(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電子機器、入力方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240903BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20240903BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F3/041 570
G06F3/041 480
G06F3/041 600
G06F3/045 Z
G06F3/044 Z
(21)【出願番号】P 2023172186
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2021149558の分割
【原出願日】2021-09-14
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗田 天志
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-140133(JP,A)
【文献】特開2013-156683(JP,A)
【文献】特開2011-154561(JP,A)
【文献】特開平02-178817(JP,A)
【文献】特開2010-186335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0129701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字または図形を含む記号が表記され
、前記記号が表記された領域をユーザが視認可能となるように発光部の光を導光する透光領域として形成された第1部材、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネル、
前記発光部、及び、圧電素子を有する第2部材を
、前記第1部材、前記タッチパネル、前記発光部、前記第2部材の順に積層した操作部と、
前記発光部を発光させた状態で前記タッチパネルによるキー入力を行うキー入力モードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルの動作を停止させたパワーオフモードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルによるペン入力を行うペン入力モードと、を切り換えるように制御する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記パワーオフモードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させるとともに、前記動作したタッチパネルにより検出された前記タッチ操作におけるタッチ位置に応じた処理を実行するように制御する電子機器。
【請求項2】
前記
第1部材は、前記透光領域として形成した記号以外に、印刷領域として形成したキー入力用の記号を有する、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2部材により発生される圧電素子電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電圧検出回路から出力される電圧検出信号および前記制御部から出力される制御信号に応じて動作の有効・無効が切り替わるタッチパネル制御回路と、を備え、
前記制御部は、
前記パワーオフモードでは、
前記タッチ操作に対応して前記電圧検出回路から出力される電圧検出信号に応じて前記タッチパネル制御回路が有効となった後に、前記タッチパネル制御回路に前記制御信号を出力し前記タッチパネル制御回路の動作を継続させるように制御する、
請求項1
または2に記載の電子機器。
【請求項4】
文字または図形を含む記号が表記され
、前記記号が表記された領域をユーザが視認可能となるように発光部の光を導光する透光領域として形成された第1部材、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネル、
前記発光部、及び、圧電素子を有する第2部材を
、前記第1部材、前記タッチパネル、前記発光部、前記第2部材の順に積層した操作部を備えた電子機器の制御部により、
前記発光部を発光させた状態で前記タッチパネルによるキー入力を行うキー入力モードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルの動作を停止させたパワーオフモードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルによるペン入力を行うペン入力モードと、を切り換えるように制御
し、
前記パワーオフモードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させるとともに、前記タッチパネルにより検出される前記タッチ操作に対応するタッチ位置に応じた処理を実行するように制御する、
入力方法。
【請求項5】
文字または図形を含む記号が表記され
、前記記号が表記された領域をユーザが視認可能となるように発光部の光を導光する透光領域として形成された第1部材、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネル、
前記発光部、及び、圧電素子を有する第2部材を
、前記第1部材、前記タッチパネル、前記発光部、前記第2部材の順に積層した操作部を備えた電子機器の制御部を、
前記発光部を発光させた状態で前記タッチパネルによるキー入力を行うキー入力モードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルの動作を停止させたパワーオフモードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルによるペン入力を行うペン入力モードと、を切り換える
