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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】シール貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
B65C9/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023095954
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2019148298の分割
【原出願日】2019-08-13
(65)【公開番号】P2023105259
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭太
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-028242(JP,A)
【文献】特開2007-106484(JP,A)
【文献】特開平11-070927(JP,A)
【文献】特開平05-213329(JP,A)
【文献】特開平01-096571(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0107751(US,A1)
【文献】国際公開第2019/035608(WO,A1)
【文献】実開平07-002210(JP,U)
【文献】特開平05-193634(JP,A)
【文献】実開昭62-028545(JP,U)
【文献】実開昭56-084911(JP,U)
【文献】特開2007-246134(JP,A)
【文献】特開2004-122430(JP,A)
【文献】特開昭56-031786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/00
B41J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻き回された台紙に貼り付けられた複数のシールを前記台紙から剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出すシール繰り出し手段と、
前記シール繰り出し手段にて繰り出された前記シールを載置する平面状の載置面を有するシール台座と、
前記シール台座に載置された前記シールを把持し、当該シールを所定の対象物に貼り付けるシール把持手段とを備え、
前記シール台座は、
前記載置面と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、前記シール繰り出し手段にて繰り出された前記シールと当接することによって、前記シールの反りを押さえる当接部を有する押さえ部材を備え、
前記押さえ部材は、繰り出し方向に対して直交する方向に沿って、前記シール台座側に向かうにしたがって下降するように傾斜する押さえ板を備え、
前記押さえ板は、前記当接部の前記シール繰り出し手段側に形成された切欠き部を有し、
前記押さえ部材の前記当接部と、前記シール台座の前記載置面との間隔は、前記押さえ板の傾斜、および前記切欠き部によって、前記シール繰り出し手段側よりも前記シール繰り出し手段と反対側を狭くするように設定されていることを特徴とするシール貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたシール貼付装置において、
前記シール台座に載置された前記シールの姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記シール貼付装置の全体を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記姿勢検出手段にて検出された前記シールの姿勢に基づいて、前記シール台座に載置された前記シールを前記シール把持手段に把持させることを特徴とするシール貼付装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたシール貼付装置において、
前記押さえ部材の前記当接部は、前記シールの外縁部と当接することによって、前記シールの反りを押さえることを特徴とするシール貼付装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたシール貼付装置において、
前記押さえ部材は、
前記シール把持手段にて前記シールを把持する際、前記シール把持手段に押されることによって、前記シール台座の前記載置面に沿って移動し、前記シールの反りを押えた状態を解除することを特徴とするシール貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト等の対象物にシールを貼り付けるシール貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクト等の容器を保持したパレットを所定方向に沿って搬送することによって、内容物を自動的に装填し、最終製品を製造する装填装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された自動組立装置は、コンパクトの蓋を自動的に開蓋する容器開蓋装置や、コンパクト(対象物)に定価やロット番号などを表示したラベル(シール)を貼り付けるラベル貼装置(シール貼付装置)や、化粧料を充填した中皿をコンパクトに組み込む中皿組込装置や、中皿に充填された化粧料の上にフィルムを載置するフィルム載置装置や、コンパクトを梱包するカートニング装置などを備えている。そして、これらの装置に対してコンパクトを保持したパレットを搬送することによって、最終製品を製造している。
