(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】管理プログラム、管理方法及び管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240903BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2024106503
(22)【出願日】2024-07-02
【審査請求日】2024-07-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和6年5月2日、掲載アドレス:https://www.zettalinx.co.jp/web_wordpress/wp-content/uploads/2024/05/Suite%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%ABforEducation_concept03.pdf
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513297656
【氏名又は名称】ゼッタリンクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100226997
【氏名又は名称】辻 知英
(74)【代理人】
【識別番号】100221291
【氏名又は名称】青井 隆徳
(74)【代理人】
【識別番号】100207011
【氏名又は名称】高 義輝
(72)【発明者】
【氏名】山田 邦裕
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-147987(JP,A)
【文献】特開2018-032276(JP,A)
【文献】特開2014-127033(JP,A)
【文献】特開2024-085508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する管理方法をコンピュータに実行させる管理プログラムであって、
生徒の識別データと、複数の異なる時刻において前記表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の前記生徒端末のそれぞれから順次取得する生徒データ取得ステップと、
前記変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する変化率取得ステップと、
前記授業を受けている複数の生徒が使用する前記生徒端末のそれぞれにおける前記学習変化率から統計値を算出し、前記統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた前記学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する抽出ステップと、を備える
管理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記管理方法は、
抽出した前記識別データに紐づく前記学習変化率を、前記授業を受けた前記複数の生徒の前記学習変化率の前記統計値と対比可能な態様により所定の表示装置に表示させる表示制御ステップをさらに備える、
管理プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記管理方法は、
前記生徒端末のそれぞれから前記学習画像を取得する学習画像取得ステップと、
抽出した前記生徒端末の前記変化データに基づいて、前記学習変化率が前記閾値範囲を超えた時刻の前記学習画像を含む一の生徒の再生データを生成する再生データ生成ステップと、をさらに備える、
管理プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記生徒データ取得ステップは、複数の異なる時刻における前記学習画像の画素値の変化量に関するデータを、前記変化データとして取得する、
管理プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記生徒データ取得ステップは、前記学習画像において複数の異なる時刻に画素値が変化した画素の割合を、前記変化データとして取得する、
管理プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記管理方法は、
前記閾値範囲を超えた前記学習変化率に紐づく生徒の識別データに関するアラートを出力するアラート出力部をさらに備える、
管理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の管理プログラムにおいて、
前記アラート出力部は、前記閾値範囲からの逸脱量の大きさ又は逸脱している時間の長さに応じて、複数のアラートレベルを有する、
管理プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載の管理プログラムにおいて、
前記管理方法は、
前記生徒端末のそれぞれから前記学習画像を取得する学習画像取得ステップと、
取得した前記学習画像を、所定の管理装置が有する表示装置に一覧表示させる表示制御ステップと、をさらに備え、
前記表示制御ステップは、前記学習変化率が前記閾値範囲を超えた時刻の前記学習画像を、予め設定された所定位置に表示させる、
管理プログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の管理プログラムにおいて、
前記変化率取得ステップは、前記変化データの移動平均から前記生徒それぞれの前記学習変化率の推移を取得する、
管理プログラム。
【請求項10】
少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況をコンピュータが管理する管理方法であって、
