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特許7548599投資信託診断システム、投資信託診断プログラム及び投資信託診断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】投資信託診断システム、投資信託診断プログラム及び投資信託診断方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20240903BHJP
【FI】
G06Q40/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022531859
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 JP2021022827
(87)【国際公開番号】W WO2021256493
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2020103687
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514245199
【氏名又は名称】株式会社モバイルサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】河合 行宏
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-175406(JP,A)
【文献】特開2003-044678(JP,A)
【文献】特開2002-269131(JP,A)
【文献】特開2007-041901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断システムであって、
所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、前記標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出する運用効率算出部と、
各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部と、
前記投資対象分類記憶部を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索し、検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づく前記シャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出部と、
SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、前記SR偏差値算出部が算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を算定する評価部と、
前記リスクの値を示す第1の軸と、前記リターンの値を示す第2の軸とによって画成される座標上に、前記診断対象の投資信託商品と、他の投資信託商品とが、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示する評価提示部と、
各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースと
を備え、
前記評価提示部は、複数の投資信託商品のリスク及びリターンに基づいて、前記座標上にプロットしてリスクリターンマップを生成する機能を有し、
前記リスクリターンマップでは、各投資信託商品のSR偏差値に応じて、各プロットの表示形態が変化されるとともに、各プロットには、当該プロットに係る投資信託商品に関する詳細情報を前記商品データベースから抽出して表示させるリンクが設定される
ことを特徴とする投資信託診断システム。
【請求項2】
前記評価提示部は、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分を、前記第1の軸及び前記第2の軸のスケールを合致させたうえで前記リスクリターンマップに重畳させて表示する機能を有し、
前記区分ごとに表示する機能は、各区分に属する投資信託商品の個数が表示されるとともに、前記各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を前記商品データベースから抽出して一覧表示させるリンク機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の投資信託診断システム。
【請求項3】
投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断プログラムであって、コンピューターを、
所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、前記標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出する運用効率算出部と、
各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部と、
前記投資対象分類記憶部を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索し、検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づく前記シャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出部と、
SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、前記SR偏差値算出部が算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を算定する評価部と、
前記リスクの値を示す第1の軸と、前記リターンの値を示す第2の軸とによって画成される座標上に、前記診断対象の投資信託商品と、他の投資信託商品とが、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示する評価提示部と、
各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベース
として機能させ、
前記評価提示部は、複数の投資信託商品のリスク及びリターンに基づいて、前記座標上にプロットしてリスクリターンマップを生成する機能を有し、
