(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】散水式の浄化装置及び浄化方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/04 20230101AFI20240903BHJP
【FI】
C02F3/04
(21)【出願番号】P 2024029225
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501273886
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立環境研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】松枝 孝
(72)【発明者】
【氏名】長野 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】大森 聖史
(72)【発明者】
【氏名】珠坪 一晃
(72)【発明者】
【氏名】竹村 泰幸
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-328683(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001708(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/004893(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3178799(JP,U)
【文献】実開昭53-118366(JP,U)
【文献】米国特許第04427548(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置であって、
微生物を保持した担体が複数充填された処理槽と、
前記処理槽の上方から汚水を散水する散水装置と、
前記処理槽と前記散水装置の間に配置され、前記汚水を前記処理槽へ分散して供給する分散層を備え、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記分散層は、平坦な前記発泡体が隙間をあけて複数敷設されている
浄化装置。
【請求項2】
前記発泡体上への前記汚水の滴下位置から前記隙間まで20~50cmの距離があくように、前記発泡体の敷設位置が調整されている
請求項
1に記載の浄化装置。
【請求項3】
汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置であって、
微生物を保持した担体が複数充填された処理槽と、
前記処理槽の上方から汚水を散水する散水装置と、
前記処理槽と前記散水装置の間に配置され、前記汚水を前記処理槽へ分散して供給する分散層を備え、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、上面から下面まで貫通する開口が形成されている
浄化装置。
【請求項4】
前記開口の大きさは25~225mm
2である
請求項
3に記載の浄化装置。
【請求項5】
前記発泡体は、空隙率が90%以上である
請求項
1に記載の浄化装置。
【請求項6】
汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置であって、
微生物を保持した担体が複数充填された処理槽と、
前記処理槽の上方から汚水を散水する散水装置と、
前記処理槽と前記散水装置の間に配置され、前記汚水を前記処理槽へ分散して供給する分散層を備え、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、平坦状であり、その厚さが15~50mmである
浄化装置。
【請求項7】
汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置であって、
微生物を保持した担体が複数充填された処理槽と、
前記処理槽の上方から汚水を散水する散水装置と、
前記処理槽と前記散水装置の間に配置され、前記汚水を前記処理槽へ分散して供給する分散層を備え、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、下面にプロファイル加工が施されたものである
浄化装置。
【請求項8】
汚水に対して微生物反応処理を行う散水式の浄化方法であって、
散水装置から分散層に対して汚水を散水する工程と、
前記分散層により汚水を処理槽へ分散して供給する工程と、
前記処理槽において、微生物を保持した担体により前記汚水に対して微生物反応処理を行う工程を含み、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含
み、
前記分散層は、平坦な前記発泡体が隙間をあけて複数敷設されている
浄化方法。
【請求項9】
汚水に対して微生物反応処理を行う散水式の浄化方法であって、
散水装置から分散層に対して汚水を散水する工程と、
前記分散層により汚水を処理槽へ分散して供給する工程と、
