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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ネブライザ
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/02 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A61M11/02 Z
A61M11/02 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023509263
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2022013663
(87)【国際公開番号】W WO2022202925
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2021051079
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 美樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸拓
(72)【発明者】
【氏名】和田 寛昭
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210963416(CN,U)
【文献】国際公開第2017/217440(WO,A1)
【文献】中国実用新案第213220155(CN,U)
【文献】米国特許第06171072(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を噴霧するためのポンプと、
前記ポンプの外郭を覆うケースと、を備え、
前記ケースは、前記ポンプの外表面と前記ケースの内面および/または前記ケース内の要素とによって少なくとも一部を囲われる空間を有し、
前記空間には前記ケースの内外を連通させるための1以上の開口が形成されており
前記ケースに接続されたカバーと、
前記カバー内に液体試料を供給するノズルと、をさらに備え、
前記ポンプより送出された空気は、前記ノズルから供給された液体試料を前記カバーの外部へ出力し、
前記空間は、前記1以上の開口により前記カバーの内部と連通される、ネブライザ。
【請求項2】
前記ケース内の要素は、前記ポンプを駆動させるためのバッテリ、および/または、前記ポンプの駆動を制御するための制御回路を有する基板を含む、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項3】
前記ポンプは、流入口が前記空間に露出するように配置される、請求項1または請求項2に記載のネブライザ。
【請求項4】
前記1以上の開口は、第1の開口と第2の開口とを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項5】
前記ポンプは、流入口が前記1以上の開口に位置するように配置される、請求項1または請求項2に記載のネブライザ。
【請求項6】
前記空間と前記カバーの内部とを連通する前記1以上の開口にフィルタをさらに備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記カバーの内部において、前記空間と連通される部分の少なくとも一部を前記ノズルに対して遮蔽する遮蔽部材をさらに備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記カバーには、液体試料を前記ネブライザの外部へ吐出する吐出口が形成され、
前記遮蔽部材は、前記カバーの内部において、前記空間から導入された空気を前記吐出口へ導くための流路の少なくとも一部を構成し、
前記カバーは、前記流路を開閉するための弁をさらに含む、請求項に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記ポンプに取り付けられた、または、前記ポンプの近傍に配置された、ヒートシンクをさらに備える、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のネブライザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネブライザに関し、特に圧縮空気を利用するネブライザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮空気を利用するネブライザについて、種々の技術が提案されている。たとえば、特開2015-159991号公報(特許文献1)は、エアロゾルを発生する霧化部を含むネブライザにおいて、当該エアロゾルに含まれる液体の粒子を選別して調整する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-159991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧縮空気発生のためのポンプを含むネブライザにおいて、ポンプの駆動による発熱が、ポンプ自体の故障などの種々の不都合を引き起こす可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、ネブライザにおいて、ポンプおよび基板などの発熱する構成要素において生じた熱を発散させるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係るネブライザは、液体試料を噴霧するためのポンプと、ポンプの外郭を覆うケースと、を備える。