生徒の識別データと、複数の異なる時刻において前記表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の前記生徒端末のそれぞれから順次取得し、
前記変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得し、
前記授業を受けている複数の前記生徒端末のそれぞれにおける前記学習変化率から統計値を算出し、前記統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた前記学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する、
管理方法。
【請求項11】
少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する管理装置であって、
生徒の識別データと、複数の異なる時刻において前記表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の前記生徒端末のそれぞれから順次取得する生徒データ取得部と、
前記変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する変化率取得部と、
前記授業を受けている複数の前記生徒端末のそれぞれにおける前記学習変化率から統計値を算出し、前記統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた前記学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する抽出部と、を備える
管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理プログラム、管理方法及び管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
教師が生徒に対して授業を行う場合等に、表示部を有する端末を利用する機会が増えている。また端末を利用した授業における種々の提案が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、情報処理装置は、複数の第1通信デバイスに表示される第1画面情報及び操作情報の少なくとも一方を取得し、定められた操作が行われたか否かを判断する。
【0004】
また特許文献2に記載の情報処理装置は、情報処理装置は生徒の識別情報と成績情報を関連付けて記憶し、試験成績を表示するグラフを作成し、成績の変動が閾値以上の生徒を特定して他の生徒と区別して表示する。
【0005】
特許文献3に記載の情報処理装置は、学習者端末に対する動作履歴情報を取得し、動作履歴情報に基づいて学習者の集中度を推定し、集中度に応じて管理者端末における表示を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2024-036811号公報
【文献】特開2023-127234号公報
【文献】特開2013-242434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を教師が適格に抽出するのは困難である。
【0008】
本開示は上記課題に鑑みて、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示にかかる管理プログラムは、少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する管理方法をコンピュータに実行させる。管理方法は、生徒データ取得ステップと、変化率取得ステップと、抽出ステップと、を有する。生徒データ取得ステップは、生徒の識別データと、複数の異なる時刻において表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の生徒端末のそれぞれから順次取得する。変化率取得ステップは、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する。抽出ステップは、授業を受けている複数の生徒端末のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。
【0010】
本開示にかかる管理方法は、少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況をコンピュータが管理する管理方法である。コンピュータは、生徒の識別データと、複数の異なる時刻において表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の生徒端末のそれぞれから順次取得する。コンピュータは、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する。コンピュータは、授業を受けている複数の生徒端末のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。
【0011】
本開示にかかる管理装置は、少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する。管理装置は、生徒データ取得部と、変化率取得部と、抽出部と、を有している。生徒データ取得部は、生徒の識別データと、複数の異なる時刻において表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の生徒端末のそれぞれから順次取得する。変化率取得部は、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する。抽出部は、授業を受けている複数の生徒端末のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム、管理方法及び管理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る管理システムのブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る生徒端末のブロック図である。
