(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
B62D 6/00 20060101AFI20240903BHJP
B62D 101/00 20060101ALN20240903BHJP
B62D 113/00 20060101ALN20240903BHJP
B62D 119/00 20060101ALN20240903BHJP
【FI】
B62D6/00
B62D101:00
B62D113:00
B62D119:00
(21)【出願番号】P 2022039303
(22)【出願日】2022-03-14
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 康太
(72)【発明者】
【氏名】安達 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】酒井 悠
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-331023(JP,A)
【文献】特開2020-132025(JP,A)
【文献】特開2016-107750(JP,A)
【文献】特開平09-221052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0055619(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014219222(DE,A1)
【文献】特開2013-091443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 6/00
B62D 101/00
B62D 113/00
B62D 119/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者により行われる自車両に対する操舵操作に対して操舵反力を与える反力装置と、前記操舵反力の値を制御する操舵反力制御を実行する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われていないときには、前記操舵反力として基準となる値の反力を前記操舵操作に対して与え、前記自車両の車線変更が行われるときには、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値の反力よりも小さい値の反力とするように構成されている、
車両制御装置
であって、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われるときに、前記自車両を車線変更させる側の車線を走行する他車両が前記自車両に後方から接近してきているとの車両接近条件が成立している場合には、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とはしないように構成されている、
車両制御装置
において、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始され、前記自車両が隣接車線に進入し始めた後、前記隣接車線への前記自車両の進入が完了するまでの間に前記車両接近条件が成立した場合、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とするとともに、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力も前記基準となる値よりも小さい値の反力とするように構成されている、
車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始された時点で前記車両接近条件が成立している場合、又は、前記自車両の車線変更が開始された後、前記自車両が隣接車線に進入し始めるまでの間に前記車両接近条件が成立した場合には、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも大きい値の反力とするとともに、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とするように構成されている、
車両制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置において、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始され、隣接車線への前記自車両の進入が完了したときには、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力の前記操舵操作の量に対する増加率を、前記隣接車線への前記自車両の進入が完了するまでの該増加率よりも大きくするように構成されている、
車両制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両制御装置において、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始された後、前記自車両の車線変更の途中で前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作が行われて元の車線への前記自車両の進入が完了したときには、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力の前記操舵操作の量に対する増加率を、前記元の車線への前記自車両の進入が完了するまでの該増加率よりも大きくするように構成されている、
車両制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両制御装置において、
前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われるときに、一旦成立した前記車両接近条件が成立しなくなった場合、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値の反力よりも小さい値の反力とするように構成されている、
車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーブ路に沿って車両を適切に走行させるために運転者に要求される適正なハンドル操作量の範囲(適正範囲)が存在する。そこで、車両がカーブ路に沿って走行しているときに運転者によるハンドル操作量が増加して適正範囲内に入った場合、運転者によるハンドル操作に対して与える反力(操舵反力)を大きくし、それにより、ハンドル操作量が適正範囲内に留まり易くするようにした車両制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、自車両がカーブ路に沿って走行している場面のみならず、自車両が車線変更される場面においても、運転者が自車両を車線変更させるためのハンドル操作を行いやすくすることが望まれる。しかしながら、自車両を車線変更させる隣接車線を走行する他車両が後方から自車両に接近してきているときに、自車両を車線変更させるためのハンドル操作を行いやすくしてしまうと、自車両がその他車両に接触してしまう可能性を高めてしまい、好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、自車両と他車両との接触を抑制しつつ、自車両の車線変更を行いやすくすることができる車両制御装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係る車両制御装置は、運転者により行われる自車両に対する操舵操作に対して操舵反力を与える反力装置と、前記操舵反力の値を制御する操舵反力制御を実行する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われていないときには、前記操舵反力として基準となる値の反力を前記操舵操作に対して与え、前記自車両の車線変更が行われるときには、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値の反力よりも小さい値の反力とするように構成されている。
【0007】
更に、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われるときに、前記自車両を車線変更させる側の車線を走行する他車両が前記自車両に後方から接近してきているとの車両接近条件が成立している場合には、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とはしないように構成されている。
更に、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始され、前記自車両が隣接車線に進入し始めた後、前記隣接車線への前記自車両の進入が完了するまでの間に前記車両接近条件が成立した場合、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とするとともに、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力も前記基準となる値よりも小さい値の反力とするように構成されている。
【0008】
これによれば、自車両に後方から他車両が接近してきているときには、自車両を車線変更させる方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力は、小さくされない。このため、自車両を車線変更させる方向への操舵操作が行いやすくはならない。従って、自車両を車線変更させることによる自車両と他車両との接触を抑制することができる。一方、自車両に後方から他車両が接近してきていないときには、自車両を車線変更させる方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力は、小さくされる。このため、自車両を車線変更させる方向への操舵操作が行いやすくなる。従って、本発明によれば、自車両と他車両との接触を抑制しつつ、自車両の車線変更を行いやすくすることができる。
更に、自車両が隣接車線に進入し始めた後に自車両に後方から他車両が接近してきた場合、自車両の車線変更をそのまま継続するのか、或いは、自車両の車線変更を中止して自車両を元の車線に戻すのかの判断を自車両の運転者に委ねるほうが好ましい。本発明によれば、自車両が隣接車線に進入し始めた後に自車両に後方から他車両が接近してきたときには、自車両を車線変更させる方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力も、それとは反対方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力も、共に、小さくされる。このため、自車両の判断により、自車両の車線変更をそのまま継続するときにも、自車両の車線変更を中止して自車両を元の車線に戻すときにも、操舵操作を行いやすくすることができる。
【0009】
尚、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始された時点で前記車両接近条件が成立している場合、又は、前記自車両の車線変更が開始された後、前記自車両が隣接車線に進入し始めるまでの間に前記車両接近条件が成立した場合には、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも大きい値の反力とするとともに、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値よりも小さい値の反力とするように構成されてもよい。
【0010】
これによれば、自車両に後方から他車両が接近してきているときには、自車両を車線変更させる方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力が大きくされるとともに、それとは反対方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力が小さくされる。このため、自車両を車線変更させる方向への操舵操作が行いづらくなるとともに、それとは反対方向への操舵操作が行いやすくなる。従って、自車両を元の車線に留めやすく、或いは、自車両を元の車線に戻しやすくなる。自車両を車線変更させることによる自車両と他車両との接触を抑制することができる。
【0013】
又、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始され、隣接車線への前記自車両の進入が完了したときには、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力の前記操舵操作の量に対する増加率を、前記隣接車線への前記自車両の進入が完了するまでの該増加率よりも大きくするように構成されてもよい。
【0014】
これによれば、隣接車線への自車両の進入が完了すると、自車両を車線変更させる方向への操舵操作を大きくさせづらくなる。このため、隣接車線に沿って自車両を走行させるための操舵操作を行いやすくなる。
【0015】
又、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が開始された後、前記自車両の車線変更の途中で前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作が行われて元の車線への前記自車両の進入が完了したときには、前記自車両を車線変更させる方向とは反対方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力の前記操舵操作の量に対する増加率を、前記元の車線への前記自車両の進入が完了するまでの該増加率よりも大きくするように構成されてもよい。
【0016】
これによれば、元の車線への自車両の進入が完了すると、自車両を車線変更させる方向とは反対方向への操舵操作を大きくさせづらくなる。このため、元の車線に沿って自車両を走行させるための操舵操作を行いやすくなる。
【0017】
又、本発明に係る車両制御装置において、前記制御装置は、前記操舵反力制御の実行時、前記自車両の車線変更が行われるときに、一旦成立した前記車両接近条件が成立しなくなった場合、前記自車両を車線変更させる方向への前記操舵操作に対して与える前記操舵反力を前記基準となる値の反力よりも小さい値の反力とするように構成されてもよい。
【0018】
他車両が後方から自車両に接近してきていたとしても、その他車両が自車両を追い抜いていくなどして、そうした他車両が存在しなくなった場合、車両接近条件が成立しなくなり、自車両の車線変更を安全に行うことができる。本発明によれば、車両接近条件が一旦成立しても、その後、成立しなくなると、自車両を車線変更させる方向への操舵操作に対して与えられる操舵反力が小さくされる。このため、自車両の車線変更を安全に行うことができる状況が生じたときに、自車両を車線変更させるための操舵操作を行いやすくすることができる。
【0019】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置及びその車両制御装置が搭載された車両(自車両)を示した図である。
【
図2】
図2の(A)は、通常操舵反力制御において用いられるマップを示した図であり、
図2の(B)は、自車両が直進しているときに積極操舵反力制御において用いられるマップを示した図であり、
図2の(C)は、右隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップを示した図であり、
図2の(D)は、左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップを示した図であり、
図2の(E)は、右隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの別の1つを示した図であり、
図2の(F)は、左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの別の1つを示した図である。
【
図3】
図3の(A)は、右隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図であり、
図3の(B)は、左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図であり、
図3の(C)は、右隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図であり、
図3の(D)は、左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図であり、
図3の(E)は、右隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図であり、
図3の(F)は、左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図である。
【
図4】
図4は、右隣接並走車線又は左隣接並走車線への自車両の車線変更が行われるときに積極操舵反力制御において用いられるマップの更に別の1つを示した図である。
【
図5】
