(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、情報処理装置、サーバおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20240903BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240903BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240903BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/44
A63F13/798
A63F13/814
A63F13/69
A63F13/52
(21)【出願番号】P 2022185540
(22)【出願日】2022-11-21
(62)【分割の表示】P 2020135555の分割
【原出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】503057374
【氏名又は名称】株式会社アニプレックス
(73)【特許権者】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(73)【特許権者】
【識別番号】502251359
【氏名又は名称】有限会社ノーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】塩川 洋介
(72)【発明者】
【氏名】中尾 彩子
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/105238(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0004016(KR,A)
【文献】ゲーム「アイドルタイムプリパラ」ドリームシアターデビュー編(初心者向け),ビビビッ [online],2017年07月31日,<URL:https://vivibit.net/dreamtheater/>,[2024年5月10日検索]
【文献】アイドルタイムプリパラ26「ぷりぱら☆ララン」ドリームシアター(マイドレスデザイン),YouTube [online] [video],2017年11月03日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=Pb1IW4xZgnY>,[2024年5月10日検索]
【文献】[メモリン]メモリーズ・オブ・リンク Memorin 03,YouTube [online] [video],2019年06月06日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=QU4TxXzi6RO>,[2024年5月10日検索]
【文献】[SFC]星のカービィ スーパーデラックス [#6 銀河に願いを],YouTube [online] [video],2019年09月27日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=S8Y5ceP8yMg>,[2024年5月16日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
音楽の出力にあわせてプレイヤーが所定のタイミングで操作入力を行うことで進行する音楽ゲームであって、かつ、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示される音楽ゲームを実行する機能と、
前記音楽ゲームの実行中にプレイヤーの所定の操作が入力された場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを
第1のアイテムから第2のアイテムに変更する機能と、
前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第2のアイテムに変更してから前記第2のアイテムの有効期間が終了した場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムに戻すとともに、前記第2のアイテムへの復帰条件を表示させる機能と、
前記復帰条件が満たされた場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムから前記第2のアイテムに再度変更する機能と、
を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記アイテムは、前記音楽ゲームにおいて前記プレイヤーに利益をもたらすものである、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータのタッチスクリーンに入力された前記所定の操作を受け付ける機能を前記コンピュータにさらに実現させる、
請求項1
または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記所定の操作は、所定方向へのフリック操作である、
請求項
3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記音楽ゲームにおいて前記キャラクタが身につけるアイテムの変更における複数の候補の情報と、各候補に変更するための操作を示す情報とをプレイヤーに提示する機能を前記コンピュータにさらに実現させる、
請求項1から
4のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記複数の候補の情報は、前記音楽ゲーム内で各候補が奏する効果を示す情報を含む、
請求項
5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記提示する機能は、前記音楽ゲームをプレイする画面に、前記複数の候補の情報と、各候補に変更するための操作を示す情報とを配置する、
請求項
5または6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記復帰条件は、前記音楽ゲームにおいて前記所定の操作とは異なる操作が所定の条件を満たす場合に満たされるものである、
請求項1から
7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記復帰条件は、前記音楽ゲームにおいて前記異なる操作の成功度合が所定の閾値以上になった場合
に満たされるものである、
請求項
8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記アイテムは、前記キャラクタが身につけるドレスである、
請求項1から
9のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
音楽の出力にあわせてプレイヤーが所定のタイミングで操作入力を行うことで進行する音楽ゲームであって、かつ、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示される音楽ゲームを実行するゲーム実行部を備え、
前記ゲーム実行部は、前記音楽ゲームの実行中にプレイヤーの所定の操作が入力された場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを
第1のアイテムから第2のアイテムに変更
し、
前記ゲーム実行部は、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第2のアイテムに変更してから前記第2のアイテムの有効期間が終了した場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムに戻すとともに、前記第2のアイテムへの復帰条件を表示させ、
前記ゲーム実行部は、前記復帰条件が満たされた場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムから前記第2のアイテムに再度変更する、
情報処理装置。
【請求項12】
音楽の出力にあわせてプレイヤーが所定のタイミングで操作入力を行うことで進行する音楽ゲームであって、かつ、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示される音楽ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記音楽ゲームの実行結果を前記音楽ゲームのプレイヤーが使用する装置に提供する提供部と、
を備え、
前記ゲーム実行部は、前記音楽ゲームの実行中にプレイヤーの所定の操作が入力された場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを
第1のアイテムから第2のアイテムに変更
し、
前記ゲーム実行部は、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第2のアイテムに変更してから前記第2のアイテムの有効期間が終了した場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムに戻すとともに、前記第2のアイテムへの復帰条件を表示させ、
前記ゲーム実行部は、前記復帰条件が満たされた場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムから前記第2のアイテムに再度変更する、
サーバ。
【請求項13】
コンピュータが、
音楽の出力にあわせてプレイヤーが所定のタイミングで操作入力を行うことで進行する音楽ゲームであって、かつ、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示される音楽ゲームを実行するステップと、
前記音楽ゲームの実行中にプレイヤーの所定の操作が入力された場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを
第1のアイテムから第2のアイテムに変更するステップと、
前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第2のアイテムに変更してから前記第2のアイテムの有効期間が終了した場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムに戻すとともに、前記第2のアイテムへの復帰条件を表示させるステップと、
前記復帰条件が満たされた場合、前記キャラクタが身につけるアイテムを前記第1のアイテムから前記第2のアイテムに再度変更するステップと、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理技術に関し、特に音楽ゲームを実現するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽に合わせてプレイヤーがアクションをとる(例えばコントローラや画面に対して操作を入力する)ことで進行するコンピュータゲーム(以下「音楽ゲーム」とも呼ぶ。)が数多く提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまでは、音楽ゲームの開始前にプレイヤーがキャラクタの衣装を選択し、音楽ゲームの開始後はプレイヤーにより事前選択された衣装を身につけたキャラクタを音楽ゲームの終了まで表示するものが主流であった。本発明者は、音楽ゲーム中のキャラクタ表示の自由度を高めることにより音楽ゲームの興趣を一層高めることができると考えた。
