(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/079 20130101AFI20240903BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H04B10/079 150
H04J14/02
(21)【出願番号】P 2022511811
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2021010514
(87)【国際公開番号】W WO2021200097
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2020059470
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/高スループット・高稼働な通信を提供する順応型光ネットワーク技術の研究開発」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大田 守彦
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0148234(US,A1)
【文献】国際公開第2017/033223(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0202773(US,A1)
【文献】特開2008-136011(JP,A)
【文献】特開2003-043429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更する可変パラメータ変更手段と、
光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するモニタ情報取得手段と、
前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する推定手段と、
推定された前記ペナルティを用いて前記光通信ネットワークの伝送効率を改善することが可能か否かを判定し、前記伝送効率を改善することが可能と判定された場合に、前記伝送効率が改善されるように、伝送方式を変更するための処理を行う改善処理手段と、
を有する監視装置。
【請求項2】
前記モニタ情報取得手段は、少なくとも、送信側の前記ネットワーク装置から受信側の前記ネットワーク装置に送信された光信号の通信品質を示す前記モニタ情報の第1のパラメータの実測値を取得し、
前記改善処理手段は、
推定された前記ペナルティを用いて、前記伝送方式を第1の伝送方式から前記第1の伝送方式よりも伝送効率が改善された第2の伝送方式に変更したと仮定した場合の、前記受信側のネットワーク装置において必要な前記第1のパラメータの制限値を算出し、
前記第1のパラメータの前記実測値から前記第1のパラメータの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、前記伝送方式を前記第1の伝送方式から前記第2の伝送方式に変更することが可能と判定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記改善処理手段は、
前記伝送方式である変調方式を第1の変調方式から前記第1の変調方式よりも伝送効率が改善された第2の変調方式に変更したと仮定した場合の前記ペナルティを推定することによって、前記受信側のネットワーク装置において必要な前記第1のパラメータの制限値を算出し、
前記第1のパラメータの前記実測値から前記第1のパラメータの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、前記変調方式を前記第1の変調方式から前記第2の変調方式に変更することが可能と判定する、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記改善処理手段は、
前記伝送方式である誤り訂正方式に関する制限値を、第1の誤り訂正方式に関する制限値から前記第1の誤り訂正方式よりも伝送効率が改善された第2の誤り訂正方式に制限値に変更することによって、前記受信側のネットワーク装置において必要な前記第1のパラメータの制限値を算出し、
前記第1のパラメータの前記実測値から前記第1のパラメータの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、前記誤り訂正方式を前記第1の誤り訂正方式から前記第2の誤り訂正方式に変更することが可能と判定する、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項5】
波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更する可変パラメータ変更手段と、
光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するモニタ情報取得手段と、
前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する推定手段と、
を有し、
前記モニタ情報取得手段は、少なくとも、送信側の前記ネットワーク装置から受信側の前記ネットワーク装置に送信された光信号の通信品質を示す前記モニタ情報の第1のパラメータの実測値を取得し、
前記可変パラメータ変更手段は、前記第1のパラメータが通信エラーとならない制限値を下回らない程度に、可変パラメータを変更する、
監視装置。
【請求項6】
波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更する可変パラメータ変更手段と、
光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するモニタ情報取得手段と、
前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する推定手段と、
を有し、
前記可変パラメータ変更手段は、主信号を伝送しないモニタ用チャネルを伝送する光信号に対して、可変パラメータを変更する、
監視装置。
【請求項7】
波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更し、
光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得し、
前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定し、
推定された前記ペナルティを用いて前記光通信ネットワークの伝送効率を改善することが可能か否かを判定し、前記伝送効率を改善することが可能と判定された場合に、前記伝送効率が改善されるように、伝送方式を変更するための処理を行う、
監視方法。
【請求項8】
波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更するステップと、
光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するステップと、
前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定するステップと、
