとする。
【0019】
学習支援システム1は、サーバ10と、PC(Personal Computer)20と、を備える。サーバ10とPC20とは、通信ネットワーク30を介して通信接続されている。
【0020】
通信ネットワーク30は、サーバ10とPC20との通信を中継するネットワークであり、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)、専用線などを含んでいてもよい。
【0021】
サーバ10は、通信ネットワーク30のクラウド上に設けられたWebサーバ装置であり、PC20に上述の学習支援機能を提供する。PC20は、生徒であるユーザが使用する情報処理装置であり、例えばノートPCとし、教育施設や、ユーザの自宅で使用される。ただし、PC20は、ノートPCに限定されるものではなく、デスクトップPC、タブレットPC、スマートフォンなど、他の情報処理装置としてもよい。また、
図1のPC20は、複数のユーザが使用する複数台のPC20を代表した1台を表したものとする。
【0022】
図2に示すように、サーバ10は、表示制御手段、選択受付手段、取得手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、を備える。サーバ10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0023】
CPU11は、サーバ10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0024】
操作部12は、各種キーを有するキーボードと、位置入力を受け付けるマウスなどのポインティングデバイスとを有し、ユーザからのキー入力、位置入力の操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0025】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0026】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有し、CPU11などから入力される各種の表示情報を表示パネルに表示する。
【0027】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15には、上述の学習支援機能を有する学習支援プログラム151を記憶しているものとする。学習支援プログラム151は、CPU11が実行するプログラムではなく、PC20のブラウザ上で実行させるためのプログラムコードである。ブラウザは、Webサーバに接続してWebサイトのデータを受信して表示するソフトウェアである。学習支援プログラム151は、後述する第1のノートブック作成処理を実行するための第1のノートブック作成プログラム1511を含むものとする。
【0028】
通信部16は、通信ネットワーク30に接続されるネットワークカードなどの通信部であり、CPU11の指示に従って、通信ネットワーク30上のPC20などの外部機器と情報の送受信を行う。通信部16は、通信ネットワーク30と有線で接続される有線通信部とするが、これに限定されるものではなく、無線通信を行う無線通信部とし、基地局又はアクセスポイントを介して通信ネットワーク30と接続される構成としてもよい。
【0029】
図3に示すように、PC20は、CPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、を備える。PC20の各部は、バス27を介して接続されている。
【0030】
CPU21は、PC20の各部を制御する。CPU21は、記憶部25に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM23に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0031】
操作部22は、各種キーを有するキーボードと、位置入力を受け付けるポインティングデバイスとを有し、ユーザからのキー入力、位置入力の操作入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。ここでは、操作部22は、ポインティングデバイスとしてマウスを有するものとする。また、操作部22は、表示部14の表示パネル上に一体的に形成されたタッチパネルを含み、ユーザからのタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0032】
RAM23は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU21に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0033】
表示部24は、LCD、ELディスプレイなどの表示パネルを有し、CPU21などから入力される各種の表示情報を表示パネルに表示する。
【0034】
記憶部25は、HDD、SSDなどで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部25には、上述のブラウザを実行するためのブラウザプログラム251を記憶しているものとする。
【0035】
通信部26は、通信ネットワーク30に接続されるネットワークカードなどの通信部であり、CPU21の指示に従って、通信ネットワーク30上のサーバ10などの外部機器と情報の送受信を行う。通信部26は、通信ネットワーク30と有線で接続される有線通信部とするが、これに限定されるものではなく、無線通信を行う無線通信部とし、基地局又はアクセスポイントを介して通信ネットワーク30と接続される構成としてもよい。
【0036】
つぎに、
図4~
図5(c)を参照して、本実施の形態の学習支援システム1の動作を説明する。
図4は、第1のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
図5(a)は、順番の変更前の連結されたふせんP1~P5及び連結線C1~C4を含むノートブックN1を示す図である。
図5(b)は、なぞり入力中のふせんP1~P5及び連結線C1~C4を含むノートブックN1を示す図である。
図5(c)は、ふせんP1~P5と変更された連結線C11~C14とを含むノートブックN1を示す図である。
【0037】
学習支援システム1において、生徒であるユーザがPC20で学習支援機能を利用し、その中のノートブック作成機能を利用するケースを説明する。まず、PC20において、操作部22を介してユーザからのブラウザの実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU21は、ブラウザプログラム251に従い、ブラウザを実行する。
【0038】
そして、ブラウザを実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのサーバ10の学習支援機能提供のURL(Uniform Resource Locator)が入力されたことをトリガとして、CPU21は、入力されたURLを用いて、通信部26を介して、ユーザのログイン要求をサーバ10に送信する。
【0039】
サーバ10において、CPU11は、通信部16を介して、ログイン要求をPC20から受信すると、ログイン画面データを生成して、要求元のPC20に送信する。そして、PC20において、CPU21は、通信部26を介してログイン画面データをサーバ10から受信して表示部24に表示する。そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからのID及びパスワードの入力を受け付け、通信部26を介して、入力されたID及びパスワードをサーバ10に送信する。
【0040】