ように機能させ、
前記パワーオフモードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させるとともに、前記タッチパネルにより検出される前記タッチ操作に対応するタッチ位置に応じた処理を実行するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ操作に応じた情報を入力するための電子機器、入力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータや電子辞書など、ユーザ操作に応じた情報を入力し、入力した情報に応じて動作する電子機器が汎用されている。
【0003】
このような電子機器において、タッチパネル式の操作部を備え、ユーザが操作部をタッチした位置に応じた情報を入力すると共に、タッチしたことに応答してアクチュエータを動作させユーザに力覚を帰還させることで、ユーザに対し入力操作が確実に行なわれたことを通知できる入力装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子機器において、ユーザの操作が一定の時間行なわれないと、表示部の点灯とその動作を停止させて電力消費の抑制を図る省電力機能(例えば、パワーオフモード)を備えたものがある。
【0006】
パワーオフモードは、キー入力がされると解除され、表示部の動作も再開されるが、パワーオフモードにあってもキー入力を検出可能な状態に維持するためには、入力装置が機械的なキーを用いたものであるかタッチパネルを用いたものであるかに関わらず、入力装置への通電が必要になる。このため更なる低消費電力化が望まれる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、タッチパネル式の操作部を備え、ユーザに対し入力操作が確実に行なわれたことを通知する機能と低消費電力化した省電力機能とを両立することが可能になる電子機器、入力方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子機器は、
文字または図形を含む記号が表記され、前記記号が表記された領域をユーザが視認可能となるように発光部の光を導光する透光領域として形成された第1部材、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネル、前記発光部、及び、圧電素子を有する第2部材を、前記第1部材、前記タッチパネル、前記発光部、前記第2部材の順に積層した操作部と、
前記発光部を発光させた状態で前記タッチパネルによるキー入力を行うキー入力モードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルの動作を停止させたパワーオフモードと、前記発光部を発光させずに前記タッチパネルによるペン入力を行うペン入力モードと、を切り換えるように制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記パワーオフモードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させるとともに、前記タッチパネルにより検出される前記タッチ操作に対応するタッチ位置に応じた処理を実行するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の電子機器、入力方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図。
【
図2】タッチパネル式操作部11の構成を示す側面図。
【
図3】タッチパネル式操作部11の透過シート11aの構成を示す平面図。
【
図4】電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図5】タッチパネル式操作部11のタッチパネル11bおよび圧電素子シート11dに関わる電子回路の構成を示すブロック図。
【
図6】電子辞書10のキー入力モード[K]に応じた処理を示すフローチャート。
【
図7】電子辞書10のペン入力(手書き)モード[T]に応じた処理を示すフローチャート。
【
図8】電子辞書10のパワーオフ(省電力)モード[S]に応じた処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の電子機器、入力方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図である。
【0012】
電子機器は、以下に説明する電子辞書10として構成されるだけでなく、タッチパネルを備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとしても構成され得る。
【0013】
電子辞書10は、タッチパネル式操作部11を設けた下部筐体とタッチパネル式表示部12を設けた上部筐体とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型筐体(クラムシェル構造)を備えて構成される。
【0014】
図2は、タッチパネル式操作部11の構成を示す側面図である。
【0015】
タッチパネル式操作部11は、その表面に詳細を後述する透過シート11aを備え、透過シート11aの下にタッチパネル11b、導光板11c、圧電素子シート11dを積層して構成する。導光板11cの近傍にはキー透過用LED11Lを設ける。透過シート11aおよび圧電素子シート11dはそれぞれ第1部材、第2部材の例である。
【0016】
タッチパネル11bは、ユーザが指やペンなどでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置である。透明のタッチパネル11bである場合、透過シート11aの上に重ねて設けてもよい。実施形態のタッチパネル11bには、抵抗膜方式を用いるがそれに限らず、静電容量方式などでもよい。また、圧電素子シート11dには、ピエゾ素子を用いるがそれに限らない。