前記リスクリターンマップでは、各投資信託商品のSR偏差値に応じて、各プロットの表示形態が変化されるとともに、各プロットには、当該プロットに係る投資信託商品に関する詳細情報を前記商品データベースから抽出して表示させるリンクが設定される
ことを特徴とする投資信託診断プログラム。
【請求項4】
前記評価提示部は、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分を、前記第1の軸及び前記第2の軸のスケールを合致させたうえで前記リスクリターンマップに重畳させて表示する機能を有し、
前記区分ごとに表示する機能は、各区分に属する投資信託商品の個数が表示されるとともに、前記各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を前記商品データベースから抽出して一覧表示させるリンク機能を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の投資信託診断プログラム。
【請求項5】
コンピュータによって実行される、投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断方法であって、
所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、前記標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして運用効率算出部が算出する運用効率算出ステップと、
各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検出し、その検出された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づく前記シャープレシオの偏差値であるSR偏差値を、SR偏差値算出部が算出するSR偏差値算出ステップと、
SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、前記SR偏差値算出部が算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を評価部が算定する評価ステップと、
評価提示部が、前記リスクの値を示す第1の軸と前記リターンの値を示す第2の軸とによって画成される座標上に前記診断対象の投資信託商品と他の投資信託商品とが同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示する評価提示ステップと
を含み、
前記評価提示ステップでは、
複数の投資信託商品のリスク及びリターンに基づいて、前記座標上にプロットしてリスクリターンマップを生成し、
前記リスクリターンマップでは、各投資信託商品のSR偏差値に応じて、各プロットの表示形態が変化されるとともに、各プロットには、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースから、当該プロットに係る投資信託商品に関する詳細情報を抽出して表示させるリンクが設定される
ことを特徴とする投資信託診断方法。
【請求項6】
前記評価提示ステップでは、
同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分を、前記第1の軸及び前記第2の軸のスケールを合致させたうえで前記リスクリターンマップに重畳させて表示し、
各区分に属する投資信託商品の個数を表示するとともに、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースから、前記各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を抽出して一覧表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の投資信託診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投資信託商品についての適正な選択或いは評価を促すことのできる投資信託診断システム、投資信託診断プログラム及び投資信託診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投資家が自身の所有する投資信託商品或いは今後売買を行おうとする投資信託商品の評価を行う際は、投資信託評価機関等が総合的に判断したレーティング(5段階評価等で表示された評価)等が使用されている(例えば特許文献1)。
【0003】
ところで、上述したような投資信託評価機関等が総合的に判断し提供されるレーティングは、一般化された評価構成要件に基づいて算出されるものであるため、ポジショニングや資金的制約など個々の投資家ごとに異なる個別具体的な投資条件とは合致しない場合も多い。そのため、投資家は自分でインターネット条の評判や金融機関が提供する情報などを収集し、各自が所有する投資信託商品或いは今後売買を行おうとする投資信託商品の分析を行っているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-175406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インターネットや特定の金融機関から提供される情報は、その情報の提供者の主観や立場による影響を受けている場合も多いことから、その情報の真偽を判断することは非常に難しい。さらには投資信託商品の評価には高度な専門的知識と情報が必要であり、また投資家自身、自身が所有したり、購入しようとして注目している商品の目先の損益ばかりに注力しがちであり、他の商品との比較を長期にわたって定期的に行うことまで注力できない傾向がある。