(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、ゲーミングマシン及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240903BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240903BHJP
【FI】
A63F5/04 540
A63F5/04 691B
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020554822
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037526
(87)【国際公開番号】W WO2020090295
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-12-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2018203901
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】▲配▼島 淳
【合議体】
【審判長】藤田 年彦
【審判官】蔵野 いづみ
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0094748(US,A1)
【文献】特開平4-170983(JP,A)
【文献】特開2015-61600(JP,A)
【文献】「カジノ企業はどうやって稼いでいるのか」,2016年12月10日,[令和6年4月3日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20161210231324/http://toyokeizai.net/articles/-/148834>
【文献】「カジノのローリングバックというシステム」,2016年08月03日,[令和6年4月3日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20160803151551/http://casino-viproom.com/viproom/2081/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置であって、
ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり
、プレーヤによる換金
が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作
があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込
む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入され
て獲得した遊技価値情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果発生した前記配当を前記ゲーミングマシンから受信した場合に前記配当を表す配当情報を記憶し、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンであって、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
可搬型の情報媒体との間で遊技価値情報を受け渡し可能な情報媒体処理部と、
を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり
、プレーヤによる換金
が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作
があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込
む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限する
ことを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項7】
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入され
て獲得した遊技価値情報が含まれる
ことを特徴とする請求項6に記載のゲーミングマシン。
【請求項8】
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果配当が発生した場合に当該配当を表す配当情報を記憶し、
所定の払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲーミングマシン。
【請求項9】
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲーミングマシン。
【請求項10】
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与する
ことを特徴とする請求項9に記載のゲーミングマシン。
【請求項11】
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンと、前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置と、前記ゲーミングマシンにおいて発生した配当額の通貨をプレーヤに払い出すキャッシャーとを有し、
前記ゲーミングマシンは、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記情報処理装置との間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報処理装置は、
前記ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり
、プレーヤによる換金
が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作
があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込
む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限し、
前記キャッシャーは、
前記情報媒体の前記第2の記憶領域に記憶されている前記第2の遊技価値情報を読み取り、当該読み取った第2の遊技価値情報に応じた額の通貨を払い出す
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入され
て獲得した遊技価値情報が含まれる
ことを特徴とする請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果発生した前記配当を前記ゲーミングマシンから受信した場合に前記配当を表す配当情報を記憶し、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶する
ことを特徴とする請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理する
ことを特徴とする請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項15】
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与する
ことを特徴とする請求項14に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノなどの遊技施設に設置されるゲーミングマシン及び当該ゲーミングマシンと通信可能に設けられた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のシンボルをスクロール表示した後に停止表示し、停止表示されたシンボルの組合せに基づいて遊技価値(例えば、コイン)を付与するスロットマシンが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば、スロットマシンを有するカジノなどの遊技施設では、プレーヤは、ローリングプログラムというプログラムに参加すると、原則、通貨に換金不可能なノンネゴシエーションチップという遊技媒体でゲームに参加することが可能となる。ローリングプログラムは、プレーヤがカジノなどの遊技施設に預り金を預ける代わりに、ホテルへの宿泊券や航空券という特典を受けることができるというプログラムである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2012/0115571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ローリングプログラムは、ノンネゴシエーションチップと呼ばれる、専用のゲーム用チップを使用するという点で、遊技テーブル上で行われるゲームのみで行われるプログラムであり、スロットマシン等のいわゆるEGM(Electronic Gaming Machine)と呼ばれるゲーミングマシンでは運用されないものであった。
ノンネゴシエーションチップとは、ゲームにBETすることが可能であり、ゲームにBETすることなく直接換金することが原則できないチップである。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、ローリングプログラム上でのゲームをゲーミングマシンで行うことが可能となる情報処理装置、ゲーミングマシン及びゲームシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置であって、
ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり、プレーヤによる換金が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限することを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、上記構成において、
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入されて獲得した遊技価値情報が含まれることを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果発生した前記配当を前記ゲーミングマシンから受信した場合に前記配当を表す配当情報を記憶し、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶することを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理することを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与することを特徴とする。
本発明のゲーミングマシンは、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンであって、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
可搬型の情報媒体との間で遊技価値情報を受け渡し可能な情報媒体処理部と、
を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり、プレーヤによる換金が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限することを特徴とする。
本発明のゲーミングマシンは、上記構成において、
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入されて獲得した遊技価値情報が含まれることを特徴とする。
本発明のゲーミングマシンは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果配当が発生した場合に当該配当を表す配当情報を記憶し、
所定の払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶することを特徴とする。
本発明のゲーミングマシンは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理することを特徴とする。
本発明のゲーミングマシンは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与することを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンと、前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置と、前記ゲーミングマシンにおいて発生した配当額の通貨をプレーヤに払い出すキャッシャーとを有し、
前記ゲーミングマシンは、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記情報処理装置との間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報処理装置は、
前記ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり、プレーヤによる換金が不可能な第1の遊技価値情報を前記情報媒体の第1の記憶領域から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作があったかどうかを検知し、前記払出し操作があったと判定された場合には、前記ゲームの結果発生した配当を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に書き込む処理を行い、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、前記ゲームに使用することなく前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体の第2の記憶領域に直接書き込むことを制限し、
前記キャッシャーは、
前記情報媒体の前記第2の記憶領域に記憶されている前記第2の遊技価値情報を読み取り、当該読み取った第2の遊技価値情報に応じた額の通貨を払い出すことを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、上記構成において、
前記第1の遊技価値情報には、所定のサービスプログラムにおいて購入されて獲得した遊技価値情報が含まれることを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記情報媒体に記憶された前記第1の遊技価値情報を読み取った場合に前記ゲームへのベット処理を可能とし、
前記ゲームの結果発生した前記配当を前記ゲーミングマシンから受信した場合に前記配当を表す配当情報を記憶し、
前記ゲーミングマシンにおける払出し操作に応じて、前記記憶した配当情報を前記第2の遊技価値情報として前記第2の記憶領域へ記憶することを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報の使用期限を管理することを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
設定された期限内に前記第1の記憶領域に記憶された前記第1の遊技価値情報をすべて使用したことを条件として所定の特典を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