図5の(A)は、通常操舵反力制御が実行されているときに自車両が直進している場面を示した図であり、
図5の(B)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が直進している場面を示した図である。
【
図6】
図6の(A)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が直進している場面を示した図であり、
図6の(B)は、積極操舵反力制御の実行中に
図6の(A)に示した自車両が車線変更を開始した場面を示した図であり、
図6の(C)は、積極操舵反力制御の実行中に
図6の(B)に示した自車両が更に前進してその右前輪が白線の直前の位置に到達した場面を示した図であり、
図6の(D)は、積極操舵反力制御の実行中に
図6の(C)に示した自車両が更に前進して白線を跨いで走行している場面を示した図である。
【
図7】
図7の(A1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図6の(D)に示した自車両が更に前進してその全体が右隣接並走車線内に進入した場面を示した図であり、
図7の(A2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図7の(A1)に示した自車両が更に前進してその車線変更が完了した場面を示した図であり、
図7の(B1)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が自車線内に戻った場面を示した図であり、
図7の(B2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図7の(B1)に示した自車両が更に前進して直進するようになった場面を示した図である。
【
図8】
図8の(A)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が直進しており、右隣接並走車線を走行する他車両が後方から自車両に接近してきている場面を示した図であり、
図8の(B)は、積極操舵反力制御の実行中に
図8の(A)に示した自車両が車線変更を開始した場面を示した図であり、
図8の(C)は、積極操舵反力制御の実行中に
図8の(B)に示した自車両が更に前進してその右前輪が白線の直前の位置に到達した場面を示した図であり、
図8の(D)は、積極操舵反力制御の実行中に
図8の(C)に示した自車両が更に前進して白線を跨いで走行している場面を示した図である。
【
図9】
図9の(A1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図8の(D)に示した自車両が更に前進してその全体が右隣接並走車線内に進入した場面を示した図であり、
図9の(A2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図9の(A1)に示した自車両が更に前進してその車線変更が完了した場面を示した図であり、
図9の(B1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図8の(D)に示した自車両が自車線内に戻った場面を示した図であり、
図9の(B2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図9の(B1)に示した自車両が更に前進して直進するようになった場面を示した図である。
【
図10】
図10の(A)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が直進している場面を示した図であり、
図10の(B)は、積極操舵反力制御の実行中に
図10の(A)に示した自車両が車線変更を開始した場面を示した図であり、
図10の(C)は、積極操舵反力制御の実行中に
図10の(B)に示した自車両が更に前進してその右前輪が白線の直前の位置に到達する前の場面を示した図であり、
図10の(D)は、積極操舵反力制御の実行中に
図10の(C)に示した自車両が更に前進してその右前輪が白線の直前の位置に到達した場面を示した図である。
【
図11】
図11は、積極操舵反力制御の実行中に
図10の(D)に示した自車両が更に前進して白線を跨いで走行している場面を示した図である。
【
図12】
図12の(A1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図11に示した自車両が更に前進してその全体が右隣接並走車線内に進入した場面を示した図であり、
図12の(A2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図12の(A1)に示した自車両が更に前進してその車線変更が完了した場面を示した図であり、
図12の(B1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図11に示した自車両が自車線内に戻った場面を示した図であり、
図12の(B2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図12の(B1)に示した自車両が更に前進して直進するようになった場面を示した図である。
【
図13】
図13の(A)は、積極操舵反力制御の実行中に自車両が直進している場面を示した図であり、
図13の(B)は、積極操舵反力制御の実行中に
図13の(A)に示した自車両が車線変更を開始した場面を示した図であり、
図13の(C)は、積極操舵反力制御の実行中に
図13の(B)に示した自車両が更に前進してその右前輪が白線の直前の位置に到達した場面を示した図であり、
図13の(D)は、積極操舵反力制御の実行中に
図13の(C)に示した自車両が更に前進して白線を跨いで走行している場面を示した図である。
【
図14】
図14の(A1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図13の(D)に示した自車両が更に前進してその全体が右隣接並走車線内に進入した場面を示した図であり、
図14の(A2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図14の(A1)に示した自車両が更に前進してその車線変更が完了した場面を示した図であり、
図14の(B1)は、積極操舵反力制御の実行中に
図13の(D)に示した自車両が自車線内に戻った場面を示した図であり、
図14の(B2)は、積極操舵反力制御の実行中に
図14の(B1)に示した自車両が更に前進して直進するようになった場面を示した図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両制御装置について説明する。
図1に示したように、本発明の実施形態に係る車両制御装置10は、自車両100に搭載されている。以下の説明において、自車両100の運転者を単に「運転者」と称呼する。
【0022】
<ECU>
車両制御装置10は、ECU90を備えている。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。
【0023】
<走行装置>
又、自車両100には、走行装置20が搭載されている。走行装置20は、駆動装置21、制動装置22及び操舵装置23を含んでいる。
【0024】
<駆動装置>
駆動装置21は、自車両100を走行させるために自車両100に付加される駆動トルク(駆動力)を出力する装置であり、例えば、内燃機関及びモータ等である。駆動装置21は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、駆動装置21の作動を制御することにより駆動装置21から出力される駆動トルクを制御することができる。
【0025】
<制動装置>
制動装置22は、自車両100を制動するために自車両100に付加される制動トルク(制動力)を出力する装置であり、例えば、ブレーキ装置である。制動装置22は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、制動装置22の作動を制御することにより制動装置22から出力される制動トルクを制御することができる。
【0026】
<操舵装置>
操舵装置23は、自車両100を操舵するために自車両100に付加される操舵トルク(操舵力)を出力する装置であり、例えば、パワーステアリング装置である。操舵装置23は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、操舵装置23の作動を制御することにより操舵装置23から出力される操舵トルク及び後述する操舵反力を制御することができる。
【0027】
<センサ等>
更に、自車両100には、アクセルペダル31、アクセルペダル操作量センサ32、ブレーキペダル33、ブレーキペダル操作量センサ34、ハンドル35、ステアリングシャフト36、操舵角センサ37、操舵トルクセンサ38、車速検出装置41、ウインカーレバー42、積極操舵反力支援スイッチ43、ウインカー50、通知装置60、周辺情報検出装置70及び道路情報検出装置80が搭載されている。
【0028】
<アクセルペダル操作量センサ>
アクセルペダル操作量センサ32は、アクセルペダル31の操作量を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ32は、検出したアクセルペダル31の操作量の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてアクセルペダル31の操作量をアクセルペダル操作量APとして取得する。ECU90は、アクセルペダル操作量AP及び自車両100の走行速度に基づいて要求駆動トルク(要求駆動力)を取得し、その要求駆動トルクに相当する駆動トルクが駆動装置21から自車両100(特に、自車両100の駆動輪)に与えられるように駆動装置21の作動を制御する。
【0029】
<ブレーキペダル操作量センサ>
ブレーキペダル操作量センサ34は、ブレーキペダル33の操作量を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ34は、検出したブレーキペダル33の操作量の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてブレーキペダル33の操作量をブレーキペダル操作量BPとして取得する。ECU90は、ブレーキペダル操作量BPに基づいて要求制動トルク(要求制動力)を取得し、その要求制動トルクに相当する制動トルクが制動装置22から自車両100(特に、自車両100の車輪)に与えられるように制動装置22の作動を制御する。
【0030】
<操舵角センサ>
操舵角センサ37は、中立位置に対するステアリングシャフト36の回転角度を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。操舵角センサ37は、検出したステアリングシャフト36の回転角度の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてステアリングシャフト36の回転角度を操舵角θとして取得する。
【0031】
<操舵トルクセンサ>
操舵トルクセンサ38は、運転者がハンドル35を介してステアリングシャフト36に入力したトルクを検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。操舵トルクセンサ38は、検出したトルクの情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて運転者がハンドル35を介してステアリングシャフト36に入力したトルクをドライバー入力トルクとして取得する。
【0032】
ECU90は、操舵角θ、ドライバー入力トルク及び自車両100の走行速度に基づいて要求操舵トルクを取得し、その要求操舵トルクに相当する操舵トルクが操舵装置23から自車両100(特に、自車両100の操舵輪)に与えられるとともに、後述するように設定される目標操舵反力RFtgtに相当する反力がハンドル35(運転者によるハンドル操作)に与えられるように操舵装置23の作動を制御する。従って、本例において、操舵装置23は、運転者により行われる自車両100に対するハンドル操作(操舵操作)に対して操舵反力を与える反力装置を含んでいる。
【0033】
<車速検出装置>
車速検出装置41は、自車両100の走行速度を検出する装置であり、例えば、車輪速センサである。車速検出装置41は、ECU90に電気的に接続されている。車速検出装置41は、検出した自車両100の走行速度の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて自車両100の走行速度を自車速V100として取得する。
【0034】
<ウインカーレバー>
ウインカーレバー42は、ウインカー50を作動させるために運転者により操作されるレバーであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、ウインカーレバー42が中立位置から右旋回位置に操作されると、自車両100の右前方のコーナー部分及び右後方のコーナー部分に設けられているウインカー50を作動(点滅)させる。一方、ECU90は、ウインカーレバー42が中立位置から左旋回位置に操作されると、自車両100の左前方のコーナー部分及び左後方のコーナー部分に設けられているウインカー50を作動(点滅)させる。
【0035】
<積極操舵反力支援スイッチ>
積極操舵反力支援スイッチ43は、後述する積極操舵反力制御の実行を要求するために運転者により操作されるスイッチであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、積極操舵反力支援スイッチ43が操作されてオン位置に設定されると、積極操舵反力制御の実行が要求されたと判定する。
【0036】
<通知装置>
通知装置60は、運転者に対する各種の通知を行う装置であり、本例においては、表示装置61及び音響装置62を備えている。表示装置61は、例えば、各種の画像を表示するディスプレイである。又、音響装置62は、例えば、各種の音声を出力するスピーカーである。
【0037】
<表示装置>
表示装置61は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、表示装置61に各種の画像を表示させることができる。
【0038】
<音響装置>
音響装置62は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、音響装置62から各種の音声を出力させることができる。
【0039】
<周辺情報検出装置>
周辺情報検出装置70は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、本例においては、電波センサ71及び画像センサ72を備えている。電波センサ71は、例えば、レーダセンサ(ミリ波レーダ等)である。又、画像センサ72は、例えば、カメラである。尚、周辺情報検出装置70は、超音波センサ(クリアランスソナー)等の音波センサやレーザーレーダ(LiDAR)等の光センサを備えていてもよい。
【0040】
<電波センサ>
電波センサ71は、ECU90に電気的に接続されている。電波センサ71は、電波を発信するとともに、物体で反射した電波(反射波)を受信する。電波センサ71は、発信した電波及び受信した電波(反射波)に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。別の言い方をすると、電波センサ71は、自車両100の周辺に存在する物体を検知し、その検知した物体に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。ECU90は、その情報(電波情報)に基づいて自車両100の周辺に存在する物体に係る情報を周辺検出情報ISとして取得する。尚、本例において、物体は、車両、自動二輪車、自転車及び人等である。
【0041】
<画像センサ>
画像センサ72も、ECU90に電気的に接続されている。画像センサ72は、自車両100の周辺を撮像し、撮像した画像に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報(カメラ画像情報)に基づいて自車両100の周辺に関する情報を周辺検出情報ISとして取得する。
【0042】
<道路情報検出装置>
道路情報検出装置80は、GPS装置81及び地図情報データベース82を含んでいる。
【0043】
<GPS装置>
GPS装置81は、いわゆるGPS信号を受信する装置であり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、GPS装置81を介してGPS信号を取得する。ECU90は、取得したGPS信号に基づいて自車両100の現在位置P100を取得することができる。
【0044】
<地図情報データベース>
地図情報データベース82は、道路に関する情報等を含む地図情報を記憶したデータベースであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、自車両100の現在位置P100から自車両100が現在走行している道路等に関する情報を道路情報IRとして取得する。