このため、独自に収集した情報を適切に理解し分析することは非常に困難であり、一般投資家が最良の商品を選択、或いは診断することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、投資信託商品の最新情報に基づいた定期的な定量分析の結果をわかりやすく提示して、高度な専門的知識や情報を要することなく最良の商品を選択、或いは評価を促すことのできる投資信託診断システム、投資信託診断プログラム及び投資信託診断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断システムであって、投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断システムであって、所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出する運用効率算出部と、所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出する運用効率算出部と、各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部と、投資対象分類記憶部を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索し、検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づくシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出部と、投資対象分類記憶部を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索し、検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づくシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出部と、SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、SR偏差値算出部が算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を算定する評価部とを備える。
【0008】
また、本発明は、投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断方法であって、
(1)所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして運用効率算出部が算出する運用効率算出ステップと、
(2)所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして運用効率算出部が算出する運用効率算出ステップと、
(3)各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部を参照して、SR偏差値算出部が検索した診断対象となる投資信託商品が属する分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づくシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出ステップと、
(4)各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部を参照して、SR偏差値算出部が検索した診断対象となる投資信託商品が属する分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づくシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するSR偏差値算出ステップと、
(5)SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、SR偏差値算出部が算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を評価部が算定する評価ステップとを含む。
【0009】
上記発明において、リスクの値を示す第1の軸と、リターンの値を示す第2の軸とによって画成される座標上に、診断対象の投資信託商品と、他の投資信託商品とが、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示する評価提示部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
上記発明において、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースをさらに備え、評価提示部は、複数の投資信託商品のリスク及びリターンに基づいて、座標上にプロットしてリスクリターンマップを生成する機能を有し、リスクリターンマップでは、各投資信託商品のSR偏差値に応じて、各プロットの表示形態が変化されるとともに、各プロットには、当該プロットに係る投資信託商品に関する詳細情報を商品データベースから抽出して表示させるリンクが設定されることが好ましい。
【0011】
上記発明において、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースをさらに備え、評価提示部は、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分を、第1の軸及び第2の軸のスケールを合致させたうえでリスクリターンマップに重畳させて表示する機能を有し、区分ごとに表示する機能は、各区分に属する投資信託商品の個数が表示されるとともに、各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を商品データベースから抽出して一覧表示させるリンク機能を有する区分ごとに表示する機能は、各区分に属する投資信託商品の個数が表示されるとともに、各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を商品データベースから抽出して一覧表示させるリンク機能を有することが好ましい。
【0012】
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0013】
また、本発明のプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またコンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。具体的にこの記録媒体としては、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明によれば投資信託商品の最新情報に基づいた定期的な定量分析の結果をわかりやすく提示して、高度な専門的知識や情報を要することなく最良の商品を選択、或いは評価を促すことができる。この結果本発明によれば、投資信託商品の最新情報に基づいた定期的な定量分析の結果をわかりやすく提示して、高度な専門的知識や情報を要することなく最良の商品を選択、或いは評価を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る投資信託診断システムの全体構成を示す概要図である。