ゲーミングマシンにおいて、ローリングプログラム上でのゲームをゲーミングマシンで行うことが可能となる情報処理装置、ゲーミングマシン及びゲームシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカジノシステムの全体構成及びホテルサーバの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンに組み込まれたPTS端末を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るPTS端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る遊技テーブルシステムの概略を示す機能ブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るICカードの全体構成を示すブロック図及び記憶部の構成を示す概念図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシン制御処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るPTS装置によるゲーム処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係るローリングプログラムにおけるICカード発行から換金までの情報の送信の手順を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る設定画面SC11を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る紹介画面SC12を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るカジノシステムにおけるローリングプログラムの開始前後の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】他の実施形態に係る選択画面SC13を示す図である。
【
図15】他の実施形態に係るローリングプログラムに対する各種処理の説明に供するフローチャートである。
【
図16】他の実施形態に係るローリングプログラムに対する各種処理のための選択画面SC21を示す図である。
【
図17】ローリングプログラムに対する各種処理の実行履歴の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[全体構成]
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るカジノシステム100を示すブロック図である。
図1に示すように、カジノシステム100は、例えばカジノ等の遊技施設に設置された複数のゲーミングマシン(例えば、スロットマシン1010A、1010B、…)と、複数の遊技テーブル(例えば、遊技テーブル2010A、2010B、…)及びこれらと双方向に通信可能に接続されたホテルサーバ500とから構成されている。
【0018】
ホテルサーバ500には、会員情報カード及びゲーム用チップ発行装置601が接続されており、この会員情報カード及びゲーム用チップ発行装置601において、情報媒体としてのICカード1500が会員情報カードとして発行され、また、ゲーム用チップ1600が発行されるようになっている。なお、本実施形態において、会員情報カード又は非会員情報カード(後述)として用いられる情報媒体として、ICカード1500を用いる場合について述べるが、情報媒体としてはこれに限らず、例えば、携帯電話等の携帯端末機器を用いるようにしてもよく、要は、遊技価値情報を読み書きすることができる機器や媒体であれば種々のものを用いることができる。
【0019】
会員情報カードには、当該ICカード1500を特定するための固有の情報カード識別情報(情報カード番号(No))が記憶され、ホテルサーバ500では、各情報カード番号に対応付けて、会員情報が会員データベースに蓄積されている。会員になるプレーヤは、個人情報(例えば、氏名、住所、電話番号、国籍、パスポート番号、政府等が発行した個人を特定する個人特定情報)を会員情報として会員データベースに登録することにより、当該会員データベースでは、個人情報が情報カードを特定する情報カード識別情報(情報カード番号)と対応付けられて登録される。
【0020】
この情報カード番号が付与された情報カードが会員情報カード及びゲーム用チップ発行装置601から発行され、会員登録したプレーヤがスロットマシン1010A、1010B、…においてゲームをプレーする場合に使用することになる。
【0021】
ゲーム用チップ1600は会員情報カード及びゲーム用チップ発行装置601から発行され、遊技用テーブル2010A、2010B、…においてゲームをプレーする場合に使用することになる。
【0022】
また、ホテルサーバ500には、ICカード1500(会員情報カード、非会員情報カード)もしくはゲーム用チップに基づいて換金するためのキャッシャー600が接続されている。
【0023】
会員情報カード又は非会員情報カード(後述)としてのICカード1500を使用してゲームプレーを行ったプレーヤは、ゲーム後にスロットマシン1010A、1010B、…から払い出されたICカード1500をキャッシャー600のカード読取り装置に挿入することにより、当該ICカード1500の情報カード識別情報(情報カード番号)に対応付けて記憶された当該プレーヤの所持する残高に応じた通貨をプレーヤに払い出す。本実施形態の場合、情報カードに対応付けられた残高の情報は、ICカード1500に直接書き込まれるが、これに限られず、例えば、情報カード番号に対応付けて、ホテルサーバ500において記憶するようにしてもよい。この場合、キャッシャー600のカード読取り装置において読み取られたICカード1500のカード番号に対応してホテルサーバ500のメモリに記憶されている残高情報を読み出し、これに基づいて通貨を払い戻すようにすればよい。
【0024】
また、ICカード1500(会員情報カード及び非会員情報カード)には、それぞれゲームのBETに供される遊技価値の額を表す遊技価値情報として、4種類の遊技価値記憶領域が設けられている。具体的には、現金としてクレジットされ、ゲームでの使用のみが許可されている第1の遊技価値を記憶する第1の記憶領域AR1と、現金としてクレジットされ、ゲームをプレーしなくとも換金が可能である第2の遊技価値を記憶する第2の記憶領域AR2と、現金以外の遊技価値としてクレジットされ、換金することは原則不可能であり、ゲームでの使用のみが許可されている第3の遊技価値を記憶する第3の記憶領域AR3と、現金以外の遊技価値としてクレジットされ、換金することは原則不可能であり、ゲームでの使用の他、施設内の各種サービスでの使用も許可されている(いわゆるボーナスクレジット)第4の遊技価値を記憶する第4の記憶領域AR4とが設けられている。以下、第1の記憶領域AR1に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第1の遊技価値情報と呼び、第2の記憶領域AR2に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第2の遊技価値情報と呼び、第3の記憶領域AR3に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第3の遊技価値情報と呼び、第4の記憶領域AR4に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第4の遊技価値情報と呼ぶ。また、情報カードに書き込まれているこれらの遊技価値情報を総称して残高情報と呼ぶ。
【0025】
ICカード1500のうち、非会員情報カードは、会員登録していないプレーヤが、まず通貨をスロットマシン1010A、1010B、…に投入してゲームをプレーし、当該ゲームの結果プレーヤに付与された配当(賞金)や投入額に対してBET後に残ったクレジット数に応じた額が書き込まれて、当該プレーが行われたスロットマシン1010A、1010B、…から新規に払い出されるものである。プレーヤは、この新規に払い出された非会員情報カード(ICカード1500)を他のスロットマシン1010A、1010B、…に挿入することにより、当該非会員情報カードに書き込まれている残高情報に応じたクレジット数を用いて、新たなゲームをプレーすることができる。なお、非会員情報カード(ICカード1500)をスロットマシン1010A、1010B、…に挿入してゲームをプレーした場合、当該ゲームプレーの結果付与される配当(賞金)などのクレジット数に基づく遊技価値は、そのゲームプレーに際して当該スロットマシン1010A、1010B、…に挿入された非会員情報カード(ICカード1500)に残高情報として書き込まれることになる。すなわち、当該非会員情報カードの残高情報が更新されて当該非会員情報カードが払い出されることになる。これにより、会員登録していないプレーヤは、当該1つの非会員情報カードを使いながら複数のスロットマシン1010A、1010B、…においてゲームをプレーすることができる。
【0026】
なお、挿入されたICカード1500が会員登録されたプレーヤに発行された会員情報カードである場合においても、同様にして、当該挿入された会員情報カードに対して残高情報が更新されて払い出される。
【0027】
また、ゲーム用チップを使用して遊技テーブル2010A、2010B、…においてゲームプレーを行ったプレーヤは、ゲーム後にディーラーから受け取った配当(賞金)としてのゲーム用チップ1600をキャッシャー202において提示すると、当該ゲーム用チップに応じた通貨を受け取ることができる。
【0028】
本実施形態の場合、情報カードに対応付けられた残高情報は、ICカード1500に直接書き込まれるが、これに限られず、例えば、情報カード番号に対応付けて、ホテルサーバ500において記憶するようにしてもよい。この場合、キャッシャー600のカード読取り装置において読み取られたICカード1500のカード番号に対応してホテルサーバ500のメモリに記憶されている残高情報を読み出し、これに基づいて通貨を払い戻すようにすればよい。
【0029】
また、
図1(b)は、ホテルサーバ500の構成を示すブロック図である。
図1(b)に示すように、ホテルサーバ500は、バスにCPU(Central Processing Unit)551、ROM(Read Only Memory)552、RAM(Random Access Memory)553、ゲーミングマシンI/F556、データベース560、I/F561等が接続され、I/F561を介してLCD(Liquid Crystal Display)562、キーボード563及びマウス564等が接続された構成を有している。データベース560には、情報カード番号に対応付けられた会員情報、情報カードに記憶されている遊技価値会員に発行されたICカード1500に対応付けられた残高情報及び遊技履歴情報、非会員に発行されたICカード1500に対応付けられた残高情報及び遊技履歴情報等が記憶される。
【0030】
[ローリングプログラム]
次に、本実施形態において採用されるローリングプログラムについて説明をする。ローリングプログラムとは、プレーヤが、カジノなどの遊技ホールに所定額の預り金を預ける代わりに、宿泊費の無料券や航空券などの贈与といった特典が受けられるというサービスである。具体的には、プレーヤが預かり金としてカジノなどの遊技施設に所定額の金額を預けると、ノンネゴシエーションチップ(ローリングチップ)という、現金への換金が不可能な遊技媒体を受け取ることができ、プレーヤは、ノンネゴシエーションチップを使って遊技を行うことが可能となる。
【0031】
[スロットマシンの全体構成]
次に、
図2を参照して、スロットマシン1010A、1010B…(以下、スロットマシン1010と呼ぶ)の全体構成について説明する。
【0032】
スロットマシン1010では、遊技媒体として、会員情報カード(ICカード1500)、非会員情報カード(ICカード1500)、紙幣又はこれら遊技価値に相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、会員情報カード又は非会員情報カード(以下、ICカード1500と呼ぶ)に記憶された現金データなどのクレジット関連データが用いられている。
【0033】
スロットマシン1010は、キャビネット1011と、キャビネット1011の上側に設置されたトップボックス1012と、キャビネット1011の前面に設けられたメインドア1013と、を備えている。
【0034】
メインドア1013には、下側画像表示パネル1141と称されるシンボル表示装置1016が設けられている。シンボル表示装置1016は、透明液晶パネルにより形成されている。シンボル表示装置1016が表示する画面では、中央部に表示窓1150を有している。表示窓1150は、5列、4行の20個の表示ブロック1028により構成されている。各列の4個の表示ブロック1028は、擬似リール1151~1155を形成し、プレーヤの操作に応じて回転するようになっている。各擬似リール1151~1155は、4個の表示ブロック1028が全体的に速度を変更しながら下方向に移動表示されることによって、各表示ブロック1028に表示されたシンボルを縦方向に回転させた後に停止する再配置を行うことを可能にしている。
【0035】
ここで、「再配置」とは、シンボルの配置が解除された後、再びシンボルが配置される状態を意味する。「配置」とは、シンボルが外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。スロットマシン1010は、回転した擬似リール1151~1155が停止することによるシンボルの配置状態によって、ウィニングコンビネーション(入賞役)に応じた配当を付与する所謂スロットゲームを実行する。
【0036】
なお、本実施形態では、スロットマシン1010が所謂ビデオスロットマシンである場合について説明しているが、本発明のスロットマシン1010は、所謂機械式リールを採用してもよいし、一部の擬似リール1151~1155に代用してもよい。
【0037】
さらに、シンボル表示装置1016の前面には、タッチパネル1069が設けられていて、プレーヤはタッチパネル1069を操作して各種の指示を入力することができる。タッチパネル1069から入力信号がメインCPU1071に対して送信される。
【0038】
トップボックス1012の前面には、上側画像表示パネル1131が設けられている。上側画像表示パネル1131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル1131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス1012には、ランプ1111が設けられている。
【0039】
また、表示窓1150の上方には、クレジット数表示部(不図示)が表示されており、現在のクレジット数が表示されている。ここで、「クレジット」とは、プレーヤがBETする際に使用するゲーム上での仮想の遊技媒体である。なお、クレジット数表示部には、プレーヤが現在所有するクレジットの合計数が表示されるようになっている。
【0040】
また、クレジット数表示部の下方には、端数現金表示部(不図示)が表示されている。端数現金表示部には、端数現金が表示されている。「端数現金」とは、投入された金額が足らないために、クレジットに換算されなかった現金の事である。
【0041】
後述するPTS端末1700にICカード1500が挿入され、クレジット数表示部に、ICカードに記憶されていたクレジット数が表示され、端数現金表示部に、ICカードに記憶されていた端数現金が表示される。なお、これらの数値は、会員カードの識別コードに対応付けて、ホテルサーバ500に記憶される。
【0042】
