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特許7548371情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240903BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240903BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H04N1/00 C
H04N1/00 350
G03G21/00 386
B41J29/38 202
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023093692
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2019066781の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2023118718
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】浦川 豊
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-193478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体から識別情報を読み取る読取部と、
前記識別情報と設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
表示部と、
前記識別情報に関連付けられた前記設定情報に基づき処理を実行する制御部と、
を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記表示部上に第1画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、前記読み取った前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記記憶部から呼び出す呼出処理と、
前記表示部上に前記第1画面とは異なる第2画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、現在の装置設定を含む設定情報を、前記読み取った前記識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶処理と、
を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記表示部上に前記第2画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ったときの前記装置設定がデフォルト装置設定であれば、前記装置設定がデフォルト装置設定であることを報知させ、又は確認させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置はさらに、
シートに画像を印刷する印刷エンジン
を備え、
前記設定情報は、前記印刷エンジンの印刷に係る設定情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記印刷エンジンを制御してシートに画像を形成する印刷処理を実行しているときに、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、
前記印刷処理の完了に応じて、前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第1画面であるか前記第2画面であるかを判断し、
前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第1画面であると判断すると、前記呼出処理を実行し、
前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第2画面であると判断すると、前記記憶処理を実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定情報は、前記シートの用紙サイズ、画質及びレイアウトのうちの少なくとも1つに係る設定を含む、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置はさらに、
原稿から画像を読み取る読取エンジン
を備え、
前記設定情報は、前記読取エンジンの読取りに係る設定情報を含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記読取エンジンを制御して原稿から画像を読み取る読取処理を実行しているときに、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読取ると、
前記読取処理の完了に応じて、前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第1画面であるか第2画面であるかを判断し、
前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第1画面であると判断すると、前記呼出処理を実行し、
前記情報処理装置の前記表示部上に表示されている画面が前記第2画面であると判断すると、前記記憶処理を実行する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定情報は、前記原稿のサイズ及び画質のうち、少なくとも1つに係る設定を含む、
請求項6又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記読取部は、無線通信により前記媒体から前記識別情報を読み取る、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置の表示部上に第1画面が表示されている場合に、前記情報処理装置の読取部により媒体から識別情報を読み取ると、前記読み取った前記識別情報に関連付けられた設定情報を前記情報処理装置の記憶部から呼び出し、
