(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】街路灯システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/125 20200101AFI20240903BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240903BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240903BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240903BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20240903BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240903BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/11
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/18
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2023525363
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 JP2022000028
(87)【国際公開番号】W WO2022254767
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2021091383
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】渡 万太郎
(72)【発明者】
【氏名】小澤 明
(72)【発明者】
【氏名】菅生 毅
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 佐枝
(72)【発明者】
【氏名】中川 元悟
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-059846(JP,A)
【文献】特開2020-087884(JP,A)
【文献】特開2019-169382(JP,A)
【文献】特開2019-102164(JP,A)
【文献】特開2020-129492(JP,A)
【文献】特開2021-005499(JP,A)
【文献】特開2014-225377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前
記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する照明管理手段とを備え
、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記人情報をさらに参照し、当該参照した人情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
街路灯システム。
【請求項2】
複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前
記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する照明管理手段とを備え
、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記画像処理手段は、前記画像情報を処理することによって当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報をさらに生成し、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記車両情報を参照し、当該参照した車両情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
街路灯システム。
【請求項3】
前記人情報は、人が携行する物に関する物情報、人が混雑する程度を示す混雑度、車椅子で移動する人に関する車椅子情報、人の属性を示す属性情報、の少なくとも1つを含む
請求項1
又は2に記載の街路灯システム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の街路灯の各々に設けられたセンサからのセンサ情報を用いて、予め定められたイベントの発生を検知するイベント検知手段をさらに備え、
前記照明管理手段は、さらに、前記イベントの発生が検知された場合に、前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
請求項1から
3のいずれか1項に記載の街路灯システム。
【請求項5】
前記街路灯は複数であって、各々が設置される領域に応じてグループ化されており、
前記照明管理手段は、前記画像情報の処理結果を用いて、前記街路灯に設けられた照明の点灯状態を前記グループごとに制御する
請求項1から
4のいずれか1項に記載の街路灯システム。
【請求項6】
1つ又は複数の街路灯の各々に設けられ、画像及び音声の少なくとも一方を出力する出力手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前記出力手段を制御する出力管理手段をさらに備える
請求項1から
5のいずれか1項に記載の街路灯システム。
【請求項7】
複数の街路灯の各々に設けられるコントローラに、
前記複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成させるためのプログラムと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置に、前記画像情報の処理結果を用いて、前
記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるためのプログラムと、を含
み、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記照明の点灯状態を制御させることでは、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記人情報をさらに参照し、当該参照した人情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるプログラム。
【請求項8】
複数の街路灯の各々に設けられるコントローラに、
前記複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成させるためのプログラムと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置に、前記画像情報の処理結果を用いて、前
記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるためのプログラムと、を含
み、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記画像情報を処理することでは、当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報をさらに生成し、
前記照明の点灯状態を制御させることでは、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記車両情報を参照し、当該参照した車両情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街路灯システム、街路灯、街路灯管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、センサユニットと街路灯ユニットと、を含む街路灯システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のセンサユニットは、動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、動体が検知された場合に位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含む。
【0004】
特許文献1に記載の街路灯ユニットは、周囲を照明する照明手段と、センサユニットから動体検知情報を受信する受信手段と、動体検知情報を受信した場合において、位置情報に基づくセンサユニットの位置が、位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、座標系に応じて予め定めた点灯条件により照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、を備える。