【0004】
本発明は本発明者の上記着想に基づいてなされたものであり、1つの目的は、音楽ゲームの興趣を高める技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のコンピュータプログラムは、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示され、コンテンツに対するプレイヤーの第1操作に応じたスコアが付与される音楽ゲームを実行する機能と、音楽ゲームの実行中にプレイヤーの第2操作が入力された場合、キャラクタが身につけるアイテムを変更する機能と、をコンピュータに実現させる。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、装置、方法、システム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、音楽ゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例のゲームシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】処理部の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図4】実施例のコンピュータゲームの画面例を示す図である。
【
図5】実施例のコンピュータゲームの画面例を示す図である。
【
図6】実施例のコンピュータゲームの画面例を示す図である。
【
図7】実施例のコンピュータゲームの画面例を示す図である。
【
図8】実施例のコンピュータゲームの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施例のゲームシステム1の概略構成を示す。ゲームシステム1は、インターネットなどのネットワーク2に接続されたサーバ3と、複数の端末装置10を備える。実施例の端末装置10は、携帯電話の基地局または無線LANルータである無線局4と無線通信する機能を有し、ネットワーク2経由でサーバ3と通信可能に接続できる。端末装置10は、ゲームプログラムをインストールした情報処理装置であって、ゲームのプレイヤー(ユーザとも言える)によって操作される。実施例の端末装置10はスマートフォンやタブレット端末などの携帯型の電子機器である。変形例として、端末装置10は、パーソナルコンピュータなどの据置型の電子機器、家庭用又は業務用のゲーム機器であってもよい。
【0010】
サーバ3は、ゲームシステム1におけるゲーム進行を支援する情報処理装置であり、端末装置10により要求されたデータを端末装置10に提供する。実施例のゲームシステム1では、音楽ゲームに関するデータ処理を主に端末装置10が実行するが、変形例として、音楽ゲームに関するデータ処理の一部をサーバ3が実行する構成でもよい。
【0011】
図2は、端末装置10のハードウェア構成を示す。端末装置10は、入力部12、カメラ14、プロセッサ16、通信部18、表示部20、音声出力部22、記憶部24およびモーションセンサ26を備える。これらの構成は、バス28により接続されている。
【0012】
入力部12は、プレイヤーが操作を入力するためのユーザインタフェースである。端末装置10がスマートフォンやタブレット端末である場合、入力部12はタッチ入力を可能とするタッチスクリーンであってよく、端末装置10がパーソナルコンピュータであれば、入力部12はキーボードやマウスであってよい。いずれにしても入力部12は、プレイヤーがゲームプログラムに対して操作を入力できるものであればよい。
【0013】
カメラ14は、端末装置10の周囲の現実空間を撮影する撮像装置である。プロセッサ16は、端末装置10の動作を統括して制御するユニットであり、後述の処理部100を実現する。プロセッサ16は、典型的にはCPU(Central Processing Unit)を含む。また、プロセッサ16は、記憶部24に記憶されたゲームソフトウェアを読み出して実行し、ゲーム画像およびゲーム音声を生成する。そのためプロセッサ16は、画像処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)を含むことが好ましい。
【0014】
通信部18は無線通信機能を有し、無線局4およびネットワーク2を介してサーバ3と接続する。例えば、通信部18は、サーバ3から、ゲームプログラムを含むゲームソフトウェアをダウンロードして、記憶部24に記憶してよい。なお、実施例では、通信部18が無線通信機能を有して、無線局4に無線接続する環境を想定しているが、通信部18はルータなどと有線ケーブルで接続して、サーバ3と通信可能に接続してもよい。
【0015】
表示部20は、プロセッサ16が生成するゲーム画像を表示するディスプレイ装置である。実施例の端末装置10は、ディスプレイである表示部20と、タッチスクリーンである入力部12とを重ね合わせたタッチパネルを備えており、プレイヤーは、表示部20に表示されるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を直接タッチ操作できる。音声出力部22は、プロセッサ16が生成するゲーム音声を出力するスピーカである。
