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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】籾摺選別機
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20240903BHJP
   B02B 5/02 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B02B7/00 Z
B02B5/02 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022197955
(22)【出願日】2022-12-12
(62)【分割の表示】P 2019139450の分割
【原出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2023017093
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】清家 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 政司
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-029792(JP,A)
【文献】特開2011-218263(JP,A)
【文献】特開2015-009164(JP,A)
【文献】特開2001-246274(JP,A)
【文献】特開2002-186866(JP,A)
【文献】特開2011-011112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 - 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾摺装置(2)と、風選部(3)と、揺動選別板(14)と、仕上米昇降機(7)を備える籾摺選別機において、
揺動選別板(14)の上方には、仕上米昇降機(7)から吸引された塵埃が風選部(3)まで通過する吸塵筒体(74)と、揺動選別板(14)の上方を覆う上面カバー(71)を設け、
上面カバー(71)の下面に吸塵筒体(74)を設け、
吸塵筒体(74)の前面に対向する位置で、かつ、上面カバー(71)の下面に対向する位置に揺動選別板(14)の板面を照射する照明具(76)を設けるものであって、
上面カバー(71)には開閉可能な透明点検カバー(73)を設け、
透明点検カバー(73)は、回動支点(X)で開閉する構成とし、
照明具(76)は回動支点(X)より後方位置に設けたことを特徴とする籾摺選別機。
【請求項2】
照明具(76)は、左右方向に延びる構成であって、吸塵筒体(74)に沿う姿勢であり、揺動選別板(14)の選別終端側(T)に向けて斜め下方に照射する姿勢に設けることを特徴とする請求項1記載の籾摺選別機。
【請求項3】
照明具(76)は、上面カバー(71)に構成される部材(75f)に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のいずれかに記載の籾摺選別機。
【請求項4】
吸塵筒台(74)の前面に支持ステー(77)を設け、鋭角に折曲させた先端部に照明具(76)の座面を取り付けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の籾摺選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、籾摺選別機に関し、特に籾と玄米を比重選別する多段構成の揺動選別板面を照射する照明具の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来籾摺選別機において、籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別板の選別排出口部に、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板を設け、この透明板の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプを設ける構成がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-11112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成によると、照明ランプの点灯によって、透明板の下側から上側へ向けて照明が透過されて、この透明板上面を選別排出口へ流動する玄米や、籾を下側から照射透過させる。このとき玄米はこの透過照明を透過し易く、吸収して略半透明の状態としての視覚を受け、籾は透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。この結果、玄米の流れる状態、位置は見え難くなり、籾の流れる状態のみの識別を判然と行うことができる効果がある。
【0005】
しかしながら、照明ランプを透明板の下側に設ける構成であるから、構成が複雑で視界も制限を受けやすい。
【0006】