【
図4】コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
【
図6】生徒端末の変化データを説明するための図である。
【
図7】第2実施形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図8】第2実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
【
図9】学習変化率の表示態様を示す第1の図である。
【
図10】学習変化率の表示態様を示す第2の図である。
【
図11】第3実施形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図12】第3実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
【
図13】第3実施形態に係る表示部の画像を示す図である。
【
図14】第4実施形態に係る管理装置のブロック図である。
【
図15】第4実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
【
図16】第4実施形態に係る表示部の画像を示す第1の図である。
【
図17】第4実施形態に係る表示部の画像を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
<第1実施形態>
(管理システム1)
図1は、第1実施形態に係る管理システム1のブロック図である。管理システム1は例えば学校や塾などの教室内で、複数の生徒の学習状況を管理するために用いられる。管理システム1は主な構成として、管理装置100と、生徒端末200と、を有する。管理装置100と生徒端末200とは、ネットワークN1を介して通信可能に接続する。ネットワークN1は例えば、屋内の通信ネットワークを制御するルータを用いたLAN(Local Area Network)である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態における管理システム1は、複数の生徒端末200(第1生徒端末200A、第2生徒端末200B、第3生徒端末200C、・・・)を有している。なお、以降の説明において、複数の生徒端末200を、単に生徒端末200と称する場合がある。
【0017】
(管理装置100)
図2は、第1実施形態に係る管理装置100のブロック図である。管理装置100は例えば教室内で授業を行う教師等の管理者が使用する。管理装置100は例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の、通信機能及び演算機能を有するコンピュータである。管理装置100は、少なくとも表示部を有する生徒端末200を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する。管理装置100は主な構成として、生徒データ取得部110と、変化率取得部120と、抽出部130と、を有している。
【0018】
生徒データ取得部110は、生徒の識別データと、複数の異なる時刻において生徒端末200の表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の生徒端末200のそれぞれから順次取得する。
【0019】
識別データは、生徒端末200を使用する生徒それぞれが有する識別子である。識別データは例えば、アカウント名、生徒名、出席番号である。例えば生徒は、生徒端末200の使用を開始する際に、自身が有する識別子又は生体認証などを用いて生徒端末200の学習用アプリケーションにログインする。すなわち識別データは、ハードウェアに依存しない。ただし、生徒端末200と生徒の識別データが一意に紐づくものである場合には、識別データは生徒端末200と紐づくものであってもよい。
【0020】
学習画像は、授業などの学習時間において生徒端末200の表示部が表示する画像をいう。学習画像は、表示部の全域の画像であってもよいし、画定された所定の範囲の画像であってもよい。
【0021】
変化データは、複数の異なる時刻において生徒端末200の表示部に表示した学習画像の変化に関するデータである。生徒データ取得部110は、複数の異なる時刻における学習画像の画素値の変化量に関するデータを、変化データとして取得する。
【0022】
より具体的には例えば、生徒データ取得部110は、学習画像において複数の異なる時刻に画素値が変化した画素の割合を、変化データとして取得する。なお、変化データの詳細については後述する。
【0023】
変化率取得部120は、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する。学習変化率は例えば、学習画像が変化した度合いを百分率として表したものである。この場合、学習変化率は、ゼロが全く変化していないことを示す。またこの場合、学習画像が大きく変化している程、学習変化率は、100に近い値となる。変化率取得部120は、変化データから変化率を算出する。変化率取得部120は、変化データをそのまま変化率として取得してもよい。
【0024】
なお、変化率取得部120は、変化データの移動平均から生徒それぞれの学習変化率の推移を取得するものであってもよい。変化率取得部120は、直近に受け取った複数の異なる時刻における変化データから変化データの移動平均又は加重平均を算出することにより変化率を取得してもよい。このような処理により、管理装置100は過渡的なデータによる処理を抑制できる。
【0025】