図2】実施形態に係る管理サーバーの内部構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る情報処理端末の内部構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るシステム動作を示すフローチャート図である。
図5】実施形態に係る表示部に表示される投資信託診断表示の一例を示す説明図である。
図6】実施形態に係る表示部に表示されるリスクリターンマップの一例を示す説明図である。
図7】実施形態に係る表示部に表示される投資信託診断の一例を示す説明図である。
図8】実施形態に係る表示部にリスクリターンマップと投資信託診断とを重畳表示した一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。図1は、投資信託診断システムの全体構成を示す概要図である。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
本実施形態において、投資信託診断システムは、図1に示すように、通信ネットワーク4を通じ、投資信託診断サービスを利用するユーザーである顧客CPが使用する情報端末1を介して顧客CPに対する投資信託診断サービスを提供するシステムである。具体的にこのシステムは、投資信託商品の定量的に分析評価する投資信託診断サービスを提供するシステムであり、通信ネットワーク4上に投資信託診断コンテンツを管理・配信する管理サーバー2と、金融情報を配信している外部サーバー3と、顧客CP等が使用する情報端末1とで概略構成される。
【0018】
通信ネットワーク4は、IP網やPSTN(Public Switched Telephone Networks:公衆交換電話網)等の通信回線から概略構成される。IP網は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。一方、PSTNは、一般の加入電話回線の通信ネットワークであり、電話機から線交換方式で相手の電話機に接続し、音声通話を行う。
【0019】
管理サーバー2は、通信ネットワーク4上に配置され、ファンド(金融商品)情報を配信したりポートフォリオサービスを提供したりするとともにそれらのサービスの一環として投資信託診断サービスを提供するサーバー装置であり、これらのサービスを提供するためにユーザー管理、データ収集管理などを行う。また、管理サーバー2は、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、動画ファイル、音楽ファイルなどの情報データの配信を行うサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアである。本実施形態において、管理サーバー2は、投資信託・運用会社等が提供する投資信託などのファンド(金融商品)に関するHTML文書や画像などのWebデータを蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、通信ネットワーク4を通じて、金融商品や外部サーバー3から収集した投資情報を情報端末1に向けて配信する。
【0020】
外部サーバー3は、投資情報や株式情報等の金融関係の情報を配信するサーバー群であり、管理サーバー2は、クローリング機能によって各外部サーバー3を巡回して順次アクセスし、各外部サーバー3が提供している各種情報を収集し、情報端末1に配信可能なデータフォーマットに変換して蓄積し又は情報端末1に向けて配信する。
【0021】
情報端末1は、投資信託診断サービスの利用者である顧客CPが使用する情報処理端末であって、通信ネットワーク4に接続されて管理サーバー2にアクセスするクライアント装置であり、CPU等の演算処理装置を備え、アプリケーションソフトを実行することによって種々の機能を提供する。この情報端末1としては、例えば、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや機能を特化させた専用装置により実現することができ、スマートフォンやモバイルコンピューター、携帯電話機、ウェアラブル端末装置等が含まれる。
【0022】
(各装置の内部構造)
次いで、上述した投資信託診断システムを構成する各装置の内部構造について説明する。図2は、本実施形態に係る管理サーバー2の内部構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係る情報端末1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0023】
(1)管理サーバー2
先ず、管理サーバー2の内部構成について説明する。管理サーバー2は、ファンド(金融商品)情報を配信したりポートフォリオサービスを提供したりするとともにそれらのサービスの一環として投資信託診断サービスを提供するサーバー装置である。この管理サーバー2は、投資信託診断サービスに関連する構成要素として、図2に示すように、通信インターフェース20と、認証部21と、コンテンツ管理部23と、データベース制御部24と、情報制御部25と、コンテンツ配信部26と、情報収集部27とを備えている。
【0024】
通信インターフェース20は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、通信ネットワーク4を介して情報端末1に接続可能となっている。認証部21は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、ユーザー情報蓄積部22aを参照して各ユーザーを特定する各ID及びパスワード等に基づいて認証処理を実行し、アクセス者が顧客か否かを識別する。
【0025】
データベース制御部24は、各種データベースに対するデータの入出力を制御するモジュールであり、情報収集部27が収集した情報を金融情報データベース22cに保存したり、投資信託診断サービスに必要な情報及びその提示に必要な表示データを各種データベースから読み出す処理を実行する。
【0026】
コンテンツ管理部23は、投資信託診断サービスを提供するために必要なコンテンツを、ユーザーごとにカスタマイズして生成するモジュールである。具体的には、ユーザー情報蓄積部22aからデータベース制御部24を通じてユーザー情報を取得して各ユーザーに固有の個人情報及び環境設定を読み出し、それらの個人情報及び環境設定に基づいて、コンテンツデータベース22bから任意のコンテンツを選択し、選択された各コンテンツの表示形態を設定してユーザー固有の専用ページを構成する。本実施形態において、コンテンツ管理部23は、コンテンツ管理システム(content management system、CMS)に係る技術を用いて、既に取扱いが数百本となり専門性の高い情報が必要とされる投資信託HPを、各金融機関のコーポレートカラーをベースに、HPガイドラインに沿って構築する。