サーバ10において、CPU11は、通信部16を介して、ID及びパスワードをPC20から受信すると、受信したID及びパスワードを用いてユーザのログイン認証を行う。CPU11は、ユーザのログイン認証が成功すると、学習支援プログラム151を記憶部15から読み出し、通信部16を介して、学習支援プログラム151をログイン認証したPC20に送信する。
【0041】
PC20において、CPU21は、通信部26を介して学習支援プログラム151をサーバ10から受信し、学習支援プログラム151をブラウザ上で実行して、学習支援処理を実行する。このように、PC20は、ブラウザ上で学習支援処理を実現する。
【0042】
CPU21は、学習支援処理において、操作部22を介してユーザからの操作情報の入力を受け付け、入力された操作情報に応じて、ノートブック作成や、オンライン辞書、数学ツールや授業支援の提供を行う。また、CPU21は、学習支援処理において、適宜通信部26を介して、サーバ10への学習支援処理に必要な各種情報を送受信する。例えば、CPU21は、オンライン辞書の検索要求をサーバ10に送信し、サーバ10による検索結果のデータをサーバ10から受信する。
【0043】
学習支援処理を実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのノートブック作成処理の実行要求が入力されたことをトリガとして、CPU21は、サーバ10から受信した学習支援プログラム151中の第1のノートブック作成プログラム1511に従い、第1のノートブック作成処理を実行する。
【0044】
図4に示すように、まず、CPU21は、ノートブックを表示部24に表示する(ステップS11)。そして、CPU21は、操作部22を介して、ふせんに関する各種情報の入力を受け付け、入力された情報に基づいて、ふせんを作成してノートブック上に表示する(ステップS12)。ステップS12のふせんに関する情報は、ふせん作成のための情報(ふせんの形状及び大きさ、位置情報(ノートブック上の座標)、内容情報(テキストデータ、画像データなど))である。なお、ステップS12では、CPU21は、表示中のふせんの削除指示の入力も受け付け可能であり、入力されたふせんをノートブック上から削除する。
【0045】
そして、CPU21は、ステップS12で作成されたふせんに関するふせん情報をRAM23に保持する(ステップS13)。ステップS13のふせん情報は、ふせんの識別情報、形状、大きさ、位置情報、内容情報を含む。なお、ステップS12でふせんが削除された場合、ステップS13において、CPU21は、RAM23上の対応するふせんのふせん情報を削除する。
【0046】
そして、CPU21は、表示中の複数のふせんを連結する連結線に関する各種情報の入力を受け付け、入力された情報に基づいて、連結線を作成してノートブック上に表示する(ステップS14)。ステップS14の連結線に関する情報は、連結線作成のための情報(連結線の長さ及び向き並びに位置情報(ノートブック上の座標)、線の種類(直線、曲線など)、連結元及び連結先のふせんの識別情報など))である。なお、ステップS14では、CPU21は、表示中の連結線の削除指示の入力も受け付け可能であり、入力された連結線をノートブック上から削除する。
【0047】
そして、CPU21は、ステップS14で作成された連結線で連結されたふせんの連結の順番情報と、当該連結線に関する連結線情報をRAM23に保持する(ステップS15)。ステップS13の順番情報は、少なくとも1つの連結線で連結された一連の複数のふせん(連結ふせん群とする)における、ステップS12で作成したふせんの識別情報に対応する連結ふせん群中の連結の順番である。ステップS13の連結線情報は、作成した連結線の識別情報、長さ及び向き並びに位置情報、線の種類、連結元及び連結先のふせんの識別情報などである。なお、ステップS14で連結線が削除された場合、ステップS15において、CPU21は、RAM23上の対応する連結線の連結線情報を削除する。
【0048】
ステップS15後に、例えば、
図5(a)に示すように、ノートブックN1上に、5つのふせんP1,P2,P3,P4,P5が連結線C1,C2,C3,C4で連結された一連の連結ふせん群として表示される。連結線C1は、ふせんP1,P2を、ふせんP1からふせんP2の向きに連結する連結線である。連結線C2は、ふせんP2,P3を、ふせんP2からふせんP3の向きに連結する連結線である。連結線C3は、ふせんP3,P4を、ふせんP3からふせんP4の向きに連結する連結線である。連結線C4は、ふせんP4,P5を、ふせんP4からふせんP5の向きに連結する連結線である。
【0049】
図5(a)の連結ふせん群において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の連結の順番は、それぞれ、1、2、3、4、5である。
【0050】
そして、CPU21は、操作部22を介してユーザから、サーバ10へのノートブックの保存指示の入力があるか否かを判別する(ステップS16)。保存指示の入力がある場合(ステップS16;YES)、CPU21は、表示中のふせん、連結線を含むノートブックに対応して、RAM23に保持中のふせん情報、順番情報、連結線情報を含むノートブック情報を作成し、通信部26を介して、ノートブック情報をサーバ10に送信し(ステップS17)、第1のノートブック処理を終了する。
【0051】
ステップS17に対応して、サーバ10のCPU11は、通信部16を介して、ノートブック情報をPC20から受信して記憶部15に保存する。保存されたノートブック情報は、CPU11は、PC20からの要求に応じて、記憶部15から読み出して要求元のPC20に送信して表示部24に表示させることが可能である。例えば、第1のノートブック作成処理において、CPU21が、通信部26を介して、表示、編集する作成済のノートブックのノートブック情報をサーバ10に要求して受信し、ステップS11において、受信したノートブック情報のノートブックを表示部24に表示し、当該ノートブック情報をRAM23に保持する構成としてもよい。
【0052】
保存指示の入力がない場合(ステップS16;NO)、CPU21は、操作部22を介してユーザから、連結ふせん群の任意の複数のふせんの順番を変更する順番変更モードの実行入力があるか否かを判別する(ステップS18)。順番変更モードでは、ふせんをドラッグ入力しても、ふせんがノートブック上を移動しなくなるものとする。
【0053】
順番変更モードの実行入力がない場合(ステップS18;NO)、ステップS12に移行される。順番変更モードの実行入力がある場合(ステップS18;YES)、CPU21は、順番変更モードに設定し、操作部22を介するユーザからのなぞり入力を受け付け開始し、表示中の連結ふせん群のうち、順番を変更する始点のふせん(変更始点ふせんとする)の選択入力(マウスによるドラッグ入力)を受け付け、選択した変更始点ふせんのなぞり入力の順番(なぞり順とする)を、変更始点ふせんの識別情報に対応付けてRAM23に保持する(ステップS19)。
【0054】
ステップS19において、なぞり入力とは、表示中の連結ふせん群において、変更対象の複数のふせんを変更後の順番になぞるドラッグ入力である。例えば、
図5(b)に示すように、ふせんP1→ふせんP2→ふせんP3→ふせんP4→ふせんP5の順に連結されている連結ふせん群において、ふせんP2→ふせんP3→ふせんP4→ふせんP5の順番を、ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番に変更する場合に、ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番になぞり入力される。このケースの変更始点ふせんは、ふせんP5となり、そのなぞり順が1となる。
【0055】