ここで、ICカード1500は、非接触ICカードであり、クレジットなどの各種データの記録や演算をするためのIC(Integrated Circuit)が組み込まれ、例えば、NFC(Near Field Communication)のようなRFID(Radio Frequency Identification)技術を用いた近距離無線通信が可能となっている。プレーヤは、ICカード1500を用いることによりクレジット関連データを所有でき、さらに、異なるスロットマシン間において、これを自由に持ち運びすることができる。そして、プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700にICカード1500を挿入することにより、ICカード1500内に記憶されたクレジット関連データ(金額データ)を使用して、スロットマシン1010で単位ゲーム等の遊技を行うことができる。
【0043】
なお、プレーヤは、ホールに設置される機械から、コインや紙幣などの現金を現金データとして、ICカード1500に貯めることができてもよい。
【0044】
また、下側画像表示パネル1141の下方では、キャビネット1011にPTS端末1700が組み込まれている。さらに、PTS端末1700の左右には、それぞれ、スピーカ1112が設けられ、トップボックス1012の上部にはランプ1111が設けられている。スロットマシン1010では、上側画像表示パネル1131による画像の表示、スピーカ1112による音の出力、および、ランプ1111による光の出力等によって単位ゲームの演出が実行される。PTS端末1700は、スロットマシン1010に付帯的又は内在するように設けられている。
【0045】
[スロットマシンが備える内部の構成]
次に、
図3を参照して、スロットマシン1010、及び、スロットマシン1010に設けられたコントロールパネル30の内部構成について説明する。
【0046】
ゲームコントローラ70は、スロットマシン1010の内部のゲーム用回路基板上に設けられる。ディスプレイコントローラ170は、コントロールパネル内部に、ゲームコントローラ70のゲーム用回路基板とは別のコントロールパネル用回路基板上に設けられる。ゲームコントローラ70、及び、ディスプレイコントローラ170は、それぞれ、ゲーム用回路基板、及び、コントロールパネル用回路基板に設けられたCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んでいる。ゲームコントローラ70、及び、ディスプレイコントローラ170は、これらハードウェアと上記のような記憶装置内のソフトウェアとが協働して構築されている。尚、ディスプレイコントローラ170をゲームコントローラ70と別に設けることに限定されず、ゲームコントローラ70がディスプレイコントローラ170の機能を有していてもよい。
【0047】
例えば、ゲームコントローラ70の記憶装置には、CPUが動作する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、ゲームコントローラ70は、外部記憶装置から前述のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、ゲームコントローラ70の記憶装置には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを記憶する領域や、抽選により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0048】
ゲームコントローラ70は、上述のように、ゲームを実行し、ゲームに応じたシンボルの再配置となるようにシンボル表示装置1016を制御する。また、ゲームコントローラ70は、上述のように、複数のブロックからなる3行5列の表示枠に、入力を受け付けたクレジットボタン(図示せず)に応じた数の有効ラインを有効化し、有効化された有効ラインにおいて、所定数以上の同じ種類のシンボルが再配置された場合に当該種類のシンボルに応じたライン配当を付与する。即ち、ゲームコントローラ70は、記憶装置内のゲームプログラムやゲームシステムプログラムをCPUで実行することによってスロットマシンを制御するように構成している。ディスプレイコントローラ170は、グラフィックボードを有し、クレジットボタンの表示装置(図示せず)に必要となるベット額を表示する。
【0049】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、CHANGEスイッチ31S、CASHOUTスイッチ32S、BETスイッチ34S、クレジットスイッチ40S、スピンスイッチ46S、デノミ切換えスイッチ47Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンがプレーヤによって押されたことを検出し、ゲームコントローラ70、及び、ディスプレイコントローラ170に対して信号を出力する。ゲームコントローラ70は各スイッチからの信号に基づいてベットの制御を行う。ディスプレイコントローラ170は各スイッチからの信号をゲームコントローラ70に送信し、ゲームコントローラ70は、これらの信号に基づいて、ボタン設けられた表示装置に表示する内容を決定し、決定結果をディスプレイコントローラ170に送信することにより、各ボタンに表示させる。
【0050】
また、ゲームコントローラ70には、スピーカ、タッチパネル等の他に、グラフィックボード130、電源ユニット81、通信インターフェース82が接続されている。
【0051】
グラフィックボード130は、ゲームコントローラ70から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル1131及び下側画像表示パネル1141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAM等を備えている。
【0052】
また、グラフィックボード130は、ゲームコントローラ70から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、記憶装置のゲームプログラム内に含まれている。また、グラフィックボード130は、下側画像表示パネル141に設けられた各種のタッチアイコンの操作結果をゲームコントローラ70に出力する機能を有している。
【0053】
通信インターフェース82は、PTS装置1700や外部制御装置との通信を行うためのものである。PTS装置1700は、ビルエントリー60から入力信号を受け付けたときに、その入力信号に含まれる投入通貨情報を、通信インターフェース82を介してゲームコントローラ70に送信する。また、PTS装置1700は、カード挿入口にICカードが挿入されたときに、そのICカードに記憶された残高情報を、通信インターフェース82を介してゲームコントローラ70に送信する。また、PTS装置1700は、通信インターフェース82を介してゲームコントローラ70から受信した制御信号に基づいて、カード挿入口に挿入されたICカードに対してクレジットデータの書き込みを行う。
【0054】
また、ゲームコントローラ70は、ディスプレイコントローラ170に対して、既知の通信プロトコル及び通信接続を用いて、信号を送信可能にされている。例えば、ゲームコントローラ70は、ディスプレイコントローラ170に対して、現在が各種ボタンの受け付け許可状態であるか否かを示す信号を送信する。
【0055】
[PTS装置の構成]
図4は、スロットマシン1010に組み込まれているPTS装置1700を示す図である。PTS装置1700は、ゲーミングマシンとの間で共通化されたデータインターフェースを用いてデータのやりとりを行うことによって、様々なメーカの様々なタイプのゲーミングマシンに組み込むことが可能である。
【0056】
PTS装置1700はパネル1710を有しており、パネル1710の前面に配置された各部がプレーヤによって視認され、パネル1710の裏面に配置された部材は、スロットマシン1010の内部に収納され、プレーヤからは視認できないようになっている。
【0057】
パネル1710の前面右側には、タッチパネル機能を有したLCD1719が設けられている。LCD1719は、例えば、会員の情報や会員向けの情報を表示し、画面のサイズは6.2インチ(約15.7cm)である。また、LCD1719の周囲には、LCDカバー1719aが設けられている。なお、この例では、LCD1719がタッチパネル機能を有するように構成されるが、キーボードやマウスといった他の入力装置によってプレーヤの指示を入力するようにしてもよい。
【0058】
フルカラーLED1721aおよびフルカラーLED1721b(
図5)は、不正行為の警告に資する発光を行うことが可能に構成されている。
【0059】
また、LCD1719の右側には、撮像窓1712が設けられており、LCDカバー1719aの内部に配置された人体検出カメラが、この撮像窓1712を介してプレーヤなどを撮像する。撮像窓1712は、例えば、スモーク等のシールド処理がなされたハーフミラー材であってもよい。
【0060】
パネル1710の前面左下には、ICカード1500を挿入又は取り出すことができるカード挿入口1730が設けられている。カード挿入口1730のカード挿入部には、フルカラーLED1731(
図5参照)が設けられており、複数色に点灯することによって、後述するカードスタッカー1742に溜まったICカード1500の残数を報知することができる。カード挿入口1730には、イジェクトボタン1732が設けられており、イジェクトボタン1732の位置や、イジェクト操作の工程がわかるように、イジェクトボタン1732の近傍に設けられた赤色のLED1733(
図5参照)が点灯するようになっている。
【0061】
また、カード挿入口1730に対応するパネル1710の裏側の位置には、カードユニット1741とカードスタッカー1742が設けられており、カード挿入口1730は、カードユニット1741の一部として構成されている。カードスタッカー1742には、ICカード1500を30枚程度保管しておくことができ、新たに単位ゲームを行った非会員のプレーヤがクレジットの精算を行う場合に、カードスタッカー1742に保管してあるICカード1500が取り出され、非会員情報カードとして、カード挿入口1730に排出される。すなわち、ICカード1500をカード挿入口1730から挿入せずに、ビルエントリー60に投入した通貨によりゲームを行った場合、会員データベースの個人情報と対応付けられない状態でICカード1500が非会員情報カードとしてカード挿入口1730から排出されることになる。
【0062】
一方、予めプレーヤの個人情報と対応付けられている会員情報カード(ICカード1500)がカード挿入口1730から挿入された場合、又は、個人情報に対応付けられていない非会員情報カード(ICカード1500)がカード挿入口1730から挿入された場合、当該挿入されたICカード1500がカードユニット1741に保持され、この保持されたICカード1500に対して、当該スロットマシン1010における遊技の結果である残高情報等の情報が、カード排出時に書き込まれることになる。
カードユニット1741において保持されている会員情報カード又は非会員情報カード(ICカード1500)は、CASHOUTボタンが操作された場合等のクレジットの精算時において、NFC等によりクレジット情報(第1~第4の記憶領域AR1~AR4の記憶情報)を更新し、その後、ICカード1500をカード挿入口1730から排出する。ICカード1500は、プレーヤが単位ゲームを行っている間は、完全にカードユニット1741の内部に格納されている。
【0063】
また、クレジットの精算時において、ICカード1500が残っているにもかかわらず人体検出カメラ等によってプレーヤの不在が検出された場合、ICカード1500をカードスタッカー1742に保管するように構成することもできる。これにより、例えば、プレーヤが、残りクレジットが少ないことを知った上でICカード1500を放置して席を立った場合や、単にICカード1500を取り忘れて席を離れた場合でも、ICカード1500が長時間に亘ってカードユニット1741に保持されたままになることがない。
【0064】
パネル1710の前面左上には、USB端子1737とオーディオ端子1738が設けられている。USB端子1737は、ここにUSB機器を接続して充電等を行うことができるように構成されている。また、オーディオ端子1738は、例えば、4極の端子であり、ここにヘッドセットを挿入して、ヘッドフォンとマイクで相手と通話をすることができる。また、オーディオ端子1738を2極又は3極の端子として、ヘッドフォンで音声を聴くことができるようにもできる。
【0065】
パネル1710の前面で、LCD1719の左側には、タッチユニット1745が設けられている。タッチユニット1745は、情報媒体として、ICチップを含んだICデバイス(例えば、非接触ICカードやNFCによる通信機能を備えた携帯電話やスマートフォン等)に対してデータ通信によりデータを書き込むライタや、当該ICデバイスからデータ通信によりデータを読み取るリーダとして機能することが可能なRFIDモジュールを含んでいる。また、タッチユニット1745の前面4隅には、それぞれLED1746(不図示)が配置されている。また、タッチユニット1745の他に、あるいはタッチユニット1745に替えて、磁気カードのような情報記録媒体に記憶された情報を読み取るための情報記録媒体読取装置を備えるようにしてもよい。この場合、ICカード1500の代わりに、磁気カードを会員カードとすることができる。
【0066】
上述したように、本発明の一実施形態に係るPTS装置1700は、マイク機能、カメラ機能、スピーカ機能、表示機能、などを有する各種装置が、一体となって一つのユニットを形成しているため、省スペース化を実現している。これにより、例えば、それぞれの機能が単品で設置されることによって、LCDをプレーヤの方に向けると、スピーカがプレーヤの方に向けて設置できないなどの不都合を生じることがない。
【0067】
また、本発明の一実施形態に係るPTS装置1700は、カード挿入口1730にICカード1500が挿入されると、カードユニット1741によってICカード1500の内容が読み込まれ、ICカード1500全体を(PTS装置1700の内部に)取り込んで保持するように構成されるが、これに加えて、タッチユニット1745が設けられ、これによって、さらに別のICカードや携帯電話、スマートフォンとデータ通信を行うことができる。
【0068】
[PTS装置の内部の構成]
次に、
図5を参照して、PTS装置1700が備える回路の構成について説明する。
【0069】
PTS装置1700を制御するPTSコントローラ1750は、CPU1751、ROM1752、およびRAM1753を有する。
【0070】
CPU1751は、PTS装置1700の各構成部の実行制御を行うとともに、ROM1752に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。例えば、CPU1751は、クレジット更新プログラムを実行して、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを更新する。
【0071】
ROM1752は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU1751により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ROM1752には、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを書き換えるクレジット更新プログラムや、ボーナスサーバ(図示せず)からの要求に応じて実行される連動演出制御プログラム、ホテルサーバ500からの要求(報知情報など)に応じて実行される報知プログラム等が記憶されうる。
【0072】
RAM1753は、ROM1752に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
【0073】
外部記憶装置1754は、例えばハードディスク装置のような記憶装置であり、CPU1751で実行されるプログラムや、CPU1751で実行されるプログラムが利用するデータを記憶する。
【0074】
