(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20240903BHJP
A47B 9/10 20060101ALI20240903BHJP
A47B 91/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A47B13/00 A
A47B9/10
A47B91/00 Z
(21)【出願番号】P 2020092787
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】513067875
【氏名又は名称】須藤 二三男
(74)【代理人】
【識別番号】100090228
【氏名又は名称】加藤 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】須藤 二三男
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第03085260(FR,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0138280(KR,A)
【文献】特開2017-029453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0295994(US,A1)
【文献】特開2004-147957(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101332018(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/04-9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、複数の脚足ユニットと、複数の操作部を備えており、
前記複数の脚足ユニットは、それぞれ、上端部と下端部とを有しており前記上端部と下端部を結ぶ方向の長さが変更可能であって且つ前記上端部が前記天板に連結されている支柱、及び前記支柱の前記下端部に連結されており床上に着座する足部を有しており、
前記複数の脚足ユニットの前記支柱の前記長さは、前記複数の操作部のいずれかの操作部の操作によって変更されるテーブルであって、
前記複数の脚足ユニットは、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の一方の側に配置されている第1脚足ユニット群と、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の他方の側に配置されている第2脚足ユニット
群のいずれか一方の群に属しており、
前記操作部は、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第1操作部と、当該第1操作部とは独立して操作可能であり且つ前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第2操作部とを有して
おり、
前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱に取り付けられている前記足部と、前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱に取り付けられている前記足部とは、当該両足部の前記天板の傾斜に応じて生じる相対的な位置変化を吸収した状態で連結部材によって連結される
ことから成るテーブル。
【請求項2】
前記各脚足ユニットにおいて、前記足部は、前記支柱に取り付けられており且つ前記天板の前記一方の側と前記他方の側との間を結ぶ方向を長手方向として延びる足本体部と、当該足本体部に対して前記長手方向に隔置されており且つ前記床に着座する複数の着足部分を備える
ことから成る請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記足部の前記足本体部は前記支柱に固定的に取り付けられており、
前記足部の前記着足部分は、前記足本体部に対して前記床方向への突出高さを変更可能に取り付けられており、
前記着足部分の前記足本体部に対する突出高さは前記天板の傾斜角度に応じた高さに変更される
ことから成る請求項2に記載のテーブル。
【請求項4】
天板と、複数の脚足ユニットと、複数の操作部を備えており、
前記複数の脚足ユニットは、それぞれ、上端部と下端部とを有しており前記上端部と下端部を結ぶ方向の長さが変更可能であって且つ前記上端部が前記天板に連結されている支柱、及び前記支柱の前記下端部に連結されており床上に着座する足部を有しており、
前記複数の脚足ユニットの前記支柱の前記長さは、前記複数の操作部のいずれかの操作部の操作によって変更されるテーブルであって、
前記複数の脚足ユニットは、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の一方の側に配置されている第1脚足ユニット群と、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の他方の側に配置されている第2脚足ユニット
群のいずれか一方の群に属しており、
前記操作部は、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第1操作部と、当該第1操作部とは独立して操作可能であり且つ前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第2操作部とを有して
おり、
前記脚足ユニットには、少なくとも、平行四辺形の四つの頂点に対応してそれぞれに配置された四本の脚足ユニットが含まれており、
前記天板の前記一方の側と前記他方の側は、前記平行四辺形の対向する二組の辺のそれぞれについての一方の辺の側と他方の辺の側であり、
前記天板の前記二組の側のそれぞれにおいて、前記脚足ユニットについては前記第1脚足ユニット群と前記第2脚足ユニット群が定められ、前記操作部については前記第1操作部と前記第2操作部が設けられており、
前記四本の脚足ユニットは、前記二組の側のうちの一方の組の側の前記第1脚足ユニット群と前記第2脚足ユニット群のいずれか一方の群と、前記二組の側のうちの他方の組の側の前記第1脚足ユニット群と前記第2脚足ユニット群のいずれか一方の群の両方の群にそれぞれ属している
ことから成るテーブル。
【請求項5】
前記脚足ユニットは、いずれも前記支柱の前記上端部を前記天板に連結するため、前記天板と前記支柱の前記上端部とに取り付けられる天板受け構造を含んでおり、
前記四本の脚足ユニットに対応する前記天板受け構造には、それぞれ、一方の前記組のいずれかの前記操作部と他方の前記組のいずれかの前記操作部が延びており、
いずれの当該操作部を操作することでも当該天板受け構造に前記上端部が取り付けられている前記支柱の長さを変更することができる
ことから成る請求項
4に記載のテーブル。
【請求項6】
前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さと前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを同じ長さに変更することにより、前記天板の高さを変更する
ことから成る請求項1~
5のいずれか一項に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天板、当該天板を支えており且つ操作によってその高さが変更可能な複数の支柱、当該支柱の下端部に連結されており前記支柱を床上に支える足部を備えるテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事務用机や家具、設置台、作業台のような装置(以下、本明細書では「テーブル」と総称する)としては、上面において物を設置する或いは種々の作業を行うための天板と、当該天板を支える一つ又は複数の支柱を備えており、天板の上面高さをユーザにとって物の設置や作業を良好に行えるような適切な高さに変更可能にするため、当該天板の高さを調整する高さ調整装置を備えたものが既に提案されている。
【0003】
事務用椅子のような一人用の椅子や、一人用又は小物展示のような天板面積が比較的狭いテーブルにおいては、一般的に、一本の支柱で椅子の座面や天板を支えており、支柱に備わるガススプリング(「ガスシリンダ」とも言う。)を操作することで、支柱の長さ、即ち、座面や天板の高さを変更・調整する昇降装置が提案されている。このような椅子やテーブルの昇降装置においては、支柱は円筒状の外支柱とその内部に遊挿した内支柱とで伸縮可能に構成している。内外両支柱にガススプリングの各端部をそれぞれ固定し、且つ内外両支柱を突条と凹溝との嵌合によって伸縮方向に案内させることで、内外両支柱が相対的に回転不能として天板が支柱に対して回転止めされつつ、ガススプリングの伸縮作用によって天板の高さ調整を可能とすることを図っている。
【0004】
一方、相応の天板面積を備えたテーブルの場合には、一般的には、天板は、例えばテーブルの少なくとも左右いずれかにガススプリングを備えた二本以上の複数の支柱によって支えられている(特許文献1参照)。この天板の高さ調整装置では、ガススプリングをその下端において回動可能に支持しており、ガススプリングの上端とテーブルの間に支持杆、リンク、ローラ等を備える特殊な構造となっている。一方の支柱におけるガススプリング上端の位置を変更して行う押上力の調整については、上記構造の動きが軸部材を介して他方の支柱側の構造に連動されている。天板の高さの調整は、テーブルの少なくとも左右いずれかに設けられるガススプリングをペダルによって操作することで行われるが、両支柱にそれぞれガススプリングを設けた場合に、それら両ガススプリングをどのように同調調整するかということまでは開示されていない。
【0005】