前記処理槽において、微生物を保持した担体により前記汚水に対して微生物反応処理を行う工程を含み、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、上面から下面まで貫通する開口が形成されている
浄化方法。
【請求項10】
汚水に対して微生物反応処理を行う散水式の浄化方法であって、
散水装置から分散層に対して汚水を散水する工程と、
前記分散層により汚水を処理槽へ分散して供給する工程と、
前記処理槽において、微生物を保持した担体により前記汚水に対して微生物反応処理を行う工程を含み、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、平坦状であり、その厚さが15~50mmである
浄化方法。
【請求項11】
汚水に対して微生物反応処理を行う散水式の浄化方法であって、
散水装置から分散層に対して汚水を散水する工程と、
前記分散層により汚水を処理槽へ分散して供給する工程と、
前記処理槽において、微生物を保持した担体により前記汚水に対して微生物反応処理を行う工程を含み、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含み、
前記発泡体は、下面にプロファイル加工が施されたものである
浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水を微生物反応槽に散水して浄化するため浄化装置及び浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、微生物を保持した担体が多数充填された処理槽に汚水を散水して、この担体が保持する微生物の分解機能によって汚水を好気的に浄化するDHS(Downflow Hanging Sponge)法や、この方法を実行するための浄化装置(DHSリアクター)が知られている。このような浄化装置では、処理槽の浄化機能を効率的に発揮させるためには、処理槽に対して均一に汚水を散水することが理想であるとされている。
【0003】
ここで、本願出願人は、浄化装置に供給する汚水の流量を少なくした場合でも、処理槽全体に汚水を均一に供給できるようするための技術を提案している(特許文献1)。特許文献1では、例えば処理槽と散水装置の間であって散水装置から落水する汚水が衝突する位置に分散部材(散水プレート)を配置し、この分散部材によって汚水を分散することによって処理槽に対して汚水を広く分散させることとしている。
【0004】
また、特許文献2では、散水装置から散水された汚水を処理槽に広く分散させると共に、処理槽内の放熱を抑制するために、処理槽の上方に多孔質層を設けることが提案されている。この特許文献2では、汚水の分散と放熱の抑制を両立するために、多孔質層として合成繊維の織物又はグラスウールからなる多孔質フリースを採用することが特に好ましいと説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-167194号公報
【文献】米国特許第4274966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のように、分散部材(散水プレート)に汚水を衝突させて、汚水を飛沫化させた場合であっても、処理槽に汚水が滴下する場所が偏在してしまい、汚水を処理槽に対して均一に分布させることが難しいという課題が残っていた。また、汚水に固形物が含まれること、処理槽内の担体に保持された微生物と汚水の反応に伴って担体に固形物が堆積することが知られているが、処理槽の滴下位置が偏在するとこの固形物の堆積にも偏りが生じ、その結果汚水の流れにも偏り(いわゆるショートパス)が生じることがある。具体的には、汚水に含まれる固形物や微生物の反応により生成された固形物が処理槽の一部に堆積すると、汚水が処理槽内の一部の経路だけを流れることになるため、汚水と担体の接触が不十分になって反応効率が低下する恐れがある。
【0007】
このような処理槽に対する汚水の滴下位置の偏在化を緩和するために、特許文献2で提案されているように、処理槽の上方に多孔質層を設け、散水装置からこの多孔質層に汚水を散布することも考えられる。しかし、特許文献2の多孔質層は、処理槽内の放熱を抑制することを目的の一つとしたものであるために、合成繊維織物又はグラスウールが用いることが推奨されている。このような合成繊維織物又はグラスウールからなる多孔質層は、長期間使用していると汚水の滴下圧によって形状や、厚み、密度などが局所的に変化しやすく、多孔質層内に浸透した汚水が形状等の変化した場所に集中して流れ込みやすいという問題がある。このため、結局のところ、多孔質層に対する汚水の滴下位置が偏在すると、多孔質層から処理槽への汚水の流れにも偏りが生じてしまうことになる。さらに、合成繊維織物からなる多孔質層は、長期間使用すると担体に保持されている微生物によって分解されたり、汚水中に含まれる固形物が目詰まりを起こしたり、通気性が悪くカビや雑菌の温床になったりすることも懸念される。グラスウールからなる多孔質層にしても、長期間使用すると微生物の反応により生じた固形物が目詰まりを起こしたり、通気性が悪くカビや雑菌の温床になったりすることが懸念される。