前記表示部上に前記第1画面とは異なる第2画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、現在の装置設定を含む設定情報を、前記読み取った前記識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる、
情報処理方法。
【請求項11】
媒体から識別情報を読み取る読取部と、
前記識別情報と設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
表示部と、を備えた情報処理装置に、
前記表示部上に第1画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、前記読み取った前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記記憶部から呼び出す呼出処理と、
前記表示部上に前記第1画面とは異なる第2画面が表示されている場合に、前記読取部により前記媒体から前記識別情報を読み取ると、現在の装置設定を含む設定情報を、前記読み取った前記識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶処理と、
を実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、設定情報の登録及び呼出を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スキャン処理を実行する際に必要な設定情報と、カードの製造番号とを関連付けて記憶しておき、カードリーダによってカードの製造番号が読み取られた場合に、読み取られた製造番号と関連付けて記憶されている設定情報に従ってスキャン処理を実行するようにした画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-10059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像処理装置では、設定情報と媒体の識別番号とを関連付けて記憶させる処理と設定情報の呼び出す処理とを、どのように切り換えるかについては詳述されていない。
【0005】
本願の実施形態の一例は、設定情報と媒体の識別番号とを関連付けて記憶する処理、及び、設定情報を呼び出す処理を簡易に切り換えることが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の実施形態の一例の情報処理装置は、媒体から識別情報を読み取る読取部と、識別情報と設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、表示部と、識別情報に関連付けられた設定情報に基づき処理を実行する制御部と、を備え、制御部は、表示部上に第1画面が表示されている場合に、読取部により媒体から識別情報を読み取ると、読み取った識別情報に関連付けられた設定情報を記憶部から呼び出す呼出処理と、表示部上に第2画面が表示されている場合に、読取部により媒体から識別情報を読み取ると、現在の装置設定を含む設定情報を、読み取った識別情報に関連付けて記憶部に記憶させる記憶処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、設定情報と媒体の識別番号とを関連付けて記憶する処理、及び、設定情報を呼び出す処理を簡易に切り換えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施の形態に係る情報処理装置を適用した複合機の制御構成を示すブロック図である。
図2図1の複合機に含まれるNVRAMに記憶されるデータベースの一例を示す図である。
図3図1の複合機に含まれるパネル上に表示される表示画面の遷移の一例を示す図である。
図4図3の表示画面の遷移に続く表示画面の遷移の一例を示す図である。
図5図4の表示画面の遷移に続く表示画面の遷移の一例を示す図である。
図6図1の複合機、特にCPUが実行するメインルーチンの手順を示すフローチャートである。
図7図6のメインルーチンに含まれるショートカット処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図8図7のショートカット処理に含まれるショートカット呼び出し処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図9図7のショートカット処理に含まれるショート登録処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施の形態に係る情報処理装置を適用した複合機100の制御構成を示すブロック図である。複合機100は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及びFax機能等を備えた装置である。以下、複合機100をMFP100という。なおMFPは、Multifunction Peripheral の略語である。
【0011】
図1に示すように、MFP100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103及びNVRAM(Non-Volatile RAM)104を備えている。
【0012】
CPU101は、MFP100全体の制御を司るものであるが、本実施形態では、設定情報に従って、エンジンIF(Interface)110を介して印刷エンジン111及び読取エンジン112をそれぞれ制御する。なお、エンジンIF110、印刷エンジン111及び読取エンジン112については、後述する。
【0013】
ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムを記憶するメモリである。CPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。
【0014】
RAM103は、画像データなどを一時的に記憶するメモリである。またRAM103は、CPU101が制御プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記憶する記憶領域、あるいはデータ処理の作業領域としても使用される。