サーバI/F(インターフェース)1755は、ホテルサーバ500、ボーナスサーバ(図示せず)等のサーバとPTS装置1700とのデータ通信を実現する。ゲーミングマシンI/F(インターフェース)1756は、スロットマシン1010のゲームコントローラ70とPTS装置1700とのデータ通信を実現するものであり、当該データ通信には、規定のプロトコルが使用されうる。
【0075】
その他、PTS装置1700は、紙幣識別器I/F(インターフェース)1757を介してビルエントリー60と、精算機I/F(インターフェース)1758を介して精算機(図示せず)と接続され、必要に応じてデータの送受信を行うことができる。
【0076】
USB制御部1759は、USB端子1737において電源ユニット1760からの電源を供給するかどうかを判定し、所定の条件を満たす場合に、USB端子1737を充電可能とする。プレーヤは、所定条件を満たす場合に、USB端子1737に電子機器を接続し、当該電子機器を充電することができる。
【0077】
発光部LED駆動部1761は、ホテルサーバ500からの報知要求、ボーナスサーバ(図示せず)からの連動演出開始要求などに応じて、LCD1719の上側の発光板1720aを発光させるために、フルカラーLED1721aを所定のタイミングで点灯させるよう制御するとともに、LCD1719の下側の発光板を発光させるために、フルカラーLED1721bを所定のタイミングで点灯させるよう制御する。
【0078】
LCD制御部1762は、マネーロンダリングといった不正行為に資する情報、会員の情報、会員向けの情報等をLCD1719に表示させたり、ICカード1500から読み取ったデータや、プレーヤによって入力されたデータを表示させたりするよう制御する。また、LCD1719はタッチパネル機能を備えており、プレーヤによってタッチパネルが操作されたとき、所定の信号がCPU1751に送信される。
【0079】
ホームボタン1722は、LCD1719の近傍に設けられ、LCD1719に表示された画面を所定の上位画面に遷移させるためのボタンである。プレーヤによりホームボタン1722が押されると、そのプレーヤの操作がCPU1751に送信され、CPU1751は、当該操作に応じて、LCD1719の表示を更新するよう、LCD制御部1762に指令を送信する。
【0080】
ICカード制御部1763は、ICカード1500の挿入、排出、クレジットデータの書き込み等を制御する。ICカード制御部1763は、ICカードR/W(リーダライタ)制御部1763a、ICカード吸入排出制御部1763b、LED制御部1763cを備える。
【0081】
ICカードR/W制御部1763aは、カードユニット1741を制御して、ICカード1500に記憶されているクレジット関連データ(遊技価値情報)を更新する。また、新たにICカード1500を発行する場合は、精算された金額に対応するクレジット関連データを記憶する。カードユニット1741は、ICカード1500にNFC等によりデータを読み取り、又は書き込むためのアンテナ部を有する。
【0082】
カードユニット1741は、ICカード1500に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
【0083】
ICカード吸入排出制御部1763bは、ICカード1500の吸入および排出の制御を行う。プレーヤによってカード挿入口1730にICカード1500が挿入されると、プレーヤがゲームを実行している間、ICカードをカードユニット1741の中に保持するよう制御する。また、精算時にクレジット関連データがICカード1500に書き込まれた後、そのICカード1500を排出するよう制御する。さらに、イジェクトボタン1732が押された場合に、ICカード1500の排出を行う。
【0084】
また、新たにICカード1500を発行する場合は、カードスタッカー1742からICカード1500を新たに取り出して、クレジット関連データを記憶させるために、ICカード1500をカードユニット1741に供給する。
【0085】
LED制御部1763cは、カードユニット1741のカード挿入口1730の近傍に設けられたLED(フルカラーLED1731)を点灯するよう制御するとともに、イジェクトボタン1732の近傍に設けられたLED(赤色LED1733)を点灯するよう制御する。
【0086】
タッチユニット制御部1764は、ICカード1500、携帯電話、スマートフォン等のタッチ操作に伴うデータ送受信を制御する。タッチユニット制御部1764は、非接触R/W(リーダライタ)制御部1764aとLED制御部1764bを備えている。
【0087】
非接触R/W制御部1764aは、タッチユニット1745でICカード1500や携帯電話が所定の距離に近接した(例えば、タッチ操作があった)か否かを判定し、所定の距離に近接した場合に、タッチユニット1745から読み取り結果等を取得する。タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話との間でNFC等によりデータ送受信を行うためのアンテナ部を有する。
【0088】
タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500や携帯電話に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
【0089】
LED制御部1764bは、タッチユニット1745の前面4隅に配置されているLED1746を制御し、所定のタイミングで点灯させる。
【0090】
DSP1765は、マイク1715、1717から取得した音声データを受信し、所定の音声処理を行った後、そのデータをCPU1751に送信する。また、DSP1765は、受信した音声データをスピーカ1707、1709に送信する。さらに、DSP1765は、ヘッドセットの接続されたオーディオ端子に対して、受信した音声をヘッドフォンに出力するとともに、マイクから受信した音声を処理してCPU1751に送信する。なお、ここでは概略の構成を示すものであり、A/D変換器、D/A変換器、アンプ等は省略してある。
【0091】
カメラ制御部1766は、人体検出カメラ1713により撮像されたプレーヤ等の画像を取得し、必要に応じて所定の画像処理を施し、処理後のデータをCPU1751に送信する。当該データは、例えば、サーバI/F1755を介して、ホテルサーバ500、会員ホテルサーバ13等に送信される。
また、カメラ制御部1766は、人体検出カメラ1713により撮像された撮像情報をホテルサーバ500からの指示に応じてホテルサーバ500などに送信する。
【0092】
[遊技テーブル装置の構成]
以下、本発明の実施形態について、遊技テーブル装置2000に関して、添付図面に基づき詳細に説明する。
図6は、遊技テーブルシステム10の概略を示す機能ブロック図である。遊技テーブルシステム10は、カジノなどの遊技施設に設置される。
【0093】
遊技テーブルシステム10は、遊技テーブル装置2000と、ホテルサーバ500とを含む。遊技テーブル装置2000は、遊技テーブル2010A、2010B…(以下、遊技テーブル2010と呼ぶ)を有する(図示せず)。いわゆる、カジノテーブルである。
【0094】
遊技テーブル装置2000は、第1のコントロールユニット200とゲーム結果報知用ディスプレイ300とカードシュー310、及び第2のコントロールユニット400とアンテナモジュール430とを含む。
【0095】
第1のコントロールユニット200は、コンピュータによって構成され、主に、CPU(中央処理装置)212、ROM(リードオンリーメモリ)214、RAM(ランダムアクセスメモリ)216、HDD(ハードディスクドライブ)218、通信I/F(通信インターフェース)220、キーボード222などを含み、データバスやアドレスバス(図示せず)によって通信可能に接続されている。ROM214には、ゲームの進行方向に応じてプレーヤごとにディーラー用ディスプレイ26に表示される文字情報や色の情報を記憶している。
【0096】
第1のコントロールユニット200には、ゲーム結果報知用ディスプレイ300が接続されている。第1のコントロールユニット200の制御によって、ゲーム結果報知用ディスプレイ300には、遊技テーブル2010で行われるゲームの結果に関する情報、たとえば勝敗や勝敗に関する情報が表示される。プレーヤは、ゲーム結果報知用ディスプレイ300に表示される各種の情報を視認することができる。ゲーム結果報知用ディスプレイ300に表示される情報の詳細は後述する。
【0097】
第1のコントロールユニット200には、カードシュー310が接続されている。カードシュー310は、ディーラーによって操作される。カードシュー310には、複数枚のトランプなどのゲーム用カードが収納される。ディーラーは、カードシュー310からゲーム用カードを取り出して遊技テーブル2010に配置する。
【0098】
カードシュー310から取り出されるゲーム用カードの識別情報は、第1のコントロールユニット200に送信される。第1のコントロールユニット200は、カードシュー310から送信されたゲーム用カードの識別情報からゲームの進行や結果を判断する。カードシュー310の詳細は後述する。
【0099】
第2のコントロールユニット400は、コンピュータによって構成され、主に、CPU(中央処理装置)412、ROM(リードオンリーメモリ)414、RAM(ランダムアクセスメモリ)416、HDD(ハードディスクドライブ)418、通信I/F(通信インターフェース)420を含み、データバスやアドレスバス(図示せず)によって通信可能に接続されている。
【0100】
第2のコントロールユニット400には、アンテナモジュール430が通信可能に接続されている。アンテナモジュール430は、ゲーム用チップの識別情報を読み出し、第2のコントロールユニット400に送信する。アンテナモジュール430の詳細は後述する。
【0101】
第1のコントロールユニット200及び第2のコントロールユニット400と、ホテルサーバ500とは、ネットワーク(図示せず)によって通信可能に接続されている。ネットワークは、遊技施設の内部で形成されたものでも、遊技施設の外部で形成されたものでもよい。また、ホテルサーバ500は、主として、ゲーム用チップやプレーヤなどの遊技に関する情報を管理する。ゲーム用チップは、遊技施設において金銭的価値を有する媒体である。遊技施設で用いられる全てのゲーム用チップは、ホテルサーバ500によって管理される。全てのゲーム用チップには、互いに異なるチップ識別情報が割り当てられている。ゲーム用チップの状態は、チップ識別情報に基づいて管理される。ゲーム用チップの状態には、プレーヤが保持している状態や、遊技施設で保管している状態などがある。ホテルサーバ500は、これらの情報をデータベースとして記憶して管理する。ゲーム用チップの状態が変化すると、その都度、データベースが更新される。
【0102】
ホテルサーバ500は、遊技施設内に設置されても、遊技施設外に設置されてもよい。ネットワークによって通信可能に接続されて、遊技に関する情報を管理できればよい。
この遊技テーブル装置2000(2010A、2010B、……2010X)において使用されるゲーム用チップには、ローリングプログラムに参加しているプレーヤに付与された特定のゲーム用チップと、ローリングプログラムには参加していない一般プレーヤが使用する通常のゲーム用チップとが使用可能となっている。
これらのチップは、例えばその外形や色が異なるものとなっており、ゲームの進行役であるディーラーがその形(外形)及び色によってプレーヤが賭けたチップを見分けることができるようになっている。
本実施形態では、チップそのものの形状や色といった外見上見分けがつく特定のゲーム用チップを遊技テーブル装置において用いることにより、ディーラーが目視確認しながら、特定のゲーム用チップと通常のゲーム用チップのBETを受け付け、ゲームの結果である配当(賞金)を、通常のゲーム用チップによってプレーヤに戻すようになっている。
【0103】
[ICカードの回路構成]
以下、添付図面の
図7に基づいて、ICカード1500の回路構成について説明する。
図7(a)は、本発明の一実施形態に係るICカード1500の回路構成を示すブロック図である。このICカード1500は、情報カード読取り部との間で非接触で情報を送受信するためのインターフェースに用いる入出力部1510と、記憶手段としての機能を持つ不揮発性の記憶部1520と、それらを制御する制御手段としての機能を持つ制御部1530とを備える。
【0104】
図7(b)は、ICカード1500の記憶部1520に設けられている4種類の遊技価値情報を種別に記憶する領域を示す概念図である。1つ目の領域は、プレーヤがローリングプログラムに参加するために預けた預り金に対応する遊技価値を記憶する第1の記憶領域AR1であり、この第1の記憶領域AR1に記憶された遊技価値は、キャッシャー600において換金することは原則不可能であり、スロットマシン1010によるゲームでの使用のみが許可されている(遊技価値情報の使用についての制限あり)。また、第1の記憶領域AR1から第1の遊技価値情報が読み出されてゲームのBETに供されることにより当該ゲームにおいて発生した賞金は、第2の記憶領域AR2に記憶される。第1の記憶領域AR1に記憶される遊技価値の額を表す情報を第1の遊技価値情報と呼ぶ。
【0105】
2つ目の領域は、プレーヤが現金により入金した任意の金額に対応した遊技価値を記憶することが可能であり、更にキャッシャーにおいて換金することが可能な第2の記憶領域AR2である(遊技価値情報の使用についての制限なし)。この第2の記憶領域AR2は、スロットマシン1010におけるゲームをプレーして得た配当に対応する遊技価値を書込むことができる。第2の記憶領域AR2に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第2の遊技価値情報と呼ぶ。
第1の遊技価値情報及び第2の遊技価値情報は、いずれも、原則、現金相当の扱いがされるものである。
【0106】
3つ目の領域は、プレーヤによって入金不可能であり、カジノ等の遊技施設によるプロモーションや施設の利用、ゲームプレイ等で付与された遊技価値を記憶することが可能な第3の記憶領域AR3である。この第3の記憶領域AR3に記憶された遊技価値は、キャッシャー600において換金することは原則不可能であり、スロットマシン1010によるゲームでの使用のみが許可されている(いわゆるフリープレイ)。第3の記憶領域AR3に記憶される遊技価値の種別及び額を表す情報を第3の遊技価値情報と呼ぶ。
【0107】
4つめの領域は、プレーヤによって入金不可能であり、カジノ等の遊技施設によるプロモーションや施設の利用、ゲームプレイ等で付与された遊技価値を記憶することが可能な第4の記憶領域AR4である。この第4の記憶領域AR4に記憶された遊技価値は、キャッシャー600において換金することが原則、不可能であり、ゲームでの使用の他、施設内の各種サービスに使用も許可されている(いわゆるボーナスクレジット)。第4の記憶領域AR4に記憶される。第4の記憶領域AR4に記憶される遊技価値の額を表す情報を第4の遊技価値情報と呼ぶ。
第3の遊技価値情報及び第4の遊技価値情報は、いずれも、原則、現金相当の扱いではない。
【0108】
[スロットマシン制御処理]
まず、
図8を参照して、スロットマシン制御処理について説明する。
【0109】
はじめに、スロットマシン1010に電源が投入されると、ゲームコントローラ70は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを読み出し、RAMに書き込む(S11)。
【0110】
次に、ゲームを開始するために、ゲームコントローラ70は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S12)。例えば、ベット数や抽選により決定されたシンボルなど、RAMの作業領域において1回の通常モードでのゲームごとに不要となるデータがクリアされる。
【0111】