【0005】
特許文献1には、当文献に記載の発明によれば、座標系が異なる街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域において座標系に応じた点灯制御を行うことができ、例えば町内単位で街路灯システムを導入することが容易になる旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、人などの動体が安全に通行するための技術が殆ど開示されていない。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、通行の安全性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る街路灯システムは、
複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する照明管理手段とを備え、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記人情報をさらに参照し、当該参照した人情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る街路灯システムは、
複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する照明管理手段とを備え、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記画像処理手段は、前記画像情報を処理することによって当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報をさらに生成し、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記車両情報を参照し、当該参照した車両情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
複数の街路灯の各々に設けられるコントローラに、前記複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成させるためのプログラムと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置に、前記画像情報の処理結果を用いて、前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるためのプログラムと、を含み、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記照明の点灯状態を制御させることでは、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記人情報をさらに参照し、当該参照した人情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させる。
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
複数の街路灯の各々に設けられるコントローラに、前記複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成させるためのプログラムと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置に、前記画像情報の処理結果を用いて、前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるためのプログラムと、を含み、
前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含み、
前記画像情報を処理することでは、当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報をさらに生成し、
前記照明の点灯状態を制御させることでは、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記車両情報を参照し、当該参照した車両情報を用いて前記複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る街路灯システムの構成例を示す図である。
【
図2】一実施の形態に係る街路灯の配置例を示す図である。
【
図3】一実施の形態に係る街路灯の外観の一例を示す図である。
【
図4】一実施の形態に係る街路灯が備えるコントローラの機能的な構成を示す図である。
【
図5】一実施の形態に係る管理装置の機能的な構成を示す図である。
【
図6】一実施の形態に係る街路灯が備えるコントローラの物理的な構成を示す図である。
【
図7】一実施の形態に係る管理装置の物理的な構成を示す図である。
【
図8】本発明の一実施の形態に係る第1情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施の形態に係る第2情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施の形態に係る照明管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施の形態に係る出力管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施の形態に係る照明制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施の形態に係る出力制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施の形態に係る動作状態制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】変形例4に係る街路灯の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<<街路灯システム100の構成>>
本発明の一実施の形態に係る街路灯システム100は、
図1に構成例を示すように、道路に設置される複数の街路灯101_1~101_20を管理するためのシステムである。街路灯システム100は、街路灯101_1~101_20と、街路灯101_1~101_20を管理する管理装置102とを備える。
【0016】
管理装置102は、街路灯101_1~101_20の各々と、有線、無線又はこれらを組み合わせて構築されたネットワークNを介して互いに通信可能に構成される。
【0017】
以下、街路灯101_1~101_20について、各々を特に区別しない場合、単に「街路灯101」とも表記する。
【0018】
(街路灯101の構成)
街路灯101_1~101_20は、
図2に配置例を示すように、道路RA~RDに設置される。
図2に示す例では、Y軸方向に沿った道路RAと道路RBに沿って、街路灯101_1~101_16が配置されている。道路RAと道路RBとの間をX軸に沿って横切る道路RCと道路RDとに沿って街路灯101_17~101_20が配置されている。
【0019】
街路灯101_1~101_20は、各々が設置される道路上の領域に応じてグループ化されている。
図2に示す例では、街路灯101_1~101_4はグループ1に、街路灯101_5~101_8はグループ2に、街路灯101_9~101_12はグループ3に、街路灯101_13~101_16はグループ4に、グループ分けされている。また、街路灯101_17~101_18はグループ5に、街路灯101_19~101_20はグループ6に、グループ分けされている。
【0020】
なお、街路灯システム100は、管理装置102によって管理される街路灯101を少なくとも1つ備えればよい。また、複数の街路灯101がグループ分けされる場合、各グループには少なくとも1つの街路灯101が含まれればよい。
【0021】
街路灯101の各々は、
図1に示すように、コントローラ110と、カメラ111と、センサ112と、照明113と、出力部114とを備える。
【0022】
コントローラ110は、街路灯101を制御する。コントローラ110の機能的な構成は、図を参照して後述する。
【0023】
カメラ111は、周囲の道路を連続的に撮影し、撮影した動画像を示す画像情報を生成する。なお、カメラ111は、コントローラ110の制御の下で、予め定められたタイミングで撮影することによって静止画像を生成してもよい。