抽出部130は、授業を受けている複数の生徒が使用する生徒端末200のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく識別データを表示可能に抽出する。この場合、統計値は例えば標準偏差である。またこの場合の閾値範囲は例えば、所定の偏差値の範囲である。具体的には例えば閾値範囲は、偏差値が40から60等に設定される。統計値は学習変化率の平均値であってもよい。この場合、閾値範囲は平均値を跨いだ上限値と下限値であってもよい。抽出部130が抽出した識別データは、管理装置100の表示部に表示される。
【0026】
抽出部130が抽出した識別データを管理装置100が即座に表示する場合、管理装置100は、授業を受けている他の生徒と比較して学習状況が異なる生徒に関する情報を、授業を行っている教師等に通知できる。また抽出部130が抽出した識別データを授業の後に、例えば管理装置100の利用者の操作により表示する場合、管理装置100は、他の生徒と比較して学習状況が異なる生徒に関する情報を、授業の見直しをする教師等に提供できる。
【0027】
図3は、第1実施形態に係る生徒端末200のブロック図である。管理装置100は例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の、通信機能及び演算機能を有するコンピュータである。生徒端末200は主な構成として、学習プログラム実行部210と、表示制御部220と、操作受付部230と、変化データ生成部240と、を有している。
【0028】
学習プログラム実行部210は、授業において生徒が使用する学習プログラムを実行する。学習プログラム実行部210が学習プログラムを実行することにより、生徒端末200は、表示部に学習画像を表示させる。学習プログラムは、生徒端末200が予め記憶していたものであってもよいし、ネットワークN1を介してダウンロードしたものであってもよい。学習プログラムは、全ての生徒が同じ内容を学習するものであってもよいし、生徒の操作に応じてインタラクティブに内容が変化するものであってもよい。
【0029】
表示制御部220は、生徒端末200の表示部を制御する。より具体的には、表示制御部220は、学習プログラムに沿ったコンテンツの表示を制御する。また表示制御部220は、生徒が所定の操作をした場合に、この操作に応じて表示を制御する。さらに表示制御部220は、生徒が所定の操作をした場合に、学習画像に生徒が入力した文字や画像を重畳させる。
【0030】
操作受付部230は、生徒端末200を使用する生徒が行う操作を受け付ける。操作受付部230は例えば、学習プログラムの実行又は終了に関する操作を受け付ける。操作受付部230はまた、生徒が文字や画像などを入力する操作を受け付ける。
【0031】
変化データ生成部240は、生徒端末200の学習画像から変化データを生成する。より具体的には、変化データ生成部240は、予め設定された時間(例えば10秒)ごとに、学習画像の画像データを取得し、直前に取得した画像データとの差異を測定する。この場合、学習画像の差異は、画像の変化の度合いを示す値である。変化データについては、後述する。
【0032】
(ハードウェア構成例)
図4は、コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。上述した管理装置100及び生徒端末200は、
図4に示す構成を有し得る。コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0033】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0034】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置を含む回路である。
【0035】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。
【0036】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、又はROM(Read Only Memory)などの補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、本開示の機能を実現するためのプログラムを格納する。
【0037】
プロセッサ1020は、このプログラムをメモリ1030に読み出して実行する。これによりプロセッサ1020は、このプログラムに対応する機能を実行する。換言すると、メモリ1030に格納されたプログラムは、コンピュータ1000に本開示の機能を実行させる。
【0038】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と所定の入出力デバイスとを接続する。入出力デバイスは例えば、キーボードなどの入力装置、ディスプレイなどの出力装置、又はディスプレイにタッチパネルが重畳された入出力装置である。
【0039】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を所定の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0040】
(管理方法)
図5は、第1実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
図5の管理方法は、管理装置100が実行する処理を示したものである。管理方法は、少なくとも表示部を有する生徒端末200を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理装置100が管理する方法である。
【0041】
ステップS11において、生徒データ取得部110は、生徒端末200の識別データと、変化データと、を複数の生徒端末200のそれぞれから順次取得する。
【0042】
ステップS12において、変化率取得部120は、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得する。
【0043】