【0045】
<車両制御装置の作動の概要>
次に、車両制御装置10の作動の概要について説明する。車両制御装置10は、運転者によるハンドル35又はその操作(ハンドル操作、操舵操作)に対して与える反力(操舵反力)を制御する操舵反力制御を実行するようになっている。
【0046】
操舵反力は、ハンドル35を時計回り(右回り)に回転させる力が運転者によりハンドル35に加えられるときには、ハンドル35を反時計回り(左回り)に回転させる力としてハンドル35に対して加えられる力であり、ハンドル35を反時計回り(左回り)に回転させる力が運転者によりハンドル35に加えられるときには、ハンドル35を時計回り(右回り)に回転させる力としてハンドル35に対して加えられる力である。
【0047】
車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行が要求されていない場合、操舵反力制御として、通常操舵反力制御を実行し、積極操舵反力制御の実行が要求されている場合、操舵反力制御として、積極操舵反力制御を実行する。
【0048】
<マップ>
車両制御装置10は、操舵反力制御の実行時に操舵角θを引数として操舵反力の目標値(目標操舵反力RFtgt)を取得(設定)するために使用するマップ又はルックアップテーブルとして、
図2及び
図3に示した各種のマップ又はルックアップテーブルを記憶している。
【0049】
<
図2の(A)>
図2の(A)に示したマップ(通常支援用マップ)は、通常操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、この通常支援用マップによれば、ラインLR1又はラインLL1で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0050】
図2の(A)及びその他の図に示したマップにおいて、横軸は、操舵角θを表しており、縦軸は、目標操舵反力RFtgtを表しており、操舵角θが縦軸の右側の値である場合、その操舵角θは、ハンドル35が中立位置から右回り(時計回り)に回転されているときの操舵角であり、操舵角θが縦軸の左側の値である場合、その操舵角θは、ハンドル35が中立位置から左回り(反時計回り)に回転されているときの操舵角である。又、操舵角θが縦軸と横軸との交点の値である場合、その操舵角θは、ハンドル35が中立位置にあるときの操舵角θであり、本例においては、ゼロである。
【0051】
又、
図2の(A)及びその他の図に示したマップにおいて、縦軸の右側のラインは、ハンドル35が右回りに回転されたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を示しており、縦軸の左側のラインは、ハンドル35が左回りに回転されたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を示したものである。
【0052】
従って、
図2の(A)に示したマップにおいて、ラインLR1は、右回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したライン(通常操舵反力ライン)であり、その通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなる。
【0053】
又、
図2の(A)に示したマップにおいて、ラインLL1は、左回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したライン(通常操舵反力ライン)であり、その通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなる。
【0054】
尚、本例においては、通常操舵反力ラインLR1と通常操舵反力ラインLL1とは、縦軸に関して線対称の関係となっているが、そのような関係になっていなくてもよい。
【0055】
<
図2の(B)>
図2の(B)に示したマップは、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR2及びラインLL2で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0056】
図2の(B)に示したマップにおいて、ラインLR2は、右回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLR2から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、又、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きい。
【0057】
又、
図2の(B)に示したマップにおいて、ラインLL2は、左回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLL2から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きい。
【0058】
尚、本例においては、ラインLR2とラインLL2とは、縦軸に関して線対称の関係となっているが、そのような関係になっていなくてもよい。
【0059】
<
図2の(C)>
図2の(C)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR3及びラインLL2で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0060】
図2の(C)に示したマップにおいて、ラインLR3は、右回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLR3から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも小さい。
【0061】
又、
図2の(C)に示したマップにおいて、ラインLL2は、
図2の(B)に示したラインLL2と同じものである。
【0062】
<
図2の(D)>
図2の(D)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR2及びラインLL3で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0063】
図2の(D)に示したマップにおいて、ラインLL3は、左回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLL3から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも小さい。
【0064】
又、
図2の(D)に示したマップにおいて、ラインLR2は、
図2の(B)に示したラインLR2と同じものである。
【0065】
尚、本例において、
図2の(C)に示したラインLR3と
図2の(D)に示したラインLL3とは、縦軸に関して線対称の関係となっているが、そのような関係になっていなくてもよい。
【0066】
<
図2の(E)>
図2の(E)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR4及びラインLL2で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0067】
図2の(E)に示したマップにおいて、ラインLR4は、右回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLR4から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、操舵角θがゼロから或る値までの範囲においては、通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも小さく、操舵角θが或る値以上の範囲においては、通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、又、操舵角θの増加に対する目標操舵反力RFtgtの増加率は、操舵角θが或る値よりも小さいときよりも、操舵角θが或る値以上であるときのほうが大きい。
【0068】
又、
図2の(E)に示したマップにおいて、ラインLL2は、
図2の(B)に示したラインLL2と同じものである。
【0069】
<
図2の(F)>
図2の(F)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR2及びラインLL4で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0070】
図2の(F)に示したマップにおいて、ラインLL4は、左回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLL4から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、操舵角θがゼロから或る値までの範囲においては、通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも小さく、操舵角θが或る値以上の範囲においては、通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、又、操舵角θの増加に対する目標操舵反力RFtgtの増加率は、操舵角θが或る値よりも小さいときよりも、操舵角θが或る値以上であるときのほうが大きい。
【0071】
又、
図2の(F)に示したマップにおいて、ラインLR2は、
図2の(B)に示したラインLR2と同じものである。
【0072】
尚、本例において、
図2の(E)に示したラインLR4と
図2の(F)に示したラインLL4とは、縦軸に関して線対称の関係となっているが、そのような関係になっていなくてもよい。
【0073】
<
図3の(A)>
図3の(A)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR5及びラインLL2で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0074】
図3の(A)に示したマップにおいて、ラインLR5は、右回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLR5から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLR1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、又、操舵角θの増加に対する目標操舵反力RFtgtの増加率は、操舵角θが或る値よりも小さいときよりも、操舵角θが或る値以上であるときのほうが大きい。
【0075】
更に、ラインLR5から取得される目標操舵反力RFtgtは、少なくとも、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLR2から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0076】
又、
図3の(A)に示したマップにおいて、ラインLL2は、
図2の(B)に示したラインLL2と同じものである。
【0077】
<
図3の(B)>
図3の(B)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR2及びラインLL5で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
【0078】
図3の(B)に示したマップにおいて、ラインLL5は、左回りのハンドル操作が行われたときの操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定したラインであり、そのラインLL5から取得される目標操舵反力RFtgtは、操舵角θが増加するほど大きくなるが、操舵角θが同じときに取得される操舵反力同士で比べると、通常操舵反力ラインLL1から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、又、操舵角θの増加に対する目標操舵反力RFtgtの増加率は、操舵角θが或る値よりも小さいときよりも、操舵角θが或る値以上であるときのほうが大きい。
【0079】
更に、ラインLL5から取得される目標操舵反力RFtgtは、少なくとも、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLL2から取得される目標操舵反力RFtgtよりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0080】
又、
図3の(B)に示したマップにおいて、ラインLR2は、
図2の(B)に示したラインLR2と同じものである。
【0081】
尚、本例において、
図3の(A)に示したラインLR5と
図3の(B)に示したラインLL5とは、縦軸に関して線対称の関係となっているが、そのような関係になっていなくてもよい。
【0082】
<
図3の(C)>
図3の(C)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR4及びラインLL3で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。ラインLR4は、
図2の(E)に示したラインLR4と同じものであり、ラインLL3は、
図2の(D)に示したラインLL3と同じものである。
【0083】
<
図3の(D)>
図3の(D)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR3及びラインLL4で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。ラインLL4は、
図2の(F)に示したラインLL4と同じものであり、ラインLR3は、
図2の(C)に示したラインLL3と同じものである。
【0084】
<
図3の(E)>
図3の(E)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR5及びラインLL3で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
図3の(E)に示したマップにおいて、ラインLR5は、
図3の(A)に示したラインLR5と同じものであり、ラインLL3は、
図2の(D)に示したラインLL3と同じものである。
【0085】
<
図3の(F)>
図3の(F)に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR3及びラインLL5で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
図3の(F)に示したマップにおいて、ラインLL5は、
図3の(B)に示したラインLL5と同じものであり、ラインLR3は、
図2の(C)に示したラインLR3と同じものである。
【0086】
<
図4>
図4に示したマップも、積極操舵反力制御の実行時に使用されるマップであり、このマップによれば、ラインLR3及びラインLL3で規定されている特性に従って操舵角θに応じた目標操舵反力RFtgtが取得される。
図4に示したマップにおいて、ラインLR3は、
図2の(C)に示したラインLR3と同じものであり、ラインLL3は、
図2の(D)に示したラインLL3と同じものである。
【0087】
<通常操舵反力制御>
先に述べたように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行が要求されていない場合、操舵反力制御として、通常操舵反力制御を実行する。
【0088】
通常操舵反力制御は、操舵角θ(操舵操作の量)に基づいて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(通常操舵反力)をハンドル35(ハンドル操作)に対して与える制御であり、本例においては、
図2の(A)に示した通常支援用マップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(通常操舵反力)をハンドル35に対して与える制御である。
【0089】
<
図5の(A)>
従って、車両制御装置10は、通常操舵反力制御の実行時においては、
図5の(A)に示したように、
図2の(A)に示した通常支援用マップに操舵角θを適用して目標操舵反力RFtgtを取得(設定)し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(通常操舵反力)が操舵装置23からハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0090】
これによれば、操舵角θが大きくなるほど大きな操舵反力(通常操舵反力)がハンドル35に対して与えられる。
【0091】
尚、車両制御装置10は、
図2の(A)及びその他の図に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを取得(設定)するのに代えて、操舵角θと目標操舵反力RFtgtとの関係を規定した演算式を用いた演算により目標操舵反力RFtgtを取得(設定)するように構成されてもよい。この場合、車両制御装置10は、演算式に操舵角θを適用して目標操舵反力RFtgtを演算により取得(設定)する。