そして、CPU21は、操作部22を介するユーザからのなぞり入力により、ステップS19でドラッグ入力中の変更始点ふせんを、別のふせんに移動する入力を受け付け、そのなぞり入力の軌跡をノートブック上に表示する(ステップS20)。そして、CPU21は、ステップS20でなぞり入力された別のふせんが変更始点ふせんと少なくとも1つの連結線を介して連結しているか否かを判別する(ステップS21)。
【0056】
別のふせんが変更始点ふせんと連結している場合(ステップS21;YES)、CPU21は、ステップS20でなぞり入力された別のふせんのなぞり順を当該別のふせんの識別情報に対応付けてRAM23に保持する(ステップS22)。ステップS22の別のふせんのなぞり順は、直前になぞり入力されかつ保持されたふせんのなぞり順を+1した順番となる。
【0057】
そして、CPU21は、操作部22を介するユーザからのなぞり入力の終了のための変更終了入力(ドラッグ入力解除)がされたか否かを判別する(ステップS23)。別のふせんが変更始点ふせんと連結していない場合(ステップS21;NO)、ステップS23に移行される。変更終了入力がされていない場合(ステップS23;NO)、ステップS20に移行される。
【0058】
ステップS20~S23について、例えば、
図5(b)に示すノートブックN1において、変更始点ふせんP5の次に、連結ふせん群のうちの別のふせんP4がなぞり入力された場合に、ふせんP4のなぞり順が2となる。変更始点ふせんP5の次に、変更始点ふせんP5を含む連結ふせん群(ふせんP1~P5)の以外の別のふせん(図示略)がなぞり入力された場合に、当該別のふせんの順番変更がされなく、そのなぞり順もカウントされない。
【0059】
このようにして、変更始点ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2が順になぞり入力された場合に、そのなぞり入力の軌跡T1も表示されるため、ユーザがなぞり入力を視認でき好ましい。また、なぞり入力の軌跡T1は、ユーザが連結線と見分けが付きやすいように、連結線と異なる態様で表示することが好ましい。
図5(b)上では、実線の連結線と区別するため、軌跡T1を破線で示したが、一例であって、軌跡と連結線との、線の種類、太さ、色などの態様を異にすることとしても良い。さらに、なぞり入力されたふせんを、色変更、点滅などのエフェクトをかけて表示することにより、ユーザがなぞり入力されたふせんを視認できより好ましい。
【0060】
また、軌跡T2のように、連結ふせん群のうち、なぞらないふせんがあるなぞり入力としてもよい。軌跡T2は、変更始点ふせんP5→ふせんP2が順になぞり入力され、ふせんP5,P2間のふせんP3,P4がなぞり入力されない場合の軌跡である。このように、なぞり入力の軌跡が触れた(なぞった)ふせんの中で、触れた順序にふせんの連結の順番が変わり、触れていない(なぞらない)ふせんに関しては連結の順番が変わらないものとする。つまり、なぞり入力されないふせんP3,P4の連結の順番は、変更されないものとする。
【0061】
変更終了入力がされた場合(ステップS23;YES)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんの順番情報と、なぞり入力されたふせんのなぞり順と、に基づいて、ふせんの順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんの順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS24)。ステップS24では、連結ふせん群のふせん情報のうち、なぞり入力されたふせんの順番情報がなぞり順に応じて入れ替えられ、なぞり入力されたふせんの位置情報が変更されることなく、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に変更される。
【0062】
そして、CPU21は、RAM23に保持されたふせんの順番情報及び連結線情報に基づいて、連結ふせん群のうちの各ふせんの位置の表示を変更することなく、連結線のみの表示を変更し(ステップS25)、ステップS16に移行する。
【0063】
ステップS24,S25について、例えば、
図5(b)に示す軌跡T1のなぞり入力がある場合に、
図5(c)に示すノートブックN1において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の位置を変更することなく、ふせんP1→ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番に連結するように、連結線C1,C2,C3,C4が、連結線C11,C12,C13,C14に変更される。
【0064】
連結線C11は、ふせんP1,P5を、ふせんP1からふせんP5の向きに連結する連結線である。連結線C12は、ふせんP4,P5を、ふせんP5からふせんP4の向きに連結する連結線である。連結線C13は、ふせんP3,P4を、ふせんP4からふせんP3の向きに連結する連結線である。連結線C14は、ふせんP2,P3を、ふせんP3からふせんP2の向きに連結する連結線である。連結線C11,C12,C13,C14は、例えば、連結対象の2つのふせんの各辺のうち、ふせん間で最も距離が短い辺の中点同士を連結している。なお、連結線C11は、他のふせんP2,P4の上を通っているが、そのような場合、連結線C11を、他のふせんの上を通らないような湾曲したものとしても良い。
【0065】
また、
図5(b)に示す軌跡T2のなぞり入力がある場合に、ノートブックN1において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の位置を変更することなく、ふせんP1→ふせんP5→ふせんP3→ふせんP4→ふせんP2の順番に連結するように、連結線C1,C2,C3,C4が変更される。このようななぞり入力により、連結の順番を変更するふせんの選択入力の操作の自由度が広くなる。
【0066】
以上、本実施の形態によれば、PC20は、複数のオブジェクトとしての連結ふせん群の複数のふせんと、連結ふせん群の複数のふせんそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部24に表示させ、操作部22を介して、連結ふせん群の複数のふせんの中から順序(順番)を変更する複数のふせんの任意の選択順序(なぞり順)の選択入力(なぞり入力)を受け付け、選択入力を受け付けた複数のふせんの選択順序を取得するCPU21を備える。CPU21は、取得された選択順序で順番を変更する複数のふせんが連結されるように、有向な連結線の連結順序を入れ替える。
【0067】
このため、連結ふせん群の複数のふせんのうち、順序を変更する複数のふせんの選択順序の選択入力に応じて、有向な連結線の連結順序を入れ替えるので、有向な連結線の削除及び再結合の操作を行うことなく、有向な連結線で連結された複数のふせんの順序を容易に変更できる。
【0068】
また、CPU21は、順序を変更する複数のふせんの選択入力(なぞり入力)の軌跡を表示部24に表示させる。このため、ユーザが順序を変更する複数のふせんの選択入力を容易に視認できる。
【0069】
(第2の実施の形態)
図6、
図7を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。
図6は、第2のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
図7は、変更されたふせんP1~P5及び連結線C21~C24を含むノートブックN1を示す図である。
【0070】