【0024】
街路灯101_1~101_20に設けられるカメラ111の全体によって、街路灯101_1~101_20が設けられる領域近傍の道路の概ね全体が撮影される。なお、街路灯101_1~101_20に設けられるカメラ111の全体によって、街路灯101_1~101_20が設けられる領域近傍の道路において、人が通行する領域など予め定められた領域が撮影されてもよい。
【0025】
センサ112は、照度センサ112a、マイク112b、温度センサ112cを含む。照度センサ112aは、周囲の明るさを計測し、計測した照度を含む照度情報を出力する。マイク112bは、周囲の音を検知し、検知した音を含む音情報を出力する。温度センサ112cは、街路灯101の筐体内の温度を計測し、計測した温度を含む温度情報を出力する。
【0026】
照明113は、周囲の道路に光を照らすための部位である。照明113は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、蛍光灯などから構成される。
【0027】
出力部114は、道路を通行する人に情報を知らせるための部位であって、表示部114aと、スピーカ114bとを含む。
【0028】
表示部114aは、画像により情報を知らせるための部位である。表示部114aは、例えば、液晶パネル、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDビジョンなどにより構成される。なお、表示部114aは、道路の路面、他の街路灯101などに予め定められる投影面に画像を投影するプロジェクタであってもよい。他の街路灯101に画像を投影する場合、投影面としては例えば、隣りに設けられた街路灯101の側面が好適である。
【0029】
スピーカ114bは、音により情報を知らせるための部位である。
【0030】
なお、出力部114は、表示部114aと、スピーカ114bとの少なくとも一方を含めばよい。
【0031】
街路灯101の外観の一例を
図3に示す。
図3に示すように、街路灯101は概ね上下方向に細長い角柱状の筐体を備え、上方から順に、照明113、コントローラ110、カメラ111及び照度センサ112a、スピーカ114b、マイク112b、表示部114a、温度センサ112cが筐体に設けられている。コントローラ110、温度センサ112cは、筐体の内部に設けられるとよい。
【0032】
街路灯101が動作するための電源には、図示していないが、例えば、商用電源が利用されてもよく、街路灯101に設けられる太陽光発電パネル及び風車の一方又は両方で発電された電力が利用されてもよい。太陽光発電パネル又は風車によって発電される電力が街路灯101の動作に利用される場合、街路灯101は、発電された電力を蓄えるための蓄電池をさらに備え、蓄電池の電力によって動作してもよい。
【0033】
(コントローラ110の機能的構成)
コントローラ110は、
図4に示すように機能的に、画像処理部120と、イベント検出部121と、照明制御部122と、出力制御部123と、動作状態制御部124とを含む。
【0034】
画像処理部120は、カメラ111によって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する。画像処理部120は、生成した人情報を、ネットワークNを介して管理装置102へ送信する。
【0035】
人情報は、(1)人の存否を示す情報、(2)人流情報、(3)人が携行する物に関する物情報、(4)人が混雑する程度を示す混雑度、(5)車椅子で移動する人に関する車椅子情報、(6)人の属性を示す属性情報、の少なくとも1つを含む。
【0036】
(2)人流情報は、人流に関する情報である。人流情報は、人の移動に関する情報(移動情報)、一定の場所に停止する人の情報(停止情報)などの少なくとも1つを含む。移動情報は、人の動線、移動方向、移動速度などの少なくとも1つを含む。停止情報は、人が停止している場所(停止場所)、停止している時間(停止時間)などの少なくとも1つを含む。
【0037】
(3)物情報は、人がマスクなどの口の周囲を覆う被服物を装着しているか否かを示す情報、人が傘を差しているか否かを示す情報などの少なくとも1つを含む。(4)混雑度は、例えば、カメラ111の撮影範囲など一定の範囲に存在する人の数により表される。
【0038】
(5)車椅子情報は、車椅子で移動する人の存否に関する情報を含む。車椅子情報は、車椅子で移動する人の移動方向を含んでもよく、さらにその移動速度を含んでもよい。
【0039】
(6)属性情報に含まれる属性は、性別、年齢層、予め定められた者であるか否か、不審者であるか否か、の少なくとも1つを含む。例えば、人情報は、人の属性別の人流情報を含んでもよい。
【0040】
予め定められた者とは、例えば、VIP(Very Important Person)、犯罪者などである。
【0041】
不審者は、例えば、待伏せをする者、追跡者、刃物を所持する者である。例えば、予め定められた時間よりも長く一定の場所に留まっている人がいる場合に、当該人は待ち伏せをする者として検知される。例えば、予め定められた距離よりも長く人の後方をついて歩く人がいる場合に、当該人が追跡者として検知される。
【0042】
また、画像処理部120は、カメラ111によって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報を生成する。車両は、自動車、自転車などである。画像処理部120は、生成した車両情報を、ネットワークNを介して管理装置102へ送信する。
【0043】
なお、画像情報に1人の人のみが含まれ、画像処理部120が、当該画像情報に含まれる1人の人に関する人情報を生成してもよい。
【0044】
ここで、画像処理部120は、従来の画像処理技術を用いることによって、画像情報から人情報、車両情報を生成するとよい。
【0045】
従来の画像処理技術は、例えば、パターンマッチングである。パターンマッチングのための参照用の画像情報は、画像処理部120に予め保持されるとよい。
【0046】
また例えば、従来の画像処理技術は、機械学習を用いた画像処理である。この場合、画像処理部120は、人情報又は車両情報を生成するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、カメラ111によって生成される画像情報を入力することで、人情報又は車両情報を生成するとよい。
【0047】
学習時の学習モデルへのインプットデータは、道路を撮影した画像情報である。そして、機械学習においては、例えば、人情報又は車両情報の内容に応じた正解を用いた教師あり学習が行われるとよい。
【0048】
イベント検出部121は、センサ112からのセンサ情報を用いて、予め定められたイベントの発生を検知する。イベント検出部121は、予め定められたイベントの発生を検知すると、当該イベントの発生を示すイベント発生情報を生成し、当該生成したイベント発生情報をネットワークNを介して管理装置102へ送信する。
【0049】
詳細には例えば、イベント検出部121は、マイク112bからの音情報を用いて、予め定められたイベントとして、車両の急ブレーキ、悲鳴、発砲を検出する。
【0050】
ここで、イベント検出部121は、従来の音声処理技術を用いることによって、音情報から予め定められたイベントの発生を検知し、イベント発生情報を生成するとよい。
【0051】
例えば、イベント検出部121は、イベントごとに予め準備された参照情報との類似度を求め、当該求めた類似度が閾値以上である場合に、イベントの発生を検知するとよい。参照情報は、イベント検出部121に予め保持されるとよい。
【0052】
また例えば、イベント検出部121は、機械学習を用いた音声処理により、イベントの発生を検知してもよい。この場合、イベント検出部121は、イベント発生情報を生成するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、音情報を入力することで、イベント発生情報を生成するとよい。
【0053】
学習時の学習モデルへのインプットデータは、マイク112aによって生成された音情報である。そして、機械学習においては、例えば、音情報に応じた正解を用いた教師あり学習が行われるとよい。
【0054】
照明制御部122は、管理装置102から送信される照明制御情報を受信し、当該受信した照明制御情報に従って照明113の点灯状態を制御する。
【0055】
照明制御情報は、照明113を点灯させる明るさを示す情報、点滅又は連続的な点灯のいずれかを示す情報、点滅の場合の点滅パターンを示す情報、点滅又は連続的に点灯させる場合の光の色を示す情報の少なくとも1つを含む。従って、点灯状態は、照明113の明るさ、点滅又は連続的な点灯、点滅の場合の点滅パターン、色の少なくとも1つを含む。