ここで、特許文献1に記載された自動組立装置では、ラベル貼装置は、帯状のラベル台紙を送るラベル送りと、このラベルをラベル台紙から剥がして受け取り、コンパクトに貼り付けるラベル・シリンダ装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたラベル貼装置にて使用する帯状のラベル台紙は、ロール状に巻き回されているので、ラベル台紙を送ってラベルを貼り付けたことに起因する巻き数の減少に伴って、ラベル台紙の巻きに沿った反りをラベルに発生させてしまい、ラベル貼装置は、コンパクトにラベルを正常に貼り付けることができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、シールの反りを抑制することができ、対象物にシールを正常に貼り付けることができるシール貼付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシール貼付装置は、ロール状に巻き回された台紙に貼り付けられた複数のシールを台紙から剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出すシール繰り出し手段と、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールを載置する平面状の載置面を有するシール台座と、シール台座に載置されたシールを把持し、このシールを所定の対象物に貼り付けるシール把持手段とを備え、シール台座は、載置面と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールと当接することによって、シールの反りを押さえる当接部を有する押さえ部材を備え、押さえ部材は、繰り出し方向に対して直交する方向に沿って、シール台座側に向かうにしたがって下降するように傾斜する押さえ板を備え、押さえ板は、当接部のシール繰り出し手段側に形成された切欠き部を有し、押さえ部材の当接部と、シール台座の載置面との間隔は、押さえ板の傾斜、および切欠き部によって、シール繰り出し手段側よりもシール繰り出し手段と反対側を狭くするように設定されていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、シール貼付装置は、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールを載置する平面状の載置面を有するシール台座を備え、シール台座は、載置面と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールと当接することによって、シールの反りを押さえる当接部を有する押さえ部材を備えているので、シールの反りを抑制することができ、対象物にシールを正常に貼り付けることができる。
また、押さえ部材の当接部と、シール台座の載置面との間隔は、押さえ板の傾斜、および切欠き部によって、シール繰り出し手段側よりもシール繰り出し手段と反対側を狭くするように設定されているので、シール繰り出し手段は、押さえ部材の当接部と、シール台座の載置面との間にスムーズにシールを繰り出すことができる。
【0008】
本発明では、シール台座に載置されたシールの姿勢を検出する姿勢検出手段と、シール貼付装置の全体を制御する制御手段とを備え、制御手段は、姿勢検出手段にて検出されたシールの姿勢に基づいて、シール台座に載置されたシールをシール把持手段に把持させることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、押さえ部材にてシールの反りを押さえることができるので、姿勢検出手段は、シール台座に載置されたシールの姿勢を確実に検出することができる。そして、制御手段は、姿勢検出手段にて検出されたシールの姿勢に基づいて、シール台座に載置されたシールをシール把持手段に把持させるので、シール把持手段は、シール台座に載置されたシールを確実に把持することができる。
【0010】
本発明では、押さえ部材の当接部は、シールの外縁部と当接することによって、シールの反りを押さえることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、押さえ部材の当接部は、シールの外縁部と当接することによって、シールの反りを押さえるので、シール把持手段は、シール台座に載置されたシールを把持する場合に、その動作を押さえ部材に阻害されにくくなる。したがって、シール把持手段は、シール台座に載置されたシールを確実に把持することができる。
【0012】