このように、特許文献2で提案されている多孔質層は、比較的頻繁に交換又は洗浄が必要となるため、浄化装置内で使用するには実用的なものではないと考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、より効率的に、汚水を処理槽に対して均一に分散供給できるようにするための技術を提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、上記した従来発明の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、散水装置と処理槽の間に樹脂製の発泡体を含む分散層を設けることにより、比較的長期に亘って散水装置から滴下された汚水を処理槽に対して均一に分散できるようになるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来発明の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0010】
本発明の第1の側面は、汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置100に関する。本発明に係る浄化装置100は、処理槽10、散水装置20、及び分散層30を備える。処理槽10は、微生物を保持した担体11が複数充填されている。散水装置20は、処理槽10の上方から汚水を散水する。分散層30は、処理槽10と散水装置20の間に配置されており、汚水を処理槽10へ分散して供給する。ここで、分散層30は、樹脂製の発泡体31を含んで構成されている。このように、処理槽10の上部に樹脂製の発泡体31(スポンジなど)を含む分散層30を設けることで、この分散層30が散水装置20から散水された汚水を表面張力の働きで一時的に保持しながら徐々に離水していく。このとき、分散層30に吸収された汚水は、分散層30内で水平方向に拡散しながら、その下面と処理槽10内の担体11とが接触する場所から離水するため、処理槽10の水平方向に対して均一に供給され易くなる。特に、樹脂製の発泡体31はその立体的形状が維持しやすいものであるため、分散層30をこのような発泡体31によって形成することで汚水の滴下圧などによって変形しにくくなる。また、樹脂製の発泡体31は、担体11に保持されている微生物によって分解しにくいものであるため、長期間使用しても劣化しにくい。このため、分散層30の交換頻度を下げることができる。従って、本発明によれば、この分散層30を比較的長期的に使用し続けることができる。
【0011】
本発明に係る浄化装置100において、分散層30は平坦な発泡体31が隙間をあけて複数敷設されることにより形成されたものであることが好ましい。このように平坦な発泡体31によって分散層30を形成することで、処理槽10に対して均一に汚水を供給しやすくなる。また、発泡体31を長期間使用しているとその内部に微生物が侵入し、微生物と汚水が反応することで固形物が生成され、この固形物が発泡体31の内部に蓄積することが想定される。また発泡体31の内部に固形物が全体的に蓄積された状態では、その発泡体31の上方から汚水を散水しても、汚水が発泡体31内部まで浸透せずに、発泡体31の上面において横滑りを起こすことがある。この場合に、隙間をあけて複数の発泡体31を敷設することで、横滑りした汚水がそれらの隙間から下方に流れて処理槽10に到達するため、発泡体31内に固形物が蓄積した状態にあってもある程度均一に汚水を処理槽10へと導くことができる。
【0012】
本発明に係る浄化装置100において、分散層30を形成する発泡体31は、それぞれ、平面視(XY面)において帯状又は、多角形状、又は円形状である。なお、異なる形状の発泡体31によって分散層30を形成することも可能である。
【0013】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31上への汚水の滴下位置から隙間まで20~50cmの距離があくように、発泡体31の敷設位置が調整されていることが好ましい。汚水の滴下位置から隙間の距離が短すぎると、発泡体31に滴下された汚水がこの隙間から離水しやすくなるため、処理槽10への汚水の供給に偏りが生じやすくなることが懸念される。一方で、汚水の滴下位置から隙間までの距離が長すぎると、前述したように発泡体31の内部に固形物が充填された状態において汚水を発泡体31の下層の処理槽10へと適切に導くことができなくなることも懸念される。そこで、汚水の滴下位置から隙間までの距離(具体的には最短距離)が20~50cmの範囲となるように、発泡体31の敷設位置が調整されていることが好ましい。なお、汚水の滴下位置の全てに対して発泡体31が上記条件を満たす敷設位置となっていることが好ましいが、これに限られず、汚水の滴下位置の少なくとも1つに対して発泡体31が上記条件を満たす敷設位置となっていればよい。例えば、汚水の滴下位置の半数以上に対して発泡体31が上記条件を満たす敷設位置となっていることが好ましい。