【0056】
出力制御部123は、管理装置102から送信される出力制御情報を受信し、当該受信した出力制御情報に従って出力部114を制御する。
【0057】
詳細には、出力制御部123は、表示制御部123aと、スピーカ制御部123bとを含む。表示制御部123aは、出力制御情報に従って表示部114aに画像を表示させる。スピーカ制御部123bは、出力制御情報に従ってスピーカ114bに音声を出力させる。
【0058】
動作状態制御部124は、温度センサ112cからの温度情報に基づいて、コントローラ110の操作状態を制御する。
【0059】
詳細には、動作状態制御部124は、温度情報に含まれる温度が第1閾値T1[℃]以上である場合に、コントローラ110の動作状態を待機状態にする。動作状態制御部124は、待機状態で受信した温度情報に含まれる温度が第2閾値T2[℃]以下である場合に、コントローラ110の動作状態を通常状態にする。ただし、T2[℃]<T1[℃]である。
【0060】
待機状態は、コントローラ110が実行する処理のうち、予め定められた処理のみを実行可能な状態である。予め定められた処理は、待機状態で受信した温度情報を取得し、当該温度が第2閾値T2[℃]以下である場合に、コントローラ110の動作状態を通常状態にする処理を含む。
【0061】
通常状態は、コントローラ110が実行するすべての処理を実行可能な状態である。
【0062】
待機状態では通常状態よりも実行する処理が減るため、コントローラ110における処理に伴う発熱を減らして、コントローラ110の温度を低下させることができる。
【0063】
(管理装置102の機能的構成)
管理装置102は、ネットワークNを介して街路灯101と通信することによって街路灯101を制御する装置であって、
図5に示すように機能的には、照明管理部130と、出力管理部131とを含む。
【0064】
照明管理部130は、人情報、車両情報、イベント発生情報に基づいて照明制御情報を生成し、当該生成した照明制御情報をネットワークNを介してコントローラ110へ送信する。これによって、照明管理部130は、照明113の点灯状態を制御する。
【0065】
詳細には例えば、照明管理部130は、画像処理部120から送信された人情報及び車両情報を、画像情報の処理結果として取得する。照明管理部130は、画像情報の処理結果を用いて照明制御情報を生成する。
【0066】
照明管理部130は、当該生成した照明制御情報を、対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、画像情報の処理結果を用いて、対象となる街路灯101に設けられた照明113の点灯状態を制御する。
【0067】
また例えば、照明管理部130は、イベント検出部121から送信されたイベント発生情報を取得すると、当該取得したイベント発生情報を用いて照明制御情報を生成する。照明管理部130は、当該生成した照明制御情報を、対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、イベント検出部121によってイベントの発生が検知された場合に、対象となる街路灯101に設けられた照明113の点灯状態を制御する。
【0068】
本実施の形態に係る照明管理部130は、生成した照明制御情報を、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、画像情報の処理結果を用いて、又は、イベント検出部121によってイベントの発生が検知された場合に、街路灯101に設けられた照明113の点灯状態をグループG_1~G_6ごとに一括で制御する。
【0069】
出力管理部131は、人情報、車両情報、イベント発生情報に基づいて出力制御情報を生成し、当該生成した出力制御情報をネットワークNを介してコントローラ110へ送信する。これによって、照明管理部130は、出力部114を制御する。
【0070】
詳細には例えば、出力管理部131は、画像処理部120から送信された人情報及び車両情報を、画像情報の処理結果として取得する。出力管理部131は、画像情報の処理結果を用いて出力制御情報を生成する。
【0071】
出力管理部131は、当該生成した出力制御情報を、対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、画像情報の処理結果を用いて、対象となる街路灯101に設けられた出力部114を制御する。
【0072】
また例えば、出力管理部131は、イベント検出部121から送信されたイベント発生情報を取得すると、当該取得したイベント発生情報を用いて出力制御情報を生成する。出力管理部131は、当該生成した出力制御情報を、対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、出力管理部131は、イベント検出部121によってイベントの発生が検知された場合に、対象となる街路灯101に設けられた出力部114を制御する。
【0073】
(コントローラ110の物理的構成)
コントローラ110は、
図6に示すように物理的には、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入出力インタフェース1060を有する。
【0074】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入出力インタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0075】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0076】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0077】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、コントローラ110の各機能部を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0078】
ネットワークインタフェース1050は、コントローラ110をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0079】
入出力インタフェース1060は、各種の機器(本実施の形態では、カメラ111、照度センサ112a、マイク112b、温度センサ112c、照明113、表示部114a、スピーカ114b)が接続されるインタフェースである。
【0080】
(管理装置102の物理的構成)
管理装置102は、
図7に示すように物理的には、バス2010、プロセッサ2020、メモリ2030、ストレージデバイス2040、ネットワークインタフェース2050、ユーザインタフェース2060を有する。
【0081】
バス2010は、プロセッサ2020、メモリ2030、ストレージデバイス2040、ネットワークインタフェース2050、ユーザインタフェース2060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ2020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0082】
プロセッサ2020は、CPUやGPUなどで実現されるプロセッサである。
【0083】
メモリ2030は、RAMなどで実現される主記憶装置である。
【0084】
ストレージデバイス2040は、HDD、SSD、メモリカード、又はROMなどで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス2040は、管理装置102の各機能部を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ2020がこれら各プログラムモジュールをメモリ2030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0085】
ネットワークインタフェース2050は、管理装置102をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0086】
ユーザインタフェース2060は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースとしてのタッチパネル、キーボード、マウスなど、及び、ユーザに情報を提示するためのインタフェースとしての液晶パネルなどである。
【0087】
<<街路灯システム100の動作>>
ここから、街路灯システム100の動作について、図を参照して説明する。
【0088】