第1の実施の形態では、ふせんの連結を変更する場合に、表示するふせんの位置を変更せずに、連結線のみを変更する処理を行ったが、連結線のみ変更されると連結線が入り乱れて視認性が悪くなるおそれがある。本実施の形態では、ふせんの連結を変更する場合に、表示するふせんの位置及び連結線を変更する処理を行う。
【0071】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、学習支援システム1を用いるものとする。ただし、サーバ10において、記憶部15には、学習支援プログラム151の第1のノートブック作成プログラム1511に代えて、後述する第2のノートブック作成処理を実行するための第2のノートブック作成プログラムが記憶されているものとする。
【0072】
つぎに、
図6、
図7を参照して、本実施の形態の学習支援システム1の動作を説明する。学習支援システム1において、PC20のCPU21は、第1の実施の形態と同様に、学習支援処理を実行する。学習支援処理を実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのノートブック作成処理の実行要求が入力されたことをトリガとして、CPU21は、サーバ10から受信した学習支援プログラム151中の第2のノートブック作成プログラムに従い、第2のノートブック作成処理を実行する。
【0073】
図6に示すように、ステップS31~S43は、
図4の第1のノートブック作成処理のステップS11~S23と同様である。変更終了入力がされた場合(ステップS43;YES)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんのふせん情報及び順番情報と、なぞり入力されたふせんのなぞり順と、に基づいて、ふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS44)。ステップS44では、連結ふせん群のふせん情報のうち、なぞり入力されたふせんの順番情報がなぞり順に応じて入れ替えられ、かつ入れ替えられたふせんが変更前の順番のふせんの位置に配置されるようにふせん情報の位置情報が変更され、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に代えられる。
【0074】
そして、CPU21は、RAM23に保持されたふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報に基づいて、連結ふせん群のうちの各ふせんの位置及び連結線の表示を変更し(ステップS45)、ステップS36に移行する。
【0075】
ステップS44,S45について、例えば、
図5(b)に示す軌跡T1のなぞり入力がある場合に、
図7に示すノートブックN1において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の位置が、それぞれ、変更前のふせんP1,P5,P4,P3,P2の位置に変更され、かつふせんP1→ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番に連結するように、連結線C1,C2,C3,C4が、連結線C21,C22,C23,C24に変更される。
【0076】
連結線C21は、ふせんP1,P5を、ふせんP1からふせんP5の向きに連結する連結線である。連結線C22は、ふせんP4,P5を、ふせんP5からふせんP4の向きに連結する連結線である。連結線C23は、ふせんP3,P4を、ふせんP4からふせんP3の向きに連結する連結線である。連結線C24は、ふせんP2,P3を、ふせんP3からふせんP2の向きに連結する連結線である。連結線C21,C22,C23,C24,C25は、例えば、連結対象の2つのふせんの各辺のうち、ふせん間で最も距離が短い辺の中点同士を連結している。
【0077】
以上、本実施の形態によれば、CPU21は、操作部22を介して取得された複数のふせんの選択順序で配置されるように、順序を変更する複数のふせんの位置を変更する。このため、連結線のみを変更する場合に比べて、ふせんと連結線とが重なることを防ぐことができ、ふせんの連結順序及び連結線を視認しやすくできる。
【0078】
(第3の実施の形態)
図8、
図9を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。
図8は、第3のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
図9は、変更始点ふせんP2及び変更終点ふせんP5が選択されたふせんP1~P5及び連結線C1~C4を含むノートブックN1を示す図である。
【0079】
第1、第2の実施の形態では、ふせんの連結を変更する場合に、なぞり入力により変更するふせんを選択入力する処理を行った。本実施の形態では、ふせんの連結を変更する場合に、変更する範囲の始点と終点のふせんの選択入力により、変更するふせんを選択入力する処理を行う。
【0080】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、学習支援システム1を用いるものとする。ただし、サーバ10において、記憶部15には、学習支援プログラム151の第1のノートブック作成プログラム1511に代えて、後述する第3のノートブック作成処理を実行するための第3のノートブック作成プログラムが記憶されているものとする。
【0081】
つぎに、
図8、
図9を参照して、本実施の形態の学習支援システム1の動作を説明する。学習支援システム1において、PC20のCPU21は、第1の実施の形態と同様に、学習支援処理を実行する。学習支援処理を実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのノートブック作成処理の実行要求が入力されたことをトリガとして、CPU21は、サーバ10から受信した学習支援プログラム151中の第3のノートブック作成プログラムに従い、第3のノートブック作成処理を実行する。
【0082】
図8に示すように、ステップS51~S57は、
図4の第1のノートブック作成処理のステップS11~S17と同様である。保存指示の入力がない場合(ステップS56;NO)、CPU21は、操作部22を介してユーザから、連結ふせん群の任意の変更始点ふせんの選択入力(例えば、複数のふせんを選択入力できる操作入力として、操作部22のキーボードのコントロールキー+マウスのドラッグ入力)があるか否かを判別する(ステップS58)。変更始点ふせんの選択入力がない場合(ステップS58;NO)、ステップS52に移行される。
【0083】
変更始点ふせんの選択入力がある場合(ステップS58;YES)、CPU21は、操作部22を介してユーザから、連結ふせん群の任意の変更終点ふせんの選択入力(例えば、操作部22のキーボードのコントロールキー+マウスのドラッグ入力)を受け付ける(ステップS59)。変更終点ふせんは、連結ふせん群うち、変更始点ふせんとの間のふせんの順番を逆順にする変更範囲の終点のふせんである。
【0084】
そして、CPU21は、ステップS59で選択入力された変更終点ふせんが変更始点ふせんと少なくとも1つの連結線を介して連結しているか否かを判別する(ステップS60)。変更終点ふせんが変更始点ふせんと連結していない場合(ステップS60;NO)、ステップS59に移行される。
【0085】
変更終点ふせんが変更始点ふせんと連結している場合(ステップS60;YES)、
CPU21は、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでのふせんの順番を変更するための順番変更ボタンを表示部24に表示する(ステップS61)。そして、CPU21は、操作部22を介してユーザから、ステップS61で表示された順番変更ボタンのクリック入力の有無に応じて、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでのふせんの順番変更の入力があるか否かを判別する(ステップS62)。順番変更の入力がない場合(ステップS62;NO)、ステップS59に移行される。