次に、ゲームコントローラ70は、後述するベット・スタートチェック処理を行う(S13)。この処理では、BETスイッチ34S、クレジットスイッチ40S、スピンスイッチ46S、デノミ切替えスイッチ47Sなどの入力のチェックなどが行われる。なお、PTS装置1700から紙幣が新たに投入された旨の投入情報を受け取っている場合、ゲームコントローラ70は、このベット・スタートチェック処理(S13)において、ゲームコントローラ70に記憶されている、プレーヤがゲームを行うための特定の通貨情報(特定の通貨「ペソ」で表される金額と当該金額に対応するクレジット数)を更新する。具体的には、新たに投入された紙幣の金額から換算される特定の通貨情報を既に記憶部に記憶されている特定の通貨情報に加算する。すなわち、スロットマシン1010おいては、特定の通貨単位(例えば「ペソ」)によってゲームの処理(ベット、配当の算出、払い出し等)が行われるように構成されており、ゲームコントローラ70では、プレーヤの投入した紙幣やゲームの結果付与された賞による金額が特定の通貨単位による特定の通貨情報として管理されている。
【0112】
特定の通貨単位(例えば「ペソ」)の紙幣がビルエントリー60に投入された場合は、当該投入された特定の通貨単位(例えば「ペソ」)による金額とこれに対応するクレジット数がゲームコントローラ70の記憶部に記憶される。なお、ここでの「記憶」には、すでにゲームコントローラ70の記憶部にプレーヤがゲームを行うための特定の通貨情報が記憶されている場合には、その通貨情報の金額及びクレジット数に加算する処理を含む概念である。また、これらの情報をPTS装置1700の記憶部に記憶してもよい。
【0113】
これに対して、新たに投入された紙幣の通貨単位が特定の通貨とは異なる場合(例えば「ドル」が投入された場合)、投入された通貨単位による投入金額から特定の通貨単位(例えば「ペソ」)で表される金額に換算された結果による特定の通貨情報がゲームコントローラ70の記憶部に記憶される。この換算は、PTS装置1700において実行され、換算結果はPTS装置1700からゲームコントローラ70に送信されて記憶される。
【0114】
このように、ビルエントリー60に紙幣が投入された場合は、ゲームコントローラ70に記憶されているゲームを行うための特定の通貨情報をこのとき投入された紙幣の金額に基づいて更新した後に、BETスイッチ34S、クレジットスイッチ40S、スピンスイッチ46Sなどの入力のチェックなどが行われる。
【0115】
次に、ゲームコントローラ70は、シンボル抽選処理を行う(S14)。この処理では、ビデオリールに配列された複数のシンボルの中から、シンボル表示領域(表示窓1150)の中段の領域に表示するシンボルを、停止予定シンボルとして決定する。これにより、シンボル表示領域(表示窓1150)に表示される15個のシンボルが決定される。
【0116】
そして、ゲームコントローラ70は、決定した停止予定シンボルをRAMに設けられているシンボル格納領域に格納する。
【0117】
次に、ゲームコントローラ70は、演出内容決定処理を行う(S15)。ゲームコントローラ70は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽選により決定する。
【0118】
次に、ゲームコントローラ70は、シンボル表示制御処理を行う(S16)。このシンボル表示制御処理では、ビデオリールのスクロールが開始され、所定時間経過後、S14の通常モードシンボル抽選処理において決定された停止予定シンボルがシンボル表示領域(表示窓1150)の中段に順次停止される。つまり、停止予定シンボルを含む15個のシンボルがシンボル表示領域(表示窓1150)内に再配置される。即ち、シンボル表示領域(表示窓1150)の上段及び下段には、停止予定シンボルに前後するコードナンバーに対応するシンボルが再配置される。
【0119】
次に、ゲームコントローラ70は、払出数決定処理を行う(S17)。この処理では、RAMに格納されたシンボル組み合わせテーブルに基づいて、シンボル表示領域(表示窓1150)のWAYS BETにより入賞判定の対象となった領域に、同じ種類のシンボルが、第1列領域から第5列領域に架けて、所定数繋がって、入賞が成立したか否かを判断する。そして、入賞及びBET数カウンタの値(ベットしたクレジットタイプ)に応じて、配当やフリーゲームの実行権の付与といった特典が付与される。付与された配当は、RAMに設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0120】
次に、払出処理を行う(S18)。ゲームコントローラ70は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAMに設けられているクレジット数カウンタの値に加算する。ここで例えば、プレーヤがコントロールパネル30のCASHOUTボタン32を押すと、これを検出したCASHOUTスイッチ(図示せず)がゲームコントローラ70のメインCPU(図示せず)に信号を出力し、ICカード制御部1763のカードユニット1741に保持されているICカード1500に記憶されている残高情報が、クレジット数カウンタの値に更新される。この更新では、ICカード1500の残高情報の記憶領域として、第1~第4の記憶領域AR1~AR4が設けられており、PTS端末1700では、ゲームが行われた後、次ゲームが開始されるまでの間のCASHOUTボタン32の操作による書き込み処理では、ICカード1500の換金可能な遊技価値が記憶される記憶領域(第2の記憶領域AR2)に遊技価値情報を書き込むようになっている。
【0121】
すなわち、第1の記憶領域AR1及び第2の記憶領域AR2は、原則現金相当の扱いとされる遊技価値情報が記憶される領域であり、第1の記憶領域AR1から読み出されてゲームのベットに使用された場合、そのゲームの配当は、第2の記憶領域AR2に記憶される。すなわち、原則、直接換金することが不可能な第1の記憶領域AR1に記憶されている第1の遊技価値情報は、ゲームに供された後は、換金可能な第2の記憶領域AR2に第2の遊技価値情報として記憶される。これにより、直接換金が不可能とされる第1の遊技価値情報は、ゲームに供された後には、換金可能な第2の遊技価値情報としてICカード1500に記憶される。
【0122】
また、第3の記憶領域AR3及び第4の記憶領域AR4は、原則現金相当の扱いとはされない遊技価値情報(第3の記憶領域AR3に記憶される第3の遊技価値情報はポイントとしてゲームにベットすることが可能であり、第4の記憶領域AR4に記憶される第4の遊技価値情報はポイントとしてゲーム及びその他の各種サービスに使用可能であり、第3の遊技価値情報及び第4の遊技価値情報のいずれも、換金は、原則、不可能である)が記憶される領域であり、第3の記憶領域AR3及び第4の記憶領域AR4から読み出されてゲームのベットに使用された場合、そのゲームの配当は、第2の記憶領域AR2に記憶される。すなわち、直接、施設内の各種サービスに使用することが不可能な第3の記憶領域AR3に記憶されている第3の遊技価値情報及び、第4の記憶領域AR4に記憶されている第4の遊技価値情報は、ゲームに供された後は、第2の記憶領域AR2に第2の遊技価値情報として記憶される。
【0123】
なお、第1の遊技価値情報及び第2の遊技価値情報は、いずれも現金相当の扱いがされるものであるのに対して、第3の遊技価値情報及び第4の遊技価値情報は、いずれも現金相当の扱いがされないものであるため、第3の記憶領域AR3又は第4の記憶領域AR4から読み出された遊技価値情報が第1の記憶領域AR1に書き込まれることは制限される。すなわち、現金相当に扱われる遊技価値情報と、現金相当に扱われない遊技価値情報との間の変換は、行われないように制限される。
【0124】
これにより、ローリングプログラムに参加して現金により遊技価値を購入したプレーヤのICカード1500には、このプログラムで購入した遊技価値が第1の記憶領域AR1に記憶され、この第1の記憶領域AR1に記憶されている第1の遊技価値情報をゲームのBETに供した場合、そのゲームの結果発生した配当(賞金)は、CASHOUTボタン32の操作により第2の記憶領域AR2に書き込まれることにより、以後直接換金することが可能となる。
【0125】
また、ローリングプログラムに参加してポイントにより遊技価値を取得したプレーヤのICカード1500には、このプログラムで取得した遊技価値が第3の記憶領域AR3に記憶され、この第3の記憶領域AR3に記憶されている第3の遊技価値情報をゲームのBETに供した場合、そのゲームの結果発生した配当(賞金)は、CASHOUTボタン32の操作により第2の記憶領域AR2に書き込まれることにより、以後直接換金することが可能となる。
【0126】
また、カジノ等の遊技施設によるプロモーションや施設の利用、ゲームプレイ等でポイントによる遊技価値を付与されたプレーヤのICカード1500には、当該付与された遊技価値が第4の記憶領域AR4に記憶され、この第4の記憶領域AR4に記憶されている第4の遊技価値情報をゲームのBETに供した場合、そのゲームの結果発生した配当(賞金)は、CASHOUTボタン32の操作により第2の記憶領域AR2に書き込まれることにより、以後直接換金することが可能となる。
【0127】
なお、ゲーム後のCASHOUTボタン32の入力があった場合には、ゲームの結果払い出される配当(賞金)の払出しを指定するものとして、スロットマシン1010から換金可能な通常のゲーム用チップを払い出してもよい。
【0128】
次に、メインCPU1071は、ゲーム終了通知処理を行う(S19)。この処理は、1つの単位ゲームが終了したことを示すデータを、PTS装置1700に送信する処理である。PTS装置1700は、このデータを、ホテルサーバ500に送信し、これに応じてボーナスゲームの抽籤等が行われる。S19の処理が終了したら、S12の処理に戻り、単位ゲームを繰り返す。
【0129】
なお、本実施形態においては、ローリングプログラムにおいて購入した遊技価値(専用のクレジット)を第1の記憶領域AR1に記憶することにより、他の遊技価値と区別して利用する場合について述べたが、ローリングプログラムに使用する遊技価値の記憶領域としては、第1の記憶領域AR1に限られず、例えば、第3の記憶領域AR3又は第4の記憶領域AR4に該当する領域が未使用である場合、当該第3の記憶領域AR3又は第4の記憶領域AR4を第1の記憶領域AR1として使用してもよい。すなわち、クレジットデータを記憶するためのICカード1500、ホテルサーバ500及びスロットマシン1010の記憶領域として、ローリングプログラム用のクレジットを記憶するための記憶領域としては、上述した第1の記憶領域AR1の他に、第3の記憶領域AR3又は第4の記憶領域AR4が未使用であれば、これらの記憶領域を第1の記憶領域AR1として、ローリングプログラムの専用のクレジットを記憶するための領域として使用してもよい。
【0130】
[PTS装置によるゲーム処理]
次に、PTS装置1700によるゲーム処理について説明する。
図9に示すように、PTS装置1700は、まずステップS31において、ICカード1500がカード挿入口1730から挿入されたかどうか判断を行う。ここで肯定結果が得られると、PTS装置1700はステップS32に処理を移して、挿入されたICカード1500に書き込まれている情報を読み込む。一方、ステップS31において否定結果が得られると、すでにカード挿入口1730にICカード1500が挿入されていることを意味し、PTS装置1700は後述するステップSP33に処理を移す。
【0131】
PTS装置1700はステップS32においてICカード1500の情報を読み込むと、ステップS33に処理を移し、プレーヤによるBET方法及び金額の選択を受け付ける。PTS端末1700では、LCD1719のタッチパネル機能により、プレーヤがBET方法及びBET額を選択することができるようになっている。BET方法とは、投入されたICカード1500の4つの記憶領域AR1~AR4に記憶されている遊技価値(第1の遊技価値情報~第4の遊技価値情報のいずれか)を選択的にゲームに使用することを意味する。具体的には、プレーヤはLCD1719のタッチパネルを操作することにより、ICカード1500から、第1~第4の遊技価値情報及びその額を選択することができる。なお、この選択においては、第1~第4の遊技価値情報のうちの1種類に限らず、複数種類を同時に選択することができる。その場合、選択された各々の種類毎にゲームに供する額を選択することができる。
【0132】
PTS装置1700は、ステップS33においてプレーヤによるBET方法及び金額の選択を受け付けると、ステップS34に処理を移し、プレーヤによって選択されたBET方法及び金額をRAM1753に書き込み、記憶する。更に、PTS装置1700はステップS35に処理を移し、ステップS34においてRAM1753に書き込んだBET方法及び金額の情報を、スロットマシン1010に送信する。
【0133】
そして、PTS装置1700は、ステップS36に処理を移して、スロットマシン1010によって送信されたゲーム結果の受信の有無を判断する。このステップS36で肯定結果が得られると、PTS装置1700はステップS37に処理を移し、ステップS36で得たゲーム結果情報を基に、払出数をRAM1753に記憶する。一方、ステップS36において否定結果が得られると、単位ゲームが終わっていないことを意味し、PTS装置1700は、ステップS35に処理を戻す。
【0134】
PTS装置1700は、ステップS37においてゲーム結果として受信した当該ゲームにより発生した配当(賞金)の額(払出数)をRAM1753に記憶した後、ステップS38に処理を移し、スロットマシン1010においてプレーヤによるCASHOUTボタンの操作があったかどうか判断を行う。ここで肯定結果が得られると、PTS装置1700はステップS39に処理を移し、ステップS33において、プレーヤによるBETがICカード1500における記憶部1520の第1の記憶領域AR1又は第3の記憶領域AR3又は、第4の記憶領域AR4から行われたものかどうか判断する。一方、ステップS38において否定結果が得られると、これはプレーヤがスロットマシン1010における遊技を終了しないことを意味し、PTS装置1700はステップS42に処理を移す。
【0135】
ステップS39において肯定結果が得られると、PTS装置1700は、ステップS41に処理を移し、ICカード1500に設けられた記憶部1520における第2の記憶領域AR2に、ステップS37で記憶した賞金(払出数)のうち、第1の記憶領域AR1から読み出してゲームに供された額の比率に対応する比率の額を書き込む。また、ステップS37で記憶した賞金(払出数)のうち、第3の記憶領域AR3から読み出してゲームに供された額の比率に対応する比率の額を第2の記憶領域AR2に書き込む。また、ステップS37で記憶した賞金(払出数)のうち、第4の記憶領域AR4から読み出してゲームに供された額の比率に対応する比率の額を第2の記憶領域AR2に書き込む。
【0136】
一方、ステップS39において否定結果が得られると、当該ゲームで、プレーヤがICカード1500における記憶部1520の第2の記憶領域AR2の遊技価値領域からBETを行ったことを意味し、PTS装置1700は、ステップS40に処理を移し、ステップS37において記憶した賞金(払出数)を、プレーヤがBETのために読み出した記憶領域(第2の記憶領域AR2)と同じ記憶領域に書き込む。そしてPTS装置1700は、ステップS42に処理を移し、1ゲームの処理を終了し、次のゲームの開始を待ち受ける。
【0137】
