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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】積層構造体および積層構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/365 20060101AFI20240903BHJP
   C30B 25/18 20060101ALI20240903BHJP
   C30B 29/16 20060101ALI20240903BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L21/365
C30B25/18
C30B29/16
C23C16/40
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020168714
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060939
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-09-26
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(72)【発明者】
【氏名】大島 孝仁
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-031068(JP,A)
【文献】特開2006-114829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/365
C30B 25/18
C30B 29/16
C23C 16/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有して光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の第1面上の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶である結晶とを有する積層体の前記結晶側に感光層を形成すること、
前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去すること、を含む、積層構造体の製造方法。
【請求項2】
前記フォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することが、前記光の照射によって露光された露光領域以外の非露光領域において、前記感光層を除去することを含む、請求項1記載の積層構造体の製造方法。
【請求項3】
前記フォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することが、前記光の照射によって露光された露光領域において、前記感光層を除去することを含む、請求項1記載の積層構造体の製造方法。
【請求項4】
前記感光層が10nm~500nmの範囲にある波長の光に感光する、請求項1~3のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項5】
前記積層体の前記結晶側に前記感光層を形成することが、前記結晶上に直接前記感光層を形成することである、請求項1~4のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項6】
前記結晶側に前記感光層を形成する前に、前記積層体の前記結晶側に前記感光層とは主成分の異なる少なくとも一層を形成した後、前記少なくとも一層の層上に前記感光層を形成することを含む、請求項1~5のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項7】
前記少なくとも一層が、絶縁層、導電層および/または半導体層を含む、請求項6記載の積層構造体の製造方法。
【請求項8】
選択的に除去された前記感光層をマスクとして用いて、前記少なくとも一層を選択的に除去する請求項6または7に記載の積層構造体の製造方法。
【請求項9】
選択的に除去された前記少なくとも一層をマスクとして用いて、前記結晶上に結晶膜をエピタキシャル成長させること、を含む、請求項8記載の積層構造体の製造方法。
【請求項10】
前記結晶性の基体と、前記結晶とが、異なる材料を主成分として含む請求項1~9のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項11】
前記結晶性の基体の結晶構造と前記結晶の結晶構造が同じである、請求項1~10のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項12】
前記光が10nm~500nmの範囲にある波長を有する、請求項1~11のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項13】
前記遮光部の光透過率が、10nm~500nmの範囲にある波長の光に対して10%以下である、請求項1~12のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項14】
前記結晶が、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素およびダイヤモンドから選択される少なくとも1つの材料を主成分として含む、請求項1~13のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
【請求項15】
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有して光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の前記第1面の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶と、を有し、前記遮光部が前記単結晶および/または前記基体によって覆われており、前記結晶性の基体が、第1の結晶層と、前記第1の結晶層上に配置されて前記結晶性の基体の第1面に位置する第2の結晶層を含み、前記単結晶が、前記結晶性の基体の前記第1面に位置する前記遮光部に隣設されて前記第2の結晶層に少なくとも一部が連結された第1の単結晶と、前記第1の単結晶に少なくとも一部が連結されて平面視で前記第1の単結晶の外側に位置している第2の単結晶と、前記第2の単結晶に少なくとも一部が連結されて平面視で前記第2の単結晶の外側に位置している第3の単結晶を有し、前記第2の単結晶は前記第1の単結晶よりも転位が少ない積層構造体。
【請求項16】
前記遮光部が、10nm~500nmの範囲にある波長の光に対して10%以下の透過率を有する、請求項15記載の積層構造体。
【請求項17】
前記結晶性の基体と、前記単結晶とが、異なる材料を主成分として含む請求項15または16に記載の積層構造体。
【請求項18】
前記結晶性の基体の結晶構造と前記単結晶の結晶構造が同じである、請求項15~17のいずれかに記載の積層構造体。
【請求項19】
前記単結晶が4eV以上のバンドギャップを有する、請求項15~18のいずれかに記載の積層構造体。
【請求項20】
前記遮光部が150nm以下の厚みを有する、請求項15~19のいずれかに記載の積層構造体。
【請求項21】
前記第1の単結晶に少なくとも一部が形成されたトレンチを有する、請求項15~20のいずれかに記載の積層構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層構造体に関する。また、本発明は積層構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の小型化にともなって、製造工程において、100μm以下、さらには1μm以下の微細な位置調整や微細加工が求められる場合がある。例えば、特許文献1には、薄膜トランジスタの製造方法が記載されていて、基板上に形成されたゲート電極のパターンがゲート絶縁膜で覆われており、前記ゲート絶縁膜上に有機半導体層と電極層が形成されて、さらにネガ型の感光性レジスト膜を堆積し、前記ゲート電極を遮光マスクとして基板側から裏面露光して、レジストパターンを形成する方法が開示されている。さらに、前記レジストパターンは、電極層をエッチングしてソース、ドレインを形成するためのマスクとして使用され、ゲート電極に対して、ソース、ドレインが自己整合的に位置合わせを行うことが記載されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、チャネル保護層を形成する膜を、透光性を有する酸化物層上に形成し、チャネル保護層を形成する膜上にポジ型のフォトレジストを形成し、裏面露光法を用いて、酸化物半導体層中のチャネル形成領域上に選択的にチャネル保護層を形成する半導体装置の製造方法が記載されて、フォトマスク数を削減することができる旨記載されている。
【0004】
一方で、半導体装置の製造工程において、例えば、異種基板上に結晶をエピタキシャル成長(ヘテロエピタキシャル成長)させる際に、基板と結晶の格子不整合から、転位やクラック等の欠陥が生じる問題がある。この問題に対し、特許文献3に記載のように、例えばELOを用いた成膜手法が検討されている。また、非特許文献1には、ELO技術によって、転位密度が1.0×10/cm以下のα-Ga膜を得られることが記載されている。
【0005】
なお、半導体としては、例えば、炭化珪素(Silicon Carbide)や、窒化ガリウム(Gallium Nitride)、窒化インジウム(Gallium Indium)、窒化アルミニウム(Gallium Alminium)およびそれらの混晶を含めた窒化ガリウム窒化物半導体が知られており、青色LEDやパワー半導体等の様々な半導体装置に用いられている。近年、新しい半導体として、酸化ガリウム(Ga)が注目されている。
【0006】