この発明は、揺動選別板上の混合米の視認性が良好で、揺動選別装置に効率良く組み付ける照明器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0008】
請求項1に係る発明は、籾摺装置(2)と、風選部(3)と、揺動選別板(14)と、仕上米昇降機(7)を備える籾摺選別機において、
揺動選別板(14)の上方には、仕上米昇降機(7)から吸引された塵埃が風選部(3)まで通過する吸塵筒体(74)と、揺動選別板(14)の上方を覆う上面カバー(71)を設け、
上面カバー(71)の下面に吸塵筒体(74)を設け、
吸塵筒体(74)の前面に対向する位置で、かつ、上面カバー(71)の下面に対向する位置に揺動選別板(14)の板面を照射する照明具(76)を設けるものであって、
上面カバー(71)には開閉可能な透明点検カバー(73)を設け、
透明点検カバー(73)は、回動支点(X)で開閉する構成とし、
照明具(76)は回動支点(X)より後方位置に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、照明具(76)は、左右方向に延びる構成であって、吸塵筒体(74)に沿う姿勢であり、揺動選別板(14)の選別終端側(T)に向けて斜め下方に照射する姿勢に設けることとした。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、照明具(76)は、上面カバー(71)に構成される部材(75f)に設けることとした。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一に記載の発明において、吸塵筒台(74)の前面に支持ステー(77)を設け、鋭角に折曲させた先端部に照明具(76)の座面を取り付けることとした。
【0012】
【発明の効果】
【0013】
揺動選別板上の混合米の視認性が良好で、揺動選別装置に効率良く組み付ける照明器具を提供することができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかる籾摺選別機の正面側斜視図
図2】同籾摺選別機の内部構成の正面図
図3】同籾摺選別機の揺動選別板の選別分布状況
図4】同籾摺選別機の揺動選別装置の正面図(a)および側面図(b)
図5】同籾摺選別機の籾玄米分離体の斜視図
図6】同籾摺選別機の混合米分配部の部分矢視図を含む内部透視正面図
図7】同籾摺選別機の異物受の分解斜視図(a)および要部側面図(b)
図8】同籾摺選別機の揺動選別板及び照明部付近の側面図(A)、その斜視図(B)、照明部付近の拡大側断面図(C)及び透明点検カバーの側断面図(D)
図9】同籾摺選別機の吸塵筒体接続部の説明図
図10】同籾摺選別機における、伝動状態及び圧搾空気分配接続状態を示す図
図11】同籾摺選別機における、異なる伝動状態を示す図
図12】同籾摺選別機の混合米移送樋及び混合米昇降機の平断面図(a)および混合米移送樋及び第2エアノズル装着状況を示す背断面図(b)
図13図12(a)A-Aで示す混合米昇降機の下部の断面図
図14】同籾摺選別機のエアノズルへの接続ホース配索を示す正面図(a)、左側面図(b)及び混合米移送樋の昇降機接続部の平面図(c)
図15】(a)同籾摺選別機の操作盤周辺の上面斜視図、(b)操作盤周辺の正面図
図16】同籾摺選別機の操作レバー他主要各部の連動構成を示す斜視図
図17】同籾摺選別機の制御ブロック図
図18】同籾摺選別機のフローチャート
図19】同籾摺選別機のタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態につき、図面に基づき説明する。
【0019】
まず、本発明の適用対象である籾摺選別機の全体について説明する。
【0020】
籾摺選別機1は、図1に示すように、機体正面側左端の籾摺装置2と、籾殻ダクト3aを備える風選部3と、その後部に配置の混合米昇降機4および混合米タンク5と、この混合米タンク5を後部に受ける前後に長い揺動選別装置6と、その側方の仕上米昇降機7とを備えて構成される。
【0021】
籾摺選別機1の内部構成は、図2の正面図に示すように、籾を収容する籾ホッパ2aをロール型籾摺装置2の上方に配置し、この籾摺装置2から脱ぷ穀粒を風選部3により風選処理して分離した籾殻を籾殻ダクト3aから排出するとともに、風選穀粒(籾と玄米との混合米)を混合米昇降機4により混合米タンク5に貯留し、この混合米を供給調節可能な混合米タンク5から、図3に示すような揺動選別装置6の選別始端部H側に供給し、この揺動選別装置6の左右方向の揺動動作によって揺上げ側に玄米を比重選別し、この玄米の選別領域Aに合わせて選別終端側Tに可動玄米仕切板8を配置することによって選別玄米を仕切り、仕上米昇降機7に至る排出路9を経て仕上玄米として排出する(図3)。
【0022】
その一方で、揺動選別装置6の揺下げ側に選別される籾は、その籾領域Bに合わせて可動籾仕切板10を配置することにより、籾領域Bの選別籾をスロワ11に至る再籾摺路12を経て再び籾摺装置2に還元供給し、残余の混合米領域Cに選別される混合米は、混合米昇降機4に至る再選別路13を経て再び揺動選別装置6に循環供給する。このようにして、籾摺作業の進行とともに玄米を選別して玄米領域Aから仕上米昇降機5によって仕上玄米として排出する。