【0015】
NVRAM104は、設定情報等を記憶する不揮発性メモリである。
【0016】
またMFP100は、パネル105及びキー106を備えている。
【0017】
パネル105は、本実施形態ではタッチパネルであり、パネル105には、MFP100の状態に応じて、様々な画面が表示される。ユーザは、画面上の入力ボタンやアイコン、ソフトウェアキーボード(後述する図3等参照)などを押下することで、入力操作をすることができる。
【0018】
キー106は、ハードキー、つまりハードウェアにより形成されるキーである。その典型例としては、電源スイッチやリセットスイッチ(ともに図示せず)などを挙げることができる。
【0019】
さらにMFP100は、読取部107及び通信IF108を備えている。
【0020】
読取部107は、本実施形態では、カード200からカード番号を読み取るカードリーダである。カード200として、本実施形態ではIC(Integrated Circuit)チップを内蔵するICカードを採用している。読取部107は、カード200の接近や接触に応じて、近接無線通信(NFC:Near Field Communication)によりICチップ内のカード番号を読み取る。このためカード番号は、ICチップ内に記憶されている。なお、カード200を特定し、識別できる情報であれば、カード番号に限らず、所有者のIDやシリアル番号、製造番号等、どのようなものでもよい。
【0021】
通信IF108は、MFP100を通信ネットワーク(図示せず)に接続するものである。通信ネットワークは、本実施形態では有線又は無線LAN(Local Area Network)を想定しているので、通信IF108は、LAN IF(Local Area Network Interface)又はWLAN IF(Wireless LAN Interface)である。もちろん、有線LANと無線LANが同時に存在する場合もあり、この場合には、通信IF108は、LAN IF及びWLAN IFの両方を含んでいる。
【0022】
通信IF108はさらに、ファックス送受信を行うためにMFP100を電話回線(インターネットファックスの場合にはインターネット)に接続するFAXIF(Interface)も含んでいる。
【0023】
またMFP100は、エンジンIF110を備えている。エンジンIF110には、印刷エンジン111及び読取エンジン112が接続されている。
【0024】
印刷エンジン111は、シートに画像を印刷するためのエンジンであり、電子写真方式、インクジェット方式、サーマル方式等が採用される。
【0025】
読取エンジン112は、原稿から画像を読み取るためのエンジンであり、CCD(Charge Coupled Devices)及びCIS(Contact Image Sensor)等を有する。
【0026】
エンジンIF110は、印刷エンジン111及び読取エンジン112を制御するための制御回路であり、CPU101はエンジンIF110を介して印刷エンジン111及び読取エンジン112を制御する。
【0027】
エンジンIF110は、印刷エンジン111を制御するための第1エンジンIF(図示せず)と、読取エンジン112を制御するための第2エンジンIF(図示せず)と、を有している。第1エンジンIFは、CPU101からの指令に基づき、印刷エンジン111への制御信号の出力及び印刷エンジン111への画像データの出力等を実行する。第2エンジンIFは、CPU101からの指令に基づき、読取エンジン112への制御信号の出力及び読取エンジン112からの画像データの入力等を実行する。
【0028】
さらにMFP100は、画像処理回路120を備えている。
【0029】
画像処理回路120は、第1画像処理回路(図示せず)と、第2画像処理回路(図示せず)とを有する。第1画像処理回路は、印刷ジョブに係る画像データをラスタライズ処理する。ラスタライズ処理された画像データは、RAM103へ一時記憶され、印刷エンジン111へ出力される。第2画像処理回路は、読取エンジン112が原稿から読み取った画像データをデジタルデータへ加工する。デジタルデータへ加工された画像データは、通信IF108を介して外部へ送信されたり、印刷エンジン111へ供給されシートへ出力されたりする。読取エンジン112が原稿から読み取った画像データは、一時RAM103に記憶され、第2画像処理回路へ出力される。ここで、本実施形態において、「読み取る」を「スキャン」と記載する場合もある。
【0030】
CPU101、ROM102、RAM103、NVRAM104、パネル105、キー106、読取部107、通信IF108、エンジンIF110及び画像処理回路120は、バス130により相互に接続されている。
【0031】
図2は、NVRAM104内に作成されるデータベース(以下「DB」と略す)の一例を示している。そして、図2(a)は、ショートカットDBの一例を示し、図2(b)は、アドレス帳DBの一例を示している。アドレス帳DBは、ショートカットDBの関連DBである。
【0032】
ショートカットは、本実施形態では、MFP100の機能及び機能における各種設定を対応付けるアイコンである。ショートカットはパネル105上に表示され、ユーザがショートカットを押下すると、CPU101は、押下したショートカットに対応付けられたMFP100の機能及び各種設定を、一連の機能の選択操作及び各種設定の設定操作を省略して実行する。
【0033】
ショートカットDBは、図2(a)に示すように、各レコードがショートカット表示名、登録番号、機能、機能詳細、設定、ワンタッチ(OneTouch)のオン/オフ及びカード番号という属性により構成されている。本実施形態では、ショートカットDBの各レコードをショートカットデータという。なお、ショートカットとは、ショートカットデータをパネル105上に表示したときのアイコンを意味するとするが、両者を厳密に分けて使用していない場合もある。
【0034】
ショートカット表示名は、ショートカットデータをパネル105上に表示するときに表示される名称である。
【0035】
登録番号は、ショートカットデータをショートカットDBに登録した順に付与される番号である。