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。また、広いバンドギャップから短い波長域のLEDやセンサー等の受発光装置としての幅広い応用も期待されている。特に、酸化ガリウムの中でもコランダム構造を有するα―Ga等は、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶することによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInAlGa(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5~2.5)を示し(特許文献4等)、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
【0007】
なお、半導体材料としては、さらに窒化ホウ素やダイヤモンドも注目されている。
【0008】
しかしながら、上記のような材料を結晶として結晶性の基体上にエピタキシャル成長させる場合に、前記結晶を含む積層構造体および/または半導体装置の製造過程で、前記結晶上に配置する必要な層やトレンチの位置合わせを効率よく行っていくには、まだまだ課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許54299454号
【文献】特許5615540号
【文献】特開2016-100592
【文献】国際公開第2014/050793号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】KAWARA, Katsuaki, et al. Elimination of threading dislocations in α-Ga2O3 by double-layered epitaxial lateral overgrowth. Applied Physics Express, 2020, 13.7: 075507.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、単結晶側に、必要な層を配置する際に効率のよい位置合わせを行うことができる、結晶を含む積層構造体を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、積層構造体の製造方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、結晶性の基体の第1面の一部を覆って遮光部を配置すること、前記結晶性の基体の第1面上に単結晶をエピタキシャル成長させて積層体とすること、前記積層体の前記結晶側に感光層を形成すること、前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより前記感光層を選択的に除去することを含む方法により積層構造体を製造することで、驚くべきことに、前記結晶側に配置が必要な層の位置合わせを、容易に行うことができ、また必要に応じて、前記結晶側に必要な層の形成を反復して行えることが分かり、このような方法によれば、上記した従来の問題を一挙に解決できることを見出した。
【0013】
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 第1面と前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有して光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の第1面上の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶である結晶とを有する積層体の前記結晶側に感光層を形成すること、前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去すること、を含む、積層構造体の製造方法。
[2] 前記フォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することが、前記光の照射によって露光された露光領域以外の非露光領域において、前記感光層を除去することを含む、前記[1]記載の積層構造体の製造方法。
[3] 前記フォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することが、前記光の照射によって露光された露光領域において、前記感光層を除去することを含む、前記[1]記載の積層構造体の製造方法。
[4] 前記感光層が10nm~500nmの範囲にある波長の光に感光する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[5] 前記積層体の前記結晶側に前記感光層を形成することが、前記結晶上に直接前記感光層を形成することである、前記[1]~[4]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[6] 前記結晶側に前記感光層を形成する前に、前記積層体の前記結晶側に前記感光層とは主成分の異なる少なくとも一層を形成した後、前記少なくとも一層の層上に前記感光層を形成することを含む、前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[7] 前記少なくとも一層が、絶縁層、導電層および/または半導体層を含む、前記[6]記載の積層構造体の製造方法。
[8] 選択的に除去された前記感光層をマスクとして用いて、前記少なくとも一層を選択的に除去する前記[6]または[7]に記載の積層構造体の製造方法。
[9] 選択的に除去された前記少なくとも一層をマスクとして用いて、前記結晶上に結晶膜をエピタキシャル成長させること、を含む、前記[8]記載の積層構造体の製造方法。
[10] 前記結晶性の基体と、前記結晶とが、異なる材料を主成分として含む前記[1]~[9]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[11] 前記結晶性の基体の結晶構造と前記結晶の結晶構造が同じである、前記[1]~[10]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[12] 前記光が10nm~500nmの範囲にある波長を有する、前記[1]~[11]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[13] 前記遮光部の光透過率が、10nm~500nmの範囲にある波長の光に対して10%以下である、前記[1]~[12]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[14] 前記結晶が、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素およびダイヤモンドから選択される少なくとも1つの材料を主成分として含む、前記[1]~[13]のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
[15]
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有して光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の前記第1面の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶と、を有し、前記遮光部が前記単結晶および/または前記基体によって覆われている積層構造体。
[16] 第1面と前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有して4eV以上のバンドギャップを有する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の前記第1面の一部を覆って配置された、前記結晶性の基体のバンドギャップより低いバンドギャップを有する低バンドギャップ部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶と、を有し、前記低バンドギャップ部が前記単結晶および/または前記基体によって覆われている積層構造体。
[17] 前記遮光部が、10nm~500nmの範囲にある波長の光に対して10%以下の透過率を有する、前記[15]記載の積層構造体。
[18] 前記単結晶が、前記基体の前記第1面上に位置する第1領域と、前記低バンドギャップ部上に位置する第2領域とを有し、前記第2領域の転位密度が前記第1領域の転位密度よりも小さい、前記[16]記載の積層構造体。
[19] 前記結晶性の基体と、前記単結晶とが、異なる材料を主成分として含む、前記[15]~[18]のいずれかに記載の積層構造体。
[20] 前記結晶性の基体の結晶構造と前記単結晶の結晶構造が同じである、前記[15]~[19]のいずれかに記載の積層構造体。
[21] 前記単結晶が4eV以上のバンドギャップを有する、前記[15]~[20]のいずれかに記載の積層構造体。
[22] 前記遮光部が150nm以下の厚みを有する、前記[15]または[17]に記載の積層構造体。
[23] 前記低バンドギャップ部が、2.5eV以下のバンドギャップを有している、前記[16]記載の積層構造体。
[24] 前記結晶性の基体が、第1の結晶層と、前記第1の結晶層上に配置されて前記結晶性の基体の第1面に位置する第2の結晶層を含み、前記単結晶が、前記結晶性の基体の前記第1面に位置する前記遮光部に隣設された前記第2の結晶層に少なくとも一部が連結された第1の単結晶と、前記第1の単結晶に少なくとも一部が連結されて平面視で前記第1の結晶の外側に位置している第2の単結晶と、前記第2の単結晶に少なくとも一部が連結されて平面視で前記第2の単結晶の外側に位置している第3の単結晶を有し、前記第2の単結晶は前記第1の単結晶よりも転位が少ない、、前記[15]または[16]に記載の積層構造体。