二本の支柱で支えられている天板の高さ調整装置の一例として、一つの操作で二本の支柱の長さを同時に変更・調整可能にしたものがある(特許文献2参照)。この天板の高さ調整装置は、机の天板の両側に垂設した昇降支柱を、机の脚支柱内に昇降自在かつ前後移動不能として設けるとともに、前記両昇降支柱を、机の不動の部材に軸着される複数のプーリーを介するチェーンにより連動させ、かつ、机の不動の部材に揺動板を枢設し、この揺動板に前記チェーンを接続し、さらに、前記揺動板に上下方向を向く螺軸を上下移動不能として枢設するとともに、机の不動の部材に一端が揺動自在に軸着されたガススプリングの他端を、前記螺軸に螺合された調節金具に軸着した構造となっている。複数の支柱によって天板を支える昇降テーブルでは、天板を全支柱で同調してスムーズに上下動させるためには、支柱の高さ調整動作の開始と終了のタイミング、及び高さ調整動作の操作量を同調させる必要がある。特許文献2に開示されている天板の高さ調節機構では、かかる同調操作のために複雑な構造を備えた連係機構を必要としており、製造、組立及び調整に手間がかかりコストを上昇させる原因となっている。
【0006】
また、椅子とテーブルの組合せにおいて、椅子の背部の傾斜状態に合わせて、天板の高さ及び前後位置を変更させるようにしたテーブルが提案されている(特許文献3)。このテーブルは、二つの金属製円管がそれぞれ平面視U字形と逆U字形に折り曲げて成っており且つ両金属製円管が複数の連結片で連結された二つの支持脚を備えており、天板を支える二本の支柱が連結ユニットを介してそれぞれ各支持脚に対して回動可能に支持されている。連結ユニットは、二本の支柱がそれぞれ前傾位置と後傾位置との間で回動するように支持脚に亙って取り付けられている。二本の支柱が前傾位置と後傾位置との間で回動しても、天板は水平状態に保たれたまま平行移動するので、椅子の傾斜に合わせてテーブルの天板を後斜め下方に移動させることを可能にしている。
【0007】
更に、パソコン等の使用者が椅子に座る姿勢に応じてモニタとキーボードの位置を変更可能としたワークステーションが提案されている(特許文献4)。脚部に相当する支持アームが傾動しても、保持部は水平状態を維持しながら平行移動する。キーボード台が保持部に対して支持されており、キーボード台を保持部に対して傾けることによりキーボードの仰角が調整可能となっている。このワークステーションでは、キーボード台は、支持アームに直接支持されていない。また、キーボード台の仰角の調整は別途の構造を必要としており、その詳細は不明である。
【0008】
本出願人は、天板と、当該天板を支えるため長さを可変とした二本又は三本の支柱を備えた高さ調整装置を備えた昇降テーブルを既に提案している(特許文献5)。各支柱は椅子等に用いられているガススプリングを備えており、支柱の上端に備わるプッシュバルブを押す操作をしてガススプリングの長さを変えることで支柱の長さが可変である。一般に、単一の操作レバーを操作して二つのガススプリングを同時に作動させようとする構造が考えられるが、操作レバーからプッシュバルブに至る経路を構成する部品には製作誤差やそれら部品の組立誤差が生じるのは避けられず、テーブルの仕様毎に、こうした誤差と操作レバーの操作中に生じる変形や歪みの原因となる操作レバーの剛性とのバランスを取るのは至難である。即ち、操作レバーの剛性が高すぎると、誤差はプッシュバルブを押すタイミングの差としてダイレクトに現れ、操作レバーの剛性が低すぎると操作レバーの操作量は変形や歪みに吸収されてプッシュバルブを押すタイミングにバラツキが出るとともにプッシュバルブの充分な押し量が確保できず、その結果、二つ以上のガススプリングを同時に同量だけ上下させる、即ち、同調動作をさせることが難しい。
【0009】
そこで、上記の高さ調整装置を備えた昇降テーブルにおいては、天板の高さ調整のためにユーザが行う操作は一つの操作でありながら、どのガススプリングについても同調動作をさせることで、すべての支柱の長さを変更してテーブルの高さを調整する操作性の改善を提案している。即ち、一つのハンドルから各支柱のプッシュバルブに至る操作経路に敢えてガタを含ませておき、当該ハンドルを操作する際には、すべてのガタが吸収された後にすべてのプッシュバルブによって押し下げ動作が開始されるようにすることで、すべての支柱においてタイミング且つ動作量において同調した高さ調整動作を得ている。
【0010】
上記した高さ調整を行うテーブルにおいては、天板を任意の傾斜角度に設定することまでを開示しておらず、またそのような意図も有していない。また、テーブルの前後位置を変更するために天板を複数の支柱に対して傾斜させる形式のものでは、支柱を平行リンクに形成して天板を平行移動させるものが多い。一方、端的な例として、製図作業台や書見台、あるいは商品や物品の展示台・陳列台のように、テーブル上での作業内容によっては天板が水平であるよりも傾斜していることが好ましい場合がある。平行リンク移動される支柱に対して天板を傾斜させるには、天板と支柱の上部に設けられる天板支持部との間に天板を傾斜可能にするとともにその傾斜状態で保持する機構が必要であり、支柱上部と天板支持部の構成が複雑にならざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開平11-127964号公報
【文献】特開平10-262741号公報
【文献】特許第4364981号公報
【文献】特許第3642391号公報
【文献】特開2017-029453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、天板、当該天板を支えており且つ操作によってその高さが変更可能な複数の支柱、及び当該支柱の下端部に連結されており前記天板及び支柱を床上に支える足部を備えるテーブルにおいて、天板の高さと傾斜を選択的に又は両方を容易に調整可能にする点で解決すべき課題がある。
【0013】
この発明の目的は、天板の高さを調整可能とした昇降テーブルに用いられているような支柱の長さ変更機構を利用することで、構造を簡単に構成しつつ、ユーザ一人であっても天板の高さと傾斜を選択的に又は両方を容易に調整可能にするテーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明によるテーブルは、天板と、複数の脚足ユニットと、複数の操作部を備えており、前記複数の脚足ユニットは、それぞれ、上端部と下端部とを有しており前記上端部と下端部を結ぶ方向の長さが変更可能であって且つ前記上端部が前記天板に連結されている支柱、及び前記支柱の前記下端部に連結されており床上に着座する足部を有しており、前記複数の脚足ユニットの前記支柱の前記長さは、前記複数の操作部のいずれかの操作部の操作によって変更されるテーブルであって、前記複数の脚足ユニットは、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の一方の側に配置されている第1脚足ユニット群と、一つ以上の前記脚足ユニットを含み且つ前記天板の他方の側に配置されている第2脚足ユニットのいずれか一方の群に属しており、前記操作部は、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第1操作部と、当該第1操作部とは独立して操作可能であり且つ前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを変更するための第2操作部とを有していることから成っている。
【0015】
このテーブルは、基本的な構造として、天板、支柱と足部を有する複数の脚足ユニット、及び複数の操作部を備えており、天板の荷重(天板に載せた重量を含む)は支柱を介して足部によって床に支えられる。支柱と足部は脚足ユニットを構成しており、複数の脚足ユニットは、天板の一方の側に配置されている第1脚足ユニット群と天板の他方の側に配置されている第2脚足ユニット群のいずれか一方の群に属している。即ち、いずれの支柱も、第1脚足ユニット群と第2脚足ユニット群のどちらかの脚足ユニット群にのみ属しており、両方の脚足ユニット群に重複して属していることはない。また、何れかの脚足ユニット群に属する脚足ユニットが無いということもない。第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さは第1操作部の操作によって可変であり、第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さは第2操作部の操作によって可変である。第1操作部と第2操作部を各別に操作することで、第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さと第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さが個別に変更されるので、第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さと第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さを異なる長さに変更する場合には、天板は一方の側に対して他方の側を相対的に傾斜させる、又は天板の高さを変更しつつ傾斜させることができ、両脚足ユニット群の長さを同じ長さに変更する場合には天板の高さを変更することができる。また、操作部は第1操作部と第2操作部の二つの操作部に分けられているので、天板の広さが比較的狭い場合には、ユーザが一人の場合であっても両手を使用して各操作部を操作することで天板の高さと傾斜の調整が可能であり、天板の広さが広い場合には、二人が各側で操作部を操作することで、天板の高さと傾斜の調整が可能である。
【0016】
このテーブルにおいて、前記各脚足ユニットの前記足部は、前記支柱に取り付けられており且つ前記天板の前記一方の側と前記他方の側との間を結ぶ方向を長手方向として延びる足本体部と、当該足本体部に対して前記長手方向に隔置されており且つ前記床に着座する複数の着足部分を備えることができる。
天板を一方の側に対して他方の側が傾いた傾斜状態にすると、テーブルの重心が傾斜方向に移動して荷重のバランスに不均衡が生じ、テーブルには、天板の一方の側と他方の側との間を結ぶ方向である傾斜方向に倒れようとする方向のモーメントが作用する。各足部の床に着座する着足部分を傾斜方向に隔置して配置することによって、こうした転倒モーメントが生じても、床から着足部分に及ぶ反作用力によって転倒モーメントに対抗するモーメントを得やすくなり、テーブルの転倒に対する抵抗性を高めることができる。
【0017】
このテーブルにおいて、前記足部の前記足本体部は前記支柱に固定的に取り付けられており、前記足部の前記着足部分は、前記足本体部に対して前記床方向への突出高さを変更可能に取り付けられており、前記着足部分の前記足本体部に対する突出高さを前記天板の傾斜角度に応じた高さに変更することができる。