【0014】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は上面から下面まで貫通する開口31aが形成されていてもよい。このように発泡体31自体に開口31aを形成することで、前述したように発泡体31の内部に固形物が蓄積した状態においても、汚水を発泡体31の下層の処理槽10へと導くことができるようになる。この場合に、開口31aの大きさ(平面視における開口面積)は25~225mm2であることが好ましい。開口31aが小さすぎるとこの開口31aを通じて汚水を処理槽10へと導入する機能が低下し、その反面で開口31aが大きすぎると発泡体31全体に汚水を保持する機能性が低下する。このため、一つの開口31aの大きさは25~225mm2の範囲とすることが適切である。
【0015】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、1平方インチ当たりのセルの平均数が20~50個であることが好ましい。セルとは、発泡体31に形成されている空洞の各単位を意味する。発泡体31は、例えば基材を発泡剤と混合させて発泡させることにより得られるが、このときに基材中に発生したガス(気泡)によって発泡体31内にセル(空洞)が形成される。発泡体31内の単位体積あたりのセル数が少ないと汚水の保持量が増加するとともに目詰まりを起こしにくく、処理槽10に対して均一に供給しやすくなり、一方で単位体積あたりのセル数が多いと汚水の保持量が低下するとともに目詰まりを起こしやすく、処理槽10に対して均一に供給しにくくなる。このため、発泡体31としては、1平方インチ当たりのセルの平均数が20~50個のものを採用することが好ましい。
【0016】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、平均セル径が0.5~1.25mmであることが好ましい。平均セル径が上記範囲の発泡体31を採用することで、汚水を均一に処理槽10へと供給しやすくなる。
【0017】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、空隙率(体積%)が90%以上であることが好ましい。空隙率が上記範囲の発泡体31を採用することで、汚水を均一に処理槽10へと供給しやすくなる。
【0018】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、平坦状であり、その厚さが15~50mmであることが好ましい。厚さが上記範囲の発泡体31を採用することで、汚水を均一に処理槽10へと供給しやすくなる。
【0019】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、下面にプロファイル加工が施されたものであってもよい。プロファイル加工とは、発泡体31の面に対して波型の凸凹を形成することをいう。
【0020】
本発明に係る浄化装置100において、発泡体31は、膜のあるセルの平均数が1cm3あたり5個以下であることが好ましい。
【0021】
本発明の第2の側面は、汚水に対して微生物反応処理を行う散水式の浄化方法に関する。本発明に係る浄化方法では、散水装置20から分散層30に対して汚水を散水する(散水工程)。また、分散層30により汚水を処理槽10へ分散して供給する(分散工程)。また、処理槽10において、微生物を保持した担体11により汚水に対して微生物反応処理を行う(処理工程)。本発明において、分散層30は、樹脂製の発泡体31を含んで構成されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、汚水を処理槽に対して効率的に分散供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る浄化装置を示した模式図である。
【
図2】
図2は、分散層を構成する発泡体の第1例を示している。
【
図3】
図3は、分散層を構成する発泡体の第2例を示している。
【
図4】
図4は、分散層を構成する発泡体の他の例を示している。
【
図5】
図5は、開口が形成された発泡体の例を示している。
【
図6】
図6は、プロファイル加工が施された発泡体の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
なお、本願明細書において、「A~B」とは「A以上B以下」であることを意味する。
また、図面にはXYZの三次元の座標軸を付している。X軸は浄化装置100の横方向、Y軸方向は浄化装置100の奥行方向、X軸方向は浄化装置100の高さ方向をそれぞれ示している。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る浄化装置100を示している。本実施形態の浄化装置100は、例えば有機性廃水処理装置の一部として用いられる。浄化装置100は、例えばUASB(Up-flow Anaerobic Sludge Blanket)リアクター等により嫌気性処理された汚水を、好気性生物処理により浄化する。具体的には、浄化装置100は、汚水給水管から供給された汚水を、処理槽に充填された微生物保持担体に散水し、この担体が保持する微生物の分解機能を利用して、汚水を好気的に浄化する。
図1に示されるように、浄化装置100は、処理槽10、散水装置20、分散層30、及び集水部40を備える。
【0026】