ステップS13において、抽出部130は、授業を受けている複数の生徒端末200のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。抽出部130が生徒の識別データを抽出すると、管理装置100は一連の処理を終了させる。
【0044】
(変化データ)
図6を参照して、変化データの詳細について説明する。
図6は、生徒端末200の変化データを説明するための図である。
図6に示す生徒端末200は、時刻tにおける表示部221を有している。表示部221は、液晶又は有機エレクトロルミネッセンスを用いた矩形のディスプレイである。
【0045】
表示部221が表示する画像の単位(画像単位)は、左上を基準点として、横方向がX座標、縦方向がY座標により、各単位の位置が示されている。ここで、画像単位は例えば、1つの画素である。この場合、例えばX軸方向がn番目、Y軸方向がm番目の位置における画像単位の画素値は、C(Xn,Ym)である。また時刻tにおける画素値は、Ct(Xn,Ym)である。
【0046】
上述の定義を踏まえると、時刻t1の、X軸方向がn番目、Y軸方向がm番目の位置における画像単位の画素値は、Ct1(Xn,Ym)である。また時刻t1の後の時刻である時刻t2の、X軸方向がn番目、Y軸方向がm番目の位置における画像単位の画素値は、Ct2(Xn,Ym)である。この場合、時刻t2における画素値の差Dt2は、以下のように算出される。
【数1】
生徒端末200の変化データ生成部240は、表示部221における全ての画像単位に対して、時刻t2における画素値の差Dt2を算出する。さらに変化データ生成部240は、画素値の差Dt2が所定の閾値以上か否かを判定する。この場合、変化データ生成部240は、画素値の差Dt2が所定の閾値以上か否かの判定結果を、二値化してもよい。
【0047】
次に、変化データ生成部240は、全ての画像単位の内、画素値の差Dt2が閾値以上の画像単位の割合を、変化データとして算出する。変化データは、例えばゼロから1までの数値により示される。変化データは、百分率により示されてもよい。閾値は、1から画素値の最大値までの任意の値に設定可能である。閾値が1の場合は、表示部221の画像が全く変化していない場合に、変化データがゼロとなる。
【0048】
変化データ生成部240は、予め設定された時間ごとに、上述の変化データを算出する。生徒端末200は、変化データ生成部240が算出した変化データを、予め設定された時間ごとに、管理装置100に供給する。予め設定された時間は、例えば5秒、10秒、30秒などである。
【0049】
上述の通り、生徒端末200は、予め設定された時間ごとに、変化データを管理装置100に供給する。換言すると、生徒データ取得部110は、学習画像において複数の異なる時刻に画素値が変化した画素の割合を、変化データとして取得する。
【0050】
なお、上述の説明では、1つの画像単位が1つの画素値を有するものとした。しかし、1つの画像単位に例えば赤、緑、青のそれぞれの要素が存在する場合、1つの画像単位における画素値は、赤、緑、青のそれぞれの画素値を別個に有するものであってもよい。画像単位は、1つの画素に代えて、4×4ピクセルなどの複数のまとまった画素であってもよい。この場合、画像単位の画素値は、例えば各画素における画素値の平均値であってもよい。
【0051】
以上、管理システム1について説明したが、管理システム1は上述の構成に限られない。管理システム1は、教室内での利用に加えて、生徒と教師等とが離隔した位置で行うオンライン授業に利用されるものであってもよい。この場合、管理システム1が利用するネットワークN1は、LANに代えて所定のWAN(Wide Area Network)であってもよい。また、管理システム1は、ネットワークN1を介さず、管理装置100と生徒端末200とが直接通信することにより上述の機能を実現してもよい。
【0052】
以上、第1実施形態について説明した。第1実施形態によれば、管理装置100は、1人の生徒の学習画像の変化率を、同時刻の他の生徒の変化率と比較する。そのため、管理装置100は、授業において教師等が注目すべき生徒の状況を好適に把握できる。すなわち、本実施形態によれば、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム、管理方法及び管理装置を提供できる。
【0053】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、管理装置100が学習変化率を表示する機能を有する点が、第1実施形態と異なる。
【0054】
図7は、第2実施形態に係る管理装置のブロック図である。第2実施形態における管理装置100は、表示制御部140を有する。表示制御部140は、抽出部130が抽出した識別データに紐づく学習変化率を、授業を受けた複数の生徒の学習変化率の統計値と対比可能な態様により所定の表示装置に表示させる。所定の表示装置は管理装置100が有する表示装置である。
【0055】
図8は、第2実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、ステップS12の後に、ステップS21を有する点、及び、ステップS13の後にステップS22を有する点が、
図5に示したフローチャートと異なる。
【0056】
ステップS21において、抽出部130は、授業を受けている複数の生徒端末200のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出する。次に、抽出部130は、算出した統計値と生徒それぞれの学習変化率とを比較し、閾値範囲を超えたデータがあるか否かを判定する。閾値範囲を超えたデータがあると判定した場合(ステップS21:YES)、管理装置100は、ステップS13に進む。閾値範囲を超えたデータがあると判定しない場合(ステップS21:NO)、管理装置100は、一連の処理を終了する。
【0057】
ステップS13において、抽出部130は、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。抽出部130は、抽出した識別データに関する情報を、表示制御部140に供給する。