【0092】
<積極操舵反力制御>
一方、積極操舵反力制御の実行時、車両制御装置10は、操舵反力制御として、積極操舵反力制御を実行する。このとき、車両制御装置10は、車線変更開始条件が成立していない場合、積極操舵反力制御として、積極直進操舵反力制御を実行し、車線変更開始条件が成立した場合、積極操舵反力制御として、積極車線変更操舵反力制御を実行する。
【0093】
車線変更開始条件は、運転者が自車両100を車線変更させるためのハンドル操作(車線変更ハンドル操作)を開始したときに成立し、車線変更開始条件が成立した後、自車両100の車線変更が完了したとき、又は、自車両100の車線変更が中止されたときに非成立となる。
【0094】
車両制御装置10は、ウインカー50が作動され且つそのウインカー50が示している自車両100の旋回方向に隣接並走車線が存在する場合、運転者が車線変更ハンドル操作を開始したと判定し、即ち、車線変更開始条件が成立したと判定し、そうではない場合、車線変更開始条件は成立していないと判定するように構成されてもよいが、本例において、車両制御装置10は、ウインカー50が作動され且つそのウインカー50が示している自車両100の旋回方向に隣接並走車線が存在し且つそのウインカー50が示している自車両100の旋回方向にハンドル35が回転された場合、運転者が車線変更ハンドル操作を開始したと判定し、即ち、車線変更開始条件が成立したと判定し、そうではない場合、車線変更開始条件は成立していないと判定する。
【0095】
ここで、本例において、隣接並走車線は、自車線(自車両100が走行している車線)に隣接する車線であって、その車線における車両の走行方向が自車線における自車両100の走行方向と同じである車線であるが、自車両100が登坂車線を走行している場面における登坂車線(自車線)に隣接する走行車線、自車線から分岐する右折専用車線及び左折専用車線、自車両100が高速道路の本線を走行している場面において本線(自車線)から高速道路の出口に向かう分岐路、並びに、自車両100が高速道路の本線に向かって合流路(自車線)を走行している場面において合流路が合流する高速道路の本線も含まれる。
【0096】
又、以下の説明において、右隣接並走車線は、自車線の右隣に設けられている隣接並走車線であり、左隣接並走車線は、自車線の左隣に設けられている隣接並走車線である。
【0097】
尚、ウインカー50が示している自車両100の旋回方向に隣接並走車線が存在するか否かは、周辺検出情報IS及び/又は道路情報IRに基づいて判定される。
【0098】
一方、車両制御装置10は、車線変更開始条件が成立した後、自車両100全体が隣接並走車線に進入した後、操舵角θが比較的小さい所定の範囲内の値まで小さくなり、その状態が所定の期間、継続した場合、自車両100の車線変更が完了したと判定する。
【0099】
又、車両制御装置10は、車線変更開始条件が成立した後、所定の時間が経過した時点で、自車両100の車線変更が完了しておらず且つ自車両100が自車線内を走行しており且つ操舵角θが比較的小さい所定の範囲内の値になっている状態が所定の期間、継続した場合、自車両100の車線変更が中止されたと判定する。
【0100】
<積極直進操舵反力制御>
積極直進操舵反力制御は、操舵角θに基づいて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(通常操舵反力)をハンドル35に対して与える制御であり、本例においては、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(通常操舵反力)をハンドル35に対して与える制御である。
【0101】
<
図5の(B)>
従って、車両制御装置10は、積極直進操舵反力制御の実行時、
図5の(B)に示したように、自車両100が直進している場合、
図2の(B)に示したマップに操舵角θを適用して目標操舵反力RFtgtを取得(設定)し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(積極直進操舵反力)が操舵装置23からハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0102】
これによれば、操舵角θが大きくなるほど大きな操舵反力(積極直進操舵反力)がハンドル35に対して与えられるが、積極直進操舵反力制御により与えられる操舵反力(積極直進操舵反力)は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力制御により与えられる操舵反力(通常操舵反力、基準となる値の反力)よりも大きい。
【0103】
即ち、車両制御装置10は、積極操舵反力制御が実行されており且つ車線変更開始条件が成立していない場合、積極操舵反力制御の実行が実行されていない場合(即ち、通常操舵反力制御が実行されている場合)に比べ、操舵反力を大きくするように構成されている。
【0104】
これによれば、通常操舵反力制御が実行されているときに比べ、運転者は、ハンドル操作の量を増加させづらくなるため、ハンドル操作の量をゼロ近傍に維持しやすくなり、自車両100を直進させるためのハンドル35の回転位置の保持を行いやすくなる。
【0105】
<積極車線変更操舵反力制御>
積極車線変更操舵反力制御は、操舵角θに基づいて操舵反力の目標値(目標操舵反力RFtgt)を設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(積極車線変更操舵反力)をハンドル35に対して与える制御であり、本例においては、車両接近条件が成立しているか否かに応じて、以下のように設定される目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力(積極車線変更操舵反力)をハンドル35に対して与える制御である。
【0106】
車両接近条件は、自車両100を車線変更させる隣接並走車線を走行する他車両が後方から自車両100に接近してきており且つその他車両と自車両100との間の距離が所定の距離以内の距離であるときに成立し、そうではない場合、非成立となる。
【0107】
或いは、車両接近条件は、自車両100が走行している道路が3つの車線が設けられている道路(いわゆる三車線道路)である場合において、自車両100を車線変更させる右側隣接並走車線又は左側隣接並走車線を走行する他車両が後方から自車両100に接近してきており且つその他車両と自車両100との間の距離が所定の距離以内の距離であるときに成立し、そうではない場合、非成立となる。
【0108】
更に、車両接近条件は、運転者が自車両100を車線変更させようとしている隣接並走車線を走行している他車両であって、自車両100の前方を走行している他車両が減速する等して、その他車両と自車両100との相対速度が所定の速度以上の速度となり且つその他車両と自車両100との間の距離が所定の距離以内の距離となったときに成立し、そうではない場合、非成立となる。
【0109】
尚、車両接近条件が成立しているか否かは、周辺検出情報ISに基づいて判定される。
【0110】
又、運転者が自車両100を車線変更させる場面としては、以下で説明する場面の他、高速道路の本線に繋がる緩やかなカーブ路から高速道路の本線に自車両100を進入させる場面、自車線から右折専用レーンに自車両100を進入させる場面もあり、車両制御装置10は、こうした場面にも適用可能である。
【0111】
<シーン1>
まず、並走隣接車線への自車両100の車線変更が行われている間、車両接近条件が成立しない場面における車両制御装置10の作動について説明する。
【0112】
<
図6の(A)>
車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、
図6の(A)に示したように、自車両100が直進しており、車線変更開始条件が成立していない場合、先に述べたように、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御している。
【0113】
<
図6の(B)>
その後、
図6の(B)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、車線変更開始条件が成立したときに車両接近条件が成立していない場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0114】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さく、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0115】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始された場合には、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0116】
これによれば、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さく、一方、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0117】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車線変更開始条件が成立した場合、車線変更開始条件が成立していない場合に比べ、自車両100を車線変更させる方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくし、それとは反対方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を大きくするように構成されている。
【0118】
これによれば、運転者は、車線変更ハンドル操作を行いやすくなる。
【0119】
尚、本例において、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを或るマップ(第1のマップ)から別のマップ(第2のマップ)に切り替える場合、同じ操舵角θに対して設定される目標操舵反力RFtgtが第1のマップから設定される目標操舵反力RFtgtから第2のマップから設定される目標操舵反力RFtgtまでステップ状に切り替わるのではなく、連続的に変化するようにしてもよい。
【0120】
<
図6の(C)、
図6の(D)、
図7の(A1)>
その後、
図6の(C)に示したように、自車両100の前輪が白線(自車線と右隣接並走車線とを分ける白線)の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達し、その後、
図6の(D)に示したように、自車両100がその白線を跨いで進行する。その後、
図7の(A1)に示したように、自車両100全体が右隣接並走車線に進入する。このように、車線変更開始条件が成立した後、自車両100全体が右隣接並走車線に進入するまでの間、車両接近条件が成立しない限り、車両制御装置10は、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0121】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、車線変更開始条件が成立した後、自車両100全体が左隣接並走車線に進入するまでの間は、車両制御装置10は、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0122】
尚、自車線と右隣接並走車線とを分ける白線及び自車線と左隣接並走車線とを分ける白線は、周辺検出情報ISに基づいて検出される。
【0123】
そして、
図7の(A1)に示したように、自車両100全体が右隣接並走車線に進入すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(C)に示したマップから、
図2の(E)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0124】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0125】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図7の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(D)に示したマップから、
図2の(F)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0126】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0127】
このように、車両制御装置10は、車線変更開始条件の成立後、自車両100を車線変更させる隣接並走車線に自車両100全体が進入すると、自車両100を車線変更させる方向のハンドル操作に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0128】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0129】
<
図7の(A2)>
その後、
図7の(A2)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が完了すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(E)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0130】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が完了すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(F)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35(ハンドル操作)に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0131】
<
図7の(B1)>
一方、右隣接並走車線への自車両100の車線変更の開始後、ハンドル操作が切り替えられ、
図7の(B1)に示したように、自車両100が元の車線(自車線)に戻された場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(F)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0132】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0133】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図7の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(E)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0134】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0135】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、ハンドル操作が切り替えられ、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、自車両100を車線変更させる方向とは反対方向のハンドル操作(自車両100を元の車線に戻す方向のハンドル操作)に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0136】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0137】
<
図7の(B2)>
その後、車両制御装置10は、
図7の(B2)に示したように、自車両100が自車線に戻り、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が中止されたと判定すると、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(F)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0138】
尚、車両制御装置10は、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われていた場合において、自車両100が自車線に戻り、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が中止されたと判定すると、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(E)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0139】