[25] 前記第1の単結晶に少なくとも一部が形成されたトレンチを有する、前記[24]記載の積層構造体。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、結晶を含む積層構造体を工業的有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施態様において好適に用いられる結晶性の基体の態様を示す側面図である。図1(a)は、結晶性の基体が結晶基板である場合の一態様を示す。図1(b)は、結晶性の基体が、結晶基板と結晶基板上に配置された結晶層を含む場合の一態様を示す。(c)は、結晶基板と、結晶基板上に配置された結晶性の基体が2以上の結晶層を含む場合の一態様を示す。(d)は、結晶性の基体が少なくとも第1の結晶層と第1の結晶層上に配置された第2の結晶層を含む場合の一態様を示す。
図2-a】本発明の実施態様の一つとして、積層構造体の製造方法を示す概略断面図で、結晶性の基体の第1面の一部を覆って遮光部を配置し、前記結晶性の基体の第1面上に結晶をエピタキシャル成長させた積層体の一態様を示す。
図2-b】前記図2-aで示す積層体の前記結晶側に層を形成した一態様を示す。
図2-c】前記結晶性の基体の第2面側から光を照射する図を示す。
図2-d】フォトリソグラフィにより前記層を選択的に除去した図を示している。
図2-e】所望の形状(パターン)に形成された層(例えば、マスク層または電極層など)を含む積層構造体の一態様を示す。
図3-a】本発明の実施態様の一つとして、積層構造体の製造方法を示す概略断面図で、結晶性の基体の第1面の一部を覆って遮光部を配置し、前記結晶性の基体の第1面上に結晶をエピタキシャル成長させた積層体の一態様の断面図を示す。
図3-b】前記図3-aで示す積層体の前記結晶側に層を形成した一態様の断面図を示す。本実施態様において、前記層が前記結晶と遮光部上に配置された感光層である。
図3-c】前記結晶性の基体の第2面側から光を照射する断面説明図を示す。
図3-d】フォトリソグラフィにより前記層を選択的に除去した断面図を示す。本実施態様においてはポジ型の感光層を配置しており、光が照射された領域の層を除去して、光が照射されなかった領域の層が残されている。
図3-e】所望の形状に形成された層(例えば、マスク層または電極層など)を含む積層構造体の一態様を示す。
図4】本発明の実施態様の一つとして用いることのできるハライド気相成長(HVPE)装置を説明する図である。
図5】本発明の実施態様の一つで用いることのできるミストCVD装置を説明する図である。
図6】本発明の実施態様の一つとして、結晶と遮光部に対する光源からの光の透過スペクトルを示す図である。
図7】本発明の実施態様の一つとして、結晶上に配置したネガ型の感光層を有する積層体の第1面側からの写真を示す。
図8図7で示す積層体のVIII-VIII断面を示す写真である。
図9】本発明の実施態様の一つとして、結晶上に配置したポジ型の感光層を有する積層体の第1面側からの写真を示す。
図10図9で示す積層体のX-X断面を示す写真である。
図11】本発明の実施態様の一つとして、結晶上に形成したマスク層上にさらに結晶を再成長させた断面図を示す。
図12】本発明の実施態様の一つとして、積層体の写真を示す。図示するように、積層体の裏面から角度をつけて光L1およびL2を照射して、必要な層のパターンを形成することができる。
図13】本発明の実施態様の一例として、電極をパターン形成した積層構造体の断面図を示す。
図14】本発明の実施態様の一つとして、結晶性の基体上に、遮光部12を周期的に配置した断面を示す写真である。
図15】本発明の実施態様の一つとして、遮光部12を周期的に配置した結晶性の基体上に、結晶を成長させて、さらに結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより結晶上にマスク層を形成した積層構造体の平面と、一部を切り取った断面を示す写真である。
図16図15で示す写真の一部を拡大した写真である。
図17図16で示す写真をさらに拡大して参照番号をつけた写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の態様として、積層構造体の製造方法は、結晶性の基体の第1面の一部を覆って遮光部を配置すること、前記結晶性の基体の第1面上に結晶をエピタキシャル成長させて積層体とすること、前記積層体の前記結晶側に感光層を形成すること、前記結晶性の基体の第1面の反対側の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することを含むことを特長とする。本発明の実施態様において、結晶の形成方法については、結晶をエピタキシャル成長することが可能なものあれば、特に限定されず、例えば、スプレー法、ミストCVD法、HVPE法、MBE法、MOCVD法およびスパッタリング法から選択される少なくとも1つの方法により形成することができる。
【0018】
本発明の第2の態様として、積層構造体の製造方法は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有し、光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の第1面上の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶である結晶とを有する積層体の前記結晶上に直接感光層を形成すること、前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去すること、を含む。
【0019】
本発明の第3の態様として、積層構造体の製造方法は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有し、光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の第1面上の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置されている単結晶である結晶とを有する積層体の前記結晶上に、少なくとも一層を形成すること、前記少なくとも一層の層上に感光層を形成すること、前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去すること、を含む。前記少なくとも一層は、感光層の主成分となる材料とは異なる材料の主成分を含んでいる。また、本発明の実施態様において、感光層が10nm~500nmの範囲にある波長の光に感光する感光層であるのが好ましい。また、前記少なくとも一層は、絶縁体層、導電層および/または半導体層であってもよく、絶縁体層、導電層および半導体層から選択される二層以上であってもよい。本明細書で使用されるように、用語「および/または」は、関連して記載される項目のうちの1つ以上の任意の項目であることを意味し、またすべての項目の組み合わせであっても良いことを意味する。
【0020】
本発明の実施態様において、選択的に除去された前記感光層をマスクとして用いて、前記少なくとも一層を選択的に除去することができる。選択的に除去された前記少なくとも一層をマスクとして用いて、前記結晶上に結晶膜をエピタキシャル成長させることもできる。
【0021】
本発明の実施態様の一つとして、前記フォトリソグラフィにより少なくとも前記感光層を選択的に除去することが、前記光の照射によって露光された露光領域において、少なくとも前記感光層を除去することを含む。前記光が10nm~500nmの範囲にある波長を有することが好ましい。例えば、前記積層体の前記結晶上に第1の層を形成し、前記第1の層上に感光層を形成し、前記フォトリソグラフィにより前記結晶性の基体の第2面側から前記光を照射することで、前記感光層の一部の露光を行い、前記光の照射によって露光された露光領域以外の非露光領域において、少なくとも前記感光層と前記第1の層を除去することもできる。この場合、前記感光層は、ネガ型の感光層である。また、本発明の実施態様の一つとして、積層構造体の製造方法は、選択的に除去された前記第1の層をマスクとして用いて、前記結晶上に結晶膜をエピタキシャル成長させることを含む。この場合、前記第1の層は、10nm~500nmの範囲にある波長の光を透過する光透過層であるのが好ましい。例えば、本発明の実施態様において、前記フォトリソグラフィにより、前記結晶および/または結晶膜上に、欠陥の多く発生する傾向にある位置に第1の層を形成することが出来る。
【0022】
また本発明の実施態様において、前記結晶が、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素およびダイヤモンドから選択される少なくとも1つの材料を主成分として含む。
【0023】
本発明の第4の態様は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有し、光を透過する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の前記第1面の一部を覆って配置された光を遮断する遮光部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶と、を有し、前記遮光部が前記単結晶および/または前記基体によって覆われている積層構造体である。本発明の実施態様においては、前記遮光部の第1面の少なくとも一部が前記基体によって覆われており、前記遮光部の前記第1面と反対側の第2面の少なくとも一部が前記単結晶によって覆われているのが好ましい。
【0024】
本発明の第5の態様は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを少なくとも有し、4eV以上のバンドギャップを有する結晶性の基体と、前記結晶性の基体の前記第1面の一部を覆って配置された、前記結晶性の基体のバンドギャップより低いバンドギャップを有する低バンドギャップ部と、前記結晶性の基体の前記第1面上に配置された単結晶とを有し、前記低バンドギャップ部が、前記単結晶および/または前記基体によって覆われている積層構造体である。本発明の実施態様においては、前記低バンドギャップ部の第1面の少なくとも一部が前記基体によって覆われており、前記低バンドギャップ部の前記第1面と反対側の第2面の少なくとも一部が前記単結晶によって覆われているのが好ましい。
【0025】