【0058】
ステップS22において、表示制御部140は、抽出部130が抽出した識別データに紐づく学習変化率を、授業を受けた複数の生徒の学習変化率の統計値と対比可能な態様により所定の表示装置に表示させる。表示制御部140が学習変化率を表示させると、管理装置100は一連の処理を終了させる。
【0059】
図9は、学習変化率の表示態様を示す第1の図である。
図9は、管理装置100が有する表示装置が表示する管理画像141を示している。管理画像141は、第1グラフ142及び選択表示143を含む。
【0060】
第1グラフ142は、学習変化率の時間推移を示している。第1グラフ142の縦軸は、学習変化率である。第1グラフ142の横軸は、時刻である。第1グラフ142には、3つの折れ線がプロットされている。二点鎖線により示されている第1データL11は、学習変化率の平均値のデータである。点線により示されている第2データL12は、識別データP002に紐づく学習変化率のデータである。実線により示されている第3データL13は、識別データP003に紐づく学習変化率のデータである。
【0061】
選択表示143は、生徒の識別データを含む。識別データは、P001、P002、P003、P004、・・・と示されている。選択表示143はさらに「平均」を含む。選択表示143が含むこれらの項目の近傍には、個別に選択可能なチェック欄が設けられている。管理装置100を利用する教師等は、チェック欄をチェックすることにより、第1グラフ142に表示させるデータを選択する。
【0062】
上述した管理画像141において、識別データP002の学習変化率は、平均データと類似している。一方、識別データP003の学習変化率は、時刻T1から時刻T2の間に平均データと大きく異なる値を示している。すなわち、第1グラフ142は、時刻T1から時刻T2の間に、識別データP003の生徒の学習状況が他の生徒と異なっていたことを示している。より具体的には例えば、時刻T1近傍において、平均データは50から70を示す一方、識別データP003は、20程度を推移している。これは、授業を受けている他の複数の生徒が行っている操作を、識別データP003の生徒は行っていないことを示している。
【0063】
図10は、学習変化率の表示態様を示す第2の図である。
図10に示す管理画像141は、選択表示143、第2グラフ144、シークバー145及び操作ボタン146を含む。
【0064】
第2グラフ144の縦軸は、学習変化率である。第2グラフ144は、任意の時刻における選択されたデータを矩形表示により横方向に並べて示している。第2グラフ144の下方には、表示しているデータの時刻が示されている。時刻表示の下方にはシークバー145が配置されている。
【0065】
シークバー145は、第2グラフ144に表示させている学習変化率の時刻を示す。管理画像141を見ている教師等は、シークバー145の先端の位置を操作することにより、所望の時刻における学習変化率を観察できる。操作ボタン146は、第2グラフ144を、時刻の推移と共に進行させたり、一時的に進行を停止させたりする。
【0066】
図10に示す第2グラフ144は、時刻11時08分17秒における、平均データ、識別データP002、識別データP003、等の学習変化率を示している。第2グラフ144によれば、時刻11時08分17秒における識別データP003の学習変化率は、他の生徒の学習変化率ないし平均データと大きく離れた値を示している。すなわち、第2グラフ144は、当該時刻において、識別データP003の生徒の学習状況が他の生徒と異なっていたことを示している。
【0067】
以上、第2実施形態について説明した。第2実施形態によれば、管理装置100は、1人の生徒の学習画像の変化率を、同時刻の他の生徒の変化率と対比可能な態様により、表示する。そのため、管理装置100は、授業において教師等が注目すべき生徒の状況を好適に提供できる。よって、教師等は、管理装置100が表示するグラフを見ることにより、授業の進捗に対する生徒の全体の状況及び全体の動向とは異なる動向の生徒を直感的に把握できる。あるいは教師等が生徒端末に対する何らかの操作を生徒に指示した場合に、学習画像に変化がない等の生徒を、教師は容易に把握できる。すなわち、本実施形態によれば、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム、管理方法及び管理装置を提供できる。
【0068】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
図11は、第3実施形態に係る管理装置100のブロック図である。第3実施形態の管理装置100は、学習画像取得部150及び再生データ生成部160を有する点が、上述の実施形態と異なる。
【0069】
学習画像取得部150は、生徒端末200のそれぞれから学習画像を取得する。学習画像取得部150が学習画像を取得するタイミングは、生徒データ取得部110が変化データを取得するタイミングに対応している。これにより、管理装置100は、変化データと学習画像とを紐づけて処理できる。
【0070】
再生データ生成部160は、抽出部130が抽出した生徒端末200の変化データに基づいて、学習変化率が閾値範囲を超えた時刻の学習画像を含む一の生徒の再生データを生成する。この場合、再生データは、抽出した識別データに紐づく学習画像の全てを時間に沿って表示するものであってもよい。再生データは、抽出した識別データに紐づく学習画像の一部を時間に沿って表示するものであってもよい。また、再生データは、抽出した識別データに紐づく学習画像を含む複数の学習画像を時間に沿ってつなぎ合わせて表示するものであってもよい。
【0071】
本実施形態における表示制御部140は、抽出した識別データを表示するとともに、再生データ生成部160が生成した再生データを、表示装置に表示させる。
【0072】