推定された前記ペナルティを用いて前記光通信ネットワークの伝送効率を改善することが可能か否かを判定し、前記伝送効率を改善することが可能と判定された場合に、前記伝送効率が改善されるように、伝送方式を変更するための処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、監視方法及びプログラムに関し、特に、ネットワークを監視する監視装置、監視方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信のトラヒックは今後も飛躍的に増大すると予想され、限られた光ファイバ資源を用いて高スループットを実現することが望まれる。そして、光通信ネットワークの大容量化のため、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信方式の開発が進んでいる。この技術に関連し、例えば、特許文献1は、駆動電流や信号光パワー,連続光パワーの最適動作条件を設定する相互位相変調型全光波長変換器を開示する。特許文献1にかかる技術により、供給する電流を低減することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光通信における高スループットを実現するためには、例えば伝送容量といったネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが望まれる。しかしながら、特許文献1にかかる技術では、相互位相変調型全光波長変換器といったデバイス単体の駆動電流や信号光パワー、連続光パワーの最適動作条件を設定することを開示するのみである。したがって、特許文献1にかかる技術では、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることは困難である。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、効率的にネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能な監視装置、監視方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる監視装置は、波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更する可変パラメータ変更手段と、光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するモニタ情報取得手段と、前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する推定手段と、を有する。
【0007】
また、本開示にかかる監視方法は、波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更し、光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得し、前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する。
【0008】
また、本開示にかかるプログラムは、波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、光通信の特性に関連し変更可能である可変パラメータを変更するステップと、光通信の状態に関連する少なくとも1つのモニタ情報を、前記複数のネットワーク装置の少なくとも1つから取得するステップと、前記モニタ情報を用いて、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、効率的にネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能な監視装置、監視方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態にかかる監視装置の概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施の形態にかかる監視装置によって実行される監視方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1にかかる監視システムの構成を示す図である。
【
図4】
図3に示した多重装置、中継装置及び分離装置に対応するノードの構成を例示する図である。
【
図5】実施の形態1にかかる監視装置の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態1にかかる監視装置によって実行される監視方法を示すフローチャートである。
【
図7】S106の処理における非線形ペナルティの推定方法を示すフローチャートである。
【
図8】非線形ペナルティの推定方法を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1にかかる改善処理部が変調方式を変更するか否かを判定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図10】変調方式を変更するか否かを判定する処理を説明するための図である。
【
図11】実施の形態1にかかる改善処理部が誤り訂正方式を変更するか否かを判定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図12】誤り訂正方式を変更するか否かを判定する処理を説明するための図である。
【
図13】実施の形態2にかかる監視装置によって実行される監視方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。
図1は、本開示の実施の形態にかかる監視装置1の概要を示す図である。また、
図2は、本開示の実施の形態にかかる監視装置1によって実行される監視方法を示すフローチャートである。
【0012】
監視装置1は、例えばコンピュータである。監視装置1は、可変パラメータ変更部2と、モニタ情報取得部4と、推定部6とを有する。可変パラメータ変更部2は、可変パラメータ変更手段としての機能を有する。モニタ情報取得部4は、モニタ情報取得手段としての機能を有する。推定部6は、推定手段としての機能を有する。
【0013】
可変パラメータ変更部2は、可変パラメータを変更する(ステップS12)。具体的には、可変パラメータ変更部2は、波長分割多重により光信号を伝送する光通信ネットワークを構成する複数のネットワーク装置の少なくとも1つに対して、可変パラメータを変更する。ここで、「可変パラメータ」とは、光通信の特性に関連し変更可能であるパラメータである。ネットワーク装置及び可変パラメータの具体例については後述する。
【0014】
モニタ情報取得部4は、モニタ情報を取得する(ステップS14)。具体的には、モニタ情報取得部4は、複数のネットワーク装置の少なくとも1つから、モニタ情報を取得する。ここで、「モニタ情報」とは、光通信の状態(品質等)に関連する情報(モニタパラメータ)である。なお、モニタ情報は、可変パラメータの変更に伴って変更され得る。しかしながら、モニタ情報は、必ずしも可変パラメータの変更に伴って変更される必要はない。モニタ情報の具体例については後述する。
【0015】
推定部6は、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する(ステップS16)。具体的には、推定部6は、S14の処理で取得されたモニタ情報を用いて、ペナルティを推定する。ここで、「ペナルティ」とは、光信号の伝送状態に起因して発生する、受信側に対する、伝送品質の劣化要因となる要素(雑音;歪み)の程度(劣化量)を示す値である。ペナルティの具体例については後述する。
【0016】