街路灯管理処理は、街路灯101を管理するために街路灯システム100によって実行される処理である。街路灯管理処理は、街路灯101によって実行される処理と、管理装置102によって実行される処理とを含む。街路灯101によって実行される処理は、第1情報送信処理、第2情報送信処理、照明制御処理、出力制御処理、動作状態制御処理を含む。管理装置102によって実行される処理は、照明管理処理、出力管理処理を含む。
【0089】
第1情報送信処理、第2情報送信処理、照明管理処理、出力管理処理、照明制御処理、出力制御処理は、夕方になるなどにより、照度情報に含まれる照度が予め定められた基準値以下になると開始される。コントローラ110と管理装置102との間で通信が確立した状態で実行される。
【0090】
(第1情報送信処理)
図8は、本実施の形態に係る第1情報送信処理の一例を示すフローチャートである。第1情報送信処理は、画像情報の処理結果を管理装置102へ送信するための処理であり、街路灯101の各々により実行される。
【0091】
カメラ111は、道路を撮影する(ステップS101)。これにより、カメラ111は、撮影した画像を示す画像情報を生成する。
【0092】
画像処理部120は、ステップS101にて生成された画像情報を処理する(ステップS102)。
【0093】
画像処理部120は、ステップS102における画像情報の処理結果として、画像情報に含まれる複数の人に関する人情報と、画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報とを生成する(ステップS103)。
【0094】
画像処理部120は、ステップS103にて生成した人情報と車両情報とを、ネットワークNを介して管理装置102へ送信する(ステップS104)。
【0095】
画像処理部120は、ステップS101にて生成された画像情報を消去し(ステップS105)、第1情報送信処理を終了する。
【0096】
ステップS104では、画像情報自体は管理装置102へ送信されず、画像情報の処理結果が管理装置102へ送信される。画像情報の処理結果から、画像情報に含まれる人を特定することはほぼ不可能である。そして、画像情報は消去される。そのため、画像情報に含まれる人の所在を示す個人情報が、ネットワークNを通じて流通することも、記憶装置に残されることもない。従って、個人情報を保護することが可能になる。
【0097】
(第2情報送信処理)
図9は、本実施の形態に係る第2情報送信処理の一例を示すフローチャートである。第2情報送信処理は、イベント発生情報を管理装置102へ送信するための処理であり、街路灯101の各々により実行される。
【0098】
イベント検出部121は、センサ112からセンサ情報を取得する(ステップS201)。本実施の形態では、イベント検出部121は、センサ情報としての音情報をマイク112aから取得する。
【0099】
イベント検出部121は、ステップS201にて取得したセンサ情報からイベントを検知したか否かを判定する(ステップS202)。イベントを検知ない場合(ステップS202;No)、ステップS201の処理が再び行われる。
【0100】
イベントを検知した場合(ステップS202;Yes)、イベント検出部121は、検知されたイベントに応じたイベント発生情報を生成する(ステップS203)。
【0101】
イベント発生情報は、イベントが発生したことのみを含んでもよく、例えば車両の急ブレーキ、悲鳴、発砲などの発生したイベントの内容を含んでもよい。
【0102】
イベント検出部121は、ステップS203にて生成したイベント発生情報を、ネットワークNを介して管理装置102へ送信し(ステップS204)、第2情報送信処理を終了する。
【0103】
第1情報送信処理と第2情報送信処理とは、同時併行的に実行されてもよく、順に繰り返し実行されてもよい。
【0104】
(照明管理処理)
図10は、本実施の形態に係る照明管理処理の一例を示すフローチャートである。照明管理処理は、対象となる街路灯101に設けられた照明113を制御するための処理であり、管理装置102により実行される。
【0105】
照明管理部130は、ステップS104及びS204にて送信された人情報、車両情報、イベント発生情報を、ネットワークNを介して受信する(ステップS301)。照明管理部130は、受信した人情報、車両情報を保持する。
【0106】
照明管理部130は、ステップS301にて受信した人情報、車両情報に基づいて、対象となる街路灯101に設けられた照明113の点灯状態を制御するための照明制御情報を生成する(ステップS302)。
【0107】
詳細には例えば、照明管理部130は、人情報、車両情報に応じた照明113の制御方法を定めた照明制御ルールを予め保持する。照明管理部130は、人情報、車両情報、これらの情報の送信元となる街路灯101を照明制御ルールに適用することによって、制御の対象となる街路灯101を特定するとともに、照明113の点灯状態を決定する。照明管理部130は、決定した点灯状態を含む照明制御情報を生成する。
【0108】
本実施の形態では、街路灯101はグループG_1~G_6ごとに制御される。そのため、制御の対象となる街路灯101は、グループG_1~G_6を識別するためのグループ識別情報により特定されてもよい。
【0109】
ここで、照明制御ルールは、どのような場合にどのように照明113を制御するか、という、照明113を制御する際の条件と、その制御方法とから構成される。より具体的な例を以下に挙げる。ただし、以下の例は、種々変更されてもよく、例えば条件と制御方法との組み合わせが適宜変更されてもよい。
【0110】
(1)照明制御ルールは、人の移動方向における前方又は後方に人がいる場合、或いは、人の移動方向における前方又は後方に不審者がいる場合、人の移動方向における前方(すなわち、移動先)の照明113を制御することを含む。この照明制御ルールは、移動する人が女性である場合に適用されてもよい。
【0111】
この場合の照明管理部130は、人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯101のカメラ111にて生成された画像情報を処理することによって得られた人情報をさらに参照する。
【0112】
照明管理部130は、当該参照した人情報を用いて、照明制御情報を生成する。照明管理部130は、当該生成した照明制御情報を、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、参照した人情報を用いて、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101の照明113の点灯状態を一括で制御する。
【0113】
照明113の制御方法として、標準照度よりも明るくする例を挙げることができる。これにより、他の人に気づき易くなり、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0114】
ここで、標準照度とは、人が通行する通常の場合における照明113の照度であり、適宜予め定められる。
【0115】
(2)照明制御ルールは、人の移動方向と交差する方向に走行する車両がある場合、人と車両が交差するおそれがある領域近傍の照明113を制御することを含む。人の移動方向と交差する方向に走行する車両がある場合とは、例えば
図2では、道路RAをY正方向に移動する歩行者がおり、かつ、道路RCをX正方向に走行する車両がある場合である。
【0116】
この場合の照明管理部130は、人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯101のカメラ111にて生成された画像情報を処理することによって得られた車両情報を参照する。
【0117】
照明管理部130は、当該参照した車両情報を用いて照明制御情報を生成する。照明管理部130は、当該生成した照明制御情報を、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、参照した車両情報を用いて、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101の照明113の点灯状態を一括で制御する。
【0118】
照明113の制御方法として、標準照度よりも明るくする例を挙げることができる。これにより、歩行者及び運転手の両者が互いに気づき易くなり、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0119】
(3)照明制御ルールは、同じ交差点へ向かって走行する複数の車両がある場合、複数の車両が交差するおそれがある領域近傍の照明113を制御することを含む。
【0120】