足本体部が支柱に固定的に取り付けられているので、天板と支柱が傾斜されるときには足本体部も支柱とともに傾斜する。着足部分は足本体部に対して床方向への突出高さを可変に取り付けられているので、天板の傾斜に応じて足本体部が傾斜しても、着足部分の床方向への突出高さを調節することで、いずれの着足部分も床上に本来の着座態様で着座することができ、テーブルの荷重を床に伝えることができる。
この場合、各着足部分には玉継手のようなジョイント構造を含んでおり、足本体部が支柱とともに傾斜しても、各着足部分を床面に本来の態様で着座させることが好ましい。
【0018】
このテーブルにおいて、前記足本体部は前記支柱の下端部に対して取付け角度が変更可能に取り付けられており、前記足本体部の前記支柱への前記取付け角度を前記天板の傾斜角度に応じた角度に変更することができる。
支柱の下端部に対する足本体部の取付け角度を変更可能にしているので、天板の傾斜に応じて支柱が傾斜しても、その傾斜に応じて足本体部の支柱に対する取付け角度を変更することで、いずれの着足部分も床上に本来の着座態様で着座することができ、テーブルの荷重を床に伝えることができる。足本体部と着足部分とは一体的な構造でよいので、足部を簡素な構造に構成することができる。
【0019】
このテーブルにおいて、前記第1脚足ユニット群に二つ以上の前記脚足ユニットが属しており、且つ前記第2脚足ユニット群に二つ以上の前記脚足ユニットが属しており、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱は共通の第1支柱配置面内に配置されており且つ前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱は共通の第2支柱配置面内に配置されており、前記第1支柱配置面と第2支柱配置面とは互いに平行であるとすることができる。
第1操作部を操作して第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さを変更するときには、第1脚足ユニット群に属し且つ共通の第1支柱配置面内に配置されているすべての支柱が同調動作をして同じ長さに調整される。第2操作部を操作して第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さを変更するときも、第2脚足ユニット群に属し且つ共通の第2支柱配置面内に配置されているすべての支柱が同調動作をして同じ長さに調整される。第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さと第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さとを同じ長さにするときは天板の高さが変更され、両長さを異なる長さに変更するときはその長さの差に応じて天板を傾斜させること、又は天板の高さを変更しつつ傾斜させることができる。
【0020】
このテーブルにおいて、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱に取り付けられている前記足部と、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱に取り付けられている前記足部とを、当該両足部の前記天板の傾斜に応じて生じる相対的な位置変化を吸収した状態で連結部材によって連結することができる。
連結部材は、第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の足部と、第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の足部とが天板の傾斜に応じて互いに接近・離間した両足部の相対的な間隔や回動の変化を吸収した状態で連結するので、両足部が当該連結状態から更に相対的に間隔や回動が変化するような変位や変形を防止するとともに、連結状態では両足部が相対的に横ずれや捩じれるような変位や変形を抑制することもき、脚足構造の剛性を高めるとともに安定に寄与することができる。
【0021】
このテーブルにおいて、前記脚足ユニットには、少なくとも、平行四辺形の四つの頂点に対応してそれぞれに配置された四本の脚足ユニットが含まれており、前記天板の前記一方の側と前記他方の側は、前記平行四辺形の対向する二組の辺のそれぞれについての一方の辺の側と他方の辺の側であり、前記天板の前記二組の側のそれぞれにおいて、前記脚足ユニットについては前記第1脚足ユニット群と前記第2脚足ユニット群を定め、前記操作部については前記第1操作部と前記第2操作部を設けることができる。
このテーブルによれば、天板の一方の側と他方の側は、平行四辺形の対向する二組の辺のそれぞれについての一方の辺の側と他方の辺の側であるので、天板の一方の側と他方の側については二組が存在する。四本の脚足ユニットについては、天板の各組についてそれぞれ二つの脚足ユニット群を定めることができる。操作部については、天板の各組について二つの脚足ユニット群を操作する第1操作部と第2操作部が設けられる。即ち、第1操作部と第2操作部については二組の操作部が存在するので、天板を傾斜させる場合には、二つの傾斜方向のうち選択した傾斜方向に応じて、操作させる組の操作部を選択することができる。
【0022】
このテーブルにおいて、前記脚足ユニットは、いずれも前記支柱の前記上端部を前記天板に連結するため、前記天板と前記支柱の前記上端部とに取り付けられる天板受け構造を含んでおり、前記四本の脚足ユニットに対応する前記天板受け構造には、それぞれ、一方の前記組のいずれかの前記操作部と他方の前記組のいずれかの前記操作部が延びており、いずれの当該操作部を操作することでも当該天板受け構造に前記上端部が取り付けられている前記支柱の長さを変更することができる。
このテーブルによれば、天板を支えるため、平行四辺形の四つの頂点(四隅)に対応する各支柱の上端部に取り付けられる天板受け構造内には、四隅を挟む二つの辺に沿ってそれぞれ配置されている一方の組のいずれかの操作部と他方の組のいずれかの操作部が延びている。四隅に対応する各支柱については、両側のどの操作部からの操作によって長さを変えることができる。したがって、天板は、二つの組の一方の側と他方の側について、いずれかの組について操作することができるので、二つの傾斜方向のうち選択したいずれかの方向に天板を傾斜させることができる。
【0023】
このテーブルにおいて、前記足部は、選択される前記傾斜方向に応じて、前記足部本体が延びる方向が前記傾斜方向に倣うように、前記支柱に対して回転可能に取り付けることができる。
このテーブルによれば、支柱に対して足部を回転させることによって足部の足部本体が延びる方向を天板の傾斜方向に倣う方向に合わせることができるので、二組の一方の側と他方の側についていずれかの組について傾斜させる場合であっても、また選択した組にあって、いずれの側に傾斜させる場合であっても、傾斜に起因するテーブルの転倒モーメントに対抗し易くすることができる。
【0024】
このテーブルにおいて、前記第1脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さと前記第2脚足ユニット群に属する前記脚足ユニットの前記支柱の長さを同じ長さに変更することにより、前記天板の高さを変更することができる。
四本の支柱を備えるが一人では両方の操作部を同時に操作できない程度に横長なテーブルの場合があるが、二人で操作する場合でも、それぞれ同量を操作することで、高さを変更することができる。
【発明の効果】
【0025】
このテーブルは、上記のように構成されているので、次のような特有の効果を奏することができる。
即ち、本テーブルは、基本的な構造として、天板、支柱と足部を有する複数の脚足ユニット、及び複数の操作部を備えているが、複数の脚足ユニットは、天板の一方の側に配置されている第1脚足ユニット群と天板の他方の側に配置されている第2脚足ユニット群のいずれか一方の群に属している。第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱は第1操作部の操作によって長さが可変であり、第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱は第2操作部の操作によって長さが可変である。第1操作部と第2操作部を各別に操作することで、第1脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さと第2脚足ユニット群に属する脚足ユニットの支柱の長さがそれぞれ変更されるので、変更した長さが同じである場合にはテーブルの高さが変更され、異なる長さに変更される場合には天板は一方の側に対して他方の側を相対的に傾斜させる、或いは高さを変更するとともに傾斜させることができる。操作部は第1操作部と第2操作部の二つの操作部に分かれているので、一人のユーザが両操作部に手が届けばそれぞれの操作部を操作することで高さ調整と傾斜調整が可能である。また、二人がそれぞれの操作部を操作してもよい。第1操作部及び第2操作部は、個々には、天板の高さを調整可能とした昇降テーブルに用いられる支柱の長さ変更機構であり、この支柱の長さ変更機構を利用して、構造を可及的に簡単に構成しつつ第1操作部及び第2操作部を個別的に操作することで、天板の高さと傾斜を容易に調整可能としたテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1はこの発明によるテーブルの実施例を示す図である。
【
図2】
図2は
図1に示されているテーブルを裏側から見たときの一部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は
図1に示されているテーブルの脚足ユニットの構造を説明する図である。
【
図4】
図4は
図1に示されているテーブルの操作部を示す図である。
【
図5】
図5は
図1に示されているテーブルについて天板の傾斜を説明する図である。
【
図6】
図6はこの発明によるテーブルの別の実施例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は
図6に示す脚足構造の足部と支柱の連結構造を説明する図である。
【
図8】
図8はこの発明によるテーブルの別の実施例を示す斜視図である。
【
図9】
図9はこの発明によるテーブルの別の実施例を示す斜視図である。
【
図10】
図10はこの発明によるテーブルの更に別の実施例を示す斜視図である。
【
図12】