なお、後述するが、一例として、図4図5で示すような成膜装置を用いて本発明の実施態様における結晶、結晶膜および/または結晶性の基体の少なくとも一部となる結晶層を形成することもできる。
【0026】
(基体)
前記基体は、光を透過する結晶性の基体であれば、特に限定されない。本発明の実施態様においては、通常、前記基体は、10nm~500nmの範囲にある波長の光を透過する。前記基体が結晶基板であってもよいし、前記結晶性の基体が結晶基板と結晶基板上に配置された結晶層を有していてもよい。また、実施態様の一つとして、前記結晶性の基体が結晶層であってもよいし、半導体結晶であってもよい。前記結晶性の基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状、層状などが挙げられるが、本発明の実施態様の一つにおいては、図1(a)に示すように結晶基板1であるのが好ましい。また、本発明の別の実施態様においては、結晶性の基体11が結晶層を含むのも好ましい。前記結晶層が半導体層であってもよい。例えば、図1に示すように、結晶性の基体11が結晶基板1と、前記結晶基板1上に形成された結晶層(半導体層を含む)2を有していてもよい。前記結晶基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。また、結晶性の基体として、図1(c)で示すように、結晶基板1上に前記結晶基板上に配置された第1の結晶層2と、前記第1の結晶層2上に配置された第2の結晶層3を含んでいてもよい。すなわち、バッファ層等の他の層を含めて複数の結晶層を積層して結晶性の基体11としてもよい。さらに、異なる電気導電型を有する半導体層を含めて結晶性の基体として用いてもよく、結晶性の基体自体が半導体層であってもよい。また、(d)は、結晶性の基体11が少なくとも第1の結晶層と第1の結晶層上に配置された第2の結晶層を含む場合の一態様を示す。例えば、本発明の実施態様において、結晶性の基体11が、第1の結晶層2(例えばn+型半導体層)と、前記第1の結晶層2上に配置された第2の結晶層3(例えばn-型半導体層)を含んでいてもよい。
【0027】
(結晶基板)
前記結晶性の基体が結晶基板を含む場合あるいは前記結晶性の基体が結晶基板である場合、前記結晶基板は、結晶物を主成分として含む基板であれば特に限定されず、公知の基板であってよい。絶縁体基板であってもよいし、導電性基板であってもよいし、半導体基板であってもよい。単結晶基板であってもよいし、多結晶基板であってもよい。前記結晶基板としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素およびダイヤモンドから選択される少なくとも1つの材料を含む結晶基板等が挙げられる。前記結晶基板の例として、酸化ガリウム基板、サファイア基板、GaN基板、AlN基板、AlGaN基板、コランダム構造を有する結晶物を少なくとも表面に含む基板などが挙げられる。本発明の実施態様の一つとして、前記結晶基板が金属酸化物を主成分として含むのが好ましい。なお、前記「主成分」とは、結晶基板中の組成比で、前記金属酸化物を50%以上含むものをいい、好ましくは70%以上含むものであり、より好ましくは90%以上含むものである。また、本発明の別の実施態様として、前記結晶性基板が金属窒化物を主成分として含む場合には、前記「主成分」とは、結晶基板中の組成比で前記金属窒化物を50%以上含むものをいい、好ましくは70%以上含むものであり、より好ましくは90%以上含むものである。
【0028】
本発明の実施態様の一つとして、前記結晶基板がコランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板であってもよい。前記コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板としては、例えば、サファイア基板、α型酸化ガリウム基板などが挙げられる。前記β-ガリア構造を有する結晶物を主成分として含む基板としては、例えば、β-Ga基板、またはβ-GaとAlとを含む混晶体基板などが挙げられる。なお、β-GaとAlとを含む混晶体基板としては、例えば、Alが原子比で0%より多くかつ60%以下含まれる混晶体基板などが好適な例として挙げられる。
【0029】
本発明の実施態様の一つとして、前記結晶基板が、サファイア基板であるのが好ましい。前記サファイア基板としては、例えば、c面サファイア基板、m面サファイア基板、a面サファイア基板などが挙げられる。また、前記サファイア基板はオフ角を有していてもよい。前記オフ角は、特に限定されないが、好ましくは0°~15°である。なお、前記結晶基板の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、50~2000μmであり、より好ましくは200~800μmである。
【0030】
(遮光部)
前記遮光部は、光を遮断できるものであれば、特に限定されない。本発明の実施態様においては、通常、前記遮光部は10nm~500nmの範囲にある波長に対して光透過率が10%以下である。前記遮光部は金属を含んでいてもよいし、前記遮光部がシリコン(Si)を含んでいてもよい。本発明の実施態様の一つとして、結晶性の基体上に配置された遮光部をマスクとして用いて、結晶をエピタキシャル成長することができる。
【0031】
(光源)
前記積層体に照射する光の光源は、少なくとも10nm~500nmの範囲内にある波長の光を照射することができれば特に限定されないが、本発明の実施態様においては、感光層に効率よく反応する波長として、300nm~500nmの波長の光を照射することができる光源が好ましい。
【0032】
(結晶)
前記結晶は、単結晶であれば特に限定されない。なお、前記単結晶は、回転ドメインを含んでいてもよい。本発明の実施態様においては、前記単結晶はエピタキシャル結晶であるのが好ましい。
【0033】
(感光層)
本発明の実施態様において、前記感光層は、光によって物性が変化する組成物の層であれば特に限定されず、公知の感光材料を用いて感光層を形成してもよい。本発明の実施態様においては、前記感光層が、10nm~500nmの範囲にある波長の光に感光するものであるのが好ましい。前記感光層は、前記光を受けた部分が化学反応しポリマーの極性や分子量を変えることにより現像選択性を付加される。前記光によって化学反応した部分を選択的に取り除き(ポジ型)または前記光によって化学反応した部分を選択的に残し(ネガ型)、照射した光のイメージどおりに必要な層のパターンを形成することができる。前記光を照射した後に、例えば希アルカリ水溶液を現像液として用いて、前記感光層(ポジ型の場合)の露光領域を溶解させて非露光領域を残すことも可能である。また、前記感光層(ネガ型の場合)の非露光領域を溶解させて露光領域を残すことも可能である。本発明の実施態様においては、前記感光層がフォトレジスト層であるのが好ましい。
【0034】
本発明の実施態様の一つとして、積層構造体の製造方法が、結晶性の基体の第1面の一部を覆って遮光部を配置すること、前記結晶性の基体の第1面上に結晶をエピタキシャル成長させて積層体とすること、前記積層体の前記結晶側に層を形成すること、前記結晶性の基体の第2面側から光を照射することを含むフォトリソグラフィにより前記層を選択的に除去することを含む。図2-a~図2-eに積層体14の製造方法の概略説明図を示す。図2-aで示すように、結晶性の基体11の第1面11aの一部を覆って遮光部12を配置する。前記遮光部12で覆われていない、結晶性の基体11の第1面11aにエピタキシャル成長させて結晶13を形成する。このようにして、第1面11aと、前記第1面11aの反対側の第2面11bとを少なくとも有し、光を透過する結晶性の基体11と、前記結晶性の基体11の前記第1面11aの一部を覆って配置された光を遮断する遮光部12と、前記結晶性の基体11の前記第1面11a上にエピタキシャル成長されている結晶13と、を有する、積層体14を得ることができる。本実施態様において、前記結晶性の基体11は、4eV以上のバンドギャップを有している。また、実施態様の一つとして、前記遮光部は、前記結晶性の基体のバンドギャップよりも低いバンドギャップを有していてもよい。例えば、前記遮光部のバンドギャップは、2.5eV以下のバンドギャップとすることができる。図2-aで示すように、エピタキシャル成長された結晶13は、遮光部12の少なくとも一部を覆って成長されており、遮光部12全体を覆うように成長させてもよい。次に、前記結晶13上に層17を形成して、図2-bに示す積層体14を得る。前記層17は目的に応じて、一層としてもよいし、二層あるいは三層以上配置してもよい。本実施態様において、前記層17を形成することが、前記結晶13上に第1の層15を形成し、前記第1の層15上に第2の層16を形成することを含んでいる。前記層17が前記結晶13と前記遮光部12上に配置された第1の層15と、前記第1の層15上に配置された第2の層16とを有している。なお、本実施態様においては、例えば、第1の層15をマスク層または電極層とし、第2の層16を感光層として、積層体14を準備した。次に図2-cで示すように、前記結晶性の基体11の第1面11aの反対側である第2面11b側、すなわち前記積層体14の第2面14b側から光を照射し、フォトリソグラフィにより前記層17を選択的に除去して、図2-dで示す積層体14を得る。前記フォトリソグラフィが、前記感光層16の一部の露光を行うことにより、前記露光を行った露光領域以外の非露光領域において、露光現像により前記感光層16を除去し、エッチングにより第1の層15を除去し、結果、前記層17を除去して、図2-eに示す積層構造体18を得ることができる。この場合、前記感光層16は、ネガ型の感光層であり、光が照射されなかった領域が除去されて、光を照射した領域の層17’(ここでは層17’は第1の層15’と第2の層16’を含む)を残している。次に、図2-eで示すように、残った第1の層16’を除去して所望の形状に配置された第1の層15’(ここでは、例えば、マスク層または電極層など)を有する積層構造体を得ることができる。
【0035】