【0036】
機能は、MFP100の機能である。機能詳細は、機能が複数の詳細機能に分かれている場合の詳細機能のことである。
【0037】
設定は、機能における各種設定である。各設定項目は、機能に応じて異なっている。具体的には、機能がFax機能の場合には、送信先(Destination)、画質(Resolution)及び読取り原稿サイズ(ScanSize)が例示されている。また、機能がコピー機能の場合には、画質(Quality)、拡大/縮小(Enlarge)、ページレイアウト(PageLayout)、両面印刷(2sided)及びトレイ(Tray)が例示されている。なお、各設定項目についての詳細な説明は、省略する。
【0038】
画質(Resolution)とは、正確には、解像度を指す。Resolution:Fineとは高解像度(例えば400dpi)を指定する設定値であり、Resolution:SuperFineとは、最高解像度(例えば600dpi)を指定する設定値であり、Resolution:Standardとは、標準解像度(例えば300dpi)を指定する設定値である。CPU101は、指定された画質(解像度)に従って、読取エンジン112等を制御して、原稿から画像を取得する。
【0039】
原稿サイズとは、読取対象の原稿のサイズを指定する設定値であり、ScanSize:A4とは、A4サイズの原稿から画像を読み取ることを指定する設定値である。CPU101は、指定された原稿サイズに従って、読取エンジン112を制御して、原稿から画像を取得する。
【0040】
図2の機能詳細欄の通常Fax,InternetFaxは、読取りにより取得した画像データを外部へ送信する手段を指定する設定値である。通常Faxが指定されている場合、CPU101は、読取エンジン112により読取った画像に係る画像データを、電話回線を介して外部へ送信する。
【0041】
InternetFaxが指定されている場合、CPU101は、読取エンジン112により読取った画像に係る画像データを、インターネット回線を介して外部へ送信する。
【0042】
ワンタッチ(OneTouch)は、ユーザがショートカットを押下したり、カード200を読取部107にかざしたりして、ショートカットデータを呼び出すと直ちに、CPU101がショートカットに対応付けられた機能及び各種設定、つまりショートカットデータの機能を実行する機能である。OneTouch:ONが、ワンタッチ機能を有効化することを意味し、OneTouch:OFFが、ワンタッチ機能を無効化することを意味する。
【0043】
カード番号は、上述のようにカード200のICチップ内に記憶される情報である。カード番号は、カード200を特定し、識別する。カード番号により、ショートカットデータとカード200とが関連付けられる。なお、複数のカードと1つのショートカットデータとが関連付けられることもある。表示名“TO_ARIEL”のショートカットデータ及び表示名“2SIDE”のショートカットデータは、ともにカード番号“1001”及び“1002”のカード200と関連付けられている。
【0044】
アドレス帳DBは、図2(b)に示すように、各レコードがアドレス帳番号、送信先表示名及び送信先アドレスという属性により構成されている。アドレス帳DBの各レコードを送信先データという。
【0045】
アドレス帳番号は、送信先データをアドレス帳DBに登録した順に付与される番号である。このアドレス帳番号が、ショートカットDBに登録されている、Fax機能を実行するためのショートカットデータに含まれる設定のうち、送信先(Destination)に設定される。つまり、アドレス帳DBの各送信先データは、アドレス帳番号を介して、ショートカットDBのFax機能を実行するためのショートカットデータと関連付けられている。このため上述のように、アドレス帳DBは、ショートカットDBの関連DBとなっている。
【0046】
送信先表示名は、送信先データをパネル105上に表示するときに表示される名称である。
【0047】
送信先アドレスは、通常は電話番号であるが、メールアドレスを登録する場合(インターネットファックスの場合)があるので、属性名を「送信先アドレス」としている。
【0048】
図3図5は、パネル105上の表示画面の遷移を示している。図3図5に示す表示画面の遷移については、後述する。
【0049】
次に、MFP100、特にCPU101が実行する制御処理を図3図9を参照して詳細に説明する。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0050】
図6は、CPU101が実行するメインルーチンの手順を示している。ユーザが、上記キー106に含まれる電源スイッチ又はリセットスイッチを押下すると、CPU101は、ブート後、メインルーチンを開始する。
【0051】
図6において、まずCPU101は、読取部107によりカード200のカード番号を読み取ったか否かを判断する(S1)。なお図示を省略しているものの、S1の判断の前にCPU101は、パネル105上に初期画面を表示させる。図3(a)は、初期画面(以下「HOME画面」という)150の一例を示している。
【0052】
S1の判断において、カード200のカード番号を読み取ったと判断される場合(S1:YES)、CPU101は、読み取ったカード番号をRAM103に記憶させる(S2)。
【0053】
次にCPU101は、機能実行中であるか否かを判断する(S3)。機能実行中とは、MFP100の機能、つまり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及びFax機能等を実行している状態をいう。具体的には、例えば、プリント機能実行中とは、CPU101が印刷エンジン111を制御してシートに画像を形成する印刷処理を実行している状態である。また、スキャン機能実行中とは、CPU101が読取エンジン112を制御して原稿から画像を読み取る読取処理を実行している状態である。このように機能実行中であるか否かを判断するのは、機能実行中には、CPU101は、ショートカットに関連する処理を実行しないようにしているからである。
【0054】