この場合の照明管理部130は、車両情報が走行中の車両を含む場合に、当該車両から予め定められた範囲に位置する街路灯101のカメラ111にて生成された画像情報を処理することによって得られた車両情報を参照する。
【0121】
照明管理部130は、当該参照した車両情報を用いて照明制御情報を生成する。照明管理部130は、当該生成した照明制御情報を、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101のコントローラ110へ送信する。これにより、照明管理部130は、参照した車両情報を用いて、対象となるグループG_1~G_6に属する街路灯101の照明113の点灯状態を一括で制御する。
【0122】
照明113の制御方法の例として、標準照度よりも明るくする例を挙げることができる。これにより、運転手同士が互いに気づき易くなり、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0123】
(4)照明制御ルールは、口の周囲を覆う被服物を装着していない人の数が予め定められた閾値以上である場合、又は、人が傘を差している人の数が予め定められた閾値以上である場合、当該領域の街路灯101全体の照明113を制御することを含む。
【0124】
照明113の制御方法として、照明113の色を変更すること、標準照度よりも明るくすることを例に挙げることができる。例えば、口の周囲を覆う被服物を装着していない人が多い場合に、照明113の色を変えることで、その領域の通行をできる限り避けることができる。また例えば、傘を差す人が多い場合に、照明113を標準照度よりも明るくすることで、道路の状況を視認し易くなる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0125】
(5)照明制御ルールは、混雑度が予め定められた閾値以上である場合、当該領域に設置された街路灯101の照明113を制御することを含む。照明113の制御方法として、照明113の色を変更すること、標準照度よりも明るくすることを例に挙げることができる。
【0126】
例えば、混雑時は赤に、比較的空いているときは緑にすることで、歩行者は、遠くからでも混雑状況を知ることができ、望ましい経路を移動することができる。また例えば、混雑時は標準照度よりも明るくすることで、混雑時でも周囲の視認が容易になる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0127】
(6)照明制御ルールは、車椅子情報が含まれる場合、車椅子が検出された領域及びその移動方向における前方(すなわち、移動先)の照明113を制御することを含む。照明113の制御方法として、照明113の色を変更すること、標準照度よりも明るくすることを例に挙げることができる。これにより、車椅子での移動が容易になるとともに、周囲からも車椅子に気づき易くなる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0128】
(7)照明制御ルールは、年齢層が予め定められた基準を満たす人がいる場合、該当する人が検出された領域及びその移動方向における前方(すなわち、移動先)の照明113を制御することを含む。年齢層が予め定められた基準を満たす人とは、例えば、予め定められた年齢層以下の子供、予め定められた年齢層以上の高齢者である。
【0129】
照明113の制御方法として、照明113の色を変更すること、標準照度よりも明るくすることを例に挙げることができる。これにより、該当する人の移動が容易になるとともに、周囲の人がその人に気づき易くなる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0130】
(8)照明制御ルールは、予め定められた者がいる場合、該当する人が検出された領域及びその移動方向における前方(すなわち、移動先)の照明113を制御することを含む。予め定められた者とは、上述の通り、例えば、VIP、犯罪者などである。
【0131】
照明113の制御方法として、VIPの場合は、標準照度よりも明るくすることを例に挙げることができる。これにより、該当する人の移動が容易になる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0132】
また、犯罪者の場合は、照明113の色を変更することを例に挙げることができる。これにより、周囲の人がその人に気づき易くなり、警察へ通報するなど、危険を回避するための対策を講じることができる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0133】
(9)照明制御ルールは、イベント発生情報が取得された場合、当該イベントが発生した領域の領域及びその領域から移動する人の移動方向における前方(すなわち、移動先)の照明113を制御することを含む。
【0134】
照明113の制御方法として、照明113の色を変更すること、標準照度よりも明るくすること、照明113を点滅させることを例に挙げることができる。
【0135】
これにより、イベントの原因となった人や車両に、周囲の人が気づき易くなり、警察へ通報するなど、危険を回避するための対策を講じることができる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0136】
なお、以上の例で移動先の照明113の点灯状態を変更することに代えて、検出された領域を中心として予め定められた範囲の領域に設置された街路灯101の照明113の点灯状態が変更されてもよい。
【0137】
照明管理部130は、ステップS302にて生成した照明制御情報を、ステップS302にて特定した対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信し(ステップS303)、照明管理処理を終了する。このとき、ステップS302にて特定したグループG_1~G_6に属するすべての街路灯101のコントローラ110へ送信される。これにより、グループG_1~G_6に属するすべての街路灯101の照明113の点灯状態を一括して制御することができる。
【0138】
(出力管理処理)
図11は、本実施の形態に係る出力管理処理の一例を示すフローチャートである。出力管理処理は、対象となる街路灯101に設けられた出力部114を制御するための処理であり、管理装置102により実行される。
【0139】
出力管理部131は、ステップS104及びS204にて送信された人情報、車両情報、イベント発生情報を、ネットワークNを介して受信する(ステップS401)。出力管理部131は、受信したイベント発生情報を保持する。
【0140】
出力管理部131は、ステップS401にて受信したイベント発生情報に基づいて、対象となる街路灯101に設けられた出力部114(表示部114a及びスピーカ114bの各々)を制御するための出力制御情報を生成する(ステップS402)。
【0141】
詳細には例えば、出力管理部131は、イベント発生情報に応じた出力部114の制御方法を定めた出力制御ルールを予め保持する。照明管理部130は、イベント発生情報の送信元となる街路灯101を出力制御ルールに適用することによって、制御の対象となる街路灯101を特定するとともに、出力部114の制御方法を決定する。照明管理部130は、決定した制御方法を含む出力制御情報を生成する。制御方法は、例えば、表示部114aに表示させる画像を特定するための画像特定情報、スピーカ114bに出力させる音声を特定するための音声特定情報を含む。
【0142】
ここで、出力制御ルールは、どのような場合にどのように出力部114を制御するか、という、出力部114を制御する際の条件と、その制御方法とから構成される。
【0143】
出力部114を制御する際の条件には、例えば、照明113を制御する際の条件の一部又は全部が適用されるとよい。出力部114を制御する際の条件は、照明113を制御する際の条件とは異なる条件を含んでもよい。
【0144】
出力部114の制御方法は、例えば、照明113を又は出力部114を制御する原因となった事象(すなわち、上記の条件の内容)を表す画像を表示させること、当該事象に応じた音を出力させることの少なくとも1つを含む。なお、画像の表示は、文字の表示を含む。
【0145】
出力管理部131は、ステップS402にて生成した出力制御情報を、ステップS402にて特定した対象となる街路灯101のコントローラ110へ送信し(ステップS403)、照明管理処理を終了する。
【0146】
(照明制御処理)
図12は、本実施の形態に係る照明制御処理の一例を示すフローチャートである。照明制御処理は、街路灯101において照明113の点灯状態を制御するための処理である。