本実施態様の一つとして、例えば、前記第1の層15は前記結晶13よりも電気絶縁性の高い材料で形成することもでき、この場合には、前記第1の層15が半絶縁体材料や絶縁体材料であるのが好ましい。半絶縁体材料としては、例えば、ポリシリコン(多結晶シリコン)、アモルファスシリコン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)およびドーピング処理していない結晶層や、マグネシウム(Mg)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ベリリウム(Be)、セシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等の半絶縁体ドーパントを含む結晶層が挙げられる。また、絶縁体材料としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)や窒化ケイ素(Si)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、Hf(ハフ二ウム)、Ta(タンタル)、スズ(Sn)等の酸化物、窒化物または炭化物等が挙げられる。なお、本実施態様においては、前記第1の層15が絶縁体からなるのが好ましい。基体11は、第1面11aと第1面11aの反対側の第2面11bとを有している。基体11の第1面11a上に第1の層15(以下、「マスク層」または「第1のマスク層」ともいう)を形成し、例えば、第1の層15上に第2の層16として感光層を形成する。本実施態様では、前記第2の層16は、ネガ型の感光層のため、光を照射した領域の層17’をマスク層15’とすることで、図11で示すように、前記結晶13上に、さらに結晶を再成長させて結晶膜130とすることができる。本実施態様においては、遮光部を第1のマスク層としても利用できる。第1のマスク層から露出されている結晶性の基体の第1面から結晶がエピタキシャル成長し、基体からエピタキシャル成長する位置で転位が発生する傾向にあり、横方向成長する結晶を含む位置で転位が低減できることから、例えば、転位の発生した位置をねらって選択的に第2のマスク層を配置することもできる。本発明の実施態様において、マスク層の位置合わせおよび/または形成を容易に行うことができる。また、結晶を再成長させた後に、前記結晶性の基体上に配置された遮光部を利用して、再度マスク層を形成し、反復して結晶の再成長を行うことが可能となる。品質の良い結晶が得られた段階で、前記遮光部を再度利用して、電極層の位置合わせを行うこともできる。
【0036】
本発明の実施態様の一つとして、図3に積層構造体18の製造方法の概略説明図を示す。図3-aで示すように、結晶性の基体11の第1面11aの一部を覆って遮光部12を配置する。前記遮光部12で覆われていない、結晶性の基体11の第1面11aにエピタキシャル成長させて結晶13を形成する。図3-aで示すように、エピタキシャル成長された結晶13は、遮光部12の少なくとも一部を覆って成長されており、遮光部12全体を覆うように成長させてもよい。次に、前記結晶13上に層17を形成して、図3-bに示す積層体14を得る。前記層17は目的に応じて、一層としてもよいし、二層あるいは三層以上配置してもよい。本実施態様では、前記層17が前記結晶13と前記遮光部12上に配置された感光層16として、複数の層を含む積層体14を準備した。次に図3-cで示すように、前記結晶性の基体11の第1面11a側、すなわち前記積層体14の第1面14aの反対側である第2面11b側、すなわち前記積層体14の第2面14b側から光を照射し、フォトリソグラフィにより前記層17を選択的に除去して、図3-dに示す積層体14を得る。前記フォトリソグラフィが、前記層17の一部の露光を行うことにより、前記露光を行った露光領域において、前記層17を除去することができる。この場合、前記感光層16は、ポジ型の感光層16を前記層17として配置しており、光が照射された領域の感光層16を除去して、光が照射されなかった領域の感光層16’が残されている。本実施態様においては、感光層16が除去された領域にマスク層を形成することで、図3-eで示されるように、図2-eで示される積層構造体18と同じ積層構造体を得ることもできる。上記のようなネガ型および/またはポジ型の感光層を組み合わせることで、結晶上に配置する層の形成および/または位置合わせを容易に、また必要に応じて反復して行える。品質の良い結晶が得られた段階で、前記遮光部を再度利用して、電極層の位置合わせを行うこともできる。
【0037】
本発明の実施態様の一つとして、積層体に光を照射する説明図を図12に示す。光の照射については、結晶性の基体11の第1面からエピタキシャル成長する結晶13の成長方向に角度をつけず光L1を照射することができるし、光L2のように角度をつけて光を照射することもできる。本実施態様においては、光L1で示すように前記結晶性の基体11の第2面に垂直な方向と、光L2で示すように前記結晶性の基体11の第2面に角度をつけた方向に光を照射した。結晶性の基体に垂直および/または角度をつけて光を照射することで、適切な位置に感光層をパターン形成することが可能となる。
【0038】
本発明の実施態様の一つとして、図6に、結晶が酸化ガリウム(Ga)であって、遮光部(厚さ100nm)がシリコン(Si)である場合の、照射する光の透過スペクトル(g線=436nm、h線=405nm、i線=365nm)を示す。照射する光の透過スペクトルに対して、結晶(Ga)は75%以上の光透過率を有しており、基体上に配置された遮光部の光透過率が5%以下であることが分かる。本発明の実施態様においては、前記結晶性の基体と前記結晶とが、300nm~500nmの波長の光を50%以上透過することが好ましく、70%以上透過することがより好ましい。
【0039】
また、本発明の実施態様の一つとして、図13に、結晶13上に複数の電極15’をパターン形成した積層構造体18を示す。例えば、遮光部12を用いて、裏面露光を含むフォトリソグラフィによりマスクをパターン形成して結晶を再成長させた後に、再び同じ遮光部12を用いて裏面露光を含むフォトリソグラフィにより電極をパターン形成することができる。基体上に配置した遮光部を反復して用いることが可能となるので、積層構造体および/または半導体装置の工程が増えるのを抑制することができる。本発明の態様は、例えば、ヘテロエピタキシャル成長させる結晶を含む積層構造体のマスクパターンの位置合わせおよび形成や、電極層の位置合わせおよび形成、トレンチの位置合わせなどにも利用することができる。
【0040】
また、前記遮光部は、本発明の実施態様においては、結晶性の基体上に周期的に形成されているのが好ましく、周期的かつ規則的にパターン化されているのがより好ましい。前記遮光部の形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、ドット状、メッシュ状またはランダム状などが挙げられるが、本発明においては、ストライプ状が好ましい。
【0041】
前記遮光部の構成材料は、特に限定されず、公知の材料であってよい。絶縁体材料であってもよいし、導電体材料であってもよいし、半導体材料であってもよい。また、前記構成材料は、非晶であってもよいし、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。本発明の実施態様においては、前記遮光部の構成材料が、Siであるのが好ましい。また、カーボンブラックなどの遮光性粒子を含有させたSiO、SiNまたは多結晶シリコンを主成分として含むSi含有化合物を遮光部として配置することもできる。前記遮光部の別の構成材料の例として、前記結晶性酸化物半導体の結晶成長温度よりも高い融点を有する金属(例えば、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどの貴金属等)などが挙げられる。なお、前記構成材料の含有量は、前記遮光部中、組成比で、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。
【0042】
前記遮光部の形成手段としては、公知の手段であってよく、例えば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザーパターニング、その後のエッチング(例えばドライエッチングまたはウェットエッチング等)などの公知のパターニング加工手段などが挙げられる。また、例えば、スプレー法、ミストCVD法、HVPE法、MBE法、MOCVD法、スパッタリング法、印刷等により遮光部を形成してもよい。本発明においては、前記遮光部がストライプ状またはドット状であるのが好ましく、ストライプ状であるのがより好ましい。また、本発明においては、前記結晶基板が、PSS(Patterned Sapphire Substrate)基板であるのも好ましい。前記PSS基板のパターン形状は、特に限定されず、公知のパターン形状であってよい。前記パターン形状としては、例えば、円錐形、釣鐘形、ドーム形、半球形、正方形または三角形のピラミッド形等が挙げられるが、本発明においては、前記パターン形状が、円錐形であるのが好ましい。また、前記パターン形状のピッチ間隔も、特に限定されないが、本発明においては、5μm以下であるのが好ましく、1μm~3μmであるのがより好ましい。
【0043】
なお、遮光部の厚さは特に限定されないが、本発明の実施態様においては、前記遮光部の厚さを150nm以下と薄膜にすることも可能であることから、積層構造体の厚みに大きな影響を与えることなく、反復して結晶上に必要な層(マスク層や電極層等)および/またはトレンチ等を適切な位置に必要な大きさで容易に形成することができる。
【0044】
また、本発明の実施態様の一つとして、図14の断面図で示すように、サファイア基板1上に結晶層2(α-Ga)を形成したものを結晶性の基体11とした。前記結晶性の基体11の第1面11a(ここでは結晶層2)上に遮光部12を周期的に配置して、結晶性の基体11の第1面上に、α-Gaをエピタキシャル成長させて結晶13とした。異種基板であるサファイア基板上にα-Ga(ここでは結晶層2および結晶13)をエピタキシャル成長(ここではヘテロエピタキシャル成長)させており、結晶性の基体11の第1面上(遮光部12に覆われていない部分)から略垂直方向(垂直方向と前記垂直方向に対して±30°を含む方向)に転位が伸びていることが分かる。前記結晶性の基体11の第2面11bから光を照射することを含むフォトリソグラフィにより、例えば、転位の上に合わせて精度良く、ELO成長用のマスク層を電子ビームによって蒸着形成することも可能となる。また、転位の伸びる位置に合わせて精度良くトレンチを形成することも可能になる。