【0027】
コンテンツ配信部26は、コンテンツ管理部23が生成したコンテンツを各ユーザー端末に向けて配信するモジュールである。情報収集部27は、クローラーなどのWeb巡回ロボット機能によって、投資信託に関する情報を取得可能なWebサーバーに定期的にアクセスし、投資信託に関する情報を自動的に取得するモジュールである。なお、情報収集部27による情報収集方法としては、担当者が手動で投資信託に関する情報を取得する先のWebサーバーを指定してもよい。この際、情報収集部27は、Webページに含まれるスタイルシート言語(CSS(Cascading Style Sheets)など)を解析して、Webページ内のレイアウト情報を抽出するとともに、取得したWebページからHTMLなどのマークアップ言語で記述された文書ファイルを解析し、文書中に定義された特定要素(内容データ)を抽出する。
【0028】
また、管理サーバー2は、データベース群を備えており、このデータベース群にはユーザー情報蓄積部22aと、コンテンツデータベース22bと、金融情報データベース22cとが含まれる。
【0029】
金融情報データベース22cは、投資信託に関する情報を含む金融情報等のコンテンツを蓄積するデータベースであり、金融情報には、多数の金融商品の利益及び手数料、過去の運用実績等が含まれる。また、コンテンツには、投資信託に関する情報が含まれ、この「投資信託に関する情報」としては、金融商品を識別する商品IDに、金融商品の属性、商品名、運用会社、基準価格(前日比を含む)、直前決算時における分配金、決算回数、購入手数料などが関連付けて記録されている。なお、投資信託に関する情報は、各属性に応じてグループ分けされている。なお、ここでの「属性」とは、商品の分類を示しており、例えば、投資対象地域に応じて、国内、海外に分類することもでき、また、投資する対象に応じて、株式、債権、不動産、その他などに分類可能である。さらには、MMF、MRF、ETFなどに分類することも可能である。なお、金融情報データベース22c内に蓄積されるコンテンツには、情報収集部27によって収集された、各社が運営するWebサーバー等の外部サーバー3によって提供される投資信託に関する情報等が含まれる。
【0030】
ユーザー情報蓄積部22aは、情報端末1を使用するユーザーに関する個人情報及び認証情報などを蓄積するデータベースであり、本実施形態では、このデータベースには、ユーザーID(情報端末1のIPアドレス等)及びパスワードに、ユーザー種別(アクセス権限など)、住所、携帯電話番号、メールアドレス、氏名、年齢、性別などが含まれる。
【0031】
(2)情報端末1
次いで、情報端末1の内部構成について説明する。図3に示すように、情報端末1は、通信インターフェース11、メモリ15と、アプリケーション実行部14と、出力インターフェース13と、入力インターフェース12とを備えている。通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル,アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。
【0032】
入力インターフェース12は、操作ボタンやタッチパネルなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどの表示部13aが含まれている。メモリ15は、OS(Operating System)や各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、ユーザーを識別するユーザー識別情報が蓄積される。
【0033】
アプリケーション実行部14は、一般のOSやブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。このアプリケーション実行部14では、本発明の投資信託診断プログラムであるプレゼンテーションプログラムが実行される。プレゼンテーションプログラムは、ユーザーが所有、若しくは購入を希望している投資信託等の金融商品に関する価値評価などの診断を行うアプリケーションソフトである。アプリケーション実行部14は管理サーバー2からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどで構成された診断サービスWebサイトをダウンロードするとともに、ダウンロードされたWebサイトを顧客CPの操作に従って表示部13aの画面上に表示・再生させる。
【0034】
本実施形態では、このアプリケーション実行部14で、プレゼンテーションプログラム141を実行することによって、運用効率算出部141aと、SR偏差値算出部141bと、評価部141cと、評価提示部141dと、情報取得部141eとがCPU上に仮想的に構築される。
【0035】
情報取得部141eは、通信ネットワーク4を通じて管理サーバー2から、最新の金融情報を取得し、メモリ15に蓄積するモジュールである。メモリ15は、例えば、データを書き込み保存(本保存)するための記憶装置であり、具体的には不揮発性のメモリ装置やハードディスク等により実現することができる。なお、これらのメモリ15は、情報端末1内に固定内蔵されたものでもよく、またメモリカードのように着脱自在のもの、或いは、USBケーブル等で接続される記憶装置であってもよい。さらに、本実施形態では、メモリ15は各投資信託商品の投資対象に関する分類を記憶保持する投資対象分類記憶部として機能する。また、メモリ15は、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースとしても機能する。
【0036】
そして、上記運用効率算出部141aは、所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率(ファンドのリターン)の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益(ファンドのリターン-無リスク資産利子率)であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出するモジュールである。ここで、「収益率」とは例えばファンド(投資信託商品)のリターンであり、その標準偏差が「リスク」として算出される。また、上記「超過収益」とはファンド(投資信託商品)のリターンから無リスク資産利子率を差し引いたものであり、そのリターンとして算出される。この「無リスク資産利子率」とは、「リスクフリーレート」とも呼ばれ、理論的にリスクがゼロか、極小の無リスク資産(リスクフリー商品)から得ることのできる利回りを指し、元利金の支払いが保証された預貯金やインターバンクの短期金融商品、国債などの金融商品の利回りを指すことが多い。これらの値を用い、シャープレシオは以下の式で求められる。