本発明では、押さえ部材は、シール把持手段にてシールを把持する際、シール把持手段に押されることによって、シール台座の載置面に沿って移動し、シールの反りを押えた状態を解除することが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、押さえ部材は、シール把持手段にてシールを把持する際、シール把持手段に押されることによって、シール台座の載置面に沿って移動し、シールの反りを押えた状態を解除するので、シール把持手段は、シール台座に載置されたシールを把持する場合に、その動作を押さえ部材に阻害されにくくなる。したがって、シール把持手段は、シール台座に載置されたシールを確実に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】閉蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図
図2】開蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図
図3】コンパクトの装填装置を示す上面図
図4】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置を示す斜視図
図5】ラベル貼付装置を示す上面図
図6】ラベル貼付装置の要部を拡大した拡大上面図
図7】押さえ部材の近傍を拡大した拡大図
図8】ラベル貼付装置の機能を示すブロック図
図9】ラベル貼付装置にて実行されるラベル貼付処理のフローチャートを示す図
図10】ラベル繰り出し手段にてラベルを台紙から剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出した状態を示す図
図11】ラベル繰り出し手段にてラベルを繰り出す直前の状態を示す図
図12】ラベル繰り出し手段にてラベルを繰り出した直後の状態を示す図
図13】ステージに載置されたラベルをロボットアームに把持させている状態を示す図
図14】ステージに載置されたラベルをロボットアームに把持させている状態を示す拡大図
図15】ロボットアームに把持させたラベルを容器本体に貼り付けている状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のコンパクトの装填装置は、化粧料を充填した中皿と、ブラシとを容器に装填することによって、最終製品としてのコンパクトを製造する物品製造装置である。まず、このコンパクトについて説明する。
【0018】
図1は、閉蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図である。図2は、開蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図である。具体的には、図1(A)および図2(A)は、コンパクトの上面図であり、図1(B)および図2(B)は、コンパクトの側面図である。
コンパクト100は、図1および図2に示すように、容器20と、この容器20に装填された中皿DおよびブラシBとを備えている(図2(A)参照)。
【0019】
容器20は、容器本体201と、容器本体201を蓋する蓋部材202とを備えている。
容器本体201は、化粧料C1を充填した中皿Dを収容する収容部201Aと、ブラシBを収容する収容部201Bとを備えている。
蓋部材202は、矩形板状のミラーMと、このミラーMを収容する収容部202Aとを備えている。
【0020】
また、容器20は、容器本体201の一端および蓋部材202の一端を回動自在に接続するヒンジ部203と、容器本体201の他端および蓋部材202の他端を開閉自在に係合するフック部204とを有している。この容器20は、ヒンジ部203を回動させてフック部204を係合して閉蓋状態とすることによって、全体形状が略直方体状となる。
【0021】
図3は、コンパクトの装填装置を示す上面図である。具体的には、図3は、コンパクトの装填装置1を鉛直上方側から見た模式図である。なお、図3では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
コンパクトの装填装置1は、図3に示すように、複数の容器20を収容したパレット2を所定方向(X軸方向)に沿って搬送することによって、複数の容器20を搬送するコンベアVを備えている。
【0022】
また、コンパクトの装填装置1は、容器供給装置3と、ラベル貼付装置4と、容器移載装置5と、容器開蓋装置6と、中皿清掃装置7と、中皿装填装置8と、ブラシ装填装置9と、パレット調整装置10と、容器排出装置11とを備え、これらの装置3~11は、コンベアVの上流側から下流側に向かって配設されている。
なお、コンベアVおよび装置3~11は、ガラス板を嵌め込まれたフレームにて密閉された領域の内部に収納されている(図示略)。作業者は、コンベアVおよび装置3~11の近傍にそれぞれ配設された扉を開くことによって、コンベアVおよび装置3~11のメンテナンス等を実施できる。
【0023】
コンベアVは、6個の容器20を供給したパレット2を所定方向(X軸方向)に沿って搬送することによって、容器20を搬送する。
コンベアVは、パレット2を+X軸方向に搬送することによって、容器20を搬送する往路用コンベアV1と、往路用コンベアV1と平行に配設されるとともに、パレット2を-X軸方向に搬送することによって、パレット2を往路用コンベアV1の上流側に搬送する復路用コンベアV2とを備えている。