【0017】
また、タッチパネル式操作部11は、圧電素子シート11dの下に制御基板11eを設け、制御基板11eの下に補強板11fを設けて構成する。
【0018】
図3は、タッチパネル式操作部11の透過シート11aの構成を示す平面図である。
【0019】
透過シート11aは、光を通さない遮光領域LBと、光を通す透光領域LTとして形成され当該シート11aの下に光が導光されることでキー入力用の文字及び図形を含む記号(キャラクタ)を視認できるように表示するキー表示部14sと、同透光領域LTとして形成される各キーの境界を視認できるように表示する境界表示部14bと、当該シート11aの上部にキー入力用の記号(キャラクタ)として固定印刷PPされて形成される機能指定キー14dと、各キーのある範囲に対応して縦横等間隔に固定印刷PPされて形成されるペン入力用(タッチ操作用)マーク14mとを有する。
【0020】
キー表示部14sは、QWERTYキーもしくは50音キーに対応する文字及び図形を含む記号を視認可能に表示する。
【0021】
キー表示部14sおよび境界表示部14bは、
図2で示したキー透過用LED11Lを点灯させることで導光板11cにより導光された光が、透過シート11aの下から照射される。照射された光は透光領域LTを透過するためキー入力用の文字や記号および各キーの境界が視認できるようになる。キー透過用LED11Lを消灯させると、キー表示部14sおよび境界表示部14bは視認できなくなり、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mが視認可能に残った状態になる。
【0022】
機能指定キー14dは、各キーに表記されている辞書コンテンツのカテゴリ([国語][英和][和英]など)や[コンテンツ一覧]をそれぞれ直接指定するためのキーである。
【0023】
実施形態の電子辞書10は、
図1に示すように、キー入力モード[K]と、ペン入力(手書き)モード[T]と、パワーオフ(省電力)モード[S]との3つの動作モードを有する。
【0024】
キー入力モード[K]では、
図1の(A)に示すように、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオンにして、透過シート11aの透光領域LTであるキー表示部14sおよび境界表示部14bを機能指定キー14dと共に視認可能にすることで、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして機能させる。
【0025】
ペン入力モード[T]では、
図1の(B)に示すように、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオフにして、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mを視認可能に残すことで、タッチパネル式操作部11をペン入力部14Tとして機能させる。
【0026】
パワーオフモード[S]は、例えば電子辞書10に対するユーザ操作が行なわれない時間が一定時間経過することに応じて移行され、少なくともキー透過用LED11Lを含むタッチパネル式操作部11およびタッチパネル式表示部12の電源をオフにする。この場合、タッチパネル式操作部11は、
図1の(B)で示したように、見かけ上、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mが視認可能な状態になる。
【0027】
実施形態の電子辞書10は、3つの動作モードに対応して、少なくとも以下の機能を有する。
【0028】
キー入力モード[K]:
(a1)タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオンにしてキー表示部14sおよび境界表示部14bを視認可能にし、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして動作させる機能。
(a2)機能指定キー14dおよびキー表示部14sに対するタッチ操作に応じて、圧電素子シート11dを振動させ、ユーザに対しキー入力が行なわれたことを力覚的に通知する機能。
(a3)入力されたキーの内容に応じた処理を実行する機能。
【0029】
ペン入力モード[T]:
(b1)タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオフにして、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mを視認可能に残し、タッチパネル式操作部11をペン入力部14Tとして動作させる機能。
(b2)タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作(ペン入力操作)に応じて、圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧Vが基準電圧Vref未満である場合、例えばユーザにペン入力の意思は無くタッチパネル式操作部11に軽く触れている状態と判定し、タッチ位置に対応するポインタx(目印)をタッチパネル式表示部12に表示させる機能。なお、基準電圧Vrefは、例えばタッチパネル式操作部11に対してユーザがペン入力するためのタッチ操作を意識的に行なった場合に、圧電素子シート11dにより発生される圧電素子電圧Vに基づき予め設定される。
(b3)タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作(ペン入力操作)に応じて、圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧Vが基準電圧Vref以上である場合、ユーザによりペン入力されている状態と判定し、タッチ位置に対応する軌跡yをタッチパネル式表示部12に表示させる機能。
【0030】
パワーオフモード[S]:
(c1)例えば電子辞書10に対するユーザ操作が行なわれない時間が一定時間(例えば3分)経過することに応じて、キー透過用LED11Lを含むタッチパネル式操作部11およびタッチパネル式表示部12の電源をオフにする機能。
(c2)タッチパネル式操作部11およびタッチパネル式表示部12の電源をオフにした状態で、タッチパネル式操作部11に対する一定時間(例えば3秒)以上の連続したタッチ操作に応じて圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧に基づき、少なくともタッチパネル11bの電源をオンにする機能。
【0031】
図4は、電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0032】
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)21を備える。制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部22に予め記憶された辞書制御プログラム22aに従って回路各部の動作を制御する。CPU等のプロセッサは1つでも2つ以上でもよい。
【0033】
なお、辞書制御プログラム22a及び後述する辞書データの少なくとも一方は、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されてもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶されてもよい。
【0034】
制御部21には、データおよび制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、
図1および
図2で示したタッチパネル式操作部11およびタッチパネル式表示部12を接続する。制御部21には、図示はしないが、音声出力部、音声入力部を接続してもよい。
【0035】
記憶部22は、本電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するための通信プログラムのほか、後述する辞書データに基づきユーザ所望の見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報を検索して表示させるための辞書検索プログラムを含む辞書制御プログラム22aを記憶する。
【0036】
また記憶部22には、辞書データ記憶領域22b、モードデータ記憶領域22c、キー入力データ記憶領域22d、タッチ位置データ記憶領域22eおよび作業データ記憶領域22fなど、本電子辞書10により各種の機能を実行するためのデータを記憶する記憶領域が確保される。
【0037】
辞書データ記憶領域22bには、各種の辞書コンテンツ(国語辞典/百科辞典/英和辞典/和英辞典/…)に対応する辞書データが、見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報とを対応付けたデータとして記憶される。
【0038】
モードデータ記憶領域22cには、辞書制御プログラム22aに従った電子辞書10の動作に応じて選択的に設定されるキー入力モード[K]またはペン入力モード[T]またはパワーオフ(省電力)モード[S]の何れかのモードデータが記憶される。
【0039】
キー入力データ記憶領域22dには、機能指定キー14dまたはキー表示部14sに対するタッチ操作に応じて、タッチパネル11bにより検出されるタッチ位置(XY座標)に対応したキーの種類を示すキー入力データが記憶される。
【0040】
タッチ位置データ記憶領域22eには、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じてタッチパネル11bにより検出されるタッチ位置(XY座標)を示すタッチ位置データが記憶される。
【0041】
作業データ記憶領域22fには、制御部21による辞書制御プログラム22aに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0042】
図5は、タッチパネル式操作部11のタッチパネル11bおよび圧電素子シート11dに関わる電子回路の構成を示すブロック図である。
【0043】
タッチパネル11bは、コネクタC1を介してタッチパネル制御回路(タッチパネルCONTROL IC)15と接続され、タッチパネル制御回路15は制御バスB1を介して制御部21と接続される。
【0044】
タッチパネル制御回路15は、オア回路Rの出力信号OUTPUTをタッチパネル有効信号ENABLEとして入力し、タッチパネル11bを動作させると共に、当該タッチパネル11bにより出力されるタッチ位置(XY座標)に対応したタッチ位置データを制御部21に出力する。
【0045】
オア回路Rは、後述する電圧検出回路18により、圧電素子シート11dが出力した一定電圧以上の圧電素子電圧を検出した電圧検出信号をA信号IN_Aとして入力した場合、または制御部21により出力されるタッチパネル有効信号TEをB信号IN_Bとして入力した場合に、当該A信号IN_AまたはB信号IN_Bをタッチパネル制御回路15へ出力信号OUTPUTとして出力する。
【0046】
圧電素子シート11dは、コネクタC2を介して圧電素子制御回路(圧電素子CONTROL IC)16と接続され、圧電素子制御回路16は制御バスB2を介して制御部21と接続される。
【0047】
また圧電素子シート11dは、ペン入力モード[T]およびパワーオフモード[S]において、コネクタC2の“+”端子がアナログスイッチSW1およびゲイン調整回路Gを介してA/Dコンバータ(ADC)17および電圧検出回路18と接続され、A/Dコンバータ17は制御バスB3を介して制御部21と接続される。電圧検出回路18からの電圧検出信号は、オア回路RのA信号IN_Aとして入力されると共に、制御部21に対してタッチパネル有効信号TEを出力させるための割り込み信号INTとして入力される。
【0048】
また圧電素子シート11dは、ペン入力モード[T]およびパワーオフモード[S]において、コネクタC2の“-”端子がアナログスイッチSW2を介してグランドGNDと接続される。