S3の判断において、機能実行中でないと判断される場合(S3:NO)、CPU101は、ショートカット処理を実行した(S4)後、処理を上記S1に戻す。なお、ショートカット処理の詳細は、図7を用いて後述する。
【0055】
一方、S3の判断において、機能実行中と判断される場合(S3:YES)、CPU101は、実行中フラグをONに設定した(S5)後、処理を上記S1に戻す。実行中フラグは、機能実行中にカード200のカード番号を読み取った場合には、カード番号の読取りに応じた処理を、機能実行が完了してからCPU101に実行させるためのフラグである。
【0056】
一方、上記S1の判断において、カード200のカード番号を読み取らなかったと判断される場合(S1:NO)、CPU101は、画面上のボタン押下を検出したか否かを判断する(S6)。ここで「画面」とは、例えば図3(a)のHOME画面150であり、「ボタン」とは、ボタン150a~150dとアイコン150e~150jである。なお、HOME画面150は、“Basic1”ボタン150aが押下されたときの画面である。
【0057】
S6の判断において、画面上のボタン押下を検出したと判断される場合(S6:YES)、CPU101は、ボタン押下がデフォルト以外へ設定変更するボタンの押下であるか否かを判断する(S7)。ここで、「デフォルト」とは、例えば、MFP100の電源投入時若しくは再起動時に、初期設定として読み込まれる設定値の状態、及び、別の画面から初期画面へ遷移したときの設定値の状態の少なくともいずれか一方を指す。
【0058】
図4(a)は、コピーモード(CopyMode)画面152の一例を示している。コピーモード(CopyMode)画面152は、ユーザが図3(a)のHOME画面150内のコピーアイコン150fを押下したときに、HOME画面150から遷移する画面である。このコピーモード(CopyMode)画面152で表示されるコピー機能における各種設定がデフォルト設定である。つまり、HOME画面150内のコピーアイコン150fの押下は、デフォルト以外へ設定変更するボタンの押下ではない。
【0059】
また、ユーザが、図4(a)のコピーモード(CopyMode)画面152内の“2-sided Copy”ボタン152aを押下した場合、CPU101は、図4(c)に示す両面コピー設定用ポップアップウィンドウ154をパネル105上に表示する。両面コピー設定用ポップアップウィンドウ154では、両面コピー設定はオフ状態、つまりデフォルト設定である。つまり、コピーモード(CopyMode)画面152内の“2-sided Copy”ボタン152aの押下は、デフォルト以外へ設定変更するボタンの押下ではない。これに対して、両面コピー設定用ポップアップウィンドウ154内の“2-sided ⇒ 2-sided”ボタン154aの押下は、デフォルト以外へ設定変更するボタンの押下である。
【0060】
なお図4(a)では、デフォルト以外へ設定変更するボタンの押下であるか否かを判断する対象となるボタンを、コピーモード(CopyMode)画面152内に表示されているボタン、つまり“2-sided Copy”ボタン152aを例に挙げて説明した。しかし、この対象となるボタンは、コピーモード(CopyMode)画面152内に非表示のボタン、具体的には、ユーザが“Options”ボタン152bを押下したときに、プルダウンメニュー内に表示されるボタンであってもよい。
【0061】
このようにS7において、デフォルト以外へ設定変更するボタンの押下であるか否かを判断するようにしたのは、この判断が肯定される場合(S7:YES)と、否定される場合(S7:NO)とで、カード番号の読取りに応じた処理を異ならせるためである。
【0062】
S7の判断において、ボタン押下がデフォルト以外へ設定変更するボタンの押下であると判断される場合(S7:YES)、CPU101は、選択された設定をRAM103に記憶させる(S8)。そしてCPU101は、設定変更フラグをONに設定した(S9)後、処理を上記S1に戻す。設定変更フラグは、後述する図7のショートカット処理において、カード番号の読取りに応じた処理を異ならせるために設けたフラグである。
【0063】
一方、S7の判断において、ボタン押下がデフォルト以外へ設定変更するボタンの押下でないと判断される場合(S7:NO)、CPU101は、押下したボタンに応じた画面に画面更新するとともに、内部処理を行う(S10)。例えば上述のように、ユーザが図3(a)のHOME画面150内のコピーアイコン150fを押下すると、CPU101は、HOME画面150からコピーモード(CopyMode)画面152への画面更新を行い、コピー機能を実行できるように各種設定を行う等の内部処理を行う。
【0064】
次にCPU101は、画面更新によりHOME画面150へ遷移するか否かを判断する(S11)。コピーモード(CopyMode)画面152には図示されていないが、コピーモード(CopyMode)画面152からHOME画面150へ遷移させるためのボタンが備わっているので、ユーザはそのボタンを押下することにより、HOME画面150へ遷移させることができる。
【0065】
S11の判断において、HOME画面150へ遷移すると判断される場合(S11:YES)、CPU101は、設定変更フラグをOFFに設定した(S12)後、処理を上記S1に戻す。一方、HOME画面150へ遷移しないと判断される場合(S11:NO)、CPU101は、処理を上記S1に戻す。
【0066】
一方、上記S6の判断において、画面上のボタン押下を検出しなかったと判断される場合(S6:NO)、CPU101は、機能実行中でない、かつ実行中フラグがON状態であるか否かを判断する(S13)。この判断は、上述のように、機能実行中にカード200のカード番号を読み取った場合には、カード番号の読取りに応じた処理を、機能実行が完了してからCPU101に実行させるためのものである。
【0067】
S13の判断において、機能実行中でない、かつ実行中フラグがON状態であると判断される場合(S13:YES)、CPU101は、ショートカット登録処理を実行する(S14)。そしてCPU101は、実行中フラグをOFFに設定した(S15)後、処理を上記S1に戻す。なお、ショートカット登録処理の詳細は、図9を用いて後述する。