処理槽10は、微生物を保持した担体11が多数充填された槽であり、この槽において汚水の浄化が行われる。担体11の素材や形状は特に制限されず、担体11としては公知のものを採用できる。担体11は、微生物保持密度を高くし、また水理学的滞留時間を確保するために、多孔質で保水性のあるものが望ましい。例えば、担体11としては、ポリウレタンなどの樹脂製の発泡体によって構成されたものを用いればよい。担体11の形状は、円柱状、円筒状、四角柱状、四角筒状、その他の多角柱状、多角筒状とすればよい。また、担体11に保持される微生物としては、例えば、溶存性物質を好気的に酸化する従属栄養菌や、アンモニア、硫黄系臭気(硫化水素、硫化メチル等)、メタンを好気的に酸化する独立栄養菌が挙げられる。
【0027】
また、処理槽10は、架台(不図示)に設置される。また、処理槽10は、担体11が充填された内部空間の下端側に底板12を有しており、この底板12には複数の通液孔12aが形成されている。処理槽10の担体11を通過した汚水は、この底板12の通液孔12aを通じて、その下部に設けられた集水部40へと導入される。
【0028】
散水装置20は、処理槽10の上方に配置されており、処理槽10に対して汚水を散水する。散水装置20としては、公知のものが採用できるが、例えば特許文献1(特開2018-167194号公報)に開示されたものを採用すると良い。具体的に説明すると、散水装置20は、汚水給水管21(ヘッダー管)が有する流出孔から汚水を受け取って散水する。散水装置20は、受容部材22、排水管23、分岐管24、及びノズル25を有する。なお、
図1では、排水管23、分岐管24、及びノズル25を別体として描画しているが、1つの部材で構成することも可能である。受容部材22は、上面が開口された樋状の部材である。受容部材22は、汚水給水管21の流出孔から流下する汚水を受容して、底面に形成された挿通孔を介して汚水を排水管23に供給する。排水管23は、受容部材22の下面の挿通孔に挿通された状態で、受容部材22に固定されている。分岐管24は、排水管23の下端に結合されており、排水管23を流通してきた汚水を複数の排出口に向かって分岐させつつ、下り傾斜するように構成されている。
図1に示した例では、散水装置20は2つの排出口を有しているが、これに限らず排出口の数は3つ、4つ又はそれ以上とすることもできる。ノズル25は、排出口から排出する汚水の流れを変化させるためのものであり、分岐管24の先端のそれぞれに取り付けられている。ノズル25の向きや傾きを調整することで、汚水の排出方向、具体的には汚水の滴下位置を調整することが可能である。
【0029】
分散層30は、処理槽10と散水装置20の間に配置されている。分散層30は、散水装置20から排出された汚水を受け取って、一時的に保持し、汚水の滴下位置を中心に汚水を広範囲に分散させながら処理槽10へと供給する。分散層30は、発泡体31によって構成されている。発泡体31は、内部に微細孔が無数に形成された多孔質構造となっており、微細孔を囲うように張り巡らされた網目状の細管が毛細管現象により液体を吸い上げて、その微細孔内に液体を保持する。このため、発泡体31の上方から汚水を滴下すると、汚水は滴下位置を中心に発泡体31内部において立体的に拡散する。また、汚水を発泡体31上に滴下し続けると、発泡体31内に既に保持されている汚水が新しく発泡体31内に入り込んだ汚水によって押し下げられて、最終的には発泡体31の下面から離水される。特に、発泡体31の下面に処理槽10内の担体11が接触している場合には、その接触している担体11により発泡体31内の汚水が吸収されることとなる。このような現象を利用して、分散層30は、散水装置20から受け取った汚水を処理槽10内の担体11に対して広範囲かつ均一に分散させる。
【0030】
また、本発明において、発泡体31は、樹脂製のものが採用される。樹脂製の発泡体31は、主に発泡剤と基材とを混合して、発泡剤の分解によってガスを発生させることで基材を発泡させる化学発泡法により得られる。基材として用いられる樹脂としては、ポリウレタン(PUR)系樹脂、ポリエチレン(PE)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂などが挙げられる。また、基材としては、これらの樹脂を1種類で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、発泡体31としては、ポリウレタン系樹脂のものを用いることが好ましい。ポリウレタン系樹脂の例は、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、シリコーン系ポリウレタン樹脂、アクリル系ポリウレタン樹脂、及び変性ポリウレタン樹脂である。特に、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を採用することが好ましい。ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の発泡体31は、耐久性と衝撃吸収性が高いことから、長期に亘って汚水を滴下し続けてもその形状が変化しにくく、またその表面に落下した汚水が飛散しにくいため、汚水を安定的に分散し続けることができる。また、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、その分子構造が比較的安定であるため、汚水や微生物に対する耐性がある。