以上が並走隣接車線への自車両100の車線変更が行われている間、車両接近条件が成立しない場面における車両制御装置10の作動である。
【0140】
<シーン2>
次に、車線変更開始条件が成立した時点で車両接近条件が成立している場面における車両制御装置10の作動について説明する。
【0141】
<
図8の(A)>
車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時に、
図8の(A)に示したように、自車両100が直進しており、車線変更開始条件が成立していない場合、先に述べたように、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御している。
【0142】
尚、
図8の(A)に示した例においては、右隣接並走車線を走行する他車両200が自車両100の後方から接近してきている。
【0143】
<
図8の(B)>
その後、
図8の(B)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、車線変更開始条件が成立したときに車両接近条件が成立している場合、車両制御装置10は、
図2の(B)に示したマップを継続して用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0144】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0145】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始されたときに車両接近条件が成立している場合も、車両制御装置10は、
図2の(B)に示したマップを継続して用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0146】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0147】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車線変更開始条件が成立し、そのときに車両接近条件が成立している場合、車両接近条件が成立していない場合に比べ、自車両100を車線変更させる方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を大きくするように構成されている。
【0148】
これによれば、運転者は、自車両100を車線変更させる方向へハンドル35を操作しづらくなるので、自車両100と他車両200との接触を抑制することができる。
【0149】
<
図8の(C)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図8の(C)に示したように、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達し、このときに、車両接近条件が成立したままである場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図3の(A)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0150】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR5で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLR2に従って与えられる操舵反力よりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0151】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図8の(C)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図3の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0152】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL5で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLL2に従って与えられる操舵反力よりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0153】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立している状態で車線変更ハンドル操作により自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達した場合、自車両100を車線変更させる方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を更に大きくするように構成されている。
【0154】
これによれば、運転者は、更に、自車両100を車線変更させる方向へハンドル35を操作しづらくなるので、自車両100と他車両200との接触を抑制することができる。
【0155】
<
図8の(D)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図8の(D)に示したように、自車両100が白線を跨いで進行し、このときに、車両接近条件が成立したままである場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(A)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0156】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0157】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図8の(D)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(B)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0158】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0159】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立している状態で車線変更ハンドル操作により自車両100が白線を跨いで進行するようになった場合、自車両100を車線変更させる方向及びそれとは反対方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくするように構成されている。
【0160】
これによれば、運転者は、自身の判断により、そのまま車線変更ハンドル操作を続け、自車両100の車線変更を続ける場合にも、或いは、自車両100と他車両200との接触を避けるためにハンドル操作を切り替えて自車両100を元の車線(自車線)に戻す場合にも、ハンドル操作を行いやすくなる。
【0161】
<
図9の(A1)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図9の(A1)に示したように、自車両100全体が右隣接並走車線に進入すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図4に示したマップから、
図3の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0162】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0163】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図9の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図4に示したマップから、
図3の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0164】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0165】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始されたときに車両接近条件が成立していた場面において、車線変更ハンドル操作が続けられ、隣接並走車線に自車両100全体が進入すると、車線変更ハンドル操作に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0166】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0167】
<
図9の(A2)>
その後、
図9の(A2)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が完了すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(C)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0168】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図9の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(D)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0169】
<
図9の(B1)>
一方、
図8の(D)に示した状況が生じた後、ハンドル操作が切り替えられ、
図9の(B1)に示したように、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図4に示したマップから、
図3の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0170】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0171】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図9の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図4に示したマップから、
図3の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0172】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0173】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立している状態で自車両100が白線を跨いで進行する状態になった後、ハンドル操作が切り替えられ、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、自車両100を車線変更させる方向とは反対方向のハンドル操作(自車両100を元の車線に戻す方向のハンドル操作)に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0174】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0175】
<
図9の(B2)>
その後、
図9の(B2)に示したように、自車両100が自車線に戻り、車両制御装置10が右隣接並走車線への自車両100の車線変更が中止されたと判定すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(D)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0176】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われていた場合において、
図9の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(C)に示したマップから、
図2の(B)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0177】
又、
図8の(C)に示した状況が生じた後、ハンドル操作が切り替えられ、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(A)に示したマップから、そのマップにおけるラインLR5と
図3の(D)に示したマップにおけるラインLL4とを組み合わせたマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0178】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL4で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0179】
以上が車線変更開始条件が成立した時点で車両接近条件が成立している場面における車両制御装置10の作動である。
【0180】
尚、右隣接並走車線への自車両100の車線変更の開始後、他車両200が自車両100を追い抜いた等したことにより、一旦成立した車両接近条件が成立しなくなった場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0181】
又、左隣接並走車線への自車両100の車線変更の開始後、他車両200が自車両100を追い抜いた等したことにより、一旦成立した車両接近条件が成立しなくなった場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0182】
<シーン3>
次に、車線変更開始条件が成立した時点では車両接近条件が成立していなかったが、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達する前に車両接近条件が成立した場面における車両制御装置10の作動について説明する。
【0183】
<
図10の(A)>
車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、
図8の(A)に示したように、自車両100が直進しており、車線変更開始条件が成立していない場合、先に述べたように、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御している。
【0184】
<
図10の(B)>
その後、
図10の(B)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、車線変更開始条件が成立したときに車両接近条件が成立していない場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0185】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始された場合には、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0186】
<
図10の(C)>
その後、
図10の(C)に示したように、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達する前に車両接近条件が成立すると、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(C)に示したマップから、
図2の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0187】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きく、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0188】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図10の(C)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(D)に示したマップから、
図2の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0189】
これによれば、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きく、一方、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0190】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われているときに自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達する前に車両接近条件が成立した場合、車線変更ハンドル操作に対して与える操舵反力を大きくするとともに、自車両100を元の車線(自車線)に戻すためのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくするように構成されている。