このように、本実施形態のゲーム処理においては、原則ゲームに供することのみに使用可能な第1の遊技価値情報をゲームに供することにより得られた賞金については、換金可能な第2の遊技価値情報としてICカード1500の第2の記憶領域AR2に書き込むことにより、ローリングプログラムにより付与された遊技価値を用いてスロットマシン1010においてゲームを行うことができる。すなわち、ICカード1500に記憶される遊技価値として複数種類の遊技価値情報(第1~第4の遊技価値情報)を記憶可能とし、PTS端末1700においてこれらを区別して読み出し、ゲームのBETに供すると共に、全BET数の内訳(全BET数のうちの、第1~第4の遊技価値情報の額)と、BETされたゲームにおいて発生した合計配当額(1ゲームの合計賞金額)とに基づいて、全BET数のうちの、第1~第4の遊技価値情報の額の各比率とBETされたゲームにおいて発生した合計配当額(1ゲームの合計賞金額)とを掛けた結果である、合計配当額における各遊技価値(第1~第4の遊技価値)の内訳(第1~第4の遊技価値の各々の額)を算出し、当該内訳である額を、ICカード1500の記憶領域(第1~第4の記憶領域AR1~AR4)の所定の領域に変更して書き込むことを可能としたにより、ゲームにのみ使用可能な遊技価値(ローリングプログラムにより付与された遊技価値)を、ゲームに供した後には、換金可能な遊技価値としてICカード1500に書き込むことにより、当該スロットマシン1010において、ローリングプログラム用に付与された遊技価値を用いてゲームを行うことが可能となる。これにより、スロットマシン1010に対して、ローリングプログラム用のゲーム用チップを使用可能とするような機械的な改造を施す必要がなくなる。
【0138】
[ローリングプログラムにおけるICカード発行から換金]
図10は、ローリングプログラムにおいて、ホテルサーバ500、スロットマシン1010、PTS装置1700、キャッシャー600おいて実行される、ICカード1500の発行から換金までの流れを示すフローチャートである。
【0139】
プレーヤが預り金をカジノ等の遊技施設に預けると、ホテルサーバ500はICカード1500の登録処理を行う(S51)。ホテルサーバ500によるICカード1500の登録処理によってICカード1500が発行され、当該ICカード1500を所持したプレーヤは、ゲームをプレーするためにスロットマシン1010がある場所まで移動し(S52)、PTS装置1700のカード挿入口1730にICカード1500を挿入する。PTS装置1700では、ICカード1500の挿入を受け付けると(S53)、当該ICカード1500に書き込まれているプレーヤの情報を読み込む(S54)。そして、プレーヤによってゲームに対するBET方法及び金額が選択されると(S55)、PTS装置1700は、当該BET方法及び金額の情報をRAM1753に記憶し、当該BET方法及び金額の情報を、スロットマシン1010のゲームコントローラ70へと送信する(S56)。スロットマシン1010のゲームコントローラ70は、プレーヤが選択したBET方法及び金額の情報をPTS装置1700より受け取ると、プレーヤによるスタートボタンの操作を契機にゲーム処理を開始する(S57)。
【0140】
ゲーム処理が終了すると、スロットマシン1010のゲームコントローラ70は、当該ゲーム処理によって生じた配当(賞金)情報をPTS装置1700に送信する(S58)。ゲーム処理による配当情報をスロットマシン1010から受信したPTS装置1700は、当該配当情報をRAM1753に書き込み記憶する(S59)。そして、スロットマシン1010においてプレーヤによるCASHOUTボタンの操作を受け付けると(S60)、スロットマシン1010はPTS装置1700にCASHOUTボタンの操作情報を送信し(S61)、CASHOUTボタン操作情報を受信したPTS装置1700は、挿入されたICカード1500における記憶部1520の記憶領域(第1~第4の記憶領域AR1~AR4)のうちの、BETに供する遊技価値情報(第1~第4の遊技価値情報のいずれか1つ又は複数)として読み出された遊技価値情報に基づく所定の領域に、RAM1753に記憶していた配当情報を書込む(S62)。その後、PTS装置1700は、ICカード1500の排出を行う(S63)。そして、排出されたICカード1500を持ったプレーヤがキャッシャー600まで移動し(S64)、キャッシャー600のカード読取り装置に挿入すると、キャッシャー600は、当該ICカード1500における記憶部1520の第2の記憶領域AR2に書き込まれている払出数に応じた通貨をプレーヤに払い出す(S65)。そして、キャッシャー600はホテルサーバ500へプレーヤの換金情報を送信し(S66)、当該換金情報を受け取ったホテルサーバ500はプログラム処理を行い、プレーヤにローリングプログラムに参加したことによって受けることができる特典を与える(S67)。なお、プレーヤに対する特典の付与は、プレーヤが預り金をカジノ等の遊技施設に預けた時点で行ってもよい。
【0141】
また、遊技テーブル10において使用されたローリングプログラム用に付与されたゲーム用チップの使用履歴と、スロットマシン1010においてICカード1500の第1、第3又は第4の記憶領域AR1、AR3又はAR4から読み出されてゲームに供された第1、第3又は第4の遊技価値情報の使用履歴を、各遊技テーブル10及び各ゲーミングマシン1010からホテルサーバ500に送信し、ホテルサーバ500において、これを集計することで、ローリングプログラムの実行状況を遊技テーブル10及びスロットマシン1010を含めて把握することができる。特に、ローリングプログラム用に付与するゲーム用チップと、ローリングプログラム用に発行されたICカード1500とにそれぞれ個人情報を対応付けることにより、ローリングプログラムを付与する会員の当該ローリングプログラムの利用状況を、遊技テーブル10及びスロットマシン1010を含めたカジノシステム100全体において常時把握することが可能となる。
【0142】
[ローリングプログラムの設定処理]
本実施形態におけるローリングプログラムは、予め用意された複数のローリングプログラムのいずれかをプレイヤ(会員)が選択し、「Program Credit」と呼ばれる専用のクレジットを事前に購入する。この専用のクレジットは、直接現金化することが制限されているいわゆる「Restricted Cashable Credit」と呼ばれるクレジットであり、プレイヤが購入した専用のクレジットを期間(Validity Days)内にスロットマシン1010等において使い切った場合には、ホテルサーバ500は、ローリングプログラム毎に設定された特典を当該プレイヤに付与する。この期間やローリングプログラム(専用クレジット)の購入額は、カジノ側が予めパッケージとして複数種類を用意しておき、プレイヤがいずれか1つ又は複数のパッケージを選択して購入することができる。
【0143】
特典としては、現金(クレジット)、ポイント、賞品、施設利用等の優遇などが用意され、各々のプログラムの購入金額に応じて種々の組み合わせで設定することができる。これらの特典が付与される場合、プレイヤの会員情報カード及びホテルサーバ500における会員のアカウントの情報やポイントが当該特典として付与された分だけ加えられることになる。
【0144】
ホテルサーバ500では、ローリングプログラムに使用される専用のクレジットを記憶するための専用の記憶領域をRAM553(
図1)に備えており、一方、スロットマシン1010においても、専用のクレジットメータを設けて、当該クレジットメータに専用のクレジットを記憶するように構成されている。
【0145】
プレイヤ(会員)が購入した専用のクレジットは、ホテルサーバ500に開設されたプレイヤ個人のアカウントに登録されるとともに、プレイヤが所持する会員情報カードにも記憶される。
【0146】
プレイヤが購入した専用のクレジットを所定の期間(Validity Days)内に使い切れなかった場合、ホテルサーバ500は、当該プレイヤに対して特典を獲得する権利を失わせる。また、使い切れなかった「Program Credit」は、別のポイント等に変換させてもよい。
【0147】
本実施形態におけるカジノシステム100では、このようなローリングプログラムを会員に提供するように構成されている。カジノ(ホテルサーバ500)では、期限(Validity Days)、購入額等及び購入した専用クレジットを期間内にスロットマシンゲームに使い切った場合に会員に付与される特典の種々の組み合わせパッケージを予め複数設定しておき、会員(プレイヤ)がこの設定されたローリングプログラムのいずれかを選択して購入するようになっている。
【0148】
このようなローリングプログラムを導入することにより、カジノ側にとっては、ゲームに使用する専用クレジットを事前にプレイヤが購入する方式であるため、スロットマシン1010の売上げ予測と当該売上げの確実性を得ることができる。また、プレイヤ側にとっては、ローリングプログラムの条件を満たせば、通常プレイより優遇された特典を得ることができる。
【0149】
[ローリングプログラム購入処理]
本実施形態のカジノシステム100においては、会員が選択可能なローリングプログラムの候補を予めカジノ側で用意し、用意された候補のなかから所望のプログラムを会員が選択することができるようになっている。
【0150】
ローリングプログラム候補を予め作成する場合、ホテルサーバ500では、表示装置(LCD562(
図1))において
図11に示す設定画面SC11を表示し、係員がこの設定画面SC11を介して必要項目を入力することにより、ローリングプログラムの候補をホテルサーバ500のデータベース内に予め作成することができる。
【0151】
図11は、カジノ側が予めローリングプログラムを作成する際に用いられる端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
図11に示すように、ローリングプログラムを設定するための設定画面SC11には複数の項目(I11~I18)を入力するようになっている。入力項目I11(Program Name)は、ローリングプログラムの名前(Slot program name)を設定するものであり、入力項目I12(Amount)は、設定するプログラムを開始するために購入する専用のゲーム価値(Program Credit、ノンネゴシエーションチップに相当するローリングプログラム用の専用クレジットである第1のゲーム価値V1(第1の記憶領域AR1に記憶される価値データ))の購入額(Slot program amount)を設定するものであり、入力項目I13(Commission Cashable)は、このローリングプログラムを開始した後所定の期間内(Validity Days)に上記専用のゲーム価値(第1のゲーム価値V1)をすべて使い切った場合に会員に戻されるゲーム価値(クレジット)の購入額に対する割合(Rebate)を設定するものであり、入力項目I14(Commission Free Play)は、このローリングプログラムを開始した後所定の期間(Validity Days)内に上記専用のゲーム価値(第1のゲーム価値V1)をすべて使い切った場合に特典として会員に付与するフリープレイ用のポイント数(Free Play Commission Amount)(スロットマシン1010においてのみ使用可能なポイント数である第3のゲーム価値V3)を設定するものであり、入力項目I15(Commission Bonus Credit)は、このローリングプログラムを開始した後所定の期間(Validity Days)内に上記専用のゲーム価値(第1のゲーム価値V1)をすべて使い切った場合に会員に付与するボーナスクレジットのポイント数(Bonus Credit Commission Amount)(スロットマシン1010の他にカジノでの飲食等他のサービスにおいても使用可能なポイント数である第4のゲーム価値V4)を指定する項目であり、入力項目I16(Validity Days)は、このローリングプログラムが開始された後所定の期間経過時を当該ローリングプログラムの有効期限(Validity days after program credit is activated)として設定するものであり、入力項目I17(Duration)は、選択されたローリングプログラムが開催される開催期間(Slot program duration date and time)を設定するものであり、入力項目I18(Points Earning)は、別途設定したポイントを付与するか否か(Enable/Disable)を設定するものである。
【0152】
ホテルサーバ500では、このような設定画面SC11を介してローリングプログラムの候補(パッケージ)を予め複数作成しておくことができる。受付カウンターの受付端末装置は、ホテルサーバ500に接続されており、ホテルサーバ500において作成された複数のローリングプログラム候補の情報を表示し、会員の申し出に応じて、これらの候補のいずれか1つ又は複数を選択することができる。
【0153】
図12は、受付端末装置の表示装置における表示例を示す図である。
図12に示すように、受付端末装置の表示装置には、ホテルサーバ500において作成されたローリングプログラムの複数候補をパッケージA、パッケージB、…として表示する紹介画面SC12が表示される。
【0154】
係員は、会員の希望に応じたローリングプログラムを選択操作することができる。この選択操作時において、係員は、会員から提示された会員情報カードにより会員番号等の会員情報を受付端末装置に入力することにより、会員に対応付けたローリングプログラムの使用登録を行うことができる。この登録情報は、受付端末装置からホテルサーバ500に送信され、ホテルサーバ500において記憶される。
【0155】
具体的には、
図12に示すような紹介画面SC12を受付カウンターの表示装置に表示する。すなわち、
図12に示すように、紹介画面SC12は、ローリングプログラム候補としてホテルサーバ500に予め登録されているプログラム(パッケージA、パッケージB、…)を可視表示するものであり、各パッケージには、複数の特典SF1、SF2、…がセットされている。特典とは、会員がローリングプログラム専用のゲーム価値(第1のゲーム価値V1)を購入した場合において、当該ローリングプログラム開始後所定の期間(Validity Days)内にその購入したゲーム価値を使い切った場合に会員に付与されるものである。例えば、パッケージAには4つの特典SF1、SF2、SF3及びSF4がセットされており、パッケージBには3つの特典SF1、SF2及びSF3がセットされている。これらの特典は、
図11に示した設定画面SC11の入力項目I13~I15(期間内に第1のゲーム価値を使い切った場合に会員に付与される特典の設定項目)の設定内容に応じてセットされるものである。また、これらの特典SF1~SF4の組み合わせに応じてパッケージ(パッケージA、パッケージB、…)に区別されるようになっている。
【0156】
また、各パッケージには、初回チップ購入額(ローリングプログラム用のゲーム価値を購入するための購入額)の選択肢が複数用意される。例えば、
図12に示すパッケージAには、500,000PHP(フィリピンペソ)、1,000,000PHP、2,000,000PHP及び5,000,000PHPの購入額が選択肢として用意されており、それぞれの購入額毎に有効期間(Validity Days)が決められている。また、それぞれの購入額毎に設定された有効期間(Validity Days)内に当該購入額をスロットマシン1010において使い切った場合の特典として会員に戻されるクレジット額の割合(リベート)が決められている。
【0157】
また、例えば、
図12に示すパッケージBには、500,000PHP、1,000,000PHP、2,000,000PHP及び5,000,000PHPの購入額が選択肢として用意されており、それぞれの購入額毎に有効期間(Validity Days)が決められている。また、それぞれの購入額毎に設定された有効期間(Validity Days)内に当該購入額をスロットマシン1010において使い切った場合の特典として会員に戻されるクレジット額の割合(リベート)が決められている。
【0158】
会員は、