図12はこの発明による脚足構造における足部の回転配置を説明する図である。
【
図13】
図13はこの発明によるテーブルの更に別の実施例を示す概略図である。
【
図14】
図14はこの発明によるテーブルの、テーブル形状を異ならせた更に別の実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるテーブルの実施例を説明する。
図1~
図5はこのテーブルの一実施例を示す図である。
図1はこの発明によるテーブルの当該一実施例の斜視図と側面図、
図2はこのテーブルを裏側から見たときの一部を示す斜視図、
図3はこのテーブルの脚足ユニット、即ち、支柱と足部を含む脚足構造と、天板と支柱を連結する天板受け構造を示す図、
図4はこのテーブルの操作部を示す図であり、
図5はこのテーブルについて天板の傾斜を説明する図である。
【0028】
図1には、この発明によるテーブルの一実施例が示されており、(a)は天板の高さを高くし且つ水平状態にした状態を示す斜視図、(b)はその側面図、(c)は水平状態を維持しながら天板の高さを低くした側面図である。テーブル1は、天板2と、天板2を床面Fに対して支える脚足構造3と、天板2を傾斜させるための操作部(詳細については
図2及び
図4等に基づいて操作部30として後述する)から構成されている。天板2は、木製、樹脂製、金属製、ガラス製等、種々の材料から製作可能である。
【0029】
本実施例の場合、天板2は、事務用或いは作業用のテーブルとして最も普通に用いられている一枚の、平面で見て矩形の天板である。天板2は、天板2の四隅に対応して一つずつ設けられている四つの脚足ユニットU1~U4から成る脚足構造3によって床面F上に支えられる。各脚足ユニットU1~U4は、上端部が天板2に取り付けられていて長さが可変な支柱5と、支柱5の下端部に取り付けられている足部6を備えている。支柱5の上端部が天板2の各隅の若干内側に取り付けられた天板受け構造4を介して天板2に取り付けられる場合には、各脚足ユニットU1~U4は、天板受け構造4を含むものとすることができる。天板2とそれに載せられる載置物の荷重は天板受け構造4から支柱5に伝わり、支柱5に懸かる荷重は足部6を介して床面Fに支えられる。この実施例では、各支柱5は、
図1(b)及び(c)に示されているように、その上端部5aにおいて天板受け構造4に取り付けられており、その下端部5bにおいて足部6に対して立設される態様で取り付けられている。脚足構造3の各脚足ユニットU1~U4においては、天板受け構造4、支柱5及び足部6は基本的には同じ構造を有している。したがって、四隅の各脚足ユニットU1~U4は、支柱5の縦軸回りの配置方向が異なる以外、同じ構造を備えている。
【0030】
この実施例では、四つの脚足ユニットU1~U4は、長辺縁a,aにそれぞれ沿うように組を成す二つの脚足ユニット群、即ち、第1脚足ユニット群G1と第2脚足ユニット群G2に分けられる。各脚足ユニットU1~U4は、第1脚足ユニット群G1と第2脚足ユニット群G2のどちらか一方の脚足ユニット群に属している。即ち、第1脚足ユニット群G1は、天板2の一方の長辺縁a側(
図1(a)で手前側、
図1(b)及び(c)において左側)に沿って配置されている二つの脚足ユニットU1,U2から成り、第2脚足ユニット群G2は、天板2の他方の長辺縁a側に沿って配置されている二つの脚足ユニットU3,U4から成っている。両方の脚足ユニット群G1,G2に重複して属する支柱はなく、また、どちらの脚足ユニット群G1,G2にも属さない脚足ユニットはない。この実施例では、第1脚足ユニット群G1と第2脚足ユニット群G2とは短辺縁b,bの各中間位置を結ぶ横中心線L-Lを含む縦平面について基本的に対称配置となっている。なお、すべての脚足ユニットU1~U4の長さ(即ち、各支柱5の長さ)が等しいとき、天板2は水平状態にある。
【0031】
天板受け構造4を介して天板2に取り付けられている各脚足ユニットU1~U4の長手方向中心線(支柱5の長手方向中心線と一致)は、天板2の天面が定める平面に対して直交する態様とされており、天板2と各脚足ユニットU1~U4とは常に垂直に交差している。
図1(b)及び(c)に示しているように、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5,5は一方の長辺縁aに平行な共通の第1支柱配置面P1内に配置されており、第2脚足ユニット群G2に属する支柱5,5は他方の長辺縁aに平行な共通の第2支柱配置面P2内に配置されている。第1支柱配置面P1と第2支柱配置面P2とは互いに平行である。第1脚足ユニット群G1に属する脚足ユニットU1,U2の支柱5,5が同調動作をして同じ第1長さに調整され、第2脚足ユニット群G2に属する脚足ユニットU3,U4の支柱5,5が同調動作をして同じ第2長さに調整される。第1長さと第2長さを異ならせると、天板2が傾斜状態に調整される。テーブル1を傾斜させようとする場合、操作部30の操作によって
図1(a)において矢印Tで示すように天板2をチルト方向に傾斜する。即ち、この実施例の場合、天板2の傾斜は、長辺縁a,aの水平状態が維持されつつ、短辺縁b,bが上下方向に傾斜する態様での傾斜である。
【0032】
テーブル1において、天板2は、その四隅に配置されている脚足ユニットU1~U4の各支柱5の下端部に設けられた足部6によって床面Fに支持される。各足部6は、対応する支柱5の下端部5bに対して固定的に取り付けられている一本の角筒状の足本体部7と、足本体部7に対してその長手方向に支柱5を挟む位置に隔置されており且つ床面F上に着座する複数(この例では二つ)の着足部分8,8を備えている。足本体部7は、天板2が傾斜される場合を想定して、その傾斜方向に対応する天板2の短辺縁b,bと平行な方向に延びている。
【0033】
各足部6において、一方の着足部分8は足本体部7を貫通して上方向に延びており、天板2を傾斜させる場合に対応して、足本体部7に対する高さ方向の取付け位置が足軸9によって変更可能に取り付けられている。一方の着足部分8は、足本体部7に対して、天板2を傾斜させる角度に応じて床面F側への突出高さを可変であるが、他方の着足部分8は、足本体部7を貫通しておらず、足本体部7に埋め込まれる態様で固定されている。第2脚足ユニット群G2側が持ち上がるような天板2の傾斜状態も想定される場合には、両着足部分8,8において足本体部7を貫通する長い足軸9,9が採用される。
【0034】
第1脚足ユニット群G1に属する脚足ユニットU1,U2の二つの支柱5,5に取り付けられる足部6,6(第1足部群6G1)は、長尺な足連結部10で互いに連結されており、足連結部10は脚足ユニットU1,U2から成る第1脚足ユニット群としての一体性(剛性)を高めている。第2脚足ユニット群G2に属する脚足ユニットU3,U4に連結される足部6,6(第2足部群6G2)についても別の足連結部10によって一体性(剛性)が高められている。足連結部10,10は互いに湾曲されて中央側に寄せ合うような形に製作されており、足連結部10,10がテーブル1を利用するユーザの足元に邪魔にならないような形状となっている。なお、テーブル1を利用するユーザの足元に邪魔にならなければ、想像線で示すようにストレートな足連結部10a,10aを用いてもよい。足連結部10a,10aには、適宜な断面形状を有する棒材又は筒材で構成することができる。また、各支柱5を足部6に取り付ける相手は、足部6,6の足本体部7,7それ自体ではなく、足部6,6を連結する足連結部10,10とすることもできる。
【0035】
支柱5は、後述するように、入れ子状に嵌合される外筒体11と内筒体12とを備えており、外筒体11と内筒体12とでは支柱5の長さを充分確保できない場合には、外筒体11に継ぎ足し用としての継ぎ筒体5cを用いることができる(詳細は
図7参照)。支柱5は長さが可変であるので、支柱5が長さを維持できるように、各支柱5にはロック構造17が設けられている。ロック構造17は、外筒体11の上端において内筒体12を握り締める周知の構造を用いることができる。詳細を図示しないが、外筒体11の内部に設けられたカム部材を内筒体12の外側に対して押し当てて握り締める構造や、外筒体11に取り付けられたロック構造17の内周面を内筒体12の周面に対して摩擦によって握り締める構造を採用することもできる。更に、
図3(a),(b)に示すロック構造17aのように、外筒体11の上端に取り付けられたカバー体に小ねじをねじ込み、その小ねじの先端を内筒体12の外側に対して押し当てる構造を用いてもよい。ロック構造17,17aを用いることにより、天板2に大きな荷重が掛かるときでも、内筒体12が外筒体11内に下がるというような支柱5の長さの意図しない短縮を防止することができる。
【0036】
図2は、
図1に示されている傾斜調整可能なテーブル1を裏側から見たときの一部の斜視図である。
図2においては、
図1に示した要素や部位と同等のものには、
図1に用いた符号と同じ符号が用いられている。一方の長辺縁aに対応する第1脚足ユニット群G1に属する脚足ユニットU1,U2には一つのレバー状の第1操作部301が当該一方の長辺縁aに沿って設けられており、他方の長辺縁aに対応する第2脚足ユニット群G2に属する脚足ユニットU3,U4についても同様のレバー状の第2操作部302が当該他方の長辺縁aに対応して設けられている(操作部301及び302について総称するときは操作部30と表記する)。両脚足ユニット群G1,G2において、第1操作部301と第2操作部302を個別に操作することで、第1脚足ユニット群G1に属する脚足ユニットU1,U2の支柱5,5と第2脚足ユニット群G2に属する脚足ユニットU3,U4の支柱5,5を別個に操作することができる。操作部30によれば、各脚足ユニット群G1,G2に属する二つの脚足ユニットの支柱5,5に備わる支柱長さの調整機構としてのガススプリング、詳細にはガススプリングに備わるプッシュバルブが同調して操作される。各操作部30の詳細については、
図3及び
図4を参照して後述する。
【0037】
図3にはテーブルの支柱とそれに関連する天板受け構造及び足部の詳細が示されている。
図3においては、
図1に示した要素や部位と同等のものには、
図1に用いた符号と同じ符号が用いられている。
図3(a)は脚足ユニット、即ち、支柱と足部を含む脚足構造と天板受け構造を示す図であり、
図3(b)は天板と支柱とを連結するのに両者間に介される天板受け構造4の詳細を示す拡大図であり、