【0024】
また、コンベアVは、復路用コンベアV2にて往路用コンベアV1の上流側に搬送されてきたパレット2を往路用コンベアV1に送り出す往路用送出機構(図示略)と、往路用コンベアV1にて復路用コンベアV2の上流側に搬送されてきたパレット2を復路用コンベアV2に送り出す復路用送出機構(図示略)とを備えている。
【0025】
したがって、コンベアVは、パレット2を往路用コンベアV1にて+X軸方向に搬送した後、復路用送出機構にて復路用コンベアV2に送り出し、復路用コンベアV2にて-X軸方向に搬送した後、往路用送出機構にて往路用コンベアV1に再び送り出すので、パレット2をZ軸まわりに回転させるように巡回させて搬送する。
【0026】
容器供給装置3は、作業者によってメインコンベア33に載置された容器20をラベル貼付装置4に搬送する。ここで、作業者は、閉蓋状態の容器本体201を鉛直上方側とし、蓋部材202を鉛直下方側とし、表裏反転させた容器20を容器供給装置3に載置する。
【0027】
ラベル貼付装置4は、-Y軸方向に向かって容器20を搬送する搬送路41と、搬送路41にて搬送されている容器20に対して鉛直上方側からラベルを貼り付ける貼付機構42とを備えている。ここで、容器20は、表裏反転しているので、ラベル貼付装置4は、容器本体201にラベルを貼り付けている。
容器移載装置5は、搬送路41を介して+X軸方向に向かって搬送されている容器20をパレット2に移載する。具体的には、容器移載装置5は、6個の容器20をパレット2に移載する。
なお、容器20は、ラベル貼付装置4にてラベルを貼り付けられた後、容器移載装置5にてパレット2に移載される前、換言すれば搬送路41を介して+X軸方向に向かって搬送されているときに、閉蓋状態の容器本体201を鉛直下方側とし、蓋部材202を鉛直上方側とするように反転させている。
【0028】
容器開蓋装置6は、パレット2に供給された容器20のフック部204の係合を解除した後、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋する。
中皿清掃装置7は、中皿Dを鉛直上方側から把持するインデックス71と、中皿Dを鉛直下方側から把持するインデックス72とを備え、インデックス71およびインデックス72に把持された中皿Dの底面、各側面、および上面の周縁部の6面を清掃する。
【0029】
中皿装填装置8は、中皿清掃装置7にて清掃された中皿Dを容器開蓋装置6にて開蓋状態とした容器20のそれぞれに装填する。具体的には、中皿装填装置8は、容器20の収容部201Aにホットメルト接着剤を塗布した後、化粧料C1を充填した中皿Dを装填する。
ブラシ装填装置9は、ブラシBを載置する載置台91と、載置台91に載置されたブラシBを容器20に装填する装填機構92を備えている。この装填機構92は、中皿装填装置8にて中皿Dを装填した容器20のそれぞれにブラシBを装填する。具体的には、ブラシ装填装置9は、容器20の収容部201BにブラシBを装填する。
【0030】
パレット調整装置10は、容器20の大きさに合わせてパレット2の調整を実施する。ここで、パレット2は、6個の容器20を収容できるとともに、その収容幅を調整できるようになっている。パレット調整装置10は、このパレット2の収容幅の調整を実施する。
容器排出装置11は、容器20を排出する排出路111と、容器20をパレット2から排出路111に移載する移載機構112とを備え、この移載機構112にて容器20をパレット2から排出路111に移載して排出する。
【0031】
以下、本発明のラベル貼付装置4の詳細構成について説明する。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置を示す斜視図である。図5は、ラベル貼付装置を示す上面図である。
ラベル貼付装置4は、前述したように、-Y軸方向に向かって容器20を搬送する搬送路41と、搬送路41にて搬送されている容器20に対して鉛直上方側からラベルを貼り付ける貼付機構42とを備えている。
貼付機構42は、図4および図5に示すように、搬送路41の+X軸方向側に配置されたシール繰り出し手段としてのラベル繰り出し手段43と、搬送路41およびラベル繰り出し手段43の間に配置されたシール台座としてのステージ44と、ラベル繰り出し手段43およびステージ44の+Y軸方向側に配置されたシール把持手段としてのロボットアーム45とを備えている。
【0033】
ラベル繰り出し手段43は、ロール状に巻き回された台紙Sに貼り付けられた複数のシールとしてのラベルLを台紙Sから剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出す。
このラベル繰り出し手段43は、台紙Sをロール状に巻き回したロール体SRのロール軸SR1を回転自在に支持する第1支持軸431と、ステージ44の+X軸方向側にステージ44と隣り合うようにして配置された矩形板状のプレート432と、プレート432に掛け回された台紙Sを巻き取るロール軸SR2を支持する第2支持軸433と、台紙Sを巻き取る方向に向かって第2支持軸433を回転駆動するモータ434(図5参照)と、台紙Sをプレート432に掛け回すべくプレート432の上面側および下面側のそれぞれに配置されたローラ435A,435Bとを備えている。