【0023】
揺動選別装置6について詳細に説明する。図4の正面図(a)および側面図(b)及び図5に示すように、前後に長い揺動選別板14を両側板14a,14bによって多段に固定した選別部と、その上部背面側で混合米を受けて各揺動選別板14に分配供給する分配用受部15からなる混合米分配部とを一体に構成し、揺下側となる左の側板14aには、籾領域Bの選別籾を再籾摺路12に導く籾玄米分離体16を備える。
【0024】
揺動選別装置6を構成する多段構成の揺動選別板14は、それぞれに選別用の凹部14cを多数形成しており、全体を左右方向の右側が高く傾斜するとともに選別始端側Hの後端部を高くして分配用受部15から混合米を受けつつ左右に傾斜揺動することにより、それぞれの前端部を選別終端側Tとして穀粒が比重選別される。揺動選別板14の揺上げ側には玄米層の玄米領域A、揺下げ側には籾層の籾領域B、中間部には混合米層の混合米領域Cが形成される。
【0025】
そして、揺動選別装置6の揺動選別板14毎に籾領域Bの選別終端側Tの側部に籾領域Bの籾を取り出す籾案内口17を設け、該籾案内口17の側方に対向する位置に、箱型状の籾玄米分離体16を側板14aを介して取付ける。籾玄米分離体16には各揺動選別板14それぞれの籾領域Bの籾が籾案内口17を通過して流入し、そこで籾に混じる玄米を分離し、前記再籾摺路12に籾を案内し、再選別路13に玄米を案内する構成である。
【0026】
籾玄米分離体16内には、籾に混じる玄米を漏下する網目体である目抜孔を多数形成した多孔板16aを揺動選別板14の段数分設ける。各多孔板16aの下方には、それぞれ漏下選別された玄米を受ける玄米案内板16bを設ける。すなわち、多孔板16aと玄米案内板16bを上下方向に交互に配置する構成である。
【0027】
玄米案内板16bの玄米排出側には、各玄米案内板16bから排出した玄米が一括して通過案内する玄米案内通路18を設け、この玄米案内通路18を前記再選別路13に連通する。また、各段の多孔板16aを漏下しなかった籾を一括して通過案内する籾案内通路19を設け、籾案内通路19と再籾摺路12を連通する。
【0028】
この実施の形態の玄米案内通路18は玄米案内板16bの側方に配置し、籾案内通路19は多孔板16aの前側に配置している。
【0029】
各多孔板16aと玄米案内通路18とを籾仕切壁16Sで仕切り、玄米案内板16bと玄米案内通路18は連通する構成とし、各多孔板16aと籾案内通路19とを連通し、玄米案内板16bと籾案内通路19とを玄米仕切壁16Gで仕切る構成である。すなわち、多孔板16a、玄米案内板16b、籾案内通路19、玄米案内通路18、籾仕切壁16S、玄米仕切壁16Gが籾玄米分離体16の箱体内に設けられている。
【0030】
多段の揺動選別板14毎に設けた籾案内口17から籾領域Bの籾が籾玄米分離体16の多孔板16aに流入する。多孔板16aにより混入している玄米が漏下し、多孔板16a上に残った籾は籾仕切壁16Sにより玄米案内通路18への流入を阻止されつつ籾案内通路19に流入し、再籾摺路12に落下して案内される。また、多孔板16aを漏下した玄米は玄米案内板16bに落下して供給され、玄米仕切壁16Gにより籾案内通路19への流入を阻止されつつ玄米案内通路18に入り、落下して再選別路13に案内される。本構成により、籾領域Bから取り出された籾に混じる玄米を各段毎の選別によって滞留無しに精度良く選別することができる。
【0031】
この場合において、籾玄米分離体16を側板14aの外側に沿って設け、前後方向に長い多孔板16aによる長い選別行程を形成することにより籾と玄米の選別精度を向上することができるため、籾摺装置2に戻る玄米量が低減し、二度摺りによる肌ずれ玄米の量を低減することができる。また、選別された玄米は再選別路13を介して迅速な再選別処理が可能となる。
【0032】
また、各玄米案内板16bは、籾案内口17の多孔板16aの下方で玄米を玄米案内通路18側に送出する傾斜角度を設けることにより、多孔板16aから受けた漏下選別穀粒が迅速に案内されて滞留のない効率のよい再選別が可能となる。また、多孔板16aは揺動選別板14と平行する姿勢で設けており、揺動選別板と同様に前後方向に前下がり傾斜する構成のため、籾を円滑に籾案内通路19に排出できる。
【0033】
また、玄米案内通路18の下端に揺動選別板14の下方を傾斜して設ける再選別連通部18aを接続し、再選別連通部18aと再選別路13に連通することにより、籾案内通路19の後方に再選別連通部18aを設けることとなり、籾玄米分離体16で分離した籾と玄米のそれぞれの搬送行程を簡潔に構成することができる。
【0034】
前記分配用受部15は、混合米タンク5の下方に設けられ、混合米タンク5からの混合米を広幅に形成した移送樋部15aを経て多段揺動選別板14の背面側から各段に分配する分配樋14dに供給するものである。図6の部分矢視図を含む透視正面図に示す分配用受部15には、混合米に混在する長尺異物Dを分離するため、目抜孔20aを形成した受部多孔板20を横姿勢に設け、その排出端に臨んで長尺異物Dを側方に排出するための側部排出口21を形成している。受部多孔板20の排出端から側部排出口21までの間には、混合米を漏下して最上段の揺動選別板14に供給する目抜孔22aを形成した選別部多孔板22を設ける。目抜孔22aは少なくとも受部多孔板20の排出端側に全幅に亘って形成する。受部多孔板20からほぼ大部分の混合米は移送樋部15aに漏下し分配樋14dに向け移送されるもので、該移送樋部15aには移送ラックを適宜に形成してもよい。