図3(c)は足部の詳細を示す拡大断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、脚足ユニット(図示のものは脚足ユニットU2)の各支柱5は、支柱長さの調整機構として、入れ子状に挿入嵌合された内外の筒体(ガススプリングカバーとなる外筒体11と内筒体12)を備えており、内筒体12にはガススプリング13が内蔵されている。外筒体11と内筒体12は、例えば外筒体11の上端部に形成されている縦溝と内筒体12の凸状との摺動構造によって、長手方向(立設されている縦方向)に案内されながら相対的に摺動可能である。内筒体12の下端部は、図示しないが、外筒体11の内周面に対してスライダを介して摺動可能である。外筒体11と内筒体12のロック構造17aについては、既に説明したとおりである。なお、
図3に示す例では、支柱5の長さを長くするための継ぎ筒体5cは用いられていない。
【0038】
外筒体11(外筒体11の下に継ぎ筒体5cを繋ぐ場合にはその継ぎ筒体5c)は、その下端部14(支柱5の下端部5bに相当)において足本体部7に立設する態様で取り付けられている。天板2の下面に取り付けられている天板受け構造4と、内筒体12の上端部15(支柱5の上端部5aに相当)は、鉄製、又はガラス繊維等で強化されたポリプロピレンのような樹脂製であり、別々に製作したものを例えばブラインドリベット等の固着具によって組み立ててもよく、或いは一体成形によって製作してもよい。なお、各支柱5の構造は、本出願人による昇降テーブルとして、既にした出願に開示(特開2017-029453号公報)しているものと同等のものである。
【0039】
各支柱5は、操作部30によって操作されることで長さが変更可能であるガススプリング13を内蔵している。ガススプリング13については、特に図示しないが、シリンダと当該シリンダに対して摺動することで進退可能なピストンロッドとを備えた、例えば椅子の分野において用いられているような周知の構造を援用することができる。ガススプリング13については、シリンダの下基端部が外筒体11の下端部14に固定され、ピストンロッドの上端部が内筒体12の上端部15に固定されている。天板2に作用する荷重は、天板2に直接に取り付けられる天板受け構造4から支柱5を介して、脚足構造3を経て床面Fに伝えられる。即ち、当該荷重は、各支柱5においては内筒体12からガススプリング13と外筒体11を経て、更に脚足構造3の足部6において床面Fに支持される。
【0040】
図3(a)及び(b)を参照すると、天板受け構造4は、全体として略U字状の樋構造又は四角状の皿構造を有しており、内部に中央凹部21を形成するように皿状の側壁部22と底壁部23を備えている。側壁部22の上端には平坦面となるフランジ部26が連なっており、フランジ部26の平坦面を天板2の下面に当接させた状態で、フランジ部26をブラインドリベットのような適宜の固着具24(一部についてのみ符号を付す)によって天板2に取り付けることにより、天板受け構造4が天板2に取り付けられる。天板受け構造4は、側壁部22と底壁部23を一体成形したものであってもよく、また別々に製作したものをブラインドリベット等の固着具で固定してもよい。天板受け構造4は、側壁部22の適当箇所において、天板2に対してその裏面側から固着してもよい。即ち、天板2の裏面側に天板受け構造4をあてがい、側壁部22を通して天板2の裏面にブラインドリベットを突き刺すことにより、天板2の表面側にリベットが突き出ることなく、天板受け構造4を天板2に取り付けることができる。支柱5の内筒体12の上端部15は、天板受け構造4の中央凹部21の底壁部23を貫いた状態で当該底壁部23に固定される。天板受け構造4については、別の実施例ではあるが、
図11にも斜視図が示されている。
【0041】
ガススプリング13を操作するため、ピストンロッドの上端は、内筒体12の上端部15を貫通して天板受け構造4の中央凹部21で定められる内部空間に突出しており、ガススプリング13のプッシュバルブ16として当該内部空間に露出している。その露出したプッシュバルブ16を作動させるために操作部30の操作先端部分が天板受け構造4の内部に延びている。操作部30の操作によってプッシュバルブ16を押し込むことにより、ガススプリング13内のガスの移動が制御され、ピストンロッドがシリンダから進出又は後退する。ガススプリング13のこうした動作によって内外筒体11,12が伸縮動作をして、支柱5の長さが変更される。テーブル1の天板2上に乗せる重量に応じて、ガススプリング13内のガス圧力(5kg,8kg,10kg,20kg等)が調整される。ガススプリング13を操作するための操作部30の天板受け構造4内の構造(接続具34、梃子支点部分35等)については、
図4(
図11)を参照して後述する。
【0042】
図3(c)には、脚足構造3の足部6が拡大して示されている。
図3(c)には一つの支柱5に取り付けられる一つの足部6が示されているが、他の足部についても同様の構造を有する。図示の例では、足部6の足本体部7に取り付けられる二つの着足部分は、長い足軸9aを備える着足部分8aと、短い足軸9bを備える着足部分8bとを備えている。一方の側の着足部分8aの足軸9aは、他方の側の着足部分8bの足軸9bよりも長くなっている。これは、後述するが、天板2について第1脚足ユニット群G1側が持ち上がった傾斜状態が想定されており、この場合、どの足部6においても足本体部7は長い足軸9a側が短い足軸9b側よりも持ち上がることによる。足軸9a,9bの下端には、それぞれ、床面Fに着座する着座体8cが取り付けられている。着座体8cは、略円錐体に形成されていて、広い着座面で床面Fに接しており、着座面の周囲は床面Fとの当たりを考慮して丸みを帯びるように成形されている。
【0043】
天板2が傾斜状態に設定されると、テーブル1の全体としては重心が傾斜方向に移動して荷重のバランスに不均衡が生じ、テーブル1には全体的に傾斜方向に倒れようとする方向に作用する転倒モーメントが生じる。足本体部7に対する支柱5の固定位置は、足本体部7の長手方向中央位置よりも、傾斜によって持ち上がる側(着足部分8a側)に偏った位置とされている。支柱5を偏った位置において足本体部7に固定することで、足本体部7における支柱5の連結位置から、傾斜下がり側に延びる着足部分8bまでの距離d2が、傾斜上がり側に延びる着足部分8aまでの距離d1よりも長くなり、傾斜下がり側の着足部分8bを支柱5からより遠い位置に取り付けることができる。
【0044】
このように構成することで、テーブル1が傾斜されるときに、傾斜下がり側の着足部分8bに作用する床面Fからの反作用力に基づいて、テーブル1に作用する転倒モーメントに対して対抗する大きなモーメントが得やすくなる。即ち、各足部6の着足部分8a,8bを支柱5の下端部5bを挟むように傾斜方向に倣った長手方向に隔置し、しかも支柱5の下端部5bから傾斜下がり側に延びる着足部分8bまでの距離を大きく取る配置とすることによって、テーブル1に転倒モーメントが生じても、床面Fから着足部分8a,8bに作用する反作用力に基づいて、当該転倒モーメントに対抗するモーメントを得やすくなり、テーブル1の転倒に対する抵抗性を高めることができる。
【0045】
長い方の足軸9aについては、一例として、
図3(c)に示すように、ねじ軸40に構成して、ねじ軸40に螺合する二つのナット41,42で足本体部7を上側と下側から挟み込むことで、足軸9aをその軸線方向の任意の高さ位置で足本体部7へ固定させることができる。ナット41,42と足本体部7との間にワッシャ43,44を介することで弛み止めを図ることが好ましい。短い方の足軸9bについては、同様にねじ軸45に構成し、ねじ軸45を足本体部7に形成したねじ穴46にねじ込むことで足本体部7に固定させてもよい。足軸9a,9bと着座体8cとの連結部には玉継手47のようなジョイント構造を用いることで、足軸9a又は9bが傾いても着座体8cを床面Fに正対して、即ち、本来の態様で着座させることができる。短い方の足軸9bについては、更に、着足部分8bが足本体部7に対してねじ込められる複数のねじ込み位置(例えば複数のねじ穴46aを予め形成)を用意しておくか、或いは着足部分8bを足本体部7に対してスライド可能としておき、利用する傾斜の程度に応じて取付け位置を選択するようにしてもよい。
【0046】
第1脚足ユニット群G1に属する第1及び第2脚足ユニットU1,U2の支柱5,5の長さ、及び第2脚足ユニット群G2に属する第3及び第4脚足ユニットU3,U4の支柱5,5の長さを、脚足ユニット群G1,G2については互いに別個に(独立して)変更し、各脚足ユニット群G1,G2内ではそれぞれ同調して変更するために、脚足ユニット群G1については操作部301が、また脚足ユニット群G2については操作部302が設けられている(
図2参照)。ユーザが操作部301,302を各別に操作することで、第1脚足ユニット群G1に属する第1及び第2脚足ユニットU1,U2の支柱5,5の長さについては、同調して同じ長さとなるように変更し、また、第2脚足ユニット群G2に属する第3及び第4脚足ユニットU3,U4の支柱5,5の長さについても、同調して同じ長さにとなるように変更する。操作部301,302は、互いに独立して操作可能であるので、その操作量に応じて、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5,5の長さと、第2脚足ユニット群G2に属する支柱5,5の長さを異なる長さに変更することができ、それによって天板2を一方の側に対して他方の側を相対的に傾斜させる、或いは天板2の高さを変えて更に傾斜させることができる。ユーザが一人の場合であっても両手を使用して両方の操作部301,302を個別に操作することで、天板2の傾斜調整が可能である。なお、両操作部301,302を同量だけ操作するときには天板2の高さ調整がされる。
【0047】
図4には、テーブルを傾斜させるために備わる操作部の詳細が示されている。
図4(a)は当該操作部と天板受け構造の全体を、裏側を表側にして示す斜視図であり、
図4(b)は
図4(a)に示す操作部の一部と一方の天板受け構造を表側から見た斜視図であり、
図4(c)はL字形の接続具の詳細を示す一部断面図である。操作部301,302については、簡単のために一方の操作部(操作部30として各構成要素を含めて総称した符号とする)についてのみ説明する。操作部30は、長辺縁a(