また、ラベル繰り出し手段43は、第1支持軸431、プレート432、第2支持軸433、モータ434、およびローラ435A,435Bを取り付けるベース436を備えている。
【0034】
ステージ44は、平面状の載置面441を有している。この載置面441は、ラベルLの粘着面を鉛直下方側に向けた状態にしてラベル繰り出し手段43にて繰り出されたラベルLを載置する。なお、載置面441には、ラベルLを載置した場合にラベルLを剥離しやすくなるように表面加工を施している。
また、ステージ44は、載置面441と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、ラベル繰り出し手段43にて繰り出されたラベルLと当接することによって、ラベルLの反りを押さえる当接部461Aを有する押さえ部材46を備えている。
【0035】
図6は、ラベル貼付装置の要部を拡大した拡大上面図である。図7は、押さえ部材の近傍を拡大した拡大図である。具体的には、図7(A)は、押さえ部材の近傍を上面側から見た図であり、図7(B)は、押さえ部材の近傍を側面側(+Y軸方向側)から見た図である。
押さえ部材46は、図6および図7に示すように、当接部461Aを有する押さえ板461と、X軸に沿って延在するとともに、押さえ板461を支持する支持板462と、支持板462をZ軸まわりに回動自在に支持する回動軸463Aを有する平面視略L字状の基台463と、支持板462および基台463に取り付けられるとともに、支持板462を+Y軸方向に向かって付勢するバネ464とを備えている。
【0036】
ここで、押さえ部材46の押さえ板461は、ステージ44側に向かうにしたがって下降するように傾斜して支持板462に支持されている(図4参照)。また、押さえ板461は、当接部461Aの+X軸方向側に形成された切欠き部461Bを有している。
そして、この押さえ板461の傾斜、および切欠き部461Bによって、押さえ部材46の当接部461Aと、ステージ44の載置面441との間隔は、ラベル繰り出し手段43側(+X軸方向側)よりもラベル繰り出し手段43と反対側(-X軸方向側)を狭くするように設定されている(図7(B)参照)。
【0037】
ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを把持し、このラベルLを所定の対象物としての容器本体201に貼り付ける。
このロボットアーム45は、図4図6に示すように、ラベルLを吸着する矩形板状のパッド451と、パッド451をX,Y,Zの3軸方向に移動させるロボット本体452と、パッド451の板面と直交する方向を軸として回動自在となるように、パッド451およびロボット本体452を接続する接続軸453(図4参照)とを備えている。したがって、ロボットアーム45は、パッド451をX,Y,Zの3軸方向に移動させることができる。また、ロボットアーム45は、接続軸453を回動させることによって、パッド451の板面と直交する方向を軸としてパッド451を回動させることができる。
なお、図4,5では、ロボットアーム45の稼働状態を図示し、図6では、ロボットアーム45の初期状態を図示している。
【0038】
図8は、ラベル貼付装置の機能を示すブロック図である。
ラベル貼付装置4は、前述した搬送路41および貼付機構42を備えている他、図8に示すように、姿勢検出手段47と、制御手段48とを備えている。
姿勢検出手段47は、ステージ44に載置されたラベルLの姿勢を検出する。具体的には、本実施形態では、姿勢検出手段47は、CCD(Charge-Coupled Device)カメラであり、ステージ44の載置面441に載置されたラベルLの表面に印字された文字情報を含めたラベルLの全体を撮像することによって、ステージ44に載置されたラベルLの姿勢を検出する。
【0039】
制御手段48は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この制御手段48は、ラベル制御部481と、姿勢検出制御部482と、アーム制御部483とを備えている。
【0040】
ラベル制御部481は、ラベル繰り出し手段43のモータ434を駆動することによって、ロール状に巻き回された台紙Sに貼り付けられた複数のシールとしてのラベルLを台紙Sから剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出す。
姿勢検出制御部482は、ステージ44の載置面441に載置されたラベルLの表面に印字された文字情報を含めたラベルLの全体を姿勢検出手段47に撮像させることによって、ステージ44に載置されたラベルLの位置や姿勢を検出する。
【0041】
アーム制御部483は、姿勢検出手段47にて検出されたラベルLの位置や姿勢に基づいて、ステージ44に載置されたラベルLをロボットアーム45に把持させる。
また、アーム制御部483は、ロボットアーム45に把持させたラベルLを容器本体201に貼り付ける。
【0042】
図9は、ラベル貼付装置にて実行されるラベル貼付処理のフローチャートを示す図である。