【0191】
これによれば、運転者は、自車両100を元の車線(自車線)に戻すためのハンドル操作を行いやすくなる。
【0192】
<
図10の(D)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図10の(D)に示したように、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達し、このときに、車両接近条件が成立したままである場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(D)に示したマップから、
図3の(E)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0193】
これによれば、右回りのハンドル操作に対して、ラインLR5で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLR2に従って与えられる操舵反力よりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0194】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図10の(D)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(C)に示したマップから、
図3の(F)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0195】
これによれば、左回りのハンドル操作に対して、ラインLL5で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが或る値以上である場合、ラインLL2に従って与えられる操舵反力よりも大きく、且つ、操舵角θの増加に対する増加率が大きい。
【0196】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立し、その後、車線変更ハンドル操作により自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達した場合、自車両100を車線変更させる方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を更に大きくするように構成されている。
【0197】
これによれば、運転者は、一層、車線変更ハンドル操作を行いづらくなるので、自車両100と他車両200との接触を抑制することができる。
【0198】
<
図11>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図11に示したように、自車両100が白線を跨いで進行するようになり、そのときに、車両接近条件が成立したままである場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(E)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0199】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0200】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図11に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図3の(F)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0201】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0202】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立し、その後、車線変更ハンドル操作により自車両100が白線を跨いで進行するようになった場合、自車両100を車線変更させる方向及びそれとは反対方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくするように構成されている。
【0203】
これによれば、運転者は、自身の判断により、そのまま車線変更ハンドル操作を続け、自車両100の車線変更を続ける場合にも、或いは、自車両100と他車両200との接触を避けるためにハンドル操作を切り替えて自車両100を元の車線(自車線)に戻す場合にも、ハンドル操作を行いやすくなる。
【0204】
<
図12の(A1)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図12の(A1)に示したように、自車両100全体が右隣接並走車線に進入すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A1)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0205】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図12の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0206】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、その後、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達する前に車両接近条件が成立した場面において、車線変更ハンドル操作が続けられ、自車両100全体が左隣接並走車線に進入すると、車線変更ハンドル操作に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0207】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0208】
<
図12の(A2)>
その後、
図12の(A2)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が完了すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A2)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0209】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図12の(A2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A2)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0210】
<
図12の(B1)>
一方、
図11に示した状況が生じた後、ハンドル操作が切り替えられ、
図12の(B1)に示したように、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B1)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0211】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図12の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0212】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車両接近条件が成立している状態で自車両100が白線を跨いで進行する状態になった後、ハンドル操作が切り替えられ、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、自車両100を車線変更させる方向とは反対方向のハンドル操作(自車両100を元の車線に戻す方向のハンドル操作)に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0213】
<
図12の(B2)>
その後、
図12の(B2)に示したように、自車両100が自車線に戻り、車両制御装置10が右隣接並走車線への自車両100の車線変更が中止されたと判定すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B2)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0214】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われていた場合において、
図12の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、先に述べた
図9の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0215】
以上が車線変更開始条件が成立した時点では車両接近条件が成立していなかったが、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達する前に車両接近条件が成立した場面における車両制御装置10の作動である。
【0216】
<シーン4>
次に、車線変更開始条件が成立した時点では車両接近条件が成立していなかったが、自車両100が白線を跨いで進行しているときに車両接近条件が成立した場面における車両制御装置10の作動について説明する。
【0217】
<
図13の(A)>
車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、
図13の(A)に示したように、自車両100が直進しており、車線変更開始条件が成立していない場合、先に述べたように、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御している。
【0218】
<
図13の(B)>
その後、
図13の(B)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、車線変更開始条件が成立したときに車両接近条件が成立していない場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(C)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0219】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さく、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0220】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始された場合には、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(B)に示したマップから、
図2の(D)に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0221】
これによれば、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さく、一方、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR2で規定される操舵反力が与えられ、その操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも大きい。
【0222】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、車線変更開始条件が成立した場合、車線変更開始条件が成立していない場合に比べ、自車両100を車線変更させる方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくし、それとは反対方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を大きくするように構成されている。
【0223】
これによれば、運転者は、車線変更ハンドル操作を行いやすくなる。
【0224】
<
図13の(C)、
図13の(D)>
その後、
図13の(C)に示したように、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達し、その後、
図13の(D)に示したように、自車両100がその白線を跨いで進行する。このように、車線変更開始条件が成立した後、自車両100が白線を跨いで進行するようになるまでの間、車両接近条件が成立しない限り、車両制御装置10は、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0225】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、車線変更開始条件が成立した後、自車両100が白線を跨いで進行するようになるまでの間は、車両制御装置10は、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0226】
<
図13の(D)>
その後、
図13の(D)に示したように、自車両100が白線を跨いで進行するようになり、そのときに、車両接近条件が成立した場合、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(C)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0227】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0228】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図13の(D)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、目標操舵反力RFtgtの設定に用いるマップを、
図2の(D)に示したマップから、
図4に示したマップに切り替えて目標操舵反力RFtgtを設定し、その目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力がハンドル35に対して与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0229】
これによれば、右回りのハンドル操作に対しては、ラインLR3で規定される操舵反力が与えられ、一方、左回りのハンドル操作に対しては、ラインLL3で規定される操舵反力が与えられ、それら操舵反力は、操舵角θが同じであるときの操舵反力同士を比べると、通常操舵反力よりも小さい。
【0230】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、自車両100が白線を跨いで進行するようになったときに車両接近条件が成立した場合、自車両100を車線変更させる方向及びそれとは反対方向へのハンドル操作に対して与える操舵反力を小さくするように構成されている。
【0231】
これによれば、運転者は、自身の判断により、そのまま車線変更ハンドル操作を続け、自車両100の車線変更を続ける場合にも、或いは、自車両100と他車両200との接触を避けるためにハンドル操作を切り替えて自車両100を元の車線(自車線)に戻す場合にも、ハンドル操作を行いやすくなる。
【0232】
<
図14の(A1)>
その後も車線変更ハンドル操作が続けられ、
図14の(A1)に示したように、自車両100全体が右隣接並走車線に進入すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A1)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0233】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図14の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A1)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0234】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、その後、自車両100が白線を跨いで走行しているときに車両接近条件が成立した場面において、車線変更ハンドル操作が続けられ、自車両100全体が左隣接並走車線に進入すると、車線変更ハンドル操作に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0235】
これによれば、運転者は、操舵角θを減少させるハンドル操作(即ち、ハンドル35を中立位置に戻す操作)を行いやすくなる。
【0236】
<
図14の(A2)>
その後、