【数1】
【0037】
SR偏差値算出部141bは、投資対象分類記憶部であるメモリ15を参照して、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索し、検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均に基づくシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出するモジュールである。
具体的には、各期間のシャープレシオがx,x…xとあり、その平均をμとした場合、標準偏差σは下記数式で表される。
【数2】
そして、この求められた標準偏差σを用いて、特定のファンド(投資信託商品)の、全ファンド中における偏差値をSR偏差値Tiは下式で算出される。
【数3】

ここで、
【数4】
である。
【0038】
評価部141cは、SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照して、SR偏差値算出部141bが算出したSR偏差値に基づいて、診断対象の投資信託商品の評価を算定するモジュールである。
【0039】
評価提示部141dは、リスクの値を示す第1の軸と、リターンの値を示す第2の軸とによって画成される「リスクリターンマップ」を形成し、このリスクリターンマップの座標上に、課悪投資信託商品のリスク及びリターンの値に基づいて、診断対象の投資信託商品の情報V(x,y)、及び他の投資信託商品の情報V(x,y)をプロットし、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示するモジュールである。
【0040】
詳述すると、評価提示部141dは、診断の対象となる投資信託商品を選択することにより、選択された対象商品の情報V(x,y)が座標C上にプロットP1として表示する機能と、選択された対象商品と同じ投資対象の平均的なリターン及びリスクを算出し、その算出された平均的なリターン及びリスクがプロットP2として表示する機能を備えている。
【0041】
また、本実施形態において評価提示部141dは、リスクリターンマップを表示するにあたり、各投資信託商品のSR偏差値に応じて、情報V(x,y)のプロットの表示形態が変化されるとともに、各プロットには、当該プロットに係る投資信託商品に関する詳細情報を商品データベースから抽出してポップアップ等により表示させるリンクが設定される。
【0042】
詳述すると、図6に示すように、評価提示部141dは、座標C上において、選択された対象商品よりもシャープレシオが高い商品に関する情報V(x,y)がプロット群P3として特定の色で色分けされて表示するとともに、選択された対象商品よりもシャープレシオが低い商品に関する情報V(x,y)がプロット群P4として特定の色で色分けされて表示する機能を備えている。
【0043】
具体的には、各投資信託商品の情報V(x,y)を座標C上にプロットする際に、個々の投資信託商品のシャープレシオ若しくはSR偏差値を算出し、診断の対象として選択された投資信託商品のシャープレシオ等と他の投資信託商品のシャープレシオ等とを比較し、その比較結果に応じて、選択された対象商品よりもシャープレシオが低いか、或いは高いかによって、それらの商品に関する情報V(x,y)をそれぞれのプロット群として特定の色で色分けして表示する。そして、このようにプロットされた各投資信託商品の情報V(x,y)にはリンクが埋め込まれており、このリンクに対してクリックするなどの選択操作を行うことで、それぞれの投資信託商品のSR偏差値等の詳細情報が、商品データベースから抽出されてポップアップ表示されるようになっている。
【0044】
このとき、対象商品のシャープレシオをリターンとリスクの比に基づいた傾きの線形的な関数として設定し、その線形的な関数により座標Cを上下に区分けし、プロットする他の投資信託商品の座標C上の位置に応じていずれの区分に属するかを判断し、属する区分に設定された色に従ってプロットに着色するようにしてもよい。
【0045】
さらに、本実施形態において評価提示部141dは、図7に示すような、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分ごとに整理して「投資信託診断」として表示する機能を有する。この区分ごとに表示する「投資信託診断」機能では、各区分に属する投資信託商品の個数が表示されるとともに、各区分の表示には各区分に属する投資信託商品に関する詳細情報を商品データベースから抽出して一覧表示させるリンク機能も含まれている。
【0046】
なお、上述した各モジュール141a~141eは、情報端末1側のスペックに応じて、その機能の全て又は一部を管理サーバー2側の情報制御部25に持たせるようにしてもよい。この場合には、情報制御部25側で運用効率やシャープレシオ、シャープレシオ偏差値を演算してその演算結果(又は中間結果)を情報端末1側の投資信託診断プログラム141の各モジュール141a~141eに受け渡し、管理サーバー2側と情報処理端末1側とが協動してサービスを提供するようにしてもよい。
【0047】
(投資信託診断方法)
上述した投資信託診断システムを動作させることで、本発明の投資信託診断方法を実施することができる。図4は、本実施形態に係る投資信託診断システムの動作を示すフロー図である。
【0048】
先ず、図4に示すように、管理サーバー2側において情報収集部27若しくは情報取得部141eが投資信託に関する情報を含むコンテンツを収集して金融情報データベース22c若しくはメモリ15に蓄積する(S101)。
【0049】
そして、収集した情報を用いて各投資信託商品の移動平均を算出する(S102)。この各投資信託商品の移動平均に基づいて運用効率算出部141aが運用効率算出ステップを実行する(S103)。具体的にステップS103では、所定期間における投資信託商品の価格変動の移動平均に基づいて、収益率の標準偏差であるリスクと、標準偏差の一単位当たりの超過収益であるリターンとに基づく資産運用効率の指標をシャープレシオとして算出する。
【0050】
次いで、SR偏差値算出部141bによってSR偏差値算出ステップ(S105)を実行する。この際、SR偏差値算出部141bは、投資対象分類記憶部として機能するメモリ15若しくは金融情報データベース22cを参照し(S104)、診断対象となる投資信託商品が属する分類を検索する。次いで、この検索された分類に属する投資信託商品ごとの運用期間に応じた移動平均を求める。そして、この求められた移動平均に基づいてシャープレシオの偏差値であるSR偏差値を算出する。