分配用受部15の揺下側には前記分配樋14dから各段の揺動選別板14への流入量が均一化できるように流量調節用の均し弁23を設ける。また、後続の選別部多孔板22は短区間であるが側部排出口21に向けやや上り傾斜として長尺異物Dの移送を遅らせながら残留する混合米を漏下させるものである。
【0035】
上記構成の受部多孔板20は、混合米タンク5から受けた混合米を揺動動作によって下方の混合米流下板15aに漏下することによって各揺動選別板14に分配供給し、また、受部多孔板20に残留された混合米中の長尺異物Dは揺動によってその終端側に移送される。この長尺異物Dは更に選別部多孔板22に移動し、長尺異物Dに混じる混合米を漏下して最上段の揺動選別板14に供給する一方、長尺異物Dは、側部排出口21から排出される。したがって、受部多孔板20と選別部多孔板22とによる簡易な構成により、藁屑等の長尺異物Dを順次排出することができる。
【0036】
この場合において、最上段の揺動選別板14と対向する位置に選別部多孔板22を配置することにより、特段の案内部材を要することなく、混合米を揺動選別板14に供給することができる。また、選別部多孔板22は、側部排出口21まで昇り傾斜に形成することにより長尺異物Dの移動が抑制されて混合米を確実に漏下することができる。
【0037】
側部排出口21からの長尺異物Dを受ける異物受21Dは、図7の分解斜視図(a)および要部側面図(b)に示すように、側部排出口21の直下位置で揺動選別板14の背面側を覆う外装カバー24の張出部24aに形成した開口に開放可能に受板部24bを設けて構成する。すなわち、受板部24bが外装カバー24の一部を形成している。
【0038】
この異物受21Dは、蝶番等により受板24bを開放可能に軸支することにより、閉鎖時は外部からの異物侵入を防止するとともに、混合米分配部に受けた混合米から分離された長尺異物Dを側部排出口21から受けて貯留する。この貯留異物Dは、機体の側方位置で受板部24bを回動して開放操作することにより、受板部24bが傾斜ガイドとなって機外に落下排出されることから、作業者が貯留異物Dに触れることなく、下方配置の収容部材(図示せず)に収容することができる。
【0039】
この場合において、張出部24aに形成した開口を囲む仕切24cを設けることにより、受板部24bに受けた異物Dの散乱を防止することができる。
【0040】
前記揺動選別装置6の上部において、前記分配用受部15よりも前側に、最上段の揺動選別板14の上方を覆う上面カバー71を設けている。さらに、この上面カバー71に連続するように多段の揺動選別板14の前面を覆う前面カバー72を設けている。これらの上面カバー71及び前面カバー72は揺動選別装置6の機枠部に締結固定している。上面カバー71の前側寄りには透明樹脂製の透明点検カバー73を後部側支点X回りに開閉可能に設けている。前記上面カバー71の下面であって後方寄りに、仕上米昇降機7の仕上米から塵埃を吸塵する吸塵筒体74の途中部を支持している。すなわち、可撓性材の吸塵筒体74は、仕上米昇降機7の投げ口と前記風選部3の吸引ブロア3b乃至籾殻ダクト3aの間に設けられ、仕上米昇降機7から排出される仕上米から塵埃を吸塵除去するよう構成されている。そして、上面カバー71と該上面カバー71の内側に溶接等の手段で垂下状に固定した筒体支持枠75をもって囲われた状態で支持されている。すなわち、前後一対の壁部材75f,75r及び底部75bを形成すべく折曲形成した板金材の筒体支持枠75と上面カバー71によって左右を開口した矩形筒体を形成しており、吸塵筒体74を挿通させてその途中部を筒体支持枠75をもって支持させるものである。
【0041】
図8に示すように、前記筒体支持枠75の前側の壁部材75fに、揺動選別板14の揺動方向、即ち左右方向に長い照明具76を設け、揺動選別板14の排出先端部側つまり選別終端側Tを揺動選別板14の上方から照射できるよう構成している。すなわち、照明具76はLED(発光ダイオード)のように発光素子を光源に使用し直管状カバー内に複数のLEDを所定の間隔で直列に配列した構成であり、一方の壁部材75fの前面に支持ステー77を固定し、鋭角に折曲させた先端部に照明具76の座面を固定して取り付ける。
その照射方向は、揺動選別板14の上方における取付位置から鋭角折曲によって斜め下方に向き、前記のように揺動選別板14の選別終端側Tを照射可能に設けられる。
【0042】
上記のように構成された照明具76の照射は揺動選別板14の排出先端部に向かうものであるから、揺動選別板14の上方から揺動選別板14面を見たとき、揺動選別板14に対する仕上仕切り板8及び籾仕切り板10の位置を明確に確認でき、視認性を向上する。
【0043】
なお、照明具76は、前記のように揺動選別板14の揺動方向、即ち左右方向に長い構成とするものであるが、具体的には安定的な選別状況において、前記混合米領域Cを越え