【0031】
集水部40は、処理槽10を通過した液体を集めて、外部に排出する。前述の通り処理槽10の下端には通液孔12aを持つ底板12が設けられており、この通液孔12aを通過した液体が集水部40に流入する。集水部40の底面はすり鉢状となっており、その底面の最低部に排水管41が設けられている。このため、集水部40に集められた液体はこの排水管41を通じて外部に排出される。
【0032】
続いて、分散層30とそれを形成する発泡体31についてさらに詳しく説明する。分散層30は、前述の通り散水装置20からの汚水を分散して処理槽10に供給する。このように汚水を効率的に分散供給するためには、適度な保水性と形態安定性を備えた発泡体31を採用することが好ましい。
【0033】
具体的には、発泡体31は、前述の通り樹脂基材を発泡剤によって発泡したものである。このようにして得られた発泡体31は、その内部に多数の微細なセル(空洞)が形成されている。発泡体31内部の長さインチ[in]あたりの平均セル数は20~50個であることが好ましく、20~40個又は30~40個であることが特に好ましい。平均セル数を測定するには、発泡体31をスライスして試片を得て、デジタルマイクロスコープ(例えば商品名「VHX-600」、キーエンス株式会社製)により試片の断面の画像を取り込み、この画像から1平方インチ内のセルの数をカウントする。同じ処理を他の試片に対しても行い、1平方インチあたりの平均セル数(セル密度ともいう)を求める。計測する試片の数は10個とする。
【0034】
また、発泡体31には薄い膜を持つセルが存在することがある。この膜は汚水の流通を阻害する要素となり得るため、発泡体31としては膜を持つセルの数が少ないものを選ぶと良い。具体的には、発泡体31は、膜を持つセルの平均数が1cm3あたり5個以下であることが好ましく、3個/1cm3以下であることが特に好ましい。膜を持つセルの数を測定するには、発泡体31を1cm3の立方体にカットしてサンプルを形成し、このサンプルの六面をそれぞれ目視で観察して、膜を持つセルの数をカウントする。同じ処理を他のサンプルに対しても行い、1cm3あたりの膜を持つセルの平均数を求める。計測するサンプルの数は10個とする。なお、樹脂製の発泡体(スポンジなど)では、発泡体の形状が変形しても膜構造の働きによるクッション効果によって復元しやすく、良好な保水性を保ちつつ目詰まりの原因を抑制することができる。しかし、合成繊維織物やグラスウールでは樹脂製の発泡体のような膜構造がないことから潰れやすく、保水性が悪化するとともに目詰まりの原因となりやすい。
【0035】
また、発泡体31の平均セル径は0.5~1.25mmであることが好ましく、0.5~1.2mm又は0.6~1.0mmであることが特に好ましい。平均セル径は、平均セル数と同様に、発泡体31をスライスして得られた試片の画像をデジタルマイクロスコープにより取り込んで、この画像を解析することによって求めればよい。具体的には、平均セル径は、デジタルマイクロスコープにより発泡体の断面の拡大画像を取り込み、切断面の一定面積(100×100mm)に表れた全てのセルの面積を測定し、円相当径換算した後、セル数で平均化することで求めることができる。
【0036】
また、発泡体31の空隙率(体積%)は、90%以上又は93%以上であることが好ましく、90~99.9%又は93~98%であることが特に好ましい。発泡体の空隙率は、平均セル数と同様に、発泡体31をスライスして得られた試片の画像をデジタルマイクロスコープにより取り込んで、この画像を解析することによって求めればよい。具体的には、発泡体31の試片の画像を二値化し、樹脂からなるマトリックス相と気泡からなる気泡相との面積比を空隙率(発泡成形後の発泡体の原料体積分率)とみなすことができる。
【0037】
図2は、複数の発泡体31を並べて配置することにより分散層30を形成した例を示している。
図2に示した例では、奥行方向(Y方向)に長く延びる帯状の発泡体31が、横方向(X方向)に複数並べて配置されている。
図2では、横方向に3つの発泡体31を並べて配置しているが、発泡体31の数はこれに限られず、4つ又は5つ以上など、処理槽10の横幅にあわせて調整することができる。なお、各発泡体31の奥行方向の長さについても、処理槽10の奥行にあわせて調整すればよい。
【0038】
また、発泡体31は、処理槽10の上方にほぼ水平に敷設することが好ましい。発泡体31の処理槽10の上方で斜めに傾いて敷設されていると、発泡体31に保持されている汚水が低いほうに向かって流れることになるため、発泡体31から処理槽10に対して均一に汚水を供給しにくくなる。このため、発泡体31はほぼ水平に敷設することが好ましい。
【0039】
また、
図2に示した例において、発泡体31は、一定の厚さTを持ち、平面視において長方形に成形された平坦状となっている。発泡体31の厚さTは、15~50mmであることが好ましく、20~50mm又は30~45mmであることが特に好ましい。このように、発泡体31の厚さTと共に上述したセル径やセル密度を調整することで、発泡体31の保水量を適切な値とすることができる。