ラベル貼付装置4にて容器本体201にラベルを貼り付ける場合には、制御手段48は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、図9に示すように、ステップST1~ST4を実行する。
以下、ステップST1~ST4の詳細について、図面を参照して説明する。
【0043】
図10は、ラベル繰り出し手段にてラベルを台紙から剥がすとともに、所定方向に沿って繰り出した状態を示す図である。
まず、ラベル制御部481は、ラベル繰り出し手段43のモータ434を駆動することによって、図10の矢印にて示すように、ロール状に巻き回された台紙Sに貼り付けられた複数のラベルLを台紙Sから剥がすとともに、-X軸方向に向かって繰り出す(ST1:ラベル繰り出しステップ)。
【0044】
図11は、ラベル繰り出し手段にてラベルを繰り出す直前の状態を示す図である。具体的には、図11(A)は、押さえ部材の近傍を上面側から見た図であり、図11(B)は、押さえ部材の近傍を側面側(+Y軸方向側)から見た図である。
ラベル繰り出し手段43にてラベルLを台紙Sから剥がすとともに、-X軸方向に向かって繰り出すと、台紙Sは、ロール状に巻き回されているので、図11に示すように、台紙Sを送ってラベルLを貼り付けたことに起因する巻き数の減少に伴って、台紙Sの巻きに沿った反りをラベルLに発生させてしまう場合がある(図11(B)参照)。
【0045】
図12は、ラベル繰り出し手段にてラベルを繰り出した直後の状態を示す図である。図12(A)は、押さえ部材の近傍を上面側から見た図であり、図12(B)は、押さえ部材の近傍を側面側(+Y軸方向側)から見た図である。
これに対して、ステージ44は、載置面441と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、ラベル繰り出し手段43にて繰り出されたラベルLと当接することによって、ラベルLの反りを押さえる当接部461Aを有する押さえ部材46を備えているので、図12に示すように、ラベルLの反りを抑制することができる(図12(B)参照)。
また、押さえ部材46の当接部461Aは、ラベルLの外縁部と当接することによって、ラベルLの反りを押さえている(図12(A)参照)。
【0046】
ラベルLを台紙Sから剥がすとともに、-X軸方向に向かって繰り出した後、姿勢検出制御部482は、ステージ44の載置面441に載置されたラベルLの表面に印字された文字情報を含めたラベルLの全体を姿勢検出手段47に撮像させることによって、ステージ44に載置されたラベルLの位置や姿勢を検出する(ST2:ラベル姿勢の検出ステップ)。
【0047】
図13は、ステージに載置されたラベルをロボットアームに把持させている状態を示す図である。
アーム制御部483は、図13に示すように、姿勢検出手段47にて検出されたラベルLの位置や姿勢に基づいて、ステージ44に載置されたラベルLをロボットアーム45に把持させる(ST3:ラベルの把持ステップ)。具体的には、アーム制御部483は、ロボットアーム45を駆動することによって、姿勢検出手段47にて検出されたラベルLの位置や姿勢に応じてパッド451を移動および回動させた後(図13矢印参照)、パッド451にてラベルLを吸着することによって、ステージ44に載置されたラベルLをロボットアーム45に把持させている。
【0048】
図14は、ステージに載置されたラベルをロボットアームに把持させている状態を示す拡大図である。具体的には、図14(A)は、押さえ部材の近傍を上面側から見た図であり、図14(B)は、押さえ部材の近傍を側面側(+Y軸方向側)から見た図である。
ロボットアーム45にてラベルLを把持する際、押さえ部材46は、図14に示すように、ロボットアーム45のパッド451に押されることによって、回動軸463Aまわりに回動することになる。具体的には、押さえ部材46の押さえ板461は、ステージ44の載置面441に沿って-Y軸方向に向かって移動し、ラベルLの反りを押えた状態を解除する(図14(A)矢印参照)。
【0049】
図15は、ロボットアームに把持させたラベルを容器本体に貼り付けている状態を示す図である。
アーム制御部483は、図15に示すように、ロボットアーム45に把持させたラベルLを容器本体201に貼り付ける(ST4:ラベルの貼り付けステップ)。具体的には、アーム制御部483は、ロボットアーム45に把持させたラベルLを容器本体201に貼り付ける際、搬送路41にて搬送されている容器20の位置や姿勢に係る情報をCCDカメラ(図示略)にて検出し、この検出した情報に基づいて、ロボットアーム45を駆動することによって、CCDカメラにて検出された容器本体201の位置や姿勢に応じてパッド451を移動および回動させた後(図15矢印参照)、パッド451にてラベルLを吸着した状態を解除することによってラベルLを容器本体201の所定の位置に貼り付けている。
【0050】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)ラベル貼付装置4は、ラベル繰り出し手段43にて繰り出されたラベルLを載置する平面状の載置面441を有するステージ44を備え、ステージ44は、載置面441と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、ラベル繰り出し手段43にて繰り出されたラベルLと当接することによって、ラベルLの反りを押さえる当接部461Aを有する押さえ部材46を備えているので、ラベルLの反りを抑制することができ、容器本体201にラベルLを正常に貼り付けることができる。