図2参照)に沿ってストレートに延びる把手部31と、把手部31から同じ脚足ユニット群に属するすべての支柱5(この例の場合2本の支柱)に対応する天板受け構造4内に個別に延びてガススプリング13(
図3(a)参照)を操作可能な操作棒部32,32を備えている。把手部31から左右横方向各側に操作棒部32,32が設けられており、各操作棒部32は、直線状に延びる第1棒部33aと、第1棒部33aの先端に設けられたL字形の接続具34と、接続具34から縦に(したがって、第1棒部33aと直交する方向に)直線状に天板受け構造4内へと延びる第2棒部33bを有している。第1棒部33aと第2棒部33bは、接続具34で接続される複数の棒部(総称して符号「33」を付す)を構成している。把手部31は、ストレートに延びる形態に代えて、ユーザが手で掴みやすいように手前側に張り出した形状(想像線で示す)を有するようにしてもよい。
【0048】
図4(a)及び(b)(同様に
図1(b)及び(c))に示すように、操作部30は、把手部31の軸線、並びに第1棒部33a,33a、接続具34,34及び第2棒部33b,33bからなる操作棒部32,32の軸線が一つの共通の平面内にあるように構成されている。操作部30の軸線を一つの共通平面内にあるように構成することで、操作部30の構造上の誤差やガタが少なくなり、操作部30を操作する際の作動の正確性が増す。各第2棒部33bは、天板受け構造4の皿状の側壁部22に縦長に形成されている長孔25を貫通して天板受け構造4の中央凹部21内に延びており、中央凹部21内に突出する第2棒部33bの先端部分は平坦に加工されたガススプリング操作部分36となっている。第2棒部33bは、天板受け構造4に対して、長さ中間の梃子支点部分35で上下に傾動可能に支持されている。把手部31を手で掴んで操作部30を天板2に近づける方向(
図4(a)において紙面奥方)に操作すると、各操作棒部32においては、第2棒部33bが天板受け構造4に対して梃子支点部分35を支点として梃子の作用で回動動作し、ガススプリング操作部分36が、ガススプリング13のプッシュバルブ16に当接する。両操作棒部32,32は、プッシュバルブ16,16を同時的に下方に押し込んで両ガススプリング13,13を作動させることができる。なお、天板受け構造4に関して、図中の底壁部23、フランジ部26及び固着具24については、
図3において既に説明しているとおりである。
【0049】
図4(c)に示すように、L字形の接続具34には、その二つの端部に第1棒部33aと第2棒部33bが挿入される穴34a,34aが形成されている。各穴34aは、第1棒部33a及び第2棒部33bが挿入可能な内径を有しており、第1棒部33a及び第2棒部33bの端面と各穴底との間にそれぞれ調整用として充分な隙間Ga,Gbが残されるように形成されている。接続具34には、その外側から穴34a,34aに交差し且つ開口する態様で、ねじ孔34b,34bが形成されている。小ねじ34c,34cをねじ孔34b,34bにねじ込むことで、小ねじ34c,34cの先端が穴34a,34aに挿入した第1棒部33a及び第2棒部33bに当接し、第1棒部33a及び第2棒部33bをその位置及び姿勢で接続具34に固定することができる。接続具34については、通常の操作力では実質的な変形をしない程度の剛性や強度を備えるように、また、ねじ孔34b,34bのねじ溝が容易に潰れないように、金属製、又はナイロン、(ガラス繊維強化)ポリプロピレン等の樹脂製(一体成形)とすることが好ましい。
【0050】
操作部30の製作においては、加工上又は組立て上の不正確性に起因して、例えば、把手部31及び第1棒部33a,33aと第2棒部33b,33bが一つの面内に正確には位置しない、或いは第1棒部33a,33aが一つの共通の線状に正確には整列することがない、更には第2棒部33b,33bが互いに平行でないというような、加工誤差や組立て誤差が生じることがある。そうした場合、把手部31のみの操作でガススプリング13,13のプッシュバルブ16,16の動作を同調させる、即ち、同時に同量だけ操作することは困難である。また、接続具34,34を用いることなく第1棒部33a,33aと第2棒部33b,33bを一つの棒状体から連続した一体物として製作する場合には、一方の第1及び第2棒部33a,33bの組と、他方の第1及び第2棒部33a,33bの組とが一つの共通する面内にあるように正確に製作すること自体が難しくなる。また、一体物としての棒状体の剛性を高めると、両ガススプリング13,13のプッシュバルブ16,16を押すタイミングがずれて同調動作させることが困難になる。逆に、一体物としての棒状体の剛性を低くすると、第1棒部33aから第2棒部33bに至る曲がり部分で曲げや捻じりの大きな変形が生じやすくなり、把手部31での操作量を大きくしても第2棒部33b、33bに操作量が伝達されず、両ガススプリング13,13のプッシュバルブ16,16を充分に押すことができない。このような場合、天板2の高さ変更に手間取ることがある。
【0051】
本実施例の操作部30によれば、接続具34を用いることで、接続具34が第1棒部33a及び第2棒部33bに対して固定前の状態でその2軸回り(第1棒部33aの軸線回りθ、及び第2棒部の軸線回りδ)に回転を許容しており、また、同じく固定前の状態で第1棒部33aの軸線方向X及び第2棒部の軸線方向Yにそれぞれ隙間Gaの隙間Gbで許容される範囲内で移動することも許容している。こうした回動と移動が許容されるために、小ねじ34c,34cを弛めた状態で、操作レバー30の把手部31を操作して、接続具34,34に対する第1棒部33a,33aと第2棒部33b、33bの差し込み量や角度を調整することで第2棒部33b,33bの先端のガススプリング操作部分36,36がガススプリング13,13のプッシュバルブ16,16に当接した(当接するのみで押し込まない)状態とすることができる。この当接状態で小ねじ34c,34cをねじ込む場合には、操作レバー30の操作を解除した後であっても、第1棒部33a,33aと第2棒部33b,33bが接続具34,34に固定され、操作部30は一体的な構造を保持することができる。こうした隙間を吸収した固定状態の後、ユーザが操作部30を操作するときには、接続具34,34が曲げや捻じり変形に対して高い剛性を備えていることもあって、把手部31での一つの操作が途中で吸収されることなく第2棒部33b,33bのガススプリング操作部分36,36にまで伝達され、両ガススプリング13,13のプッシュバルブ16,16を同調操作、即ち、同時にプッシュバルブ16,16に当接して同量を押し込むことができる。このように、把手部31と第1棒部33a,33a及び第2棒部33b,33bが製作時に正確な整列性や平行性を備えていなくても、加工誤差や組立て誤差から成る製作誤差を吸収した状態で操作部30を天板受け構造4,4に対して組み立てることができる。
【0052】
接続具34を用いた操作棒部32の構成は、各天板受け構造4内に延びるすべての操作棒部32で必要になることではない。このことは、一群に属する脚足ユニットが二つのユニットの場合のみならず、三つ以上のユニットである場合に当てはまる。一つの操作棒部32を、接続具34を用いることなく天板受け構造4内にダイレクトに延ばした構造(第3棒部)とし、残るすべての操作棒部32を、接続具34を用いた構造とすることができる。天板受け構造4内にダイレクトに延びる操作棒部32は他の操作棒部32との同調を図るときの基準の操作棒部となる。即ち、用いられるすべての接続具34において小ねじ34c,34cを弛めた状態で、操作部30を操作して、天板受け構造4内にダイレクトに延びる第3棒部をガススプリング13のプッシュバルブ16に当接させる。その状態で、残る操作棒部32において、接続具34に対する第1棒部33aと第2棒部33bの差し込み量や角度を調整することで、第2棒部33bの先端のガススプリング操作部分36がガススプリング13のプッシュバルブ16に当接した(当接するのみで押し込まない)状態とすることができる。この当接状態ですべての接続具34において小ねじ34c,34cをねじ込むことで、第1棒部33aと第2棒部33bが接続具34に固定されて、操作部30を一体的な組立て構造とすることができる。こうした隙間を吸収した組立て状態とした後、ユーザが操作部30を操作するときには、第3棒部を含めてすべての操作棒部32において把手部31での一つの操作が途中で吸収されることなくすべてのガススプリング操作部分36にまで伝達され、すべてのガススプリング13のプッシュバルブ16を同調操作することができる。
【0053】
図5は、
図1~
図4に示されている傾斜調整可能なテーブルについて天板の傾斜を説明する図である。
図5においては、
図1に示した要素や部位と同等のものには、
図1に用いた符号と同じ符号が用いられている。
図5(a)に示す状態では、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5の長さと第2脚足ユニット群G2に属する支柱5の長さは同じ長さであり、天板2は水平状態にある。ここで、第2脚足ユニット群G2に属する支柱5の長さについては変更せず、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5のみの長さをより長く変更すると、天板2は、
図5(b)に示すように、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5の側が高く、第2脚足ユニット群G2に属する支柱5の側が低く、天板2が傾斜方向Sで示すように傾斜する。足本体部7が支柱5に対して固定的に取り付けられているので、天板2と支柱5が傾斜されるときには足本体部7も支柱5とともに傾斜する。一方の着足部分8aは、足軸9aによって足本体部7に対して床面Fの方向(高さ方向)への突出高さを可変に取り付けられているので、天板2の傾斜に伴って足本体部7が傾斜しても、両方の着足部分8a,8bが床面F上に正対して着座することができ、テーブル2の荷重を床面Fに伝えることができる。着足部分8aと足軸9a及び着足部分8bと足軸9bは玉継手47(
図3(c))で連結されているので、天板2の傾斜に伴う角度のずれを吸収することができる。傾斜に伴ってテーブル1全体に生じる転倒モーメントは、着足部分8a,8bの踏ん張りによって対抗される。
【0054】
図6は、本発明によるテーブルの別の実施例を部分的に示す斜視図である。
図6(a)はテーブルの一本の支柱とその足部についての非傾斜状態を示す斜視図であり、