【0068】
一方、S13の判断において、機能実行中である、又は実行中フラグがOFF状態である場合(S13:NO)、CPU101は、処理を上記S1に戻す。
【0069】
図7は、上記S4のショートカット処理の詳細な手順を示している。
【0070】
図7において、まずCPU101は、パネル105上にいずれのモード画面が表示されているかを判断する(S21,S23,S25,S27)。
【0071】
パネル105上に、上記コピーモード(CopyMode)画面152が表示されていると判断される場合(S21:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Copy”に設定する(S22)。「呼び出し機能」は、CPU101がRAM103内に確保した領域である。後述のようにCPU101は、ショートカットデータを呼び出す際に、表示画面のモードに対応する機能のショートカットデータを呼び出す。この処理に表示画面のモードが必要であるので、CPU101は、RAM103内に「呼び出し機能」領域を設け、表示画面のモードを記憶させるようにしている。
【0072】
またパネル105上に、スキャンモード(ScanMode)画面(図示せず)が表示されていると判断される場合(S23:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Scan”に設定する(S24)。
【0073】
またパネル105上に、ファックスモード(FaxMode)画面(図示せず)が表示されていると判断される場合(S25:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Fax”に設定する(S26)。
【0074】
またパネル105上に、上記HOME画面150が表示されていると判断される場合(S27:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“ALL”に設定する(S28)。
【0075】
次にCPU101は、処理をS29に進める。S29では、CPU101は、設定変更フラグがOFF状態であるか否かを判断する。この判断において、設定変更フラグがOFF状態であると判断される場合(S29:YES)、CPU101は、ショートカット呼び出し処理を実行した(S30)後、ショートカット処理を終了(リターン)する。なお、ショートカット呼び出し処理の詳細は、図8を用いて後述する。
【0076】
一方、S29の判断において、設定変更フラグがON状態であると判断される場合(S29:NO)、CPU101は、呼び出し機能を「なし」に設定し(S31)、ショートカット登録処理を実行した(S32)後、ショートカット処理を終了(リターン)する。ショートカット登録処理の詳細は、図9を用いて後述する。
【0077】
図8は、上記S30のショートカット呼び出し処理の詳細な手順を示している。
【0078】
図8において、まずCPU101は、カード番号及び呼び出し機能が一致するショートカットデータをショートカットDBから検索する(S41)。以下、このS41の検索処理を、図2(a)のショートカットDBに基づいて具体的に説明する。
【0079】
カード200からカード番号“1001”が読み取られているとする。処理がS41に進んだときに、呼び出し機能が“Fax”である場合、CPU101は、ショートカットDBから、機能属性が“Fax”であるショートカットデータ、つまり表示名“TO_ALEX”,“TO_ALLY”,“TO_ARIEL”及び“TO_BOB”の4つのショートカットデータを取得する。一方、このとき、呼び出し機能が“Copy”である場合、CPU101は、ショートカットDBから、機能属性が“Copy”であるショートカットデータ、つまり表示名“PHOTO”及び“2SIDE”の2つのショートカットデータを取得する。さらにこのとき、呼び出し機能が“Scan”である場合、ショートカットDBには、機能属性が“Scan”であるショートカットデータは登録されていないので、CPU101は、ショートカットDBから1つのショートカットデータも取得しない。またさらにこのとき、呼び出し機能が“ALL”である場合、CPU101は、ショートカットDBから、機能属性が特定されないすべてのショートカットデータ、つまり表示名“TO_TOM”及び“MY_COPY”の2つのショートカットデータを除く、6つのショートカットデータを取得する。表示名“TO_TOM”及び“MY_COPY”の2つのショートカットデータが除かれるのは、この2つのショートカットデータは、カード番号“1002”のみに関連付けられ、カード番号“1001”には関連付けられていないからである。
【0080】
次にCPU101は、検索の結果、一致するショートカットデータはあるか否かを判断する(S42)。この判断において、一致するショートカットデータがないと判断される場合(S42:NO)、CPU101は、ショートカット呼び出し処理を終了(リターン)する。一方、一致するショートカットデータがあると判断される場合(S42:YES)、CPU101は、その含まれているショートカットデータの個数が1つか否かを判断する(S43)。
【0081】
S43の判断において、ショートカットデータが1つのみであると判断される場合(S43:YES)、CPU101は、ショートカットデータに含まれるワンタッチ機能、つまりワンタッチ呼び出しがONに設定されているか否かを判断する(S44)。この判断において、ワンタッチ呼び出しがONに設定されていると判断される場合(S44:YES)、CPU101は、ショートカットデータの機能を実行した(S45)後、ショートカット呼び出し処理を終了(リターン)する。
【0082】
一方、S44の判断において、ワンタッチ呼び出しがOFFに設定されていると判断される場合(S44:NO)、CPU101は、ショートカットデータの機能の開始画面(図示せず)をパネル105上に表示した(S46)後、ショートカット呼び出し処理を終了(リターン)する。
【0083】
一方、上記S43の判断において、ショートカットデータの数が複数であると判断される場合(S43:NO)、CPU101は、複数あるショートカットデータの一覧画面を作成してパネル105上に表示した(S47)後、ショートカット呼び出し処理を終了(リターン)する。