本実施の形態にかかる監視装置1は、可変パラメータを変更してモニタ情報を取得し、取得されたモニタ情報を用いてペナルティを推定するように構成されている。本実施の形態にかかる監視装置1は、このような構成により、可変パラメータを変更することで、様々な条件でモニタ情報を得ることができる。したがって、本実施の形態にかかる監視装置1は、精度よく、ペナルティを推定することができる。したがって、本実施の形態にかかる監視装置1は、精度よく推定されたペナルティを用いることによって、効率的に、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能となる。
【0017】
伝送容量等の伝送効率を改善する方法として、伝送方式を第1の伝送方式から第1の伝送方式よりも伝送効率が改善された第2の伝送方式に変更することが挙げられる。この例として、例えば、変調方式を変更して変調多値数を増加させること、及び、誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)における冗長度を低下させる(訂正能力を下げる)ことが挙げられる。しかしながら、一般的に、このような方法によって伝送容量等の伝送効率を改善しようとすると、通信エラーとならないために必要な通信品質が高くなり得る。そして、必要な通信品質は、ペナルティによって定まり得る。したがって、精度よくペナルティを推定することによって、必要な通信品質を実態に適合するように精度よく算出(推定)できるので、ネットワーク全体の伝送効率を改善できるか否かを、効率的に判定できる。したがって、精度よく推定されたペナルティを用いることによって、効率的に、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能となる。
【0018】
なお、監視装置1で実行される監視方法及び監視方法を実行するプログラムを用いても、効率的に、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能となる。また、監視装置1を有する監視システムを用いても、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能となる。
【0019】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0020】
図3は、実施の形態1にかかる監視システム10の構成を示す図である。監視システム10は、光通信ネットワーク11と、監視装置100とを有する。監視装置100は、光通信ネットワーク11及び光通信ネットワーク11を構成するネットワーク装置を監視する。監視装置100は、ネットワーク装置において可変パラメータを変更する。また、監視装置100は、ネットワーク装置からモニタ情報を取得する。また、監視装置100は、モニタ情報を用いてペナルティを推定する。
【0021】
光通信ネットワーク11は、波長分割多重(WDM)により光信号を伝送する。光通信ネットワーク11は、ネットワーク装置として、複数の送信機12と、複数の受信機14と、多重装置20と、中継装置30と、分離装置40とを有する。多重装置20に複数の送信機12が接続されている。また、分離装置40に複数の受信機14が接続されている。また、多重装置20と分離装置40とが、中継装置30を介して接続されている。また、多重装置20と中継装置30との間、及び中継装置30と分離装置40との間には、光ファイバ等の光伝送路が設けられている。なお、中継装置30の数は任意である。また、後述するように、ROADM(Reconfigurable Optical Add and Drop Multiplexing)の制御により、多重装置20、中継装置30及び分離装置40それぞれのノードが、多重装置20、中継装置30及び分離装置40として機能し得る。
【0022】
多重装置20は、複数の送信機12から送信された所定の波長チャネルを受信すると、WDM信号光に波長チャネルを挿入して多重処理を施す。そして、多重装置20は、得られた光信号を、後段の中継装置30に出力する。中継装置30は、多重装置20からの光信号に対して光増幅処理等の信号処理を施して、後段の分離装置40に光信号を出力する。分離装置40は、中継装置30からの光信号を受信すると光信号に対して波長分離処理を施す。これにより、分離装置40は、所定の波長チャネルを分岐して、受信機14に送信する。
【0023】
図4は、
図3に示した多重装置20、中継装置30及び分離装置40に対応するノード50の構成を例示する図である。ノード50は、ネットワーク装置である。ノード50は、ROADMによって構成されている。ノード50は、前段光増幅部51(プリアンプ)、後段光増幅部52(ポストアンプ)、経路選択部53a,53b、分岐部54及び挿入部55を有する。また、ノード50には、送信機12及び受信機14が接続される。ここで、挿入部55、経路選択部53b、及び後段光増幅部52によって、多重装置20が構成され得る。また、前段光増幅部51、経路選択部53a、及び分岐部54によって、分離装置40が構成され得る。また、前段光増幅部51、経路選択部53a,53b、及び後段光増幅部52によって、中継装置30が構成され得る。なお、中継装置30は、経路選択部53a,53bを有しなくてもよく、前段光増幅部51及び後段光増幅部52によって構成されてもよい。
【0024】
前段光増幅部51は、光ファイバL0を通過してきたWDM信号光を受信して光増幅を行う。経路選択部53aは、波長スイッチsa-1を含む。また、経路選択部53bは、波長スイッチsb-1を含む。波長スイッチとして、例えば、WSS(Wavelength Selective Switch:波長選択スイッチ)が使用される。また、経路選択部53は、例えば光クロスコネクトである。
【0025】
経路選択部53aは、受信したWDM信号光の波長分離を行い、波長チャネルをスイッチングする。経路選択部53bは、経路選択部53aから出力された波長チャネルを受信し、波長多重化する。後段光増幅部52は、経路選択部53bからの出力を光増幅して光ファイバL0に出力する。分岐部54は、経路選択部53aから出力された波長チャネルを受信し、所定の波長チャネルを受信機14に送信する。挿入部55は、送信機12から送信された波長チャネルを合波して経路選択部53bへ送信する。
【0026】
なお、例えば、前段光増幅部51において、モニタ情報として、チャネル毎のパワー(チャネルパワー)、受信側のトータルパワー及びスペクトラムモニタ値をモニタリングできる。また、後段光増幅部52において、モニタ情報として、チャネル毎のパワー(チャネルパワー)、トータルパワー及びスペクトラムモニタ値をモニタリングできる。また、後段光増幅部52において、可変パラメータとして、送信側のトータルパワーを制御できる。また、経路選択部53において、モニタ情報として、チャネル毎のパワー及びトータルパワーをモニタリングできる。また、経路選択部53において、可変パラメータとして、チャネル毎のパワー及び信号帯域(帯域幅)を制御できる。また、送信機12において、可変パラメータとして、パワー及び中心波長(中心周波数)を制御できる。また、受信機14において、モニタ情報として、Q値(Quality factor)、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio:光信号対雑音比)、スペクトラムモニタ値及びクロストーク(XT)モニタ値をモニタリングできる。さらに、受信機14において、モニタ情報として、SOP(State of Polarization:偏波状態)モニタ値、DGD(Differential-Group-Delay:微分群遅延)モニタ値、波長分散モニタ値をモニタリングできる。なお、Q値は、BER(Bit Error Ratio:ビット誤り率)を変換したものであってもよい。