ケースには、ポンプの外面とケース内の要素とによって少なくとも一部を囲われる空間をケースの外と連通させるための1以上の開口が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ポンプおよび基板などの発熱する構成要素からの熱の発散が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ネブライザの第1実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図2】ネブライザの第2実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図3】ネブライザの第3実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図4】ネブライザの第4実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図5】ネブライザの第5実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図6】ネブライザの第6実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図7】ネブライザの第7実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図8】ネブライザの第8実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図9】ネブライザの第9実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図10】ネブライザの第10実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図11】ネブライザの第11実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図12】ネブライザの第12実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図13】ネブライザの第13実施の形態の構成を概略的に表す図である。
図14】第13実施の形態において、図13に示された状態から弁53が回動した状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本実施の形態に係るネブライザについて図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を表す。
【0010】
(第1実施の形態)
図1は、本開示に係る第1実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図1に示されるように、ネブライザ1は、その本体を覆うケース100と、分級カバーを構成するマウスピース50とを含む。マウスピース50には、エアロゾルを噴出する吐出口の一例である、吐出口59が形成されている。なお、ネブライザ1が噴霧するエアロゾルは、経口のものに限定されない。分級カバーは、噴霧されるエアロゾルを吐出する吐出口59を含む限り、ノーズピースやマスクなど、他の形態であってもよい。
【0011】
ケース100には、ポンプ12が収容されている。ポンプ12は、空気の流入口12Xと吐出口12Yとを含み、薬液を霧化して噴出するための圧縮空気を供給する。ケース100には、さらに、ポンプ12に駆動電力を供給するためのバッテリ、ポンプ12の駆動を制御するための制御回路、および/または、その他の要素が収容されていてもよい。
【0012】
ネブライザ1の本体には、薬液タンク40、霧化ノズル30、エアノズル20、および、配管42が取り付けられている。ポンプ12によって生成された圧縮空気は、エアノズル20を介して、マウスピース50へ供給される。薬液タンク40に収容された薬液は、配管42を介して霧化ノズル30に供給され、霧化ノズル30で霧化される。より具体的には、霧化ノズル30の先端まで吸い上げられた薬液は、エアノズル20からの空気流により霧化されマウスピース50の吐出口59を通って患者Pへと送り出される。なお、ネブライザ1には、図示は省略されているが、吐出口59から排出されなかった粒子が、液化されて薬液タンク40に回収されるための構成が設けられている。
【0013】
ポンプ12において、流入口12Xは下側に向けられ、吐出口12Yは上側に向けられている。矢印A11は、吐出口12Yからマウスピース50の吐出口59までの流体の流れを表す。
【0014】
ケース100の内部には、仕切り板111,112が設けられている。仕切り板111,112およびポンプ12によって、ケース100の内部が空間RM11とRM12とに仕切られている。
【0015】
ケース100の上面には、第1の開口に相当する開口101が形成されている。開口101は、空間RM11とケース100の外部と連通させる。矢印A12は、開口101から、空間RM11を介して、流入口12Xへと送られる空気の流れを表す。矢印A12によって表されるように、開口101から空間RM11へと導入された空気は、ポンプ12の外表面を通過して、流入口12Xへと送られる。少なくとも矢印A12で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0016】
(第2実施の形態)
図2は、本開示に係る第2実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図2の例では、ケース100は、さらに、その底面に、第2の開口に相当する開口102を形成されている。
【0017】
矢印A22は、開口102からポンプ12の外表面を経て開口101へと流れる空気の流れを表す。少なくとも矢印A22で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。矢印A23は、開口102から流入口12Xへの空気の流れを表す。少なくとも矢印A23で示された空気の流れによっても、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。開口101,102として示されるように、ケース100に形成された複数の開口が互いに対向する面に形成されれば、矢印A22で示されたように、当該複数の開口の一方から他方に向けた空気の流れが想定され得る。なお、複数の開口がケース100の同じ面に設けられたとしても、少なくともケース100の内部に導入される空気の量の増加が期待される。