図14の(A2)に示したように、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が完了すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A2)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0237】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図14の(A2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(A2)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0238】
<
図14の(B1)>
一方、
図10の(D)に示した状況が生じた後、ハンドル操作が切り替えられ、
図14の(B1)に示したように、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B1)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0239】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合において、
図14の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときには、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B1)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0240】
このように、車両制御装置10は、積極操舵反力制御の実行時、隣接並走車線への自車両100の車線変更が開始され、その後、自車両100が白線を跨いで進行しているときに車両接近条件が成立した後、ハンドル操作が切り替えられ、自車両100が元の車線(自車線)に戻されると、自車両100を車線変更させる方向とは反対方向のハンドル操作(自車両100を元の車線に戻す方向のハンドル操作)に対し、操舵角θが或る値以上である場合、操舵角θが或る値よりも小さい場合に比べ、操舵角θの増加に対する増加率が大きくなるように目標操舵反力RFtgtを設定して操舵反力を与えるように構成されている。
【0241】
<
図14の(B2)>
その後、
図14の(B2)に示したように、自車両100が自車線に戻り、車両制御装置10が右隣接並走車線への自車両100の車線変更が中止されたと判定すると、車両制御装置10は、先に述べた
図9の(B2)に示した状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0242】
尚、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われていた場合において、
図14の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときには、先に述べた
図9の(B2)に示した状況に相当する状況が生じたときと同じようにして操舵装置23の作動を制御する。
【0243】
以上が車線変更開始条件が成立した時点では車両接近条件が成立していなかったが、自車両100が白線を跨いで進行しているときに車両接近条件が成立した場面における車両制御装置10の作動である。
【0244】
尚、車両制御装置10は、車両接近条件が成立したときに後方から自車両100に他車両200が接近してきていることを運転者に知らせるための画像を表示装置61により表示するように構成されてもよい。又、車両制御装置10は、車両接近条件が成立したときに後方から自車両100に他車両200が接近してきていることを運転者に知らせるための音声を音響装置62から出力するように構成されてもよい。
【0245】
<車両制御装置の具体的な作動>
次に、車両制御装置10の具体的な作動を説明する。車両制御装置10のECU90のCPUは、
図15に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図15に示したルーチンのステップ1500から処理を開始し、その処理をステップ1505に進め、積極操舵反力制御の実行が要求されているか否かを判定する。
【0246】
CPUは、ステップ1505にて「No」と判定した場合、処理をステップ1510に進め、
図16に示したルーチンを実行する。従って、CPUは、処理をステップ1510に進めると、
図16に示したルーチンのステップ1600から処理を開始し、その処理をステップ1605に進め、
図2の(A)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1610に進め、ステップ1605にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、ステップ1695を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0247】
一方、CPUは、
図15に示したルーチンのステップ1505にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1515に進め、
図17に示したルーチンを実行する。従って、CPUは、処理をステップ1515に進めると、
図17に示したルーチンのステップ1700から処理を開始し、その処理をステップ1705に進め、車線変更実施フラグXLCの値が「1」であるか否かを判定する。車線変更実施フラグXLCの値は、自車両100の車線変更が開始されたときに「1」に設定され、自車両100の車線変更が完了したとき、或いは、自車両100の車線変更が中止されたときに「0」に設定される。
【0248】
CPUは、ステップ1705にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1710に進め、第1フェーズフラグX1、第2フェーズフラグX2、第3フェーズフラグX3及び第4フェーズフラグX4の値が全て「0」であるか否かを判定する。第1フェーズフラグX1の値は、後述する第1フェーズにおいて車両接近条件が成立したときに「1」に設定され、車両接近条件が非成立となったとき、或いは、自車両100の車線変更が中止されたときに「0」に設定される。第2フェーズフラグX2の値は、後述する第2フェーズにおいて車両接近条件が成立したときに「1」に設定され、車両接近条件が非成立となったとき、或いは、自車両100の車線変更が中止されたときに「0」に設定される。第3フェーズフラグX3の値は、後述する第3フェーズにおいて車両接近条件が成立したときに「1」に設定され、車両接近条件が非成立となったとき、或いは、自車両100の車線変更が中止されたときに「0」に設定される。第4フェーズフラグX4の値は、後述する第4フェーズにおいて車両接近条件が成立したときに「1」に設定され、車両接近条件が非成立となったとき、或いは、自車両100の車線変更が中止されたときに「0」に設定される。
【0249】
CPUは、ステップ1710にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1715に進め、現時点が第1フェーズであるか否かを判定する。第1フェーズは、自車両100の車線変更が開始された時点(即ち、車線変更開始条件が成立した時点)である。
【0250】
CPUは、ステップ1715にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1720に進め、車両接近条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1720にて「No」と判定した場合、処理をステップ1725に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1730に進め、ステップ1725にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、ステップ1795を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0251】
一方、CPUは、ステップ1720にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1735に進め、第1フェーズフラグX1の値を「1」に設定する。これにより、ステップ1710にて「No」と判定され、
図20に示したルーチンのステップ2005にて「Yes」と判定されるようになる。次いで、CPUは、ステップ1795を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0252】
又、CPUは、ステップ1715にて「No」と判定した場合、処理をステップ1745に進め、現時点が第2フェーズであるか否かを判定する。第2フェーズは、自車両100の車線変更の開始後、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達するまでの期間である。
【0253】
CPUは、ステップ1745にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1750に進め、車両接近条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1750にて「No」と判定した場合、処理をステップ1755に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1760に進め、ステップ1755にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、ステップ1795を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0254】
一方、CPUは、ステップ1750にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1765に進め、第2フェーズフラグX2の値を「1」に設定する。これにより、ステップ1710にて「No」と判定され、
図21に示したルーチンのステップ2105にて「Yes」と判定されるようになる。次いで、CPUは、ステップ1795を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0255】
又、CPUは、ステップ1745にて「No」と判定した場合、処理を
図18のステップ1805に進め、現時点が第3フェーズであるか否かを判定する。第3フェーズは、自車両100の車線変更の開始後、自車両100の前輪が白線の直前の位置(白線から自車両100側に所定距離の位置)に到達してから自車両100の前輪が白線にかかるまで(自車両100が白線を跨いで走行するようになるまで)の期間である。
【0256】
CPUは、ステップ1805にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1810に進め、車両接近条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1810にて「No」と判定した場合、処理をステップ1815に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1820に進め、ステップ1815にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ1895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0257】
一方、CPUは、ステップ1810にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1825に進め、第3フェーズフラグX3の値を「1」に設定する。これにより、ステップ1710にて「No」と判定され、
図22に示したルーチンのステップ2205にて「Yes」と判定されるようになる。次いで、CPUは、処理をステップ1895に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0258】
又、CPUは、ステップ1805にて「No」と判定した場合、処理をステップ1830に進め、現時点が第4フェーズであるか否かを判定する。第4フェーズは、自車両100の車線変更の開始後、自車両100の前輪が白線にかかり、自車両100が白線を跨いで走行している期間である。
【0259】
CPUは、ステップ1830にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1835に進め、車両接近条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1835にて「No」と判定した場合、処理をステップ1840に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1845に進め、ステップ1840にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ1895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0260】
一方、CPUは、ステップ1835にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1850に進め、第4フェーズフラグX4の値を「1」に設定する。これにより、ステップ1710にて「No」と判定され、
図23に示したルーチンのステップ2305にて「Yes」と判定されるようになる。次いで、CPUは、処理をステップ1895に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0261】
又、CPUは、ステップ1830にて「No」と判定した場合、処理を
図19のステップ1905に進め、現時点が第5フェーズであるか否かを判定する。第5フェーズは、自車両100の車線変更の開始後、自車両100全体が隣接並走車線に進入してから自車両100の車線変更が完了するまでの期間である。
【0262】
CPUは、ステップ1905にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1910に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(E)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(F)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1915に進め、ステップ1910にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ1995に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0263】
一方、CPUは、ステップ1905にて「No」と判定した場合、処理をステップ1920に進め、現時点が第6フェーズであるか否かを判定する。第6フェーズは、自車両100の車線変更の開始後、自車両100が元の車線(自車線)に戻されてから自車両100の車線変更が中止されたと判定されるまでの期間である。
【0264】
CPUは、ステップ1920にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1925に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が一旦開始されていた場合には、
図2の(F)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が一旦開始されていた場合には、
図2の(E)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1930に進め、ステップ1925にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ1995に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0265】
一方、CPUは、ステップ1920にて「No」と判定した場合、処理をステップ1995に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0266】
又、CPUは、
図17に示したルーチンのステップ1710にて「No」と判定した場合、ステップ1795を経由して
図15に示したルーチンのステップ1595に処理を進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0267】
又、CPUは、ステップ1705にて「No」と判定した場合、処理をステップ1770に進め、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1775に進め、ステップ1770にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ1795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0268】