【0027】
図5は、実施の形態1にかかる監視装置100の構成を示す図である。監視装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0028】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
【0029】
通信部106は、他の装置と有線又は無線のネットワーク等を介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108は、例えばユーザインタフェース(UI;User Interface)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、ユーザ(オペレータ等)によるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。
【0030】
また、監視装置100は、構成要素として、可変パラメータ変更部112と、モニタ情報取得部114と、ペナルティ推定部116と、改善処理部120とを有する。改善処理部120は、制限値算出部122と、判定部124と、伝送方式変更部126とを有する。可変パラメータ変更部112は、
図1の可変パラメータ変更部2に対応する。可変パラメータ変更部112は、可変パラメータ変更手段としての機能を有する。モニタ情報取得部114は、
図1に示したモニタ情報取得部4に対応する。モニタ情報取得部114は、モニタ情報取得手段としての機能を有する。ペナルティ推定部116は、
図1に示した推定部6に対応する。ペナルティ推定部116は、ペナルティ推定手段(推定手段)としての機能を有する。
【0031】
また、改善処理部120は、改善処理手段としての機能を有する。制限値算出部122は、制限値算出手段としての機能を有する。判定部124は、判定手段としての機能を有する。伝送方式変更部126は、伝送方式変更手段としての機能を有する。
【0032】
なお、各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。なお、各構成要素の具体的な機能については、後述するフローチャートとともに説明する。
【0033】
図6は、実施の形態1にかかる監視装置100によって実行される監視方法を示すフローチャートである。可変パラメータ変更部112は、
図2のS12と同様に、可変パラメータを変更する(ステップS102)。具体的には、可変パラメータ変更部112は、
図3に示した光通信ネットワーク11を構成するネットワーク装置の少なくとも1つを制御することによって、上述した可変パラメータの少なくとも1つを変更する。なお、可変パラメータ変更部112は、予め定められた値ごとに、可変パラメータを段階的に変更し得る。言い換えると、可変パラメータ変更部112は、予め定められた間隔(ステップ)で、可変パラメータを変更し得る。
【0034】
なお、実際に光通信ネットワーク11がユーザデータ(主信号)を伝送している際に本方法を適用する場合、可変パラメータ変更部112は、光信号が導通可能な範囲内で可変パラメータを変更することが望ましい。つまり、実施の形態1においては、可変パラメータ変更部112は、通信エラーが発生しない範囲内で、可変パラメータを変更することが必要である。例えば、可変パラメータ変更部112は、後述するS104の処理で取得されるQ値又はOSNR等の通信品質を示すモニタパラメータを参照しながら、このモニタパラメータが通信エラーとならない制限値を下回らない程度に、可変パラメータを変更する。
【0035】
モニタ情報取得部114は、
図2のS14と同様に、モニタ情報の実測値を取得する(ステップS104)。具体的には、モニタ情報取得部114は、
図3に示した光通信ネットワーク11を構成するネットワーク装置の少なくとも1つにおいてモニタ情報をモニタリングすることによって、上述したモニタ情報の実測値を取得する。なお、モニタ情報取得部114は、モニタ情報として、少なくともOSNR又はQ値の実測値を取得する。つまり、モニタ情報取得部114は、少なくとも、送信側のネットワーク装置から受信側のネットワーク装置に送信された光信号の通信品質を示すモニタ情報の第1のパラメータ(OSNR,Q値)の実測値を取得する。
【0036】
ここで、S102の処理及びS104の処理は、後述するS106の処理でペナルティを精度よく推定するために必要な数のモニタ情報が取得されるまで、繰り返される。これにより、可変パラメータの値と、そのときのモニタ情報の実測値とを要素とする観測点が、複数、取得され得る。
【0037】
ペナルティ推定部116は、
図2のS16と同様に、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する(ステップS106)。具体的には、ペナルティ推定部116は、S104の処理で取得されたモニタ情報を用いて、ペナルティを推定する。さらに具体的には、ペナルティ推定部116は、モニタ情報の値(モニタ値)と、そのモニタ情報に対応するペナルティとの対応関係を示すルックアップテーブル(又は変換曲線)を用いて、ペナルティを推定する。なお、ルックアップテーブルを用いる場合は、モニタ値がルックアップテーブルにない場合については、適宜、線形補間等の補間処理が行われ得る。また、変調方式ごとに異なるルックアップテーブルが、予め準備されている。すなわち、ペナルティ推定部116は、現在の変調方式に対応するルックアップテーブルを用いて、ペナルティを推定する。また、ルックアップテーブルは、モニタ情報とペナルティとを対応付けている。このルックアップテーブルを用いることによって、効率的にペナルティを推定できる。なお、ペナルティは、例えばOSNR等の通信品質を示すモニタ情報に換算された値である。以降の説明では、ペナルティは、OSNRに換算された値であるとする。
【0038】
例えば、ペナルティ推定部116は、S104の処理で取得されたSOPモニタ値から、SOPモニタに関するルックアップテーブルを用いて、SOP変動ペナルティを推定してもよい。なお、SOP変動ペナルティは、SOP変動に伴って発生するペナルティである。また、ペナルティ推定部116は、S104の処理で取得されたDGDモニタ値から、ルックアップテーブルを用いて、DGDペナルティを推定してもよい。なお、DGDペナルティは、DGDに伴って発生するペナルティである。また、ペナルティ推定部116は、S104の処理で取得された波長分散モニタ値から、ルックアップテーブルを用いて、波長分散ペナルティを推定してもよい。なお、波長分散ペナルティは、波長分散に伴って発生するペナルティである。
【0039】