図12に示す紹介画面SC12を確認することによって、どのパッケージを選択するか、及び選択したパッケージの購入額を、それぞれの購入額に対応付けられた有効期間(Validity Days)及びリベートの情報を基に決めることができる。会員が受付カウンターにおいて希望するローリングプログラムついてそのパッケージ名及び購入額を係員に伝えると、係員は、受付端末装置を操作することにより、予め登録されている複数の候補のいずれかを選択し、会員が提示した会員情報カードに記憶されている情報(会員番号等)に対応付けて登録する。この登録情報は、受付端末装置からホテルサーバ500に送信され、ホテルサーバ500において記憶される。
【0159】
なお、本実施形態においては、
図11に示した設定画面SC11では、ローリングプログラムが開催される開催期間(Slot program duration date and time)を設定するようになっており、この期間外のローリングプログラムについては、
図12に示す紹介画面SC12に表示しないようになされているが、例えば、候補となるローリングプログラムのパッケージ表示の表示色や輝度を変化させることで、期間内のローリングプログラム候補と期間外のローリングプログラム候補とを区別して表示するようにしてもよい。
【0160】
[ローリングプログラムの変更処理]
図13は、カジノシステム100におけるローリングプログラムの開始前後の処理の流れを示すフローチャートである。ホテルサーバ500に接続された受付端末装置(図示せず)の表示装置に表示されたローリングプログラムを選択するための選択画面を会員又は会員の申し込みを受けた係員が選択操作することによりいずれかのローリングプログラムを選択することができる。ローリングプログラムは、その購入額や付与される特典等の組み合わせによって複数種類が予め用意されており、会員はこれら複数のローリングプログラムのいずれかを選択することができる。
【0161】
図13に示すように、例えば、会員が「500,000PHP(フィリピンペソ)」の購入額で特定されるローリングプログラム(プログラムクレジットA(
図12に示したパッケージAの中の購入額))500,000PHPで特定されるプログラム)を受付端末装置において購入選択すると(S101)、受付端末装置は、当該選択されたローリングプログラムのプログラム情報を会員情報(会員の氏名、会員番号等)に対応付けてホテルサーバ500に送信する。具体的には、会員が受付端末装置においてローリングプログラムを選択する場合、受付端末装置は会員が所持する会員情報カードを受け付けて当該会員情報カードに記憶されている会員の特定情報(会員の氏名、会員番号等)を読み取ることにより、選択されたプログラム情報と当該会員情報とを対応付けてホテルサーバ500に送信する。
【0162】
ホテルサーバ500は、受付端末装置から送信されたこれらの情報に基づいて、選択されたプログラム情報を購入額の支払いを条件に当該会員に対応付けて記憶する。すなわち、当該プログラム情報により特定されるローリングプログラムを会員のアカウントに登録する。
【0163】
この購入処理において、受付端末装置は、受け付けられた会員情報カードに対して、会員が購入したローリングプログラムを特定するプログラム情報(購入額、プログラム番号等)を記憶して会員に払い出す。
【0164】
このようにして、会員がローリングプログラムを購入すると、当該会員は会員情報カードをスロットマシン1010に挿入することにより、ローリングプログラムで購入した専用のクレジットを用いたゲームを行うことができる。
【0165】
スロットマシン1010において購入されたローリングプログラム専用のクレジットが最初に使用されると、当該スロットマシン1010からローリングプログラムに関するプログラム情報がホテルサーバ500に送信されることにより、ホテルサーバ500においてそのローリングプログラムがアクティブ状態に更新される(S105)。ローリングプログラムでは、購入された専用のクレジットが使用開始されると、当該ローリングプログラムがアクティブ状態として管理されることになり、それ以降、会員は一旦購入したローリングプログラムの内容を変更することができないようになっている。
【0166】
すなわち、会員がローリングプログラムを購入して当該会員のアカウントに登録されると(S101)、ホテルサーバ500は当該ローリングプログラム専用のクレジットが使用開始されたか否かを監視し、使用開始されるまではローリングプログラムの内容の変更を許可し、これに対して使用開始された後は、ローリングプログラムの内容の変更を許可しない判断を行うようになっている。
【0167】
具体的には、ホテルサーバ500は、登録されたローリングプログラムがアクティブ状態になっているか否かを判断する。アクティブ状態とは、ローリングプログラムを購入した会員が、当該選択されたローリングプログラムのプログラム情報が記憶された会員情報カードをスロットマシン1010に挿入して当該ローリングプログラムを開始させた状態を意味する。すなわち、会員情報カードが挿入されたスロットマシン1010は、挿入された会員情報カードからプログラム情報を読み取ってその内容を会員を特定する会員情報と共にホテルサーバ500に送信する。ホテルサーバ500は、スロットマシン1010から送信された会員情報及びプログラム情報に基づいて、該当する会員のアカウントのローリングプログラムをアクティブ状態に更新する。
【0168】
ローリングプログラムがアクティブ状態になっていない場合、ホテルサーバ500は、当該会員に対して、ローリングプログラムの開始前にのみローリングプログラムの内容(プラン)の変更を許可する管理状態となる(S102)。すなわち、ローリングプログラムが開始されるまでは、会員の申し出に応じて、一旦購入されたローリングプログラムの内容を変更することが可能となっている。この場合、カジノの係員は、会員からの申し出を受けて、当該会員をキャッシャー600(又は受付端末装置)へ連れて行き、購入したローリングプログラムを変更する処理を行う。キャッシャー600(又は受付端末装置)は、会員又は係員の変更操作に応じて、当該会員に対応付けられている会員アカウントを更新する。これにより、キャッシャー600(又は受付端末装置)は、プログラムクレジットの内容(プラン)を変更することができる(S103)。
【0169】
なお、キャッシャー600(受付端末装置)においてプログラムクレジットのプランを変更する場合は、監督者の承認が必要になる(S104)。
【0170】
一方、ローリングプログラムがアクティブ状態になっていない状態において、会員が会員情報カードをスロットマシン1010に挿入すると、当該スロットマシン1010は、挿入された会員情報カードから会員情報及びローリングプログラムに関するプログラム情報を読み取ってホテルサーバ500に送信する。これらの情報を受信したホテルサーバ500は、受信した情報に基づいて、会員のアカウントに記憶されているローリングプログラムをアクティブ状態に更新する(S105)。このアクティブ状態となることにより、当該スロットマシン1010におけるローリングプログラム専用のクレジットの使用状況に応じて、会員アカウントに記憶されているローリングプログラムの履歴を更新して行くことになる。このようにローリングプログラムが当該ローリングプログラムにおいて購入された専用クレジットの額(例えば、「500,000PHP(フィリピンペソ)」をアクティブ状態とする。
【0171】
一旦プログラムクレジットが有効化されると(S105)、プレイヤ(会員)は、当該ローリングプログラム用に購入した専用のクレジットを全て消費する必要がある。ローリングプログラム毎に決められた期間(Validity Days)内に専用のクレジットを全て消費した場合、会員は、ローリングプログラム毎に決められているリベートを受け取るための条件を得る達成することになる。これに対して、当該期間内に専用のクレジットを全て消費できなかった場合、会員は、リベートを受け取る権利を失う(S106)。消費できなかった専用のクレジットは、他のポイント等に変換される。
【0172】
このような処理により、会員は、購入した専用のクレジットを用いて、ローリングプログラムによるゲームに参加することができる。
【0173】
[他の実施形態]
図14~
図17は、ローリングプログラムの設定に係る他の実施形態を示す画像図である。
図14は、ホテルサーバ500の受付端末装置(図示せず)の表示装置の表示例を示す図である。
図14に示すように、受付端末装置の表示装置では、ホテルサーバ500において作成されたローリングプログラムの複数候補をタグTG11~TG18として1つの選択画面SC13に表示することができる。係員は、これらのタグTG11~TG18のいずれかを指定することにより、会員に提供するローリングプログラムを選択することができる。
【0174】
具体的には、
図14に示すように、例えば、タグTG11によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「111」であり、プログラム名が「PROGRAM001」であり、別途設定したポイントを付与するか否かを表すステータスが「Enable」であり、アマウント(Amount)が「500,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年1月15日午前6時から2019年2月28日午前6時までであり、これらの内容がタグTG11の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG11によって指定されているローリングプログラムが現在選択可能である場合(すなわち、ステータスが「Enable」に設定されている場合)には、当該タグTG11が白色で表示される(
図14)のに対して、ステータスが「Disable」に設定され現在選択不可能であるタグ(例えばタグTG12)は、そのタグの色がグレー(
図14において、斜線で示す)で表示される。また、現在日時が上記開催期間外である場合には、タグTG11には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」がなされる。なお、各項目(プログラムID、プログラム名、ステータス、アマウント、期間の意味は、
図11及び
図12について上述した実施形態における各項目と同様である。
【0175】
因みに、
図14においてタグTG12によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「117」であり、プログラム名が「PROGRAM002」であり、ステータスが「Disable」であり、アマウント(Amount)が「1,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年2月7日午前6時から2019年3月9日午前6時までであり、これらの内容がタグTG12の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG12によって指定されているローリングプログラムが現在選択不可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Disable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG12の色がグレーで表示される。また、現在日時が上記開催期間外であることにより、タグTG12には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」がなされる。
【0176】
また、
図14においてタグTG13によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「122」であり、プログラム名が「PROGRAM003」であり、ステータスが「Disable」であり、アマウント(Amount)が「2,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年2月19日午前6時から2019年3月23日午前6時までであり、これらの内容がタグTG13の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG13によって指定されているローリングプログラムが現在選択不可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Disable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG13の色がグレーで表示される。また、現在日時が上記開催期間外であることにより、タグTG13には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」がなされる。
【0177】
また、
図14においてタグTG14によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「125」であり、プログラム名が「PROGRAM004」であり、ステータスが「Disable」であり、アマウント(Amount)が「3,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年2月28日午前6時から2019年3月31日午前6時までであり、これらの内容がタグTG14の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG14によって指定されているローリングプログラムが現在選択不可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Disable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG14の色がグレーで表示される。また、現在日時が上記開催期間内であることにより、タグTG14には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」はなされない。
【0178】
また、
図14においてタグTG15によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「126」であり、プログラム名が「PROGRAM005」であり、ステータスが「Eable」であり、アマウント(Amount)が「1,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年3月4日午前6時から2019年3月31日午前6時までであり、これらの内容がタグTG15の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG15によって指定されているローリングプログラムが現在選択可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Eable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG15の色が白色で表示される。また、現在日時が上記開催期間内であることにより、タグTG15には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」はなされない。
【0179】
また、
図14においてタグTG16によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「127」であり、プログラム名が「PROGRAM006」であり、ステータスが「Eable」であり、アマウント(Amount)が「1,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年2月5日午前6時から2019年3月7日午前6時までであり、これらの内容がタグTG16の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG16によって指定されているローリングプログラムが現在選択可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Eable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG16の色が白色で表示される。また、現在日時が上記開催期間外であることにより、タグTG16には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」がなされる。