【0051】
その後、SR偏差値と投資信託商品の診断に関する判定ルールとが関連付けられた判定ルール情報を参照する(S106)。そして判定ルール情報を参照することにより、SR偏差値に基づいて診断対象の投資信託商品の評価が評価部141cによって算定される(S107)。
【0052】
そして、このステップS107で算定された評価をタッチパネル131などの表示手段を通じて提示する評価提示ステップが実行される(S108)。この評価提示ステップ(S108)では、図5及び図6に示すように、評価提示部141dによってリスクの値を示す第1の軸(横軸Ax1)とリターンの値を示す第2の軸(縦軸Ax2)によって形成される座標C上に各投資信託商品の情報V(x,y)を表示する。この情報V(x,y)の表示は、本実施形態では、図5に示すように、診断対象の投資信託商品と他の投資信託商品とが同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの評価を比較可能に表示される。具体的には、同じリターン(年率%)であればリスクが低くなるとシャープレシオは向上し座標C上における情報V(x,y)は左(原点側)に表示され、同じリスク(年率%)であればリターンが高くなるとシャープレシオは向上し、座標C上における情報V(x,y)は上方に表示されることとなる。
【0053】
また、本実施形態に係る評価提示ステップでは、診断の対象となる投資信託商品を選択することにより、選択された対象商品の情報V(x,y)が座標C上にプロットP1として表示されるとともに、選択された対象商品と同じ投資対象の平均的なリターン及びリスクが算出され、その算出された平均的なリターン及びリスクがプロットP2として表示される。さらに、座標C上には、選択された対象商品よりもシャープレシオが高い商品に関する情報V(x,y)がプロット群P3として特定の色で色分けされて表示されるとともに、選択された対象商品よりもシャープレシオが低い商品に関する情報V(x,y)がプロット群P4として特定の色で色分けされて表示される。
【0054】
そして、各情報V(x,y)にはリンクが埋め込まれており、このリンクをポインター131aでクリックするなどの選択操作を行うことで(S109による「Y])、情報V(x,y)に関する投資信託商品のSR偏差値等の詳細情報を蓄積する商品データベースから詳細情報が抽出されてポップアップ131bとして表示される(S110)。
【0055】
また、この座標C上における情報V(x,y)の他の表示態様としては、例えば、図7に示すように、同一リスク又は同一リターンの投資信託商品間におけるリターン又はリスクの偏差値に応じた区分S(x,y)ごとに表示し、各区分S(x,y)に属する投資信託商品の個数を表示することもできる。この場合、投資信託商品の個数表示にはリンクが埋め込むようにしてもよく、このリンクをクリックするなどの選択操作を行うことで、その区分S(x,y)に属する投資信託商品の一覧が表示されるようにしてもよい。
【0056】
この一覧表示では、各投資信託商品に関する詳細情報を蓄積する商品データベースから、各区分S(x,y)の表示には各区分S(x,y)に属する投資信託商品に関する詳細情報が抽出されてリストとして一覧表示することが好ましい。このリストには、各投資信託商品の詳細情報へのリンクが埋め込まれており、このリンクに対するクリックなどの選択操作により、各商品の詳細情報が閲覧できるようにしてもよい。
【0057】
なお、上述した「リスクリターンマップ」及び「投資信託診断」は、ユーザー操作に基づいて適宜切り替えて表示することが可能であり、また、図8に示すように、第1の軸(横軸Ax1)と第2の軸(縦軸Ax2)のスケールを合致させたうえで両者を重畳表示するようにしてもよい。
【0058】
(投資信託診断プログラム)
上述した実施形態に係る投資信託診断システム及び投資信託診断方法は、所定の言語で記述された投資信託診断プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、このプログラムを、ユーザー端末やWebサーバー等のコンピューターやICチップにインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを容易に構築することができる。
【0059】
このプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。そして、このようなプログラムは、パーソナルコンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することができ、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述した投資信託診断システム、投資信託診断方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【0060】
(作用・効果)
以上説明した実施形態によれば、投資信託商品の最新情報に基づいた定期的な定量分析の結果をわかりやすく提示して、高度な専門的知識や情報を要することなく最良の商品を選択、或いは評価を促すことができる。この結果本発明によれば、投資信託商品の最新情報に基づいた定期的な定量分析の結果をわかりやすく提示して、高度な専門的知識や情報を要することなく最良の商品を選択、或いは評価を促すことができる。
【0061】
なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0062】
CP…顧客
1…情報端末
2…管理サーバー
3…外部サーバー
4…通信ネットワーク
11…通信インターフェース
12…入力インターフェース
13…出力インターフェース
13a…表示部
14…アプリケーション実行部
14a…プレゼンテーションプログラム
15…メモリ
20…通信インターフェース
21…認証部
22a…ユーザー情報蓄積部
22b…コンテンツデータベース
22c…金融情報データベース
23…コンテンツ管理部
24…データベース制御部
25…情報制御部
26…コンテンツ配信部
27…情報収集部
131…タッチパネル
141…プレゼンテーションプログラム
141a…運用効率算出部
141b…SR偏差値算出部
141c…評価部
141d…評価提示部
141e…情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8