図12は、第3実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
図12に示すフローチャートは、ステップS11に代えてステップS31を有する点、及び、ステップS22に代えてステップS32を有する点が、
図8に示したフローチャートと異なる。
【0073】
ステップS31において、生徒データ取得部110は、識別データ及び変化データを生徒端末200のそれぞれから取得する。また学習画像取得部150は、学習画像を生徒端末200のそれぞれから取得する。
【0074】
ステップS32において、再生データ生成部160は、抽出部130が抽出した生徒端末200の変化データに基づいて、学習変化率が閾値範囲を超えた時刻の学習画像を含む一の生徒の再生データを生成する。さらに表示制御部140は、抽出した識別データを表示するとともに、抽出した識別データに対応する学習画像を、表示装置に表示させる。このとき表示制御部140は、再生データ生成部160が生成した再生データを表示させる。
【0075】
図13は、第3実施形態に係る表示部の画像を示す図である。
図13に示す管理画像141は、第1グラフ142、シークバー145、操作ボタン146、情報表示部147及び再生画像148を含む。
【0076】
図13に示す第1グラフ142は、抽出した識別データに係る第3データL13を少なくとも含む。第1グラフ142はさらに、平均データである第1データL11を含む。
【0077】
情報表示部147は、再生画像に関する情報を示している。具体的には、情報表示部147は、再生画像の種別、生徒ID、日時、及び時刻を示している。再生画像148は、再生データ生成部160が生成した画像データが表示されたものである。再生画像の種別は、例えば、タイムラプス画像、全再生画像、などである。
【0078】
上述の構成において、
図13に示している管理画像141は、抽出された識別データP003のタイムラプス画像を再生している状況である。このような画像を再生させることにより、管理装置100は、個別の生徒の学習状況について、教師等に提示する。
【0079】
以上、第3実施形態について説明した。第3実施形態によれば、管理装置100は、抽出した1人の生徒の学習画像の再生画像を表示する。そのため、管理装置100は、注目すべき生徒の状況を分析可能に提示できる。また管理装置100は、注目すべき生徒において他の生徒とは異なる操作を行っていたときの状況に絞り込んで提示する。そのため教師等は、生徒の学習状況に注目すべき点があるか否かを探るための時間を抑えることができる。すなわち、本実施形態によれば、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム、管理方法及び管理装置を提供できる。
【0080】
<第4実施形態>
次に第4実施形態について説明する。
図14は、第4実施形態に係る管理装置100のブロック図である。本実施形態における管理装置100は、アラート出力部170を有する点が、上述の管理装置100と異なる。
【0081】
アラート出力部170は、学習変化率が閾値範囲を超えた生徒の識別データに関するアラートを出力する。アラートは、教師等が識別データを認識できる態様であればよい。具体的には、アラートは例えば、文字情報、所定の画像の表示、音声、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0082】
アラート出力部170は、閾値範囲からの逸脱量の大きさ又は逸脱している時間の長さに応じて、複数のアラートレベルを有するものであってもよい。例えばアラート出力部170は、アラートレベルを2段階有しており、レベルに応じたアラートの態様を有していてもよい。
【0083】
例えばアラート出力部170は、学習変化率の統計値からの逸脱量が比較的に小さい場合と、逸脱量が比較的に大きい場合とは、画面に表示させる画像の形態又は色彩等を異なる設定にしてもよい。
【0084】
あるいは、アラート出力部170は、学習変化率の統計値からの逸脱時間の長さに応じて、画面に表示させる画像の形態又は色彩等を異なる設定にしてもよい。
【0085】
本実施形態における学習画像取得部150は、生徒端末のそれぞれから学習画像を取得する。また本実施形態における表示制御部140は、取得した学習画像を、管理装置100が有する表示部に一覧表示させてもよい。この場合、表示制御部140は、学習変化率が閾値範囲を超えた時刻の学習画像を、予め設定された所定位置に表示させるものであってもよい。
【0086】
図15は、第4実施形態に係る管理方法のフローチャートである。
図15に示すフローチャートは、ステップS21の後にステップS42を有する点、及び、ステップS13の後にステップS32に代えてステップS43を有する点が、
図12に示したフローチャートと異なる。
【0087】
ステップS21において、閾値範囲を超えたデータがあると判断されなかった場合、管理装置100は、ステップS42に進む。
【0088】
ステップS42において、表示制御部140は、取得した学習画像を表示装置に表示させる。なお、この場合、管理装置100は、アラートを出力しない。そのため、管理装置100は、通常の授業等において用いるための学習画像を表示する。学習画像を表示すると、管理装置100は一連の処理を終了する。
【0089】
ステップS13において、抽出部130は、閾値を超えた生徒端末の識別データを抽出する。
【0090】
ステップS43において、表示制御部140は、取得した学習画像を表示装置に表示させる。またアラート出力部170は、閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データに関するアラートを出力する。アラートを出力した後に、管理装置100は一連の処理を終了する。
【0091】