【0049】
圧電素子制御回路16は、キー入力モード[K]において、制御部21により出力される圧電素子有効信号PEが入力されている状態で動作し、制御部21から制御バスB2を介して出力される圧電素子駆動データに応じて圧電素子シート11dを駆動して振動させる。
【0050】
アナログスイッチSW1,SW2は、キー入力モード[K]において、制御部21から圧電素子有効信号PEが出力されている状態で非接続接点N.C.に切り換えられ、また、ペン入力モード[T]およびパワーオフモード[S]において、制御部21から圧電素子有効信号PEが出力されていない状態で、SW1はゲイン調整回路G側に、SW2はグランドGND側に切り換えられる。
【0051】
すなわち、制御部21は、辞書制御プログラム22aに従い動作モードがキー入力モード[K]に設定された場合、タッチパネル有効信号TEおよび圧電素子有効信号PEを出力する。
【0052】
これにより制御部21は、タッチパネル11bにより検出されるタッチ位置データを、タッチパネル制御回路15を介して取得し、取得したタッチ位置データに対応して機能指定キー14dまたはキー表示部14sに対するキー入力があったと判定したタイミングで、圧電素子制御回路16を介して圧電素子シート11dを駆動して振動させる。圧電素子シート11dの振動は、キー入力が行われたことを通知する力覚としてユーザに伝えられる。
【0053】
また、制御部21は、辞書制御プログラム22aに従い動作モードがペン入力モード[T]に設定された場合、タッチパネル有効信号TEを出力し、圧電素子有効信号PEの出力を停止する。
【0054】
これにより制御部21は、タッチパネル11bにより検出されるタッチ位置データを、タッチパネル制御回路15を介して取得すると共に、タッチ操作に応じて圧電素子シート11dからA/Dコンバータ17を介して取得される当該圧電素子シート11dの圧電素子電圧Vが基準電圧Vref未満である場合には、タッチ位置に対応するポインタx(
図1参照)をタッチパネル式表示部12に表示させ、タッチパネル式操作部11に対する相対的なタッチ位置をユーザに示す。また、圧電素子電圧Vが基準電圧Vref以上である場合には、タッチ位置に対応する軌跡y(
図1参照)をタッチパネル式表示部12に表示させる。
【0055】
また、制御部21は、辞書制御プログラム22aに従い動作モードがパワーオフモード[S]に設定された場合、少なくともタッチパネル式表示部12およびキー透過用LED11Lを消灯させると共に、タッチパネル有効信号TEおよび圧電素子有効信号PEの出力を停止し、省電力化を図る。
【0056】
パワーオフモード[S]において、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて圧電素子シート11dにより発生される圧電素子電圧Vが出力されると、電圧検出回路18により検出された圧電素子電圧Vの電圧検出信号が、オア回路Rを介してタッチパネル制御回路15にタッチパネル有効信号ENABLEとして入力され、タッチパネル11bはタッチ操作後直ぐに動作状態に復帰される。また制御部21は、電圧検出回路18からの電圧検出信号を割り込み信号INTとして入力することに応じて、タッチパネル有効信号TEをタッチパネル制御回路15に出力し、タッチパネル11bの動作状態を継続させる。
本実施例ではパワーオフモード[S]において、CPUは通常動作状態であるとして説明したが、CPUがいわゆるスリープモードのような省電力モードを備える場合は、パワーオフモードではCPUをスリープモードに移行させてもよい。この場合、割り込み信号INTによりCPUがスリープモードから通常状態に復帰するように構成する。このようにすることでパワーオフモードのさらなる省電力化を図ることが可能となる。
【0057】
このように構成された電子辞書10は、制御部21が、記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22aの命令に従いタッチパネル式操作部11を含む回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるようなタッチ操作に応じた入力機能を含む各種の機能を実現する。
【0058】
次に、実施形態の電子辞書10の動作について説明する。
【0059】
<キー入力モード[K]>
図6は、電子辞書10のキー入力モード[K]に応じた処理を示すフローチャートである。
【0060】
制御部21により、電子辞書10の動作モードがキー入力モード[K]に設定されると、制御部21は、キー透過用LED11Lをオンにして、
図1の(A)で示したように、タッチパネル式操作部11がキー入力部14Kとして機能するように、そのキー表示部14sおよび境界表示部14bを視認可能にする(ステップK1)。
【0061】
制御部21は、タッチパネル有効信号TEをタッチパネル制御回路15に出力し、タッチパネル11bを動作状態にする(ステップK2)。
【0062】
制御部21は、圧電素子有効信号PEを圧電素子制御回路16に出力し、当該制御部21からの圧電素子駆動データにより圧電素子シート11dを駆動可能な状態にする(ステップK3)。
【0063】
タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データがタッチパネル制御回路15を介して制御部21に入力されると(ステップK4)、制御部21は、検出されたタッチ位置が機能指定キー14dまたはキー表示部14sに対応する位置であるか否かに基づいて、キー入力されたか否かを判定する(ステップK5)。
【0064】
キー入力されたと判定されると(ステップK5(Yes))、制御部21は、圧電素子駆動データを圧電素子制御回路16へ出力し、圧電素子シート11dを駆動して振動させる(ステップK6)。
【0065】
これにより、キー入力モード[K]では、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じてキー入力が行われる都度、圧電素子シート11dの振動により、ユーザに対しキー入力が行なわれたことが力覚的に通知される。