更に、CPUは、
図20に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図20に示したルーチンのステップ2000から処理を開始し、その処理をステップ2005に進め、第1フェーズフラグX1の値が「1」であるか否かを判定する。
【0269】
CPUは、ステップ2005にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2010に進め、現時点が第1フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2010にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2015に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2020に進める。一方、CPUは、ステップ2010にて「No」と判定した場合、処理をステップ2020に直接進める。
【0270】
CPUは、処理をステップ2020に進めると、現時点が第2フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2020にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2025に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図2の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2030に進める。一方、CPUは、ステップ2020にて「No」と判定した場合、処理をステップ2030に直接進める。
【0271】
CPUは、処理をステップ2030に進めると、現時点が第3フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2030にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2035に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(A)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(B)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2040に進める。一方、CPUは、ステップ2030にて「No」と判定した場合、処理をステップ2040に直接進める。
【0272】
CPUは、処理をステップ2040に進めると、現時点が第4フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2040にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2045に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図4に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2050に進める。一方、CPUは、ステップ2040にて「No」と判定した場合、処理をステップ2050に直接進める。
【0273】
CPUは、処理をステップ2050に進めると、現時点が第5フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2050にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2055に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2060に進める。一方、CPUは、ステップ2050にて「No」と判定した場合、処理をステップ2060に直接進める。
【0274】
CPUは、処理をステップ2060に進めると、現時点が第6フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2060にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2065に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2070に進める。一方、CPUは、ステップ2060にて「No」と判定した場合、処理をステップ2070に直接進める。
【0275】
CPUは、処理をステップ2070に進めると、ステップ2015、又は、ステップ2025、又は、ステップ2035、又は、ステップ2045、又は、ステップ2055、又は、ステップ2065にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ2095に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0276】
又、CPUは、ステップ2005にて「No」と判定した場合、処理をステップ2095に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0277】
更に、CPUは、
図21に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図21に示したルーチンのステップ2100から処理を開始し、その処理をステップ2105に進め、第2フェーズフラグX2の値が「1」であるか否かを判定する。
【0278】
CPUは、ステップ2105にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2110に進め、現時点が第2フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2110にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2115に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2120に進める。一方、CPUは、ステップ2110にて「No」と判定した場合、処理をステップ2120に直接進める。
【0279】
CPUは、処理をステップ2120に進めると、現時点が第3フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2120にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2125に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(E)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(F)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2130に進める。一方、CPUは、ステップ2120にて「No」と判定した場合、処理をステップ2130に直接進める。
【0280】
CPUは、処理をステップ2130に進めると、現時点が第4フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2130にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2135に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図4に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2140に進める。一方、CPUは、ステップ2130にて「No」と判定した場合、処理をステップ2140に直接進める。
【0281】
CPUは、処理をステップ2140に進めると、現時点が第5フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2140にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2145に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2150に進める。一方、CPUは、ステップ2140にて「No」と判定した場合、処理をステップ2150に直接進める。
【0282】
CPUは、処理をステップ2150に進めると、現時点が第6フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2150にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2155に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2160に進める。一方、CPUは、ステップ2150にて「No」と判定した場合、処理をステップ2160に直接進める。
【0283】
CPUは、処理をステップ2160に進めると、ステップ2115、又は、ステップ2125、又は、ステップ2135、又は、ステップ2145、又は、ステップ2155にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ2195に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0284】
又、CPUは、ステップ2105にて「No」と判定した場合、処理をステップ2195に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0285】
更に、CPUは、
図22に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図22に示したルーチンのステップ2200から処理を開始し、その処理をステップ2205に進め、第3フェーズフラグX3の値が「1」であるか否かを判定する。
【0286】
CPUは、ステップ2205にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2210に進め、現時点が第3フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2210にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2215に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図2の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2220に進める。一方、CPUは、ステップ2210にて「No」と判定した場合、処理をステップ2220に直接進める。
【0287】
CPUは、処理をステップ2220に進めると、現時点が第4フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2220にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2225に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図4に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2230に進める。一方、CPUは、ステップ2220にて「No」と判定した場合、処理をステップ2230に直接進める。
【0288】
CPUは、処理をステップ2230に進めると、現時点が第5フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2230にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2235に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2240に進める。一方、CPUは、ステップ2230にて「No」と判定した場合、処理をステップ2240に直接進める。
【0289】
CPUは、処理をステップ2240に進めると、現時点が第6フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2240にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2245に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2250に進める。一方、CPUは、ステップ2240にて「No」と判定した場合、処理をステップ2250に直接進める。
【0290】
CPUは、処理をステップ2250に進めると、ステップ2215、又は、ステップ2225、又は、ステップ2235、又は、ステップ2245にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ2295に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0291】
又、CPUは、ステップ2205にて「No」と判定した場合、処理をステップ2295に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0292】
更に、CPUは、
図23に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図23に示したルーチンのステップ2300から処理を開始し、その処理をステップ2305に進め、第4フェーズフラグX4の値が「1」であるか否かを判定する。
【0293】
CPUは、ステップ2305にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2310に進め、現時点が第4フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2310にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2315に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合も、
図4に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2320に進める。一方、CPUは、ステップ2310にて「No」と判定した場合、処理をステップ2320に直接進める。
【0294】
CPUは、処理をステップ2320に進めると、現時点が第5フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2320にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2325に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2330に進める。一方、CPUは、ステップ2320にて「No」と判定した場合、処理をステップ2330に直接進める。
【0295】
CPUは、処理をステップ2330に進めると、現時点が第6フェーズであるか否かを判定する。CPUは、ステップ2330にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ2335に進め、右隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(D)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定し、左隣接並走車線への自車両100の車線変更が行われている場合には、
図3の(C)に示したマップを用いて目標操舵反力RFtgtを設定する。その後、CPUは、処理をステップ2340に進める。一方、CPUは、ステップ2330にて「No」と判定した場合、処理をステップ2340に直接進める。
【0296】
CPUは、処理をステップ2340に進めると、ステップ2315、又は、ステップ2325、又は、ステップ2335にて設定した目標操舵反力RFtgtに相当する操舵反力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ2395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0297】
又、CPUは、ステップ2305にて「No」と判定した場合、処理をステップ2395に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0298】
以上が車両制御装置10の具体的な作動である。
【0299】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【符号の説明】
【0300】
10…車両制御装置、20…走行装置、23…操舵装置、35…ハンドル、43…積極操舵反力支援スイッチ、70…周辺情報検出装置、80…道路情報検出装置、90…ECU、100…自車両、200…他車両