【0016】
記憶部24は、プロセッサ16(後述の処理部100)により参照または更新される各種データを記憶する記憶装置であり、揮発性メモリと不揮発性メモリを含む。記憶部24は、サーバ3からダウンロードしたゲームソフトウェアを記憶する。モーションセンサ26は、3軸の加速度センサおよび3軸のジャイロセンサを含んでよい。モーションセンサ26が検出するセンサ情報は、端末装置10の位置および姿勢を検出するために利用される。
【0017】
以下、実施例のコンピュータゲームについて説明する。実施例のコンピュータゲームは、再生される音楽に合わせた態様でキャラクタを表示させる音楽ゲームの実行中に、プレイヤーが任意のタイミングで、キャラクタが身につけるアイテム(実施例では衣装)を変更することができる。
【0018】
図3は、処理部100の機能ブロックを示すブロック図である。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。実施例の処理部100は、端末装置10のプロセッサ16が、記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0019】
記憶部24は、ゲームソフトウェア記憶部30とアイテムデータ記憶部32を有する。ゲームソフトウェア記憶部30は、音楽ゲームが実装されたゲームソフトウェアを記憶する。アイテムデータ記憶部32は、音楽ゲームの中でキャラクタが身につけることが可能なアイテム(実施例では複数の衣装)に関するデータ(以下「アイテムデータ」とも呼ぶ。)を記憶する。
【0020】
実施例のアイテムデータは、複数の衣装のそれぞれに関するデータとして、(1)音楽ゲーム内での効果、(2)有効期間、(3)当該衣装に変更するための操作(以下「変更操作」とも呼ぶ。)を含む。(1)の効果は、例えば、スコアの増加率を上昇させる効果であってもよい。(2)の有効期間は、衣装を身につけることができる期間である。有効期間は、音楽の拍数で設定されてもよく、または秒数(時間)で設定されてもよい。有効期間が音楽の拍数で設定される場合、楽曲ごとに有効期間の長さが異なるものになる。(3)の変更操作は、例えば、上方向へのフリック操作を3回入力することであってもよく、右方向へのフリック操作を3回入力することであってもよい。
【0021】
処理部100は、操作受付部102とゲーム制御部110を含む。操作受付部102は、入力部12に入力された、ゲームに対するプレイヤーの操作を受け付け、プレイヤーの操作情報を他の機能ブロックに渡す。例えば、入力部12がタッチスクリーンである場合、操作受付部102は、入力部12から、タッチスクリーンのタッチ位置を示す座標値(xy座標値)を取得して、その座標値をゲーム制御部110に入力してもよい。
【0022】
ゲーム制御部110は、例えば、プロセッサ16がゲームソフトウェア記憶部30に記憶されたゲームソフトウェアをメインメモリに読み出して実行することにより実現される。ゲーム制御部110は、ゲーム実行部120、スコア決定部126、変更指示部128を含む。
【0023】
ゲーム実行部120は、音楽の出力にあわせてキャラクタを含むコンテンツが表示され、表示されたコンテンツに対するプレイヤーの第1操作に応じたスコアが付与される音楽ゲームを実行する。実施例での第1操作は、音楽ゲームが表示されるタッチパネルに対するタップ操作である。ゲーム実行部120は、ゲーム画像生成部122とゲーム音声生成部124を含む。ゲーム画像生成部122は、音楽ゲームに関するゲーム画像のデータを生成し、ゲーム画像を表示部20に表示させる。ゲーム音声生成部124は、音楽ゲームに関するゲーム音声のデータを生成し、ゲーム音声を音声出力部22から出力させる。
【0024】
スコア決定部126は、操作受付部102により音楽ゲームが表示されるタッチパネルに対するタッチ操作(例えばタップ操作やフリック操作)が受け付けられた場合、そのタッチ操作に応じて、プレイヤーが獲得したスコアを計算する。スコア決定部126は、スコアの計算結果をゲーム実行部120に渡す。
【0025】
変更指示部128は、音楽ゲームの実行中にプレイヤーの第2操作が入力された場合、音楽ゲームで表示されるキャラクタが身につけるアイテム(実施例では衣装)を変更する。第2操作は、上述の変更操作であり、また、タップ操作とは異なる操作である。例えば、第2操作は、上方向へのフリック操作が3回入力されることであってもよく、または、右方向へのフリック操作が3回入力されることであってもよい。なお、第2操作は、フリック操作以外の操作を含んでもよく、例えば、ロングプレス操作やピンチ操作を含んでもよい。
【0026】
具体的には、変更指示部128は、音楽ゲームの実行中、アイテムデータ記憶部32に記憶された各衣装の変更操作を参照し、特定の衣装(後述のサブドレス)に対応する変更操作が入力された場合、そのことを検出する。変更指示部128は、音楽ゲームにおいて動作中のキャラクタの衣装を、入力された変更操作に対応する衣装に変更するようゲーム実行部120(ゲーム画像生成部122)に指示する。ゲーム実行部120(ゲーム画像生成部122)は、この指示にしたがって、キャラクタの衣装を、入力された変更操作に対応する衣装に変更したゲーム画像を生成する。
【0027】