【0147】
照明制御部122は、ステップS303にて送信された照明制御情報を受信する(ステップS501)。
【0148】
照明制御部122は、ステップS501にて受信した照明制御情報に従って、照明113の点灯状態を制御し(ステップS502)、照明制御処理を終了する。
【0149】
(出力制御処理)
図13は、本実施の形態に係る出力制御処理の一例を示すフローチャートである。出力制御処理は、街路灯101において出力部114(表示部114a及びスピーカ114bの各々)を制御するための処理である。
【0150】
出力制御部123は、ステップS403にて送信された出力制御情報を受信する(ステップS601)。
【0151】
出力制御部123は、ステップS601にて受信した出力制御情報に従って、出力制御処理を実行する(ステップS602)。
【0152】
詳細には、表示制御部123aは、出力制御情報が画像特定情報を含む場合、当該画像特定情報によって特定される画像を表示部114aに表示させる(ステップS602a)。また、スピーカ制御部123bは、出力制御情報が音声特定情報を含む場合、当該音声特定情報によって特定される音声をスピーカ114aに出力させる(ステップS602b)。
【0153】
ここで、画像特定情報に対応する画像情報は、表示制御部123aに予め保持され、音声特定情報に対応する音声情報は、スピーカ制御部123bに予め保持されるとよい。
【0154】
これにより、出力制御部123は、出力制御処理を終了する。
【0155】
(動作状態制御処理)
図14は、本実施の形態に係る動作状態制御処理の一例を示すフローチャートである。動作状態制御処理は、コントローラ110の動作状態を制御するための処理である。動作状態制御処理は、街路灯101の各々において、電源が投入されている間繰り返し実行される。
【0156】
動作状態制御部124は、温度センサ112bから温度情報を取得する(ステップS701)。
【0157】
動作状態制御部124は、ステップS701にて取得した温度情報に含まれる温度が第1閾値T1[℃]以上であるか否かを判定する(ステップS702)。温度情報に含まれる温度が第1閾値T1[℃]以上でない場合(ステップS702;No)、動作状態制御部124は、ステップS701の処理を再び実行する。
【0158】
温度情報に含まれる温度が第1閾値T1[℃]以上である場合(ステップS702;Yes)、動作状態制御部124は、コントローラ110の動作状態を待機状態にする(ステップS703)。
【0159】
動作状態制御部124は、温度センサ112bから温度情報を取得する(ステップS704)。
【0160】
動作状態制御部124は、ステップS704にて取得した温度情報に含まれる温度が第2閾値T2[℃]以下であるか否かを判定する(ステップS705)。温度情報に含まれる温度が第2閾値T2[℃]以下でない場合(ステップS705;No)、動作状態制御部124は、ステップS704の処理を再び実行する。
【0161】
温度情報に含まれる温度が第2閾値T2[℃]以下である場合(ステップS705;Yes)、動作状態制御部124は、コントローラ110を再起動する(ステップS706)。これにより、コントローラ110の動作状態は通常状態となり、動作状態制御処理は終了する。
【0162】
動作状態制御処理では、筐体内の温度が第1閾値T1[℃]以上になると、コントローラ110は待機状態となる。これにより、上述のように、コントローラ110における処理に伴う発熱が減るので、コントローラ110の温度を低下させることができる。そして、筐体内の温度が第2閾値T2[℃]以下になると、コントローラ110は再起動して通常状態で動作する。
【0163】
夏場など外気温が暑い時期には、筐体内の温度が上昇し、コントローラ110が過熱により損傷することがある。動作状態制御処理を行うことによってコントローラ110の過熱を防ぐことができる。従って、加熱によるコントローラ110が損傷するおそれを低減することが可能になる。
【0164】
これまで、本発明の一実施の形態について説明したが、実施の形態は以下のように変更されてもよい。
【0165】
(変形例1)
街路灯101はグループ化されず、管理装置102によって個別に管理されてもよい。この場合、照明管理部130は、画像情報の処理結果を用いて、1つ又は複数の街路灯101の少なくとも1つに設けられた照明113の点灯状態を制御するとよい。
【0166】
(変形例2)
街路灯101が堤防など河川の近傍に設けられている場合、カメラ111が河川を撮影し、画像処理部111は、画像情報の処理結果として、河川の水位を示す水位情報を生成してもよい。また、センサ112が水位センサを含み、水位情報が予め定められた水位を超えている場合に、イベント検出部121が危険水位であることを示すイベント発生情報を生成してもよい。
【0167】
そして、水位情報が予め定められた水位を超えている場合に、照明管理部130は、照明制御情報を生成して、高架下など標高の低い領域に設置された街路灯101のコントローラ110へ照明制御情報を送信してもよい。このときの照明制御情報は、例えば、照明113を標準照度よりも明るくするための情報であってもよく、照明113の色を赤色などに変更するための情報であってもよい。
【0168】
また、出力管理部131は、出力制御情報を生成して、高架下など標高の低い領域に設置された街路灯101のコントローラ110へ出力制御情報を送信してもよい。このときの出力制御情報は、例えば、危険水位であることを知らせるための画像や音声を出力させるための情報であればよい。
【0169】
これにより、河川の近くにいる者は、河川が危険水位であることを知り、その場所を回避することができる。従って、通行の安全性を向上させることが可能になる。
【0170】
(変形例3)
実施の形態では、出力管理部131が、イベント発生情報に応じた出力部114の制御方法を定めた出力制御ルールを予め保持し、イベント発生情報に基づいて出力制御情報を生成する例を説明した。
【0171】
しかしながら、出力制御ルールには、イベント発生情報に応じた出力部114の制御方法に限らず、イベント発生情報、人情報、車両情報の少なくとも1つに応じた出力部114の制御方法が予め保持されるとよい。これにより、出力管理部131は、イベント発生情報、人情報、車両情報の少なくとも1つに基づいて出力制御情報を生成してもよい。
【0172】
(変形例3-1)
変形例3の一例として、出力管理部131は、予め定められた広告を出力部114に出力させるための出力制御ルールを予め保持してもよい。これにより、例えばステップS402にて、出力管理部131は、人情報に基づいて、対象となる街路灯101に設けられた出力部114に広告を出力させるための出力制御情報を生成してもよい。このときの出力は、表示部114a及びスピーカ114bの少なくとも一方によって行われるとよい。
【0173】
詳細な例として、出力制御ルールは、年齢層及び性別の一方又は両方に対応付けられた広告を含むことを挙げることができる。この場合、出力管理部131は、人情報に含まれる年齢層及び性別の一方又は両方に基づいて、広告を出力部114に出力させるための出力制御情報を生成するとよい。
【0174】
これにより、例えば、人情報に含まれる最も人数が多い年齢層、人情報に含まれる最も人数が多い年齢層及び性別の組み合わせなどに対応する広告を出力部114に出力させることができる。道路を通行する人に応じて、高い販売促進効果を期待できる広告をリアルタイムで選択して出力することが可能になる。
【0175】
(変形例3-2)
また変形例3の他の例として、出力管理部131は、マスクなどの口の周囲を覆う被覆物の装着率及び混雑度の一方又は両方に対応付けられたメッセージを出力部114に出力させるための出力制御ルールを予め保持してもよい。被覆物の装着率とは、人情報に含まれる人のうち、被覆物を装着する者の割合である。
【0176】
この場合、出力管理部131は、人情報に含まれる物情報及び混雑度の一方又は両方に基づいて、例えば道路を通行する人に被覆物の装着を促すメッセージを出力部114に出力させるための出力制御情報を生成するとよい。
【0177】
これにより、例えば、被覆物を装着していない者がいる場合、予め定められた混雑度よりも混雑した状況において被覆物を装着していない者が予め定められた人数又は割合でいる場合などに、被覆物の装着を促すことができる。従って、感染症の感染拡大防止を図ることが可能になる。
【0178】
また、出力制御ルールにおいて、被覆物を装着していない者の人数又はその割合に応じて、出力するメッセージの色、大きさ、内容などを変更するように定められてもよい。これにより、道路を通行する人の状況に応じた強さで被覆物の装着を促すことができる。従って、より一層の感染症の感染拡大防止を図ることが可能になる。