また、ペナルティ推定部116は、可変パラメータの値とモニタ情報の実測値とを要素とする複数の観測点を用いて、ペナルティを推定してもよい。この場合、例えば、可変パラメータ変更部112は、S102の処理において、可変パラメータとしてチャネルパワー又はトータルパワー(以下、単に「パワー」と称する)を変更する。モニタ情報取得部114は、S104の処理において、モニタ情報としてQ値を取得する。そして、ペナルティ推定部116は、変更されたパワーと変更されたパワーに対応するQ値とを要素とする複数の観測点を取得する。そして、ペナルティ推定部116は、複数の観測点から、光ファイバの物理係数である非線形パラメータ(第1の物理係数)を推定する。そして、ペナルティ推定部116は、モニタ値から推定された非線形パラメータから、非線形パラメータに関する、現在の変調方式に対応するルックアップテーブルを用いて、非線形ペナルティ(第1のペナルティ)を推定する。ここで、非線形パラメータとは、光ファイバの非線形光学効果(非線形現象)を表すパラメータである。また、非線形ペナルティとは、非線形パラメータに対応して非線形光学効果により発生する波形劣化によるペナルティである。また、非線形ペナルティに関するルックアップテーブルは、モニタ情報から得られた非線形パラメータと非線形ペナルティとを対応付けている。このルックアップテーブルを用いることによって、効率的にペナルティを推定できる。非線形パラメータ及び非線形ペナルティの推定方法については、
図7及び
図8を用いて後述する。なお、非線形パラメータ及び非線形ペナルティの推定方法については、他の物理係数(第1の物理係数)及び対応する他のペナルティ(第1のペナルティ)にも適用可能である。
【0040】
改善処理部120は、推定されたペナルティを用いて、光通信ネットワーク11の伝送効率(伝送容量)を改善するための処理を行う(S108,S110)。改善処理部120は、推定されたペナルティを用いて、光通信ネットワーク11の伝送効率を改善することが可能か否かを判定する(ステップS108)。伝送効率を改善することが可能と判定された場合(S108のYES)、改善処理部120は、伝送効率を改善するように、光通信ネットワーク11の伝送方式を変更する(ステップS110)。
【0041】
具体的には、改善処理部120は、推定されたペナルティを用いて、伝送方式を第1の伝送方式から第2の伝送方式に変更したと仮定した場合の、受信側のネットワーク装置において必要なOSNRの制限値を算出する。なお、第2の伝送方式は、第1の伝送方式よりも伝送効率が改善された伝送方式とする。また、改善処理部120は、OSNRの実測値からOSNRの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、伝送方式を第1の伝送方式から第2の伝送方式に変更することが可能と判定する。詳しくは後述する。
【0042】
ここで、変更される伝送方式は、例えば、変調方式又は誤り訂正方式である。変調方式を変更する場合、変調多値数を大きくすることによって、伝送容量が増大する。また、誤り訂正方式を変更する場合、FECの冗長度を下げることによって、伝送時の冗長ビットが減少し、伝送に必要な帯域幅が減少するので、ユーザデータの伝送容量が増大する。
【0043】
例えば、改善前の変調方式が変調方式A(例えば100Gbps)であるとする。この場合、変調方式を、変調方式Aよりも伝送容量の大きな変調方式B(例えば200Gbps)に変更することによって、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが考えられる。つまり、変調方式Bは、変調方式Aよりも伝送効率が改善されている。ここで、一般的に、雑音の影響により、変調方式を変調方式A(第1の変調方式)から変調方式B(第2の変調方式)に変更することによって、通信エラーとならないために必要な通信品質(例えばOSNR)が高くなり得る。これに対し、本実施の形態では、ペナルティを精度よく推定することで、必要な通信品質を精度よく推定できるので、変調方式を伝送容量の大きな変調方式Bに変更することができるか否かを、適切に判定することができる。したがって、効率的に、ネットワーク全体の伝送効率(伝送容量)の最適化を図ることが可能となる。
【0044】
また、例えば、改善前の誤り訂正方式が誤り訂正方式A(例えば25%冗長度)であるとする。この場合、誤り訂正方式を、誤り訂正方式Aよりも伝送帯域が狭く周波数利用効率の高い誤り訂正方式B(例えば15%冗長度)に変更することによって、ネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが考えられる。つまり、誤り訂正方式Bは、誤り訂正方式Aよりも伝送効率が改善されている。なお、誤り訂正方式を誤り訂正方式Bに変更すると、周波数利用効率が上がるため、結果として、伝送容量が大きくなる。ここで、誤り訂正方式を誤り訂正方式A(第1の誤り訂正方式)から誤り訂正方式B(第2の誤り訂正方式)に変更することによって、誤り訂正能力が低下するので、通信エラーとならないために必要な通信品質(例えばOSNR)が高くなり得る。そして、通信エラーとならないために必要な通信品質は、誤り訂正能力に起因する制限値(FECリミット値)と、ペナルティとによって決定され得る。これに対し、本実施の形態では、ペナルティを精度よく推定することで、必要な通信品質を精度よく推定できるので、誤り訂正方式を周波数利用効率の高い誤り訂正方式Bに変更することができるか否かを、適切に判定することができる。したがって、効率的に、ネットワーク全体の伝送効率(伝送容量)の最適化を図ることが可能となる。
【0045】
図7は、S106の処理における非線形ペナルティの推定方法を示すフローチャートである。また、
図8は、非線形ペナルティの推定方法を説明するための図である。
図8は、パワーとQ値との関係を示すカーブを示すグラフである。
図8に示すグラフにおいて、横軸をパワーとし、縦軸をQ値とする。実線は、設計段階における、変調方式Aについて、パワーに対するQ値のカーブ(設計カーブ)を示す。また、破線は、変調方式Aについて、パワー及びQ値の実測値から生成された、パワーに対するQ値の実測値カーブである。なお、設計カーブは、パワーを引数としてQ値を戻り値とする関数Fを用いて生成される。また、設計段階において、この関数Fにおいて、非線形パラメータとして「A」が予め設定されているとする。
【0046】
ペナルティ推定部116は、パワーに対するQ値の実測値カーブを生成する(ステップS106A)。具体的には、ペナルティ推定部116は、パワーとパワーに対応するQ値とを要素とする複数の観測点(
図8に黒点で示す)をプロットすることによって、
図8に示すような実測値カーブを生成する。
【0047】
ペナルティ推定部116は、実測値カーブに適合するように、非線形パラメータを算出する(ステップS106B)。具体的には、ペナルティ推定部116は、設計カーブを生成するために用いられた関数Fにおいて、非線形パラメータを、予め設定されていた「A」から変更する。そして、ペナルティ推定部116は、関数Fで示されるカーブが実測値カーブに適合(フィット)するように、非線形パラメータを調整する。そして、ペナルティ推定部116は、関数Fで示されるカーブが実測値カーブに最も適合するときの非線形パラメータを算出する。このときの非線形パラメータを「B」とする。
【0048】
ペナルティ推定部116は、非線形パラメータBを用いて、実測値ベースの非線形ペナルティを算出する(ステップS106C)。具体的には、ペナルティ推定部116は、非線形パラメータに関する、現在の変調方式(変調方式A)に対応するルックアップテーブルにおいて、非線形パラメータ「B」に対応する非線形ペナルティの値を算出する。なお、この非線形ペナルティは、後述する
図10の(B)に示すペナルティに対応する。
【0049】
図9は、実施の形態1にかかる改善処理部120が変調方式を変更するか否かを判定する処理の詳細を示すフローチャートである。また、
図10は、変調方式を変更するか否かを判定する処理を説明するための図である。
図9は、
図6のS108~S110の処理の詳細を示している。また、
図10は、変調方式を変調方式Aから変調方式Bに変更できる場合について示している。
【0050】