実施例のコンピュータゲームによると、音楽ゲームの実行中に、キャラクタが身につける衣装をプレイヤーが任意のタイミングで所望の衣装に変更することができる。このように、音楽ゲーム中のキャラクタ表示の自由度(言い換えればカスタマイズ性)を高めることにより音楽ゲームの興趣を高めることができる。また現在、ゲームのプレイ動画を動画共有サイトで公開することが広く行われているが、キャラクタが着替える衣装やそのタイミングにはプレイヤーの個性・感性が反映されるため、画一的でないプレイ動画の作成にも資することができる。
【0028】
また、スコアの獲得を主目的とする第1操作と、衣装の変更を主目的とする第2の操作とを異なる操作とすることで、両操作の混同を防止でき、キャラクタの表示態様がプレイヤーが意図しないものとなってしまうことを防止しやすくなる。
【0029】
実施例のコンピュータゲームでは、ゲーム内の1つのクエスト(言い換えればミッション)として音楽ゲームが実行される。以下、実施例のコンピュータゲームの画面例を示しつつ、処理部100の処理をさらに詳細に説明する。
【0030】
ゲーム実行部120は、音楽ゲームの開始前に、キャラクタが身につける衣装について変更の候補となる複数の衣装に対応する複数種類の変更操作に関する情報をプレイヤーに提示する。実施例では、ゲーム画像生成部122は、上記複数種類の変更操作に関する情報を含むゲーム画像(後述の設定確認画面40)を生成し、表示部20に表示させる。変形例として、ゲーム音声生成部124が、上記複数種類の変更操作に関する情報を含むゲーム音声を生成し、音声出力部22から出力させてもよい。
【0031】
図4は、実施例のコンピュータゲームの画面例を示す。同図は、音楽ゲーム開始前の設定確認画面40を示している。設定確認画面40は、キャラクタが身につけるデフォルトの衣装(メインドレス)に関するメインドレス情報42と、メインドレスから変更する候補となる複数の衣装(サブドレス)に関する複数のサブドレス情報44を含む。
【0032】
ゲーム画像生成部122は、メインドレス情報42として、アイテムデータ記憶部32に記憶されたメインドレスに関する情報を設定し、具体的には、音楽ゲーム内でのメインドレスの効果を示す情報を設定する。また、ゲーム画像生成部122は、サブドレス情報44として、アイテムデータ記憶部32に記憶されたメインドレスに関する情報を設定し、具体的には、音楽ゲーム内でのサブドレスの効果を示す情報と、変更操作を示す情報を設定する。
図4では、上段のサブドレス情報44は、変更操作として3回の右フリック操作を示し、下段のサブドレス情報44は、変更操作として3回の上フリック操作を示している。
【0033】
このように設定確認画面40をプレイヤーに提示することで、音楽ゲームにおいてキャラクタの衣装の変更候補となるサブドレスと、そのサブドレスに変更するための操作を事前にプレイヤーに把握させることができ、プレイヤーが音楽ゲームをスムーズにプレイできるよう支援することができる。
【0034】
図5も、実施例のコンピュータゲームの画面例を示す。同図は、音楽ゲーム開始時点のクエスト画面50を示している。ゲーム画像生成部122は、音楽ゲーム開始時点において、メインドレス54を着たキャラクタ52の画像をクエスト画面50に配置する。また、ゲーム画像生成部122は、2つのサブドレスの外観と変更操作を示す情報(サブドレス情報56a、サブドレス情報56b)をクエスト画面50に配置する。
【0035】
また、ゲーム画像生成部122は、音楽ゲームにおいてプレイヤーが獲得したスコア(実施例ではユニゾンレベル、パーフェクト操作回数、コンボ数)を示すスコア情報58をクエスト画面50に配置する。また、ゲーム画像生成部122は、音楽ゲーム(クエスト)のクリア条件60をクエスト画面50に配置する。
【0036】
図6も、実施例のコンピュータゲームの画面例を示す。同図は、音楽ゲーム実行中のクエスト画面50の基本態様を示している。ゲーム音声生成部124は、所定の音楽を音声出力部22から出力させる。ゲーム画像生成部122は、出力される音楽に合わせて、メインドレス54を着たキャラクタ52が動作する(例えば歌唱やダンスを行う)クエスト画面50を生成する。
【0037】
また、ゲーム画像生成部122は、音楽の進行に合わせて、プレイヤーが画面操作(タップ操作やフリック操作)を入力すべき位置、言い換えれば、プレイヤーによる画面操作の目標位置を示すオブジェクト(以下「ノーツ」とも呼ぶ。)をクエスト画面50に配置する。
図6では、クエスト画面50の中段左にノーツ62を表示させているが、ノーツ62の表示位置は時間経過とともに変化する。言い換えれば、ゲーム画像生成部122は、時間経過とともに複数個のノーツ62を異なる位置に順次表示させる。
【0038】
スコア決定部126は、音楽ゲーム実行中におけるプレイヤーの画面操作(タップ操作やフリック操作)に応じて、プレイヤーに付与するスコアを決定する。スコア決定部126は、タップ操作やフリック操作の入力位置がノーツ62の中心に近いほど高いスコアをプレイヤーに付与する。また、連続して表示された複数個のノーツ62に対してタップ操作やフリック操作が連続して入力された場合、スコア決定部126は、タップ操作やフリック操作が連続して成功したと認識して、スコアの1つであるコンボ数を加算する。ゲーム画像生成部122は、スコア決定部126によりプレイヤーに付与されたスコアの値をスコア情報58に設定する。
【0039】
図7も、実施例のコンピュータゲームの画面例を示す。同図は、音楽ゲーム実行中のクエスト画面50において、キャラクタ52の衣装がメインドレス54からサブドレス64に変更された状態を示している。サブドレス情報56aは、変更操作として3回の上フリック操作を規定し、サブドレス情報56bは、変更操作として3回の右フリック操作を規定している。変更指示部128は、音楽ゲーム実行中に3回の上フリック操作が入力されたことを検出すると、キャラクタ52の衣装をサブドレス情報56aに対応するサブドレス64に変更する。