【0040】
また、発泡体31は水を含む前の状態(乾燥状態)と水を含んだ後の状態(湿潤状態)とで厚さTの変化が小さいことが好ましい。樹脂製の発泡体31は多孔質構造であるため、水を吸収すると発泡体31内の空気が水に置き換わり体積が増加して厚さTが大きくなる傾向にある。発泡体31の厚さTは、乾燥状態のときの厚さを100%とした場合に、湿潤状態のときの厚さは103%以下であることが好ましい。具体的には、湿潤状態のときの厚さは、乾燥状態に対して100~103%であることが好ましく、100~102%又は100~101%であることが特に好ましい。測定方法としては、発泡体31から同じ寸法・厚さ(例えば20×20×20mm)の試片を2つ切り出し、一方は常温(25℃)・常湿(50%)・常圧(1気圧)下に6時間おいて自然乾燥させて平面台に置き乾燥試片とし、他方は水に浸した後にゆっくりと持ち上げて水が滴らなくなるまで待った後に平面台に置き湿潤試片とする。この状態で、乾燥試片と湿潤試片の厚さを測定し比較する。水を吸収しても変形しにくい発泡体31は、その厚さが吸水によって大きく変化しないため、形状の安定性が高く、製品の形状を維持しやすいといえる。また、吸水による厚さの変動が小さければ、発泡体31のクッション性や保温性などの機能が安定する。
【0041】
また、
図2に示したように、複数の発泡体31を並べて配置する場合には、各発泡体31の間に隙間Sが形成されるようにすると良い。隙間Sは、1mm~100mmであることが好ましく、3~80mm又は5~50mmであることが特に好ましい。
【0042】
また、処理槽10に充填された担体11の上に発泡体31を並べるときには、散水装置20から排出された汚水の滴下位置の下に発泡体31を置くと良い。
図2では、発泡体31上に滴下される汚水の滴下位置を符号Dで示している。このとき、ある発泡体31上の汚水の滴下位置Dから隣り合う別の発泡体31との隙間Sまでの最短距離Lは、10~50cmであることが好ましく、10~45cm又は10~15cmであることが特に好ましい。
【0043】
また、発泡体31の横幅Wは、上記した滴下位置Dから隙間Sまでの最短距離Lを考慮して設計すればよい。例えば、発泡体31の横幅Wは、20~100cmであることが好ましく、20~90cm又は20~30cmであることが特に好ましい。
【0044】
次に、
図3は、発泡体31の別例を示している。
図3に示した例では、各発泡体31は、平面視において四角形状、具体的には正方形状に成形されている。このような四角形状の発泡体31を、横方向(X方向)と奥行方向(Y方向)にそれぞれ複数ずつ並べることで、分散層30が形成されている。特に
図3に示した例では、奥行方向に並ぶある発泡体31の列と、これに隣接する別の発泡体31の列とが、発泡体31の中心が横方向にみて直線上に揃わないようにオフセットして配置されている。具体的には
図3の例では、ある発泡体31の列とこれに隣接する別の発泡体31の列とでは、奥行方向にみて1/2個ずつ発泡体31の位置をずらしてある。このように、四角形状の発泡体31は、いわゆる千鳥状に配置することも可能である。
【0045】
また、
図3に示した例では、各発泡体31は、横方向(X方向)の隙間S
1だけでなく、奥行方向(Y方向)にも隙間S
2をあけて配置されている。横方向の隙間S
1は、前述した通りであるが、1mm~100mmであることが好ましく、3~80mm又は5~50mmであることが特に好ましい。また、縦方向の隙間S
2についても同様であり、1mm~100mmであることが好ましく、3~80mm又は5~50mmであることが特に好ましい。
【0046】
さらに、
図3に示した例においても、ある発泡体31上の汚水の滴下位置Dから隣り合う別の発泡体31との隙間S
1,S
2までの最短距離Lは、10~50cmであることが好ましく、10~45cm又は10~15cmであることが特に好ましい。
【0047】
なお、
図3に示した例では、平面視における発泡体31の形状を正方形としているが、これに限られず、発泡体31の形状を長方形として横方向(X方向)と奥行方向(Y方向)にそれぞれ複数ずつ並べることもできる。また、
図3に示した例では、発泡体31をいわゆる千鳥状に配置しているが、これに限られず、発泡体31の中心(正方形や長方形であればX方向とY方向のそれぞれの中心)が横方向及び奥行方向に直線上に揃うように配置することも可能である。
【0048】
次に、
図4は、発泡体31の別例を示している。
図4(a)の例では、平面視において円形状の発泡体31が隙間Sをあけて並べて配置されている。なお、発泡体31は所定の厚みを有しているため、実際には円柱状である。このように、複数の円柱状の発泡体31を並べて分散層30を形成することも可能である。この場合、発泡体31の円形の上面の中心付近に汚水が滴下するようにすると良い。
【0049】
また、