図16は、第4実施形態に係る表示部の画像を示す第1の図である。本実施形態における学習画像取得部150は、生徒端末のそれぞれから学習画像を取得する。また本実施形態における表示制御部140は、取得した学習画像を、管理装置100が有する表示部に生徒端末200ごとに一覧表示させる。一覧表示は、例えば生徒の識別データの順に表示されている。一覧表示は、識別データP003を含む。識別データP003の学習画像149は、太い点線の枠に囲まれている。
【0092】
上述の構成において、識別データP003は、閾値を超えた生徒の識別データである。アラート出力部170は、閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく識別データに関するアラートとして、識別データP003が閾値を超えていることを示す信号を表示制御部140に出力する。表示制御部140は一覧表示を生成する場合に、アラートの対象である識別データP003の学習画像149を目立たせるための画像である矩形の枠線を重畳している。
【0093】
このように、管理装置100は、教師等が注目すべき生徒を認識できるようにアラートに応じた表示をする。なおこの場合に、管理装置100は学習画像の一覧表示を、教室における生徒の着座位置に対応させていてもよい。すなわち管理装置100は、一覧表示が位置に対応している場合に、抽出した識別データに対応する学習画像にアラートを重畳させる。これにより、管理装置100は、どの位置の生徒に注目すべきかを、教師等に対して直感的に理解できる態様で提示できる。
【0094】
図17は、第4実施形態に係る表示部の画像を示す第2の図である。
図17に示す管理画像141は、識別データP003に紐づく学習画像149の位置が
図16と異なる。すなわち、表示制御部140は、取得した学習画像を、管理装置100が有する表示部に生徒端末200ごとに一覧表示させる。一覧表示のうち、左上の表示制御部140は、太い点線の枠に囲まれている。
【0095】
上述の構成において、識別データP003は、閾値を超えた生徒の識別データである。アラート出力部170は、閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく識別データに関するアラートとして、識別データP003が閾値を超えていることを示す信号を表示制御部140に出力する。表示制御部140は一覧表示を生成する場合に、アラートの対象である識別データP003の学習画像149を目立たせるための画像である矩形の枠線を重畳している。さらに、表示制御部140は、学習変化率が閾値範囲を超えた時刻の学習画像を、予め設定された位置に表示させる。
図17に示す例の場合、予め設定された位置は、左上である。
【0096】
このように、管理装置100は、教師等が容易に注目すべき生徒を認識できるようにアラートに応じた表示をする。この場合、管理装置100は、予め設定された位置に表示される生徒に注目すべきであることを、教師等に促すことができる。よって、教師等は、管理装置100を使って授業を行う場合に、他の生徒の状況と異なる生徒の存在を容易に視認できる。
【0097】
以上、第4実施形態について説明した。第4実施形態によれば、管理装置100は、抽出した生徒の識別データをアラートとともに出力する。そのため、管理装置100は、注目すべき生徒の状況を好適分析に提示できる。すなわち、本実施形態によれば、端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を好適に抽出するための管理プログラム、管理方法及び管理装置を提供できる。
【0098】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施形態は、適宜他の実施形態と組み合わせることができる。
【0099】
各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示又は説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴又はステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴又はステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0100】
なお、本開示において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【符号の説明】
【0101】
1 管理システム
100 管理装置
110 生徒データ取得部
120 変化率取得部
130 抽出部
140 表示制御部
141 管理画像
142 第1グラフ
143 選択表示
144 第2グラフ
145 シークバー
146 操作ボタン
147 情報表示部
148 再生画像
149 学習画像
150 学習画像取得部
160 再生データ生成部
170 アラート出力部
200 生徒端末
210 学習プログラム実行部
220 表示制御部
221 表示部
222 学習画像
230 操作受付部
240 変化データ生成部
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
N1 ネットワーク
【要約】
【課題】端末を利用して学習をしている複数の生徒から、注目すべき生徒を抽出する管理プログラム等を提供する。
【解決手段】管理プログラムは、少なくとも表示部を有する生徒端末を授業において個別に使用する複数の生徒の学習状況を管理する管理方法をコンピュータに実行させる。管理方法は、生徒の識別データと、複数の異なる時刻において表示部に表示した生徒の学習にかかる画像である学習画像の変化に関する変化データと、を複数の生徒端末のそれぞれから順次取得し、変化データに基づいて生成される生徒それぞれの学習の時間的変化を示す学習変化率を取得し、授業を受けている複数の生徒が使用する生徒端末のそれぞれにおける学習変化率から統計値を算出し、統計値に基づいて、所定の閾値範囲を超えた学習変化率に紐づく生徒の識別データを表示可能に抽出する。
【選択図】
図1