【0179】
(変形例3-3)
さらに変形例3の別の例として、出力管理部131は、車椅子で移動する者がいることに対応付けられたメッセージを出力部114に出力させるための出力制御ルールを予め保持してもよい。この場合、出力管理部131は、人情報に含まれる車椅子情報に基づいて、例えば道路を通行する人に車椅子で移動する人がいることを知らせるメッセージを出力部114に出力させるための出力制御情報を生成するとよい。
【0180】
これにより、例えば、車椅子で移動する者がいる場合、その他の通行人は、車椅子で移動する者に気づくことができる。従って、道路の通行の安全を図ることが可能になる。
【0181】
(変形例4)
実施の形態では、
図3に示す街路灯101を例に説明した。しかし、同図に示す街路灯101は一例に過ぎず、筐体の形状、各部110~114が筐体に設けられる箇所などは適宜変更されてもよい。また、センサ112には、照度センサ112a、マイク112b、温度センサ112cの他に、湿度センサ、大気汚染センサ、振動センサ、傾斜センサ、水センサなどが設けられてもよい。ここで、大気汚染センサは、PM2.5などの大気中の浮遊物を計測するためのセンサである。また、水センサは、冠水を検出したり、水位を計測したりするためのセンサである。
【0182】
図15に、変形例4に係る街路灯201の外観の一例を示す。街路灯201は、ポール部232と照明ユニット233とを備える。ポール部232は、上下方向に長いポールであり、内部には例えば配線などが適宜設けられてもよい。
【0183】
照明ユニット233は、ポール部232の上端近傍に取り付けられるユニットであり、前方へ突き出している。
【0184】
照明ユニット233の筐体Hには、実施の形態1に係る街路灯101と同様の、照明113、コントローラ110、カメラ111、スピーカ114b、マイク112a、表示部114a及び温度センサ112bが設けられている。表示部114aは、例えば道路の路面に画像を投影する。
図16は、変形例4に係る照明ユニット233の左右方向の概ね中央における断面図であり、コントローラ110は、筐体Hの内部に収容されている。本変形例によっても、実施の形態と同様の効果を奏する。
【0185】
なお、照明ユニット233が街路灯として、既設のポール、電柱などに取り付けられてもよい。これにより、街路灯を容易に設置することが可能になる。
【0186】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0187】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施の形態の各々で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施の形態の各々では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の実施の形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0188】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0189】
1. 1つ又は複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する照明管理手段とを備える
街路灯システム。
2. 前記人情報は、人流に関する情報である人流情報を含む
1.に記載の街路灯システム。
3. 前記街路灯は、複数であり、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人の移動方向における前方又は後方に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記人情報をさらに参照し、当該参照した人情報を用いて前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
2.に記載の街路灯システム。
4. 前記街路灯は、複数であり、
前記画像処理手段は、前記画像情報を処理することによって当該画像情報に含まれる車両の移動に関する車両情報をさらに生成し、
前記照明管理手段は、前記人情報が人の移動方向を含む場合に、当該人から予め定められた範囲に位置する街路灯のカメラにて生成された画像情報を処理することによって得られた前記車両情報を参照し、当該参照した車両情報を用いて前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
2.又は3.に記載の街路灯システム。
5. 前記人情報は、人が携行する物に関する物情報、人が混雑する程度を示す混雑度、車椅子で移動する人に関する車椅子情報、人の属性を示す属性情報、の少なくとも1つを含む
1.から4.のいずれか1つに記載の街路灯システム。
6. 前記属性は、性別、年齢層、予め定められた者であるか否か、犯罪者であるか否か、不審者であるか否か、の少なくとも1つを含む
5.に記載の街路灯システム。
7. 前記1つ又は複数の街路灯の各々に設けられたセンサからのセンサ情報を用いて、予め定められたイベントの発生を検知するイベント検知手段をさらに備え、
前記照明管理手段は、さらに、前記イベントの発生が検知された場合に、前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御する
1.から6.のいずれか1つに記載の街路灯システム。
8. 前記センサは、音を検知する
7.に記載の街路灯システム。
9. 前記街路灯は複数であって、各々が設置される領域に応じてグループ化されており、
前記照明管理手段は、前記画像情報の処理結果を用いて、前記街路灯に設けられた照明の点灯状態を前記グループごとに制御する
1.から8.のいずれか1つに記載の街路灯システム。
10. 前記点灯状態は、明るさ、点滅又は連続的な点灯、点滅の場合の点滅周期、色、の少なくとも1つを含む
1.から9.のいずれか1つに記載の街路灯システム。
11. 1つ又は複数の街路灯の各々に設けられ、画像及び音声の少なくとも一方を出力する出力手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて、前記出力手段を制御する出力管理手段をさらに備える
1.から10.のいずれか1つに記載の街路灯システム。
12. 前記出力手段は、道路又は他の街路灯を投影面として、当該投影面に前記画像を投影する
11.に記載の街路灯システム。
13. カメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成する画像処理手段と、
前記画像情報の処理結果を用いて生成される照明制御情報に従って、照明の点灯状態を制御する照明制御手段とを備える
街路灯。
14. 1つ又は複数の街路灯の各々に設けられるコントローラが、1つ又は複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成することと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置が、前記画像情報の処理結果を用いて、前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御することとを含む
街路灯管理方法。
15. 1つ又は複数の街路灯の各々に設けられるコントローラに、1つ又は複数の街路灯の各々に設けられたカメラによって生成される画像情報を処理することによって、当該画像情報に含まれる複数の人に関する人情報を生成させるためのプログラムと、
前記コントローラと互いに通信可能な管理装置に、前記画像情報の処理結果を用いて、前記1つ又は複数の街路灯の少なくとも1つに設けられた照明の点灯状態を制御させるためのプログラムと、を含むプログラム。
【0190】
この出願は、2021年5月31日に出願された日本出願特願2021-091383号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0191】
100 街路灯システム
101,101_1~101_20,201 街路灯
102 管理装置
N ネットワーク
110 コントローラ
111 カメラ
112 センサ
112a 照度センサ
112b マイク
112c 温度センサ
113 照明
114 出力部
114a 表示部
114b スピーカ
120 画像処理部
121 イベント検出部
122 照明制御部
123 出力制御部
123a 表示制御部
123b スピーカ制御部
124 動作状態制御部
130 照明管理部
131 出力管理部
232 ポール部
233 照明ユニット