【0018】
(第3実施の形態)
図3は、本開示に係る第3実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図3の例では、図2の例より開口102が広げられている。図2の例では、ポンプ12は、流入口12Xが空間RM11の内部に露出するように配置されていたのに対し、図3の例では、ポンプ12は、流入口12Xが開口102に露出するように配置されている。これにより、ポンプ12には、ケース100外の空気が、流入口12Xから直接導入される。
【0019】
図3では、ケース100の内部が、仕切り板111とポンプ12とによって、空間RM21と空間RM22とに仕切られている。矢印A32は、開口102から、ポンプ12の外表面を経て開口101へと流れる空気の流れを表す。少なくとも矢印A32で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0020】
(第4実施の形態)
図4は、本開示に係る第4実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図4の例では、ネブライザ1は、ポンプ12に加えてポンプ14を含む。ポンプ14は、流入口14Xと吐出口14Yとを含む。ポンプ12の吐出口12Yとポンプ14の流入口14Xとは管で連結されている。エアノズル20には、ポンプ12およびポンプ14において圧縮された空気が供給される。矢印A41は、エアノズル20からマウスピース50の吐出口59までの流体の流れを表す。
【0021】
図4の例では、ケース100内に、ポンプ12の駆動を制御するための制御回路を有する基板16と、ポンプ14の駆動を制御するための制御回路を有する基板18とが配置されている。ケース100の上面には開口121が形成され、ケース100の底面には開口122が形成されている。
【0022】
開口121,122のそれぞれは、ポンプ12,14の外表面と基板16,18とによって少なくとも一部を覆われる空間RM31をケース100の外部と連通させる。矢印A42は、開口122から、ポンプ12,14および基板16,18のそれぞれの外表面を経て開口121へと流れる空気の流れを表す。少なくとも矢印A42で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。なお、ネブライザ1は、複数のポンプの動作が1の制御基板で制御される場合もあり得る。このような場合であっても、開口121,122は、開口122から、当該1の制御基板および複数のポンプのそれぞれの外表面を経て開口121へと流れる空気の流れが生じるように形成され得る。
【0023】
(第5実施の形態)
図5は、本開示に係る第5実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図5の例では、ケース100内に、ポンプ12およびポンプ14に駆動電力を供給するバッテリ19が配置されている。ケース100の上面には開口121が形成され、ケース100の底面には開口122が形成されている。
【0024】
開口121,122のそれぞれは、ポンプ12,14の外表面とバッテリ19とによって少なくとも一部を覆われる空間RM32をケース100の外部と連通させる。矢印A43は、開口122から、ポンプ12,14およびバッテリ19の外表面を経て開口121へと流れる空気の流れを表す。少なくとも矢印A43で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0025】
(第6実施の形態)
図6は、本開示に係る第6実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。
【0026】
図6の例では、開口121,122のそれぞれは、ポンプ12,14の外表面とケース100の内面(内側の表面)100Xとによって少なくとも一部を覆われる空間RM33をケース100の外部と連通させる。矢印A44は、開口122から、ポンプ12,14の外表面および内面100Xを経て開口121へと流れる空気の流れを表す。少なくとも矢印A44で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0027】
(第7実施の形態)
図7は、本開示に係る第7実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図1の例に対して、図7の例では、ネブライザ1は、ポンプ12に装着されたフィン12Aをさらに含む。フィン12Aは、ポンプ12のヒートシンクの一例である。フィン12Aによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0028】
(第8実施の形態)
図8は、本開示に係る第8実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図2の例に対して、図8の例では、ネブライザ1は、ポンプ12に装着されたフィン12Aをさらに含む。フィン12Aは、ポンプ12のヒートシンクの一例である。フィン12Aによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0029】
(第9実施の形態)
図9は、本開示に係る第9実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図9の例では、ケース100内に、基板16およびバッテリ19が収容されている。ネブライザ1は、ポンプ12を覆うポンプカバー12Bをさらに含む。
【0030】
ポンプカバー12Bは、ポンプ12のヒートシンクの一例であり、ポンプ12において発生した熱を吸収し、当該熱が基板16および/またはバッテリ19へ到達することを回避する。
【0031】