【0066】
なお、キー入力されたと判定されなくても、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて、タッチパネル11bによりタッチ位置が検出されることで、圧電素子シート11dを振動させてもよい。
【0067】
制御部21は、入力されたキーの内容に応じた処理を実行する(ステップK7)。
【0068】
すなわち、例えば機能指定キー14dに対するタッチ操作により任意の辞書コンテンツが指定された場合には、制御部21は、当該任意の辞書コンテンツに対応する初期画面をタッチパネル式表示部12に表示させる。また、例えば任意の辞書コンテンツに対応する見出し語を入力するための見出し語入力画面がタッチパネル式表示部12に表示されている状態では、制御部21は、キー入力された文字を、任意の見出し語を構成する文字として見出し語入力画面の見出し語入力エリアに表示させる。
【0069】
<ペン入力(手書き)モード[T]>
図7は、電子辞書10のペン入力モード[T]に応じた処理を示すフローチャートである。
【0070】
制御部21により、電子辞書10の動作モードがペン入力モード[T]に設定されると、制御部21は、キー透過用LED11Lをオフにして、
図1の(B)で示したように、タッチパネル式操作部11がペン入力部14Tとして機能するように、タッチパネル式操作部11のキー表示部14sおよび境界表示部14bが視認されない状態にすると共に、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mを視認可能に残す(ステップT1)。
【0071】
制御部21は、タッチパネル有効信号TEをタッチパネル制御回路15に出力し、タッチパネル11bを動作状態にする(ステップT2)。
【0072】
制御部21は、圧電素子有効信号PEの出力を停止し、圧電素子制御回路16の動作を停止させると共に、圧電素子シート11dの“+”端子を、アナログスイッチSW1を介してA/Dコンバータ17に接続させる(ステップT3)。
【0073】
タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作(ペン入力操作)に応じて、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データがタッチパネル制御回路15を介して制御部21に入力されると(ステップT4)、制御部21は、タッチ操作に応じて圧電素子シート11dからA/Dコンバータ17を介して検出される当該圧電素子シート11dの圧電素子電圧Vが、基準電圧Vref未満であるか以上であるかを判定する(ステップT5,T6)。
【0074】
ここで、例えばユーザがタッチパネル式操作部11に軽く触れている状態であって、当該ユーザのタッチ操作(ペン入力操作)に応じて検出される圧電素子電圧Vが、基準電圧Vref未満であると判定された場合(ステップT6(Yes))、制御部21は、
図1に示すように、タッチ位置に対応するポインタxをタッチパネル式表示部12に表示させ、タッチパネル式操作部11に対する相対的なタッチ位置をユーザに示す(ステップT7)。
【0075】
また、例えばユーザがタッチパネル式操作部11に確りと触れている状態であって、当該ユーザのタッチ操作(ペン入力操作)に応じて検出される圧電素子電圧Vが、基準電圧Vref以上であると判定された場合(ステップT6(No))、制御部21は、
図1に示すように、タッチ位置に対応する軌跡yをタッチパネル式表示部12に表示させ、例えば手書き入力される文字の字画を描画する(ステップT8)。
【0076】
これにより、ペン入力モード[T]では、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて、圧電素子シート11dにより発生される圧電素子電圧Vが基準電圧Vref未満であるか以上であるかに基づき、ユーザがタッチパネル式操作部11を軽くタッチしている状態では、タッチ位置に対応したポインタxをタッチパネル式表示部12に表示させ、ユーザがタッチパネル式操作部11を確りタッチしている状態では、タッチ位置に対応した軌跡yをタッチパネル式表示部12に表示させることができる。
【0077】
<パワーオフ(省電力)モード[S]>
図8は、電子辞書10のパワーオフ(省電力)モード[S]に応じた処理を示すフローチャートである。
【0078】
例えば電子辞書10に対するユーザ操作が行なわれない時間が一定時間(例えば3分)経過することに応じて、制御部21により、電子辞書10の動作モードがパワーオフモード[S]に設定されると、制御部21は、タッチパネル式表示部12をオフにする(消灯させる)と共に、キー透過用LED11Lをオフにして(消灯させ)、
図1の(B)で示したように、タッチパネル式操作部11のキー表示部14sおよび境界表示部14bが視認されない状態とし、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mを視認可能に残した状態とする(ステップS1)。
【0079】
制御部21は、タッチパネル有効信号TEの出力を停止し、タッチパネル制御回路15を介したタッチパネル11bの動作を停止させる(ステップS2)。
【0080】
制御部21は、圧電素子有効信号PEの出力を停止し、圧電素子制御回路16の動作を停止させると共に、圧電素子シート11dの“+”端子を、アナログスイッチSW1を介してA/Dコンバータ17に接続させる(ステップS3)。
【0081】
ここでは、少なくともタッチパネル式表示部12、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lおよびタッチパネル11bに電力が供給されない状態となり省電力化が図られる。
【0082】