【0045】
本発明の実施態様の一つとして、図15の断面図で示すように、結晶性の基体11の第1面11a上に遮光部12をストライプ状に配置した。図16は、図15で示す写真の一部を拡大した写真を示し、図17は、図16で示す写真をさらに拡大して、参照番号をつけた。詳細には、本実施態様において、結晶性の基体11として、サファイア基板1上にα-Gaの結晶層2を配置したものを用いた。前記結晶性の基体11の第1面11a(ここではα-Gaの結晶層2)上に、遮光部12をストライプ状に配置した。なお、本実施態様の遮光部12は、結晶性の基体11の第1面11a上に配置されたSiO層と前記SiO層上に配置されたSi層の二層を含むものとした。前記遮光部12は、2.5eV以下の低バンドギャップを有している。前記ストライプ状に遮光部12が配置された結晶性の基体11の第1面11a上に結晶13を成長させた。図14で示す実施態様と同様に、本実施態様においてもα-Ga(ここでは結晶層2および結晶13)は、異種基板であるサファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長されている。本実施態様では、前記結晶13が位置する、前記結晶性の基体11の第1面11a上にポジ型の感光層16を形成して、前記結晶13も覆った。なお、前記結晶性の基体11(ここではサファイア基板1とα-Gaの結晶層2)と前記結晶13は4eV以上のバンドギャップを有している。前記結晶性の基体11の第2面11b側から、10nm~500nmの範囲にある波長の光を照射することで、遮光部12に隣設された結晶性の基体11の露出領域に前記光が入射して、前記結晶性の基体11の第2面11bに対して垂直だけでなく角度をつけて斜め方向にも光を入射させることで、図17で示すように前記感光層16の露光領域を矢印方向(または矢印と逆方法)にずらすことができる。角度を変えて光を入射させることで、露光領域を変えることも自在に行える。本実施態様では、前記感光層16の露光領域を現像して除去し、さらに層17を形成した。本実施態様では、層17としてSiO層を電子ビームにより蒸着して形成した。図14の写真で示すように、転位の伸びる位置に合わせて層17を形成することが可能で、また、前記層17は10nm~500nmの範囲にある波長の光を透過する層なので、前記層17をマスクとして用いて前記結晶を再成長させて転位を低減させた後に、再びフォトリソグラフィを用いて、必要な層やトレンチ等の位置合わせを行うことができる。本実施態様においては、繰り返しフォトリソグラフィを行うことができるため、特にヘテロエピタキシャル成長される結晶を含む半導体装置の製造方法に適している。なお、本実施態様のように、遮光部が規則的にパターン形成(ここでは周期的なストライプ状に配置)されているのが好ましい。なお、半導体膜上のPt皮膜は、観察を容易にする目的で設けたものである。
【0046】
本発明の実施態様においては、前記結晶性の基体の少なくとも一部として、図1(b)で示すように、結晶基板上に結晶層2として応力緩和層等を含むバッファ層を設けてもよく、バッファ層を設ける場合には、バッファ層上でも前記遮光部を形成してもよい。また、遮光部よりも光透過率の高い凸凹形状を前記結晶層2上に設けてもよい。また、本発明の実施態様の一つとして、前記結晶基板が、表面の一部または全部に、バッファ層を有しているのも好ましい。前記バッファ層の形成方法は、特に限定されず、公知の形成方法であってよい。前記形成方法としては、例えば、スプレー法、ミストCVD法、HVPE法、MBE法、MOCVD法、スパッタリング法等が挙げられる。本発明においては、前記バッファ層が、ミストCVD法により形成されているのが、前記バッファ層上に形成される前記結晶膜の膜質をより優れたものとでき、特に、チルト等の結晶欠陥を抑制できるため、好ましい。以下、前記バッファ層をミストCVD法により形成する好適な態様を、より詳細に説明する。
【0047】
前記バッファ層は、好適には、例えば、原料溶液を霧化して霧化液滴を得ること(霧化工程)、得られた霧化液滴をキャリアガスを用いて前記基板まで搬送すること(搬送工程)、前記基板および/または基体の表面の一部または全部で、前記霧化液滴を熱反応させる(バッファ層形成工程)ことにより形成することができる。
【0048】
(霧化工程)
霧化工程は、前記原料溶液を霧化して霧化液滴を得る。前記原料溶液の霧化方法は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化方法が好ましい。超音波を用いて得られた霧化液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは0.1~10μmである。
【0049】
(原料溶液)
前記原料溶液は、ミストCVDにより、前記バッファ層、結晶、結晶層、および/または半導体層が得られる溶液であれば特に限定されない。前記原料溶液としては、例えば、霧化用金属の有機金属錯体(例えばアセチルアセトナート錯体等)やハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物等)の水溶液などが挙げられる。前記霧化用金属は、特に限定されず、このような霧化用金属としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属等が挙げられる。本発明の実施態様においては、前記霧化用金属が、ガリウム、インジウムまたはアルミニウムを少なくとも含むのが好ましく、ガリウムを少なくとも含むのがより好ましい。原料溶液中の霧化用金属の含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、0.001モル%~50モル%であり、より好ましくは0.01モル%~50モル%である。
【0050】
また、原料溶液には、ドーパントが含まれているのも好ましい。原料溶液にドーパントを含ませることにより、イオン注入等を行わずに、結晶構造を壊すことなく、バッファ層、結晶層、および/または半導体層の導電性を容易に制御することができる。本発明においては、前記ドーパントがスズ、ゲルマニウム、またはケイ素であるのが好ましく、スズ、またはゲルマニウムであるのがより好ましく、スズであるのが最も好ましい。前記ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm~1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよいし、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。本発明の実施態様においては、ドーパントの濃度が1×1020/cm以下であるのが好ましく、5×1019/cm以下であるのがより好ましい。
【0051】
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましく、水であるのが最も好ましい。前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられるが、本発明においては、超純水が好ましい。
【0052】
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記霧化液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
【0053】
(バッファ層、結晶、結晶層および/または半導体層の形成工程)
バッファ層、結晶、結晶層および/または半導体層(以下、結晶層ともいう)の形成工程では、成膜室内で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基板上に、前記結晶層を形成する。熱反応は、熱でもって前記霧化液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、400℃~650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、結晶層の厚みは、形成時間を調整することにより、設定することができる。
【0054】
上記のようにして、前記結晶基板上の表面の一部または全部に、結晶を形成してバッファ層を有する基体とし、前記基体の該バッファ層上に上記した遮光部を配置し、さらに結晶を上記した方法を用いてエピタキシャル成長させることができる。前記基体上に配置された遮光部により、基体上に凹凸部が形成されることから、横方向成長を含む結晶を得ることができ、前記結晶上に層を形成することにより、前記結晶におけるチルト等の欠陥をより低減することができ、膜質をより優れた結晶膜とすることができる。また、上記のように、前記結晶膜を半導体装置の半導体層として用いることも可能であり、前記遮光部を用いて、前記半導体層上に電極などのパターンを形成することもできる。
【0055】
また、前記結晶は、単結晶であれば、特に限定されないが、本発明の実施態様の一つにおいては、金属酸化物を主成分として含んでいるのが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物などが挙げられる。本発明においては、前記金属酸化物が、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有するのが好ましく、少なくともインジウムまたは/およびガリウムを含んでいるのがより好ましく、少なくともガリウムを含んでいるのが最も好ましい。本発明の成膜方法の実施形態の一つとして、バッファ層が金属酸化物を主成分として含み、バッファ層が含む金属酸化物がガリウムと、ガリウムよりも少ない量のアルミニウムを含んでいてもよい。また、本発明の成膜方法の実施形態の一つとして、バッファ層が超格子構造を含んでいてもよい。なお、本発明の実施態様において、「主成分」とは、前記金属酸化物が前記結晶の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。また、前記結晶と前記バッファ層とは、本発明の目的を阻害しない限り、それぞれ互いに主成分が同一であってもよいし、異なっていてもよいが、本発明の実施態様においては、同一であるのが好ましい。