制限値算出部122は、改善前の変調方式についての実測値ベースのOSNR制限値V1を算出する(ステップS122)。具体的には、制限値算出部122は、FECリミット値と、S106の処理で推定された複数のペナルティの累積(合計)とから、OSNR制限値V1を算出する。なお、FECリミット値は、OSNRに換算したものである。また、OSNR制限値(所要OSNR)とは、受信側のネットワーク装置で通信エラーとならないために必要なOSNRの制限値である。送信側から伝送された信号についての受信側での実測OSNRがOSNR制限値を下回ると、通信エラーが発生するため、光信号を適切に伝送することができない。制限値算出部122は、FECリミット値に複数のペナルティを加算することによって、OSNR制限値V1を算出する。
【0051】
判定部124は、モニタ情報として得られた実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1が予め定められた値(マージン)であるMr1を上回るか否かを判定する(ステップS124)。なお、Mr1は、変調方式を変更しても伝送可能である可能性が高い場合を想定して、予め設定され得る。実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1がMr1以下である場合(S124のNO)、改善処理部120は、変調方式を変更しないと判定する。したがって、処理フローは終了する。
【0052】
一方、実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1がMr1を上回る場合(S124のYES)、改善処理部120は、変調方式を変更できるか否かを判定する(S126~S130)。制限値算出部122は、改善後の変調方式についてのペナルティを推定する(ステップS126)。したがって、制限値算出部122は、ペナルティを推定する推定手段としての機能も有する。なお、S126の処理は、ペナルティ推定部116によって行われてもよい。
【0053】
具体的には、制限値算出部122は、S106の処理と同様にして、S104の処理で取得されたモニタ情報を用いて、ペナルティを推定する。ここで、S126の処理では、制限値算出部122は、改善後の変調方式に対応するルックアップテーブル(又は変換曲線)を用いて、S104の処理で取得されたモニタ情報に対応するペナルティを推定(算出)する。また、制限値算出部122は、S106Bの処理で算出された非線形パラメータから、非線形パラメータに関する、改善後の変調方式に対応するルックアップテーブルを用いて、非線形ペナルティを推定する。ここで、改善後の変調方式では、雑音の影響を受けやすくなるので、
図10の(C)に示すように、改善前の変調方式の場合よりもペナルティが大きくなり得る。
【0054】
制限値算出部122は、改善後の変調方式についてのOSNR制限値V2を算出する(ステップS128)。具体的には、制限値算出部122は、FECリミット値と、S126の処理で推定された複数のペナルティの累積(合計)とから、OSNR制限値V2を算出する。さらに具体的には、S122の処理と同様にして、制限値算出部122は、FECリミット値にS126の処理で推定された複数のペナルティを加算することによって、OSNR制限値V2を算出する。つまり、制限値算出部122は、変調方式を変調方式Aから変調方式Bに変更したと仮定した場合のペナルティを推定することによって、受信側のネットワーク装置において必要なOSNRの制限値を算出する。
【0055】
判定部124は、モニタ情報として得られた実測ONSRからOSNR制限値V2を減算した値ΔV2が予め定められた値(マージン)であるMr2を上回るか否かを判定する(ステップS130)。なお、Mr2は、0以上の予め定められた値である。また、Mr2<Mr1であり得る。
【0056】
実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV2がMr2以下である場合(S130のNO)、改善処理部120は、変調方式を変更した場合に通信エラーとなる可能性があるので、変調方式を変更しないと判定する。したがって、処理フローは終了する。一方、ΔV2がMr2を上回る場合(S130のYES)、改善処理部120は、変調方式を変更しても通信エラーとなる可能性が極めて低いので、変調方式を変更すると判定する。つまり、改善処理部120は、OSNRの実測値からOSNRの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、変調方式を変調方式Aから変調方式Bに変更することが可能と判定する。そして、伝送方式変更部126は、変調方式を、変調方式Aから、変調方式Bに変更する(ステップS132)。具体的には、伝送方式変更部126は、送信機12及び受信機14を制御して、変調方式を変更する。
【0057】
図10において、モニタ情報が取得されていない設計段階では、光伝送設計を行う際に、(A)で示すように、計算OSNR、各ペナルティ(ペナルティA~F)及びOSNR制限値V0の設計値を用いる。計算OSNRは、送信側のネットワーク装置から受信側のネットワーク装置までの伝送路の状態(アンプのNF(Noise Figure:雑音指数)及びアンプの数など)から、算出され得る。また、ペナルティA~Fは、例えば、非線形ペナルティ、SOP変動ペナルティ、DGDペナルティ、及び波長分散ペナルティである。また、設計段階において、ペナルティA~Fは、対応するモニタ値の設計値から、設計段階において採用される変調方式(変調方式A)に対応するルックアップテーブルを用いて算出され得る。なお、設計段階において、非線形ペナルティは、非線形パラメータの設計値から、採用される変調方式(変調方式A)に対応するルックアップテーブルを用いて算出され得る。また、FECリミット値は、設計段階において採用されるFECの方式(誤り訂正方式)によって予め設定されている。
【0058】
なお、
図10の(A)で示すように、設計段階において、OSNR制限値V0は、FECリミット値にペナルティA~Fの設計値を加算することによって得られる。そして、設計段階において、計算OSNRからOSNR制限値V0を減算した値ΔV0が0以上(あるいは予め定められた0以上のマージン以上)となるように、伝送方式等が決定される。なお、設計段階においては、通信エラーとなることを防止するため、通信状態が最悪な場合を考慮して、計算OSNRが小さくなるように、及びペナルティが大きくなるように、光伝送設計が行われる。(A)の例では、計算OSNRからOSNR制限値V0を減算した値ΔV0が0以上であるので、変調方式Aを採用できる。
【0059】
そして、S106の処理によって、モニタ値(実測値)からペナルティA~Fが推定される。この推測されたペナルティA~Fは、
図10の(B)で示すように、設計段階におけるペナルティA~Fよりも小さくなり得る。つまり、設計段階においては最悪な通信状態を考慮していたが、実際には、通信状態は、設計段階で想定したものよりも良好である可能性がある。また、ペナルティA~Fは、対応するモニタ値の実測値から、採用された変調方式(変調方式A)に対応するルックアップテーブルを用いて算出される。また、非線形ペナルティは、非線形パラメータの推定値から、採用された変調方式(変調方式A)に対応するルックアップテーブルを用いて算出される。
【0060】
この場合、制限値算出部122は、FECリミット値にペナルティA~Fの推定値を加算することで、OSNR制限値V1を算出する(S122)。また、実際の通信状態は設計段階で想定したものよりも良好である可能性があるので、