【0084】
図4(b)は、コピーモード(CopyMode)画面152の表示中に、カード200からカード番号“1001”を読み取ったことにより、パネル105上に表示されたショートカットデータ一覧画面153を示している。この場合、上述のようにCPU101は、ショートカットDBから表示名“PHOTO”及び“2SIDE”の2つのショートカットデータを取得するので、この2つのショートカットデータに基づいて一覧画面153を生成して、パネル105上に表示する。
【0085】
一方、図3(b)は、HOME画面150の表示中に、カード200からカード番号“1001”を読み取ったことにより、パネル105上に表示されたショートカットデータ一覧画面151を示している。この場合、上述のようにCPU101は、ショートカットDBから表示名“TO_TOM”及び“MY_COPY”の2つのショートカットデータを除く、6つのショートカットデータを取得するので、この6つのショートカットデータに基づいて一覧画面151を生成して、パネル105上に表示する。
【0086】
図9は、上記S14及び上記S32のショートカット登録処理の詳細な手順を示している。
【0087】
図9において、まずCPU101は、設定変更フラグがON状態であるか否かを判断する(S51)。この判断において、設定変更フラグがON状態であると判断される場合(S51:YES)、CPU101は、処理をS52に進める。一方、設定変更フラグがOFF状態であると判断される場合(S51:NO)、CPU101は、処理をS53に進める。
【0088】
設定変更フラグは、上述のように、図7のショートカット処理において、カード番号の読取りに応じた処理を異ならせるために設けたフラグである。しかし設定変更フラグは、ボタン押下がデフォルト以外へ設定変更するボタンの押下であると判断される場合にONに設定される(図6のS9参照)ので、設定変更フラグがOFF状態は、MFP100の現在の設定がデフォルト設定であることを意味する。上記S51の判断は、設定変更フラグの設定状態により、MFP100の現在の設定がデフォルト設定であるか否かを判断している。
【0089】
処理がS51からS53に進む場合、ユーザはデフォルト設定を新規ショートカットデータとしてショートカットDBに登録しようとしている。このためCPU101は、デフォルト設定をショートカットデータとして登録するかどうかを確認する選択画面をパネル105上に表示する(S53)。図5(c)は、この選択画面157の一例を示している。
【0090】
次にCPU101は、パネル105上に表示された選択画面からユーザが「はい」を選択したか否かを判断する(S54)。CPU101は、例えば図5(c)の選択画面157内に設けられた「はい」ボタン157aの押下を検出すると(S54:YES)、処理をS52に進める。一方、CPU101は、選択画面157内に設けられた「いいえ」ボタン157bの押下を検出すると(S54:NO)、ショートカット登録処理を終了(リターン)する。
【0091】
S52では、CPU101は、現在の設定の確認画面をパネル105上に表示し、ユーザによるOKボタンの押下を受け付ける。
【0092】
図5(a)は、デフォルト以外へ設定変更するボタンが押下されたときに、コピーモード(CopyMode)画面152から遷移したコピーモード(CopyMode)画面155を示している。より具体的には、図5(a)のコピーモード(CopyMode)画面155は、ユーザが上記図4(c)の両面コピー設定用ポップアップウィンドウ154内の“1-sided ⇒ 2-sided”ボタン154bを押下したときに、図4(a)のコピーモード(CopyMode)画面152から遷移する。
【0093】
図5(b)は、現在の設定の確認画面156の一例を示している。この確認画面156は、図5(a)のコピーモード(CopyMode)画面155がパネル105上に表示中に、カード200からカード番号を読み取ったことに応じて、コピーモード(CopyMode)画面155から遷移したものである。そしてS52におけるOKボタンは、コピーモード(CopyMode)画面155では、OKボタン156aである。
【0094】
次にCPU101は、今回の設定群と同じ設定群のショートカットデータ、つまり今回の設定群と同じ設定群を属性値として持つショートカットデータがないか否かを判断する(S55)。この判断において、今回の設定群と同じ設定群のショートカットデータがないと判断される場合(S55:YES)、CPU101は、処理をS56に進める。一方、今回の設定群と同じ設定群のショートカットデータがあると判断される場合(S55:NO)、CPU101は、処理をS58に進める。
【0095】
S56では、CPU101は、現在の設定を新規ショートカットデータとしてショートカットDBに登録する。続くS57では、CPU101は、カード番号、つまり上記S2でRAM103に記憶させたカード番号をショートカットデータのカード番号属性内に記憶する。その後CPU101は、ショートカット登録処理を終了(リターン)する。これにより、新規ショートカットデータとカード200のカード番号とが関連付けられる。
【0096】
S58では、CPU101は、既存のショートカットデータに同じ設定群のものがあることを警告する表示画面をパネル105上に表示する。続くS59では、CPU101は、カード番号を既存のショートカットデータのカード番号属性内に追加して記憶する。その後CPU101は、ショートカット登録処理を終了(リターン)する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態のMFP100は、カード200からカード番号を読み取る読取部107と、カード番号とショートカットデータとを関連付けて記憶するNVRAM104と、パネル105と、カード番号に関連付けられたショートカットデータに基づき処理を実行するCPU101と、を備えている。
【0098】