て玄米領域Aの揺動選別板14の選別終端側T(排出先端部)を照射できるように、照明具76の長手方向長さ及び関連する複数LEDの配列構成を設定するものである。
【0044】
また、照明具76は、前記吸塵筒体74を支持すべく上面カバー71に構成された壁部材75fに設けるものであるから、吸塵筒体74を設置するために必要な部材を利用して取付ることで良好な取付けができる。吸塵筒体74の一部を板金化する等によって壁部材75fに代替できる構成とすれば、直接吸塵筒体74に支持させることもできる。
【0045】
照明具76と上面カバー71に付設する透明点検カバー73の回動支点Xとの関係について説明する。図8に示すように、透明点検カバー73は断面ややく字型に成形されており、後側下部に一体成型するボス部73aを上部カバー71に構成する軸支部71aに一致させて左右方向の軸芯を有した支軸78で連結し、この支軸78を回動支点Xとして上下に回動することによって、透明点検カバー73は上部カバー71の開口部を開閉できるように構成されている。回動支点X、すなわちボス部73aから透明点検カバー73の後端までに距離を有して上面カバー71の開口部と透明点検カバー73後端側との間に隙間が生じないように設けている。照明具76と回動支点Xとは、接近しているが、透明点検カバー73の後端が干渉しないように、照明具76の位置は、回動支点Xよりも後部側、即ち上部カバー71の下部の奥側に位置している。このため、透明点検カバー73を開けて内部点検する場合にあっても照明具76からの照光が直接目に入ることがない。
【0046】
次いで、前記吸塵筒体74は前記風選部3の吸引ブロア3bに接続されて塵埃吸引風を発生させるものであり、籾殻ダクト3aから塵埃排出できる。この籾殻ダクト3aの吸引ブロア3bにはファン3cを備え、吸引ブロア3bの吸気口において、風選部3の主風路用と吸塵筒体74の吸引風路用の各吸気面積を設定するが、この吸気面積を変更できる構成とし、籾摺選別作業終了後、吸塵筒体74側の吸引風路の面積を増加させることによって、籾摺作業後に多く残る埃や残米を吸引ブロア3bで吸引し、籾殻ダクト3aから排出することができる。
【0047】
図9において、吸塵筒体74の端部構成を示す。仕上米昇降機7の投げ口7aの仕上米排出口7cに隣接して吸塵口7dを構成し、吸塵筒体74の端部の差込筒74bを該吸塵口7dに着脱自在かつ保持可能に構成している。吸塵筒体74の端部を外すと、差込筒74bの矩形開口部74cを掃除口として、可撓性筒体構成と相まって、機体各部及び機体周囲の清掃に利用できる。
【0048】
モータ25による籾摺選別機各部の伝動構成(図10)は、モータ25から第1ベルト26を介して籾摺装置2の籾摺ロール2b,2bを軸支するロール軸2cを伝動し、このロール軸2cから第2ベルト27を介して、摺出米移送棚28揺動軸28a、混合米昇降機4連動軸4a、二番ラセン29軸、及び揺動選別装置6連動軸等を伝動する。前記昇降機4連動軸4aから第3ベルト30を介して、混合米昇降機4連動軸4aと、混合米ラセン31軸を伝動し、前記二番ラセン29軸から第4ベルト32を介して、吸引ブロワ3bのファン3c軸を伝動し、前記揺動選別装置6連動軸6aから第5ベルト33を介して揺動クランク軸6bを伝動し、第6ベルト34を介して仕上米昇降機7軸を伝動する形態である。
【0049】
なお、第2ベルト27を2分割してもよい。すなわち、ロール軸2c、摺出米移送棚28揺動軸28a、混合米昇降機4連動軸4aをVベルト形態の分割第1ベルト27Aで連動し、混合米昇降機4連動軸4a、二番ラセン29軸29a、揺動選別装置6連動軸6b、仕上米昇降機7連動軸7Bを六角ベルト形態の分割第2ベルト27Bで連動する構成である(図11)。このように構成すると、籾摺装置2に詰り等負荷が掛かる場合に、分割第1ベルト27Aがスリップして、分割第2ベルト27Bに負荷が掛かり難い。
【0050】
次いで、図12,13に基づき、混合米移送構成と残米処理構成について説明する。前記混合米ラセン31は、混合米移送樋35内に配置され、前記籾摺装置2の摺出米移送棚28から流下する摺出米と前記再選別路13の混合米を受けて前記混合米昇降機4に移送する構成としている。複数のバケット4b,4b…を無端ベルト4cに装着し、上下のプーリ4u,4d間に巻回した混合米昇降機4は、籾摺選別機1の機体後部であって、風選部3の後方に立設される。そして、前記混合米移送樋35の移送終端側を混合米昇降機4の下端側に接続している。この混合米移送樋35の接続部35aは、前記バケット4b,4b…の穀粒掬い上げ側(下降工程側)に固定され、混合米移送樋35内を混合米ラセン31の回転で移送された混合米は、混合米昇降機4の下端側壁への連通開口部から昇降機4の下部に流下案内される構成としている。
【0051】
混合米移送樋35の搬送方向に沿って開閉弁36を備え、混合米移送樋35の底部を開閉可能に構成され、この移送樋35の底部にたまる残米を排出できる。開閉弁36の下方には、排出された残米を受ける残米受部としての残米受ボックス37を備える。
【0052】
なお、混合米昇降機4は、籾摺選別機1の機体に対して前記第2ベルト27の配設空間をおいて後方に、即ち機体背面を覆う背面カバー38よりも適宜間隔後方に立設されており、混合米移送樋35の前記接続部35aである移送樋終端側も機体よりも後方に位置するものとなっており、前記混合米移送樋35に設ける底部開口及びこれに対応する開閉弁36は、機体内側の区間に配設される構成である。