この後、タッチパネル式操作部11に対する一定時間(例えば3秒)以上の連続したタッチ操作に応じて、圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧Vに基づき、電圧検出回路18からの電圧検出信号がオア回路Rを介してタッチパネル制御回路15にタッチパネル有効信号ENABLEとして入力されると、タッチパネル11bは動作状態に復帰される。
【0083】
制御部21は、電圧検出回路18からの電圧検出信号を割り込み信号INTとして入力することに応じて、タッチパネル有効信号TEをタッチパネル制御回路15に出力し、復帰したタッチパネル11bの動作状態を継続させる(ステップS4,S5)。
【0084】
すると、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データがタッチパネル制御回路15を介して制御部21に入力され(ステップS6)、制御部21は、タッチパネル式操作部11のタッチ位置に応じた処理を実行する(ステップS7)。
【0085】
すなわち、パワーオフモード[S]に設定された状態であっても、例えば機能指定キー14dに対する一定時間(例えば3秒)以上の連続したタッチ操作により任意の辞書コンテンツが指定された場合には、制御部21は、当該任意の辞書コンテンツに対応する初期画面をタッチパネル式表示部12に直ぐに表示させる。また、制御部21は、キー透過用LED11Lをオンにして、タッチパネル式操作部11がキー入力部14Kとして機能するように、そのキー表示部14sおよび境界表示部14bを視認可能にする。
【0086】
この場合、パワーオフモード[S]に従い動作を停止しているタッチパネル制御回路15は、制御部21から出力されるタッチパネル有効信号TEに基づき動作状態に復帰されるよりも前に、電圧検出回路18からの電圧検出信号をタッチパネル有効信号ENABLEとして動作状態に復帰される。それに伴いタッチパネル11bが動作するので、ユーザのタッチ操作後、瞬時にそのタッチ位置に応じた処理が実行されるようになると共に、電圧検出回路18が圧電素子シート11dからの電圧を検出しなくなった後もタッチパネルの動作を継続することができる。
【0087】
(実施形態のまとめ)
実施形態の電子辞書10によれば、光を通す透光領域LTとして形成され下に光が導光されることでキー入力用の文字及び図形を含む記号を視認可能に表示するキー表示部14sと、表面に固定印刷PPされて形成される機能指定キー14dと、表面に縦横等間隔に固定印刷PPされて形成されるペン入力用(タッチ操作用)マーク14mとを有する透過シート11aを、圧電素子シート11dと、キー透過用LED11Lを設けた導光板11cと、タッチパネル11bとを積層した上に重ねて構成したタッチパネル式操作部11を備える。キー透過用LED11Lのオンとオフとを切り替えることで、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとペン入力部14Tとに切り替えることができる。
【0088】
そして、キー入力モード[K]では、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオンにしてキー表示部14sを視認可能な状態とし、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして機能させ、機能指定キー14dおよびキー表示部14sに対するタッチ操作に応じて、圧電素子シート11dを振動させ、ユーザに対しキー入力が行なわれたことを力覚的に通知する。
【0089】
またペン入力モード[T]では、キー透過用LED11Lをオフにして、機能指定キー14dおよびペン入力用マーク14mを視認可能に残した状態とし、タッチパネル式操作部11をペン入力部14Tとして機能させる。タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作(ペン入力操作)に応じて、圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧Vが基準電圧Vref未満である場合は、ユーザはタッチパネル式操作部11に軽く触れている状態と判定し、タッチ位置に対応するポインタxをタッチパネル式表示部12に表示させ、基準電圧Vref以上である場合は、ユーザはペン入力している状態と判定し、タッチ位置に対応する軌跡yをタッチパネル式表示部12に表示させる。よってユーザはペン入力時の力の加減によって、ポインタの操作と文字入力操作を自在に切り替えることができる。
【0090】
また、パワーオフモード[S]では、タッチパネル式操作部11に対する一定時間(例えば3秒)以上の連続したタッチ操作に応じて圧電素子シート11dにより発生されて出力される圧電素子電圧に基づき、タッチパネル11bを動作させ、タッチ位置に応じた処理を実行する。
【0091】
よって、ユーザがキー入力操作を行った際には、ユーザに対しキー入力操作が確実に行なわれたことを通知することができ、ペン入力操作を行った際には、ペン入力の位置をポインタxにより表示させると共にペン入力の軌跡yを表示させることができ、パワーオフモード[S]では、低消費電力化を図りつつタッチ位置に対応した処理を直ちに実行できるようになる。
【0092】
なお、本発明の電子機器は、実施形態として説明した電子辞書10に限らず、当該電子辞書10と同様のタッチパネル式操作部11を備えた他の電子機器にも適用可能であるのは言うまでもない。
【0093】
以上の実施形態において記載した電子辞書10による各処理の手法、すなわち、
図6のフローチャートに示すキー入力モード[K]での処理、
図7のフローチャートに示すペン入力モード[T]での処理、
図8のフローチャートに示すパワーオフモード[S]での処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明したタッチ操作に応じた入力機能を含む各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0094】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述したタッチ操作に応じた入力機能を含む各種の機能を実現することもできる。