図4(b)の例では、平面視において六角形状の発泡体31が隙間Sをあけて並べて配置されている。なお、発泡体31は所定の厚みを有しているため、実際には六角柱状である。このように、複数の六角柱状の発泡体31を並べて分散層30を形成することも可能である。この場合、発泡体31の六角形の上面の中心付近に汚水が滴下するようにすると良い。また、発泡体31を六角柱状とした場合、発泡体31の同士間の隙間Sを全て同じ幅とすることも可能である。このように六角柱状の発泡体31を均等に並べて分散層30を形成することで、より均一に汚水を分散させることができる。
【0050】
図5は、開口31aが形成された発泡体31の例を示している。開口31aは、発泡体31の上面から下面まで貫通する孔となっている。開口31aは、例えば発泡体31に対してパンチング加工を行うことにより形成することができる。開口31aは、発泡体31の適所に形成できるが、汚水の滴下位置Dから所定の間隔をあけて形成することが好ましい。つまり、汚水の滴下位置Dと開口31aが重なるのは望ましくない。例えば滴下位置Dから開口31aまでの最短距離Lは、10~50cmであることが好ましく、10~45cm又は10~15cmであることが特に好ましい。
【0051】
また、開口31aの形状は特に制限されないが、例えば
図5に示したように平面視において四角形状であってもよい。また、図示は省略するが、開口31aは円形状やその他の多角形状としてもよい。
【0052】
また、開口31aの大きさ(平面視における面積)は25~225mm
2の範囲とすることが好ましい。なお、例えば
図5に示した例のように開口31aが四角形状の場合、その大きさは、横方向の長さxと奥行方向のyから求められる。例えば開口31aが正方形の場合、一辺の長さは5~15mmとなる。なお、開口31aの面積に対して発泡体31の厚さTを乗ずると開口31aの体積となる。
【0053】
また、1平方メートルあたりの発泡体31に形成されている開口31aの面積は、0.01125~0.0225m2であることが好ましい。発泡体31に形成されている開口31aが多すぎると、発泡体31が適度な保水力を発揮できなくなる反面、開口31aが少なすぎると、開口31aを利用した汚水の分散効果が損なわれる。このため、1平方メートルあたりの開口31aの面積は、上記した範囲とすることが好ましい。
【0054】
図6は、プロファイル加工が施された発泡体31の例を示している。プロファイル加工により、発泡体31の面には横方向(X方向)と奥行方向(Y方向)に亘って凸部31bと凹部31cとが繰り返し連続して形成されている。プロファイル加工を施すのは、発泡体31の上面側(散水装置20側)と下面側(処理槽10側)のどちらか一方のみであってもよいし、両方であってもよい。
【0055】
特に、発泡体31の下面側にプロファイル加工を施す場合、発泡体31の下面の凸部31bが処理槽10の担体11に直接接触する。処理槽10の最上層に位置する担体11は高さにバラツキがあるため、通常は発泡体31全体を水平に保つことが難しいが、担体11と接触する発泡体31の下面に多数の凸部31bを形成しておくことで、担体11との接触箇所においては凸部31bが変形するに留まり、発泡体31は全体として水平を保ったまま支えられることになる。発泡体31全体が水平に保たれれば、発泡体31内の汚水の流れに偏りが生じにくくなるため、発泡体31により汚水を均一に分散する効果が高まる。また、発泡体31の下面に多数の凸部31bを形成した場合、この凸部31bに発泡体31内に吸収されている汚水が集まる。そして、発泡体31内の汚水は、下面の凸部31bを伝って、これに接触している担体11へと供給される。このため、発泡体31の下面に凸部31bを形成することで、水平面に広がった多数の凸部から汚水が伝わることから、発泡体31から担体11への汚水の供給についての分散性が向上する。
【0056】
また、
図6の断面部分に示したように、発泡体31にプロファイル加工を施す場合、発泡体31の厚さTの基礎部分は維持しつつ、この基礎部分に加えて高さHの凸部31bを付け加えると良い。基礎部分の厚さTは、前述した通り15~50mmとすることが好ましい。また、凸部31bの高さHは、基礎部分の厚さTに対して50~100%の範囲であることが好ましく、60~100%又は70~100%としてもよい。具体的には、凸部31bの高さHは、7~50mmであることが好ましく、10~50mm又は15~45mmであることが特に好ましい。
【0057】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0058】
10…処理槽 11…担体
12…底板 12a…通液孔
20…散水装置 21…汚水給水管
22…受容部材 23…排水管
24…分岐管 25…ノズル
30…分散層 31…発泡体
31a…開口 31b…凸部
31c…凹部 40…集水部
41…排水管 100…浄化装置
【要約】
【課題】汚水を処理槽に対して効率的に分散供給する。
【解決手段】汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置100であって、微生物を保持した担体11が複数充填された処理槽10と、処理槽10の上方から汚水を散水する散水装置20と、処理槽10と散水装置20の間に配置され汚水を処理槽10へ分散して供給する分散層30を備え、分散層30は樹脂製の発泡体31を含む。
【選択図】
図1