【0053】
そして、前記混合米昇降機4の下部に第1エアノズル40を配置している。第1エアノズル40は図14に示すように、前記混合米移送樋35を接続する側とは反対側の側壁に取り付けるもので、該第1エアノズル40の噴風方向(ハ)は、混合米昇降機4の底部に向かう斜め下方方向に設定されている。なお、この第1エアノズル40には、籾摺選別機1機体前方に設置したコンプレッサ41から圧搾空気が接続ホース42を介して供給される構成である。
【0054】
上記のように、第1エアノズル40を設けるものであるから、籾摺選別運転終了後に混合米昇降機4の底部の残米をノズルからのエア噴出によって跳ね上げ、バケット4b,4b・・・による掬い上げを効率良く行える。
【0055】
また、前記混合米移送樋35の混合米昇降機4との接続部35aに第2エアノズル43を設けている。第2エアノズル43は、混合米移送樋35の上壁部に装着され、ノズル噴風方向を混合米ラセン31による移送方向(ロ)とは逆の移送上手方向に向けて設けてある。なお、第2エアノズル43の支持体44は、ベースプレート44aとノズル装着面44bを有した上方膨出状部44cとからなり、混合米移送樋35の接続部35a上壁部に形成した孔部に対応させて装着している。ノズル装着面44bは水平面と角度αを有して第2エアノズル43の噴風方向(イ)を決定している。
【0056】
このように、第2エアノズル43を設けるから、籾摺選別運転終了後、混合米ラセン31と混合米昇降機4を駆動させた状態で、開閉弁36を開き、第2エアノズル43からエア噴出させることにより、混合米移送樋35の移送終端側に移送されようとする混合米を開閉弁36による開口部から残米受ボックス37に回収できる。混合米移送樋35の接続部35aには開閉弁36を構成しないものであるから、第2エアノズル43による移送方向とは逆の方向に残米をエア噴出によって開閉弁36の存在する箇所へ移動させることができ、残米を可及的に少なくできる。
【0057】
さらに、前記混合米移送樋35の始端側に混合米移送方向に向けて第3エアノズル45、仕上米昇降機7の下部に第4エアノズル46を設ける。第3エアノズル45は、混合米移送樋35内の残米の開閉弁36から下方への排出を促進する。また、機体前面に装着する点検用蓋47を利用して装着するから、点検交換作業を容易に行える。ベースプレート48aとノズル装着面48bを有した支持部48を装着している。そして、第4エアノズル46は、仕上米昇降機7の底部の残米を跳ね上げてバケットの掻き揚げ効率を高める。
【0058】
ここで、混合米昇降機4側の第3エアノズル45へのエアホースと仕上米昇降機7側の第4エアノズル46へのエアホースは、残米量や糠量が比較的多い混合米昇降機4側へのエアホース径を大(例えばφ8mm)とし、仕上米昇降機7側へのエアホース径を小(例えばφ6mm)に設定している。エアホース径を異ならせることによって所謂誤組を防止できる。
【0059】
前記コンプレッサ41は籾摺選別機1機体の前側に設置するなどし、機体正面側の前面カバー49に、このコンプレッサ41にエアフィルタ50、エアバルブ51を直列に接続する。エアの供給停止を切り替えるエアバルブ51から2つに分岐して第1接続ホース42a、第2接続ホース42bを接続し、このうち、第1接続ホース42aは、途中分岐部を介して前記第3エアノズル45及び第4エアノズル46に接続される。一方第2接続ホース42bは、機体背面に延長されて前記第1エアノズル40及び第2エアノズル43に接続している。なお、エアバルブ51は切換手段の一形態であるが、後述のように電磁操作の方向制御弁形態としている。
【0060】
前記エアフィルタ50の機体への装着は任意であるが、操作レバー55等を備える操作部の左側に配置することもできる。メンテナンス性を良好とする。また、機体の電源ハーネス類(図示せず)の配設箇所付近にエアフィルタ50を配置することで、電源ハーネス類の取り回しを利用でき当該配置が容易となる。エアバルブ51を後述のように機械式に構成する場合、エアフィルタ50高さはエアバルブ51よりも低い位置が都合よい。
エアフィルタ50,エアバルブ51を連結する接続ホースは着脱自在の機体カバーの内側に配設している。メンテナンス性、清掃性を向上できる。
【0061】
図15に示すように、前記風選部3の正面に操作レバー55が設けられ、左右方向のガイド溝56に沿って往復操作自在に設けられている。操作レバー55をガイド溝56の左側端部の第1操作位置に操作すると、始動/停止状態にあって、籾シャッタ弁57を閉状態、揺動駆動装置58を切り状態、循環・排出切換弁59は循環状態に切り替わり、「始動/停止」ランプL1が点灯する。また、操作レバー55をガイド溝56の左右方向中間部の第2操作位置に切り替えると、籾シャッタ弁57を開状態、揺動駆動装置58を駆動状態、循環・排出切換弁59を循環状態に切り替え、「循環」ランプL2が点灯する。また、操作レバー55をガイド溝56の右側端部の第3操作位置に切り替えると、籾シャッタ弁31を開状態、揺動駆動装置32を駆動状態、循環・排出切換弁59を排出状態に切り替え、「排出」ランプL3が点灯するようになっている。