【0086】
ステップS58~S62について、例えば、
図5(a)に示すノートブックN1の連結ふせん群のふせんP1~P5の順番を変更する場合に、
図9に示すように、ステップS58で変更始点ふせんP2が選択入力され、ステップS59で変更終点ふせんP5が選択入力された場合に、変更始点ふせんP2及び変更終点ふせんP5が連結線C2~C4で連結されており、ステップS61でメニューM1内に順番変更ボタンB1が表示され、ステップS62で順番変更ボタンB1のクリック入力が受け付けられる。
【0087】
順番変更の入力がある場合(ステップS62;YES)、CPU21は、変更始点ふせんと変更終点ふせんとの間にふせんがあるか否かを判別する(ステップS63)。
【0088】
間のふせんがない場合(ステップS63;NO)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんの順番情報と、変更始点ふせん及び変更終点ふせんのふせん情報(識別情報)と、に基づいて、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの順序を入れ替えるように、ふせんの順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんの順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS64)。ステップS64では、連結ふせん群のふせんのうち、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの順番情報が入れ替えられ、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの位置情報が変更されることなく、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に変更される。
【0089】
間のふせんがある場合(ステップS63;YES)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんの順番情報と、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの全てのふせんのふせん情報(識別情報)と、に基づいて、変更始点ふせから変更終点ふせんまでの全てのふせんの順序を入れ替えるように、ふせんの順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんの順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS65)。ステップS65では、連結ふせん群のふせんのうち、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの全てのふせんの順番情報が入れ替えられ、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの全てのふせんの位置情報が変更されることなく、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に変更される。
【0090】
そして、CPU21は、RAM23に保持されたふせんの順番情報及び連結線情報に基づいて、連結ふせん群のうちの各ふせんの位置の表示を変更することなく、連結線のみの表示を変更し(ステップS66)、ステップS56に移行する。
【0091】
ステップS65,S66について、例えば、
図9に示すように、変更始点ふせんP1,変更終点ふせんP2の選択入力がある場合に、
図5(c)に示すノートブックN1において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の位置を変更することなく、ふせんP1→ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番に連結するように、連結線C1,C2,C3,C4が、連結線C11,C12,C13,C14に変更される。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、PC20は、複数のオブジェクトとしての連結ふせん群の複数のふせんと、連結ふせん群の複数のふせんそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部24に表示させ、操作部22を介して、連結ふせん群の複数のふせんの中から順序(順番)を変更する変更始点ふせん及び変更終点ふせんの選択入力を受け付け、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの間に他のふせんがあるか否かを判別し、他のふせんがない場合、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの有向な連結線の連結順序(ふせんの順番情報、連結線情報)を取得して、その有向な連結線の連結順序を入れ替えて表示部24に表示させ、他のふせんがある場合、変更始点ふせん、変更終点ふせん及び他のふせんのすべての有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての有向な連結線の連結順序を入れ替えて表示部24に表示させるCPU21を備える。
【0093】
このため、連結ふせん群の複数のふせんのうち、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの選択入力に応じて、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの有向な連結線の連結順序を入れ替えるので、有向な連結線の削除及び再結合の操作を行うことなく、有向な連結線で連結された複数のふせんの順序を容易に変更できる。
【0094】
(第4の実施の形態)
図10を参照して、本発明に係る第4の実施の形態を説明する。
図10は、第4のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
【0095】
本実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、ふせんの連結を変更する場合に、変更する範囲の始点と終点のふせんの選択入力により、変更するふせんを選択入力する処理を行う処理を行い、さらに表示するふせんの位置及び連結線を変更する処理を行う。
【0096】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、学習支援システム1を用いるものとする。ただし、サーバ10において、記憶部15には、学習支援プログラム151の第1のノートブック作成プログラム1511に代えて、後述する第4のノートブック作成処理を実行するための第4のノートブック作成プログラムが記憶されているものとする。
【0097】
つぎに、
図10を参照して、本実施の形態の学習支援システム1の動作を説明する。学習支援システム1において、PC20のCPU21は、第1の実施の形態と同様に、学習支援処理を実行する。学習支援処理を実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのノートブック作成処理の実行要求が入力されたことをトリガとして、CPU21は、サーバ10から受信した学習支援プログラム151中の第4のノートブック作成プログラムに従い、第4のノートブック作成処理を実行する。
【0098】
図10に示すように、ステップS71~S83は、