【0056】
本発明においては、前記バッファ層が設けられていてもよい前記結晶基板上に金属含有原料ガス、酸素含有原料ガス、反応性ガスおよび所望によりドーパント含有ガスを供給し、反応性ガスの流通下で成膜する。本発明においては、前記成膜が、加熱されている基板上で行われるのが好ましい。前記成膜温度は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、900℃以下が好ましくい。前記結晶がコランダム構造を有する場合には400℃~700℃であるのが好ましい。また、前記成膜は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非真空下、還元ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下および酸化ガス雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、常圧下、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、常圧下または大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は成膜時間を調整することにより、設定することができる。
【0057】
なお、本発明の実施態様における結晶は、スプレー法、ミストCVD法、HVPE法、MBE法、MOCVD法およびスパッタリング法から選択される少なくとも1つの方法により形成される。
【0058】
前記結晶の形成方法の一例として、図4で示すHVPE装置を用いて結晶を形成する場合について説明する。例えば、金属を含む金属源をガス化して金属含有原料ガスとし、ついで、前記金属含有原料ガスと、酸素含有原料ガスとを反応室内の、遮光部が一部に配置された結晶性の基体上に供給して結晶をエピタキシャル成長することができる。また、前記結晶をエピタキシャル成長する際に、前記金属含有原料ガスと酸素含有原料ガスと反応性ガスとを、前記遮光部が一部に配置された結晶性の基体上に供給し、前記結晶のエピタキシャル成長を行うことができる。HVPE装置50は、例えば、反応室51と、金属源57を加熱するヒータ52aおよび基体ホルダ56に固定されている基体を加熱するヒータ52bとを備えている。さらに、反応室51内に、酸素含有原料ガス供給管55bと、反応性ガス供給管54bと、基体を設置する基体ホルダ56とを備えていてもよい。そして、反応性ガス供給管54b内には、金属含有原料ガス供給管53bが備えられており、二重管構造を形成している。なお、酸素含有原料ガス供給管55bは、酸素含有原料ガス供給源55aと接続されており、酸素含有原料ガス供給源55aから酸素含有原料ガス供給管55bを介して、酸素含有原料ガスが基体ホルダ56に固定されている基体に供給可能なように、酸素含有原料ガスの流路を構成している。また、反応性ガス供給管54bは、反応性ガス供給源54aと接続されており、反応性ガス供給源54aから反応性ガス供給管54bを介して、反応性ガスが基体ホルダ56に固定されている基体に供給可能なように、反応性ガスの流路を構成している。金属含有原料ガス供給管53bは、ハロゲン含有原料ガス供給源53aと接続されており、ハロゲン含有原料ガスが金属源に供給されて金属含有原料ガスとなり金属含有原料ガスが基体ホルダ56に固定されている基体に供給される。反応室51には、使用済みのガスを排気するガス排出部59が設けられており、さらに、反応室51の内壁には、反応物が析出するのを防ぐ保護シート58が備え付けられている。
【0059】
(金属源)
前記金属源は、金属を含んでおり、ガス化が可能なものであれば、特に限定されず、金属単体であってもよいし、金属化合物であってもよい。前記金属としては、例えば、ガリウム、アルミニウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属等が挙げられる。本発明の実施態様においては、前記金属が、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる1種または2種以上の金属であるのが好ましく、ガリウムであるのがより好ましく、前記金属源が、ガリウム単体であるのが最も好ましい。また、前記金属源は、気体であってもよいし、液体であってもよいし、固体であってもよいが、本発明の実施態様においては、例えば、前記金属としてガリウムを用いる場合には、前記金属源が液体であるのが好ましい。
【0060】
前記ガス化の手段は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段であってよい。本発明の実施態様においては、前記ガス化の手段が、前記金属源をハロゲン化することにより行われるのが好ましい。前記ハロゲン化に用いるハロゲン化剤は、前記金属源をハロゲン化できさえすれば、特に限定されず、公知のハロゲン化剤であってよい。前記ハロゲン化剤としては、例えば、ハロゲンまたはハロゲン化水素等が挙げられる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等が挙げられる。また、前記ハロゲン化水素としては、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。本発明においては、前記ハロゲン化に、ハロゲン化水素を用いるのが好ましく、塩化水素を用いるのがより好ましい。本発明においては、前記ガス化を、前記金属源に、ハロゲン化剤として、ハロゲンまたはハロゲン化水素を供給して、前記金属源とハロゲンまたはハロゲン化水素とをハロゲン化金属の気化温度以上で反応させてハロゲン化金属とすることにより行うのが好ましい。前記ハロゲン化反応温度は、特に限定されないが、本発明においては、例えば、前記金属源がガリウムであり、前記ハロゲン化剤が、HClである場合には、900℃以下が好ましい。β-Gaを主成分として含む結晶をエピタキシャル成長(この場合は、ホモエピタキシャル成長)させる場合には、650℃よりも高い温度であるのが好ましい。α-Gaを主成分として含む結晶をエピタキシャル成長(この場合は、ヘテロエピタキシャル成長)させる場合には、前記反応温度は650℃以下の温度であるのが好ましく、400℃~650℃であるのが最も好ましい。前記結晶がコランダム構造を有し、ガリウムとアルミニウムの金属酸化物を主成分として含む場合には、ガリウムとアルミニウムの比率によるが、前記反応温度は500℃~750℃であるのが好ましい。前記金属含有原料ガスは、前記金属源の金属を含むガスであれば、特に限定されない。前記金属含有原料ガスとしては、例えば、前記金属のハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)等が挙げられる。
【0061】
本発明の実施態様においては、金属を含む金属源をガス化して金属含有原料ガスとした後、前記金属含有原料ガスと、前記酸素含有原料ガスとを、前記反応室内の基板上に供給する。また、本発明においては、反応性ガスを前記基体上に供給する。前記酸素含有原料ガスとしては、例えば、Oガス、COガス、NOガス、NOガス、NOガス、HOガスまたはOガス等が挙げられる。本発明の実施態様においては、前記酸素含有原料ガスが、O、HOおよびNOからなる群から選ばれる1種または2種以上のガスであるのが好ましく、Oを含むのがより好ましい。なお、本発明の実施形態の一つとして、前記酸素含有原料ガスはCOを含んでいてもよい。前記反応性ガスは、通常、金属含有原料ガスおよび酸素含有原料ガスとは異なる反応性のガスであり、不活性ガスは含まれない。前記反応性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、エッチングガス等が挙げられる。前記エッチングガスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のエッチングガスであってよい。本発明の実施態様においては、前記反応性ガスが、ハロゲンガス(例えば、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガスまたはヨウ素ガス等)、ハロゲン化水素ガス(例えば、フッ酸ガス、塩酸ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス等)、水素ガスまたはこれら2種以上の混合ガス等であるのが好ましく、ハロゲン化水素ガスを含むのが好ましく、塩化水素を含むのが最も好ましい。なお、前記金属含有原料ガス、前記酸素含有原料ガスまたは前記反応性ガスは、キャリアガスを含んでいてもよい。前記キャリアガスとしては、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス等が挙げられる。また、前記金属含有原料ガスの分圧は特に限定されないが、本発明においては、0.5Pa~1kPaであるのが好ましく、5Pa~0.5kPaであるのがより好ましい。前記酸素含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明においては、前記金属含有原料ガスの分圧の0.5倍~100倍であるのが好ましく、1倍~20倍であるのがより好ましい。前記反応性ガスの分圧も、特に限定されないが、本発明においては、前記金属含有原料ガスの分圧の0.1倍~5倍であるのが好ましく、0.2倍~3倍であるのがより好ましい。
【0062】