【0062】
尚、循環・排出切換弁59は、前記揺動選別板14面の選別玄米を排出路9を経て仕上米昇降機7に案内する排出側と、選別玄米を再選別路13側に案内する循環側とに切り換わるよう構成される。揺動選別板14面の被選別物が少なくなると仕上玄米中に籾が混入するので、循環・排出切換弁59を循環側に切り換え、再選別路13から混合米昇降機4を経て揺動選別板14に戻しつつ一部は再籾摺路12を経由して籾摺装置2に還元でき再籾摺工程と相まって残米を脱ぷ選別処理できる。この循環・排出切換弁59は、図16に示すように、循環・排出切替モータM1によって切り替えるように構成している。また、操作レバー55と循環・排出切換弁59とは循環・排出操作ワイヤ60により連動連結し、操作レバー55の操作により籾シャッタ弁57、揺動入り切りプーリ61及び循環・排出切換弁59を切替操作するよう連動構成している。
【0063】
籾摺ロール2b,2bの間隙調節は、ロール間隙調節モータM2の駆動によって行うように構成されている。
【0064】
籾摺選別機の正面中央上部に操作盤61が設けられている。この操作盤61の左右一側(図例では右側)位置には、電源入り・切りスイッチ63、運転スイッチ64、停止スイッチ65などが設けられている。操作盤34の上側にはデジタル表示部66、表示切換スイッチ67が備えられる。
【0065】
前記操作盤61及び操作レバー55の正面視における一側、図例では左側で操作レバー55のガイド溝56に近い位置に、前記エアバルブ51を切り換えるバルブスイッチ68を設ける。前記エアバルブ51は、エアの供給と停止との切換えのみならず、第1接続ホース42a側又は第2接続ボース42b側にエア供給すべく方向を切り換える機能を備え、第1接続ホース42aへエア供給する第1位置、エア供給が停止される中立の第2位置、及び第2接続ホース42bへエア供給する第3位置に切り換わる構成とし、電磁操作の方向制御弁形態としている。そして、バルブスイッチ68は中央の中立位置から右方向又は左方向に回動させて3位置に切り換わる構成とされ、スイッチ68の右側回動位置で上記エアバルブ51を第1位置(イ)に、スイッチ68中立位置でバルブ51を第2位置(ロ)に、スイッチ68の左側回動位置でバルブ51を第3位置(ハ)に切り換えるよう図外電磁ソレノイドを励磁すべく構成するものである(図17参照)。
【0066】
上記のように、エアバルブ51を作業者のバルブスイッチ68操作によって切り換えることができるから、作業進捗に合わせて適切に残米処理を行うことができる。例えば、混合米昇降機4の残米を処理するときは、バルブスイッチ68を中立位置の第2位置(ハ)から左方向に回動させてエアバルブ51を第3位置(ハ)に切り換える。すると第2接続ホース42bを経由して前記第1エアノズル40及び第2エアノズル43からエア噴出でき、混合米昇降機4の下部の残米を処理することができる。一方仕上米昇降機7の残米を処理するときは、バルブスイッチ68を中立位置(ロ)から右方向に回動させてエアバルブ51を第1位置(ハ)に切り換えることにより、第1接続ホース42aを経由して前記第3エアノズル45及び第4エアノズル46からエア噴出でき、混合米移送樋35の残米及び仕上米昇降機7の下部の残米を処理することができる。
【0067】
エアバルブ51の切換操作手段としてのバルブスイッチ68は、中立位置を中央に左右一方に混合米昇降機4へのエアノズル45,46を、左右他方に仕上米昇降機7へのエアノズル40を供給するように回動操作するものであるから、操作盤62を操作しながら切換操作手段としてのエアバルブ51を構成でき、操作盤61を操作しながらの操作が容易化できる。
【0068】
操作盤62と切換操作手段としてのバルブスイッチ68は機体の正面側に備えられ、このうち操作盤62を正面視で籾摺装置2と風選部3との間に配置し、バルブスイッチ68は操作盤62と籾摺装置2との間に配置、すなわち図例では操作盤62の左側にバルブスイッチ68を配置し、そしてバルブスイッチ68の中立位置から左方への回動操作によって混合米昇降機4へ、中立位置から右方への回動操作によって仕上米昇降機7へエア噴出するよう回動操作の方向を設定するものであるから、2つの昇降機4、7の配置位置に揃うものとなって視認し易い。なお、この場合、前記操作レバー55の操作によって第2操作位置における「循環」ランプL2と第3操作位置における「排出」ランプL3を利用する。つまり、混合米昇降機4へのエア噴出の時は「循環」ランプL2を点灯し、仕上米昇降機7へのエア噴出の時は「排出」ランプL3を点灯することにより作業者はどの箇所の清掃モード運転であるかを確認できる。
【0069】
さらに、「循環」ランプL2や「排出」ランプL3に代替して、又は同時に、前記照明具76を点滅させる構成としてもよい。エア噴出タイミングが明確化でき、適正なタイミングでエア供給できる。なお、混合米昇降機4へのエア供給と仕上米昇降機7へのエア供給とを区別して報知できるよう構成してもよい。照明具76の点滅形態を異ならせることによって、例えば、点滅周期の相違などによって区別させることができ、いずれの昇降機へのエア供給かを判定できるので、作業性を向上する。
【0070】