図8の第3のノートブック作成処理のステップS51~S63と同様である。
【0099】
間のふせんがない場合(ステップS83;NO)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんの順番情報と、変更始点ふせん及び変更終点ふせんのふせん情報(識別情報及び位置情報)と、に基づいて、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの順序及び位置を入れ替えるように、ふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS84)。ステップS84では、連結ふせん群のふせんのうち、変更始点ふせん及び変更終点ふせんの順番情報が入れ替えられ、かつ入れ替えられたふせんが変更前の順番のふせんの位置に配置されるようにふせん情報の位置情報が変更され、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に変更される。
【0100】
間のふせんがある場合(ステップS83;YES)、CPU21は、RAM23に保持された、ふせんの順番情報と、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでのふせん情報(識別情報及び位置情報)と、に基づいて、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの全てのふせんの順序を逆順に入れ替えるように、ふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報を変更し、変更したふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報をRAM23に保持する(ステップS65)。ステップS65では、連結ふせん群のふせん情報のうち、変更始点ふせんから変更終点ふせんまでの全てのふせんの順番情報が入れ替えられ、かつ入れ替えられた全てのふせんが変更前の順番のふせんの位置に配置されるようにふせん情報の位置情報が変更され、連結ふせん群の連結線情報が、各ふせんを変更された順番に連結する連結線の連結線情報に変更される。
【0101】
そして、CPU21は、RAM23に保持されたふせんのふせん情報、順番情報及び連結線情報に基づいて、連結ふせん群のうちの各ふせんの位置及び連結線の表示を変更し(ステップS86)、ステップS76に移行する。
【0102】
ステップS84,S85について、例えば、
図5(a)に示すノートブックN1の連結ふせん群のふせんP1~P5の順番を変更する場合であって、
図9に示す変更始点ふせんP1、変更終点ふせんP2の選択入力がある場合に、
図7に示すノートブックN1において、ふせんP1,P2,P3,P4,P5の位置が、それぞれ、変更前のふせんP1,P5,P4,P3,P2の位置に変更され、かつふせんP1→ふせんP5→ふせんP4→ふせんP3→ふせんP2の順番に連結するように、連結線C1,C2,C3,C4が、連結線C21,C22,C23,C24に変更される。
【0103】
以上、本実施の形態によれば、CPU21は、操作部22を介して取得された変更始点ふせん及び変更終点ふせんの選択順序で、連結ふせん群の複数のふせんのうちの順序を変更する複数のふせんが連結されるように、変更始点ふせん及び変更終点ふせん、又は変更始点ふせん、変更終点ふせん及び他のふせんの位置を変更する。このため、有向な連結線のみを変更する場合に比べて、ふせんと有向な連結線とが重なることを防ぐことができ、ふせんの連結順序及び有向な連結線を視認しやすくできる。
【0104】
(第5の実施の形態)
図11~
図15(b)を参照して、本発明に係る第5の実施の形態を説明する。
図11は、第5のノートブック作成処理を示すフローチャートである。
図12は、ふせん相対位置取得処理を示すフローチャートである。
図13は、ふせん・連結線調整処理を示すフローチャートである。
図14は、ふせんの相対位置を示す図である。
図15(a)は、順番の変更前の連結されたふせんP11~P15及び連結線C31~C34を含むノートブックN2を示す図である。
図15(b)は、変更されたふせんP11~P15及び連結線C41~C44を含むノートブックN2を示す図である。
【0105】
第2、第4の実施の形態では、ふせんの連結の順番を変更する場合に、表示するふせんの位置及び連結線を変更する処理を行ったが、変更するふせんの形状及び大きさによっては、順番の変更後に、表示するふせん同士が重なり合って、一方のふせんがかぶさったり(一部が隠れたり)、見えなくなる(全部が隠れる)おそれがある。このため、本実施の形態では、ふせんの連結の順番を変更する場合に、表示するふせん同士が重なり合わないように、変更するふせんの位置及び連結線を調整して変更する処理を行う。
【0106】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、学習支援システム1を用いるものとする。ただし、サーバ10において、記憶部15には、学習支援プログラム151の第1のノートブック作成プログラム1511に代えて、後述する第5のノートブック作成処理を実行するための第5のノートブック作成プログラムが記憶されているものとする。
【0107】
つぎに、
図11~
図15(b)を参照して、本実施の形態の学習支援システム1の動作を説明する。学習支援システム1において、PC20のCPU21は、第1の実施の形態と同様に、学習支援処理を実行する。学習支援処理を実行中のPC20において、操作部22を介してユーザからのノートブック作成処理の実行要求が入力されたことをトリガとして、CPU21は、サーバ10から受信した学習支援プログラム151中の第5のノートブック作成プログラムに従い、第5のノートブック作成処理を実行する。
【0108】
図11に示すように、ステップS91~S95は、
図10の第4のノートブック作成処理のステップS71~S75と同様である。そして、CPU21は、表示中の連結ふせん群の各ふせんの相対位置を取得するふせん相対位置取得処理を実行する(ステップS96)。ここで、
図12を参照して、ふせん相対位置取得処理を説明する。
【0109】
図12に示すように、まず、CPU21は、RAM23に保持している連結ふせん群のふせんのふせん情報の全てのふせんの識別情報の個数として、表示中の連結ふせん群のふせんの個数n(n:整数)を取得する(ステップS111)。そして、CPU21は、連結ふせん群のふせんの個数の変数(インデックス)i=0を設定する(ステップS112)。変数iは、初期値0が連結ふせん群の連結の始点のふせんの連結の順番に対応するものとし、その昇順の他の番号が連結する他のふせんの連結の順番に対応するものとする。
【0110】
そして、CPU21は、RAM23に保持しているふせん情報のうち、変数iのふせん及び変数(i+1)のふせんのふせん情報(大きさ、形状、位置情報)に基づいて、変数iのふせんに対する変数(i+1)のふせんの相対位置を判定する(ステップS113)。
【0111】
ここで、
図13を参照して、ステップS113のふせんの相対位置の判定例を説明する。ここでは、例えば、相対位置を9方向(「上」、「右上」、「右」、「右下」、「下」、「左下」、「左」、「左上」)の位置に取ることとする。
【0112】
図13に示すように、変数iのふせんPiと、変数(i+1)のふせんP(i+1)a、P(i+1)b、P(i+1)cと、の相対位置を考える。なお、説明を分かりやすくするために、同じ大きさの9個のマスを図示しており、中央のマスにふせんPiが位置している。ふせんPiの大きさは、各マスの大きさに対応し、ふせんP(i+1)a、P(i+1)b、P(i+1)cの大きさよりも大きいものとする。また、各ふせんの形状は、同じ(長方形)としている。
【0113】