図6(b)は当該テーブルの傾斜状態を示す斜視図である。テーブル1aの脚足構造が隅部に対応して配置された四つの脚足ユニットU1~U4から成る脚足構造3aの場合、すべての支柱5と足部6は、図示されたものと同じ構造を有している。
図6に示すテーブル1aの脚足構造3aは、支柱5の下端部5b(継ぎ筒体5cの下端部)を足部6の足本体部7に対して、チルト方向T(
図1)のチルト軸と平行な軸線L1回りにのみ任意の角度で連結させた構造を備えている。したがって、この実施例においては、天板2の傾斜は
図6(b)においてSで示す方向とその反対の傾斜方向のみである。
【0055】
図7は、
図6に示した脚足構造の足部と支柱の連結構造を示す説明図である。
図7(a)は、
図6に示す脚足構造3aの支柱5と足部6の連結構造の一例を示す説明図であり、
図7(b)は支柱5と足部6の連結構造の別の例を示す説明図である。
図7(a)(b)において、(イ)は脚足構造3aの支柱5と足部6を上方から見た平面図であり、(ロ)は支柱5と足部6との間に挟まれる3枚のワッシャを横に並べて示す図である。(ハ)は(イ)を一部断面で示す側面図であり、(ニ)は支柱5側に用いられるスリーブを示す図であり、(ホ)は連結構造に用いられる連結ボルトとワッシャを示す図である。
【0056】
図6及び
図7を参照すると、脚足構造3aにおいて、支柱5の下端部5bにはブロック状のアダプタ50が固定的に取り付けられている。アダプタ50を足本体部7のテーブル内側に面する側面7aに当接状態に置いて、ねじ付きのノブ51(連結ボルト)を軸線L1の方向にねじ込むことで、アダプタ50が足本体部7に固定される。足本体部7にはノブ51の雄ねじが螺合可能なナット60が固定的に取り付けられており、アダプタ50には、足本体部7に取り付けられるナット60に整列してスリーブ61が取り付けられている。足本体部7とアダプタ50の間には、弛み止めのワッシャ組62が介在される。ワッシャ組62は、3枚組のワッシャであって、足本体部7側とアダプタ50側に置かれる環状ワッシャ63,63と、両環状ワッシャ63,63の間に挟まれるスプリングワッシャ64とから成っている。スプリングワッシャ64はC形に形成されており、挟み込み方向には波形に形成されている。ねじ付きのノブ51は、雄ねじ部65とノブ部66とを備えている。なお、ガススプリングの外筒体11は、その下端部14が継ぎ筒体5cに施されたエンボス68によって筒体内に突き出た継ぎ筒体5cの変形部分に突き当たることによって、それ以上降下しない位置に位置決めされる。また、支柱5の継ぎ筒体5cに外側からねじ込んだ固定ねじ69の先端を外筒体11の下端部14に当接させることで、外筒体11を継ぎ筒体5cに固定してもよい。
【0057】
ノブ51の雄ねじ部65をスリーブ61とワッシャ組62に通し、更に雄ねじ部65を足本体部7のナット60にねじ込むことで、支柱5は足本体部7に連結される。雄ねじ部65は、ナット60にねじ込まれて、足部本体7内に延びることができる。ノブ51を操作してねじを弛めることで、足本体部7とアダプタ50との連結がフリーになる。ノブ51で締め付けたとき、スプリングワッシャ64の弾性力によってねじの弛みを防止することができる。ノブ51のノブ部66とアダプタ50との間にも、ワッシャ67が介在されており、ねじ付きのノブ51のねじ締めを確実にしている。アダプタ50の足本体部7に対する取付け角度は、天板2の傾斜に応じて変更可能である。取付け角度が定めればノブ51を操作してねじ込むことで、
図6(b)に示すように、支柱5の傾斜角度を維持・固定することができる。天板2の傾斜角度を変えても足本体部7の床面Fに対する姿勢は変わらないようにできるので、足本体部7に備わるすべての着足部分8は床面F上に正対して着座した状態にすることができる。ノブ51の雄ねじ部65を足本体部7に貫通させ、突き出た雄ねじ部65の端部に別のナットを螺合させて締め付け固定してもよい。
【0058】
図7(b)に示す支柱5と足部6の連結構造は、支柱5の継ぎ筒体5cに直接にねじ付きのノブ51を貫通させることで、支柱5を足部本体7に連結する構造である。即ち、足本体部7にはナット70が固定的に取り付けられており、継ぎ筒体5cの下部には、スリーブ71が貫通状態に取り付けられている。ナット70と継ぎ筒体5cの下部との間には、弛み止めのワッシャ組72が介在される。ワッシャ組72は、3枚組のワッシャであって、
図7(a)に示すワッシャ組62と同様に、環状のワッシャ73,73と、それらの間に挟まれるC形のスプリングワッシャ74とから成っている。連結ボルトとしてのねじ付きノブ51は、
図7(a)に示すねじ付きノブ51と同じ構造を有しているが、符号は雄ねじ部75とノブ部76とする。また、ねじ付きノブ51のノブ部76と支柱5との間には、ワッシャ67と同様のワッシャ77が介在される。
【0059】
ノブ51の雄ねじ部65を、継ぎ筒体5cに貫通させたスリーブ71とワッシャ組72に通して、雄ねじ部65を足本体部7に固定されたナット70にねじ込むことで、支柱5は足本体部7に連結される。雄ねじ部65は、ナット60にねじ込まれて、足部本体7内に延びることができる。ノブ51を操作してねじを弛めることで、足本体部7とアダプタ50との連結がフリーになる。ノブ51で締め付けたとき、スプリングワッシャ72の弾性力によってねじの弛みを防止することができる。ノブ51のノブ部76と支柱5との間にも、ワッシャ77が介在されており、ねじ付きのノブ51のねじ締めを確実にしている。支柱5の足本体部7に対する取付け角度は、
図7(a)に示す連結構造の場合と同様に、天板2の傾斜に応じて変更可能であるので、再度の説明を省略する。また、ガススプリングの外筒体11の固定のために、継ぎ筒体5cに形成したエンボス78と固定ねじ79についても、
図7(a)に示す連結構造の場合に説明したエンボス68と固定ねじ69と同様であるので、再度の説明を省略する。
【0060】
図8は、本発明によるテーブルの更に別の実施例を示す図である。
図8(a)は本発明によるテーブルの更に別の実施例の全体を示す斜視図であり、
図8(b)はその一部を拡大して示す斜視図である。
図8に示すテーブル1bにおいては、第1脚足ユニット群G1に属する支柱5に取り付けられている足部6と、第2脚足ユニット群G2に属する支柱5に取り付けられている足部6(第1脚足ユニット群G1に属する足部6と隣り合っている)とが、連結部材55によって連結されている。この例では、連結部材55は、両端に長手方向に延びる長孔57,57が形成された細長板部材56を備えている。細長板部材56を長孔57,57に通した蝶ボルト58,58によって足部6,6の足本体部7,7にねじ込むことで、足部6,6が連結される。蝶ボルト58,58を弛めた状態では、連結部材55は、天板2の傾斜に応じて互いに接近・離間する両足部6,6の間隔や回動の変化を、長孔57,57が許容する範囲内で吸収可能である。なお、第1操作部301、第2操作部302、着足部分8a,8bは、
図1に示したものと同様である。
【0061】
天板2の傾斜角度が定まったときに、細長板部材56を挟んだ状態で、長孔57,57を通した蝶ボルト58,58を両脚足ユニット群G1,G2の足本体部7,7にねじ込むことにより、足部6,6が連結部材56によって連結される。この連結状態では、連結部材56は、両足部6,6が互いに横ずれや捩じれる変位をも抑制するので、脚足構造3bの剛性を高めるとともに安定に寄与することができる。細長板部材56は、一つの細長板部材56としたが、両足部6,6に対してそれぞれ固定され且つ互いに重なる長孔を介してボルト連結された二つの部材から成る連結部材とすることも可能である。
【0062】
上記の各実施例では、第1脚足ユニット群G1も第2脚足ユニット群G2も、二つの支柱5,5を含んでいる例としたが、各群は一つ以上の支柱5を含んでいればよい。ただし、一方の群は二本の支柱であることが好ましい。また、大型のテーブルの場合等、天板2の大きさや形状によっては、いずれか又は両方の支柱群は三本の支柱を含んでいてもよい。
図9は、この発明によるテーブルの更に別の実施例を示す斜視図である。
図9においては、
図2に示した要素や部位と同等のものには、
図2に用いた符号と同じ符号が用いられている。
図9に示すテーブル1cは、テーブルを裏面側から示す斜視図であり、第1脚足ユニット群G1は一方の側縁部aに沿って一列に並んだ3つの脚足ユニットU1,U2,U5を備えており、第2脚足ユニット群G2は他方の側縁部aに沿って一列に並んだ3つの脚足ユニットU3,U4,U6を備えている。脚足ユニットU5(U6)は、脚足ユニットU1,U2(脚足ユニットU3,U4)の中間位置に配置されている。操作部301,302は、対応する脚足ユニットU5,U6を操作するため、棒部33,33の第1棒部33a,33aの中央部から直角にテーブル1cの中心方向に分岐して、脚足ユニットU5,U6の天板受け構造4,4の内部へと延びる第2棒部33c,33cを有している。各第2棒部33cが梃子支点部分35とガススプリング操作部分36を備えていることは他の第2棒部33b(
図4も併せて参照)と同様である。操作部301を操作することで第1脚足ユニット群G1に属する脚足ユニットU1,U2,U5が一斉に動作(各支柱5の長さ変更)し、操作部302を操作することで第2脚足ユニット群G2に属する脚足ユニットU3,U4,U6が一斉に動作(各支柱5の長さ変更)する。この実施例は、特に横に長い大型テーブルや、テーブルに載せる荷重が大きな場合に特に好適である。
【0063】
操作部30の構造としては、中間位置にある梃子支点部分35による梃子の作用で操作先端部分36が上下動をする梃子の構造を採用し、操作先端部分36がプッシュバルブ16を押し下げて作動させる例を説明したが、操作部30の別の構造としては、テーパ面を備える操作先端部分が操作によって天板受け構造の内部に進退する構造を採用することができる。この場合には、進退する操作先端部分のテーパ面の楔作用によってプッシュバルブ16を押し下げて作動させることができる。
【0064】
図10は、この発明によるテーブルの更に別の実施例を示す斜視図である。
図10に示すテーブル1dは、例えば天板2の四隅に対応するように、四つの支柱5が配置されている位置は長方形の各頂点に合致しており、二組の第1脚足ユニット群と第2脚足ユニット群と、二組の第1操作部と第2操作部が設けられている。即ち、脚足ユニット群の一方の組である第1脚足ユニット群G1(i)と第2脚足ユニット群G2(i)は、