【0040】
なお、タップ操作と同様に、フリック操作もその入力位置がノーツ62の中心に近いほど高いスコアがプレイヤーに付与される。また、キャラクタ52の衣装が変更された場合、スコア決定部126は、変更後の衣装の効果を反映させて、プレイヤーに付与するスコアを決定する。
【0041】
実施例の音楽ゲームでは、各サブドレスに所定の有効期間が設定される。ゲーム画像生成部122は、キャラクタがサブドレスを着た状態であり、かつ、アイテムデータ記憶部32に記憶された当該サブドレスの有効期間が終了したことを検出すると、キャラクタの衣装をメインドレスに戻したクエスト画面50を生成する。
【0042】
一旦サブドレスの有効期限が終了して、キャラクタの衣装がメインドレスに戻った後、変更指示部128は、プレイヤーの第1操作(例えばタップ操作)により所定の条件が満たされた場合、プレイヤーの第2操作(例えばフリック操作)に応じてキャラクタの衣装を再度変更する。実施例では、変更指示部128は、プレイヤーの第1操作の成功度合が所定の閾値以上になった場合、プレイヤーの第2操作に応じてキャラクタの衣装を再度変更する。このように、音楽ゲームでのスコア獲得を主目的とする第1操作を、キャラクタの衣装変更の条件とすることにより、プレイヤーには第1操作と第2操作の両方が求められるため、プレイヤーにとってゲームが単調なものになることを防止しやすくなる。また、第1操作の成績(スコア)がよいほど再度の衣装変更が早く可能になるため、キャラクタの衣装変更を主な目的とするプレイヤーに対しても、スコア獲得のモチベーションを与えることができる。
【0043】
図8も、実施例のコンピュータゲームの画面例を示す。同図は、音楽ゲーム実行中のクエスト画面50において、キャラクタの衣装がサブドレス情報56aに対応するサブドレス64からメインドレス54に戻った状態を示している。ゲーム画像生成部122は、サブドレス情報56aに、当該サブドレス情報56aに対応するサブドレス64を再度着るための条件(上記の閾値に対応するものであり、ここでは「復帰条件」とも呼ぶ。)を設定する。
【0044】
実施例での復帰条件は、音楽ゲームにおいてプレイヤーが所定のスコアを獲得することである。具体的には、復帰条件は、複数のノーツ62に対する複数回のタップ操作が連続して成功することで得られるコンボの獲得数である。例えば、復帰条件がコンボ獲得数20である場合、ゲーム画像生成部122は、復帰条件の初期値である「20」をサブドレス情報56aに設定する。ゲーム画像生成部122は、新たにコンボが獲得される都度、サブドレス情報56aの復帰条件の値を減算していく(
図8では減算された値「17」が表示されている)。ゲーム画像生成部122は、コンボ獲得数が20に達する(すなわち復帰条件が満たされる)と、サブドレス情報56aの態様を
図6のサブドレス情報56aの態様に戻す。また、復帰条件が満たされた後、3回の上フリック操作が入力されると、変更指示部128は、
図7に示したように、キャラクタ52の衣装をサブドレス情報56aに対応するサブドレス64に再度変更する。
【0045】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
第1変形例を説明する。変更指示部128は、音楽ゲームの実行中の期間のうち所定の一部の期間においてプレイヤーから変更操作が入力された場合、キャラクタの衣装を変更してもよい。上記所定の一部の期間は、音楽ゲームの実行中の期間に設けられた、数秒から10秒程度の長さの「衣装替えチャンス期間」であってもよい。変更指示部128は、音楽ゲーム内の衣装替えチャンス期間中に変更操作が入力された場合、キャラクタの衣装をメインドレスからその変更操作に対応するサブドレスに変更してもよい。一方、音楽ゲームの実行中の衣装替えチャンス期間外に変更操作が入力された場合、変更指示部128は、キャラクタの衣装をメインドレスからその変更操作に対応するサブドレスに変更せず、すなわち変更操作を無視してもよい。
【0047】
第2変形例を説明する。上記実施例では、音楽ゲーム実行中にキャラクタが身につけるアイテムであり、プレイヤーの操作により変更可能なアイテムとして衣装を例示したが、変更対象は衣装に制限されない。例えば、変更指示部128は、音楽ゲーム実行中のプレイヤーの操作に応じて、キャラクタの衣装に代えて、またはキャラクタの衣装とともに、キャラクタが身につける装身具、装飾品、または武器を変更してもよい。
【0048】
第3変形例を説明する。上記実施例のゲームは、端末装置10にゲームプログラムがインストールされ、いわゆるネイティブアプリケーションとして実行された。変形例として、実施例と同内容のゲームが、ウェブアプリケーションとして提供されてもよく、例えばブラウザゲームとして実現されてもよい。この場合、サーバ3は、
図3に示した処理部100の機能ブロックの少なくとも一部を備えてもよく、端末装置10は、サーバ3による処理結果を取得してゲーム画面を表示する構成であってもよい。
【0049】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0050】
1 ゲームシステム、 10 端末装置、 102 操作受付部、 120 ゲーム実行部、 122 ゲーム画像生成部、 124 ゲーム音声生成部、 128 変更指示部。