ふせんPiに対するふせんP(i+1)の相対位置は、マスの位置を用いて判定されるものとする。例えば、ふせんP(i+1)aの中心点(ふせんP(i+1)aの各辺の座標から算出)がふせんPiの右のマスに位置するため、ふせんPiに対するふせんP(i+1)aの相対位置は、「右」と判定される。また、ふせんP(i+1)bの中心点(ふせんP(i+1)bの各辺の座標から算出)がふせんPiの左上のマスに位置するため、ふせんPiに対するふせんP(i+1)bの相対位置は、「左上」と判定される。また、ふせんP(i+1)cの中心点(ふせんP(i+1)cの各辺の座標から算出)がふせんPiのマスに位置するが、ふせんPi中心点からふせんP(i+1)cの中心点への方向の延長線上に右下のマスがあるので、ふせんPiに対するふせんP(i+1)cの相対位置は、「右下」と判定される。
【0114】
そして、CPU11は、ステップS113で判定した変数iのふせんに対する変数(i+1)のふせんの相対位置を、変数(i+1)のふせんの連結の順番に対応付けてRAM23に保持する(ステップS114)。そして、CPU21は、変数(i+1)=nであるか否かを判別する(ステップS115)。
【0115】
変数(i+1)=nでない場合(ステップS115;NO)、CPU21は、変数iを+1インクリメントし(ステップS116)、ステップS113に移行する。変数(i+1)=nである場合(ステップS115;YES)、ふせん相対位置取得処理が終了する。
【0116】
図11に戻り、ステップS97~S106は、
図10の第4のノートブック作成処理のステップS76~S85と同様である。そして、CPU21は、順番及び位置を変更した変更ふせん群のふせんの位置及び連結線を調整するふせん・連結線調整処理を実行する(ステップS107)。ここで、
図13を参照して、ふせん・連結線調整処理を説明する。
【0117】
図13に示すように、まず、CPU21は、RAM23に保持している連結ふせん群のふせんのふせん情報の全てのふせんの識別情報の個数として、表示中の連結ふせん群のふせんの個数nを取得する(ステップS121)。そして、CPU21は、変更するふせんの個数の変数(インデックス)j=0を設定する(ステップS122)。変数jは、初期値0が連結ふせん群の始点のふせんの連結の順番に対応するものとし、その昇順の他の番号が連結する他のふせんの連結の順番に対応するものとする。
【0118】
そして、CPU21は、ステップS96で取得された各順番の相対位置のうち、変数jのふせんに対する変数(j+1)のふせんに対応する順番の相対位置に基づいて、変数jのふせんに対する変数(j+1)のふせんの位置を調整する(ステップS123)。例えば、相対位置が「上」、「下」、「左」又は「右」の第1方向(上下左右方向)の場合、変数jのふせんと変数(j+1)のふせんとの距離が最も短い対向する2辺のそれぞれの中点を結ぶ線が第1方向になるように、変数jのふせんに対する変数(j+1)のふせんの位置が調整される。相対位置が「右上」、「右下」、「左下」又は「左上」の第2方向(斜め方向)の場合、変数jのふせんの中心点と変数(j+1)のふせんの中心点とを結ぶ直線が第2方向になるように、変数jのふせんに対する変数(j+1)のふせんの位置が調整される。
【0119】
そして、CPU21は、変数jのふせんから変数(j+1)のふせんへの間を連結する連結線の距離を、あらかじめ設定された所定長さになるように、変数jのふせんから変数(j+1)のふせんへの連結線及び変数(j+1)のふせんの位置情報を調整する(ステップS124)。そして、CPU21は、ステップS123,S124で調整された変数(j+1)のふせんの位置情報を変数(j+1)のふせん情報に反映して変更し、ステップS124で調整された距離及び向きを、変数jのふせんから変数(j+1)への連結線の連結線情報に反映して変更してRAM23に保持する(ステップS125)。
【0120】
そして、CPU21は、変数(j+1)=nであるか否かを判別する(ステップS126)。変数(j+1)=nでない場合(ステップS126;NO)、CPU21は、変数jを+1インクリメントし(ステップS127)、ステップS123に移行する。変数(j+1)=nである場合(ステップS126;YES)、ふせん・連結線調整処理が終了する。
【0121】
図11に戻り、ステップS108は、
図10の第4のノートブック作成処理のステップS86と同様である。
【0122】
ふせん・連結線調整処理について、例えば、
図15(a)に示すノートブックN2上に、5つのふせんP11,P12,P13,P14,P15が連結線C31,C32,C33,C34で連結された一連の連結ふせん群として表示される場合に、ふせんP12,P13,P14の順番を変更する場合を考える。ふせんP11,P12,P13,P14,P15の形状は同じ長方形とするが、その大きさが互いに異なる。
【0123】
連結線C31は、ふせんP11,P12を、ふせんP11からふせんP12の向きに連結する連結線である。連結線C32は、ふせんP12,P13を、ふせんP12からふせんP13の向きに連結する連結線である。連結線C33は、ふせんP13,P14を、ふせんP13からふせんP14の向きに連結する連結線である。連結線C34は、ふせんP14,P15を、ふせんP4からふせんP5の向きに連結する連結線である。
【0124】
ステップS99,S100について、例えば、変更始点ふせんP12,変更終点ふせんP14の選択入力がある場合に、
図15(b)に示すノートブックN2において、ふせんP11,P14,P13,P14,P15が、ふせんP11→ふせんP14→ふせんP13→ふせんP12→ふせんP15の順番に連結するように位置が変更されて相対位置が調整され、連結線C31,C32,C33,C34が、連結線C41,C42,C43,C44に変更される。
【0125】
連結線C41は、ふせんP11,P14を、ふせんP11からふせんP14の向きに連結する連結線である。連結線C42は、ふせんP14,P13を、ふせんP14からふせんP13の向きに連結する連結線である。連結線C43は、ふせんP13,P12を、ふせんP13からふせんP12の向きに連結する連結線である。連結線C44は、ふせんP12,P15を、ふせんP12からふせんP15の向きに連結する連結線である。連結線C41,C42,C43,C44の長さは、同じ長さとなっている。
【0126】
順番の変更前の
図15(a)のノートブックN2において、連結が1番目のふせんP11に対するふせんP12の相対位置が「右」であり、連結が2番目のふせんP12に対するふせんP13の相対位置が「下」であり、連結が3番目のふせんP13に対するふせんP14の相対位置が「右」であり、連結が4番目のふせんP14に対するふせんP15の相対位置が「右」である。
【0127】
順番の変更後の
図15(b)のノートブックN2において、連結が1番目のふせんP11に対するふせんP14の相対位置が「右」に調整され、連結が2番目のふせんP14に対するふせんP13の相対位置が「下」に調整され、連結が3番目のふせんP13に対するふせんP12の相対位置が「右」に調整され、連結が4番目のふせんP12に対するふせんP15の相対位置が「右」に調整されている。このように、連結が1番目~5番目の変数jのふせんに対する変数(j+1)のふせんの相対位置は、変更の前後で同じになっている。このため、連結ふせん群のふせんP11~P15は、重なることなく順番が変更されている。
【0128】
以上、本実施の形態によれば、CPU21は、有向な連結線の連結順序の変更(入れ替え)の前後で、変更始点ふせん及び変更終点ふせん、又は変更始点ふせん、変更終点ふせん及びその間の他の相対位置を同じ配置にする(ふせん同士の位置関係を保つ)。このため、有向な連結線の連結順序の入れ替え後に、ふせんが重なることを防ぐことができ、連結ふせん群の複数のふせんの連結を視認しやすくできる。