図10の(B)で示すように、実測OSNRは、設計段階における計算OSNRよりも高い可能性がある。したがって、実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1は、ΔV0よりも大きくなり、Mr1を上回る可能性がある。
【0061】
この場合、
図10の(C)で示すように、S126の処理によって、改善後の変調方式についてのペナルティが推定される。具体的には、ペナルティA~Fは、対応するモニタ値の実測値から、改善後の変調方式Bに対応するルックアップテーブルを用いて算出される。また、非線形ペナルティは、非線形パラメータの推定値から、改善後の変調方式Bに対応するルックアップテーブルを用いて算出される。そして、実測ONSRからOSNR制限値V2を減算した値ΔV2がMr2を上回れば、変調方式が変調方式Bに変更される。このようにして、実施の形態1にかかる監視装置100は、効率的に、変調方式を変更可能か否かを、判定することができる。
【0062】
図11は、実施の形態1にかかる改善処理部120が誤り訂正方式を変更するか否かを判定する処理の詳細を示すフローチャートである。また、
図12は、誤り訂正方式を変更するか否かを判定する処理を説明するための図である。
図11は、
図6のS108~S110の処理の詳細を示している。また、
図12は、誤り訂正方式を誤り訂正方式Aから誤り訂正方式Bに変更できる場合について示している。
【0063】
制限値算出部122は、改善前の誤り訂正方式についての実測値ベースのOSNR制限値V1を算出する(ステップS142)。具体的には、制限値算出部122は、S122の処理と同様にして、FECリミット値と、S106の処理で推定された複数のペナルティの累積(合計)とから、OSNR制限値V1を算出する。
【0064】
判定部124は、モニタ情報として得られた実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1が予め定められた値(マージン)であるMr1を上回るか否かを判定する(ステップS144)。実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1がMr1以下である場合(S144のNO)、改善処理部120は、誤り訂正方式を変更しないと判定する。したがって、処理フローは終了する。
【0065】
一方、実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1がMr1を上回る場合(S144のYES)、改善処理部120は、誤り訂正方式を変更できるか否かを判定する(S146~S150)。制限値算出部122は、改善後の誤り訂正方式を決定する(ステップS146)。これにより、改善後の誤り訂正方式の冗長度が決定される。なお、伝送効率の改善後の誤り訂正方式の冗長度は、改善前の誤り訂正方式の冗長度よりも小さい。そして、改善後の誤り訂正方式に対応するFECリミット値が決定される。なお、FECリミット値は、対応する誤り訂正方式ごとに予め定められているとする。そして、FECの冗長度が小さくなるほど、FECリミット値は大きくなる。
【0066】
制限値算出部122は、改善後の誤り訂正方式についてのOSNR制限値V2を算出する(ステップS148)。具体的には、制限値算出部122は、S146の処理で決定されたFECリミット値と、S106の処理で推定された複数のペナルティの累積(合計)とから、OSNR制限値V2を算出する。さらに具体的には、S142の処理と同様にして、制限値算出部122は、S146の処理で決定されたFECリミット値にS106の処理で推定された複数のペナルティを加算することによって、OSNR制限値V2を算出する。つまり、制限値算出部122は、誤り訂正方式を誤り訂正方式Aから誤り訂正方式Bに変更したと仮定した場合のペナルティを推定することによって、受信側のネットワーク装置において必要なOSNRの制限値を算出する。
【0067】
判定部124は、モニタ情報として得られた実測ONSRからOSNR制限値V2を減算した値ΔV2が予め定められた値(マージン)であるMr2を上回るか否かを判定する(ステップS150)。なお、Mr2は、0以上の予め定められた値である。また、Mr2<Mr1であり得る。
【0068】
実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV2がMr2以下である場合(S150のNO)、改善処理部120は、誤り訂正方式を変更した場合に通信エラーとなる可能性があるので、誤り訂正方式を変更しないと判定する。したがって、処理フローは終了する。一方、ΔV2がMr2を上回る場合(S150のYES)、改善処理部120は、誤り訂正方式を変更しても通信エラーとなる可能性が極めて低いので、誤り訂正方式を変更すると判定する。つまり、改善処理部120は、OSNRの実測値からOSNRの制限値を減算した値が、予め定められた値以上である場合に、誤り訂正方式を誤り訂正方式Aから誤り訂正方式Bに変更することが可能と判定する。そして、伝送方式変更部126は、誤り訂正方式を、誤り訂正方式Aから、誤り訂正方式Bに変更する(ステップS152)。具体的には、伝送方式変更部126は、送信機12及び受信機14を制御して、誤り訂正方式を変更する。
【0069】
図10を用いて説明したように、
図12において、モニタ情報が取得されていない設計段階では、光伝送設計を行う際に、(A)で示すように、計算OSNR、各ペナルティ(ペナルティA~F)及びOSNR制限値V0の設計値を用いる。また、上述したように、設計段階において、ペナルティA~Fは、予め定められている。また、上述したように、FECリミット値は、設計段階において採用されるFECの方式(誤り訂正方式)によって予め設定されている。
【0070】
なお、
図12の(A)で示すように、設計段階において、OSNR制限値V0は、FECリミット値にペナルティA~Fの設計値を加算することによって得られる。そして、設計段階において、計算OSNRからOSNR制限値V0を減算した値ΔV0が0以上(あるいは予め定められた0以上のマージン以上)となるように、伝送方式等が決定される。なお、設計段階においては、通信エラーとなることを防止するため、通信状態が最悪な場合を考慮して、計算OSNRが小さくなるように、及びペナルティが大きくなるように、光伝送設計が行われる。(A)の例では、計算OSNRからOSNR制限値V0を減算した値ΔV0が0以上であるので、誤り訂正方式Aを採用できる。
【0071】
そして、
図10を用いて説明したように、S106の処理によって、モニタ値(実測値)からペナルティA~Fが推定される。この推測されたペナルティA~Fは、
図12の(B)で示すように、設計段階におけるペナルティA~Fよりも小さくなり得る。
【0072】
この場合、制限値算出部122は、FECリミット値にペナルティA~Fの推定値を加算することで、OSNR制限値V1を算出する(S142)。また、実際の通信状態は設計段階で想定したものよりも良好である可能性があるので、
図12の(B)で示すように、実測OSNRは、設計段階における計算OSNRよりも高い可能性がある。したがって、実測ONSRからOSNR制限値V1を減算した値ΔV1は、ΔV0よりも大きくなり、Mr1を上回る可能性がある。
【0073】
この場合、
図12の(C)で示すように、S146の処理によって、改善後の誤り訂正方式についてのFECリミット値を用いて、OSNR制限値V2が算出される。そして、実測ONSRからOSNR制限値V2を減算した値ΔV2がMr2を上回れば、誤り訂正方式が誤り訂正方式Bに変更される。このようにして、実施の形態1にかかる監視装置100は、効率的に、誤り訂正方式を変更可能か否かを、判定することができる。