【0180】
また、
図14においてタグTG17によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「131」であり、プログラム名が「PROGRAM007」であり、ステータスが「Eable」であり、アマウント(Amount)が「500,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年3月8日午前6時から2019年3月31日午前6時までであり、これらの内容がタグTG17の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG17によって指定されているローリングプログラムが現在選択可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Eable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG17の色が白色で表示される。また、現在日時が上記開催期間内であることにより、タグTG17には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」はなされない。
【0181】
また、
図14においてタグTG18によって指定されるローリングプログラムは、そのプログラムIDが「134」であり、プログラム名が「PROGRAM008」であり、ステータスが「Eable」であり、アマウント(Amount)が「3,000,000PHP(フィリピンペソ)」であり、このローリングプログラムが開催される期間(Duration)が2019年2月25日午前6時から2019年3月31日午前6時までであり、これらの内容がタグTG18の表示によって把握することができるようになっている。また、当該タグTG18によって指定されているローリングプログラムが現在選択可能であることに応じて(すなわち、ステータスが「Eable」に設定されていることに応じて)、当該タグTG18の色が白色で表示される。また、現在日時が上記開催期間内であることにより、タグTG18には、期間外であって選択できないことを表す表記「Program is Expired」はなされない。
【0182】
このように、受付端末装置においては、複数のローリングプログラム候補が複数のタグ(例えばタグTG11~TG18)によって表示され、係員は、会員の希望に応じた1つ又は複数のローリングプログラムを選択操作することができる。この選択操作時には、係員は、会員から提示された会員情報カードにより会員番号等の会員情報を受付端末装置に入力することにより、会員に対応付けて選択されたローリングプログラムの使用登録を行うことができる。
【0183】
このようにして予め複数のローリングプログラムが設定されている状態において、カジノの係員は、
図15に示すように、新たなローリングプログラムの設定処理(Create)S121、更新処理(Update)S122、廃棄処理(Discard)S123、廃止処理(Decommision)S124の各処理を既に登録されているローリングプログラムに対して、又は新たに作成するローリングプログラムの設定処理として実行することができる。
【0184】
具体的には、ホテルサーバ500は、受付端末装置の表示装置において、
図16に示すローリングプログラムの選択画面SC21を表示する。係員は、この選択画面SC21に表示された既に設定済のローリングプログラムのいずれかを選択し、又は新たなローリングプログラムの設定を指定することにより、設定済のローリングプログラムに対する各種の処理を指定することができる。
【0185】
図16に示すように、ホテルサーバ500の表示装置には、ローリングプログラムの選択画面SC21として、
図14に示したタグTG11~TG18と同様にして、このとき設定済の複数のローリングプログラムが個々にタグ21、TG22、…が表示される。係員は、これらのタグTG21、TG22、…のいずれかを指定することにより、各種の処理を実行しようとするローリングプログラムを選択することができる。
【0186】
図16に示すタグTG21、TG22、…の中から処理対象とするローリングプログラムの1つを選択すると、表示装置には、当該選択されたローリングプログラムの既に設定されている内容及び選択可能な処理項目(更新処理、廃棄処理、廃止処理、等)を項目表示画面として表示する(図示せず)。この項目表示画面には、
図11に示した各設定項目(「program Name」、「Amount」、「Commission」、「Validity Days」、「Duration」、等)の設定された内容が表示されると共に、過去の処理履歴が表示される。この処理履歴には、処理の発生日時、処理内容(設定処理、更新処理、廃棄処理、廃止処理、等)、処理を実行した係員の名前、処理を実行した理由等が表示される。
【0187】
係員は、項目表示画面として表示された複数項目のなかから所望の項目を選択操作することにより、当該ローリングプログラムに対して選択された処理を実行することとなる。なお、選択可能な項目のうち、「設定処理(Create)」は、新たにローリングプログラムを設定する項目であるため、当該項目を選択操作すると、ホテルサーバ500は、表示装置にローリングプログラムを設定するための画面(
図11)を表示する。係員は、当該画面を介して、複数の設定項目を入力することができる。これらの設定項目は、
図11において上述した設定項目と同様である。
【0188】
また、係員がホテルサーバ500の受付端末装置の表示画面に表示された項目表示画面において、項目「更新処理(Update)」を選択操作すると、ホテルサーバ500は、表示装置に登録済であるローリングプログラムの更新を行うための画面を表示する。係員は、この表示画面を介して、登録済のローリングプログラムに対して、内容を更新するための処理を行うことができる。この更新項目は、
図11において上述した設定項目のいずれかを選択的に更新するものであり、例えば、既に登録されている「Amount」が100,000PHPである場合において、更新項目として「Amount」に100,000PHPを入力すると、それまでの「Amount」100,000PHPに対して、更新で入力された100,000PHPが追加されることにより、合計200,000PHPが当該ローリングプログラムの「Amount」として登録される。すなわち、当該ローリングプログラムの購入額を後処理として追加的に更新することができる。このような更新処理は、「Amount」以外の各設定項目においても同様に実行することができる。
【0189】
また、係員がホテルサーバ500の受付端末装置の表示画面に表示された項目表示画面において、項目「廃棄処理(Discard)」を選択すると、ホテルサーバ500は、表示装置に登録済であるローリングプログラムの廃棄を行うための画面を表示する。係員は、この表示画面を介して、選択された登録済のローリングプログラムに対して、廃棄するための処理を行うことができる。因みに、この廃棄処理は、項目「ステータス」が「Disable」になっているプログラムのみ実行することができる。
【0190】
また、係員がホテルサーバ500の受付端末装置の表示画面に表示された項目表示画面において、項目「廃止処理(Decommision)」を選択すると、ホテルサーバ500は、表示装置に登録済であるローリングプログラムの廃止を行うための画面を表示する。係員は、この表示画面を介して、選択された登録済のローリングプログラムに対して、廃止するための処理を行うことができる。因みに、この廃止処理は、現在日時が
図11に示した当該ローリングプログラムの開催される期間(Duration)外であり、表記「Program is Expired」がなされているローリングプログラムについてのみ実行することができる。
【0191】
なお、
図17は、設定されたローリングプログラムに対する上述した各種処理の実行履歴を受付端末装置の表示装置に表示した場合の表示例を示す図である。
図17に示すように、実行履歴表示画面SC22には、処理の発生日時、処理内容(設定処理、更新処理、廃棄処理、廃止処理、等)、処理が行われたローリングプログラムのプログラムID、プログラム名、当該プログラムのアマウント、処理を実行した係員の名前、処理を実行した理由等が詳細表示部AP21に表示される。
【0192】
また、この実行履歴表示画面SC22には、履歴として表示する処理実行期間を指定する指定部AP22が設けられており、係員は、この指定部AP22を介して、履歴表示される対象となる処理が発生した期間を指定することができる。なお、これらの処理に係る履歴は、ホテルサーバ500の記憶部に記憶されており、履歴表示の要求に応じて当該記憶部から読み出されて表示装置に表示される。
【0193】
このように、カジノシステム100では、一旦作成されたローリングプログラムに対して、購入額の変更等の処理を実行することができる。
【0194】
なお、
図14~
図17に示した表示画面を表示する表示装置としては、受付端末装置の表示装置に限らず、ホテルサーバ500の表示装置等、要は、会員アカウント及びローリングプログラムの設定内容を記憶している装置に接続された表示装置であれば種々の装置を適用することができる。
【0195】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0196】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語および語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。したがって、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁および一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容およびその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。したがって、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的および本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0197】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明および表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
[付記]
本発明の情報処理装置は、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置であって、
ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を前記情報媒体から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報をゲームに供するとともに、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体に書き込むことを制限することを特徴とする。
この構成によれば、ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を情報媒体から読み出してゲームに供するとともに、情報媒体から読み出した第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として情報媒体に書き込むことを制限することにより、情報媒体を用いてゲームを行うゲーミングマシンにおいて、ローリングプログラムによるゲームを行うことを可能とする情報処理装置を実現できる。
本発明の情報処理装置は、上記構成において、
前記情報媒体処理部は、
前記ゲームの結果発生した賞額を表す情報を、前記第2の遊技価値情報として前記情報媒体に書き込むことを特徴とする。
ゲームに使用可能な第1の遊技価値情報をゲームに使用した後は、その使により発生した賞額を換金可能な第2の遊技価値情報として情報媒体に書き込むことにより、第1の遊技価値情報をゲームを介して換金可能な第2の遊技価値情報に変換することができる。
本発明のゲーミングマシンは、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンであって、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
可搬型の情報媒体との間で金銭価値情報を受け渡し可能な情報媒体処理部と、
を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を前記情報媒体から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報をゲームに供するとともに、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報カードに書き込むことを制限することを特徴とする。
この構成によれば、ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を情報媒体から読み出してゲームに供するとともに、記情報媒体から読み出した第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として情報媒体に書き込むことを制限することにより、情報媒体を用いてゲームを行うゲーミングマシンにおいて、ローリングプログラムによるゲームを行うことが可能となる。
本発明のゲームシステムは、
投入された遊技価値に応じてゲーム可能なゲーミングマシンと、前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能に接続された情報処理装置とを有し、
前記ゲーミングマシンは、
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記情報処理装置との間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報処理装置は、
前記ゲームに使用することが可能な遊技価値情報を可搬型の情報媒体との間で受け渡し可能な情報媒体処理部と、
前記ゲーミングマシンとの間で情報を送受信可能なインターフェースと、を備え、
前記情報媒体処理部は、
前記遊技価値情報として、金銭価値との交換を条件に与えられ、前記ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を前記情報媒体から読み出し、当該読み出された第1の遊技価値情報を前記ゲームに供するとともに、
前記情報媒体から読み出した前記第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として前記情報媒体に書き込むことを制限することを特徴とする。
この構成によれば、ゲームを行うことに使用可能であり換金が制限された第1の遊技価値情報を情報媒体から読み出してゲームに供するとともに、前記情報媒体から読み出した第1の遊技価値情報を、換金可能な第2の遊技価値情報として情報媒体に書き込むことを制限することにより、情報媒体を用いてゲームを行うゲームシステムにおいて、ローリングプログラムによるゲームを行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0198】
100 カジノシステム
500 ホテルサーバ
600 キャッシャー
601 ゲーム用チップ発行装置
1010A、1010B スロットマシン
1500 ICカード
1600 ゲーム用チップ
1700 PTS端末
2010A、2010B 遊技テーブル