本発明の実施態様においては、さらに、ドーパント含有ガスを前記基板に供給するのも好ましい。前記ドーパント含有ガスは、ドーパントを含んでいれば、特に限定されない。前記ドーパントも、特に限定されないが、本発明においては、前記ドーパントが、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブおよびスズから選ばれる1種または2種以上の元素を含むのが好ましく、ゲルマニウム、ケイ素、またはスズを含むのがより好ましく、ゲルマニウムを含むのが最も好ましい。このようにドーパント含有ガスを用いることにより、得られる膜の導電率を容易に制御することができる。前記ドーパント含有ガスは、前記ドーパントを化合物(例えば、ハロゲン化物、酸化物等)の形態で有するのが好ましく、ハロゲン化物の形態で有するのがより好ましい。前記ドーパント含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明の実施態様においては、前記金属含有原料ガスの分圧の1×10-7倍~0.1倍であるのが好ましく、2.5×10-6倍~7.5×10-2倍であるのがより好ましい。なお、本発明の実施態様においては、前記ドーパント含有ガスを、前記反応性ガスとともに前記基体上に供給するのが好ましい。半導体としては、例えば、炭化珪素(Silicon Carbide)や、窒化ガリウム(Gallium Nitride)、窒化インジウム(Gallium Indium)、窒化アルミニウム(Gallium Alminium)およびそれらの混晶を含めた窒化ガリウム窒化物半導体を主成分として含んでいてもよいし、結晶性金属酸化物を主成分として含んでいてもよい。前記結晶性金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物などが挙げられる。本発明においては、前記結晶性金属酸化物が、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有するのが好ましく、少なくともインジウムまたは/およびガリウムを含んでいるのがより好ましく、ガリウムまたはその混晶であるのが最も好ましい。なお、本発明の実施態様の一つとして、半導体膜が主成分として結晶性金属酸化物を含む場合、「主成分」とは、前記結晶性金属酸化物が、原子比で、前記結晶膜の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。前記結晶性金属酸化物の結晶構造は、特に限定されないが、本発明の実施態様の一つとして、コランダム構造またはβガリア構造であるのが好ましく、コランダム構造であるのがより好ましく、前記半導体膜が、コランダム構造を有する結晶成長膜であるのが最も好ましい。本発明の実施態様の一つとして、得ようとする半導体膜が前記結晶性金属酸化物を主成分として含む場合、前記基体の少なくとも一部として、コランダム構造を含む基板を用いて、前記バッファ層、結晶層、および/または半導体層の成膜を行うことにより、コランダム構造を有する結晶成長膜を得ることができる。前記結晶性金属酸化物は、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよいが、本発明の実施態様においては、単結晶であるのが好ましい。また、前記結晶の膜厚は、特に限定されないが、1μm以上であるのが好ましい。前記結晶は、本発明の実施態様において、3μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましく、20μm以上であるのが最も好ましい。
【0063】
本発明の製造方法によって得られた結晶は、半導体膜として、特に、半導体装置に好適に用いることができ、とりわけ、パワーデバイスに有用である。前記結晶膜を用いて形成される半導体装置としては、MIS(Metal-Insulator-semiconductor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)等のトランジスタやTFT(Thin Film Transistor)、半導体‐金属接合を利用したショットキーバリアダイオード、他のP層と組み合わせたPN又はPINダイオード、受発光素子が挙げられる。本発明の実施態様においては、前記マスクが形成された基体上に半導体膜をエピタキシャル成長させることで、そのまま半導体装置等に用いることができるという利点がある。また、前記基体等から剥離する等の公知の手段を用いた後に、半導体装置等に適用してもよい。
【実施例
【0064】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
1.基体の準備
基体として結晶基板を用いることもできる。また、例えば、下記3-1で示されるような成膜装置を用いて、結晶基板上に結晶層を形成してバッファ層とし、基体とすることもできる。
【0066】
2.遮光部の形成
上記1.で得られた結晶性の基体であるサファイア基板の第1面の一部を覆うように、プラズマ強化CVD法により、液体オルトケイ酸テトラエチルを用いてケイ素(Si)の遮光部を形成した。遮光部の膜厚は100nmであった。
【0067】
3.半導体膜の形成
3-1.成膜装置
図5を用いて、本実施例で用いた成膜装置として、ミストCVD装置19を説明する。ミストCVD装置19は、キャリアガスを供給するキャリアガス供給源22aと、キャリアガス供給源22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源22bと、キャリアガス(希釈)源22bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、成膜室30と、ミスト発生源24から成膜室30までをつなぐ石英製の供給管27と、成膜室30内に設置されたホットプレート28と、排気口29とを備えている。ホットプレート28上には、成膜する対象物(結晶基板および/または結晶性の基体)20が設置される。なお、本発明の実施態様における成膜装置として、エピタキシャル成長させることが可能な装置を用いることができるが、そのような装置の一例として、図5で示されるミストCVD装置を用いた。
【0068】
3-2.原料溶液の作製(結晶の形成)
臭化ガリウムを超純水に混合し、ガリウム0.05mol/Lとなるように水溶液を調整し、この際、さらに臭化水素酸を体積比で20%となるように含有させ、これを原料溶液とした。
【0069】
3-3.成膜準備(結晶の形成)
上記3-2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、2-3.で得た傾斜面を有するマスクが配置された基体を被成膜対象物20として、ホットプレート28上に設置して、基体の温度を630℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23aおよび23bを開いてキャリアガス源22aおよびキャリアガス(希釈)源22bからキャリアガスを成膜室30内に供給し、成膜室30の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を0.8L/min、キャリアガス(希釈)の流量を0.2L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
【0070】
3-4.成膜(結晶の形成)
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを微粒子化させて原料微粒子を生成した。この原料微粒子が、キャリアガスによって成膜室30内に導入され、630℃にて、成膜室30内で反応して、前記2.で得られた、遮光部が一部に配置された結晶性の基体20上に結晶(Ga)13をエピタキシャル成長させた。なお、成膜時間は3.5時間であった。前記結晶は、X線回折装置で同定したところ、α-Gaであった。
【0071】
3-5.層の形成
次に、結晶13上に層17を形成した。図7および図8で示すようにネガ型の感光層16を用いてフォトリソグラフィによりストライプ状に前記結晶13上に形成した。前記感光層16が、平面視で遮光部と重ならない位置に残されて、平面視で遮光部と重なる位置から選択的に除去することができた。
【0072】
(実施例2)
実施例1に記載の3-1.~3-4.と同様にして、遮光部が一部に配置された結晶性の基体20上に結晶(Ga)13をエピタキシャル成長させた。次に、結晶13上に層17を形成した。図9および図10で示すようにポジ型の感光層16を用いて、感光層16が、平面視で遮光部と重なる位置に残されて、平面視で遮光部と重ならない位置から選択的に除去することができた。本発明の実施態様によれば、前記基体上に配置した遮光部を用いて、反復的に必要な層の形成や位置合わせを行うことができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の製造方法は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、特に、pn接合を有する半導体装置、電源などに用いられるパワー半導体を含む半導体装置の製造等に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 結晶基板
2 結晶層(第1の結晶層)
3 結晶層(第2の結晶層)
11 結晶性の基体
11a 結晶性の基体の第1面
11b 結晶性の基体の第2面
12 遮光部
13 単結晶
14 積層体
14a 積層体の第1面
14b 積層体の第2面
15 第1の層
15’ 形成されたパターン
16 感光層
16’ 感光層(露光後)
17 層
17’ 層(露光後)
18 積層構造体
19 ミストCVD装置
20 被成膜対象物
21 試料台
22a キャリアガス源
22b キャリアガス(希釈)源
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ホットプレート
29 排気口
30 成膜室
50 ハライド気相成長(HVPE)装置
51 反応室
52a ヒータ
52b ヒータ
53a 金属含有原料ガス供給源
53b 金属含有原料ガス供給管
54a 反応性ガス供給源
54b 反応性ガス供給管
55a 酸素含有原料ガス供給源
55b 酸素含有原料ガス供給管
56 基体ホルダ
57 金属源
58 保護シート
59 ガス排出部
130 結晶膜

図1
図2-a】
図2-b】
図2-c】
図2-d】
図2-e】
図3-a】
図3-b】
図3-c】
図3-d】
図3-e】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17