【0095】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0096】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0097】
[付記1]
文字および図形を含む記号が表記された第1部材と、圧電素子を有する第2部材と、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネルとを、少なくとも前記第1部材の下に前記第2部材が位置するように重ねた操作部と、
第1モードにおいて、前記タッチパネルによるタッチ位置の検出に対応して前記第2部材の圧電素子を振動させ、
前記タッチパネルの動作を停止させた第2モードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させるように制御する制御部と、
を備えた電子機器。
【0098】
[付記2]
前記制御部は、
前記第1モードにおいて、前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置に対応した前記記号の内容に応じた処理を実行するように制御する、
付記1に記載の電子機器。
【0099】
[付記3]
前記制御部は、
前記第2モードにおいて、前記タッチパネルを動作させた後に、前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置に応じた処理を実行するように制御する、
付記1または付記2に記載の電子機器。
【0100】
[付記4]
表示部を備え、
前記制御部は、
第3モードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧が予め設定された電圧未満である場合、前記表示部に前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置に対応した目印を表示させ、前記圧電素子電圧が前記設定された電圧以上である場合、前記表示部に前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置に対応した軌跡を表示させるように制御する、
付記1から付記3の何れかに記載の電子機器。
【0101】
[付記5]
前記第1部材は、前記記号を前記第1部材の下から光を通すことで視認させる透光領域として形成した透過部材であって、
前記操作部は、少なくとも前記透過部材の下に設けられた発光体を備え、
前記制御部は、
前記第1モードにおいて、前記発光体を点灯させ、
前記第2モードおよび前記第3モードにおいて、前記発光体を消灯させるように制御する、
付記4に記載の電子機器。
【0102】
[付記6]
前記第2部材により発生される圧電素子電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電圧検出回路から出力される電圧検出信号および前記制御部から出力される制御信号に応じて動作の有効・無効が切り替わるタッチパネル制御回路と、を備え、
前記制御部は、
前記第2モードでは、前記電圧検出回路から出力される電圧検出信号に応じて前記タッチパネル制御回路が有効となった後に、前記タッチパネル制御回路に前記制御信号を出力し前記タッチパネル制御回路の動作を継続させるように制御する、
付記1から付記5の何れかに記載の電子機器。
【0103】
[付記7]
前記透過部材は、前記透光領域として形成した記号以外に、印刷領域として形成したキー入力用の記号を有する、
付記5に記載の電子機器。
【0104】
[付記8]
前記第1モードはキー入力モード、前記第2モードは省電力モード、前記第3モードは手書きモードである、
付記4または付記5または付記7に記載の電子機器。
【0105】
[付記9]
文字および図形を含む記号が表示された第1部材と、圧電素子を有する第2部材と、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネルとを、少なくとも前記第1部材の下に前記第2部材が位置するように重ねた操作部を備えた電子機器の制御部により、
第1モードにおいて、前記タッチパネルによるタッチ位置の検出に対応して前記第2部材の圧電素子を振動させ、
前記タッチパネルの動作を停止させた第2モードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させる、 入力方法。
【0106】
[付記10]
文字および図形を含む記号が表示された第1部材と、圧電素子を有する第2部材と、前記第1部材に対するタッチ操作に対応してタッチ位置を検出するタッチパネルとを、少なくとも前記第1部材の下に前記第2部材が位置するように重ねた操作部を備えた電子機器の制御部を、
第1モードにおいて、前記タッチパネルによるタッチ位置の検出に対応して前記第2部材の圧電素子を振動させ、
前記タッチパネルの動作を停止させた第2モードにおいて、前記タッチ操作に対応して前記第2部材により発生される圧電素子電圧に基づいて前記タッチパネルを動作させる、 ように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0107】
10 …電子辞書(電子機器)
11 …タッチパネル式操作部
11a…透過シート
11b…タッチパネル
11c…導光板
11L…キー透過用LED
11d…圧電素子シート
12 …タッチパネル式表示部
x …ポインタ(目印)
y …軌跡
LB …遮光領域
14s…キー表示部
14b…境界表示部
LT …透光領域
14d…機能指定キー
14K…キー入力部
14m…ペン入力用(タッチ操作用)マーク
PP …固定印刷
14T…ペン入力部
21 …制御部(CPU)
22 …記憶部
22a…辞書制御プログラム
22c…モードデータ記憶領域
22d…キー入力データ記憶領域
22e…タッチ位置データ記憶領域