【0074】
また、FECの冗長度を低下することができる場合、光伝送において必要な帯域幅を削減することができ、信号波長の間隔を狭くすることができる。したがって、周波数利用効率を増大することができる。さらに、FECの冗長度を低下することによって、消費電力を低下することもできる。したがって、FECの冗長度を低下することによって、伝送効率の最適化を図ることができる。
【0075】
上述したように、実施の形態1にかかる監視装置100は、可変パラメータを変更して得られたモニタ情報を用いてペナルティを推定するように構成されている。これにより、様々な条件で得られた多数のモニタ情報を用いて、ペナルティを推定できる。したがって、精度よく、ペナルティを推定できる。したがって、効率的にネットワーク全体の伝送効率の最適化を図ることが可能となる。
【0076】
また、実施の形態1では、様々な条件で得られた多数のモニタ情報を取得できるので、モニタ情報を機械学習アルゴリズムに利用することができる。つまり、多数のモニタ情報を用いてペナルティを推定できる機械学習アルゴリズムを生成してもよい。例えば、多数のモニタ情報と機械学習アルゴリズムとを用いて、ペナルティを推定するためのルックアップテーブルを更新してもよい。あるいは、ルックアップテーブルに替えて、多数のモニタ情報を用いて機械学習アルゴリズムを生成してもよい。この場合、ペナルティ推定部116は、機械学習アルゴリズムを用いて、ペナルティを推定してもよい。あるいは、多数のモニタ情報を用いて、モニタ情報から最適な伝送方式を選択可能な機械学習アルゴリズムを生成してもよい。この場合、学習された機械学習アルゴリズムを用いることで、少しのモニタ情報を用いて、最適な伝送方式を選択することができるようになる。
【0077】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。なお、実施の形態2にかかるシステム構成については、
図3に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。また、実施の形態2にかかる監視装置100の構成は、
図5に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。実施の形態2は、モニタ用チャネルを設定する点で、実施の形態1と異なる。
【0078】
図13は、実施の形態2にかかる監視装置100によって実行される監視方法を示すフローチャートである。監視装置100は、モニタ用チャネルを設定する(ステップS200)。具体的には、監視装置100(例えば可変パラメータ変更部112)は、ユーザデータ(主信号)を伝送しないチャネル(波長)を設定する。監視装置100は、この主信号を伝送しないチャネルを、モニタ用チャネルとして設定する。
【0079】
可変パラメータ変更部112は、
図6のS102と同様に、可変パラメータを変更する(ステップS202)。そして、実施の形態2においては、可変パラメータ変更部112は、S200の処理で設定されたモニタ用チャネルを伝送する光信号に対して、可変パラメータを変更する。ここで、モニタ用チャネルには主信号が伝送されないので、可変パラメータ変更部112は、通信エラーが発生しない範囲を超えて、可変パラメータを変更することもできる。したがって、実施の形態1の場合と比較して、可変パラメータ変更部112は、大きな変更範囲で、可変パラメータを変更することができる。例えば、可変パラメータ変更部112は、実測OSNRがFECリミット値を下回った状態となるまで、可変パラメータを変更してもよい。このように、実施の形態2では、通信エラーが発生した状態となるまで、可変パラメータを変更できる。
【0080】
モニタ情報取得部114は、
図6のS104と同様に、モニタ情報の実測値を取得する(ステップS204)。ここで、実施の形態2では、通信エラーが発生した状態となるまで、可変パラメータが変更され得るので、モニタ情報取得部114は、通信エラーが発生した状態におけるモニタ情報を取得できる。したがって、実施の形態2にかかるモニタ情報取得部114は、実施の形態1の場合と比較して、さらに多くのモニタ情報を取得することが可能となる。
【0081】
ペナルティ推定部116は、
図6のS106と同様に、受信側に対する少なくとも1つのペナルティを推定する(ステップS206)。ここで、上述したように、実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較して、多くのモニタ情報を取得できる。したがって、実施の形態2にかかるペナルティ推定部116は、実施の形態1の場合と比較して、精度よくペナルティを推定することが可能である。例えば、上述した非線形ペナルティの推定方法において、より広い範囲で、パワーとQ値とを要素とする観測点を取得できる。したがって、実施の形態1の場合でプロットされた範囲よりも広い範囲で観測点をプロットできる。したがって、より精度よく、実測値に適合した非線形パラメータを算出することができるので、より精度よく、非線形ペナルティを推定することが可能となる。
【0082】
改善処理部120は、
図6のS108,S110と同様に、推定されたペナルティを用いて、光通信ネットワーク11の伝送効率(伝送容量)を改善するための処理を行う(S208,S210)。ここで、上述したように、実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較して、精度よくペナルティを推定できる。したがって、実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較して、さらに精度よく、伝送効率を改善するか否かの判定を行うことができる。
【0083】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、
図9のS122~S124の処理は省略され得る。つまり、S106の処理によってペナルティが推定された場合に、常に、S126~S130の処理によって変調方式を変更できるか否かを判定してもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態においては、通信品質を示すモニタ情報(第1のパラメータ)をOSNR又はQ値としたが、このような構成に限られない。通信品質を示すモニタ情報(第1のパラメータ)は、OSNR又はQ値以外のパラメータ(例えばBER)であってもよい。
【0085】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0086】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0087】
この出願は、2020年3月30日に出願された日本出願特願2020-059470を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0088】
1 監視装置
2 可変パラメータ変更部
4 モニタ情報取得部
6 推定部
10 監視システム
11 光通信ネットワーク
12 送信機
14 受信機
20 多重装置
30 中継装置
40 分離装置
100 監視装置
112 可変パラメータ変更部
114 モニタ情報取得部
116 ペナルティ推定部
120 改善処理部
122 制限値算出部
124 判定部
126 伝送方式変更部