【0051】
(2)押さえ部材46にてラベルLの反りを押さえることができるので、姿勢検出手段47は、ステージ44に載置されたラベルLの姿勢を確実に検出することができる。そして、制御手段48は、姿勢検出手段47にて検出されたラベルLの姿勢に基づいて、ステージ44に載置されたラベルLをロボットアーム45に把持させるので、ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを確実に把持することができる。
(3)押さえ部材46の当接部461Aは、ラベルLの外縁部と当接することによって、ラベルLの反りを押さえるので、ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを把持する場合に、その動作を押さえ部材46に阻害されにくくなる。したがって、ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを確実に把持することができる。
【0052】
(4)押さえ部材46は、ロボットアーム45にてラベルLを把持する際、ロボットアーム45に押されることによって、ステージ44の載置面441に沿って移動し、ラベルLの反りを押えた状態を解除するので、ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを把持する場合に、その動作を押さえ部材46に阻害されにくくなる。したがって、ロボットアーム45は、ステージ44に載置されたラベルLを確実に把持することができる。
(5)押さえ部材46の当接部461Aと、ステージ44の載置面441との間隔は、ラベル繰り出し手段43側よりもラベル繰り出し手段43と反対側を狭くするように設定されているので、ラベル繰り出し手段43は、押さえ部材46の当接部461Aと、ステージ44の載置面441との間にスムーズにラベルLを繰り出すことができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、コンパクトの装填装置1にラベル貼付装置4を採用していたが、これ以外の装置に本発明のシール貼付装置を採用してもよい。
また、前記実施形態では、ラベル貼付装置4は、ステージ44に載置されたラベルLの姿勢を検出する姿勢検出手段47を備えていたが、姿勢検出手段47を備えていなくてもよい。
また、前記実施形態では、押さえ部材46の当接部461Aは、ラベルLの外縁部の1箇所と当接することによって、ラベルLの反りを押さえていたが、これ以外の部位や、複数の箇所と当接することによって、ラベルLの反りを押さえてもよい。要するに、押さえ部材は、載置面と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールと当接することによって、シールの反りを押さえる当接部を有していればよい。
【0054】
また、前記実施形態では、押さえ部材46は、ロボットアーム45にてラベルLを把持する際、ロボットアーム45に押されることによって、ステージ44の載置面441に沿って移動し、ラベルLの反りを押えた状態を解除していたが、ロボットアーム45の動作を押さえ部材46に阻害されなくて済むような場合には、ラベルLの反りを押えた状態を解除しないようになっていてもよい。
【0055】
また、前記実施形態では、押さえ部材46の当接部461Aと、ステージ44の載置面441との間隔は、ラベル繰り出し手段43側よりもラベル繰り出し手段43と反対側を狭くするように設定されていたが、これとは逆に広くするように設定されていてもよく、一様となるように設定されていてもよい。要するに、押さえ部材は、載置面と所定の間隔を隔てて配置されるとともに、シール繰り出し手段にて繰り出されたシールと当接することによって、シールの反りを押さえる当接部を有していればよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明は、コンパクト等の対象物にシールを貼り付けるシール貼付装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0057】
4 ラベル貼付装置(シール貼付装置)
41 搬送路
42 貼付機構
43 ラベル繰り出し手段(シール繰り出し手段)
44 ステージ(シール台座)
45 ロボットアーム(シール把持手段)
46 押さえ部材
47 姿勢検出手段
48 制御手段
201 容器本体(対象物)
441 載置面
451 パッド
452 ロボット本体
453 接続軸
461 押さえ板
461A 当接部
461B 切欠き部
462 支持板
463 基台
463A 回動軸
464 バネ
481 ラベル制御部
482 姿勢検出制御部
483 アーム制御部
L ラベル(シール)
S 台紙
図1
図2
図3
図4
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図15