そしてCPU101は、パネル105上に第1画面が表示されている場合に、読取部107によりカード200からカード番号を読み取ると、読み取ったカード番号に関連付けられたショートカットデータをNVRAM104から呼び出す呼出処理(S30)と、パネル105上に第2画面が表示されている場合に、読取部107によりカード200からカード番号を読み取ると、現在の装置設定を含むショートカットデータを、読み取ったカード番号に関連付けてNVRAM104に記憶させる記憶処理(S32)と、を実行する。
【0099】
このように、本実施形態のMFP100では、ショートカットデータとカード200のカード番号とを関連付けて記憶する処理、及び、ショートカットデータを呼び出す処理を簡易に切り換えることが可能となる。
【0100】
ちなみに、本実施形態において、MFP100は、「情報処理装置」の一例である。カード200は、「媒体」の一例である。カード番号は、「識別情報」の一例である。ショートカットデータは、「設定情報」の一例である。NVRAM104は、「記憶部」の一例である。パネル105は、「表示部」の一例である。CPU101は、「制御部」の一例である。
【0101】
また、第1画面は、MFP100の機能を選択するための画面150であり、第2画面は、第1画面からMFP100の機能が選択されたときに、第1画面から遷移する画面152であり、選択された機能の実行を開始するための操作子を備えた画面である。
【0102】
これにより、呼出処理又は記憶処理のうち、ユーザの意図した方の処理を実行することができる。
【0103】
また、第1画面は、MFP100の機能が選択されたときに表示され、選択された機能の実行を開始するための操作子を備えた画面152であり、第2画面は、選択された機能を設定するための画面156である。
【0104】
これにより、呼出処理又は記憶処理のうち、ユーザの意図した方の処理を実行することができる。
【0105】
また、CPU101は、パネル105上に第2画面が表示されている場合に、読取部107によりカード200からカード番号を読み取ったときの装置設定がデフォルト装置設定であれば(S51*NO)、装置設定がデフォルト装置設定であることを報知させ、又は確認させる(S53)。
【0106】
これにより、無駄なショートカットデータの登録を抑制することができる。
【0107】
また、MFP100はさらに、シートに画像を印刷する印刷エンジン111を備え、ショートカットデータは、印刷エンジン111の印刷に係る設定情報を含む。
【0108】
また、CPU101は、印刷エンジン111を制御してシートに画像を形成する印刷処理を実行しているときに、読取部107によりカード200からカード番号を読み取ると、印刷処理の完了に応じて、MFP100の状態が第1画面であるか第2画面であるかを判断し、MFP100の状態が第1画面であると判断すると、呼出処理を実行し、MFP100の状態が第2画面であると判断すると、記憶処理を実行する(S14)。
【0109】
これにより、呼出処理又は記憶処理がキャンセルされずに、印刷処理の完了後になされるので、ユーザは再度カード200からカード番号を読み取らせる操作を行わなくてもよい。
【0110】
また、ショートカットデータは、シートの用紙サイズ、画質及びレイアウトのうちの少なくとも1つに係る設定を含む。
【0111】
MFP100はさらに、原稿から画像を読み取る読取エンジンを備え、ショートカットデータは、読取エンジン112の読取りに係る設定情報を含む。
【0112】
また、CPU101は、読取エンジン112を制御して原稿から画像を読み取る読取処理を実行しているときに、読取部107によりカード200からカード番号を読取ると、読取処理の完了に応じて、MFP100の状態が第1画面であるか第2画面であるかを判断し、MFP100の状態が第1画面であると判断すると、呼出処理を実行し、MFP100の状態が第2画面であると判断すると、記憶処理を実行する(S14)。
【0113】
これにより、呼出処理又は記憶処理がキャンセルされずに、読取処理の完了後になされるので、ユーザは再度カード200からカード番号を読み取らせる操作を行わなくてもよい。
【0114】
また、ショートカットデータは、原稿のサイズ及び画質のうち、少なくとも1つに係る設定を含む。
【0115】
また、読取部107は、無線通信によりカード200からカード番号を読み取る。
【0116】
これにより、ユーザはカード200を直接MFP100に接続させなくても、MFP100に近づけるだけでよいので、便利である。
【0117】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0118】
(1)上記実施形態では、情報処理装置の一例として、MFP100を例に挙げて説明したが、MFP100に限らず、情報処理装置は、単体のプリンタやスキャナ、コピー機であってもよい。
【0119】
(2)上記実施形態では、上記実施形態では、制御部の一例として、CPU101を挙げて説明したが、制御部は、CPUと専用回路とを有していてもよい。専用回路としては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
【0120】
(3)上記実施形態では、読取部の一例として、NFCによりカード200内のIDを読み取るカードリーダを挙げたが、これに限らず、通信インタフェースとして、Bluetooth(登録商標)インタフェース等を採用してもよい。また、通信インタフェースとして、SDIO(Secure Digital Input/Output)を採用してもよい。これらの場合、外部記憶装置は、採用される通信インタフェースに対応したインタフェースを有する装置となる。さらに読取部として、2次元コードリーダを採用してもよい。2次元コードには、バーコード及びQRコード(登録商標)等が含まれる。この場合、媒体は、2次元コードが表面に印刷等されたカードやシート等となる。
【符号の説明】
【0121】
100 MFP
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 NVRAM
105 パネル
107 読取部
110 エンジンIF
111 印刷エンジン
112 読取エンジン
120 画像処理回路
200 カード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9