図2に示した例における第1脚足ユニット群G1と第2脚足ユニット群G2と同様に、天板2の長辺縁a,aに沿って並んでいるが、同じ四つの脚足ユニットU1~U4から、脚足ユニット群の他方の組である第1脚足ユニット群G1(ii)と第2脚足ユニット群G2(ii)が天板2の短辺縁b,bに沿って並んで組まれている。四つの脚足ユニットU1~U4は、長方形の四つの各頂点に合致した位置を占めている例を示したが、天板2を平行四辺形のものを用いて、その四つの各頂点に合致した位置に配置しても、傾斜方向は互いに直角にはならないが、同様な作用を得ることができる。
【0065】
操作部については、一方の組である第1操作部301(i)と第2操作部302(i)は、
図2に示した例における第1操作部と第2操作部301,302と同様に天板2の長辺縁a,aに沿って並んでいるが、他方の組である第1操作部301(ii)と第2操作部302(ii)は天板2の短辺縁b,bに沿って配設されている。他方の組の第1操作部301(ii)と第2操作部302(ii)の構造は、一方の組である第1操作部301(i)と第2操作部302(i)と長さが異なる以外は同様の構造であるので、再度の説明を省略する。他方の組の第1操作部301(ii)と第2操作部302(ii)を操作することで、一方の組の第1操作部301(i)と第2操作部302(i)を操作するときの傾斜方向S(i)とは直交する傾斜方向S(ii)に天板2を傾斜させることができる。この実施例に用いる天板受け構造4aについては、
図11を参照して後述する。
【0066】
図11は、
図10に示した実施例における操作部と天板受け構造を示す斜視図である。
図11に示す天板受け構造4aには、角を挟む両側の側壁部22,22にそれぞれ縦長の長孔25,25が形成されている。一方の組の第1操作部301(i)の第2棒部33bと他方の組の第2操作部302(ii)の第2棒部33bが、長孔25,25を通って天板受け構造4aの中央の凹部21内に入り込んでいる。長孔25,25の下縁部分は梃子支点部分35,35となっており、一方の組の第1操作部301(i)と他方の組の第2操作部302(ii)をそれぞれ操作するとき、第2棒部33b,33bは梃子支点部分35,35の梃子作用によって、第2棒部33b,33bの先端に形成されているガススプリング操作部分36,36を上下方向に動作させる。第2棒部33b,33bのガススプリング操作部分36,36は、凹部21内においてプッシュバルブ16の上に上下に重なる状態で配置されている。
【0067】
第1操作部301(i)のみが操作される場合には、第1操作部301(i)の第2棒部33bの先端に形成されるガススプリング操作部分36が直接にプッシュバルブ16を押し込んで、ガススプリングを作動させる。第2操作部302(ii)が操作される場合には、第2操作部302(ii)の第2棒部33bの先端に形成されるガススプリング操作部分36が第1操作部301(i)のガススプリング操作部分36を押し、それによって当該第1操作部301(i)のガススプリング操作部分36がプッシュバルブ16を押し込むことにより、ガススプリングを作動させることができる。天板受け構造4aのその他の構造については、
図4に示した天板受け構造4の構造と同様であるので、天板受け構造4について用いた符号と同じ符号を用いることで、再度の説明を省略する。
【0068】
図12は、この発明による脚足構造における足部の回転配置を説明する図である。脚足構造の支柱5は断面が円形であるので、支柱5を足部6の足本体部7に対して取り付けるのに、支柱5の軸線回りに角度を変えて取り付けるのが容易である。支柱5の軸線回りに90度毎に突起と当該突起に嵌合する凹部を形成した構造、或いは支柱5の底部を90度毎にねじで固定する構造とすることで、操作する第1支柱群と第2支柱群の組と天板2の傾斜方向との組合せに応じて、足部6の足本体部7が延びる方向を変更することができる。
図12(a)を基本形とし、一方の組の第1支柱群と第2支柱群は、天板2の長辺縁a,aに沿って並んでいるものとする。このときの操作によって生じる天板2の傾斜(下り)方向Sは、足着部分8a,8bの位置から、図面下側に向かう方向であるとする。
【0069】
図12(b)は、
図12(a)の配置から足本体部7を180度回転した状態を示す。操作される第1支柱群と第2支柱群は基本形と変わらないが、天板2を傾斜させる方向が逆であり、傾斜(下り)方向Sは図面上側に向かう方向である。
図12(c)は、
図12(a)の配置から足本体部7を時計回りに90度回転した状態を示す。このときの傾斜(下り)方向Sは、足着部分8a,8bの位置から、図面左側に向かう方向である。操作される第1支柱群と第2支柱群の組は、基本形の場合の組とは異なる組(短辺縁b,bに沿う他方の組)である。
図12(d)は、
図12(a)の配置から足本体部7を時計回りに270度回転した状態を示す。このときの傾斜(下り)方向Sは、足着部分8a,8bの位置から、図面右側に向かう方向である。第1支柱群と第2支柱群の組は
図12(c)の場合の組と同じ(短辺縁b,bに沿う他方の組)であるが、操作の方向は反対で傾斜方向が反対側となる。いずれの場合も、足本体部7は天板2の床面Fへの投影の範囲内にあって、天板2の投影の外に出っ張らないので、周囲を移動する作業者等の足の邪魔になることがない。
【0070】
図13は、本発明を横長テーブルに適用した場合を説明する概略図であり、足本体部から天板に向かって見た図である。
図13(a)に示すテーブル1eは、例えば、非常に横長(長辺縁a,aが短辺縁b,bよりも充分長い)の天板2を有するテーブルである。支柱や足部から成る脚足構造3は、
図3や
図12に示した構造と同等であるので、ここでの再度の詳細な説明を省略する。テーブル1eは一人では両方の操作部30,30を操作することができない横長さを有しているが、短辺縁b,bに沿って配設されている操作部30,30を二人で分担して操作することで、短辺縁b,bに沿った第1脚足ユニット群G1と第2脚足ユニット群G2の支柱の長さを変更することができる。両脚足ユニット群G1,G2の変更された支柱の長さが同じである場合には天板2の高さが調整され、異なる場合には高さが変更されるとともに傾斜方向(横方向)Sに傾斜される。操作部30,30は、
図13(b)にテーブル1fとして示すように、長辺縁a,aに沿って配置してもよい。テーブル1fにおいては、操作部30,30とユニット群G1,G2の配置以外はテーブル1eと同様であるので、同じ構造には同じ符号を付すことで再度の説明を省略する。テーブル1fの場合には、一人で両操作部30,30を操作することができ、このとき、傾斜方向Sは縦方向となる。
【0071】
図14は、本発明によるテーブルの更に別の実施例を示す図である。
図14(a)にテーブル1gとして示すように、天板2aの形態は丸天板とすることができる。脚足構造、第1及び第2の支柱群並びに脚足ユニットは、
図1等に示す脚足構造3、第1及び第2の支柱群G1,G2、並びに脚足ユニットU1~U4と同等のものを用いることができる。また、
図14(b)にテーブル1hとして示すように、天板2bの形態はL形天板とすることもできる。この場合、脚足構造の第1及び第2の支柱群G1,G2は、L形を斜めに横切るように配置することができる。第1及び第2の支柱群G1,G2のテーブル面に沿った方向の長さ(操作部30の長さ)は、異なる長さとなるが、脚足ユニットU1~U4は同じ構造とすることができる。L形のテーブルに代えて、半円のテーブルや四分円のテーブル、或いは扇形のテーブルであっても同様の脚足構造を用いることができる。
【0072】
以上、本発明による傾斜可能なテーブルについて、幾つかの例を挙げて説明したが、種々の変形を施すことは任意である。例えば、着足部分8の着座体8cは、テーブル1を床面F上で移動可能にするため、例えばキャスター、特に停止状態で回転をロックするロック機能付きのキャスターであってもよい。天板は平坦な板材として説明したが、昇降させる用途にしたがって、種々の形態をとることができるのは明らかである。例えば、本テーブルをベッドやソファーに適用した場合には、天板は、マットやクッションを支える台の形態を取り得ることは明らかである。また、本発明によるテーブルは、こたつ、台車、ライン台、店舗台、陳列台、学習机等、物を載せる、或いは水平面又は水平面に近い面上で作業をするなどの台を持ち、上下することによって台の機能性を向上させることができるテーブル全般に適用できるものである。
【符号の説明】
【0073】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h テーブル
2,2a,2b 天板
3,3a,3b 脚足構造 4,4a 天板受け構造
5 支柱 5a 上端部 5b 下端部
6 足部 7 足本体部 7a 側面
8(8a,8b) 着足部分 8c 着座体
9 足軸 9a 長い足軸 9b 短い足軸
10,10a 足連結部 11 外筒体
12 内筒体 13 ガススプリング
14 外筒体11の下端部 15 内筒体12の上端部
16 プッシュバルブ 17,17a ロック構造
21 中央凹部 22 側壁部
23 底壁部 24 固着具
25 長孔 26 フランジ部
30(30a,30b) 操作部 31 把手部
301,301(i),301(ii) 第1操作部
302,302(i),302(ii) 第2操作部
32 操作棒部 33 棒部
33a 第1棒部 33b 第2棒部
34 接続具 34a,34a 穴
34b,34b ねじ孔
35 梃子支点部分 36 ガススプリング操作部分
40 ねじ軸 41,42 ナット
43,44 ワッシャ 45 ねじ軸
46 ねじ穴 47 玉継手
48 玉継手 49 連係部材
50 アダプタ 51 ノブ
55 連結部材 56 細長板部材
57 長孔 58 蝶ボルト
60,70 ナット 61,71 スリーブ
62,72 ワッシャ組 63,73 環状ワッシャ
64,74 スプリングワッシャ 65,75 雄ねじ部
66,76 ノブ部 67,77 ワッシャ
68,78 エンボス 69,79 固定ねじ
a,a 長辺縁 b,b 短辺縁
S,S(i),S(ii) 傾斜方向 T チルト方向
F 床面 L 横中心線 L1 軸線
Ga,Gb 隙間
G1,G1(i),G1(ii) 第1脚足ユニット群
G2,G2(i),G2(ii) 第2脚足ユニット群
6G1 第1足部群 6G2 第2足部群
U1,U2,U3,U4,U5,U6 脚足ユニット
P1 第1支柱配置面 P2 第2支柱配置面