矢印A12で示される流れによって、空気はポンプカバー12Bの内部に導入されてもよい。すなわち、ポンプカバー12Bに覆われたポンプ12の外表面は、ポンプカバー12B内に導入された空気の流れによっても冷却され得る。図9の例では、ポンプカバー12Bの外部と内部の双方が空気の流れによって冷却され得る。このため、冷却効果がより一層高められる。
【0032】
(第10実施の形態)
図10は、本開示に係る第10実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図3の例では、ケース100の上面に形成された開口101がケース100の内部(空間RM21)とケース100の外部とを連通しているのに対し、図10の例では、ケース100の上面に形成された開口131はケース100の内部とマウスピース50の内部とを連通する。
【0033】
開口102を介してケース100の内部(空間RM21)に導入された空気は、マウスピース50の内部に導入される。矢印A72は、開口102から空間RM21に導入され、マウスピース50の内部を経て吐出口59から排出される、空気の流れを表す。
【0034】
マウスピース50の内部では、エアノズル20からマウスピース50の内部に供給される圧縮空気によって負圧が生じる。この負圧によって、矢印A72で示される空気の流れが促進される。少なくとも矢印A72で示される空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0035】
(第11実施の形態)
図11は、本開示に係る第11実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図11の例では、図10の例に対して、ネブライザ1は、マウスピース50の内部において開口131を覆うフィルタ51をさらに含む。
【0036】
フィルタ51は、マウスピース50内部で結露した薬液が開口131を介して流出することを回避する。すなわち、フィルタ51は、霧化ノズル30から供給された薬液が、開口131を介してケース100内へ流出すること、および、開口10を介してケース100外へ流出することを回避する。さらに、フィルタ51は、上面に薬液が載らないように、撥水加工が施されていてもよく、および/または、薬液を下に流す構造を有していていてもよい。フィルタ51がこのように構成されることにより、矢印A72で示された空気の流れが阻害されにくくなる。これにより、ケース100における冷却効果が高められ、また、マウスピース50からの霧化された粒子(エアロゾル)の送出が促進され得る。
【0037】
(第12実施の形態)
図12は、本開示に係る第12実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図12に示されるように、ネブライザ1は、マウスピース50の内部に、開口131を介して導入された空気を吐出口59へ導くための整流板52を含む。
【0038】
整流板52は、マウスピース50内部で結露した薬液が開口131を介して流出することを回避する。すなわち、整流板52は、霧化ノズル30から供給された薬液が、開口131を介してケース100内へ流出すること、および、開口10を介してケース100外へ流出することを回避する。この意味において、整流板52は、マウスピース50の内部において、開口131の少なくとも一部を霧化ノズル30に対して遮蔽する遮蔽部材の一例である。
【0039】
(第13実施の形態)
図13は、本開示に係る第13実施の形態のネブライザの構成を概略的に表す図である。図12の例に対して、図13の例では、ネブライザ1は、整流板52に取り付けられた弁53を含む。整流板52には、回動軸53Aが取り付けられている。弁53は、回動軸53Aを中心として回動する。図14は、第13実施の形態において、図13に示された状態から弁53が回動した状態を表す図である。
【0040】
弁53の基本的な状態は、図13に示された状態である。たとえば患者Pが吐出口59を加えて息を吸うなど、弁53よりも下流側で負圧が生じた場合、および/または、開口102もしくは開口131に対して空気が送り込まれるなど、弁53よりも上流側で正圧が生じた場合、弁53は、回動軸53Aを中心に回動して、図14に示された状態になる。弁53は、図14の状態では矢印A72で示される流路を開き、図13の状態では当該流路を閉じる。
【0041】
マウスピース50の内部において、図13の状態では、弁53は、開口131が存在する領域を霧化ノズル30が存在する領域に対して遮蔽する。一方、図14の状態では、弁53は、そのような遮蔽を行なわない。
【0042】
図13の状態では、弁53が閉じることによって、マウスピース50の内部で結露した薬液が開口131,102を介して流出することが回避され得る。図14の状態では、矢印A72で示された空気の流れによって、ポンプ12からの熱の発散が促進され得る。
【0043】
(変形例など)
本明細書は、開口101を含む各種の開口がケース100の上面または底面に形成されているものとして説明を行うが、本明細書において説明される機能を奏する限り、開口が形成される位置はケース100の上面および/または底面に限定されない。開口は、ケース100の側面に形成されてもよい。
【0044】
ポンプ12,14は、いかなる種類のポンプであってもよく、モータポンプであってもよいし、圧電ポンプであってもよい。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 ネブライザ、12,14 ポンプ、12A フィン、12B ポンプカバー、12X,14X 流入口、12Y,14Y,59 吐出口、16,18 基板、19 バッテリ、20 エアノズル、RM11,RM12,RM21,RM22,RM31,RM32,RM33 空間、30 霧化ノズル、40 薬液タンク、42 配管、50 マウスピース、51 フィルタ、52 整流板、53 弁、53A 回動軸、100 ケース、100X 内面、101,102,121,122,131 開口、111,112 仕切り板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14