次いで、図18に基づき、籾摺選別作業終了時の残米処理工程におけるエア噴出制御について説明する。運転スイッチONすると、メインモータ25がONすると共に装置各部が駆動する(S101,S102)。第1操作位置にある操作レバー55を第2操作位置に移動すると、籾シャッタ弁57が開き、籾摺選別運転が開始される(S103,S104)。
【0071】
しばらくの間脱ぷされた籾玄米の混合米は機内循環し、混合米タンク5に所定重量溜まると検出されると、循環・排出切換弁59は排出側に切り換わり、選別された玄米は仕上米昇降機7を経由して機外に取り出される(S105~S108)。
【0072】
籾摺選別作業も終わりに近づいて混合米タンク5が所定重量以下になると、循環・排出切換弁59は循環側に切り換えられ、残米処理運転が開始される(S109~S111)。すなわち、循環・排出切換弁59が循環側に切り換えられると残籾は機内循環し籾摺装置2に戻されて脱ぷ処理され、所定時間経過すると、循環・排出切換弁59は再び排出側に切り換えられて残米は仕上米昇降機7を経て機外排出される(残米処理運転、S109~S114)。
【0073】
そして、残米の上記機内循環中及び循環・排出切換弁59が排出側に切り換わった後の所定時間経過するまでの間、エアバルブ51を、コンプレッサ41からのエアを第2接続ホース42bへエア供給する第3位置に切り換えて、混合米昇降機4にエア噴出させて残米処理する。その後、第1接続ホース42aへエア供給する第1位置(イ)に切り換えて、仕上米昇降機7にエア噴出させて残米処理する(清掃モード運転、S115~S117)。この清掃モード運転の際、連続エア噴出から間欠エア噴出に切り換える構成としている。連続噴出によって昇降機の底の残米の排出を促進でき、その後間欠噴出により微量の残米を効果的に排出することができる。そして、清掃モード運転が終了すると、メインモータ25がOFFすると共に、装置各部の駆動が停止する(S118)。
【0074】
一旦籾摺選別作業を終えた後で、再清掃モードスイッチ69を操作すると、メインモータ25はONし各部が駆動する空運転を所定時間行った後、コンプレッサ41が駆動する。さらに、エアバルブ51を、第2接続ホース42bへエア供給する第3位置に切り換えて、混合米昇降機4にエア噴出させて残米処理すると、その後は、第1接続ホース42aへエア供給する第1位置に切り換えて、仕上米昇降機7にエア噴出させて残米処理する(再清掃モード運転、S119~S121)。上記の再清掃モード運転に際しては、操作レバー55の取扱いに注意を要する。すなわち、操作レバー55をガイド溝56の左側端部の第1操作位置に復帰操作した場合には、再清掃モード運転を牽制する構成とする。籾摺ロール2b,2bの間隙調節を実行する初期設定モードに入る場合には、再清掃モード運転を回避することができる。
【0075】
なお、図18のS111,S112の残米処理運転、S115~S117の清掃モード運転、及びS119~S121の再清掃モード運転の関係について、図16に詳細を示すものである。
【0076】
図18において、S115~S117の清掃モード運転への移行については、籾摺選別運転毎に、S114の残米排出運転後自動的にS115にモード移行する構成としてもよく、運転開始前に操作盤62に設ける清掃モードスイッチ70を手動で操作を行う場合にのみこの清掃モード運転を実行する構成でもよい。前記デジタル表示部66には清掃モード運転の残時間をカウントタウン表示できるよう構成して作業者に報知できる構成である。
【0077】
清掃モード運転中あるいは再清掃モード運転中において、前記エアバルブ51を切り換えるバルブスイッチ68の操作切換出力はスイッチ68の回動操作によることなく自動的に実行できるものとしている。図19において、バルブスイッチを表記しているが、制御部から第1位置,第2位置又は第3位置に相当する信号を出力するための対比表記であって、手動のバルブスイッチ68回動操作を要さずとも、自動的にこれらの位置に見合う信号が出力されてエアバルブ51を切り換え制御する構成である。
【0078】
エアバルブ51を電磁操作の方向制御弁形態としたが、機械式スプール操作による切換弁形態とし、この切換弁とバルブスイッチ68に代替する切換操作具とをワイヤやロッド等で機械的に連動連結してもよい。要するに、前記第1位置、第2位置又は第3位置に切換できる切換弁を電気的又は機械的に連動する切換操作手段で連動する構成であればよい。
【0079】
前記のように、清掃モード運転、再清掃モード運転を設けたから混合米昇降機4の底部又は仕上米昇降機7の底部に残米を残さない。ところで、エア噴出時間について、変更可能に構成し、籾摺選別対象とする穀物品種に応じて、例えばうるち米は標準時間とするが、裸麦はエア噴出時間を長くするものである。裸麦は埃の付着が顕著なため長くして混入する異物除去の向上を図ることできる。
【符号の説明】
【0080】
2 籾摺装置
3 風選部
3b 吸引ブロア
4 混合米昇降機
4b バケット
6 揺動選別装置
7 仕上米昇降機
7b バケット
14 揺動選別板
71 上面カバー
73 透明点検カバー
74 吸引筒体
75f 壁部材
76 照明具
A 玄米領域
C 混合米領域
T 選別終端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19