【0129】
また、CPU21は、有向な連結線の長さを所定の長さにする。このため、有向な連結線の連結順序の入れ替え後に、ふせんが重なることをさらに防ぐことができ、連結ふせん群の複数のふせんの連結をさらに視認しやすくできる。
【0130】
また、第5のノートブック作成処理では、第4のノートブック作成処理において、ふせんの位置及び連結線の調整を行う構成としたが、これに限定されるものではない。第2のノートブック作成処理においても、同様に、ふせんの位置及び連結線の調整を行う構成としてもよい。
【0131】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部25(HDD、SSD)を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0132】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、表示制御方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記第1~第5の実施の形態の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0133】
また、上記第1~第5の実施の形態では、情報処理装置としてのPC20が、サーバ10から受信した第1~第5のノートブック作成処理を実行して、操作部22を介するユーザから入力された操作情報に応じてノートブックの作成を行い、そのノートブック情報をサーバ10に送信して保存する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置としてのサーバ10が、第1~第5のノートブック作成処理と同様の処理を実行して、操作部22を介するユーザから入力された操作情報をPC20から受信し、当該操作情報を用いてノートブックの作成を行い、そのノートブック情報を記憶部15に保存する構成としてもよい。さらに、情報処理装置としてのPC20が、スタンドアローンで動作し、記憶部25にあらかじめ記憶されていたプログラムにより、第1~第5のノートブック作成処理と同様の処理を実行して、操作部22を介するユーザから入力された操作情報に応じてノートブックの作成を行い、そのノートブック情報を記憶部25に保存する構成としてもよい。
【0134】
また、上記第1、第2の実施の形態では、ふせんのなぞり入力を、操作部22のマウスを介するドラッグ入力により受け付ける構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、操作部22がタッチパネルを有する構成である場合に、ふせんのなぞり入力を、タッチパネルを介するユーザの指又はタッチペンによるタッチのドラッグ入力により受け付ける構成としてもよい。
【0135】
また、上記第1~第5の実施の形態では、連結可能なオブジェクトとして、ふせんを用いる構成について説明したが、これに限定するものではない。オブジェクトとしては、アイコン、ウィンドウなど、他のオブジェクトを用いる構成としてもよい。さらに、上記第1~第5の実施の形態では、学習支援の用途のオブジェクトを用いる構成を説明したが、これに限定されるものではない。ビジネス、イベント、旅行など、他の用途のオブジェクトを用いる構成としてもよい。
【0136】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で配置されるように、前記2以上のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の連結順序の入れ替えの前後で、前記2以上のオブジェクトの相対位置を同じ配置にすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の長さを所定の長さにすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記表示制御手段は、前記2以上のオブジェクトの選択入力の軌跡を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置。
<請求項7>
前記表示制御手段は、取得された前記連結順序を入れ替えた順序で配置されるように、前記2のオブジェクト、又は当該2のオブジェクト及び前記他のオブジェクトの位置を変更することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の連結順序の入れ替えの前後で、前記2のオブジェクト、又は当該2のオブジェクト及び前記他のオブジェクトの相対位置を同じ配置にすることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記表示制御手段は、前記有向な連結線の長さを所定の長さにすることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
<請求項10>
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付工程と、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得工程と、を含み、
前記表示制御工程において、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替えることを特徴とする表示制御方法。
<請求項11>
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付工程と、
を含み、
前記表示制御工程において、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて前記表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とする表示制御方法。
<請求項12>
コンピュータを、
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段、
前記複数のオブジェクトの中から2以上のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段、
前記選択入力を受け付けた2以上のオブジェクトの選択順序を取得する取得手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、取得された前記選択順序で前記2以上のオブジェクトが連結されるように、前記有向な連結線の連結順序を入れ替えることを特徴とするプログラム。
<請求項13>
コンピュータを、
複数のオブジェクトと、前記複数のオブジェクトそれぞれを一対一で連結させるための有向な連結線と、を表示部に表示させる表示制御手段、
前記複数のオブジェクトの中から2のオブジェクトの選択入力を受け付ける選択受付手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記2のオブジェクトの間に他のオブジェクトがあるか否かを判別し、当該他のオブジェクトがない場合、当該2のオブジェクトの前記有向な連結線の連結順序を取得して、その連結順序を入れ替えて表示部に表示させ、当該他のオブジェクトがある場合、当該2のオブジェクト及び当該他のオブジェクトのすべての前記有向な連結線の連結順序を取得して、そのすべての連結順序を入れ替えて表示部に表示させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0137】
1 学習支援システム
10 サーバ
20 PC
11,21 CPU
12,22 操作部
13,23 RAM
14,24 表示部
15,25 記憶部
16,26 通信部
17,27 バス